学校 ・園庭ビオトープコンクール

わたし
も
あなたも
みん な 生 きもの
全
オ
ト
ビ
ー
庭
プコンク
園
・
校
ー
国学
報告書
主催
公益財団法人 日本生態系協会
ル
2 01
1
もくじ
はじめに
学校・園庭ビオトープとは ?
「わたしもあなたも みんな生きもの」
学校・園庭ビオトープとは 国の指針や方針と学校・園庭ビオトープ . . . . . . 3
全国学校・園庭ビオトープコンクール 2011 は、このコンセプトを掲げてスタート
現代の社会が求める学校・園庭ビオトープの5つの魅力 . . . . . . . . . . . . . 4
しました。昨年 3 月に起こった東日本大震災は、無数の悲劇をうむとともに、私たち
1.豊かな感性を育てる . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
にこれまでの経済至上主義の社会のあり方を大きく問いかけるものとなりました。被
2.課題発見・解決力を育てる . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6
災された皆様におかれましては、心よりお見舞い申し上げます。災害大国である私た
3.生物多様性を学ぶ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8
ちの国では、どの地域でも、洪水や地震、津波、大火などの災害が起こる可能性が常
4.異年齢交流を促す . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10
にあります。そうしたことから、学校や園庭につくるビオトープには、これからのま
5.地域の輪を広げる . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11
ちづくり、人づくりにおいてとても重要な役割があるといえます。
学校・園庭ビオトープがもつ教育力 発表会の全体講評より . . . . . . . . . 12
まず、災害に強い自然と共存するまちづくりの拠点、そしてそのための環境教育の
拠点になるということです。まちの中には一定の間隔で学校や園庭が存在します。学
上位5賞の発表 受賞校・園一覧
校・園庭ビオトープは、まちの中の自然と自然、自然と人をつなげます。
文部科学大臣賞 尼崎市立七松小学校 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14
また、子どもたちに日常的な自然体験の場を提供し、健やかな心身を育てる場にな
環境大臣賞 豊田市立寿恵野小学校 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16
ります。同時に、子どもたちに対して、世界が目指す「健全な自然があって健全な社
国土交通大臣賞 学校法人奈良学園 奈良学園中学校高等学校 . . . . . . . . 18
会ができていく」という、自然と共存する持続可能な社会づくりを考えさせる社会学
ドイツ大使館賞 富田林市立青葉丘幼稚園 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20
習の教材にもなります。
(財)日本生態系協会 会長賞 福岡工業大学 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22
受賞校・園一覧 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24
学校・園庭ビオトープの取り組みを全国に広げていくために行っている本コンクー
ルは、初回より数えて 14 年目、第 7 回となります。今回も、多くの保育所や幼稚園、
小学校から大学までいろいろな教育・保育の機関からご参加をいただきました。今年
全国学校・園庭ビオトープコンクール2011
2 月に行われた発表会では、秋篠宮同妃両殿下のご臨席のもと、上位 5 賞を受賞した
概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 27
学校・園の方々が取り組みを発表しました。また、日本生態系協会賞の受賞校による
中央審査委員・審査委員一覧 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 28
ポスター展示や交流会なども行われ、学校・園庭ビオトープに関わるいろいろなセク
発表会 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 30
ターの方々が情報交換をする場となりました。
秋篠宮殿下のおことば . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 31
私たちにとって本当の「豊かさ」とは何か。復興に向けて、どのような社会をつ
くっていけばいいのか。全国各地でこれからのまちづくりの模索が続けられています。
学校・園庭ビオトープに関する全国一斉アンケート結果 . . . . . . . . . . . . . . 32
私たちの協会では、今後も学校・園庭ビオトープを通じて、子どもたちの健全な心身
公益財団法人 日本生態系協会とは. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 33
づくりを進めて参りたいと思います。
の発育のための推進と、世界が求める自然と歴史が共存する美しいまちづくり・社会
公益財団法人 日本生態系協会
会長 池谷奉文
学校・園庭
ビオトープ
とは
?
国の指針や方針における
学校・園庭ビオトープの
位置づけ
草地
東京女学館小学校
学校・園庭ビオトープの設置の必要性が、わ
が国の教育施設や、
環境教育に関係する指針
及び方針等に記載されています。
| 幼稚園施設整備指針 平成22年2月
幼稚園における、
基本的な施設整備の考え方
を示した指針
施設整備の基本的方針として、
「自然や人、
も
のとの触れ合いの中で幼児の好奇心を満た
す環境づくりを行うことが重要である」
とし
ています。
樹林
園庭計画では
「植物やそこに飛来する野鳥、
所沢市立清進小学校
昆虫等の生態等を観察できるように計画す
ることが重要である」
と記載され、
園児と野生
の生きものとの出会いの場を標準的に備える
学校 ・ 園庭ビオトープとは
べきとしています。さらに
「樹木については、
郷土産のものを中心に、四季の変化、生態等
を観察することのできる樹種を選定すること
BIO は「生きもの」、TOP は「場所」。
が望ましい」
とされ、
地域の自然の植物の使用
を奨めています。
「BIOTOP」とは、「地域の自然の生きも
のがくらす空間」を意味する言葉です。
| 小学校/中学校施設整備指針 平成22年3月
自然の草地や池、小川、樹林、砂礫地、
小学校、中学校における、基本的な施設整備
池
砂浜など、これら一つひとつが野生の
江東区立みどり幼稚園
の考え方を示した指針
施設整備の基本的方針として、
「地域の自然を
生かした施設環境の確保」
「自然との共生等を
生きものにとって大切なすみかであり、
考慮すること」
が重要である、
としています。
ビオトープと言えます。
屋外計画では、緑地を設けるときに
「郷土産
学校 ・ 園庭ビオトープは、学校や園
のものを中心に、
四季の変化、生態、生理等を
の敷地などに地域のビオトープを保全、
ことが望ましい」
と記載され、
地域の自然の植
観察することのできるような樹種を選定する
物の使用を奨めています。
創出した空間を言います。草地、池、
樹林などさまざまなタイプがあります。
ここで大切なのは、子どもたちが地域
| 生物多様性国家戦略2010 平成22年3月
落葉
溜め
本来の自然の四季を感じ、野生の生き
※現在改定中
東京ゆりかご幼稚園
幼稚園・保育園には生きものがたくさん生息
ものとふれあい、また野生の生きもの
するビオトープがある」
「こうした森や緑地の
のために積極的に環境づくりに関わっ
管理は地域の大人が積極的に協力して行う
ことで、子どもも含めた地域のコミュニティ
ている空間でなければならないという
のつながりが強くなっている」
と記載され、
学
ことです。
校・園庭ビオトープが、
子どもたちが日常的に
自然とふれあう場として機能し、
また自然と
敷地の面積が限られている場合でも、
生け垣やフェンス、壁、屋上、ベラン
ダといったちょっとしたスペースに在
わが国の生物の多様性の保全のための戦略
この戦略における将来の構想として、
「学校や
の共存の輪を地域に広げる場として活かす
拠点であることを示しています。
枯枝
積み
来の木や草を植えることで、立派な学
浦和ひなどり幼稚園
校 ・ 園庭ビオトープになります。また
| 環境保全活動、環境保全の意欲の増進
及び環境教育並びに協働取組の推進に
関する基本的な方針 平成24年6月
環境教育等促進法に関連する基本方針
落葉溜めや枯枝積み、石積みも、トカ
児童生徒が一日の大半を過ごす学習・生活の
場である学校施設を、
環境に配慮したものとす
ゲ、コオロギ、ダンゴムシなどの生き
るため、
「地域在来の植物に配慮した緑化」や
「ビオトープづくり」
の推進が唱われています。
ものを誘致する仕掛けとして有効です。
石
積み
妙円寺保育園
3
現代の社会が求める
学校 ・ 園庭ビオトープの
つの魅力
自然は、子どもたちの主体的、積極
1
的な遊びを促し、
健全な心身の発達、多
様な学習活動、また人と人との結びつ
きをもたらすなど、子どもの発育や教
天候にかかわらず
ら郊外、農村地域に至るまで地域の自
然の喪失が問題視される中で、子ども
たちにとっていつでも行くことができ
る、一番身近な自然となります。
さらに、現代の教育界や保育界が抱
えるさまざまな課題を解決する場や機
3
学ぶ
れあうことはとても大切です。保育所
5
広げる
るとおり、自然の大きさ、美しさ、不
思議さなどに直接ふれる体験を通して、
子どもたちの豊かな感性や協調性、認
識力、及び表現力が培われます。
また、日々の自然とのふれあいを通
共通の目的を見いだし
じて、子どもたちの注意欠陥や多動性
協力して物事をやり遂げている
保育者や友達の真似をして遊んだり
一緒になって遊んでいる
その楽しさ、美しさ、不思議さなどに
気付いている
親しみをもち
抑制力を育てる、思考力を高めるなど
園庭ビオトープは、子どもたちの最
自然にふれて生活し
身近な動植物に
障害の症状を緩和する、あるいは自己
の効果も注目されています。
も身近な自然として、豊かな感性の発
達をはじめ、さまざまな能力の発達に
寄与します。
それをいたわったり
大切にして
生命の尊さに気付いている
季節により自然や人間の生活に
変化があることに気付いている
いろいろな体験を通じて
地域の輪を
保育指針や幼稚園教育要領に記載され
友達と一緒に遊ぶ中で
会を提供します。
生物多様性を
幼児期において、日常的に自然とふ
進んで戸外で遊んでいる
イメージや言葉が
豊かになっている
言葉
4
豊かな感性を育てる
人間
関係
促す
上手に援助します。
表現
4
異年齢交流を
2
またこのような体験の大切さを保育者自身が理解して、
環境
育てる
イメージ
学校 ・ 園庭ビオトープは、都市域か
育てる
1
日常的に、以下のようなさまざまなことを体験しています。
育にとってとても重要な空間です。
豊かな感性を
課題発見 ・ 解決力を
活動
健康
5
園庭ビオトープでは、子どもたちは、
したこと、見たこと、
聞いたこと
味わったこと、
感じたこと
考えたことなどの体験を
自分なりの言葉で表現している
生活の中でさまざまな音、色、形、手触り、動き、味、香りなどに
気付いたり、感じたりして楽しんでいる
5
2
課題発見シート
活動
イメージ
課 題 発 見・解 決 力 を 育 て る
園庭ビオトープの地面にあいていた穴に
近年、学校教育では、課題解決に必
園児が興味をもった。
B
観察をしたり、
保育者に聞いたり
要な思考力・探究力、判断力の育成が
図鑑で調べたりと、
園児なりの
求められています。こうした能力の育
調べ学習が始まっている
成には、子ども自身が興味関心を抱き、
主体的、積極的、継続的に取り組む
「題材」が不可欠です。
学校ビオトープは、子どもたちの多
様な興味関心に応えることができます。
「学校ビオトープをより良くしたい」
1. Aの生きものに
ついて、右の6つの
ことを図鑑などで
調べましょう。
子どもたちが、
誘致したい生きもの
(目標種)
を
短期・中期・長期と分けて見直すために
2. 調べた6つのこ
と が、ビ オ ト ー プ
にあるかを調べま
しょう。
話し合っている
「学校ビオトープのことをたくさんの
人に知ってもらいたい」などの課題を
[計画] →
Do
ビオトープには?
くらすために必要な場所は?(具体的に)
ある
ない
ある
ない
ある
ない
ある
ない
ある
ない
ある
ない
食べものは?
卵を産む(子育てをする)場所は?
現況の自然の課題を考えて
皆で解決策を話し合っている。
ション能力などが磨かれます。
Plan
A の生きものがくらしていくには?
目標種ごとに、
右図の課題発見シートを用いながら
通じて、課題解決能力やコミュニケー
※1
A
訪れてもらいたい、くらし続けてもらいたい生きものは?(1種類)
子どもの食べものは?
その上で、PDCAサイクル※1にもとづき
管理や環境改善について立案し
実行、
達成状況についてふりかえりを行っている
子どものすみかは?
[実行] →
Check
[評価] →
Act
「学校中の児童生徒に
学校ビオトープの魅力をもっと知ってもらいたい
調査や管理に関わってもらいたい」
という課題に対して
PDCAサイクルにもとづいて
校内での情報発信のあり方を試行錯誤している
食べものとなる生きものにとって必要な環境の条件は?
[改善]
ビオトープに多様な生きものが訪れるためには
地域の自然が良くならなければならない。
訪れてもらいたい生きものが
地域のどこで、
どんなくらしをしているのか
減少しているのであれば、
何が原因なのか
解決するための方法などを調べている
C
1. Bで調べたこと
を も と に、生 き も
のがビオトープに
訪 れ る か、あ る い
はくらし続ける条
件が整っているか
を考えましょう。
今のビオトープは、
A の生きものにとってくらしやすい場所?
くらしやすいと思う
くらしにくいと思う
その理由は?くらしにくいと思った場合はどうすればいい?
2. くらしにくいと
思 っ た 場 合、ど の
ようにすれば良い
か考えましょう。
6
7
3
「自然のもの」の例
アマガエル
ニホントカゲ
自然のもの、自然でないものを区別する
チャボ
あひる
ナナホシテントウ
あいがも
アゲハチョウ
ハムスター
シオカラトンボ
と、人の手によって他の地域から持ち
モルモット
オオカマキリ
込まれたもの(外来種)、
品種改良や遺
いえうさぎ
オンブバッタ
伝子操作を通じて新たにつくられたも
犬
エンマコオロギ
猫
ダンゴムシ
の(園芸種・農作物 / 飼育・愛玩動物)
カタツムリ
をそれぞれ、右に示した例のようにき
カタバミ
ちんと区別して教えることが大切です。
育・愛玩動物を自然の中に持ち込むこ
ホトケノザ
ル
アマガエ
壊(生物多様性の破壊)することにつ
ビオトープと位置づけたところでは
地域の自然のものを植え
錦鯉
ヒメダカ
パンジー
など
おしろいばな
カラスウリ
大根
アケビ
人参
ねぎ
コナラ
の自然をもとに長い年月をかけて形づ
金魚
チューリップ
ヤマザクラ
ながるからです。また人々が地域本来
やぎ
ひまわり
ススキ
とは、地域にもともとあった自然を破
牛
コスモス
エノコログサ
カタバミ
馬
園芸種、
農作物
スギナ(つくし)
なぜなら、外来種や園芸種・農作物、飼
なります。
にわとり
カブトムシ
その地域本来の自然のもの(在来種)
に誤った自然観を植え付けることにも
飼育・愛玩動物
ドジョウ
自然や生物多様性について学ぶ上で、
とにもなります。さらには子どもたち
テントウ
ナナホシ
ツバメ
生物多様性を学ぶ
くってきた景観や文化、伝統も失うこ
「自然ではないのもの」
の例
など、もともと地域にいる
さまざまな野生の生きもの
日本本来の四季を感じることができるよう
ピーマン
猫
トマト
キャベツ
とうもろこし
工夫している
さつまいも
いちご
さくらんぼ
みかん
カゲ
ニホント
本来園芸種や外来種の植物を植えてはいけないビオトープでは
桜(ソメイヨシノ)
芝生
など
原産地を記載した種名看板をつけて
地域の自然の植物と園芸種や外来種を
外来種
アメリカザリガニ
ウシガエル
外国産のクワガタムシ
アライグマ
ブラックバス
ブルーギル
区別できるようにしている
ゲンゲ
(レンゲ)
シロツメクサ
セイタカアワダチソウ
ョウ
アゲハチ
オオキンケイギク
ケイギク
オオキン
地域の自然にもともと
どんな種類の草や木が生え
イメージ
8
どんな自然があったのか調べている
ホテイアオイ
など
どんな自然の景観なのか調べている。
また、
学校がある場所にはその昔
クレソン
シダレヤナギ
どんな虫や野鳥がくらしていたのか
活動
キショウブ
ップ
チューリ
ザリガニ
アメリカ
9
4
活動
イメージ
活動
イメージ
異年齢交流を促す
保育園の園児が、
学校ビオトープのある
近隣の小学校に定期的に出かけている。
保幼小連携、小中連携など、発達段
ここで園児は、
小学1年生と一緒になって
階ごとの効果的な連携を促すためには、
学校ビオトープで遊んでいる
その題材や場の選定が重要です。子ど
地域の自然の専門家や保護者、地域住民が
子どもたちの活動に関わる機会が増えている。
● 地域の自然の専門家や保護者、地域住民が学校に集い
期的、継続的に関わることができ、子
子どもたちに説明してもらい
どもたちの興味関心を呼びおこすもの
ビオトープや野生の生きもののことを
きちんと理解しているか確認している
を用意する必要があります。
● 子どもたちの指示により
学校 ・ 園庭ビオトープは、発達段階
学校ビオトープの維持管理の作業を行う
ごとに豊かな感性や認識力、
思考力、
表
● 週末にPTAの主催で
現力を培う場として、幼保小連携や小
学校・園庭ビオトープで野遊びのイベントを開催し
多くの子どもたちが参加している
中連携など、異年齢の交流の場として
適しています。
皆が楽しく集える場があれば、そこ
から交流がはじまり、絆も生まれます。
学校 ・ 園庭ビオトープは、子どもた
ちにとどまらず、
地域住民も参加し、
地
域の自然の楽しさや不思議さを再発見
する場となります。また、子どもと大
人が、日常的かつ継続的に一緒になっ
て活動することができる身近な場にも
なります。
全国各地の学校や園において、
学校・
園庭ビオトープがつくられることは、
地域の自然を楽しみ、守り育てる拠点
保幼小連携や小中連携において、学
ができると共に、地域が一体となって
校 ・ 園庭ビオトープを題材に、上級生
子どもたちを育てる拠点が増えること
から下級生へと自然の楽しさを伝え、
にもなります。
自然をより良くしていくための課題の
共有と解決をともに行う中で、幅広い
発達段階に応じて一貫し、継続性のあ
る教育の展開が実現できます。
また、
子
学校へ、小学校から中学校へ、不安を
学校・園庭ビオトープを通じて
例えば…
もたちにとって身近な場所であり、長
どもたちには、保育所や幼稚園から小
5
地域の輪を広げる
学校ビオトープが抱える共通の課題について
小学校と中学校と共同で調べ学習を行っている
抱くことなく移行することもできます。
保護者や地域住民が
地域の自然に愛着をもつようになり
学校・園庭ビオトープにとどまらず
地域の自然の環境管理にも参加している
中学校では、
近隣の保育所や幼稚園の園児を
定期的に受け入れている。
園児が訪れるときには、
中学生が園児を案内しながら
そのとき観察できる生きものを紹介したり
野遊びを教えている
10
11
学校 ・ 園庭ビオトープがもつ教育力
発表会の全体講評より
東京学芸大学名誉教授 / 帝京短期大学名誉教授
佐島群巳氏
全国学校・園庭ビオトープコンクール2011
学校 ・ 園庭ビオトープには、三つの大きな教育力があります。
一つ目として、子どもたちの生活の身近にある学校 ・ 園庭ビオトープが、いつでも子
どもたちに興味や関心、疑問を抱かせ、その疑問を解き明かす機会を与えるという教育
力です。また、学校 ・ 園庭ビオトープでは、子どもたちは生きものがもつ不思議さを実
感することができます。実感するからこそ、ものを表現する力が育ちます。近年、実感
を得にくい環境が多い中で、子どもたちの表現力は育ちにくくなっています。
二つ目として、学校 ・ 園庭ビオトープには、学校 ・ 園のみならず、地域の方々、NPO、
企業、行政、保護者が一緒になって、交流の輪を広げ、絆を感じることができるという
教育力があります。人間社会の大切な原点である、「つながる・結び合う・関わり合
う・分かち合う」ことを学ぶことができ、つまり、生きものの輪、人の輪、社会の輪を
学ぶことができる、極めて大切な教育資源と言えます。
三つ目として、学校 ・ 園庭ビオトープには、発達段階を越えて、乳幼児から児童・生
徒・学生、そして大人をも巻き込んだ素晴らしい出会いと触れ合いを提供する教育力が
あります。触れ合いがあるから、一人ひとりが感じたことを個性的に表現する能力、認
識する能力が育ちます。同時に、直感的にものごとをつなげて、総合的に考える力も育
ちます。例えば幼児の場合、
「やさしさ」とはどういうものかを説明しなくても、生き
ものとの触れ合いを通じて、生きものと仲良くする、友達と仲良くする、家族が仲良く
する、社会の中で他を理解し協調性をもつ、ということを、自然に表現できるようにな
ります。
教育とは、体験を通じて自らを変えることであり、さらに自分だけでなく社会を変え
ることであると、私は考えます。人間教育の限りない可能性を秘めた学校 ・ 園庭ビオ
トープの教育力というものを、今回受賞した事例が実証してくれたと思います。これか
らも学校 ・ 園庭ビオトープを効果的に、そして持続的に活用し、子どもたちの人間力を
大切に育てていただくことを願い、全体講評といたします。
12
5
上位 賞の発表
受賞校・園一覧
*各受賞校・園の内容は発表会当時
(2012年2月)
のものです
▲
▲
▲
し、メダカの放流をします。
▲
▲
▲
▲
▲
維持・管理に熱心に取り組んでいます。
▲
▲
▲
▲
▲
▲
一人ひとりにレンジャーバッジが配られ
ました。地域の方にボ
ます。草抜きや川底の泥あげを手分けし
シスから引き、農家の方や 6 年生にイン
ランティアで掘削工事
たり、低学年の子どもたちに森のオアシ
タビューをしながら計画を立てていきま
をしてもらい、子ども
スでの遊び方について説明したりしてい
す。稲づくりでは、土づくりから始まり、
たちが穴掘りや埋め戻
ます。1 年生の中には、トンボ池に石を
害虫を防ぐこと、水の管理などの重要さ
し、ゴムシート敷きを
投げ入れたり木の枝を折ったりする子も
を体験しながら学びます。
行うなど、手づくりで
いるので、1 週間をオアシスレンジャー
6 年 生 は、 学 校 生 活 の 最
完成させました。1999
で分担してパトロールしています。この
後の図工展で、『思い出の風
年に、市から学校ビオ
ように委員会活動で高学年が中心になり、
景』を一版多色刷りと短歌
トープ推進事業の指定
オアシスと、オアシスで育つ仲間たちを
で表現します。学校の中で
を受け、地域の方や保
見守っているのです。
一番気に入っている場所
▲ ▲ ▲
▲
▲
▲
▲
森のオアシスの活用内容
1年生は、最初に森のオアシスに遊びに
ぶ児童がたくさんいます。また総合的な
学習の時間で、『感謝の気持ちを行動で
▲
▲
▲
▲
行きます。トンボ池でメダ
表そう』という活動をしま
に新しい池をつくり、二つの池をせせら
カを探したり、川に葉っぱ
す。オアシスの清掃活動を
ぎでつなぎました。こうして、
を浮かべて葉っぱレースを
毎日行ったり、落ち葉かき
森のオアシスが 2000 年に完成
したり、いろいろな遊びを
をしたり、低学年の児童に
しました。
して、自然と触れ合うことが
オアシスでの遊び方や守る
大好きです。
べきルールを分かりやすく
▲
▲
▲
▲
▲
▲ ▲ ▲
▲ ▲
▲
さまざまな課題が出てきたため、
2年 生 は 生 活 科 の 学 習
伝えるためのポスターを作
「春をみつけよう、夏をみ
成し掲示しています。この
ることにしました。池を浅くして、
つけよう」でオアシスにい
ように、どの学年もいろい
掲示板を設置するなどの情報発
る生きものをみつけたり、
ろな教科と関連させながら、
信を行い、また「オアシスレン
草花で遊んだりします。また、 秋ビン
森のオアシスに関わって学んでいます。
ジャー」制度を新しく発足させま
ゴ をして赤や黄色のついた葉っぱやキ
また、自分たちが学んだことを後輩たち
した。その結果、多くの児童が森のオア
ノコをみつけたり、ドングリを拾って独
に伝えながら、今のオアシスがずっと
シスで生きものを観察するなど、休み時
楽にして遊んだりしています。
ビオトープの環境を一から整え
間を楽しく過ごし、自然環境への関心や
6年生の図工展での作品
は ? と聞かれたとき、森のオアシスを選
セプトをたてました。旧トンボ池の東側
設 置 から7年 経った2007年、
▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲
▲
▲
を自然体験の舞台にしよう」というコン
り受け、田植えをします。水は森のオア
▲ ▲
たトンボ池から始まり
棚田で、地域の農家の方から稲の苗を譲
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
オアシスレンジャーには、校長先生から
ら意見・アドバイスをいただき、
「校庭
14
5 年生は、森のオアシスの後ろにある
あった場所につくられ
護者、自然の専門家か
発表の様子
▲
▲
んなに広めていく活動を行うチームです。
なに見てもらいます。
▲ ▲ 〒660-0053 兵庫県尼崎市南七松町1-4-49
tel. 06-6417-7741 fax. 06-6417-7742
児童数 493名
構成される、森のオアシスの大切さをみ
たリーフレットは廊下に掲示して、みん
▲ ▲
▲
[ 兵庫県 ]
スのリーフレットを作成します。完成し
▲ ▲
尼崎市立
七松小学校
4 年生は、国語の時間に、森のオアシ
オアシスレンジャーとは、環境委員で
のビオトープは、1996 年頃に、花壇が
アシスで遊び、学び、育っていきます。
8 月には、掃除したトンボ池に水をもど
オアシスレンジャーとは
「森のオアシス」と名付けられた本校
木」は、大きく育つのに長い時間がかか
アシスレンジャーとなった子どもたちが
今は埋め立てられ運動場になっています。
あゆみ
これからも私たち七松っこは、森のオ
り、力強く生きていることを学びます。
▲
▲
ん。また、学校の南側半分にあった池は、
体験をします。オアシスにもある「樹
2007 年のリニューアルを経て、現在もオ
験活動や学習活動の内容 ・ 成果で秀で
ているものを表彰します。
1996 年からのビオトープの取り組みは、
▲
発が進み、今や農地はほとんどありませ
れた取り組みを行うもののうち、特に体
愛着を身につけられるようになりました。
▲
には畑や田んぼがありましたが、宅地開
▲
文部科学大臣賞
「文部科学大臣賞」は、モデルとなる優
▲
の学校です。1954 年の開校当時は、周囲
▲
▲
七松小学校は住宅商業地にある中規模
3 年生は、
『尼崎の森中央緑地』で植樹
七松っこ に愛される学びの場であり
続けて欲しいと考えています。
低学年へ
森のオアシスでの
遊び方を説明
森のオアシスは国語など、
さまざまな教科で利用されている
児童が憩う森のオアシス
15
▲
▲
▲
▲
▲
▲
次に、ビオトープを再生するには、私
▲
▲
▲
▲
▲
▲
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▲
▲
的な学習の時間のテーマを「めざせ寿恵
学区です。
▲
▲
▲
▲
野の豆博士」とし、環境学習を進めまし
60m からくみ上げられ
とめ、食物連鎖・いのちの繋がりの仕組
た井戸水で池や小川が
みを発表しました。
「蝶班」は、ゴマダラ
つくられ、ウッドチッ
チョウの幼虫がエノキの葉の黄葉にあわ
プが敷かれ、ハンノキ
せて体の色を変えていく不思議さと感動
低いという課題が見つかりました。そこ
などが植えられました。
を、お友達や保護者にも伝えました。森
で池やワンドをつくって、水温を上げる
2002 年 に は、 水 車 が
のめぐみを学んだ「木の実班」は、ドン
ことにしました。水温が 5℃上がると、
森が広がっていたのか再現したいと考え、
設置され、
「いきいき
グリの煮汁を使った染物をつくる催しを
メダカの繁殖も盛んになりました。アメ
寿恵野地区の自然に本来生育する木の苗
ランド」と名付けられ、
開きました。
リカザリガニは 100 匹以上見つかり、駆
を植え、
「ふるさとの森」と名付けました。
どう変化するかを見る予定です。
森の部分には、かつてこの地にどんな
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲
▲
▲
除せざるを得ませんでした。
「いのち輝くビオトープ」へ
▲
100m 以上の小川とい
2010 年に「ビオトープ部」が生まれまし
森は樹木をある程度伐採して明るい林
うビオトープとなり、
た。部ではビオトープの内部に自由に入
にしました。その結果、オオルリ、トラ
地域の人たちも訪れる
らないように、外側に遊歩道をつくりま
ツグミ、カワラヒワ、コゲラ、カルガモ、
み込んだものです。この水は矢作川に流
ようになりました。
した。同時に観察のための通路をつくり、
シメ、ツグミ、ヤマガラ、シジュウカラ
れ込み、やがて三河湾に至ります。その
地面を踏み固めないように、間伐材で橋
などの野鳥が飛来しました。スズメが水
水が蒸発して雲となり、雨となって地上
をつくりチップを敷きました。
浴びをしたり、セグロセキレイが巣の材
に還ってきます。この大きな水の「環」
料を集めたり、ダイサギやアオサギがザ
は、いのちの「環」でもあります。これ
▲
▲
▲ ▲ ▲
▲ ▲
▲
しかし、時を経て、
施工当初の意図が薄れ
て、外来生物などの生
作業はとても大変で、竹を切ったり、
ビオトープの水は、森に降った雨がし
きものが捨てられたり、
運んだり、丸太から落ちたり、手にマメ
リガニを食べる光景も見られました。渓
からもビオトープを矢作川水系に位置づ
岸辺が踏み固められた
ができたり…。でも、道具を使ったこれ
流の宝石カワセミもやってきました。鳥
け、地球環境をも見据えた環境学習を続
り、木の幹に傷をつけられたりするよう
らの作業は、とても貴重な体験で、達成
たちにとって、ビオトープが学校の周り
けていきます。
になりました。その結果、裸地が増え、
感も大きいものでした。一番大変だった
の川や池などを結ぶ中継地の役割を果た
池にはアメリカザリガニがあふれ、生き
のは、池の泥出し作業です。
9 年間で初め
すことを理解できました。
ものの種数が少ない荒れたビオトープに
て行った活動で、みんな泥だらけになり、
なってしまいました。
ビオトープの再生活動
ビオトープを再生したい、生きものた
ちの「いのちの輝き」が見られるビオトー
を付けたり、みんなが憩えるベンチをつ
水田には例年より早く水を入れてみま
くったりしています。まだまだ課題は多
くさいにおいが体につきました。一方、
した。するとすぐにカエルの卵塊が見ら
いですが、この 3 年間で少しだけ「いのち
同時に行った調査では、ヨシノボリ、メ
れ、ビオトープを産卵場所にすることが
輝くビオトープ」に近づ
ダカ、ホトケドジョウ、コオイムシ、サ
できました。今はトノサマガエルが跳ね
けた気がします。それを
ワガニなどの水生生物を確
回る姿が見られます。カエルが増える
さらに多様ないのちあふ
認できました。
とアオダイショウがやってきました。
れるビオトープにするた
また、ビオトープの川は
ヘビは少し気持ち悪いですが、生物多
めに、私たちはこれから
になったのは、2009 年度からです。まず、
直線的なため水温は一定で、
様性を表す大切な物差しです。今年は、
も学び、観察し、つくり、
矢作川と比べると、約 10℃
「ふゆみずたんぼ」を行い、生きものが
ホトケドジョウのドジョリン
再生のシンボルとして
親しまれている
現在、ビオトープ部では、樹木に名札
プにしたい、そんな願いが具体的な活動
「ビオトープ = 池 = 遊ぶ所」という意識を変
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲
▲
▲
▲
〒470-1207 愛知県豊田市鴛鴨町東屋敷50
tel. 0565-28-5027 fax. 0565-26-6270
児童数 672名
ま た、 ビ オ ト ー プ を 再 生 す る た め、
▲
▲
二枚の水田、三つの池、
さくら川にワンドをもうけ、
水温を上げる
(上)
9年間で初めて寿池の泥出し作業を行った
(下)
▲ ▲
▲
ボソガラスに襲われた事件を紙芝居にま
▲ ▲
▲
▲
▲
た。
「野鳥班」は、ムクドリの幼鳥がハシ
2000 年、 面 積 350 ㎡ の 敷 地 に、 地 下
[ 愛知県 ]
16
という捉え方ができるようになりました。
たち自身が学ぶ必要があると考え、総合
豊田市立
寿恵野小学校
発表の様子
池も森もすべてを含めて学校ビオトープ
急速に発展した豊田市を象徴するような
あゆみ
造成した当初の
ビオトープ
う名前をつけました。この名前によって、
▲
隣接し、間近に自動車道が開通するなど、
でているものを表彰します。
▲
生きもののすむ「ビオトープ」の質が秀
▲
校です。史跡や水田が多い一方、国道に
取り組みを行うもののうち、特に野生の
えるため、
「寿恵野の森ビオトープ」とい
▲
明治 6 年創立、139 年の歴史を誇る伝統
▲
環境大臣賞
「環境大臣賞」は、モデルとなる優れた
▲
部にあり、近くを矢作川が流れています。
▲
▲
寿恵野小学校は、愛知県豊田市の南西
寿恵野の豆博士を目指して学習を行う
守っていこうと思います。
17
▲
▲
▲
年は 100 個体を超えるゲンジボタルが確
のです。
▲
▲
里山にするとすみかがなくなってしまう
認できました。もちろん、ヘイケボタル
▲
ていることです。この問題に対し、私た
月には、学校説明会の参加者を対象に、
リースづくりや樹木ラベルの取り付けな
また、奈良県の小学生とその保護者を
▲
対象に、里山の森を育てるクラブを開催
シュンランなどが挙げられます。
しました。ラベルづくりや、昆虫採集と
また、昨年度から、生物の分布や生態
採集した昆虫の同定も体験し
目は、7 月末、持続的
の変化に関する研究を進めるため、生物
てもらいました。こうして今
な里山の営みについて
マップの作成に挑戦しています。この生
年度も多くの方々と一緒に学
学習します。大学の先
物マップや希少植物の生物マップから、
校林を歩くことができました。
生から講義を受けた後、
場所によって特有の生態・分布がみられ
私たち奈良学園は、今後も
クラスに分かれて里山
ることなどが分かります。
▲
▲
の営みの学習、森の材料を使ったリース
生物マップによって「普通に見られる
づくりや水生生物を増やすためのコンク
ようになった希少種」「里山整備により
リート側溝への土嚢積み、里山探検など
回帰した注目種」
「現状保存が必要な絶
の実習を行います。
滅危惧種」「交雑が進む絶滅危惧種」と
りました。例えば、ナガサキアゲハは、
ら切り出したホダ木にシイタケの植菌を
昔は希少種でしたが、今では普通に見ら
行います。また、本校屋上にある20kW
れるようになっています。その原因は、
のソーラーパネルの見学も行います。
温暖化による冬季最低気温の上昇によっ
▲
▲
▲
▲
▲
▲ ▲ ▲
▲ ▲
▲
高校生は、棚田実習や萌芽更新の剪定
人と自然が共生できる持続可
能な循環型環境の保全活動に力を尽くし
ていきたいと思っています。
いう四つの項目に分類できることが分か
の仕組みについての講義を受け、里山か
高校生の活動
水生生物を増やすため
コンクリート側溝に土嚢を積む
どの里山研修を行っています。
カガエル、ニホンイシガメ、キンラン、
て、越冬できるようになったからだと考
18
して、地域との交流活動があります。7
を行っています。1 回
2回目は 2 月後半、大学の先生から菌類
発表の様子
中学 1 年生全員を対
ソウ、イワナシ、ムヨウラン、ニホンア
▲
▲
中学生の活動
象に、年 2 回環境研修
〒639-1093 奈良県大和郡山市山田町430
tel. 0743-54-0351 fax. 0743-54-0335
生徒数 1,102名
▲
惧種は、ミゾゴイ、ムカシヤンマ、サギ
▲
▲
[ 奈良県 ]
4 年間の整備で戻ってきた県の絶滅危
学校法人奈良学園
奈良学園中学校高等学校
れた学校です。
▲
▲
ます。
▲
境要素がそろった恵ま
▲
▲
記録日は、1984 年 7 月 21 日となってい
▲ ▲
陸上・陸水生態系の環
その他、私たちの大きな活動の一つと
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
ています。貴重な標本リストで最も古い
▲ ▲ 防堤によってできた「里池」と、校内に
います。
▲ ▲
▲
校周辺の昆虫分布調査と標本管理を行っ
▲ 流入する 3 本の「沢」
、創立時に築いた砂
ちは早急に対処する必要があると考えて
▲ ▲
生物班は、27 年にわたって、校内と学
▲ ▲ 域の里山であった「学校林」と、校地に
▲
科学部生物班の活動
▲ ▲
▲
約 13ha の校地面積をもち、もとは地
よってニホンイシガメの生息が脅かされ
▲
▲
あります。
▲ ▲
▲
▲
題は、ミシシッピアカミミガメの侵入に
▲
も生息しています。
継続して行っている昆虫類の調査と標本管理
今、私たちが最も頭を悩ませている問
▲ ▲
▲
や法隆寺、法起寺、法輪寺などの古刹が
る観点で秀でているものを表彰します。
ンジボタルの幼虫も個体数が増加し、昨
と自然が共存するまちづくりにつなが
を好むので、すべてを明るい林ばかりの
▲
▲
との境界にあります。近くに、平城京跡
れた取り組みを行うもののうち、特に人
も見られるようになりました。また、ゲ
▲
興住宅地と南側にある既存の集落・棚田
▲
国土交通大臣賞
「国土交通大臣賞」は、モデルとなる優
▲
県矢田丘陵の南東部に位置し、東側の新
▲
▲
本校は、信貴・生駒山地の東側、奈良
えられます。
里山の森を育てるクラブによる
地域との交流活動
里山の整備
私たちの管理活動によって、ムカシヤ
実習など、より専門的な実習を行います。
ンマ、サラサヤンマなどの希少な生物た
また、必要に応じて中学 1 年生の研修と
ちが戻ってきた一方で、逆に、管理を通
同じ環境管理作業を行います。
じて個体数が減少してしまう種がいるこ
管理作業の結果、オニヤンマのヤゴの
とがわかりました。たとえばカトリヤン
個体数が増加し、成虫が校内のどこでで
マ、ヤブヤンマなどは、薄暗い林内照度
学校は新興住宅と集落・棚田の境に位置する
19
▲
たちだけではできないことも見えてきま
な が ら、
「カラスの赤ちゃんはどこで
2011 年、改修工事をすることになりま
した。保護者がそれに厚く応えてくれま
した。子どもたち自ら、メダカやカエル
した。大人が固い表土を掘り、子どもた
のために、仮のビオトープをつくること
ちが運びます。いつしか仮のビオトープ
に し て、 腐 葉 土 や 大 木 を 運 び ま し た。
は、生きもののすむ新たな空間となりま
▲ ▲
▲ ▲
▲
▲
▲
▲
「人や自然、生きもの
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
▲
どもの育成」に向けて、
▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲
にたくましく生きる子
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲ ▲ ▲
▲ ▲
▲
[ 大阪府 ]
園の教育目標「心豊か
保護者、多くの地域ボランティアや専門
発表の様子
▲
▲
富田林市立
青葉丘幼稚園
た。 以 来 10 年 間、 本
る生活環境となりまし
▲
▲
地域とも関わって遊べ
した。その後、本格的な改修作業を園児、
もたちが目を付けたのは、園舎の雨どい
することの喜びや言葉
▲
▲
寺にも兄弟ビオトープがつくられ、周辺
「雨の水をためといたらいいやん」子ど
▲
イズにしながら、表現
▲
トープをつくりました。また、近くのお
▲
こでしょうか」などク
▲
▲
子どもたち、保護者、関係者で園庭ビオ
隠れているカエルはど
▲
豊かな教育環境になるだろうと、当時の
しょうか」「板の下に
▲
▲
地域の生きものの生息 ・ 生育する、より
▲ ▲ ▲
配し懸命に水を足していました。そして、
きものがいっぱい。できあがった絵を見
▲ ▲
防災教育へとつなげました。また、自分
ものにとって脅威にもなることを実感し、
▲ ▲
▲
れなどがあり、子どもたちはメダカを心
▲
2002 年、園内に小さな水辺があれば、
で描いた大きなビオトープの絵には、生
▲
▲
習 ・ 体験活動を行っているものを表彰
します。
そんなビオトープ池も数年前から水漏
園庭ビオトープを題材にユニークな学
れさせることがありました。自然は生き
そのような日々のなかで 5 歳児が共同
▲
だまだ豊かな田園風景が見られます。
れた取り組みを行うもののうち、学校 ・
ビオトープお引越し大作戦 しゃべりの弾む描画活動へと広がります。
▲
みと団地群とが同居する中、園周辺はま
▲
ドイツ大使館賞
「ドイツ大使館賞」は、モデルとなる優
▲
保育の公立幼稚園です。昔ながらの街並
▲
▲
大阪府の南東部にある富田林市の 2 年
との共生」から体験を
伴 っ た「 命 の 育 み 」
〒584-0078 大阪府富田林市加太2-8-14
tel. 072-365-0415 fax. 072-367-9649
園児数 24名
「遊びの創造」
「学びの
芽生え」について考え
る場として園庭ビオ
トープを位置づけ、現
在に至っています。
園庭ビオトープでの体験が育む活動意欲
20
の獲得、そして文章力も育っています。
でした。早速、雨水を集める装置を考え
家の方たちと行い、完成式ではみんなで
ました。あちこちにポリ袋をくくり付け、
バケツリレーをして雨水をビオトープ池
つけたとき、
「ここにも」
「こっちにもい
待ちに待った雨の日、「さあ、たまった
に運び入れました。5 歳児は、楽しかっ
てた !」と、子どもだけでなく、教師も
雨水を運ぼう !」。子どもたちの行動力
た 2 年間のビオトープでの出来事で、お
小さな穴にカエルが入っているのを見
今日見た感動体験が
さまざまな自己表現へと
つながる
話をつくりました。
園庭すべてをビオトープととらえ、子
驚きと興味で心が弾みました。4 歳児は
どもたちの自由感あふれる生活の場とな
「穴ふんだらあかんな」と看板を立てた
四季折々、園庭ビオトープは、心弾む
ることを心がけています。ここで、子ど
り、
「いっぱいあるからカエルのマン
遊びが生まれる空間環境を提供し、子ど
もたちは、とにかくよく遊びます。たく
ションや」
「入ってみたい」とカエルの
もたちを誘ってくれます。心豊かにたく
さんの生きものとの感動体験によって、
世界に興味は尽きませ
ましく生きる根を育てる園庭ビオトープ
模倣したり、つくったり、さらに、探し
ん。その思いは表現意
の豊かな題材から、幼稚園の教育活動を
たり、調べたり、考えたり、描いたり、
欲を駆り立て、穴の中
創造する楽しさを、いつまでも持ち続け
子どもたちの活動意欲はとどまるところ
のカエルたちを描いた
には驚くばかりでした。水の重さを感じ
を知りません。また、園舎の周りを取り
り、お面を付けてカエ
ながら、力を合わせて運びます。視界が
囲む長いアリの行列。
「1、2、3、4、5、6
ルになりきったり、みんなで味わった感
狭く声も通りにくい雨の中で、何度も何
…100。うーん、いっぱいおる !!」「ど
動の体験は、友達とのかかわりをさらに
度も声を掛け合いながら、走り回ります。
こいくんかな ? 結婚式かな」と目の前の
深め、生きものを慈しみ、相手の気持ち
試行錯誤しながら、一人ひとりの発想が
驚きの光景に感動して、全身でその様子
を考えて行動することまでも教えてくれ
みんなの充実感につながりました。
を伝えることで、ごっこ遊びや楽しいお
ました。
一方で、大雨があっという間に池を溢
ていたいと思います。
レトロな佇まいの園舎とクスノキの大木
21
▲
▲
▲
ただき、有意義な時間を過ごすことがで
▲
▲
いて、少しでも興味をもってもらい、自
▲
▲
これらの活動を通して、ビ
オトープが単独で存在してい
これまでに自然観察会は 23 回開催し、
巻き込んでネットワークというつながり
▲
▲
▲
▲
▲
ら考察することです。
2011 年度に行った第 20 回の春の自然
活動内容は、大きく
観察会は、命の大切さ・尊さ・ありがた
分けて三つあります。
さを感じてもらうため、
「命をいただき
なりました。今後も、多くの人にその必
一つ目は、研究会のメ
ます」というテーマで行いました。ビオ
要性を伝えられるように近隣でビオトー
ンバーが毎週水曜日に
トープで生きものを観察しながら、子ど
プ活動を行っている団体を支援したり、
集まって、ビオトープ
もの頃、ピーピー豆の名前で親しんだカ
交流を進めていきたいと思います。
にすむ生きものを調べ
ラスノエンドウとヨモギの 2 種類の野草
るビオトープ調査。二
を採り、参加者全員で調理して食べまし
つ目は、外部から専門
た。野草を食べることに始めは抵抗が
家をお招きして、植物
あった方からも、おいしかったという感
行政、NGO・NPO、事業者といった他団
や昆虫、生態系につい
想を多くいただきました。第 23 回の冬
体と継続的な交流を深め、共同し合える
て学ぶ勉強会。三つ目
の自然観察会では、ビオトープの観察と
ようネットワークを構築していくととも
は、自然観察会です。
同時に、クズのツタを採集し、かごづく
に、大学として近隣地域に貢献していけ
りをしました。
るよう、活動を行っていきたいと思いま
ビオトープ・ネットワーク
交流会
の必要性がより身近に感じられるように
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
▲
▲ ▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲ ▲ ▲
▲ ▲
▲
自然観察会は、季節ごとに催しの計画を
をつくることで、ビオトープや環境保全
将来の展望
私たちの将来の展望として、地域住民、
立て、地域住民にも広く呼びかけて、実
次に、大学の近隣地域でビオトープに
す。また、ビオトープ研究会で研究テー
施しています。多くの人と共に自然や生
関する活動を行っている団体に声を掛け
マを決めて、ある特定の生きものの研
きものについて触れ、学び、命を感じよ
て、ともに発展させていくことを目的に、
究・調査活動を行いたいと考えています。
うというのが目的です。
いろいろなネットワークをつくる
私たちはネットワークをつくることで、
「ビオトープ・ネットワーク交流会」を
そして、調査・研究から得たデータを研
企画しました。参加者は、他団体のさま
究会メンバー内で共有し、ウェブサイト
ざまな活動を知り、興味・関心を持つ
を利用して随時データを情報として、発
きっかけになりました。その後、実際に
信していきたいと思っています。
いろいろな人の意見や考えを聞き、今ま
隣接する里山やビオトープをまわり、自
でになかった新たな考え方などを得るこ
然観察を中心に参加団体に説明を行いま
とができました。自然環境をつなぐ緑の
した。その後のお茶会では、学生ホール
回廊と共に、個人や団体などのネット
で参加団体と意見交換をしながら、交流
ワークも構築することができています。
を深めました。この交流会で、小学校、
ネットワークの構築には、情報発信が
欠かせません。その手段として、私たち
▲ ▲
▲
ようになりました。
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ 自然と人、生活の関わりを身近な視点か
自然観察会
ビオトープ管理士会、学校を
▲ ▲ ▲
れた結果、多くの方に参加してもらえる
催しを企画する
▲ ▲
山・ビオトープの動植物に触れることで、
季節に合った
住民、行政、NGO・NPO、日本
▲ ▲
▲
度は特に自然観察会の事前告知に力を入
の観察・調査や、地域生活と密着した里
るよりも、大学を中心に地域
▲
▲
参加者はのべ 518 人になりました。今年
プの空間として意識し、周辺地域の自然
〒811-0295 福岡県福岡市東区和白東3-30-1
tel. 092-606-6186 fax. 092-606-6497
学生数 4,229名
きました。
▲
然観察会に参加してもらえるように工夫
▲
▲
活動目的は、キャンパス内をビオトー
[ 福岡県 ]
22
大学生ならではの行動力だ」との声をい
しています。
行っています。
福岡工業大学
発表の様子
行っています。そして、ビオトープにつ
▲
ち、特に地域とのパートナーシップの観
点で秀でているものを表彰します。
かった」
「こういった交流会の開催は、
▲
究会として発足し、現在 12 名で活動を
となる優れた取り組みを行うもののう
示し、広く学生や地域住民に呼びかけを
2005 年 7 月に本学の社会環境学部の研
「
(財)日本生態系協会会長賞」は、モデル
▲
(財)日本生態系協会 会長賞
▲
福 岡 工 業 大 学 ビ オ ト ー プ 研 究 会 は、
▲
▲
ビオトープ研究会とは
自然観察会の参加者数推移
(左)
将来展望
(右)
福岡工業大学
ビオトープの全景
環境 NGO・NPO、行政の方々と貴重な
意見交換を行うことができました。また、
は自分たちの手で自然観察会の告知ポス
「ビオトープ活動を独自に行っている団
ターを制作し、大学、最寄駅、地域に掲
体が多いので、交流ができてとてもよ
23
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
本コンクールにおける賞は、上位5賞、
(財)日本生態系協会賞、学校・園庭ビオトープ奨励賞、学校・
園庭ビオトープ功労賞に大別されます。
学校法人伊勢原白百合学園 伊勢原白
刈谷市立 双葉小学校 [ 愛知県 ]
学校法人名古屋近藤学園 みのり幼稚
百合幼稚園 [ 神奈川県 ]
幸田町立 深溝小学校 [ 愛知県 ]
園 [ 愛知県 ]
名古屋市 中保育園 [ 愛知県 ]
幸田町立 豊坂小学校 [ 愛知県 ]
草津市立 常盤幼稚園 [ 滋賀県 ]
学校法人長沢学園 木田幼稚園 [ 愛知県 ]
彦根市立 若葉小学校 [ 滋賀県 ]
社会福祉法人杏林福祉会 木の実保育
竜王町立 竜王小学校 [ 滋賀県 ]
園 [ 大阪府 ]
大阪市立 中浜小学校 [ 大阪府 ]
社会福祉法人興福会 黒崎保育園 [ 岡山県 ]
▲
▲
▲
▲
▲
▲ ▲ ▲
▲ ▲
甲賀市立 油日小学校 [ 滋賀県 ]
尼崎市立 七松小学校 [ 兵庫県 ]
園 [ 岐阜県 ]
大阪市立 明治小学校 [ 大阪府 ]
西宮市立 高須西保育所 [ 兵庫県 ]
社会福祉法人後人社 清水みらい保育
池田市立 秦野小学校 [ 大阪府 ]
学校法人塩川学園 しらぎく幼稚園 [ 福岡県 ]
▲ ▲
▲
▲ ▲
▲
▲
▲
環境大臣賞
園 [ 静岡県 ]
千里みらい夢学園 吹田市立 桃山台小
豊田市立 寿恵野小学校 [ 愛知県 ]
学校法人足立学園 リーチェル幼稚園
学校 [ 大阪府 ]
| 小中学校 49 校 |
[ 静岡県 ]
神戸市立 御影小学校 [ 兵庫県 ]
苫小牧市立 苫小牧東小学校 [ 北海道 ]
国土交通大臣賞
西宮市立 北夙川保育所 [ 兵庫県 ]
尼崎市立 潮小学校 [ 兵庫県 ]
潟上市立 大久保小学校 [ 秋田県 ]
神戸市立 向洋小学校 [ 兵庫県 ]
東京女学館小学校 [ 東京都 ]
学校法人 奈良学園 奈良学園中学校高
西宮市立 瓦木北保育所 [ 兵庫県 ]
三田市立 本庄小学校 [ 兵庫県 ]
ひたちなか市立 前渡小学校 [ 茨城県 ]
尼崎市立 成文小学校 [ 兵庫県 ]
板橋区立 中台中学校 [ 東京都 ]
等学校 [ 奈良県 ]
西宮市立 用海保育所 [ 兵庫県 ]
たつの市立 小宅小学校 [ 兵庫県 ]
安中市立 碓東小学校 [ 群馬県 ]
伊丹市立 瑞穂小学校 [ 兵庫県 ]
昭和町立 押原小学校 [ 山梨県 ]
学校法人もみじ学園 もみじ幼稚園 [ 山口県 ]
大阪市立 茨田小学校 [ 大阪府 ]
▲ ▲ 豊中市立 第十五中学校 [ 大阪府 ]
| 小中学校 10 校 |
和泉市立 信太中学校 [ 大阪府 ]
鹿沼市立 北押原小学校 [ 栃木県 ]
▲ ▲
▲
▲
大口町立 大口西小学校 [ 愛知県 ]
学校法人総純寺学園 清流みずほ幼稚
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲ 近畿大学附属小学校 [ 奈良県 ]
さいたま市立 日進小学校 [ 埼玉県 ]
奈良教育大学附属中学校 [ 奈良県 ]
安城市立 東山中学校 [ 愛知県 ]
ドイツ大使館賞
学校法人清麿学園 清和幼稚園 [ 福岡県 ]
学校法人きのくに子どもの村学園
さいたま市立 大砂土小学校 [ 埼玉県 ]
浜田市立 松原小学校 [ 島根県 ]
津市立 成美小学校 [ 三重県 ]
富田林市立 青葉丘幼稚園 [ 大阪府 ]
日和香幼稚園 [ 福岡県 ]
きのくに子どもの村中学校 [ 和歌山県 ]
さいたま市立 上里小学校 [ 埼玉県 ]
広島市立 大林小学校 [ 広島県 ]
京都府立 舞鶴支援学校 [ 京都府 ]
学校法人吾田学園 認定こども園 あが
岡山市立 岡南小学校 [ 岡山県 ]
柏市立 中原小学校 [ 千葉県 ]
田布施町立 東田布施小学校 [ 山口県 ]
大阪市立 蒲生中学校 [ 大阪府 ]
た幼稚園 [ 宮崎県 ]
廿日市市立 宮園小学校 [ 広島県 ]
印西市立 いには野小学校 [ 千葉県 ]
高松市立 三渓小学校 [ 香川県 ]
大阪市立 摂陽中学校 [ 大阪府 ]
学校法人吉井学園 錦ヶ丘幼稚園 [ 鹿児島県 ]
石井町 石井小学校 [ 徳島県 ]
大多喜町立 老川小学校 [ 千葉県 ]
福岡市立 壱岐南小学校 [ 福岡県 ]
和歌山市立 中之島小学校 [ 和歌山県 ]
学校法人押野学園 川内幼稚園 ・ なあ
宇美町立 宇美小学校 [ 福岡県 ]
港区立 青山小学校 [ 東京都 ]
志免町立 志免東小学校 [ 福岡県 ]
港区立 御田小学校 [ 東京都 ]
宇検村立 阿室小中学校 [ 鹿児島県 ]
▲
福岡工業大学 [ 福岡県 ]
もの森保育園 [ 鹿児島県 ]
| 高校 1 校 |
社会福祉法人大潟福祉会 妙円寺保育
| 高校以上 4 校 |
世田谷区立 等々力小学校 [ 東京都 ]
園 [ 鹿児島県 ]
静岡県立 三島南高等学校 [ 静岡県 ]
東京家政大学附属女子中学校・高等学
| 高校以上 5 校 |
滋賀県立 八日市南高等学校 [ 滋賀県 ]
校 [ 東京都 ]
千葉県立 沼南高等学校 [ 千葉県 ]
| 辞退 1 校 |
(財)日本生態系協会賞
▲ ▲
▲
▲
▲
社会福祉法人 東桂保育園 [ 山梨県 ]
文部科学大臣賞
(財)日本生態系協会 会長賞
24
岡崎市立 秦梨小学校 [ 愛知県 ]
学校法人鶴来学園 鶴来第二幼稚園 [ 石川県 ]
▲
名古屋市立 豊田小学校 [ 愛知県 ]
▲
▲
社会福祉法人 大野町保育園 [ 石川県 ]
▲
上位 5 賞 ▲
▲
受賞校・園一覧
埼玉県立 いずみ高等学校 [ 埼玉県 ]
次回以降に
「上位 5 賞」
の候補となり得
| 小中学校 30 校 |
大阪経済法科大学 [ 大阪府 ]
板橋区立 三園小学校 [ 東京都 ]
千葉県立 君津青葉高等学校 [ 千葉県 ]
る優れた取り組みを行うものを表彰し
牛久市立 神谷小学校 [ 茨城県 ]
大阪府立 八尾北高等学校 [ 大阪府 ]
小平市立 小平第六小学校 [ 東京都 ]
相模女子大学 [ 神奈川県 ]
全 142 校・園
ます。
さいたま市立 栄小学校 [ 埼玉県 ]
横浜市立 大道小学校 [ 神奈川県 ]
兵庫県立 西宮甲山高等学校 [ 兵庫県 ]
岡山県立 矢掛高等学校 [ 岡山県 ]
所沢市立 清進小学校 [ 埼玉県 ]
横浜市立 南希望が丘中学校 [ 神奈川県 ]
| 幼稚園・保育所 23 園 |
印西市立 小倉台小学校 [ 千葉県 ]
川崎市立 下布田小学校 [ 神奈川県 ]
学校法人山の手学園 平和幼稚園 [ 北海道 ]
獨協中学・高等学校 [ 東京都 ]
川崎市立 生田中学校 [ 神奈川県 ]
社会福祉法人ひなどり保育園 浦和ひ
江東区立 越中島小学校 [ 東京都 ]
学校・園庭ビオトープ奨励賞
厚木市立 清水小学校 [ 神奈川県 ]
などり保育園 [ 埼玉県 ]
北区立 浮間小学校 [ 東京都 ]
優れた取り組みを行うものを讃え表彰
葉山町立 葉山小学校 [ 神奈川県 ]
学校法人 岡学園 まどか幼稚園 [ 千葉県 ]
学校法人きのくに子どもの村学園
します。
新潟市立 坂井東小学校 [ 新潟県 ]
学校・園庭ビオトープ功労賞
江東区立 みどり幼稚園 [ 東京都 ]
かつやま子どもの村中学校 [ 福井県 ]
上越市立 名立中学校 [ 新潟県 ]
積極的に取り組みを行うものを讃え表
学校法人東京内野学園 東京ゆりかご
安曇野市立 豊科南小学校 [ 長野県 ]
| 幼稚園・保育所 8 園 |
坂城町立 村上小学校 [ 長野県 ]
彰します。
幼稚園 [ 東京都 ]
大垣市立 江東小学校 [ 岐阜県 ]
学校法人さくら学園 さくら幼稚園 [ 宮城県 ]
静岡市立 田町小学校 [ 静岡県 ]
社会福祉法人梨の木福祉会 青梅梨の
羽島市立 小熊小学校 [ 岐阜県 ]
学校法人柿沼学園 栗橋さくら幼稚園
三島市立 長伏小学校 [ 静岡県 ]
| 幼稚園・保育所 6 園 |
木保育園 [ 東京都 ]
可児市立 今渡南小学校 [ 岐阜県 ]
[ 埼玉県 ]
名古屋市立 牧の原小学校 [ 愛知県 ]
社会福祉法人 河辺保育園 [ 東京都 ]
新潟市立 沼垂幼稚園 [ 新潟県 ]
磐田市立 向笠小学校 [ 静岡県 ]
学校法人平岡学園 平岡幼稚園 [ 神奈川県 ]
豊川市立 豊小学校 [ 愛知県 ]
学校法人緑ヶ丘幼稚園 [ 静岡県 ]
25
全国学校 ・ 園庭ビオトープコンクール 2011
概要
全国学校・園庭ビオトープ コンクール
2011
コンクールのねらい
❸連携・協働
大使館、全国国公立幼稚園長会、
全日本
本コンクールは、自然の中で多くの生
取り組み全体を通じ、保護者や地域住
私立幼稚園連合会、
( 社福)全国社会福
きものと直接ふれあうことにより、豊
民、環境 NGO、行政機関、企業 ・ 団体
祉協議会 全国保育協議会、
(社福)日本
かな感性を育み、世界の広さや命の大
などと継続的に連携しているか。
保育協会、
(公社)
全国私立保育園連盟、
切さを知ることのできる画期的な教材
❹教材としての活用
全国小中学校環境教育研究会、
( 社)日
子どもたちの豊かな感性を育むために、
本ナショナル・トラスト協会、
日本ビオ
を、全国により広く、より深く普及す
学校 ・ 園庭ビオトープを積極的に活用
トープ管理士会
るために開催されました。
しているか。また、さまざまな教科や
普及にあたっては、上位 5 賞を中心と
特別活動などで、広く教材として活用
特別協賛
した素晴らしい取り組みを モデル
しているか。
フォルクスワーゲン グループ ジャパ
と位置付け、報告書や発表会、ウェブ
❺活動の持続性
ン(株)
サイト、新聞 ・ 雑誌など多様な媒体を
学校 ・ 園庭ビオトープを維持管理し、
通じて紹介します。
活動を継続するための体制が整ってい
「学校ビオトープ」
「園庭ビオトープ」
るか。
審査の対象
❻地域への視点の広がり
国内のあらゆる学校、幼稚園・ 保育所
取り組みを地域に発展させ、ビオトー
(株)
アボック社、沖電気工業
(株)
、丸紅
などのうち、学校 ・園庭ビオトープを
プのネットワークや人と人のつながり
OKIネットソリューションズ
(株)
、
自然
活用している学校・園について、協会
を広げていく視点をもっているか。
の会
(有志出版社)
(
、財)土屋環境教育
推薦と自己推薦により絞り込み、142 校
・園を対象校として審査を行いました。
協賛
振興財団、
(株)
トンボ
(トンボ学生服)
コンクールの流れ
2011 年 4~6 月 募集
審査観点
2011 年 9~11 月 現地審査
学校 ・ 園庭ビオトープを通じて自然体
2011 年 12 月 中央審査委員会にて各
験活動や環境教育を進めていくための
賞を決定、発表
重要なポイントを、以下の 6 つの観点
2012 年 2 月 12 日(日) 発表会
に整理し、審査を行いました。
❶ビオトープの環境
地域の自然をお手本とし、地域の生き
ものがくらしやすいよう工夫しているか。
主催
(財)日本生態系協会
平成24年4月1日に公益財団法人に移行しました
❷子どもたちの関わり
(特に小学校以上においては)取り組
後援
み全体を通じ、子どもたちが積極的、
文部科学省、環境省、国土交通省、農林
主体的に取り組んでいるか。
水産省、厚生労働省、ドイツ連邦共和国
27
全国学校 ・ 園庭ビオトープコンクール 2011
中央審査委員
審査委員一覧
所属等は審査当時のものによる(敬称略)
中野 あゆみ
渡辺 隆一
上甫木 昭春
竹元 重博
[
(財)
埼玉県生態系保護協会 主任研究員]
[信州大学 教育学部 教授]
[大阪府立大学大学院 教授]
[日本ビオトープ管理士会 監事]
小島 直子
高山 光弘
宮本 好彦
杉浦 嘉雄
[
(財)
埼玉県生態系保護協会 主任研究員]
[
(財)
日本生態系協会 理事 / 日本ビオトープ管理
[1級ビオトープ計画管理士 / 1級ビオトープ施工
[日本文理大学 工学部 教授]
士会 会長]
管理士]
木呂子 豊彦
池口 直樹
[
(財)
日本生態系協会 評議員 / 大淀川環境基金実
[1級ビオトープ計画管理士]
[日本ビオトープ管理士会近畿支部 代表]
行委員会 事務局長]
児玉 孝哉
斎藤 一郎
上野 幸一
[1級ビオトープ施工管理士]
[日本ビオトープ管理士会 理事]
中野 浩平
[
(財)
埼玉県生態系保護協会 主任研究員]
中村 俊彦
中央審査委員
[千葉県立中央博物館 副館長]
大澤 力
佐島 群巳
[東京家政大学 保育科長]
東京学芸大学 名誉教授 / 帝京短期大学 名誉教授
長谷川 雅美
三島 次郎
新里 達也
[東邦大学 理学部 教授]
[1級ビオトープ計画管理士]
桜美林大学 名誉教授
高木 圭子
[1級ビオトープ施工管理士]
日置 光久
武田 雅志
[1級ビオトープ計画管理士]
文部科学省 初等中等教育局 視学官
横山 文樹
[昭和女子大学 人間社会学部 教授]
塚本 瑞天
高橋 正弘
環境省 自然環境局 自然環境計画課長
[大正大学 人間学部 准教授]
田中 雅文
[日本女子大学 人間社会学部 教授]
梛野 良明
国土交通省 都市 ・ 地域整備局 公園緑地 ・ 景観課 緑地環境室長
寺本 潔
[玉川大学 教育学部 教授]
後藤 範子
池谷 奉文
[東京家政学院大学 現代生活学部 准教授]
(財)日本生態系協会 会長
樋口 利彦
[東京学芸大学 環境教育研究センター 教授]
無藤 隆
[白梅学園大学 子ども学部 教授]
審査委員 地域順
[聖徳大学 児童学部 教授]
村野 紀雄
田中 政行
[酪農学園大学 地域自然保全研究室主宰]
[1級ビオトープ計画管理士 / 1級ビオトープ施工
長谷川 哲也
管理士]
槇 重善
[
(財)
埼玉県生態系保護協会 理事]
栗原 ひとみ
[1級こども環境管理士 / 新潟中央短期大学 准教授]
渡邊 義雄
菅間 宏子
[
(財)
日本生態系協会 評議員 / NPO法人荒川の自
[1級ビオトープ施工管理士]
然を守る会 事務局長]
藤岡 達也
柳沼 薫
会 会長]
[
(財)
埼玉県生態系保護協会 主任研究員]
養父 志乃夫
[和歌山大学 システム工学部 教授]
を考える会 副理事長]
長谷川 明子
[
(財)
日本生態系協会 評議員 / ビオトープ・ネット
ワーク中部(日本ビオトープ管理士会 中部支部)
会長]
丹羽 崇人
[愛知県 環境部 自然環境課 課長]
横井 利文
[1級ビオトープ計画管理士]
三井 祐樹
[1級ビオトープ施工管理士]
福田 秀志
[日本福祉大学 健康科学部 教授]
南 基泰
[中部大学 応用生物学部 教授]
宇野 総一
[日本ビオトープ管理士会 理事 / ビオトープ・ネッ
トワーク中部(日本ビオトープ管理士会 中部支
部)副会長]
内田 臣一
[愛知工業大学 工学部 教授]
[1級ビオトープ施工管理士]
[日本ビオトープ管理士会 理事 / 日本ビオトープ
[
(財)
日本生態系協会 評議員 / 日本雁を保護する
今村 信大
[
(財)
日本生態系協会 副会長 / NPO法人桶ヶ谷沼
[新潟県ビオトープ管理士会(日本ビオトープ管理
士会 新潟支部)代表]
護協会 事務局長]
[都留文科大学 文学部 教授]
上田 利彦
井田 太久磨
呉地 正行
[富士常葉大学 環境防災学部 教授]
藤塚 治義
大山 弘子
堂本 泰章
高田 研
[1級ビオトープ計画管理士]
[宇都宮大学 農学部 特任准教授]
[
(財)
日本生態系協会 理事 /(財)埼玉県生態系保
山田 辰美
管理士]
管理士]
[登米市 市民生活部 環境課 課長]
[1級ビオトープ施工管理士]
坂部 孝夫
高橋 俊守
佐々木 修一
太田 博之
[日本ビオトープ管理士会 監事]
[1級ビオトープ計画管理士 / 1級ビオトープ施工
[1級ビオトープ計画管理士 / 1級ビオトープ施工
管理士会みちのく支部 代表]
28
小川 博久
小杉山 晃一
[上越教育大学大学院 教授]
本間 勝美
[
(財)
日本生態系協会 評議員 / 森の都愛鳥会 会長]
坂田 正宏
[日本ビオトープ管理士会 理事]
中優
[日本ビオトープ管理士会 三重県支部 代表]
梶 雅弘
[日本ビオトープ管理士会 滋賀支部 代表]
小泉 昭男
[1級ビオトープ施工管理士]
谷村 載美
[大阪市教育センター 研究官]
赤尾 整志
[日本環境教育学会関西支部 世話人]
村上 俊明
[1級ビオトープ計画管理士]
戸田 耿介
[
(財)
日本生態系協会 評議員 / NPO法人こども環
境活動支援協会 監事]
嶽山 洋志
[兵庫県立大学大学院 講師]
日置 佳之
[鳥取大学 農学部 教授]
河内 建
[1級ビオトープ施工管理士]
清田 康博
[1級ビオトープ施工管理士]
佐藤 克則
[1級ビオトープ施工管理士]
樫本 幸実
[日本ビオトープ管理士会 理事 / 日本ビオトープ
管理士会徳島支部(ビオトープネットワーク徳島)
代表]
大田 直友
[阿南工業高等専門学校 准教授]
伊東 啓太郎
[九州工業大学 工学部 准教授]
大平 裕
[日本ビオトープ管理士会 北部九州支部 支部長]
田尻 由美子
[精華女子短期大学 教授]
蒲生 芳子
[日本ビオトープ管理士会 副会長 / ビオトープかご
しま
(日本ビオトープ管理士会鹿児島支部)
代表]
岸野 純一
[1級ビオトープ施工管理士]
薗 博明
[
(財)
日本生態系協会 評議員 / NPO法人環境ネッ
トワーク奄美 代表]
永江 直志
[奄美自然学校 代表]
(財)日本生態系協会
関 健志
青木 進
朝見 清孝
安東 正行
岩井 大輔
岩木 晃三
遠藤 立
大見 享子
岡田 尚
加藤 寛章
加藤 雄也
亀田 聡
川池 芽美
熊谷 雄介
佐久間 元成
佐山 義則
椎名 政博
鈴木 倫太郎
須藤 悠太
高橋 衛
田邊 龍太
中安 直子
庭野 礼子
服部 仁美
藤井 千晴
前田 博之
松浦 重徳
村上 秀行
湯川 信也
米津 史人
村本 耕平
[1級ビオトープ施工管理士]
力武 和夫
[1級ビオトープ施工管理士]
29
全国学校 ・ 園庭ビオトープコンクール 2011
発表会
発表会では、秋篠宮同妃両殿下のご
(財)日本生態系協会賞の取り組みの発表(ポスター展示)
秋篠宮殿下のおことば
臨席のもと、約490名の参加者が見守
る中で、上位5賞の受賞校・園が先進的
な取り組みを発表しました。
また、
日本
生態系協会賞の受賞校・園によるポス
ター展示や交流会も行われ、参加者の
本日、
「全国学校 ・ 園庭ビオトープコンクール 2011」の発表会にあたり、皆様とお会
情報交換の場となりました。
いできましたことを、たいへん嬉しく思います。またこの度、各賞を受賞された学校な
らびに幼稚園・保育所の皆様に心よりお祝いを申し上げます。
2012年2月12日(日)13:00~17:00
津田ホール(東京都渋谷区)にて
プログラム
八千草薫 (財)日本生態系協会
理事
佐島群巳氏 東京学芸大学名誉
教授 / 帝京短期大学名誉教授
池谷奉文 (財)日本生態系協会
会長
今日、国際社会における潮流として、私たちの生きる基盤となる自然環境と共存する
持続可能な社会が強く求められております。私たちが、そのような社会を築き、今後も
開会
それを末永く維持していくためには、知識を豊かにすることと共に、日々の生活の中で
開会のあいさつ
八千草 薫 (財)日本生態系協会 理事
自然やそこに生息する生きものに親しむ機会をもつことが大切であると言えましょう。
秋篠宮殿下のおことば
しかし近年、都市部にとどまらず、各地で地域固有の自然とそれに伴う在来の生きも
来賓のごあいさつ
横光 克彦氏 環境副大臣 城井 崇氏 文部科学大臣政務官
前田 武志氏 国土交通大臣 (代読:
加藤利男氏 国土交通省都市局長)
のが少なくなってきております。そして、豊かな自然とのふれあいの場の減少に伴い、子
上位5賞の取り組みの発表
| 文部科学大臣賞
尼崎市立七松小学校 [ 兵庫県 ]
| 環境大臣賞
豊田市立寿恵野小学校 [ 愛知県 ]
| 国土交通大臣賞
学校法人奈良学園 奈良学園中学校高
等学校 [ 奈良県 ]
| ドイツ大使館賞
富田林市立青葉丘幼稚園 [ 大阪府 ]
|(財)日本生態系協会 会長賞
福岡工業大学 [ 福岡県 ]
庭ビオトープは、幼児や児童生徒が日常的に自然にふれることができる場となります。環
全体講評
佐島 群巳氏 東京学芸大学名誉教授 /
帝京短期大学名誉教授
表彰式
どもたちの自然観にも様々な影響が出始めていると伺っております。
そのようななか、学校や幼稚園・保育所の敷地内に、地域の自然を再生する学校・園
境教育にとどまらず、総合的な学習の時間や特別活動の教材として、また豊かな感性を
育む優れた教育空間になると言えます。
この度のコンクールでは、参加したそれぞれの学校、幼稚園・保育所、地域の人々と
表彰式
協働しながらつくり上げてきた優れた活動が賞に選ばれたと伺っております。このよう
な素晴らしい取り組みが、本コンクールを通じて、全国に広く紹介されることは、これ
からの人と自然が共存する持続可能な社会の実現に、大きく寄与することと思います。
終わりに、活動に携わってこられた多くの方々に敬意を表しますとともに、学校・園
庭ビオトープの取り組みが、今後も日本各地で普及し、自然を慈しむ心の輪がさらに広
がっていくことを願い、私のあいさつといたします。
閉会のあいさつ
池谷 奉文 (財)日本生態系協会 会長
30
31
学校 ・ 園庭ビオトープに関する
全国一斉アンケート結果
公益財団法人
日本生態系協会
とは
全国学校・園庭ビオトープコンクー
ル 2011 の開催に先だって、全国の地
| こども環境管理士の認証
世界各国の先進的な取り組みを、現
保育・幼児教育に関わる方を主な対
地の専門家や行政担当者などから深く
象として、思いやる心、命、もの、そ
学べる、視察ツアーの企画・コーディ
して自然を大切にする心を育む、環境
方 自 治 体 を 対 象 に、 学 校 ・ 園 庭 ビ オ
自然に囲まれた美しいまちと、子ど
ネイトをしています。近年では、
ドイツ
の時代における新しい「せんせい」を
トープに関するアンケートを実施しま
もたちの笑顔がかがやく暮らし。50 年
やオーストラリアの、乳幼児の自然体
認証し、広く紹介しています。
した。
後、日本をそんな自然と歴史が共存す
験の現場や支援する仕組み、また自然
る美しい持続可能な国にすることが、
と共存する美しいまちづくりを視察す
私たちの協会の目標です。
るツアーが、幼稚園や保育所の経営者
アンケート
概要
設問1
私たちは、公正な立場から、市民、企
や研究者の方々から好評を得ています。
業、自治体、国など、社会を構成する
[ ツアー実績 ]
あらゆる人々に働きかけ、つなぎ、人
・豊かな感性や協調性を育む園づくり
と自然が共存する持続可能な社会に向
ドイツの園庭ビオトープツアー
貴自治体内の幼稚園、保育所、小中
回収期間
2011年2月~3月
高等学校等において、敷地内で野草園
貴自治体において、生物多様性に関
や樹林、自然の池などを創出し、学校
する学習の促進の一環として、学校 ・
けて政策提案や調査研究、教育活動を
・進むオーストラリアの幼稚園保育所
対象
国内の全市区町村・都道府県
・ 園庭ビオトープを通じた自然体験や
園庭ビオトープの設置や活用を推進さ
展開しています。その一例をご紹介し
これからの保育と自然体験の現場を見
環境教育に取り組んでいる学校・園が
せる事業がございましたら、お教えく
ます。
るツアー
ございましたらお教えください。
ださい。
画がたてられる、また自然の保全・再
結果
生の工事が実施できる、野生生物から
質問内容
右記のとおり
学校・園庭ビオトープについて
設問2
学校・園庭ビオトープの推進のため
の事業について
回答率
市区町村 415
(回答率23.7%)
都道府県 23
(回答率48.9%)
結果
自治体内に実践例がある
市区町村 203、都道府県 9
実践例の総数
・幼稚園・保育所
その他
93 園
・小学校
763 校
・中学校
64 校
・高等学校以上
19 校 ・特別支援学校
3校
生物多様性戦略について
近年、全国各地で策定が進む「生物
ふれあいや生物多様性の学習の推進な
どを目的に、学校・園庭ビオトープを
設置し効果的に活用していくことを記
載する地方自治体が増えています。
園庭で育つカブトムシの幼虫に興味津々の園児
| ビオトープ管理士の認証
人と自然が共存するまちづくりの計
法律、制度など幅広い専門知識と経験
推進事業がある
市区町村 30、都道府県 6
をもった技術者を認証しています。累
計 8,000 人以上の有資格者を輩出し、
市区町村 都道府県
942 校 ・ 園
多様性地域戦略」において、自然との
32
| 海外視察ツアーの企画・コーディネイト
助成
12
5
資料の発行
3
2
研修会の実施
5
2
専門家の紹介
5
3
環境学習、出前授業
7
0
工事、管理
6
1
その他
2
1
生物多様性地域戦略に学校・園庭ビ
オトープの推進を記載する地方自治体
多くの公共事業の入札要件などとして
活用されています。
子どもたちが毎日遊びまわるドイツの園庭ビオトープ
ビオトープ管理士の活動の様子
| 都道府県 北海道、栃木県、千葉県、
東京都、愛知県、香川県
| 市区町村 黒松内町(北海道)、柏市
全国学校・園庭ビオトープコンクール 2011 報告書
2012 年 7 月発行
(千葉県)、さいたま市(埼玉県)、岡崎市
(愛知県)、神戸市(兵庫県)、北九州市
(福岡県)等
〒 171-0021 東京都豊島区西池袋 2-30-20 音羽ビル Tel.03-5951-0244 Fax.03-5951-2974
Otowa Bldg.,2-30-20 Nishiikebukuro,Toshima-ku,Tokyo 171-0021 Japan www.ecosys.or.jp
禁無断転載
33
公 式 サ イ ト の ご 案 内
w w w . e c o s y s . o r . j p
日本生態系協会の
公式サイトでは、
| エ コ ネ ット 会 員
| 海 外 へ の 視 察・ツ ア ー
無料で入会できる、
インターネッ
当協会が企画する、海外視察や
トを利用した会員です。会報誌「エ
ツアーを紹介するページです。こ
コシステム」電子版や、これまでの
れまでに訪問した、海外の 自然
発行書籍や冊子、報告書、また海
いっぱいの園づくり の先進的で素
外の情報をご覧いただけます。
晴らしい事例をご覧いただけます。
| こども環境管理士資格試験
| ビオトープ管理士資格試験
こども環境管理士資格試験のご
ビオトープ管理士資格試験の
環境に関する最新情報を
掲載しています。
環境教育や、
子どもたちの
豊かな感性を育む
体験の場づくりに
ぜひご活用ください。
案内のほか、子どもたちの豊かな
ご案内のほか、ビオトープをもっ
感性を育む体験の場づくりの考え
と深く勉強したい方にむけて、勉
方や、
「こども環境管理士」の活躍
強のしかたや参考資料などをご紹
の様子などをご覧いただけます。
介しています。