歯科における医療事故を学ぶ ① 医療事故の現状 ②

【 目 次 】
歯科における医療事故を学ぶ
① 医療事故の現状
② 用語の解釈
③ 行政の取り組み
医療法人 真鶴会 小倉第一病院
医療安全推進者 石川俊幸
④ 歯科における医療事故の現状
① 医療事故の現状
② 用語の解釈
③ 行政の取り組み
④ 歯科における医療事故の現状
医療事故 歯科
虫歯治療の2歳児死亡
Yahoo!検索:歯科 医療事故
歯科医師を起訴
で検索した結果
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福岡地検、業過致死の罪
2003年10月17日 朝日新聞
1) 歯科医療における医療事故の特徴
(1) 治療用小器具や修復物等の肺内吸引・誤飲
水平診療が多く行われることによる治療用小器具(リー
マー、ファイル等)や歯冠修復物(インレー、クラウン等)
等の誤飲が多い。
(2) 感染
HBV、HCVおよびHIV等の感染症患者の増加に伴い、
外来での外科処置等による感染が問題になってくる。特
に歯科の場合は、血液・唾液による感染が問題である。
(3) 注射エラー
口腔外科治療時に起こること、又、麻酔時のショック等
のトラブルが多い。
2)歯科医療で発生しやすい事故の具体例
A.患者事故
(1) 注射エラー(麻酔による事故)
神経性ショックなどによるトラブルや、麻酔薬の投与量による事故。
(2) 根管治療時の器具(リーマー、ファイル等)の破折および誤飲
(3) 歯冠修復物(インレー、クラウン等)の誤飲
(4) 抜歯時の偶発症
①
②
③
④
⑥
歯牙の上顎洞迷入や上顎洞穿孔
無理な力による歯槽骨骨折
抜歯器具の滑脱による口腔周囲組織の損傷
抜歯す る歯の隣在歯の損傷 ⑤ 抜歯後の異常出血
ドライソケット
⑦ 抜歯した歯の吸引または誤飲
2)歯科医療で発生しやすい事故の具体例
2)歯科医療で発生しやすい事故の具体例
A.患者事故
B.職員事故
(5) 部位誤認
(6) 治療終了後の口唇、頬粘膜の咬傷
(7) エアータービン、エアーシリンジによる気腫の発生
(8) 歯内療法用薬物による傷害
貼薬した薬(亜鉛酸、フォルムクレゾール、フェノールカン
ファー等)の漏出による歯内の炎症、壊死、時には歯槽骨の
壊死に移行する。
(1) 感染
抜歯や歯周外科処置等の観血処置において、患者の血液
と接触する機会が多いこと。また、注射針を誤って刺す場
合。歯牙切削時や金属冠除去時に、切削片などが飛散し
眼に入る危険がある。
3) その他の主な医療事故
(1) 転倒・転落
(2) 内服予薬エラー
① 処方箋への記載ミス
② 調剤内容の間違い
③ 配薬時の対象(患者)間違い ④ 投与日や投与時刻間違い
⑤ 患者の呼名誤応答による患者間違い
(3) ABO 不適合輸血
① 血液型特定の段階での間違い
② 既血液型検査結果を利用する時の血液型の間違い
事例(1) 刑事事件
(2)札幌地裁昭和55年8月1日判決『判例時
報』987号135頁 (歯科技工士が無資格
診療・有罪)
「事件」歯科技工士が昭和53年、業として約
4ヶ月間、25名に問診、装着などの歯科医
業を行い、歯科医師法17条違反で起訴さ
れる。
「判決」有罪。懲役8月、実害は少ないとして
執行猶予3年。
③ 医師、歯科医師の輸血指示と看護婦の指示受けの間
違い
④ 輸血実施時の間違い
事例(2) 民事事件
(1)東京地裁昭和47年3月7日判決『判例時
報』678号56頁 (歯痛の受刑患者にピリン
系鎮痛剤投与し、薬疹・認容)
「事件」昭和41年、特異体質の男性受刑者
(歯痛)にピリン系の鎮痛剤グレラン末剤投
与した結果、薬疹で陰部(亀頭)に瘢痕発生。
「判決」投薬に当たり、受刑者のアレルギ−体
質を確認する注意義務を怠った、として慰
謝料5万円肯定。
院外研修会
平成16年度 第3回医療安全シンポジウム
日時:平成16年7月22日(土) 19:00〜20:30
場所:国立病院機構小倉病院地域医療研修センター
主催:北九州市小倉医師会
「各部署のコミュニケーションに関する安全管理のための工夫」
院外研修会
駆け足でどうもすみません
平成16年度 第5回医療従事者研修会
ご安全に!
日時:平成16年8月27日(土) 9:50〜16:00
場所:福岡県看護等研究研修センター 講堂
主催:社団法人福岡県看護等研究研修センター
「医療事故紛争」
東京大学大学院医学系研究科
前田正一 先生
Kokura Daiichi Hospital