講演発表

講演発表
第 1日
1
0月 1日(月)
A会場 (
2
0
2号室)
1AO1
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1A15
B会場 (
3
0
2号室)
1801
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1815
C会場 (
3
2
0号室)
1CO1
"
"
"
1C15
1A01
9
7、9
8
1
)問題点と励起関数
Tcの半減期について (
(都立大・理)
0小林貴之、末木啓介、塚田和明、海老原充、中原弘道
はじめに
原子番号43番のテクネチウムは 1937年に P聞 記rとSegreらにより加速器を用いて人工的に製造され、現在
までに化学的・物理的性質が調べられてきた。このうち半減期などの核データはテクネチウムが地球上に
存在しうるかどうかの指針になるなど地球・宇宙化学的に興味深い。今回、我々は現在までに報告されて
いるテクネチウムの半減期等の核データの検討とテクネチウム 98の製造、およびテクネチウム製造のため
に励起関数を求めたので現在までのデータを報告する。
テクネチウムの核データの問題点
現在までに報告されているテクネチウムの半減期のデータを表 1にまとめた。この中で長半減期のもの
、
は質量数が97,
98,
99のものである。
が 1958年に半減期を報告している九この実験では9 u
(
n,yrRuの反応系を用
切なについては S.Katcoff
いて生成した 97Ruの原子数を放射能測定によって求め、次に図 1
に示す壊変図から 97STcの原子数を求めた。
そして、 EC
壊変によって生成する叫Tcからの MoのK-X
線を測って半減期を求めている。しかしこの実験
π
線が妨害するので、彼は X線吸収端の方法で TcとMoのK-X
では田町Tcの 壊変に伴って放射される TcのK-X
線を分けてNa
I
σ1)
検出器で測定している。これには誤差がかなりあると思われ、さらに図 1に示すように
か
ら
野
田
97
T
c
への分岐比
O
. 41%についても再検討の必要があると考える。また何Eの質量についての報告
Ru
∞
が現在までに 2
例あるが同報告値の差が26keVもあることや、データの一部が私信で未公表のため、再検
討の余地があると考えられる。したがって 9
7
T
cのOa=0.
32MβVが変化する可能性がありこの値が小さくな
れば半減期が長くなる可能性もある。
壊変も計算すると s
崩壊
Tcの壊変については図2のように現在まで戸崩壊しか報告されていないがEC
9
8
と同程度の確率で壊変する可能性があり、やはり半減期が変わる可能性があると考えられる。
TABLE1I
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Tc
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たかゆき、すえき
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8
3
s
けいすけ、っかだ
かずあき、えぴはら
-1
2-
みつる、なかはら
ひろみち
励起関数と 9'
T
c
の製造
9
8
2
n
)反応を用いた。照射は東京大学原子核研究所のSFサイクロトロンを使用し、タ
Tcの製造は阿Mo(d,
巴V の重陽子で照射した。また今回は照射の基礎データと
ーゲットには、 92.8%濃縮 97Mo
金属 100mgを13M
(
d,刃の励起関数を求めた。
励起関数測定は、照射エネルギ一範囲として 4から 30MeV聞で行な
してMo
/
cm2
の厚みの市販モリプテン箔を使用した。照射は5min照射と 20min照射を行
った。ターゲットは 150mg
叫 Mo,
Mo(d
,
α)
N
b
, Mo(d,
n
)
T
c
反応の励起
ない測定は非破壊で y線を測定した。その結果、いくつかのMo(d
関数を求めることが出来た。このうちの問Mo
(
d,
pi01Mo,
弼Mo
(
d,
αt'Nbのデータを図 3に示す。このデー
.Ran
d
♂らによって求められていたが、今回のデータはより広い範囲
タは現在まで 3・13MeVの範囲ではZ
でのデータとなり厚いターゲットの収率計算等に利用可能である。
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カリウム 40壊変定数の精密測定 (
2
)
(東大理 l、東大核研 2、東大物性研 3)0草場匡弘 l、今村峯雄 2、
八木健彦 3、小嶋稔 1、比屋根肇 1
K -Ar年代測定として広く用いられている 40Kはその約 1
0
.7%が
電子捕獲壊変によって、また 0.001%が Y壊変により 40Arに変換する。最近、ザイール
Ar年代測定において見かけ上 60
億年という異常な年代が得られ、
産ダイアモンドの K[はじめに]
さらにカリウムの濃度と
40Arの量が比例関係にある、いわゆるアイソクロンを形成す
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,
.
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9
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n
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u,1988)。その解釈をめぐっては
ることが報告された(Z
いくつかの可能性が指摘されたが、その中の一つは 40Kの壊変定数についても検討の余
地があるかもしれないという考えであった。その後の研究 (0
血n
ae
ta
,
.
l1
9
8
9
) でこの異
常な年代はダイアモンドが二つの成長段階を持ち、その外側の層に過剰でかつ一定の
/ K比の微小(サブミクロンサイズ)液体成分を持つとして説明できることが判明
4
0
Ar
した。
p電子の影響
我々は 40Kの壊変が、ユニーク第一禁止選移であることから外殻の 2p,3
がかなり大きいことに注目し、圧力による壊変定数の変化について実験的にリミットを
押さえておく必要があると判断した。
EC壊変の分岐比、 E
C
(
L
+
M
+
.
.
)/EC(K)は 0.34土
8および 0.
4
7:
t1
6の二つの値が報告されている。また L、M殻のうち L3,ミM3殻の寄与
壊変のうち大部分の 1
0
.
5
%は
が大部分を占めることが理論的に予測される。 10.7%のEC
1
4
6
1KeV (2+)の第一励起レベルに落ちガンマ線を発生する。そこで 40Kの濃縮同位
体を用いてダイアモンドアンピルで加圧してそのガンマ線強度を測定することを計画し
た。その中間的な結果については昨年の第3
3回放射化学討論会で報告した。今回は 40K
の濃縮同位体試料の量を前回の 0
.
2
1mgから 0
.
6
8mgに増量して圧力 0-3
8kBa
rの範囲
で測定し、より統計のよい結果を得た。また EC壊変定数の絶対測定も行なったので併
わせて報告する。
N
a
C
l
)を-s.水溶液にした後、蒸発
mgと22Na(
再結晶させる。これを璃瑠乳鉢でよくすりつぶしその一部、 0
.
6
8mgを測定試料として
[実験]
濃縮同位体4~Cl (
3
.
1
5
%
)数
用いた。測定試料は図に示すような内径1.25m mのステンレス製ガスケットに入れ上下
をダイアモンドの二面で押さえ右方のレバーを用いて加圧する。平衡圧力が目的の圧に
なったらアンピルのプレスごとガンマ島財食出器にセットする。アンピルには圧力をサポ
ートする円筒型の突起があるために試料から検出器までの距離が二十数 m mあって検
出効率でかなり損失がある。またアンピルのサポート材料によるガンマ線の減衰も無視
できない。 1
4
6
1keVのガンマ線にたいする検出効率は 0.25%であった。測定は 1
4
6
1keV
の ωKのガンマ線と 1
2
7
5keVの22Na
のガンマ線とを測定してその相対強度、 I、を求めた。
くさばまさひろ、いまむらみねお、ゃぎたけひこ、おじまみのる、ひやごんはじめ
-1
4-
測定値は試料を入れないで測定したパックグラウンドの値 (
1
9
0c/w白k)、および~Na
のd
e
c
a
yによる減衰を補正した。 1
4
6
1keVのω Kガンマ線はまわりの建造物のカリウム
0cm)、銅ブロック(
や、ホコリや手垢で影響されるので、よく洗浄した鉛ブロック(1
5cm)で検出器をシールドし、かつ測定中にホコリなどが入らないよう注意した。測定
時間は一週間ごとに約一箇月行ない、圧力を変えて測定を続け。
a
l
i
b
r
a
t
eした6O
壊変定数の測定は KClの高純度試薬の水溶液に c
COを加えそのガンマ線の
(
ysum
相 対 強 度 か ら KClの ガ ン マ 線 強 度 を 決 定 し た 。 ωCoは 点 親 源 の 形 で 予 め "
c
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c
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e法でその絶対値を決定した。チェックのためAme
r
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m製の標準線源と比較し
1
6
6
I
丁斗勺ょ
たが互いによく一致した。
MainPart
BottomCylinder
、
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J
TopCylinder
SampleandGasket
DiamondAnvil
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[結果及び考察]
0、 1
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8kB訂での y(
14
6
1
)/
y
(
1
2
7
5
) 比は 5 %の誤差の範囲で変
化が見られなかった。これらの値は前回の 0
.
2
1mgを用いた実験と誤差内で一致してい
る(講演では最終結果をまとめて示す予定である)。結果はザイール産のダイアモンド
のK-Ar年代のみかけの異常性が壊変定数に関連するものではないことを実験的に示す
と共に、地殻物質の KAr年代に圧力を考慮する必要性がほとんどないことを示す。
.
6
3
1:
t0.107x 1011 を得た。この値は IUGSの陀commended
壊変定数については λ配 =5
・
1
1
v
a
l
u
e入
日c=5
.
7
3
6土0
.
1
5
8x1
0
- とよく一致している。なお壊変定数の測定は 1
9
5
0
-1
9
7
0
年にかけて多くの報告があるが 3-4%のばらつきが見られる。
[文献]
Zashu,S
.e
ta
l
.
;N
a
t
u
r
e323(
1
9
8
6
)710 ;
Ozima,
M.andZashu,S
.
;Geochim.Cosmochim.
A
c
t
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.
52(
19
8
8
)1
9
.;
Ozima,
Me
ta
l
.
;N
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e337(
19
8
9
)226
DETA
正EDMEASURE
恥1E
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ASSIUM40ELECTRONCAPTUREDECA
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2
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M出 油i
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1
5-
lA03
1
サムピ
ク法による 1
5
2E uの E C壊変の際の K電 子 捕 獲 率 の 測 定
( 東 北 大 ・ 理 ) 0鍛冶東海、吉原賢二、
序
我 々 は 摂 動 角 相 関 の 測 定 法 の 代 わ り に カ ス ケ ー ド に 放 出 す る 2本の 7線のサムピーク
を 測 定 す る 事 に よ っ て 化 学 状 態 の 研 究 を お こ な っ て き た 。 そ の 後 イ ン ド の Dasmahapatra1
)
は 7線と X線 の サ ム ピ
クを測定する事によって 1
5
2E uの EC壊変の際の K電子捕獲確率
の測定に適用した。しかし彼のデータは誤差などの点で改良の余地がある。
そこで我々は 1つのレベルへの EC壊変の際の K電 子 捕 獲 確 率 (PK) の値を求めるに
あたって、複数の方法を適用した。即ち
5
2
9の値を求めるにあたっては、 1408keV+Kα と1408keV+Kβ の 2通り
(1)例えば PK1
の サ ム ピ ー ク の 値 を 求 め る 。 換 言 す れ ば 、 一 回 の 測 定 で 独 立 な 2通 り の 方 法 で
5
2
9を求める。
PK1
(2)PK1233の 値 を 求 め る に あ た っ て は 、 複 雑 な カ ス ケ ー ド が あ る の で 2通りの方法を
おこなっ T
こ
。
2
実験
された1. 46XI03 dpsの 1
5
2E uの試料を、
2
Ortec社 製 の 直 径 3 6 m m、面積 1000mm 、厚さ 1 3 m mの Pure G e 検 出 器
5
2
9を求めた際の 1
i
g
.1.に PK1
5
2E uのスペクトルの一部を示す。
で測定をおこなった。 F
1 μ mの マ イ ラ ー 膜 で カ パ
h刊 ﹀ ︻
l
∞
十∞
OHVH
﹄
i │ │﹄ "
ω パ干ロコ 0 0
HUM-+ O 刊Y H
∞ OマHIl--
104
103
102
10
•
1373.58
F ig. 1.
Energy/keV
• •
1483.28
A part of theγ ray spectrurn of 152Eu.
かじはるみ、 よしはらけんじ
•
n
o
3. 結 果 と 考 察
測定をおこなった Pけま PK1
5
2
9については、 1408keV+Kα と1408keV+Kβ の 2通り
Fig.2(A) 参照] 0 PK1233については、 1112keV+Kα と 8
6
9
のサムピ クを測った [
k
e
V十 Kα の 2通りのサムピークを測った [Fig.2(B) 参照]。両方法とも Kβ とのサ
ムピークは他ピ
サムピ
クの妨害で測定出来なかった。 PK1
白 87については、
965keV+Kα の
クを測った [
Fig.2(C) 参照] 0 Kβ とのサムピークは他ピークの妨害で測定
出来なかった。
5
2
9、 PK1
Table 1.に PK1
2
3
3、 PK1
日87の値を D
asmahapatra1)のデ
タと共に示す。
T
a
b
le 1.が示す様 l
こ彼の値より誤差の改善がされている事がわかる。 PKを測定するのに
通常のコインシデンス法があるが、この方法によると測定する核種の半減期などによって
おのずと測定核種が制限される。その上、計数効率が非常に悪いのでおのずと良い統計を
得るのは困難である。
方 、 我 々 が 提 起 し た 方 法 は 一 回 の 測 定 で 独 立 の 2通り以上の測定
ができ、かっ 1個の検出器でよし、。近年、計数効率の良い Pure G 巴検出器の入手が可能
なので本法によって PKを求めるのは従来の方法よりすぐれている。
1
4
0
8
1
1
1
2 86942
3
6
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主
v
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1
2
2
(
A
)
1
2
2
丁E
~
(
C
)
(
助
Fig. 2
. Partial decay scheme of IS2Eu.
Table 1
.R
e
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f PK
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1
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2
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2
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3
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1
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2
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L.
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. 702 (1975).
SUM-PEAK TECHNIQUES APPLIED T
O THE MEASUREMENT O
F K-CAPTURE PROBABILITIES I
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Harumi KAJI.Kenji Yoshihara. Faculty o
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. Tohoku University
月
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.
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A
lA04
アルファ壊変半減期におけるシステマティックス
(原研.アイソトープ部, 都立大.理*、カリフォルニア大パークレイ"'*)
O 初川雄一、中原弘道ぺ D.C.Hoffm姐
H
,
アルファ壊変は最初に観測された放射線であり、それはいくつかの重要な原子核につい
ての情報をもたらしてくれる。
特に、重い元素領域ではアルファ壊変の研究により、多
くの核種が発見され或はその特性が明かになってきた。従ってより優れたアルファ壊変の
半減期予測は常に新しい元素や同位体の発見にたいして求められている。そこで本研究で
は見通しの良い α線の壊変エネルギーと半減期の経験的な関係式を作り、それを用いて奇
A核や奇奇核の匝n
d
r
a
n
叩 F
acωrを求めたり、重アクチノイドや超重元素の α壊変部分半減
期の予測を行った。
偶偶核に対する経験式の導出
α崩壊に対する壊変定数, λは次式の様に表される
入
,
p
=
ω
(1)
ωは頻度因子であり Pは障壁を透過する確率因子である。
F
i
g
.
lで Roにある α粒子がバリアを透過して R2に現れる確率 PはWKB近似により
'
) rR2
I
p~ e
x
p
{一二 ι'~
I¥
/
2
μ(
V
(
r
)-Q
α)
d
r
}
V
~,..\"
'1
"'(i a/~' J
,
2)
(
と表せる。
μ=MaMd/ (Ma+Md) .
α 、 dの添え字はそれぞれ α粒子、娘核種を示
す
。
ポテンシャルバリア V(
のを 2つの領域に分けて考慮すると
R1
R2 /
2
r
I
n
~ ,.
r
Z
.
!
e
_ ,2
2
ムゾ勾(同(r)-Qa)d
I
p.(十一 Qa)dr.
(3)
/TT/'
叫
ん V
と表される。このうち第 2項
、 P2.の寄与が大部分である。 P2は以下のようである。
ゴ
与
-♂F王
;
]
}(4)
九2
e
z
p
{
2
2
2
J
Z
Z
d
lApQa[
arccosVX V "い
V
l~.~~~~
ここで
Y "
4
リ
x=叫 ん = 叫/3+41/3)X 会
r0は1.2249fmを用いた。
そこで半減期 T./2 (
s
e
c
) とQaとの関係は
…イZ
Z
l
o
g
T=1
.
0
9
何 弓]}+C(5)
× lamsd-
C=
l
o
g
(
l
n
2
/
ω)logP1
3
) 式の第 1項である。
P.は (
l
o
g
(
回 知 )=2
0
.
4
4
6という値(1)を用い(5)式を書き換えると
)
っ
与
v
xJ
446
vX(l-X)]-20.
l
o
g
T=A(Z)xV
a
r
c
c
o
s•
ApQax[
"l~.~~~~
••
..,~
ーノ
P
.の影響はA
(
Z
英之含ませて考慮した。
はつかわゅういち、なかはらひろみち、ダーリーン
ホフマン
(6)
唱EA
n
x
u
核データが既知の偶偶核の α放射体について(叫んもy
/
2(
a
r
c
∞,s
/
x-/X(1・X))を横軸にとり
l
o
g
1
唱αを縦軸にプロットし同じ元素の点、を最小 2乗フィットしその傾きからそれぞれA(Z)
を求めた。このA(Z)を Zに対してプロットし、 A(Z)= 1.40Z+1710/Z4
7
.
7という関係
式が良くフィットする事を見いだした (
F
i
g
.
2 参照)。 そこで広い範囲の偶偶核に応用で
きる新しい関係式を以下のように得た。
勾)山与伽
,
.
.
.d
η
7
附 = 寸刈
A
叫(
Z vApQcx.. cc
∞
OωsVX
一V""~
手王巧
X
)
)一
2
制0
“
4
.
ω
4
6
+
C
(
川
Z
刈
,
川
N
N) (
川)
.
"
)
C
(
Z,N)は閉核構造に対する補正項で、陽子数 Zと中性子数 Nとの関数で以下のようであ
Z,
N
)=0f
o
rt
h
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r
d
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yr
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,
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る。C(
C
(
Z,
N
)= 1
.94・0
.
0
2
0
(
8
2・Z
)・0
.
0
7
0
(
1
2
6-N
)f
o
r78三Z<8
2
,100三N <126
C(Z
,
N
)=1
.42-0
.
1
5
0
(
Z-8
2
)・0
.
0
6
7
(
1
2
6・N)f
o
r
8
2<Z三90
,110三N三126
この式の計算結果 T岨と実測f
i
t
f
岬との比較を行い、さらにこの関係式を用いて超アクチ
ノイド元素、超重元素の α半減期について考察を行った。
A(Z)
110
A(Z)ZMXZ+mm-477¥JJ
〆
100
/
/
f
90
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1A05
核異性体生成比 i
こ関する系統性
(原研,都立大・理つ 0畑 健 太 郎 , 永 田 諭 一 郎 , 中 原 弘 道 *
複合核形成過程を経て生成される核異性体を対象として,核異性体生成比(高スピン準
こ対する生成断面積の比)の入射エネルギー依存性を予測するための簡
位と低スピン準位 l
単な経験則を見いだした。フィッティングの対象とした実験データは,軽イオンによって
誘起される中性子放出反応に限った。これはこれら反応系に対する系統性を検討するのに
必要な量のデータが文献より入手出来るからである。
本経験則は,複合核生成時の初期スピン分布における平均角運動量,および核異性体の
準位と基底準位の平均スピンの関数として
(
2
く 1R
> + 1) 2
(
2 く1'
c
> + 1) 2
σL
σH + σ L
(
1
)
まT
こは
(
2 <1'
c
>+ 1)2
(
2 く1R
> + 1) 2
σH
σL
(
2)
として表される。ここで σuとσLはそれぞれ高スピンと低スピン生成物の生成断面積であ
る。平均軌道角運動量く 1'
c
>は次式で表される。
)
3
(
<1'
c
>- <1c
>十fj,
1
ここでく 1c
>は複合核形成時のスピン分布によって荷重平均された軌道角運動量である:
∞
I
ームー
[ヱ
σC
(1+ 1
) σ (1) ] 一 l
)
4
(
<1c
>=
1= 0
σcは全複合核形成断面積,そして σ (1)は複合核形成部分断面積を表す。これらの値
は光学モデルを使って計算した。またfj, 1は経験式における唯一つの調節パラメータであ
る
。 (
2
)式にある核異性体の準位と基底準位に対する平均スピンく 1R
>は次式で表される
。
1{
( +1L
L
τ
FRU
ヂ
)
(
<1R
>=
一二
ここで 1H としはそれぞれ残留核の高スピン準位と低スピン準位のスピンである。 (
2
)式
による計算値のエネルギー依存性が実験データを再現するように調節した結果, ,
j
f 1の値
は次の様になった。
(p, n) 反応の場合
,
j
f1 =1
.5
(d, x n) および (
α , n) の場合
,
j
f1 =1
.0
その他の場合
,
j
f1 = 0
,0
はたけんたろう,ながめゆいちろう,なかはらひろみち
qL
n
u
第 1図に (
α , n) 反応に対する典型的な計算例を示す。横軸の核異性体比の計算値は,
複合核形成断面積の計算に使用する入射エネルギーの関数である。低エネルギー側の平衡
過程を経た成分の多い実験値のプロットの勾配はいずれも 4 50 になっている。これは計
算値のエネルギー依存性が実験データのそれと一致していることを示している。エネルギ
ーが高くなるにしたがって非平衡過程からの成分が優勢になってきて計算値のエネルギー
依存性からのからのずれが大きくなっていく。計算値の絶対値は 9
3N b (
α , n) 96Tc
反応の場合は良く一致しているが I07Ag (
α , n) IIOIn反応の場合は実験値の約 2倍
になっている。
平衡過程から形成された残留核の核異性体比に関する経験式の計算精度は, 34個の反
応系に対する実験データとの比較から類推すると,エネルギー依存性についてはファクタ
ーで O. 7から 1
. 5の範囲,絶対値に付いては O. 5から 2の範囲であった。
核油田
4
異
性
体
比
の
実
験
値@副
1
.00
10.00
核異性体比の計算値
第 1図
(1)口 N b (
α , n) 96Tc反応 1) での核異性体比の計算値と実験値の比較.
(2) I07Ag (
α , n) IloIn反応 2) での核異性体比の計算{直と実験値の比較.
計算値と実験値が一致したときはプロットが実線上に並ぶ。また計算値が実験値の 1/2
,または 2倍になった場合を上下 2本の点線で表している。黒丸は,反応断面積が最大に
なる入射エネルギーまでの実験データを表している。(このエネルギ一範囲では残留核は
平衡過程を経て形成されたものが優勢であると考えられるので,フィッテイングはこの
囲のデータについて行った。)星印はそれ以上のエネルギ一範囲のデータを表している。
文献
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1A06
2
4
4
uの 陽 子 誘 起 核 分 裂 に お け る 希 土 類 領 域 の 質 量 収 率
(都立大・理) 0塚 田 和 明 末 木 啓 介 大 槻 勤 小 林 貴 之
西中一朗
中原弘道
篠原伸夫市川進一
(原研)
星三千男
永田諭一郎
【はじめに】
アクチノイドの低エネルギー核分裂で生成する分裂片の質量収率に関して多くの実験が
行 わ れ 、 質 量 収 率 曲 線 の 形 状 な ど に つ い て 様 々 な 研 究 が 行 わ れ て き た 。 特 に 、 2つ山の質
量収率曲線が得られるアクチノイドの低エネルギー核分裂では、その山の頂点、である非対
称に分裂する領域と谷にあたる対称に分裂する領域において励起関数などの違いが報告さ
れ て い る 。 し か し 、 極 端 な 非 対 称 分 裂 に よ っ て 生 成 す る 質 量 数 150以 上 の 希 土 類 元 素 領
域の質量収率や励起関数などの研究はその収率が低いためにあまり行われていない。
止と
;
:
.
)
前回の本討論会で報口
し た.ょ1-っ
1
<
:1
、我々は自動迅速イオン交換分離装置を用いること
ザ
で希土類元素の領域における質量収率を比較的簡易に測定できるようになった。そして、
244
p u の低エネルギー陽子誘起核分裂反応で生成するこの領域の質量収率を測定するこ
とができた。今回はさらに詳細に得られた結果をもとに、このような極端な非対称分裂領
域をそのほかの領域と比較し検討を行う。
【実験】
実 験 は 日 本 原 子 力 研 究 所 の タ ン デ ム 型 パ ン デ グ ラ フ 加 速 器 で 行 っ た 。 約 60μg/cm2 の
244P u をターゲットとし、 1 0 - 1 8 M e Vの 陽 子 を 約 1.5 μ Aの 強 度 で 照 射 し た 。 分
裂 片 を ア ル ミ ニ ウ ム 箔 で 捕 集 し 陽 イ オ ン 交 換 法 に よ っ て 希 土 類 元 素 の み を 分 離 し 7線 を 測
定する方法と、化学分離せずに直接測定する方法を行い質量収率を測定した。化学分離の
k伊
収率はアルミニウム泊熔解時 1
<
:既 知 量 の
ザ
1
7
0T mトレーサーを加え決定した。
【結果・考察】
質 量 数 87から 163の 核 種 を 確 認 し 、 そ の 生 成 量 か ら 質 量 収 率 を 求 め た 。 ま た 、 陽 子
の入射エネルギーを変えそれぞれの質量において励起関数を測定することができた。質量
収 率 の 一 例 を 図 1に 示 し 、 入 射 エ ネ ル ギ ー に 対 す る 励 起 関 数 の 一 部 を 図 2に示す。図中の
括弧内に
An
/A で 分 裂 片 の 非 対 称 性 を 表 し た 。 こ の 図 か ら 非 対 称 領 域 と 対 称 領 域 の 質 量
W "L
数 1 1 5の 傾 向 と は 明 ら か に 異 な る こ と が わ か る 。 今 ま で に 言 わ れ て き て い る よ う に 、 こ
の反応系においても対称領域とピーク近傍の非対称領域では励起関数に違いがあり、対称
分 裂 領 域 が よ り 大 き な 核 分 裂 障 壁 を 持 つ こ と が 理 解 で き る 。 本 実 験 結 果 は 、 質 量 数 16 2
(AH/AL
=1.95) の 励 起 関 数 が ピ ー ク 近 傍 と 同 じ 傾 向 を 持 つ こ と を 示 し て い る o この
こ と を 明 確 に 示 す た め に 図 3に費量数 141 の 励 起 関 数 を 基 準 に 比 を と っ て み た 。 こ の 非
対 称 領 域 (An/AT = 1.2 5- 1.9 5) で は そ の 比 は ほ ぼ 一 定 で 同 じ 傾 向 の 励 起 関 数 を
W "L
持 つ こ と が わ か る 。 こ の こ と は 1 :2に 分 裂 す る よ う な 極 端 な 非 対 称 分 裂 を 考 慮 し で も 今
ま で と 同 様 に 対 称 領 域 と 非 対 称 領 域 を 支 配 す る 2つ の 異 な っ た 核 分 裂 モ ー ド の 存 在 で 説 明
っかだかずあき,すえきけいすけ,おおつきっとむ,こばやしたかゆき,にしなかいちろう,
なかはらひろみち,しのはらのぶお.いちかわしんいち,ほしみちお,ながめゆいちろう
nL
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殻の影響から得られるような傾向はみら
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U--ll
ー悼
+
喜
N=82殻 以 外 の 殻 の 影 響 を 確 認 す る こ
A、
畢lロ
れ ず 、 今 ま で に 確 認 さ れ て い る Z = 5 0,
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1
0
励起関数および質量収率曲線の形状には
1) 塚 田 他 、 第 3
3回 放 射 化 学 討 論 会
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、
句
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。
。
。
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中
にこの殻の影響が予想できる。しかし、
とはできなかった。
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噌 -P町J
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の 中 性 子 数 が 50に な る た め 分 裂 す る 際
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できることを示している。また、この質
量 数 1 6 2近 傍 は そ の も う 一 方 の 分 裂 片
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.
1寸百
.
1
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A=lo2 (1.9
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Ep(他V)
図 - 2 主な励起関数
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白
A A=92
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1
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(怜V
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図 -3 質 量 数 141を基準とした
P
反応断面積比
MASS YIELD DISTRIBUTIONS I
N RARE EARTH REGION PRODUCED ON PROTON-INDUCED FISSION
2
4
4
OF ~~~Pu.
Kazuaki TSUKADA. Keisuke SUEKI
. Tsutomu OHTSUKI
. Takayuki KOBAYASHI,
Ichirou NISHINAKA and Hiromichi NAKAHARA.
Faculty of Science, Tokyo Metropolitan University.
CHIKAWA. Michio HOSHI and Yuichiro NAGAME.
Nobuo SHINOHARA, Shin-ichi I
Tokai Research Establishment. Japan Atomic Energy Research Institute.
円
4u
q
u
lA07
アクチノイド元素の核分裂における質量分割に関する研究
(都立大・理、原研つ
0大 槻 勤 、 永 目 諭 一 郎 ¥ 池 添 博 ¥ 塚 田 和 明 ,
西中一郎、神野郁夫¥間柄正明¥
末木啓介、中原弘道
はじめに
昨年まで、アクチノイド元素の陽子誘起核分裂について分裂片の質量収率曲線の性質
を放射化学的に調べることで、分裂のメカニズムの解明をおこなってきたが、さらに本年
度 は 質 量 収 率 曲 線 と 運 動 エ ネ ル ギ 一 分 布 を 同 時 に 測 定 す る た め 、 飛 行 時 間 測 定 法 (T0 F)
e
c
o
n
d
a
を用いた実験をおこなった。 T O F法 で は 分 裂 片 の 速 度 と エ ネ ル ギ ー の 関 係 よ り S
r
y の質量分布〈分裂片から中性子が放出された後の分布)が得られるが、さらに、 T O F
- T O F同 時 計 数 法 を 用 い る こ と に よ り そ の 速 度 の 比 か ら 、 運 動 量 保 存 則 が 成 り 立 ち 、 分
裂片から等方的に中性子がでると仮定すれば.P
ri
m
a
r
y の分布(分裂片から中性子が放出さ
r
i
m
a
r
y の質量分
れる前の分布)と運動エネルギーが得られる。本実験では、後者により P
布および運動エネルギ一分布をもとめ、これらの関係を詳しく調べてみた。
実験
)上に 2
3
2
T
h蒸 着 し た も の を も ち い た 。 照
タ ー ゲ ッ ト と し て カ ー ボ ン 箔 (10μg/cm2
射は原研タンデム加速器から得られる P
r
o
t
o
n ビームで入射エネルギー
1
3M
e
Y を用いて
2
おこなった。 T O F法 の ス タ ー ト 信 号 取 り 出 し に カ ー ボ ン 箔 (30μg/cm)一マイクロチャ
ンネルプレート (
M
C
P
)、ストップ信号取り出しにアパランシュカウンター (
P
P
A
C
) を用い、
これら 2組の M
C
P
P
P
A
C によって分裂片どうしの速度の同時計数測定をおこなった。飛行
5c
mと 8
6c
m とした。速度の校正は、 2
5
2
C
f線 源 を 用 い て M
i
1
t
o
n
距離は、それぞれ 7
ら1)が求めた値を用いて行いておこなった。その質量分解能はおよそ:t1.5程度であっ
。
.
、
h
I
結果及び考察
ri
m
a
r
y の質
図 1に 、 分 裂 核 を 仮 定 し た と き に 、 測 定 さ れ た 速 度 の 比 よ り 求 め ら れ た P
量分布を示す。おもに非対称分裂の収率が多い、また、対称分裂領域の広い質量分布が得
られた。これは放射化学的に求められた質量収率曲線と一致している(実際は、その分裂
片 よ り 放 出 さ れ た 中 性 子 の 数 だ け 異 な っ て い る は ず で あ る が ) 。 図 2(
a
)には分裂片の質量
と速度の関係より求めた全運動エネルギーの平均値を示すが M
a
s
s1
3
2 前後で最も大きな
b
)に示す様に F
e
r
g
u
s
o
n ら2)が以前
値 を と り 、 ま た 、 そ の 運 動 エ ネ ル ギ ー の 分 散 は 、 図 2(
a
s
s1
2
7領 域 で 最 大 値 を と り 、 対 称 分 裂 と 非 対 称
ウランアイソトープで示したと同様に M
分裂の移行領域で大きな値をとる結果が得られた。以前 B
r
i
t
t ら3
)が示したように、もし
おおつきっとむ、ながめゆいちろう、いけぞえひろし、っかだかずあき、
にしなかいちろう、かんのいくお、まがらまさあき、すえきけいすけ、なかはらひろみち
nL
a4
対称分裂と非対称分裂がこの領域で異なった運動エネルギーを持つと仮定すればうまく説
c
)にその Skewness (歪度)を示すが Mass 1
2
5領域
明 で き る こ と を 意 味 し て い る 。 図 2(
から突然減少し、 Mass 145 領 域 か ら 再 び 回 復 し て く る こ と が わ か る 。 ア ク チ ノ イ ド 元 素 の
核分裂では、主に非対称分裂の収率が多い二つ山の質量収率曲線が得られることがよく知
られているが、これは分裂片の核構造が Mass 135 領域で強く影響していることが考えら
れてきた。運動エネルギーの Ske官 ness は核構造が強く影響していると思われる領域で負
の大きな値をとることが分かった。現在、結果を詳組に検討中である。
. Phys.
1
)J
.S
. Fraser, 1
.C
.D
. Mi1ton, H
.R
. Brown and S
.G
. Thompson, C
a
n
. 1
41
. 2080(1963).
.C
. Burnett and H
.
W
. Schmitt,
2
)R
.L
. Fergusun, F
. Plasil
.F
. Pleasonton, S
Phys. R
e
v
. C7, 2510(1973).
e
v
. 129, 2239(1963).
.
E
. Wegner and 1
.C
. Gursky, Phys. R
3
)H
.
C
. Britt, H
・
.・
-ー
.・
.
.
.
.
1
7
0
.
.
.
.
.
.
.
.
.
1
6
5 .
.
.
.
.
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F
r
a
gment Mass
3
2
T
h をターゲットとした
図1 2
図 2 分裂片の質量数と全運動
陽子誘起核分裂の質量収率曲線
エネルギーの平均値,分散、
(入射陽子のエネルギー 13.0 MeV)
Skewness (歪度)の関係
MASS AND ENERGY DISTRIBUTION OF FISSION FRAGMENTS I
N THE PROTON-INDUCED FISSION
OF ACTNIDE
Tsutomu OHTSUKI
. Kazuaki
. TSUKADA, Ichiro NISHINAKA, Keisuke SUEKI
.
y of Science, Tokyo Metropolitan Universit
y
.
Hiromichi NAKAHARA, Facult
Yuichiyo NAGAME, Hiroshi IKEZOE, Masaaki MAGARA, Ikuo KANNO, Japan Atomic Energy
Research Institute.
内ノ臼
円
Fυ
lA08
核分裂における核異性体生成比の系統性
(都立大理 )0谷川勝至、中原弘道
(新潟大理) 工藤久昭
(東北大サイクロ) 蕗同学、籍塚勉、和国道治、砂押仁
【はじめに】
演者らはこれまでに 2
3
8
U
+
p
(1
3"
'
'2
4
M
e
V
)反応系における核異性体生成比の測定を行なって
きた。 1
,
2
) ごの測定には 1
G
1
S
O
L(イオンガイド型同位体分離装置)を用い、従来測定が困
難であった短寿命接種についても良好な結果を得た。特に、初めて測定された 1
0組の核異
性体生成比や、今までにあまり実験値の無かった対称質量分割領域の核分裂片も含む広い
質量範囲にわたって接異性体生成比を得ることができた。この結果、核異性体生成比の値
は個々の接種でかなり違っており、同じスピン差では異なる核種でもあまり違いがないと
されてきたこれまでの傾向とは異なっていた。 1
) また核異性体生成比は、名々の接種で割
合が異なるものの陽子の入射エネルギーとともに増加した。このエネルギー依存性は今ま
でに報告された結果とも一致していた。さらに、核異性体生成比にもとづいて算出した分
裂片の角運動量はその質量数とともに増加しており、分裂直後の分裂片の内部励起エネル
)
ギーに依存することも示唆された。 2
今回はこの 2
3
8
U
+
p
系の結果と、これまでに報告された U
,P
Uなどの低エネルギー核分裂や
重イオン核分裂における核異性体生成比一特に文献値の多い 2
3
5
U
+
n
th
ーとの比較、検討を
行い、その系統性について報告する。
【実験と文献値】
G
I
S
O
Lにて行った。実験の詳細につい
ビーム照射および測定は東北大学サイクロトロン, 1
ては文献 1
)を参照。既報の核異性体生成比は、 2
3
5
U, 2
3
3
U, 2
3
9
P
uの熱中性子による核分
裂においてそれぞれ 2
1, 1
3, 1
3接種のデータがあった。 3
) また 2
3
8
U
+
α ,2
3
5
U,2
3
8
U
+
γ,
2
5
2
C
f
(
sf)におげる文献値 4
)も使用した。
【結果と考察]
F
i
g
.
lにこれまで測定した 2
3
8
U
+
p
(
2
4
M
e
V
)の結果と、 2
3
5
U
+
n
t
hの文献値 3
)を分裂片の質量
3
5
U
+
n
t
hではほとんどのデータが質量数 8
0
"
'
'1
0
0と1
3
0
数に対してプロットした図を示す。 2
の付近に分布しているのに対し、 2
3
8
U
+
pでは広い質量範囲にわたっている。また全体とし
3
8
U
+
pの方が大きな値を示すことがわかる。 F
i
g
.
2は様々な反応系についていくつかの接
て2
種の核異性体生成比を取り出し、反応系の違いによる核異性体生成比の変化を見た図であ
4
) 同一接種は線で結んで、ある。熱中性子や γ線による核分裂では、核異性体生成比
る
。 3,
の値はそれほど変化していないが、荷電粒子による按分裂では大きな値を示している。各
接種における変化を見ると、 1
3
0
S
b, 1
3
2
S
b, 1
3
5
X
eではすべての反応系に対して大きな遭い
2
8
S
b, 1
3
2
1, 1
3
8
C
sで‘は、他の反応系と比較して 2
3
8
U
+
pで‘の値が大きく
は見られないが、 1
なっていることがわかる。反応系が異なることから、分裂時における励起エネルギーや放
出中性子数の違いなどを考慮しないと確定的なことは言えないが、 S
bの同位体について見
たにかわまさし、なかはらひろみち、くどうひさあき
ふじおかまなぷ、しのづかっとむ、わだみちはる、すなおしひとし
phu
nru
ると、反応系により核異性体生成比が変化する場合としない場合があり、 中性子数の増加
とともに核異性体生成比は低くなる傾向にある。
講演では、統計模型を用いて核異性体生成比から計算した分裂片の角運動量についても
検討を加え、報告する予定である。
t
:
.130Sb
口 132Sb
1
3
2
1
"'135Xe
138Cs
・
・
。
ωE ω
RJEnMτquqι
申
114
90
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晶
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一
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0
105
120
135
233U+n山 239Pu+n山 238U+y
,
o 238U+p"
235U晴 山 235U+Y
,
o2
52Cf(sf
)238U.
a30
150
Mass number
F
i
g
.
l 質量数と核異性体生成比の関係
F
i
g
.
2 反応系の違いによる核異性体生成比
の変化
{参考文献】
1
)谷 川 ら 第3
2回放射化学討論会 1
A
0
3(
1
9
8
8
)、 第 3
3回放射化学討論会 1
A
0
7(
19
8
9
)
2
)谷 川 ら 日 本 化 学 会 第5
9春季年会 3
F
5
4
2(
19
9
0
)
3
)C
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lA09
209Bi+
0重 イ オ ン 核 反 応 に お け る 核 分 裂 生 成 物 の Al中の飛程
16
(都立大理) 0 末 木 啓 介
塚田和明
西中一朗
谷川勝至
大槻勤中原弘道
[はじめに]
核分裂片の運動エネルギーは s
c
i
s
s
i
o
n 時における情報として重要な物理量である。
これ
を求める方法は様々あるが、その中で放射化学的な手法によって求めることにより生成物
の質量数と原子番号に対して運動エネルギーを得ることが可能ではないかと考えた。質量
数に対する運動エネルギ一分布などは飛行時間法や半導体検出器の利用により簡単に求め
られるが、同じ質量数でも主に生成する同位体について求められるのであって、その前後
の同位体、特にはずれたところに位置する生成物に関してどのような運動エネルギーを持
っているかは不明である。そこで運動エネルギーが求められるかどうかを独立収率である
生成物について試みた。放射化学的方法で運動エネルギーを求めるためには通常核分裂片
の微分飛程を実験によって求め、その飛程から運動エネルギーに変換する方法が重要にな
る。本研究では
の
C fの 自 発 核 分 裂 を 用 い て ま ず 飛 程 と 運 動 エ ネ ル ギ ー の 関 係 を 捕 捉 用
252
Al箔 中 に お い て 求 め 、 そ の 経 験 式 を 基 に 実 際 の 重 イ オ ン 核 反 応 の 核 分 裂 片 に つ い て
の運動エネルギーを求めることを試みた。
[ 実験 ]
微 分 飛 程 を 求 め る た め に 図 1の よ う な 照 射 装 置 を 組 ん で 行 な っ た 。 実 験 と し て は 東 大 核 研
の 8 Fサ イ ク ロ ト ロ に て
252
16
0重イオン照射による重イオン核反応におげるデータを得た。
Cfについては原研において真空槽の中で核分裂片を捕捉する事によって得た。 Cs
同位体については化学分離をした後に測定を行った、他の生成物については非破嬢の状態
で 測 定 し た 。 測 定 は Al箔 ( 0
.
2m
g
/
c
mり を 一 枚 一 枚 そ れ ぞ れ に つ い て γ線測定を行い、
照射終了時の放射能の比として求めた。
[解析および結果]
図 2には 252 C fの 自 発 核 分 裂 に お け る 核 分 裂 片 の 飛 程 デ ー タ を 示 し 、 図 3には 100
MeV
160
+2日9B i における核分裂片の飛程データを示す。
こ れ ら の デ ー タ か ら 運 動 エ ネ ル ギ ー に つ い て の 検 討 を 行 っ た 。 方 法 と し て は L 8 81)の飛
程とエネルギーの関係を利用してい〈ことを決め、
252 C
fの 飛 程 デ ー タ と す で に 報 告 さ れ
て い る 飛 行 時 間 法 に よ る 運 動 エ ネ ル ギ 一 分 布 の デ ー タ U と の 聞 で の パ ラ メ ー タ ー xについ
て 調 べ た ( 表 1には L 8 8理 論 の 式 を 示 し た ) 。 ぞ れ か ら 、 重 イ オ ン 核 反 応 に よ る デ ー タ
に適用するごとを行った。核分裂片の飛び出す方向および核反応の生じた位置によって得
られるビーム方向へ投影された飛程は大きく異なってくる、そこで解析には反応位置やそ
の飛び出す方向についてモンテカルロ法を取り入れて計算した。また、飛程のストラグリ
ングと運動エネルギーの広がりについては今回の解析では同様な影響が起こるとして合わ
せて考えた。解析方法及びその結果について報告する予定である。
すえきけいすけ
にしなかいちろう
たにかわまざし
なかはらひろみち
-28-
っかだかずあき
おおつきっとむ
表 1 LSSの式
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図 1 微分耕凱旋用のセットアップ
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図2
fの核分裂片の微分嫡呈分布
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図3 1
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V1
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B
i反応系の核分裂片の
微分飛程分布
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-2
9-
1A10
2日
9Bi+160反応系における核分裂生成物の電荷密度分布
(都立大・理)
0西中一朗、塚田和明、小林貴之、大槻勤、
末木啓介、中原弘道
《はじめに》
核分裂生成物の電荷分布は、分裂時における電荷の分配の仕方や分裂前後の中性子放出な
どを反映しており、核分裂現象を知るうえで重要な情報を有する。また、これを詳細に知る
ことによって放射化学的手法により得られた核分裂生成物の収率から質量収率曲線などを求
める際の電荷補正が可能となる。本研究の反応系(2日9Bi+160) の複合核 225P aは中性
子欠損であり、比較的 β 安定線にちかい核分裂生成物が多く生成する。
従って放射化学的
方法で測定できるのは β壊変における独立収率、部分累積収率の接種が多くなる。なかでも
C s、 R bはいくつかの核種について独立収率が得られる。これらの同位体収率分布は電荷
が一定としたときの質量との関係を示しているので電荷密度分布と言える。そこでこの C s
とR bの同位体収率分布から、核分裂生成物の電荷密度分布およびこれと関連の強い中性子
の放出過程について検討する。
《実験》
東京大学原子接研究所の S Fサイクロトロンで、
0ドビームを照射した。ターゲット位
16
置での平均入射エネルギーは、 Elab = 102.9,98.8,94.6,90.3,85.6 M e Vである。
照射後、ターゲット及び核分裂生成物捕築用アルミ箔から R b、 C sを化学分離し、 Y線測
定によって収率(生成量)を求めた。なお化学収率は中性子放射化分析によって補正した。
《結果》
実験から得られた同位体収率を図 1、 図 2に示した。
は:28 CS を除きすべて独立収率である。
測定できた C s同 位 体 (5核種)
つまり同重体鎖列における β 壊変による影響を受
けないので、その接種自身の収率が求められている。
129C S は部分累積収率であるが、中
性子欠損核であり収率が少なく β 壊変による親接種からの流れ込みが少ないので、独立収率
として見なすことが十分に可能である。一方、 R bは独立収率が得られるのは 3核種である。
bは照射時間などを変えることによって親核種 8 8 K rからの生成量を算出し、独立収率
S8R
を求めた。ごれらの実験結果から電荷分布について考察するため、まずこれらの同位体独立
収率分布を正規分布と仮定した。
そして最小自乗によってフィッテイングしたときに得ら
れる最確値 A p(
m
o
s
t probable m
a
s
s
)、標準偏差 σ命、同位体の全生成量(正規分布の面積)
を複合核の励起エネルギーに対して示したのが、図 3である。
最確値 Apについてはエネル
ギーの増加と共に減少する領向は、励起エネルギーの増加に従って中性子の放出数が増加し
404)を持つ
ていることを示している。また C sが複合核と等しい電荷密度(Zf/ A f =0.
としたとき予想される (UCD仮定)最確値は Ap=135.99 であり、測定値から求めたもの
と中性子数で 3程度の差がある。このように電荷密度分布を表す最確値 Apや標準偏差 σQな
どは中性子の放出と密接な関係がある。従って核分裂生成物の電荷密度は中性子放出過程を
にしなかいちろう、
っかだかずあき、
こばやしたかゆき、
けいすけ、なかはらひろみち
-30-
おおつきっとむ、
すえき
含めて考える必要がある。ところが中性子放出が分裂の前後でどの様に起こっているかを実
験的に示すことは難しい。そこで、いくつかの仮定に基づいた中性子放出過程を考えて、中
性子の放出数の推定を試みた。まず、複合核の核分裂が優先して起こり、分裂前の中性子放
出はないとする。このとき次式が成り立つ。
ET=Ex+Qgg=TKE+Ex自
ETは反応系の全エネルギ一、 Exは接合核の励起エネルギ一、 Qg
gは分裂片と複合核の質量
過剰差、 TKEは分裂片の全運動エネルギ一、そして EX
0は安定な変形状態での生成核の全
内部エネルギーである。 E
T、 Ex, Qggは既知なので、 TKEが 求 ま れ ば Ex自の解放過程と
して即発 γ線 、 中 性 子 の 放 出 過 程 を 考 え る こ と が で き る 。 そ こ で TKEはアルミ中での核分
裂片の飛程から実験によって求めた。得られた TKEから中性子の放出量を推定し、その電
荷密度分布へ与える影響などについて考察、検討し報告する予定である。
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3 Cs同 位 体 分 布 の 正 規 分 布
フィッテイングの結果
《参考文献》
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内
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1A1
1
238Uの陽子誘起核分裂における核分裂片の電荷分布
(新潟大・理) 0丸山昌彦、工藤久昭、橋本哲夫
(東北大・サイクロ)藤岡学、鶴塚勉、和国道治、砂押仁
【序}潰者らはこれまで 2
3
8
U+ p
系におげる核分裂片の電荷分布に関して I
G
I
S
O
L(イオン
ガイド型同位体分離装置)を用いて測定してきた 13. その結果、これまでの報告とは異な
り、中心電荷 (
Z
p
)は分裂片の質量とともに単調には増加せず、かなり構造を持っ τいるこ
とが示された。一方、分布幅(d")も分裂片の質量とともに変化していることが見い出され
た。前回の報告では、中心電荷および分布帽の核分裂生成物の質量依存性が、一次分裂片
の生成 Q値とかなり相関があることを明らかにした。今回は、この相闘をさらに詳細に検討
したので、報告する。
【実験】実験は東北大学サイクロトン、および I
G
I
S
O
Lにて行った。核種の同定、定量は
MCSを用いての半減期解析を併用した γ線測定による.
G
I
S
O
Lにお付
【結果と考察】解析は核分裂片の電荷分布をガウス分布と仮定して行った。 I
る輸送効率の元素依存性を除去するために、元素聞の相対収率の比をとった。中心電荷に
ついては、第→次近似として σが質量数によらず一定であると仮定し、異なる質量数問の
中心電荷の差を求めた。また、分布帽については、逆数の差の形で求めた。このようにし
て求めた中心電荷および分布幅と一次分裂片の生成 Q値との相聞を検討した。核分裂核とし
ては中性子が 2
つ放出された 2
3
7
N
pを仮定し、 S
t
r
e
c
k
e
rらの報告 2)を用いて放出中性子の補
正を行い、一次分裂片の質量とした。まず、中心電荷の差について考察する.図 1(
a
)は隣
直におげる中心電荷の差はそれぞれの質量数
の質量数どうしで比較したものである。実験 f
間で異なった変化量を持っており、中心電荷が質量数の増加とともに直線的には増加しな
いことを示している。この変化量を Q値と比較するために、ある質量数において Q値が最大
のときに最大収率の電荷を得ると仮定した。 Q値より得られる中心電荷の差は鋸歯形の変化
を示す。この変化の傾向は実験値と類似している。いくつかの例外はあるが、実験憶にお
げる中心電荷の差が大きい(小さい)ところで Q値のそれも大きく(小さく)なっている。
このときに、 Q値より得られた中心電荷の差と実験値とがどの程度一致しているかを調べた
のが図 l
(
b
)である。これは比較する質量数の差を 1
、2
、3
、 4とじたとき、 Q値より得られる
中心電荷の差と実験値との相関を示している o Q値から求めた値と実験値がほぼ同じ値を示
していることがわかる。次に、分布帽の差について考察する。ある質量数において生成す
る核種が多様であると収率が分散され、分布幅が広がると考えられる。質量数を一定とし
たとき、各電荷に対する Q値の分布をガウス分布で近似してその幅を求め、実験より得られ
た電荷分布の幅と比較検討した。図 2
は、比較している 2
つの質量数において重い分裂片の
分布帽を 1としたとき、軽い方の分布幅がとる値について、 Q
1
1
直で求めた幅と実験値の分布
まるやままさひこ、
くどうひさあき、はしもとてつを、
ふじおかまなぷ、しのずかっとむ、わだみちはる、すなおしひとし
円べ u
n
r臼
幅との関係を示したものである。実験値におげる分布帽の比が lに近いとき Q値におけるそ
れもほぼ lであり、さらに全体として正の相関があることがわかる。つまり、比較している
質量数聞において Q値の依存性は明かではないが、実験値の分布帽の比は Q値から求めた幅
の比と同じような傾向を持っている。このことから、分裂する瞬間で分裂片が獲得できる
エネルギー量によって、分裂片の電荷分布が支配されていると考えられる。なお、入射陽
子のエネルギーを変えることにより一次分裂片の生成 Q値を変化させたとき、電荷分布と Q
値との相関が成り立っているかどうかについては現在解析中である。
(a) d
A=1
【参考文献 1
1) 工藤ら、第 3
1回放射化学討論会
2
A
0
1,
2
A
0
2(
19
8
7
)
工藤ら、第 32回放射化学討論会
。
口
目
。
{
J3
1
A
0
4(
19
8
8
)
工藤ら、第 3
3回放射化学討論会
1
A
0
6(
19
8
9
)
4
1,2
1
7
2,(
19
9
0
)
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2
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仏国司
NU¥FU
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-Hnuロω M
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HCωE M
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(
b
) dA=1-4
oA130-A132;
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0
.998
2
dZp (Q v
a
l
u
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l
図 1 中心電荷の関係
.999
刊1
jW2
国2
(C2,
W2・1)
1.001
1.002
(
Q value)
分布帽の関係
CHARGE D工SPERSION OF F工SSION PRODUCTS IN THE PROTON-INDUCED
238
U
FISS工ON OF
Masahiko MARUYAMA,Hisaaki KUDO and Tetsuo HASHIMOTO
Faculty of Science,Niigata University
Manabu FUJ工OKA Tsutomu SHINOZUKA Michiharu WADA and
Hitoshi SUNAOSHI
Tohoku University,Cyclotron Radioisotope Center
,
,
- 33-
1A12
の陽子誘起核分裂における核異性体生成比の測定
238U
(新潟大・理 ) 0工藤久昭、
丸山昌彦、橋本哲夫
(都立大・理)谷川勝至
(東北大・サイクロ)藤岡学、篠塚勉、和田道治、砂押仁
[はじめに]
演 者 ら は こ れ ま で 23SUの 陽 子 誘 起 核 分 裂 に お け る 核 分 裂 生 成 物 の 核 異 性 体 生 成 比
をイオンガイド型質量分離装置を用いて測定してきた。
1)核異性体生成比より求め
られる角運動量は生成核の励起エネルギーに強く依存していることがわかった。今
回の講漬では、
この結果の理論的解釈を中心に報告する。
[実験]
実験は東北大学サイクロトロン、および I
G
I
S
O
Lに て 行 な っ た 。 核 種 の 同 定 、 定 量
は MCSを 用 い て の 半 減 期 解 析 を 併 用 し た γ 線測定によった。
[結果と考察]
24 MeV p +U-238の 系 に お け る 核 異 性 体 生 成 比 の 一 部 を 図 lに示す。
高スピンと低スピンの差
ごの図では、
(
J
h
J
l
)が 一 定 ( ム J= 4
) であるものをまとめである。ご
の 図 よ り 、 ム Jが同じであっても核異性体生成比が異なるごとがわかる。
さらに同
じ高スピンと低スピンを持つ核異性体同士であってもその生成比が異なっている。
ζ
のととは、分裂片自体の励起準位の差異に由来するとも考えられるが、核分裂の
瞬間における様子が質量分割の様式によっても異なっていると考えることもできる。
核分裂直後の核分裂片の角運動量が核異性体生成比に対して支配的であるとすると、
種々の分裂片の核異性体生成比を調べることによりそれぞれの分裂片に対応した角
運動量分布を推定できることになる。分裂直後の分裂片の角運動量分布が統計分布
にしたがうものとして M
adland &E
n
g
l
a
n
d2
)の 方 法 に よ り 核 異 性 体 生 成 比 よ り 対 応
する角運動量を求めた。得られた角運動量を分裂片の質量比に対して図示したのが
図 2で あ る 。 図 中 の 実 線 は 質 量 比 で み た と き の 質 量 分 布 で あ る 。 同 じ 質 量 比 の 分 裂
片は核分裂の際対になって生成されたものであるので、核分裂時に角運動量が付与
されたとすると同じ質量比の分裂片は同じ角運動量持つものと考えられる。
ながら実験からはそのような傾向は認められなかった。
しかし
これが比較している質量比
の核分裂片が必ずしも対になっていない事によるものだとすると、わずかな分割の
違いにより角運動量分布が異なることになる。一方、核分裂片の電荷に対して角運
動 量 を 見 て み る と 、 図 3の よ う で あ り 、 明 ら か に 電 荷 の 大 き な 核 分 裂 片 ほ ど 角 運 動
量が大きい。
ごれらの事より対になっている分裂片岡士でも異なる核異性体生成比
を与える要因が存在すると考えた方が妥当であると思われる。
ごの要因のーっとし
て 、 分 裂 片 の 持 ち 得 る 励 起 エ ネ ル ギ ー が 考 え ら れ る 。 図 4に示しであるのは、角運
動量の、放出中性子を補正した一次分裂片の質量過剰の値と二次分裂片の質量過剰
くどうひさあき、
まるやままさひこ、
ふじおかまなぶ、
しのずかっとむ、わだみちはる、
はしもとてつを、
たにかわまさし、
すなおしひとし
a
a
τ
q
a
の差に対しての依存性である。
いくつかの例外を除くと、励起エネルギーを多く必
要とするものの方が大きな角運動量になってることがわかる。励起エネルギーは変
形エネルギーによって与えられるとすると、
分裂時における変形の大きな分裂片ほ
ど大きな角運動量を持っていると推定される。
20
1
0
↑
│
t
:
.J=Jh - J1 = 4
i
a
ト
C
3
H
噌
。
i
l
白
同
,
1
1
。
。
。
。。 。
(
9
/
2
.
1
/
2
)(
5
.
1
)(
1
1
/
2
.
3
/
2
)(
6
.
2
)
図1
{
事
コ
子
I(0十守中
。
。
。。
。
(
8
.
4
)
1.0
(Jh.J1
)
1.6
1.8
20
15
15
コ
時
可
二
-
1.4
Mass ratio ( AH/A )
L
図2
20
1.2
。
10
ω10
E
r
コ
Ily v
5
。
30
図3
40
中
5
-2
5
2
F
C
fS
50
60
。
Z
図4
。
-20
15
。
10
dM_-(dM_+ndM_)
p
s
[参考文献]
1) 谷 川 ら 、 第 3
2回 放 射 化 学 討 論 会
1A03(
1
9
8
8
)
谷川ら、第 3
3回 放 射 化 学 討 論 会
1A07(
19
8
9
)
2
) D.G.Madland and T.R.Eng1and.Nucl.Sci.Eng..64.859(
1
9
7
7
)
ISOMERIC YIELD RATIOS I
N PROTON-INDUCED FISSION Of U-238
Hisaaki KUDO. Masahiko MARUYAMA. Tetsuo HASHIMOTO. faculty of Science.
Niigata University
Masashi TANIKAWA. Facu1ty o
f Science. Tokyo Metropolitan University
Manabu FUJIOKA. Tsutomu SHINOZUKA. Michiharu W
A
D
A
. Hitoshi SUNAOSHI.
Cyc1otron Radioisotope Center. Tohoku University
戸同
u
も
qυ
lA13
ウラン同位体の 1
2C誘起核分裂
(阪大理
)0早 野 修 一 、 社 明 進 、 高 橋 成 人 、 横 山 明 彦 、 斎 藤 直
湯川直樹、石黒光弘、lJs!I分宏昌、小林洋、馬場宏
{緒言】
核電荷分布は核分裂機構を研究する上で重要な情報を与える。漬者らはこれま
でに、核電荷分布が f
i
s
s
i
o
nn
e
l
l
t
r
o
nの s
y
s
t
e
m
a
t
i
c
sに密接な関係があることを示した 1
。
)
一方、中性子・軽イオン誘起核分裂反応における核電荷分布については豊富なデータが得
られているしむのに対し、重イオン誘起反応についてはほとんど研究が行われていない。
そこで放射化学的手法を用いて Z
=
1
0
0近 辺 の 重 い 系 に お け る 核 電 荷 分 布 お よ び 質 量 分 布 の 研
究を行った。また、非複合核過程の反応機構及びその寄与を調べるためカウンター法によ
る実験を行った。
【実験】
実 験 は 原 研 の タ ン デ ム 加 速 器 お よ び 阪 大 核 物 理 研 究 セ ン タ ー の A V Fサイクロ
トロンで行った。ターゲットは 26μm厚のアルミ箔上に♀ 3:
'
3
:
, 2
'
35
.♀3
"
'
Uを各々約 1
m
g
/
c
m2蒸着
3
8Uに対しては 8
3
3
.
2
3
5
.2
5,
9
0,1
0
0
M
e
V、さらに日刊に対し
したものを用いた。入射粒子は 2
2Cを用いた。 3種類の同位体の複合核の励起エネルギーが等しく
3
0,
1
4
0,
1
5
0,
1
6
0
M
e
V1
ては 1
なるよう、適当な厚みのアルミ箔を d
e
g
r
a
d
e
rに 選 ん だ 。 照 射 終 了 後 、 非 破 壊 γ緯スベクト
ロ メ ト リ ー に よ り 核 分 裂 生 成 核 種 の 生 成 断 面 積 を 決 定 し た 。 特 に I,
T
e,S
bおよび希土類につ
いては化学分離ののち γ線スベクトロメトリーを行っている。また、2.:~ ;
;
♀3
2
U
+
I
O
O
M
e
V
-
2つ の 核 分 裂 片 を 半 導 体 検 出 器 に よ り 同 時 検 出 し 、 核 分 裂 片 の 角
度相聞を測定した。さらに 2
38U+160MeV-12C系について、ム E
Eカウンターテレスコープと
i2C系 に つ い て 、 対 応 す る
P
S
Dを 用 い て 、 荷 電 軽 粒 子 と そ れ に 対 応 す る 核 分 裂 片 の 同 時 計 測 を 行 い 、 非 複 合 核 過 程 か ら
放出される荷電軽粒子の粒子弁別をした。
【結果と考察】
これまでの実験で質量数 6
7から 1
7
7までのおよそ 1
1
0種の核分裂生成核種
についてその生成断面積を求めることができた。そのうち A
=
9
2,
1
3
2,
1
3
3,
1
3
5の m
a
s
sc
h
a
i
n
のデータから核電荷分布の幅を決定した。次に d
O
l
l
b
l
e
tの デ ー タ を 基 に 求 め た 最 確 核 電 荷 は
lineality
がかなり良くわ、これから決定した各々の質量鎖の最確核電荷と先の分布の幅を
用いて、核分裂片の質量分布を求め、これを f
l
l
Si
o
nf
i
s
si
o
n(幅の広いシングルピーク)
とl
ow-energyf
i
s
s
i
o
nの 2成分で fittingした (
F
i
g
.1.)。この結果、 f
l
l
s
i
o
nf
i
s
s
i
o
nの質量
分布の幅は 1
2
Cの入射エネルギーカ:
¥
8
5
M
e
Vから 1
4
0
M
e
Vまで単調に減少し、 1
5
0
M
e
Vでト再び増加
に転じることが分かった (
F
i
g
.
2
.
)。 こ れ は 入 射 エ ネ ル ギ ー の 増 加 に よ り 反 応 チ ャ ン ネ ル が
増加し、分布の幅は増加するという一般的な描傷に反する。これらの現象に対する可能な
解釈として、 f
l
l
s
i
o
nf
i
s
s
i
o
nの 質 量 分 布 が 非 常 に 接 近 し た 2つのガウス曲線の結合状態で
あり、 1
4
0刊e
V以 上 で は 核 分 裂 障 壁 が 消 滅 す る f
a
s
tf
i
s
s
i
o
nの寄与が加わるということが考
えられる。カウンターテレスコープを用いた実験から、非複合核過程から放出される荷電
F
i
g
.
3
.
)。この α粒子は、 1
2
Cのうち α粒子
軽 粒 子 は α粒 子 が 大 部 分 を 占 め る こ と が 分 っ た (
がターゲット核に取り込まれ、放出された寿命の短い "
B
eが 2つの α粒子に分かれたもの
はやのしゅういち、どうみんじん、たかはしなると、よこやまあきひこ、さいとうただし、
ゆかわなおき、いしくろみつひろ、くさわけひろあき、こばやしひろし、ばばひろし
-36-
と考えられる。
[文献]
1
)H
.U
m
e
z
a
w
a,S
.B
a
b
a,H
.B
a
b
a,N
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1
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.
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. A160 (
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v
. 些Q ~
D
(
19
6
2
)1 1 1 2 . ε
5
3
) 杜 ら 、 第 32回 放 射 化 学 討 論 会 講 演 予 稿
u
集、 p
1
8(
19
8
8
)
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H
4
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F
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g.1.核分裂片の質量分布
1
03 L~IIe
先
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0
1
0
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ー
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号
令
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(
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)
1
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2
0
3
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PI(ARBITARY UNIT)
F
i
g
.
2
. 質量分布の幅のエネルギー依存性
e
eら
(・は L
。
F
i
g
.
3
. P 1スベクトル
4)のデータ)
12C-INDUCED FISSION O
F URANIUM I
S
O
T
O
P
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I,Akihiko YOKOYAMA,Tadashi S
A
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A
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S
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A
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c
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n
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1A1
4
軽アクチノイド領域での低エネルギー核分裂にお付る
角度分布と質量分布
(阪大理) 0小林
洋、湯川直樹、高橋成人、斎藤
直、押分宏昌
早野修一、二谷訓子、宮内貴宏、丸岡倫子、馬場宏
【緒言】
アクチノイド領域で観測される非対称核分裂成分が、実際は対称按分裂成分と
非対称按分裂成分の二つのモードの共存であることを検証する目的で、 2
3
2T h+3He、
2
3
2T h+α 反応系を運び核分裂生成物の質量分布、角度分布、運動エネルギーを測定する
実験を行ってきた。この結果、両核分裂生成物の聞でその運動エネルギーに明確な差異が
認められ、分裂時の核分裂相互作用距離が異なる、二つのグループが存在することが見い
だされた〈図 1)。さらに両核分裂生成物の間に明確な角度異方性の差異が認められ〈図
2)二つのグループに分げられた。このことから、二つの核分裂成分は異なる s
a
d
d
l
e
p
o
i
n
t を経由することがわかったり。
今回、 238U+α 反応系で同様の実験を行った。 238U+α 反応系は 232Th+α 反応系よ
りも質量分布の二つの非対称ピークの間隔が狭いため独立の対称成分が存在する余地は見
・
かげ上ほとんど残されていない。そこで、この系で 2
3
2T h+α 反応系と同様の結果を得る
w
o o
d
ef
i
s
s
i
o
n機構の存在は非常に確からしいものとなる。
ことができれぽ t
{実験】
実験は、大阪大学核物理研究センター AVFサイクロトロンで加速された 45MeVα
ビームにより行った。角度分布実験では、ターゲットは 6μm
厚の A
l箔に電着した U
0
3(1.7
I
D
g
/
c
m2) を用い、ビーム軸に対して 0
、
・ 3
0
、
・ 6
0
、
・ 9
0・方向に 3
0
0
μ 温厚の A
l箔のキャッチャ
ー(立体角は約 0
.
5
m
s
r
) を設置した。キャッチャーは、しばらく冷却した後、 G e半導体
検出器を用いて非破壊 Y線測定を行った。質量分布実験では、上記と同様のターゲ、y トの
厚の A
l箔ではさんだものを用いた。照射は二回〈長寿命生成核種用と短寿命
前後を 100μm
生成核種用)行った。照射終了後、短寿命生成核種については化学分離後、角度分布実験
と同様の測定をした。
【結果と考察] 238U+α 反応系の角度分布実験の解析結果を図 3に示す。 2
3
2Th+α
反応系に比べて核分裂生成物の角度異方性の値は全般に小さい。このことから、この系に
おげる分裂核の変形は、 232Th+α 反応系よりも大きいことが予想される。観測された角
a
d
d
l
ep
o
i
n
t におげる核の変形度を知ることができる幻。 232Th+α 反
度異方性から、 s
a
d
d
l
ep
o
i
n
t は理論的な s
e
c
o
n
d
応系に関して解析を行った結果、非対称モードの s
b
a
r
r
i
e
r と大体一致し、他方対称モードの s
a
d
d
l
ep
o
i
n
tは f
i
r
s
tb
a
r
r
i
e
r よりやや小さ
い変形度の位置に現れるごとが結論された.さらに今回得られた 2
3喧 U+α 反応系の角度異
a
d
d
l
ep
o
i
n
t を求める。
方性より、この系での対称、非対称モードのそれぞれの s
質量分布実験に関しては、現在解析中である。
こばやしひろし、ゆかわなおき、たかはしなると、さいとうただし、くさわけひろあき
はやのしゅういち、にたにのりご、みやうちたかひろ、まるおかともこ、ぽぽひろし
n
δ
q
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1
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1
2
0
1
4
0
MASS
3
2Th+α 反応系におげる
図1
.2
図 2. 232Th+α 反応系にお付る
核分裂片の実効相互作用距離
核分裂片の角度異方性
2
.
0
.
。
(
o
図3
. 2'38U+α 反応系におげる
。
事R
E
畳
1
.0
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0
1
0
0
核分裂片の角度異方性
2
2
1
2
0
MASS
1
4
0
1
6
0
【文献】
1) 揚 川 ら 、 日 化 第 5
9春季年会講演予稿, 3
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19
9
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)
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1
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1A15
巨大共鳴領域での 2 3 8 U+p 系の核分裂
1
子、小祢洋、丸岡倫子、高橋成人、馬場宏
(阪大・理 )0二谷司1
[はじめに】
アクチノイド領域の自発核分裂ないし熱中性子誘起核分裂は、 20MeV を越すエネルギー
での核分裂と、様相が大きく異なっていることが知られている。このことは、両者の中間
エネルギーで、核分裂のモードが変化していることを期待させる 1J¥その境界の候補と
して U の巨大双極子共鳴の励起が考えられる。そこで、この共鳴が核分裂のモードの変化
に関与しているかどうかを検証するために、放射化学的手法を用いて、 U+p系で、核分
裂時の生成断面積の測定を行ない、電荷分布、質量分布について考察を行なった。
【実験】
実験は、大阪大学理学部附属原子核実験施設サイクロトロンの、 9.8MeV(ターゲット中
心で、 8
.6MeV) と
、 7.6MeV(問、 6
.4MeV) の pビームを使用して行なった。ターゲットは、
1
.5-2皿gfcm2の U を 1
.5mgfcm2のAl箔に電着したものを用い、核分裂生成物を捕麓する為
2
に
、 22.5mgfcm の C箔を前後に重ねた。 9.8MeVの照射は、約 50nAで短寿命核種測定用とし
て3
0分、長寿命核種測定用として 3時間行ない、 7.6MeVでの照射は、約2μAで2
0分、約50
n
Aで 4時間半行なった。照射したターゲットは、非破壊で γ線を測定した。測定は、短時
間照射は 1週間、長時間照射は約 2 ヶ月間行なった。測定した γ綜データは BOB コードで
解析し、生成断面積を求めた。また、それらの試料の他に、化学分離用のターゲットも照
射した。それらは、キャッチャーにはAl箔を用い、非破壊の試料の時と同じエネルギーに
なるように、 Al箔の厚さを調節した。照射は、約50nAで 4時間行ない、試料から I、S
b、
希土類の元素を分離し、 γ線を測定し同様に解析を行なった。また、一部の接種について
は、流れ込みの補正を行なった。
【結果・考察】
測定結果の解析は、まだ進行中であるが、現在までに求められた核分裂片の生成断面積
を
、 Table 1 に示す。非破壊の試料は、短時間照射と長時間照射それぞれ別に解析を行なっ
たが、双方で観測された核種の生成断面積は良い一致を示した。
+p → 23'~Np 反応の Q 値は 5.3MeV であるので、複合核の励起エネルギーはそれぞれ
238U
13.9MeV と11.7MeV となる。量 3 8 U の巨大双極子共鳴のエネルギーは、約 14MeV であるの
で、実験は共鳴上と、共鳴の低エネルギー側で行なわれたことになる。
238U
と pのクー
ロン障壁は約 12MeV で、反応断面積が非常に小さく、特に低エネルギー側では、同定、定
量が大変困難である。化学分離を行なったにもかかわらず、あまり多くの核種は観測され
なかった。しかし、同一質量で複数の核種が観測されたものがいくつかあり、また、 Iに
関しては、同位体がいくつか観測されているので、それらから電荷分布,質量分布を求め、
高エネルギー側の結果との比較、考察を行なう。
にたにのりこ、こばやしひろし、まるおカ=ともこ、たかはしなると、ぽぽひろし
- 40-
T
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9
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C
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)
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HALF-LIFE
NUCLIDE
【参考文献 1
1
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l
.,
Nucl.Phys.A175 (
1
9
7
1
)1
7
7
.
2
) M.Strecker e
ta
l
.,
Phys.Rev.C41 (
1
9
9
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)2
1
7
2
.
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I
A
N
T DIPOLERESONANCE R
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3
8
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A
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c
i
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c
e,Osaka University
Hiroshi B
A
B
A,Faculty o
1801
カノレボン酸-dx 系 に お け る 13Nの 反 応
一
一 P
ropionic-d2 acid 系 に お け る 相 お よ び 照 射 効 果 一 一
0泉水義大, 戸 村 健 児
(立教大・一般教育, 立 教 大 ・ 原 研 )
1.演者らはこれまでに数種の重水素標識カルボン般の系において炉速中性子・反跳重
陽 子 に よ る (d,n) 反 応 で 生 成 し た 13Nの 化 学 効 果 を 調 べ 、 そ の 温 度 効 果 な ら び に 主 生
成物,
13NH4+お よ び 13NOx-の 生 成 と タ ー ゲ ッ ト 分 子 内 の 水 素 原 子 数 と の 相 聞 を 明 ら か
にした。今報では、 P
ropionic-d2acid 系 に お け る 13N化合物の生成の照射温度依存性,
Propionic acid-dG 系 と の 聞 の 同 位 体 効 果 の 有 無 お よ び 照 射 線 量 ( 時 間 ) 効 果 を 調 べ 、 意
義ある結果を得たので報告する。
2. Propionic-d2 acid,C
H3
COεCOOH, 門
(e
r
c
k Frosst Canada l
n
c
'
s MSO-2013,9
8
.
9
%
同
, M
SD-286,98.8% 0
) は、 N2中 で 常 圧 蒸 留 精 製 し て タ
D
) お よ び Propionic acid-de (
白
t
y
p
e pure G巴 (
O
R
T
E
C
) を利用することご
••
••••
r
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こ
l唱
1 l .
J
l
5倍 に 上 げ 、 主 5日│
タj
…
"
1
"
".
.
.
.
.
.
.
.
.
.
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"
.
1
1
'
.
.
_
.
.
.
.
r
クロマト分離の信頼性を高めることがで
!
4H
きた。(立教大原子炉炉心照射孔F
21Cの
0 n・c
速中性子東=1.5xl01
m E・s ヘ 実
相
同
6
.
5
"
,
(
i
~
I
l
j
1
8
8
5
効線量率=1.2xl0 mSv/h)
3. 温 度 効 果 お よ び 同 位 体 効 果 :
山
N 5
5
-
圃
・
Propionic-d2 acid 系 の 計 数 に は W
e
lト
により計数効率を従来の約
l
にまたは多少の改良を加えて行った。
(UQUID)
r
1
4
4
I
l
l
;
⋮-一一
6
B
4 札守下
(
S
O
U
D
)
度制御および化学分離などは既報と間様
7lili--i
ーゲット試料に供した。原子炉照射、温
捌
2
2
日
2
4
9 m.ロ. 2
6
9
Temperot~re/K
F
i
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MMONIAv
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2
8
9
3
自B
3
2
B
a
l
d,(…坐)
13N0x
ー は ほ と ん ど 全 部 が 13NO2- であることを確認した。 1
0分 間 炉 照 射 で 得 ら れ た
Propionic-d2 acid 系における 13NH4+お よ び 13N02-の放射化学的収率の温度依存性を,
i
(
S
O
U
D
)
3
5
II
¥
.
そ れ ぞ れ , 図 lお よ び 2に 示 す 。 両 園 中 の
│平滑曲線は
!
そ れ ぞ れ 実 線 が 針 。p
i
o
n
i
c
I-d2acid お よ び 点 線 が Propionic acid-dG
T
Iにおける 13NH4+お よ び 13N0パ 対 応 す
l
U
. =
i
U
↓│る。凍結相から液相への相変化に伴う
い
… ll・........J.I I
13 NH4+の収率の増加(図 1
)は 6
.5
:
:
!
:
:1.9
55%│%で あ り 、 こ れ は 13N02-の収率の減少,
j
I
2
日
1
5
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U
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ーニ↑ユニヂ一、!
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i
:
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l
l
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6
B
I
5
.
5
:
:
!
:
:1
.9%, (図 2) と ほ ぼ 相 補 関 係 に あ
•
2
8
B
•
•
3
8
B
T
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m
p
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r
。
tiLE/K
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c
l
d,(....@)
•
Iる 。 そ れ ぞ れ の 図 に お い て 、 実 線 と 点 線 は
3
2
酒
F
i
g
.
2H
NOxv
sTI
nProp-~
実験誤差の範囲内で一致する。
主要生成物以外では, C2HsC013NH2,
[
1
3NJAlanine お よ び HC13Nの 収 率 は い ず れ も 照 射 温 度 に ほ と ん ど 依 存 せ ず , そ れ ぞ れ
せんすいよしひろ,
とむらけんじ
2
a
a
τ
nL
8
8
8
1
1
:
:
!
:1
.2%, 5
.
1
:
:
!
:
0
.
8
%および1.3士0.5%
7
8
8
であって、 P
ropionic acid-d6 系の結果に
ほぼ等しい。上記のように、 P
ropionic-de
acid 系 [
(
H
/
D
)比 =3]
と Propionica
c
i
d
昔日目
、
白
>
.40日~
I
'
"
山 系 [百
(/
0)比
1-exp(・At)
剖
~
同位体効果を観測できなかった。
3
0
8
u
照射線量効果:以上の結果に基づいて、
<
2
目
日
Proplonic-d2 とPropionic acid-d~ を区
1
8
8
8
8
<
>
<
1
/
4
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Jとの聞では (H/O)
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1
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fN
1
3
別せずに P
ropionic acid-dx として扱い、
13N化 合 物 生 成 の 照 射 線 量 効 果 を 調 べ た 。
まず、同一照射条件下で得られた試料1
0
0
μE 当りの 13N生 成 量 と 照 射 時 閣 の 関 係 を 図 3に 示 す 。 結 果 は 飽 和 曲 線 に ほ ぼ - 致 し 、 上
記の取扱いが可能であることを確認できる。
図
4お よ び 5に , そ れ ぞ れ
6
5
13NH4+
14l
,
,
AF
) 。 商 i3N化 合 物 に お け る 線 量 効 果 は 共
,
,
,
,
,
5
8
生成量は明瞭に線量に反比例した(図 5
,
増 加 を 示 し た ( 図 4 ) 。 他 方 、 i3N0ピ
ーlMrI
¥,
試料では誤差の範囲をやや越える程度の
,
民
r
¥同 MHω-FF
成量は液体試料においては明瞭な、凍結
AU
6
8
13NH4+生
凶,
EL
・同,
お よ び 13N02- の 収 率 の 照 射 時 間 依 存
f
生を示す。線量増加に伴い
ー
(
1
¥
l
、、
F
r
o
z
e
n
に液体試料でより大きく現れている。
2
日
2
5
これらの結果は先に演者らが提唱したタ
I
r
r
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m
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- ゲ ッ ト 分 子 の 放 射 線 分 解 に よ る Cx H y F
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to
nAMMONIAI
np
r
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p
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c
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d
x
のような r
adicalの 生 成 と そ の radicalと
3
5
N Oと の 反 応 (Leidler & Stavelyらに
よる)を上記の相効果の説明に適用する
お
ご!¥下
、
4
内
ι
¥同 u
'
H
ω釘
~
ことを支持すると解釈できる。
13NO+CH3.
1
3NOJ
→ [CH3
→
1
3N H3
2
8
/↑ ¥ ¥ ¥ ¥ F r o n
L
lq
u
i
d
〈禰、 W
elchらによれば、 d照 射 下 の 無
水酢酸ナトリウム系において,
0
.
1→ 1
0
eV/分 子 の 線 量 増 加 で 13NH4+生 成 量 の
約 40%が 放 射 線 分 解 を 受 け る 。 )
1
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1
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x
Reaction o
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3
Ni
n pile-irradiated carboxylic acid-dx - Temp巴rature a
n
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d2 acid
effects on t
h
e formation o
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Yoshihiro SENSl
J
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acult
yo
f GeperaJ Education,RikkY0 Universit
y
Kenji TOMUR
,
¥
I Institute f
o
r Atomic Energy,Rikkyo University
-4
3-
1802
51
C
rホットアトムの出現エネルギーに及ぼす錯体の大きさの影響
について
(立教大・原研、立教大・理料、立教大・一般市 2 )
。松浦辰男・竹縄英史料.鈴木得仁川・広田玲子 *1 .佐々木研一叫
1.はヒめに
わ れ わ れ は (n . γ ) 反応で生成するホットアトムの反跳エネルギースベ
クトルと、実験で得られる最小のリテンション(初期リテンション)から、その条件でホ
ットアトムを生成するための最低のエネルギー(出現エネルギー)を種々の錯体について
r(acac)3 、Cr(dpm)3についてはそれぞれ約 1
6
e
V、 68eVであることを
調べてきた。そして C
報告した。本報では、出現エネルギーに及ぼす錯体の大きさの影響を調べるため、同じく
β ジケトン型錯体であるトリス(ベンゾイルアセトナト)クロム(II
I
)
、 C
r
(
b
z
a
c
)
3 錯体
)
、 C
r(dbm)3錯体についてその出現エ
およびトリス(ジベンゾイルメタナト)クロム(III
ネルギーを求め、さらにこれを理論的に説明することを試みた。また出現エネルギーに及
ぼす照射温度と彰響についてもあわせて研究した。
2. 実験
Cr(bzac)3 、 Cr(dpm)3錯体はそれぞれ Co11man ら (
1
9
61)の方法及びιmelinに記
載された方法により合成し、カラムクロマトグラフィーにより精製した。照射はこれらの
錯体のそれぞれ 1
0
0mgと6
.
7mgを、ベンゼンと(スカベンジャーと
Lて F
e3+イオンを含む)
たエタノールを前者は 9 :1の割合、後者は 1
1
: 1め割合にした混合溶媒 1
0m
Q中に溶かし
たものについて、種々の温度(室温 (
R
T
)、氷温(IT、約
1
0C) 、ドライアイス温度 (
DT
)
、
0
NT
))で、立教炉 F孔で 2分間行った。照射後の有機層を 0.25Mシュウ酸溶
液体窒素温度 (
液で 2""'4回振って分解種を抽出した後、
51
C
rが有機層に残存している割合を求めること
によりリテンションを測定した。出現エネルギーは、反跳エネルギースベクトルの積分に
より求められた「出現エネルギ一一初期リテンション関係」から求めた。
3. 結果と考察
各錯体について得られた出現エネルギーは表 1中に示した。またそれを
錯体の配位子の大きさでプ口、ソト
Lたものを図 1に示す。これから分かることは出現エネ
ルギーは分子量の増加とともに、配位子内のベンゼン核の有無にあまり関係なく急激に増
大している。われわれは、スカベンジ‘ャーの働きがいずれの錯体においても同じであると
の基本的仮定のもとに、この関係を理論的に説明せんとして、次のようなモヂルを考えた。
(1)ホットアトムは分子の中心でその反跳エネルギーに応じた初期速度をもって生じ、分
子内で他の原子・分子との衝突により減速してゆく。
(
2
) ホットアトムが最終的に静止した位置が分子外であればフリーな原子となるが、静止
した位置が分子内であれば、その位置が中心部に近いほどリテンションになりやすい筈で
あるが、いま簡単のため分子内で静止すればすべてリテンションになると仮定するの
(
3
) ホットアトムが滅速するときに受ける減速能は錯体の配位子の分子量に比例すると仮
定する。
このとき出現エネルギーと配位子の分子量との関係は E o ocL 2 •
67
となる。表 l にはこの
値をもあげである。計茸値と実測値はよく合っている。
照射温度の影響については、いずれの錯体で凍結洛液では極大値が現れている合
まつうらたつお、たけなわひでふみ、すずきとくひと、ひろたれいこ、ささきけんいち
- 44-
表 1.
出現エネ I~ ごぞーの分子量依存性とその理論的説明
錯体の種類
…
!
錯体の
配位子の
分子量
分子量
問
ノtラメータ
ノTラ メ ー タ
J
t
L2. 67
L
出現エネルギー (
e
V
)
計算値
実測値
3
4
9
9
9
2
.
1
2
8 X1
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1
Cr(bzac)ョ
5
3
5
1
6
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7
.
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.
6
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51
Cr(d
p
m
)
3
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b
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一 一
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IRRADIAT/ON TEHPERATVRE
図 1. 出 現 エ ネ ル ギ ー と 錯 体 配 位 子
図 2. 初 期 リ テ ン シ ョ ン の 温 度 依 存 性
の分子量との関係
EFFECT O
F 阿OLECULER SIZE O
N THE APPEARANCE ENERGY OF 51Cr HOT ATOM
T
atsuo 阿ATSUURA, Institude f
o
r Atomic Energy,Rikkyo University
Hidehumi, TAKENAWA,Tokuhito SUZUKI, Reiko HIROTA, Faculty o
f Science, R
i
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l Education,Rikkyo l
Jn
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i SASAKI,Faculty o
F﹁
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τ
1803
歪錯;腕l司佐保 l司いた l
司利点創始献 Iレ7ィ‘ jン
錯i
弘イ才シ会合烹』こ石特反刃包現象 η 解 析
〈氏支犬・ィι/ 以~*) o~~司手, JZ凪ギ
1.F予;賞者 !;>I じれまで,白分遅し勺竹見弘 lrâ1~淑的均一性。ィ続茂勺 3bv ニ粉淳、
I昌利 7/(>$1主食品ïfl しアィソン錯体イ才シ会合系 1::~0 しノ、r ,心金為マ配位h 組合
てを 31FK的 l ニ支え τF 告'働放射殺~~射で第寸ナ-t佐生子P
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子トラ (p-之lレホ 7:r.ニ』レ);
1
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農箔苛包訂位体ゼ・ 1れぞれLf索議 tて
干
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A STUDY OF RECO工L BEHAV工ORS IN SOLID WATER-SOLUBLE METALLOPORPHYR工N 工ON ASSOC工ATES
LABELLED W工TH ENR工CHED Z工NC STABLE 工SOTOPES
Hitoshi SHOJ
,
工 Department of Chemistry,University of Tsukuba
Yasushi NUMATA,Department of Engineering,Nihon University
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1804
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)
3の生成の特異性
反跳インプランテーション反応によるRh(
:ターゲツト内ホットアトム反応との比較
(東北大・理)
0宮 川 篤 ・ 本 間 弘 一 ・ 関 親 勉 ・ 吉 原 賢 二
【緒言】
演者らのグループでは、従来よりターゲット内で起こるホットアトム反応と、外部
からの打ち込みによる反跳インプランテーション反応との反応様式の相違点について
研究を行ってきたが、その結果 2つの反応の聞にはいくつかの大きな違いが見いださ
れた。
そのーっとして、インプランテーションによる中心金属置換収率が、ホットアトム
化学でいうリテンション値と比較して著しく大きいことが挙げられる。
しかし、こ
の事実を確認する実験を行う場合、 2つの反応を独立に、しかも比較できうる形でみ
なければならないため、実験系の選択に問題があった。
独立させて比較を行っていた。
J こで今思は反挑源を Pd、 捕 集 体 を 貼(a叫
そのためそれぞれの試料を
fる系において
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3と
Rh(γ , nf~ 即1 反応によるホットアトム反応と、
1
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6
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Rh反応によるインプ
ランテーション反応を同一試料中で観察し、前述の相違点をより明らかなものとする
こととした。
【実験】
試料は、マイラー膜上に真空蒸着法によって Pd薄膜をつくり、その上に昇華法に
(
a
c
a
c
)
3の膜を反跳悶1の飛程に対し無限厚となるようにつけた。
よって悶1
γ線照射は、東北大学原子核理学研究施設にある ELINACによって得られる最大エ
ネ ル ギ -50MeVの制動放射線を用いた。
その際の電子線の電流値は約 100μAで
、
0
3
0C に保ちながら約 7時間の照射を行
照射中の試料の温度上昇を防ぐためー 100- 1
・
った。また、照射後は化学分離までドライアイス温度中で保存した。
化学分離は、捕集体をベンゼンで洗い落とした後、シリカゲ jレカラムクロマトグラ
フィーにかけて即1
(
a
c
a
c
)
3成分とその他の部分に分け、それらに含まれる放射能を pure
Ge半導体検出器によって測定した。
【結果・考察】
:
J
E
f
l
俳aC)3の量の比を 2
捕集体中巳安在す 放射性Rh原子の総量に対する、放射性 R
つの同位体---Rh,…即1のそれぞれについて求め、それぞれを ---Rh収率、---悶1収
率とすると、 0
.
6%
, 3%前後という値が得られ、両者の聞にかなり大きな違いがみら
みやかわ
あつし、ほんま
こういち、せきねっとむ、よしはら
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。
(
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)
~V~Rh 収率の方は、そのほとんどがターゲット内のRh原子が核反応を起こした結果
として生成した悶1(
a
c
a
c
)
3の収率であるから、ターゲツト内ホットアトム反応によるリ
1
0
5
テンション値とみることができる。
これに対し
Rh収率の方はターゲット中の
則 1原子起因ではなく、ターゲットの外からのみの同位体をみているため、インプラン
テーションによる中心金属置換反応の収率を反映していると考えられる。
したがっ
て、ホットアトム反応とインプランテーション反応の反応の様子を、同一照射条件に
おいて直接比較することが可能となった。
ここで問題となるのは、 2つの同位体を用いたことから同位体効果による収率の違
いがどれだけ現れるかということである。
(
n,
r
)反応の場合には、 Crや Ruといった
系において、同位体効果が大きく観測されている。
効果は従来無視しうると考えられていた。
う結果も得られている。
光核反応による系では、同位体
最近、条件によって多少影響が出るとい
しかし同位体効果だけでは本報告で得られたような大きな
差は同位体効果で説明することはできない。
この両者の聞にこれだけの大きな差が認められたことは、外部治、らの打ち込みによ
る反応の場合、反応を促進させるような要因が非常に大きくかかわっていることを明
らかに示したものである。
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1805
メタロセンおよびその包接化合物における
反跳原子の挙動
(東北大・理)
反応領域の考察
0松江秀明、
関根勉、
吉原賢二
【緒言】
前報では、メタロセンの反跳挙動について検討し、低反跳エネルギー領域のホットアト
a
g
e反 応 に つ い て 考 察 し た 。 こ の 結 果 、 反 応 領 域 中 に 複 数 の メ タ ロ セ ン 分 子 が 関 与
ムの C
していることを示した。本報では、これに加えて最近話題になっているシクロデキストリ
.1 I
こ示す β ー
ンに包接されているメタロセンについても考察した。なお本研究では、 Fig
シクロデキストリンを用いた。
【実験】
eCp2-β-CD) は高橋らの方法を用
フェロセンの βーシクロデキストリン包接体(以下 F
U
C
P
2
β
C
D
)も
い て 合 成 し た 。 ま た ル テ ノ セ ン の βーシクロデキストリン包接体(以下 R
上と同様の合成法で合成した。だだしこの化合物合成の例は報告されておらず、元素分析、
I
R 等を用いて同定を行った。
照射は日本原子力研究所の原子炉 J
R
R
2 で熱中性子照射、東北大学原子核理学研究施設
の 300 MeV LINAC の 制 動 放 射 線 照 射 を 用 い た 。 ま た す べ て の 試 料 は ド ラ イ ア イ ス 温 度 以 下
の低温において照射した。
照射後の分離は、単純なメタロセンについては前報と同様、シクロデキストリン包接体
は Fi
g
.2 のスキームに示すように行った。
【結果と考察】
T
a
b
l
e 1にメタロセンのそれぞれの収率を示す。ルテノセンの (
n
.r)反応の場合同位
体 効 果 が 著 し く 現 れ て い る 。 し か し ル テ ノ セ ン の (r.
n
) 反応ではほとんど同位体効果が現
れていない。またインプランテーション反応ではいずれの場合も、著しい収率の増加が見
られる。
F
ig
.2 にはメタロセンの β ー シ ク ロ デ キ ス ト リ ン 包 接 体 の 分 離 ス キ ー ム と 溶 離 曲 線 を 示
す
。 F
e
C
p
2
β 一C
Dの 5
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F
e
(r.
2
n
)5
2
F
e の場合にリテンションは T
a
b
l
e1に示すフェロセ
ンの値よりもかなり高い値が得られている。
まつえひであき、
せきねっとむ、
よしはらけんじ
F﹁
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d FeCp.-β-CD
CHENICAL BEHAVIOR OF RECOIL ATOMS I
N METALLOCENES AND THEIR INCLUSION CONPOUNDS
- CONSIDERATION ON TUE REACTION ZONE
Faculty of Science. Tohoku Univarsity
Uideaki MATSUE. Tutomu Sekine. Kenji YOSHIHARA
υ
'A
噌
F同
1806
薄膜法を用いるトリチウム反跳インプラント原子の
スチルベンおよびべンゾインとの反応
(東北大理)
0新海裕美子、伊津郡蔵、大森語、吉原賢二
1.序言
反跳トリチウムの反応は気相系ではよく研究されているが、固相系での研究は少なく、と
くに薄膜を使用した研究はわれわれが最近はじめて着手したものである。この方法では気
巴によってお
相 中 で 生 じ た 反 跳 ト リ チ ウ ム の エ ネ ル ギ ー コ ン ト ロ ー ル は モ デ レ ー タ ー の 4H
こない、かっ熱ラジカル反応はスカベンジャーによっておさえることができる利点がある。
本研究では薄膜状のトランススチルベンとベンゾインに対する反跳トリチウムインプラ
ント原子の反応を研究し、従来知られていなかった反転機構などを明らかにした。
2
.実 験
トランススチルベンは和光純薬特級試薬、
S
(
+
)ベ ン ゾ イ ン は
A
l
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r
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c
h社 製 ( 光 学 的 純 度
99%以 上 〉 の も の を 用 い た 。 こ れ ら を マ イ ラ ー 膜 上 に 薄 膜 状 に 塗 布 し た 。
照 射 は 日 本 原 子 力 研 究 所 JRR-4、T パ イ プ に よ っ て 低 温 照 射 ( ド ラ イ ア イ ス 温 度 〉 を
行った。 3Heを入れて 3He(n,
p)3Hをトリチウム生成核反応と L、薄膜にトリチウムをイン
He、スカベンジャーとして O2
プラントした。このさい必要に応じてモデレーターとして4
を系に混入した。低温照射によりターゲットの分解がおさえられた。
ま た ベ ン ゾ イ ン の 光 学 分 割 は ダ イ セ ル 化 学 工 業 キ ラ ル セ ル ODを用いる高速液体クロマ
トグラフィーによっておこなった。
3
.結 果 と 考 察
本研究ではとくに薄膜表面におけるトリチウムのエネルギー(インプランテーション・エ
ネルギー)と親化合物(および反転化合物)の収率との関係で興味ある結果が得られた。
F
i
g
.
lに ト ラ ン ス ス チ ル ベ ン に お け る 親 化 合 物 収 率 と ト リ チ ウ ム の 平 均 運 動 エ ネ ル ギ ー の
関係を示す。明らかにエネルギーが増すにつれて収率は低下していることがわかる。
F
i
g
.
2に示す S
(
+
)ベ ン ゾ イ ン の 親 分 子 収 率 に も 同
S
(
+
)ベ ン ゾ イ ン の 場 合 に は 反 転 収 率 は 逆 に ト リ チ ウ ム の 運 動 エ ネ ル
sエ ネ ル ギ ー 曲 線 は
このような収率 v
様にあらわれている。
ギーの増加とともに増加することがわかる。
反 転 の 現 象 は 従 来 は Walden反 転 の 機 構 が 知 ら れ て い る が 、 こ の 系 で の Walden反転の
age効 果 に よ る 反 転 も 少 な い も の
可 能 性 は 0.3%以下であり実験{直を説明できない。また c
と考えられる。したがってここで観測された反転はトリチウムがベンゼン環にとらえられ
るときの高エネルギー状態から、全体にエネルギーがゆきわたるときに起こるものと考え
ら れ る 。 こ の よ う な 非 Walden型の反転は本研究ではじめて見いだされたものである。
しんかいゆみこ、いざわぐんぞう、おおもりたかし、よしはらけんじ
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3-
1807
メスパウア分光法による鉄酸化物へのイオン照射効果の研究
(原研) 0荒殿保幸、佐川千明、中島幹雄、古川勝敏、北傍喜一、
佐伯正克
1.はじめに
及び加速イオンと固体との相互作用に関
演者らは、これまで進めてきた反跳 T+及び反跳 H e2+
する研究の過程に於て、高速粒子の固体内での減速過程で形成するホットゾーン内での高温放射
線化学反応の重要性を指摘してきた1)。原子炉照射に代わり、加速器を利用して、打ち込みイオ
ンの種類やエネルギーを適当に選択し、転換電子法 (CEMS)、散乱 X線法 (XMS)透過法
(TMS)等のメスパウア分光法と XPSや AESを組み合わせて非破壊で反応生成物の d
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eを観察することによって、対象元素や深さ分解能に限界はあるものの、入射粒子の誘
起する化学反応に関して、表面からバルクにわたる検討が可能である。前回の本討論会に於ては、
高速粒子の固体内反応の解明とそのエネルギ一変換への利用の一環として、鉄の酸化還元サイク
ル利用による化学エネルギー(水素)の発生についての概念を紹介するとともに、実験の手始め
α一
白 L iFe0
2の熱中性子照射により生成する反跳 T+及び反跳 H e2
+によってマグ
)。今回は、 α-Fe20a(へマタイト)及び Fe
a0
4 (マ
ネタイトの生成することを報告した 2
として、
グネタイト〉に対する 40keV、 Heイオンの照射効果について報告する。
2
. 実験
試料は、フルウチ化学(株)社製のターゲット用へマタイト及びマグネタイト(それぞれ純度
99. 9 %以上)を、約 2cm x 2cm x O. 4mm に加工したものを用いた。照射中
、照射時聞は 1時間である。従って、
のチェンパー内圧力は 10-4P a、イオン電流は 100μA
照射イオン数は、
2
. 2 x 1018 である。照射面積は約 O
. 8cm2 (円状)で、照射中のタ
ーゲットの温度は 50.C以下であった。照射終了後室温まで冷却させ試料を取り出しイオンの打
ち込み深さ方向の化学状態の変化を検討するために、 CEMS、 XMS、 TMSにより、メスパ
ウアスペクトル (MS)を測定した。測定装置は、米国 Ranger社製 MS-1200である。
3. 結果と考察
ヘマタイトの照射による M Sの変化を図に示す。ヘマタイトの場合には、 CEMSに於て、照
射前と全く異なるスペクトルが観察され、そのピーク速度、強度共に (D) のマグネタイトの標
準スペクトルに一致する。酸化物のイオン照射に伴う化学状態の変化に関しでは、多くの研究例
が報告されているが、これまでの研究では化学状態分析に表面分析装置である AESや XPSを
利用していることからその情報深さは数 n mである。 TRIMコードによる計算では、入射 He
の平均投影飛程は 330nmである。転換電子の平均脱出深さ(情報深さ)は約 100nmであ
ることから、高速の Heイオンにより、表面から少なくとも飛程の約 1/3までの部分が還元さ
(C)の XMSにおいてスベクトルの変化が見られないのは、
6. 4
keV散乱 X繰の検出深さは約 20μmとイオンの打ち込み深さの数十倍であり、母材からの信
れたことになる。一方、
号強度に対し、生成物からの信号が相対的に弱すぎるためである。一方、マグネタイトでは、照
射試料の CEMS、 XMSおよび、 TMSいず、れのスペクトルも未照射試料と全く同じであり、
あらとのやすゆき、さがわちあき、なかしまみきお、ふるかわかっとし、ほうじょうきいち、
さえきまさかっ
υ
F円
a
a
-
(A)未照射試料 (CEMS)
照射にともなう化学変化は観察されなかった。
イオン照射酸化物表面の XPS
観察から、一般
的には還元種の生成しやすいことが知られてお
り、酸素の選択的スパッタリングによる還元反
応であるとして一部説明されている s
)。しかし
ながら、同じ鉄の酸化物である αー Fe203、
F e304、 FeOの中でも、 FeOのみ還元さ
れにくい等必ず、しも選択的スパッタリングでは
説明できない実験結果もあり 4)、この様な現象
に対して、入射イオンの種類やそのエネルギー
k内
との関係、化合物の生成熱や蒸気圧との関係な
どが論じられているが、その原因は明確ではな
ぺ戸目的ロ
パ
ω-c
い。本実験結果は、表面から約 300nmにわ
たる Heイオンの減速過程に於て、比較的深い
円
層においても、ヘマタイトの還元反応が起こる
こと及び同じ酸化物であるへマタイトとマグネ
タイトの間で反応性に違いのあることを示して
由 ﹀ }#6-ω
おり、表面に於ける FeOの特異的挙動の場合
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tされた原
と同様にイオン衝撃下で d
出
子の再結合過程等の重要性を示唆していると思
われる。
文献
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第 33回放射化学討論会講演予稿集、
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ヘマタイトの照射に伴う MSの変化
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1808
石英類の熱処理による熱蛍光特性変化の観察
(新潟大・理)橋本哲夫・ O坂井
【はじめに】
正・坂上修栄
天然石英における熱蛍光(TL)発光現象には、大別して赤色・青色を示
すもの 2種類と、吸収線量の増加にともなって赤色から青色へ変化するような石英群があ
り、赤色 T Lは火山噴出物起源、膏色 T Lを示すものは深成岩起源、中間的な T Lを示す
ものはベグマタイト起源の石英に由来することをこれまで報告してきた 1}2}3)
この T L発光現象の赤色・青色発光の原因を追究することを主たる目的としているが、
これまでの基礎研究の結果から、主に不純物および格子欠陥が原因ではないかと考えてき
ている。そこで今回は、石英類の熱処理による熱蛍光特性の観察から、不純物や格子欠陥
に関する情報を得ることを目的とした。
【実験】
それぞれ典型的な T L色を示す数種類の天然石英と、それらの試料を 1100
℃で 100時間熱処理したものについて、日 Coγ 線で既知線量照射して、各試料の三次
元 T Lスベクトル(波長・強度・時間)を極微弱光瞬間分光システム (
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r,以下 1MUC) を使用して測定した。さらに発生色と関連
し天然での混入が考えられる、希土類元素、 N aおよび Alをそれぞれドープした合成ガ
ラスを作製し同様に測定した。それぞれ約 10mgの試料を用い、試料の加熱には自作の
位相制御回路を用いヒータを 50-400.Cまで 1.C/Sの昇温速度で加熱し、
1秒ごと
にデータとして取り込んだ。 1困の測定で 350個のスベクトルが得られ、それらのデー
タ解析により波長や温度に関する T L特性から試料相互間の比較検討を行った。
【結果】
IMUCシステムの使用により、通常のグローカーブから観察されるような測
定時間による発光の増減を考慮することなく、極微弱な T L発光に対してもオンライン状
態でのスベクトル測定が可能となった。その結果、合成ガラスについては、ドープした各
希土類元素由来の固有な線スペクトルを示すことがわかった。さらに希土類元素とともに
A lをドープしたものについては、そのスペクトル自身は変わらないものの、発光量が著
しく増大することがわかった。このことは、 A lが何らかの形でホールを安定化させ T L
発光の増強作用を担っているものと考えられる。
またそれぞれ典型的な T L発光特性を有する数種類の天然石英およびそれらを 1100
℃で 100時間熱処理したものについて測定を行った。まず典型的な赤色 T L特性を有す
る田沢湖産の石英についての三次元スベクトルの結果を図 1(
a
)(
b
)に示す。これより天然
a
)については、高温側 (250.C以上)で 620nm付近
石英に既知線量照射したもの (
に幅広いピークを持ち、合成ガラスに希土類元素をドープして得た線スベクトルとは明ら
はしもとてつを・さカミいただし・さカ冶うえしゅうえい
nhu
'hd
かに異なっていた。一方熱処理したもの (
b
)については、赤色ピークがそのまま増強すると
ともに、青色領域に相当する 400~480nm にわたって幅広いピークも生長して来る
ことがわかった。ごの熱処理による青色ピークの現出は、赤色 T L特性を有する他の天然
試料についても定常的に観察された。
次に典型的な青色 TL特性を有するマダガスカル産の石英について三次元スベクトルの
結果を図 2(
a
)(
b
)に 示 す 。 こ れ よ り 熱 処 理 な し (a)については、低温側 (180G付 近 )
0
お よ び 高 温 側 (3 2OOC付近)の 480nmに幅広いピークを持ち、この試料を熱処理し
b
)については青色の低温側ピークは消失し、高温側 (320 C付近)の 480nm
たもの (
0
以外に赤色領域に相当する 620nmに相対的により高いピークが現出するという興味深
い結果が得られ、一部高温型石英化することが示峻された。
現在、 IMUCシステムを用いた測定を重ねるとともに、 E S R測定を行うなどして詳
しく検討しているところである。
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国 1.田沢湖産石英の三次元スベクトル
図 2.マダガスカル産石英の三次元スベクトル
(a)熱処理なし
(a) 熱処理なし
(b)熱処理あり(l1
0
0Cで 1
0
0時間)
0
(b)熱処理あり(1l0
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Niigata University)
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7-
1809
水 晶 薄 片 の TL (熱蛍光) , α一 β 転移温度,不純物,
ESRお よ び 振 動 数 変 化 の 観 測
(新潟大理 ) 0橋 本 哲 夫 ・ 中 田 睦 洋 ・ 白 井 更 知 ・ 坂 井
正
1 . 天 然 石 英 に お け る 熱 蛍 光 (TL ) 発 光 現 象 の 主 な 原 因 と し て 、 含 有 不 純 物 や 格 子 欠 陥
が 考 え ら れ て い る 。 特 に 青 色 TL発 光 を 示 す 石 英 に つ い て は 、 合 成 石 英 ガ ラ ス の 実 験 と E
SR測 定 結 果 か ら Al正 孔 と 格 子 欠 陥 に 由 来 す る El' セ ン タ ー が 主 た る 発 光 要 因 で あ る こ
とを報告してきた
幻。ごうした不純物の含量や格子欠陥濃度は石英の地の物性にも変
1)2)
化 を も た ら し て い る と 考 え ら れ る 。 そ こ で 天 然 水 品 薄 片 を 用 い 、 石 英 物 性 の う ち 、 α相 か
ら β相 へ の
2次 相 転 移 点 の 情 報 が 得 ら れ る 定 圧 比 熱 (Cp )変化,不純物原子, ESRや
振動数変化特性に着目し、 T L特 性 と の 関 連 を 調 べ た と こ ろ 興 味 深 い 結 果 が 得 ら れ た の で
報告する。
2. 典 型 的 な 青 色 T Lを 示 す マ ダ ガ ス カ ル 産 水 晶 ( 石 英 ) 薄 片 (z
カ ッ ト , 約 O. 2mm
淳 ) に 蛍 光 X線 分 析 装 置 で
ころ、結晶成長にともなう
X 線照射し、
5分間 X線照射し、 TLカ ラ ー 写 真 (TLCI)を撮影したと
TL強 度 を 青 色 TLの 濃 淡 と し て 確 認 で き た 。 同 一 試 料 を 再 度
TLCI をもとに破断面に沿って約 2~5mg に小片化したものについて T
Lグ ロ ー カ ー ブ を 測 定 し た 後 、 同 一 試 料 片 を 光 交 流 比 熱 測 定 装 置 ( 真 空 理 工 K K ACC
- 1型 ) を 用 い 30-587.C
の 温 度 領 域 で Cp測定を行った。また同一試料片について、
8Si(n,p
)
2
8
A1反
不 純 物 と し て の Alの 定 量 を も 中 性 子 放 射 化 分 析 法 で 行 っ た 。 こ の 際 2
応 を 避 げ る た め 熱 中 性 子 カ ラ ム (KU R黒 鉛 設 備 ) に よ る 照 射 を 行 っ た 。 さ ら に 同 一 試 料
の い く つ か お よ び ATカ ッ ト 水 晶 片 に つ き
摘を形成した試料について
2
5
2Cf線 源 で 一 定 時 間 照 射 し 、 人 工 的 に 格 子 欠
Cpや振動数の変化を調べた。 ESRの測定は、 TLCIパタ
ーンをもとに、 T L発 光 の 異 な る 部 位 を カ ッ ト し 、 粉 砕 後 X 線 照 射 し 、 室 温 お よ び 液 体 窒
素温度下で行った。
3
. TLCI観 察 の 結 果 、 中 心 部 の 発 光 が 極 弱 〈 外 側 へ 向 か う に つ れ 発 光 強 度 を 増 し 、 最
外 部 で 最 強 と な る 層 状 の TL発 光 パ タ ー ン を 示 す も の が 多 か っ た 。 ま た 、 光 交 流 比 熱 測 定
法を用いることにより、 T L発 光 強 度 の 測 定 に 引 き 続 い て 同 一 試 料 薄 片 で Cp変 化 の 様 子
.C付 近 の Cp変 化 ピ ー ク に 相 当 す る α一β
をも精度よく観察できた。 TL発光量と 573
相転移温度の聞には、図に示すような相関性が昇温・降温測定ともに得られ、一般に T L
発 光 量 の 多 い 石 英 は そ の 相 転 移 温 度 が 高 く な る こ と が わ か っ た 。 更 に 転 移 点 付 近 の Cpピ
ー ク パ タ ー ン に つ い て は 、 昇 温 ・ 降 温 測 定 に よ る ピ ー ク 幅 と T L発 光 量 の 聞 に 相 関 性 が
得られ、特に降温測定においては良好な相関性を示す結果が得られた。ごの結果から石英
はしもとてつを・なかだむつひろ・しらいのぶとし・さかいただし
回
口封U
hd
の転移点付近の比熱ピーク幅は、不純物や格子欠陥の分散状態や結晶性に関係していると
考えた。しかしながら T L発光量と昇・降温ピークからの転移温度差の間には明らかな相
関性は見い出せず、従来の報告とは矛盾する結果が得られた。
また、放射化分析から得られた Al濃度と TL発光量との聞には、大まかに A l漫度に
応じた T L量の比例性は見られるものの細部に Eつては必ずしも比例しておらず、 TL発
光に関与する不純物としては A lのみではなく、他の不純物とともにある種の格子欠陥も
関与しているのであろうと考えた。
一方、
Cf照射による核分裂片由来の格子欠陥を有する石英については、ピーク幅が
252
照射前に比べて著しく広くなる傾向にあり、繰り返し測定により照射前の値への回復を示
す傾向が見られた。このことから C p曲棋の回復現象を調べることにより、不純物以外の
格子欠陥由来の寄与を実験的に追うことが出来た。振動数に関しても核分裂片の照射によ
り明らかな減少傾向が見い出された打。
一方、
ESR測定の結果からは、
。
- 579
LE
発光量と正の相関性を示しており、
2
ロ On Heating
E1 'センターの強度は明らかに T
αー β 転移温度上昇とも一致してい
た。更に液体窒素温度下で測定した
Al正孔センター強度も T L発光量
ぷ
の
•
On Cooling
577
2
.-
L/'
口
と正の応答性を示していることから、 0 575
・
H
含有不純物が T Lのみならず α 一 β ul
.~.ー
H
転移温度に大きく寄与していること
が確認出来た。
これらの同一水晶薄片での結果か
ω
〉
ロ
ト4
/手/
/'吾
田
/
/が
573
106
ら、熱水の温度とその中の不純物が、
107
TL To七al Coun七s (arb.uni七)
水晶の層状結晶成長において不純物
図. TL発光量と転移温度の関係
添加量を左右しており、その結果石
英の種々の物性値変動をもたらして
いると結論できた。
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CORRELATION O
F TL-PROPERTIES O
F QUARTZ CRYSTAL SLICES WITHα ーβ
INVERSION TEMPERATURES, IMPURITIES, E
S
R, AND FREQUENCY C
H
A
N
G
E
S
Tetsuo HASHIMOTO, Mutsuhiro NAKADA, Nobutoshi S
H
I
R
A
I, T
a
d
a
s
h
i
SAKAI (Faculty o
f Science, Niigata University)
P円u
nHU
1810
遷移金属へキサシアノ錯体中の正ミユオンの挙動
(東大理) 0久保諒哉・塩保典子・三嶋謙二・山田泰史・富永位
-西山樟生・永嶺謙忠
【序】
正ミユオン〈 μつの物質の内部場のプロープとしての有用性が認識されつつあ
るが、凝縮相での μ+の化学的挙動については不明な点も多い。演者らは金属錯体中で
の μ+の挙動の研究を μSR法によって行なってきた。その結果遷移金属の錯体中に打込
l+は反磁性 μ+(遊離の Muや
門 uラジカルなど、トl
uを含む常磁性化学種を形成して
まれた t
いない μつの状態を形成し易いことが明らかとなった。不飽和結合をもっ有機化合物は
高い収率で遊離の川や門 uラジカルを生成する。そこで不飽和な配位子をもっ遷移金属錯
休中で μ+がとる化学形を調べ、また対称性の高い錯体の分子運動等を μ+でプローフーす
る目的で、遷移金属のヘキサシアノ錯体中での μSR実験を行なった。
K3[Fe(CN)6Jと
K
3[Co(CN)6Jについては前回の討論会で報告したとおり、 Co錯休では加を含む常磁性の
化合物が生成し、反磁性 μ+のスピン偏極度は Coの核磁気モーメントによって緩和する
2
Kまでまったく常磁性ミユオン種の生成は認
のに対して、同型の Fe錯体では室温から 1
められず、また常磁性の錯体の常識に反して μ+のスピン偏極度の緩和も観測されなか
った。今回は K 3 [Cr(CN)6J と K 3 [Mn(CN)6J を対象とし、 Cr 錯体では室温で、トln~昔体では室
温から 6
Kの問で μSR実験を行なった。
K3[Cr(CN)6Jおよび K3[Mn(CN)6Jは通常の方法に従って合成した。加熱による
【実験】
分解を避けるために、真空ポンプを用いて水溶液を濃縮し再結晶を行った。錯休粉末を
赤外用錠剤成型器で 30mmゅの板状にプレスし、数枚重ねて約 2gcm-2の試料老作成した。
μ SR実験は高エネルギ一物理学研究所内にある東京大学理学部中間子科学研究センター
の μ2ボート(後方 μ+ビーム〉で行なった。低温実験ではヘリウムフロー型クライオスタ
l板に試料を貼り付けて μ+ビームを照射したが、試
ツトのコールドヘッドに固定した A
lブオイルと試料をスタ
料の熱伝導性が悪いので、一端をコールドヘッドに取り付けた A
ックした。零磁場下での測定ではへルムホルツコイルを用いて地磁気や周囲の磁場の影
響を補正し、試料付近の残留磁場を 20mG以下にして実験を行なった。
【結果と考察】
k3[Mn(CN)6] 図 1
に室温および 6
Kの K
5
G下のミ
3[Mn(CN)6Jでの横磁場 4
ュオンスピン回転スベクトルを示す。ここで見えているものは反磁性ミユオン穏である。
Coや Feの錯休と異なり反磁性ミユオン種は、 μ+のスピン偏極度の緩和がかなり速いも
I
)の二種類存在している。成分 Iについて
の〈成分 1)とほとんど緩和しないもの〈成分 I
J
1c l程度と思われるが、今回の実験を行なった実験ポートはプロンプト
は緩和速度は 1
=
0
.
4
0
.
6
μ
s付近に第二のピークがあるために、この成分に関してのよ
ピーク以外に t
いブイツテイングは困難であり収率や緩和速度を定量的に議論することはできない。し
.
6
0
.
7程度で1.0より小さく、
かし Iと Eの収率(入射した全 μ+に対する割合〉の和は 0
門uを含む常磁性化学種が存在していることを示しており、 Co錯体と同様にシアン基に由
来する Muラジカルが生成していると推定される。
〈ぼけんや しおやすのりこ みしまけんじ
にしやまくすお ながみねかねただ
ゃまだやすし
- 60-
とみながたけし
とともに小さくなって行き、 Co錯体の場合と
。
.
0
0
h h d ω ロh a h h 飼 ︿
成分 Eには試料とスタックした A
Iからのシ
グナルが混ざっているが〈本実験の温度範囲
I中の μ +はすべて反磁性ミユオンで、
では A
スピン緩和しない〉、室温での試料のみのス
lの寄与を見積って差
ベクトルとの比較から A
引き、残りの部分の収率の温度変化を示した
ものが図 2である。 120K以下では収率が温度
-0.05
同様に常礎性ミユオン種の中には低温では μ
SR法の観剖時間にかかる程度の寿命をもつが、
室温ではより安定な反磁性ミユオン種に速や
。
。
かに変化するものがあると考えられる。
K3[Mn(CN)6Jは本実験の温度範囲で常磁性
なので μ +スピンは指数関数型の緩和を示す
はずだが成分 Eではスピン緩和がF'e
錯体と同
10
様認められないのは、 μ +が入射することに
Tim e いs
)
よって一部の錯体に化学変化が起こり反磁性ー
K
M
n
(
C
N
)
s
J中のミユオンスピン回転スベク
3[
の化合物になった可能性が示唆される。変化ー 1
トル〈横磁場 4
5
G
)
. 1)293K、2)6K
しなかった部分は常磁性のまま残り成分 Iを
.
.
.
z
BHト
咽 H@
与えると考えられる。成分 Iが常磁性化合物
。
.
の環境にあることは縦磁場 100Gをかけてもス
T
1
I
ピン緩和がデカップリングきれないことから
軍
彊
。
3 ト
も支持される。
E
K3[Cr(CN)6] K3[Cr(CN)6Jの室温での横磁
場回転スベクトルは一成分で説明され、反磁
.
4
5で常磁性ミユオン種
性ミユオンの収率は 0
u ト
の生成が認められた。またミュオンスピンの
偏極度は指数関数型に減衰し反磁性ミユオン
よ
一
上
一
上
0.0
30
。
200
1
0
0
0
種は常磁性化合物の環境にあることを示した。
Temperature(K)
以上のように遷移金属のへキサシアノ錯体
ではF'eを除いて室温で常磁性ミユオン種の生
M
n
(
C
N
)
s
Jでのスピン緩和しない成分の
図2
0 K
3[
成が認められ、シアン基の効果が現れている
収率の温度依存性
と考えられる。今後F'e
錯体については他の金
属の錯体との混晶系での実験を予定している。
明ト
〕
POSITIVE 門UONS I
N HEXACYANO CO門PLEXESO'
FTRANSITION 門ETALS
門. K
enya KUBO,Noriko SHIOYASU,K
e
n
j
i 門ISHIMA,Yasushi T
. YA門ADA,
Takeshi TO門I
N
A
G
A,Kusuo NISHIYA門A,Kanetada NAGA門I
N
E
'
F
aculty o
f Science,the University o
f Tokyo
nhU
唱'・-
1811
中間子原子の化学への応用皿
一錯体の構造と中間子捕獲率一
〈名大理、阪大理 A 、高エ研 B、京大工 c、追手門学院大人京大原子炉 E)
O新 帯 淳 一 朗 、 篠 原 厚 、 成 田 緑 、 古 川 路 明 、 斎 藤
直A 、三浦太一 B
吉村喜男 B、大平俊行人今西信嗣 C'、藤原一郎 D、岩田志郎 E
[はじめに]
負中間子が物質中で静止すると、物質中の原子〈分子〉に捕獲され、中間
子原子〈分子〉を形成する。 πー捕獲の際には物質中に含まれる結合ヱネルギ}の低い電子
が大きな役割をはたしていると考えられる。われわれのグループでは、-これまでに簡単な
分子について χ ー捕獲比を測定し、その捕獲比の変化から πーの捕獲機構を調べてきた。
1)
現在、次のステップとしてこれまでより複雑な化学形をしたアセチルアセトナト錯体に注
目し、配位結合や立体構造の違いによる影響を調べている。前回の討論会では中心金属の
原子番号の増加にしたがって金属への捕獲率が阻害されているという結果を報告した。 2)
しかし、その実験では空気中の酸素の寄与など種々の補正が不完全だったため結果の信頼
性に問題があった。そこで測定システムに改良を加え再度測定を行ったのでその結果を報
告する。また、この結果を用いて、簡単な分子についてかなり有効であった巨大中間子分
子 (LMM) モデルのより複雑な系への適用もしくは拡張を試みる。
[ 実験
]
測定実験は高エネルギー物理学研究所の 1
2
G
e
V陽子シンクロトロン χμ チャ
ネルで行った。前固までの問題点となっていた空気中の酸素の寄与を完全に除去するため
へリウム雰囲気中で測定が可能なチェンバーを作製した。さらに、 P
S
4のシンチレーター
を薄くし、チェンバーの中に設置したことにより、 S / Nの向上を図った。また、 X線の
自己吸収を改善するため薄いセルフサポートの試料をフレスにより作製し、 2枚を V字 型
において実効的な厚みを増した。今回使用した測定システムの概略を図 1に示した。測定
方法はこれまでと同様で 3) 、測定時の実験条件は次の通りである。
ロ
ビーム強度:
(
a
t ---4.2XI011 protons/pulse)
8.3X1
03 π ソ pulse
口測定時間
:
8
2
4
h
/試料
口試料
:
門(acac)x、[門=V,
Cr,
Mn,
F
e,
C
o,
N
i,
C
u,
Z
n
J 、x=2 or 3
2
2
、
4X4cm
X2枚
0
.
2
g
/
c
m 厚、
試料としたアセチルアセトナト錯体は十分に乾燥させ、結晶水を含むものについては減圧
加熱して結晶水を完全に脱水した。
[結果および考察] 各元素への捕獲率は測定により得られたバイオニック X線スベクト
ルから求めた X線強度比と我々のグル}プで測定した蛍光収率を用いて求めた。その際に、
有限の大きさを持つ試料の立体角や、バイオニック X線の試料中での自己吸収をモンテカ
ルロ法により補正した。
得られたアセチルアセトナト錯体の πー捕獲比 (R(O/C)とR
(門/
C
)
) を図 2および図 3に示し
た
。 R(O/C)については、若干中心金属の原子番号が増えるにしたがって値が減少する傾向
しんたいじゅんいちろう、しのはらあっし、なりたみどり、ふるかわみちあき、
さいとうただし、みうらたいち、よしむらよしお、おおだいらとしゆき、
いまにしのぶつぐ、ふじわらいちろう、いわたしろう
円ノ耐
ハ
hU
にあるが、誤差を含め有為
であるとは言い難い。また
R
(門I
C
)については L M Mモ
デルで計算した値とは違っ
ており、前回の結果と同じ
傾向がみられた。今後、 L
i
i
.
-
M Mモデルで得られた電子
分布と、分子軌道法による
ものとを比較し考察する予
定である。
図 1 測定システムの概略
※P
S
4、P
S
5から P Mへは、光ファイバ}で接続されている
※紙面の両側にチヱレンコフカウンタ}を設置しである
※減速材はコンビュータで遠隔操作が可能
R
(
O
/
C
)
"
"
7
I _...
~
5ト
41
H
3
v
図2
π 捕獲比 (R(O/C))
図3
※実鵠何度様〉は L M Mモデルの 3
(2)価の計算値
[参考文献]
1
., P
h
y
s
.R
e
v
. A, 35,2044 (1987); 37,43 (1988)
I)N.lmanishi, et a
2
)篠原ら、第 33回放射化学討論会、 2A03 (
19
8
9
)
.
.
, N
u
c
l
.I
n
s
t
r
u
m
.ト
1
e
t
h
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sP
h
y
s
.R
e
s
.,A26
,
1 465
-(
19
87)
3)N.lmanishi,et al
∞
α
I
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M
I
S
τ'
R
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工C ATOMS 工
工
工 一回'R
UCI'URE OFMEI'AL IMPLEXES AND P工倒
CAPI'l双E
RAτ'ES Junichirou SHINTA
,
工 A
tsushi SH
工
NOHARA,Mi
doriNARITA,Michiaki FURUKAWA
Facultyof Science,NagoyaUniversity
Tadashi SAIτ0,Facultyof Science,OsakRUniversity
工阻J
RA,N
ational L
a
l
:
x
コratoryforHighEn
ergyPhisics
TaichiMIURA,YoshioYOSH
工RA,Nobutsugu工MANISH
,
工 FacultyofTechnology,Kyo
七oU
niversity
Toshi
yukiOHDA
uinUniversity
IchiroFUJIWARA,ottemonGak
Shiro IWATA,ResearchReactor工nstitute,KyotoUniversi七Y
- 63-
1812
陽電手消滅?互によ七
〔理事前
G.
oA
s結晶守の符?又陥
O高橋照果、仔東号手
L_盆1.
陽電子 51iAi玄 1 1-従事、全信の持手又陥宵惜 I~ 判)司きれ T き T;: v
く、最近で I
J.干導ゆ材料の
叉陥&~~哉 7玄\:.. lても)青いられゐょう I~ なラ r~ .合 ~.f 寺侍 \f で陽電手 \1 1
0・IZs
e
c
.ll~Act;.で
札売のi!電力ヱキ lレイ- ~ ~も逸\~失、、管チヒ吋~~戒す令。消滅 r~革のエキ‘レゼー少々 l 五、
吻質寸の'定手句通事者をうす奇 E及 吠 l. との視)$;..~ドッアラー払 p.z リ乙\1~ , 3く.を~l,型平すま又
治がみゐ場令、入射し r~ 陽'竜 jトはそれらの叉陥\~トラ 'Y プでれ、内級官テヒ村清~~:;令確
手 f\.,J 、でく叫 1) 、 5均株 r~ネスぺ 7 ト 1\11 1.鋭、、ピー 7 乞キ 1. 迂 IZ 欠陥の江、、場令 1 ~ ¥
.
l
.
,
内
殻骨子じの~~~瓜爪主ヒ午令 T ,め‘スぐ 7 ト)~ 1
1-広、、分骨 Eネ 1 ~首滅 r 線のドず 7・ラー払
0
世ミリ~ ~向えず令ミヒ,~よ 1) ‘
を ð~ 型持手文簡の有魚 E 枝:i!.する J ヒ pえできゐ.
払々 l玉、マヅ、y!
'Î リスタ Jレヒ言われ.その帝 l骨 'It.Pく期待守れ rμ くらむ結晶究陥-1f~ftr 1~
おい t 基礎.{J~J't首?のみえが久手 '1.使ヒリヲてい令G-o. As将 J日\~ ~ l~ L,揚電ま消滅ドヅ 7・
う
-v;.. pミリ淵え t くよリ結晶守の待矛又陥 E 絢ぺ T~ •
L 怠是主
Z- 1.線漁
i
8
陽骨子‘徳漁じ L"
(
. 15MιV のプロトシピームで号ご lρm の Tjn~ t照 射 し 鳴T
j(
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.
) V反
応
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.
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プ1)トン照射 E棺々の存什で行、¥特手欠陥 t導入 Lf
,試料じ結晶引き上 1
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持去叉陥f.~唱ペゐ r~ めの紙粁の Z 棺集長 ~i守京\.. T~ "
6
式
粁 tト、ずれむし E C~主(没俸制よ引
き上げうま)によリれきJ:. 、 3
0x3
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7mm3 I~力ザトして鳴い T, .
.
プロトン販制訊粁 tゑ I1';宇1
1~ 者の訊料\1. . 1みの 4ンヲ¥ソト
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.
.
1
1丸端野(日&〆 i
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それそ?れ iAs~察団え守 8 5' 0.(,, 20 分間
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アニー』レ¥.. T~ もの tfA , T
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2- 3. 淵 定
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図2
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s正アニ-)しじよ勺 1、 とれらの欠陥はう首 ~ÁJ 々と考九られ令.
m
DEFECTS IN GaAs CRYSTALS STUDIED BY POSITRONS
Terue TAKAHASH工 and Yoshiko ITOH,The 工nstitute of Physical and Chemical Research
舟
υ
hU
F円
1813
低 温 (~ 1
5K) での比例計数管の動作
(議賀医大、'京大化研)福村和子、片野林太郎事、
O小林隆幸、中西章夫、五十棲泰人事
【緒言】
密封型の比例計数管は実験目的に合わせて製作する事が容易であり、また低エネル
ギー電子線、 X纏などに対するエネルギ一分解能が比較的よいために、多くの実験分野
.75-5K) 1) あるいは液体窒素極度
で 使 用 さ れ て き た 。 し か も こ こ 数 年 の 聞 に 極 低 温 (1
以 上 (77-1200K) 2)で比例計数管を安定に作動させる技術が確立した。さらにこの技術
は CEMSに応用され、酸化物の箔膜や腐食酸化鉄微粒子の研究がなされたヨ 4) 。
以上では混合ガスが用いられるが、 4.2K付近の温度で
計数管を働かせるには、 77K
は純粋のヘリュウムガスのみが有効である。このことから低温では 77K
以上とは異なっ
た機構が働いている事が示唆される。一方、 5-77Kでは十分な研究が行なわれていない。
そこで今回の研究では、低温での動作機構が働く温度の上限を調べたのでそれについて
報告する。
【実験】
クライオスタット(イワタニ、クライオミニ D
3
1
0)と計数管の構造を図 1に示す。
計 数 管 に は 市 販 の 純 粋 ヘ リ ュ ウ ム ガ ス を 室 温 で 1気圧入れた。計数管を冷やしその動作
57
C 0 を電着した A l箔を陽極に貼り付け、低エネルギー電子纏のスベ
を、約 1kBqの '
a
n
b
e
r
ク ト ル を 観 潤 す る こ と に よ っ て 調 べ た 。 計 数 管 か ら の 信 号 は 低 雑 音 プ リ ア ン プ (C
ra 2003T)とアンプ(Ortec450) によって増幅し、マルチチャンネルアナライザーに記
録した。
【結果】
図 2には 1
3.3K、 1
5
Kおよび 300Kで観潤したスベクトルを示す。 1
5
Kまでは計数管が
6
Kでは 900-1000Vとなり、しかも時間と
動 作 す る バ イ ア ス 電 圧 は 800-1150Vであったが 1
6.7Kで は こ の 電 圧 幅 は そ れ ぞ れ 9
0
0
9
7
0
V、
共にこの幅は更に狭くなっていった。 16.4K、 1
870-890Vであった。しかし 1
6以上では信号は小さく、事実上雑音と区別する事は困難で
5K
以下では譲
あった。このように温度が上がると計数管の動作が不安定になるのは、 1
化していた不純物ガスが蒸発して、低温での動作機構が働かなくなるからであろう。不
純物ガスは、ヘリュウムの次ぎに蒸気圧の高い水素である可能性高い。したがってガス
の純度を高めればもっと高温で働くかも知れない。
約 200MBqの 5 7 C 0 を使い鉄の CEMSスベクトルをとったものが図 3である。この
図からこの装置が十分に CEMS実験に役立つものであることが分かる。
ふくむらかずこ、かたのりんたろう、こばやしたかゆき、なかにしあきお、いそずみや
すひと
-6
6-
このように市叛の純粋ヘリュウムガスを詰めた計数管は、 1
5
K以下でのみ安定に作
動することが明らかになった。我々はその後、ガスを純化しあるいはガスの種類をかえ
て計数管の動作を調べ、ほぼあらゆる温度領域で働かせることができるようになったの
で、その結果も合わせて発表する予定である。
13.3K
1
6
.4
-
.
.
B.2
15K
回
E
・
・
μ 〉wwiw
.
.
』
2
1
3
.
3
K
"
a
0
9.5
300K
147VV
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同
,
日
200
400
600
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図2
図1
図3
立監
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1
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. Isozumi,S
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. Fujii and R
. Katano,R
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0,3
2
6
2
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19
8
9
).
. Kurakado and R
. Katano,N
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. Kethods,2
0
4,5
7
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. Isozumi and R
. Katano,Hyperfine
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. Katano,Hyperfine
(
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. Kobayashi,K
7,1
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1
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)
.
Interactions,5
・
HELIUK-FILLED PROPORTIONAL COUNTER OPERATED A
TL
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Kazuko FUKUKURA,D
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f Physics,Shiga U
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f Kedical Science
Rintaro KATANO,Institute for Chemical Research,K
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.
f Physics,Shiga U
n
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v
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f Medical Science
Takayuki KOBAYASHI, Department o
Akio NAKANISHI,Department o
f Physics,Shiga U
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f Kedical Science
o
r Chemical Research,Kyoto U
n
i
v
.
Y丑suhito ISOZUMI,Institute f
phU
,
na
1814
宜
271メスパウア一線穂の作成
( 東 邦 大 理 , 東 大 原 セ )0高 橋 正 , 竹 田 溝 淵 雄 , 海 幡 浩 之 へ
伊藤泰男牢
[
・
障 3 ヨウ素のメスバウアー効果は, 127Iと 129Iの二つの接種について観湖される.
127Iのメスバウアースベクトルは,メスバウアー分光学的特性が 129Iと比べて劣るもの
の
, 127Iが安定同位体であることから応用範囲が広いという点にわれわれは注目してい
る.すでに Z n127mTeを線源として 2
0 K でスベクトルを測定することに成功している
吋 e
06を線源としてスベクトルを測定することを試みたので,
が U ,今回は新たに Mg3127
得られた線漉の評価について報告する.六酸化テルル(羽)三マグネシウム(以後テルル
酸マグネシウムと呼ぶ)を轄源化合物に用いたのは,この無反跳分率がテルル化亜鉛に比
べて大きいので,吸収強度が大きくなり少ない試料でスベクトルの測定が可能になると期
待されたからである.
A実験。] 線 瀬 沼 傑 繊 テルル酸マグネシウムを作成し 2 九これを中性子放射化して Mg3
1
.
27mTe06とした.エンリッチした 12句 e(98.6%,ORNL製 ) 1
9
4 mgを 1
0 .01 dm-:~硝酸と反
I
応させ,析出した白色沈殿をガラスフィルターを用いてろ過したあと, 400Cで 1時間加
熱し,酸化テルル (IV)とした.得られた酸化テルル(I
V)1
9
6 耐と酸化マグネシウム(ナカ
6
1 mgを乳鉢でよく混合後, 900Cで 1時間の焼成を 3 回繰り返して,
ライテスク,特級) 1
テルルー 126標識テルル酸マグネシウム Mg3126
Te06とした.
Mg312
6
Te06 273 mgを照射用石英管に封入のうえ照射用アルミニウムキャプセルに密封
してから,原研 JRR-2の 炉 心 (VT-1照射孔;熱中性子束 2X1
014 n cm-2 S-l) で 1
2日間照
.09 G
B
qと計算された.約 60日のクーリングののち
射した.生成した 127吋 eの放射能は, 1
5 聞に
石英管を開封し, 5000Cで 3時間,酸素気流中でアニールした.このあと有効径約 1
広げ,厚さ 50μmのアルミニウム箔を用いて密封し,線源ホルダーに固定した.
メース:対ey,ァ.'世:*::~グ子;泌~:~硲測窓口
Austin Science社 製 S-600スベクトロメーターを用
0 K に冷却して測定した. 57.50 keVのメスパウア -y線の計
い,線漉と吸収体の両方を 2
数には,純ゲルマニウム検出器を用いた.メスパウアースベクトルの解析は transmission
integal法を用いておこなっている.
饗
‘J
; 50 mgI cm-2の吸収体厚みのヨウ化カリウムについて,テルル酸マグネ
[:結果&噂i
シウム線灘とテルル化亜鉛線漉を用いて測定したときのスベクトルを図 1に示す.テルル
酸マグネシウム線漉は約 13%の吸収として観測された.テルル化亜鉛線源では約 8 %の吸
収であるから,テルル酸マグネシウム線漉では,吸収強度が大きくなることが確認できた.
デパイ温度は,テルル化亜鉛が 110 K ,テルル酸マグネシウムが 320 K と見積られており,
これらの値を用いて 2
0 Kでの無反跳分率をデバイ模型で計算してみると,それぞれ 0.07,
0.46となる.吸収強度の遭いは明らかにこの無反跳分率の違いを反映している.
テルル駿マグネシウムには結晶学的に異なる 2種類のテルルのサイトが存在する 3 ヘ 線
幅は測定ごとに異なるが現段階での線幅の解析値は 3 mm S-l前後である.われわれがテ
1よりも広いももの,二つの
ルル化亜鉛を用いて測定したときの線幅の平均値 2.67 醐 S 0
0
たかはしまさし,たげだますお,さわはたひろゆき,いとうやすお
- 68-
-
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サイトの遭いは問題にならないといえる.しか
し,テルル酸マグネシウム線揮で測定したヨウ
化カリウムのスベクトルはやや非対称であり,テルルの原子価状態にわずかなばらつきが
あることを示唆している.そこで 9
0
0・
C,酸素気流中で 2時間再びアニールしたが,スベ
クトルに目だった変化はなかった.
図 2にテトラクロロヨウ素(皿)酸テトラエチルアンモニウムについて,ヨウ素の厚み
2
0m
gc
m
-2と5
0I
I
gC
I
I
が2
の試料についてのスベクトルを示す.テルル酸マグネシウム線
揮のスベクトルについて,異性体シフト,四極結合定数および非対称定数は,吸収体厚み
に関係なくそれぞれ,明 1
1
1
1 S -1 (ヨウ化カリウム基準) ,6
5
.
81111 S-l,0
.
0であり,
.51
テルル化亜鉛線灘で測定したときのそれぞれの値ー1.4
4 醐 S-l,6
5
.
2
4醐 S-l,0
.
0
0とよ
く一致している.スベクトルのフィッテイングの程度もよく,ヨウ化カリウムのときに気
になるテルルの原子価のばらつきもわからなくなっている.
テルル酸マグネシウム線源を用いると 2
0 圃g1 cm-2でも約 3.5%の吸収が観測された.
この強度はテルル化亜鉛線穏を用いたときの 5
0m
g1 C
I
I
-2のスベクトルよりやや弱い程度
の強度であり,先に述べたようにテルル酸マグネシウムの無反跳分率が大きいことをよく
反映している.テルル化亜鉛線謀を用いたときには,良質のスベクトルを得るために吸収
0I
I
g1 cm-2としていたが,テルル酸マグネシウム線源では,その半分程度の厚
体厚みを 5
みで同質のスベクトルが得られそうである.現在,この点の確認と,テルル酸マグネシウ
ム糠課用いるときの吸収体厚みの下躍を検討している.
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s,3
9,2
1
2(
19
9
0
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.(
2
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.
[参考文献 ] (1)生揮,高橋,竹田,高野,伊藤, R
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Universi七y
Hiroyuki SAWAHATA and Yasuo 1七0,Research Center for Nucユear
Science and Tehnology,The Universi七Y of Tokyo
1815
119Sn 23. 87keV準位の寿命測定
(信州大教育、高エネ研・) 0村松久和・三浦太一車
く緒 言〉 原子核準位の寿命に対する化学状態の影響を検証する試みは、初期における比較的
日mNb,
99mTc,1
♀5
mTe,235mUから、メスバウア核である 5
7Fe,
長い半減期をもっ7Be、9
119Snの第一励起準位にいたるまで、いくつかの報告がなされてきている。これらの結果は、原
子核位置での電子密度、いわゆる c
o
n
t
a
c
td
e
n
s
i
t
yρ
(
0
)と関係付けられ、化学結合状態の変化に
より、主として最外殻電子が影響を受けることによる ρv(
0
)の変佑及びそれによるしゃへい効果
o
n
t
a
c
td
e
n
s
i
t
y,
ρC
(O
)の変化の両者を含めた ρtot(
0
)の変化
を通してもたらされる内殻電子の c
によると解釈される。この種の実験がメスバウア準位においておこなわれる場合には、その結果
は異性体シフトの c
a
l
i
b
r
a
t
i
o
nに利用することができる。漬者ちは、これまでに化学効果に直接的
(
0
)の変化を内部転換電子の強度測定から求め、 119Sn,125Teについて c
a
l
i
b
r
a
に関係する ρ
t
i
o
nc
o
n
s
t
a
n
t (本質的にはI1R/R) を決定した。半減期測定による方法の利点は、内部転換電
子測定による方法においてなされた、
「外殻電子状態の変化は内殻電子状態に影響を及ぼさない j
という仮定をする必要がないことである。しかし、それは一方で ρ
t
o
t(
0
)の変化を観測すること
0
)が 10-3~ 10-4であることを考えると、かなり高精度の測定が要求さ
になりム ρ(0)/ρtot(
れることになる。本報告では、測定系を中心に、中間的結果について述ベる。
19Snの 23.87keV準位は部分的に Ml遷移によって内部転換電子を放出して
く原理> 1
崩壊する。この M1遷移においては、 1%以内の精度で次式が成立することが知られている。
α
5
(
;
) =const ・ρ5(
0
)(
;
)
;i=K,L,M,
したがって、準位の寿命は、
)= {
一 α5/(α+1)} {
ム ρ5(0)/ρ5(
O
)
}
ム τ/τ= -11九/九=-/1α /(α+1
と書ける。ここで
,α、 αsは全内部転換係数、
である。一方、異性体シフト
s電子内部転換係数で、 ρ5(
0
)は全 s電子密度
(
0
)は、主に s電子によって生ずる(非 s電子の寄与は約 2
.4
%にすぎない)ので、異性体シフトを表す式、 0= (4/5)πZe♀R2 (
/
1R/R) I
J
.ρ
(
0
)の
Aρ(0)は Aρ5(
0
)で置き換えることができ、上式より、
ムR/R= (5/4π) (l/Ze2R2) {α5/ (α+1) }
X (1/ρ 5
(
0
)
) {o/(/1A./九)}
が得られる。つまり、 8とAλ/λ の測定から/1R/Rを決定できる。
く実験及び結果〉 測定試料としては、 Aλ/九ができるだけ広い範囲で観測できることを考慮
1
9
mSnで標識した 4種類の線源(金属 (s-Sn) および 2価
、 4価のスズ化合
して、市販の 1
物)を作製した。それらを線源にし、 CaSn03を吸収体として、 78K
、 200Kあるいは室
1
9Snの第一励起準位 (23. 8
温でメスパウアスペクトルを測定し、異性体シフトを求めた。 1
7keV,17. 8ns) の寿命は、いわゆるフアースト・スロ}コインシヂンス法により測定
した。測定系のプロック図を図 1に示した。核異性体準位(第二励起準位)は、
ハU
司
,
.
むらまつひきかず、みうらたいち
M4遷移で崩壊
し
、 αtot=5115と非常に大きく 65
keVの γ線はほとんど放出されないので、
時間一波高変換器 (TPHC) のスタート
信号には Snの X線 (
K
α,
. 25keV)
を用い、ストップ信号には 23.87ke
Vの γ線を用いた。一方、検出器として用
いた NE-102プラスチックシンチレー
タは X線と γ線を弁別できないので、得ら
れる時間スペクトルは時間ゼロに対して左
右対称となる。1'
1
定系の時間分解能は、
(511keV-511k
eV) 及び125 1 (35. 46keV-X
線)を用いて測定し、それぞれ 430ps,
4. 7n sであった。測定精度を上げる一
2 2 Naの消滅線
手段として、エレクトロニクスのドリフト
をできるだけ各試料に対して平均化する目
的で、小型ロボット (
M
O
V
E
貼S
T
E
R
、三菱電
気製)を用いて 10分毎に試料実換を行う
図 1 寿命測定系のブロック図
ようにした。各々の試料についての時間ス
ペクトルは、パーソナルコンピュータでロ
ボ「ット及びヒストグラムメモリ (4k) を
4
1
0
制御して、 4分割したメモリ領域に記録さ
SnS
SnO.
f
3-Sn
SnSO.
れた。 4kチャンネルのメモリに記録され
た4個の試料の時間スペクトルの一例を図
J 103ト
w
2に示した。寿命スペクトルは最小自乗法三
を用いた解析コードにより行った。解析か
ら得られた寿命は文献に記載されている値
に近いものであったが、個々の試料につい
ての寿命の間の化学的環境による明確な違
ト
2l
i
5比
i
九
日
ご二-'
ご二こ二ー
i
i
J
i
?
~
10' ~-~.
F二一_....
いは現在得られている中間的な結果からは
見いだせていない。それは、統計が悪いこ
とによって誤差が大きくなってしまってい
=
1102
100L
l
o
1024
2048
3072
ANNEL NUM8ER
るためである。測定試料の選択、測定系の
改良を含めて、可能な限り制定誤差を小さ
図2
n23.87keV準位の時間
119S
スペクトルの例 (4試料)
くすることを検討している。
L
I
F
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M
EO
FT
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3
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8
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4096
司
t
lCOl
放射化分析のための y線スペクトロメトリ
(GAMA-Vシ ス テ ム ) の 開 発
{武蔵工大・原研)
0鈴 木 章 悟 , 桂 木 夏 子 , 平 井 昭 司
1. は じ め に
機器中性子放射化分析
(
1NAA)は , 環 境 科 学 を は じ め , 生 物 , 医 学 , 農 学 , 工 学 , 理
学など広い分野において,試料中の微量元素を分析する方法として数多く利用されている。
INAAの た め の y 線 ス ペ ク ト ロ メ ト リ (
GAMAシ ス テ
ム)を 1975年 以 来 開 発 し , こ れ を 使 っ て INAAを 行 っ て い る 。 今 回 新 た に , デ ー タ 収 集 部
武蔵工業大学原子力研究所では
の シ ス テ ム を 増 強 し た 。 開 発 し た 5号 機 の 構 成 な ら び に 制 御 プ ロ グ ラ ム に つ い て 報 告 す る 。
2. ハ ー ド ウ ェ ア の 構 成
Fig. 1に GAMA-Vシ ス テ ム の ブ ロ ッ ク 図 を 示 す 。 コ ン ピ ュ ー タ は NECPC-9801EXを
用いている。
G e検 出 器 よ り の 信 号 は ADC(Canberra 8077型 , ク ロ ッ ク 周 波 数 450MHz)
でディジタ J
レ量に変換される。変換されたデータは
書き込まれる。
DMAモ ー ド に よ り , 高 速 で メ モ リ に
DMAの パ ス ラ イ ン は プ ロ グ ラ ム の パ ス ラ イ ン と 別 個 の 構 造 に な っ て い る
Cp Uは デ ー タ 収 集 に 関 係
ので,ソフトウェアの介在しない高速収集ができるとともに.
せず,収集中もプログラムによりシステム全体の監視,制御を行うことができる。
デ ー タ 収 集 領 域 は 8192チ ャ ネ ル で . 1チ ャ ネ ル が 2
4ピ ッ ト で 構 成 さ れ る 。 収 集 領 域 は
1/1の 他 に 1/2単 位 で 分 割 収 集 が で き る 。 さ ら に ア ン チ コ ン ブ ト ン ス ペ ク ト jレの測定の際
レを 1/2と2/2に 同 時 に 収 集 す る こ と も で き る 。
に,反同時計数と同時計数スペクト J
データ収集中は
3台 の デ ィ ス プ レ イ に 全 体 ス ペ ク ト ル , 部 分 拡 大 ス ペ ク ト ル 及 び 操 作 ・
測 定 条 件 が 同 時 に 表 示 さ れ る 。 全 ス ペ ク ト ル デ ィ ス プ レ イ で は . 8192チ ャ ネ ル の 全 体 の ス
ペ ク ト jレ が 表 示 さ れ , ス ペ ク ト ル 中 で 明 る く 輝 度 表 示 さ れ て い る 範 囲 が 部 分 拡 大 ス ペ ク ト
J
レディスプレイに表示される。拡大スペクトルディスプレイには連続した
5チ ャ ネ ル の 輝
度 表 示 さ れ た サ ー チ マ ー カ が あ り , そ の 中 央 の サ ー チ マ ー カ の チ ャ ネ ル 番 号 と 5チ ャ ネ ル
のカウント数が操作・測定条件を示すキャラクタディスプレイ (
4
0字 X25行)に表示される。
Total spectrum display
S
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a data
24kBM
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Fi
g
. 1 Block diagram o
f GAMA-V system
すずきしょうご,かつらぎなつこ,ひらいしょうじ
- 72 -
13:33
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内‘
,
。, 内
作
hv
nu'A
ハU
59.5
SET T1ME
122200 SEC
F5 MK=
LS
1/2
1RR.RSR6H 2M M
TT
LT
ST9006; 2310: 0923
ET
IT9006;2115; 5800
SMP. NIES-8-450
DEAD TIME
016.696
DISK:G5AC31
0
00
OOOOOOS
TRUE TIMER
012532.54
システムと接続している遮蔽
体付サンプルチェンジャを用
START
END
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Fし
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時間,試料名等をあらかじめ
設定しておくことにより,本
“ 9・
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り簡単に行える。また,測定
9T04211
9N44741
1U43668
..0 1 3 4 3 2
て,測定者との対話形式によ
nunU U
︽ nunu
ャラクタディスプレイを介し
し。 L 9 U 9
甘
いMm
γム
れる。操作はキーボードとキ
P M F﹂
制御プログラぶにより管理さ
D
H
Uロμ
puuav
ど の 操 作 は C言 語 で 書 か れ た
K5
定条件の設定,データ転送な
A6
MZ
G A M A - Vシ ス テ ム の 測
MOO000
T-
3. 制 御 プ ロ グ ラ ム
LIVE TIMER
010345.92
RESET
Fi
g
. 2 An example of character display
いて夜間の連続測定が行える。
Fig. 2に キ ャ ラ ク タ デ ィ ス プ レ イ の 表 示 例 を 示 す 。 こ の う ち 線 内 が 測 定 条 件 を ま と め
た ラ ベ jレ で あ る 。 ラ ベ ル の う ち , 照 射 条 件 (1 R R), 照 射 終 了 時 刻 (1T)お よ び 試 料 名
(SMP)は 測 定 者 が キ ー イ ン し , 測 定 開 始 時 刻 (ST)な ど は 自 動 的 に 表 示 さ れ る 。
測 定 中 は LT (live time) と T T (true time)の タ イ マ ー が 1 /100秒 単 位 で 8桁 で , さ ら
に 1秒 毎 の L Tと T Tよ り 現 在 の 不 感 時 間 率 が デ ィ ジ タ ル 表 示 さ れ る 。 な お , こ の シ ス テ
ムでは測定中にプリセットタイム,試料名等を変更することもできる。
ま た キ ャ ラ ク タ デ ィ ス プ レ イ に は 5点 の サ ー チ マ ー カ の 中 心 の エ ネ ル ギ ー 値 が 表 示 さ れ
る。エネ J
レギー値はあらかじめエネルギー校正しておくことによりチャネル番号より変換
さ れ る 。 こ の エ ネ ル ギ ー 値 か ら 付 近 の y線 を 放 出 す る 核 種 名 も 表 示 で き る 。 サ ー チ マ ー カ
を動かすごとに該当する核種を探して表示が変化する。測定されたスペクトルとラベルは
解 析 用 パ ソ コ ン へ2
4ピ ッ ト パ ラ レ J
レ転送で送られるか,フロッピイディスクに保存される。
この G A M A - Vシ ス テ ム で は , 今 ま で の G A M Aシ ス テ ム や 市 販 の マ ル チ チ ャ ネ ル ア
ナライザでは行えない,次のような機能を持っている。
①測定途中のスペクト J
レ解析が可能
測定中いつでもサーチマーカで指定した複数のピークについて
'
y線 ス ペ ク ト j
レ解析プ
ロ グ ラ ム (GAMA98)1) と 同 じ ア ル ゴ リ ズ ム で , 非 線 形 最 小 二 乗 法 に よ り 面 積 計 算 を 行 え る 。
②測定途中のデータの記録保存が可能
短寿命核種は長時間測定を行うと測定中に減衰しでなくなるので,あらかじめ指定した
時間(live sec単 位 ) に な る と , そ の 時 点 で の ス ペ ク ト jレ デ ー タ と ラ ベ ル が フ ロ ッ ピ ィ に
保存され,測定はそのまま続けて行える。測定中に何度でも途中データが保存できる。
文 献 1 ) 鈴 木 章 悟 , 平 井 昭 司 : Radioisotopes,
38,
315 (1989).
Y-RAY SPECTROMETRY SYSTEM (GAMA-V) FOR NEUTRON ACTIVATION
DEVELOPMENT OF '
ANALYSIS
Shogo SUZUKI, Natsuko KATSURAGI and Shoji HIRAI
Atomic Energy Research Laboratory, Musashi Institute of Technology
7
3
lC02
ハロゲン元素の中性子敢射イヒ分析に関する検データの倒産 e
滅糞補Eについて
(立教大原研・都立大理 )0
戸村健児・海老原尭・篠永妙子
1
. ;1:えがき
ハロゲン元素の中で CJ, Br
.1
1ま似通った半掻期の短寿命核種を生成するため,簡
単な放射化学操作と Ge半導休検出器を用いた 7線スペクトロメトリーにより問一試料か
ら8元棄を問時に分析することが出来る。この方法によゥてわれわれはケイ酸塩岩石標準
試料中の Cl
. Br, Iを定量することが出来ることを報舎した。 Brの定量でほ
・
7
・
B
r
(
n, r
) 8hU
r
>
H
B
r
e1
B
r
(
n, r
)
8・B
r反応の両方で・ d
B
rが生成するため蹴嚢補E
b
が複懇になる。ここでは先ず誠費補Eの方法を敢 上 I
j,これに基づいて・ h
Bre'G
U
rの
半損期を制定した結果を報告する。
2
. 誠表補足法
2
. 1.核反応と 7線香,.数
rの放射イヒ分析では,主幹蹴期 1
7
.6
分の I
G
B
rの 7線を測定する。
-短寿命核種を利用する U
d
D
r
l
ま(
n,r)反応によって出来た 4.
4
2時間の・ h B
rから図 1のように核異性休転移に
・
n,r)反応で HDrが生成することもある。IdB
rの
より生成することもある。また,檀接 (
7線としては 616.2 もしく 1
ま6
6
5
.
8k
酬を計数する。前者ほ 7線の強度ほ高いが, H
Brの
B
rの (
6
1
9
.1
斤7
6
.
5
)の計数比を実測しておき,賦料中の
6
1
9
.
1 keV と重なるため,予め・ '
・2
D
rの脅1
・数値にこれを乗じ, ・
'
D
rの補Eを行づ f
。
こ
2
. 2
.1
・
D
rの中性子照射で生成する・・ U
rの放射棺に関する計算
Nd 1
・
U
rの原子数, N,
:
・hU
rの原子数
NI:8dD
rの原子数, A,
:・
d
MD
rの境変定数
rとt
o
B
rの境変図
図 1・ho B
人
A2:
・d
D
rの域安定数, σ
1
:
7・
D
r
(
n, r) ・h B
rの
放射化断面積, σ
2
:
7・
B
r
(
,
日 r
)8dU
rの放射イヒ断面積
I~2Br ¥
F:中性干線東密度, t 照射時間, τ:照射終了
E
C
s
.,
;
. '
'
'
' R-".
,
,
主主望日;:
,
tt
3
×
。'
.
8
7
0
3'
"
E
恕Se
vn
(1) 1
・
B
r
(
o, r) !hD
r
→8
d
B
r
lこより長成する・ d
B
rの量
"F
n
v
e
e
・
・
o
β
からの経過時間
AIN2=NdFσ1{l-eM-A2tf+A2〈 A「 A J
(
e
x
p
(-A,t
)e
x
p
(一 λ,
•t))J
e
x
:
p
(-A!τ)
(2) 1
・
D
r
(
o, r) I
O
B
rI
こより車接生成する・ d
B
rの量
A,N.
1 =N
σ,
[1-exp(ー λ,t))exp(-A! r)
dF
(3) 1
・
U
r
(
n, r) ・h B
r
lこより生成した・ h B
rから照射終了後に核異性休転移で生成し
T
こ!
.
B
rの量
A,N,=A2(λ ,
-A1)-'Nd F
σr
.I-exp(-A,t) J(exp(-A! r)
-e
x
p
(-AIr)J
従って,照射終了後 r時間経過した稜の・ .
B
rの全放射時!ま, (1)十 (
2
) ート(のとなり
p
(-AIr
) 十 Bde
x
p
(-~ !τ)の型となり,通常
照射時間 tを一定とすると,八時 x
とむらけんじ,えぴはらみつる,しのなかたえこ
- 74-
の2ド械閉が異なる 2核績か共存する時の解析設が調理用fH乗るこ ξか明らかになうた。'-,_
. B0 ,まそれぞれ定数である。
で,八 o
2
. 3
.I
hU
reIOUr の~,;減期の測定
古賀射イヒ分析でほ一般に減実補涯を行わなけれほならない。しかる!こ 10.. U
re・
・U
rの半減
W
Jの文献怖を寛ろとかなりの散らばりがある。そこで. KB rの 標 搬 を 照 射 し 減 衰 曲 線
rと
'
・U
rの半械期の開定を行ゥた。
の解析により IhU
(1) 10M U
rの半減期
1こ杷す。照射終了より 2時間以上経過する正直線 2
ごなり, ,
,
,
.
.B
r
械褒!llJ線の!例を閉 2
と
・"
U
rが完全な3f-衡関係 1
こちり,直線の勾配から h 。
開rの半減期を余め tことができるー
抗 低 エ ネ ル ギ -r練スペクトワメー夕刊い・ 800 U
rの3
7
.
1k
e
V.
r桝 刊 し , み
滅期の叩定を行った結果とも比較した。結果を裏 1,こ杷す。
表1
エネルギー
1800
U
rの半減期(時間)
2
0分照射
6
6
5
.8k
e
V 4
.4
0
7
2
6
1
6
.
2k
e
V 4
.3
7
6
2
3
7
.1k
e
V 4
.3
8
9
1 t4
0
9
3
閉2閉rの誠費曲線
6
0分照射
4
.3
1
5
24
.'
4
2
8
8
4
.3
5
2
74
.4
0
9
3
4
.4
9
1
9
^
v
.4
.
3
9
8士O
.0
5
0時間, 2
6
3
.
8
6分
2
14
.3
8
24
.4
0
54.開時間
文献傭4.4
(2) I"
U
rの半減期
-!'Jt)'"
t"
仰
向
IhU
rの半減期を 2
6
3・8
6分として,畏寿命成分の補Eをf
fった照射終了から 6
0
分会での
回開れい打開れ
HH
,\M~r:J;'
喝 l'門司I\r訂~ITIII1'1ι
脚一
制附
¥
I
v
.1
8
.
3
4 士0
.
2
8
η
n
u
u町 明 日 叫
6
6
5
.8k
e
V 1
8
.3
7
3 1
8
.
3
1
11
8
.
2
7
01
8
.3
111
8
.0
0
6
6
1
6
.
2k
e
V 1
8
.7
8
21
8
.1
H 1
8
.3
8
9 1
8
.
7
8
21
8
.
0
0
1
問料 Mrh 附
続出問榊
2
0分照射
命川制川
ち分照射・
H
A叶 間 開
丹
喰日付日柑
エネルギー
Mm
m
則
HH林
2 ・O
U
rの主幹減期(分〉
野山川川川
姫川口封け
音
質
図 !¥MJI--ih!:l
・
・
誠実 I
l
h綿の 1例を閉 3
1こ示す。閉から明らかなように喧線となり,勾配から'・ U
rの半減期
か求めら:h~。結果を表 21 こ杷す。
分
文献僧 1
7
.
6
8
21
7
.
5
7
71
7
.
5
5
71
6
.
8
11
8
.
5
5分
・
電
電-------..;
r
O
RN
l
i
l
I
T
R
開 ¥
I
C
TI
V
I
¥
T
1刑 制L
Y
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7
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K
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n
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I
G
^,FacultyofSClence,TokyoMetroPolltaoUnlャ
.
M
it
s
u
r
un
U
I
I,
一
7
5-
!
B
i
lC03
荷電粒子放射化分析法による鉄中の
酸素、炭素、ホウ索、窒素の定量
(N
T
T電 子 応 用 研 究 所 )0鹿 野 弘 二 、 重 松 俊 男
1.はじめに
鋼材や純鉄の高純度化にともない不純物軽元素の高感度、高確度、高精度分析が重要と
なってきている。鉄中の軽元素に使用されている分析法(例えば、不活性ガス融解法〉は、
表面汚染等の影響で定量下限は p
p
mオーダーである
1)
。一方、放射化後の化学エッチング l
こ
より表面汚染を容易に除ける荷電粒子放射化分析法は、バルク中の超微量軽元素を高確度、
高精度に分析できる。しかしながら、荷電粒子放射化分析法を鉄に応用した例はほとんど
な か っ た 2) 。 本 研 究 で は 、 鉄 中 の 酸 素 、 炭 素 、 ホ ウ 素 お よ び 窒 素 を 系 統 的 に 分 析 す る 方 法
を 検 討 し 、 同 一 試 料 中 の 4軽 元 素 の 定 量 を 可 能 に し た 。 こ れ ら の 結 果 を 報 告 す る 。
2. 実験
2. 1利 用 核 反 応
表 1に 軽 元 素 の 定 量 に 用 い た 核 反 応 と 生 成 核 種 の 核 的 性 質 を 示 す 。 表 に
示 し た よ う に 、 窒 素 の 定 量 で は 、 共 存 す る ホ ウ 素 が 定 量 の 妨 害 と な る た め 、 あ ら か じ め d照
射によりホウ素を定量し、妨害を補正した。
2. 2試 料
分析試料には、高純度鉄(東北大学金属材料研究所作製)ならびに N
B
S鉄 鋼 試 料
(
S
R
M 1264A、 1
1
3
6
)を 使 用 し た 。 比 較 標 準 試 料 に は 、 溶 融 石 英 (
S
i
02
)、グラファイト (
C
)、
B
)お よ び 窒 化 ケ イ 素 (
S
i3N.)を使用した。
ホウ素焼結体 (
2. 3 照 射 p
、d、 3
H
e照 射 は 電 流 値 0.2-1
.0μA、 照 射 時 間 0
.5-10minの条件で行った。
照射した鉄は、 H
F
H2
02
系 溶 液 に よ り 照 射 面 の 約 20μmを 化 学 エ ッ チ ン グ し た 。 な お 、 エ ッ
チング量は、表面粗さ計またはダイアルゲージにより測定した。
2. 4放 射 能 測 定
陽 電 子 消 滅 放 射 7線 (
5
1
1
k
e
V
)の 測 定 は 、 非 破 壊 分 析 の 場 合 G
e
(
L
i
)
N
a
l
(
T
l) 検 出 器 か ら な る 同 時 計 数 装 置 に よ り 、 ま た 、 破 壊 分 析 の 場 合 二 つ の B
G
O
(
B
i
.
G
e
.
0
1
2
)検
出器からなる同時計数装置により行った。また、 G
e
(
L
i
)検 出 器 4
0
9
6
c
h波 高 分 析 装 置 に よ る
7 線測定も行った。
2. 5濃 度 の 算 出
軽元素濃度は (
C
x
)は次式により算出した。なお、 F値 は 数 値 積 分 法 に よ
り求めた。
C
x =C
s
(
A
x
/
A
s
)(
Is
/
I
x
)(
S
s
/
S
x
)
F
A
:生成放射能、 1:電流値、 S:飽和係数、
x,s: 分 析 お よ び 比 較 標 準 試 料
3. 結 果 と 考 察
3. 1マ ト リ ッ ク ス か ら の 妨 害
鉄に p
、d、 3
H
eを照射し、生成核種を測定した。 p
照射で
.
C
O
(半 減 期 : 7
8
.7
d、 崩 壊 形 式 : E
C、 β+)が、また、 d照 射 で は 6
2
m
M
n
(
21
.1
m
i
n、 β ¥
は
、 6
I
T
)と 6
.
C
o(
l7
.
5
h、 β +,E
C
)が生成した。さらに、 3
H
e照射では、 "Coと .
7
N
i
(
3
6
h、E
C、 β
+)が生成した。これらは、表 lに示す 1
1C、 1
• N、 1
8
Fと 同 様 に 陽 電 子 崩 壊 し 、 軽 元 素 分 析 の
妨害となり得る。
3. 2非 破 壊 分 析 の 可 能 性
図 1に 、 軽 元 素 か ら 生 成 す る 核 種 お よ び 鉄 か ら 生 成 す る 上 記 核
しかのこうじ、しげまっとしお
nhu
岬
t
種 の 放 射 能 比 と 荷 電 粒 子 エ ネ ル ギ ー の 関 係 を 示 す 。 p、 d、 '
H
e照 射 い ず れ の 場 合 も 、 荷 電 粒
02から 1Q4_105 に 増 大 し 、 鉄 か ら の 放 射 能 妨 害
子エネルギーの低下にともない放射能比は 1
が低減することが分かる。 p照射では、 5.5MeV付 近 で 放 射 能 比 が 急 激 に 増 大 し 、 日 C
oの 妨 害
が 無 視 で き る こ と か ら 、 窒 素 の 非 破 壊 分 析 が 可 能 な こ と が 分 か る 。 d照射についても同様、
4MeV以 下 で 炭 素 、 ホ ウ 素 の 非 破 壊 分 析 が 可 能 で あ る 。 照 射 し た 鉄 試 料 の 減 衰 曲 線 か ら 計 算
ppmである。
した窒索、炭素、ホウ素の検出限界は、それぞれ、 0.5ppm、 0.7ppmお よ び 3
方
、 '
He照 射 で は 、 放 射 能 比 に 急 激 な 変 化 が な く 、 ま た 、 1
0
'以 下 で あ る こ と か ら p
p
mfJ.下の
酸素分析には化学分離が必要である。なお、 d照 射 で は 、 炭 素 と ホ ウ 素 が 互 い に 定 量 の 妨 害
となるため、共存する割合により化学分離を要する。
3
. 3鉄 中 の 軽 元 素 分 析
以上の結果から、窒索、炭素、ホウ素を非破壊分析後、酸素を
破 壊 分 析 し 、 純 鉄 中 の 4軽 元 素 の 定 量 を 行 っ た 。 結 果 を 表 2に示す。なお、酸素分析では、
8
Fの 水 蒸 気 蒸 留 と LaF,不足当量沈澱分離を行った。
放射化された深さまで試料を溶解後、 1
表に示したように、化学分離法を併用することにより酸素が精度良く定量されていること
が分かる。なお、 p照 射 で 予 想 さ れ る ホ ウ 素 濃 度 が 検 出 限 界 値 に 近 い た め 、 ホ ウ 素 を 化 学 分
離 法 で 定 量 後 、 正 確 な 窒 素 濃 度 を 算 出 す る こ と と し た 。 NBS試料の結果と併せて報告する。
本研究を行うにあたり分析試料を提供して頂いた東北大学金属材料研究所の我孫子氏に
お礼申し上げます。
・
1
0
文献 1
)稲 本 , ぶ ん せ き . 5(
19
9
0
)3
2
8
p照射
.e
t al
.
. Trans.ISIJ.
2)M.Isshiki
d照射
19
83)796. Trans.JIM. 27(1986)449
2
3(
表 1 経元素の核反応と生成核穫の核的性質
絞反応
日
{
直
崩壊
半語乱期
(
M
e
V
)
形式
(
m
;
.
)
nnvnHV
A'
vnnv
自民
6
.
4
7
1
2
C(
d
..
)"N 0
.
2
8
14N,
句 α)11C 2
.
9
2
'
.
0(
'
H
e
.p
)'
8
F 2目3
++ム守
E CHO
'
O
B(
d
..
)"C
m
迫撃不者世 M
元
主
主
2
0
.
3
8
9
.
9
6
2
0
.
3
8
1
0
9
.6
・
1
0
1
0
'
,
ド'
B(
P
..
) '
C(
0
=
2
.7
7
M
e
V
)の妨害
表 2 鉄中の軽元素の分析結果
定量値 (
p
p
耐り
1
0
'
試料
N
"
F
e
J
F
e
2
<3
<3
l3UEm│
5
3位
、 3
.
8
%
)
1
6
3
3
1
0
1
5
荷1tt;;子エヰ J
.ギー (N.V)
I1
.
21(
3、3
.
3
X
)
I4
.
5
3(
3‘5
.
5
%
)
図 1 生成放射能比と荷電粒子エネルギー
1
) ()内の値は、分析回数と相対標準偏差
2
)ホウ素濃度が不明なため未確定な値
Determination o
fo
x
y
g
e
n
. c
a
r
b
o
n
. boron and nitrogen i
n iron b
y charged particle
activation analysis
NTT Applied Electronics Laboratories
Koji SHIKANO. Toshio SHIGEMATSU
-77-
1C04
陽子放射化分析法による石英ガラス膜中のチタンの定量
(NTT電子応用研究所・ NTTアドバンスドテクノロジー勺
鹿野弘二、豊田 ;$*、大録正ヘ鈴木裕史、米沢洋樹、 O重松俊男
1
. はじめに
近隼各種薄膜研究が盛んになるにつれて薄膜組成や添加元素の高確度
分析法の開発が重要になっている。放射化分析は、最も高確度な分析が期待できる方法の
一つであり、ここでは、石英ガラスに添加された元素、チタンの非被壊放身判ヒ分析につい
て検討した。 50Ti
(
n
.y)5qi反応を利用する中性子放身す化分析では、 51Ti
の半減期が
5
.
7
6分と短く、さらに、分析試料が石英の場合、ケイ素から生成する放射性核種の妨害を
受けて高確度分析が困難になる。定量下限も 0
.1%程度に過ぎない。そこで、これまで笹I
撃
粒子の飛程に比べて十分に厚 ~\Thick T
a
r
g
e
t
f
こ適用され、 T
h
i
nt
a
r
g
e
t の薄膜にほとんど
適用されていない荷電粒子放射化分析による検討を進め、陽子放射化分析法を用いて石英
ガラス膜のチタンの非破壊分析を可能にしたので報告する。
2
. 原理 エネルギー、 E
oの荷電粒子で、厚さ T
の薄膜を衝撃した場合に生成する敢射能 A
は
、
(1)式で表される。
)
(
A= p (1/ z/e
) SP
ただし、 pは標的核の濃度、│、 z
、は衝撃粒子の電流および荷電数、 e は電子の電荷、 S
は飽和係数である。また、
T
P = f σ(x) d
x
。
=吉 T
ー
(
2
)
であり、 oは放射化断面積、吉は、 E
。から膜を通過した後のエネルギー E1 までの平均断
面積である。百は、マトリックスの構成元素に依存しないとすれば、分析試料の濃度 Px
は、生成放射能 A
x と分析試料と同一のエネルギー減衰をする厚さを持つ比較標準試料の
放射能 A
s を比較することにより (
3
)式で定量できる。
Px = Ps (
A
x
/
A
s
) (
I
s
/
I
x
) (
S
S
/
S
X
) (
T
s
/
Tx
)
ー
(
3
)
3
. 実験 陽子の照射は NTT小型サイクロトロンを使用して行っ T
こ。放射能は、 Ge
(L i)検出器 -4096チャネル波高分析器で測定した。
分析試料として、シリコン基板上に作成した厚さ 2
2
.4μmのT
i添加石英ガラス膜を、ま
た、比較標準試料として、厚さが5μm
及ひiJOμmのチタン箔を用いた。
しかのこうじ、とよたひろし、おおろくただいすずきゅうし、よねざわひろき、
し("1まっとしお
t
司
n
δ
3
. 結果及び考察
① 核 反 応 の 選 択 チタンにエネルギーの異なる陽子を衝撃し、生成放射性核種の Y線エ
y及び半減期 T1/2 から核種を同定するとともに、それぞれのT
hi
c
kt
a
r
g
e
t
ネルギ- E
8
Ti
(
p,n
)4
8
V[
y
i
e
l
dを求めた。その結果、チタンの定量に最も適した核反応として、 4
T1/2=
1
5
.
7
9
d、 Ey=0
.
9
8
4、1.3
1
2
M
e
V
J 反応を選択した。
② 放 射 化 断 面 積 比較標準試料用のチタン箔を重ね合わせ、陽子 1μA、 1
分間照射した
後九各々の箔の放射能を測定し、放射化断面積と陽子のエネルギーの関係を求め 1;:'0 チタ
枚目は、反跳のため見かけ上生成
ン箔の膜厚は重量測定によりを求めた。また、表面の第 l
に
放射能が小さくなるため、別に行った実験より平均反到慌程を求め補正した。結果を図 l
示すが、放射化断面積は、エネルギーの減少に伴い緩やかに、ほほ直線的に増加する。し
たがって、このエネルギー領域では、平均断面積がマトリクスによらず一定であるという
3
)式による定量か可能である。また、実際の分析試料(例えば厚さ 2
2
.
4
近似が成立し、 (
μmの石英ガラス)の陽子のエネルギー減嚢は約 O
.1
3MeVで、あり、放身す化断面積の変動は
3.9% 程度でかつ緩やかであることから、分析試料と標準試料を通過した陽子のエネルギ
ーの相違に起因する誤差も小さいと考えられる。石英ガラス薄膜中の口の定量結果につい
ても報告する。
4
5
0
4
0
0
E)
﹄
。350
3
0
0
2
5
0
1
4
.5
1
5
.0
1
5
.5
pe
n
e
r
g
y (MeV)
図1 放射化断面積
D
E
T
E
R
M
I
N
A
T
I
O
NO
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A
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I
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K
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*, Y
u
s
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W
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,
K
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j
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T
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d
v
a
n
c
e
dT
e
c
h
n
o
l
o
g
y
*
-7
9
lC05
標準添加内標準法による鉄鋼中の微量元素の光量子放射化分析
(東北大・金研、核理研つ
0長谷川大輔、原 光雄、桝本和義¥八木益男
1.はじめに
演者らにより報告されてきた標準添加内標準法は、試料に定量目的元素を一定量添加したもの
を比較試料とする為、照射や測定時におけるマトリックス効果が相殺でき、さらに試料内に存在
する元素を内標準にして照射線量をモニターするため、照射線量が正確に求められ、かっ、それ
は自動補正されるという特徴を持つ。そのため複雑な組成を持つ試料に含まれる微量元素の定量
を行う場合有効な定量手段として活用できるが、日常分析法としてよりは、むしろ標準試料の調
製といった精度、正確さに重点をおいた定量法として利用される場合、特にその真価が発揮され
る。既に多くの試料に対する光量子、あるいは荷電粒子放射化分析に本法を適用し、その有効性
0および、 3
0
M
e
V制
を確かめてきたが、本研究では鉄鋼試料を選び、本法による光量子放射化分析を 2
動放射を用いて行い、それぞれの特色を比較することを試みた。
2. 実験
試料は日本鉄鋼協会の微量元素シリーズ B(JSS168-6~175-6) およびステンレス鋼シリーズ(J SS
6
5
0
1
1~655-11) を用いた。前者における定量目的元素は Ti. C
r
.
M
n
.C
o
.
N
i
.
A
s
.Z
r
.
N
b
.
M
o
.S
nおよび
S
bの 1
1元素であり、後者におけるそれらは M
n
.Ni
.C
o
.N
bおよび:
M
oの5
元素である。標準添加試料は
0
0
m
gの試料を秤取し、 1
:1
の硝酸または王水 5
m
lに溶解し、上記
以下のように調製した。まず、約 5
定量目的元素の標準溶液の一定量を添加した。一旦この溶液を蒸発させた後、 4
M
硝酸とテトラエ
チルシリケート各 5
m
l加えてゲ、ル化させ、できたゲルを電子レンジおよび電気炉で乾燥させ粉末状
とした。ついで、その一部を取って直径 1
0
m
mのベレット状に成型したものを純アルミニウム箔で
包んで照射試料とした。一方、試料自身については、定量目的元素の標準添加を行うことなく同
様に処理し、照射試料とした。
照射は、東北大学電子ライナックの加速エネルギ -20MeV および、 30MeV 、平均電流 70~120μA の
電子線を厚さ 2
m
mの白金板で制動放射に転換して行った。各試料は石英管に封入し、水冷下で 2
0
時間、 3
0
M
e
V照射では 2
時間照射した。照射後、各試料はアルミニウム箔で再包装し、
M
e
V照射で、は 4
N比で行うた
マイクロロボットを使用した自動測定装置を用いて 7線測定を行った。測定は最適 S
ヶ月にわたって繰り返し行った。
め照射の翌日から約 1
3
. 結果と考察
微量元素鋼シリーズでは内標準元素として C
eを添加することを試み、 3
0
M
e
V照射の場合はマトリ
eも内標準元素として選んだ。前者の場合 1
4日C
e
(7
.n
)1
3
9
C
e反応による O
.1
6
6
M
e
V7
ックスである F
2M
線を、後者の場合、 5
4
F
e
(7
.p
n
)5
n反応による 0
.
7
4
4
M
e
V
7線を測定した。ステンレス鋼シリーズ
1C
では試料中に含まれている C
rを内標準元素に選び、 5
2
C
r
(7
.n
)5
r反応による 0
.
3
2
0
M
eVr線を測
定した。
定量目的元素から生成する放射性核種のうち、本定量 l
こ用いたものは① 2
0
M
e
Vおよび、 3
0
M
e
Vの制
)反応によって容易に放射化されるもの②半減期が比較的長い(>l
d
a
y
)もの③
動指射照射で(7.n
測定しやすいエネルギーの 7線を放出するもの、とした。(表 1に核データ)
はせがわだいすけ・はらみつお・ますもとかずよし・ゃぎますお
- 80-
得られた定量結果の一部は公定値と共に表 2に示した。
20MeV照射では、放射性核種の生成量が
低下したため、測定時聞を長くする必要があったが、反面、パックグランドが下がり妨害核種も
も考慮すべきものは殆どなかったので 30MeV照射で、は定量しにくい元素の定量も容易となった。そ
のため、定量精度は一部を除いて相対偏差問以内という好結果が得られた。一方、
放射性核種の生成量は増加したが、
30MeV照射で、は、
Mn,
Co,および Nbの定量においては、測定 7線の重複による妨
害が認められた。これらの妨害は 58Ni
.60Niおよび、 54Fe,56Felこ起因したため、上記元素はそれぞ
れの寄与を差し引くことで定量した。しかし、妨害を受けなかった元素についてはかなりよい精
度で定量することができた。
表 2 分析結果とその公定値(単位 :
p
p
m
)
元素
表 I 定量に用いた核極と核反応
元素
(存在比百)
4
B
T
i(
7
3
.7
)
5
2
C
r
(
8
3
.
7
9
)
5
5
M
n
(
1
0
0
)
5
4
F
e
(
5
.
8
)
5
9
C
o
(
1
0
0
)
5
B
N
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6
8
.2
7
)
7
5
A
s
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1
0
0
)
.4
)
9
"
Z
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51
9
3
N
b
(
1
0
0
)
1
回目 M
o
(
9
.
6
)
1
1
2
S
n
(1
.0
)
1
2
3
S
b
(
4
2
.
7
)
t4"
C
e
(
8
8
.
5
)
ガンマ線
生成核極
核反応
(7,
p
) 4
7
S
C
(1,
n
) 5
1
C
r
n
) 5
4
M
n
(7,
(7,
n
) 5
2
M
n
n
) 5
B
C
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(7,
(
'
1
,n
) 5
7
N
i
n
) 7
4
A
s
(7,
(7,
n
) B
9
Z
r
n
)9
2
m
N
b
(7,
(7,
n
) 9
9
M
o
n
)1
1
11
n
(7,
n
)1
2
2
S
b
(7,
(7,
n
)1
3
9
C
e
半減期
(
M
e
V
)
3
.
3
4
1
d
27
.7
0
4
d
3
1
2
.
2
d
5
.
5
9
1
d
7
0
.
9
1
6
d
1
.5
0
3
d
1
7
.
7
8
d
3
.
2
6
8
d
1
0
.
1
5
d
2
.
7
4
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2
.
8
0
7
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2
.
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d
1
3
7
.
7
d
0
.
1
5
9
0
.
3
2
0
0
.
8
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4
0
.
7
4
4
0
.
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1
1
1
.3
7
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0
.
5
9
6
0
.
9
0
9
0
.
9
3
4
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.
1
4
0
0
.
1
7
1
0
.
5
6
4
0
.
1
6
6
2
0
M
e
V
3
0
M
e
V
公定値 l
元素
(
JS
S
I
6
9
6
)
T
i 1
17
:
!
: 4 1
1
5:
t 9
:
t2
7 9
13
:
t2
0
C
r 9
95
t1
2
1 4
0
6
9士 3
7
5
M
n 4
0
9
5:
3
2土 3
3
0:
C
o
t 1
:
t 9
76
N
i 5
08
:
t2
0 4
5
3土 5
A
s
4
6土 l
Z
r
N
D
N
D
N
b
N
D
N
D
6 7
06
:
t2
9
0
6土 2
M
o 7
S
n 1
05
:
t 4 1
0
8土 5
S
b
N
D
N
D
(
JS
S
I
7
1
6
)
t5
3
6
4:
4 4
T
i 5
1
4土 1
t3
9 6
52
:
t6
1
2
0:
C
r 7
M
n 4
3
1
0:
t4
1 4
1
5l
:
t4
9
2
:
t 1
C
o
22
:
t9
3 1
0
16
:
t1
0
8
N
i 1
0
63
9
2
4土 2
:
t 9 4
A
s 4
7l
Z
r
N
D
N
D
N
b
N
D
N
D
8
0士 1
0
M
o 4
35
:
t2
4 3
2
6
5土 7
S
n 3
8l
:
t3
3 2
S
b
N
D
N
D
(
J
S
S
I
7
3
6
)
T
i
2
4土 2
2
0:
t 1
C
r
N
D
N
D
t1
4
0 3
7
2
0:
t433
M
n 4
2
6
9:
C
o 3
:
t1
1
85
87
:
t 3 3
N
i
N
D
N
D
1
2
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9
6
0
4
1
0
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M
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C
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1
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o
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0
M
e
V
3
0
M
e
V
公定値
N
D
N
D
1
7
3土 5 1
6
5:
t 8
t 9 2
77
:
t 9
3
0
0:
N
D
N
D
N
D
N
D
5
1:
t 2 5
1土 1
(
JS
S
I
7
4
6
)
N
D
3l
:
t 1
N
D
4
:
t 4
1
4
2
4
0土 1
2
8 3
4
3
9:
t5
8
6
:
t 4 2
5
9土 1
4
2
79
N
D
N
D
N
D
N
D
2
8
3土 1
2
06
:
t 5 1
t2
0
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0:
1
9
7:
t 6 1
N
D
N
D
N
D
N
D
:
t 2 9
3土 3
94
(
JS
S
6
5
0
-1
1
)
5
4
9
6:
t1
0
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4
4
9:
t527
N
D
N
D
t135 2892土 1
1
5
2
9
6
2:
N
D
N
D
5
2士 8
4
2
8:
t1
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JS
S
6
5
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1
1
)
N
D
N
D
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1
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N
D
N
D
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!
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0
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t 7
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2
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0
5
4
0
0
9
6
0
N
D
:
n
o
td
e
t
e
c
t
PHOTON ACTIVATION ANALYSIS OF TRACE ELEMENTS IN STEELS USING THE INTERNAL STANDARD
METHOD COUPLED WITH THE STANDARD ADDITION METHOD
Institute for Materials Research, Tohoku Univ., Daisuke HASEGAWA,Mitsuo HARA,
Masuo YAGI,
Laboratory of Nuclear Science, Faculty of Science, Tohoku Univ., Kazuyoshi MASUMOTO
-8
1-
lC06
非鉄金属中の微量炭素の定量
(三菱金属、東北大・核理研輩、東北大・金研・・〉
O探 谷 忠 属 、 川 上 紀 、 佐 山 恭 正 、 吉 岡 明
桝本和義・、八木益男市市
1.はじめに
金属材料中に存在する不純物としての軽元素は、金属材料の性質に大きな影響を与えるた
め、これら元素の極微量分析法の開発が急務とされている。本研究では東北大学原子核理学研
究施設の電子直線加速器を利用し、低融点金属である錫およびアンチモン中の微量炭素の光量
子放射化分析を試み、また銅鋳造品中の微量炭素の偏析および高純度銅表面に存在する炭棄の
定量も併せ試みた。定量は 1
2C (
γ ,n) 1
1C (T1ノ 2=20. 38mi n) 反応を利用する光
量子放射化分析法と炭素の燃焼分離法を併用して行った。
2
. 実験
2-1 試料
炭素定量用標準物質は日本鉄鋼協会配布の鉄鋼標準試料 JSS-003-1 (炭素濃度 O
.
0011%) を用いた。分析試料としては、 3種類の錫と 2種類のアンチモン、 2種類の銅鋳造品
および高純度銅を用いた。切削などにより試料を採取したのち、炭素の表面汚染を除去するた
め、錫は硫酸+過酸化水素または希塩酸で、アンチモンは王水で,鋸試料は硝酸でエッチング
o
r
r以下で石英管に封入し
を行ったのち水洗し大気中で乾燥させ、真空ラインを用いて 10-4T
た。試料部位に当たる石英管の外周には光量子照射線量モニターとしてのニッケル靖をまきつ
け照射試料とした。
2-2 照射
上記試料は 1個ずつ水冷式照射ホルダーの白金コンパーターの後方に固定し、電子加速エネ
ルギー 30MeV、平均電流約 100-150μAの 2 m m厚白金による制動輔射で 20分間
ずつ照射した。この際、未転換電子による試料の損傷を防ぐため、コンバーター直後に 10m
m角のグ、ラ 77イトプロックを挿入し、できるだけ電子線を除去した。
2-3 炭素の分離および測定
照射後試料は、表面炭素測定用の鍋試料の一部をを除き、塩酸または硝酸でエッチングを
行った。助燃剤と炭素キャリア(表1)を照射試料に積み重ね、ただちに管状電気炉 (135
OOC) に入れて酸素気涜中 (500ml/min) で 5分間溶融燃焼させた。発生した二酸化
炭素は二連式の塩化バリウム含有水酸化ナトリウム溶液に捕集し、生成した炭酸バリウムの沈
澱を吸引ろ過して放射能測定用試料とした。 1
1Cから放出される 511keVのガンマ線は、
純ゲルマニウム検出器と多重波高分析器で測定し、そのピーク面積を求め、照射線量と壊変補
正を行い標準試料と相互比較した。
ふかや
ますもと
ただひろ、かわかみおさむ、きやま
やすまさ、よしおか
かずよし、やぎますお
-8
2-
あきら
表1
照射試料と助燃剤および炭素キャリア。ー
照射試料
│
炭素キャリア
錫
助燃剤
無
アンチモン
酸化鉛
炭酸バリウム
銅
錫
鉄(炭素含有率 4. 11%)
│ 鉄〈炭素含有率 4. 11%)
3. 結果と考察
3-1低融点金属中の炭素
結果の一部を表 2~こ示す。溶融し易い試料への大気からの二酸化炭素の汚染を防ぐため、
試料を真空封入し、またグラファイトを用い未転換電子を除去し照射した結果、微量炭素の測
低融点金属中の撰素量。
炭素量 (ppm) IJ&扇語料│炭素量 (ppm)
I
O. 50
0.04
0・ 04
Sb-1
I Sb-2 I
O. 38
0.39
Sn-3
3-2 銅鋳造品中の微量炭素の偏析
試料は、円柱状鋳造品の側面外側より内側へと①、②、③の 1慣に採取した。得られた結果
を表 3に示す。外側から採取した銅片には、炭素が多く含まれていることがわかった。
表 3 銅鋳造品中の炭素の分布。 (ppm)
①
│ 否一一
~
I
銅鋳造品-1I 1
.0
O
.5
銅鋳造品一 21 0.26 1<0.05
3-3 銅表面に存在する炭素
O. 5
1 <0.05
照射後そのまま分離測定した試料(エッチング無〉と、王水で表面をエッチングした後分
離制定した試料〈エッチング有)の結果は表 4に示す。エッチング無の値からヱッチング有の
値を差し引いた値老、表面に存在する炭素量と仮定すると、単位面積あたり O
. 11μg/c
m2の値が得られた。したがって本方法によれば、表面に存在する微量炭素の定量も可能となる
と考えられる。
人 重 量 O. 5g) に含まれる炭素量。
表 4 銅試料(板状、表面積 3. 6cm
炭素量 (ppm)
照射後のエッチング
O. 08
有
無
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lC07
NIES自動車排出粒子の光量子放射化分析
(東北大・核理研、東北大・金研*)
0桝本和義、八木益男事
[はじめに】
光量子放射化分析は中性子放射化分析で不得手とする Ni、z
x
、 Y、NbおよびPb等の元
素を含めて環境分析に不可欠の数多くの元素の同時定量が可能である。これまで演者等
は正確な定量を実現するために、幾つかの内標準法の開発を行うとともに、実際にそれ
らを環境標準試料の分析に適用してきた。これらの結果については第27回討論会以来報
告してきている。今回報告する国立公害研究所配付の自動車排出粒子試料はグラファイ
トをマトリックスとする他に例のない環境標準試料である。ここでは光量子放射化分析
を適用するにあたって試料そのものを標準に利用する標準添加内標準法と比較標準試料
を用いる比較法での定量を試み、それぞれの結果を比較検討することにした。
[実験】
標準添加試料は下記のように調製した。まず、試料 19にBa、Sr、Zn、官、 Pbについ
ては標準溶液を直接一定量添加し、その他の定量目的元素は標準溶液をあらかじめ混合
したものを一定量添加した。試料に濃硝酸を加え、テフロン加圧分解容器中で、 1
5
0C、
0
5時間放置した。次に、酸を蒸発後、希硝酸とテトラエチルシリケートをそれぞれ2
m
l
加えてゲル化させた。ゲルは電子レンジと電気炉中で乾燥し、粉末状にした。その一部
をとり直径 1
伽nmのペレット状に成型したものを照射に用いた。未処理の試料も同様に
成型した。
比較法の場合の比較標準試料には N
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y出 hを利用し、同様に成型し
たものを、分析試料とともに照射した。 Co
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l
ya
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hの元素濃度は公定値およびあらかじ
め標準添加内標準法で求めた値を使用することにした。
照射は東北大学電子ライナツクにおいて、加速エネルギー 30MeV
、平均電流 120μAの
電子線を厚さ 2mmの白金板で制動轄射に変換して行った。試料は石英管に封入し白金板
後方5~l Ocm の位置で 3 時間照射した。照射後、試料はアルミニウム箔で再包装し、
γ
線測定に供した。定量に利用する核種からの γ線を最適SN
比で測定するため、 3時間
後
、 3日後、 1週間後、 1月後の 4回測定を繰り返した。
[結果と考察】
内標準元素には Na
、 Mg
、eaおよび下e
を利用した。これらの元素からは (
y
,
n
)や(
y
,
p
)反
お
よ
び
、
お
応によって 22Na
?
A
4
3
4
7
γ
線を放出すると
Mnが生成し、測定に適した
、 Na
、 K、 ea
ともに、その半減期が数時聞から年のオーダーにわたるため、どの測定期間においても
いずれかの核種を内標準に利用できた。
本法での標準添加の際の試料処理は他の分光法の場合と違い試料の完全溶解を必要と
せず、なるべく均一な混合ができれば良いことから、硝酸処理のみにとどめた。
ますもとかずよし、ゃぎますお
- 84-
標準添加では未処理の試料と添加試料それぞれで定量に利用する核種と内標準核種の
γ線強度比 (R、R*) を測定することになる。そこで幾つかの試料を同時に照射しその
比を比較すると試料の均一性等の情報が得られる。 R*の標準偏差から、添加が均一に
できたことが確かめられた。 Niや z
nでは Mgよりも Caに対してバラツキが大きく、 Pbや
Sbではその逆の傾向を示した。これらは元素の共存状態に違いがあることを反映して
いるものと思われる。とくに z
nと内標準の γ線強度比Rの偏差は大きく、試料採取量が
200mg
程度でも不均一であることが示唆された。
定量吉呆を表に示した。
T
iとNbは標準添加の場合
に小さい値を示した。 Nb
では計数誤差が大きく、
ピークの重なりの補正で
の誤差が加わった可能性
がある。百では標準添加
法について f
食討が必要と
思われる。ところで、 Zn
では逆に比較法で低い値
が得られた。これは Znか
ら生成する 65Znでの結果
であるが、同時に生成す
る67CUでの定量値も同様
の結果であったことから、
前述のように試料の不均
一の可能性もある。それ
以外の元素では 10%以内
で一致した。
また、保証値に対して
は両定量法ともおが高め
となった。他の元素につ
いては保証値との一致も
良かった。
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lC08
G S J岩石標準試料の放射化分析ー特にウランとハロゲンについて一
(金沢大・理、金沢女短大川
O小三田栄、大浦泰嗣、宮本ユタカ、
坂本浩、青田尚美申
{序】
当研究室では、日本地質調査所発行の岩石標準試料の国際協同分析に参加し、放
射化分析法により、主要・微量元素 (1N A A法 ) 、 ウ ラ ン ( 核 分 裂 飛 跡 (F T )法及び
核 分 裂 ヨ ウ 素 (F 1 )法)、希土類元素 (RNA A及び
1NAA法)、ハロゲン元素 (R
NAA及び R P A A法)の分析を行い、その結果を当討論会や日本化学会年会等で報告し
てきた。ウランとハロゲンについて暫定的ではあるが全岩石標準試料について分析値を得
たので、本講横では、これまでに報告した舗と共に新たに得た分析値を、他研究者の値と
比較しつつ報告する。
【実験}
く ウ ラ ン > 試料を検出材である雲母板あるいは石英板に密着させ、京大原子炉圧気輸送
管 (Pn-2) にて、濃度に応じて 2 - 6 0分間中性子照射した。照射後、検出材を 4 7
%HF水搭液で、エッチング後、顕微鏡下で飛跡を計数した。プランク補正後、飛跡密度を
同時照射した J B - 1
(U=1. 7ppm) または J Aー 1 (U=O. 3 9:
t0. 0 1
p p m,J B - 1をもとにした当研究室での定量値)のそれと比較することによりウラン
濃度を求めた。また、以下で述べるハロゲンの分離により、按分裂性ヨウ素 (1-131.
1 3 2 g, 1 3 3 g, 1 3 4 g, 135) を定量し、 FT法の結果と比較した。
く/、ロゲシ>
。中性子放射化(京大原子炉 P n - 2 ) O
試料約 1 0 0 m gを石英管に減圧熔封し、ハ
ロゲン濃度既知の合成試料(濃度既知の搭液をアルミ箔に滴下乾燥後マイラ製小袋に密封)
と共に、 15分間行った。
。光量子放射化(東北大核理研 L 1 N A C ) O 試料 100"-600mgをアルミ箔で包
みプレス整形し、ハロゲン濃度既知の合成試料(濃度既知の溶液を石英粉末に滴下後よく
混合しアルミ箔で包みプレス整形した)と共に石英管に熔封し、最大エネルギー 68~
2 4 5 M e Vの制動轄射で 4 0 - 9 2分間(不連続)行った。
。化学分離 0
照射試料は、ハロゲン担体と共に N a O H,N a202で‘アルカリ酸化融解
した。この際 R N A Aでは試料を石英管ごと、 R P A Aではアルミ箔ごと融解した。つぎ
に、融解ケーキを蒸留水に溶かし、 T i (
T
I
I
) で還元後、硫酸を加えながら可溶分を通気
蒸留により N a O H水溶液中に抽出した。これを硝酸酸性にした後、ヨウ素を N a N 02に
より、臭素を K M n04により四塩化炭素へ抽出してハロゲンを各間分離した。ヨウ素と臭
素は逆抽出、塩素は EDTAで妨害元素をマスクした後、一定量の硝酸銀を加えハロゲン
化銀として γ線測定試料とした。化学収率は、重量法または滴定法(過剰銀を定量)によ
り求めた。
・定量.
r線測定は 4 K - P H Aを接続した G e (Li)または H P G e検出器で行い、
光電ピークのエネルギーと半減期から接種を同定し、照射終了時の c p s / g値を求めた。
こさんださかえ、おおうらやすじ、みやもとゆたか、さかもとこう、あおたなおみ
.
8
6-
モニター(同時照射の Cr, A u,Al) により試料聞の f 1ux変動を補正した後、濃
度 既 知 試 料 か ら 作 成 し た 検 量 線 ( p p m - c p s / g ) により定量した。
{結果と考察]
〈 ウ ラ ン > 全岩石標準試料について分析が完了した。表 1に同時照射した試料について、
核分裂性ヨウ素の定量値の比と、 FT法によって求めたウランの分析値の比の一部を安藤
らの値のそれと共に示した。全般的に我々の値と安藤らの値は一致している。以前報告し
たように、ウラン濃度の高い試料 (JR-l) やウラン分布の不均一でクラスターを生ず
る試料 ( JGシリーズ)では、我々の値は小さくなっている。 F Ii.去では、 FT法のこの
欠点、が克服できると思われたが、得られた値は FT法に近く現時点では良い結果が得られ
ていない。
表1
F T法
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6
.
2
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(
12
.
5
)
く ハ ロ ゲ ン > 堆積岩シリーズを除き分析が完了した。塩素は、 JB-la、 JR-1を
除いて安藤らの値とほぼ一致しているが、臭素、ヨウ素で一致がよくない。特にヨウ素に
ついては、我々の値のほとんどが安藤らの値よりも大きい値となった。しかし、 R N A A
と R P A Aによる植はほぼ一致している。合成試料中のヨウ素が照射中に揮発しているの
ではないかという指摘もあるが、中性子照射と制動放射綿照射においてヨウ素の揮発する
量がほぼ等しくなるとは考えにくい。現在合成試料の定量値の確かさについて検討中であ
る。また、堆積岩シリーズのハロゲンの定量を進めており、この分析値も報告する予定で
ある。
1
) A.Ando,e
t a1
.
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3,
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1C09
放射化学的中性子放射化分析法による岩石、地下水中のランタノイド
及びウランの定量
(原研東海)
1
0米 沢 仲 四 郎 、
星 三千男
はじめに
岩石中等のランタノイドの分布が地球化学的に注目されている。一方、原子力分野にお
いても、放射性廃棄物の地層処分に関して、アクチノイドの地層中での移行挙動を天然、の
類似現象を利用して調べる、ナチュラルアナログ研究の上から注目されている。これは、
岩石及び地下水中のランタノイドとウランの分析から、地層中のランタノイド等の移行挙
動を求め、化学的性質が類似のアクチノイドの移行挙動を類推するものである。このため
の分析法としては、中性子放射化分析法が適しており、できるだけ多くの元素を精度良く、
且つ正確に定量するため、放射化学的中性子放射化分析法の検討を行なった。地下水試料
の分析は水酸化アルミニウム共沈法により分離濃縮後、分析を行った。
2 分析方法
分 析 方 法 の 概 要 を Fi
g
. 1 に示す。試料の中性子照射は、 J
RR-2.-4 (中性子束約 5X
3c
m
-2
s
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cり で
1
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o
.33~6
h行なった。ガンマ線スベクトル測定には、
r-X 高純度
G
e検 出 器 付 ガ ン マ 線 ス ベ ク ト ロ メ ー タ を 使 用 し た 。 放 射 化 学 分 離 後 の ラ ン タ ノ イ ド の 回
収率測定には、 I
C
P発 光 分 光 分 析 装 置 ( 島 津 I
Cト 2
0
0
0
) を使用した。
3 結果及び考察
地下水分析用水酸化アルミニウム共沈分離法
地下水試料の直接分析は中性子照射上、
及び分析感度上困難であり、中性子照射前のウラン及びランタノイドの分離濃縮法の検討
を行なった。照射前の分離濃縮法としては、誘導放射能及び操作上優れている水酸化アル
H 8~ 9 で沈殿生成を行ない、
ミニウム共沈法を用いた。高純度アンモニア水を使用し、 p
加熱、熟成後ミリポアフィルター (
H
A型 O
.45μm) で ろ 過 し た 。 沈 殿 の 照 射 容 器 へ の 定 量
的な移し換えが困難であるため、本条件下ではランタノイド及びウランと共沈挙動が類似
の 4
6
S
C をトレーサーとして使用し、そのガンマ線計数値から、共沈分離操作におけるラ
c と各ランタノイド及びウ
ンタノイド及びウランの回収率を求め、補正を行なった。“ S
ランの回収率をトレーサ実験等により測定した結果、 5%以内で一致した。
イオン交換法による放射化学分離
岩石及び地下水中のランタノイドとウランを精度よ
2
4
N
a
.4
6
S
C
.5
9
F
e
. 日C
o 等から
1
4
0
L
a等 の ラ ン タ ノ イ ド の 放 射 性 核 種 と 2
3
9
N
p を分離する必要がある。特に、 4• S
c とラ
く、且つ正確に定量するためには、多量に存在する
ンタノイドの分離は一般的に困難であり、これをきれいに分離するため、陽イオン交換分
離法の検討を行なった。原子炉で照射後分解した、岩石及び地下水の水酸化アルミニウム
AG 50W-X8 200~ 4
0
0 メッシュ、 8m
mX 1
0
0
共沈分離試料溶液を陽イオン交換樹脂カラム (
m
m
) に 通 す と 、 初 め 2M H
C
l5
0m
l に よ り 日F
e および・ 0
C
o等 が 溶 離 さ れ 、 つ づ い て
1
M H2
S
O
.5
0m
lにより“S
c及 び 2
3
9
N
p
(
I
V
) が溶離され、最後 l
こ 5
MH
C
l5
0m
l により
1
4
0
L
a等 の ラ ン タ ノ イ ド が 定 量 的 に 溶 離 さ れ た 。 ラ ン タ ノ イ ド フ ラ ク シ ョ ン 中 に は 、 少 量
よねざわちゅうしろう、ほしみちお
-88-
の
1.1.
Ba の 混 入 が み ら れ た の み で 、 そ の 他 の 核 種 の 混 入 は 認 め ら れ な か っ た 。
140
ネプツニウムの分離
イ オ ン 交 換 法 に よ り 、 ウ ラ ン 定 量 用 の 2.9Np は 46SC と共に 1
M
H2
S04 フ ラ ク シ ョ ン 中 に 分 離 さ れ た 。 岩 石 等 の 放 射 化 分 析 で は "Sc の 放 射 能 レ ベ ル が 高
く 、 定 量 下 限 を 下 げ る た め 、 更 に TTA 液 液 抽 出 法 1) により
回収率測定
2
.
9Np を 46SC から分離した。
放射化学的中性子放射化分析法では、元素の回収率の変動が大きな誤差の
要因となるが、これを小さくするため回収率測定を行ない、その補正を行った。ランタノ
イドの場合、照射後ランタノイドの担体 (
L
a
. C
e
. N
d
. E
u
. T
b
. H
o
. Y
b
. Lu 合 計 5
.1
8
r
n
g
) を溶液で加え、放射化学分離をし、ガンマ線測定を行なった後 I
C
P 発光分光分析法
によりこれらの元素の定量を行ない、回収率を求めた。本法によるランタノイドの回収率
は約 80 % で あ っ た 。 ウ ラ ン 定 量 用 の 2.9Np の回収率測定は、 2
3
7Np (半減期 2.14X10.
こより行なった。
年 ) を 使 用 し 、 そ の ガ ン マ 線 (86.5 keV) 測 定 i
ウランの核分裂生成物ランタノイド核種の補正
ナチュラルアナログ研究はウラン鉱脈
を使用して行なわれることが多く、試料中には高濃度のウランが含まれることが多 ~\o
ラ
ンタノイドの中性子放射化分析では、測定核種がウランの核分裂生成物と同一核種のらの
が有り、高濃度ウラン試料
の分析では、ウランの核分
Fig
.1 分 析 操 作
裂による生成分を補正する
1
. pH=l)
必要がある。このため、試
料と同時に照射したウラン
.
.Sc 添 加
標準溶液について、試料と
A
l(OH). 共 沈 分 離
同じ分析操作を行って求め
回収率測定
た、単位ウラン量当りの核
分裂生成物ランタノイド核
中性子照射
種の放射能量と、試料中の
冷却
ウラン量から試料中の核分
5inイド担体、 2.7Np 添 加
裂生成物ランタノイドの補
融 解 (Na2
02-NaOH)
正をおこなった。
遠心分離
分析例
(4 日)
HCl 溶解、 FeC12添 加
地質調査所製岩
陽 付 y交 換 分 離 (AG 50W-X8)
石 標 準 試 料 JB-1 と JG-1
の分析を行ない本法の正確
さを確認した。また、地下
2M HCl
1M H2S04
)
4.SC
-
離刊す
2.7.2.9Np
法
(
1988).
J-
:分析化学, 3
7, 7
.
ふ
K
1)米沢,星,立川,
出回-
TiTi-
上沖
AA-
文献
分一
出一
水試料の分析も行なった。
5M HCl
5inト
イ
7 線スヘ.7
ト
ロ
メ
ト
リ
ー
回収率測定
(1CP-AES)
ト
ロ
メ
ト
リ
ー
7 線スヘ .7
DETERMINATION OF LANTHANIDE A
N
DURANIUM IN ROCKS A
N
DGROUNDWATER BY RADIOCHEMICAL NEUTRON ACTIVATION ANALYSIS
Chushiro YONEZAWA and Michio HOSHI. Japan A
t
o
r
n
i
c Energy Research Institute
-89-
伊豆諸島岩石中の貴金属元素
lCl0
0渡 辺 智 斎 藤 裕 子 木 村 幹
1. は じ め に
当研究室では、岩石中の貴金属元素の定量を行っている。地質調査所発行の標
準岩石試料については、以前に報告した。今回は、伊豆諸島岩石試料について報
告する。伊豆諸島は、フィリピン海プレートの下に太平洋プレートが潜り込んで
いる部分である。そして、
1983年 の 三 宅 島 の 噴 火 、
1986の 大 島 の 噴 火 と 火 山 活 動
が活発な場所でもある。そこで、今回の報告では、このような伊豆諸島における
貴金属元素の含量を放射化後に分離を行う放射化分析により求め、貴金属元素が
どのような挙動を示すかを推察する。
2. 試 料
岩石試料は、地質調査所から入手したものである。
大島一玄武岩、安山岩
大野原島一安山岩
新島一流紋岩
御蔵島一玄武岩、安山岩
神津島一流紋岩、玄武岩
イナンパ島一安山岩
三宅島一玄武岩、安山岩
八丈島一玄武岩、安山岩
3. 分 析 方 法
0時 間 中 性 子 照 射 を 行 い 、
岩 石 試 料 約 0.4gを 石 英 管 に 封 入 し 、 京 大 炉 に お い て 7
4日間冷却後、
レニウム、ルテニウム、オスミウム、銀、金、
告した方法により分離し、
イリジウムを前回報
Ge(Li) 半 導 体 検 出 器 で 測 定 を 行 っ た 。 ま た 、 パ
ラ ジ ウ ム は 、 日 本 原 子 力 研 究 所 J R R - 4で 2
0分 間 中 性 子 照 射 を 行 い 、
図 1の よ う に 分 離 し 、
1日 冷 却 後
G M計 数 装 置 で 測 定 を 行 っ た 。
4. 結 果
表に今固定量した値の一部を示した。金は、玄武岩質である大島のほうが流紋
岩質である神津島や新島よりも高い値である。
レニウムも同様な傾向である。
かし、銀は、異なった傾向を示すようである。
また、今固定量した値をもとにしてそれぞれの元素の挙動について述べる。
わたなべ
さとし、さいとう
ゅうご、きむら
-90-
かん
し
s am p 1 e
carr;er(Pd)
Na O.c-NaOH fus; on, H 0
HC 1
f i 1t ra t i0 n
S i0
d im e thy 19 1y 0 x im e
p re c ip ita t i0 n
HN0.
'
2 M HC 1
o n exchange
H N0 ,
HC 1
d im e七 hy 19 1y 0 x im e
p re c ip ita t i0 n
F i g. 1
ー 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 十 四
大
島
一 一 一 一 一 ー 一 一 一
Au(ppb)
sample
一
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守一円・ー』
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一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ー ー 一 一 『 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ー ー ー
神
津
島
G
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0
7
lCl1
石灰岩の放射化分析
日下譲、辻治雄、
(甲南大理、阪府公衛研率、阪府大付属研口 )0
玉利硲三、藤原儀直、宮本和法、大森佐与子率、溝畑
朗口
はじめに
我々が現在入手できる地質時代の石灰岩は、サンゴや石灰藻などの生物起
源の炭酸塩や海水中で化学的に沈殿した石灰泥などの無機物起源の炭酸塩を出発物質とし
長期間の続成作用を経てできたものである。とれらの石灰岩の化学は複雑な様相を持って
いるが、続成作用を含めた堆積環境について有意義な情報を与えてくれる可能性がある。
特に C
a
C
0
3鉱物中のアルカリ土類金属元素を中心とした微量金属元素の化学を古環境解析
の一手段にする研究例は多い。我々は、先カンブリア代より新生代第四紀にわたる各地質
時代の石灰岩試料について、 Ca,
Mg,
S
r
;C
03
の化学分析、 X線回折法による結晶構造の同定
ならびに希薄酢酸溶液を用いる分別溶解法による存在状態の分析などの諸結果にもとづい
て、特にカルサイト中の M
g
および S
rの存在比と地質年代との関係などを研究してきた。そ
こで今回は、同試料について機器的中性子放射化分析法を適用し、分析された多種元素聞
の濃度相関性に着目し、それらの結果にもとづいて、諸種微量元素の存在状態について考
察した結果を報告する。
室_j車
分析試料には、前記した石灰岩試料 3
8種を 1
0
0メッシュ以下に粉砕したもの
を用いた。とれらの試料はカルサイトを主成分としているが、一部のものはドロマイトや
ケイ酸塩を含んでいる。放射化分析法は、短時間法および長時間法を採用し、測定はすべ
てG
e(
L
i
)検出器を用いる Y線スペクトロメトリーによった。短時間法では、武蔵工大炉を
用い、 1
5ないし 2
5
m
g
量の試料を気送管で 2分照射、 3分冷却後 3
0
0秒測定して、 Al
.Vおよ
ひ(Mnを定量した。長時間法では、武蔵工大炉の中央実験管(または京大炉の気送管)を用
い、 100 ないし 200mg 量の試料を 5 時間(または 1 時間)照射、
1~2 週間冷却後3000秒
測定、さらに 2週間程度冷却して数千秒測定して、 Na
,
K,S
c,
V,
C
r,
F
e,
C
o,
Z
n,
A
s,
B
r,
R
b,
M
o,
S
b,
C
s,
Ba,
La
,
C
e,
Nd,
S
m,
Eu,
Y
b,
Lu,
Hf,
Ta
,
Thおよび Uを定量した。そしてこれらの結果と C
a
,
M
g
,
S
rの化学分析値をあわせて、元素間の濃度相関係数を算出した。
益 1墨 得られた分析値は、純カルサイト試料 1
7種および不純カルサイト試料 2
1種に
分類し、各グループ毎に算術平均値と標準偏差を算出した。そして元素毎に濃度比を求め
た (
T
a
b
l
e1)。また、全試料 3
8種について得られた濃度相関係数について、その比較的
高値の成分対を T
a
b
l
e2に示す。
まとめ
A
l,
K,
S
c,
V,
F
e,
C
o,
R
b,
B
a,ランタニド元素群およひ'Thは、いずれも不純カルサ
イト試料群で比較的高濃度であり、それらの元素対のほとんどが相関係数 0
.
6
5
以上を示し
た。また、それらと A
lおよ a
s
cとの高相関性より、それらが石灰岩中の不純物であるアル
ミノケイ酸塩の成分元素であるととが推察される。また S
rは、分別溶解法の結果より Caと
同じ化学状態にあると結論されているが、上記の元素群とは全く相関を示さなかった。
くさかゆずる、つじはるお、たまりゅうぞう、ふじわらよしなお、みやもとかずのり、
おおもりさよ乙、みぞはたあきら
円ノ“
円吋 U
f
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日本海堆積物コア試料 (ODP-Leg128) の放射化分析
(東大理) 0薬 袋 佳 孝 ・ 松 本
良・富永
健
1. 放 射 化 分 析 は 地 球 化 学 的 試 料 中 の 希 土 類 元 素 な ど の 微 量 元 素 の 定 量 に 有 効 な 手 法 の
一つである。我々は海洋底堆積物の放射化分析から堆積物の起源や堆積環境の変化につ
いて研究を進めてきた。最近、日本海で国際深海掘削計画の下でコア試料が回収され、
様々な地質学・地球化学的手法による研究が進められている。これらの研究により日本
海における堆積環境の変化などの地質学的変遺がより明確なものとなることが期待され
ている。微量元素の含有量とその変化は従来からの堆積学的手法では十分に解明できな
かった部分に新しい知見をもたらすと考えられ、これらの研究のなかでも重要な部分を
担っている。
9
8, Site 7
9
9
)の 堆 積 物 コ ア 試 料 か
本 研 究 で は 、 日 本 海 の 2地 点 (ODP Leg128 Site 7
0試料について中性子放射化分析により、約 2
0 元素を定量した。この結果
ら得た約 8
を南海トラフなどの太平洋側で得られた試料の分析結果と比較検討した。
2. コ ア 試 料 の 採 取 地 点 を 図 1に 示 す 。 隠 岐 海 嶺 の Site 7
9
8 (水深 903m )からは
517.3m 長 の 、 北 大 和 ト ラ フ の Site 7
9
9 (水深 2084m ) か ら は 1
0
84rn長のほぼ連続し
98 か ら は 約 2
0 試料、 Site 7
9
9 からは約 6
0 試料
た 堆 積 物 コ ア が 回 収 さ れ た 。 Site 7
をとり、分析に供した。各試料を粗く粉砕した後、蒸留水で洗い海塩を除去した。さら
0C で 風 乾 し た 後 、 粉 砕 し て 放 射 化 分 析 等 の 試 料 と し た 。
に 5
0
試料 1
00 mg を フ ラ ッ ク ス モ ニ タ ( 鉄 線 ) と と も に 立 教 炉 RSR または F 孔で 1
5-
2
4 時 間 照 射 、 一 週 間 後 お よ び 一 月 後 、 半 導 体 検 出 器 に よ る 7線 ス ベ ク ト ロ メ ト リ ー に
800ト 40000 秒 と し た 。 標 準 物 質 に は 地
供 し た 。 測 定 時 間 は そ れ ぞ れ 3000-4000 秒、 1
B
1 およ
質 調 査 所 発 行 の 標 準 岩 石 (J
び JLk-1) を 用 い 、 希 土 類 元 素 7元 素
0 元素を定量した。また、主
を含む 2
成 分 元 素 の 定 量 に は ケ イ 光 X 線分析、
鉱 物 組 成 に つ い て は 粉 末 X線 回 折 を 用
いT
こ。
3. 約 4
0 試 料 ( い ず れ も Site 7
9
9
の試料)について分析結果の解析がほ
0試料についても
ぼ終了し、残る約 4
現在検討を進めている。
Site 799 の 約 4
0 試料について、
図 1. 試 料 採 取 地 点 .
a 含有量、 Th/Sc
堆積物コア中での B
みないよしたか・まつもとりょう・とみながたけし
-94-
。
、
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a 含有量、 T
h
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S
c 比、 L
a
/
Y
b比 の 変 化 (
S
i
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e7
9
9
).
図 2. B
比、 L
a
/
Y
b 比 の 変 化 を 図 2 に示す。 B
a含 有 量 は 1
0
0 -5
0
0
m付 近 で 著 し く 大 き く な る
0
0
m付近で堆積物の主成分であるシリカの結晶形に変化があり、
傾向がみとめられた。 5
aの堆積物中での移動あるいは堆積環境の変化が反映されているもの
続成作用による B
とみられる。 T
h
/
S
c比 に つ い て は 、 一 部 の 例 外 を 除 い て 、 深 さ と と も に 減 少 し て い く 傾
h
/
S
c = 1に 比 べ て や や 低 い が 、 日 本
向がある。これらの値はいずれも大陸地殻での T
海を含む背弧の堆積物で報告された結果とよく一致している。深さ方向に対する変化に
B
a 含 有 量 と 同 様 に 続 成 作 用 や 堆 積 環 境 の 変 化 が 反 映 さ れ て い る と 考 え ら れ る 。 なお、
h
/
S
c比 を 示 す 試 料 に つ い て は 鉱 物 組 成 や 化 学 組 成 が 他 の 試 料 と は 大 き
一部の異常な T
は
く異なる傾向がみられた。しかし、 L
a
/
Y
b 比については、 B
a含 有 量 や T
h
/
S
c 比にみら
れたような深さ方向に対する変化は明瞭ではない。希土類元素の含有量から得られる地
球化学的に有用なパラメータ
a
/
Y
b 比の他に、 L
a
/
S
m 比、 C
e
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C
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* 比 (C
e存 在
には、 L
u
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E
u
*比 (
E
u存 在 度 の 異 常 を 表 わ す ) な ど が あ る が 、 い ず 、 れ に
度の異常を表わす)、 E
ついても深窓方向に対する変化は極めて複雑であった。
本 研 究 の 一 部 は 立 教 炉 利 用 共 同 研 究 と し て 実 施 さ れ た 。 ケ イ 光 X線 分 析 お よ び 試 料 調
製について、渡部芳夫博士ならびに楠戸伊緒里氏の協力を得た。記して謝意を表する。
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1C13
古代鉄の中性子放射化分析
(武工大・原研) 0平井昭司、岡田往子、鈴木章悟、桂木夏子
1 はじめに
近年、日本各地の土地開発に伴い多くの遺跡が発掘・調査され、その数の増加の一途を
たど、ってきている。それらの中には、製鉄遺跡に関連した鉄塊や鉄棒等の鉄遺物が出土し
ている。従来から、生産当時の製鉄技術の解明や原料の砂鉄か鉄鉱石かの識別や原料の産
地推定等のために自然科学的分析手法を導入して幾多の研究がなされてきている。その中
の鉄遺物中の含有元素に着目した調査・研究では、多くが鉄遺物を構成している主成分元
素に限って議論されてきているが、確定的な結論は出現していない。それゆえ、先に述べ
た調査・研究のためには新しい情報も必要となり、微量元素もひとつの貴重な情報源とし
て考古学に提供できる手段になると思われる。本研究では、微量元素の情報を提供できる
分析手法として、また、考古学試料は再現できない貴重な試料であるため形状をできるだ
け壊さないで少量の試料で分析できる分析手法として高感度に多くの元素を正確に定量で
きる中性子放射化分析法を選択して (
1
)試料内における含有元素の挙動(均一性) (
2
)製鉄技
術過程の把握等について検討したので報告する。
2 分析法
鉄津試料は、同一試料の数箇所からダイヤモンドカッターで削り取り、めのう製乳鉢で
粉砕し分析試料とした。鉄塊試料(金属鉄が残存する)は、予め磁石により金属鉄の存在
する部分を予測してダイヤモンドカッターで切断し、金属鉄部分と鏡化部分とに分けた。
金属鉄部分は、希フッ化水素酸でエッチングして分析試料とした。鉄津試料および鉄塊試
料とも約 5
0
m
gを秤量し、ポリエチレン袋に封入して照射試料とした。照射は、武蔵工業大
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-2・s
e
c
-1) で3
0秒間およ
学原子力研究所の原子炉の気送管(熱中性子束:1
び照射溝で 5
時間行なった。照射後適当な冷却時聞を置いて高純度 G
e
検出器と 4
0
9
6チャン
ネル波高分析器とで γ線測定を行なった。収集した γ線スペクトルをパ
ソナルコンビュ
ータにより解析し、標準試料と比較し元素の定量を行なった。特に、 Mg の定量で、は 27~1(n
,
p
)2
7Mgの妨害核反応の影響を、 M
nの定量で、は 5
6
F
e
(
n,p
)
5
6
M
nの妨害核反応の影響を、 C
rの
1C
定量で、は 5
4
F
e
(
n
,a
)5
rの妨害核反応の影響を考慮して算出した。ごれらの妨害核反応の
影響の寄与率は、それぞ、れ 4
6
0
0
0
0
p
p
m、3
3
p
p
m、9
.
8
p
p
mで、ある。
ひらいしょうじ、おかだゆきこ、すずきしょうご、かつらぎなつこ
- 96-
3 結果および考察
鉄津および鉄塊試料を中性子放射化分析した結果、主成分元素の数 10%の濃度から徴量
0数元素を定量することができた。複数の鉄棒試料の
元素の数ppmの濃度にわたって合計3
表面部を除いた内部の各元素濃度は、ほぼ均一な濃度分布になっていた。一方、鉄塊試料
では、多くの元素で鉄金属部と鏡化部とにおいて大きな濃度変化がみられた。内部の鉄金
属部から表面部にかけて濃度の減少がみられた元素は、 F
e、 C
o、G
a、A
s、 B
r、 S
bであった。
a、A
l、 S
c、T
i、V、M
n、希土類元素、 H
f、T
hで あ
逆に、濃度の増加がみられた元素は、 N
った。このような元素濃度の減少・増加の変化の様子は、それぞれの鉄塊試料により異な
り、金属鉄が鋳化される過程での鉄塊試料が埋蔵されている環境と深い関わりがあったと
思われる。また、これらの原料と思われる砂鉄での元素濃度と比較すると先に述べた元素
濃度が減少したグル
プの元素は、鉄塊に濃縮する元素グループであり、増加した元素グ
ルプは、鉄津に濃縮する元素グル
プであった。
iおよびVの濃度を F
eの濃度で除した T
i
/
F
eとV
/
F
eとの相聞をみると図のよう
各試料中の T
に全ての分析点が 4
5度の直線の周りに分布した。その中で鉄津試料は、直線上の上方に、
鉄塊試料は、下方に位置していた。このことは、鉄製錬において酸化鉄が還元されるに従
iとVともに原料の鉄から除去され、鉄津部に同じ割合で濃縮していくごとを意味して
いT
いる。それゆえ、鉄塊試料における T
i
/
F
eとV
/
F
eとの値から鉄製錬過程の程度を知るごと
ができるの
(
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f ラスじり長女卑>:J1七うミトキ斤
(慶大・文、東大・理)
0富 沢 威 、 富 永 健
1.はじめに
ガラスは、人工的に合成される。したがって、ガラス材の組成や着色剤に関する知見は、
わが国のガラスの原材料の種類の推察やガラス製造技術の変遷の歴史を解明する際の重要
な指標になるものと思われるが、古代ガラスの分析桝は少なく、組成や着色剤 l
こ関する知
見は必ずしも十分であるとは言えない現状である。
本報では、中性子放射化分析の応用研究の一一樹として、わが国の遺跡(弥生時代後期
江戸時代)で出土した多数のガラス玉の分析を行い、色や製作年代が異なるとガラス玉の
元素濃度がどのように変動するかを検討した。
2. 実験
(1) 分析試料
有馬遺跡〈弥生時代後期
時代後期
古墳時代前期、群馬県渋川市八木原〉や赤羽台古墳群〈弥生
古墳時代後期、東京都北区および板橋区〉、上野高校遺跡〈江戸時代後期、東
京都台東区上野〉等で出土したガラス玉の分析を行った。ガラス玉の色は、紺色、緑色、
青色、褐色、黄色、理色と多様である。大きさは、直怪が 3m
m程度〈小玉〉と直径が 7
1
1
1
1
1
1
程度(中玉〉の 2種類である。
(2)中性子放射化分析
試料をポリエチレン袋に封入して照射に供した。中性子の照射は、立教大学原子力研究
所の照射孔を用いた。短寿命核種は、気送管〈熱中性子東: 1
.5XI012n・c
m
-2 ・s
e
c
-I) で
30秒間照射、 7分間冷却後、 Ge(Li)半導体検出器と 4096チャネル披高分析器により 5
分間 γ
線スベクトルの書J
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定を行った。長寿命核種は、
s
e
c
-1) で24時間照射、 7日間冷却後、
2000秒間
RSR孔(熱中性子東:5.5XI011n・c
m
-2 •
Ge(Li
)半導体検出器と
4096チャネル波高分析器で
r線スベクトルを測定し、 1ヶ月冷却後、 Ge(Li)半導体検出器と 4096チャネ J
L波高
分析器で 5000
秒 間 T線スベクトルの測定を行った。短寿命核種、長寿命核種の定量には、
B
Sのガラス標準試料 No.89や N
o
.
6
2
1、工業技術院地質調査
化学試薬を調製した標準試料や N
1や J
G
1および米園地質調査所のや 2などを標準に用いた。
所で調製した岩石標準試料の JB
3. 結果と考察
ここでは、中性子放射化分析と蛍光 X線分析で得られた結果を用いて、ガラス玉の化学
組成や着色剤について検討する。分析により得られた古代ガラスの組成は、時代や色の相
違により元素濃度に差異が認められた。その結果を要約すると、次のようになる。
(1
)ガラス玉の化学組成
ガラス玉の密度や重量は、出土した遺跡群ごとに一定のまとまりを示している。色と組
成の関係をみると、一般に黄色や謀色をした不透明なガラス玉は鉛ガラスであり、紺色や
青色をした透明なガラス玉はアルカリ石灰ガラスである。
とみざわたけし、とみながたけし
-9
8-
弥生時代のガラス l
こは、鉛ガラスとアルカリ石灰ガラスの 2種類があるが、アルカリ石
灰ガラスは B
aの含有率が高い特散がある。
古墳時代には、アルカリ石灰ガラスと鉛ガラスの 2種類がある。関東地方や東北地方の
/石灰ガラ
弥生時代後期から古墳時代後期の遺跡で出土するガラス玉のなかには、アルカ 1
スl
こは一般には含まれないとされている PbO(1%程度〉を含有する特異的なガラスが出土
する。
江戸時代の鉛ガラスは C
u、Zn、P
b、 Ag、旬、 Sb、 B
aに、アルカリ石灰ガラスは C
a、向、
Cu、Zn、 A
g、 B
aに富んでいる。 P
b、刷、ふ Cu、Z
n、旬、 B
aなどは、試料開で著しい差異を
の濃度差は、鉛ガラスやアルカリ石灰ガラスの化学組成の違いを反映した
示す。 P
bや N
a、 K
ものである。青色の玉だけがアルカリ石灰ガラスであり、紺色、結色、褐色、無色のガラ
1
3
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}% )の含有率が N
a
2)
((
3
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%)
ス玉は鉛ガラスであった。アルカリ石灰ガラスは、 K
20(
よりも高い、所謂カリライム系ガラスである。鉛ガラスは、 K
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8
%
) の含有率が
N
a20 (0.14"'0.27%) よりも高い、カリ鉛ガラスであることが分かった。重要な点は、江
戸時代の紺色のガラス玉が鉛ガラスであると言う知見である。わが国の古代の遺跡で出土
する紺色のガラス玉はその殆とがアルカリ石灰ガラスであることから、鉛ガラスの紺色の
玉は江戸時代にわが国で製造され始めたものと看倣すことができょう。ガラス玉の北学組
成は、色ごとに極めて良く類似している。この事実は、江戸時代のガラスの製造技術が高
度なレベルであったことを示唆するものであると共に、原料から製品までの製造工程の管
理が厳しく行われていたことを反映するものであろう。 C
o、C
u、F'eの濃度差は着色剤の違
3
9
0
p
P
I
I
I
) に、緑色のガラスは C
u (9500仰 m
)に
、
いを示すものである。紺邑のガラスは Co (
青色のガラスも C
u (6500ppm) に、褐色のガラスはF'e
2
U
3 (3.78%) ~こ富んでいる。
(2) ガラス原料
ガラスの主原料の供給源として、珪石、天然砂、長石、粘土、天然ソーダ、植物灰、石
灰石などが考えられている。分析の結果から、ガラス原料に関するいくつかの知見を得る
ことができた。 N
aに富むガラスは C
Iに富んでいることから、 N
aの供給源として N
a
C
Iが使用
された可能性が考えられる。 C
uに富むガラスは'
S
nに富む傾向がある。こうした Snの由来に
は
、 2つの可能性が考えられる。熱水就床起源の珪砂には S
n
(こ富むものがあるのでケイ酸
原料にこれを用いた場合と、着色剤に黄鉱の鉱脈中に産する黄銅鉱 Cu'
F
e
S
2を用いた場合と
ま 般に黄揚鉱 C
U
2SnFeS4を伴って産出するので、 C
uの原料に黄銅
である。黄銅説、 C
U'
F
eS2
G
4
鉱 C uFeS 2 を用いたものと考えると、 (U~こ富むブj'ラスが Sn に富む理由が理解できる。鉛ガ
ラスのうちには、 P
bやB
a、Z
n、C
u、 A
gに富むガラス玉が出土しているが、こうした原料のが
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i
g、
供給源を黒鉱鉱床に求めることもできるだろう。それは、黒鉱は、 P
bやZn、 B
a、町 u
Asなどを j
農薬しているからである。
NEUTRON ACTIVATION ANALVSiS OF JAPANEASE ANCIENT GLASSES
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