人材育成の考え方

人材マネジメント
当社グループは、
「 人材マネジメント方針 」に基づき、世界
Our Vision
人材育成の考え方
グローバルリーダーに求める人材像
で活躍できる人材を長期視点に立って育成します。
• 戦略的かつ効率的にグローバルビジネスを
「 世界の市場や仲間と日々対話し、社会の求める価値を生
リードできる人材
み出すことのできる人材を育成するため、主体的に成長を目
Share Our Vision
• 各地域で地域特性に合ったビジネスをスピー
指す社員を積極的に支援すること 」が、人材育成の基本的な
ディーに展開できる人材
考え方です。
グローバル人材マネジメント戦略
社長への登用も進めています(合弁、買収会社を除く)。
を入れています。
2015 年度には、国内外の主要ポジションの後継者計画「 サ
海外事業の拡大には、現地に精通した優秀な人材の活躍が
クセッションプラン 」や、次世代経営人材候補者の選抜基準や
必要であると同時に、国内外の各拠点を統括しマネジメント
育成プロセス「 キータレントマネジメント 」を整備しました。
する力、グローバルリーダーシップの強化が重要です。当社グ
2016 年度より本格運用を開始し、グローバル経営加速に向
ループは求めるグローバル人材像を掲げ、中期的な取り組み
け、グループ横断的に取り組んでいきます。
Our Value Creation Stories
グローバル経営加速に向けて、グローバル人材の育成に力
として、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材を確保し、
各国拠点間での最適配置を通してグローバルリーダーの計画
現地人材登用推移
質)
、人材データベース、グレーディング、出向制度、報酬制度
(%)
100
等を整備してきました。
91.1
次世代の経営人材を育成するために、若手・中堅社員を対象
として、日本国内社員の海外派遣と、海外拠点現地採用社員の
91.7
93.4
91.7
課長 部長
57.1
60
化を中心とした、研修プログラムの世界的な共通化・標準化を
94.1
61.5
51.6
図り、
「MCI アカデミー」として整備を進めています。これら
の研修を通して、これまでに 40 歳代の海外関係会社のトップ
93.3
80
国内派遣を双方向で実施する、
「 海外実務派遣研修 」を積極的
に実施しています。また、企業文化の浸透やリーダーシップ強
92.2
87.1
Our Operations
ます。その基盤として、世界各拠点共通のコンピテンシー(資
Our Strategic Focus
的な育成を図る「 グローバル人材マネジメント 」を推進してい
43.1
40
45.4
36.6
34.0
34.7
2011
2012
が複数誕生しました。現地採用人材の主要ポジションへの登
地化し、2018 年には 60% を計画しています。また、社長、副
20
(計画)
2013
2014
2015
2016
2017
2018
(年度末)
Our Resources
用も進んでいます。現在、海外関係会社の部長級の 45% を現
海外関係会社のマネジメント力強化
グローバルな経験を有する
経営人材の育成
トップポジションの
現地化促進
登用
中堅・若手人材
(次期グローバルリーダー)
採 用
基準整備
海外経験機会の拡大
多様なバックグラウンド
海外経験者・外国人採用強化
ローテーション
登用
専門性・マネジメント力
の向上
即戦力採用
JV パートナーからの人材供給
Financial Section
育成・配置
経営人材
(グローバルリーダー)
三井化学本体のグローバル
マネジメント力強化
Our Foundation
グローバル人材マネジメント施策
①コンピテンシー ②人材データベース ③グレーディング ④出向制度 ⑤報酬制度
61
三井化学レポート 2016 現地社員の活躍推進
“多様性を認め、相互に信頼しあう若いチーム。
それが私たちの成長の原動力です” 三井化学インディア(MCIND)は設立 8 年。活気にあふれ、
温かく、そして若々しい企業文化があります。そして、ビジョ
ンを持ったリーダー、革新的なマネージャー、勤勉なスタッ
フが共に前進し続けています。
経営陣は、私たちとの密なコミュニケーションを心掛ける
とともに、三井化学グループのグローバルビジョンやミッ
ションに関して私たちの理解を促し、全員がそのビジョンに
沿った目標を達成できるようにリードしてくれます。そして
マネージャーは、私たちの成長と更なる飛躍のために、セミ
ナーや会議、リーダーシップ研修への参加など、能力開発の
機会を与えてくれます。
MCIND は、従業員を信頼し、私たち一人ひとりを三井化学
グループの成長への貢献者として評価し、そして評価されて
いることを実感させてくれます。全従業員にリーダーになる
力を与え、私たちの可能性を拡げてくれる会社だと思います。
多様性のある考え方の下での結束が、このチームが効果的
で革新的な解決法を生み出すことに繋がり、MCIND を成功
に導いているのだと思います。
私たちはチーム MCIND のメンバーとして働いていること
を誇りに思っています。
Rajni Srivastava
Senior Manager – Human Resources(写真上:中央)
Priti Sahoo
Junior Executive – General Affairs & Administration
(写真下:右から 2 人目)
多様な個性の尊重̶ Diversity & Inclusion
優れた人材を戦力として登用していくには、多様性を尊重
女性社員推移 *
する企業風土が欠かせません。
当社グループでは、2006 年に「 女性社員登用推進チーム 」
女性社員比率
(人)
16.0
2017
7 年度目標 2.5
2.5%
150
るべく、
“異文化受容”
という視点も含めた「 ダイバーシティ推
して、さらに多様化する社員のキャリア意識や働き方に対する
9.3
9.8
10.4
10.8
79
の設置、社員の自律的なキャリア形成を支援するキャリア相
2.4
2.5
談室の設置など、性別・国籍等に関わりなく社員一人ひとりの
0.6
0.7
2006
2007
活躍を支援するための体制を強化しています。
0
11.7
133
11.9
140
助などの支援制度等を充実させ、多様化する社員の価値観を
ふまえた働きやすい環境整備をさらに進めていきます。
8.0
6.2
2.8
0.7
3.2
1.2
2008 2009
当社グループは障がい者雇用にも積極的に取り組み、2004
年度以降連続して法定雇用率を満たしています。今後も障が
い者の方が生き生きと働ける風土の醸成、職場環境の整備に
努めます。
62 三井化学レポート 2016
(年度)
育児休業
取得者
(人)
12.0
155
115
4.0
3.6
1.3
2010
4.9
4.2
5.4
4.0
1.5
1.6
1.6
2011
2012
2013 2014
また、ワーク・ライフ・バランス推進に向けて、短時間勤務
措置、看護・介護休暇、ベビーシッターや介護サービス利用補
12.0
11.9
91
84
50
11.4
125
107
100
11.2
価値観の変化にも対応すべく取り組みを始めています。
国内における外国籍社員の仕事や生活を支援する専用窓口
181
管理職
理職(課長級以上
(課長級以上)女性比率
る研修などを行ってきました。
進チーム 」へと改編。2015 年には「 ダイバーシティ推進室 」と
(%)
200
を設置し、働きやすい環境の整備や、ステップアップを支援す
2011 年には、急速なグローバル化という環境変化に対応す
管理職(課長級以上)の女性比率
管理職の女性比率
* 三井化学本体在籍社員の集計
■ 女性管理職数
2.0
1.8
0
2015
(年度末)
2011
2012
2013
2014
2015
女性
21
23
19
29
33
男性
58
48
50
67
62
合計
79
71
69
96
95
0
0
1
1
0
介護休業取得者(人)
(年度)
障害者雇用率(%)
2011
2012
2013
2014
2015
1.9
1.8
2.2
2.1
2.2
健康経営
Our Vision
当社グループは、社員の健康は会社の生産性を向上させるばかりでなく企業価値の向上につながるものと考え、
「 社員の健康は
会社の健康に直結する 」という基本理念に基づき、社員の健康づくりを経営課題に位置付けています。
全社の産業医が定期的に集まり検討した健康管理上の課題
増進を支援します。また、関係会社も含めて労働衛生監査を定
や対策を基に、労働衛生中期計画や年間計画案を策定してい
期的に実施し、改善を行っています。海外事業所へは、本社の
ます。各事業所では、健康管理室が中心となり年間計画を展開
産業医が毎年巡回して全員と健康面接を行い、心身両面から
するとともに、専属産業医や保健師、衛生管理者が社員の健康
社員を支援しています。
Share Our Vision
労働衛生の推進
健康管理
度にまで向上しました。社員の自主的な健康づくりを支援する
為に、事業所単位での取り組みだけでなく、ヘルシーマイレー
ジ合戦等、全社で健康づくり活動も行っています。高血圧リス
■ メンタルヘルス ■ 癌 ■ 循環器 ■ 消化器 ■ 感染症 ■ 外傷(含労災)■その他
16,000
Our Value Creation Stories
した特定保健指導の実施率も、2009 年度の 25% から 45% 程
疾病休業日数(病気休職+病気欠勤 + 特別休暇)
12,000
8,000
クの有所見率は大幅減少した状況を保っており、がんによる疾
病休業日数は、再雇用者の増加に伴い、2013 年度と比べ増え
ているものの、十分に抑制できていると考えています。また、
メンタルヘルスによる疾病休業日数も減少傾向にあります。
4,000
0
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015(年度)
(三井化学本体在籍社員)
当社のメンタルヘルスケア対策は、不調者個人別の対応の
土調査を組み合わせ、総合健康リスクとメンタルヘルス風土の
みならず、新入社員向け対策と「 職場ストレス調査 」を活用し
2 軸で評価する「 新職場ストレス度調査 」を実施しています。
た職場風土改善活動に特徴があります。
調査結果を個人へフィードバックするだけでなく、組織の
新入社員には、研修や e–ラーニングに加え、半年毎に産業医
結果を所属長に説明し、ストレスが高い職場ではストレス低
が全員と面接し、生活習慣・体調面・コミュニケーション等の状
減計画「 コミュニケーション向上計画 」を実行します。またメ
況を把握し、アドバイスをしたり、必要に応じ上司を含めて話
ンタルヘルス風土が良好な職場の事例を、グッドプラクティ
し合ったりと、会社生活への適応を支援しています。
スとして水平展開しています。
Our Operations
メンタルヘルスケア
Our Strategic Focus
定期健康診断に特定健診とがん検診を融合させた総合健診
の実施から 8 年目となり、メタボリックシンドロームを対象と
2011 年より、職業性ストレス簡易調査とメンタルヘルス風
医療費の抑制
(%)
した。2013 年度以降の増加は再雇用者
120
の割合の増加に伴うものであり、高年齢
100
労働者の健康対策強化を行っています。
また、法定給付費についても一般に増加
傾向にあるなかで、十分に抑制できてい
ると考えています。
法定給付費(*1)推移(被保険者一人当たり)
三井化学健保 三井化学
2008 年度 =100%
(%)
120
115
80
110
60
105
40
100
20
95
0
90
(*1)法定給付費:医療費他、傷病手当金、出産育児
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 (年度)
一時金、出産手当、埋葬費を含む
(*2)健康保険組合連合会:「 平成 28 年度健保組合予算早期集計結果の概要 」 よりデータ使用
三井化学健保 健康保険組合連合会(*2)
Our Resources
は 2008 年度比で 70% 程度に減少しま
傷病手当金推移
2008 年度 =100%
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 (年度)
日本政策投資銀行(DBJ)より「DBJ 健康経営(ヘルスマネジ
秀論文賞を受賞しました。また、長年にわたる
メント)格付 」* の最高ランクである「 従業員の健康配慮への取
安全衛生活動の指導で、安全衛生水準の向上・
り組みが特に優れている(特別表彰)
」の格付を 2013 年 3 月に
発展への貢献が評価され、
「 安全衛生に係る優
取得し、健康経営のモデル企業として表彰を受けました。
良事業場、団体又は功労者に対する厚生労働大
社員の健康増進の一環として行った保健指導プログラムに
臣表彰 」を本社健康管理室長・統括産業医が受
ついて、日本産業衛生学会から、本社健康管理室・産業医が優
賞しました。
Financial Section
社外からの評価
Our Foundation
健康増進の取り組みにより、傷病手当金
* DBJ が従業員の健康配慮への取り組みに優れた企業を評価し、融資条件を設
定するものです。
63
三井化学レポート 2016