環境報告書 2013

環境報告書2013
ご挨拶
ENVIRONMENTAL
R E P O R T 2013
「エコらんぼ」は
当社のエコキャラクターです。
震災を経てエネルギーの重要性に耳目が集まる中、省
エネが叫ばれる昨今ですが弊社としてもクリーンルームの
電力削減や操業度に応じた柔軟な製造設備運用に
よる節電、各種ガス使用量削減など環境負荷の低減
を進めてきました。また新電元グループとしては太陽光
発電に於いて、パネルから発電される直流電力を交流
に変換し送電網に効率良く伝達する「パワーコンディショ
ナー」が、その高性能と使い勝手の良さから大変好評
を頂き、急な伸長を示して新エネルギー市場にも大きな
貢献を果たした年でした。今や環境活動の重要性は
言わずもがな、環境を経営の視野に置かずに企業運
営は叶わない時代になっています。企業ミッションである
「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより
人類と社会に貢献する」を追求し省エネ・省資源な製品
提供を行いつつ、工場操業に於ける環境負荷の低減
に寄与し、引き続き社会的責任と生物多様性に配慮
した環境活動を進めてまいります。
ここに2012年度の環境活動を御報告致します。皆
様の御意見・御感想を頂ければ幸いです。
報告期間 : 2012年4月 ~ 2013年3月 株式会社東根新電元
〒999-3701
山形県東根市大字東根甲5600-1
TEL:0237-43-5211(代表)
FAX:0237-43-5256(総務部)
㈱東根新電元 http://www.h-shindengen.co.jp/
新電元工業㈱ http://www.shindengen.co.jp/top_j/index.html
㈱東根新電元 正面玄関前風景
<会社の製品紹介>
<環境方針(概略)>
シリコンウエーハを用いて、拡散・エッチング・写真・電
極付・ダイシング・パッケージ・検査等の各工程を経て、
半導体素子を作っています。
シリコンウエーハから・・
自動車
基本理念 : 世界の「良き企業市民」たること
企業ミッション : エネルギーの変換効率を極限まで
追求することで人類と社会に貢献する
<活動>
①法令等の順守 ②省エネ&CO2排出削減
③省エネ型製品の開発 ④環境負荷量の把握
(LCA) ⑤省資源化 ⑥化学物質管理
⑦グリーン調達 ⑧ゼロエミッションの継続
埼
玉
(
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㈱
新
電
元
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㈱
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千
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新
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元
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埼
玉
(
秋
田
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※詳細は、ホームページをご覧下さい。
㈱
岡
部
新
電
元
(
太陽光発電用
パワーコンディショナー
山
形
㈱
秋
田
新
電
元
㈱
新
電
元
ロ
ジ
埼ス
玉テ
(
㈱
東
根
新
電
元
)
理念 : 地球環境保全は人類の必須&最重要課題
方針 : 電子デバイス製品製造で、環境の保全と
負荷低減に積極的に努める
<活動>
(1)法令等順守 (2)汚染予防と継続的改善
(3)環境経営推進
①省エネ ②資源有効利用 ③ゼロエミッション継続
④グリーン調達と化学物質管理
⑤環境負荷量の把握(LCA)
⑥汚染防止の教育訓練 ⑦環境教育と啓蒙
インバータ照明
製品の主な用途例
新電元工業株式会社
(
薄型テレビ
新電元工業株式会社を中核に、国内各社でISO14001
のマルチコーポレート方式の認証を受けております。
(2)東根新電元の環境方針
ACアダプタ
1
<新電元グループ(国内)の構成>
(1)新電元グループの環境方針
<生産品目>
●パワーIC
・インバータ照明用
・モータードライバ用
・DC/DCコンバータ
●MOSFET
●高速ダイオード
●サイリスタ
バイク
プリンタ
代表取締役社長
この他、海外にもISO14001の認証を取得した関係会社
がございます。(ランプーン新電元、新電元フィリピン、広州新電
元、新電元タイランド)
2
< 2012年度環境保全活動の成果 (概要) >
結 果
目 的 & 目 標 内 容
1、総CO2排出量の削減(省エネルギー)
13737t以下 (省エネ法の係数0.326)
○ 13246t
(A重油、電力改善等の個別目標も達成)
(-3.6%)
2、グリーン調達の推進
①成分分析表(ICPデータ)最新版の管理
○ 管理&
(グリーン調達DBへのデータ協力) 協力実施
3、廃棄物の削減・リサイクル
①埋立率≦1% Rcyc率99.2%≦
< 順法状況 (概要) その1 >
(1) 大気関係
(2) 排水関係
ボイラー11台(温水2台、貫流7台、吸収式発生機2
台)を、季節変動等を考慮しながら最適な燃焼に努めて
います。また冬期の冷熱源に外気を活用しています。
尚、6ヶ月に1回のばい煙濃度測定の結果、問題ない
ことを確認しております。
半導体素子製造には、大量のフッ酸、硫酸等を使用し
ます。これらの廃液は社内で廃水処理を行い、条件を
満たしたことを確認してから河川放流しております。
特にフッ素(F)を含む廃液処理は、消石灰を用いた凝
集沈澱処理が必須であり、排水基準の8mg/Lを満た
すよう細かな監視を実施しています。
定期の排水分析で適正処理を確認しております。
ppm
200
0.0%、99.6%
80
○
(省エネ、省薬品改善を10件以上実施する)
28件改善
基準:8mg/L
F濃度
mg/L
10
8
○
①化学物質使用量の削減を進める
基準値 温水・貫流:180ppm
吸収式:260ppm
160
120
②収集運搬&処理業者の監査
○ 6社
4、化学物質管理徹底、製品環境負荷の把握
窒素酸化物
6
4
40
2
0
2010
0
2012 年度
2011
2010
ばい煙濃度の項目で、最も数値が高い窒素酸化物を示しました。
2011
2012
年度
最も数値が厳しいフッ素(F)の状況を示しました。
3
(3) 廃棄物関係
2012年度の主な排出物の状況をまとめました。
紙くず類
3%
その他
8%
廃プラ
11%
総排出量: 356t
特管産廃: 111.7t
一般産廃: 244.3t
特・溶剤
44%
金属類
12%
汚泥
22%
溶剤は写真工程&
洗浄で発生します。
汚泥はフッ酸の廃液
処理で発生します。
廃プラは、製品パッ
ケージ樹脂の余剰分
等です。
< 順法状況 (概要) その2 >
(4) 地球温暖化防止活動
(5) 化学物質関係
エネルギー管理指定工場につき、省エネを目的目標
に掲げ、使用状況を国に定期報告しております。
2007年導入のターボ冷凍機が大きく貢献し、また省エ
ネ対応設備の導入&老朽更新も行っております。
改正PRTR法で指定された特定化学物質の環境中へ
の排出状況を把握・報告しております。
半導体素子製造に使用される該当化学物質の取扱い
の割合を示しました。
CO2換算排出量
t-CO2
電力のCO2換算
係数は、東北電
力㈱のHPより。
16000
14000
※<新電元グループのゼロ・エミッションの定義>
総排出量に対して埋立量を1%以下とする
374
304
12000
2005年2月の「ゼロエミッション※」宣言以降、ほとん
どの排出物のリサイクルを確立しました。ごく僅かに
残っている分も、リサイクルルートの開拓に努めており
ます。
他
333
349
10000
2008
2009
2010
2011
2012
年度
この他、半導体製造に不可欠なPFC類の使用&排出状況を、
新電元工業を経由してJEITA(電子情報技術産業協会)に報告し
ています。更に除害装置の計画的な導入への取組みも行なって
おります。
80
53
年間取扱量(購入量)
:53.0t
排出内訳
製品付着 1.7t
大気排出 4.8t
水系排出 0.4t
場外移動 12.0t
他は、燃焼消費や化
学変化による消費に
なります。
PRTR物
取扱量53.0t中の比率
<主な物質 (数値はPRTR法での指定番号)>
374:フッ化水素等 53:エチルベンゼン 80:キシレン
349:フェノール 333:ヒドラジン 304:鉛
4
< 2012年度の取組みと結果報告 >
事例① 電子データ活用によるコピー用紙の削減
事例② 離型回復シート使用量削減
事例③ タイマー付流水槽設置による純水使用量削減
①異常報告書の添付データのコピー添付を止め、電子
データ化し閲覧ホルダーを置いた。
②校正書類配布を止め、電子データ化し閲覧ホルダー
を置いた。
③新電元工業㈱への標準類コピー送付を止め、電子デ
ータ配付に変更した。
モールド金型クリーニング後に実施する離型回復シー
ト使用枚数と金型型締め位置の変更により、使用量削
減に取り組みました。 (ICモールド全装置対象)
製造2課のエッチング工程で使用している流水槽は稼
動中純水を出しっぱなしにして作業を行っております。
タイマー付の流水槽を導入することで設定時間にバル
ブが閉じ純水の出しっぱなしをなくしました。
関連書類
コピー用紙の年間削減数
異常報告書の添付データ、
校正書類、標準類コピー
約4,800枚の削減
改善前
副次効果として、コピーや印刷に係る電力、トナー等も削減と
なりました。
<成果>
年間で、約4800枚のコピー用紙と保管するファイル
を削減する事ができました。また電子記録により、検索
の手間も省くことができました。
改善後
関連工程
離型回復シート使用量の削減結果
関連工程
超純水使用量の削減結果
モールド工程
約43.1%の削減
エッチング工程
年間 7,257klの削減
<成果>
離型回復シートの年間使用量を、約43.1%削減できま
した。
< 品質保証部 >
<成果>
製造部では、サークル活動で個別改善を行っていま
す。他にも沢山の改善を実施し薬品使用量低減を行っ
ています。
< 製造部 >
< 製造部 >
5
< 2012年度の取組みと結果報告 >
事例④ エッジマ-キング廃止による
事例⑤ ユーティリティ改善によるエネルギー使用量の削減
廃棄ウエーハの低減
プロ-バ-工程では、エッジマ-キングを実施していて無条件
で外周2mmが不良となり(下図ピンク色の部分)ウエ-ハの
外周を破棄していた。エッジマ-キングを廃止する事で、廃
棄ウエ-ハを低減する事にした。
ユーティリティ関係は常時稼動のものが多く、僅かな
ロスが大きく影響を及ぼします。現状の処理内容、接続
系統等を見直して、設備の効率的な運転に努めまし
た。(代表事例です)
事例⑥ 日常の取組み
PETキャップ及びプルタブの回収も4年目となりま
した。これまでエコキャップ推進協会(横浜市)に送
付しポリオワクチン約70人分になりました。また、
家庭の資源回収活動等も行っております。
今後も継続して
キャップ、プルタ
ブ回収を行いま
す。
重油 ・2、3棟ボイラー及び蒸気配管、バルブ改善によるA
削減 重油削減を行いました。
・4工場ターボ冷凍機運用改善による削減
電力 ・4工場フリークーリングポンプ運用改善による削減
・2工場酸系スクラバー更新による削減
削減 ・重金属拡散メンテ室パッケージエアコン更新
他多数の電力削減のテーマを終了しました
関連工程
結果
プロ-バ-工程
約6%の削減
ユーティリティ関連 成果のまとめ
A重油の削減合計
12,000L/年
約33.7万kWh/年
副次効果として、廃棄物処分費用も削減できました。
削減電力量の合計 <成果>
プロ-バ-工程では、年間で約6%相当分のシリコンウ
エーハの廃棄量削減ができました。
一つひとつは小さな値ですが、毎日使用するユーティリティ
設備・装置なので、見直しや改善を行うと年間で大きな効果
となりました。
< 技術部 >
家庭の資源
回収活動より
< 施設管理課 >
< 全社展開 >
6
< 2012年度の取組みと結果報告 >
(1)環境会計
環境経営の評価ツールとして2001年度より環境会
計を導入し、環境保全活動に要したコストとその効果を
把握し公開しています。(環境省ガイドラインに準拠した
算出をしています)
(2)マラソンコースの清掃
東根市主催のさくらんぼマラ
ソン大会が6月に開催されま
す。当社周辺もコースになって
いますので、構内清掃も兼ね
て清掃活動を行いました。
単位:百万円
2012
投資
コスト分類
2012
費用
14.4 21.2
①事業エリア
公害防止、環境保全、資源循環等
②上下流
有害化学物質管理等
0.0
③管理活動
ISO14001関連活動、法定点検、環
境負荷監視等
0.0 35.3
④研究開発コスト
ー
0.0
0.0
⑤社会活動
環境保全団体、社会活動等
0.0
0.2
⑥環境損傷対応
その他の保全点検等
2.3
1.6
1.1
(4)東根市環境週間への参画
東根市では毎年11月に、「環境週間ひがしね」として
色々なイベントを開催しています。弊社も東根大森工業
団地連絡協議会・環境部会(大連協・環境部会)の一員
として協力しています。
今回は「大森だんじろうの環境実験室」のうち、「はず
むシャボン玉作り!」を担当しました。子供から大人ま
で、多くの方々に、製作していただきました。
(3)チャレンジエコ通勤2012
地球温暖化防止のため、事業活動に伴うCO2排出量
の削減は必要ですが、毎日の社員の通勤車両からの
排出分も把握と削減が必要なのではないでしょうか?
弊社では「チャレンジエコ通勤2012」を展開し、年間約
688Lのガソリンを削減しました。
徒歩や自転車通勤による日々の積み重ねが大きな数
値になってきます。
↑環境実験室の状況
<備考>
投資:設備投資等
費用:減価償却費,修繕費,材料費,人件費等
↑はずむシャボン玉の製作状況
7
< 2012年度の取組みと結果報告 >
(5)環境監査
(6)東日本大震災後の電力対応
12月18日~21日に、新電元グループとしての環境
ISOの定期監査をJQA様より受けました。
当社の結果は、改善の機会:2件となりました。一方、
新電元グループ全体でも重大な不適合は無く、無事
継続することができました。
不測の事態も考慮して、2012年度に非常用発電
機を設置しました。これで、社内の重要箇所に電力を
供給する事が出来ます。
◆ 編集後記 ◆
お隣の天童市に今年10月、山形県内最大規模のメ
ガソーラー(大規模太陽光発電所)が建設される予定だ
そうです。4万2千平方メートルの敷地に約8千枚の太
陽光パネルを設置して、年間207万キロワット時(一般
家庭620世帯分)の電力を発電する計画だそうです。
何かワクワクした気分になって来ますが、でも数字だけ
聞いてもピンと来ませんね。どんな大きさになるのでしょ
う?完成したら、ちょっと見学してみようと思います。
<2013環境報告書 編集者>
委員長 : 鈴木 拓
委 員 : 森 貞佳 吾妻隆三 山田明彦 矢口浩樹
渡部美紀 佐藤雄一 工藤 純 石川 進 梅木芳宏
発 行 : 2013年 6月
この報告書に関するお問合せは、下記までご連絡ください。
株式会社東根新電元 総務部
TEL:0237-43-5211(代表)
FAX:0237-43-5256(総務部)
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