Press Release

Press Release
2013.2
第1期: MEXICO SURVEY メキシコ編
2013年4月6日(土)- 6月9日(日)
第2期: GIBRALTAR FOCUS ジブラルタル海峡編
2013年6月29日(土)- 9月8日(日)
広報用画像①
《トルネード》 2000-10年、ミルパ・アルタ、アクションの記録映像
Photo:Jorge Golem
*第1期出品作品
展覧会概要
「サーファーが波に乗るようなものだよ。」
そう言って、すらりとした長身の男は竜巻の中へ飛び込んでいく。
メキシコシティの雑踏の中でも、イスラエルとパレスチナの境界線上であっても、
常に同じ軽やかさをもって、詩的にアクションをおこしてきた。
それがアリスの世界の歩き方。
今、最も注目すべきアーティスト、待望の日本初個展。
砂塵を巻き上げる竜巻の中へカメラ片手に突入する。朝から晩まで、メキシコシティの街なか
で巨大な氷を溶けるまで押し続ける。こうしたフランシス・アリスの行為は、一見すると無謀で
滑稽なものに映るかもしれません。しかし、その一つ一つの行為は私たちが生きる社会の寓意と
して、決して見過ごすことのできない現実を浮かび上がらせます。
メキシコ在住のアーティスト、フランシス・アリス(1959-)は、都市の中を歩きまわり、そこから
見えてくる日常に潜む問題をとらえて、作家が街なかで行うアクションから数百人の参加者を
ともなった大規模なものまで、さまざまなプロジェクトを世界各地で行ってきました。そうした行為
は、記録映像や写真、物語性をもった魅力的な絵画、ドローイング、ときにはポストカードまで、
多様な形で展開していきます。
アリス作品の多くは、作家が生活するメキシコの社会的、政治的問題を扱っていますが、詩的
でウィットに富んだ表現によって、特定地域の問題さえも誰もが共有できるものにしてしまうその
卓越した表現力は、国際的に高く評価されています。
本展は二期にわたって、初期作品から新作までアリス作品の全貌を明らかにするものです。
第1期では、メキシコで行った約20のプロジェクトを、映像を中心に写真や絵画、彫刻を通して
紹介し、作家のこれまでの表現活動を概観します。一方、第2期では、ジブラルタル海峡で行っ
た大規模な新作プロジェクト《川に着く前に橋を渡るな》 に焦点をあてて、その記録映像、絵画、
ドローイング、インスタレーション、彫刻、写真など約140点を発表します。
社会が大きな変化を迎えている今、アートは社会においてどのような役割を担うことができるか
問われています。そうした中、寓意に満ちた物語の力によって現実と向き合うアリスの姿勢は、
現実社会に対するアートの可能性をあらためて提示することになるでしょう。
第1期: MEXICO SURVEY メキシコ編
2013年4月6日(土)- 6月9日(日)
アーティストとしての自身の立場をユーモアたっぷりに表明する《観光客》(1994年)や、メキシコシ
ティの街なかで巨大な氷を溶けるまで押し続ける《実践のパラドクス1(ときには何にもならないこと
もする)》(1997年)など、第1期では活動拠点のメキシコで制作した作品に焦点をあてて、作家の
これまでの活動を概観します。
第2期: GIBRALTAR FOCUS ジブラルタル海峡編
2013年6月29日(土)- 9月8日(日)
アフリカとヨーロッパを隔てるジブラルタル海峡で行った大規模な新作プロジェクトを紹介します。
移民問題を背景に、アリスはこどもたちとともに想像力をもって二つの大陸に橋を渡す試みを行い
ます。本プロジェクトを、映像、インスタレーション、絵画、ドローイングを通して紹介します。
2
フランシス・アリス展の見どころ
1. 世界の最重要アーティストの一人、待望の日本初個展
ロンドンのテート・モダンやニューヨーク近代美術館で個展を開催し、賞賛を浴びたフランシス・アリス。
国際的に非常に高く評価され、さらに日本の若い作家たちにも多大な影響を与えているアリスの待望の
日本初個展。
2. 二期にわたってアリス作品の全貌を大公開
第1期と第2期の二期にわたり、それぞれ異なる展示内容で、東京都現代美術館の大きな空間を使って
初期から新作まで一挙大公開。
3. ウィットに富んだ作品群。第1期では過去の代表作を紹介します。
朝から晩まで、街なかで巨大な氷を溶けるまで押し続ける。竜巻の中へカメラ片手にくりかえし突入する。
拳銃を手にもって繁華街を歩いて、警察に捕まる。
アリス作品のシナリオは単純明快で、そして滑稽でどこかコメディにも見えます。また、こうしたアクションを
行うのは作家本人で、その長身でひょうひょうとした姿がその印象をいっそう強めます。ユーモアもあり、
示唆的なアリス作品の魅力を、第1期では、過去作品を通してお伝えします。
4. 新作プロジェクトを第2期で発表
2008年にジブラルタル海峡で行った大規模なプロジェクト《川に着く前に橋を渡るな》。プロジェクト実施
以来、本作はこれまでまとまった形では発表されずに作家のもとで温められてきました。第2期では、
本作品を映像、ペインティング、ドローイング、インスタレーション、彫刻の約140点という大規模な展示で
発表します。
5. アートと社会の関係を考える
フランシス・アリスはメキシコをはじめとして、ペルー、イスラエル、ジブラルタル海峡など、その土地の社会
状況の寓意に満ちた作品を制作してきました。社会問題を扱いつつも、魅力的な物語を挿入することに
よって観る者の想像力を喚起させ、別の視点からその問題を考えさせます。アートで現実社会に向き合う
作家の姿にご注目ください。
作家略歴
1959年ベルギー、アントワープ生まれ。現在メキシコシティ在住。
ヴェネツィアで建築を学んだ後、1986年メキシコに渡る。当初は建築
家として働くも、90年前後よりアーティストとして作品を制作し始める。
主にメキシコやラテンアメリカの社会状況の寓意に満ちた作品を制作し、
その形式はアクション、映像、絵画、写真など多岐にわたる。 90年代
後半よりヴェネツィア・ビエンナーレやイスタンブール・ビエンナーレなど
に招待され、国際的に注目される。2010年大規模個展がロンドンの
テート・モダンで開催され、翌年にはニューヨーク近代美術館に巡回。
2012年には、5年に一度の国際展「ドクメンタ13」(ドイツ、カッセル)に
参加。
1959年
1978-83年
1983-86年
1986年
1998年
1999年
2001年
2003年
2006年
2010年
2012年
作家ポートレート
2008年、モロッコ、写真:Roberto Rubalcava
ベルギー、アントワープで生まれる。
Institut d’Architecture de Tournai(ベルギー、トゥルネー)にて学ぶ。
Instituto Universitario di Architettura di Venezia(ヴェネツィア)にて学ぶ。
メキシコシティに移住。
第24回サンパウロ・ビエンナーレに参加。
第48回ヴェネツィア・ビエンナーレに参加。
第7回イスタンブール・ビエンナーレ、第49回ヴェネツィア・ビエンナーレに参加。
ローマ現代美術センターにて個展「預言者と蠅」を開催。
その後、クンストハウス・チューリヒ、ソフィア王妃芸術センター(マドリード)等に巡回。
SCHAULAGER(スイス、バーゼル)にて個展「サイン・ペインティング・プロジェクト(1993-1997)」、
ハーシュホーン美術館(ワシントン)にて個展「ブラック・ボックス」を開催。
テート・モダン(ロンドン)にて個展「虚偽の物語」を開催。
その後、Wiels(ベルギー、ブリュッセル)とニューヨーク近代美術館へ巡回。
ドクメンタ13(ドイツ、カッセル)に参加。
現在、メキシコシティ在住
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作品紹介
私がしていることは、物語を広めること、差し迫った目の前の状況から離れ、突然予期せぬものを喚起し、
人々が抱く物事のあり様に対する前提を揺るがすような状況をつくりだすことです。そして、たとえほんの
一瞬であっても、その状況が違ったものに見える、その可能性をひらくことなのです。――フランシス・アリス
(Russell Fergusonとのインタビューより。Cuauhtémoc Medina, Russell Ferguson, Jean Fisher, Francis Alÿs, Phaidon, London,
2007, p.40)
■第1期出品作品
《観光客》1994年
メキシコシティ、アクションの記録写真
メキシコシティの中心にある大聖堂の前には、いつも大工、配管工、
日雇労働者らが仕事を求めて立っている。写真中央でサングラス
をかけて、「TURISTA(観光客)」というプラカードを足元に置いて
立っている長身の男性が、フランシス・アリス本人である。ベルギー
人である彼はメキシコでは異邦人ではあるが、「プロの観察者」として
自身の表現行為をその観察対象である共同体に対し、ひとつの
「サービス」として提供しているのである。アリスの他の作品にも通じ
るアーティストとしての姿勢を表明した作品。
《実践のパラドクス1》(ときには何にもならないこともする)1997年
メキシコシティ、アクションの記録映像、5分
朝から晩まで、9時間以上もの間、アリスはメキシコシティ市街で巨大
な氷の塊を押し続けた。この重労働は氷が完全に溶け切るまで続け
られた。努力に対して結果がともなわないこの不均衡さは、ラテンアメ
リカの社会状況を反映している。しかし、氷が小さくなってくると、たばこ
を吸いながら足で蹴って氷を前に進めるなど、労働の中にも遊びの
要素を持ち込む所作も見られる。この一連のアクションは、わたしたち
の日々の労働への寓意ともとらえることができよう。
《トルネード》2000-10年
ミルパ・アルタ、アクションの記録映像、55分
アリスは毎年、乾季の3月になると、メキシコシティ南東のはずれの、
竜巻が発生するミルパ・アルタに向かった。そこで、アリスはヴィデオ
カメラ片手に竜巻の中に突入し、渦の中心の崇高な瞬間をとらえ
ようと試みた。彼はこの行為を2000年から2010年までの10年間
続けた。何度失敗しても竜巻に挑み続ける姿に、危険をかえりみず
ユートピアに惹きつけられる人間の性(さが)を見ることできる。
■第2期出品作品
《川に着く前に橋を渡るな》 2008年
ジブラルタル海峡、アクションの記録映像と写真
「2008年8月12日、サンダルでできたボートを持ったこどもたちが、一列に
なってヨーロッパ側の岸を出発してモロッコへ向かう。一方で、同様にサンダル
のボートを持ったこどもたちがアフリカ側の岸からも一列になってスペインへと
向かう。二つの列は、水平線のかなたで交わる。」
本作は、アリスがヨーロッパとアフリカを隔てるジブラルタル海峡で行った
大規模なアクションである。アフリカからヨーロッパへ渡る移民問題を背景に、
海峡の両岸の街に住むこどもたちとともに、想像力によって二つの大陸に橋を
かける試み。
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展覧会情報
展覧会名
フランシス・アリス展
会 期
第1期 MEXICO SURVEY メキシコ編 2013年4月6日(土)- 6月9日(日)
第2期 GIBRALTAR FOCUS ジブラルタル海峡編 2013年6月29日(土)- 9月8日(日)
開館時間
10:00~18:00(入場は17:30まで)
会 場
東京都現代美術館(〒135-0022 江東区三好4-1-1)
第1期:企画展示室B2F/ 第2期:企画展示室3F
休館日
月曜日(4/29、5/6、7/15は開館)、4/30、5/7、7/16
*6/10(月)~28(金)は展示替えのため全館休館いたします。
主 催
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
協 力
メキシコ大使館、公益財団法人フランダースセンター、
NECディスプレイソリューションズ株式会社
観覧料
(第1期)一般1,100円/ 大学生・65歳以上800円/ 中高生600円/ 小学生以下無料
(第2期)一般1,100円/ 大学生・65歳以上800円/ 中高生600円/ 小学生以下無料
*20名以上の団体は2割引き *本展チケットでMOTコレクションもご覧になれます。
*身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と
その付添者(2名まで)は無料。
【おトクな半券割引】
第1期の観覧済みチケットを提示すると、第2期の観覧料が半額以下に割引となり、
大変おトクです!
一般1,100円→500円 大学生・65歳以上800円→400円 中高生600円→300円
*第1期の有料チケットが対象です。
関連イベント
会期中、講演会や当館学芸員によるギャラリーツアーなどイベントを予定しております。
詳細は決まり次第東京都現代美術館のホームページやtwitter、フランシス・アリス展の
Facebookページなどでご案内いたします。
展覧会カタログ
2013年6月29日(土)刊行予定
交通案内
東京メトロ半蔵門線・清澄白河駅B2番出口より徒歩9分
都営地下鉄大江戸線・清澄白河駅A3番出口より徒歩13分
美術館お問い合わせ
03-5245-4111(代表)/ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.mot-art-museum.jp
展覧会スタッフ
企画 吉﨑和彦/ 学芸スタッフ
同時開催
(第1期)
森 千花
「桂ゆき-ある寓話」 4月6日(土)~6月9日(日)
「MOTコレクション 私たちの90年 1923-2013 / 残像から―afterimages of tomorrow」
4月6日(土)~6月9日(日)
「トーキョーワンダーウォール公募2013入選作品展」 5月18日(土)~6月9日(日)
(第2期)
「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」 6月29日(土)~9月8日(日)
「オバケとパンツとお星さま」 6月29日(土)~9月8日(日)
巡回予定
広島市現代美術館
会期:2013年10月26日(土)~2014年1月26日(日)
広報お問い合わせ
東京都現代美術館 事業推進課企画係 広報班
野口 [email protected] 伊藤 [email protected]
東京都江東区三好4-1-1
TEL.03-5245-1134(直通) / FAX.03-5245-1141
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広報用画像
広報用画像として表紙画像1点と下記8点の計9点をご用意しております。
掲載ご希望の方はお手数ですが別紙にご記入の上、FAXもしくはメールにてご連絡ください。
*表紙掲載の①と下記②~⑤の5点が第1期出品作品、⑥~⑨の4点が第2期出品作品です。
第
1
期
② 《実践のパラドクス1(ときには何にもならないこともする)》
1997年、メキシコシティ、アクションの記録映像、5分
Photo: Enrique Huerta
④ 《愛国者たちの物語》1997年、メキシコシティ
③ 《再演》 2000年、メキシコシティ
ラファエル・オルテガとのコラボレーション
アクションの記録映像(2チャンネル)、5分20秒、映像スティル
⑤ 《観光客》 1994年、メキシコシティ、アクションの記録写真
ラファエル・オルテガとのコラボレーション
アクションの記録映像、24分40秒、映像スティル
第
2
期
⑦ 《川に着く前に橋を渡るな》 2008年、ジブラルタル海峡
アクションの記録映像と写真
Photo:Jorge Golem
⑥ 《川に着く前に橋を渡るな》 2008年、ジブラルタル海峡
アクションの記録映像と写真
Photo:Jorge Golem
広報お問い合わせ先
⑧《無題(コヨーテ、2006-08年、 「川に着く前に橋を
渡るな」のための習作)》2006-08年
油彩、ろう画/木製パネルにカンヴァス
東京都現代美術館 広報班
野口玲子 [email protected]
TEL 03-5245-1134(広報直通) FAX 03-5245-1141
⑨《無題(「川に着く前に橋を渡るな」のための習作)》
2006-08年、油彩、ろう画/木製パネル
広報用画像申込書
東京都現代美術館 事業推進課企画係 広報班宛
FAX. 03-5245-1141
本展覧会広報用素材として、9点をご用意しております。
ご希望の際は下記申込用紙に必要事項をご記入の上、FAX又はEメールにてお申込みください。
なお、写真の使用に際し、以下の点をご注意ください。
① キャプションは、作家名、作品名、制作年、コピーライト等を必ず表記ください。
② 作品のトリミング、文字載せはお控えください。
本展記事を紹介頂く場合には、恐れ入りますが情報確認の為の校正、掲載誌(紙)、DVD、CD等をお送りください。
媒体名:
『
』
○印をおつけください
種
TV ラジオ 新聞 雑誌 フリーペーパー
別:
ネット媒体
携帯媒体
その他
発売・放送予定日:
御社名:
ご担当者名:
Eメールアドレス:
@
(〒
-
)
ご住所:
お電話番号:
FAX:
ご希望の図版番号に ✔ をおつけください。
□ ①
《トルネード》 2000-10年、ミルパ・アルタ、アクションの記録映像
Photo:Jorge Golem
□ ②
《実践のパラドクス1(ときには何にもならないこともする)》1997年、メキシコシティ
アクションの記録映像、5分
Photo: Enrique Huerta
□ ③
《再演》 2000年、メキシコシティ
ラファエル・オルテガとのコラボレーション
アクションの記録映像(2チャンネル)、5分20秒、映像スティル
□ ④
《愛国者たちの物語》1997年、メキシコシティ
ラファエル・オルテガとのコラボレーション
アクションの記録映像、24分40秒、映像スティル
□ ⑤
《観光客》 1994年、メキシコシティ、アクションの記録写真
□ ⑥
《川に着く前に橋を渡るな》 2008年、ジブラルタル海峡
アクションの記録映像と写真
Photo:Jorge Golem
□ ⑦
《川に着く前に橋を渡るな》 2008年、ジブラルタル海峡
アクションの記録映像と写真
Photo:Jorge Golem
□ ⑧
《無題(コヨーテ、2006-08年、 「川に着く前に橋を渡るな」のための習作)》
2006-08年
油彩、ろう画/木製パネルにカンヴァス
□ ⑨
《無題(「川に着く前に橋を渡るな」のための習作)》 2006-08年
油彩、ろう画/木製パネル
プレゼント用招待券(第1期・第2期共通)をご希望の場合は✔をおつけください。 □ 10名様/□ 20名様
広報お問い合わせ先:
東京都現代美術館 事業推進課企画係 広報班
野口 [email protected]
東京都江東区三好4-1-1 TEL.03-5245-1134(直通) /
FAX.03-5245-1141