第44期事業報告 自 平成23年4月 1日 至 平成24年3月31日 株式会社 北海道熱供給公社 札幌市東区北7条東2丁目1番10号 1.株式会社の現況に関する事項 (1)事業の経過及びその成果 わが国の経済は、昨年 3 月に発生した東日本大震災の影響により、景気が 依然として厳しい状況にあるなかで、緩やかに持ち直しているものの、先行 きについては欧州政府債務危機、原油価格の上昇など海外経済減速による下 振れリスクが懸念されております。また本道経済におきましては、設備投資 が底堅く推移している一方、公共投資が減少傾向にあるなど、全体としては 横ばい圏内で推移しております。 このような状況の中で、当社は、新規需要家の獲得による売上げの増加及 びコストの削減に重点を置くとともに、安全・安心・安定供給に全社を挙げ て努力して参りました。 営業地区別の状況につきましては、夏期の気温が昨年の猛暑には及ばなか ったことから、冷熱の販売熱量が前期比減少となりましたが、一方、冬期は 厳しい寒さが継続したことから、温熱の販売熱量が好調に推移し、前期比増 加となりました。 供給拠点別の販売量は以下のとおりであります。 ★中央エネルギーセンター 販売量 温熱 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 498,559 512,874 平成 22 年度 平成 23 年度 販売熱量(GJ) 増 減 前期比(%) 14,315 2.9 ★札幌駅南口エネルギーセンター 販売量 年度 増 減 前期比(%) 温熱 販売熱量(GJ) 91,548 98,740 7,192 7.9 冷熱 販売熱量(GJ) 140,111 125,858 △14,253 △10.2 電力 販売量(Mwh) 31,821 31,000 △821 △2.6 平成 22 年度 平成 23 年度 ★道庁南エネルギーセンター 販売量 年度 増 減 前期比(%) 温熱 販売熱量(GJ) 30,213 32,419 2,206 7.3 冷熱 販売熱量(GJ) 12,315 10,098 △2,217 △18.0 電力 販売量(Mwh) 3,949 3,991 42 1.1 ★東急百貨店札幌店エネルギーセンター 販売量 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 増 減 前期比(%) 温熱 販売熱量(GJ) 16,250 15,930 △320 △2.0 冷熱 販売熱量(GJ) 17,532 14,057 △3,475 △19.8 電力 販売量(Mwh) 6,749 6,852 103 1.5 1 ★道特サブプラント 平成 22 年度 平成 23 年度 2,336 1,699 平成 22 年度 平成 23 年度 温熱 業務用販売熱量(GJ) 7,144 6,309 △835 △11.7 暖房住宅戸数(戸) 1,827 1,825 △2 △0.1 販売量 冷熱 年度 販売熱量(GJ) 増 減 △637 前期比(%) △27.3 ★光星エネルギーセンター 販売量等 年度 増 減 前期比(%) この結果、営業収益は、熱供給事業営業収益 3,237,393 千円、熱供給事業 外営業収益 732,921 千円となり、営業収益の合計は、前期比 16,280 千円 (0.4%)増加の 3,970,314 千円となりました。 一方、営業費用は、販売熱量の増加に伴う燃料費の増加、熱供給需要家の 建屋解体に伴う熱供給導管撤去工事の固定資産除却費等が増加いたしました が、その他経費の削減に努めた結果、前期比 697 千円(△0.01%)減少の 3,780,554 千円となりました。 その結果、経常利益は前期比 28,428 千円(29.7%)増加の 124,069 千円とな り、法人税等につきましては、当期は、前期に実施した控除未済欠損金の所 得控除の適用が終了したことから、大幅に増加となりました。このため、当 期純利益は、前期比 9,280 千円(△13.8%)減少の 57,920 千円となりました。 (2)資金調達等についての状況 ①設備投資 当期は、中央エネルギーセンターにおける 5 号ボイラ用ストーカ更新工事 及び冷却塔更新工事並びに高温水供給導管コンジットパイプ更新工事等に 240,976 千円の設備投資を行いました。 ②資金調達 当期は、平成 23 年 3 月に竣工した熱供給導管ピット(札幌駅前通地下歩行 空間併設)整備事業に関連して、平成 22 年度分補助対象事業として札幌市か らの補助金 35,010 千円の交付を受けました。 なお、当期は、昨年度同様、金融機関からの調達は行っておりません。 2 (3)対処すべき課題 当社をとりまく事業環境は、東日本大震災を契機として、再生可能エネル ギーへの期待が高まる中、熱供給事業者である当社に対してもより一層の省 エネルギーの推進と未利用エネルギーの積極的な活用が求められ、各需要家 においても省エネルギーや経費削減が進むほか、北海道瓦斯㈱が今冬導入を 予定している LNG の国際市況における価格高騰が継続し、当社の燃料価格に 大きな影響が予測される等、当社にとっては、これまで以上の厳しい経営状 況が続くことが見込まれております。 このため当社といたしましては、①営業力強化策として、親会社である北 海道瓦斯㈱とより一体となった営業推進体制を構築し、売上げの増加を図り、 ②長期的な視点に立った供給拠点の確保と冷水導管の拡充等による拠点連携 を目指すとともに、次世代エネルギー事業のあり方を視野に入れながら、③ 徹底したコスト削減と業務全般に渡る効率化、合理化、子会社を含めた事業 の再構築を行い、経営基盤を強化し競争優位を確保していく考えであります。 さらに熱供給事業として課せられた社会的使命であります CO2 の削減を推 進するため、木質バイオマス燃料のさらなる使用量拡大に向けて燃料調達の 安定的確保に努めながら、クリーンで良質なエネルギーを安定供給し、需要 家さらに札幌市のまちづくりに貢献して参る所存であります。 また、安全対策の強化につきましても、さらなる創意工夫を重ねながら、 継続して取り組んで参ります。 株主各位におかれましては、今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜り ますようお願い申し上げます。 (4)直前三事業年度の財産及び損益の状況 平成 20 年度 平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 区 分 第 41 期 第 42 期 第 43 期 (当期)第 44 期 ( 千 円 ) 3,900,443 3,812,793 3,954,034 3,970,314 当 期 純 利 益 ( 千 円 ) △ 166,442 29,434 67,200 57,920 1 株 当 た り 当 期 純 利 益(円) △ 27.50 4.86 11.10 9.57 売 上 高 総 資 産 (千円) 11,816,268 12,044,613 10,733,843 10,312,956 純 資 産 (千円) 5,513,780 5,543,215 5,610,415 5,668,336 (注)上表の△印は損失を表しております。 3 (5)重要な親会社及び子会社の状況 ①親会社の状況 当社の親会社は、北海道瓦斯株式会社であり、同社は当社の株式を 3,078,000 株(出資比率 50.87%)保有しています。当社は同社から主として燃料を購入し ております。 ②子会社の状況 当社の子会社は、北海道熱供給メンテナンス株式会社であり、当社は同社の 株式を 25,000 株(出資比率 100%)保有しております。当社は同社と熱供給諸 施設の運転・保守などに関する取引を行っております。 (6)主要な事業内容 ①冷温水及び蒸気による熱供給事業 ②冷温水、蒸気の受入使用施設の調査、設計、販売、施工、運転、保守及び管 理に関する事業 ③熱供給施設の調査、設計、運転、保守及び管理に関する事業 ④電気事業法に定める電気工作物の発電による電力の供給、販売及び管理並び に関連機器の保守及び管理に関する事業 ⑤前2号、3号及び4号の受入使用施設、熱供給施設及び電気工作物のリース に関する事業 ⑥電気、冷暖房及び給排水衛生設備の保守管理並びに運転業務 ⑦土地、建物その他施設の賃貸 ⑧管工事業 ⑨電気工事業 ⑩土木工事業 ⑪前各号に付帯する一切の事業 (7)主要な営業所及び工場 工場:中央エネルギーセンター、光星エネルギーセンター、 札幌駅南口エネルギーセンター、道庁南エネルギーセンター、 東急百貨店札幌店エネルギーセンター 、道特サブプラント (いずれも札幌市) (8)使用人の状況 区 分 従業員数(名) 前期末比増減(名) 平 均 年 齢 ( 歳 ) 平均勤続年数(年) 男性 47 △3 44.0 19.1 女性 3 △2 40.6 11.3 計 50 △5 43.8 18.7 4 (9)主要な借入先及び借入額 借 入 先 借入残高(千円) 独立行政法人環境再生保全機構 265,510 株式会社日本政策投資銀行 1,944,772 株 式 会 社 北 洋 銀 行 947,900 株 式 会 社 北 海 道 銀 行 407,019 中央三井信託銀行株式会社 71,730 地域総合整備財団(ふるさと財団) 139,342 日 本 生 命 保 険 相 互 会 社 30,080 (注)中央三井信託銀行株式会社は、平成 24 年 4 月 1 日に住友信託銀行及び中央三井アセ ット信託銀行の 2 行と合併し、「三井住友信託銀行」となりました。 2.株式に関する事項 (1)発行可能株式総数 (2)発行済株式の総数 (3)当事業年度末の株主数 (4)上位 10 名の株主 16,000,000株 6,050,500株(自己株式0株) 16名 株 主 名 持 北 海 道 瓦 斯 株 式 会 社 3,078,000 株 (50.87%) 札 市 1,200,000 (19.83 ) 株式会社日本政策投資銀行 1,200,000 (19.83 ) 株 幌 会 社 北 149,500 ( 2.47 ) 道 100,000 ( 1.66 ) 北海道エナジティック株式会社 69,200 ( 1.14 ) 住石 マテ リア ル ズ 株 式 会社 62,800 ( 1.04 ) 株 式 会 社 北 海 道 銀 行 62,500 ( 1.03 ) 北 海 道 電 力 株 式 会 社 40,000 ( 0.66 ) 三 菱 マ テ リ ア ル 株 式 会 社 24,000 ( 0.40 ) 海 洋 銀 数 行 北 式 株 (注)議決権比率については、表示単位未満を四捨五入して表示しております。 5 3.会社役員に関する事項 (1)取締役および監査役に関する事項 (平成24年3月31日現在) 地 位 代表取締役社長 常務取締役 氏 名 担 当 種畑 徹 *石倉 昭男 営業部、供給部 重要な兼職の状況 株式会社札幌エネルギー供給公社 監査役 北海道熱供給メンテナンス株式会社 取締役 取締役 小林 幹夫 経営管理部、企 業倫理・コンプ ライアンス 取締役 中村 雄一 企画室 取締役 内藤 洋 生産部 取締役 ※生島 典明 非常勤 札幌市副市長 株式会社札幌エネルギー供給公社 代表取締役社長 取締役 ※北村潤一郎 非常勤 株式会社日本政策投資銀行 北海道支店長 取締役 *荒木 啓文 非常勤 札幌商工会議所 専務理事 常勤監査役 鈴木 勝幸 監査役 須藤 哲夫 非常勤 北海道瓦斯株式会社 常勤監査役 監査役 小林 良輔 非常勤 株式会社北洋銀行 常務執行役員公務金融部長 北海道熱供給メンテナンス株式会社 監査役 (注)1.取締役 生島典明氏、北村潤一郎氏、荒木啓文氏は、会社法第 2 条第 15 号に定める 社外取締役であります。 2.監査役 鈴木勝幸氏、小林良輔氏は、会社法第 2 条第 16 号に定める社外監査役であ ります。 3.上表*印の役員は、平成 23 年 6 月 22 日開催の第 43 回定時株主総会において新たに 選任され就任いたしました。 4.上表※印の役員は、平成 23 年 8 月 1 日開催の臨時株主総会において新たに選任され 就任いたしました。 5.平成 23 年 6 月 22 日開催の第 43 回定時株主総会終結の時をもって、取締役黒田隆樹 氏、中川信氏、向井慎一氏は退任いたしました。 6.取締役橋本哲実氏が平成 23 年 6 月 23 日付で、取締役中田博幸氏が平成 23 年 7 月 6 日付で辞任いたしました。 6 (2)取締役及び監査役に支払った報酬等の総額 区 分 支給人員 支給額 取締役・監査役 8 人 摘 要 51,072 千円 (注)1.上表の他、退任取締役 2 名に退職慰労金 7,815 千円を支給しております (平成 23 年 6 月 22 日定時株主総会決議)。 2.取締役の報酬限度額は、平成 18 年 6 月 22 日開催の第 38 回定時株主総会において 年額 1 億円以内と決議いただいております。 3.監査役の報酬限度額は、平成 18 年 6 月 22 日開催の第 38 回定時株主総会において 年額 1,500 万円以内と決議いただいております。 (3)社外役員に関する事項 ①主な活動状況 当期の取締役会には、生島取締役は平成 23 年 8 月 1 日の就任後 3 回中 3 回、 北村取締役は平成 23 年 8 月 1 日の就任後 3 回中 3 回、荒木取締役は平成 23 年 6 月 22 日の就任後 4 回中 4 回、鈴木監査役は 6 回中 6 回、須藤監査役は 6 回中 5 回、小林監査役は 6 回中 5 回出席いただき、疑問点等を明らかにする ため適宜質問し意見を述べております。なお、欠席する取締役及び監査役に は重要な議案について、事前に説明を行っております。 当期の監査役会には、鈴木監査役は 5 回中 5 回、須藤監査役は 5 回中 4 回、 小林監査役は 5 回中 5 回出席いただき、監査結果についての意見交換等を行 っております。 また、経営トップとの意見交換会を実施しております。 (注)取締役会開催回数に、書面決議(2 回)は含まれておりません。 4.会計監査人の状況 (1)会計監査人の名称 (2)当社の当事業年度に係る会計監査人の報酬等の額 公認会計士法第 2 条第 1 項の業務に係る報酬等の額 7 仰星監査法人 3,800 千円 5.会社の体制および方針 (1)業務の適正を確保するための体制 ① 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 イ.取締役会は、取締役会規程を定め、重要事項の意思決定を行うととも に、取締役の職務執行を監督する。 ロ.取締役は、当社が整備する倫理方針・倫理行動指針を遵守し、誠実か つ公正な事業運営を行う。 ハ.取締役の職務執行に関して、監査役は社団法人日本監査役協会で定め る監査役監査基準に準拠して、監査を行う。 ニ.会計に関する取締役の職務執行に関して、会計監査人は企業会計審議 会で定める監査基準に基づき、監査を行う。 ② 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 イ.取締役の職務の執行に係る情報については、取締役会規程、文書規程 等に従って議事録、その他定められた文書を作成し、また、文書規程等 に基づいて、定められた期間これを保存するなど適切に管理する。 ③ 損失の危険の管理に関する規定その他の体制 イ.災害等のリスクの措置については、保安規程、緊急事故対策要領等に 従い所定の体制を整備し、迅速かつ適切な対応を図る。 ロ.業務遂行に伴うリスクのうち、コンプライアンスに関するものは倫理 規程等、情報セキュリティに関するものは情報管理規程等を整備し、迅 速かつ適切な対応を図る。 ハ.その他の損失リスクについては、必要に応じてリスクヘッジに関する マニュアル等を整備し、当該リスクの軽減等に取り組む。 ④ 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 イ.社内規程に基づく、職務権限及び意思決定ルールにより、適正かつ効 率的に職務の執行が行われる体制を整備する。 ⑤ 従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 イ.従業員が、反社会的な勢力に屈せず毅然とした対応をとることを含め、 法令及び倫理を遵守するための規範となる倫理方針・倫理行動指針を明 示した規程等を定め、その徹底を図る。 ロ.コンプライアンスの取組みを効率的に推進するため体制を整備する。 ハ.コンプライアンスに関して、従業員等からの「相談・通報窓口」を設 置し、実効性を確保する。 8 ⑥ 当社及び子会社等から成る企業集団における業務の適正を確保するための 体制 イ.子会社等に関する重要な事項は、当社の取締役会において決議する。 ロ.当社及び子会社等の間での内部統制に関する協議、情報の共用化、指 示・要請の伝達等が効率的に行われるシステムを含む体制を構築する。 ハ.当社の監査役、会計監査人は、法令の定めに基づき、定期的に調査を 行う。 ニ.子会社等のコンプライアンスについては、当社の経営管理部が指導す る。また、随時、執行状況の報告や意見を聴取する。 ⑦ 監査役の職務を補助すべき従業員に関する事項及び当該従業員の取締役か らの独立制に関する事項 イ.監査役の職務執行及び監査役会を補助すべき従業員として、スタッフ を任命する。 ロ.スタッフは、監査役の指揮命令に従って職務を遂行する。 ハ.スタッフの人事管理等に関する事項については、監査役の同意を得る。 ⑧ 取締役及び従業員が監査役に報告をするための体制並びにその他の監査役 への報告に関する体制 イ.監査役は、職務執行に必要な事項に関して、随時、取締役及び従業員 に対して報告を求めることができる。 ロ.監査役は、取締役会等の重要な会議に出席し、重要な決定や報告の把 握ができ、また、各議事録等の重要な書類を閲覧できる。 ハ.取締役は、職務執行に関し重要な法令・定款違反及び不正行為の事実、 又は会社に著しい損害を及ぼす事実を知ったときは、これを直ちに監査 役会に報告する。 ⑨ その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制 イ.監査役と代表取締役との意見交換会を定期的に開催する。 9
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