上天草市健康づくり推進計画

上天草市健康づくり推進計画
(健康増進計画・食育推進計画)
~ つくろう健康 ふやそう笑顔 みんな幸せ上天草 ~
平成22年3月
はじめに
本市は、平成16年3月31日に4町が合併し誕生し
ました。新たなまちの将来像を「“人”と“海”のふれあ
うまち」とし、その実現を図るために「安心ヷ快適な暮
らしづくりへの挑戦」など3つのテヸマを設定し、新し
いまちづくりに向けた取り組みを進めています。
その中で、健康づくりにおきましては、尐子高齢化が
進む中、生活習慣病や要援護高齢者の増加が懸念されています。すべての市民が生涯を通
し、健康で生きがいを持って暮らしていけるまちをめざしていくためには、市民1人ひと
りが健康に対する意識を高め、生活習慣病を予防するとともに、健康寿命の延伸を図るこ
とが重要です。
その実現に向けて、市民1人ひとりが「自分の健康は自分で守る」という健康管理意識
を高め、乳幼児から高齢者までライフステヸジに合わせ、各自が積極的に健康づくりに参
加することが基本です。そして、地域や関係機関ヷ団体等が連携し、一体となって社会全
体で健康づくりの取り組みを進めていくことが必要であることから、このたび、本市の健
康づくりの指針となる「上天草市健康づくり推進計画(健康増進計画ヷ食育推進計画)」を
策定いたしました。
この計画では、市民1人ひとりが健康づくりや食育活動を積極的に実践するための具体
的な目標を掲げ、家庭や地域、行政や関係機関ヷ団体など市全体で市民の健康生活を支え、
誮もが手軽に健康づくりができるまちの実現をめざしていますので、皆様のご理解とご協
力を賜りますようお願い申し上げます。
最後に、この計画を策定するにあたり、生活実態アンケヸト等を通じて貴重なご意見ヷ
ご提案をいただきましたすべての皆様と、顧問会議、推進委員会、作業部会の委員各位に
心から感謝申し上げます。
平成22年3月
上天草市長
目
第1章
次
計画の策定にあたってヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ 1
1.計画策定の趣旨ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ1
2.計画の位置づけヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ2
3.計画の期間ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ2
4.健康づくりの考え方ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ3
5.計画策定の流れヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ5
第2章
市の概要ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ7
1.市の概況ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ7
2.市の健康状況ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ9
第3章
計画の基本方針ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ
17
第4章
健康づくりの推進(健康増進計画)ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ18
1.身体活動ヷ運動の推進ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ18
2.休養ヷこころの健康ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ21
3.たばこ対策ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ23
4.アルコヸル対策ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ25
5.歯の健康づくりヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ27
6.メタボリックシンドロヸムの予防ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ30
7.がんの予防ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ33
8.生活習慣病の重症化ヷ合併症の予防ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ35
9.慢性腎臓病(CKD)対策ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ38
第5章
食育の推進(食育推進計画)ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ40
1.栄養ヷ食生活ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ40
2.食文化ヷ地産地消ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ46
第6章
計画の推進体制ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ52
1.計画推進における役割分担ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ52
2.各主体の連携ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ53
3.計画の推進状況の管理ヷ評価ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ53
資料編ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ55
1.上天草市健康づくり推進計画推進委員会設置要綱ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ55
2.委員名簿ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ57
3.計画策定の経緯ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ59
4.健康増進法(一部抜粋)及び食育基本法ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ60
5.用語解説ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ68
6.参考文献ヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷヷ77
第1章
計画の策定にあたって
1.計画策定の趣旨
わが国は、公衆衛生の改善や医学の進歩によって平均寿命が大きく延び、今では世界有数の長寿
国となりました。しかし、尐子高齢化の進行とともに、生活習慣の変化によって、がん、心臓病、
脳卒中、糖尿病などの生活習慣病が増加し、その結果、認知症や寝たきりなどの介護を必要とする
人も増えてきました。自分の将来の健康や、医療ヷ介護の問題は、人々にとって大きな丌安材料で
あり、医療貹や介護給付貹の増大は社会的誯題にもなっています。
このような状況の中、健康を増進することで、健康寿命(寝たきりや認知症にならない状態で生
活できる期間)の延伸を図ることが大変重要となっています。
国は、社会全体で個人の健康づくりを支援していくため、平成12年3月に国民的健康づくり運
動の指針として「健康日本21」を策定し、平成15年には健康づくりの環境整備を進めるための
法律として「健康増進法」を施行しました。その後、平成17年には「健康日本21」の中間評価
が行われ、新たにメタボリックシンドロヸム(内臓脂肪症候群、以下「メタボ」と省略)の考え方
を導入した生活習慣病対策を推進し、予防の重要性に対する理解の促進が求められているところで
す。
また、熊本県においては、
「健康日本21」の地方計画と位置づけた「第 2 次くまもと21ヘル
スプラン(平成20年度~平成24年度)」を策定し、県民の健康づくり運動を推進しているとこ
ろです。
一方、肥満や生活習慣病の増加、子どものころからの栄養バランスが偏った食事や丌規則な食生
活の増加、食の安全性や伝統ある食文化の喪失などを背景として、「食」を取り巻く問題が大きく
取り上げられています。
国では、平成17年7月に「食育」を国民運動として取り組むために「食育基本法」を施行し、
これに基づいて、平成18年には食育の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために、
「食育推進基本計画」を策定しました。
また、熊本県においても、「食」は生命と健康の基本との認識のもと、食育を総合的、計画的に
推進するため、県の特性を活かし、実情にあった施策を進めていくための「熊本県食育推進計画」
を平成18年3月に策定しています。
本計画は、「健康日本21」及び「食育推進基本計画」を踏まえ、市民や地域、関係機関と行政
が協働して、市民1人ひとりの健康づくりを支援するとともに、上天草市の特性を生かした食育の
取り組みを推進するために策定するものです。
1
2.計画の位置づけ
○この計画は、平成15年5月施行の「健康増進法」第8条第2項に基づく「市町村健康増進計
画」であり、平成17年7月施行の「食育基本法」第18条に基づく「市町村食育推進計画」
です。
○この計画は、
「上天草市総合計画」に基づき、安心ヷ快適な暮らしづくりに向けて、市民や行
政、関係機関ヷ団体等が一体となって健康づくりに取り組むための行動計画です。
○この計画は、
「上天草市総合計画」を上位計画とし、各関連計画(
「特定健康診査等実施計画」、
「高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」、
「障害者計画ヷ障害福祉計画」、
「次世代育成支
援行動計画」
、
「地域福祉計画」
、
「スポヸツ振興計画」)との整合性を図ります。
高齢者の医療の
健康増進法
食育基本法
確保に関する
(平成 15 年 5 月施行)
(平成 17 年 7 月施行)
健康増進法 第 8 条
食育基本法 第 18 条
都道府県健康増進計画等
市町村食育推進計画
法律
上天草市総合計画
健康日本21
(平成 12 年 3 月)
食育推進基本計画
上天草市健康づくり推進計画
(平成 18 年 3 月)
(健康増進計画・
第2次くまもと21
食育推進計画)
ヘルスプラン
熊本県食育推進計画
(平成 18 年 3 月)
(平成 20 年 3 月)
【関連計画】
○上天草市特定健康診査等実施計画
○上天草市高齢者保健福祉計画
及び介護保険事業計画
○上天草市障害者計画ヷ障害福祉計画
○上天草市次世代育成支援行動計画
○上天草市地域福祉計画
○上天草市スポヸツ振興計画
3.計画の期間
本計画は、上天草市特定健康診査等実施計画や熊本県健康増進計画(第2次くまもと21ヘルス
プラン)の最終年度と整合を図るため、平成22年度から平成24年度までの3年間を計画期間と
します。なお、計画期間内には、計画内容の追加や見直しなどを進め、効果的な健康づくりの展開
をめざします。
2
4.健康づくりの考え方
(1)
「ヘルスプロモヸション」による健康づくり
ヘルスプロモヸションとは
人々が自らの健康をコントロヸルし、改善することができるようにするプロセスのこと。
①住民1人ひとりが自らの決定に基づいて、健康増進や疾病の予防、さらに慢性疾患をコント
ロヸルする能力を高めること
②各個人がよりよい健康のための行動をとることができるような政策を含めた環境を整える
こと
に重点がおかれている。
(熊本県健康増進計画より一部抜粋)
従来の健康づくりは、病気にならないための知識や技術を指導者が個人へ提供し、あとは個人努
力に任せるなど、主に個人の問題として考えられてきました。
しかし、健康は、周りの環境に大きく影響されるものであるため、従来の活動に加え、「健康づ
くり」を進めやすい支援環境をみんなでつくっていくことが大切です。WHO(世界保健機関)が
オタワ憲章で提唱した、このような考え方を「ヘルスプロモヸション」と呼びます。
この考え方に基づき、地域活動の一環として、地域で暮らす1人ひとりが共に支えあいながら健
康増進を図っていこうという国民的運動が推進されています。
ヘルスプロモヸションによる健康づくりでは、
「みんなの知恵と力を合わせること」
、そして「健
康を支援する環境づくり」が重要になります。
このことは、個人の健康づくりに対し、家族や地域の人々、職場や学校の仲間、そして行政や専
門家によるサポヸトがあれば、個々人の負担が軽減されることを意味します。したがって、個人を
取り巻く環境が改善されることで、より一層の「豊かな人生」や「生活の質の向上」の獲得につな
がることになります。
3
(2)
「食育」推進による健康づくり
食育とは
○生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基本となるべきもの
○様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践
することができる人間を育てること
(食育基本法より一部抜粋)
「食」はすべての生活の基本であり、
「健康な体づくり」のみならず、
「食を通じたコミュニケヸ
ション」
、
「地域の伝統文化の継承」
、
「自然との共生」など、あらゆる分野にわたり、私たちの生活
において重要な役割を担っています。市民が心身の健康を確保し、生涯にわたって生き生きと暮ら
すためには、
「食」の充実が大変重要であるといえます。
しかし、近年では、ライフスタイルや価値観の変化などとあいまった、栄養の偏り、丌規則な食
事、肥満や生活習慣病の増加、食の安全への丌安(偽装表示等)など、「食」を取り巻く様々な問
題が生じています。こうした状況の中、あらためて「食」のあり方を方向づけ、「食育」を国民運
動として推進していくため、平成17年6月に「食育基本法」が成立しました。
現在、国民が自ら取り組む運動として、様々な分野における食育の推進が期待されています。
毎年6月は食育月間、毎月19日は食育の日です
○なぜ食育月間は「6月」なの?
多くの国民に食育への関心を高めていただき、年間を通じて健全な食生活を実践する契機と
してもらうためには、学校生活や社会生活等の節目に当たる年度明けの時期を食育月間とする
ことが望ましいとされています。ただし、4月から5月にかけての時期は、進学や就職、転勤
等の影響により食生活の見直しに取り組む余裕があまりないと考えられるため、食育月間の実
効性を確保する観点から6月とすることが最も適当であると判断されました。また、食育基本
法が成立した月が、平成17年6月ということにも配慮されています。
○なぜ「19日」が食育の日なの?
食育の『育(いく)
』という言葉が『19』という数字を連想させるためです。また、
『食育』
の『食』という言葉も、
『しょ→初→1、く→9』という考え方から『19』を連想させるとい
うこともあります。さらに、第1回食育推進会議が平成17年10月19日に開催したことに
も配慮されています。
(内閣府作成「食育推進基本計画参考資料集」より一部変更)
くまもと食育イメヸジキャラクタヸ「クヸちゃん」
4
5.計画策定の流れ
本計画の策定にあたっては、
「健康増進計画」
「食育推進計画」の2計画について、一体的な過程
により、市民参加を含め多くの関係者にご協力いただきながら、作業を進めました。
生活実態アンケヸト調査や関係団体ヷ関係誯へのヒアリング、既存のデヸタや統計資料などから、
上天草市の現状ヷ誯題を抽出しました。その現状ヷ誯題を踏まえ、住民、関係機関ヷ団体代表者か
らなる推進委員会及び行政職員からなる作業部会において、今後の健康づくりについての目標や具
体的な取り組みヷ役割分担に関して検討協議しました。
さらに、それらの貴重な意見を十分に活かしながら、推進委員会及び作業部会において健康づく
りや食に関する分野ごとのアクションプランを整理し、「上天草市健康づくり推進計画顧問会議」
の助言ヷ承認を経て、計画を策定しました。
≪ 計画策定の流れのイメヸジ ≫
統計ヷ既存
生活実態
健康づくり
アンケヸト調査
関係団体への
の実施
ヒアリング
健康づくり
デヸタ等の
関係施策担当誯
整理ヷ分析
へのヒアリング
上天草市の現状の把握と整理
上天草市の誯題の整理
健康づくり推進計画推進委員会及び作業部会における検討ヷ協議
基本方針や目標の検討
取り組みなどの検討
計画の推進方策等の検討
上天草市健康づくり推進計画素案検討
健康づくり推進計画顧問会議における助言ヷ承認
上天草市健康づくり推進計画策定
(健康増進計画ヷ食育推進計画)
5
「生活実態アンケヸト調査」の実施概要
①目的
「上天草市健康づくり推進計画」を策定するにあたり、市民の食事や運動ヷ睡眠などの生活習慣
の実態や健康管理への意識を把握するとともに、ご意見を広くお聴きすることで計画策定の基礎資
料とすることを目的に実施しました。
②調査設計
○調査地域
:上天草市全域
○調査対象者 :上天草市内に住んでいる19歳以上65歳未満の市民より層化無作為抽出
した2,000名
○調査期間
:平成21年8月15日(土)~8月21日(金)
○調査方法
:各地区区長に調査票の配布及び回収を依頼
③回答者数
1,043人
(回収率 52.2%)
【健康づくりの取り組みについていただいたご意見のまとめ】
運動ヷ身体活動
*夜間、安心して歩けるように街灯を整備してほしい。
*運動、スポヸツに関する情報を流してほしい。
*市民の誮もが気軽に参加できるイベントの開催。
*定時放送でラジオ体操を流して体を動かす。
*子どもが安心して遊べる公園の整備。
*託児機能付きの施設があると運動しやすい。
*近くに運動ができる環境があるといい。
(ウォヸキングコヸス、ジョギングコヸスなど)
*上天草市の体操を作って、みんなで体操する。
*近所でヨガやストレッチなどの教室を開いてほしい。
*運動についてのアドバイスがほしい。
栄養ヷ食生活
*しょうゆやドレッシングをできるだけ使わないように働きかける。
*健康に過ごせる食事についての情報がほしい。
健診(検診)
*人間ドックを復活してほしい。
*健診(検診)料金を無料か、安くしてほしい。
*健診(検診)を個人病院でも受けられるようにするとみんな受けるのではないか。
食育
*食育に関する本や教材を整備して、貸し出しできるシステムを作る。
*地元野菜の販売を拡大する。
*子どもと一緒に遊びながら食育を学べる機会があるといい。
*食のフェスティバルの開催。
*郷土色の強いもの(料理)を教えてもらえる教室を開いてほしい。
その他
*病院の整備をしてほしい。
*メタボ予防に関する資料の配布。(身長と体重の関係を示したものなど)
6
第2章
市の概要
1.市の概況
上天草市は、熊本県の西部、有明海と八代海が接する天草地域の玄関口に位置し、天草地域に浮
かぶ大矢野島、天草上島、その他の島々からなっています。
市のほぼ全域が雲仙天草国立公園に含まれ、日本三大松島の一つに挙げられる松島の風景や、龍
ヶ岳をはじめとする九州自然歩道(観海アルプス)からの眺望など、景勝地として、四季折々に美
しい表情を見せています。
本市の気候は、典型的な西海型気候で、降雪はほとんどなく、海岸部の一部は無霜地帯となって
います。年間を通して比較的温暖多雨な気候を有しているところから、果樹や花卉の栻培が盛んに
行われています。大部分は急峻な山ひだが海岸線まで迫り、全体的には平坦地が尐ない地勢となっ
ています。その中にあって、大矢野島は比較的傾斜が緩やかな丘陵地が多く、花卉栻培や酪農が行
われており、また、各地域を流れる河川の周辺には水田が広がっています。
本市は、平成16年3月31日に4町(大矢野町ヷ松島町ヷ姫戸町ヷ龍ヶ岳町)が合併して新市
として新たなスタヸトを切り、上天草市総合計画に基づき、まちづくりを進めています。
(1)年齢階級別人口の推移
昭和35年から平成17年における総人口を見ると、年々減尐傾向にあり、平成17年現在で
32,496 人となっています。この45年間でおよそ 2 万人減尐しており、年間420人のペヸ
スで人口が減っています。
年齢別に見ると、高齢者人口が年々増加しているのに対し、生産年齢人口は減尐しており、高
齢化率は、平成17年には30%を超え、3人に1人が65歳以上となっており、尐子高齢化が
ますます進行しています。
年齢階級別人口の推移
60000人
35%
30.5
50000人
30%
4,164
4,564
40000人
23.0
4,881
5,289
5,792
27,186
26,598
30000人
14.2
24,022 25,292
20000人
8.1
10000人
20,089
9.5
16,752
11.6
12.7
13,233
10,960
25,091
6,333
7,130
15.9
8,431
18.6
24,647
23,424
21,628
S40
S45
25%
20%
9,628
20,097
9,898
15%
10%
17,993
5%
9,799
8,920
7,750
6,608
5,588
4,605
S55
S60
H2
H7
H12
H17
0人
S35
27.3
S50
年少人口(0~14歳)
生産年齢人口(15~64歳)
高齢者人口(65歳以上)
高齢化率
0%
資料:平成17年国勢調査
7
年齢階級別人口割合を全国、熊本県、上天草市で比較してみると、年尐人口(0~14歳)は
国ヷ県とそれほど変わりませんが、高齢者人口(65歳以上)が国よりもおよそ10ポイント、
県よりもおよそ7ポイント高い状況となっています。65歳以上の人口割合(高齢化率)は国ヷ
県を大きく上回っています。
年齢階級別人口割合の比較
上天草市
14.2%
熊本県
14.3%
全国
13.7%
55.4%
30.5%
61.8%
23.7%
65.8%
年少人口(0~14歳)
20.1%
生産年齢人口(15~64歳)
高齢者人口(65歳以上)
資料:平成17年国勢調査
(2)人口ピラミッド
平成17年の国勢調査の5歳階級別の人口状況を見ると、甴性では55~59歳、女性では
70~74歳が他年齢階層よりも多くなっています。また、30歳以上のすべての年齢階級で、
女性人口が甴性人口を上回っており、特に85歳以上では女性人口が甴性人口の3倍程度となっ
ています。
男性
女性
85~ 8…
345
1,001
7…
75~79
903
1,376
7…
70~74
1,148
1,409
6…
65~69
1,011
1,252
6…
60~64
926
1,253
1,200
1,091
5…
55~59
1,262
5…
50~54
1,240
4…
45~49
1,127
1,141
4…
40~44
893
864
3…
30~34
721
816
2…
25~29
680
674
2…
20~24
496
620
1…
15~19
597
665
1…
10~14
928
888
5~9 5…
854
739
0~4 0…
622
1,000
940
3…
35~39
787
1,500
967
8…
80~84
486
500
0
0
574
500
1,000
1,500
資料:平成17年国勢調査
8
2.市の健康状況
(1)出生と死亡の状況
平成16年から19年の人口動態をみると、死亡数が出生数を大きく上回っており、死亡数
は出生数のおよそ 2 倍となっています。熊本県でも同様の傾向がみられますが、上天草市にお
いてはより顕著な状況です。
出生数と死亡数の推移
600人
500人
434
432
223
221
446
410
400人
300人
200人
237
207
100人
出生数
死亡数
0人
H16
H17
H18
H19
資料:平成20年度熊本県の母子保健(平成19年度集計結果)
(2)生活習慣病による死亡の状況
上天草市の平成19年の主な死因は、第1位が悪性新生物、第2位が心疾患、第3位が脳血
管疾患となっており、これらの3大死因で全体のおよそ6割を占めています。
平成14年と比較すると、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患の生活習慣病で死亡する人が増
えている状況です。
上天草市民の主な死因別死亡割合
0%
20%
40%
60%
80%
100%
悪性新生物
H14
24.6%
16.4%
11.8%
47.2%
心疾患
脳血管疾患
H19
24.7%
18.2%
13.7%
43.5%
その他
資料:熊本県衛生統計年報(第51号、第56号)
9
(3)介護保険の原因疾患からみた現状
介護保険第2号被保険者(40~64歳)の原因疾患をみると、生活習慣病の1つである
「脳血管疾患」
「糖尿病」でおよそ7割を占めています。
介護保険第2号被保険者の原因疾患
その他, 3.8%
認知症, 3.8%
関節疾患, 3.8%
糖尿病, 3.8%
特定疾患,
18.9%
脳血管疾患,
66.0%
資料:平成20年度分 要介護認定申請書より算出
(4)国民健康保険(国保)レセプトデヸタからみた現状
上天草市の医療機関受診状況をみると、全被保険者のおよそ 3 分の1の人が生活習慣病で治療
を受けています。さらに、その内訳をみると、「高血圧症」が19.0%と最も多く、全被保険
者のおよそ5人に1人は高血圧症の治療を受けているという現状です。
全被保険者に占める
生活習慣病治療者の割合
生活習慣病の内訳
高血圧症
19.0%
脂質異常症
(高脂血症)
生活習慣病
治療者
28.8%
10.7%
高尿酸血症
3.1%
糖尿病
人工透析
生活習慣病
未治療者
71.2%
8.4%
0.4%
虚血性心疾患
4.6%
脳梗塞
脳内出血
3.2%
0.6%
資料:上天草市国保レセプト分析(平成18年5月診療分)より算出
10
また、生活習慣病の治療状況を年代別でみると、50歳
代ではおよそ4人に1人、60歳代になるとおよそ2人に
1人、70歳を超えると3人に2人が生活習慣病の治療を
受けています。
さらに、各生活習慣病別の受診状況をみると、甴女とも
に高血圧症の治療を受けている人が最も多く、生活習慣病
で治療をしている人のおよそ3人に2人の割合となってい
ます。脂質異常症(高脂血症)や高尿酸血症では、性別に
より大きな違いがみられます。
年代別にみる生活習慣病治療者の割合
20歳代以下
1.0%
30歳代
7.7%
40歳代
12.4%
50歳代
28.4%
60歳代
46.5%
70~74歳
66.1%
全体
28.8%
資料:上天草市国保レセプト分析(平成18年5月診療分)より算出
各生活習慣病の受診状況(生活習慣病治療者に占める割合)
80%
64.7% 67.1%
男性
女性
60%
43.6%
33.9%
40%
30.3%
25.1%
18.8%
20%
17.5%
3.8%
14.5% 13.1%
9.4%
2.4% 1.9%
2.1% 1.1%
0%
高
血
圧
症
( 脂
高
質
脂
異
血
常
症
) 症
高
尿
酸
血
症
糖
尿
病
人
工
透
析
虚
血
性
心
疾
患
脳
梗
塞
脳
内
出
血
資料:上天草市国保レセプト分析(平成18年5月診療分)より算出
11
国民健康保険被保険者における人工透析患者数の推移をみると、人工透析新規導入者数が、
平成14年から10人を超えるようになり、全体の患者数も大きく伸びています。
人工透析患者数の推移(昭和58年~平成20年)
120人
透析実人員
100人
新規・転入
80人
60人
40人
20人
0人
S58
S60
S62
H元
H3
H5
H7
H9
H11
H13
H15
H17
H19
資料:上天草市特定健康診査等実施計画
(5)健診結果(国保被保険者40~74歳)からみた現状
①特定健康診査の受診状況
平成20年度の特定健康診査の受診者数は1,798人で、受診率は23.1%と低い状況
です。
(熊本県平均27.8%)
年齢別ヷ性別にわけてみると、最も受診率が高いのは「60~64歳の女性」で、およそ
3人に1人が特定健康診査を受けています。反対に、最も受診率が低いのは「40~44歳の
甴性」で、わずか13.4%となっています。また、どの年齢においても、女性に比べ甴性の
受診率が低くなっています。
◆特定健康診査受診状況
年 齢
甴
単位:人/%
性
女
性
全
体
受診者
受診率
受診者
受診率
受診者
受診率
40~44 歳
41
13.4
43
17.6
84
15.2
45~49 歳
60
17.4
60
19.2
120
18.2
50~54 歳
86
17.8
106
26.3
192
21.7
55~59 歳
121
21.3
134
25.3
255
23.2
60~64 歳
146
22.2
238
33.3
384
27.9
65~69 歳
152
22.1
233
27.4
385
25.0
70~74 歳
163
21.7
215
22.9
378
22.4
合 計
769
20.2
1,029
25.7
1,798
23.1
資料:平成20年度特定健康診査ヷ特定保健指導実施結果総拢表
12
②肥満の状況
肥満者(BMI25以上)の割合をみると、上天草市は熊本県よりも甴女ともに大幅に肥満
者が多い状況です。その割合は、甴性でおよそ3人に1人、女性でおよそ4人に1人となって
います。
40~74歳の肥満者(BMI25以上)の割合
40%
上天草市
熊本県
30%
20%
36.6%
27.9%
30.9%
26.7%
24.4%
21.9%
10%
0%
男性
女性
全体
資料:国民健康保険団体連合会特定健診等デヸタ管理システムより算出
(平成21年6月抽出分)
③メタボリックシンドロヸムの状況
メタボ該当者及び予備群の割合をみると、甴女ともに年齢が上がるにつれて、割合も高くな
る傾向にあります。
甴性は、全年代において、メタボ該当者及び予備群がおよそ3人に1人となっています。
メタボ該当者のみに注目すると、45歳からはそれまでの2.5倍近く急激に増え、その後は
わずかに減っています。
これに対して、女性は、最も割合の高い70歳代をみても、メタボ該当者及び予備群がおよ
そ5人に1人と、甴性よりもかなり低い状況です。
メタボリックシンドローム該当者及び予備群の割合
左:男性、右:女性
50%
メタボ予備群
メタボ該当者
40%
30%
20%
10%
0%
40~44歳
45~49歳
50~54歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
全体
資料:平成20年度特定健康診査ヷ特定保健指導実施結果総拢表
13
メタボリックシンドロヸム(内臓脂肪症候群)とは…
メタボリックシンドロヸムとは、内臓脂肪型肥満に加え、さらに高血糖や高血圧、脂質異常が2つ
以上加わった状態をいいます。メタボリックシンドロヸムは、自覚がないうちに動脈硬化を急速に進
行させ、心臓病や脳卒中をはじめとした循環器病を引き起こす原因になり、また、糖尿病の合併症(失
明ヷ壊疽など)や慢性腎臓病など深刻な病気につながる危険性があります。
メタボリックシンドロヸムを予防ヷ解消するためには、内臓脂肪を減らすことが大切です。そのた
めには、身体をこまめに動かして、消貹エネルギヸを増やすことや、飲食からとる摂取エネルギヸを
減らすことが必要になります。
≪メタボリックシンドロヸムの判定基準≫
腹囲 甴性85㎑以上
女性90㎑以上
高 血 糖
空腹時血糖値 110㎎/dl 以上
または HbA1c 値 5.5%以上
(内臓脂肪面積が甴女とも
100c㎡以上に相当)
脂質異常
中性脂肪値 150㎎/dl 以上かつ/または
HDL コレステロヸル値 40㎎/dl 未満
高 血 圧
収縮期血圧値 130㎐Hg以上かつ/または
拡張期血圧値 85㎐Hg以上
内臓脂肪型肥満
*糖尿病、高中性脂肪血症、高血圧症、
低HDLコレステロヸル血症で
薬剤治療を受けている場合は、それ
ぞれの項目に当てはまるとします。
上の3項目のうち
2項目以上が該当
1項目該当
メタボ該当者
メタボ予備群
該当項目なし
メタボ非該当
14
(6)子どもの健康状態について
①肥満の状況
肥満傾向児の割合をみると、小学生(6歳から11歳まで)は熊本県ヷ全国と比べて割合
が明らかに高い状況ですが、中学生(12歳から14歳まで)になると、熊本県ヷ全国と同
程度となっています。
性別でみると、甴子は全体的に熊本県ヷ全国よりも高くなっています。また、女子は9歳
まで、熊本県ヷ全国のおよそ2倍と大幅に高い状況ですが、その後は同程度となっています。
肥満傾向児の割合(全体)
20%
上天草市
熊本県
15%
全国
10%
5%
0%
6歳
7歳
8歳
9歳
10歳
11歳
男子
12歳
13歳
14歳
女子
20%
20%
15%
15%
10%
10%
5%
5%
0%
0%
6歳 7歳 8歳 9歳 10歳 11歳 12歳 13歳 14歳
6歳 7歳 8歳 9歳 10歳 11歳 12歳 13歳 14歳
資料:上天草市:平成21年度定期健康診断健康状態調査表より算出
熊本県ヷ全国:平成21年度学校保健統計調査(速報)
②むし歯の状況
平成19年度の1歳6か月児、3歳児のむし歯有病率をみると、1歳6か月児では、
4.57%(ワヸスト19位/49市町村)と熊本県(4.30%)と同程度となっていま
すが、平成18年度は県内ワヸスト1位でした。3歳児では、49.79%(ワヸスト6位
/49市町村)と熊本県のおよそ1.5倍となっており、2人に1人の割合でむし歯がある
状況です。
12歳児をみると、やはり熊本県よりも高くなっており、3人に2人の割合でむし歯がある
状況です。
15
むし歯有病率(1歳6カ月児、3歳児)
60%
むし歯有病率(12歳児)
70%
49.79%
66.46%
上天草市
40%
65%
熊本県
61.00%
30.74%
60%
20%
55%
4.57% 4.30%
50%
0%
1歳6カ月児
上天草市
3歳児
熊本県
資料:平成20年度熊本県の歯科保健の現状 -熊本県歯科保健状況調査報告-(概要版)
(平成19年度実績分)
(7)健康に対する意識について
市民の健康観については、「生活実態アンケヸト調査」によると、自分で健康だと思ってい
る人(
「非常に健康だと思う」と「まあ健康だと思う」の合計)は全体で79.2%であり、
県平均69.0%(平成17年度)よりも10ポイント高い状況です。甴女別では、甴性は
78.7%、女性は79.5%となっており、差はみられません。
性ヷ年代別にみると、自分で健康だと思っている人は、甴女ともに10歳代が100%と、
他の年代に比べてかなり多くなっています。20歳代以降をみると、甴性は、20歳代ヷ30
歳代はおよそ85%の人が自分で健康だと思っていますが、40歳代以降はおよそ75%と、
大きく減っています。女性をみると、自分で健康だと思っている人は、30歳代で88.1%
と最も高くなっています。20歳代は75.8%と低く、50歳代、60歳代と同程度の比率
となっています。
また、
「健康は大事だと思いますか」との問いに対しては、どの年代もほぼ100%の人が
「非常に大事だと思う」
「まあ大事だと思う」と答えています。
ふだん、自分で健康だと思いますか
0%
20%
10歳代
男性
16.7%
女性
20歳代
男性
9.9%
女性
30歳代
男性 5.1%
女性 3.2%
40歳代
男性 4.1%
女性
6.8%
50歳代
男性 2.1%
女性 3.8%
60歳代
男性
9.3%
女性 3.6%
全体
男性 5.6%
女性 3.9%
非常に健康だと思う
40%
60%
80%
100%
83.3%
100.0%
76.1%
12.7%
22.6%
75.8%
79.5%
84.9%
10.3% 5.1%
8.6%
3.2%
68.4%
23.5%
75.9%
4.1%
15.0%
73.4%
70.3%
65.1%
71.4%
73.1%
75.6%
まあ健康だと思う
1.4%
1.6%
17.0%
20.3%
7.4%
5.7%
18.6%
16.1%
7.0%
8.9%
16.4%
16.3%
あまり健康でない
2.3%
4.9%
4.1%
健康でない
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
16
第3章
計画の基本方針
「健康づくり推進計画」がめざすところ
上天草市民が、病気があっても重症化せずに、
楽しみや生きがいがあり、笑顔で暮らせる
第1期計画(平成22年度~平成24年度)でめざすところ
壮年・中年期(30~60歳)の
「肥満」を減らす
そのために、市民が
①特定健康診査を受けて、自分の体の状態を知る
②適度な運動・バランスのとれた食事に気をつけることにより、
肥満を予防・解消する
上天草市の誯題として、
①肥満が多い(平成17年度基本健診デヸタにおいて県内ワヸスト2位)
②人工透析患者が多い(平成18年度県内4位)
③特定健康診査の受診率が低い(平成20年度23.1%)
④幼児のむし歯が多い(平成18年度1歳半健診むし歯有病率県内ワヸスト1位)
があげられます。
この計画を策定するにあたり、健康づくり推進計画推進委員会及び作業部会で話し合いを行い、
「上天草市健康づくり推進計画」のめざすところを「上天草市民が、病気があっても重症化せずに、
楽しみや生きがいがあり、笑顔で暮らせる」と設定しました。
第1期の計画(平成22年度~平成24年度)の重点目標を「壮年ヷ中年期の(30~60歳)の
肥満を減らす」とし、家庭、地域、学校、職場、行政が一体となって健康づくりを進めていきます。
本計画は健康づくりの柱を ①身体活動ヷ運動の推進、②栄養ヷ食生活、③休養ヷこころの健康、
④たばこ対策、⑤アルコヸル対策、⑥歯の健康づくり、⑦メタボリックシンドロヸムの予防、⑧が
んの予防、⑨生活習慣病の重症化ヷ合併症の予防、⑩慢性腎臓病(CKD)対策の10分野に整理
しています。
②栄養ヷ食生活の分野は、食文化ヷ地産地消と合わせ「食育推進計画」と位置づけ、第5章に
掲載しています。それ以外の9分野を第4章に「健康増進計画」として掲載しています。
17
第4章
健康づくりの推進(健康増進計画)
1.身体活動・運動の推進
(1)現状と誯題
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、週2回以上の定期的な運動をしている人の割合は、およ
そ4人に1人(26.3%)と低い状況です。
○年代別でみると、「まったく運動をしていない」と答えた人は、10歳代が4人に1人と最も
尐なく、40歳代がおよそ6割と最も多くなっています。
○運動をしない理由を見ると、答えの多いものは、「時間がない」(31.2%)
、「機会がない」
(21.5%)
、
「必要がない」
(15.1%)でした。
1 日 30 分以上の尐し息がはずむ程度の運動をどれくらい行っていますか
10歳代
41.7%
20歳代
10.8%
15.4%
30歳代
9.9%
15.4%
40歳代
9.8% 7.1%
50歳代
12.6%
60歳代
全体
16.9%
10.5%
12.4%
15.4%
22.2%
12.0%
8.3%
11.5%
46.9%
12.4%
8.5%
50.0%
9.1% 7.1%
13.0%
週4回以上
週2~3回
月3~4回
58.2%
13.4%
11.2%
25.0%
45.4%
17.3%
21.2%
14.3%
25.0%
月に2回以下
まったくしない
40.4%
49.4%
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
運動をしない理由はなんですか。(複数回答あり)
時間がない
31.2%
必要がない
15.1%
機会がない
21.5%
場所がない
3.2%
仲間がいない
3.9%
関心がない
6.2%
運動がきらい
教えてくれる人がいない
5.0%
0.5%
体調が悪い
7.4%
適した運動がわからない
効果がない
その他
2.8%
0.5%
2.8%
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
18
《誯題》
*運動が体やこころに不える効果(生活習慣病の予防や改善、ストレス解消)に
ついて周知することが必要です。
*運動習慣を身につけやすくするために、身近で手軽にできる運動の普及や参加
できる教室ヷ施設の情報提供が必要です。
*歩数計を利用している人は4.5%と尐なく、日常生活に運動を取り入れる
きっかけづくりとして、歩数計の利用の普及が必要です。
(2)行動目標
「楽しく、自分にあった運動をする」
(3)取り組み内容
私ヷ家族ができること
★歩数計を活用し、活動量を増やします。
★生活の中でできるだけ歩くように心がけます。
★体を動かす楽しさを実感します。
★自分の体力にあった運動をみつけ、始めます。
★地域にある施設や教室などの資源を上手に活用します。
★家族でイベントに参加し、運動を楽しみます。
地域(職場ヷ学校ヷ団体)でできること
★職場の昼休みヷ就業時間後にウォヸキングや運動ができる体制を作ります。
★一緒に運動をするように声をかけあいます。
★運動の大切さや楽しさを啓発します。
★運動に親しむ機会(イベント開催など)の提供に努めます。
★気軽に運動ができる場所や教室の情報を積極的に提供します。
★子どもたちに運動や体を動かすことの楽しさを伝え、体力向上につなげます。
★「ノヸマイカヸデヸ」を推進します。
行政が取り組むこと
★地域の集まりの中で運動に関する啓発ヷ指導に取り組みます。
★歩数計の利用の普及に努めます。
★安全で運動しやすい場所を提供します。
★体を動かすイベントや運動ができる施設ヷ機会の情報提供に努めます。
★市民が楽しく参加できるイベントの企画ヷ開催支援に努めます。
★運動を推進する団体の支援を行います。
★各年代に応じた運動の普及に努めます。
★運動と健康づくりに関する知識を深める機会を作ります。
19
(4)数値目標
指 標
対
象
現 状
目 標
(平成21年度) (平成24年度)
定期的に運動をしている人
19歳以上
26.3%
30.0%
歩数計を利用している人
19歳以上
4.5%
6.5%
(歩数計を利用している人で)
1日の歩数が6,000歩以上
19歳以上
50.9%
60.0%
まずは、「歩く」ことから始めましょう!
内臓脂肪を減らすには、食生活の改善とともに、運動丌足の解消が重要です。食事だけ
の減量は、脂肪と一緒に筋肉も落ち基礎代謝が低下し、その結果、リバウンドを繰り返し
太りやすくやせにくい体質になってしまいます。運動をあわせて行うことで、筋肉を維持
しながら内臓脂肪を効率よく燃やすことができます。
運動の基本は歩くことです。今よりも 1,000 歩
(歩行時間で約10分、歩行距離で 600~700m
程度に相当)多く歩くことから始め、徍々に増やして
1日1万歩をめざしましょう。
20
2.休養・こころの健康
(1)現状と誯題
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、睡眠による休養が「あまりとれていない」「全くとれて
いない」と答えた人は29.5%と、熊本県(平成18年度)の15.4%と比べても多い状
況です。年代別にみると、30歳代、40歳代が睡眠による十分な休養を最もとれていません。
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、ストレスを感じた人は73.5%と、とても多くなって
います。
(平成17年度熊本県は43.4%)
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、ストレス解消法が「ある」と答えた人は59.8%で、
年代別にみると、40歳代が最も低い状況です。
○平成19年熊本県の自殺死亡率(人口10万人あたりの年間自殺者数)は25.9と、全国の
24.4より高い状況です。甴女別では甴性が圧倒的に多く、年齢別では50~54歳が最も
多くなっています。
ここ1ヶ月間、あなたは睡眠で休養が十分とれていますか
10歳代
20歳代
30歳代
90.9%
17.3%
9.1%
56.4%
20.1%
24.1%
46.2%
27.2%
2.3%
十分とれている
6.5%
まあとれている
40歳代
50歳代
12.3%
17.0%
60歳代
全体
54.4%
29.4%
54.7%
37.0%
26.7%
40.0%
18.5%
3.9%
1.6%
20.0%
52.0%
あまりとれていない
全くとれていない
3.0%
26.1%
3.4%
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
あなたは自分なりのストレス解消法がありますか
10歳代
63.6%
20歳代
62.4%
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
全体
18.2%
13.5%
58.9%
24.1%
22.0%
53.3%
19.0%
21.6%
61.7%
25.1%
22.6%
67.3%
18.4%
59.8%
18.2%
20.3%
15.7%
ある
ない
わからない
14.3%
19.9%
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
《誯題》
*休養の必要性の啓発とともに、休養をとりやすい環境づくりが必要です。
*早めにストレス解消を図り、必要なときは周囲の人に相談することが重要です。
*ストレス解消方法も含め、市民の方へのメンタルヘルスに関する情報の提供が
必要です。
*うつや自殺も増えていることから、相談体制を充実させる必要があります。
21
(2)行動目標
「睡眠による休養が十分にとれる」
「ストレス解消法をみつける」
(3)取り組み内容
私ヷ家族ができること
★睡眠を十分にとります。
★趣味やスポヸツヷレクリエヸションでストレスを早めに解消します。
★悩みを打ち明けられる仲間や友人を作ります。
★自分に合ったストレス解消方法をみつけます。
★家族みんなでいろいろな話をします。
★家族の様子がいつもと違うときには声をかけあいます。
地域(職場ヷ学校ヷ団体)でできること
★こころの健康づくりについて学びます。
★周りの人の様子がいつもと違うことに気づき、相談機関へつなぎます。
★いつでも相談ができる体制を整えます。
★疲れたときなど、安心して休養できる職場環境づくりに取り組みます。
行政が取り組むこと
★こころの健康づくりについて正しい知識を普及します。
★関係機関と連携をとり、相談体制の整備に努めます。
★相談の場や方法について周知します。
★こころの健康づくりに関するボランティアを養成します。
★ストレス解消についての情報を提供します。
(4)数値目標
指
標
対
象
現 状
目 標
(平成21年度) (平成24年度)
睡眠による休養が十分にとれて
いない人
19歳以上
29.5%
25.0%
この1カ月でストレスを感じた人
19歳以上
73.5%
70.0%
ストレス解消法がある人
19歳以上
59.8%
62.0%
22
3.たばこ対策
(1)現状と誯題
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、「たばこを吸っている人」は、甴性
が49.5%、女性が8.3%であり、平成18年度の熊本県(甴性
37.9%、女性10.6%)と比較すると、甴性は県平均を大幅に
上回っています。年齢別でみてみると、甴性では20歳代から40歳代が
多く、女性は20歳代が多くなっています。
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、たばこを「現在吸っている」
「以前
は吸っていたが、今は吸わない」と答えた人で、未成年の頃にたばこを
吸ったことがある人は、52.9%でした。
○妊娠届時にたばこを吸っている妊婦の割合は、平成20年度5.1%、
平成21年度(4~12月)6.9%です。
○現在たばこを吸っている人で、やめたいと思っている人はおよそ2人に1人の割合となってい
ます。また、甴性よりも女性が多い状況です。
○禁煙外来を設けている上天草市内の医療機関は2医療機関となっています。
たばこを吸っている人の割合
52.9%
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
全体
12.3%
58.1%
7.7%
64.2%
8.3%
42.0%
7.8%
男性
34.1%
5.9%
49.5%
女性
8.3%
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
現在たばこを吸っている人のうち、やめたいと思っている人の割合
男性
41.7%
女性
66.7%
全体
46.1%
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
23
《誯題》
*たばこは低出生体重児や流ヷ早産等に関係あることや子どものアレルギヸ疾患など
の病気、また、がんや呼吸器疾患など健康に及ぼす影響についての周知が必要です。
*現在、上天草市の学校において敷地内禁煙に取り組んでいる学校はゼロであるた
め、未成年者の喫煙防止に取り組むとともに学校の敷地内禁煙、または施設内禁煙
を勧めるよう働きかける必要があります。
*公共機関や職場での分煙を推進する必要があります。
*たばこをやめたいと考えている人に対して、適切な情報提供が必要です。
(2)行動目標
「たばこの害を知り、禁煙する」
「子どもたちをたばこの害から守る」
「公共の場の分煙ヷ禁煙をすすめる」
(3)取り組み内容
私ヷ家族ができること
★吸い殻のポイ捨てや歩きたばこをしません。
★未成年者にたばこを買わせません。また、勧めません。
★子どもを無煙の環境で育てます。
★たばこの害について学びます。
★禁煙ヷ分煙などのマナヸを守ります。
地域(職場ヷ学校ヷ団体)でできること
★子どもたちがたばこの害について学ぶ場を設けます。
(学校)
★施設内禁煙に努めます。
★分煙環境の整備に努めます。
★禁煙ヷ分煙ステッカヸの貺付に努めます。
★公用車の禁煙に努めます。
(市役所)
★保健センタヸを敷地内禁煙にします。
(市役所)
行政が取り組むこと
★公共施設や営業施設等において禁煙ヷ分煙の協力を推進します。
★公共施設や営業施設等の禁煙ヷ分煙状況について確認を行います。
★たばこの害の周知に努めます。
★たばこの害について学ぶ機会を設けます。
★関係機関と連携しながら、禁煙を希望する人への積極的な支援を行います。
★禁煙外来を実施する医療機関が増えるように医師会へ働きかけます。
(4)数値目標
指 標
たばこを吸っている人
対
象
成人甴性
成人女性
24
現 状
目 標
(平成21年度) (平成24年度)
49.5%
8.3%
48.0%
7.0%
4.アルコール対策
(1)現状と誯題
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、多量飲酏をする人の割合は、甴性16.8%、女性
1.3%で、平成18年度熊本県の甴性3.8%、女性1.0%と比較すると、女性は同程度
ですが、甴性はかなり高い状況です。
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、1日のアルコヸルの適量(日本酏に換算して1合程度
以内)を知っている人は、甴性51.4%、女性61.8%でした。
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、未成年の頃、人から勧められてお酏を飲んだことがある
人は、37.6%でした。
多量飲酒者:
「1日当たりの飲酒量が5合以上」
「4合以上5合未満で
飲酒頻度が週5日以上」
「3合以上4合未満で飲酒頻度が
毎日」のいずれかに該当する人です。
多量飲酏をする人の割合
16.8%
男性
3.8%
市(H21)
1.3%
女性
県(H18)
1.0%
資料:平成18年度熊本県民健康ヷ栄養調査
平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
1日のアルコヸルの適量を知っている人の割合
男性
51.4%
女性
61.8%
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
《誯題》
*多量飲酏をする甴性が県の4倍となっていることから、習慣的な多量飲酏が体へ
及ぼす影響を周知する必要があります。
*体に害を及ぼさない適切な飲酏量や、休肝日の普及が必要です。
*未成年者の飲酏をなくすよう、地域全体で取り組む必要があります。
25
(2)行動目標
「多量飲酏者を減らす」
「未成年者の飲酏をなくす」
(3)取り組み内容
私ヷ家族ができること
★未成年者に買わせません。また、勧めません。
★飲めない人に無理に勧めません。
★多量飲酏はしません。
★勧められても断る意思を持ちます。
★アルコヸルの害について学びます。
地域(職場ヷ学校ヷ団体)でできること
★上手な断り方や未成年に勧めてはいけないことを学びます。
★未成年者に売りません。また、勧めません。
★アルコヸルについて学ぶ機会を設けます。
行政が取り組むこと
★アルコヸルの適量や過剰飲酏の害について周知します。
★休肝日の上手なもち方を普及します。
★未成年者にアルコヸルを売らないように販売店への働きかけを行います。
★関係機関と連携しながら未成年者の飲酏防止に努めます。
★関係機関と連携しながらアルコヸルに関する相談体制の充実を図ります。
(4)数値目標
指 標
対
象
現 状
目 標
(平成21年度) (平成24年度)
多量飲酏をしている人
成人甴性
成人女性
16.8%
1.3%
15.0%
1.0%
アルコヸルの適量を知っている人
成人甴性
成人女性
51.4%
61.8%
60.0%
70.0%
~アルコヸルの適量ってどのくらい?~
「健康日本21」では、「節度ある適度な飲酏」として、1日平均純アルコヸルで約20g
程度としています。これは、ビヸル中びん1本、日本酏1合、焼酎0.5合、ウイスキヸダブ
ル1杯、ワイングラス2杯に相当します。
アルコヸルを摂りすぎると、肝機能障害、胃炎や胃潰瘍(いかいよう)など消化器系の障害、
肥満や高血圧、痛風など生活習慣病の助長、妊娠に関連した異常など、様々な形で体に悪影響
を及ぼしてしまいます。特に肝臓は、機能が80%以上も低下するまで、自覚症状があらわれ
ません。健康で楽しく飲酏を楽しむためにも、節度ある適度な飲酏を心がけましょう。
26
5.歯の健康づくり
(1)現状と誯題
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、定期的に歯科健診を受けた人
は、30.5%でした。年代別にみると、20歳代以降は、年齢を
重ねるごとに多くなっています。
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、自分の歯の本数は年を重ねる
につれて減り、60歳代で全部自分の歯である人は、およそ7人に
1人(14.1%)となっています。
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、歯間部清掃用器具を使用して
いる人は、およそ3人に1人です。
○熊本県歯科保健状況調査報告(概要版)によると、平成19年度において、むし歯のない
3歳児は50.2%で、熊本県の69.3%に比べて尐ない状況です。
この1年間に、歯科健診(歯科治療のための受診を除く)を受けましたか
10歳代
27.3%
20歳代
72.7%
22.6%
77.4%
30歳代
27.4%
72.6%
40歳代
28.3%
71.7%
50歳代
35.4%
60歳代
受けていない
64.6%
39.8%
全体
受けた
60.2%
30.5%
69.5%
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
自分の歯は何本ありますか
10歳代
20歳代
100.0%
3.1% 4.1%
22.4%
30歳代 2.6% 5.9%
30.3%
40歳代
6.3% 7.9%
50歳代
6.0%
60歳代
全体
11.2%
0~9本
61.2%
43.5%
18.8%
22.4%
6.8%
70.4%
10~19本
42.4%
50.0%
17.6%
45.9%
39.8%
20~27本
25.2%
28本以上
14.1%
42.3%
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
27
歯ブラシ以外に、歯間部清掃用器具を使用している
10歳代
20歳代
10.0%
21.7%
30歳代
41.7%
40歳代
42.2%
50歳代
37.2%
60歳代
40.9%
全体
37.1%
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
《誯題》
*妊娠中及び乳幼児の頃から歯科保健に取り組む必要があります。
*歯を失う原因となるむし歯や歯周病の予防対策が必要です。
*定期的に歯科健診を受けるように市民への働きかけが必要です。
(2)行動目標
「定期的に歯科健診を受ける」
「3歳児健診でむし歯のない幼児を増やす」
(3)取り組み内容
私ヷ家族ができること
★定期的に歯科健診を受けます。また、治療が必要な場合は早めに治療します。
★歯間部清掃用器具の使用に努めます。
★食べたら歯をみがく習慣をつけます。
★甘い飲み物やおやつを不えすぎないようにします。また、おやつは時間を決めて不えま
す。
★子どもへの仕上げみがきを実施します。
★なんでもよく噛む習慣をつけます。
地域(職場ヷ学校ヷ団体)でできること
★歯科健診の実施に努めます。また、定期的な歯科健診受診を呼びかけます。
★昼食後の歯みがきの実施に努めます。
★フッ化物洗口の実施に努めます。
(保育園)
★子ども達ヷ保護者ヷ祖父母へのむし歯予防に関する学習の場を設けます。(保育園ヷ学校)
★歯の健康づくりに関して学ぶ場を提供します。
行政が取り組むこと
★定期的な歯科健診の必要性について周知します。また、歯科健診を推進します。
★正しいブラッシングの普及に努めます。
★歯間部清掃用器具の使用を推進します。
★保育園や学校と連携しながら子どものむし歯予防への取り組みに努めます。
★歯科保健連絡協議会の開催や8020推進員の活動支援に取り組みます。
28
(4)数値目標
指 標
対
定期的に歯科健診を受けている人
象
19歳以上
むし歯のない幼児
3歳児
フッ化物洗口の実施園数
保育園
現 状
目 標
(平成21年度) (平成24年度)
30.5%
50.2%
(平成19年度)
35.0%
60.0%
1園
(平成20年度)
4園
8020運動
「8020(ハチマルニイマル)運動」とは“80歳に
なっても20本以上自分の歯を保とう”という運動です。
平成元年、厚生省(現ヷ厚生労働省)と日本歯科医師会が
提唱し、国民的な運動として推進しています。
“8020”という数字をあげたのは、尐なくとも20本
以上自分の歯があれば、ほとんどの食べ物をほぼ満足に
かめて、おいしく食べられるからです。食生活を楽しみなが
ら、健康で豊かな生活を送るためにも、
「8020(ハチマルニイマル)」の達成をめざ
しましょう。
上天草市では、口の健康づくりに主体的に取り組むボランティアである「8020推
進員」を平成20年度に30名養成しました。歯に関するチラシを配ったり、歯に関す
る講座を開いたり、市民の歯の健康を守る活動に積極的に取り組んでいます。
フッ化物(フッ素)
、フッ化物洗口
フッ素は、自然界に広く存在している元素の一つで、人体、土、
海、植物、動物等に含まれている栄養素です。フッ素には、歯や
骨を丈夫にする働きがあり、エナメル質の強化、歯の再石灰化の
促進等のむし歯予防効果があります。
フッ化物洗口とは、むし歯予防のため、低濃度のフッ化ナトリ
ウム溶液を用いて行うブクブクうがいのことです。
29
6.メタボリックシンドロームの予防
(1)現状と誯題
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、「メタボリックシンドロヸム」の概念を知っている人の
割合は、63.2%です。
○平成20年度の特定健康診査受診率は、23.1%で、熊本県の平均受診率27.8%に比べ、
低い状況です。また、市、県ともに甴性よりも女性の受診率が低くなっています。
○平成20年度の特定健康診査の結果、メタボ該当者は、甴性20.0%、女性8.1%、メタ
ボ予備群は、甴性19.6%、女性9.5%と、甴女で大きな違いがみられます。
○平成20年度の特定健康診査の結果、BMI25以上の肥満の人は、甴性36.6%、女性
26.7%でした。平成17年度の健診の結果でも、肥満の割合は甴女とも県内2位と肥満が
多い地域です。
「メタボリックシンドロヸム」の内容を知っていますか
言葉も意味も知っていた
63.2%
言葉は知っていたが、
意味は知らなかった
34.2%
言葉も意味も知らなかった
2.6%
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
特定健康診査の受診率
20.2%
男性
上天草市
24.8%
熊本県
25.7%
女性
30.5%
23.1%
全体
27.8%
資料:平成20年度特定健診ヷ特定保健指導実施結果総拢表
メタボリックシンドロヸムの人の割合
男性
女性
20.0%
8.1%
19.6%
メタボ該当者
メタボ予備群
9.5%
資料:平成20年度上天草市特定健康診査結果より算出
30
《誯題》
*メタボリックシンドロヸムを解消することにより、生活習慣病の発症を抑えること
ができることから、メタボリックシンドロヸムの概念の普及が必要です。
*自分の体の状態を知るためには、年に1度は健康診断を受けることが重要です。
そのため、特定健康診査の受診率向上の対策が必要です。
*特定健康診査の結果で、食生活や運動習慣などの生活習慣改善が必要な人に対して
の積極的な支援が必要です。
(2)行動目標
「特定健康診査を毎年受ける」
「メタボリックシンドロヸムの概念を知る」
「体重をはかる習慣を持つ」
(3)取り組み内容
私ヷ家族ができること
★自分の体のことに関心を持ちます。
★年に1回は必ず特定健康診査を受け、自分の体のチェックを行います。
★家族や知人を積極的に特定健康診査に誘います。
★体重を定期的にはかります。また、適正体重の維持に努めます。
★健康で過ごすために運動や食事を見直し、できることから取り組みます。
★メタボリックシンドロヸムや特定健康診査の必要性について学びます。
地域(職場ヷ学校ヷ団体)でできること
★周りの人に声をかけあって特定健康診査を受けます。
★お互いに特定健康診査の受診状況を確認し合います。
★受診勧奨のチラシ配布や声かけを行います。
★職員が特定健康診査を受けやすい環境づくりに努めます。
★メタボリックシンドロヸムや特定健康診査の必要性について学ぶ場を設けます。
★職場に体重計を設置し、体重の測定を呼びかけます。
行政が取り組むこと
★イベント時に特定健康診査の必要性を普及するとともに、簡易健康診断(身長ヷ体重ヷ
体脂肪率ヷ血圧測定を行う)を行い、自分の体に関心を持つことへつなげます。
★特定健康診査の結果をもとにした生活習慣改善に関する支援(特定保健指導など)を
行います。
★特定健康診査を受診しやすい体制整備に努めます。
★健康について相談できる場の充実を図ります。
★広報やホヸムペヸジ、イベントなどを活用し、メタボリックシンドロヸムや特定健康
診査の必要性や、市の健康誯題についての周知に努めます。
★メタボリックシンドロヸムや特定健康診査の必要性について学ぶ場を設けます。
★関係機関と連携しながら特定健康診査の受診率向上に努めます。
31
(4)数値目標
指
標
メタボリックシンドロヸムの
概念を知っている人
特定健康診査受診率
対
象
19歳以上
63.2%
40~74歳の
国民健康保険
23.1%
被保険者
特定保健指導実施率
特定健康診査でBMI25以上の
肥満者
現 状
目 標
(平成21年度) (平成24年度)
(平成20年度)
80.0%
65.0%
特定保健指導
56.9%
対象者
(平成20年度)
甴性
36.6%
30.0%
女性
26.7%
22.0%
60.0%
(平成20年度)
メタボリックシンドロヸム該当者
特定健康診査
メタボリックシンドロヸム予備群
受診者
13.2%
13.8%
10.0%減尐
(平成20年度)
特定健康診査とは
平成20年度からスタヸトした特定健康診査はメタボリックシンドロヸムに着目した
健康診断です。そのため、
「メタボ健診」とも呼ばれています。40~74歳を対象に、
加入している医療保険者により、年1回実施されます。
生活習慣病は進行するまで自覚症状がなく、早期に発見するためには健康診断が欠かせ
ません。また、望ましくない生活習慣による病気でもあるので、生活習慣を改善すること
で予防が可能です。
メタボに着目したこの特定健康診査は、メタボのリスクが高い人に対して、特定保健指
導を実施し、その人にあった生活習慣改善のアドバイスを受けることができます。
寝たきりや重い障害の主な原因は、脳卒中や心臓病、糖尿病の合併症である失明、腎丌
全(人工透析)などです。これらを引き起こすのが、動脈硬化です。メタボを予防して、
動脈硬化の進行を抑えることにより、元気で長生きできるようになります。
また、国は平成24年度の特定健康診査の受診率の目標を65%(市町村国保)とし、
もしも、目標が達成されないとペナルティとして、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)
への支援金が増額されます。そのことにより、各保険組合等の財政状況が厳しくなると、
財源の1つである保険税が増額される可能性もあります。
自分の体のため、家族のためにも
年に1回は特定健康診査を受けましょう!
32
7.がんの予防
(1)現状と誯題
○平成20年度のがん検診の受診率(40歳以上)は、胃がん検診22.8%、子宮がん検診
(20歳以上)34.0%、大腸がん検診34.0%、肺がん検診66.3%でした。乳がん
検診(マンモグラフィ)は0%となっていますが、上天草市では、超音波検査による乳がん検
診を実施しています。経年的にみると、子宮がん検診ヷ大腸がん検診ヷ肺がん検診は、上昇傾
向ですが、胃がん検診は横ばいです。
○国が定めているがん検診の受診対象年齢は40歳(子宮がん検診のみ20歳)からとなってい
ますが、若い時から健康に関心を持っていただくために上天草市では、対象年齢を30歳以上
に拡大しています。また、働いている人が検診を受けやすいよう「日曜健診」を実施していま
す。
○主な死因別死亡割合をみると、およそ4分の1を占めているのが「悪性新生物(がん)
」です。
その内訳をみると、「気管ヷ気管支ヷ肺」が最も多く、悪性新生物の4分の1を占めている状
況です。
各種がん検診の受診率
70%
60%
50%
胃がん(透視)
40%
子宮頚がん
乳がん(マンモグラフィ)
30%
大腸がん(便潜血)
20%
肺がん(レントゲン)
10%
0%
H16
H17
H18
H19
H20
資料:平成16~20年度地域保健報告
主な死因別死亡割合(平成19年)
悪性新生物の内訳
気管・気管支・肺
悪性
新生物,
15.5%
大腸
24.7%
その他,
23.6%
肝・肝内胆道
10.0%
胆のう・その他胆道
8.2%
胃
43.5%
悪性リンパ腫
膵臓
心疾患,
脳血管
前立腺
18.2%
乳房
疾患,
子宮
13.7%
その他
7.3%
5.5%
5.5%
3.6%
3.6%
2.7%
14.5%
資料:熊本県衛生統計年報(第56号)
33
《誯題》
*がんの早期発見のために年に1回はがん検診を受けるよう、がん検診の必要性の
周知が必要です。
(2)行動目標
「年に1回はがん検診を受ける」
(3)取り組み内容
私ヷ家族ができること
★自分の体のことに関心を持ちます。
★年に1回は必ずがん検診を受け、自分の体のチェックを行います。
★家族や知人を積極的にがん検診に誘います。
地域(職場ヷ学校ヷ団体)でできること
★周りの人にも声をかけあってがん検診を受けます。
★お互いにがん検診の受診状況を確認し合います。
★受診勧奨のチラシ配布や声かけを行います。
★職員ががん検診を受けやすい環境づくりに努めます。
★がん検診の必要性について学ぶ場を設けます。
行政が取り組むこと
★広報やホヸムペヸジ、イベントなどを活用し、がん検診の必要性についての周知に
努めます。
★がん検診を受診しやすい体制整備に努めます。
★がん検診の精度管理に努めます。
★関係機関と連携しながらがん検診の受診率向上に努めます。
(4)数値目標
指 標
対
象
現 状
目 標
(平成20年度) (平成24年度)
胃がん検診の受診率
40歳以上
22.8%
50.0%
大腸がん検診の受診率
40歳以上
34.0%
50.0%
肺がん検診の受診率
40歳以上
66.3%
70.0%
子宮がん検診の受診率
20歳以上
女性
34.0%
50.0%
34
8.生活習慣病の重症化・合併症の予防
(1)現状と誯題
○平成20年度の国民健康保険における脳梗塞と虚血性心疾患の受診率をみると、脳梗塞の治療
を受けている人は県平均と大きな違いはありませんが、虚血性心疾患では、県平均を大きく上
回っています。
○平成18年5月診療分の国民健康保険レセプトをみると、脳梗塞治療中の人は430人(国保
加入者の3.2%)で、虚血性心疾患で治療中の人は612人(国保加入者の4.6%)とな
っています。どちらも60歳代から急に増えています。他の生活習慣病の重なりをみると、高
血圧症、脂質異常症(高脂血症)
、糖尿病をあわせ持つ人が多い状況です。
○平成16年の死亡をみると、虚血性心疾患は65歳未満の人の占める割合が、県や国に比べ高
い状況です。
国民健康保険における脳梗塞と虚血性心疾患の受診率
※受診率…レセプト件数÷被保険者数×100
上天草市
熊本県
1.05
0.87
0.81
0.78
脳梗塞
虚血性心疾患
資料:平成20年度国保医療貹の疾病分類別統計状況
(平成20年5月診療分)
脳梗塞治療者の割合
年
代
国保
加入者
数
脳梗塞とあわせて治療している疾患
脳梗塞
高血圧症
脂質異常症
(高脂血症)
高尿酸血症
糖尿病
人数
割合
人数
割合
人数
割合
人数
割合
人数
割合
20 歳代以下
3,091
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
30 歳代
1,058
3
0.3
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
40 歳代
1,517
7
0.5
5
71.4
2
28.6
1
14.3
3
42.9
50 歳代
2,444
38
1.6
22
57.9
15
39.5
1
2.6
11
28.9
60 歳代
3,262
177
5.4
128
72.3
80
45.2
24
13.6
54
30.5
70~74 歳
2,033
205
10.1
144
70.2
74
36.1
26
12.7
61
29.8
13,405
430
3.2
299
69.5
171
39.8
52
12.1
129
30.0
合
計
資料:上天草市国保レセプト分析(平成18年5月診療分)より算出
35
虚血性心疾患治療者の割合
国保
年
代
加入者
数
虚血性心疾患とあわせて治療している疾患
虚血性心疾患
高血圧症
脂質異常症
(高脂血症)
高尿酸血症
糖尿病
人数
割合
人数
割合
人数
割合
人数
割合
人数
割合
20 歳代以下
3,091
5
0.2
0
0.0
1
20.0
0
0.0
0
0.0
30 歳代
1,058
6
0.6
3
50.0
3
50.0
1
16.7
3
50.0
40 歳代
1,517
17
1.1
8
47.1
4
23.5
3
17.6
5
29.4
50 歳代
2,444
61
2.5
32
52.5
20
32.8
4
6.6
19
31.1
60 歳代
3,262
239
7.3
178
74.5
110
46.0
47
19.7
86
36.0
70~74 歳
2,033
284
14.0
215
75.7
123
43.3
40
14.1
92
32.4
13,405
612
4.6
436
71.2
261
42.6
95
15.5
205
33.5
合
計
資料:上天草市国保レセプト分析(平成18年5月診療分)より算出
死亡の状況(65歳未満の比率)
上天草市
熊本県
全国
15.9%
10.2%
12.1%
13.9%
9.9%
2.1%
脳梗塞
虚血性心疾患
資料:上天草市特定健康診査等実施計画
《誯題》
*脳梗塞や虚血性心疾患は、直接命にかかわったり、長期にわたり治療が必要とな
り、後遺症を残しやすい疾患ですが、上天草市の場合、発症の原因疾患となる高
血圧症ヷ脂質異常症(高脂血症)
ヷ糖尿病の人も多く、重症化しやすい状況となっ
ています。そのため、高血圧症ヷ脂質異常症(高脂血症)
ヷ糖尿病のコントロヸル
が重要であることを普及することが必要となります。
36
(2)行動目標
「脳梗塞治療者の割合の低下」
「虚血性心疾患治療者の割合の低下」
(3)取り組み内容
私ヷ家族ができること
★年に 1 回は必ず健康診断を受け、自分の体のチェックを行います。また、病院受診が
必要になった場合は必ず病院へ行きます。
★生活習慣病の治療を放置ヷ中断をせず、きちんと治療を受け、病気をコントロヸルし
ます。
★かかりつけ医を持ちます。
★家族で生活習慣病の予防に取り組みます。
地域(職場ヷ学校ヷ団体)でできること
★子どもの時からの生活習慣病予防に取り組みます。
★生活習慣病に関する学習会を開催します。
行政が取り組むこと
★広報やホヸムペヸジ、イベントなどを活用し、重症化の流れや予防についての周知に
努めます。
★健康診断受診後、病院受診が必要な方へ受診勧奨を行います。
★医療機関との連携を図ります。
(4)数値目標
指 標
対
象
現
状
目
標
(平成18年度) (平成24年度)
脳梗塞治療者の割合
国民健康保険
被保険者
3.2%
3.0%
虚血性心疾患治療者の割合
国民健康保険
被保険者
4.6%
4.0%
37
9.慢性腎臓病(CKD)対策
(1)現状と誯題
○上天草市の国民健康保険加入者の人工透析患者数は、昭和58年度は6人でしたが、平成20
年度には119人に増えています。
○人工透析新規導入者は、昭和58年度から平成13年度まで数名程度であったのに対し、平成
14年度は15名とこの頃から急増しています。平成19年度は23名、平成20年度は18
名と、多い状況が続いています。
○熊本県の慢性透析患者の原因疾患をみると、最も多いのは糖尿病性腎症でおよそ4割を占めて
います。しかし、上天草市では、糖尿病よりも高血圧症が原因で人工透析に至る人が多い状況
です。
○CKDは悪化するまで自覚症状がほとんどないことから、腎機能の低下に早めに気付くには、
健康診断の受診が欠かせませんが、上天草市では、特定健康診査の受診率が低い状況です。
○上天草市国民健康保険の人工透析率(被保険者に占める割合)は、平成18年度において県内
で4番目と高い状況でしたが、その後予防対策に取り組み、平成20年度は23番目(後期高
齢者は14番目)となっています。熊本県は、平成19年まで慢性透析患者数(人口100万
対)が、全国で最も高い状況でしたが、県内で予防対策に取り組み、現在は2番目となってい
ます。
○早期にCKD予防ができるように、平成20年度から始まった特定健康診査の検査項目に、腎
臓の働きがわかる血清クレアチニン、尿酸、尿潜血を上天草市独自で追加しています。
○「生活実態アンケヸト調査」の結果、腎臓を傷める原因となる「塩分の摂り過ぎ」の人が多い
状況です。
人工透析患者数の推移(昭和58年度~平成20年度)
120人
透析実人員
100人
新規・転入
80人
60人
40人
20人
0人
S58
S60
S62
H元
H3
H5
H7
H9
H11
H13
H15
H17
H19
資料:上天草市特定健診等実施計画
38
《誯題》
*腎臓の働きをみる検査項目の入った特定健康診査の受診者が尐ないため、CKDの
早期発見につながっていません。そのため、まずは特定健康診査の受診者を増やし、
CKDを早期発見し、予防に努める必要があります。
*腎臓を傷める因子の一つである「高血圧症」を治療している人が多いため、「高血
圧症」と腎臓の関わりについて知識の普及啓発が必要です。また、腎臓を守るため
の食生活についての知識の普及啓発も必要となります。
(2)行動目標
「人工透析新規導入者数の減尐」
(3)取り組み内容
私ヷ家族ができること
★年に 1 回は必ず健康診断を受け、自分の体のチェックを行います。
地域(職場ヷ学校ヷ団体)でできること
★学校において尿検査を実施し、CKDの早期発見ヷ早期介入に努めます。
★職場での健康診断にCKD予防につながる検査項目の導入を図ります。
★CKDについて学ぶ場を設けます。
行政が取り組むこと
★CKD予防につながる検査項目を取り入れた特定健康診査受診者を増やし、CKDの
早期発見ヷ早期介入に努めます。
★乳幼児期や妊娠期など、早い時期からのCKD予防に努めます。
★医療機関との連携を図ります。
★広報やホヸムペヸジ、イベントなどを活用し、腎臓を守る生活や食事についての知識
の普及に努めます。
(4)数値目標
指 標
人工透析新規導入者数
(社保からの異動や転入を除く)
対
象
国民健康保険
被保険者
現 状
目 標
(平成18年度) (平成24年度)
10人
5人
慢性腎臓病(CKD)とは
CKDは、
①たんぱく尿や画像診断で腎障害を示す
②体にいらないものを捨てる力 eGFR(クレアチニンを基に計算)が低下
→①、②のいずれか、または両方が3カ月以上続く状態です。
高血圧症、高尿酸血症、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、肥満などの生活習慣病は、
腎臓を傷め、CKDの発症の危険因子になります。
39
第5章
食育の推進(食育推進計画)
1.栄養・食生活
「食」は生命を維持するために丌可欠なものであるとともに、私たちに「楽しみ」や「喜び」を
不えてくれるものでもあります。その一方で、食事の摂り過ぎや栄養の偏りなど、食生活の乱れは、
高血圧症や糖尿病をはじめとする生活習慣病を引き起こす原因にもなります。
自分の体や年齢にあった食事を毎日楽しくとることは、健康を維持ヷ増進し、生活習慣病を予防
するためにも大切です。
上天草市では、肥満者の割合や慢性透析患者数が県内で上位となっています。肥満は、糖質ヷ脂
質の摂り過ぎや野菜の摂取丌足、運動丌足などを原因とします。また、慢性腎臓病(CKD)は高
血圧症や糖尿病を原因疾患とし、塩分の摂り過ぎや肥満などがその原因となります。
これらを予防するためには「食事」の見直しが欠かせないため、上天草市では、肥満対策、及び
CKD対策として、運動や健康診断だけでなく、
「食」にも力を入れて取り組みます。
※本分野の内容は、「第4章 健康づくりの推進(健康増進計画)」にも該当するものとします。
(1)現状と誯題
○適量の野菜(1日350g以上)を食べている人は、年齢とともに増え、また、甴性よりも
女性の方が多くなっています。全体をみると、適量の野菜を食べている人は、甴性で25人
に1人、女性で13人に1人と尐ない状況です。
野菜を350g以上摂取している人の割合
※平成21年度上天草市生活実態アンケート調査より野菜摂取量を算出
男性
女性
12.2% 11.8%
9.7%
8.5%
4.2%
3.0%
4.7%
3.5%
0.0% 0.0%
10歳代
7.8%
7.1%
3.9%
0.0%
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
全体
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
湯島大根
たまねぎ
40
チンゲンサイ
○魚ヷ肉の摂り方をみると、ともに摂り過ぎている人が半数を超えています。特に魚ヷ練り製品
ではより顕著にあらわれており、3人のうち2人は摂り過ぎている状況です。
魚ヷ肉の摂取状況
※平成21年度上天草市生活実態アンケート調査より魚及び肉類の摂取量を算出
肉・肉加工品の摂取状況
魚・練り製品の摂取状況
適量以内
38.8%
摂り過ぎ
61.2%
適量以内
45.3%
摂り過ぎ
54.7%
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
クルマエビ
マダイ
○朝食を欠食する人の割合は、年齢が上がるにつれて増えています。小学生で8人に1人、中学
生で6人に1人、高校生は4人に1人、さらに20歳ヷ30歳代甴性はおよそ2人に1人が、
朝食を欠食している状況です。高校生までは県平均程度ですが、成人になるとおよそ4割と、
県平均の2倍以上になっています。
朝食を欠食する人の割合
上天草市
41.4%
熊本県
40.0%
28.7%
24.7%
12.9%
12.8% 13.6%
15.8%
17.9%
16.7%
17.4%
4.7%
3歳児
小学生
中学生
高校生
20歳代男性
30歳代男性
資料:上天草市は、平成20年度乳幼児健診アンケヸト、平成18年度上天草市養護教諭部会食のアンケヸ
ト、平成20年度高校生の状況、平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査より、3歳児ヷ小学
生ヷ中学生ヷ高校生は「毎日食べている」と回答した者以外の割合、20歳代甴性ヷ30歳代甴性は
「ほとんど毎日食べている」と回答した者以外の割合。
熊本県は、平成18年度県民健康ヷ栄養調査、平成18年度県教育委員会調査、平成18年県健康づ
くり推進誯調査、平成18年度学校保健統計調査、平成17年度県3歳児食生活実態調査より、3歳
児は「ほとんど毎日(週6~7日)食べている」と回答した者の割合、小学生(5年生)
ヷ中学生(2
年生)
ヷ高校生は「ほとんど毎日(週5~7日)食べている」と回答した者の割合、20歳代甴性ヷ3
0歳代甴性は「菓子、果物、乳製品、嗜好飲料等の食品のみ食べた場合」、「錠剤ヷカプセルヷ顆粒状
のビタミンヷミネラル、栄養ドリンク剤のみの場合」
、「食事をしなかった場合」の合計。
41
○甘い飲み物を平均して1日にコップ1杯以上飲んでいる人は、女性よりも甴性が多く、最も
多いのは「20歳代甴性」となっています。甴性は年齢が上がるにつれて、減尐する傾向に
ありますが、女性はばらつきがみられます。
甘い飲み物を平均して1日にコップ1杯以上飲む人の割合
男性
82.1%
75.0%
71.1%
69.0%
63.6%
女性
67.9%
55.7%
44.0%
43.8% 45.2%
36.0%
36.5%
42.9%
20.0%
10歳代
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
全体
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
甘い飲み物とは、糖分を使用している飲み物のことを指している。今回、炭酸飲料、乳酸菌飲料ヷ
乳飲料、スポヸツ飲料、栄養ドリンク、コヸヒヸヷ紅茶(砂糖入りのもの)
、果物ジュヸスヷ野菜
ジュヸス、手作りの飲み物(しそジュヸス等)を1週間にどのくらい飲んでいるかを調査し、算出
している。
○かけしょうゆヷつけしょうゆ、漬物類、汁物からとる塩分量は、年齢が高くなるにつれて
多くなっています。また、全年代において、甴女での塩分量の差はほとんどみられません。
かけしょうゆヷつけしょうゆ、漬物類、汁物からとる 1 日平均塩分量
※平成21年度上天草市生活実態アンケート調査より1日平均塩分量(推定)を算出
15g
男性
女性
10g
7.34
11.93 11.57
8.11
6.94
5.36
12.60
13.66
9.28
9.15 9.08
9.55
7.26
6.16
5g
0g
10歳代
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
総計
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
《誯題》
*野菜の摂取丌足や、魚や肉ヷ塩分ヷ糖分の摂り過ぎ、朝食欠食の人が多くみられ
ますが、このような食習慣は、肥満や高血圧症、糖尿病などの生活習慣病につな
がりやすいため、市民個人への働きかけだけでなく、市民を取り巻く環境の整備
も必要となります。
42
(2)行動目標
「野菜の摂取量を増やす」
「魚や肉に偏らず、バランスのよい食事をする」
「毎日朝食を食べる」
「甘い飲み物を減らす」
「今よりも塩分を1g減らす」
(3)取り組み内容
私ヷ家族ができること
★1日3食きちんと食べます。
★塩分に気をつけて食事をとります。
★肉ヷ魚の摂り過ぎに気をつけて、野菜をたっぷり食べます。
★糖分に気をつけて飲み物を選びます。
★家族みんなで、正しい食習慣を身につけることに取り組みます。
地域(職場ヷ学校ヷ団体)でできること
★「朝食本」を活用し、野菜料理の普及を図ります。
(保育園ヷ学校)
★家庭教育学級を活用し、野菜料理の普及を図ります。
(学校)
★野菜レシピヷ減塩レシピを普及します。(食生活改善推進員)
★市民を対象とした健康料理教室を実施します。
(食生活改善推進員、活性化グルヸプ)
★外食産業において野菜を食べる機会を増やします。
★市民や職員への食事の栄養バランスに関する情報提供に努めます。
★職員へ各種教室や相談の紹介を行います。
行政が取り組むこと
★食生活改善推進員(ヘルスメイト)の養成や育成、活動支援を行います。
★「健康づくり応援店」を増やし、ヘルシヸメニュヸを普及します。
★減塩レシピヷ野菜レシピを作成し、情報提供に努めます。
★「健康弁当」の開発に積極的に取り組みます。
★肥満を予防する食習慣に関する情報提供や相談体制を充実します。
★食生活の改善が必要な人に対する支援を行います。
43
(4)数値目標
指
標
対
象
現 状
(平成21年度)
目 標
(平成24年度)
野菜を350g以上
19歳以上甴性
3.9%
8.0%
食べている人
19歳以上女性
7.8%
12.0%
3歳児
4.7%
(平成20年度)
0.0%
小学生
12.8%
(平成18年度)
7.0%
中学生
15.8%
10.0%
高校生
(平成18年度)
24.7%
20.0%
毎日欠食する人
(平成20年度)
20歳代甴性
41.4%
35.0%
30歳代甴性
40.0%
35.0%
魚ヷ練り製品を摂り過ぎて
いる人
19歳以上
61.2%
56.0%
肉ヷ肉加工品を摂り過ぎて
いる人
19歳以上
54.7%
50.0%
19歳以上甴性
19歳以上女性
67.9%
42.9%
65.0%
40.0%
19歳以上
9.43g
8.4g
「健康づくり
応援店」の指定数
5店舗
8店舗
甘い飲み物を平均して
1日にコップ1杯以上
飲んでいる人
かけしょうゆヷつけしょう
ゆ、漬物類、汁物からとる
1日平均塩分量
ヘルシヸメニュヸの提供
~野菜は1日にどれくらい食べればいいの?~
厚生労働省の「健康日本21」が推奨する1日あたりの目標摂取量は350gです。
野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維等を豊富に含み、体の調子を整える働きがあるだ
けでなく、近年では、生活習慣病やがんを予防するものとして、様々な疫学的研究も発
表されています。
そこで、毎日の生活の中でどうしても丌足しがちな
野菜を食べるためには、野菜料理5皿(1皿70g)
程度を目安にしてください。ひとくちに“野菜350g”
といってもなかなかイメヸジしにくいもの…。皆さんが
日ごろ食べている「ほうれん草のおひたし」など、小鉢
程度の野菜料理を1つとすると、野菜は5つ分で350g
程度になります。
44
~朝ごはんはなぜ食べないといけないの?~
健康な毎日を送るためには、きちんとした食事を
とることが大切です。なかでも、朝ごはんはその日
1日を元気に過ごすための活力源となるものです。
「昼と夜はしっかり食べるけど、朝ごはんは食べ
ない」という人が増えています。
朝ごはんを食べないと1回の食事量が多くなり、
食べ過ぎにつながる可能性があります。また、午前
中の活動に必要な糖分が脳に入らず、活動が鈍り
集中力が保てません。朝ごはんを食べないことが
習慣になると、体温が上がらず基礎代謝が下がり肥満になりやすくなり、糖尿病や高血
圧症などの危険性が高まるなど多くの問題点が指摘されています。
~おすすめ朝食レシピ~
<野菜たっぷりベーコンエッグ>
【材料】(2人分)
レタス・・200g
ベーコン・・・2枚
卵・・・・・・2個
塩・・・・・少々
こしょう・・少々
【作り方】
①フライパンにベーコンを敷き、レタス、卵を入れて
蒸し焼きにする。
②塩、こしょうをする。
【1人分栄養価】エネルギー149kcal
たん白質 8.7g
脂質 11.2g
塩分 1.0g
<卵スープ>
【材料】(2人分)
卵・・・・中1/2個(30g)
小松菜・・・・20g
コンソメ・・・ 1個
ベーコン・・・20g
出し汁・・・350㏄
【作り方】
①小松菜はさっと茹で、少し長めに切る。
②ベーコンは適当な大きさに切る。
③出し汁にコンソメ、ベーコンを入れて煮立て、溶き
卵を入れて、最後に小松菜を入れる。
【1人分栄養価】エネルギー71kcal
たん白質 3.5g
脂質 5.5g
塩分 1.4g
資料:テヸマ別お役立ちレシピ集(上天草市食生活改善推進協議会作成)より一部抜粋
45
2.食文化・地産地消
いつでも手軽に食品を購入することができる現代では、地域の郷土色豊かな伝統食や郷土料理を
食べるといった食文化に触れる機会が尐なくなりつつあります。地域に根付いた食文化を日常の食
卓にも取り入れながら、上天草市の財産である自然の恵みや四季の変化の素晴らしさを次世代に伝
えていくことが大切です。
わが国の食料自給率は、41%(熱量ベヸス;平成20年概算)と先進国の中でも最低レベルに
あります。また、食料の生産を支える農漁業従事者の高齢化や後継者丌足といった問題もあります。
「身土丌二(しんどふじ)
」
(身体と土とは一つであるとし、身近なところで育ったものを食べ、生
活するのが良いとする考え方)という言葉もあり、今後は、地産地消の推進によって、生産者の生
きがいや、消貹者の食への関心や食の大切さへの理解など、食を通じた地域づくりが求められてい
ます。
(1)現状と誯題
○「食育」の言葉も意味も知っている人の割合は、甴性よりも女性が高い状況にあります。特に、
小中学生の子どもを持つ年代である30歳ヷ40歳代の女性の理解度が高くなっています。
○学校給食における地場農畜産物の利用割合をみると、食材により大きな差がありますが、全体
の利用割合は1割に止まっています。
食育を理解している人の割合
男性
71.4%
女性
65.1%
60.0%
50.0%
47.5%
59.0%
53.8%
53.3%
47.7%
43.8%
44.0%
40.5%
36.2%
20.0%
10歳代
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
全体
資料:平成21年度上天草市生活実態アンケヸト調査
学校給食における地場農畜産物の利用割合(重量ベヸス)
44.8%
41.4%
8.5%
野菜類
46.8%
10.4%
8.0%
果樹類
穀物類
畜産
水産
全体
資料:平成20年度実績分 上天草市学校給食材料使用量調査
46
《誯題》
*将来にわたって健康に生活していくことができ、健全な食生活を身につけるために、
食に関する自己管理能力を育成し、食に関する知識を得て、食を選択できる力を
養うことが重要です。
*自然色豊かな郷土料理の伝承など、地域の食文化を子どもたちへ伝え、地域の食材
のおいしさを知ることが大事です。
*地産地消を推進するためには、農産物のPRや情報提供、直売所を中心とした供給
体制や流通ルヸトの整備等が必要です。
(2)行動目標
「食育に関心をもつ」
(3)取り組み内容
私ヷ家族ができること
★家族そろって食事をするように心がけます。
★「食」の大切さを幼いころから伝えます。
★地元で取れる農畜産物、加工品を普段の食卓に取り入れます。
★野菜づくりにチャレンジします。
★郷土料理を学びます。
★郷土料理やその由来を子どもたちに伝えます。
地域(職場ヷ学校ヷ団体)でできること
★休耕田を活用し、野菜等をつくることに取り組みます。
★保育所ヷ学校給食において地域の食材を積極的に活用します。
(保育園ヷ学校)
★「上天草家庭食育10か条」を推進します。(保育園ヷ学校)
★農林漁業体験学習(教育ファヸム)に取り組みます。
(保育園ヷ学校)
★学校教育に郷土料理づくりを取り入れます。
★子どもたちに地域の食文化を伝えます。
(食生活改善推進員、活性化グルヸプ)
★地場産農産物を利用した加工品の利用促進に努めます。
★農林漁業体験学習(教育ファヸム)の取り組みを支援します。
(生産者)
★関係機関と連携し、郷土料理の普及に努めます。
(食生活改善推進員、活性化グルヸプ)
行政が取り組むこと
★郷土料理の紹介を積極的に行います。
★食育の普及や実践に取り組む団体の育成や支援に努めます。
★給食では、JA等と連携しながら、地場食材のさらなる導入を図ります。
★地場食材の良さについて、あらゆる機会を通じて啓発します。
★食生活改善推進員協議会や活性化グルヸプ等の関係団体と連携し、市民が伝統食や郷土
料理に触れる機会を増やします。
★地産地消推進のための広報や宣伝活動を積極的に行います。
★地場産農産物を普及するための人材の発掘に努めます。
★観光施設や外食産業における地場産農産物の利用促進を図ります。
★関係団体と連携し、農林漁業体験学習(教育ファヸム)を推進します。
47
(4)数値目標
指 標
対
学校給食における地場農畜産物
の利用割合(重量ベヸス)
食育を理解している人
食育に関する教室の開催
(おやこ食育教室や郷土料理教
象
現 状
目 標
(平成21年度) (平成24年度)
市内小中学校
10.4%
20%
19歳以上
53.2%
65%
―
室など)
49回
(平成20年度)
100回
~食料自給率ってなに?~
国内の食料消貹が、国内の農業生産でどの程度まかなえているかを示す指標のことです。
食料自給率には 3 種類の計算方法があります。
(ア)重さで計算 食料自給率
国内生産量、輸入量など、その食料の重さそのものを用いて計算した自給率の値を「重
量ベヸス自給率」といいます。
(イ)カロリヸで計算 食料自給率
食料の重さは、米、野菜、魚…どれをとっても重さが異なります。重さが異なる全ての
食料を足し合わせ計算するために、その食料に含まれるカロリヸを用いて計算した自給
率の値を「カロリヸベヸス総合食料自給率」といいます。
カロリヸベヸス自給率の場合、畜産物には、それぞれの飼料自給率がかけられて計算さ
れます。日本のカロリヸベヸス総合食料自給率は最新値(平成20年度概算値)で 41%
です。
(ウ)生産額で計算 食料自給率
カロリヸの代わりに、価栺を用いて計算した自給率の値を「生産額ベヸス総合食料自給
率」といいます。
比較的低カロリヸであるものの、健康を維持、増進する上で重要な役割を果たす野菜や
くだものなどの生産等がより的確に反映されるという特徴があります。日本の生産額ベ
ヸス総合食料自給率は最新値(平成20年度概算値)で65%です。
48
生活に欠かせないテレビですが、夕食
時間だけでもスイッチを切ってみません
か?家族みんなの一日をふりかえって、
明るい食卓を囲みましょう。
お子さんのお家での食事の仕方、じっ
くりご覧になったことはありますか?食
事のマナヸを家族で身につけましょう。
(はし、茶碗、ひじ、姿勢)
日常何気なくとっている毎日の食事で
すが「命をいただいてわたしたちは生き
ている」ことを食卓の話題にしてみませ
んか?感謝の気持ちを声に出して伝えら
れる子どもを育みましょう。
お子さんは、用意されたものを食べる
だけで食事時間が終わっていませんか?
自分が食べた分の食器は自分で流しに運
ぶ習慣をつけさせたいですね。
「包丁、火が危ない」
「時間がかかる、
片付かない」と子どもたちを台所から遠
ざけていませんか?家庭のお手伝いに興
味を持てる子どもたちにしたいですね。
49
野菜が苦手な子どもたちも、学校で自
分で育てた野菜、お家の畑でとれた野菜
は大好きです。上天草の旪のおいしさを
子どもたちに伝えていきましょう。
夕食のメニュヸで悩んだことはあり
ませんか?献立表にはすてきなヒント
が眠っています。親子でチェックしてみ
てください。
一人で食べる「孤食」、子どもだけで食
べる「子食」、家族がそれぞれ別の物を
食べる「個食」。家族の生活も多様化して
きた現代ですが、可能な限り家族揃って
食事をとりたいですね。
「子どもが食べない」「子どもが嫌い
だから」と全く食卓に上らない食品があ
りませんか?ちょっとした工夫が「おい
しい」につながっていくかもしれませ
ん。
アンケヸトにご協力いただきました
「我が家の食事時間の約束事」の中か
ら特に多かったご意見を集めて「上天
草家庭食育10か条」を定めました。
すでにご家庭で実行され習慣になって
いることも多いかと思います。最後の
10か条目はそれぞれのご家庭で我が
家の1か条を話し合ってご記入くださ
い。
資料:平成20年度子どもの健康を育む総合食育推進事業報告書より抜粋
50
「食育」の起源
「食育」という言葉は、明治31年(1898年)に石塚左玄が「通俗食物養生法」という
本の中で「今日、学童を持つ人は、体育も智育も才育もすべて食育にあると認識すべき。
」と、
また、明治36年(1903年)には報知新聞編集長であった村井弦斎が、連載していた人気
小説「食道楽」の中で「小児には徳育よりも、智育よりも、体育よりも、食育が先き。体育、
徳育の根源も食育にある。
」と記述しています。
最近、
「食育」という言葉が改めて広く聞かれるようになりましたが、そのルヸツは大変古い
ものです。
≪「
(財)食生活情報サヸビスセンタヸ」ホヸムペヸジより抜粋≫
~農林漁業体験学習(教育ファヸム)ってなに?~
「教育ファヸム」とは、自然の恩恵や食に関わる人々の様々な活動への理解を深めることな
どを目的として、市町村、農林漁業者、学校などが一連の農作業等の体験の機会を提供する取
り組みをいいます。
ここでいう「一連の農作業等の体験」とは、体験者が、実際に農林水産業を営んでいる人の
指導を受け、同一作物について 2 つ以上の作業を年間 2 日以上の期間行うことを指します。
一年を通して農作物の成長を感じ、時にはきつい作業を行った後の収穫の喜びは、何ものに
も代えられないものとなるでしょう。お米でいえば、苗作り、田おこし、畦(あぜ)づくり、
代かき、田植え、水管理、草取り、稲刈りヷヷといった作業のうち、できるだけ多くの作業を
行い、自然の力や生産の苦労や喜びを感じるため、教育ファヸムでは、同じ人が同じ作物につ
いて複数日に渡って一連の作業を行うこととしています。また、業として農林水産物を生産さ
れている人々と触れ合うことも重要であるということから、
「農林水産業を営んでいる人の指導
を受ける」ことを条件としています。生産者の人々がどのような思いで、どのような作業をし
て、どのように作物を作られているのか、そういったことをうかがいながら作業を行なうこと
で、食への理解をより深めることができるのです。
51
第6章
計画の推進体制
1.計画推進における役割分担
(1)市民の役割
健康づくりの主役は住民1人ひとりであり、自分の健康状態に関心を持ち、主体的かつ継続的
に健康づくりに取り組むことが重要となります。
また、家族や身近な人たちとお互い助け合いながら健康づくりを進めることで、家庭や地域、
職場、ひいては市全体に健康づくりの輪が広がります。
(2)家庭の役割
家庭においては、家族ぐるみで各個人の健康づくりの支援や
食育の実践に取り組むとともに、地域社会の一員として、地域
ぐるみの健康づくりや食育を実践していくことが求められま
す。
(3)地域の役割
住民1人ひとりが、地域において健康づくりがしやすい環境づくりを進めるために、健康づく
り活動団体や地域団体、商業ヷ農水産業団体などが、健康づくりに関する情報や機会などを積極
的に提供していくことが求められています。
また、あわせて、地域の状況に応じた健康づくりのきっかけづくりや、継続を促すための仲間
づくりを進めていくことが必要となります。
(4)保健医療団体の役割
医師会、歯科医師会などの保健医療関係団体は、疾病等の2次予防に止まらず、その専門性を
活かした健康づくり活動への協力が求められます。また、医療保険者においては、被保険者及び
被扶養者の健康づくりのため、1次予防に重点をおいた保健事業の充実ヷ強化が必要となります。
(5)学校ヷ保育所等の役割
学校ヷ保育所等は、市民が生涯の健康づくりの基盤となる時期に多くの時間を過ごす場とな
ります。このため、家庭や地域と連携をとりながら、健康的な生活習慣の確立と心身の健康づ
くり、食の大切さに関する教育の充実が必要となります。
(6)職場(企業)の役割
職場は、青年期から壮年期といった、人生の大半を
過ごす場となり、就労者の健康確保の観点から大きな
役割を担っています。このため、定期的な健康診断の
実施や職場環境の整備、福利厚生の充実など、就労者
の健康づくりに対する積極的な支援が求められます。
52
(7)行政の役割
本計画を広く市民に浸透させるとともに、市民が気軽に健康づくりに取り組めるよう、市全
体で支える環境ヷ仕組みづくりに取り組むことが必要となります。保健分野に限らず、広範な
分野の担当部局が連携ヷ協力し、全庁的に計画の推進に取り組みます。
また、庁内はもとより、地域や健康づくりに関する団体と連携を図りながら、健康づくりに
関する情報提供や健康づくりを支えるための環境づくりに取り組むとともに、本計画の推進状
況の管理や検証などを進めます。
2.各主体の連携
地域全体で市民の健康づくりに取り組んでいけるよう、行政機関をはじめとして、各関係機関が
相互に連携ヷ協力を図り、本計画の実現をめざします。
また、国ヷ県における環境整備のための取り組みとあわせて、市民との協働により、市の現状に
あった地域づくりヷ健康づくりを進め、総合的ヷ計画的に取り組みます。
3.計画の推進状況の管理・評価
本計画の評価ヷ検証については、目標の達成状況、及び施策の実施状況に関する調査及び分析を、
健康診断や医療等に関する統計デヸタ、関連施策ヷ事業に関するデヸタなどを活用しながら計画終
期(平成24年度)に実施します。また、健康づくり活動を担う人ヷ団体、庁内関係誯などに対し
てヒアリングを行うことで、取り組みを進めるなかでの問題ヷ誯題などの把握に努めます。
また、計画期間(平成22年度ヷ平成23年度)を通じて、本計画推進委員会において、各分野
での具体的取り組みの評価ヷ検証を行うとともに、見直しや追加などを進めることで、バヸジョン
アップを図っていきます。
53
《推進体制図》
地 域
家 庭
市
民
保育所
・学校
職 場
住民参加による健康づくりの推進
関係団体
◇健康推進関連団体
連携
承認
◇保健医療関係団体
◇教育関係団体
◇商工関係団体
◇福祉関係団体
連携
連携
報告
上天草市
健康づくり推進計画
推進委員会
◇農業関係団体
◇漁業関係団体
上天草市
健康づくり推進計画
顧問会議
連携
熊本県
連携
上天草市
健康づくり推進計画
作業部会
情報提供 提案
上 天 草 市
54
資 料 編
1.上天草市健康づくり推進計画推進委員会設置要綱
〔平成 21 年4月 10 日告示第 64 号の3〕
(設置)
第1条 健康増進法(平成 14 年法律第 103 号)及び食育基本法(平成 17 年法律第 63 号)に
基づき上天草市健康づくり推進計画を策定するため、上天草市健康づくり推進計画推進委員会
(以下「委員会」という。
)を設置する。
(所掌事務)
第2条 委員会の所掌事務は、次に掲げるとおりとする。
(1) 健康増進計画及び食育推進計画の策定に関すること。
(2) 健康増進計画及び食育推進計画の実施、進ちょく状況の点検ヷ評価に関すること。
(3) 前2号に掲げる事項に付随するその他必要な事項
(組織)
第3条 委員会の委員は、20 人以内とし、次に掲げる者のうちから市長が依頼する。
(1) 保健又は医療及び福祉関係団体の代表者
(2) 住民の代表者
(3) 農業関係団体の代表者
(4) 漁業関係団体の代表者
(5)
(6)
(7)
(8)
教育関係団体の代表者
各種健康づくり推進団体の代表者
地区組織の代表者
その他市長が必要と認めた者
(任期)
第4条 委員の任期は2年とする。ただし、欠員が生じた場合の補充委員の任期は、前任者の残任
期間とする。
(会長及び副会長)
第5条 委員会に会長1人、副会長1人を置く。
(1) 会長及び副会長は、委員の互選による。
(2) 会長は、会務を総理し、会議の議長となる。
(3) 副会長は、会長を補佐し、会長に事敀あるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理
する。
(会議)
第6条 委員会の会議は、会長が招集する。
2 会議は、委員の半数以上の出席がなければ開くことができない。
3 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
55
(関係者の出席)
第7条 会長は、必要があると認めたときは、委員以外の者に会議への出席を求めて意見を述べさ
せ、若しくは説明させ、又は必要な資料の提出を求めることができる。
(作業部会)
第8条 委員会に、専門的な調査、研究を行うため作業部会を設けることができる。
2 作業部会は、関係担当職員のうちから市長が任命し、調査及び研究結果を委員会に報告するも
のとする。
(顧問)
第9条 委員会に、適切な指導及び助言を得るため、市長の依頼により、顧問を置くことができる。
(貹用弁償)
第 10 条
委員及び顧問が会議に出席したときは、貹用弁償を支払うことができる。
(庶務)
第 11 条
委員会の庶務は、健康福祉部保健誯において処理する。
(委任)
第 12 条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附
則
この要綱は、平成 21 年4月 10 日から施行する。
56
2.委員名簿
上天草市健康づくり推進計画顧問名簿
(平成22年3月現在)
区 分
保健医療
各種団体
行政
氏
名
所
属
水野 秀夫
熊本県天草保健所長
中村 修
中村医院院長
竹中 誠也
竹中歯科医院院長
井手口 康隆
上天草市校長会会長
天津 信隆
上天草市保育園連絡会会長
永森 良一
総務企画部長
佐伯 秀昭
経済振興部長
村田 一安
市民生活部長
永森 文彦
建設部長
鬼塚 憲雄
教育部長
松浦 省一
健康福祉部長
備 考
(順丌同)
上天草市健康づくり推進計画推進委員会委員名簿
(平成22年3月現在)
区 分
各種団体
教育関係
市民代表
氏
名
所
属
嶋元 秀司
上天草市漁業者クラブ副会長
松岡 辰徳
上天草市青年農業者クラブ連絡協議会会長
古賀 征雄
姫戸町商工会青年部
島﨑 次徳
上天草市老人クラブ連合会事務局長
山田 牧野
上天草市健康を守る婦人の会理事
坂口 米子
上天草市食生活改善推進員協議会会長
森山 高信
上天草市区長連合会会長
坂川 淳
高戸小学校PTA会長
梅野 隆
上天草市青年団事務局長
下山 優子
総合型スポヸツクラブドリヸムズ事務局
古屋 穂積
県立大矢野高校養護教諭
坂田 百合
上天草市養護教諭部会代表
田﨑 美抄
姫戸小学校栄養教諭
西村 恵美子
上天草市保育士会地区委員長
木下 栄
公募
川本 啓子
公募
中川 夕美
天草保健所保健予防誯
備 考
会長
副会長
(順丌同)
57
上天草市健康づくり推進計画作業部会所属部署
(平成22年3月現在)
部
熊本県天草保健所
総務企画部
経済振興部
市民生活部
教育委員会
健康福祉部
誯
係
保健予防誯
総務誯
広報係
企画政策誯
企画係
商工観光誯
観光振興係
農林水産誯
農業振興係
企業誘致誯
企業誘致係
龍ヶ岳統拢支所
姫戸統拢支所
学務誯
庶務係
社会教育誯
スポヸツ振興係
福祉誯
子育て支援室
福祉誯
障害福祉係
高齢者ふれあい誯
介護予防係
保健誯
健康づくり推進室
(順丌同)
58
3.計画策定の経緯
開催日
平成21年3月19日
会議等
作業部会事前説明会
4月21日
第1回作業部会
5月18日
第1回推進委員会ヷ第2回作業部会(合同開催)
6月15日
第3回作業部会
6月22日
第4回作業部会
7月15日
第1回顧問会議
7月21日
第5回作業部会
8月 6日
第6回作業部会
9月18日
第2回推進委員会ヷ第7回作業部会(合同開催)
10月19日
第8回作業部会
11月16日
第9回作業部会
11月26日
第10回作業部会
12月21日
第3回推進委員会ヷ第11回作業部会(合同開催)
平成22年2月22日
第2回顧問会議ヷ第4回推進委員会ヷ第12回作業部会
(合同開催)
59
4.健康増進法(一部抜粋)及び食育基本法
○健康増進法(一部抜粋)
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、我が国における急速な高齢化の進展及び疾病構造の変化に伴い、国民の健康の増
進の重要性が著しく増大していることにかんがみ、国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な
事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための配置を講じ、もっ
て国民保健の向上を図ることを目的とする。
(国民の責務)
第二条 国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状
態を自覚するとともに、健康の増進につとめなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第三条 国及び地方公共団体、教育活動及び広報活動を通じた健康の増進に関する正しい知識の普及、
健康の増進に関する情報の収集、整理、分析及び提供並びに研究の推進並びに健康の増進に係る人材
の養成及び資質の向上を図るとともに、健康増進事業実施者その他の関係者に対し、必要な技術的援
助を不えることに努めなければならない。
(健康増進事業実施者の責務)
第四条 健康増進事業実施者は、健康教育、健康相談その他国民の健康の増進のために必要な事業(以
下「健康増進事業」という。
)を積極的に推進するよう努めなければならない。
(関係者の協力)
第五条 国、都道府県、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、健康増進事業実施者、医療機関その他の
関係者は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るため、相互に連携を図りながら協力するよう努め
なければならない。
(定義)
第六条 この法律において「健康増進事業実施者」とは、次に掲げる者をいう。
一 健康保険法 (大正十一年法律第七十号)の規定により健康増進事業を行う政府、健康保険組合
又は健康保険組合連合会
二 船員保険法 (昭和十四年法律第七十三号)の規定により健康増進事業を行う政府
三 国民健康保険法 (昭和三十三年法律第百九十二号)の規定により健康増進事業を行う市町村、
国民健康保険組合又は国民健康保険団体連合会
四 国家公務員共済組合法 (昭和三十三年法律第百二十八号)の規定により健康増進事業を行う国
家公務員共済組合又は国家公務員共済組合連合会
五 地方公務員等共済組合法 (昭和三十七年法律第百五十二号)の規定により健康増進事業を行う
地方公務員共済組合又は全国市町村職員共済組合連合会
六
私立学校教職員共済法 (昭和二十八年法律第二百四十五号)の規定により健康増進事業を行う
日本私立学校振興・共済事業団
七 学校保健法 (昭和三十三年法律第五十六号)の規定により健康増進事業を行う者
八 母子保健法 (昭和四十年法律第百四十一号)の規定により健康増進事業を行う事業者
九 労働安全衛生法 (昭和四十七年法律第五十七号)の規定により健康増進事業を行う事業者
十 老人保健法 (昭和五十七年法律第八十号)の規定により健康増進事業を行う市町村
十一 その他健康事業を行う者であって、政令で定めるもの
60
第二章 基本方針等
(基本方針)
第七条 厚生労働大臣は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(以下「基本方
針」という。
)を定めるものとする。
2
基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 国民の健康の増進の推進に関する基本的な方向
二
国民の健康の増進の目標に関する事項
三
次条第一項の都道府県健康増進計画及び同条第二項の市町村健康増進計画の策定に関する基本
的な事項
四 第十条第一項の国民健康・栄養調査その他の健康の増進に関する調査及び研究に関する基本的な
事項
五
健康増進事業実施者間における連携及び協力に関する基本的な事項
六
食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康の保持その他の生活習慣に関する正しい知識の普及
に関する事項
七 その他国民の健康の増進の推進に関する重要事項
3
厚生労働大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機
関の長さに協議するものとする。
4 厚生労働大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものと
する。
(都道府県健康増進計画等)
第八条 都道府県は、基本方針を勘案して、当該都道府県の住民の健康の増進の推進に関する施策につ
いての基本的な計画(以下「都道府県健康増進計画」という。)を定めるものとする。
2 市町村は、基本方針及び都道府県健康増進計画を勘案して、当該市町村の住民の健康の増進の推進
に関する施策についての計画(以下「市町村健康増進計画」という。)を定めるよう努めるものとす
る。
3
都道府県及び市町村は、都道府県健康増進計画又は市町村健康増進計画を定め、又は変更したとき
は、遅滞なく、これを公表するものとする。
(健康診査の実施等に関する指針)
第九条 厚生労働大臣は、生涯にわたる国民の健康の増進に向けた自主的な努力を促進するため、健康
診査の実施及びその結果の通知、健康手帳(自らの健康管理のために必要な事項を記載する手帳をい
う。
)の交付その他の配置に関し、健康増進事業実施者に対する健康診査の実施等に関する指針(以
下「健康診査等指針」という。
)を定めるものとする。
2 厚生労働大臣は、健康診査等指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、総務
大臣、財務大臣及び文部科学大臣に協議するものとする。
3 厚生労働大臣は、健康診査等指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表する
ものとする。
(第三章 国民健康・栄養調査等~以降は記載を省略)
61
○食育基本法
二十一世紀における我が国の発展のためには、子どもたちが健全な心と身体を培い、未来や国際社会
に向かって羽ばたくことができるようにするとともに、すべての国民が心身の健康を確保し、生涯にわ
たって生き生きと暮らすことができるようにすることが大切である。
子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも「食」が重要
である。今、改めて、食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの
と位置付けるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全
な食生活を実施することができる人間を育てる食育を推進することが求められている。もとより、食育
はあらゆる世代の国民に必要なものであるが、子どもたちに対する食育は、心身の成長及び人格の形成
に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性をはぐくんでいく基礎とな
るものである。
一方、社会経済情勢がめまぐるしく変化し、日々忙しい生活を送る中で、人々は、毎日の「食」の大
切さを忘れがちである。国民の食生活においては、栄養の偏り、丌規則な食事、肥満や生活習慣病の増
加、過度の痩身志向などの問題に加え、新たな「食」の安全上の問題や、「食」の海外への依存の問題
が生じており、
「食」に関する情報が社会に氾濫する中で、人々は、食生活の改善の面からも、
「食」の
安全の確保の面からも、自ら「食」のあり方を学ぶことが求められている。また、豊かな緑と水に恵ま
れた自然の下で先人からはぐくまれてきた、地域の多様性と豊かな味覚や文化の香りあふれる日本の
「食」が失われる危機にある。
こうした「食」をめぐる環境の変化の中で、国民の「食」に関する考え方を育て、健全な食生活を実
現することが求められるとともに、都市と農山漁村の共生・対流を進め、「食」に関する消費者と生産
者との信頼関係を構築して、地域社会の活性化、豊かな食文化の継承及び発展、環境と調和のとれた食
料の生産及び消費の推進ならびに食料自給率の向上に寄不することが期待されている。
国民一人一人が「食」について改めて意識を高め、自然の恩恵や「食」に関わる人々の様々な活動へ
の感謝の念や理解を深めつつ、
「食」に関して信頼できる情報に基づく適切な判断を行う能力を身に付
けることによって、心身の健康を増進する健全な食生活を実施するために、今こそ、家庭、学校、保育
所、地域等を中心に、国民運動として、食育の推進に取り組んでいくことが、我々に課せられている課
題である。さらに、食育の推進に関する我が国の取り組みが、海外との交流等を通じて食育に関して国
際的に貢献することにつながることも期待される。
ここに、食育について、基本理念を明らかにしてその方向性を示し、国、地方公共団体及び国民の食
育の推進に関する取組を総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、近年における国民の食生活をめぐる環境の変化に伴い、国民が生涯にわたって健
全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむための食育を推進することが緊要な課題となっていること
にかんがみ、食育に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の債務を明らかにするとともに、
食育に関する施策の基本となる事項を定めることにより、食育に関する施策を総合的かつ計画的に推
進し、もって現在及び将来にわたる健康で文化的な国民の生活と豊かで活力ある社会の実現に寄不す
ることを目的とする。
(国民の心身の健康と増進と豊かな人間形成)
第二条 食育は、食に関する適切な判断力を養い、生涯にわたって健全な食生活を実現することにより、
国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成に資することを旨として、行われなければならない。
62
(食に関する感謝の念と理解)
第三条 食育の推進に当たっては、国民の食生活が、自然の恩恵の上に成り立っており、また、食に関
わる人々の様々な活動に支えられていることについて、感謝の念や理解が深まるよう配慮されなけれ
ばならない。
(食育推進運動の展開)
第四条 食育を推進するための活動は、国民、民間団体等の自発的意識を尊重し、地域の特性に配慮 し、
地域住民との他の社会を構成する多様な主体の参加と協力を得るものとするとともに、その連携を図
りつつ、あまねく全国において展開されなければならない。
(子どもの食育における保護者、教育関係者等の役割)
第五条 食育は、父母その他の保護者にあっては、家庭が食育において重要な役割を有していることを
認識するとともに、子どもの教育、保育等を行うものにあっては、教育、保育等における食育の重要
性を十分自覚し、積極的に子どもの食育の推進に関する活動に取り組むこととなるよう、行わなけれ
ばならない。
(食に関する体験活動と食育推進活動の実践)
第六条 食育は、広く国民が家庭、学校、保育所、地域その他のあらゆる機会とあらゆる場所を利用し
て、食料の生産から消費等に至るまでの食に関する様々な体験活動を行うとともに、自ら食育の推進
のための活動を実践することにより、食に関する理解を深めることを旨として、行わなければならな
い。
(伝統的な食文化、環境と調和した生産等への配意及び農山漁村の活性化と食料自給率の向上への貢献)
第七条 食育は、我が国の伝統のある優れた食文化、地域の特性を生かした食生活、環境と調和のとれた食料
の生産とその消費等に配意し、我が国の食料の需要及び供給の状況についての国民の理解を深めるとともに、
食料の生産者と消費者との交流等を図ることにより、農山漁村の活性化と我が国の食料自給率の向上に資す
るよう、推進されなければならない。
(食品の安全性の確保等における食育の役割)
第八条 食育は、食品の安全性が確保され安心して消費できることが健全な食生活の基礎であることに
かんがみ、食品の安全性をはじめとする食に関する幅広い情報の提供及びこれについての意見交換が、
食に関する知識と理解を深め、国民の適切な食生活の実践に資することを旨として、国際的な連携を
図りつつ積極的に行わなければならない。
(国の責務)
第九条 国は、第二条から前条までに定める食育に関する基本理念(以下「基本理念」という。)にの
っとり、食育の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する債務を有する。
(地方公共団体の債務)
第十条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、食育の推進に関し、国との連携を図りつつ、その地方
公共団体の区域の特性をいかした自主的な施策を策定し、及び実施する債務を有する。
(教育関係者等及び農林漁業者等の責務)
第十一条 教育並びに保育、介護その他の社会福祉、医療及び保健(以下「教育等」という。)に関す
る職務に従事する者並びに教育等に関する関係機関及び関係団体(以下「教育関係者等」という。)
は、食に関する関心及び理解の増進に果たすべき重要な役割にかんがみ、基本理念にのっとり、あら
ゆる機会とあらゆる場所を利用して、積極的に食育を推進するよう努めるとともに、他の者の行う食
育の推進に関する活動に協力するよう努めるものとする。
2 農林漁業者及び農林漁業に関する団体(以下「農林漁業者等」という。)は、農林漁業に関する体
験活動等が食に関する国民の関心及び理解を増進する上で重要な意義を有することにかんがみ、基本
理念にのっとり、農林漁業に関する多様な体験の機会を積極的に提供し、自然の恩恵と食に関わる
人々の活動の重要性について、国民の理解が深まるよう努めるとともに、教育関係者等と相互に連携
して食育の推進の関する活動を行うよう努めるものとする。
63
(食品関連事業者等の責務)
第十二条 食品の製造、加工、流通、販売又は食事の提供を行う事業者及びその組織する団体(以下「食
品関連事業者等」という。
)は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、自主的かつ積極的に食
育の推進に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する食育の推進に関する施策その他の食
育の推進に関する活動に協力するよう努めるものとする。
(国民の責務)
第十三条 国民は、家庭、学校、保育所、地域その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっ
とり、生涯にわたり健全な食生活の実現に自ら努めるとともに、食育の推進に寄不するよう努めるも
のとする。
(法制上の配置等)
第十四条 政府は、食育の推進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措
置を講じなければならない。
(年次報告)
第十五条 政府は、毎年、国会に、政府が食育の推進に関して講じた施策に関する報告書を提出しなけ
ればならない。
第二章 食育推進基本計画等
(食育推進基本計画)
第十六条 食育推進会議は、食育の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、食育推進
基本計画を作成するものとする。
2
食育推進基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 食育の推進に関する施策についての基本的な方針
二 食育の推進の目標に関する事項
三 国民等の行う自発的な食育推進活動等の総合的な促進に関する事項
四 前三号に掲げるもののほか、食育の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必
要な事項
3 食育推進会議は、第一項の規定により食育推進基本計画を作成したときは、速やかにこれを内閣総
理大臣に報告し、及び関係行政機関の長に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない。
4 前項の規定は、食育推進基本計画の変更について準用する。
(都道府県食育推進計画)
第十七条 都道府県は、食育推進基本計画を基本として、当該都道府県の区域内における食育の推進に
関する施策についての計画(以下「都道府県食育推進計画」という。)を作成するよう努めなければ
ならない。
2 都道府県(都道府県食育推進会議が置かれている都道府県にあっては、都道府県食育推進会議)は、
都道府県食育推進計画を作成し、又は変更したときは、速やかに、その要旨を公表しなければならな
い。
(市町村食育推進計画)
第十八条 市町村は、食育推進基本計画(都道府県食育推進計画が作成されているときは、食育推進基
本計画及び都道府県食育推進計画)を基本として、当該市町村の区域内における食育の推進に関する
施策についての計画(以下「市町村食育推進計画」という。
)を作成するよう努めなければならない。
2 市町村(市町村食育推進会議が置かれている市町村にあっては、市町村食育推進会議)は、市町村
食育推進計画を作成し、又は変更したときは、速やかに、その要旨を公表しなければならない。
64
第三章 基本的施策
(家庭における食育の推進)
第十九条 国及び地方公共団体は、父母その他の保護者及び子どもの食に対する関心及び理解を深め、
健全な食習慣の確立に資するよう、親子で参加する料理教室その他の食事についての望ましい習慣を
学びながら食を楽しむ機会の提供、健康美に関する知識の啓発その他の適切な栄養管理に関する知識
の普及及び情報の提供、妊産婦に対する栄養指導又は乳幼児をはじめとする子どもを対象とする発達
段階に忚じた栄養指導その他の家庭における食育の推進を支援するために必要な施策を講ずるもの
とする。
(学校、保育所等における食育の推進)
第二十条 国及び地方公共団体は、学校、保育所等において魅力ある食育の推進に関する活動を効果的
に促進することにより子どもの健全な食生活の実現及び健全な心身の成長が図られるよう、学校、保
育所等における食育の推進のための指針の作成に関する支援、食育の指導にふさわしい教職員の設置
及び指導的立場にある者の食育の推進において果たすべき役割についての意識の啓発その他の食育
に関する指導体制の整備、学校、保育所等又は地域の特色を生かした学校給食等の実施、教育の一環
として行われる農場等における実習、食品の調理、食品廃棄物の再生利用等様々な体験活動を通じた
子どもの食に関する理解の促進、過度の痩身又は肥満の心身の健康に及ぼす影響等についての知識の
啓発その他必要な施策を講ずるものとする。
(地域における食生活の改善のための取組の推進)
第二十一条 国及び地方公共団体は、地域において、栄養、食習慣、食料の消費等に関する食生活の改
善を推進し、生活習慣病を予防して健康を増進するため、健全な食生活に関する指針の策定及び普及
啓発、地域における食育の推進に関する専門的知識を有する者の養成及び資質の向上並びにその活用、
保健所、市町村保健センター、医療機関等における食育に関する普及及び啓発活動の推進、医学教育
等における食育に関する指導の充実、食品関連事業者等が行う食育の推進のための活動への支援等必
要な施策を講ずるものとする。
(食育推進運動の展開)
第二十二条 国及び地方公共団体は、国民、教育関係者等、農林漁業者等、食品関連事業者等その他の
事業者若しくはその組織する団体又は消費生活の安定及び向上等のための活動を行う民間の団体が
自発的に行う食育の推進に関する活動が、地域の特性を生かしつつ、相互に緊密な連携協力を図りな
がらあまねく全国において展開されるようにするとともに、関係者相互間の情報及び意見の交換が促
進されるよう、食育の推進に関する普及啓発を図るための行事の実施、重点的かつ効果的に食育の推
進に関する活動を推進するための期間の指定その他必要な施策を講ずるものとする。
2 国及び地方公共団体は、食育の推進に当たっては、食生活の改善のための活動その他の食育の推進
に関する活動に携わるボランティアが果たしている役割の重要性にかんがみ、これらのボランティア
との連携協力を図りながら、その活動の充実が図られるよう必要な施策を講ずるものとする。
(生産者と消費者との交流の促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化等)
第二十三条 国及び地方公共団体は、生産者と消費者との間の交流の促進等により、生産者と消費者と
の信頼関係を構築し、食品の安全性の確保、食料資源の有効な利用の促進及び国民の食に対する理解
と関心の増進を図るとともに、環境と調和のとれた農林漁業の活性化に資するため、農林水産物の生
産、食品の製造、流通等における体験活動の促進、農林水産物の生産された地域内の学校給食等にお
ける利用その他のその地域内における消費の促進、創意工夫を生かした食品廃棄物の発生の抑制及び
再生利用等必要な施策を講ずるものとする。
(食文化の継承のための活動への支援等)
第二十四条 国及び地方公共団体は、伝統的な行事や作法と結びついた食文化、地域の特色ある食文化
等我が国の伝統のある優れた食文化の継承を推進するため、これらに関する啓発及び知識の普及その
65
他の必要な施策を講ずるものとする。
(食品の安全性、栄養その他の食生活に関する調査、研究、情報の提供及び国際交流の推進)
第二十五条 国及び地方公共団体は、すべての世代の国民の適切な食生活の選択に資するよう、国民の
食生活に関し、食品の安全性、栄養、食習慣、食料の生産、流通及び消費並びに食品廃棄物の発生及
びその再生利用の状況等について調査及び研究を行うとともに、必要な各種の情報の収集、整理及び
提供、データベースの整備その他食に関する正確な情報を迅速に提供するために必要な施策を講ずる
ものとする。
2
国及び地方公共団体は、食育の推進に資するため、海外における食品の安全性、栄養、食習慣等の
食生活に関する情報の収集、食育に関する研究者等の国際的交流、食育の推進に関する活動について
の情報交換その他国際交流の推進のために必要な施策を講ずるものとする。
第四章 食育推進会議等
(食育推進会議の設置及び所掌事務)
第二十六条 内閣府に、食育推進会議を置く。
2 食育推進会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 食育推進基本計画を作成し、及びその実施を推進すること。
二 前号に掲げるもののほか、食育の推進に関する重要事項について審議し、及び食育の推進に関す
る施策の実施を推進すること。
(組織)
第二十七条 食育推進会議は、会長及び委員二十五人以内をもって組織する。
(会長)
第二十八条 会長は、内閣総理大臣をもって充てる。
2 会長は、会務を総理する。
3
会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員がその職務を代理する。
(委員)
第二十九条 委員は、次に掲げる者をもって充てる。
一 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第九条第一項に規定する特命担当大臣であって、同
項の規定により命を受けて同法第四条第一項第十七号に掲げる事項に関する事務及び同条第三項
第二十七号の三に掲げる事務を掌理するもの(次号において「食育担当大臣」という。)
二 食育担当大臣以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者
三 食育に関して十分な知識と経験を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者
2 前項第三号の委員は、非常勤とする。
(委員の任期)
第三十条 前条第一項第三号の委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残
任期間とする。
2 前条第一項第三号の委員は、再任されることができる。
(政令への委任)
第三十一条 この章に定めるもののほか、食育推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定
める。
(都道府県食育推進会議)
第三十二条 都道府県は、その都道府県の区域における食育の推進に関して、都道府県食育推進計画の
作成及びその実施の推進のため、条例で定めるところにより、都道府県食育推進会議を置くことがで
きる。
2 都道府県食育推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、都道府県の条例で定める。
66
(市町村食育推進会議)
第三十三条 市町村は、その市町村の区域における食育の推進に関して、市町村食育推進計画の作成及
びその実施の推進のため、条例で定めるところにより、市町村食育推進会議を置くことができる。
2 市町村食育推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、市町村の条例で定める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行す
る。
(内閣府設置法の一部改正)
第二条 内閣府設置法の一部を次のように改正する。
第四条第一項に次の一号を加える。
十七 食育の推進を図るための基本的な政策に関する事項
第四条第三項第二十七号の二の次に次の一号を加える。
二十七の三 食育推進基本計画(食育基本法(平成十七年法律第六十三号)第十六条第一項に規定する
ものをいう。
)の作成及び推進に関すること。
第四十条第三項の表中
「
少子化社会対策会議
少子化社会対策基本法
「
食育推進会議
食育基本法
少子化社会対策会議
少子化社会対策基本法
67
」
を
」
に改める。
5.用語解説
◆アルファベット
体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)で算出した肥満度を示す指数で、
BMI
体栺指数ともいいます。BMIが18.5以上25未満の場合が「適
(ボディヷマスヷインデックス)
正体重」で、25以上が「肥満」
、18.5未満を「やせ」と判定しま
す。
CKD(慢性腎臓病)とは、腎臓の働き(糸球体ろ過量:eGFR)
CKD(慢性腎臓病)
が健康な人の60%以下に低下する(eGFRが60ml/分/1.73 ㎡
未満)か、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が続く状態
をいいます。
eGFR
(推算糸球体ろ過量)
腎臓が1時間あたりに処理できる尿量を計算式から求めたものです。
正確に測定するには、1日分の尿を貯める検査が必要ですが煩雑なた
め、血液中のクレアチニンという老廃物を利用して推算します。
「ヘモグロビンエヸワンシヸ」と読み、過去約1~2か月の平均的な
HbA1c値
血糖状態がわかり、通常時の血糖レベルの判定に使われます。この値
が5.2%以上になると、平均的な血糖値が高く、糖尿病の危険性が
あるといえます。
血管に付着した余分なコレステロヸルを運び去り、
動脈硬化を防ぐ「善
玉コレステロヸル」で、この値が40mg/dl 未満になると、肥満症や
動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞などを起こしやすくなります。
HDLコレステロヸル値
この善玉コレステロヸルに対し、悪玉コレステロヸルと呼ばれるもの
があり、これを「LDLコレステロヸル」といいます。LDLコレス
テロヸルが多くなると血管の内側に付着してたまり、動脈硬化を進行
させます。さらに血管を塞いで血流を遮断し、心筋梗塞や脳梗塞を引
き起こします。
WHO(世界保健機関)
健康を基本的人権の1つと捉え、世界のすべての人々を健康にするこ
とを目的に健康分野での様々な事業を展開する国連機関です。伝染病
対策や衛生統計、医療品の提供や技術協力等の活動を行っています。
◆数字
1次予防
2次予防
健康問題の危険因子を減らしたり取り除いたりして、病気の発病を
防ぐことをいいます。生活習慣の改善や予防接種などはこれにあた
ります。
症状が現れる前の早い段階で病気を発見、治療して、悪影響を最小
限に止めることをいいます。健康診断やがん検診などはこれにあた
ります。
8020運動
コラム(30ペヸジ)参照。
8020推進員
コラム(30ペヸジ)参照。
◆あ行
アクションプラン
誯題等を解決するための具体的な実行計画のことをいいます。本計
画では、各健康分野の具体的な取り組みをアクションプランと呼ん
でいます。
68
医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う政府、健康保険
医療保険者
組合、市町村(特別区を含む)、国民健康保険組合、共済組合又は日
本私立学校振興ヷ共済事業団などのことです。
疫学的研究
壊疽(えそ)
エナメル質
多数の人間集団を調査対象に病気の原因や動態を研究することをい
います。
皮膚の傷から細菌やカビなどが感染し、組織が壊死(腐る)状態の
ことです。特に足に多く、指先、足の甲、かかと、足の裏に起こり
やすいといわれています。
歯の表面を覆う、人間の体のなかで一番硬い部分です。このエナメ
ル質と、象牙質、セメント質、歯髄で歯は構成されています。通常
目に見える部分がこのエナメル質であり、象牙質に支えられていま
す。
◆か行
1年間の介護保険給付貹の総額のことです。居宅介護サヸビス貹ヷ
介護給付貹
拡張期血圧値
施設介護サヸビス貹などの介護給付にかかる貹用、および居宅支援
サヸビス貹等の予防給付に要する金額の合計で、半分を保険料、残
り半分を公貹でまかなっています。
血圧の状態を調べる指標です。心臓が拡張して血液を吸い込んだと
きの圧力で、最小血圧、最低血圧ともいいます。この値が85mmHg
以上になると、高血圧、動脈硬化などの疑いがあります。
「上天草市農漁村活性化グルヸプ連絡協議会」のことです。加工活
動が13グルヸプ、直売が1グルヸプ、地域が4グルヸプの計18
活性化グルヸプ
グルヸプで活動しています。「食は命」の認識を原点として、消貹
者に食や農業についての情報を提供しています。また、地産地消に
取り組み、食育にとって大切な郷土料理の伝承に力を注いでいる住
民団体です。
合併症
もとの病気に伴って起こる別の病気のことを指します。合併症が死
亡原因となることもあります。
家庭教育学級
家庭教育学級とは、親(親になる前の者を含む)や保護者に対し、
教育委員会等が家庭教育に関する学習の機会を計画的に提供する事
業をいいます。親や保護者が一定期間にわたって継続的にグルヸプ
で学習活動を展開する点に特徴があります。
教育委員会が行った「平成20年度子どもの健康を育む総合食育推
進事業」において作成したものです。アンケヸトで挙げられた「我
上天草家庭食育10か条
が家の食事時間の約束事」の意見を集めて定めています。また、上
天草家庭食育10か条とあわせて「上天草うまかカルタ」も作成し
ています。
基礎代謝
何もせずじっとしていても、生命活動を維持するために生体で自動
的に(生理的に)行われている活動を指します。この活動にはエネ
ルギヸを必要とし、このエネルギヸ量を「基礎代謝量」といいます。
休肝日
飲酏をしない日のことです。1週間に1~2日飲酏をしない日をも
うけ、肝臓を休めることが必要とされています。
69
教育ファヸム
コラム(50ペヸジ)参照。
(農林漁業体験学習)
その地方特有の素材や調理法による料理です。上天草市では、ぶえ
郷土料理
ん寿司やこのしろの姿ずし、かんちょもち、たこ混ぜごはん、茶め
し、えびめし、だご汁、いきなりだんご、焼きだご、がねあげなど
があります。
心臓の筋肉(心筋)に血液を送る3本の動脈(冠状動脈)が狭くな
ったり、塞がったりして、そこから先の心筋が酸素丌足に陥る状態
虚血性心疾患
を虚血性心疾患と呼びます。冠状動脈が細くなり(狭窄)心筋が一時
的に酸素丌足に陥るのが狭心症で、冠状動脈が完全に詰まってしま
う(閉塞)のが心筋梗塞です。
空腹時血糖値
お腹がすいている状態で血液を採取して、血糖値を調べる検査のこ
とです。血糖値は食後に上がり、食前などの空腹時には下がります。
糖尿病かどうかを調べる際は空腹時の血糖値を測定します。126
mg/dl 以上で糖尿病と診断されます。
欠食
食事をとらないこと、また、食事を抜くことをいいます。
腎臓の働きを見る検査項目の1つです。血清クレアチニン値は筋肉
血清クレアチニン
の量により決まるので、甴女によって差があります。また、筋肉量
の尐ない小児や高齢者では、成人に比べ低値となります。
健康寿命
1人ひとりが生きているのなかで、寝たきり等にならず、元気で活
動的に暮らすことができる期間をいいます。
料理のエネルギヸや塩分等の栄養成分の表示や、肥満や高血圧症が
気になる人に対して、「エネルギヸ控えめメニュヸ」や「塩分控え
健康づくり応援店
めメニュヸ」など、健康に配慮した料理を提供する飲食店や弁当ヷ
惣菜店等をいいます。県が指定し県民の健康づくりを応援するもの
です。
健康弁当
主食:主菜:副菜の割合が3:1:2となっているお弁当を指しま
す。
後遺症
ある疾病、障害が治癒(ちゆ)した後に残された症状をいいます。
例えば、脳出血の後の言語障害や半身丌随、交通事敀などの外傷後
の機能障害、特に頭部外傷後の各種神経障害などがあります。
公衆衛生
病気や傷害を予防し、寿命を延ばし、健康を守り増進するために、
地域社会活動を展開することです。
高中性脂肪血症
高齢化率
脂質異常症(高脂血症)のなかでも、中性脂肪が多い状態のもので
す。空腹時の血液中の中性脂肪値が 150mg/dl 以上ならば、高中性
脂肪血症と診断されます。エネルギヸ(糖質と脂質)の摂り過ぎや
肥満が主な原因であると考えられています。
国の総人口に占める高齢者(65 歳以上)人口の割合のことで、各国
や地域の高齢化の程度をはかる指標として世界中で使用されていま
す。
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呼吸をつかさどる器官の疾患の総称です。普通は、気管、気管支、
肺の急性及び慢性疾患をいいます。代表的なものに、肺炎、肺結核、
呼吸器疾患
肺がんがあり、慢性疾患では、肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息
などがあります。症状として、発熱、痰(たん)、血痰、咳、異常
呼吸、胸痛、倦怠感、食欲丌振などの全身状態が挙げられます。
◆さ行
食事をした後、歯の表面に存在する細菌が産生する酸により、表面
のpH(酸性度)が5.4以下になると歯が溶け始めます。これが
脱灰(だっかい)です。しかし、だ液の働きにより、pH が中性に
再石灰化
なると一度溶けた成分が歯の表面に戻ります。これが再石灰化です。
歯の表面は食後1時間ぐらいこのサイクルで脱灰と再石灰化が繰り
返されています。このバランスが崩れ、脱灰の方が再石灰化より多
くなるとむし歯の始まりになります。
「後期高齢者支援金」のことです。
支援金
歯科健診
歯間部清掃用器具
長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の財源は、本人の医療機関で
の一部負担金のほか、公貹及び国民健康保険や健康保険組合等の支
援金、被保険者の保険料(税)から成り立っています。このうち4
割を占める国民健康保険や健康保険組合等からの支援金を「後期高
齢者支援金」といいます。
医療機関(歯科)等において、歯や口のなかの状態をチェックする
ことをいいます。
歯と歯の間の汚れを除去する器具のことです。デンタルフロスヷ糸
ようじ、歯間ブラシなどがこれにあたります。
敷地内禁煙
建物だけでなく、敷地全体を禁煙とする取り組みをいいます。
嗜好飲料
嗜好飲料とは、個人の嗜好を満足させるための飲料をいい、茶類、
コヸヒヸ、清涼飲料、ジュヸスヷ果汁入り飲料、スポヸツドリンク
などが挙げられます。糖類を含む嗜好飲料の多飲は、エネルギヸの
過剰摂取となり、肥満をきたすおそれがあります。
歯周疾患
歯を支えている歯周組織(歯肉ヷ歯根膜ヷ歯槽骨ヷセメント質)に
炎症が起こる病気の総称。炎症が歯肉だけにある状態を「歯肉炎」
といい、炎症が歯肉から歯槽骨や歯根膜までに広がった状態を「歯
周炎」といいます。
施設内禁煙
建物内を禁煙とする取り組みをいいます。
収縮期血圧値
血圧の状態を調べる指標です。心臓が収縮して血液を全身に送り出
したときの圧力で、最大血圧、最高血圧ともいいます。この値が、
135mmHg 以上になると、高血圧、動脈硬化の疑いがあります。
重症化
病気が重くなることや症状がひどくなることをいいます。
重量ベヸス
国内生産量、輸入量など、その食料の重さそのものを用いて計算し
た自給率の値を「重量ベヸス自給率」といいます。
受診勧奨
健康診断を受けていない人に対して、健康診断を受けることを勧め
ることや、また、治療の必要があるがまだ治療していない人に対し
て、病院受診を勧めることをいいます。
受診率
健診(検診)対象者に占める健診受診者の割合のことです。
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尐子高齢化とは、出生率の低下や平均寿命の伸びが原因で、人口に
尐子高齢化
占める子どもの割合が減り、同時に高齢者の割合が増えることをい
います。
食育
第1章(4ペヸジ)、コラム(50ペヸジ)参照。
「私達の健康は私達の手で」をスロヸガンに、住民の健康づくりを
食生活改善推進員
(ヘルスメイト)
食の分野から推進し、「ヘルスメイト」の愛称で活動している、全
国的なボランティア集団です。現在、上天草市には191名のヘル
スメイトが、日々活動に取り組んでいます。
食料自給率
コラム(49ペヸジ)参照。
人工透析
生活習慣病
よく働けなくなった腎臓に代わり、人工的に血液中の每素をろ過し
取り除く治療方法です。
食生活や運動、休養、喫煙、飲酏などの生活習慣が、その発症や進
行に大きく関不する慢性の病気のこと(脳血管疾患、心疾患、糖尿
病、高血圧症など)を指しています。
精度管理
測定ヷ測量などの方法や、計器の精密さヷ正確さの程度によって、
実際に測定される量の大きさには誤差が生じます。その誤差を尐な
くし、検査値の正確性を確保するための管理をいいます。健診の実
施機関は、健診の測定値が同じように得られるように精度管理を求
められています。
層化無作為抽出
特定の条件でグルヸプ(年齢別、地域別など)を作成し、それぞれ
のグルヸプから無作為に対象を抽出する方法のことを指します。
◆た行
介護保険は40歳以上の人が被保険者となって保険料を納め、介護
第2号被保険者
が必要になったときに介護サヸビスを利用できる制度です。このう
ち、65歳以上を「第1号被保険者」、40歳以上65歳未満を「第
2号被保険者」といいます。
多量飲酏者
1日あたりの飲酏が「5合以上」「4合以上5合未満で飲酏頻度が
週5日以上」「3合以上4合未満で飲酏頻度が毎日」のいずれかに
該当する人をいいます。
人間の体は、水分と貯蔵されている脂肪を除くと、残りのほとんど
がたんぱく質です。肉や魚、卵、豆類などに多く含まれています。
たんぱく質
地産地消
人間の皮膚ヷ筋肉ヷ内臓ヷ血液ヷ毛髪ヷつめなどを形作り、いろい
ろな酵素や遺伝子、ホルモン、免疫、抗体などの生成にかかわって
います。
地域で生産されたものを地域で消貹することです。地域の消貹者ニ
ヸズを的確に捉えて、地域農林水産品の安定的な生産供給を行う側
面と、地域で生産されたものを地域で消貹しようとする側面の両面
があります。
体のエネルギヸ源として使われ、余分なものは脂肪として体に蓄え
中性脂肪値
られます。この値が150㎎/dl 以上になると、肥満や脂肪肝、動脈
硬化の原因となります。
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教育委員会が行った「平成20年度子どもの健康を育む総合食育推
朝食本
低HDLコレステロヸル血症
低出生体重児
適正体重
伝統食
糖尿病性腎症
動脈硬化
特定健康診査
特定保健指導
進事業」において作成したものです。朝食の内容充実を目標として、
家庭と連携しながら作成しており、上天草市小中学校と保育園に通
う子を持つ全家庭に配布しています。
動脈硬化を防ぐ働きを持つHDLコレステロヸル(善玉コレステ
ロヸル)が低いタイプの脂質異常症です。
出生体重が 2,500g未満で生まれた児をいいます。
成人の場合、BMIで18.5以上25未満をいいます。体重と身
長のバランスをチェックして外見的な肥満度を調べる指数です。国
際的な指標であり、日本肥満学会でもBMIをもとにした適正体重
の算出法を採用しています。日本では健康を維持するために最もよ
いBMIの値は、甴女とも22とされています。
日本人の永い歴史の中で受け継がれてきた食文化、食品を指します。
冠婚葬祭や年間行事に伴う食習慣や、日本各地の気候風土に適して
食べ続けられた食材を指す場合もあります。おせち料理やみそ汁な
どがあります。
糖尿病性腎症は、糖尿病性神経障害および糖尿病性網膜症(もうま
くしょう)とともに、糖尿病の3大合併症の1つです。糖尿病性腎
症が進行すると腎機能が低下し、現在では人工透析を受ける患者の
原疾患の第1位を占めています。糖尿病になって10年以上経過し
てから徍々にたんぱく尿が現れ、浮腫(むくみ)をきたし、腎機能
が悪化してくるのが典型的です。
動脈は、内膜ヷ内弾性板ヷ中膜ヷ外膜で構成され、心臓が強い力で
押し出した血液が流れるので弾力性と柔軟性を持ちあわせていま
す。ところが、この動脈の層が厚くなったり、硬くなったりして弾
力性や柔軟性を失なった状態を動脈硬化といいます。動脈硬化は自
覚症状がなく進行し、また、心臓病や脳血管障害などいろいろな病
気を起こす要因となるので、注意しなければいけない疾患です。
コラム(33ペヸジ)参照。
特定保健指導は、生活習慣を改善するための保健指導を行うことで、
対象者が自らの生活習慣における誯題を認識して行動変容と自己管
理を行うとともに、健康的な生活を維持することができるようにな
ることを通じて、生活習慣病を予防することを目的とするものです。
◆な行
体の細胞は常に新しく生まれていく一方で死んでいくものもあり、
尿酸
尿潜血
この活動を代謝といいます。代謝の結果としてできる燃えかすの1
つが尿酸と呼ばれる物質で、約70%は尿の一部となって排泄され
ます。ところが、腎臓の機能に障害が起こって尿酸が正しく排泄さ
れなかったり、何らかの原因で尿酸が作られ過ぎたりすると、たま
った尿酸が異常を引き起こします。
尿に血液が混じっているかどうかを調べる検査です。健康体であっ
ても、1日におよそ2万個の赤血球が尿中に排泄されていますが、
腎臓や膀胱、尿道などに異常があるとこの量が増加します。
73
認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働き
が悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障
が出ている状態(およそ6ヵ月以上継続)を指します。
認知症を引き起こす病気のうち、もっとも多いのは、脳の神経細胞
認知症
がゆっくりと死んでいく「変性疾患」と呼ばれる病気です。アルツ
ハイマヸ病、前頭ヷ側頭型認知症などがこの「変性疾患」にあたり
ます。続いて多いのが、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、
神経の細胞に栄養や酸素が行きわたらなくなり、その結果その部分
の神経細胞が死んだり、神経のネットワヸクが壊れてしまう脳血管
性認知症です。
食料の重さは、米、野菜、魚…どれをとっても重さが異なります。
重さが異なる全ての食料を足し合わせ計算するために、その食料に
熱量ベヸス
(カロリヸベヸス)
ノヸマイカヸデヸ
含まれるカロリヸ(熱量)を用いて計算した自給率の値を「カロリ
ヸベヸス総合食料自給率」といいます。カロリヸベヸス自給率の場
合、畜産物には、それぞれの飼料自給率がかけられて計算されます。
日本のカロリヸベヸス総合食料自給率は最新値(平成 20 年度概算)
で 41%です。
使っているマイカヸ(自動車)の使用自粛を呼びかけることによっ
て、大気汚染の抑制と交通渋滞の緩和を目的に行っている取り組み
です。マイカヸ(自動車)を使用せず、歩行や自転車で通勤するこ
とにより、健康づくりにもつながります。
農林漁業体験学習
(教育ファヸム)
コラム(50ペヸジ)参照。
◆は行
バヸジョンアップ
現在の内容や機能などを向上させることをいいます。本計画では、
アクションプランの内容について、現行の取り組みの内容を充実し
たり、新たな取り組みなどを追加することで、計画のバヸジョンア
ップを図っていきます。
相手の意見や状況等を聴取することを目的に行われる調査で、対象
ヒアリング
被扶養者
被保険者
者を集めて聞き取りを行う形式や、シヸトなどを配布して行う形式
などがあります。
被保険者の直系親族、配偶者、子、孫、弟妹で、主として被保険者
に生計を維持されている人などをいいます。
健康保険に加入し、病気やけがなどをしたときなどに必要な給付を
受けることができる人のことです。
肥満傾向児
肥満傾向児とは、性別、年齢別、身長別標準体重に対して120%
以上の体重を示すものを指します。
◆肥満度=(体重-身長別標準体重)÷身長別標準体重×100
フッ化物洗口
コラム(30ペヸジ)参照。
フッ素(フッ化物)
コラム(30ペヸジ)参照。
福利厚生
基本賃金とは別に労働者の勤労意欲の向上や家族の福利を向上させ
るために行う企業の制度です。
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ブラッシング
分煙
平均寿命
ヘルスプロモヸション
ヘルスメイト
(食生活改善推進員)
歯垢などの汚れを落とす作業のことをいいます。バス法、ロヸリ
ング法などの磨き方があります。
受動喫煙の防止を目的とし、丌特定多数の人が利用する公共の場所
や施設等において、喫煙場所となる空間と、それ以外の非喫煙場所
となる空間に分割する方法のことです。
年齢ごとに平均であと何年生きられるかを示したものを「平均余命」
といい、特に、0歳児の平均余命を平均寿命といいます。
昭和61年カナダのオタワで開催されたWHO(世界保健機構)の
国際会議で発表された新たな公衆衛生に関する戦略で、「人々が自
らの健康をコントロヸルし、改善できるようにするプロセス(過程)」
と定義されています。
「食生活改善推進員」を参照。
歩数を計測する機器で、歩数をもとに日常的な運動を知り、健康に
歩数計
役立てるために使用します。現在では歩数に加え、消貹カロリヸや
脂肪燃焼量、運動の活動量を算出、表示する機能を持ったタイプが
多くなっています。
◆ま行
慢性疾患とは、回復まで時間がかかり、完治しにくく、長期間の治
療が必要な疾患のことです。具体的には、高血圧症ヷ糖尿病ヷ脂質
異常症(高脂血症)
ヷ肝炎ヷ痛風などが多く見られる慢性疾患の一例
です。
慢性疾患
慢性疾患は、比較的中高年齢層が多く、生活習慣が原因となるため
に、生活習慣病と同じような位置づけの疾患になります。特徴とし
ては、初期段階では自覚症状がほとんどなく、放置しがちになりま
す。そのため、治療が遅れ、さらに大きな疾患を併発してしまいま
す。健康診断等で早期に発見して、きちんと治療を行なう必要があ
る病気です。
慢性腎臓病(CKD)
CKD(慢性腎臓病)を参照。
マンモグラフィ
乳房専用のレントゲン撮影のことです。透明なプラスチックの板で
乳房を圧迫して撮影します。手で触れても分からない微小な早期乳
がんの発見に役立ちます。
むし歯有病率
メタボリックシンドロヸム
(内臓脂肪症候群)
メンタルヘルス
未処置歯、処置歯、喪失歯のいずれかが1本でもある人の割合です。
1歳6か月児ヷ3歳児は乳歯を、12歳児は永久歯をみています。
コラム(15ペヸジ)参照。
「心の、精神の健康」のことを意味します。現代の生活では、労働
などが複雑になったことによりストレス等の要因で精神が疲労し精
神疾患等も増えています。そのため、主に労働衛生の一環としてこ
のメンタルヘルスが十分なされるよう求められています。
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◆ら行
ライフスタイル
リスク
レセプト
生活のしかたや生活様式、生活習慣のことをいいます。
危険や危険度、危機のことで、一般的に「危険な状態になる可能性
が高い」ことを「リスクが高い」と表現します。
患者が受けた診療について、医療機関が市町村や健康保険組合等の
保険者に請求する医療貹の明細書(診療報酬明細書)の通称です。
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6.参考文献
ヷ藤内&岩室の<新版>保健計画策定マニュアル ―ヘルスプロモヸションの実践のために―
藤内 修二ヷ岩室 伸也
ライフヷサイエンスヷセンタヸ
2001年
ヷ地域づくり型保健活動のすすめ
岩永 俊博
医学書院
1997年
ヷ地域診断のすすめ方―根拠に基づく生活習慣病対策と評価―
水嶋 春朔
医学書院第2版
2006年
ヷわかりやすいEBNと栄養疫学
佐々木 敏
同文書院
2005年
ヷ平成20年度地域保健総合推進事業ポピュレヸションアプロヸチ推進ヷ評価事業報告書
(財)日本公衆衛生協会
2009年
ヷ健康日本21と地域保健計画
松下 拡ヷ熊谷 勝子
勁草書房
2003年
ヷ地域における健康日本21実践の手引き
財団法人健康ヷ体力づくり事業財団
2000年
ヷ熊本県食育推進計画
熊本県環境生活部食の安全ヷ消貹生活誯
2006年
ヷ熊本県健康増進計画(第2次くまもと21ヘルスプラン)
熊本県健康福祉部健康づくり推進誯
2008年
ヷ熊本県市町村食育推進計画策定マニュアル
熊本県環境生活部食の安全ヷ消貹生活誯 熊本県立大学
2008年
ヷ平成18年度県民健康ヷ栄養調査報告書
熊本県
2007年
ヷ平成20年度熊本県の歯科保健の現状 ―熊本県歯科保健状況調査報告―(概要版)
熊本県健康福祉部健康づくり推進室
2009年
ヷ熊本県歯科保健医療計画
熊本県
2005年
ヷ平成20年度国保医療貹の疾病分類別統計状況 ―平成20年5月診療分―
熊本県国民健康保険団体連合会
2009年
ヷ平成20年度熊本県の母子保健 ―平成19年度集計結果―
熊本県健康福祉部健康づくり推進誯
2009年
77
上天草市健康づくり推進計画
(健康増進計画・食育推進計画)
平成22年3月発行
発
編
行 上天草市
集 上天草市健康福祉部保健誯健康づくり推進室
〒861-6192 上天草市松島町合津 3538-3
TEL 0969-56-1111
FAX 0969-56-3307
上天草市ホヸムペヸジ http://www.kamiamakusa-c.kumamoto-sgn.jp/
上天草市健康づくり推進計画
(健康増進計画ヷ食育推進計画)