第14期 付属明細書 - NHKエデュケーショナル

第 27 期 事 業 報 告
自
平成 27 年 4 月
至
平成 28 年 3 月 31 日
株式会社
1日
Ⅰ 会社の現況に関する事項
1.事業の経過及びその成果
(1)当社を取りまく環境と成果
「NED2015~2017 年度 中期経営ビジョン」の初年度に当たる 27 期は、「い
つでも、どこでも、だれでも“学びたい”に応えます」という経営の基本方針の
もと、全社をあげて業務に取り組んでまいりました。
27 期の業績は、前期と比較すると「増収・増益」となりました。売上高は、
NHK関係業務が、前期比 6 億 2 百万円増の 184 億 79 百万円となりました。主
な内訳は、定時番組でおよそ 1 億円、特集番組でおよそ 5 億円の増です。自主事
業は、前期比 2 億 81 百万円減の 50 億 91 百万円となりました。自主事業の主力
商品であるDVD卸販売が落ち込んでいる一方で、イベント展開が好調であるこ
とが要因です。
NHKの番組制作受託業務では、こども幼児、学校教育、語学、美術、教養、
趣味実用、科学健康などのジャンルを中心に約 1 万 1 千本の番組を制作しました。
教育コンテンツ制作という当社の専門性を生かし、乳幼児から高齢者まで、多様
な知的欲求に応える番組を生み出すと同時に、時代のニーズを先取りする番組
開発に力を注ぎました。
自主事業では、「デジタル関連事業」と「イベント事業」を主な柱に据え、
NHKの放送番組で培われたさまざまなノウハウを社会に還元し、各種コンテン
ツの制作・販売、イベントの企画・運営、メディアミックスなど、多角的に展開
してきました。
教育コンテンツ制作の専門性の保持・継承・発展に積極的に取り組むとともに、
ガバナンスやコンプライアンスの強化に努め、将来を見据えて優秀な人材を確保
し、“学び”に携わる企業としてモラルと志を常に高く維持できる組織・体制の
整備に取り組みました。
平成 27 年 4 月には社長直属の組織として、内部監査部を新たに設けました。
各部の業務プロセスおよび全社的な内部統制の整備状況について監査を行い、内
部統制の強化やコンプライアンスの徹底を進めることができました。
-1-
(2)損益の状況
当期の売上高は、235 億 71 百万円となり、前期比 1.4%増、3 億 20 百万円の
増収となりました。
売上原価は、215 億 51 百万円となり、前期比 0.3%増、66 百万円の増となりま
した。販売費及び一般管理費は、11 億 19 百万円でした。
損益につきましては、営業利益 9 億円、前期比 22.9%増、1 億 67 百万円の増益。
営業外損益を加えた経常利益は、9 億 62 百万円で、前期比 19.4%増、1 億 56
百万円の増益となり、これに特別損益及び法人税等を加減した当期純利益は、6
億 23 百万円、前期比 26.1%増、1 億 28 百万円の増益となりました。
(3)事業別の概況
【事業別売上高】
区
(単位:千円)
第27期
(27.4.1~28.3.31)
分
金
NHK関係業務
自
内
訳
額
構 成 比
第26期
(26.4.1~27.3.31)
金
額
構 成 比
金
減
額
増 減 率
18,479,982
78.4%
17,877,930
5,091,998
21.6%
5,373,192
コンテンツ制作
785,404
3.3%
721,938
3.1%
63,466
8.8%
イベント実施
2,014,560
8.5%
1,999,425
8.6%
15,135
0.8%
印税・権料ほか
1,124,575
4.8%
1,224,740
5.3% △ 100,164
△ 8.2%
放大等受託事業
652,842
2.8%
786,291
3.4% △ 133,449
△17.0%
デジタル関連
514,615
2.2%
640,797
2.7%
△126,182
△19.7%
23,571,980
100.0%
23,251,123
100.0%
320,857
1.4%
主
事
計
業
76.9%
増
602,051
3.4%
23.1% △ 281,194
△ 5.2%
【NHK関係業務】
当社は、NHKの番組制作関連会社として、NHKからの受託業務である
「美術・教養」
「趣味・実用」
「科学・健康」
「教育」
「語学」「こども幼児」など
幅広い分野にわたる教育・教養番組を、高い品質を保ちながら、専門性と創造性を
発揮して効率的に制作しました。
27 年 度 の 制 作 本 数 は 、 定 時 番 組 と 特 集 番 組 を 合 わ せ て 、 11,023 本
-2-
(前年比 723 本増)です。メディア別では、総合テレビ 680 本、Eテレ 5,617 本、
ラジオ(第2・FM) 4,179 本、衛星放送(2 波)320 本、テレビ国際放送 227 本
を制作し、このうち特集番組は 818 本でした。
<定時・特集番組>
○美術・教養分野
定時番組では、さまざまなメディアでの新番組を制作しました。Eテレ「オ
トナヘノベル」は、ティーンズの悩みをアイドル主演のドラマで紹介するも
ので、ふだんNHKに接することの少ない若い世代へのリーチ向上に努めま
した。BSP「アナザーストーリーズ」では、誰もが知る事件の知られざる
物語に最新の映像技術で迫りました。
「日曜美術館」は放送 40 年を迎え、旅をして芸術作品を訪ねる演出を取り
入れたり、全国 110 の美術館と「みつけよう、美」キャンペーンを実施した
りするなどして、存在感を高めました。「100 分 de 名著」2 月“アドラー人生
の意味の心理学”ではテキストの発行が 19 万部となり、番組史上最高を記録
するほどの関心を集めました。
特集は「ビューティフル・スロー・ライフ」でドラマ仕立てのオール4K
映像エンタテインメント、「Dr.MITSUYA~世界初のエイズ薬を発見
した男~」はインタビューとアニメーションを織り交ぜた新しいスタイルの
ドキュメンタリーを制作しました。8Kでルーヴル美術館を記録する国際共
同制作プロジェクトも始まっています。定時化を目指した番組開発にも積極
的に取り組み、「ふるカフェ系ハルさんの休日」は28年度の定時化が決まっ
ています。
○趣味・実用分野
趣味との新たな出会いを届ける番組として「趣味どきっ!」がスタートし
ました。国宝を実際に見に行って鑑賞する面白さを伝えるシリーズや、デジ
タル初心者向けにスマートフォンの扱い方を初歩の初歩から解説していくシ
リーズなどが特に好評でした。
「あさイチ」の「解決!ゴハン」や「スゴ技Q」「プレミアムトーク」など
-3-
人気コーナーも継続して制作しました。「サラメシ」は夜 11 時台の番組とし
て、広い視聴者層から支持を受けてきましたが、28 年度の番組改定では核と
なる番組のひとつとして選ばれ、夜 8 時台の定時放送が決まっています。
9 月からは毎月 1 回土日の午後に「生放送
月刊きょうの料理」が始まりま
した。SNSを活用して番組出演者への質問と回答を楽しんだり、手軽でお
いしい料理をその場で作ったり、生放送ならではの演出で新しい視聴者獲得
に挑戦しました。「our SPORTS!」はさまざまな切り口でスポーツの楽しさを
伝えるミニ番組です。オリンピックへの盛り上がりにつなげていくものとし
て期待され、28 年度も継続して制作することになりました。
○科学・健康分野
Eテレの新番組「なりきり!むーにゃん生きもの学園」は動物や植物にな
りきって、生きものの特徴をわかりやすく映像で見せると同時に、自然環境
の大切さを子どもたちに訴える番組として始まりました。
まもなく放送 50 年を迎える「きょうの健康」や「チョイス@病気になった
とき」など最新医療、健康情報に関わる番組を制作し、放送 90 年関連「認知
症キャンペーン」に関連して、ミニ番組や「これが認知症を防ぐチョイスだ!」
「アルツハイマー病
進行を食い止めろ!」など特集も制作しました。
放送 90 年関連「生命進化プロジェクト」では、NHKスペシャル、国立科
学博物館展と連携し、「超体感!古代モンスター復活ミュージアム」「至宝化
石が大集合!探検ナイトミュージアム」などの特集を制作、国内共同制作番
組「ピカイア!」は、親子で楽しめる番組として好評を博しました。
国際放送「Science View」では、国際社会に向けて日本の科学・医学・技
術の多彩な最先端情報を発信しました。
○教育分野
新番組「ウワサの保護者会」では、小中学生の子どもを持つ親どうしが、子
育ての不安や悩みを気軽に話し合えある場を提供しました。高校講座では「ビ
ジネス基礎」が新たに加わりました。番組では、経済の仕組みや社会人として
の心構えなどの基礎知識をストレートに伝えました。問題発見力を養う新しい
-4-
理科番組「カガクノミカタ」や通信制高校生に適した軽スポーツを取り入れた
高校講座初の体育番組「体を動かすTV」は、いずれも昨年度開発番組として
制作したもので、好評だったことから定時化されました。
特集は、「子ども安全リアルストーリー」を夏休みにあわせて制作、連れ去
りや熱中症など、子どもたちの身の回りに潜む危険について、自分たちで考え
て行動できるようになるためのヒントを伝えました。また、高校講座「日本史」
をベースにした「花燃ゆ・井伊直弼、悪人にあらず」では、家族で学べる歴史
紀行番組を制作しました。「テストの花道
ニューベン大放出スペシャル」で
は、高校生に人気のある動画作家を起用して、勉強方法を工夫する技を伝えま
した。28 年度の新番組として制作が決まっています。
○語学分野
Eテレ「エイエイGO!」は中学レベルの英語を学ぶ新番組としてスタート
しました。語順と発音を二つの柱にしてトレーニングを繰り返し、英語での簡
単なやり取りができるようになることを目指しています。中学生はもちろん、
英語を学びなおしたいという高齢者からも支持されました。「ニュースで英会
話プラス」では、自分の発音が上手く相手に伝わるかを判定する発音評定アプ
リを開発、番組で活用すると同時に、視聴者の学習意欲を高めるのにも一役を
担いました。
訪日観光客の増加で注目されたのは中国語でした。海外旅行先での会話より
も、中国からの観光客をいかにもてなして、応対していくかという必要に迫ら
れて関心が高まり、テキストの売り上げも好調でした。
テレビ国際放送では、
「Japanology Plus」や日本で注目されている人に密着
して取材、その人から日本の今を見つめるインタビュー番組「Face to Face」
などを制作しました。
特集では、東京オリンピック開催を控え、急増する外国人観光客にどう接す
ればよいかを探る「TOKYOおもてなし計画」を制作しました。28年度9
月以降の定時化が決まっています。
-5-
○こども幼児分野
コンテンツが子どもたちの主体的な学びの原点となるよう、発達発育や
興味関心に応じた多様な制作をめざしました。
Eテレでは「いないいないばあっ!」「おかあさんといっしょ」「みいつけ
た!」の 3 番組を核に、
「にほんごであそぼ」
「えいごであそぼ」
「ゴー!ゴー!
キッチン戦隊クックルン」などのデイリー番組と、「ピタゴラスイッチ」「デ
ザインあ」「ノージーのひらめき工房」のウィークリー番組に加え、前年度開
発特集で日本賞受賞の「ミミクリーズ」を定時番組としてスタートさせまし
た。また、
「Let’s 天才てれびくん」のスピンオフアニメ番組「どちゃもんじ
ゅにあ」を後期放送、好評を得ました。BSP「おとうさんといっしょ」な
どを含め、家庭視聴だけでなく、幼稚園・保育所でも利用されました。若い
親世代向けの「すくすく子育て」は信頼性の高い子育て支援コンテンツとし
て根強く支持されました。
放送連動型イベント「おかあさんといっしょファミリーコンサート」「いな
いいないばあっ!あつまれ!ワンワンわんだーらんど」は、いずれも高い抽
選倍率で、家族3世代で楽しめると広く人気を呼びました。
開発番組として、英語の発音に焦点を当てた「えいごのオートン」やパペ
ットエンタテインメント「コレナンデ商会」も制作、「コレナンデ商会」は2
8年度の定時番組として決まっています。
○27 年度・番組の主な受賞歴
☆第 42 回日本賞
・最優秀賞[幼児向けカテゴリー](総務大臣賞)
「デザインあ」
☆第 46 回科学放送高柳賞
・優秀賞
「NHKスペシャル
腸内フローラ
~解明!驚異の細菌パワー~」
☆科学ジャーナリスト賞 2015
・科学ジャーナリスト賞
「NHKスペシャル
腸内フローラ
-6-
~解明!驚異の細菌パワー~」
☆第 52 回ギャラクシー賞
・奨励賞
「奇跡のレッスン
「幻の東京計画
~世界最強のコーチと子どもたち
サッカー編~」
世界にありえた3つの夢」
☆ワールド・メディア・フェスティバル 2015
・インターメディアグローブ銀賞
[教育番組部門:就学前・幼稚園カテゴリー]
「ミミクリーズ
きいろとくろのヒミツ」
☆アメリカ国際フィルム・ビデオ祭
・最優秀賞[教育部門
「ミミクリーズ
部門 1 位]
きいろとくろのヒミツ」
☆第 11 回アルジャジーラ国際ドキュメンタリー映像祭
・自由の人権賞[中編の部]
「BS1スペシャル
憎しみとゆるし
~マニラ市街戦 その後~」
☆Spikes Asia 2015
・Mobile 部門
ブロンズ
「かおテレビ」
<ホームページ、データ放送、ハイブリッドキャスト制作等>
NHKの個別の番組について内容を補完するサイトのほか、Eテレ全体の
ポータルサイトや、語学、こども、趣味実用、健康、福祉など、カテゴリー
別のポータルサイトも制作しました。
「Eテレポータルサイト」では、視聴者からリクエストの多い番組を
再放送するという番組連動の試みを継続し、好評を得ました。NHKの豊富
で良質な映像素材を無償で提供し、創造性を育成するサイト「NHKクリエ
イティブライブラリー」は 7 年目を迎え、さまざまなイベントと連動する形
でワークショップを開催し、家族層に好評でした。「NHKゴガク」では、英
語の発音評定や中国語の声調を確認できるサービスを始めました。
ハイブリッドキャストでは自分の作った顔がテレビ画面に登場する「かお
テレビ」や「おかあさんといっしょ」で子どもたちがゲーム感覚で一緒に遊
べるコンテンツを提供、双方向の可能性を探りました。
「生命進化プロジェクト」と関連としてアプリ「コダモン」を制作。番組
-7-
や博覧会と連動し、大人から子どもまで楽しめる教育アプリとして活用され
ました。
<日本賞>
NHKが主催する教育分野のコンテンツの国際コンクール「日本賞」。27 期
には事務局業務やコンクール運営、関連イベント制作などさまざまな業務を
受託しました。長きに渡って蓄積されたコンテンツ制作の知見をベースに、
公共メディアNHKへの信頼を高めることに大きく寄与できました。
以上、これらNHK関係業務の売上高は、過去最高の 184 億 79 百万円で、
前期と比較しますと、6 億 2 百万円(3.4%)の増収となりました。
【自主事業】
NHKグループにおける教育コンテンツ制作集団としての専門性や企画力
を最大限に活用し、教育コンテンツを放送以外のメディアや事業を通して、
広く社会に還元するための良質かつ多角的な事業展開を行いました。
27 年度は、前年度に引き続き「デジタル関連事業の強化」とニーズの高い
「イベント事業の拡充」を増収の柱に据え、新規事業にも積極的に挑戦
しました。
各部の特色や強みを発揮し、他の関連団体との連携強化も一層進めたこと
で、事業計画の売上げ 49 億円を達成することができました。
① コンテンツ制作・販売事業
ア.市販DVD関連
市販DVDでは、工夫を凝らして新商品や新企画の展開に取り組みました
が、市場縮小の影響を受け売上げは落ち込んでいます。その中で、主力商品
のこども幼児系では、「おかあさんといっしょ最新ソングブック」や「にほん
ごであそぼ
恋そめし」などが大きな話題となりました。
趣味実用系のDVD化では、「今さら聞けないゴルフの基本」や「ゼロから
-8-
スタート
もう恐くない!スマホ」など、一定の購買層が見込めるものを発
売しました。
料理関連では、注文のたびに製造・販売を行うディスク・オン・デマンド
(DOD)方式にも継続して取り組んでいます。
イ.その他のコンテンツの受注制作
美術館などで上映される展示映像制作は、Eテレ「日曜美術館」の番組制
作ノウハウを生かした高いクオリティが好評です。
最新の宇宙の姿を実写とダイナミックなCGで描いた「コズミックフロン
ト」は、二次使用の要望が多く、中でもプラネタリウム用に作り変えた映像
は、全国各地のプラネタリウム館での上映が確実に広がっています。
その他、「東京都オリンピック・パラリンピック映像教材」「東京都英語副
教材」など、教育を目的とする映像制作も積極的に行いました。
こ れ ら コ ン テ ン ツ 制 作 ・ 販 売 事 業 の 売 上 高 は 7 億 85 百 万 円 で 、
前期売上高と比較しますと、63 百万円(8.8%)の増収となりました。
② イベント企画・実施事業
幼児向けのドームイベントは、夏の「おかあさんといっしょスペシャルス
テージ」
(さいたま・大阪)と冬の「ワンワンといっしょ!夢のキャラクター
大集合」
(名古屋・東京)を合わせて 8 日間 24 公演に及び、延べ 20 万人を超
える家族連れに楽しんでいただきました。
「第 15 回東京国際キルトフェスティバル」は、約 24 万人のキルトファン
で熱気に包まれ、27 年度はプレイベントとして初めて「オータムマーケット
2015」が開催されました。
17 回目となった「国際バラとガーデニングショウ」では、倉本聰が愛する
「風のガーデン」を特別企画として展開し、20 万人近い来場者を迎えました。
その他、遊びと運動を組み合わせた「遊育(あそいく)イベント」、健康関
連のフォーラム、
「ノージーのひらめき工房」などの子ども向けミニイベント、
「すイエんサー」や「サイエンススタジアム」などの科学イベント、
「西宮ア
-9-
ートイベント」など、NED各部の専門性を生かした多彩で多様なイベント
を展開しました。
これらイベント事業の売上高は、20 億 14 百万円で、前期の売上高と比較
しますと、15 百万円(0.8%)の増収となりました。
③ 印税・権利事業、国内共同制作
キ ャ ラ ク タ ー 事 業 で は 、「 い な い い な い ば あ っ ! 」 と 「 お か あ さ ん と
いっしょ」のキャラクターをつけたおむつの販売が、前年に引き続き売上げ
の上位を占めました。
NHKアーカイブスからは、
「NHK高校講座」を教育機関向けの学習支援
ツールとして提供しています。さらに、通信制高校やオンライン講座などへ
のeラーニング教材も提供しました。
書籍では、
「きょうの料理」
「きょうの健康」
「趣味の園芸」などの定番商品
を加え、
「奇跡のレッスン」
「100 分de名著」
「妄想ニホン料理」など人気番
組の書籍化が相次ぎました。語学番組のDVDブックも発売されました。
国内共同制作では、
「ピカイア!」
「パッコロリン」制作、
「シャーロックホ
ームズ」スピンオフ4K制作を行い、DVDなどの二次展開を進めました。
これら印税・権利事業、国内共同制作の売上高は、11 億 24 百万円で、前期の
売上高と比較しますと、1 億円(8.2%)の減収となりました。
④ 放送大学学園等受託事業
放送大学学園からの受託業務については、「授業番組」で 31 科目 467 本を
制作しました。そのほかにも、「特別講義」5 本、「オンライン科目」2 科目
23 本、「授業科目案内」10 本を新規に受託しました。
放送大学学園等受託事業の売上高は、6 億 52 百万円で、前期の売上高と
比較しますと、1 億 33 百万円(17.0%)の減収となりました。
- 10 -
⑤ デジタル関連事業
動画や音声などの素材を蓄積し、教材等に組み込んで提供する事業の
ベースとなる「NEDデジタル基盤」を整備し、これを利用したビジネス
展開が運用 4 年目に入りました。
こども幼児と保護者向けの自主サイト「キッズワンダーランド」と「すく
すく.COM」を 9 月に統合、新しいサイト「すくコム」が誕生しました。
会員数が順調に伸びているのと同時に、ページビューも増加しています。
「英語教材作成支援システム(基礎英語LEAD)」は、学校現場や教育委
員会への訪問営業が実を結んで、200 校以上の契約となりました。代理店を
介してさらに全国に広げる努力を続けています。
料理レシピを提供する事業もさまざまな形で継続しています。健康にかか
わるデータと連携させた「健康レシピ」も企業を中心に提供してきました。
5 月には、IT教育分野では日本最大の展示会である「教育ITソリュー
ションEXPO」に出展し、さまざまな展開ビジネスのモデルをPRしなが
らパートナーの獲得に努めました。
デ ジ タ ル 関 連 事 業 の 売 上 高 は 、 5 億 14 百 万 円 で 、 前 期 の 売 上 高 と
比較しますと、1 億 26 百万円(19.7%)の減収となりました。
以上、各事業を総合した自主事業の売上高は、50 億 91 百万円となり、
前期の売上高と比較しますと、2 億 81 百万円(5.2%)の減収となりました。
- 11 -
2.設備投資の状況
当期の設備投資総額は 2 億 51 百万円で、内容は以下のとおりです。
(単位:百万円)
資
産
の
種
類
有形固定資産・建
取得価額
物
94
有形固定資産・工具器具備品
112
44
有形固定資産
計
備
考
オフィスビル集約化ほか
原盤制作
着ぐるみ制作、サーバーほか
251
3.資金調達の状況
前記の設備投資の資金は、自己資金で充当しています。
4.対処すべき課題
28 年度は、「NED2015~2017 年度 中期経営ビジョン」の 2 年目にあたりま
す。「いつでも、どこでも、だれでも“学びたい”に応えます」という経営の基
本方針をこれからも堅持し、
「心を豊かにする多彩なコンテンツの制作」
「デジタ
ル技術を積極的に活用したサービスの提供」「コンテンツの充実と発信力の強化
による国際展開の推進」「NHKへの財政貢献」という四つの柱を、事業の主軸
に据えます。
NHK関係業務では、「平成 28 年度国内・国際放送番組編集の基本計画」に
沿って、NEDの教育分野における高い専門性を生かし、視聴者の幅広い期待に
応える、見ごたえのある魅力的なコンテンツを開発・制作します。さらに、イン
ターネットやスーパーハイビジョン(8K・4K)など、次世代映像技術やデジ
タル技術を生かした新しい放送・サービスの創造に精力的に挑戦します。
自主事業では、これまで培ってきたNEDのドメインを基本に、将来を見据
えた自主事業(展開事業)の充実・開発に努めます。主要な柱となったイベント事
業のさらなる展開に努めるとともに、スマホやタブレットをはじめ多様化が進む
デジタルデバイスに的確に対応し、コンテンツを必要とする人たちに確実に提供
できる体制を整えていきます。さらにNHKや他の関連団体とも連携し、番組販
売やクリップ映像提供等の海外展開を進めるとともに、国際共同制作、スーパー
ハイビジョン(8K・4K)を活用した事業にも積極的に取り組みます。
NHKグループの一員として、企業経営の原点を常に見つめながら、社会の
信頼に応え、ノウハウの社会還元を図るために28年度も邁進いたします。
- 12 -
5.財産及び損益の状況の推移
項
売
上
目
第24期
第25期
(平成 24 年度)
第26期
第27期
〔当 期〕
(平成 25 年度) (平成 26 年度) (平成 27 年度)
高 (千円)
21,127,507
22,872,856
23,251,123
23,571,980
経 常 利 益 (千円)
739,094
964,760
806,184
962,472
当 期 純 利 益 (千円)
441,429
554,188
494,811
623,752
1株当たり当期純利益 ( 円 )
220,714
277,094
247,405
311,876
総
資
産 (千円)
8,401,710
9,191,489
9,199,713
10,411,890
純
資
産 (千円)
5,356,879
5,750,706
6,051,167
6,495,385
1株当たり純資産 ( 円 )
2,678,439
2,875,353
3,025,583
3,247,692
6.重要な親会社の状況
親会社との関係
当社の親会社は、日本放送協会であり、当社の株式 1,340 株
(出資比率 67.0%)
を保有しています。
当社は、同協会の委託による放送番組の制作、これらに関連する業務、
同協会が制作した番組の利用権の購入などを行っています。
7.主要な事業内容
(1) 放送番組等の企画、制作、購入
(2) ホームページ作成等デジタル関連業務
(3) 幅広い世代を対象にした教育、教養コンテンツ制作・販売
(4) イベント・シンポジウム等の企画・実施
(5) 各種権利ビジネスや編集・出版関連業務
(6) 放送大学関連番組の制作
なお、事業の主体を占めるNHK受託業務及び自主事業の主要なものは、
次のとおりです。
- 13 -
受託番組
総合
・妄想ニホン料理
・マサカメTV
・あさイチ「解決!ゴハン」「プレミアムトーク」など
・サラメシ
「Dr.MITSUYA~世界初のエイズ薬を発見した男~」
「おせ ち家族に福きたる!~平野レミの早わざレシピ~」
「はに丸ジャーナル」「おやすみ日本 眠いいね!」
「ビューティフル・スロー・ライフ」
「全力クイズ ヨコハマ謎解き捜査網!」
「井上真央が誘う『花燃ゆ』と世界遺産の旅」
「お宝!バックヤードハンター!!」
「超体感!古代モンスター復活ミュージアム」
「高橋英樹特別講義“花燃ゆ”井伊直弼 悪人にあらず!」
「松坂慶子 萩 都美姫の面影を訪ねて」
Eテレ
・日曜美術館
・オトナヘノベル
・100 分 de 名著 ・SWITCHインタビュー 達人達
・NHK短歌
・NHK俳句
・先人たちの底力 知恵泉
・きょうの料理
・すてきにハンドメイド
・ガールズクラフト
・趣味の園芸
・趣味どきっ!
・Eテレ 0655、2355
・団塊スタイル
・オイコノミア
・将棋フォーカス
・囲碁フォーカス
・きょうの健康
・チョイス@病気になったとき
・すイエんサー ・なりきり!むーにゃん生きもの学園
・ウワサの保護者会
・東北発☆未来塾
・NHK高校講座
・カガクのミカタ
・Rの法則
・はりきり体育ノ介
・大科学実験
・スーパープレゼンテーション
・プレキソ英語
・エイエイGO!
・おとなの基礎英語
・しごとの基礎英語
・ニュースで英会話
・ニュースで英会話プラス
・テレビで中国語・ハングル講座・フランス語・イタリア
語・スペイン語・ドイツ語・アラビア語・ロシア語
・おかあさんといっしょ
・みいつけた!
・いないいないばあっ!
・パッコロリン
・Let’s 天才テレビくん
・どちゃもんじゅにあ
・デザインあ
・ミミクリーズ
・ノージーのひらめき工房
・ピタゴラスイッチ
・ニャンちゅうワールド放送局 ・シャキーン!
・ゆうやけシャキーン!
・フックブックローミニ
・ゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン
・えいごであそぼ
・にほんごであそぼ
・すくすく子育て
・まいにちスクスク
「哲子の部屋」「びじゅチューン!」
「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」
「テクネ 映像の教室」
「観覧車回れよ回れ~モデルの短歌日記3~」
「決定 こども将棋・囲碁名人」
「ごちそんぐDJ」「生放送 月刊きょうの料理」
「大心理学実験2」「子ども安全リアルストーリー」
「テストの花道 ニューベン大放出スペシャル」
- 14 -
Eテレ
BS1
BSプレミアム
受託番組
ラジオ第2
「生放送!学ぼうBOSAIスペシャル」
「はりきり体育ノ介スペシャル」
「東北発☆未来塾スペシャル・
ドリアン助川と行く言葉探しの旅」
「“それから”の未来塾~夢をつかむチカラ~」
「21人の輪 あれから5年後の子どもたち」
「日本賞50周年記念番組 U18 ぼくらの未来」
「TOKYOおもてなし計画」
「ワタシの見たニッポン
~第 56 回外国人による日本語弁論大会~」
「決定!すくすくアイデア大賞 2015」
「Q~こどものための哲学~」
「コレナンデ商会」「えいごのオートン」
「BS1スペシャル
伝説の晩餐会(ディナー)へようこそ2」
「奇跡のレッスン」「our SPORTS!」
「リアルタイム科学解説番組 コリドール・ラボ!」
・アナザーストーリーズ
・美の壺
・コズミックフロント☆NEXT
・おとうさんといっしょ
・ワンワンパッコロ!キャラともワールド(第 1、3 部)
・みんなDEどーもくん!(ワンワンパッコロ!第 2 部)
「チョイ住み in ロンドン」
「中国王朝 よみがえる伝説」
「ぜんぶ、温泉。」「ねまきでアート」
「世界わんわんドキュ☆」
「浮世絵ツアー 江戸の四季めぐり」
「このマンガいいね!BSオススメ夜話」
「キワミコトノハ得心寺」
「ネコもワンコも大集合
年末はこれでモフモフ!スペシャル」
・ラジオ 仕事学のすすめ
・音で訪ねる ニッポン時空旅
・NHK高校講座
・英語で読む村上春樹
・エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
・基礎英語1・2・3
・ラジオ英会話
・まいにち 中国語・ハングル講座・フランス語・
イタリア語・スペイン語・ドイツ語・ロシア語
「聞くだけでできる簡単ヨガin正月」
「オトナの一休さん」
「伝えたい!わたしの高校生活」
「食べて、歌って、まるごとユーロ!」
FM
「今日は一日“家族三世代NHKキッズソング三昧”2015」
テレビ
国際放送
・Her Story
・Science View
・Face to Face
・Japanology Plus
・Pythagora Switch mini
「HAIKU MASTERS」
「Dining with the Chef」
「Teach me Ninja Sensei」
「Harumi's Family Cooking 福岡糸島」
- 15 -
コンテンツ
制作・販売
事業
・「いないいないばあっ!」「おかあさんといっしょ」
「みいつけた!」「えいごであそぼ」
等 幼児関連等DVD、BD
・美術・健康・趣味・語学・教育関連DVD、BD、CD
・各種教育教材
・展覧会等展示映像、大画面・高精細映像
・料理関連DOD(ディスク・オン・デマンド)
イベント
企画・実施
事業
・「いないいないばあっ!」「おかあさんといっしょ」
その他幼児向けイベント
・健康・医学関連イベント、シンポジウム
・科学・実験・教育・美術・料理関連等イベント
・東京国際キルトフェスティバル
・国際バラとガーデニングショウ
・ウェブ連動型イベント
自主事業
印税・権利
事業、国内
共同制作
放送大学
学園等
受託事業
・映像ライセンス、出版印税、キャラクター
音楽出版、音源事業など
・MOOCs教材
・国内共同制作番組
「パッコロリン」「ピカイア!」制作
・放送大学学園受託業務
・自主事業ウェブ事業
「みんなのきょうの料理」「ゴガクル」「すくコム」
・英語教材作成支援システム
デジタル
関連事業
・電子辞書、教育クリップ、デジタルサイネージ
・プレースメントテスト制作
・eラーニング教材(高校/大学向け教科、語学)
・VOD映像提供、ライブビューイング
・スマートフォンアプリ、着うた
- 16 -
8.主要な事業所
本社
内部監査部、特集文化部、生活部、
科学健康部、教育部、語学部、
こども幼児部、事業推進室、経営総務室
東京都渋谷区宇田川町7番13号
第二共同ビル
9.従業員の状況
従業員数
前期末比増減数
263名
8名増
<内訳>
区
(注)
分
男
転籍者
30 人
出向者
80 人
女
3
46
計
33
126
社
員
32 人
契約社員
13 人
計
155 人
56
3
108
88
16
263
常勤役員 6 名は含めていません。
10.主要な借入先
該当事項はありません。
Ⅱ 会社の株式に関する事項
1.発行可能株式総数
8,000株
2.発行済株式の総数
2,000株
3.株
主
数
7名
4.株主の状況
株
主
当社への出資状況
名
持
日本放送協会
株
数
持 株 比 率
1,340株
67.0%
210株
10.5%
(株)NHKグローバルメディアサービス
90株
4.5%
(株)NHKプロモーション
90株
4.5%
(株)NHKアート
90株
4.5%
(株)NHKメディアテクノロジー
90株
4.5%
(株)NHK出版
90株
4.5%
(株)NHKエンタープライズ
- 17 -
Ⅲ 会社の役員に関する事項
1.取締役及び監査役の氏名等
地
位
担
当
代表取締役社長
氏
木
名
内
美
重要な兼職の状況
明
専務取締役
制作担当
関
根
均
常務取締役
事業推進担当
柏
瀬
武
取締役
制作担当
瀬
川
忠
之
取締役
経営総務担当
吉
田
明
彦
取締役
制作担当
掛
川
治
男
取締役(非常勤)
若
泉
久
朗
取締役(非常勤)
小
泉
公
二
監査役(非常勤)
中
江
章
㈱NHKエンタープライズ 取締役
㈱NHK出版 取締役
㈱NHKプロモーション 取締役
NHKコスモメディアヨーロッパ
取締役
日本放送協会
制作局長
㈱NHK出版
代表取締役社長
日本放送協会
関連事業局 副部長
(注) 当期中の取締役の異動は、次のとおりです。
1.就任
平成 27 年 6 月 26 日付で、若泉久朗氏、小泉公二氏が取締役(非常勤)に、
中江章氏が監査役(非常勤)に就任しました。
2.退任
平成 27 年 4 月 24 日付で、安齋尚志氏が取締役(非常勤)を辞任しました。
また、同 6 月 26 日付で溝口明秀氏が取締役(非常勤)を退任、江藤巌二氏
が監査役(非常勤)を辞任しました。
2.取締役及び監査役に支払った報酬等の総額
区
取
締
分
支 給 人 員
支 給 総 額
役
6名
100百万円
Ⅳ 会社の体制および方針
1.取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保
するための体制
(1) 当社は取締役、社員を含めた行動規範として、「NED倫理・行動憲章」と「行
動指針」を定め、これらの遵守を図る。
(2) リスクマネジメントおよびコンプライアンスを維持運営および推進するた
め、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、その下
- 18 -
に事務局(業務相談窓口)を設置する。また、各部にリスクマネジメント
担当者、コンプライアンス推進担当者を置き、全社的に法令遵守が確保さ
れる体制をとる。
(3) 取締役および使用人のコンプライアンスの徹底を図るため、
「コンプライア
ンス通報窓口(内部窓口、グループ通報窓口)」、「セクシュアルハラスメン
ト苦情・相談窓口」「ハラスメント(セクハラ・パワハラ)電話相談窓口」
を設置し、社内に効果的に周知し、適宜、法令等の遵守状況をモニタリン
グする。また、「インサイダー取引防止規程」を定め、取締役および使用人
によるインサイダー取引を禁止している。
(4) 取締役会については、「株式会社NHKエデュケーショナル取締役会規則」
を定め、その適切な運営を確保し、定例で開催するほか必要に応じて随時
開催し、取締役間の意思疎通を図るとともに相互に業務執行を監督し、法
令・定款違反行為を未然に防止する。万一、取締役が他の取締役の法令・
定款違反行為を発見した場合は直ちに監査役および取締役会に報告するな
どして、その徹底を図る。
(5) 執行役員については「執行役員制度規程」を遵守し、職務執行の法令・定
款への適合を確保する。
(6) 監査役は、取締役の職務執行、経営機能に対する監督強化を図る。
(7) コンプライアンス関連の研修、社内通達等による啓発、社員総会などによ
る意識づけに努め、全社的な法令遵守の一層の推進を図るとともに、「稟議
規程」の適正な運用により、取締役の職務執行の透明性を確保する。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
(1)「文書管理規程」により、資料等の扱いを明文化し、取締役の職務の執行に
係る情報の保存および管理に適正を期す。
(2)「株主総会議事録」「取締役会議事録」「役員会議事録」については、「文書
管理規程」に基づいて適切かつ確実に保存・保管し、「役員会議事録」に
ついては、取締役及び監査役が常に閲覧可能な状態に置く。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1) 当社は、当社の業務に係るリスクとして、投資的リスク、下請法等法令違
反につながるリスク、企業機密への不正アクセス・漏洩等情報セキュリテ
ィ的リスクなどを認識し、信用調査、対応マニュアル等を整備する。また、
公共放送NHKの関連団体グループの一員として、公金の扱いについては
- 19 -
特に厳正を期し、万が一にも社会的な指弾を受けることのないよう注意を
払う。
(2) リスクマネジメント責任者を代表取締役社長とし、リスク管理体制の整
備・運用にあたる。
(3) 危機管理と予防的管理についての体制を充実し、研修等を含め、損失の危
険の管理について全社的な認識向上を図る。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1) 職掌分掌に関する諸規程を定め、取締役および各部門の所管と権限を明確
にし、経営に関する意思決定および職務遂行を効率的かつ適正に行う。
(2) 重要な意思決定については、常勤取締役等による役員会などにより多面的
に検討し、慎重に決定する仕組みを設ける。
(3) 中期経営計画およびそれを受けた年度事業計画を策定し、事業ごとの目標
値を設定し、業績を把握し、適宜見直しを行う。
(4) さらに効率的に職務を執行するために、内部統制との関係を考慮しつつ、
案件に応じた職務権限の委譲を検討する。
5.会社並びにその親会社および子会社から成る企業集団における業務の適正を
確保するための体制
(1) 当社の親会社にあたるNHKの子会社等の事業が適切に行われることを目
的として、「関連団体運営基準」により、事業運営およびこれに対するNH
Kの指導・監督等に関する基本的事項が定められており、当社も該当して
いる。
(2) NHKは、
「関連団体運営基準」に関する事項およびNHKが指定する事項
について、監査法人等に委嘱して関連団体の業務監査を実施し、監査法人等
の報告に基づき、関連団体に対し必要な指導・監督を行っており、当社も該
当している。
(3) NHKの監査委員が当社に対し営業の報告を求め、または業務および財産
の状況を調査する場合には、当社は、適切な対応を行う。
(4) NHKは、全国民の基盤に立つ公共放送の機関として、不偏不党の立場を
守って、放送による言論と表現の自由を確保し、豊かで、良い放送を行うこ
とを目的とした法人である。
また、放送法により、NHKに対する公共的規制は、国民の代表である国会
を中心として行われ、毎年度の予算・事業計画は国会での承認を要している。
- 20 -
NHKには、経営方針その他その業務の運営に関する重要事項を決定する権
限と責任を有する経営委員会が設置され、会長等による業務の執行と監督の
機能とが明確に分離され、適正なガバナンスが確保されており、業務の実施
にあたっては、
「NHK倫理・行動憲章」の策定、
「通報・相談窓口」の整備
などにより、適正が確保されていると理解している。
6.監査役がその補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人
に関する体制と当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
(1) 監査役の職務を補助する部を経営総務室とする。
(2) 監査役より監査業務に必要な命令を受けた経営総務室社員は、その命令に
関して、取締役、経営総務室統括部長等の指揮命令をうけない。
7.取締役および使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報
告に関する体制および監査役の監査が実効的に行われることを確保するため
の体制
(1) 取締役または使用人は、法定の事項に加え、当社に重大な影響を及ぼす事
項の内容を、監査役にそのつど報告するものとする。
(2) 監査役は、いつでも必要に応じて、取締役および使用人に対して報告を求
めることができる。
- 21 -