HA17431 シリーズ シャントレギュレータ 概要 HA17431 は温度補償された可変シャントレギュレータです。精密電源はもとより,ツェナーダイオードの 置き換えとしても使用できます。耐圧 40V の標準品と耐圧 16V の高精度品とを取りそろえております。特に 高精度 MPA K-5 品はスイッチング電源の 2 次側エラー増幅回路での使用に便利なようにフォトカプラ用バイ パス抵抗を内蔵させております。 特長 l 高精度基準電圧源内蔵:2.500V ± 1% (Ta = 25°C, HA17431VLP/VP/VPJ) l フォトカプラ用バイパス抵抗内蔵 (HA17431VLP) l 基準電圧の温度係数が小さい l 高密度実装に適した UPAK, MPAK-5 品あり l 自動車用あり ブロック図 K PS* 2kΩ REF + – 2.500V A 注)* PS端子はHA17431VLPのみ HA17431 シリーズ 応用回路例 スイッチング電源の2次側エラー増幅回路 Vout R R1 + – K PS 2kΩ REF R2 A GND HA17431VLP 製品ラインアップ リファレンス電源精度 項目 自動車用 標準タイプ A タイプ V タイプ ±4% 2.395V∼ ±2.2% 2.440V∼ ±1% 2.475V∼ 2.495V∼ 2.495V∼ 2.500V∼ 2.595V 2.550V ○ 2.525V HA17431FPAJ HA17431FPJ ○ HA17431PJ HA17431FP ○ HA17431P ○ –20∼+85°C FP-8D ○ TO-92MOD HA17431PA ○ TO-92MOD HA17431PNA ○ TO-92 HA17431UPA ○ UPAK HA17432UPA ○ UPAK ○ ○ HA17431VP 2 TO-92 FP-8D ○ HA17431VLP 一般用 TO-92 ○ HA17431FPA –40∼+85°C TO-92MOD HA17431VPJ 通信工業用 FP-8D TO-92MOD ○ HA17431PNAJ 動作温度範囲 FP-8D ○ HA17431PAJ パッケージ MPAK-5 TO-92 HA17431UA ○ UPAK HA17432UA ○ UPAK –20∼+85°C HA17431 シリーズ ピン配置図 NC 5 1 A PS 2 4 3 REF A K 1 REF 2 3 K A UPAK (HA17431UA/UPA) MPAK-5 REF NC 8 7 A 6 NC 5 1 2 3 A REF UPAK (HA17432UA/UPA) K マーク面 マーク面 1 1 K 2 3 4 NC NC NC FP-8D 2 3 REF A K TO-92 1 2 3 REF A K TO-92MOD 3 HA17431 シリーズ 絶対最大定格 (Ta = 25°C) 定格値 項目 記号 HA17431VLP HA17431VP HA17431VPJ 単位 注 カソード電圧 VKA 16 16 16 V 1 PS 端子電圧 VPS VKA ∼16 ― ― V 1, 2, 3 IK –50∼+50 –50∼+50 –50∼+50 mA Iref –0.05∼+10 –0.05∼+10 –0.05∼+10 mA 連続カソード電流 リファレンス入力電流 許容損失 PT 150 * 4 500 * 5 500 * 5 mW 動作温度範囲 Topr –20∼+85 –20∼+85 –40∼+85 °C 保存温度 Tstg –55∼+150 –55∼+150 –55∼+150 °C 4, 5 定格値 項目 記号 カソード電圧 VKA 40 40 40 V IK –100∼+150 –100∼+150 –100∼+150 mA Iref –0.05∼+10 –0.05∼+10 –0.05∼+10 mA 連続カソード電流 リファレンス入力電流 許容損失 PT HA17431P/PA 800 * HA17431FP/FPA HA17431UA/UPA 単位 6 500 * 7 800 * 8 mW 動作温度範囲 Topr –20∼+85 –20∼+85 –20∼+85 °C 保存温度 Tstg –55∼+150 –55∼+125 –55∼+150 °C 注 1 6, 7, 8 定格値 項目 記号 カソード電圧 VKA 40 IK –100∼+150 Iref –0.05∼+10 –0.05∼+10 mA 連続カソード電流 リファレンス入力電流 許容損失 HA17431PJ/PAJ PT 800 * 単位 注 40 V 1 –100∼+150 mA HA17431FPJ/FPAJ 6 500 * 7 mW 動作温度範囲 Topr –40∼+85 –40∼+85 °C 保存温度 Tstg –55∼+150 –55∼+125 °C 6, 7 定格値 項目 記号 カソード電圧 VKA 40 40 IK –100∼+150 –100∼+150 Iref –0.05∼+10 –0.05∼+10 –0.05∼+10 mA 連続カソード電流 リファレンス入力電流 許容損失 PT HA17432UA/UPA 800 * 8 HA17431PNA 500 * 5 単位 注 40 V 1 –100∼+150 mA HA17431PNAJ 500 * 5 mW 動作温度範囲 Topr –20∼+85 –20∼+85 –40∼+85 °C 保存温度 Tstg –55∼+150 –55∼+150 –55∼+150 °C 注) 5, 8 1. 電圧値はアノード端子を基準とします。 2. PS 端子は HA17431VLP のみに装備しています。したがって HA17431VP/VPJ には適用しません。 4 HA17431 シリーズ 3. PS 端子は K 端子より低い電圧にしないでください (VPS ≧VKA )。 PS 端子未使用の場合は K 端子に接続してご使用ください。 4. この値は Ta = 25°C の値であり,それ以降は 1.2mV/°C でディレーティングしてください。 5. この値は Ta = 25°C の値であり,それ以降は 4mV/°C でディレーティングしてください。 6. この値は Ta = 25°C までの値であり,それ以降は 6.4mW/°C でディレーティングしてください。 7. この値は 50mm × 50mm × 1.5t 配線密度 5%のガラスエポキシ基板実装時の Ta = 25°C までの値で あり,それ以降は 5mW/°C でディレーティングしてください。 8. この値は 15m m×25m m×0. 7mm アルミナセラミック基板実装時の Ta = 25° C までの値であり, それ以降は 6.4mW/°C でディレーティングしてください。 電気的特性 l HA17431VLP/VP/VPJ (指定なき場合 Ta = 25°C, IK = 10mA) 項目 記号 Min Typ Max 単位 Vref 2.475 2.500 2.525 V Vref(dev) ― 10 ― mV ∆Vref / ∆Ta ― ±30 ― ppm / °C VKA = Vref 0°C∼50°C の勾配 ∆Vref / ∆VKA ― 2.0 3.7 mV / V VKA = Vref∼16V Iref ― 2 6 µA R1 = 10kΩ, R2 = ∞ Iref(dev) ― 0.5 ― µA R1 = 10kΩ, R2 = ∞ Ta = –20°C∼+85°C 最小カソード電流 Imin ― 0.4 1.0 mA VKA = Vref オフ時カソード電流 Ioff ― 0.001 1.0 µA VKA = 16V, Vref = 0V ダイナミック ZKA ― 0.2 0.5 Ω VKA = Vref I K = 1mA∼50mA RPS 1.6 2.0 2.4 ∆RPS / ∆Ta ― +2000 ― リファレンス電圧 リファレンス 電圧温度変化 リファレンス 電圧温度係数 リファレンス 測定条件 注 VKA = Vref VKA = Vref Ta = –20°C∼+85°C 1 電圧変動率 リファレンス 入力電流 リファレンス 電流温度変化 インピーダンス バイパス抵抗 バイパス抵抗温度 係数 kΩ I PS = 1mA ppm / °C I PS = 1mA 0°C∼50°C の勾配 2 3 3 5 HA17431 シリーズ l HA17431PJ/PAJ/FPJ/FPAJ/P/PA/UA/UPA/FP/FPA/PNA/PNAJ, HA17432UA/UPA (指定なき場合 Ta = 25°C,IK = 10mA) 項目 記号 リファレンス電圧 Min Vref Typ Max 単位 V 測定条件 注 A タイプ 2.440 2.495 2.550 2.395 2.495 2.595 ― 11 (30) ― 5 (17) ― 1.4 3.7 +70°C mV / V ∆VKA = Vref∼10V ― 1 2.2 ∆VKA = 10V∼40V Iref ― 3.8 6 µA R1 = 10kΩ, R2 = ∞ Iref(dev) ― 0.5 (2.5) µA R1 = 10kΩ, R2 = ∞ Ta = 0°C∼+70°C 6 最小カソード電流 Imin ― 0.4 1.0 mA VKA = Vref 2 オフ時カソード電流 Ioff ― 0.001 1.0 µA VKA = 40V, Vref = 0V ダイナミック ZKA ― 0.2 0.5 Ω VKA = Vref I K = 1mA∼100mA リファレンス Vref(dev) VKA = Vref 標準タイプ mV VKA = Vref Ta = –20°C∼ 電圧温度変化 1, 5 +85°C ∆Vref / ∆VKA リファレンス 電圧変動率 リファレンス Ta = 0°C∼ 4, 5 入力電流 リファレンス 電流温度変化 インピーダンス 注) 1. Vref (de v) = (Ta = –20° C∼+85° C における Vref 最大値) – (Ta = –20° C∼+85° C における Vref 最小値) Vref(dev) +85 –20 Ta (°C) 2. 最小カソード電流の定義 Imin は,Vref = Vref (I K = 10mA) – 15mV になるカソード電流値です。 3. RPS は,HA17431VLP に内蔵されています。 4. Vref(dev) = (Ta = 0°C∼+70°C における Vref 最大値) – (Ta = 0°C∼+70°C における Vref 最小値) Vref(dev) 0 +70 Ta (°C) 5. リファレンス電圧温度変化 Vref(dev)の仕様の max 値は設計値です。したがって参考値です。 6. リファレンス入力電流温度変化 Iref(dev)の仕様の max 値は設計値です。したがって参考値です。 6 HA17431 シリーズ マークパターンについて MPA K 品,UP AK 品は,パッケージが小さいため,以下のマークパターンを表示しております。製品コー ドとマークパターンが異なりますので注意してください。 また,パターンはレーザー印刷されます。 HA17431VLP NC (1) (2) 4 P (a) (b) REF HA17431UA HA17431UPA HA17432UA HA17432UPA PS (4) (c) A REF 4 A (1) (2) REF (1) A K 4 A バンドマーク K B (2) A A バンドマーク K K (3) (4) (5) (3) (4) 4 C (1) (2) K A 4 F (1) (2) (3) (4) A バンドマーク バンドマーク REF REF (3) (5) (4) (5) (5) 注) 図中にある (1)∼(5),(a)∼(c) の外枠 "□" は文字の位置を示すもので,実際には表示されません。 マーク表示 位置 表示形式 (1), (2) 文字表示 表示の意味 形名コード HA17431VLP : 4P HA17431UA : 4A HA17431UPA : 4B HA17432UA : 4C HA17432UPA : 4F 生産年コード (西暦年号の 1 の位を表示) (3) 注 1. UPAK 品 (HA17431UA/UPA, HA17432UA/UPA) の場合のみ (a), (b), (c) バー表示 生産年コード 生産年 ’97 ’98 ’99 2000 2001 2002 2003 2004 (a) 1 1 1 1 0 0 0 0 (b) 0 0 1 1 0 0 1 1 (c) 0 1 0 1 0 1 0 1 注 2. 1 はバー表示あり,0 は表示なし。 3. 2005 年以降は 8 年ごとの繰り返し。 4. MPAK 品 (HA17431VLP) の場合のみ (4) 文字表示 生産月コード 生産月 1月 コード (5) A 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 B C D E F G H 9月 10月 11月 12月 J K L M 管理コード 注 5. UPAK 品 (HA17431UA/UPA, HA17432UA/UPA) の場合のみ 7 HA17431 シリーズ 主特性 HA17431VLP/VP/VPJ 基準電圧の温度特性 2.575 VK=Vref IK=10mA 基準電圧 Vref (V) 2.550 2.525 K 2.500 REF IK V Vref A 2.475 2.450 2.425 –20 0 20 40 60 80 85 周囲温度 Ta (°C) カソード電流 対 カソード電圧特性1 VK=Vref 0.5 0 0 1 2 3 カソード電圧 VK (V) 8 カソード電流 対 カソード電圧特性2 50 カソード電流 IK (mA) カソード電流 IK (mA) 1.0 4 5 500mV/DIV VK=Vref 0 –50 –5 0 カソード電圧 VK (V) 5 1V/DIV ダイナミックインピーダンス ZKA (Ω) HA17431 シリーズ ダイナミックインピーダンス 対 周波数特性 100 10 K 1 IK REF V VK io A 0.1 io=707µArms (=2mAP-P) 0.01 100 ZKA= 1k 10k 100k VK (Ω) io 1M 周波数 f (Hz) 0 220Ω Vo ∅ 50 GVOL –180 0 位相遅れ ∅ (度) 開ループ電圧利得 GVOL (dB) 開ループ電圧利得,位相 対 周波数特性 IK=10mA 15kΩ 10µF – + K REF Vi A 8.2kΩ –360 G = 20log 100 1k 10k 100k 1M 10M Vo (dB) Vi 周波数 f (Hz) 9 HA17431 シリーズ HA17431PJ/PAJ/FPJ/FPAJ/P/PA/UA/UPA/FP/FPA/PNA/PNAJ, HA17432UA/UPA アノード・カソード間負荷容量 に対する発振安定性 1.5 カソード電流 IK (mA) 150 発振領域 100 安定領域 VCC 50 CL 0 0.0001 0.001 0.01 0.1 1.0 2.0 負荷容量 CL (µF) 帰還容量なしの場合 開ループ電圧利得, 位相 対 周波数特性 (1) GV IK = 10 mA 50 0 40 φ 30 90 20 220 Ω 15 kΩ 10 µF 10 Vin 0 10 位相 (度) 開ループ電圧利得 GVOL (dB) 60 180 Vout GND 8.2 kΩ 100 1k 10 k 100 k 周波数 f (Hz) 帰還容量 (Cf) ありの場合 閉ループ電圧利得, 位相 対 周波数特性 (2) IK = 5 mA Gυ Gυ 8 180 5 φ Cf = 0.22 µF 0 200 µF Cf 2.4 kΩ Vin –4 10 50 Ω – 20 V 360 GND 100 1k 周波数 f (Hz) 10 270 2k + Vout 10 k 位相 (度) Cf = 0.022 µF 7.5 kΩ 開ループ電圧利得 GVCL (dB) 10 HA17431 シリーズ 基準電圧端子入力電流 対 カソード電圧特性 基準電圧端子入力電流 Iref (µA) 2.5 2.0 1.5 1.0 IK = 10 mA 0.5 0 5 10 15 20 25 30 35 40 カソード電圧 VK (V) 基準電圧の温度特性 パルス応対時間 2.50 INPUT (P.G) 5 VKA = Vref IK = 10 mA 2.49 基準電圧 Vref (V) 入力電圧 VI (V) 4 3 OUTPUT (Vout) 2 50 Ω 220 Ω 2.48 2.47 2.46 Vout 1 GND 2.45 P.G f = 100 kHz 0 1 2 3 4 時間 t (µs) 5 6 2.44 –20 0 20 40 60 80 85 周囲温度 Ta (°C) 11 HA17431 シリーズ カソード電流 対 カソード電圧特性 (–100 < IK < 150) と最大定格で補償している 150 基準電圧端子入力電流の温度特性 R1 = 10 kΩ R2 = ∞ IK = 10 mA 2.5 120 100 カソード電流 IK (mA) 基準電圧端子入力電流 Iref (µA) 3 2 1.5 1 80 60 40 20 0 –20 VK = Vref Ta = 25°C –40 0.5 –60 –80 0 –20 0 20 40 60 –100 80 85 –2 周囲温度 Ta (°C) カソード電流 対 カソード電圧特性 VKA = Vref Ta = 25°C オフ時カソード電流 Ioff (nA) カソード電流 IK (mA) 2 3 オフ時カソード電流の温度特性 0.6 Imin 0.4 0.2 1 2 カソード電圧 VK (V) 12 1 2 0.8 0 0 カソード電圧 VK (V) 1.2 1.0 –1 3 VKA = 40 V Vref = 0 1.5 1 0.5 –20 0 20 40 周囲温度 Ta (°C) 60 80 85 HA17431 シリーズ アプリケーションについて HA17431 動作説明 本 IC は,下図のように RE F 端子を入力とする,反転アンプとして動作します。開ループ電圧利得は,電 気的特性の『リファレンス電圧変動』の逆数で与えられ,約 50∼60dB です。 REF 端子は,高入力インピーダンスであり,入力電流 Iref = 3.8µA typ(V タイプ:Iref = 2.0µA typ)です。 また,出力端子である K(カソード)の出力インピーダンスは,ダイナミックインピーダンス ZK A として定 義され,広いカソード電流範囲で ZKA = 0.2Ωと低インピーダンスです。A(アノード)はグランドなどの最低 電位になるようにして使用します。 K REF – + VCC OUT VEE VZ ≅ 2.5V A 動作説明図 HA17431 アプリケーションヒント 応用例の名称・回路図 No. 1. 説 明 ●基準電圧発生回路 最も簡単な基準電圧回路です。抵抗 R の値は,カソー ド電流 I K≧1mA となるように設定します。 Vin Vout R K 容量接続の場合,発振防止のため通常 CL≧3.3µF とし CL REF 2. ます。 A GND GND ●可変出力シャントレギュレータ回路 Vin Vout R Iref R1 A 上記 1 において,可変出力としたものです。 Vout ≅ 2.5V × R1 + R2 となります。 R2 R1 にはリファレンス入力電流 Iref = 3.8µA typ(V タイ K REF プ:Iref = 2.0µA typ)が流れるので,これによる電圧降 CL 下が無視できるような抵抗値を選びます。 R2 GND Vout ≅ 2.5V で固定出力です。 GND 13 HA17431 シリーズ HA17431 アプリケーションヒント(つづき) 応用例の名称・回路図 No. 3. 説 明 ●単一電源反転コンパレータ回路 入力スレシュホールド電圧が約 2.5V の反転形コンパ レータです。Rin は REF 端子の保護抵抗で,数 kΩ∼数 VCC 10kΩとします。 RL は負荷抵抗で,Vout が“L”出力時のカソード電流が RL I K≧1mA となるようにします。 Vout K Rin Vin REF A GND GND 4. ●AC アンプ回路 条件 Vin Vout IC 1 2.5V未満 VCC (VOH) OFF 2 2.5V以上 約2V (VOL) ON 電圧利得が G = –R1 /(R2 // R3)の AC アンプです。入 力は容量 Cin でカットされているので,REF 端子は VCC Cf 2.5V DC を中心に AC 入力信号により駆動されます。 R2 は無入力時の直流カソード電位を決める抵抗も兼ね RL ていますが,入力レベルが小さく,Vout が VCC にクリッ R1 Vout Vin プする心配がない場合は,省略することも可能です。 K Cin R3 REF また,周波数特性を変える場合は,破線のように Cf を 接続します。 A R2 GND 利得 G = R1 (直流利得) R2 // R3 カットオフ周波数 fc = 5. 1 2πCf (R1 // R2 // R3) ●スイッチング電源のエラー増幅回路 トランスの 2 次側で制御を行い,オフライン化のため にフォトカプラを用いたスイッチング電源で,よく使用 + V R4 + LED – R1 注) 2次側GND される回路です。 出力電圧(V+∼V–間)は次式となります。 R3 Vout ≅ 2.5V × R1 + R2 R2 本回路では,Vout のエラー(誤差)に対する利得は, Cf R2 次のようになります。 G= – V HA17431の フォトカプラの R2 × × 総合利得 R1 + R2 開ループ利得 HA17431 の開ループ利得は,前述のように 50∼60dB 注) LED:フォトカプラの中の発光ダイオード R3:シャントレギュレータの最小カソード 電流を確保する抵抗 R4:LEDの保護抵抗 14 です。 HA17431 シリーズ HA17431 アプリケーションヒント(つづき) 応用例の名称・回路図 No. 6. 説 明 ●定電圧レギュレータ回路 出力電圧が Vout = 2.5V × R2 + R3 のディスクリート構 R3 成 3 端子レギュレータです。R1 は HA17431 のカソード VCC R1 電流と出力トランジスタ Q のベース電流を供給するた Q めの,バイアス抵抗です。 Vout R2 Cf R3 GND 7. GND ●吐出(はきだし)型定電流回路 VCC 負荷に対し,定電流 IL ≅ 2.5V [A]を供給する回路です。 Rs なお,I L には,HA17431 のカソード電流も重畳される R ので注意が必要です。 Q このカソード電流は Imin = 1mA 以上が必要です。した がって,I L も数 mA 以上のオーダで設定の上,ご使用く 2.5 V ださい。 RS + 負 荷 – GND 8. IL ●吸込(すいこみ)型定電流回路 上記において,負荷をトランジスタ Q のコレクタ側に 接続した回路です。この場合,負荷は GND から浮きま + VCC R 負 荷 IL – Q 2.5 V GND すが,HA17431 のカソード電流は I L に重畳されないの で,I L を小さくすることができます。(1mA 以下可能) 定電流値は,上記と同様に IL ≅ 2.5V [A]となります。 Rs RS 15 HA17431 シリーズ スイッチングレギュレータへの応用 1. トランスの 2 次側制御におけるシャントレギュレータ使用法 (HA17431系およびスイッチングレギュレー タ全品種) この事例は,フォワードトランス,フライバックトランスいずれにも適用できます。2 次側でシャントレ ギュレータをエラーアンプとして用い,フォトカプラを介して 1 次側にフィードバックを行います。 トランス R1 PWM IC HA16107/108/109/111 HA16654/664/666 SBD IF フォト トランジスタ IB VF フォト トランジスタ フォトカプラ C1 K HA17431 (+) 出力 V0 (–) Vref VK 発光 ダイオード R3 R2 R5 R4 REF A GND 図 1.1 典型的なシャントレギュレータ・エラーアンプ 2. シャントレギュレータまわりの外付け定数決定 A. DC 特性の決定 図 1.1 において,R1 ,R2 はフォトカプラ内の発光ダイオードの保護抵抗で,以下のように求まります。 フォトカプラの規格については,個別にその専門メーカーにお問い合わせください。図 1 .1 内のパラ メータを用いて,以下の式が成立します。 V – VF – VK V R1 = 0 , R2 = F IF + IB IB なお,VK は HA 17 43 1 の動作電圧であり,変動の余裕を見て 3 V 程度とします。R2 は発光ダイオード の分流保護抵抗であり,バイアス電流 IB として,IF の 1 / 5 程度流しておきます。 次に,R3 ,R4 で出力電圧を求めることができ,次式が成立します。 R + R4 V0 = 3 × Vref , Vref = 2.495V typ R4 R3 ,R4 の絶対値は,HA17431 のリファレンス入力電流 Iref と,次項の AC 特性から決まります。Iref = 3.8µA typ (V タイプ:Iref = 2.0µA typ) 程度です。 16 HA17431 シリーズ B. AC 特性の決定 これはシャントレギュレータの,エラーアンプとしての利得周波数特性を決めることです。図 1 .1 の 構成とすると,エラーアンプの特性は図 1.2 のようになります。 G1 利 得 G (dB) G2 f1 fAC R5 ≠ 0の場合 R5 = 0の場合 f2 fOSC 周波数 f(Hz) ※fOSC:PWMスイッチング周波数 図 1.2 HA17431 のエラーアンプ特性 図 1.2 において,次式が成立します。 利得 G1 = G0≒50dB(シャントレギュレータで決まる) G2 = R5 R3 コーナー周波数 f 1 = 1 / (2π C1 G0 R3) f 2 = 1 / (2π C1 R5) ただし,G0 はシャントレギュレータのオープンループ利得であり,これはリファレンス電圧変動∆Vref / ∆VKA の逆数で与えられ,約 50dB です。 3. 具体例 フォトカプラに例として内部の発光ダイオードの VF = 1 .05 V,IF = 2 .5mA のものを用い,電源の出力電圧 V2 = 5V,バイアス抵抗 R2 の電流を IF の 1 / 5 程度として 0.5mA としておきます。シャントレギュレータの VK = 3V とすれば,以下のように求まります。 5V – 1.05V – 3V R1 = = 317 (Ω) (E24系列より 330 Ω) 2.5mA + 0.5mA R2 = 1.05V / 0.5mA = 2.1 (kΩ) (E24 系列より 2.0kΩ) 次に R3 = R4 = 1 0k Ω とします。これで 5 V 出力となります。また,R5 = 3 .3k Ω, C1 = 0 .02 2µF とすれば以下 のように求まります。 G2 = 3.3kΩ / 10kΩ = 0.33 倍 (–10dB) f 1 = 1 / (2 × π × 0.022µF × 316 (倍) × 10kΩ) = 2.3 (Hz) f 2 = 1 / (2 × π × 0.022µF × 3.3kΩ) = 2.2 (kHz) 17 HA17431 シリーズ 外形寸法図 Unit: mm 1.9 ± 0.2 0.95 0.16 + 0.1 – 0.05 0 – 0.1 2.8 + 0.2 – 0.3 0.6 1.6 – 0.1 + 0.2 0.6 0.95 + 0.1 5 – 0.4 – 0.05 + 0.2 1.1 – 0.1 0.3 2.9 ± 0.2 Hitachi Code JEDEC EIAJ Weight (reference value) MPAK-5 — — 0.015 g Unit: mm 1.5 1.5 3.0 1.5 ± 0.1 0.44 Max (1.5) Hitachi Code JEDEC EIAJ Weight (reference value) 18 (0.2) 0.44 Max (0.4) (2.5) 2.5 ± 0.1 4.25 Max 0.53 Max 0.48 Max 0.8 Min φ1 0.4 4.5 ± 0.1 1.8 Max UPAK — Conforms 0.050 g HA17431 シリーズ Unit: mm 4.85 4.4 5.25 Max 5 8 1 0.75 Max *0.22 ± 0.05 0.20 ± 0.04 2.03 Max 4 0.25 6.50 +– 0.15 1.05 1.27 *0.42 ± 0.08 0.40 ± 0.06 0.10 ± 0.10 0° – 8° 0.25 0.60 +– 0.18 0.15 0.12 M *Dimension including the plating thickness Base material dimension Hitachi Code JEDEC EIAJ Weight (reference value) FP-8D — Conforms 0.10 g 19 HA17431 シリーズ Unit: mm 4.8 ± 0.3 0.7 0.60 Max 0.5 ± 0.1 12.7 Min 2.3 Max 5.0 ± 0.2 3.8 ± 0.3 0.5 1.27 2.54 Hitachi Code JEDEC EIAJ Weight (reference value) 20 TO-92 (1) Conforms Conforms 0.25 g HA17431 シリーズ Unit: mm 4.8 ± 0.3 2.3 Max 0.65 ± 0.1 0.75 Max 0.7 0.60 Max 0.5 ± 0.1 10.1 Min 8.0 ± 0.5 3.8 ± 0.3 0.5 1.27 2.54 Hitachi Code JEDEC EIAJ Weight (reference value) TO-92 Mod — Conforms 0.35 g 21 HA17431 シリーズ ご注意 1. 本書に記載の製品及び技術のうち「外国為替及び外国貿易法」に基づき安全保障貿易管理関連貨物・技術 に該当するものを輸出する場合,または国外に持ち出す場合は日本国政府の許可が必要です。 2. 本書に記載された情報の使用に際して,弊社もしくは第三者の特許権,著作権,商標権,その他の知的所 有権等の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません。また本書に記載された情報を 使用した事により第三者の知的所有権等の権利に関わる問題が生じた場合,弊社はその責を負いませんの で予めご了承ください。 3. 製品及び製品仕様は予告無く変更する場合がありますので,最終的な設計,ご購入,ご使用に際しまして は,事前に最新の製品規格または仕様書をお求めになりご確認ください。 4. 弊社は品質・信頼性の向上に努めておりますが,宇宙,航空,原子力,燃焼制御,運輸,交通,各種安全 装置, ライフサポート関連の医療機器等のように ,特別な品質・信頼性が要求され,その故障や誤動作 が直接人命を脅かしたり,人体に危害を及ぼす恐れのある用途にご使用をお考えのお客様は,事前に弊社 営業担当迄ご相談をお願い致します。 5. 設計に際しては,特に最大定格,動作電源電圧範囲,放熱特性,実装条件及びその他諸条件につきまして は,弊社保証範囲内でご使用いただきますようお願い致します。 保証値を越えてご使用された場合の故障及び事故につきましては,弊社はその責を負いません。 また保証値内のご使用であっても半導体製品について通常予測される故障発生率,故障モードをご考慮の 上,弊社製品の動作が原因でご使用機器が人身事故,火災事故, その他の拡大損害を生じないようにフェー ルセーフ等のシステム上の対策を講じて頂きますようお願い致します。 6. 本製品は耐放射線設計をしておりません。 7. 本書の一部または全部を弊社の文書による承認なしに転載または複製することを堅くお断り致します。 8. 本書をはじめ弊社半導体についてのお問い合わせ,ご相談は弊社営業担当迄お願い致します。 半 導 体グループ 北 海 道 支 社 東 北 支 社 電機システム統括営業本部 新 潟 支 店 半導体グループ電子統括営業本部 茨 城 営 業 所 松 本 営 業 所 高 崎 営 業 所 横 浜 支 社 〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目6番2号(日本ビル)(03) 3270-2111(大代) (011) 261-3131 (代) 県 央 支 店 (0462) 96-6800 (代) 川 崎 営 業 所 (044) 246-1501 (代) (022) 223-0121 (代) 沼 津 営 業 所 (0559) 51-3530 (代) (03) 3258-1111 (代) ダイヤル) 金 沢 支 店 (076)263-2351 ( イン (025) 241-8161 (代) (052) 243-3111 (代) 中 部 支 社 (03) 3270-2111 (代) 関 西 支 社 (06) 6616-1111 (大代) (029) 271-9411 (代) 中 国 支 社 (082) 223-4111 (代) (0263) 36-6632 四 国 支 社 (087) 8 31-2111 (代) (027) 325-2161 九 州 支 社 (092) 852-1111 (代) (045) 451-5000 (代) ■資料のご請求は,上記の担当営業または下記へどうぞ。 株式会社 日立製作所 半導体グループ 電子統括営業本部 半導体ドキュメント管理室 〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目6番2号(日本ビル) 電話 (03) 5201-5189 (直) FAX (03) 3270-3277 ● 製品仕様は、改良のため変更することがあります。 Copyright © Hitachi, Ltd., 1998. 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