独自の楽譜1

は
じ
め
に
近年、奄美各地の民謡研究グループの方々により、奄美民謡も多岐にわたって研究
が進んでいます。加えて、内地の人たちも島唄に関心を寄せ、研究を進めています。
しかし、その中にあっても、音楽的面の研究は少し遅れがちのようです。
音楽は音が主になるため、形が残るものではなく、研究も難しいものがあるようで
す。一人として同じ奏法、同じ歌い方をする人がないと言われている島唄ですから、
研究が遅れがちになるのも仕方ないことでしょう。しかし、いつかは誰かがそれをや
っていかねばなりません。
しかし、奄美民謡教室で苦労を重ねながら練習をし、努力しておられる方々にとっ
ては、当然楽譜が必要になります。それぞれの島唄教室で、独自に工夫して指導のた
めの楽譜を作っているところも少なくないでしょう。「ばしゃ山会」でも、指導のた
めに作っていったものが、蓄積されて相当数になってきました。散逸するのを防止す
るため、また、蛇皮線の練習(独習)を望む方々のために、その手ほどきとなるよう
な教則本らしきものができればと思い、形を整えてみました。
ここに掲げた北大島の曲のほとんどは、笠利町出身の上村藤枝氏の歌を、徳之島の
曲は徳久寿清氏の歌い方を主に採用したつもりですが、手腕のなさのために、両氏の
名声を傷付けはしないかということが心配です。奄美民謡の場合、一人として同じ演
奏法の人はいないと言われていますから、ここに記した譜が最上で、唯一の奏法では
ないということをはっきりと述べておかなければなりません。例えば、装飾音の出し
方にしても、弾き方は違うのに同じ音に聞こえるものがあります。どの弾き方をする
か気分によってまちまちです。初心者は、きっと戸惑うに違いありません。それほど
様々な奏法があるということです。
蛇皮線の奏法は時がたつにつれ、また、技術が上達するにつれて少しずつ変わって
いきます。このようなものができると、それが最良のようなものに思われがちですが、
決してそうではありません。単に、ばしゃ山会での指導に用いた演奏法の一例、ある
いは、島唄の譜の作り方の一例ぐらいに考えていただくといいでしょう。これを基盤
にして、より完成された楽譜を作成する人が現れることを願ってやみません。
この冊子はまだまだ不十分であります。曲も数多くありません。今後も教室での練
習が進むにつれて楽譜を追加していくつもりですが、当座の練習の相手として利用し
ていただくよう心から願っています。
注
本文はwordにより作成しましたが、ホームページに掲載する段階でソフトの違
いから、実際の楽譜とは少し異なる部分があります。
なお、この表記法についての著作権は設定していません。
目
は
奄
じ
美
め
年
次
に
表
第1章
総 論 編
1、 演 奏 者 の 心 得
(1) 左 手 の 指 使 い
(2) バ チ 打 ち
(3) 演 奏 会 ・ 歌 会
(4) そ
の
他
2 、装 飾 音 に つ い て
3 、表 記 法 の 考 察
(1) 音 符 と 五 線 譜 に よ る 表 記 法
(2) 符 号 や 記 号 に よ る 表 記 法
(3) 文 字 や 数 字 に よ る 表 記 法
4、各 部 の 名 称
第2章
楽
典
編
1 、 工 工 四 と 数式 の 対 応表
2、 対 応 の 一 覧 表
3、音
名
4、音 名 と つ ぼ
5、譜 の 表 し 方
6、諸
記
号
7 、調 律 音 程 ( 調 弦 )
(1) 本
調
子
(2) 二
上
り
(3) 三
下
り
第3章
練習
練習
練習
練習
練習
練習
練習
練習
練習
練習
練習
基 礎 練 習 曲 編
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
(11) ・ (12)お う ま
(13) 江 戸 子 守 唄
(14) チ ュ ー リ ッ プ
(15) こ ん ぴ ら ふ ね ふね
(16)
(17)
(18) ア サ ド ヤ ユ ン タ
(19)
2
練習
練習
練習
練習
練習
練習
練習
(20) 上 り 口
説
(21) 春 の 小
川
(22)
(23)
(24)
(25)
(26)
(27)
(28)
(29)
(30)
(31)
(32) 徳 之 島 一 切 り 節
第4章
本 曲 ( 北大 島 ) 編
花
染
め
節
いきゅんにゃ加那節
芦 花 部 一 番 節
ら ん か ん 橋 節
糸
繰
り
節
コ
ー
キ
節
ワ
イ
ド
節
東 れ 日 の 春 加 那 節
ヨ
イ
ス
ラ
節
雨
黒
み
節
黒
だ
ん
ど
節
朝
花
節
第5章
本 曲 ( 徳之 島 ) 編
徳 之 島 一 切 い 節
ヨ
イ
ス
リ
節
取 た ん 金 ぐ ゎ 節
三 京 ぬ く し 節
ま ん か い 玉 節
作
た
ぬ
米
節
島 か ん ち む ぃ 節
餅給れ(ドンドン)節
稲
し
り
節
み
ち
節
阿 室 ぬ 慢 女 節
亀
津
朝
花
節
うっしょ原風長菊節
畦 越 え ぬ 水 節
3
年
時代
表
奄美史
平
年代
で
き
ご
○ 舜天王
1187
と
首里王府を設け、
奄 美 を 含 む 沖 縄 中 山 を 統 治 (?)
安
1192
鎌
頼朝
幕府を開く
1202
○ 平 家 残 党 落
1266
○ 英祖
奄美統一
倉
1338
室
尊氏
幕府を開く
○ 14世 紀 末 ご ろ (?) 三 味 線 琉 球 へ
琉
属
町
1428
○ 尚巴志
琉球統一
1466
○ 尚徳
喜界遠征
1537
○ 尚清
大 島 遠 征 (?)
○ 尚元
大島遠征
戦
時
国
の
世
1571
1573
信長
義昭を追放
1585
秀吉
関白となる
1603
家康
幕府を開く
安土
桃山
代
○ 島津家久
1609
江
琉球征討(奄美、島津
領有となる)
○ 直 川智
1610
黒糖製造
大 島 代 官 創 置 (奄 美 5 島 管 轄 )
戸
○ 徳之島奉行創置
1616
4
1639
薩
江
摩
支
下
戸
時
代
国
令
1691
○ 沖永良部代官設置
1693
○ 喜界代官設置
1695
○ 大島に黍検者をおく
1706
○ 大島諸島記録系図 差出令
1734
○ 徳之島に黍横目
1745
○ 換糖上納令
1754
配
鎖
宝暦の治水工事
1755
○ 徳之島大凶作
1767
○ 白糖製造を始めさせる
1777
○ 第一次黒糖専売制度
1787
○ 黒糖惣買上げ中止
1799
○ 大島に地方検者をおく
1816
○ 徳之島母間で大一揆
1830
○ 三島砂糖惣買上げ着手
1835
餓 死 3000人
薩 藩 債 250年 賦 償 還 法 決 定 ( 無 利 息 )
(500万両踏み倒し)
○ 徳之島犬田布一揆
1862
明
1868
明
治
維
新
1871
廃
藩
置
県
○ 砂糖
1873
治
5
自由売買
第
総
一
論
6
章
編
Ⅰ、演
奏
者
の
心
得
蛇皮線は、決して主役ではなく、歌が中心なのであるから、蛇皮線が特に
目立つ奏法は感心しない。伴奏しているという気持ちを忘れず、歌う人が歌
い や す く 、唄 が 引 き立 つ 演 奏法 を 心 がけ る 人こ そ 真 の 奏者 と い える 。
1、左手の指使い
指にあまり力を入れすぎてはいけない。力を入れすぎると指の動きが鈍く
なり、速い動きに対応できないばかりか、細かい技法(テクニック)が用い
られなくなるなどの欠点がある。中には、グッと力を入れて押さえるのだと
教えてくれる人がいるが、どうもうなずけない。世界に数多くの弦楽器があ
るけれども、いずれの弦楽器の演奏法を見ても、指先にグッと力を入れると
い う の は 見当 た ら ない 。
指 の ど の 位 置 で 弦 を 押 さ え る か と い う と 、先 の 爪 に 近 い 部 分 で 押 さ え る と 、
それほど力を入れなくても澄みきったきれいな音を出すことができる。女性
の場合、マニキュアなどをするために、爪をのばしていることが多いが、そ
うすると、指の腹で弦を押さえなければならず、やや音が濁ったような響き
に な っ て しま う の で注 意 を 要す る 。
島唄は装飾音が多い関係上、左手の指使い(指先の力のいれ具合・押さえ
る指先の部分)は、特にデリケートで重要である。力を入れるとデリケート
さ が 失 わ れて し ま うの で 、 加減 が 特 に難 し い。
2、バチ打ち
バチは、普通竹製のものを用いる。硬すぎても軟らかすぎてもいけない。
硬すぎるバチで演奏すると、蛇皮線の音が硬く、強く響きすぎて歌の持ち味
を殺してしまう。そして、蛇皮線特有のまろやかな、転がるような音をかな
で る こ と は難 し い 。
一方、軟らかすぎると音の通りが悪く、歌い手への心理的影響が大きい。
歌い手が自信のない初心者などであったりすると、止まってしまうようなこ
とも起こり兼ねない。軟らかすぎると蛇皮をふるわすだけの力に欠け、音が
こ も っ て しま い 、 響か な い から で あ る。
バチ打ち(右手)においては、前にも述べた通り、はっきりとくずれるこ
とのないリズムを刻むことが大切である。また、テンポが乱れることのない
7
よ う に す るこ と に も気 を つ けな け れ ばな ら ない 。
3、演奏会・歌会
演奏会あるいは発表会や歌会が始まろうとするときは、蛇皮線の奏者は、
途中での断弦などによって歌会などの雰囲気をこわさないために、三本の弦
が会の終了まで耐え得るかどうか、確かめておかねばならない。また、そう
いう場合のために、スペアの弦を各一本ずつぐらいは常に用意しておくこと
が 望 ま し い。
発表会などの場合は、特に気をつけなければならない。蛇皮線の場合、発
表会で合奏することはほとんどなく、ソロで弾き語りのようなやり方をする
か、歌い手とペアで出るかというようなやり方が圧倒的に多い。その時に断
弦ということになると、どうしようもないから、用心深い人は、自分の背後
にもう一本蛇皮線を用意しておくぐらいでないといけない。以前から使って
いる古い弦は、音色も悪くなっていることが多いので、断弦の心配を避ける
た め に も 、取 り 替 える ぐ ら いの 心 遣 いが 必 要で あ ろ う 。
4、その他
蛇皮線は長い間弾かないで放置しておくと、毎日弾いているものに比べて
音色が悪くなる。大切にするあまり、しまい込んだままにしておくのは、蛇
皮線の寿命も縮めかねない。思い出したように箱から取り出して演奏するよ
うなことは避け、毎日少しずつでもよいから弾くべきである。また、歌会な
ど に 持 参 する と き は、 あ ら かじ め よ く弾 き 込ん で お く こと が 大 切で あ る 。
歌会などが始まると、奏者はうたに合わせて演奏すべきだが、以前から一
緒に合わせている人の場合は、二人の呼吸もぴったりと合い問題はないが、
参列者の中には初対面の人などもいて、なかなか呼吸が合いにくいことが多
い。そういうときは、自分も心の中でうたいながら演奏すると、多少息が合
ってくるものである。呼吸が合わないのをあせって合わせようとすると、よ
けいに乱れてしまうものだ。蛇皮線・歌う人・演奏者の三者が一体となって
初 め て 楽 しい 歌 が でき あ が る。
また、蛇皮線の演奏技術に自信のある人は、歌待ちの間などでよく装飾音
を 入 れ て 弾 く こ と が あ る 。 唄 を 歌 い 出 し て もそ の ま ま 同 じ よ う に 演 奏 す る と 、
幹音が装飾音によって打ち消される形になり、歌いにくいので、必要以上に
歌 の 部 分 で装 飾 音 を入 れ な いほ う が いい よ うだ 。
8
永年コンビを組んでいてよく慣れている場合はこの限りではないが、唄を
打ち出したら、簡単に幹音だけを弾くと音がはっきりするので、歌う人にと
っては音程をとりやすく、歌いやすい。そのうえ、演奏者自身にも余裕がで
き、たやすく唄につけることができる。この事に案外気がつかない人が多い
よ う に 思 う。
蛇皮線を演奏するものが、歌詞に使われている言葉の意味をよく考え、味
わいながら、歌ったり演奏したりするとき、その唄と共に喜び悲しみなどを
実感して捕らえる自分をみることができる。そういうときは、唄にも魂が入
り、より生き生きと聞く者へ迫っていくのである。歌う人の場合も、まった
くこれと同じである。今まで経験しなかった未知の世界、つまり、その唄の
作られた時代の人々の姿、苦悩・喜び・悲しみ・憤り・楽しみをみい出し得
れ ば 、 人 々に 感 動 を与 え 、 涙さ す の であ る 。
Ⅱ、装
飾
音
に
つ
い
て
島 唄 に は 数 多 く の 装 飾 音 が 用 い ら れ る 。 これ 程 ふ ん だ ん に 用 い ら れ る の は 、
蛇 皮 線 く らい の も ので あ る 。だ か ら 、そ れ が蛇 皮 線 の 特徴 と い って も よ い。
こ の 装 飾音 の 働 きと し て 、二 つ 考 えら れ る。
(1) 曲 を 美 し く 飾る 。
(2) つぼ (ポイ ント) がずれ たのを 補う。
装飾音の数の多さと蛇皮線の澄んだ高い響きが合致して、独特の哀調が出
てきたのではないだろうか。それが島唄の持つ心−それがつまり、島の人た
ち の 心 で ある が − にぴ っ た り符 合 し 、定 着 した よ う に 思わ れ る 。
装 飾 音 の入 れ 方 は、
(1) 三 調 子 に 多 く み ら れ る 打 ち 消 す 音
(3) 同 じ ポ イ ン ト を 二 回 打 つ 奏 法
(×
印)
、 。
( と 印)
、
(
印)
(4) 返 し バ チ で ひ っ か け て 出 す 音
(
(2) 平 調 子 に 多 くみ ら れ る打 ち 音 、か き 音
⋁
印)
の 四 通 り あり 、 い ずれ を 用 いて も よ い。
装 飾 音 が 最 も 多 く 入 る ポ イ ン ト ( つ ぼ ) は、 4 と 7 で 、 次 が 2 と 6 で あ る 。
その他の所にも入らないわけではないが、この4か所に入れれば十分なほど
である。
9
Ⅲ、表
記
法
の
考
察
1、音符と五線譜表による表記法
現在最も多く用いられている表記法で、いわゆるオタマジャクシなどとい
う俗称で親しまれているものである。これは、音の高さと長さを同時に示す
ことができ、しかも直覚的に、一目でわかるようになっているので、大変す
ぐ れ た 表 記法 で あ る。
しかし、オタマジャクシはわからない、難しいといった心理的な面での抵
抗があり、蛇皮線用にするには皆に好まれないし、身近に置いて、用いても
らえるかどうかわからない。また、島唄のつぼ(ポイント)は、五線譜表で
用いられる音符の表す音と多少ずれていてハーモニーしないので、この方法
を 利 用 す るの は 適 当で な い 。
2、符号や記号による表記法
わが国の謡曲や今様などに使われているが、声の上がり下がりは一目でわ
かるけれども、正確な音程をとらえることは出来ない。詩吟のようなものに
なら利用するのもよいが、この方法は、一度覚えた旋律を思い出す手掛かり
ぐ ら い に しか な ら ない 。
3、文字や数字による表記法
音 の 位 置 ・ 高 さ を 明 示 す る 点 、 お よ び 音 を記 録 で き る 点 で す ぐ れ て い る が 、
長 短 関 係 を と ら え た り 、 音 の 動 き を 直 覚 的 にと ら え た り す る こ と が で き な い 。
現在、沖縄の「工工四」で用いられているものはこの方法であり、島唄の
つぼを数字で表して用いているのもこの方法である。これだと、表記法は簡
単 で 親 し みや す く 、初 心 者 向き で あ る。
しかし、尺八の譜のように、文字(ロツレチ…)の横に
線を付して長
さ を 表 し た り 、「 工 工 四 」 の よ う に 一 マ ス ( □ ) で 長 さ を 区 切 っ て 長 短 を 表
したりする工夫はあるが、音の高さだけは直覚的にとらえられないという大
き な 欠 点 があ る 。
以上のような点で、それぞれ長所短所があり、島唄の表記法にはどの方法
を用いるのが最も良いか困るところである。いずれにしろ、蛇皮線を他の音
楽のレベルまで高めようと思えば五線譜表に限るが、これでは理解が難しい
と い う 点 で、 人 々 の中 へ 取 り入 れ ら れに く いだ ろ う 。
10
数字による表記法は、蛇皮線固有のものとなってしまって、他の楽器には
適用できないという欠点はあるものの、島の人たちの間で普及している意義
は 大 き く 、そ の 実 績を 無 視 する わ け には い かな い 。
また、島唄の蛇皮線は、一打ちの長さが中心になっているので、長さの表
記にはマス目で十分であり、同じ文化圏である沖縄の「工工四」とも将来に
お い て 融 合で き る よう 、 第 3の 表 記 法を 試 みた 。
次 の 例 がそ れ で ある 。
1
2 Ⅰ、4 Ⅱ、4°2
1
6
7Ⅲ、7°5
大きく書かれたのが幹音で、Ⅱや4のように小さく付されているのが装飾
、 。
音である。 や は、その音の出し方を表す。詳しくは、楽典Ⅳを見るとよ
く 分 か っ て も ら え る で し ょ う 。 こ れ な ら ば 、初 心 者 で も 練 習 次 第 に よ っ て は 、
すぐにでも一曲を完成させることができるし、何人いても同じ演奏の仕方も
、
、
、
できる。島唄の場合、2Ⅰ
4 Ⅱ 4° 7 Ⅲ 7°の 装 飾 音 が 最 も 多 く 、 他 の
も の は ほ とん ど 用 いな く て もよ い く らい で ある 。
11
Ⅳ 、各
部
の
名
称
①
天
②
③
④
⑤
①月の輪
②虹
③糸掛け ・糸巻 き
かなくり
④歌口
⑥
⑤乳袋
⑥野(平 な面)
⑦鳩胸
⑧野坂
⑨腕あて ・手皮
⑩浜
⑪駒・う ま
⑧
⑦
⑫猿尾
⑬もとつ け
⑨
⑩
⑪
⑬
⑫
12
第
楽
二
典
13
章
編
1、 工工 四と 数 式の 対応 表
工 (6 )
五 (7 )
六 (Ⅲ )
七 (8 )
八 (9 )
下 八 (10)
四 (3 )
上 (4 )
中 (Ⅱ )
尺 (5 )
下 尺 (己 )
合 (1 )
乙 (2 )
老 (Ⅰ )
女弦
中弦
男弦
数式 と工 工四 の 対応
6 (工 )
7 (五 )
Ⅲ (六 )
8 (七 )
9 (八 )
3 (四 )
4 (上 )
Ⅱ (中 )
5 (尺 )
己 (下 尺 )
1 (合 )
2 (乙 )
Ⅰ (老 )
10 ( 下 八 )
女弦
中弦
男弦
2、 対応 一覧 表
工:6
五:7
六:Ⅲ
七: 8
八 :9
四: 3
上: 4
中: Ⅱ
尺 :5
下 尺:巳
合:1
乙:2
老:Ⅰ
3、音
下八: 10
名
弦
幹
音
3の糸( 女)
6
7
8
9
2の糸( 中)
3
4
5
己
1の糸( 男)
1
2
上
十
装 飾 音
土
Ⅲ(スリ ー)
Ⅱ( ツ ー )
Ⅰ( ワ ン )
以上の16音でたりる。9・十・土・己は装飾音にも用いられるが、二上
り
三 下 りの と き 幹音 に な るの で 幹 音の 仲 間に 入 れ て ある 。
音 の 読 み方
1
いち
2
に
3
さん
4
し
5
ご
6
ろく
7
しち
8
はち
9
く ( き ゅう )
十
じ ゅう
上
じょう
巳
み
土
ど
装 飾音 に つ いて は 上 の表 の 通り
14
4、音名とつぼ(ポイント)
7
4
2
6
3
1
←
51mm
→ ←
8
9
Ⅱ
5
己
Ⅰ
上
50 → ← 49 → ← 48
2・ 4 ・ 7は 第 二 指
1 ・ 3・ 6 は
Ⅲ
いずれも
十
女弦
中弦
男弦
→ ← 46 → ← 44
5 ・8 は 第四 指 を 使 う
ど こ も押 さ えな い で 弾 く開 放 弦 であ る 。
ここに記したものは、本調子の場合の指使いであり、二上り及び三下り
の 場 合 の 運指 は 、 不自 然 に なら な い よう に 、多 少 変 え ねば な ら ない 。
第 二 指( 人 さ し指 )
第 三 指 (な か 指)
第 四 指( く す り指 )
第 五 指( こ 指 )
Ⅰ ・ Ⅱ・ Ⅲ の 装飾 音 は 、第 四 指 がよ い 。
5、譜の表し方
下図のように、一筋を12段(12マス)に分け、一楽節(または一節)
4段ずつをまとめて一小節とする。
小
節
強
弱
強
弱
一 楽 節 ま た は 一 節
1 小 節 の 中 の バ チ 打 ち ( 演 奏 の 仕 方 )
1 マ ス 目… … 強 く
2 マ ス 目… … 弱 く
1 小 節 … …2 マ ス ・4 マ ス
3 マ ス 目… … や や強 く
1 楽 節 … …6 小 節 ・3 小 節
4 マ ス 目… … 弱 く
15
1マスを1拍(一打ちの長さ)とし、1マスの中に幹音や装飾音が二つあ
るときは、二つで1拍に演奏します。マスとマスの切れ目で音がとぎれず、
流 れ る よ うに 弾 き ます 。
なお、最後にある二本の縦線は曲の終結を意味し、次へ続く場合は、一本
の線 にします。
6、諸
記
号
記号
、
名
称
意
味
打
ち
音 バ チ を 使 わ な いで 、 指 でた た い て出 す 音。
°
か
き
音
×
消
し
音 バチではじいた音を次の瞬間に指を軽く浮かし
指をはな す瞬間 に爪で ひっか いて出す 音。
て消して しまう 音。
:
⋁
ひっかけ 音
かえしバ チでひ っかけ て出す 音。
○
延
符
前の音を そこま で延ば す。
=
休
み
休みを表 す。音 を出さ ない。
DC
もどり記 号
最初へも どり二 重線( ↓∥) で終わる 。
くりかえ し
その範囲 内をく り返し て弾く
:
音
おもな記号はここに解説しましたが、新出記号は各曲末尾でも説明を加
え る よ う に心 が け るこ と に しま し た 。
7、調律音程(調弦)
調律する場合、歌う人の声の高さに合わせて調律するため、多少の個人差
は あ る も のの 、 普 通
・男 子…… 3∼6
・女 子…… 4∼7
の調律笛の高さぐらいで、疲れないで歌える。弾き始めのころは、まだじゅ
うぶん発声練習ができていないので高い声が出にくい。こういう場合や長時
間歌う必要がある場合は、疲れたり、のどを痛めたりしないため、普通より
16
やや低めで歌うのが賢明である。そして、次第に調子が出てきたときに少し
高くすればよい。また、子供は大人に比べて高い声が出せるので、そのこと
も 計 算 に いれ て お かな け れ ばな ら な い。
男性は、女性の声の高さにもついていって合の手を入れられるよう、無理
のない程度に高い調律に合わせて歌って練習することも必要である。低い声
の持ち主でも、高い声を出す練習をしていると、ある程度は高い声が出るよ
う に な る もの で あ る。
(1) 本 調 子 の 場 合
3の糸(女弦)
8度の完全協音程
完
全
協
和
音
5度の完全協 音程
2の糸(中弦)
4度の完全協 音 程
1の糸(男弦)
図のように、いずれも完全協音程のため、二本の弦、三本の弦を同時に鳴
らしてもうなりや異音を生じないで、澄んだ美しい響きを持つ。調律笛で同
じ 音 と し て調 律 で きる 。
(2) 二 上 り の 場 合
3の糸(女弦)
8度の完全協音程
完
全
協
和
音
4度の完全協音程
2の糸(中弦)
5度の完全協音程
1の糸(男弦)
2の糸を上げたため、本調子の1の糸と2の糸(4度)の音程が、ここで
は2の糸と3の糸との間の音程として出てくる。5度差も同じように入れか
わ っ て い る。
完全協音程は、1度・4度・5度・8度と、これらのオクターブ高い音、
低 い 音 で あ る 。 完 全 1 度 と い う の は 同 じ 音 (そ の 音 自 身 ) の こ と で あ る か ら 、
蛇皮線の場合たった3本の弦でありながら、1度・4度・5度・8度の完全
協音程をすべて用いているという点で、古代(?)において相当音楽的に考
え ら れ て いた の で あろ う と 思わ れ る 。
17
(3) 三 下 り の 場 合
3の糸(女弦)
4度の完全協音程
不
7度の完全協音程
協
和
2の糸(中弦)
4度の完全協音程
音
1の糸(男弦)
この場合、1の糸と3の糸の音程が完全協音程でないため、3本を一緒に
弾 く と 不 協和 音 に なり 、 少 し聞 き づ らい 。
音
程… … 二 つの 音 ( 楽音 ) の 高低 の 差
不 協 和 音… … 二 つ以 上 の 音が よ く 調和 せ ず不 安 定 な 感じ を 与 える 和 音
和
音……高さの異なった二つ以上の音が同時に響く場合に合成される
音
4度というのは分かり易くいえば、ドとファの音程がそうであり、5度は
フ ァ と 高 いド の 関 係が そ う であ り 、 ドと ソ の関 係 で も ある 。
18
第
基
礎
三
練
章
習
19
曲
編