乱反射LEDによる交通安全・霧視での有効性の

研 究 者
〔乱反射LEDによる交通安全・霧視での有効性の研究〕
乱反射LEDによる交通安全・霧視での有効性の研究〕
乱反射技術を用いたLEDランプ(天の川シリーズ)は夜間の視認性を高め
交通安全(
交通安全(高齢者社会)
高齢者社会)に貢献します。
※天の川シリーズは大阪府との共同特許出願製品です。
共同研究者
宮崎大学医学部感覚運動医学講座眼科学分野
日本眼科学会眼科研修委員長 直井 信久
九州保健福祉大学保健科学部視機能療法学科
内田冴子
大 阪 府
株式会社共立電商
■本研究の目的
LED照明灯(特に道路照明、トンネル照明、公園照明灯)については、LED光源自体が長寿命(寿命約20年)であり、今後、公共空間はもとより、屋内照明等、急速に普及していくと予想さます。そ
の中で、社会全体で高齢化が進み、高齢者等の交通事故の増加や日常の生活への影響が懸念されます。 今回の反射板を活用したLED照明灯については、直進性の強いLED光源を反射板で
乱反射させることで、高齢者の夜間のコントラス感度等があがり、上記に記載した、交通事故や日常生活への影響を少しでも解消できるような照明灯の開発を行い、長寿命のLED化が進む中で、
より良い製品を提供していくことで、社会に貢献したいと考えています。
■交通死亡事故の状況
歩行中交通死亡事故の夜間割合は昼間の約2倍の発生状況にあり、その過半数が高齢者であるというデータがでています。(警察庁交通局調べ)
■実験内容
省エネルギーであるLED照明が普及されつつある中、見え方(視機能的特性)についての実験を行いました。
実験方法として、3タイプの光源で比較を行いました。
現在多く採用されている「①高圧ナトリウムランプ」、「②レンズを用いたLEDランプ」、「③反射技術を使ったLEDランプ(天の川シリーズ)」の3タイプで、実際の道路照明ポールにそれぞれ設置し、
その同一環境下で視機能(視力・コントラスト感度・色覚)について、夜間・霧視夜間での実験を行いました。
被験者は、30~40歳代、50歳代、60歳代、70歳代に分け実験を行った結果、高齢層になるほどLEDランプの視認性が良く、③の乱反射技術を用いたLEDランプではさらに良好な結果を得ることが
できました。
■実験結果1.
視力(2つの点を2点と分離してみることができる能力をいいます)
視力
視覚(度)
50m先で認識できる幅
30㎝先で認識できる幅
30㎝先での文字サイズ
(視認できる幅×17)
0.1
0.2
0.17度
0.083度
15cm
7.3cm
0.087cm 0.044cm
1.5cm
(42pt)
0.74cm
(21pt)
0.4
0.042度
3.6cm
0.022cm
0.6
0.028度
1.8cm
0.015cm
0.8
0.021度
1.8cm
0.011cm
1
0.017度
1.5cm
0.0087cm
1.5
0.011度
0.97cm
0.058cm
0.37cm
(11pt)
0.25cm
(7.0pt)
0.19cm
(5.3pt)
0.15cm
(4.2pt)
0.099cm
(2.8pt)
視力の基準となるランドルト環
視力の基準となるランドルト環
視力( 霧視) 全年齢層の結果
少数視力
(Mean±S.D.)
標準
0.64±0.27
LED灯
0.36±0.18 **
LED+反射板 0.43±0.21 **
Na灯
0.37±0.17 **
表中*標準との差 ( *P<0.05、**P<0.01)
結果:60~70歳代で反射板付LEDの優位性が認められました。(高齢者の視力が高く保たれることになります)
左の環の切れ目が5m先から
わかれば視力1.0となります。
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2.コントラスト感度(人が物を見るとき、対象物をどのように認知しているかを定量化するものです)
空間周波数
視力
視覚
50m先で認識できる幅
30㎝先で認識できる幅
30㎝先での文字サイズ
(視認できる幅×17)
15Hz
0.05
0.33度
29cm
0.17cm
3cm
(84pt)
3Hz
0.1
0.17度
15cm
0.087cm
1.5cm
(42pt)
6Hz
0.2
0.083度
7.3cm
0.044cm
0.74cm
(21pt)
12Hz
18Hz
0.4
0.6
0.042度 0.028度
3.6cm
1.8cm
0.022cm 0.011cm
0.37cm
0.19cm
(11pt)
(53pt)
正常な環境下でのコントラ
スト感度3~6Hzの空間周
波数でコントラスト感度が
最大となる。
全年齢の結果
標準
LED灯
LED+反射板
Na灯
表中・標準との差
1.5Hz
3Hz
33.2±14.4 73.1±40.0
30.7±19.0 44.6±20.6”
34.4±17.7 45.5±19.9”
23.9±8.8” 45.9±24.9”
(’P<0.05、”P<0.01)
6Hz
62.7±48.9
25.0±18.3”
30.7±23.0”
24.6±20.6”
12Hz
28.9±36.7
4.3±4.5”
5.0±6.1”
4.0±5.1”
18Hz
9.2±12.7
1.4±1.0”
1.6±1.6”
1.7±1.6”
12Hz
7.1±7.6
1.8±1.6”
2.0±1.9”
2.6±2.6”
18Hz
2.3±2.8
1.1±0.4”
1.2±0.6”
1.4±0.9”
全年齢(霧視)の結果
標準
LED灯
LED+反射板
Na灯
表中・標準との差
1.5Hz
3Hz
6Hz
25.4±13.1 47.2±30.8 26.6±18.7
2408±10.3 34.7±17.0” 11.6±11.6”
24.5±7.6 31.4±16.2” 12.2±9.8”
24.4±10.7 32.9±15.9” 12.5±9.8”
(’P<0.05、”P<0.01)
結果:夜間の状態では、50代・60代で反射板付LEDが細かな指標(50m先での2cm程度)が見易くなります。
※値が高いほど色の見間違いが多いことになります
3.色覚(色の混同を調べるものです)
色覚(霧視)全年齢層の結果
少数視力(Mean±S.D.)
13.4±3.3
標準
15.8±5.9”
LED灯
15.8±5.1”
LED+反射板
23.3±6.9”
Na灯
表中・標準との差 (’P<0.05、”P<0.01)
■試験状況
オレンジ光:高圧ナトリウムランプ
結果:晴天・霧視の夜間のいずれも全年齢層でナトリウム灯より、LED、反射板付LED下での色別の精度が
高い結果が得られました。
白 色 光:LEDランプ
ナトリウム(左)に比べ、白色LEDランプ(右)光源下では、車や服装の色が正確に認識できます。事故目撃時にも大きく役立ちます。
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