環境報告書2012 改めて 「環境」 とは? 「エコらんぼ」は 当社のエコキャラクターです。 ENVIRONMENTAL R E P O R T 2012 東日本大震災そしてタイ洪水と、昨年は大きな 天災に遭遇した私ども新電元グループでしたが 改めて自然の大きさと偉大さに畏怖(いふ)される ばかりでした。 自然の脅威に驚く反面、私達の生活や企業活動 が、その自然に対して少なからぬ影響と負荷を与 えており、持続成長が可能な社会を構築し、次世 代により良い環境を遺していくためにも、環境活 動の重要性はいや増しており、企業ミッションで ある「エネルギーの変換効率を極限まで追求する ことにより、人類と社会に貢献する」を追求し省エ ネ・省資源な環境性能に優れた製品提供を行い つつ、同時に電力・水・CO2等、工場操業に於け る環境負荷の低減に寄与し、引き続き社会的責 任と生物多様性に配慮した環境活動を進めてま いります。 ここに2011年度の環境活動を御報告致します。皆様の御意見・御感想を 頂ければ幸いです。 報告期間 : 2011年4月 ~ 2012年3月 株式会社東根新電元 〒999-3701 山形県東根市大字東根甲5600-1 TEL:0237-43-5211(代表) FAX:0237-43-5256(総務部) ㈱東根新電元 http://www.h-shindengen.co.jp/ 新電元工業㈱ http://www.shindengen.co.jp/top_j/index.html 代表取締役社長 昨年、管理棟前に植えたゴーヤです。 <会社の製品紹介> <環境方針(概略)> シリコンウエーハを用いて、拡散・エッチング・写真・電 極付・ダイシング・パッケージ・検査等の各工程を経て、 半導体素子を作っています。 シリコンウエーハから・・ 自動車 基本理念 : 世界の「良き企業市民」たること 企業ミッション : エネルギーの変換効率を極限まで 追求することで人類と社会に貢献する <活動> ①法令等の順守 ②省エネ&CO2排出削減 ③省エネ型製品の開発 ④環境負荷量の把握 (LCA) ⑤省資源化 ⑥化学物質管理 ⑦グリーン調達 ⑧ゼロエミッションの継続 新 電 元 ス リ ( 埼 玉 イ ( ) 埼 玉 ー ッ 、 ㈱ 新 電 元 メ カ ト ロ ニ ク ス ㈱ ー 千 葉ク ) ) ) ※詳細は、ホームページをご覧下さい。 埼 玉 ( 製品の主な用途例 秋 田 ) ACアダプタ 山 形 ㈱ 岡 部 新 電 元 ( 理念 : 地球環境保全は人類の必須&最重要課題 方針 : 電子デバイス製品製造で、環境の保全と 負荷低減に積極的に努める <活動> (1)法令等順守 (2)汚染予防と継続的改善 (3)環境経営推進 ①省エネ ②資源有効利用 ③ゼロエミッション継続 ④グリーン調達と化学物質管理 ⑤環境負荷量の把握(LCA) ⑥汚染防止の教育訓練 ⑦環境教育と啓蒙 ㈱ 秋 田 新 電 元 ㈱ 新 電 元 ロ ジ 埼ス 玉テ ( ㈱ 東 根 新 電 元 ) インバータ照明 新電元工業株式会社 ( 薄型テレビ 新電元工業株式会社を中核に、国内各社でISO14001 のマルチコーポレート方式の認証を受けております。 (2)東根新電元の環境方針 バイク プリンタ <新電元グループ(国内)の構成> (1)新電元グループの環境方針 <生産品目> ●パワーIC ・インバータ照明用 ・モータードライバ用 ・DC/DCコンバータ ●MOSFET ●高速ダイオード ●サイリスタ 1 この他、海外にもISO14001の認証を取得した関係会社 がございます。 2 < 2011年度環境保全活動の成果 (概要) > 結 果 目 的 & 目 標 内 容 1、総CO2排出量の削減(省エネルギー) 14300t以下 ○ 13539t (A重油、電力改善等の個別目標も達成) (-5.3%) 2、グリーン調達の推進 ①成分分析表(ICPデーター)最新版の管理 ○ 管理& (グリーン調達DBへのデーター協力) 協力実施 < 順法状況 (概要) その1 > (1) 大気関係 (2) 排水関係 ボイラー11台(温水2台、貫流7台、吸収式発生機2 台)を、季節変動等を考慮しながら最適な燃焼に努めて います。また冬期の冷熱源に外気を活用しています。 尚、6ヶ月に1回のばい煙濃度測定の結果、問題ない ことを確認しております。 半導体素子製造には、大量のフッ酸、硫酸等を使用し ます。これらの廃液は社内で廃水処理を行い、条件を 満たしたことを確認してから河川放流しております。 特にフッ素(F)を含む廃液処理は、消石灰を用いた凝 集沈澱処理が必須であり、排水基準の8mg/Lを満た すよう細かな監視を実施しています。 定期の排水分析で適正処理を確認しております。 ppm 窒素酸化物 200 基準値 温水・貫流:180ppm 吸収式:260ppm 10 160 3、廃棄物の削減・リサイクル 基準:8mg/L F濃度 mg/L 8 ①埋立率≦1% Rcyc率99.2%≦ ○0.0%、99.8% ②収集運搬&処理業者の監査 4、化学物質管理徹底、製品環境負荷の把握 ①化学物質使用量の削減を進める (省エネ、省薬品改善を10件以上実施する) ○ 120 6 80 4 40 16件改善 2 0 2009 ○ 2011 年度 2010 ばい煙濃度の項目で、最も数値が高い窒素酸化物を示しました。 0 2009 2010 2011 年度 最も数値が厳しいフッ素(F)の状況を示しました。 3 (3) 廃棄物関係 2011年度の主な排出物の状況をまとめました。 紙くず類 3% 金属類 6% その他 8% 廃プラ 11% 総排出量: 421t 特管産廃: 183t 一般産廃: 238t 特・溶剤 44% 汚泥 28% 溶剤は写真工程& 洗浄で発生します。 汚泥はフッ酸の廃液 処理で発生します。 廃プラは、製品パッ ケージ樹脂の余剰分 等です。 < 順法状況 (概要) その2 > (4) 地球温暖化防止活動 (5) 化学物質関係 エネルギー管理指定工場につき、省エネを目的目標 に掲げ、使用状況を国に定期報告しております。 2007年導入のターボ冷凍機が大きく貢献し、また省エ ネ対応設備の導入&老朽更新も行っております。 改正PRTR法で指定された特定化学物質の環境中へ の排出状況を把握・報告しております。 半導体素子製造に使用される該当化学物質の取扱い の割合を示しました。 CO2換算排出量 t-CO2 304 電力のCO2換算 係数は、東北電 力㈱のHPより。 16000 14000 ※<新電元グループのゼロ・エミッションの定義> 総排出量に対して埋立量を1%以下とする 349 374 80 12000 2005年2月の「ゼロエミッション※」宣言以降、ほとん どの排出物のリサイクルを確立しました。ごく僅かに 残っている分も、リサイクルルートの開拓に努めており ます。 他 333 53 10000 2007 2008 2009 2010 2011 年度 この他、半導体製造に不可欠なPFC類の使用&排出状況を、 新電元工業を経由してJEITA(電子情報技術産業協会)に報告し ています。更に除害装置の計画的な導入への取組みも行なって おります。 年間取扱量(購入量) :44.8t 排出内訳 製品付着 2.4t 大気排出 5.7t 水系排出 0.0t 場外移動 10.6t 他は、燃焼消費や化 学変化による消費に なります。 PRTR物 取扱量 44.8t中の比率 <主な物質 (数値はPRTR法での指定番号)> 374:フッ化水素等 53:エチルベンゼン 80:キシレン 349:フェノール 333:ヒドラジン 304:鉛 4 < 2011年度の取組みと結果報告 > 事例① 電子データ活用によるコピー用紙の削減 事例② 裏塗り廃止によるレジスト使用量の削減 事例③ 洗浄周期見直しによる薬品使用量の削減 ①親会社より、配布された設計書等は紙でファイル及 び関係部署に配布していました。 ②信頼性試験では、依頼票と報告書を保管用と配布 用の2部を印刷していました。 そこで、電子データによる記録体系を構築し、コピー 用紙の使用量の削減に取組みました。 サイリスタのウエーハプロセス工程では製品特性を造 り込む為、レジストで裏塗りを行い保護を行っていまし た。 工程改善やレシピの変更を行い、製品特性評価試験 を行った結果、問題ない事が分かり裏塗りを廃止しまし た。 拡散工程では、石英部材を定期的に薬品を使用して 洗浄を行っております。石英部材の長期使用を確立し、 各種評価を行い製品に問題が無い事を確認し洗浄周 期を延長致しました。 関連書類 コピー用紙の年間削減数 設計書 関連工程 レジスト使用量の削減結果 写真工程 約5.7%の削減 使用薬品 結果 実施① 混酸 約33%削減 実施② フッ酸、硝酸 約75%削減 約2000枚の削減 信頼性試験の依頼票と報告書 副次効果として、現像廃液も削減できました。 副次効果として、コピーや印刷に係る電力、トナー等も削減と なりました。 <成果> 年間で、約2、000枚のコピー用紙と保管するファイ ルを削減する事ができました。また電子記録により、検 索の手間も省くことができました。 副次効果として、削減相当分の廃液処理薬剤の削減も 出来ました。 <成果> この機種では、約5.7%相当分のレジストの使用量 削減ができました。 < 品質保証部 > <成果> 製造部では、サークル活動で個別改善を行っていま す。他にも沢山の改善を実施し薬品使用量低減を行っ ています。 < 技術部 > < 製造部 > 5 < 2011年度の取組みと結果報告 > 事例④ 電極付け工程 事例⑤ ユーティリティ改善によるエネルギー使用量の削減 膜厚モニターウエーハの再利用 電極付け工程では、メンテナンス後やターゲット交換 後に膜厚の積層をモニターウエーハを使い確認をして います。膜厚測定後のモニターウエーハは廃棄してい ましたが、後工程のMetalドライエッチャ工程のメタル エッチレート確認用に再利用する事にしました。 ユーティリティ関係は常時稼動のものが多く、僅かな ロスが大きく影響を及ぼします。現状の処理内容、接続 系統等を見直して、設備の効率的な運転に努めまし た。(代表事例です) 事例⑥ 日常の取組み PETキャップ及びプルタブの回収も3年目となり ました。これまでエコキャップ推進協会(横浜市) に送付しポリオワクチン約45人分になりました。 今後も継続して キャップ、プルタ ブ回収を行いま す。 実施 3工場酸・アンモニア排気制御盤更新等による ① 電力削減を行いました。 実施 2工場外調機IPMモータ化を行ったことで、電 ② 力削減を行いました。 関連工程 結果 PVD工程 約27%の削減 実施 エアハンド リングユニットのインバーター省エネ ③ 設定により電力削減を行いました。(10台) 副次効果として、廃棄物処分費用も削減できました。 ユーティリティ関連 成果のまとめ <成果> PVD工程では、年間で約27%相当分のシリコンウ エーハの使用量削減ができました。 削減電力量の合計 約56.6万kWh/年 一つひとつは小さな値ですが、毎日使用するユーティリティ 設備・装置なので、見直しや改善を行うと年間で大きな効果 となりました。 < 製造部 > < 施設管理課 > < 全社展開 > 6 < 2011年度の取組みと結果報告 > (1)環境会計 環境経営の評価ツールとして2001年度より環境会 計を導入し、環境保全活動に要したコストとその効果を 把握し公開しています。(環境省ガイドラインに準拠した 算出をしています) (2)マラソンコースの清掃 東根市主催のさくらんぼマラ ソン大会が6月に開催されま す。当社周辺もコースになって いますので、構内清掃も兼ね て清掃活動を行いました。 単位:百万円 2011 投資 コスト分類 ④研究開発コスト 公害防止、環境保全、資源 循環等 有害化学物質管理等 ISO14001関連活動、法定点 検、環境負荷監視等 ー ⑤社会活動 ⑥環境損傷対応 ①事業エリア ②上下流 ③管理活動 2011 費用 14.3 26.1 0.0 2.2 0.0 35.3 0.0 0.0 環境保全団体、社会活動等 0.0 0.2 その他の保全点検等 2.3 1.6 (4)東根市環境週間への参画 東根市では毎年11月に、「環境週間ひがしね」として 色々なイベントを開催しています。弊社も東根大森工業 団地連絡協議会・環境部会(大連協・環境部会)の一員 として協力しています。 今回は「大森だんじろうの環境実験室」のうち、「はず むシャボン玉作り!」を担当しました。子供から大人ま で、多くの方々に、製作していただきました。 (3)チャレンジエコ通勤2011 地球温暖化防止のため、事業活動に伴うCO2排出量 の削減は必要ですが、毎日の社員の通勤車両からの 排出分も把握と削減が必要なのではないでしょうか? 弊社では「チャレンジエコ通勤2011」を展開し、年間約 1400Lのガソリンを削減しました。 徒歩や自転車通勤による日々の積み重ねが大きな数 値になってきます。 ↑環境実験室の状況 <備考> 投資:設備投資等 費用:減価償却費,修繕費,材料費,人件費等 ↑はずむシャボン玉の製作状況 7 < 2011年度の取組みと結果報告 > (5)スキルアップ教育 (6)東日本大震災後の電力対応 新電元環境管理センターより環境内部監査員を対象 に改正RoHS指令、ELV指令、REACH規則等の教育と 新電元における製品含有化学物質の管理教育を実施 しスキルアップを行いました。 東日本大震災の影響により電気事業法第27条に基 づき節電対策を全社で取り組みました。 計画停電等の不測の事態も考慮しレンタルの発電機 を設置しましたが、ほとんど稼働させずに済みました。 常用発電機(レンタル) ◆ 編集後記 ◆ いよいよ暑い夏が近づいてきましたが、今年は猛暑で ないと良いのですが・・・・。全国的に電力不足、節電が 叫ばれており、計画停電だけは何とか避けたいと思っ ています。 省エネ、節電対策として、〝ゴーヤ〟を植え、グリーン カーテンの準備を行いました。昨年は穴が開いたグリー ンカーテンで夏場を過ごしましたが、今年は肥料もバッ チリで青々とした葉と大きなゴーヤが育つ事でしょう。 〝よしず〟も西窓に設置し、準備万端です。 昨年は電力削減も予想以上の効果で、今となっては 〝節電〟も当たり前になりました。 <2012環境報告書 編集者> 委員長 : 鈴木 拓 委 員 : 森 貞佳 吾妻隆三 山田明彦 保科一寿 瀬野美奈子 長瀬健男 石川 進 梅木芳宏 発 行 : 2012年 6月 この報告書に関するお問合せは、下記までご連絡ください。 株式会社東根新電元 総務部 TEL:0237-43-5211(代表) FAX:0237-43-5256(総務部) 8
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