遊戯王THE・STORY『DUEL・ACADEMIA・UNIVERSITY』 ID:100245

遊戯王THE・STORY
『DUEL・ACADEMIA・
UNIVERSITY』
イリス
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︻あらすじ︼
デュエルアカデミア
そこは一流のデュエリストになることを夢見る少年少女が通う学校である。
そして最近設立された社会人向けデュエルアカデミア。
デュエルアカデミア・ユニバーシティ通称﹁DAUS︵ダウス︶﹂
言わばデュエリストの大学である。
ここでは青年たちがプロデュエリストを目指すために日夜研鑽を積んでいる。
そして今年も新たな新入生たちが入学してくるのだった。
目 次 第一話﹃DAUS︵ダウス︶への入学﹄ 第二話﹃運命のクラス分け﹄ ││
イト﹄ ││││││││││││
常軌を
﹄ ││││││
第四話﹃輝く六つのエレメント
逸する召喚魔術
23
!
喚法・代償召喚
﹄ ││││││
36
第五話﹃禁忌の召喚魔術・・・残酷なる召
!
15
第三話﹃異彩のクラス・ホルアクティホワ
7
1
!
│
試験官﹁古代の機械巨人でセットされたモンスターを攻撃
アンティーク・ギア・ゴーレム
﹂
今、そのアカデミア入学試験が此処、アカデミア試験場で行われていた。
このデュエルはライフ4000先攻ドローのルールで行われる。
筆記試験、面接、そして試験官とのデュエル⋮である。
アカデミア入学試験内容は以下の通り。
アである。
それこそが﹁デュエルアカデミア・ユニバーシティ﹂社会人専用のデュエルアカデミ
立。
そしてデュエルアカデミア未入学者にチャンス与えるために新たなアカデミアを設
だが、多くの可能性をつぶしている事に気づいた海馬コーポレーションは20歳以上
そのため、多くの人々がプロ入りを断念していた。
プロリーグに進むには、デュエルアカデミアを卒業している事が最低条件である。
卒業生の多くはプロデュエリストを目指しプロリーグに進んでいく。
少年少女を一流のデュエリストに育成する学校⋮デュエルアカデミア。
第一話﹃DAUS︵ダウス︶への入学﹄
1
!
第一話『DAUS(ダウス)への入学』
2
﹂
古代の機械巨人は攻撃したとき、相手は魔法・罠カードを発動でき
アンティーク・ギア・ゴーレム
受験生﹁罠カードはつd││﹂
﹂
試験官﹁無駄だ
ない
受験生﹁ッ
!
﹂
守備モンスターを攻撃したとき、攻撃力が守備力を超えていれば
﹂
受験生﹁そんな⋮そんなーーーー
その数値分ダメージを与える
!
なデュエルではアカデミアへの門は開かない
﹂
受験番号2525番、酒井利須⋮デュエルフィールドへ
俺は立ち上がりフィールドへ降り立ち、試験用のデュエルディスクを構える。
!!
!
受験生は落第の烙印を押され、涙ぐみながら会場をあとにする。
試験官﹁次
!
ついに俺の順番だ。
﹂
試験官﹁君のデュエルは中途半端だ。防御にも徹せず、攻撃にも徹せず⋮そんな半端
受験生﹁まさか、スケープ・ゴーストが裏目に出るなんて⋮﹂
LP2800↓0
貫通効果で3000のダメージを受ける。
!!
!!
試験官﹁さらに
容赦のない一撃がセットされたモンスターに振り下ろされる。
!?
!
﹁お願いします
﹂
﹂﹂
利須﹁俺のターン、ドロー
﹂
﹂
﹂
麗しの女神⋮﹃アテナ﹄
永続魔法﹃神の居城ヴァルハラ﹄を発動
特殊召喚
試験官︵ほう、天使族か。さて、何が出て││︶
﹁城より出でて、その美しき姿を現せ
アテナ ATK2600 DEF800
!
!
試験官﹁﹃歯車街﹄がない以上動けん︶私はこれでターンエンド⋮﹂
ギア・タウン
古代の機械騎士 ATK1800 DEF500
試験官﹁私は﹃古代の機械騎士﹄を攻撃表示で召喚
ア ン テ ィ ー ク・ギ ア・ナ イ ト
試験官は少し間を置き、そして動いた。
試験官﹁まずは私の先攻。ドロー
酒井利須LP4000 試験官LP4000
﹁﹁決闘︵デュエル︶
│││││││││││││││││││││
!
攻撃力を半分にして特殊召喚
﹂
﹂
利須﹁そして魔法発動、光神化 その効果で手札から﹃フェアリー・アーチャー﹄を
!!
!
!
!!
!
!!
3
!
!
﹃地獄の暴走召喚﹄
﹂
フェアリー・アーチャーATK1400︵効果で700︶ DEF600
﹂
利須﹁さらに速攻魔法
試験官﹁なっ
!
!
試験官﹁くっ⋮私は﹂
!!
﹂
!!
手ライフに600ポイントのダメージを与える。
﹂
!!
そして﹃アテ
利須﹁さぁ、今こそ崇高なる天の光を受けよ⋮エンジェリック・シャイン
試験官﹁うわあああぁぁぁっ
試験官LP4000↓2200
﹂
︶﹂
利須﹁そして、手札から﹃ウィクトーリア﹄を攻撃表示で通常召喚
︵まさか、こんなことが
ナ﹄の効果を発動
試験官﹁くっ
!
!!
試験官LP2200↓1600
﹂
?!
!?
!
﹂
アテナ:フィールド上に天使族モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時、相
利須﹁そしてこの瞬間﹃アテナ﹄の効果発動
﹂
利須﹁﹃フェアリー・アーチャー﹄を2体をデッキから特殊召喚
このタイミングの暴走召喚。そしてその後の展開は誰の目にも明らかだ。
!?
!
﹁お、おい⋮あいつ後攻1ターンで試験官のライフを2400も削りやがったぞ
第一話『DAUS(ダウス)への入学』
4
﹁まさか⋮このターンで⋮
﹂
外野がどよめき、二人の決闘の結末を考察する。
そして利須が動いた。
﹂
ぐっ
﹂
﹂
利須﹁﹃フェアリー・アーチャー﹄の効果を発動⋮⋮光の矢の嵐を喰らえ
グ││アロー
その刹那│││
会場がより一層どよめく。
決着がついた││と。
利須﹁っ
いったい何が起きたのだろう。
試験官を後攻1ターンキル。
そのたった1枚のカードによって、利須のライフは0になっていた。
シャイニン
それがなされて様に見えた刹那││試験官の手札から発動されたカード⋮
!
?
無数の光の矢が試験官に降り注ぐ。
!
﹁見事だ⋮⋮だが私を倒すことはできないっ
!?
利須LP4000↓0
!!!
!!!
5
第一話『DAUS(ダウス)への入学』
6
アンティーク・ギア・リフレクター・ボム
試験官﹁見たか、これが﹃古 代 機 械 の 反 射 爆 弾﹄だ。﹂
利須﹁アンティークギア・リフレクターボム⋮⋮﹂
﹂
衝撃のカード効果により利須は負けた。
これで入学はできない。
そう心で感じた。
それからしばらくして│││││
全員のデュエルが終わった。
気づけば受験者全員が敗退していた。
そして⋮⋮
試験官﹁これより合格者を発表するっ
今新たに300人がデュエルアカデミア・ユニバーシティに入学した。
合格者⋮2500人中300人
だが当然不合格者も出る。
そして全員の予想に反して数多くの受験合格者が名を挙げられていく。
まさかの合格者発表にその場の全員が驚愕した。
!
第二話﹃運命のクラス分け﹄
港から出港してから15分後
各生徒が1ヵ所に集められた。
そこで先の試験官より
交流大会の発表が宣言された。
﹁ただいまより、交流デュエル大会を開催する
⋮⋮⋮⋮⋮
⋮⋮⋮
⋮
開始1時間後
﹂
利須︵⋮アカデミアについたらもっとましな決闘者いるかなー︶
空を眺めていた。
利須は大会が始まるや否や疾風の勢いで3人を倒したが、それからずっとこの調子で
俺は船のデッキで青空を見上げ、ため息をつきながらそうつぶやいた。
利須﹁はぁ⋮つまんないデュエリストばっか⋮﹂
!
7
利須は再びため息をついた。
︶
すると│││
利須︵ん
その瞬間││
︶
?
﹂
何今の声
︶
⋮陽彩、早速バレてるよ。︾
!
利須︵⋮独り言
﹁平気だって。絶対にバレないから。﹂
するとその男は
だが、その﹁誰か﹂の姿は見当たらない。
その先には一人の男が誰かと話してる様子だった。
そして、その声が気になった利須はその声の方に歩を進める。
ふと奥から誰かの話し声が聞こえてきた。
?
陽彩﹁えっ
利須︵
?!
?
利須﹁え⋮あ、うん⋮﹂
陽彩﹁えと⋮今の、聞いてた⋮かな
﹂
驚きが強く、その場に硬直した利須の元に駆け寄ってくる陽彩。
!?
!?
︽ん
第二話『運命のクラス分け』
8
?
気まずい沈黙が二人を包む。
声を出そうとしたその時
ベル﹄が出てきて朝起きたら実体化していた。
この男、藍沢陽彩は﹃ユベル﹄が好きすぎて毎日肌身離さず持っていたら、夢に﹃ユ
正直ファンタジックすぎる⋮。
⋮
⋮⋮
⋮⋮⋮
そしておもむろに陽彩は﹃ユベル﹄との経緯を話し始めた。
差し出された手を握り握手をする。
利須﹁え⋮あ、よろしく⋮﹂
ひいろ︶。よろしく。﹂
陽彩﹁⋮えーと、私のモンスターの﹃ユベル﹄です⋮と、私は藍沢 陽彩︵あいざわ
ニッコリと微笑む﹃ユベル﹄に驚きと戸惑いながらも微笑み返す利須。
ユベル﹁やぁ、初めまして。僕は﹃ユベル﹄この陽彩の嫁だよ。﹂
陽彩の手に持っていたカードが光を発し、その光が姿を現した。
︽やれやれ、見ていられないね。︾
9
利須﹁その話を信じろとっ
﹂
陽彩﹁無理なのはわかってるけど信じてっ
ユベル﹁まぁ、さすがに無理だよね。﹂
陽彩﹁ユベルー⋮﹂
待った
君の名前は
﹂
﹂
﹂
!!
﹂
!?
﹂
﹂
デュエルと行こうぜ
あ、おう
学生﹁さぁ
陽彩﹁え
!
﹂
間一髪でユベルはカードに戻っていた。
陽彩﹁
学生﹁さて⋮この辺りから話し声が⋮お、対戦相手発見
すると入れ替わるように││
そう一喝すると利須はその場を後にした。
利須﹁かわいい言うな
ユベル﹁リスなんて、ずいぶんかわいい名前だね。﹂
利須﹁⋮⋮利須⋮酒井利須、だよ。﹂
!?
?
!?
利須﹁⋮⋮お、お邪魔みたいだから俺行くね
陽彩﹁あ
!
去り際に陽彩がそう問う。
!
?!
!!
﹂
!
!!
!!
第二話『運命のクラス分け』
10
﹂
﹂
﹂
スカイスクレイパー・シュー
その効果で、フィールド魔法﹃摩天楼スカイスクレイパー﹄
戸惑いながらも二人は支給されたデュエルディスクを構える。
﹂﹂
そして
﹁﹁決闘
それと同時刻
を発動する
﹁速攻魔法﹃終焉の地﹄発動
ト
﹁﹃E・HEROフレイムウィングマン﹄で﹃アテナ﹄を攻撃
利須﹁なっ
!!
ジを受けてもらうぜ
利須﹁うわあああぁぁぁ
!
!
利須LP2500↓0
﹂
!!
﹂
﹁そして ﹃フレイムウィングマン﹄の効果で、破壊したモンスターの攻撃力分のダメー
利須LP3100↓2500
﹃アテナ﹄の盾は砕かれ、その身は炎に包まれ、破壊された。
した。
﹃フレイムウィングマン﹄は紅蓮の炎を纏い、摩天楼上空より﹃アテナ﹄めがけて急降下
!!
!
!?
!
!!!
11
﹂
利須﹁⋮ありがとうございました⋮︵負けた⋮また⋮︶﹂
またやろうなっ
!
!
出港からしばらく経ち、船は目的地﹁DAUS﹂へと到着した。
││││││││││││││││
結果は当然⋮⋮
エルに敗北。
もといクラス分けデュエル大会は利須はあの陽彩とユベルに会って以降全てのデュ
交流デュエル大会
だが、彼にとってはあっという間に感じたのだ。
と言っても誰もが感じ取れている感覚で時間は過ぎていく。
その後、時間はあっという間に過ぎていた。
完全に自分のデュエルを見失っていた。
対して利須は陽彩に会って以降のデュエルで連敗続き。
E・HERO使いであり、現在無敗のデュエリストだ。
来駕 忍︵らいが しのぶ︶
倒れた俺に向かって手を差し伸べてきたこの男。
利須﹁ああ。是非相手してくれ﹂
﹁いいデュエルだったぜ
第二話『運命のクラス分け』
12
13
そこは島の域を超え最早国と言っても過言ではないと思わせるくらいの巨大で雄々
しい風景だった。
そうこの島全体が﹁DAUS﹂なのだ。
到着寸前に手渡された案内ガイドによると
・主な移動手段は自転車か徒歩︵自転車は生徒一人に1台支給される︶
・学食は朝6:30∼夜10:00まで営業︵無料︶
・島内には小規模だがショッピングモールがあり、衣類・雑貨・娯楽用品はここで揃
う。
・島内でアルバイトは可能︵ショッピングモール内限定︶
と記されていた。
そして⋮⋮
教官﹁以上が各々のクラスとなる⋮では、それぞれ寮へ向かうように。﹂
クラス分けが終了した。
その結果⋮
オベリスクブルー:15人
ラーイエロー:50人
オシリスレッド:230人
第二話『運命のクラス分け』
14
ホルアクティホワイト:5人
利須﹁⋮⋮ホルアクティホワイト⋮
﹂
そのクラスの意味を知るのは少し先になる。
今までに聞いたことのないクラス⋮ホルアクティホワイト。
?
そこは思いもよらないクラスであった。
だが、去年から新たに設立されたホルアクティホワイト。
いる。
レッドは通称落ちこぼレッドと言われている成績下位組であり、距離はかなり離れて
いが成績中堅の集まり、それでも距離は結構近い。
オベリスクブルーは成績優秀組で、校舎に一番近く、ラーイエローはブルー程ではな
驚いたのはホワイト寮の遠さだ。
のは今は案内ガイドと己のデッキのみである。
荷物はそれぞれのクラス=寮に届けられることになっており、生徒たちが持っている
そして新入生はそれぞれの寮へと向かう。
いただいた。
校長の挨拶から始まり、規則は授業、そして社会人としての最低限のマナーをご鞭撻
そこで行われたのは普通の学校と同じ。
DAUSに到着後、ひときわ大きい建物に新入生のみんなは集められた。
第三話﹃異彩のクラス・ホルアクティホワイト﹄
15
第三話『異彩のクラス・ホルアクティホワイト』
16
⋮⋮⋮
⋮⋮
⋮
利須﹁⋮⋮は⋮
﹂
と予想していた。
が、現実は異常だった。
?
最奥に見えるダンボールや︵失礼だが︶瓦礫の山。
手前の壁際に設置されたキッチンと、多少奥の壁際に畳まれたいくつもの布団。
れたのは、
まるで空っぽの教室を三部屋合わせたような大きさのその室内⋮そこで出迎えてく
目の前に映し出された光景は言葉を失う物だった。
意を決して扉を開ける。
正直入るのを躊躇っているのが真実である。
その言葉が一番適応していると思い誰もいない中一人つぶやいた。
利須﹁⋮⋮白い大き目な一軒家
﹂
ホワイト寮の名の通り、外観は真っ白、汚れ一つない潔癖な城みたいな寮。
校舎から徒歩で約15分かけてホワイト寮についた僕はポカンとした。
?
17
そして無造作に置かれたソファに仰向けに寝転がり雑誌を読みながらこちらを見る
女性。
デュエルディスクを使用してデュエルをしている2人の女性。
そして隅で床を使いながらデッキを編集している2人の男性。
計5人の視線がこちらに向けられる。
一番最初に口を開いたのはソファに寝転がっている女性だった。
寝ている女性﹁おー、新入生ー いらっしゃーい。寮長の水鏡 翠︵みかがみ す
い︶だよー。よろしくねー。﹂
酒井利須です⋮﹂
﹂
!?
うだね。﹂
デュエル中の女性2﹁ちょ
まだデュエル中だよ
デュエル中の女性1﹁へぇ、このホワイト寮に1年生から新入生なんて⋮気が合いそ
利須﹁え⋮あ、はっ初めまして
?
!
あ、ちょま
﹂
!?
生々しい発砲音と衝撃が辺りを震わせ、銃弾が女性を貫く。
デュエル中の女性2﹁えっ
床から複数のマシンガンが表れ、女性を狙い⋮
追いかけようとした女性が発言し一歩踏み出した時、ソリッドヴィジョンではあるが
デュエル中の女性1﹁あー、罠発動﹃仕込みマシンガン﹄で終了ね。﹂
!?
!
第三話『異彩のクラス・ホルアクティホワイト』
18
LP1100↓0
⋮⋮ぐぅ⋮﹂
その衝撃はまるで本物のようだった。
デュエル中の女性2﹁っが
利須﹁っ
︵嘘だろ⋮何だ今の衝撃⋮︶﹂
女性はその場にうつぶせに倒れこんだ。
!?
卯月﹁よ⋮よろ、しく⋮ね⋮﹂
﹂
利須﹁え⋮と⋮⋮よろしくです⋮あの、大丈夫なんですか⋮
卯月﹁大丈夫大丈痛っ
?
﹂
男たち﹁わかりました、水鏡寮長
﹂
翠﹁あー、衝撃が強すぎたんだねー。君たちさー、もう少し衝撃は弱めにしといてねー
!
﹂
ね。あ、ちなみに今倒れたのは熊森 卯月︵くまもり うづき︶っていうの。﹂
デュエル中の女性1﹁私は鈴原 弥生︵すずはら やよい︶っていうんだ。よろしく
驚く利須を他所にマシンガンを発動した女性は││
!?
そしてカタカタとキーボードを打ち始めた。
に接続する。
そういうと男たちは卯月と弥生のデュエルディスク外し、隅に置いてあったパソコン
!
?
19
⋮⋮⋮
⋮⋮
⋮
話を聞くと彼らはデュエルディスクを整備兼改造し、衝撃を増減できるシステムを作
り上げたのだという。
だがそれが原因でオベリスクブルーのトップから格下げされたらしい。
本人たち曰く﹁俺たちはどの場所にいてもやる事は変わらない﹂との事。
そして俺が本気でドン引く事実⋮この二人はカプだという。
ここで唯一の男だが⋮なるべくかかわらないようにしよう。
よって勝手ながら二人の名は割愛する。
翠﹁でも意外だねー。まさかホワイト寮に新入生だなんてー。﹂
弥生﹁だよねー。最低でも普通はレッド寮だもんね。﹂
﹂
﹂
卯月﹁レッドへの編入試験はもう開催されてるはずですから⋮。貴方は自らホワイト
﹂
へ⋮編入、試験
を選ばれたんですね
利須﹁⋮⋮え⋮
翠﹁あ⋮⋮もしかして、知らなかった⋮感じ
?
?
弥生・卯月﹁あー⋮⋮﹂
?
?
第三話『異彩のクラス・ホルアクティホワイト』
20
3人の女性の残念な子を見る視線が刺さる。
利須︵おかしいな⋮⋮人の視線て、こんなに痛かったっけ⋮
翠﹁まぁ⋮⋮もう足掻いても仕方ないから、ね。﹂
そういうと寮長はソファから起き上がり歩み寄ってきた。
﹂
翠﹁とりあえず、よろしくね、イリス。﹂
利須﹁い、イリス
﹂
じゃあ今日から君はイリスだ
イリス﹁あ⋮よろしくお願いしま││
何故だろう⋮とても納得できた。
イリス﹁あ⋮⋮はい、わかりました
﹂
﹂
︶
﹂
﹂
んな対等なの。だから、今後頭を下げるのは、頼みごとがあるときだけ。わかった
!
﹂
翠﹁私たちはもう大人。だったら上下関係はその場所による。ここはそれがない⋮み
疑問に駆られ彼女を見ると、彼女は凛とした表情でこう言った。
よろしく
翠﹁そ。利須なんて小動物みたいじゃん。だから、イリス⋮どうかな
ノリいいじゃん
!
?
?
!
利須﹁⋮⋮いいですね、気に入りました
弥生﹁おぉ
!
一礼しようとした時、寮長に止められた。
!
!
?
卯月﹁ホワイト寮へようこそ、イリスさん。﹂
!
?
21
俺の考えが甘いのか
俺が単純なのか
?
驚いたことに常駐する私生活の部屋はこの1ルームだけ。
﹂
地下室はあるのだがお風呂とトイレがあるだけ⋮⋮。
イリス﹁⋮あの、ここ本当に寮なんですか
翠﹁⋮⋮うん⋮一応は、ね。﹂
︵遅刻した人はご飯抜き
﹂
!
そして水鏡先輩はこの寮でのルールを説明してくれた。
1つ。食事の時間は必ず守る事
3つ。もめごとはデュエルで決着する事
2つ。夜は遅くても11時までには消灯する事
翠﹁以上がここのルールだよ。わかった
︶
そういう水鏡先輩の目は、まるで冷凍イカのように見えた。
?
﹂
イリス﹁⋮えと⋮大まかすぎませんか⋮
!
あ、ちなみに健全男子のイリス君に朗報を与えよう
!
?
!
!
?
翠﹁そうかなぁ
﹂
それから小1時間程寮長たちによってホワイト寮での暮らし方を教えてもらった。
とても⋮心が納得できた。
⋮⋮でも、何故か嫌じゃない。
?
?
第三話『異彩のクラス・ホルアクティホワイト』
22
イリス﹁は⋮はい
イリス﹁ふぁっ
﹂
﹂
翠﹁︵私たち︵女子︶がお風呂入ってる時、覗いても構わないからね♪︶﹂
すると先輩は俺の耳元に顔を近づけ⋮⋮
?
意味深に笑う彼女の姿はまるで獲物を見つけたサキュバスのようだった。
翠︵まぁ、この人なら⋮ありかな♪︶
そう確信した瞬間だった。
あ、俺完全にこの人に遊ばれてる。
翠﹁てのは冗談だよー。﹂
あまりの言葉に声が裏返ってしまった。
?!
﹄
第四話﹃輝く六つのエレメント
23
常軌を逸する召喚魔術
!
﹂
!
﹂
?
﹂
!?
ころか私の下着まで干されてたしー
﹂
卯月﹁私もあれは恥ずかしかったです⋮⋮﹂
?
?
イリス﹁⋮それが嫌ならちゃんと自分で洗濯干してくださいね
﹂
弥生﹁ていうかー、イリス君て馴れると世話焼きなんだねー。昨日なんて翠の下着ど
翠に反省の色はまるで見られず、再び視線を雑誌に戻す。
翠﹁え⋮あー⋮まぁいいじゃん♪﹂
イリス﹁2時間前にとっくに終わってますよ
ソファで仰向けになって雑誌を読みながらそう答える翠。
翠﹁えー、だって私まだ洗濯中だったんだよー
そういったイリスの手には洗濯カゴ、中には女性ものの衣類が詰まっていた。
か
イリス﹁水鏡先輩 何度お願いしたらご自分の制服とし⋮下着を畳んでくれるんです
ホワイト寮生活がはじまって五日ほど経った日の夜
!
!?
そういうと翠の寝転がっているソファの前にカゴを置くと上の部分だけを掴み、それ
を│││
イリス﹁はいどうぞ、卯月先輩の洗濯物です♪﹂
そう言って卯月の目の前に衣類を包んだタオル置く。
な⋮な⋮なぁーーー
﹂
﹂
そしてイリスが手を放すとヒラリとタオルが解けて包まれていた洗濯物が露わにな
る。
卯月﹁っ
包まれていたのは卯月のブラやショーツといった下着類ばかりであった。
卯月は夕日のように顔を真っ赤にして急いで下着をタオルで包む。
﹂
﹂
いくらなんでも、やっていい事と悪いことがありますでしょ
そして若干涙目になるながらイリスを見上げ
卯月﹁あ、貴方ねー
卯月﹁うっ⋮⋮そ、それは⋮﹂
﹂
イリス﹁そういう言葉は私生活をきっちりしてから言ってください
卯月﹁あうっ
!
ていうかス
!?
!!
イリス﹁洗濯機に洗濯物を2時間放置しておくのはやってもいい事なんですか
!
弥生﹁あははっ、卯月だらしないねー、あははh││﹂
!
?
?!
イリス﹁笑ってる鈴原先輩は女性としての嗜みを身に着けてください
!
第四話『輝く六つのエレメント!常軌を逸する召喚魔術!』
24
25
カートかボトムを履いてください
として見てないしー。﹂
何か言ったかな∼
イリス︵あー、もう
弥生﹁ん∼
﹂
﹂
⋮女を捨てるとはこういうことを言うのか⋮︶
弥生﹁べっつにいいじゃーん。うちの男子二人は女子に興味ないしー、イリスは異性
!!
?
!
﹂
?
イリス君寂しいの∼
イリス﹁⋮そう、なんですか⋮﹂
翠﹁あれれ∼
﹂
からかい半分でニヤニヤ笑いながらイリスに迫る翠。
?
イリス﹁そりゃあ⋮⋮一人って慣れてないんで⋮てぇ
﹂
翠﹁そ、私たち上級生は全員明後日から3日間だけど寮を留守にするの。﹂
イリス﹁え、郊外合宿ですか
それから1週間程経過したある日⋮⋮
│││││││││││││││
若干ため息交じりでイリスはその場を後にした。
イリス﹁な∼んにも言ってないですよ∼⋮﹂
笑顔がこちらに向けられるが、その背にはどす黒いオーラが見えるような気がした。
?
翠﹁あ∼も∼仕方ない子だなぁ君は∼♪﹂
!?
?
第四話『輝く六つのエレメント!常軌を逸する召喚魔術!』
26
まるで弟をあやすかのように抱き寄せ頭を撫でる翠。
イリスが混乱してるからやめてあげなよ
﹂
突然の出来事に混乱しているイリスも状況を徐々に把握し、顔を紅潮させていく。
弥生﹁まったく、翠∼
?
﹂
!!
イリス。﹂
?
こうして上級生の5人は郊外合宿へと向かった。
イリス﹁はい、大丈夫です。お気をつけて。﹂
翠﹁じゃあ留守をお願いね
卯月﹁行ってまいりますね。﹂
弥生﹁じゃ、いってきまーす。﹂
イリス﹁では、気を付けていってらっしゃいです。﹂
郊外合宿当日
⋮
⋮⋮
⋮⋮⋮
イリス﹁に、日常じゃないですーー
卯月﹁確かに⋮ここ最近はこの光景が日常となってますからね。﹂
弥生﹁三日間この光景が見れないのも、なんか寂しい気分だよねー。﹂
卯月﹁混乱というか照れてますね。﹂
?
27
イリス﹁⋮⋮よしっ
やるかー
﹂
!
イリス﹁⋮⋮よし、気合
入れて
やります
!
か
!
﹂
!
そして女子エリアの掃除を始めて10分後
イリス﹁も∼⋮弥生先輩、またこんなに洗濯物貯めて
中でも弥生は洗濯物をためる常習犯だった。
イリス﹁⋮⋮せめて下着は自分で洗ってよ⋮﹂
﹂
特にブラやショーツ等の下着類は大抵人任せだ。
イリス﹁⋮ひとまず無心で││っ
!
下着を掴んで持ち上げるとそこに一匹の鼠がいて、イリスは驚き飛びのいた。
!?
﹂
改めて気合を入れ掃除をするイリスは若干紅潮していた。
!
散乱する衣服、出しっぱなしの雑誌、教材の散らかった机。
そして男子エリアの掃除を終え、女子エリアを見ると、そこは別物だった。
男子エリアは全員散らかすこともなく、すぐに片づけが終わった。
イリス﹁⋮どうしてあの人たちはこんな風にしておけるんだ⋮﹂
15分後
今ここに﹃大掃除大作戦﹄が始まろうとしていた。
この機会に寮内を綺麗に整理整頓清掃洗浄をしようと考えていたイリス。
!
イリス﹁⋮⋮焦ったなーもーー
鼠に一喝するイリス
﹂
!!
待った
もう少し姿を拝ませて
﹂
すると、それに反応するように鼠は寮の奥に向かって走り出した。
イリス﹁ちょっ
!
!!
﹂
?
﹂
?
﹂
それは何かの書物のようだった。
鼠はイリスを見上げると、カリカリと詰めで足元を引っかいた。
イリス﹁鼠はっけー⋮ん
そしてついに鼠を見つけた。
ガラガラとガラクタ山を押しのける。
イリス﹁ねっずっみっは、何処かなぁ
だが、彼の小動物好きの前には大したことなかった。
最大の関門を見つけたイリスは一気にテンションが下がった。
イリス﹁うわぁ⋮そうだ、ここが一番の難所だった。﹂
すると鼠は奥のガラクタ山の中に入っていった。
洗濯を忘れ、イリスは鼠を追いかける。
小動物が好きなイリスにとっては鼠も例外ではなかった。
!?
イリス﹁⋮何だこれ
?
第四話『輝く六つのエレメント!常軌を逸する召喚魔術!』
28
イリスが本に手を伸ばすと、鼠は怖がることなく落ち着いた様子で本から降り、その
ままガラクタ山の中に消えた。
本を手に取るとそこにはこう書かれていた。
﹂
?
﹂
!?
さすれば力を与えよう﹄
お前は一体誰なんだ
!?
﹃お前の心を寄越せ
イリス﹁誰⋮誰なんだ
そういうと持っていた本が光りだした。
!
!
いや、正しく言うと本のページが光りだした。
﹂
先ほどからの声⋮語りかけている内容が徐々に鮮明になってくる。
﹃お前││心││せ││れば│力を││う﹄
声じゃない⋮まるで、脳内に直接語りかけてくる││そんな感じだった。
イリス﹁っ
﹃││の││を││せ││力││得│う│﹄
すると│││
イリスは哀れみの目で本を眺める。だが、どこか気になり本を開いた。
イリス﹁⋮あぁ⋮残念な人の小説かな⋮
﹃さすれば絶対なる力を約束し、其方は悠久の時を生きるであろう﹄
﹃力望し者、己が心を贄とし、我を呼び覚まし、召喚せよ﹄
29
ゆっくりとページを捲った。
すると、そこにはデュエルモンスターズのデッキが入っていた。
イリス﹁分厚いと思ったら、デッキが⋮⋮﹂
そのデッキの一番上のカードが光っている。
﹂
イリスはそっとそのカードを手に取った。
そのカードの名は
イリス﹁召喚⋮魔術⋮
イリス﹁││うぐっ
﹂
そう口ずさんだ刹那││
?
イリス﹁がっ
│ぐっ││あがっ
﹂
!
引っ張り千切られるような痛み、強く殴打したような痛み⋮
締め付けられるような痛み、刺し貫かれたような痛み、
その痛みは全身に達していた。
!!
心臓から湶、肋骨⋮徐々に痛みが広がっていく。
そしてその痛みは徐々に広がっていく。
突如身体に⋮いや、心臓に激痛が走った。
!?
!
﹃召喚魔術﹄
第四話『輝く六つのエレメント!常軌を逸する召喚魔術!』
30
まるで痛みという痛みが内面を含めた全身に与えられているようだった。
だが、身体には傷一つない。
そう、痛みだけを与えられているのだ。
│││っ
││
﹂
あまりの苦しみにイリスは本を落とし、床に倒れ悶え苦しむ。
イリス﹁│
!!!
あまりの苦痛にイリスは﹃痛い﹄としか考えられなくなっていた。
イリス﹁︵痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
いや、正確には出しているように錯覚していた。
イリスはもう声を出せなかった。
!
その時、再び頭に語りかけてくる。
︶﹂
!!!!!!!!!!
?!
放してあげる⋮﹄
イリス﹁ほ││う│に│││
﹂
﹃本当だよ⋮でも、貴方の心の一部を頂くけどね。どうする
痛みの中、イリスは思った。
﹄
これは陽彩の﹃ユベル﹄と同じカードの精霊なのだろうか⋮
?
?
それとも悪魔の囁き⋮もしくは誘惑なのだろうか
?
?
﹃このデッキを使い、私に贄を捧げて⋮そうしたら貴方に力を与えて、この苦しみから解
31
だが、イリスにとってそんなことはどうでもよかった。
│││この痛みから解放されたい│││
それだけがイリスの心を満たしていた。
このデッキ使って、贄を差し出す 戦って闘って
﹂
相対する
!
そして、イリスは全力を振り絞って声を荒げた。
イリス﹁使う⋮使うっ
﹂
イリス﹁⋮⋮くっ⋮あ、あれ
!
イリス﹁⋮召喚師、アレイスター⋮﹂
そのカードは﹃召喚師アレイスター﹄というカードだった。
そして、先ほどの本に目をやると、落ちた拍子に一枚のカードが本から落ちていた。
痛みは嘘のように引いていった。
?
すると││││
イリスはあまりの泣きじゃくりながら、そう発言する。
奴ら全てを贄に差し出す
!! !!
イリス﹁っ
﹂
﹃そう、私はアレイスター⋮法や倫理に捕らわれない魔術師﹄
第四話『輝く六つのエレメント!常軌を逸する召喚魔術!』
32
!?
﹄
突如した後ろからの声に振り替えると、そこにはカードと同じ姿をした人が立ってい
た。
アレイスター﹃イリス⋮約束通り君に力を貸すよ。でも、君も約束を守ってね
?
﹂
そういうとアレイスターと名乗っている女は僕にしがみ付き、そして問答無用に口づ
けをしてきた。
イリス﹁んむっ
﹂
?
イリス﹁なっ
﹂
﹃君の心をもらったんだよ。約束通りね。﹄
イリス﹁⋮なんだったんだ
と、戸惑ったのも一瞬で、そのアレイスターは消えた。
?!
そう│││
﹂
心をもらうって。﹄
言ったでしょ
イリス﹁僕の⋮中に⋮
?
﹃大正解
﹂
しかし、存在は感じる。
だが、その姿は見えない。
また声がした。
?!
?
!
イリス﹁⋮⋮もしかして、人格も奪うの
?
33
﹃ん
﹂
そんなことはしない。私はただカードの中では出来ない自由を味わいたい。ただ
それだけ。﹄
﹂
さもないと、またあの痛みを││﹄
イリス﹁⋮つまり、心に住み着くって感じでいいのかな⋮
イリス﹁り、了解しました
?
イリス﹁あ、はい⋮﹂
イリスは思った。
?
まるで水鏡先輩が増えたようだと⋮
イリス﹁あ、はい。﹂
﹃さて、早速だけど、デッキの回し方を教えるから、しっかり覚えてよ
イリスは教えられた。
このデッキは今までのデッキとは違うと。
イリスは教えられた。
このデッキを使うときは遊びではないと。
イリスは教えられた。
このデッキは生半可な心では使いこなせないと。
﹄
﹃いい返事。あ、ちゃんと贄を捧げてくれたらその分イリスにも幸福あげるから。﹄
!!
?
?
﹃うん。ただ、しっかりと贄は捧げてね
第四話『輝く六つのエレメント!常軌を逸する召喚魔術!』
34
その他にも数多教えられた。
だが、その中でも一番の衝撃だったのが、贄。
それは現実の人の命ではなく、デュエルでの生贄⋮つまり相手モンスターを墓地へ送
る事。
それが贄らしい。
ようするにデュエルしまくればいい。
ただ⋮それだけ⋮
﹂
イリス﹁それで、この﹃霊使い﹄たちの力を使って、この﹃召喚魔術﹄を駆使して戦
えばいいんだね
?
イリス﹁わかってる。覚悟は⋮できてる。﹂
﹃そういうこと。彼女たちは私の協力者であり仲間なの。でも、さっき言った通り││﹄
35
﹄
第五話﹃禁忌の召喚魔術・・・残酷なる召喚法・代償召喚
﹄
第五話﹃禁忌の召喚魔術⋮残酷なる召喚法・代償召喚
試験会場
現在ここでは融合召喚のテストが行われていた。
1:試験の採点は如何に多く融合召喚を行うか。
2:どのような召喚内容か。
!
!
何故このような惨状になっているのか⋮それは、6ターン目の始めに遡る
えている﹁アレイスター﹂と﹁霊使いウィン﹂の姿があった。
だが、その傍らには、ソリッドヴィジョンではあるが、腹部を貫かれ血を流し、息絶
イリスの場には﹃召喚獣 ライディーン﹄の姿があった。
その悲鳴の原因はイリスのフィールドにあった。
第6ターンを経て試験会場は悲鳴に包まれていた。
ム差を競うのである。︶
︵アカデミアのデュエルディスクは誰でも召喚演出変更可能であり、その演出のカスタ
第五話『禁忌の召喚魔術・・・残酷なる召喚法・代償召喚!』
36
│││││││││││││││
雑魚過ぎて見たこともないや
﹂
!
﹂
!
第6ターン開始時
何だそのカード
イリス﹁僕のターン、ドロー⋮来た。僕は﹃召喚師 アレイスター﹄を召喚
イエロー生徒﹁ん
?
﹃召喚演出が変更されました﹄
!
とディスクから音声が流れる。
イリス﹁俺は﹃召喚師 アレイスター﹄を召喚
るカードを手札に加える。﹂
﹂
デッキからあるカードが手札に加えられる。
それは⋮﹃召喚魔術﹄
イリス﹁魔法カード﹃召喚魔術﹄発動
召喚時効果によってデッキから、あ
そしてイリスはデュエルディスクの召喚演出変更のスイッチを押す。
イリス﹁⋮ふざけんな⋮﹂
数多くの言葉から僕の耳にその言葉だけがイリスの耳に響いた。
﹃所詮はホワイト寮﹄
れた。
相手の生徒は大雑把に両手で知らないアピールをすると会場中が笑いと罵倒に包ま
?
!!
37
第五話『禁忌の召喚魔術・・・残酷なる召喚法・代償召喚!』
38
発動と同時にイリスのフィールドに魔法陣が浮かび上がる。
そして││
﹂
墓地から融合召喚だと
と奇怪な音が響く。
⋮⋮ぐぅ⋮
﹂
﹂
イリス﹁﹃法や倫理に反する魔術師よ﹄﹃風の精霊と心通わせる祈り人よ﹄﹂
グチュッ
アレイスター﹁がっ
ウィン﹁あっ│││⋮﹂
二人の体内から手を引き抜くイリス。二人の心臓と共に⋮⋮
イリス﹁今、我が術式にてその身を生贄とし、異界の地より力ある者を呼び覚ませ
あまりの光景に会場は無音になった。
目の前に現れた﹃アレイスター﹄と﹃ウィン﹄にイリスの手が刺し込まれた。
!
心臓を引き抜かれた二人は流血しながらもイリスの隣に寄り添う様に倒れた。
﹂
イリス﹁俺はフィールドの﹃アレイスター﹄と墓地の﹃風霊使いウィン﹄を素材とし、
融合召喚する
イエロー生徒﹁何
!?
イリスの目の前に﹃アレイスター﹄と﹃ウィン﹄が並び立つ。
イリス﹁﹁所詮はホワイト寮﹂だったな。﹂
!?
!!
そしてイリスは二人の心臓を頭上に掲げ、その心臓を重ね合わせた。
!
!
!
﹂
心臓が割れ、イリスに血が滴る。
イリス﹁融合⋮いや、代償召喚
鳴り響き轟く裁きの雷鳴
﹃召喚獣ライディーン﹄
魔法陣が血によって赤く染まり、魔法陣から稲光が走る。
イリス﹁呼応せよ
相手は恐怖に震え上がっていた。
イエロー生徒﹁な⋮何だよ⋮これ。こ、こんなの││﹂
│││││││││││││││
雷が鳴り響くと意識を取り戻したかのように悲鳴が響いた。
!
そうとうのサンダー・ドラゴン
雷鳴が轟き﹃双 頭 の 雷 龍﹄が裏守備表示になる。
﹂
﹂
イリス﹁さらに魔法カード﹃シールドクラッシュ﹄を発動
﹂
何故です
何故強制終了されるのですか
!
﹂
守備モンスターを破││
イリス﹁﹃ライディーン﹄の効果発動。お前のモンスターを裏側守備表示にする。﹂
!
!!
雷鳴の騎士が今、フィールドに降臨した。
!
教官﹁そこまでーーーー
イリス﹁何
イリス﹁教官
!
﹃デュエルが強制終了されました﹄
!?
!!
!
﹂
!
!?
39
第五話『禁忌の召喚魔術・・・残酷なる召喚法・代償召喚!』
40
﹂
﹂
教官﹁既にデュエルは終了した。尚、酒井は直ちに職員室に来るように
イリス﹁はぁ
│││││││││││││││
アカデミア・職員室
イリス﹁お呼びでしょうか⋮﹂
若干ふてくされ気味に入室する。
教官﹁よく来たね、酒井君。奥の校長室へ。﹂
作り笑いで教官が俺を出迎えてくれた。
イリス﹁⋮はい⋮﹂
俺は奥の校長室へと足を運ぶ。
そこで俺はある取引を持ち掛けられた。
│││││││││││││││
アカデミア・校長室
イリス﹁俺のこのデッキを渡せとおっしゃるのですか
声が大きいよ。﹂
あまりの発言に俺は声を荒げた。
校長﹁し
!?
!?
校長の話はこうだ。
!
﹂
!
俺のデッキ⋮召喚獣、強いては﹃アレイスター﹄はここ﹁DAUS﹂において伝説と
称されるカードであった。
あまりの事に俺は理解に苦しんだ。
だが、当の﹃アレイスター﹄は
くる。
イリス﹁⋮⋮それで⋮その見返りは
?
校長﹁⋮⋮いいのかい
イリス﹁ええ。﹂
こちらじゃなくて
?
﹂
俺は校長が言い終わる前に片方のデッキを手に取った。
ない﹃月 光 デッキ﹄さぁ、どちらを││﹂
ムーンライト
校長﹁右のデッキは我がアカデミア伝統の﹃古代の機械デッキ﹄左は現在使い手がい
ア ン テ ィ ー ク・ギ ア
そういうと校長は二つのデッキを差し出してきた。
校長﹁当然だ。﹂
﹃︵⋮少しは拒んでよ⋮︶﹄
ただでは流石に渡せません。﹂
あれだけ激しい痛みの恩恵がこんな冷めた精霊と思うとさすがにいい年でも泣けて
だそうだ。
﹃私はあまり派手には動けないから⋮構わないよ。ここは贄に困らなそうだし。﹄
41
?
俺は淡白にそう返答するとすぐに席を立ち、校長室、職員室を後にした。
だが俺は内心考えていた。
必ず取り戻す
﹄
イリスの内心をわかっていたアレイスターはわかっていたが故にあのような態度を
したのだった。
│││││││││││││││
アカデミア・キャンパス
何故俺がこのデッキを選んだか、それは⋮⋮
!
﹃ありがとう、マスター♪﹄
︵それに可愛いし。︶
ムーンライト
イリス﹁あれだけ周りで﹃選んで選んで﹄と言われたら選ぶよ。﹂
く全員が精霊だったのだ。
とんでもないことだが、この﹃月 光 デッキ﹄のモンスターは﹃アレイスター﹄と同じ
これが答えだ。
﹃ずっと閉じ込められていて早く外に出たかったからとてもうれしいです♪﹄
﹃本当、ありがとうございます。﹄
﹃マスター、私たちを選んでくれてありがとうございますニャ
第五話『禁忌の召喚魔術・・・残酷なる召喚法・代償召喚!』
42
43
と俺に飛びついてきた。
どうやら解放されたのが夜ほど嬉しかったらしい。
等とやっているとポツッと水滴が空から落ちてきた。
気付くと暗雲が立ち込めており、時折空がピカッと光ったりしている。
イリス﹁やっば⋮降ってきそう。﹂
雨が降りそうと思い地を蹴り駆け出す。
だが、ここからホワイト寮まではかなり遠い。
その為全速力ではなく、駆け足程度の速度だ。
5分ほど駆け足したところでふと思い出した。
イリス﹁あ⋮⋮自転車忘れてた⋮﹂
現在イリス所有自転車・校舎駐輪場w