十六アジアレポート 2015 年 12 月号

十六アジアレポート 2015 年 12 月号
十六アジアレポート 2015 年 12 月号
2015 年 12 月 1 日
十六銀行 海外サポート部
《 目
次 》
<駐在員レポート>
1.シンガポール: 「青空はどこへ!?シンガポールの『ヘイズ』被害」
2.バンコク: 「『タイ日系企業ビジネス交流会』を開催」
バンコク駐在員事務所
3.上海: 「『2015 大連-地方銀行合同ビジネス商談会』を開催」
4.香港: 「香港での『国際展示会』」
シンガポール駐在員事務所
上海駐在員事務所
香港駐在員事務所
5.ベトナム: 「現地調達率の現状と課題」
十六銀行 海外サポート部 (ベトナム投資開発銀行ジャパンデスク) 川瀬寛之
6.インドネシア: 「インドネシア精米業者探訪」
十六銀行 海外サポート部(バンクネガラインドネシア ジャパンデスク) 浅野智博
7.為替相場情報
本書中の情報は情報提供のみを目的として作成されたものであり、何らかの行動を勧誘するものではあ
りません。ご利用に関しては全てお客様御自身でご判断くださいますよう、宜しくお願い申し上げます。
当資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、当行及び執筆者はその正確性を保
証するものではありません。また、本書中の情報は、法律上、会計上、税務上の助言を含むものではあ
りません。法律上、会計上、税務上の助言を必要とされる場合は、それぞれの専門家にご相談ください。
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十六アジアレポート 2015 年 12 月号
1.シンガポール:「青空はどこへ!?シンガポールの『ヘイズ』被害」
シンガポール駐在員事務所
まずは下の 2 枚の写真をご覧下さい。両方とも当事務所の応接室、しかもほぼ同位置から撮影した
ものです。ここシンガポールでは、9 月初旬頃から霧のようなもやのかかった日が徐々に増え始め、同
月中旬以降 10 月下旬頃までの約 2 カ月間、右の写真のような日が多く、青空にはほとんどお目にかか
れない日々が続きました。これは単純な悪天候や霧ではなく、
「ヘイズ」と呼ばれる煙害によるものな
のです。今月は、シンガポールで大きな社会問題にもなった煙害「ヘイズ」について、ご報告します。
8 月 14 日撮影
9 月 24 日撮影
1.ヘイズとは?
ヘイズ(Haze)とは、直訳すると「かすみ、もや、煙霧」となりますが、ここでは、
「インドネシア
のスマトラ島やカリマンタン島などにおける野焼きと、これを原因とする森林火災により生じた煙が、
季節風(モンスーン)に乗り、シンガポールやマレーシア等の周辺諸国へ流れ来ることによって発生す
る煙害」を意味します。例年、インドネシアの乾季である 5 月∼10 月にかけて悪化することが多いの
ですが、煙の発生状況や風向きなど天候にも左右されるため、被害の程
度は毎年違います。
<PSI 指数>
大気の状態
Good
0-50
(良好)
Moderate
51-100
(適度)
Unhealthy
101-200
(不健康)
Very Unhealthy
201-300
(非常に不健康)
Hazardous
301超
(危険)
指数
直接的な影響としては、右上の写真の通り、まず濃いもやがかかった
ようになり、視界が悪くなることと、焦げたようなきな臭いにおいが充
満することです。そしてさらに汚染度が高くなってくると、目や鼻にか
ゆみを覚えます。筆者は当初、ヘイズの健康被害について楽観的に考え
ていましたが、身をもってこれらのにおいや症状を体感し、この煙害が
まさに「大気汚染」であることを痛感しました。その後、
「ヘイズ」中に
は、日本でも有害物質として有名な「PM2.5」も含まれていることを知り、
個人的には深刻度が一気に増した次第です。尚、一般的な健康被害とし
ては、目や鼻の炎症の他、喉のいがいが、鼻づまり、せき、息苦しさ、
頭痛などが報告されているようです。
シンガポール国家環境庁は、健康被害の目安として、右上表の大気汚
染指数(以下 PSI)を公表することにより、国民に対し、汚染度をこま
めに確認した上で、外出を控えたり、「N95」と呼ばれる専用のマスクを
着用するなどの対策をするよう、注意を呼びかけています。特に妊婦、
子供、高齢者、また慢性的な心臓疾患や肺疾患を持つ人に対しては、よ
「N95」マスク
り慎重な対応を促しています。
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2.今年の被害状況と経済への影響
シンガポールにおける今年のヘイズ被害は、例年よりも深刻であったといわれています。今年はエル
ニーニョ現象の影響で、乾季が長期化し、特に乾燥がひどかったため、森林火災の消火活動が進んでい
ないことにより、事態は一層悪化しました。過去のヘイズ被害を先述の PSI の数値で見ますと、2013
年 6 月、401 という史上最高値を記録しているのですが、この年を含め、これまでは 1 カ月程度で被害
がおさまるのが通例だったようです。ところが今年の場合は、平均的に数値が高いばかりでなく、例年
以上に長期化したことで、より大きな社会問題となりました。前頁の写真を撮影した 9 月 24 日には、
PSI の数値がついに「危険」とされる 300 を超え、翌 25 日には小中学校が休校となりました。実際、
国民に与えた健康被害も大きかったようで、ヘイズ被害により医師にかかった場合に利用できる「ヘイ
ズ医療費補助金」の利用者は、史上最悪とされている 2013 年と比べて 2 倍以上になっているとのこと
です。
経済にも様々な悪影響を及ぼしました。観光地の屋外アトラクションは中止や休業が相次ぎ、また屋
外で行われる日本のアーティストのライヴ公演が延期になった例もありました。またシンガポールには、
ホーカーセンター(屋台街)やテラス席のあるレストラン等、屋外席を設けた飲食店が多いことから、
これらの店でも客足が遠のき、かなりの打撃を受けたようです。実際、当事務所の近隣にある「ボート
キー」エリアの飲食店街では、シンガポール川沿いのテラス席がひとつの名所のようになっており、普
段は欧米人などで賑わっているのですが、ヘイズ被害のひどい時期は閑散としていました。
3.シンガポール政府の対応
シンガポール政府は、深刻なヘイズ被害に対して、インドネシア政府の消火活動を支援することを表
明しました。インドネシア政府は、当初「自力で対応可能」として断っていましたが、国内でも 10 人
以上の死亡者が出るほど被害が深刻化しているにもかかわらず、消火活動の進捗が芳しくなかったため、
最終的にはシンガポールの他、マレーシア・日本・オーストラリアなどの支援を受け入れることを決定
しました。
またシンガポール政府は、ヘイズの原因となっている野焼きを行っている企業に対する法的措置に踏
み切りました。これは、大手スーパーやコンビニエンスストアなどに呼びかけを行い、当該企業の商品
を店頭から撤去させて、経済的圧力をかけようというものです。
4.問題解決に向けて
10 月下旬、ヘイズはシンガポールやマレーシアだけでなく、ベトナムやフィリピンまで到達。もは
や ASEAN 諸国全体の問題に拡大しつつあると言えます。このような中、インドネシア政府は「ヘイズは
3 年で解決可能」との見通しを示していますが、この見解には懐疑的な意見が多いようです。そもそも
野焼きには貧困で苦しんでいる多くの小規模農家が関わっているため、最も安価かつ容易な方法である
野焼きの慣習は地域に深く根差してしまっている背景があります。そして、本来法律上禁止されてはい
るものの、警察に賄賂が手渡され、効果的な取り締まりもできていないのが実情のようです。
シンガポール・マレーシア両政府のみならず、ASEAN としてもヘイズ被害は社会的・経済的悪影響が
大きいとし、対策を協議しつつあるようですが、インドネシア政府は多国間での問題解決には消極的な
姿勢を示しています。ただ、様々な事情はあるのでしょうが、毎年周辺国に被害が及び、死亡者まで出
てしまっている現実に鑑み、「人災」である野焼きそのものを根絶できるような、抜本的な解決策を打
ち出すことを願わずにはいられません。
11 月に入り、雨季に差し掛かったことや風向きが変わったことによるのか、ようやくヘイズの被害
は沈静化し、シンガポールに青空が戻ってきました。南国特有の綺麗な青い空を、もう二度と煙で曇ら
せて欲しくないものです。
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2.バンコク:「『タイ日系企業ビジネス交流会』を開催」
バンコク駐在員事務所
11 月 6 日(金)、バンコクに駐在員事務所を構える地方銀行7行(当行、大垣共立銀行、山陰合同銀
行、滋賀銀行、百五銀行、北都銀行、北陸銀行)により、
「タイ日系企業ビジネス交流会」を開催しま
した。
■初の試み
タイで地銀や信金が連携して交流会や商談会を開催する試みは、これまでも行われており、当行も
海外ビジネス支援に関する広域連携行である山陰合同銀行、広島銀行、北國銀行との 4 行共同開催と
なる「広域連携 お取引先交流会 in バンコック」を本年 2 月に開催しております。
一方で、この「タイ日系企業ビジネス交流会」は、ローカル銀行との提携関係や、地銀同士の提携
関係にとらわれず、バンコクに駐在員事務所を構える地銀の「所長会」をベースとして連携し、お客
さま同士の交流の場、情報交換の場を提供しようという初の試みとして、開催されたものです。各行
それぞれ年間スケジュールに沿って活動していることもあり、共催可能な地銀は限られましたが、共
催行はバンコク進出地銀全 16 行中 7 行となりました。
共催各行のお取引先さまを対象に参加を募集、タイに進出しているお取引先さまのみならず、日本
からも積極的に参加いただいた結果、当日は 163 社 195 名の方にお集まり頂くことができました。ま
た、来賓の方々の関心も非常に高く、在タイ日本国大使館の山下直樹経済総括、JETROバンコク
事務所の保住正保所長、盤谷日本人商工会議所の石井信行事務局長、タイ国投資委員会(BOI)の
原田朝善投資アドバイザーに参加を快諾いただ
きました。
■【第一部】セミナー
交流会に先立つセミナーでは、現地コンサル
の、東洋ビジネスサービス梅木社長に講師を依
頼しました。講演では、労務問題、税務問題、
タイ側パートナーや取引上の問題について、実
務に即したトラブル解決事例を数多く披露し、
トラブルのほとんどが、経営者が現場を見過ご
していることに起因していると指摘し、参加し
<セミナーの様子>
たお取引先さまから大変好評を博しておりま
した。
■【第二部】交流会
冒頭、主催者の挨拶をさせていただいた後、
来賓を代表して在タイ日本国大使館山下経済統
括よりスピーチをいただき、JETROバンコ
ク事務所保住所長に乾杯のご発声をお願いしま
した。
交流会では、共催行員はお客様同士のご挨拶、
名刺交換のサポートを行いました。
<主催者挨拶>
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事前の準備としては、お客さまに交流会での
行動をイメージしていただく時間をより長く作
っていただくため、交流会開催日の約 2 週間前
に、交流会の参加企業リストを配布いたしまし
た。また、交流会当日に、お客さま同士のマッ
チングをより効率的に行うため、事前に、お取
引先さまごとに「会いたい企業」の情報をでき
る限り収集いたしました。
約 1 時間半と限られた時間ではございました
が、参加された皆さまは、人脈作りや新たな取
<来賓ご挨拶>
引先の開拓を目的に積極的に交流し、会場内は
熱気に溢れておりました。
■交流会のフォロー
交流会当日に名刺交換ができなかった企業と
の面談を望むお取引先さまに対しては、後日個
別に要望を伺い、共催銀行を通じて面談をサポ
ートいたしました。
また、今後の開催に役立てるため、後日アン
ケート調査を実施しましたが、アンケート結果
からは、交流会の時間、食事・飲み物、参加費、
会場設備等、概ねお客様に満足いただけたもの
と考えています。行員に対しては、精力的に動
き、お取引先さま同士のマッチングを積極的に
サポートしていて好印象であったとの意見を頂
戴する一方で、主催者とホテル側の運営連携が
うまくいっていない印象だったとの意見も頂戴
しました。また、改善を要する点として、テー
ブルを業種ごとに分けて欲しい、社名が分かる
よう、業種が分かるよう名札を改善して欲しい、
<交流会の様子>
人数が多すぎる等、よりスムーズにお客様同士
が交流できるよう工夫して欲しいとの要望を数
多く頂きました。
こうした交流会には次回もぜひ参加したいと
の意見が圧倒的に多かったことから、今後とも、
当行は、単独開催、他行との共催、いずれにお
いても積極的にお客さま同士の交流の場、情報
交換の場を提供する活動をしていく所存です。
なお、
「タイ日系企業ビジネス交流会」につい
ては、来年度は地銀所長会全行参加での開催を
<共催行員一同の記念撮影>
目指しております。
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3.上海:「『2015 大連-地方銀行合同ビジネス商談会』を開催」
上海駐在員事務所
11 月 20 日(金)に「2015 大連-地方銀行合同ビジネス商談会」と題し、中国遼寧省大連市にて、当
行を含む地方銀行 17 行及び大連市政府と合同で商談会を開催しました。今回は、この商談会の様子を
ご案内します。
■
日本の地方銀行 17 行、大連市政府及び中国系銀行の協力により開催
中国でのパートナーをお探しの企業や中国市場での調達、販路開拓を目指している企業を対象に、
中国企業との個別商談会を実施しました。(昨年までと同様、商談会参加費用は無料)
今年は、日系企業 119 社(うち当行お取引先 7 社)が参加、中国企業は 385 社が来場。今年も大連
市政府の全面的な支援を受け、中国企業の募集は大連市政府からも呼びかけが行われました。また、
中国国際貿易促進委員会大連市分会、大連市中日経済合作交流協会、中国系金融機関(中国銀行遼寧
省分行、中国交通銀行大連市分行、大連銀行)の協賛を受けており、各機関にご尽力いただいた結果、
商談件数合計は、2,111 件(2014 年は 1,625 件)と大幅な増加を図ることができました。
■
お客さまの希望業種、希望内容に合わせた個別マッチングを実施
① 日本の出展企業が希望する商談情報(調達・販売・委託生産等)をお伺い
② 主催行、各協賛機関を通じて①の情報を活用し、中国企業を募集
③ 「中国企業と参加企業(日系企業)」及び「参加企業同士」の個別商談を設定
上記の通り、参加企業の商談希望をあらかじめお伺いした上で、その内容を基にした情報を確認し
た中国企業が、大連市政府や中国系金融機関、協賛機関を通じて商談申込をする仕組みですので、自
由来場形式の商談に比べて、より精度の高いマッチングをご案内できることが特徴です。
また、営業エリアの異なる地方銀行各行のお客さまが多数出展されますので、参加企業同士のマッ
チングによって商談希望にお応えできる場合もあり、中国地場企業との取引推進を希望されるお客さ
ま、日系企業との取引を進めたいお客さま、双方のニーズにお応えしています。
■
展示会ではなく、1 対 1 の商談会形式
このビジネス商談会は、ご参加の日本企業さまに商談用のデスクをご用意し、1 コマあたり 30 分
の商談を最大 11 コマ設定しています。一般の展示会のようにブースを設けて、来場者を待つ仕組み
ではないため、せっかく出展したにもかかわらず、商談が全くできないという事態が起こらないよう
配慮しています。
今年の最大の特徴として、中国系企業の参加が大幅に増加したことが挙げられます。(昨年の約
200 社から 385 社へと倍増。)出展された日本企業のスケジュールは、基本的に全て中国企業からの
商談申込で埋まってしまう状況でした。限られた商談時間内で話をまとめることは難しいものの、
「改
めて商談の時間を持つ予定」など、今後につながる機会として活用いただきました。また昨年までに
ご参加いただいた企業から、「現在の取引につながっている」とのお話も伺っております。
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■
【商談会の様子】
【開会式の様子】
【中国企業用受付の様子】
【交流会の様子】
山陰合同銀行と合同で企業交流会を実施
商談会実施後には、山陰合同銀行と合同で企業交流会を開催しました。山陰合同銀行とは「海外ビ
ジネス支援に関する広域連携」を結んでおり、地域の垣根を超えた海外サポートを行っています。当日
は、商談会に参加された企業はもちろんのこと、大連に進出しているお取引先企業にもご参加いただき、
当行のお客さまだけでなく、山陰合同銀行のお客さまとの交流も深めていただきました。
■
大連で感じた中国企業の熱気
大連は中国の中でも日系企業の進出が進んでいる地域で、日本人にとっては馴染み深い所です。輸
出加工貿易が盛んで、特に日本向けの貿易取扱高が多いのが特徴です。最近は、中国の景気減速が心配
される中、この商談会にかける中国企業の意気込みも、これまで以上に強くなっていると感じました。
特に、大連地域には金属加工、機械加工業が集積しており、こうした企業には多くの中国企業から
の商談申込が数多く見られました。出張ベースで中国各地や日本から参加されたお客さまでも、1 日で
30 社近い商談をこなされた方もおられ、この商談を十分に活用いただけたものと思います。国土面積
の広い中国において、遠隔地で取引先を開拓することは、大変な苦労が伴いますので、今後も当行で企
画するこうした機会を是非活用いただければと存じます。
詳細については未定ですが、「大連-地方銀行合同ビジネス商談会」は、次回も 2016 年 11 月の開催
が計画されています。上海駐在員事務所では、来年も同様に共催をしたいと考えておりますので、今後
とも積極的にご参加いただきますようお願い申し上げます。
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4.香港:「香港での『国際展示会』」
香港駐在員事務所
海外への販路拡大の高まりから、海外での見本市や展示会、商談会へ出展されたり、視察をされる方々
が増えています。当地香港でも、毎週のように様々な国際展示会が開催されており、多くの来場者が集
まります。
香港でよく国際展示会が開催されるのは、香港湾仔(ワンチャイ)にある「香港コンベンション&エ
キシビジョンセンター(香港会議展覧中心:HKCEC)」と、空港の近くにある「アジアワールドエキスポ
(亜州国際博覧館)」です。HKCECは香港の中心街にあり、近くにはホテルなど宿泊施設も多く、遠方
からの視察に非常に便利な場所にあります。また、アジアワールドエキスポは空港の隣にあり、空港か
らのアクセスが非常によく、アーティストのコンサートの会場としても利用されます。屋内展示会場の
面積はそれぞれ 66,000 ㎡、70,000 ㎡と幕張メッセや東京ビックサイトと同等の広さです。
香港はアジアのハブと呼ばれるだけあり、世界の大企業のアジア拠点がある他、香港国際空港より
100 を超える地域への直行便があることもあり、たくさんの外国人が香港へやってきます。香港の国際
展示会の特徴の一つは「外国人の来場者が多い」ことです。毎年 8 月に開かれ、日本からの出展も非常
に多い「香港フードエキスポ」では、来場する 2 万人近いバイヤーのうち 4 割ほどが香港以外から来場
します。また、出展者も 7 割ほどが外国の業者となっています。
香港での国際展示会は内容はさまざまで、工業製品から食、美、健康、娯楽、サービスなど、多種多
様の展示会が催されます。
出展企業数の多かった国際展示会(過去1年)
展示会名
時期
出展企業
数(社)
来場者数
(人)
取扱い品目
Hong Kong Gifts & Premium Fair
4月
4,136
広告・企業ギフト用品、パーティー/クリスマ
51,358 ス・デコレーション、銀器、文房具、セラミッ
ク・ギフト用品、額縁、電子製品、紙・包装 等
MEGA SHOW Series PART 1 & 2
10月
4,000
ギフト、プレミアム、家庭用品、キッチン&ダ
53,000 イニング、ライフスタイル製品、玩具&ゲーム
/文房具 等
September Hong Kong Jewellery & Gem Fair
9月
3,695
59,116 宝石、貴金属、宝飾、アクセサリー 等。
Hong Kong Electronics Fair (Spring Edition)
4月
2,764
エレクトロニクス関連製品、オーディオビジュ
61,299 アル製品、バッグ&ケース、デジタルイメー
ジング、エコ製品、電子アクセサリー 等
Global Sources Fashion Show
10月
2,591
20,000
ファッションアクセサリー&履物、ファッション
アパレル&ファブリック、下着&水着 等
JETROのHPより
香港での展示会は比較的大規模で、出展企業が 1,000 社を超えるものも多く、春に行われる「ギフト
フェア」や、秋に行われる「メガショウ」では 4,000 社を超えます。来場者数については、
「バイヤー」
や「ビジネス関係者」を対象とした展示会と、「一般」まで対象にした展示会では入場者数に差が出ま
すが、前者では数万人、後者では延べ 100 万人が来場するイベントもあります。
こういった展示会への参加については、外国であることもあり、個社で申込み、参加するには負担が
大きく、ハードルが高いと感じられるかと思いますが、日本貿易振興機構(JETRO)が「ジャパンブー
ス」を設け、日本企業の出展をサポートしているケースもあります。展示会は通常、設置されるブース
8
十六アジアレポート 2015 年 12 月号
を開催期間の間借り受けるのですが、費用負担も大きく、運営も個社では困難な場合が多いと思います。
そこで、JETRO が一括で借り受け、それを日本からの参加者に「小分け」し、商品の発送や通訳の手配
などサポートしています。また、こういった「ジャパンブース」への参加を各自治体の商工関連部門や
外郭団体が募集したり、時には補助金により通常よりも割安で出展できたりもします。こういった制度
を利用すると、展示会への参加のハードルはかなり低くなります。JETRO に限らず、商工会や同業者団
体で共同出店するケースも多くあり、中小企業の場合は、個別企業で出展する際の補助金の制度もあり
ます。
香港でのJETRO出展支援の展示会(過去1年)
展示会名
時期
出展企
業数
(社)
来場者
数
(人)
取扱い品目
Hong Kong International Wine
11月
& Spirits Fair
1,007 19,926
リカー/飲料製品、ワイン関連、ワイン製品/流通、ワイン器具/アク
セサリー、他の関連サービス。
Cosmoprof Asia
11月
2,362 60,000
香水・コスメ・洗面用化粧品 / 自然健康用品, 健康食品・飲料,栄養
サプリメント, 登用漢方薬・治療 / 美容院用品・器具, スパ・ウェルネ
ス用品, ネイル用品 / 包装, 契約製造・自社ブランド, 機械・原材料
The Hong Kong International
Diamond, Gem & Pearl Show
3月
1,515 28,733
ダイヤモンド、真珠、貴石、半貴石。
Hong Kong International Film
and TV Market
3月
HOFEX
5月
772
6,753
映画、TV番組、アニメ、デジタルエンターテインメント/ゲーム、音楽
の製作・配給および購入、映画館経営、ビデオやDVD等制作・配
給・レンタル、地上波・ケーブル・有料TV、衛星TV放送局、ラジオ
局、インターネット包装・編集・放送、フィルム制作および放送用の機
器・テクノロジー、娯楽産業関連のサービス、ライセンシング、催し
物・展示会運営、 業界団体、金融およびエンタテインメント関連の専
門サービス。
1,900 37,817
食品/飲料、ワイン/スピリッツ/ビール、コーヒー/茶、関連技術、ホ
スピタリティ/小売、ケータリング/フードサービス、設備、製パン/材
料、ホテル備品/ホスピタリティ・インテリア、その他。
HKTDC Food Expo
8月
1,182 20,075
ベーカリー製品、飲料(アルコール)、飲料(ノンアルコール)、ビス
ケット、スナック&菓子、缶詰、冷凍&加工食品、コンビニ&インスタ
ント食品、乳製品、果物、野菜、健康、グリーン&オーガニック食品、
キッチン用品、ライス、ヌードル&パスタ、等。
Eco Expo Asia
10月
297 16,504
大気質関連、省エネ関連、廃棄物、リサイクル、エコ製品、環境保護
ソリューション/サービス、水質/コントロール、計測/研究室技術、そ
の他。
JETROのHPより
毎年同一のイベントのサポートを継続しているものもあれば、年によってサポートがあったりなかっ
たりするものもあります。出展側の需要と供給により、また業界のトレンドにより変化していくもので
あり、経済情勢や各国の情勢により対象国も変化していくと思います。旬を逃さないようにタイミング
よく参加するのが得策であると思います。
10 月下旬、日本を含む 12 カ国で TPP 交渉が大筋合意に至りました。南北アメリカ、アジア、オセア
ニアの広域にわたる、世界の GDP の 4 割を占める大きな経済同盟が誕生します。TPP による規制廃止や
関税撤廃により、特に農林水産関連の分野においては、負の影響が大きいと言われます。他方で日本政
府は中小企業の海外進出を支援する事業を強化する方針を打ち出しており、中小企業庁の未来の企業応
援サイト「ミラサポ」では、TPP に関して、特に中小企業者に役立つ情報が提供されています。今後、
海外展示会などのイベント参加のみならず、国内外のセミナーや、各種の補助金の情報など、これまで
以上に豊富に企画されていくのではないかと思います。
十六銀行では、こうした政府機関の情報提供や、セミナーや商談会の開催などを通じて地域の皆さま
の海外展開をサポートしておりますので、積極的にご活用いただきますようお願い申し上げます。
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5.ベトナム:「現地調達率の現状と課題」
海外サポート部 (ベトナム投資開発銀行ジャパンデスク) 川瀬寛之
ベトナムの現地調達率は上昇傾向にあります。
ジェトロの調査によれば、2010 年には 22.4%であ
った現調率が、2014 年には 33.2%と上昇し、近隣
他国と比較して上昇率は高くなっています。
しかしながら、日系企業が多く進出している中国や
タイ、インドネシア、マレーシアなどと比較すると、
ベトナムの現調率は低調に推移していることから
大きな課題となっています。
出所:ジェトロ「在アジア。オセアニア日系企業活動実態調査 2014」
【現地調達率が低い主な原因・地域別の動向】
課題の背景として、「ローカル企業の技術力の低さ」が一例として挙げられます。現段階におけるベ
トナム産業構造としては単純な組立工程が中心である中で、特に、電気電子部品や特殊な金属・プラス
チックなどの素材系が弱いという印象があります。そのため加工系の業務が中心となっていますが、そ
こでも熱処理や表面加工などの高度なものより、金型系や機械加工などが多くなっていると感じます。
ただし、悲観的な見方をする必要はないと思います。ベトナムは発展段階にある国ですし、日系企業
の現地調達率も大きく高まっていることから、産業集積は順調に進んでいるといえます。さらに、エレ
クトロニクス部品のサムスン電機が大型の投資を決定し、アパレル関連でも部材メーカーが集積する可
能性が高まるなど、産業集積の将来展望はむしろ明るいといえます。
次に、ベトナム国内における地域ごとの現調率を見ていくと、ジェトロの調査によれば、北部のハノ
イ周辺と南部のホーチミン周辺とで差が出ています。2014 年のベトナム全体の現調率 33.2%に対して、
北部は 30.6%、南部では 36.3%と開きがあります。更に、現地調達先は「ローカル企業」
「進出日系企
業」「他の外資系企業」に大きく分かれますが、その内訳には大きな差があり「ローカル企業」からの
調達が北部 35.9%に対して、南部では 52.7%となっています。
考えられる理由としては、北と南の進出の経緯の違いにあります。1995 年頃から大手日系メーカー
のベトナム進出ブームが始まり、政治・文化の中心で中国から近い北部(ハノイ近郊)に拠点が集中し
ました。その多くの企業が日系サプライヤーを一緒に連れてきたため、その後進出した同業他社は日系
企業から部品の調達ができました。一方、南部については進出日系メーカーが独自にローカルサプライ
ヤーを探す傾向にあったことから、ローカル企業との接点が比較的多くなったものと思われます。
【政府による産業政策が大きなポイント】
今後については、ベトナム政府がどれだけ裾野産業をサポートできるかがローカル企業の将来性に大
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きく影響してきます。現段階では技術移転や人材育成、資金面等での十分なサポートがあるとは言い難
いですが、商工省では裾野産業の支援のための政令作りを進めており、計画投資省では中小企業支援の
法律案を作成中とのことで、将来に対する期待は大きいです。
また、近いうちに TPP がスタートし、年末からは AEC も始まります。各国が自国で比較的優位にある
品目を輸出し、比較的劣位にある品目を輸入するという分業をはかることで、得意分野の生産性を高め
経済合理性を追求していく動きが出てくるものと思われます。ローカル企業にとっては日系企業からの
受注増に繋げる絶好の機会であるため、産業政策により十分なサポート体制を整えていくことが必要不
可欠となります。
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十六アジアレポート 2015 年 12 月号
6.インドネシア:「インドネシア精米業者探訪」
海外サポート部(バンクネガラインドネシア ジャパンデスク) 浅野智博
インドネシアの首都ジャカルタから東へ車で約 2 時間に位置するカラワン周辺は、ジャカルタ近郊の
米どころとして知られています。今回、弊行の提携銀行であるバンクネガラインドネシア(BNI)の協
力のもと、地元の精米業者へ訪問しインドネシアの米事情を伺う機会を得ました。チカンペックにある
S 社は農家から収穫した稲を買い付け、精米からパッキングまで行っています。1993 年に創業し、現在
毎月 500 トンの米をジャカルタのチピナン市場、カラワンのジョハール市場へ出荷し、その後小売店へ
と渡ります。当社が扱うのは IR64 と呼ばれるいわゆるタイ米のような長粒種で、これがインドネシア
で最も一般的に食べられている品種です。
日本と違い、熱帯性気候で年中気温が一定であることから 1 年に 2 回生産し、1 ヘクタールあたり 5
∼6 トンが収穫されます。農家の収入の関係から土地を休めることなく生産を続けることや、1本の穂
につく米粒が日本の約 250 粒に対し、インドネシアは 120 粒ほどしか実らないのも特徴です。栄養価が
高くおいしい作物を作るためには定期的に土地を十分に休める必要がありますが、生産を止めるとその
間の収入が無くなってしまうため、多くの農家では生産環境の改善には至っていないようです。
一方、ジャワ島の中部ではインドネシア人の農家が日本の米を生産し成功している事例もあります。
卸値では、IR64 の 1 キロあたり 10,000 ルピア(約 90 円)に対し、日本米は 26,000 ルピア(約 235 円)
と単価が 2 倍以上となります。単価が倍増すればそれだけ農家の収益向上にもつながりそうですが、イ
ンドネシアではまだまだ高級米のニーズは少なく、必ずしもそれが売れる市場があるとは限らないよう
です。
また、インドネシア人の米の嗜好は地域によって大きく差があり、例えばスマトラ島パダンではパサ
パサの米が好まれ、ジャワ島ジャカルタでは柔らかめの米が好まれるなど、一概にどのような米が良い
とは言えないそうです。
S 社ではインドネシアメーカーの精米機を 2 台使い 1 日 12 時間の稼働で最大約 60 トンを精米できま
すが、工場ではかなり年季の入った機械が使われています。機械による生産効率も重要ですが、日本製
の精米機などは高価であるため、まだまだ浸透していないようです。精米後の米は約 52%の重量になっ
てしまうことから、ロスが多く、栄養価が失われるのも現状です。IR64 の細長い形状や、割れやすい
こともロスが増える原因かもしれません。
農業の発展はジョコウィ政権下でも重視されている課題の一つであり、政府が中心となって最新技術
の導入などが進められています。米作りに適した土地が多くあり相応の生産量があるにも関わらず、他
国からの輸入が必要になるなど、技術面ではまだまだ改善の余地があるようです。
精米後の IR64
精米現場
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十六アジアレポート 2015 年 12 月号
7.為替相場情報
(1)人民元−円為替相場(中国人民銀行公表仲値)
(月)
10月26日
(火)
(単位:1人民元当たりの日本円)
(水)
(木)
(金)
19.07014 10月27日
19.03674 10月28日
18.95591 10月29日
18.97497 10月30日
19.05016
11月2日
19.07851
19.05742
19.10293
19.15415
11月6日
19.17435
11月9日
19.33152 11月10日
19.36633 11月11日
19.34685 11月12日
19.30353 11月13日
19.25113
11月16日
19.21082 11月17日
19.33077 11月18日
19.34012 11月19日
19.35921 11月20日
19.27005
11月3日
11月4日
11月5日
22.00
過去1年間の人民元−円相場推移
21.00
20.00
19.00
18.00
17.00
16.00
1
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1
3
4
6
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2
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5
7
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08
09
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上記表、及びグラフはこの公表仲値を便宜的に1人民元当たりの日本円へ換算し直した相場です。
そのため、正式な人民元相場が必要な場合は、中国人民銀行にお問い合わせ下さい。
(2)ドル−円為替相場(当行公表仲値)
(月)
(単位:1ドル当たりの日本円)
(火)
10月26日
121.14
10月27日
11月2日
120.57
11月3日
11月9日
123.31
11月10日
11月16日
122.54
11月17日
(水)
120.76
(木)
(金)
10月28日
120.36
10月29日
120.73
10月30日
120.90
11月4日
121.09
11月5日
121.51
11月6日
121.73
123.20
11月11日
123.03
11月12日
122.86
11月13日
122.58
123.23
11月18日
123.37
11月19日
123.56
11月20日
122.96
-
135.00
過去1年間の米ドル−円相場推移
130.00
125.00
120.00
115.00
110.00
2/
07
15
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3/
01
15
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4/
14
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5/
06
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5/
28
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/0
6/
19
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11
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02
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/0
8/
24
15
/0
9/
15
15
/1
0/
07
15
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0/
29
15
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1/
20
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/1
6
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/0
1
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/1
2/
2
2/
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/1
14
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1
/1
1
105.00
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十六アジアレポート 2015 年 12 月号
(3)タイバーツ−円為替相場(当行公表仲値)
(単位:1バーツ当たりの日本円)
(月)
10月26日
(火)
3.4100
(水)
10月27日
3.4000
10月28日
−
(木)
3.3900
10月29日
(金)
3.3900
10月30日
3.4000
11月2日
3.3900
11月3日
11月4日
3.4100
11月5日
3.4200
11月6日
3.4300
11月9日
3.4400
11月10日
3.4300
11月11日
3.4300
11月12日
3.4400
11月13日
3.4300
11月16日
3.4100
11月17日
3.4300
11月18日
3.4300
11月19日
3.4400
11月20日
3.4400
過去1年間のタイバーツ−円相場推移
3.8
3.6
3.4
3.2
3
/1
5/
06
15
/0
5/
28
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/0
6/
19
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7/
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8/
02
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8/
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9/
15
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0/
07
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0/
29
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20
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01
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2/
03
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2/
2
14
14
/1
/1
1
/1
1
2.8
(4)インドネシアルピア−円為替相場(参考値)
(単位:100ルピア当たりの日本円)
(月)
(火)
10月26日
0.8900
10月27日
11月2日
0.8800
11月3日
11月9日
0.9100
11月10日
11月16日
0.9000
11月17日
(水)
0.8900
(木)
(金)
10月28日
0.8900
10月29日
0.9000
10月30日
0.8900
11月4日
0.9000
11月5日
0.9000
11月6日
0.9000
0.9100
11月11日
0.9100
11月12日
0.9100
11月13日
0.9100
0.9000
11月18日
0.9000
11月19日
0.9000
11月20日
0.9000
−
過去1年間のインドネシアルピア−円相場推移
1.1
1.05
1
0.95
0.9
0.85
14
/1
1/
11
14
/1
2/
03
14
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16
15
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2/
07
15
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3/
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15
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3/
23
15
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4/
14
15
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06
15
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5/
28
15
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6/
19
15
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11
15
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8/
02
15
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8/
24
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29
15
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20
0.8
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