伝統民家を創る智慧と技に学んで-(その1)

技術解説
エコロジー住宅で地震に備える
−伝統民家を創る智慧と技に学んで−
(その1)ライフラインの自立
鈴 木 有*
■プロローグ
日本の民家は世界最高水準のエコロジー建築
「人の営みは自然の振る舞いに立ち勝れない」と
して、自然との共存を前提に形成されてきた。
である。エコロジー建築としての住宅とは、住
従って、自然の猛威、特に地震への備えは2つの
まう人と建てる地域と地球環境という3つの対象
構法で対照的である。簡約すると、現代構法が
への負荷を、能う限り減じて造りかつ暮らす場
地震力に抗して剛強な構造でねじ伏せる「耐震」
と定義される。とりわけ地球環境への負荷抑制
を目指すのに対して、伝統構法は地震力を受け
を第一義としているところに特色がある。
入れ柔軟な構造で分散吸収する「対震」志向だ
民家はなぜエコロジー建築か。民家を創って
きた伝統木造構法の特徴として、植物と鉱物の
天然資源を素材とする「材料」のエコロジー性、
と形容するのが相応しい。この点も詳細は文献1)
を参照されたい。
本報では、筆者が伝統的な民家や伝統木造構
呼吸する家を再使用・再利用を前提にした組み
法に向き合った経緯や研究観の変遷、伝統民家
立て式で造る「工法」のエコロジー性、修復箇
を創成してきた智慧や技の本質に触れながら、
所を限定し日常の手入れと季節の大掃除に支え
わが家の増改築で試み木造住宅のエコロジー化
られた「維持管理」のエコロジー性、そして自
のなかに位置づけた「地震への備え」について
立循環型農林系地域社会システムの一環に組み
述べよう。何分わが家は普通の住宅で、勤務の
込まれた「構法の体系化」などを挙げうるから
本拠が長らく遠地にあったりもしたので、科学
である。それは成熟した体系を持つ環境保全型
の物差しを当てはめる実験や計測もしていない
構法と言って良い。その詳細は文献1)を参照さ
し、客観的な評価をしているわけではないが、
れたい。
本誌の技術解説の主旨に沿うように努めて解説
ところで、こうした民家を創ってきた技術観
したい。紙幅の関係から、本報では事後の備え
は現代構法とは異質、対蹠的でさえある。表-1
「ライフラインの自立」を中心に述べ、次号では、
にその対比を簡潔にまとめたが、現代構法が
被震時の備え「建物本体と生活空間の安全確保」
「人が生み出す技術は自然を征服しうる」を前提
について述べたいと思う。なお、わが家の建設
に組み立てられているのに対して、伝統構法は
全般については文献2)、災害への備えの概要に
Some Attempts in an Ecological Wooden House to Prepare for Earthquakes Learning from
Wisdom and Technique Creating Traditional Japanese MINKA
*SUZUKI Tamotsu:木の住まい考房 主宰、金沢工業大学名誉教授、秋田県立大学名誉教授、工学博士
2
表-1
木造の伝統構法と現代構法の技術観の対比
伝 統 構 法
現 代 構 法
●対自然観
・自然を畏れる
→自然と共生する
→自然の理に逆らわない
・自然に克つ
→自然を征服する
→人知の理で自然を従える
●構造論理
・自然体で処する
→柔軟に対する
→自然の仕組みに逆わない構造体を形成
・身構えて待つ
→剛強に備える
→人知の意図する構造体を構築
●抵抗論理
・力をしなやかに受け入れる
→体の中で分散吸収する粘り強さ
・綻びを予期する
→「多段階防衛型」
・力に剛く抵抗する
→体の外殻でねじ伏せる剛強さ
・綻びを作らない
→「総力前線防衛型」
●生産論理
・生態系システムの中での循環
に配慮
→環境への負荷低減を優先
→地域的個別的工法で対処
・工業生産システムの中での効率
を優先
→経済性生産性を重視
→普遍的共通的工法を普及
●基本思想
・日本的自然観
→智慧経験の伝承に基づく
・西欧的合理主義
→自然科学の論理に基づく
ついては文献3)を参照されたい。
1.阪神・淡路大震災が契機に
●そのとき私は
阪神・淡路大震災が生起したとき、筆者は金
沢工業大学建築学科に在職していた。動き始め
た交通機関を乗り継ぎ、翌日午後には阪急西宮
北口駅に降り立った。耐震工学の研究者にとっ
て、大地震の被災地は、大いなる存在がなした
壮大な実験場であり、人間社会への警鐘と受け
止めて、その現場から常に深く学び続けてきた
からである。
多くの人命を呑み込んだかつてない壮絶な被
災の状況を、次々に目の当たりにした。建物の
耐震性を高めようと自分たちがやってきたこと
は活きたのか、いま自分に何が出来るのかと、
戸惑い自問しながら、西宮から神戸間の激震地
を2日間でおよそ60キロ、徘徊したような気がす
る。
その後は何度も阪神地域の被災地に赴き、建
物の被害調査や住宅修復支援のボランティアに
写真-1 阪神・淡路大震災で激しく壊れた古い木造倉庫(西
宮市、写真上)と木造住宅群(神戸市中央区、写真
下)]
従事した。古い木造建物が多く激しく損壊して
いるのを見て(写真-1)、やはり古い木構造は耐
島で、木造住宅の被災調査に携わる機会を得た。
震性能が低いのかと、そのときは考えた。
重点の対象地区は北淡町の富島、この地震で地
表に唯一現れた野島断層に接する最激震地であ
●伝統民家の木造構法に向き合う
縁あって、大震災のもう一つの被災地・淡路
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る。
マスコミの報道で街の中心部は壊滅状態に近
3
いのかと思っていたが、現地には、この地域固
有の民家構法を持つ伝統的な木造住宅が少なか
らず生き残っていた。大地震の猛威にも、悠然
と或いは健気に耐えたその姿に圧倒された(写
真-2)。
3年に亘る被災と復興の調査から、この地区の
木造住宅の多くは伝統的構法を基本にして造ら
れており、最激震地でも2/3は生き残っていたこ
とが分かった 4)(写真-3)。倒壊した建物も少な
くはなかったが、それらは基本から外れた構造
形成、大事な構造要素を除く後の改造、維持管
理を欠いた腐朽の進行など、それぞれに明快な
原因が特定出来た。
写真-2
生き残った伝統的木造住宅(北淡町富島)
日本の伝統木構造は本来優れた耐震性能を保
持していたのではないか。筆者の認識は大きく
変わった。在来軸組を良しとしてきた現代構法
から伝統木造構法へ、筆者は研究の主対象を変
えていったのである。
2.
「対震」構法からエコロジーの
家づくりに
●伝統構法から現代の本質が見える
民家を創ってきた伝統木造構法に、筆者は襟
を正して向き合うようになった。被災地で民家
の被害をつぶさに調べ、建築現場で棟梁の技を
見詰め、彼等の語りに耳を傾けた。たまたま大
震災から2年後、秋田県立大学木材高度加工研究
所に転職した。幸運にもそこで、伝統木造構法
に関わる調査や実験を次々に実践する場を与え
られた。遂には実大の実験住宅棟を建て造って
壊す機会にも恵まれた5)(写真-4)。
こうした実践を通して、伝統構法の特質が分
かるようになった。力学的合理性を持つ構造形
態。自然を畏れ、無理をしないで何段階にも備
える懐深い技術観。洗練された美しさ。そして、
自然と共生する理想的な資源循環型の構法。同
時に、あたかもそれらと逆の指向をするかのよ
写真-3
生き残り修復された伝統的木造住宅群(北淡町富島)
うな現代構法の問題点が見えてきた。
筆者の問題意識は、耐震構造を入り口に次第
●わが家の改造で地震への備えを実践したい
に深化し、技術観や生産システムに、エコロジ
大震災を契機に全国各地で、伝統木造構法を
ーから環境問題を経て、人類の生存から地球の
見直す潮流が生まれ始めていた。筆者の関連研
クライシスにまで行き着いた。
究や社会的発言に関心を寄せた木材供給や住宅
建設の実務家から要請を受けて、講演に、調査
4
写真-4
伝統的構法による実大木造住宅棟の加力実験公開
風景(秋田県立大学木材高度加工研究所)
や実験に、また民家の保全や修復、活用の助言
に各地に赴く機会が増えた。
現代社会に伝統木造構法を再構する意義とそ
の重要性を訴えている自らはどうなのか。折し
写真-5
わが家の外観、改造の前(写真上)と後(写真下)
るライフラインの自家システムを創る。
③人工建材の危険を避け、自然の素材を活かし
て呼吸する家を造る。
④地球環境への負荷を出来る限り減らす建て方
も木高研に転職する前、諸般の事情からわが家
を工夫する。
を造り替える時期に来ていた筆者は、自らの実
かくして、既存建家の構造や従前の設備機器
践をここで試みようと考えたのである。
を極力再使用しながら、構造材から仕上げ材、
30年前故里近江に、当時大流行した新建材を
設備や設えにまで、自然素材とその1次加工品を
多用して在来軸組構法の陋屋を建てていた。近
心がけて採り入れた新たなわが家が1997年秋に
江の伝統木造構法を採り入れて耐震性能を高め
完成した(写真-5)。
よう。そのために民家を創成してきた智慧と技
に学び、その特質を採り入れて建てよう。この
3.生活用水循環の仕組み
目標から計画していくうちに、材料や工法、維
阪神・淡路大震災は、激烈な大地の揺れに備
持管理から暮らし方まで、自ずとエコロジー化
えるだけでなく、平時は当たり前だったインフ
を志すことになった。何故かは、ここまでお読
ラ機能が止まる事後の対処も考えて、備えるべ
み下さればお分かりいただけよう。地震対策そ
きことを教えてくれた。被災者が長期に亘り最
のものも、「耐震」から「対震」へ変化し、深化
も難渋したのは、トイレの水洗、風呂や洗濯に
した。
使う生活雑用水の確保であった。
最終的に、わが家改造計画の目標は、次の4点
翻って、往時の民家で日常の暮らしはどうで
に集約出来る。
あったろうか 6)。井戸で飲料水を、集落内に引
①地元近江の伝統構法で耐震性能を高める。
き込まれた人工の水路「用水」や「堰」から生
②大震災の教訓を活かし、非常時にも自立出来
活雑用水を確保するのが普通だった。井戸にも
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河川の水にも恵まれないところでは雨水を利用、
以前から筆者は東京都墨田区の雨水利用の取
飲用には砂と炭で濾過槽を作り、川の水や雨水
り組みに関心を持っていた。ここでは関東大震
をそこで濾過して使っていた。筆者が幼年期を
災の大火で街が消失した経験から、消防水利を
過ごした近江の田舎にも、小川に降りる洗い場
確保する一手段として始まったそうだが、雨水
(地域によって「カワト」「カワヤ」「かばた」な
利用には様々な効用がある。普段は洗浄水や散
どと呼ばれた)、木の樽やコンクリート枠の濾過
水など中水として利用されており、無尽蔵とは
槽があったと記憶している(写真-6)。
言えなくなった上水(水道水)の節減に資する
たらい
燃料も貴重だったから、バケツや盥に入れた
(写真-7)。効用はこれにとどまらない。とりわ
水を日向に置いて温水にして、行水や湯沸かし
け地表面の舗装が進んだ都市域で、雨水の貯留
に使った。他方、屎尿を含め生活排水はほとん
槽が多数設置されれば、排水溝から河川を介し
ど田圃や畑や庭に散布され、大地に戻って、養
て一気に海へ流れ込む雨水が街中に貯留され、
分は次代の植生の生育に寄与。水分は微生物の
自前の水源を持つと同時に、内水災害を防ぐ洪
働きで浄化され地下水に、或いは地表から蒸散
水調節機能を持った微小ダム群を内蔵すること
し雨雲に取り込まれて、井戸水や雨水に環流す
になる。
る。
大震災で大火のあった神戸市長田区へは、中
かくして、暮らしの生活用水と排水は人と自
水利用の一助にと、墨田区で作られた雨水貯留
然の営みで紡がれるかのように無理なく結節し、
槽「天水尊」が直後に寄贈されている 7)。この
完全循環系を成していた。自然の資源を活用す
ように墨田区は雨水利用の先進地で、例えば、
る生態系の仕組みに沿った設備系はタフで、非
大相撲の本拠・両国の国技館は大屋根で受けた
常時にあってもほとんど損傷することなく、機
雨水を多方面に活用、すみだ環境ふれあい館内
能を保持し得たであろう。
には雨水資料室が設けられている。また、官民
協働のもと「雨水市民の会」が結成され、世界
●雨水を高度に利用する
規模の活動が盛んである。
都市域に用水はほとんど無い。あっても生活
圏からはほど遠い。筆者の自宅周辺も然りであ
る。現代社会で身近に使える水源は雨水をおい
高度利用も目指そう。
②非常時には、断水時の備蓄水と出火時の消防
て他には無い。
写真-6
6
これらの事例に示唆を得て、わが家では、
①日常の使用で、中水のみならず上水としての
湧き水が流れる水路(写真左)と「かばた」
(写真右)(滋賀県高島市)
写真-7 街中の一画に設けられた「路地尊」
(東京都墨田区)
(隣家の屋根から導いた雨水を地下タンクに貯留して
防災用水に、普段は菜園の散水にも利用)
写真-8
地上貯水槽
水利に活用しよう。
③わが家だけでなく地域の備えに、防災の一拠
点にしよう。
と構想した。これがわが家の改造計画で最大の
テーマとなった。
●水道水を補助系とする雨水利用システムに
住宅の生活用水で雨水を上水として利用して
いる事例は、調べた限りでは見当たらなかった。
飲用としても使えるまで浄化出来る装置を、普
写真-9
地下貯水槽(手前側)と合併処理浄化槽(奥側)
通に使われている市販品を組み合わせ、自前で
開発しようと決断した。水浄化や機械設備の専
する枯葉や昆虫の死骸など異物を除く粗目のメ
門家にも意見を聞き、施工を担当してくれた民
ッシュフィルターを取り付けている。
間の給排水設備技術者と相談しながら、次のよ
地上貯水槽は沈殿槽の役割を持ち、槽の上部
うな雨水利用システムを組み上げた。常時は上
に取り付けた配管から、上澄み水のみを溢流さ
水道を補助系とする給水システムである。
せて、地下の鉄筋コンクリート造貯水槽(容量
・貯水の仕組み:まず大屋根3面で受けた雨水
16ton)に送り込む(写真-9)。地下貯水槽は建
を、樋を通してそれぞれ3基の地上貯水槽(容量
物3階部分の堅固な基礎を兼ねている。その内部
200Î)に導く(写真-8)。降雨初期の雨水は空
は日本水道協会規格JWWAの基準に合格してい
気中や屋根面の汚れを含んでいるので、除きた
る浸透性被膜型複合防水剤を塗布して防水施工
い。雨水利用部門に進出した鉄網メーカーが開
した。日射を完全に遮蔽している槽内水には生
発したばかりの「初期雨水分離器」を貯水槽へ
物が生存出来ず、水の腐敗はまず生じない。
の流入口に取り付けた。分離の原理は単純で、
以上の送水は、すべて高低差を利用した重力
初期は降水量が少ないから管の内壁に沿って流
エネルギーのみに拠っている。
れる。この管壁水流を溜め受けて、直接側溝に
・浄化の仕組み(写真-10):家内のどこかで給
排水しようと言うわけである。分離器には流入
水が始まり管内の水圧が減じると、地下貯水槽
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・2水系併用の仕組み:降
雨量が少ないときも備蓄水
を確保するため、或いは何
かの理由で雨水が使えない
ときのために、水道水を補
助系として使えるシステム
も組み込んでおかねばなら
ない。
屋内への給水配管の手前
に、雨水系と水道水系の結
節点を作り、両方の系管の
末端に電磁弁を設けた。雨
水が使える間は水道水系の
弁が閉まっている。水槽内
写真-10
に挿入したセンサーで水位
雨水浄化装置
を常時検知し、予め設定し
に直結した加圧給水ポンプ(全揚程12m、給水
た備蓄水位まで低下したら、2つの弁の開閉が逆
量38.5Î/min)が自動的に作動し、貯留雨水が
転して、雨水系の弁が閉まり、水道水が供給さ
浄化装置内に送り込まれる。水槽内には8箇所の
れる。開閉逆転の時間差(15秒間)を設けるこ
吸込口を底部近傍に分散して設け、下部に沈殿
とで、両水系の混入(クロスコネクション)を
した微粒固形分を吸い込まぬよう、かつ水槽内
避けている。
から均等に貯留水を汲み上げられるようにした。
・非常時への対処:上記したシステムの動作は
浄化装置は3段階の円筒形ケーシング入りカー
すべて簡単な電気回路を組んで自動制御してい
トリッジフィルターから成る。フィルターはす
るが、停電時や制御系の故障に備えて、要所に
べて機械設備では常用のポリプロピレン製。最
手動のバルブを設け、人の手で機械的に対処可
初は50μ、次は5μ、最後に脱臭用の活性炭入り
能なようにしている。全系の故障に備えて、備
5μを配列するが、活性炭入りは流量が少なく3
蓄水が必要になったときのために、手押しの汲
本を並列に配置している。
み上げポンプや電動の排水ポンプも常備した。
浄化の専門家は、これで細菌まで除去可能だ
また、飲用水を必要とする厨房と洗面所には、
が、ウイルスが通過する。自家浄化で安全を期
水道水系と直接繋がる蛇口を設けている。いず
すには、塩素殺菌が簡便で有効と言う。塩素は
れも民家の暮らしでは当たり前だったフェイル
使いたくなかったが、非常時にわが家だけでな
セーフの実践である。
く近隣にも供給したいと考えていたので、飲用
わが家の水使用量は贅沢に使っても1日500Î、
検査に合格するにはやむをえない。液体塩素
16tonの槽が満水に近ければ、1ヶ月以上生活出
(次亜塩素酸ナトリウムの水溶液)点滴装置(最
来る。非常時に人が3日間生き延びるための水を
大吐出量8cc/min)をフィルター通過後の管に繋
10Îとすれば、1,500人分程度の備蓄水になる。
ぎ、ポンプ作動時の通過水に点滴するようにし
16tonあれば他の水源が得られなくても、家屋用
た。点滴の液量と間隔を調整して、塩素濃度を
の消防水利にも使えるであろう。
水道基準下限付近の0.2ppm程度に設定すれば、
殺菌能力は充分、曝気や煮沸で残留塩素はほぼ
●太陽の熱と光をエネルギー源に
除去されるようである。約1年半水質検査を続け
太陽の熱や光をエネルギー源にすれば、化石
た結果、水道水より上質で美味しく、飲用にも
資源の節減になるほか、非常時には自立可能な
充分耐えうることが保証された。
ライフラインスポットになりうる。事実、阪
8
トイレの洗浄水に使われるようになった。
わが家の改築時、公共下水道の敷設計画が未
定で、屎尿処理専用でも可であったが、生活排
水による水質汚染の抑止と浄化水の再利用を考
えて、合併処理浄化槽を採用した。両親の住む
母屋と繋いで増改築したので、建築面積で槽の
規模が決まる当時の規制を受け、住宅では最大
規模の十人槽を設置した。選んだ槽は市販品中
写真-11
太陽熱温水器(左側)と
太陽光発電モデュール(右側)
体積が大きく微生物の働きも旺盛で、処理後の
水質は常にBOD10ppmを下回り、汚泥の引き抜
きは5年に一度程度と処理効率に優れている。
神・淡路大震災でこの種の新エネルギー装置は
処理水は上下階にある2つの水洗便所の洗浄水
ほとんど生き残り、事後の生活維持に大きく貢
と庭の植栽への散水に再利用している。給水方
献したと報告されている8)。
式は雨水の場合と同じで、屋内外でこの給水系
わが家の浄化水の主要部分は2階大屋根の西面
が使われ管内圧力が減じると、浄化槽に直結し
に設置した太陽熱温水器(容量240Î)に送水し
た給水加圧ポンプ(全揚程8m、給水量30.5Î
(写真-11)、風呂・シャワー・洗濯・厨房の洗い
/min)が作動して供給を維持する。ちなみに、
物用に給湯する。凍結防止のヒーターも内蔵す
母屋のトイレには雨水を常用し、水道水にも切
る真空円管方式で、市販品では最も高能率、夏
り替えられるようにしたが、これもどこかの水
場は沸点に、真冬でも日射があれば30℃には達
系がダウンしたときに備えるフェイルセーフの
する。わが家の給湯設備はこの太陽熱温水器だ
対処である。
が、日照不足で湯温が低いときに備えて、温水
わが家の竣工後、滋賀県は京阪神の水瓶・琵
器と蛇口の間にLPガス湯沸かし器を設け、追い
琶湖を護るために、合併処理浄化槽の設置を義
焚き出来るようにした。風呂釜には薪や紙が燃
務づける条例を定めた。まだ公共下水道至上の
やせる多重燃焼釜も付設している。
体制は揺るがないが、最近、過疎地や散在する
1999年末からは、5.22kWの太陽光発電装置が
集落を抱える地方自治体が公共下水道敷設計画
屋根に載り、稼働している。パネルは多結晶シ
を破棄し、合併処理浄化槽設置の施策に切り替
リコン系方式のモデュールで、最適配置になる2
え始めた。その先進の事例が筆者の前任地木高
階大屋根南面が面積少なく、次善の西面にすべ
研に近い秋田県二ツ井町で、関係者の視察が今
てを搭載した(写真-11)。発電分はまずは自家
も続いている9)。現在、住宅への設置費の9割を
消費するが、余剰電力は電力会社が買電してく
助成しているが、それでも公共下水道の建設費
れる。これは後述する『生活用水自家循環シス
より格段に安価に済むとのことである。
テム』の非常用駆動電源でもある。
災害時など故障や異常への対処を考えると、
大規模システムの機能停止は影響範囲が広く深
●生活排水の浄化処理水を再利用する
刻になりがちだが、スポットシステムでは限定
わが家の水循環システムで、もう一つの主役
されるから、対処も容易で効率的。個別に再利
は合併処理浄化槽である。屎尿のほか炊事・洗
用も出来るから、結局は省エネルギーで経済的
濯・入浴・洗面などで使われた生活排水をすべ
という利点がある。
て、バクテリアの働きで浄化する。一般には浄
化水をそのまま側溝へ排水するが、公共下水道
とは異なり、個別の独立した設備システムなの
●生活用水が自家で循環するシステムに
「雨水利用」と「生活排水再利用」を併せ、
で、その気になれば処理水を使い捨てず再利用
「太陽エネルギー利用」を採り込んだ『生活用水
出来る。まだ住宅での事例は少ないが、主には
自家循環システム』が、わが家のエコロジー化
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図-1
自然エネルギーを活用したわが家の『生活用水自家循環システム』総合フローチャート
表-2
番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
『生活用水自家循環システム』を構成する機器仕様一覧
機器名称
用 途
原理・方式
主要性能
製造メーカー
型 番
初期雨水分離器
降雨初期雨水の除去
管壁沿い流水を除外 分水率調節可
(株)
トーテツ
なし
地上貯水槽
一時貯留と固形物の沈殿除去 重力差による沈殿 容量200Î
(株)
トーテツ
Aタイプ
地下貯水槽
長期貯留と微粒分の沈殿除去 重力差による沈殿 容量16m3
自家製
なし
25HPN6.25S
給水加圧ポンプ(雨水用)貯水槽から雨水汲み上げ 減圧感知作動
給水量38.5Î/min (株)荏原製作所
25HPN6.15S
給水加圧ポンプ(中水用) 浄化槽から処理水くみ上げ 減圧感知作動
給水量30.5Î/min (株)荏原製作所
不明
HT32
手動ポンプ
停電時の貯留雨水汲み上げ 手押し弁方式
川本式
(株)
第1段カートリッジ式フィルター 貯留雨水から微粒分の除去 ポリプロピレンメッシュ 除去粒子径50μm キュノ
1M2-PS/PPK-20CA-0500
(株)
第2段カートリッジ式フィルター 貯留雨水から微細成分の除去 ポリプロピレンメッシュ 除去粒子径5μm キュノ
1M2-PS/PPK-20CA-0050
(株)
1M1-PS/PPK-09CA-0050
第3段カートリッジ式フィルター 臭気の吸着除去
活性炭による吸着 除去粒子径5μm キュノ
液体塩素点滴装置 滅菌・殺菌
ポンプによる薬液注入 最大吐出量8cc/min 共立機巧(株)
MGH-8N-1-M
電気制御盤
給水システム全体の制御 センサー連動電磁弁開閉 雨水系/水道系切替 自家製
なし
日本電気硝子(株)
太陽熱温水器
RK-30A
太陽熱エネルギーで温水化 水道直結型真空式 採湯量240Î
太陽光発電装置
太陽光エネルギーで発電 多結晶シリコン系方式 定格発電電力5.22kW (株)京セラソーラーコーポレーション PVL-U0044
合併処理浄化槽
生活排水の浄化
分離接触曝気型 10人槽
(有)朝日・日南清掃公社 CG-10
で最大の特徴である。同時にこれは非常時への
天の恵みとして屋根面で得た雨水が、濾過と
備え、地震後にライフラインが途絶したときの
滅菌後に太陽熱で暖められ、お湯や上水として
対処にもなっている。その総合フローチャート
利用された後合併処理浄化槽に入り、バクテリ
を図-1に、このシステムを構成する機器類の仕
アによる浄化後は中水として水洗便所で使われ、
様一覧を表-2に示す。
また浄化槽に戻るという循環系を形成している。
これは、冒頭で述べたような民家での暮らし、
一部は植栽への散水から大地に還元され、循環
即ち、往時の日本社会で一般的だった自然エネ
系からオーバーフローした分のみが側溝から琵
ルギー利用の環境共生・資源循環型生活様式を
琶湖に流れ込む。
生み出した智慧と技に学び、現代工業技術を導
入して、その仕組みを今の生活様式に沿わせた
現代的再構なのである。
10
●このシステムの現実的効用
雨水を含め自然エネルギー利用の現実的効用
について述べよう。
その一つは、便利を追求しすぎた生活への反
雨水利用では、降雨無しがよほど続かない限
省である。望ましい暮らしが出来るようにする
り、水道水による補給はいつも僅かで、竣工後
には、手間暇を掛けるのは当然、これを楽しみ
に水道料金が基本料を上回ったことはほとんど
ながらやろうと考えるようになった。
ない。
雨水利用の装置で言えば、3つの地上貯水槽に
太陽熱利用では、夏場の給湯は温水器の容量
取り付けた初期雨水分離器下端の粗目フィルタ
240Î分が2,3回使え、炊事・洗濯・入浴ともこれ
ーには、屋根や樋に溜まった落ち葉やカナブン
のみで充分過ぎるほど、冬場も日照さえあれば
など小動物も引っ掛かるので、週に一度は清掃
かなり暖まり、お日様の力は偉大だと実感する。
する。沈殿槽の役割をしている地上貯水槽は月
太陽光発電では、稼働後5年半足らずで総発電
に一度くらい下端のバルブを開放して、底に溜
量は2万7千kWを超えた。月平均420kW位の電力
まった沈殿物を中の貯留水とともに洗い流す。
をこの発電装置で賄っていることになる。陽射
それでも地下貯水槽の底には微粒分が僅かなが
しの強い夏場は売電が買電を上回り、家族の楽
ら堆積していく。年に一度は、内容積20m3近い
しみにもなっている。発電効率はモデュール
この大きな槽内の貯留水を全部電動ポンプで汲
1kW当たり年960kW程度で、西面設置の条件を
み出し、大掃除をしなければならない(写真-12)。
考えると、まずまずの高能率である。
わが家では、お盆に子ども家族が帰省するのに
実はこのシステムが果たしている効用の本質
合わせて行う年中行事の一つにしている。
は、上記のような経済的効用を超える暮らし自
また、溢流への対処も一応はしてあるが、地
体のエコロジー化、さらには自然と向き合う
下貯水槽が満水になると、警報のブザーが鳴り
日々の営みや家族の絆の大切さを改めて気づか
ランプが点灯するので、真夜中と言えども地上
せてくれたことにある。これについては次章で
槽の手動バルブを開放して、地下槽への流入を
まとめて触れたい。
止めねばならない。家を空けるときには、地下
槽の水位と天候の変化と降雨量を睨んで、しか
4.住まいと暮らしの有り様を変える
るべき対処をしておく。浄化装置の3段階フィル
●維持管理に手間を掛ける
ターは次第に目詰まりを起こすから、フィルタ
阪神・淡路大震災をきっかけに、わが家はこ
ー間の導管に入れている圧力計を監視しながら、
れまでの生活様式を見直し始めていたが、こう
水圧低下の時期を見計らってカートリッジを交
して竣工した家に住むようになってから、暮ら
換する。これまでの実績で、交換の目安は第1段
しの有り様は大きく変わった。
から順に、3ヶ月、半年、2年である。
●家本体への手入れも欠かせない
他にも、自然素材を多く使った家本体への日
頃の手入れも重要である。ブナ・スギ・ヒノキ
の無垢板を使った床板や階段段板は、蜜蝋と亜
麻仁油製の天然ワックスを定期的に塗り直し、
表面を保護する。水回りの厨房・浴室・洗面
所・洗濯場も床や腰壁が無垢板だから、濡れた
り汚れたりしたらこまめに掃除をする。天然イ
草と有機栽培稲藁床の畳は薬剤処理を一切して
いないので、長期そのままでは虫が付く。伝統
の暮らしの智慧に習い、年に一度陽射しの強い
時期に、大掃除をして天日干しで殺菌消毒する
写真-12
GBRC
地下貯水槽の清掃風景
121 2005・7
(写真-13)。
11
湯が沸き発電メーターもぐんぐん上がる晴天は
大歓迎。要するに、降って良く、照って良し、
いつでも天候の恵みに感謝出来るのが、わが家
の暮らしなのである。
●生態系と向き合う
雨と太陽という自然の二大恵みに加えて、わ
が家の水循環システムには、もう一つ小さくて
大きな自然との共生が組み込まれている。この
写真-13 和室の畳の天日干し
システムの文字通りの「命」、家中の生活排水を
すべて浄化してくれる微生物たちである。彼等
便利に慣れた現代人に、日々の暮らしでのこ
が元気か否かは、トイレの流し水を見れば一目
うした対処は大変だ、厄介だと思われるかもし
瞭然。当初軌道に乗るまでは、濁ったり臭いが
れない。しかるに、これが意外に楽しいのであ
あったりで不安定だったが、十人槽にわが家の
る。濡れや汚れの掃除は欠かせないが、高気密
家族2,3人分の排水しか入らなかったので、栄
からはほど遠い、呼吸する造りを目指した風通
養不足だったらしい。彼等の好物だと聞いたバ
しの良いわが家では、さして厳格にやる必要は
ナナの皮をミキサーで砕いて流したり、時々糠
ない。しばらくすれば乾燥し、無垢材には自浄
を流したりして安定し、透明無臭の水を戻して
作用のようなものがあって、簡単に腐ったり汚
くれるようになった。
れたりはしない。しかも時間が経つほどに自然
いつの間にか家族に、家の中に生き物を飼っ
素材は風化で風格が出る。残った汚れや傷はわ
ているような気持ちが生まれてきて、微生物君
が家の歴史と了解すればよい。
たちがいやがるものは流すまいと心がける。食
一方、昔ながらの畳はほんとうに重いので、
器洗いから掃除・洗濯・浴用すべてに合成洗剤
一人では持てない。いつもは夫婦だけのわが家
は使わず、昔ながらの石鹸で済ませる。台所の
では、二人の気分が乗ったときに助け合ってベ
油は使い切って流さない。現代医学の薬も飲ま
ランダに運び出す。地下貯水槽の大掃除はわが
ない主義。抗生物質など服用したら、微生物君
家の一族総掛かりのイベントになっている。
の命を奪うことになりかねないと、わが家の小
このように住まいの維持管理という営みは、
さな生き物たちを思いやって、家族みんなが健
家族の絆を強める働きもしつつ、居心地良い住
康の維持を常に心がけている。合併処理浄化槽
まいを保っていてくれるのである。
を循環系に入れ込んだお陰で、小さな生き物た
ちといつも一緒に暮らしているという感覚が当
●雨も嬉し、晴れも好し
たり前になった。
新しいわが家でもう一つの変化は、多様で微
化学薬剤を含む建材を可能な限り避けて造っ
妙な自然の移ろいや生態系の活動と向き合いな
たわが家は住み心地が良いらしく、目に見える
がら暮らすようになったことで、家族は日々充
小動物もいっぱいやって来る。イタチに住み着
足感を味わっている。
かれたのには閉口して、こればかりはお引き取
田畑で作物を育てるなど、自然と密に向き合
りを願ったが、一昔前まで日本の民家には蛇や
っている人たちは別にして、「雨は嫌い晴れが良
ネズミなどいろんな小動物が共棲していたのだ
い」が現代人一般の嗜好であろう。マスコミの
った。わが家の土壁は、籾殻と薬草の茎根を腐
天気予報を見ていても、晴れは善玉、雨は悪役
らせて練り込み、時間を掛けて発酵させた活性
扱いが多い。雨水利用を始め降雨を待ち望むよ
の強い土を塗り込んでいる。すべて中塗り仕上
うになって、そんなことも不当に感じられる。
げでとどめてもいるので、十年近く経った今で
かと言ってアンチお陽様ではもちろんない。お
も、塗り土内の細菌かバクテリアが湿期には活
12
新しい価値観への転換を志向す
る波紋が拡がっているように思
う。
わが家の居間には、書家の筆
で象形的な文字を使い大書した
詩句の屏風がある(写真-15)。
「雨も奇なり晴れも好し」、宋の
詩人蘇東波の著名な詩の一節で
ある。妻の実家の襖に貼られて
いたのを移したものだが、この
詩を愛した義父のこころの高さ
に、夫婦してようやく気づいた
のは、阪神・淡路大震災を経験
して後のことであった。単なる
写真-14 タイル以外はすべて木の
無垢材で造られた浴室
写真-15 書家の筆になる蘇東波の詩の
一節「雨奇晴好」
文学的嗜好ではなく、それは深
い人生観の表明、東洋的自然観
への共感なのであろう。日本の
躍を始めて、表土が黒ずみ、壁面にいわゆるア
民家を創ってきた本質はこの思想に通じると思
クが広がっている。彼等の栄養は人間には邪魔
うのである。
物の空気中の汚染物質であるらしい。
一連の実践を通して、筆者はいま、こう考え
小動物の共棲と言い、塗り土中の微生物の存
るようになった。伝統民家に学ぶ家づくりと暮
在と言い、人との共存にはお互いに益があり、
らし観の再構は、家族のあり方から環境問題へ
大事な意味がある。虫一匹いないような人工的
の対処まで、現代社会が抱える困難な課題解決
な住まいが人間の心身の健康に良いわけがない、
への大きな一歩になるに違いない、と。
生態系と向き合う暮らしが健全なのだ、と改め
て認識した。
余談ながら、わが家に泊まられた客人は例外
なく、「天水」を「天日」で暖め、森の恵み「薪」
で追い焚きした「槇」の浴槽の湯は、ほんとう
にまろやかで身体の芯まで温まる、と喜んで下
さる(写真-14)。
■エピローグ
日本の民家を創ってきた智慧や技に学ぶ住ま
いと暮らしの効用は、筆者にとってはかくの如
く絶大であった。まずは私たち家族の生活観が、
自然と折り合いながら質実に暮らそうとする方
向に抜本的に転換した。便利や快適を求めて得
られたものとは異質の豊かさがそこにはあって、
これこそが人間にとって本来の豊かさではなか
ったか。こうした家づくりや暮らしぶりに関心
を寄せ、わが家を訪ねて来られる方々の間にも、
GBRC
121 2005・7
【参考文献】
1)鈴木有:伝統木造構法の「対震」性能評価の現状と展望、
地震に強い[木造住宅]パーフェクトマニュアル、(株)
エクスナレッジ、pp.289-309、2003.12
2)鈴木有:エコロジー住宅の奨め(第3∼6回)、木のこころ、
日本林業経済新聞社、10∼13号、pp.46-49、2000.3、pp.2831、2000.5、pp.68-73、2000.7、pp.52-57、2000.9
3)鈴木有・鈴木ゆみ:雨も嬉し、晴れも好し、建築防災、
(財)日本建築防災協会、289号、pp.9-17、2002.2
4)鈴木有:北淡町富島にみる住宅復興と地域社会情報、発災
対応型都市情報管理システム(文部省科研費特定
(No.08248102)領域研究(A)(1)計画研究C-2研究成果報
告書)、pp.107-110、2000.3
5)鈴木有:伝統的木造住宅の構造性能評価、木造建築情報フ
ァイル026、木造建築研究フォラム、pp.1-32、2000.3
6)嘉田由紀子:環境社会学、岩波書店、pp.3-10、2002.5
7)神戸新聞社:神戸も雨水活用を/東京墨田区がアドバイス、
神戸新聞1995.2/20朝刊
8)近畿通商産業局・日建設計:コミュニティ自立型エネルギ
ーシステムの検討∼ライフスポットを維持するために∼
(調査報告書)、資料2;pp.1-16、1995
9)秋田魁新聞社:話題を追う/合併処理浄化槽整備/二ツ井
町、秋田魁新聞2001.1/15朝刊
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