アドバンス自動浸透圧計 A2O - Advanced Instruments

アドバンス自動浸透圧計 A2O®
ユーザガイド
200005UG Rev9 081215
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
著作権
本ユーザガイドはアドバンス社が著作権を所有しています。著作権法の
下で、本ユーザガイドはアドバンス社の書面による事前の同意を得るこ
となく、このユーザガイドの一部もしくは全部をいかなる形式・いかな
る理由であろうとも複写もしくは転載あるいは電子化を行なうことは許
可されません。
© 2012 Advanced Instruments, Inc.
アドバンス社はこのユーザガイドを充分にレビューしました。本書に記
載されている全ての情報は信頼できるものと確信しておりますが、装置
の精度や完全性を保証するものではありません。
Microsoft®およびWindows® は、米国および他国におけるMicrosoft
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ご使用の装置に関するトラブルや疑問がございましたら、以下の
Hot-Line サービス部にご連絡ください。
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800-225-4034(米国とカナダでは通話無料、営業時間以外は内線
2191)
+US 781-320-9000 (それ以外の地域)
+US781-320-0811 (ファックス)
目次
安全な使用について
シンボルマークの表記ルール
一般的な注意事項
FCCの要件
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消耗品、部品およびアクセサリ
xiii
序章: セオリーとテクニック
xvii
第1章 — 設置とセットアップ
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ステップ
ステップ
ステップ
ステップ
ステップ
ステップ
ステップ
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装置の設置場所
装置の梱包を解く
ストッパを取り外す
プリント用紙をセットする
補助ケーブルを接続する
装置の電源を入れる
浸透圧計ターンテーブルとプライマリチューブ
カルーセルをセットする
ステップ 8 — システム溶液と廃液 ボトルのセット
ステップ 9 — ピペットシステムの準備
ステップ 10 — ダイアグノステック(診断)テストを実行する
ステップ 11 — 日付と時間を設定
ステップ 12 — 言語の選択
ステップ 13 — 初期較正のチェック
ステップ 14 — 第2章に進む
図1: A2O 浸透圧計とアクセサリ
図2: ピペットシステムからストッパを外す
図3: ストッパを浸透圧計モジュールから取り外す
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アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図4: A2Oコンポーネントとコントロール
図5: プリント用紙のセット
図6: リアパネル
図7: メインスクリーン
図8: 浸透圧計ターンテーブルとプライマリチューブ
カルーセルの取り付け
図9: 溶液レベルスクリーン
図10: アンプルアダプタのポジション
表1: A2O 浸透圧計パッキングリスト
11
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第2章 — 装置の操作
17
第3章 — 標準液と品質管理
37
第4章 — 較正
41
危険物の取り扱いに関する注意事項
基本的な機能
主なコンポーネントの機能
測定手順
サンプルの準備
再現性に関するヒント
毎日の較正の確認
サンプル測定手順
STAT サンプル測定の実施
サンプル測定エラー
操作設定の変更
図11:フリージング チャンバ
表2: サンプルレセプタクル中での最小サンプル量
表3: バーコードの長さの必要条件
再現性(精度)と正確度(確度)
標準液とコントロール液
標準液の管理
品質管理の実施
較正手順
較正のヒント
図12:較正スクリーン
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目次
第5章 — ユーザインタフェイス
A2O グラフィカルユーザインターフェイス
メイン操作スクリーン
メニュースクリーン
測定セットアップスクリーン
測定設定スクリーン
コントロール液スクリーン
較正スクリーン
システム構成スクリーン
ユーザスクリーン
プリンタセットアップスクリーン
詳細スクリーン
セルフテストスクリーン
位置決めスクリーン
日付/時間スクリーン
LAN スクリーン
LIS スクリーン
サービス連絡先スクリーン
結果スクリーン
ログ表示スクリーン
テキスト入力スクリーン
図13: キーパッド
図14: A2O メイン操作スクリーン
図15: メニュースクリーン
図16: サンプルチューブ残存
図17: 溶液レベルスクリーン
図18: 測定セットアップスクリーン
図19: 測定設定スクリーン
図20: サンプル ID の予備入力
図21: コントロール液スクリーン
図22: コントロールの変更スクリーン
図23: Levey-Jennings チャートスクリーン
図24: 限界外コントロールへの処理スクリーン
図25: コントロール液ログスクリーン
図26: 較正スクリーン
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アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図27: 通知スクリーン
図28: 較正ログ
図29: システム構成スクリーン
図30: ユーザスクリーン
図31: プリンタセットアップスクリーン
図32: ハードウェアの詳細スクリーン
図33: セルフテストスクリーン
図34: 位置決めスクリーン
図35: 日付/時間スクリーン
図36: LAN セットアップスクリーン
図37: LIS セットアップスクリーン
図38: サービス連絡先スクリーン
図39: 結果スクリーン
図40: 日付選択スクリーン
図41: フィルタースクリーン
図42: ログ表示スクリーン
図43: テキスト入力スクリーン
表4: プライマリチューブのステータスインジケータ
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第6章 — トラブルシューティングとサービス
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修理とメインテナンスの注意
修理サービスの依頼
日常のメインテナンス
シャットダウンと保管
トラブルシューティングの確認事項
ヒューズの交換
図44 : シリンジのネジ
図45 : ピペットのクリーニング
図46 : サンプルプローブ
図47 : プラスチックシリンジを廃液 ボトルキャップへ接続
図48 : データベースの消去ボタン
図49 : データのエクスポート
図50 : データエクスポートの確認
図51 : データ削除の確認
図52 : ヒューズの交換
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目次
付録
付録
付録
付録
付録
付録
付録
付録
付録
付録
A — トラブルシューティング表
B — 製品仕様
C — 規制に関する通知
D — 測定結果の印刷
E — LIS (Laboratory Information System)
実験室情報予備システム
F — シンボルマークの定義
G — 保証および保証の義務
H — 製品の廃棄とリサイクル
I — 修理記録
索引
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アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ヒント:
viii
安全な使用について
使用者に対するケガや感電もしくは装置の発熱・発火等による損
害の危険から回避するために、このユーザガイドの注意および
指示事項を充分に理解し従ってください。
• 本装置の操作方法に関し、ユーザガイドに記載されたメーカ
の指示事項や推奨に従わずに取り扱うことや曖昧な方法で使
用することは、装置とあるいは使用者も危険にさらされる
ことにつながります。
• 資格を有していない者は、装置の修理を行なわないでくだ
さい。このユーザガイドは電気的な知識を習得する目的の
ものではありません。
シンボルマークの表記ルール
正三角形に感嘆符のある記号は、本製品に添付のパンフレット
に重要な操作またはメインテナンス(サービス)上の指示が
あることをユーザに注意を促すことを意図しています。
正三角形に矢印の付いた稲妻のある記号は、製品の内部に
人が感電する恐れのある危険な電圧を使用しているコンポー
ネントの存在について、ユーザに注意を促すことを意図して
います。
正三角形に静電気記号は、静電気に対し敏感で電気的に損害を
受けやすい可能性のあるコンポーネントが内部に組み込まれて
いることを、ユーザに対し注意を促すことを意図しています。
この静電気記号は、静電気で破損する可能性のある特殊コン
ポーネントがあることをユーザに注意を促すことを意図して
います。
ix
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
このシンボルマークは、交流電気(電圧)を意味しています。
このシンボルマークは、ヒューズを意味しています。
このシンボルマークは、保護接地(アース)を意味しています。
このシンボルマークは、電源がオンである(オンにする)ことを意味
しています。
このシンボルマークは、電源がオフである(オフにする)ことを意味
しています。
ヒント
その他のシンボルマークの定義 については付録 F を参照してください。
一般的な注意事項
• 本製品は、製品の電気定格表示に示されたタイプの電源以外で操作
しないでください。本製品に同封された設置説明書を参照してくだ
さい。
• 提供された電源コードを何らかの理由で交換する、または別のコー
ドを使用する場合、そのコードは現地国での使用が認められたもの
でなければなりません。またその電源コードは、製品の記載動作電
圧が承認され、製品の電気定格表示に示された定格アンペアより
20% 以上高い定格である必要があります。本製品に接続するコード
の先端には、IEC 60320コネクタが必要です。
• 使用する電源は、規格に適合した保護接地端子付コンセントに接続
してください。
• 電源コードの保護接地端子は、必ず接続してください。
• 電源の延長コードや延長コンセントを使用する場合、それらの使用
電圧の規格が製品の電圧と一致しており、なおかつそれらに接続さ
れる全部の製品の電流値が、延長コードや延長コンセントの定格電
流値の80%以下である事を確認してください。
x
安全な使用について
• 電源コードは踏む 引っ掛ける 上に物を乗せる などが無いように配
線してください。電源コードのプラグや延長コンセントおよび装置
への電源コードの接続部には、特に注意してください。
• コードまたはケーブルは引っ張らないでください。電源コードや
延長ケーブルを抜く時は、プラグ自身を把持して抜いてください。
• 製品を短期間で極端な温度変化が発生する場所や、仕様によって
指定されている環境周囲温度湿度から外れているような場所に設置
しないでください。
• 製品を湿った場所には決して設置しないでださい。
• 破損や発火等の危険を避けるため、製品を揮発性物質や粉塵など
爆発性のある雰囲気下における使用はやめてください。
• 製品は水平でない不安定な場所に設置しないでください。
• 製品のカバーを外した状態で本製品を操作しないでください。
FCCの要件
• 警告: アドバンス社による明確な承諾を得ずに、装置の仕様を変更
もしくは改造すると装置を使用するユーザの権限が無効になります。
• この装置は、米国連邦通信委員会規則(FCC)のパート15、クラスB
デジタル機器の範囲でテストされ準拠しています。これらの範囲は、
住居用施設の設備において有害な電磁干渉に対し合理的な保護を提
供することを意図しています。本装置は無線周波数エネルギーを発、
使用し、放射する可能性があり、指示に従って設置および使用しな
いと無線通信に有害な混信を起こす恐れがあります。しかし、特定
の場所では干渉が発生しないという保証は全くありません。本装置
が無線またはテレビ受信に有害な混信を起こしている場合、本装置
の電源をオンオフにすることで判断できます。混信を修正する方法
として、以下の手段を講じて干渉による影響を可能な限り少なくし
てください:
- テレビやラジオ等のアンテナを調整するか、設置場所を変更して
ください。
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アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
- テレビやラジオ等と本装置の距離を離してください。
- テレビやラジオ等が接続されているコンセントとは、電源回路が
別のコンセントに本装置を接続してください。
- 経験豊富なテレビの技術者に相談してください。
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消耗品、部品および
アクセサリ
部品とアクセサリを注文するには、アドバンス社顧客サービ
ス部の以下の電話番号までご連絡ください。
•
•
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800-225-4034 (米国内とカナダは無料)
+US 781-320-9000 (それ以外の地域)
+US781-320-3669 (ファックス)
部品内容
型番
プローブワイパーリング、50 枚/箱
200221
ディスポーザブル12 x 75 mm ガラスサンプルテストチューブ、
250 本/箱
200220
プラスチックサンプルチューブ、ディスポーザブル500 本入り
(以下の注記を参照)
200223
カルーセルアダプタセット(以下のアダプタを含む)
200399
カルーセルアダプタ、Protinol® および Renol™ 2 mL バイアル
200445
カルーセルアダプタ、100 mOsm 較正液
200376
カルーセルアダプタ、200 mOsm 較正液
200377
カルーセルアダプタ、290 mOsm 較正液
200378
カルーセルアダプタ、400 mOsm 較正液
200379
カルーセルアダプタ、500 mOsm 較正液
200380
カルーセルアダプタ、900 mOsm 較正液
200381
カルーセルアダプタ、1000 mOsm 較正液
200382
カルーセルアダプタ、1500 mOsm 較正液
200383
カルーセルアダプタ、2000 mOsm 較正液
200384
カルーセルアダプタ、3000 mOsm 較正液
200385
xiii
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
部品内容
型番
A2O システム溶液、500 mL ボトル
200222
電源コード(本装置を使用する国とその電圧を指定して下さい)
アドバンス®ユーザ情報 CD-ROM
90P01
ユーザガイド
200005UG
ソフトウェアアップデートキット
200415
プリンタペーパ(5 巻)
FLA835
100 mOsm/kg 較正標準液
( 5 mL アンプル10 ヶ)
3LA011
900 mOsm/kg 較正標準液
( 5 mL アンプル10 ヶ)
3LA091
2000 mOsm/kg 較正標準液
( 5 mL アンプル10 ヶ)
3LA201
3000 mOsm/kg 較正標準液
( 5 mL アンプル10 ヶ)
3LA301
Clinitrol™ 290 mOsm/kg リファレンス液 (2 mL アンプル 10 本)
3MA029
5 - レベルオズモラリティ リニアリティセット:100、500、900、
1500 および 2000 mOsm/kg (5 mL アンプル 10 本、各レベル 2 本)
3LA028
Protinol® 3 - レベル タンパク質コントロール: 240、280 および
320 mOsm/kg (2 mL バイアル 12 本、各レベル 4 本)
200213
Protinol® タンパク質コントロール、240 mOsm/kg
(2 mL バイアル 8 本)
200214
Protinol® タンパク質コントロール、280 mOsm/kg
(2 mL バイアル 8 本)
200215
Protinol® タンパク質コントロール、320 mOsm/kg
(2 mL バイアル 8 本)
200216
Renol™ 尿浸透圧コントロール: 300 および 800 mOsm/kg
(2 mL バイアル 8 本、各レベル 4 本)
200217
Renol™ 尿浸透圧コントロール、300 mOsm/kg (2 mL バイアル 8 本)
200218
Renol™ 尿浸透圧コントロール、800 mOsm/kg (2 mL バイアル 8 本)
200219
xiv
消耗品、部品およびアクセサリ
ヒント
• プラスチック製のサンプルチューブは、ディスポーザブル製品で
すので、使用後は決められた方法で破棄して下さい。このサンプ
ルチューブは、測定中にサンプルの状態を変化させる核となるた
めのメカニカルインパクタによって変形し、クラックが生じるた
め再使用はできません。クラックのあるサンプルチューブを再使
用すると、クーリングチャンバ内部にサンプルが漏れてしまい、
コンタミ(汚染)の原因になるだけでなく、不正確な測定結果や
エラーを与えることにもなります。
• アドバンス社のアクセサリや消耗品および部品(以下純正品とい
う)を使用しない場合には、規定されたパフォーマンススペック
と正確な測定結果を保証することはできません。アドバンス社は
その純正品以外の使用を推奨しておりません。純正品以外を使用
したことに起因して、システムの較正、性能、および操作に影響
を受けることがあります。これらの純正品に関する情報について
は、アドバンス社または正規代理店にお問い合わせください。
xv
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ヒント:
xvi
序章:セオリーとテクニック
使用目的
改良型浸透圧計は、氷点降下法の技術を使用して浸透圧を測定します。
浸透圧とは、水溶液中の溶質の総濃度です。浸透圧計は、分子量またはイ
オン電荷に関係せず溶質粒子の数を測定します。この情報は以下の分野で
有用です。
臨床医学、救急医療およびスポーツ医学
医学研究
バイオテクノロジーおよび医薬品研究と製薬
食物および飲料の製造
環境の研究とモニタリング
学術研究
産業用
トレーニングされた使用者によって臨床応用的に使用されると、浸透圧
計は水分と電解質がアンバランスな状態の患者に対し適切な診断と適
正な治療を行なう際に、有益な情報をもたらします。浸透圧計は実質
的に、血清、全血、プラズマ、尿、便、汗、および組織ホモジェネート
などあらゆる生物学的な液体の測定に使われますが、それだけに限り
ません。本装置の操作は 、CLIA および FDA ガイドラインの下であま
り複雑ではないと考えられます。
xvii
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
氷点降下浸透圧法の原理
溶質を純粋な溶媒に溶解する時、溶液の特性に次の変化が発生します。
• 氷点の降下
• 沸点の上昇
• 浸透圧の増加
• 蒸気圧の低下
これらの現象は、溶液の「結合特性」と呼ばれる濃縮特性であり、適性
限界内では、溶質濃度(溶液中の粒子数)と正比例に変化します。
結合特性により、氷点の測定は 水溶液の濃度によって高い精度で容易
に決定できます。
純粋な H2O の氷点は正確には +0.010°C です。グルコース等の非電解
質溶質1mol を1kg の水に溶かす(溶質がイオンに分解せずにそのまま保
持される場合)と、氷点は1.858℃下降します。この変化は水の氷点降下
度(モル氷点降下)として知られています。氷点降下は、溶質の溶解の
程度にも依存します。溶質が電解質である場合、氷点はそれぞれのイオ
ン毎に1.858℃降下します。例えば塩化ナトリウム1mol が1kg の水で
2 種類のイオン(Na+とCl-)に完全に分離した場合、氷点は3.716℃降下し
ます。しかし、完全に分離は起こりません。溶解した分子間の干渉に
より浸透係数と呼ばれる要因で分離は減少します。
単純な溶液(例、水溶液中のグルコースまたは塩化ナトリウム)では、氷点
を測定し、単位濃度を式または参照表から簡単に決定できます。しかし、
方程式は各々の溶液で独自なものです。すべてイオン化した非分離種が
氷点降下に寄与するので、個々の溶液の濃度を決定する事は容易ではあ
りません。各々の結合特性は溶液の濃度に正比例して変化しますが、各
々の結合特性には同様な問題があり、それぞれに異なる測定方法と単位
が必要です。
xviii
序章
各々の結合特性は溶液の濃度に正比例して変化しますが、各々の結合特性
には同様な問題があり、それぞれに異なる測定方法と単位が必要です。
浸透圧は、すべての結合特性を相互におよび他の濃度単位に関係づける、
濃度測定の一般的な単位です。浸透圧の普遍性により、浸透圧測定を
適用する殆どの場合、普通は浸透圧を使用し、適用する変換係数を追加せ
ずに一般的な濃度単位として、「mOsm/kg H2O」を用いて表しています。
装置の概要
アドバンス浸透圧計は、水溶液の氷点を測定して溶質濃度を決定します。
アドバンス浸透圧計は、高精度のサーミスタを利用して、サンプル温度を
検知し、過冷却および凍結誘導をコントロールし、サンプルの氷点を測定
します。アドバンス浸透圧計は、通常 ±1 mOsm/kg H2O の差まで測定し
ます。
氷点の熱力学
溶液の氷点を測定するための最も迅速で高精度な方法は、その氷点下数
度まで過冷却することです。この状態で溶液は不安定です。この状態で
溶液は不安定であり、機械的な撹拌により結晶化が誘引されます。機械
的な撹拌により結晶化が誘引されます。定義によると、平衡温度は溶液
の氷点です。精密な測定のためのプラト-熱を操作する事は、
Augustus Fiske が取得したいくつかの特許の基礎です。
液体と固体の平衡状態が発展し維持される時間は、凝固熱放出の速度と
凝固熱が周囲環境に移動・吸収される速度との関数です。この比率の
平衡時間を延長させるために遅くすることにより、0.001℃までの明確
なプラトーの高さまで測定可能となります。
xix
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
敏感なサーミスタプローブは、サンプル温度をモニタし、電子冷却素子
をコントロールします。マイクロプロセッサによる操作と自動化された
操作により、操作者の技術による不正確さを最小限に抑えています。
標準的な凍結曲線は、サンプルの温度を図示しており、温度は凍結サイ
クルを通じて進行し、各々のサイクルでの装置の行動を示しています。
標準凍結曲線
言葉の定義
溶液: 溶質と溶媒の均質な混合物、通常 溶媒が大部分を占め、溶質は
少ない。
濃度: 溶質と与えられた溶媒の比 (molal)、もしくは、溶質と溶液の
比(molar)。
溶質量は通常モルで表されます(モル重量(グラム)。1 モル = 6.028 x 1023
分子 (アボガドロ数)。グルコース 1 モル(180.2 g)と塩化ナトリム
1 モル(58.4 g)ともにアボガドロ数の分子を含んでいます。
xx
序章
濃度の一般的な単位は以下のとおりです。
• モル濃度: 純水な溶媒 1 kg 中の溶質のモル数
• 浸透圧: 純粋な溶媒1kg あたりの溶質粒子のOsmol。前述のよう
に、ほとんどのイオンの溶質は完全に分離しません。浸透圧は、
分離作用を考慮した濃度単位です。浸透圧は通常 mOsm/kg H2O
で表されます。1 (mOsm) は 10-3 osmol です。浸透圧は以下の
ように定義されます。
浸透圧 = ønC =
オスモル
kg H2O
ここでは
ø = 分子の乖離の程度を占める浸透係数
n = 分子が乖離できる事が可能な粒子の数
C = 溶液のモル濃度
• モル濃度: 溶液 1 リットル中の溶質のモル数。
• 浸透圧: 溶液 1 リットル中の溶質粒子のオスモル。モル濃度と浸
透圧は化学の他の分野で一般的な測定単位ですが、溶質と溶液の
比が直線とならないので、浸透圧測定では使用されません。モル
濃度と浸透圧は、温度や溶質により置換された量の影響を受けな
いので直線となります。モル濃度単位とモル濃度間の計算は複雑
なので、一般的に用語が適切に理解されている場合は不要です。
氷点/融解点: 物質の液体/固体相が平衡状態で一緒にとどまる温度。
氷点降下: 溶媒に溶質を加えると、溶媒の氷点が下がります。水溶液で、
水1kg あたり1mOsm の溶質は、氷点を1.858m℃低くします。
xxi
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
過冷却: 氷点以下で冷却される時、液体の状態にとどまる物質の傾向。
結晶化温度: 過冷却した時に、水溶液を最も確実に凍結(結晶化)する
ことが誘引されます。過冷却した時に溶液を撹拌(冷却パルス)すると、
結晶形成が発生します。結晶化温度は、結晶化が発生する温度です。
結晶化中、凝固熱によりサンプル温度が氷/水氷点プラトーに上昇します。
凝固熱: 液体の可動分子が固まった氷の結晶に凍結される時に放出され
る熱。
氷点のプラトー状態: 結晶化後に等温平衡状態で氷/液体の存在が発生
する時間中に維持される一定温度。
xxii
1 設置とセットアップ
装置を適切に設置し設定するには、この章の各ステップをよく
読んで指示事項に従うことが重要です。これらの手順は慎重に
従い、ご使用の装置で測定を実行する前に第2章 —装置の操作
を必ずお読みください。これらの据付時適格性確認(IQ:
Installation Qualification)と運転時適格性確認(OQ:Operation
Qualification)を実施するには、アドバンス社または正規代理
店に連絡し詳細な資料をご請求ください。
ステップ 1 — 装置の設置場所
新しい浸透圧計の設置場所を選ぶ際、必ず以下の基準を満たす
ようにしてください。
• 十分なスペースがある. A2O の寸法は23.6 × 22.8 × 20.5 イン
チ(60(幅) x 58(奥行き) x 52(高さ) ㎝)となっています。ワー
クスペースは清潔な場所で、ファンによる装置内部の換気の
ための空間を確保するために各々の面で15cm の隙間を開け
てください。
A2O は、AC100-250[V] / 3[A]が連続して供給が可能で、適正に
接地されている保護接地端子付コンセントの約1.5m以内で使
用してください。装置が適切に接地されていない場合、操作に
支障をきたし危険な状況になる場合があります。したがって、
装置を操作する前には必ずコンセントを確認して、結果を記録
しておいてください。
1
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ステップ 2 — 装置の梱包を解く
浸透圧計の梱包を解くには、以下の手順に従ってください。
1. 本体、アクセサリ、供給品を慎重に開梱して、輸送中に損害がなか
ったかどうかを確認してください。本ユーザガイドのパッキングリ
スト(表-1)を用いて、すべての品物を受領したかどうかを確認してく
ださい。
2. 将来、装置を輸送や保管する時のために、輸送用の箱や梱包材を
保管しておいてください。
3. パッキングリストの品物が梱包から紛失している場合は、梱包内部
を慎重に捜してみてください。その品目が見つからない場合は、直
ちに貴社の本品を受け取った部門にお知らせください。アドバンス
社は、発送品が到着後 10 日以内に不足物を報告した場合のみ責任
を持ちます。
4. 損傷がある品物を受領した場合、保険業者が調査するため、その品
目を梱包していた段ボール箱および梱包資材を保管しておいてくだ
さい。保証および保険を適用するためには、輸送業者、販売業者、
および アドバンス社に24時間以内にお知らせいただく必要があり
ます。輸送業者に品目を調査させ、「破損品発見報告書」を記入し、
クレームを申し立ててください。その後、アドバンス社に修理また
は交換をただちに通知してください。
5. 同封の保証書にご記入ください。追加情報をご希望の場合は、適当
なボックスをチェックしてください。郵送またはファックス
(781-320-8181)でお送りください。
2
設置とセットアップ
図1: A2O 浸透圧計とアクセサリ
数量
1台
1 パック
1 パック
1 パック
1 パック
1 パック
1 パック
1 ボトル
1箱
1
1箱
1 ボトル
1箱
型番
A2O
3LA011
3LA028
3LA091
3LA201
3LA301
3MA029
20022
200221
200070
200223
200327
200220
1 セット
1
1
2
1
1
2巻
1
1
1
1
200399
FL0408
70050
99089
98020
FLA836
90P01
200005UG
200004PM
3D3P021
名称 および 内容
アドバンス自動浸透圧計 A2O
100 mOsm/kg 較正標準液
浸透圧直線性セット
900 mOsm/kg 較正標準液
2000 mOsm/kg 較正標準液
3000 mOsm/kg 較正標準液
Clinitrol™ 290 mOsm/kg リファレンス液
A2O 浸透圧計システム溶液、500 mL ボトル
プローブワイパーリング、50 枚/箱
リテイナー、ワイパーリング
ディスポーザブル サンプルチューブ、500本
廃液 ボトル
ディスポーザブル 12 x 75 mm ガラスサンプルチューブ、
250 本/箱
カルーセルアダプタセット
ペーパーロールホルダ
電源コード(指定のもの)
ヒューズ、5A 250V SB メトリック単位
10 mL プラスチックシリンジ
直径 1/8 シリコンチューブ
プリンタ用紙(FLA835: 再注文パッケージ 5 巻入り)
アドバンス社 ユーザ情報 CD-ROM
ユーザガイド
保証書
カスタマー満足度カード
表1: A2O 浸透圧計パッキングリスト
3
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ステップ 3 — ストッパを取り外す
注意
浸透圧計とピペッターを固定しているストッパを取り外してか
ら、電源を入れてください。ストッパがついたまま電源を入れ
るとモーターに損傷を与えます。
1. 浸透圧計のフロントドアを開きます。ピペッターアセンブリを作業
域の中央に置きます。ドライバで、ピペッターアセンブリと中央パ
ネルのストッパに固定されている 2 つの拘束ネジを緩め(図2)、
装置からストッパを取り外します。ストッパをカルーセルアダプタ
セットの入った箱に保管します。
2. ドライバを使って、浸透圧計モジュールの縦型ライナー(カバー)
を固定している 3 つのネジを緩め(図 3)、取り外します。浸透圧
計モジュールのストッパを固定してある拘束ネジを緩め(図 3)、
装置から取り外します。ストッパの方向を逆にして、図 3 のように
浸透圧計モジュールの右側に再度取り付けます。浸透圧計モジュー
ルの上に縦型ライナーを置き 3 つのネジを止めます。
輸送用固定具を
緩めて取り外す
図2: ピペットシステムからストッパを外す
4
設置とセットアップ
縦型ライナーのネジ
を緩めて外す
ストッパを
緩めて外す
輸送ポジション
保管ポジション
図3: ストッパを浸透圧計モジュールから取り外す
ステップ 4 — プリント用紙をセットする
2 巻のサーマルプリンタペーパと、ペーパロールホルダが本体に付属
されています。これらを装置にセットする手順は次のとおりです。
1. プリンタカバーのすぐ前方にあるリリースボタンを押しながら、
プリンタカバーの前の部分を持ち上げるようにして開けてください。
リリースボタンから指を外します。
5
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
プリンタ
キーパッド
タッチ
スクリーン
ディスプレイ
ピペッター
シリンジ
ポンプ
縦型ライナー
取り付けネジ(3)
廃液ボトル
浸透圧計縦型ラ
イナー
システム溶液
ボトル
浸透圧計ターンテ
ーブル、ワイパー
リング、ワイパー
リングカバー
プライマリチュ
ーブカルーセル
クリーニング
ステーション
図4: A2O のコンポーネントとコントロール
6
設置とセットアップ
2. ペーパーロールから約 6 インチ(15 cm)程度用紙を引き出します。
3. プリンタペーパのコアにペーパロールホルダを入れます。
図 5: プリント用紙のセット
7
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
4. ペーパーロールとローラーを図 5 の右上写真のように V 型ローラ
ーサポート内にセットします。プリンタペーパは図のように、ペー
パーロールの下方からフィードされているはずです
ペーパロールホルダが正しい位置にあれば、プリンタペーパのロー
ルは水平な状態になっています。ペーパーロールが水平でない場合、
正しい位置にセットし直してください。
5. 浸透圧計の表面に用紙を押さえつけ、用紙をペーパカッタの中央に
セットします。用紙を中央に置いたら、プリンタカバーをゆっくり
閉じます。プリンタカバーを上から押して、カバーがプリンタ本体
のラッチ機構でしっかりと閉じたこと(「カチッ」となるまで)を
確認します。
6. プリンタ用紙がセットされ、印刷の準備ができました。
注意
カバーをしたままプリンタからペーパを引き出さないで下さい。
プリンタメカニズムにダメージを与えます。プリンタカバーリリ
ース(解除)ボタンを押してカバーを持ち上げながらカバーを
解除するか、または装置の電源を入れた後にキーパッドの 用紙
送りボタン
を使用してます。
ステップ 5 — 補助ケーブルを接続する
1. 本製品を実験室情報システム(LIS - Laboratory Information System )
に接続したら、 イーサネットケーブルをリアパネルのポートに接続
します
2. プリンタまたは携帯型バーコードスキャナのような外付け USB 1.0、
1.1、または 2.0 を使用している場合、背面または製品左側にあるい
ずれかの USB ポート(図 6)にそのケーブルを接続します。
8
設置とセットアップ
電源モジュール
USBポート
(4) (背面と
側面)
電源スイッチ(側面)
イーサーネット ポート
図6: リアパネル
ステップ 6 — 装置の電源を入れる
1. 電源コードのレセプタクル側を装置背面にある電源モジュール
(図 6)に差し込みます。電源コードの差し込み側をコンセントに差し
込みます。
2. 電源スイッチを入れ(図 6)、装置ソフトウェアを初期化させます。
3. ソフトウェアの初期化が完了すると、ユーザインタフェイスのメイン
スクリーン(図 7)が表示されます。メニュー ボタン、続いてサービ
ス連絡先ボタンを押してサービス連絡先スクリーンを表示します。
装置に表示されるソフトウェアバージョン を、本ユーザガイドの最
後にある修理記録に記録します。
9
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図7: メインスクリーン
ステップ 7 — 浸透圧計ターンテーブルとプライマリチュー
ブカルーセルをセットする
1. 浸透圧計ターンテーブルの各 20 箇所に、ディスポーザブルプラス
チックサンプルチューブをセットします。ワイパーリングの 1 つを
ターンテーブルにセットし、ワイパーリングのタブがターンテーブ
ルのへこんだ場所にはまったことを確かめます。ワイパーリングの
上にワイパーリングリテイナーを置きます。
2. 浸透圧計ターンテーブルを中心ノブで掴み、装置右側のターンテー
ブルスピンドル上にスライドさせると、ターンテーブルのエッジが
縦型ライナー下の開放部内にピッタリ収まります。ターンテーブル
を回転させながら手前にゆっくり押し、プローブアセンブリにぶつ
からないように注意しながら、ターンテーブルをかみあいドライブ
スピンドル上に落します(図 8)。
3. 浸透圧計ターンテーブルの外側エッジを片手で保持し、もう一方の手
でギザギザのターンテーブル固定ネジ(図 8 )を十分右方向に回し、
ドライブスピンドル上のターンテーブルを固定します。固定されたか
確かめます。ただし、ロックネジを締め過ぎないように注意します。
10
設置とセットアップ
浸透圧計
ターンテーブル
プライマリ
チューブ
カルーセル
図8: 浸透圧計ターンテーブルとプライマリチューブカルーセルの取り付け
4. プライリマリチューブカルーセルを装置右側のターンテーブルスピ
ンドルに取り付けます(図 8)。メイティングスピンドルを回しな
がらその上にカルーセルを落とし、ステップ 3 を繰り返してカルー
セルを所定の場所に固定します。
ステップ 8 — システム溶液と廃液 ボトルのセット
1. 廃液 ボトル上端の接続部に、廃液 チューブアセンブリのフィッティ
ングを接続します。廃液 ボトルを製品左側収納部にセットし、収納
部奥に押します。
2. システム溶液のボトルからフタを外します。溶液をこぼさないよう
に注意しながらフィル(給水)チューブをボトルに挿入します。
チューブアセンブリのフタをボトルに締め付けます。溶液ボトルを
廃液 ボトルの手前にある製品左側の収納部におきます。
ヒント
A2O システムの流体回路内における坑微生物特性を維持するた
めに、ボトルの内容は開封後30 日以内に使い切ってしまうか、
30 日を超えた場合は交換しなければなりません。
11
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ステップ 9 — ピペットシステムの準備
装置を初めて始動する場合、以下の手順に従ってピペットシステムを
プライムしておかなければなりません。
1. メインスクリーンを開始し、タッチスクリーンディスプレイまたは
キーパッドのいずれかを使用して、溶液レベル ボタンを選択して溶
液レベルスクリーンを開いて下さい(図 9)。
2. 溶液レベルスクリーン(図 9)の各ボトルの リセットボタンを 3 秒間
以上押し続け、溶液レベルが変化したことをシステムに知らせます。
3. プライミング ボタンを押して、システム溶液を金属製のピペッター
まで充満させます。金属ピペッターに接続している透明なプラスチ
ックチューブを観察しながら、プラスチックチューブ内部の気泡が
無くなるまで、何回かプライミングボタンを押します。
注意 システムの流体回路が空の状態では、2~3 サイクル以上プライ
ムポンプを作動させないで下さい。ポンプが故障します。
図9: 溶液レベルスクリーン
12
設置とセットアップ
ステップ 10 — ダイアグノステック(診断)テストを実行
する
1. タッチスクリーンディスプレイまたはキーパッドを使って、メイン
スクリーンに戻ります(図 8)。
2. メインスクリーンのメニューボタンを押し、測定セットアップボタン
を押して測定セットアップスクリーンに行きます。そのラボにおける
標準プロトコールのようなテスト項目を必要な数だけ選択します。
メインスクリーンに戻るには、閉じるボタンを 2 回押します。
3.
注意
Statボタンを押します。A2O がプリマリカルーセルを回転させ、
選択したポジションが製品正面の一番近くにきます。メッセージ
スクリーンが選択したポジションを示します。
装置に電源が入っている間にチューブをセットまたは取り出す
際、プライマリカルーセルをマニュアル(手動)で回転させな
いでください。カルーセルを回転させると、電気系統を損傷す
る可能性のある電圧スパイクを発生させる恐れがあります。
マニュアルで回転させるとカルーセルのポジションもずれ、
測定中にピペッターに損傷を与える可能性があります。
図10: アンプルアダプタのポジション
13
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
4. フロントドアを開け、 Clinitrol™ リファレンス液のアンプルアダプ
タをメッセージスクリーンで示されたプライムカルーセルのポジシ
ョン内へセットします。アダプタのバーコードラベルが、チューブ
ホルダースロット中で見えるようにセットされているか確認します
(図 10)。
5. 開封したClinitrol™ リファレンス液アンプルをアダプタにセットし
ます。
6. フロントドアを閉じます。
7. メッセージスクリーンに表示されている待機中ボタンを押します。
8. 測定がうまく終了し、浸透圧の結果が許容限界内である場合、A2O
は適切に操作しており、再較正の必要はありません。
9. テストは適正に終了したが、浸透圧の結果が許容限界を超えている
場合、第 4 章の手順により A2O を再較正します。
10. 測定がうまく終了せず、エラーメッセージが現れる場合、第 6 章の
トラブルシューティング参照してください。
ステップ 11 — 日付と時間を設定
必要に応じて、本ユーザガイドの第 2 章に記載の説明に従って日付と
時間を変更します。
ステップ 12 — 言語の選択
A2O はさまざまな言語を用いて使用することができます。ご使用の機器
は英語で初期設定されています。他の言語で装置を操作したい場合、
第 5 章の記載に従って言語設定を変更してください。
14
設置とセットアップ
ステップ 13 — 初期較正のチェック
A2O は発送前に製造所で較正されています。この較正がご使用の操作
環境で正確であることを確認するために、サンプルを測定する前に、
低濃度/高濃度範囲の較正標準液の両方または一方を使って測定します。
実行するテスト数とタイプを、貴実験室の標準プロトコールによって決
定する必要があります。これらの測定方法は、第 2 章に説明されてい
ます。
初期較正がずれているようであれば、第 4 章に記載に従って再較正を
実施します。
ヒント
A2O を別な場所に移動した直後の場合、20~30 分間ウォーミ
ングアップさせてから、較正の状態を確認してください。
ステップ 14 — 第2章に進む
本章で説明されたステップを終了したら、装置の使用準備ができてい
ます。装置の操作方法については、次章 「装置の操作」をお読みくだ
さい。浸透圧計を操作する前に、第2章の全てを熟読し操作に精通する
ことが重要です。
15
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ヒント:
16
2 装置の操作
装置を適切に操作するため、本セクションの手順を理解し、
これに順守することが重要です。較正に関する情報は、第4章
— 較正を参照してください。
危険物の取り扱いに関する注意事項
• 警告: バイオハザードに関わる全ての物質は、確立され
たGLP 手順に従って取り扱って下さい。また、貴施設で
の曝露防御措置の手順に従ってください。血液や体液な
どを取り扱う場合には、血液感染の危険や一般的予防措
置について熟知していなければなりません。一般的な予
防措置は、感染性のあることが知られている全ての血液
や体液が取り扱われている感染管理(感染制御)へのアプロ
ーチとなり得ます。曝露を回避するために、手袋、作業
衣のような個人保護具を使用してください。バイオハザー
ド物質は管理された廃棄物 コンテナに保管し、国や県お
よび地方自治体などで決められている要件に準拠し、安全
かつ容認できる方法で破棄して下さい。
• バイオハザード物質が装置の表面や内部に漏出した場合、
1%の漂白剤溶液もしくはラボなどの方針と手順に従って
装置の除染を行なって下さい。
• 負傷または発熱 発火の危険を避けるため、製品を揮発性物質
や粉塵など爆発性のある雰囲気下における使用はやめてくだ
さい。
基本的な機能
A2O は最大20 のサンプルチューブから、全自動で浸透圧の測定
を行ないます。自動でサンプルを分注するシステムは、時間の節
約とピペッティングの一貫性が保証されています。サンプルチュ
ーブから分注されたサンプルとその測定値が正確に一致すること
を保証するために、A2O はバーコードを自動で読み取ります。
17
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
較正や直線性の測定も、A2O は自動で行ないます。スタット(STAT:割り
込み)測定は、プライマリチューブカルーセルのサンプルチューブから
の一連のバッチ測定を一時的に中断し、別のサンプルチューブからの測
定を行なうことができる機能です。
A2O は、装置内部に測定結果すべてを保存します。A2O の電源を切って
も、結果は内部のメモリに保持されます。また、A2O は、測定結果をス
クリーンディスプレイとプリンタにそれぞれ表示し印字することも自動
で行ないます。さらに、A2Oのタッチスクリーンを使って、以前の結果
にアクセスしエクスポート(CSV ファイルへ)することもできます。測定
結果が時間と共にドリフトしているかどうかを究明したいのであれば、
A2O のQC(品質管理)グラフにアクセスすることもできます。A2Oのイー
サーネットポートを介して、業界基準に準拠したLSI システムとインタ
ーフェイスできる機能も搭載されています。さらに、これらの機能は
A2Oへのアクセスをパスワード保護によって規制することができます。
バッチサンプルでは、コントロール液とリファレンス液の各液をバッチ
で混合しても測定が可能です。また、A2Oは複数のサンプル・リファレ
ンス液・標準液から複数個を分注して測定するように設定できますし、
さまざまなテストプロトコールをとても簡単に設計し名前を付けて保存
することができ、そのプロトコールにアクセスすることも可能です。
A2Oはユーザにとって重要な機能のみを使用できるように設定すること
が可能です。例えば、バーコードリーダやパスワードによる保護などの
機能をオフにできます。スタートボタンを押すだけで、1~複数のサン
プルチューブやきれいなサンプルカップからサンプルを分注し、測定結
果を表示するような単純なことも可能です。
主なコンポーネントの機能
次に説明するコンポーネント、システムおよびコントロールの場所と機
能を理解し精通することにより、装置をより早く、より簡単に操作する
ことが可能となります。
18
装置の操作
プライマリチューブカルーセル(図 4)
プライマリカルーセルは、測定するサンプルの入ったプライマリチュー
ブを最大 20 本まで保持できます。本製品は以下のタイプのプライマリ
チューブからサンプルを取得するように設計されています。
• ガラスまたはプラスチック製 • 長さ 75 ~ 100 mm
• 直径 11~17 mm
• 底が球形、円錐またはフラット
プライマリチューブの底がカルーセルチューブホルダーの底面にある
タブに接触するように、プライマリチューブをカルーセルに挿入します。
プライマリチューブにサンプル ID 情報のバーコードが付いている場合、
バーコードがチューブホルダーのスロット外側から見えるようにチュー
ブを回転させます。
注意
プライマリチューブから全てのキャップを取り外してください。
ピペッターの先端はキャップを突き通すようにデザインされて
いません。キャップを外さないで、ピペッターをキャップに接
触させると A2O の操作が停止し、ピペッタ-が損傷する恐れが
あります。
小容量のレセプタクルを使用すると、サンプルが少容量でも測定可能と
なります。これらの小さいレセプタクルを使用する場合、プライマリ
カルーセル内にセットしたプライマリチューブの開放口にそれらを挿入
します。
注意
プライマリチューブとレセプタクルの合計の長さは、115 ㎜を
越えないように注意して下さい。ピペッターがレセプタクルの
上部にぶつかって、装置やプライマリチューブが壊れます。
表 2 には、溶液レベルデテクタとピペッターシステムの適切な動作を
確保しながら1 つのサンプルを測定するために、レセプタクルのサイズ
で最低限に必要なサンプル量の仕様が表記されています。
注意
100 mm 長を超えるチューブを短いチューブの隣にセットしてし
まうと、ピペッターが短いチューブからサンプルを吸引する際、
長いチューブの先端とぶつからないように、チューブすべてを
最小サンプル量 2 mL にしなくてはなりません。
19
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
指定された最小値以下の容量のチューブを使用すると次のよう
な結果となります。
• 測定するには不充分なサンプル量しか分注できません。
• ピペッターがサンプル容器の底部にぶつかり、製品または容
器の破損を招きます。
ヒント
• 小容量インサートチューブを使用して最高の性能を発揮するため
には、長さ 75 mm のプライマリチューブにインサートチューブ
をセットすることをお勧めします。
• 遠心分離後血清採取チューブのゲル分離層の上部に、リストした
最小量が残っている必要があります。
• 脱イオン水のように誘導率特性が極端に低い液体を測定する時には、
溶液レベルセンサが確実にレベルを感知するために、チューブの
容量のぎりぎりまでサンプルを入れて下さい。
• アンプルに入っているサンプルを測定する際には、溶液レベルセ
ンサが確実にレベルを感知するために、アンプル開口部にできる
可能性がある液膜を、不織紙や綿棒で除去して下さい。
最小サンプル量(µL)
公称チューブサイズ(直径)
11 mm
12 mm
13 mm
14 mm
15 mm
16 mm
17 mm
底が球状
450
500
550
650
700
750
800
アンプル、バイアル、またはレセプタクルの公称容
2 mL アンプル
5 mL アンプル
2 mL バイアル
1 mL レセプタクル、(底部は円錐形)
3.5 mL レセプタクル、(底部は円錐形)
底がフラット
600
750
850
1000
1150
1300
1450
450
量 最小サンプル量(µL)
400
950
650
300
500
表2: サンプルレセプタクル中の最小サンプル量
20
底が円錐
装置の操作
アドバンス社製のアンプルやバイアルなどのリファレンス液やコント
ロール液および較正液を測定するためのアダプタのシリーズも用意
されています。アダプタがプライマリカルーセルのチューブホルダー底
面にあるタブに接触するように、アダプタをカルーセルに挿入します。
チューブスロットからバーコードが見えるようにアダプタを回転させて
下さい。バイアルで使用されるアダプタは、ラベルに記載されたバーコ
ードを表示するために、上部にV 字に切り込みされたノッチがあります。
ノッチが外向きになるまでアダプタを回転させます。
カルーセルの下部にあるセンサは、どの場所にプライマリチューブがセッ
トされているかを確認するため、測定を開始する前に20 ヶ所のカルーセ
ルポジションをスキャンします。ソフトウェアは、ピペッターがサンプル
を吸引するために下降しなければならない位置を確実にするために、チュ
ーブがセットされた場所のスキャン情報を記録します。
注意
装置に電源が入っている間にチューブをセットまたは取り出す
際、プライマリカルーセルをマニュアル(手動)で回転させな
いでください。カルーセルを回転させると、電気系統を損傷す
る可能性のある電圧スパイクを発生させる恐れがあります。
マニュアルで回転させるとカルーセルのポジションもずれ、
測定中にピペッターに損傷を与える可能性があります。
ヒント A2O は、チューブポジションのスキャン終了後に追加された
チューブは測定しません。
内蔵されたバーコードスキャナも、読み込み可能なバーコードの有無を
判断するために、カルーセルの20 ヶの位置をそれぞれスキャンします。
A2O のソフトウェアは、バーコードの記載が無いラベルが貼付されたチ
ューブや、バーコードがスキャンできない方向に向いているチューブに
ついて、サンプルID をマニュアルで入力するかチューブの位置を替え
るようオペレータに指示します。バーコード機能はソフトウェアでオフ
にすることも可能です。
クリーニングステーション(図 4)
クリーニングステーションには異なる目的の2 ヶのポートを有してい
ます。中央の大きなポートは余剰のサンプルを集め、測定終了ごとにシ
ステム溶液を流してピペッターをクリーニングします。小さなポートは、
ピペッターの外側をきれいなシステム溶液で洗浄します。洗浄した後の
システム溶液はウエイストポートへ排出されます。全ての排液はポンプ
によって自動で廃液ボトルに廃液されます。
21
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
注意
廃液用のポンプが作動していない時に、クリーニングステーシ
ョンに液体を流さないで下さい。クリーニングステーションが
オーバーフローし装置の内部にダメージを与えます。
ピペッター (図 4)
ピペッターはプライマリチューブカルーセルのチューブから、サンプル
を吸引し測定用のサンプルカップに分注します。それぞれを分注する
行程の間で、ピペッターチップはシステム溶液によって内外をクリーニ
ングされます。
注意 システムの流体回路が空の状態では、2~3 サイクル以上プライ
ムポンプを作動させないで下さい。ポンプが故障します。
浸透圧計ターンテーブル(図 4)
浸透圧計ターンテーブルは、アドバンス社製100 uL ディスポーザブル
サンプルチューブなら最大 20 個まで保持します。さらにこのターンテ
ーブルは、測定と測定の間で、浸透圧計サンプルプローブをクリーニン
グするために使う、ワイパーリングをセットする設備も含んでいます。
ターンテーブルの下部にあるセンサは、どの場所にサンプルチューブが
セットされているかを確認するため、測定を開始する前に20 ヶ所のタ
ーンテーブルポジションをスキャンします。ソフトウェアは、ピペッタ
ーがサンプルをサンプルチューブに分注するために下降(回転)しなけ
ればならない位置を特定するために、サンプルチューブがセットされた
場所のスキャン情報を記録します。
注意
注意装置に電源が入っている間にチューブをセットまたは取り出
す際、浸透圧計モジュールをマニュアル(手動)で回転させない
でください。ターンテーブルを回転させると、電気系統を損傷す
る可能性のある電圧スパイクを発生させる恐れがあります。マニ
ュアルで回転させるとターンテーブルポジションもずれ、測定中
にサンプルプローブに損傷を与える可能性があります。
ヒント A2O は、チューブポジションのスキャン終了後に追加されたチュ
ーブは測定しません。さらに、スキャン後にチューブを移動した
場合、A2O は空のポジションに溶液を分注してしまいます。
22
装置の操作
溶液ボトル(図 4)
溶液管理システムには溶液レベルセンサがありません。システム溶液
ボトルの交換時または廃液 ボトルが空の状態の時、溶液レベルのリセ
ットはオペレータに任されています。オペレータによりリセットがなさ
れないと、ソフトウェアが表示する溶液レベルが不正確になります。
• システム溶液
システム溶液ボトルには 500 mL の溶液が入っています。システム
溶液はピペッターのシステムクリーニング中に使用されます。システ
ム溶液の約 1 mL が各サンプル操作ごとに使用されるため、500 検体
を操作するには 500 mL ボトルが十分だと思われます。A2O 浸透圧
計システム溶液のみを、本製品で継続的に使用することをお勧めし
ます。
注意
純正品以外のクリーニング液や水を使用すると、適正にクリー
ニングが行なわれず、キャリオーバや希釈効果によってサンプ
ル測定とその結果に影響を及ぼします。
ヒント ボトル内のシステム溶液の残りがおよそ50mL になると、A2O は
メッセージを表示しますので新しいボトルを用意して下さい。
このまま測定を続けてボトルの残存液が約 20 mL になると、
ソフトウェアが2番目のメッセ-ジを表示します。この時点で新
しいボトルと交換し、第 1 章、ステップ 9で説明されているよ
うに、溶液レベルをリセットする必要があります。
• 廃液
過剰のサンプルおよび、測定と測定の間のピペッター洗浄に使用され
たシステム溶液を集めます。ボトルは 1 L の公称容量があります。
ヒント 廃液 ボトルの内容量がおよそ900mL になるとメッセージが表示
されますので、中身を廃液する廃液 コンテナなどの準備をして
下さい。ボトルの残存液が約 950 mL になると、ソフトウェア
が2番目のメッセ-ジを表示します。この時点で、第 1 章、ステ
ップ 9の記載に従って、ボトルを空にして溶液レベルを
リセットする必要があります。
23
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
計測とコントロール回路(内部)
計測回路とコントロール回路は、自動的にプライマリチューブからサン
プルを定量吸引し、サンプルチューブに分注しサンプルのフリージング
ポイントを測定して、シングルボードコンピュータにその結果をレポー
トします。また、プライマリカルーセルと浸透圧計ターンテーブルの両
方にそれぞれのチューブがあるかどうかも確認しています。他の回路で
は浸透圧計ターンテーブルには適切なサンプルチューブがセットされて
いるのかも確かめています。
シングルボードコンピュータ(内部)
Windows® CE が搭載されたシングルボードコンピュータは、計測回路
とコントロール回路およびユーザインタフェイスの各システムとインタ
ーフェイスしています。
ユーザインタフェイス
ユーザインタフェイスは、タッチスクリーンディスプレイ、プリンタ、
およびキーパッドから構成されます。殆どの入力コマンドは、タッチ
スクリーンまたはキーパッドボタンを使って出すことができます。
プリンタは印字によってデータを提供します。
ピペッタークラッシュ検出回路(内部)
ユーザと装置を保護するため、ピペッターが物理的に障害を受けそう
になると、クラッシュ検出回路は全ての駆動モータを停止させます。
この場合、エラーが報告され装置はリカバリーモードを起動させます。
ピペッター溶液レベル検出回路(内部)
ピペットは、プライマリチューブ内での溶液とエア界面を検出するよう
にデザインされた、容量検出回路の一部です。この回路には以下の
2 つの機能があります。
• ピペッターが規定のサンプル量を吸引できるように、プライマリチ
ューブ内のサンプルに充分な距離で浸すことを確実に行ないます。
• 洗浄サイクル中に、ピペッターがそれ以上液体に浸かり過ぎるのを
防ぎます。
プライマリチューブに脱イオン水のような誘導率特性が極端に低い液体
を入れる場合には、溶液レベル検出が正常に感知するために、許容量ま
でサンプルを入れて下さい。
24
装置の操作
統合バーコードスキャナ
統合バーコードスキャナは、プライマリサンプルチューブに貼付された、
サンプルのID バーコードをスキャンします。スキャナは最大4 種類の
フォーマットを一度で読み取れるように製造所で設定されています。
次のバーコードに対応できるよう製造所で設定されています。
• Code 39
• Codabar
• Code 128
• ITF
プライマリサンプルチューブに貼ってあるバーコードラベルは、次の
基準を満たしていなければなりません。
• バーやテキストは、艶消しされた不透明の白く平坦なラベルに、
黒色のインクで印刷されていること。
• コードは、表 3 で規定されているバーコード形式の仕様の、最小か
ら最大文字数の制限に準拠すること。
ヒント 使用可能または読み込み可能な最大キャラクタ数は、以下にリス
トされている CLSI 文書に記載されているサイズ、あるいはバー
コードラベルの印刷品質によって限定されることがあります。
• ラベルは、プライマリチューブの縦方向に貼付し、縦軸に対して
10度以上ずれないように貼付すること。
バーコードラベルの作成と貼付については、CLSI (Clinical and
Laboratory Standards Institute: 臨床・検査標準協会)ドキュメントの
AUTO7-A およびAUTO12-P の追加ガイドラインを参照して下さい。
最小
文字長
最大
文字長
コード 128
1
64
コード39
Codabar
ITF
3
3
2
32
32
32
バーコードフォーマット
表3: バーコードの長さの必要条件
25
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
スキャナーは、次のバーコードも読むことができます。
• Code 93
• EAN 128
• (Industrial) 2of5 andと COOP 2of5
• UPC/EAN
これらのバーコードフォーマットのアクティブ化に関するお問い合わ
せは、アドバンス社のホットラインサービスにご連絡ください。
入力/出力インタフェイス
1 ヶのイーサネットポートはローカルエリアネットワークに接続でき、
4 ヶのUSB ポートは、パソコン・プリンタ・USB メモリ・外付けプリ
ンタ、キーボード、マウス、外付けバーコードスキャナなどの外部装置
に接続できます。
温度/湿度計測回路(内部)
この回路は、装置の内部における温度と湿度を、常に測定し続けてい
ます。
浸透圧計モジュール
浸透圧計は氷点降下法を用いて100μL のテストサンプルのオスモル濃
度を測定します。これには、リロードを要求される前に20 本のサンプ
ルチューブを測定する能力があります。
ヒント 浸透圧計で使用するプラスチックサンプルチューブは、ディス
ポーザブル製品で、1 回測定したら破棄してください。測定中
にサンプルの状態変更として核形成させるようなメカニカルイ
ンパクタ(機械的衝撃)を与えると、プラスチックチューブを
変形させ亀裂させます。クラックの入った試験管を再使用する
と、サンプルがクーリングチャンバ内に漏れだし、 コンタミ
(汚染)の原因になるだけでなく、 不正確な測定結果やエラ
ーを与えることにもなります。
ピペッターがサンプルチューブにサンプルを分注したあと、ターンテー
ブルはテストポジションまで回転します。サンプルを冷却するためにク
ーリングチャンバがサンプルチューブまで上昇し、サンプル内にサンプ
ルプローブが下降してきます。そして、クーリングチャンバのペルチエ
素子により冷却が開始され、 設定された値になると核となるメカニカ
ルインパクタがサンプルの状態を変化させます。浸透圧は、状態変化中
にサンプル温度を測定することにより決定されます。測定終了後、
サンプルチューブはクーリングチャンバから取り出されます。測定が終了
すると、このサンプルチューブはクーリングチャンバから取り出され、
26
装置の操作
フリージング
チャンバー
図11: フリージングチャンバ
最終的に使い捨てのワイパーリングによってサンプルプローブに付着し
たサンプルの残滓が除去されます。
フリージングチャンバ(図 11)
フリージングチャンバには、ソリッドステートサーモエレメントである
ペルチエ素子が使用され、サンプルを過冷却状態にしています。
カラータッチスクリ-ンディスプレイパネル(図 4)
カラータッチスクリーンは次の項目を表示します。
• 測定状態と測定結果。
• 電源をオンした時の装置のステータスメッセージおよび機能を選択
されたとき。
• 関連するエラーメッセージ。
タッチスクリーンは手で(手袋を使用してもしなくても)、あるいはタッ
チペンを使っても操作できます。ペン、鉛筆など先端のとがったものを
使用しないでください。タッチスクリーンにダメージを与えます。
シリンジポンプ(図 4)
シリンジポンプは、サンプル測定中とピペッタークリーニング中に、
ピペットシステムを通過する溶液の動きを制御します。
27
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
注意
シリンジ内に溶液がない状態で長い時間シリンジポンプを操作
しないでください。シリンジアセンブリへの損傷が起こります。
キーパッド(図 4)
キーパッドにより、オペーレータが機載オンボードコンピュータに入力
できるようになります。キーパッドの配置と機能については第 5 章、
図 13 をご覧ください。
プリンタ(図 4)
プリンタは、測定結果、サンプル同定、および他の必要な情報を感熱紙
に記録します。
電源モジュール(図 7)
本装置の背面の電源モジュールには、以下のコンポーネントが含まれ
ます。
• パワーコードコネクタ
電源コードを差し込み、装置にコンセントからの電源を供給します。
• ヒューズホルダー
装置を保護するために、適正な規格のヒューズがセットされています。
ヒューズ交換の説明については、第 5 章を参照してください。
電源スイッチ(図 7)
装置右側にあるロッカー型電源スイッチは、装置の電源を制御します。
電源スイッチは絶えずオンになったままです。
ヒント ヒント エマージェンシーなどで、全ての機能を停止させなけ
ればならない時には、スイッチをオフにしてください。電源ス
イッチがオンになると、装置が初期化をしている最中は、
浸透圧計モジュールとピペッターはそれぞれのホームポジショ
ンに、自動で移動します。
イーサーネット ポート(図 7)
このポートを使用して、実験室情報システム(LIS) やPC などに測定
結果もしくはいろいろなメッセージなどのデータを転送することが可
能です。
28
装置の操作
ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート(図 7)
機器の背面左側にあるユニバーサルシリアルバスポートを使用して、
プリンタまたは携帯型バーコードスキャナーのような USB 1.0、1.1、
または 2.0 外部機器に接続できます。データをエクスポートするため
に、このポートをメモリ装置を別のコンピューターに接続して使用す
ることもできます。ソフトウェアの更新をダウンロードするにも使用
できます。
測定手順
測定手順を開始する前に、以下の項目を完了させてください。
• ピペッター、サンプルプローブともサンプルチューブ中に入ってい
ないことを確認したら、ターンテーブルを取り外す。
• 100 µL サンプルカップを浸透圧計ターンテーブル内にセットする。
• ワイパーリングとワイパーリングカバーを浸透圧計ターンテーブル
にセットする。
• 測定中クリーニング溶液を受け取るため、廃液 ボトルが空であるか、
または十分な空き容量が残っていることを確認します。
• 各測定後のピペッター洗浄用に十分なシステム溶液があることを
確認します。
• プライマリサンプルチューブをプライマリチューブカルーセル内に
セットします。
• プライマリサンプルチューブのバーコードラベルがチューブホルダ
のスロットから見えるように、プライマリチューブカルーセルに
セットします。
• フロントドアを閉めて下さい。
• 測定セットアップスクリーンから、測定範囲や測定プロトコールを
選択します。
タッチスクリーンまたはキーパッドの スタート ボタンを押すと、A2O
は、自動的に次の項目を実施します。別のA2O サブシステムが、同時進
行するかもしれない点に注意して下さい。
• 浸透圧計のターンテーブルが回転し、セットされているサンプルチ
ューブ数とそのポジションが決定される。
29
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
• プライマリカルーセルが回転して、プライマリチューブがセットさ
れた場所とバーコードの有無をチェックします。バーコードラベル
が存在しない場合、ソフトウェアはユーザにコード入力するように
促すか、サンプルID は無いままで開始するか問い合わせてきます。
• 浸透圧計ターンテーブルがサンプルカップのある最初のポジション
まで移動(回転)する。
• プライマリカルーセルは、ピペッターがサンプル吸引する最初の
プライマリサンプルチューブの場所へ移動(回転)します。
• バーコードスキャナがプライマリサンプルチューブのラベルを読み
取り、メモリに保存されます。
ヒント A2Oは測定するサンプルの吸引直前にプライマリチューブの
バーコードを読み取り、正しいサンプル ID が測定結果ととも
にデータベースに保存されます。
• ピペッターはテストされる最初のプライマリサンプルチューブの上
まで移動します。
• ピペッターはサンプルの表面を感知するまで下降し、その位置から
更に決められた距離を下がってテストに必要な量のサンプルを吸引
します。
• ピペッターが上がり、最初の空のサンプルカップまで浸透圧計モジ
ュールを移動します。
• ピペッターが下降して、サンプルチューブに100μL のサンプルを
分注します。
• 浸透圧計ターンテーブルは、サンプルチューブを測定のためにクー
リングチャンバへ移動させ測定を開始します。
• ピペッターは、クリーニングステーションのクリーニングチャンバ
ーの中へ移動します。
• プライムポンプは、ピペッター内の余ったサンプルをクリーニング
ステーションに排出し、システム溶液がピペッター内に残ったサン
プルの残滓を洗い流します。
• 浸透圧計モジュールは、サンプルの浸透圧測定を終了後、サンプル
プローブクリーニングポジションまで回転し、ワイパーリングに
穴が開くようにプローブを下げる。
30
装置の操作
• 浸透圧計サンプルプローブがワイパーリングから引き上がる。ター
ンテーブルが、ピペッターの分注ポジションにある次に測定可能な
サンプルカップのポジションまで回転する。
• 浸透圧計は、タッチスクリーンディスプレイに結果を表示する。
• ピペッターはクリーニングステーションから上昇し、次のテストの
ためにプライマリカルーセルが次のプライマリサンプルチューブの
ある場所まで回転します。
• プライマリカルーセルにある全てのサンプルを測定し終わるまで、
サンプル測定とクリーニングは続けられます。
サンプルの準備
ヒント 浸透圧計で使用するプラスチックサンプルチューブは、ディス
ポーザブル製品で、1 回測定したら破棄してください。測定中
にサンプルの状態変更として核形成させるようなメカニカルイ
ンパクタ(機械的衝撃)を与えると、プラスチックチューブを変
形させ亀裂させます。クラックのあるサンプルチューブを再使用
すると、クーリングチャンバ内部にサンプルが漏れてしまい、
クーリングチャンバが汚染され、不正確な測定結果やエラーを
与えることにもなります。
血清をサンプルとする場合には特別な準備を必要とはしません。尿のよ
うな他の体液をサンプルとする場合でも直接測定することが可能です。
ただし、20[mPas(ミリパスカル秒)]もしくは20cP (センチポアズ)
〔mPas = 0.001Pas = 0.01P = cP〕以上の粘度を有するサンプルについ
ては、適切に希釈して測定下さい。希釈せずにダイレクトに測定を行な
うと、ピペッターの処理能力などに悪影響を与え測定結果に影響を及ぼ
します。A2O によって高粘度性のサンプルを測定する場合は、水などで
希釈し測定結果に希釈率を適用する、という選択肢もあります。
セパレータゲルを含む採血スピッツを使用する場合、ゲル上部のサンプル
量が表 2 の必要最小量以上であることを確認してください。ピペッター
先端をゲルと接触させてはいけません。ピペッター先端がゲルと接触す
ると、浸透圧の測定結果に影響を与えます。もしも接触した場合は、
ピペッター内のゲルをシステム溶液でフラッシュし、外側を70%のイソ
プロピルアルコールで清拭して下さい。
31
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
再現性に関するヒント
1. サンプルチューブが清潔であることは、再現性にとって非
常に重要なことです。常に清潔である事が確認されたサン
プルチューブを使用して下さい。
2. 測定を行なう前のサンプルの取り扱いは同じ手順で行なっ
て下さい。標準液とリファレンス液も未知サンプルと同様
に取り扱います。
3. サンプル間でのコンタミとサンプルの蒸発を防止するため
に、A2Oにセットする前に各サンプルにカバーをしておき
ます。
4. 繰り返し測定する場合には、新たに同じプライマリチュー
ブから分注して下さい。
5. 連続測定時における最初のサンプル測定の結果は、温度の
コンディションやプローブのコンタミにわずかながら影響
を受けるかもしれません。同一サンプルにおけるアリコー
ト測定の結果は、付録B の仕様の範囲内であるべきです。
6. 時としてサンプルの測定結果に疑問が生ずる場合、装置には
問題がなく再現性のある測定結果をもたらしている限り、
明らかに矛盾している測定結果は破棄し、再度測定を試み
ます。
7. 較正標準液、リファレンス標準液、またはコントロール液
の臨時サンプルが範囲外の結果を出した場合、新に開封し
た容器の同一処方液から別のサンプルを得て測定します。
8. サンプルチューブとサンプルプローブのワイパーリングは、
再使用しないで下さい。一度使用したら、捨ててください。
32
装置の操作
ヒント
• 脱イオン水のように誘導率特性が極端に低い液体を測定する時に
は、溶液レベルセンサが確実にレベルを感知するために、チュー
ブの容量のぎりぎりまでサンプルを入れて下さい。
• アンプル中のサンプルを測定する際、適切な溶液レベルを確実に
検出するには、汚れのない布または綿棒で、アンプル開口部に
ある液体膜を注意深く取り除きます。
粒子状物質やある種のバクテリアなどは、フリーズ後の凝固化を早める
傾向となる可能性があります。血液においては、遠心分離を行なうこと
でそのような物質を除去することが可能です。尿サンプルの場合でも、
遠心分離を行なうか不活性フィルタに通過させれば、粒子状物質などは
除去することが可能です。
毎日の較正の確認
大抵の測定装置と同様に、浸透圧計は標準液(標準溶液)で較正する
必要があります。A2O は工場で較正されています。プローブと較正パラメ
ータが不揮発性メモリに保存されています。そのため、「待機中」が表示
されると、ご使用の A2O 浸透圧計は較正され、運転準備が整います。
しかし、較正は、操作中常に確認し、較正に影響するパラメータが変化
しなかったことを確認する必要があります。(再較正が必要な場合は、
第 4 章をご覧ください)。
ヒント ご使用装置の精度を確認するには、記録可能な範囲での値の判
っているサンプルを測定して下さい。(すなわち、Clinitrol™
290 mOsm/kg、Protinol® タンパク質ベースのコントロール、
Renol™ Urine 浸透圧コントロール)
サンプル測定手順
浸透圧未知のサンプルを測定するには以下のような手順をお勧めします。
1. 測定する未知サンプルに近いと予想される氷点を有するリファレン
ス液または NaCl 標準液を選択します(血清には、Advanced
Clinitrol™ 290 リファレンス溶液をお勧めします)。選択した溶液
アンプルを回転させるように振ってから注意深く開封します。
付属のアダプタの 1 つを使って、アンプルをプライマリカルーセル
内にセットします。
33
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
2. 測定しようとするサンプルを含むチューブをプライマリカルーセル
内にセットします。
3. テストを実行する際、より適切な較正範囲を選択します(第 5 章
参照)。予想する氷点が 2000-4000 mOsm 範囲であれば、全範囲
を選択してください。
4. スタートボタンを押します。
STAT サンプル測定の実施
1. メインスクリーンで STAT ボタンを押します(図 14)。
2. A2O がプリマリカルーセルを回転させ、浸透圧計の正面にチューブ
ホルダーの 1 つを移動させます。続いて、サンプルチューブを選択
したチューブホルダーにセットするように指示がでます。チューブ
をカルーセル内にセットし、待機中ボタンを押します。
3. 浸透圧計ターンテーブルにきれいなサンプルチューブがないと、A2O
はターテーブルを再セットするようにメッセージが表示されます。
このメッセージが表示されたら、ターンテーブルにチューブを再装
填した後、待機中ボタンを押します。
4. 続いてA2O は、サンプルチューブが正しいポジションにあるかを検
知できるポジションまで、プライマリカルーセルを回転させます。
A2O は、サンプルチューブのバーコードを読み取るように設定され
ている場合、この時点でバーコードを読み取ります。
5. A2O が正しいチューブホルダーにプライマリチューブを検知しない
場合、ステップ 2 の動作に戻ります。
6. A2O はバーコードを読み取るように設定されているが、プライマリ
チューブのバーコードを読み取れない場合、マニュアルでバーコー
ドを入力するように指示されます。
34
装置の操作
サンプル測定エラー
時折、測定が正常に終了しないとA2O はエラーメッセージを表示します。
個々のメッセージの説明は、本ユーザガイドの最後にある付録 A トラ
ブルシューティングリストを参照してください。
ヒント 全範囲 を使って低浸透圧のサンプルを測定する際、サンプル
の予備凍結による誤差が報告される場合、低範囲に切り替え、
別のサンプルを測定してください。
操作設定の変更
ご使用のA2O 出荷時にデフォルトパラメータに設定されています。
第 5 章に説明のある、測定のセットアップとシステム構成スクリーン
を使って、ユーザが頻繁に使用するための特定のパラメータに変更する
ことが可能です。
ヒント 測定のセットアップとシステム構成ョンスクリーン 上の数個
のボタンは、監督者モードでなければアクセス不可能です。
35
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ヒント:
36
3 標準液と品質管理
再現性(精度)と正確度(確度)
装置の品質に対する 2 つの重要な指標が再現性と正確度です。
再現性は「繰り返し性」とも、「精度」とも言われます。記述の
ように、再現性は殆どすべての測定様式で不可欠であり、正確性
への基本です。再現性は正確度ではありません。正確度の基礎を
なすものです 再現性は、同一サンプルを、完全に同一条件で
何回も測定しても、同一結果が得られる方法の指標です。
再現性つまり精度は、一連の測定値が平均値付近に正規分布す
る標準偏差(S.D.)として通常測定されます。平均の ±1 S.D. とは
測定値の 68% が収まる値の範囲を意味し、±2 S.D.とは 95%
が収まる範囲です。
これに比べ、精度は、方法または測定装置が 「真」 の値にどれ
だけ近い値を出せるかの指標です。装置は不正確に繰り返される
可能がありますが、再現性がなければ正確にはなり得ません。
標準液とコントロール液
全ての測定において結果が正確であるためには、最終的に非常に
信頼性の高い独立した標準をリファレンスにする必要があります。
アドバンス浸透圧計は、未知溶液の予想される氷点を挟む、前後
の既知氷点を有する安定した塩化ナトリム溶液で較正されてい
ます。これらの標準液は希釈溶液の氷点を基に選択されています。
標準液は、米国標準技術局(旧米国標準局)に準拠しています。
アドバンス社も、健常血清の浸透圧付近で、浸透圧計の正確度
37
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
をチェックするために、Clinitrol™ 290 mOsm/kg H2O リファレンス液、
すなわち塩化ナトリウムリファレンス液を使用し提供しています。
浸透圧未知の生体溶液を測定する場合、浸透圧既知の類似で模擬の生
体溶液を使って浸透圧計をチェックする必要があります。数種のコン
トロールが市販されており、貴実験室で指定されているかもしれませ
んが、アドバンス社では、Protinoll® タンパク質ベースのコントロール
または Renol™ 尿浸透圧コントロールを使用することを強くお勧めし
ています。これらの製品は、特に浸透圧計用にデザインされており、
血清と尿サンプルではベストなシステム性能を確約いたします。
担当のアドバンス社代理店に連絡して、Protinol® と Renol™をご購入
ください。ガイドラインと要件については専門団体と規制当局に問い
合わせて、本書の推奨事項を参照してください。
A2O 用に調製された較正標準液とコントロールには、プライマリカル
ーセルのアンプルを保持するアダプタまたはバイアルに貼ってあるいず
れかのラベルに、そのバーコード ID が付いています。これらの溶液を
A2Oで測定する際、この装置はバーコードを読み取り、そして標準液ま
たはコントロールの型番と公称値をデータベースに保存される記録内に
自動的に含めます。
標準液の管理
標準液の正確度に疑いがあると、測定正確度への信頼性も失います。
アドバンス浸透圧計標準液は非常に精密な許容差で処方されています。
アドバンス 浸透圧計用の塩化ナトリウムベースのリファレンス液と
較正溶液は、ガラスアンプルに封入されており、移動または保管中変化
する可能性がないと保証されています。しかし、新たに受け取ったロッ
トからサンプルを測定し、参照用に測定結果の記録を保持することをお
勧めします。
38
標準液と品質管理
品質管理の実施
アドバンス社は、最終的に各実験室で、独自の品質管理手順と実施規範
を決めることを認めています。以下の推奨事項はA2O にお勧めする品質
管理の最低要件です。
1. 実際にできるだけ近い状態で、ユーザガイドの操作法と推奨事項を
読み、理解し、それに従ってください。
2. 毎回の測定前に、少なくとも2 種類の標準もしくはコントロールを
測定し、再現性と直線性をチェックしましょう。必要に応じて貴施
設にて必要条件とされている追加的な確認事項やその手順に従って
下さい。
3. 前章に再現性のヒントを明確に記述してあります。可能な範囲で、
再現性ヒントのセクションに記載されている提言に従ってください。
4. ご使用の装置が正確であるかを決めるには、正確に知られている
標準液を測定します。ご自身の分析結果を、標準液に特定の公称値
と比較します。容認できない不正確性を直すには、第 4 章に記載のよ
うにご使用の装置を再較正します。不要な再較正を頻繁にすると、
不正確となります。氷点浸透圧計を良好な状態で、適切に操作し
較正すると、シフトやドリフトはありません。
5. 貴施設と規制当局の品質管理要件に従ってください。
6. A2O の適正な操作、結果のレポート、優良試験室基準を維持するた
めに、アドバンス社は次のスケジュールで品質管理のためのマテリ
アルを使用することをお勧めします。
a. Clinitrol™ 290 リファレンス液(基準溶液)サンプルを、毎日、
シフト毎、またはシステムの各使用時に使用して、装置が正確
で再現性があることを確認する。
b. 貴実験室でマトリックスに基づくコントロール液の使用を求め
られた、毎日、シフト毎、またはシステムの各使用時に
Protinol® タンパク質コントロールおよび Renol™ 尿浸透圧コ
ントロール を測定し、精度をモニターし、患者結果に結びつい
た監査証跡を作成する。
c.
貴実験室でシステムの直線性確認を求められたら、5 レベルの
浸透圧直線性セットを使って直線性を確認する。
39
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ヒント:
40
4 較正
この章では、ご使用の機器を較正する手順について説明します。
較正の手順について疑問または問題がある場合は、第6章—
トラブルシューティングとサービスを参照してください。
較正手順
A2O の較正は全自動です。以下で推奨した手順に従って、較正を
選択し、選択範囲に必要な各較正標準の氷点測定を開始するだけ
です。
必要な較正標準は以下のとおりです。
低範囲:
100、900、および 2000 mOsm/kg H2O
全範囲:
100、900、2000 および 3000 mOsm/kg H2O
A2Oによる内部較正は、各範囲について 2 段階で実施します。
最初に、各較正標準の氷点測定値の単純な平均値を計算します。
次いで、必要な変換を行います。各範囲は独立して較正されます。
第 2 章で推奨しているように、較正を頻繁にチェックしてく
ださい。しかし、較正が十分な場合再較正しないでください。
再較正を頻繁にする必要はありません。氷点浸透圧計を良好な
状態で、適切に操作し較正すると、シフトやドリフトはありま
せん。
低範囲および全範囲とも出荷時に初期較正されています。
A2O は、サンプルプローブまたはブロックプローブの抵抗が変
化した時、またはその他のサービスが実施された時は必ず
再較正をする必要があります。
41
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
較正手順を開始する前に、以下の作業が完了しているか確認してくだ
さい。
• きれいなサンプルチューブが浸透圧計ターンテーブルにセットされ
ている。
• ワイパーリングとワイパーリングカバーが浸透圧計ターンテーブル
に取り付けてある。
• 測定中クリーニング溶液を受け取るために、廃液 ボトルが空である
か、または十分な空き容量が残っている。
• システムを操作するのに十分なシステム溶液がある。
• 較正に使用するアンプルを保持するアダプタが、プライマリカルー
セルにセットされている。必要な較正標準のアンプルが開封され
アダプタにセットされている。
注意
アンプル中のサンプルを測定する際、適切な溶液レベルを確実
に検出するには、汚れのない布または綿棒で、アンプル開口部
にある液体膜を注意深く取り除きます。
• 較正アダプタのバーコードラベルが、外向きでチューブホルダー
スロット内で見えるようなポジションにある。
• フロントドアが閉じている。
本製品を較正するには以下のステップに従います。
1. タッチスクリーンまたはキーパッドを使い、メイン、メニュー、
較正の各スクリーンにナビゲートします(図 12) 。
2. 較正範囲(低範囲 または 全範囲)を選択し、実行 ボタンを押します。
3. 適切な較正剤を適切なポジションに挿入する指示が出されます。
較正標準のバイアルまたはアンプルアダプタをプライマリカルーセ
ルのポジションに挿入します。較正標準をアダプタに挿入します。
すべてのバーコードが、プライマリカルーセルまたはアダプタの
スロット内で見えることを確認します。
42
較正
図12: 較正 スクリーン
4. 較正剤が正しいポジションにあることが装置によりチェックされ
ます。
5. 較正剤が正しく確認されると、装置は各プライマリチューブの測定
を自動的に 5 回繰り返します。
6. 較正の通常作業が完了すると、較正の更新ステータス較正OKが表示
されます。なんらかの理由で、較正がうまく終了しなかった場合、
または未完了であった場合、前の較正ステータススクリーンが表示
されます。
7. 低濃度較正を確認するには、Clinitrol™ リファレンス液(290)のサン
プルを測定します。全範囲を確認するには、1500 mOsm 較正標準
のサンプルを測定します。
較正のヒント
•
A2Oは、再較正が終了し「較正終了」が表示されるまで前の較正デー
タを保持します。
•
必要な較正標準を正しい順にプライマリカルーセル内にセットする
のは、オペレータの責任です。
43
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
•
較正中に停止を押すと、現在の較正測定がキャンセルされます。
停止 を1 秒間押すと、較正はキャンセルされ、前の較正が保持され
ます。
•
較正操作が進行中は、較正測定のみ実施可能です。リファレンス液、
コントロール、または未知サンプルの測定は、通常のテストモード
で実施する必要があります(第2章参照)。
•
装置は、各標準レベルで殆どの反復測定を成功させるはずです。
装置は 1 つ または 2 つのエラーが発生しても、較正を繰り返します。
これらのサンプルの再現性が容認できる場合、装置は自動的に内部
較正を実施します。較正がうまくいくと、「較正終了」のメッセー
ジが表示されます。
ヒント ブロックプローブまたはサンプルプローブの抵抗を変えると、
「再較正が必要です」のメッセージが表示されます。表示され
た指示に細心の注意を払ってください。上述とは僅かに異なる
手順の実行が要求されます。
44
5 ユーザインタフェイス
A2Oグラフィカルユーザインタフェイス
A2O グラフィカルユーザインタフェイス(GUI)は、ラボなど
での使用を簡単にするためにデザインされています。タッチス
クリーンディスプレイの大きなボタンは、グローブをはめた手
でも正確に反応します。また、全てのオペレーションはタッチ
スクリーンとキーパッドによって機能します。タッチスクリー
ンが反応しない場合でも、キーパッドが機能を補っています。
キーパッド左側の 4 つのボタン(図 13)は、GUIのメインスクリ
ーン(図 14)のボタンと対象の位置にあります。これらの4 ヶの
ボタンはGUI のボタンと同じ機能です。キーパッドの右上の枠
で囲われたセクションはプリンタに関連したセクションです。
大きいボタンは、用紙送りドボタンで、押すと用紙が進みます。
用紙送りボタン右側のインジケータは、プリンタドアが開くと
点灯します。
プリンタ機能
ボタン
インジケータ
停止ボタン
スタートボタン
ナビゲート
ボタン (4)
STAT サンプル
ボタン
入力ボタン
メニューボタン
電源
インジケータ
図13: キーパッド
45
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
チューブ保持ボタン
システムステータスインジケータ
停止ボタン
プライマリ
カルーセルの
ディスプレイ
スタートボタン
STAT サンプルボ
タン
溶液レベルボタ
ン
測定情報表示エリア
メニューボタン
測定インジケータボタン
図14: A2O メイン操作スクリーン
最も右側のインジケータは、プリンタ用紙が無くなると点灯します。
4 つの矢印キーと中央の緑色ボタンは、GUI スクリーンをナビゲートを
するために使用されます。矢印キーでは、スクリーン上の任意のボタン
もしくはコントロールをアクティブにすることができ、アクティブな状
態のアイテムは白色のテキストで表示されます(例; グリッド選択時の表
示はカラムヘッダが白色のテキスト表示)。シングルアクションがアク
ティブアイテムにとって可能であれば、中央の緑色のボタンを押して実
行させることができます。
GUI は、「ツリー構造」でレイアウトされた一連のスクリーンから構成
されています。使い易さのために、特定のスクリーンは関連するスクリ
ーンにショートカットできます。メニュースクリーンでは、他の6 ヶの
スクリーンにアクセスすることができます(図 15)。各スクリーンのボ
タンは色分けされています(例、較正ボタンは緑色)。他のいずれのスク
リーンから、較正スクリーンへのショートカットは緑色となります。
ボタン上のテキストは通常黒色ですが、このボタンの機能がアクティブ
になると白色に変わります(前述のとおり)。ボタンのテキストが灰色の
場合、ボタンは無効です。なぜならば、そのボタンには機能がないか
監督者モードでないと機能しないからです。
装置にはログインスクリーンはありません。ただし、データの保存やよ
り高いレベル(監督者モード)へのアクセスを行なう時には、ユーザ名と
46
ユーザインターフェイス
図15: メニュースクリーン
必要であればパスワードを要求されます。ユーザ ID が必要 (本章の後
で記載の測定設定スクリーン のセクションを参照) がチェックされて
いる場合は、テスト開始時にユーザ名を入力するよう要求されます。
また、ユーザアカウントのパスワードを要求するように設定することも
できます。いくつかのシステムファンクションは、監督者モードからし
かアクセスできないように保護されています。大抵の場合、監督者モー
ドでなければチェックボックスは使用できません。そして、ユーザ名と
場合によってはパスワードを、その後に入力する必要があります。チェ
ックボックスがクリアされるか、あるいは閉じるボタンが監督者モード
で入力されたスクリーンから離れてナビゲートするために使用されるか、
のいずれかになるまで監督者モードはアクティブな状態のままです。
メイン操作スクリーン
装置を最初にオンにする時、メイン操作スクリーン (図 14)が表示され
ます。
プライマリカルーセルのディスプレイ
このスクリーンの左側は、プライマリカルーセルの情報を表示しています。
円形のイメージは20 ヶのプライマリチューブにおけるそれぞれの位置
を示しています。プライマリチューブの状況は、表4 で記述されている
ように色分けされて表示されます。
47
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
プライマリチューブカラー
灰色
白色
黄色
緑色
赤色
チューブ状態/条件
チューブなし、未知チューブあり
サンプリングを待機中
現在サンプル測定中
サンプル測定完了
測定中にエラー発生
表4: プライマリチューブのステータスインジケータ
プライマリカルーセルディスプレイは、その情報がテキストによって
2箇所(上下)に表示されています。テストインフォメーションエリア
の上の部分には、既知であれば、現在選択されているプライマリチュー
ブのナンバとバーコードID が表示されています。はじめに、選択されて
いるチューブは、現在A2O が実行しているチューブです。しかしながら、
20 ヶのプライマリチューブのアイコンもしくはキーパッドの矢印キーの
いずれかを押せば、そのプライマリチューブを選択します。バッチテス
ト中に選択されたプライマリチューブは、A2Oの選択されたプロトコール
を介してテストが行なわれます。ディスプレイのいずれかのチューブを
タッチして選択すると、そのアイコンの廻りが黒色で縁取られます。
テキストのボタンセクションには、現在使用しているテストのプロトコ
ールと測定範囲に関する情報が表示されています。本章で後述されるテ
ストセットアップスクリーンの項でテストのプロトコールと測定範囲を
参照して下さい。
A2O がプライマリチューブを 1 回反復測定した後、その反復結果がプラ
イマリカルーセルディスプレイの中央に表示されます。上述のように、
そのチューブイメージを選択して、別のプライマリチューブの結果を
見ることができます。
システムステータスインジケータ
システムの状況は、停止ボタン左側にある四角い枠の色によって表示
されます。その領域の背景カラーは変更できます。バックグラウンドカラ
ーが赤色の場合、何らかのエラーが発生していることを示しています。
停止ボタン
ボタンを押すと、バッチテストまたはスタットテストが完全に中止となり
ます。
48
ユーザインターフェイス
•
ピペッター、プライマリカルーセル、または浸透圧計のターンテー
ブルが作動中であれば、すべての動作が直ちに停止します。
•
浸透圧計モジュールがその時点でサンプルを測定中であれ、その測
定を継続します。その測定の終了時に、プローブがサンプルチュー
ブから持ち上がり、ワイパーリングによりプローブが清掃されるよ
うに、ターンテーブルが回転します。
注意
•
停止ボタンを押した後すぐに浸透圧計のターンテーブルを移動
させないでください。停止ボタンを押すとすべての機械的動作
は停止しますが、サンプル測定はまだ進行している可能性があ
ります。測定進行中にターンテーブルを移動させようとすると、
サンプルプローブに損傷を与えるかもしれません。測定が完了し、
ターンテーブルを移動させる前にサンプルプローブがワイパー
リングで清掃されるまで待ってください。
ある種の条件下では、ピペッターはクリーニングステーションまで
移動し、クリーニングサイクルを完了します。
停止 を押した後、他にいくつか測定しなければならないチューブが残
っていたら、オペレータは測定手順を再開しなければなりません。
ヒント 緊急事態などで装置の操作を急停止する必要がある場合、電源
スイッチをオフのポジションにします。
スタートボタン
スタートボタンを押すと、バッチテストを開始します。テスト方法が設
定されているプロトコールに応じて、プライマリカルーセルのスキャン
が最初に行なわれます。バーコードすべてが正しく読み取られると、
オペレータの介入なしに測定が開始されます。その他のケースにおいては、
メッセージ画面が不足している情報や問題などをオペレータに知らせます。
サンプル ID が不明な場合、テキスト入力場面から入力できます。
STAT ボタン
STATボタンは、1 本のプライマリチューブの測定を開始します。
プライマリカルーセルにチューブがセットされていない場所をスキャン
し始めます。開いている場所がなければ、どれかのプライマリチューブ
と交換して下さい。メッセージスクリーンがプライマリカルーセルのど
のポジションを使用するのかオペレータに知らせます。チューブが挿入
されたら、メッセージスクリーンに表示されている待機中ボタンを押して
下さい。このボタンは、システムの準備が整った「待機中」状態の時、
もしくはバッチテストの実施中に使用することができます。
49
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
メニューボタン
本章の後のページに記載のように、メニューボタンは、メニュースクリ
ーン(図 15) を表示させる機能があります。
チューブ残存ボタン
チューブ残存ボタンは、によって、未使用で残っている浸透圧計サンプ
ルチューブの数が表示されます。ボタンが押されると、図 16 の表示に
なります。サンプルチューブディスプレイは、プライマリカルーセル
ディスプレイとよく似ていますが、空のサークルはサンプルチューブが
セットされていないことで、緑色のサークルは未使用を、灰色のサーク
ルは使用済みチューブをそれぞれ意味しています。ターンテーブルスク
リーンの再装填ボタンは、ターンテーブルのスキャンを開始し、使用可
能なサンプルチューブを見つける機能があります。このスキャンは未使
用か使用済みのチューブであるかの区別はできないので、再装填ボタン
を押す前に浸透圧計ターンテーブルにセットするすべてのサンプルチュ
ーブは未使用のものをセットして下さい。
溶液レベルボタン
溶液レベルボタン内のアイコンは、ボトル中に残っているシステム溶液
のおよその量を表示します。ボタンを押すと、溶液レベルスクリーン
(図 17)が表示され、システム溶液とウエイストボトルのそれぞれの量を、
図16: 残りのサンプルチューブ
50
ユーザインターフェイス
測定した回数からシステムが算出して表示します。システム溶液を新し
くしたり廃液ボトルを廃液した場合には、それぞれのリセットボタン
を3 秒以上押して溶液レベルをリセットして下さい。システム溶液を
交換した場合や流体回路が空の場合にはプライミングボタンを押して
流体回路にプライムして下さい。
ヒント ボトル内のシステム溶液の残りがおよそ50mL になると、A2O は
メッセージを表示しますので新しいボトルを用意して下さい。
このまま測定を続けてボトルの残存液が約 20 mL になると、
ソフトウェアが2番目のメッセ-ジを表示します。この時点で
、第 1 章、ステップ 9 の記載に従って、ボトルを交換し溶液
レベルをリセットする必要があります。
ヒント 廃液 ボトルの内容量がおよそ900mL になるとメッセージが表
示されますので、中身を廃液する廃液 コンテナなどの準備をし
て下さい。ボトルの残存液が約 950 mL になると、ソフトウェ
アが2番目のメッセ-ジを表示します。この時点で、第 1 章、
ステップ 9 の記載に従って、ボトルを空にして溶液レベルをリ
セットする必要があります。
図17: 溶液レベルスクリーン
51
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
測定インジケータボタン
測定インジケータボタンの矢印は測定中に動きます。
メニュースクリーン
メニューボタンを押すと、ディスプレイは上述のように変化します
(図 15)。スクリーン上の 6 つの大きいボタンのどれかを押すと異な
るスクリーンが表示されます。これらの各スクリーンの詳細な説明につ
いて、以下のセクションをご覧ください。
測定セットアップスクリーン
テストセットアップスクリーン (図 18 )は、テストに関するパラメータの
セットアップができます。スクリーンの実際の外観は、「指定プロトコー
ル」が有効になっているかどうか、によって異なってきます。このスクリ
ーンの設定を変更すると、指定プロトコールとして保存されます。
測定プロトコールのドロップダウンメニュー
便宜上、指定した設定の組み合わせを「指定プロトコール」 として保
存でき、測定プロトコールのプルダウンリストから、セーブされたプロ
トコールを呼び出すこともできます。呼び出した時は関連するパラメ
図18: 測定セットアップスクリーン
52
ユーザインターフェイス
ータがスクリーンに表示されます。オペレータが構築したカスタムプロ
トコールに加え、A2Oには、基本的なプロトコールで使用できるセット
も内蔵されています。 内蔵プロトコールは、リスト中の名前の前に“•”
が付いて表示されます。
保存ボタン
保存ボタンを押すことにより、「指定プロトコール」に加えられた変更を
保存できます。ただし、内蔵プロトコールは変更やセーブは無効です。
名前を付けて保存ボタン
名前を付けて保存ボタンを押すと、このスクリーンで変更された設定を
「指定プロトコール」として保存されます。新しいプロトコール名を
入力するために、テキスト入力スクリーンが表示されます。
削除ボタン
削除ボタンを押すと、「指定プロトコール」を消去することができます。
内蔵のプロトコールは、テストコンフィグレーションスクリーンの内蔵
プロトコールの削除可能ボタンにチェックが入っている時のみ、削除が
可能です。
監督者モード
テストコンフィグレーションスクリーン(図19)の監督者のみ変更可
能ボタンにチェックが入っていれば、“テストセットアップスクリーン”
上における任意の変更を行なうためには監督者モードボタンにチェッ
クが入っていなければなりません。このボタンを押すことにより、
ユーザネームとおそらくパスワードを入力するために、テキスト入力
スクリーンが表示されます。
1サンプル当たりの分注回数
サンプルを含む各プライマリチューブの何回分注して測定を行うか指定
します(すなわちリファレンス液もコントロール液も不含)。
1 コントロール当たりの分注回数
コントロール液やリファレンス液が入っているそれぞれのプライマリチ
ューブから、何回分注して測定を行なうかを指定します。
測定範囲
このセクションの 2 つのボタンを使用して、すべての測定の範囲(低範
囲または全範囲)を選択します。装置は選択した範囲で較正されなけれ
ばなりません。選択した範囲は測定すべてに適用され、指定プロトコー
ルに対する特定な設定としては保存されません。
53
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図19: 測定設定スクリーン
A2O には、次の 2 つの測定範囲があります。
低範囲 0 ~ 2000 mOsm/kg H2O
全範囲 0 ~ 4000 mOsm/kg H2O
貴実験室のA2Oを使用する計画を立てている場合、両範囲を評価して使
用目的に最も適切な範囲を選択してください。
低範囲は、測定する浸透圧が常に 2000 mOsm 未満であることが予測
される臨床応用やそれに類する用途を目的としています。全範囲は、
2000 mOsm を超える浸透圧が測定可能ですが、有意に異なる浸透圧を
有している測定サンプルに対し、範囲を変更したくない場合、低浸透圧
値にも全範囲が使用できます。
A2O は、低範囲または全範囲のどちらでも測定可能な測定サンプルにつ
いて、どちらで測定しても同様な結果を与えるようにデザインされてい
ます。低範囲は狭い範囲内でサンプル用に最適化されているので、この
範囲を使用して得た結果は、測定を全範囲で実行して得た結果に比べ、
より正確であり得ると言えます。全範囲は 0~4000 mOsm の全範囲で
公表された仕様値以内の結果を与えるように最適化されているので、
0 ~ 2000 mOsm範囲内の特定時の結果は、低範囲の結果を使って得た
結果ほど正確ではないことがあります。
54
ユーザインターフェイス
使用する際に、測定する浸透圧が未知数のサンプルはどちらの測定範囲
が最も適しているかを判断する方法として、浸透圧の値が判っているコ
ントロール液や標準液などを両方の範囲で測定し、測定範囲を決定して
下さい。
構成
本章の後で説明されているように、テストコンフィグレーションスクリ
ーン(図 19)を表示させます。
コントロール液
本章の後で説明されているように、コントロールソリューションスクリ
ーン(図 21)が表示されます。
プロトコールログ
本章の後で説明されているように、プロトコール変更のログが表示され
ます。
サービス連絡先
本章の後で説明されているように、サービス連絡先スクリーン(図 38)が
表示されます。
測定設定スクリーン
ユーザ ID が必要
このボタンにチェックが入っていると、いくつかの種類のテストを開始
する時に有効なユーザ名を入力する必要があります。パスワードが有効
になって入れば、その入力も必要となります。STAT 測定には、これと
は別のユーザ名を使用します。
サンプル ID が必要
このボタンにチェックが入っていると、いくつかの種類のテストを開始
する前に、それぞれのプライマリサンプルチューブに個別の識別子を入
力する必要があります。このID を入力させるために、バーコードスキ
ャナは使用されるかもしくは使用されないことを、以下で説明します。
チェックが入っていない場合のID は、「チューブ X」のように、X を
測定開始から一連の番号として規定します。
55
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
全サンプル ID のプリエンター
このボタンにチェックを入れることにより、テスト開始のスタートボ
タンを押すと特別なスクリーン(図-20)が表示されます。D を入力する
には、チューブのアイコンをタッチするとテキスト入力スクリーンが
表示されますので、このスクリーンで入力します(本章の後にあるテキ
スト入力スクリーンの説明をご覧ください)。このモードでは、ID が
入力されていないプライマリサンプルチューブの測定は
されません。全部のIDを入力したあとで終了ボタンを押すか、測定を
キャンセルするにはキャンセルボタンを押して下さい。キャンセルボタ
ンを押したとしても、再度スタートボタンを押せば既に入力されたID
はシステムが記録します。このボタンは、以下に説明するようにバーコ
ードリーダーをオンボタンとは併用できません。
バーコードリーダーをオン
このボタンにチェックが入っていれば、内部のバーコードリーダがシス
テムに存在する全てのプライマリチューブのID を読み取ります。バーコ
ードが見つからない場合、メッセージスクリーンがその情報を表示し、
手動でID を入力するようにメッセージを表示します。
図20: サンプル ID の予備入力
56
ユーザインターフェイス
指定プロトコールの使用
このボタンにチェックを入れると、指定プロトコールがアクティブにな
ります。測定セットアップスクリーンのドロップダウンメニューで
「指定プロトコール」を選択しなければなりません。このボタンを選択
していなければ、”テストセットアップスクリーン”の設定はまだ使用可
能です。この場合、テストプロトコールのドロップダウンメニューと
保存、名前を付けて保存、および削除ボタンは表示されません。
内蔵プロトコール削除の許可
このボタンにチェックが入っていると、いずれかの内蔵プロトコールが
削除される場合があります。
内蔵プロトコールの回復
このボタンには、削除された全ての内蔵プロトコールをリストアする
機能があります。
監督者のみが変更可能
このボタンにチェックが入れられた時のみ、監督者グループのユーザだ
けがプロトコールの変更を行なう事ができます。
サービス連絡先
本章の後で説明されているように、サービス連絡先スクリーン(図 38)が
表示されます。
コントロール液スクリーン
コントロール液スクリーン(図 21)は、システムに保存されているコントロ
ール液とリファレンス液(以下、コントロール液等という)を定義するため
に使用されます。A2O このボタンにチェックが入れられた時のみ、監督者
グループのユーザだけがプロトコールの変更を行なう事ができます。
スプレッドシート
定義されたコントロール液等の一覧表は、スプレッドシートで表示され
ます。フィールドとその定義は以下のとおりです。
• 名前: 結果の表示に測定したコントロール液等の名称が表示されます。
• バーコード: バーコードはサンプルチューブまたはアダプタに適用され
ます
• 予想値: 測定したコントロール液等の想定される値。これは、メー
カもしくはユーザによって行なわれた、多くの測定値の平均から表
示される数値です。
57
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図21: コントロール液スクリーン
• 限界値 (+/-): 期待値におけるおおよその1 つの標準偏差値。これは、
後述されているように許容範囲外の場合に任意のアクションを実行
するために使用されます。
コントロールの変更
コントロール液等を 1 つ選択し、コントロールの変更ボタンを押すと、
図 22 のようなスクリーンが表示されます。現在値の隣にある、修正ボ
タンを押すことにより、上述の 3 つのフィールド、バーコード、予想
値および限界値 (+/-) は、変更することができます。新しく数値を入力
するには、テキスト入力スクリーンで行ないます。
コントロールの追加
コントロールの追加ボタンにはテキスト入力スクリーンを使ってコン
トロール液等の名前を入力する事ができる機能があります。
その後、エディットコントロールスクリーン(図 22)が表示され、他の
項目を変更する事ができます。
58
ユーザインターフェイス
図22: コントロールの変更スクリーン
コントロールの削除
コントロール液等が選択された状態でコントロール削除ボタンが押され
ると、メッセージスクリーンが表示され、そのコントロール液等を削除
して良いかの確認を行ないます。注意すべきは、ローカルでのみ定義さ
れたコントロール液等が削除される可能性がある事で、スプレッドシー
トで選択された内蔵のコントロール液等については、削除ボタンが無効
となります。
コントロールチャート
コントロール液等を 1 つ選択し、コントロールチャートボタンを押す
と、Levey-Jennings チャート(図 23)スクリーンが表示されます。
そのスクリーンでは、予想値、限界値(+/-)、および選択した溶液の前の
結果を使用してその溶液の Levey-Jennings チャートが表示されます。
59
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図23: Levey-Jennings チャートスクリーン
限界値処理
限界値処理ボタンを押すと、アクションアウトオブリミットスクリーン
(図 24)が表示されます。コントロール液等の測定結果がその範囲外であ
った場合、どんな処置をとるかを設定するために使用できます。
図24: 限界外コントロールへの処理スクリーン
60
ユーザインターフェイス
なしを選択していると、処理されません。警告のみを選択していると、
メッセージスクリーンによってオペレータに注意を促します。装置停止
を選択していると、再度コントロール液等を測定するか、もしくは別の
ロットのものを測定する、あるいは他のアクションによってシステムの
コンディションが良くなるまで、当該測定は停止されます。
コントロールログ
コントロールログを押すと、コントロール液ログスクリーン(図 25)に、
コントロール液等への追加、削除および変更の処理リストのスプレッド
シートが表示されます。
サービス連絡先
本章の後で説明されているように、サービス連絡先スクリーン(図 38)
が表示されます。
図25: コントロール液ログスクリーン
61
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
較正スクリーン(図26)
ステータス
較正に関する現在の状態を、一行表示しています。この表示している
テキストのバックグランドの色も状況により変化し、赤色であればエラ
ーの発生を意味しています。
較正範囲
装置は、2 つの指定範囲(低範囲または全範囲)のいずれにおいても較正
できます。
最後の良好な較正
範囲がうまく較正できると、その較正の日付と時間を記載するテキスト
が実行ボタンの上に表示されます。
実行
実行ボタンを押す事により、プライマリカルーセルに指定された較正剤
(較正用アンプル)を、プライマリチューブホルダにそれ用のアダプタと
共にセットするような指示がメッセージスクリーンに表示されます。
メッセージスクリーンから較正を中止することも可能です。待機中ボタ
ンを押せば、システムは正しい場所に較正剤がセットされているかスキ
ャンを開始します。
図26: 較正スクリーン
62
ユーザインターフェイス
通知
通知 ボタンを押すと、較正セットアップの通知スクリーン(図27)が表示
されます。そのスクリーンは必要に応じて再較正の定期的な実施を促すア
ラームを設定する事ができます。上の 2 つのボタンを選択して、片方あ
るいは両方の範囲(低またはFull 範囲)について通知を設定できます。
画面の残りは少なくとも 1 つのボタンを選択しているときのみ有効です。
後で通知 コントロールは、通知から次の通知までの間の月数を設定しま
す。その数は 1 から 12 までです。通知の表示ドロップダウンメニューを
使用して、通知が表示される時を選択します。通知の表示は、「全てのテ
スト開始時」から「週に1 回」で選択できますが。初期設定は、「電源投
入時」になっています。通知は、適切な範囲が再較正されるか、通知スク
リーンに対応するボタンが解除されるまで表示され続けます。
較正剤グリッド
較正を実行する際、その進行状況は、実行ボタンの右側にあるグリッド
でモニターすることが可能です。表中のチェックマークは、対応する
反復測定がうまくいったことを意味します。赤い四角の内側にある “O”
は、エラーが起きたことを意味します。較正剤に2 ヶ以上のエラー表示
があると、較正を繰り返す必要があります。
図27: 通知スクリーン
63
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
停止ボタン
停止ボタンは較正手順を停止します。測定結果の無い未遂の較正は、
再度の較正に対して使用され、最後に完了した較正データが有効となり
ます。
較正ログ
図 28 の較正の前歴を表示するスクリーンです。スクリーンには前の較
正結果が表示されます。
スプレッドシートのフィールドには、 日付/時間、タイプ、結果、エラ
ー、ユーザ ID、 および期間があります。エクスポートボタンを押す事
によって接続されていればフラッシュメモリへ、もしくは内部メモリへ
CSV(Comma Separated Values:カンマで区切られたデータ)形式のデー
タとして保存する事が可能です。
サービス連絡先
本章の後で説明されているように、サービス連絡先スクリーン(図 38)
が表示されます。
図28: 較正ログ
64
ユーザインターフェイス
システム構成スクリーン
システム構成スクリーン(図29)を使用して、システムの一般的なオプシ
ョンを設定します。監督者モードボタンにチェックを入れてパスワード
を有効設定にすると、このスクリーンの殆どのアイテムはこれを起動
するために、ユーザネームとパスワードが必要となります。このスクリ
ーン上では監督者モードだけが有効となります。閉じるを押してシス
テムコンフィグレーションスクリーン を終了すると、監督者モードは
クリアされます。
言語ドロップダウンメニュー
使用する言語を選択し、 言語の変更はすぐに行われます。
ユーザ
本章の後で説明されているように、ユーザスクリーン(図 30)が表示
されます。
プリンタ
本章の後で説明されているように、プリンタセットアップスクリーン
(図 31)を表示させます。
図29: システム構成スクリーン
65
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
詳細
本章の後で説明されているように、ハードウェアの詳細スクリーン
(図32)が表示されます。
セルフテスト
本章の後で説明されているように、セルフテストスクリーン(図 33)が
表示されます。
タッチスクリーン
このボタンを押すと、タッチスクリーン上での向きと一の調整ができる
スクリーンが表示されます。スクリーンの指示に従って較正を実行して
ください。
日付/時間
本章の後で説明されているように、日付/時間スクリーン(図 35)が表示
されます。
LAN
本章の後および付録 E で説明されているように、プリンタセットアッ
プスクリーン(図 36)を表示させます。
LIS
本章の後および付録 E で説明されているように、LIS セットアップスク
リーン(図 37)を表示させます。
エラーログ
このボタンを押すと、すべてのエラーをリストしているスプレッドシー
トが表示され。エラーの説明と日付/時間のフィールドがあります。
エクスポートボタンを押す事によって接続されていればフラッシュメモ
リへ、もしくは内部メモリへCSV(Comma Separated Values:カンマで区
切られたデータ)形式のデータとして保存する事が可能です。
デーダベースのエクスポート
このボタンを押すと、装置に保存されているすべてのデータベースが、
USB に(挿入していれば) 、または装置内部メモリにエクスポートされ
ます。このデータベースを読めるのは、アドバンス社.のアプリケーシ
ョンのみです。診断のために、データベースを アドバンス社に送るこ
ともできます。
66
ユーザインターフェイス
構成のエクスポート
このボタンを押すと、内部構成パラメータが、USB に(挿入していれば)、
または装置内部メモリにエクスポートされます。このパラメータファイ
ルを読めるのは、アドバンス社のアプリケーションのみです。診断のた
めに、ファイルを アドバンス社 に送ることもできます。
データベースの消去
このボタンを押すと、メッセージスクリーンがすべてのデータベースを
消去するかの確認を聞いてきます。最高の性能を確保するためデータベ
ースは定期的に消去することが必要です。
バージョンの表示
このボタンを押すと、メッセージスクリーンがA2O のハードウェアおよ
びソフトウェアのバージョンを表示します。
シャットダウン
このボタンを押すと、メッセージスクリーンがA2Oシステムをシャット
ダウンするかの確認を聞いてきます。A2Oの電源をオフにする時は必ず
このボタンを使用してください。A2Oは最初にこのボタンでシャットダ
ウンし、次いでこのメッセージスクリ-ンが表示されたら電源スイッチ
をオフにします。
サウンドオン
このボタンにチェックが入っていれば、オペレータに注意を引きつける
ためのビープ音を鳴らすことができます。
サービス連絡先
本章の後で説明されているように、サービス連絡先スクリーン(図 38)
が表示されます。
ユーザスクリーン
ユーザスクリーン(図 30) は、ユーザ・パスワード・監督者権限等の
維持のために使用されます。
ユーザ ID リスト
スプレッドシートは、それぞれが属している定義されたユーザとグルー
プのリストを表示します。グループには、「監督者」と「オペレータ」
があります。
67
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図30: ユーザースクリーン
新しいユーザ
テキスト入力スクリーンによって新しくユーザ名を入力する事ができま
す。パスワードが有効になっていると、初期パスワードを入力
するための新たなテキス入力スクリーンが表示されます。このユーザが
「監督者」のグルーブなのかメッセージスクリーンが確認の表示をし
ます。
ユーザの削除
スプレッドシートのリストからユーザ名を選択しユーザの削除ボタンを
押すと、削除して良いか確認のためにメッセージスクリーンが表示され
ます。監督者グループの最下位のアカウントは削除できません。
パスワード変更
スプレッドシートのリストからユーザ名を選択しパスワード変更ボタン
を押すと、新しくパスワードを入力するために“テキスト入力スクリー
ン”が表示されます。
アクセス権の変更
スプレッドシートのリストからユーザ名を選択しアクセス権の変更ボタ
ンを押すと、監督者グループに属しているユーザであるのかを問う
“メッセージスクリーン”が表示されます。はいを押すと、このユーザは
監督者のアクセス権を得た事になります。
68
ユーザインターフェイス
必要なパスワード
ユーザスクリーンの下部にあるパスワード要求の、「すべてのユーザ」
ボタンもしくは「監督者のみ」ボタンにチェックを入れると、いずれか
のパスワードを有効にします。
サービス連絡先
本章の後で説明されているように、サービス連絡先スクリーン(図 38)
が表示されます。
プリンタセットアップスクリーン
内蔵プリンタのセットアップのためにプリンタセットアップスクリーン
(図31)が表示されます。外付けプリンタの接続に関する詳細は付録Dを
参照します。
内蔵プリンタの設定
プリンタセットアップスクリーンの内蔵プリンタボックス中の有効チェ
ックボックスがマークされていれば、A2Oは内蔵プリンタに測定結果を
印刷します。
A2Oの電源がオンで内蔵プリンタが使用可能な場合、プリンタセットア
ップスクリーンの内蔵プリンタボックス中の印刷スタートアップメッセ
図31: プリンタセットアップスクリーン
69
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ージチェックボックスを選択していれば、A2Oは内蔵プリンタに A2Oの
シリアル番号とソフトウェアバージョン、日付および時間を明記した
メッセージを印刷します。
外付けプリンタの設定
プリンタセットアップ場面の外付けプリンタボックス中の有効チェック
ボックスがマークされていれば、A2Oは外付けプリンタに測定結果を
印刷します。
A2Oの電源がオンで外付けプリンタが使用可能な場合、プリンタセット
アップスクリーンの外付けプリンタ ボックス中の印刷スタートアップ
メッセージチェックボックスを選択していれば、A2Oは外付けプリンタ
に A2Oのシリアル番号とソフトウェアバージョン、日付および時間を
明記したメッセージを印刷します。
外付けページプリンタ上に印刷されたページマージンが誤ったサイズの
場合、解像度の変更 ボタンを押し、プリンタの解像度を入力する必要
があります。A2O がページに適合せずに1ページ内により多い行を印刷
しようとする場合、ページ内最大行数を変更 ボタンを押し、ページ内
最大行数ボックスに現在設定されているより少ない行数を入力する必要
があります。
各々の反復測定結果を印刷
このボタンにチェックが入っていると、測定が終了し次第、結果はすぐ
に内蔵プリンタで印字されます。プリントアウトには、サンプルID や
測定した日時も印字されています。もしこのボタンにチェックが入って
いないと複製された同一サンプルの測定データはセーブされ、全ての
サンプル測定が実行されると同時に印字されます。
反復測定結果の平均値を印刷
このボタンにチェックが入っていれば、全てが測定を終了した段階で一
連の測定データから算出した平均値を、内蔵プリンタが印字します。
平均値の印字は、たとえ複製の測定結果が個々に印字されても、常に
最後のサンプル測定が終了した段階で行なわれます。
プリンタのテスト
内蔵プリンタの印字テスト(1 行印字)を行なうためのボタンです。
サービス連絡先
本章の後で説明されているように、サービス連絡先スクリーン(図 38)が
表示されます。
70
ユーザインターフェイス
図32: ハードウェアの詳細スクリーン
詳細スクリーン
詳細スクリーン(図 32)を使って、ハードウェア関連パラメータを設定し
選択します。
プライミング
プライムポンプを作動させるには、このボタンを用います。プライミン
グが完了すると、“メッセージボックス”がその旨を表示します。
バックライトレベル
“タッチスクリーン”のバックライトの輝度を調整するには、このスライ
ダを動かします。
スピーカー音量
内蔵スピーカの音量(クリックやアラーム等)を、このスライダで調整
する事ができます。
プローブ抵抗
サンプルプローブを交換した時などに修正ボタンを押すとテキスト入力
スクリーンが表示されますので、サンプルプローブの抵抗値[Ω]を変更
します。
71
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ブロック抵抗
フリージングチャンバにあるブロックプローブを交換した時などに修正
ボタンを押すとテキスト入力スクリーンが表示されますので、
プロックプローブの抵抗値[Ω]を変更します。
温度
直近の測定時のシステム内部における、温度を表示しています。
湿度
直近の測定時のシステム内部における、湿度を表示しています。
温度ログ
このボタンを押す事によって、スプレッドシートで日付・時間・温度・
湿度を見ることができます。グラフボタンが押されると、選択可能なタ
イムピリオドで選択した時点の温度・湿度がグラフ表示されます。エク
スポートボタンを押す事によって接続されていればUSB メモリへ、もし
くは内部メモリへCSV(Comma Separated Values:カンマで区切られたデ
ータ)形式のデータとして保存する事が可能です。
ポジション
本章の後で説明されているように、位置決めスクリーン(図 34)を表示
させます。
OsmoCal ツール
このツールは、アドバンス社のサービス員または工場サービス担当員の
みが使用します。
Osmo ツール
このツールは、アドバンス社のサービス員または工場サービス担当員の
みが使用します。
サービス連絡先
本章の後で説明されているように、サービス連絡先スクリーン(図 38)
が表示されます。
セルフテストスクリーン
セルフテストスクリーン(図33)では、システムを構成しているいくつか
のコンポーネントをテストすることが可能です。
72
ユーザインターフェイス
図33: セルフテストスクリーン
キーパッドテストモード
このボタンを選択すると、どのボタンが押されているかを示し、メッセー
ジが表示されている間キーパッドボタンの動作が無効になります。プリン
タペーパフィードボタンはこのテストモードには含まれていません。
用紙切れライト、プリンタドアのオープンライト、および電源ライト
キーパッドでこれらライトの現在の読み取り状態に対応するマーク
(オンまたはオフ)を選択します。各ボタンを押して状態を変化させる時、
ライトの変化を観察します。
位置決めスクリーン
位置決めスクリーン(図 34) の機能を使用して、ピペッターやプライリ
マカルーセルおよび浸透圧計ターンテーブルの位置決めを行なうことが
できます。
ホーム
このボタンを押すと、Z および X の両モーターがそのホームポジション
に移動します。
ホーム Z のみ
このボタンを押すと、Z モーターがホームポジションに移動します。
73
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図34: 位置決めスクリーン
移動距離
キーパッドの矢印キーのどれかが、X またはZ モータにジョグを実行さ
せる時の、移動距離をこのメニューから選択します。
ポジション
プログラム前のポジションの 1 つを選択し、移動ボタンを押すとその
場所にピペッターが移動します。メモリへ保存ボタンを押して、ピペッ
ターの現在のポジションをメモリに保存します。
プライマリカルーセルのホーム
このボタンを押すと、プライマリカルーセルがホームポジションに移動
します。
浸透圧ターンテーブルのホーム
このボタンを押すと、浸透圧計ターンテーブルがホームポジションに
移動します。
CW および CCW
CWボタンを押すと、プライマリカルーセルが時計方向に動きます。
CCWボタンを押すと、プライマリカルーセルが反時計方向に動きます。
プライマリカルーセルが移動する距離は、次のボタンのいずれかを押す
ことで決定されます。
74
ユーザインターフェイス
• ステップの隣のボタンを押すたびに、カルーセルが1 ステップだけ
移動します。
• チューブの隣のボタンを押すと、カルーセルがチューブポジション
を 1 つ移動します。
サービス連絡先
本章の後で説明されているように、サービス連絡先スクリーン(図 38)が
表示されます。
日付/時間スクリーン
日付/時間スクリーン(図 35)は、システムの内部時計用に日時を設定す
る機能があります。日付の設定には、カレンダー表示の左右の矢印ボタ
ンを使って正しい月にナビケートします。時間帯は、スクリーンの右上
のドロップダウンメニューから選択して下さい。時刻の設定は、時間表
示の左右の矢印を使って、時間、分、秒、または AM/PM インジケータ
を選択して設定できます。時間の設定ボタンを押すと、新しい設定が保
存されます。スクリーンは正しい日時の表示になります。
図35: 日付/時間スクリーン
75
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
LAN セットアップスクリーン
LAN セットアップスクリーン(図 36)を使うと、ローカルエリアネッ
トワーク(LAN)への接続がセットアップできます。LAN 接続の説明
は付録 E をご覧ください。
IP アドレス
このボタンを押すと、スクリーンが表示され、現在の IP アドレスの
入力、変更、表示ができます。
サブネットマスク
このボタンを押すと、スクリーンが表示され、現在の サブネットマス
クの入力、変更、表示ができます。
初期設定ゲートウェイ
このボタンを押すと、スクリーンが表示され、現在の 初期設定ゲート
ウェイの入力、変更、表示ができます。
プライマリ DNS
このボタンを押すと、スクリーンが表示され、現在のプライマリ DNS
の入力、変更、表示ができます。
図36: LAN セットアップスクリーン
76
ユーザインターフェイス
セカンダリ DNS
このボタンを押すと、スクリーンが表示され、現在のセカンダリ DNS
の入力、変更、表示ができます。
プリライマリ WINS
このボタンを押すと、スクリーンが表示され、現在のプリライマリ
WINS の入力、変更、表示ができます。
セカンダリ WINS
このボタンを押すと、スクリーンが表示され、現在のセカンダリ WINS
の入力、変更、表示ができます。
DHCP 使用
このボタンを選択すると、DHCP サーバーが動的 IP アドレスを A2O に
割り当てることができます。
変更の適用
このボタンを押すと、このスクリーンで実行した変更が受理され、
LAN 構成が更新されます。
変更の破棄
このボタンを押すと、このスクリーンで実行した変更が破棄され、
LAN 構成の設定値が保持されます。
LIS セットアップスクリーン
LIS セットアップスクリーン(図 37)を使って、実験室情報予備シス
テム(LIS:Laboratory Information System)への接続をセットアップ
してテストできます。LIS 接続の説明は付録 E をご覧ください。
LIS 有効
このボタンを選択すると、システムは LIS サーバーへの接続を試みます。
自動的に結果を送信
このボタンを選択すると、サンプル測定が終了するとすぐに、結果が
ホストシステムへ自動的に送信されます。
LIS 活動のログ
このボタンを選択すると、システムが LIS 通信活動を記録し、接続問題の
トラブルシューティングに役立ちます。詳細は付録 E をご覧ください。
77
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図37: LIS セットアップスクリーン
活動ログの消去
LIS 活動ログ内容を削除します。
活動ログのエクスポート
LIS 活動ログの内容をエクスポートします。
LIS 状態
LIS 接続の現在の状態を知らせます。
IP アドレス
現在の IP アドレスを表示します。
IP アドレスの変更
このボタンを押すと、IP アドレスの入力または変更用にフォーマット
されたテキスト入力スクリーンが表示されます。
ポート番号
LIS サーバに現在のソケットポートを表示します。
78
ユーザインターフェイス
ポート # の変更
このボタンを押すと、LIS サーバで現在のソケットポートを入力または
変更するために、テキスト入力スクリーンが 表示されます。初期設定
ポートは 13001 です。
サーバとして接続
このボタンを押すと、 LAN セットアップスクリーンで指定した IP アド
レス、および LIS セットアップスクリーンで指定したポート番号への
接続を認めるソケットを、 A2O から得られます。
サーバとして通信
このボタンを押すと、A2O は LIS へのサーバとして通信します。
<ETX> の前に <CR> を送信しない
このボタンを押すと、送信された各記録の最後に、<CR> 文字は <EXT>
文字 の前に送信されません。
<EOT> を送信しない
このボタンを押すと、送信された各メッセージの最後に<EOT>文字が
送信されません。
サービス連絡先スクリーン
サービス連絡先スクリーン(図 38)には、装置の詳細と アドバンス社
の連絡情報が表示されます。
結果スクリーン
結果スクリーン(図 39)には、前の測定に関する情報が表示されます。
情報はフィルタリングすることで興味あるデータのみ表示させる事も
できます。スクリーンに表示されているフィールドよりデータ数が多い
場合には留意し、水平スクロールバーを使って、その他のフィールドを
表示します。データ情報のバックグラウンドが黄色の場合は、スタット
(STAT)機能によって測定した結果を意味しています。カラムのヘッダセ
ルをタッチすると、現在の表示順列でソートし、再度タッチすると逆順
でソートされた結果を表示します。
79
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図38: サービス連絡先スクリーン
スプレッドシートフィールド
• リファレンスまたはコントロール液等の場合、溶液を定義する時に
割り当てられた名前となります。
図39: 結果スクリーン
80
ユーザインターフェイス
基準またはコントロール液等の場合、溶液を定義する時に割り当て
られた名前となります。
• サンプルタイプ: サンプルのタイプ(検体またはコントロール液など) 。
• 分注#: そのサンプルの分注回数。
• 浸透圧 [mOsm/kg H2O]: 測定結果。
• 日付/時間: 測定を開始した日時。
• オペレータ ID: 測定を開始したオペレータの名前。ユーザ ID が有
効でない場合、この欄(カラム)は表示されないことがあります。
• チューブホルダー #: サンプルが、プライマリカルーセルのどの
ポジションのチューブから分注されたかを示す番号。
• サンプルチューブ #: 測定されたサンプルの浸透圧計ターンテーブ
ルのポジション。
• プロトコール名: 測定に使用されるプロトコールの名前(指定プロト
コールがオンになっている場合)。指定プロトコール が有効でない
場合、このカラムは表示されないことがあります。
検索
サンプル ID カラムか日付/時間カラムのいずれかを選択しているときの
み、検索ボタンは有効です。必要なカラムのどこかをタッチしてとその
カラムを選択します。キーパッドのナビゲートボタンを使ってもカラム
を選択できます。選択されたカラムの1 ヶのセルは廻りが黒色で縁取ら
れます。
検索ボタンが押された時にサンプル ID カラムを選択していると、テキ
ストイ入力スクリーン が表示されます。ワイルドカードボタンを使っ
て、検索文字列中にワイルドカード文字を挿入できます。テキスト入力
スクリーンの入力ボタンを押すと、検索事項にマッチした
結果のみグリットに表示されます。
検索ボタンを押す時に日付/時間 ID カラムを選択していると、日付選択
スクリーン (図 40)が表示されます。これは二つの日付を選択する事で
結果スクリーンにそのデータをひとまとめに表示できる機能です。
81
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図40: 日付選択スクリーン
エクスポート
このボタンを押された時にスプレッドシートに表示されている情報は、
USB メモリや内部メモリにCSV(Comma Separated Values:カンマで区切
られたデータ)形式のデータとして保存する事が可能です。
フィルター
このボタンを押すと、フィルタースクリーン(図 41)が表示されます。
時間カットオフドロップダウンメニューでは、表示された結果を時間で
フィルターにかけます(本日、24 時間前、1週間前、2週間前、30 日前、
1 年、無期限から選択)。
チェックボタンから、結果をさらにフィルターできます。「未使用カラ
ムを隠す」を使って、設定に起因する使用しないカラムをを非表示にし
ます。(オペレータID やプロトコール名等)。「コントロール結果を
表示する」と「検体結果を表示する」を使って、どちらのサンプルタイ
プの結果を表示するのか選択するのに使用します。「列の平均を示す」
を使って、1 つ以上の複製サンプルを測定した時に、サンプルのサマリ
ー列をオンまたはオフする機能があります。カラムに表示された結果を
ソートするには、チェックを外す必要があります。
82
ユーザインターフェイス
図 41: フィルタースクリーン
サービス連絡先
本章の前半で説明されているように、サービス連絡先スクリーン
(図 38)を表示させます。
ログ表示スクリーン
ログ表示スクリーン(図 42)を使って、システムに保持されているい
くつかの特殊なログにアクセスします。表示されている全てのコンテン
ツは、USB メモリや内部のメモリにCSV(Comma Separated Values:カン
マで区切られたデータ)形式で転送する事ができます。
全システムイベントボタンを押すと、内部システムイベントをスプレッ
ドシートにリストアップしてスクリーンに表示します。各イベントは
タイムスタンプ付きで表示されます。これは、発生した問題をアドバン
ス社へレポートするのに有益です。
システムエラーボタンを押すと、発生したすべてのエラーを(タイムス
タンプ付きで)スプレッドシートにリストアップしてスクリーンに表示
します。これは、アドバンス社 に問題を報告するのに便利です。
較正ログボタンを押すと、較正セクション(図 28)で説明したスクリ
ーンが表示されます。
83
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図42: ログ表示スクリーン
温度と湿度ボタンを押すと、スクリーンに温度と湿度の測定値(タイム
スタンプ付き)をスプレッドシートにリストアップして表示します。
グラフボタンを押すと、温度と湿度の測定値のグラフが表示されます。
コントロール液の変更 ボタンを押すと、コントロール液への追加、
削除、変更をスプレッドシートにすべてリストアップしてスクリーン
(図 25)に表示されます。
測定エラーボタンを押すと、結果スクリーン(図 39)に似た、しかし
エラーの測定値に限られたスクリーンが表示されます。これは、アドバ
ンス社 に問題を報告するのに便利です。
プロトコールの変更ボタンを押すと、定義したプロトコールへの追加、
削除、変更のすべてをスプレッドシートにリストアップしてスクリーン
上に表示します。
テスト数ボタンを押すと、以前に確立した検索と結果スクリーン上のこ
れらのボタンによってセットされたフィルターに基づき、情報が表示さ
れます。これには以下の情報が含まれます。
84
ユーザインターフェイス
•
•
•
•
測定されたサンプル総数
サンプルの分注回数
平均浸透圧、
報告されたエラー数
テキスト入力スクリーン
いくつかのボタンでは、テキスト入力スクリーン (図 43)が必要とされ
ます。スクリーンは全てのケースにおいて、基本的に同じです。スクリ
ーンは、タッチスクリーンを介してのみテキストの入力が可能なよう
に設計されています。スクリーン上に模擬キーボードが表示されます
。以下に説明されているように、実際のキーとレイアウトは設定によっ
て異なります。入力された内容は入力キーのみによって確定されること
にご留意ください。
テキストプロンプト
入力したテキストは、「プロトコール名を入力」という指示の右側に
あるボックスに表示されます。図 43 は、テキスト入力スクリーンの
典型的な表示の一例です。従って、特定プロンプトの言い回しは異な
ることがあります。プロンプト右側のボックスはリストから項目を選
択する際、ドロップダウンになることが時々あります。
図43: テキスト入力スクリーン
85
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
アルファベット
このボタンを選択すると、キーボードにアルファベット順で文字が表示
されます(「a」は左上にある等)。このボタンを選択していないと、「
qwerty」配列の標準のキーボードが表示されます。スペースバーの左側
のボタンを使って、数字と記号をスイッチします。その上にある矢印ボ
タンはシフトロックキーとして動作します。
キーパッドでナビゲートする
キーパッド上の左右の矢印キーを使って、入力文字間を移動して変更で
きます。
86
6 トラブルシューティング
とサービス
本章には、ご使用の浸透圧計で発生する問題を解決するのに役立
つ基本的情報が記載されています。すべての説明を注意深くお読
みください。解決策がこのガイドで見つからない場合は、アドバ
ンス社の Hot-Line® にお問い合わせください。
修理とメインテナンスの注意
• ユーザガイドに詳細に記載してある項目以外は、ご自分で
修理やメインテナンスを実施しないでください。
• カバーを開いたり取り外す前に電源コードをコンセントを抜
いてください。そうしないと、電気ショック、過剰な温度、
または機械的危険性にさらされる恐れがあります。
• サービスマニュアルの有無にかかわらず、ユーザガイドに
詳細な記述がない修理またはメインテナンスの実施は、有資
格のサービス技術員のみにお任せください。
• A2Oのエアインテークを遮らないようにしてください。時々、
換気口が塞がれていないかをチェックします。
• 必要に応じて、製品の外装を柔らかい湿ったタオルで拭いて
ください。指定以外のクリーニング用品を使うと、脱色した
り滑らかさを欠いたりすることがあります。
• 製品が以下の理由のいずれかで修理が必要な場合、製品を
電源コンセントから抜き、有資格サービス技術員に修理を任
せてください。
- 電源コード、延長コード、電源ケーブル、または電源入
力モジュールに損傷がある。
- 液体が製品内装内でリークしてしまった。
87
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
- モノが製品内に落ちた。
- 落下物が製品に落ちた、または損傷を与えた。
- オーバーヒート(異常に発熱している)(異常に発熱している)
または燃焼臭の明らかな兆候がある。
- テスト(測定)手順に従っても製品が正常に動作しない。
- メインの供給ヒューズまたはいずれかの内部ヒューズがを交換し
てもすぐに溶断してしまう。
• 人体や他の導電体との接触による静電気の発生により、システム
ボードや静電気に敏感な装置に損傷を与えることがあります。推奨
される静電気防止手順に従わずに、内部メインテナンスを絶対に実
行しないでください。
• 製品には、オペレータが取り替え可能なヒューズが使われています。
ヒューズが飛んだら、電源サージかコンポーネントの故障による可
能性があります。ヒューズは 1 回だけ交換します。ヒューズが 2 回
飛ぶ場合、恐らくコンポーネント部品の故障が原因です。その場合
は、有資格サービス員に修理を任せてください。常に定格、電圧、
タイプが同一なヒューズと交換します。電流定格が高いヒューズと
は絶対に交換しないでください。
• 製品を修理する際は、工場指定の部品のみを使用します。
• 本製品にはユーザでは修理できない 2 つの一体型リチウム電池が
入っています。
警告:
本製品を修理のために返送するか、別の場所に発送する場合、
すべての危険な検体を除き製品を除染した後で、輸送用に梱包
してください。製品が除染できない場合、適切な梱包と荷印に
ついて輸送会社にご相談ください。
修理サービスの依頼
アドバンス社の Hot-Line® サービスに連絡する前に、本ユーザガイドの
日常的調整の説明、装置の管理とトラブルシューティングに必ず目を通
88
第6章 -トラブルシューティングとサービス
してください。それでも問題を解決できければ、次の該当する番号にお
電話ください。
• 800-225-4034(米国とカナダでは通話無料、営業時間以外は内線
2191)
• +US 781-320-9000 (それ以外の地域)
• +US781-320-0811 (ファックス)
米国またはカナダ以外でご使用の装置を購入なさった場合、その アドバ
ンス社正規代理店に修理サービスをお問い合わせください。
修理サービス担当者に連絡する際、装置背面ラベルのモデル番号とシリ
アル番号、ユーザガイドまたは修理マニュアル、および問題の症状をお
手元にご用意ください。可能ならご使用の装置にできるだけ近い電話機
をご使用になると、お勧めする診断チェックがしやすくなります。
部品やサービスの注文が必要な場合、購入代理店の注文書が必要となり
ます。
小規模な修理ならサービス技術員が電話で対応し、推奨部品(または型番
)をお教えするかまたは、工場修理のために装置を輸送する認定書を出し
ます。
以下の手順に従って、修理または交換のために装置を返送します。
1. 当社のサービス部門に通知して返品物品認定(RMA) を得ます。
2. チューブアセンブリのキャップからシステム溶液ボトルを外します。
ボトルを外します。システム溶液とボトルを処分します。
3. タッチスクリーンまたはキーパッドを使い、メニュー、システム
構成、詳細スクリーンにナビゲートします。プライミング ボタンを
押して、ピペッターからシステム溶液を除去します。ピペッター先端
から溶液が出て来なくなるまでプライミング ボタンを 2~3回
押します。
注意
システムの流体回路が空の状態では、2~3 サイクル以上プライ
ムポンプを作動させないで下さい。ポンプが故障します。
89
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
4. 廃液 ボトルの接続部からチューブフィッティングを外します。
ボトルを取り外し空にします。
5. プライマリチューブカルーセルと浸透圧計ターンテーブルを各スピ
ンドルから取り外します。装置と共に返送する他のアクセサリと共
に梱包します。
注意
廃液 ボトルにはバイオハザード物質が含まれています。
適切な安全性注意事項を参考にして、バイオハザード物質を
適切に廃棄する既存の手順に従ってください。
6. システム溶液と廃液 ボトルチューブの先端はテーブで止めるか、小
さいプラスチックバッグでしっかりと塞ぎます。
7. タッチスクリーンまたはキーパッドで、ポジションスクリーンに
ナビゲートし(図34)、ピペッターをプライマリチューブのポジシ
ョンに移動します。
• 位置: フィールドで、ドロップダウンリストからプライマリチュー
ブを選択します。選択した隣にある移動ボタンを押します。
• 移動距離: フィールドで、ドロップダウンリストから1.00を選択し
ます。キーパッドの ▼ (下矢印)を 3 回押します。
• 移動距離: フィールドで、ドロップダウンリストから0.10を選択し
ます。キーパッドの ▼ (下矢印)を 2 回押します。
• メインスクリーンが表示されまで、閉じるボタンを繰り返し押し
ます。
ドライバで赤いストッパを取り付け、ピペッタアセンブリを本体に
固定します(図2)。
8. ドライバを使って、浸透圧計モジュールの縦型ライナー(カバー)
を固定している 3 つのネジを外します。赤いストッパを固定してい
る拘束ネジを、浸透圧計モジュールの右側から緩めます。ストッパ
を取り付け、サンプルプローブと冷却ウェルを固定します(図 3 参照)
。ストッパのネジをきつく締めます。浸透圧計モジュールの上に縦
型ライナーを置き 3 つのネジを止めます。
9. 作業域内から溢れた液体、破片、または緩めたものを完全に取り除
きます。
90
第6章 -トラブルシューティングとサービス
10. 内側の周縁に梱包フォームを詰め、フロントドアをしめます。
11. 装置とすべてのハードウェアアクセサリを注意して梱包します。
アドバンス社サービス担当者から指示がない限り、システム溶液
ボトル、廃液 ボトル、またはその他の測定用消耗品は入れないでく
ださい。
工場への発送は前払いであることをご確認ください。アドバンス社では
、予め工場の認可がなければ料金受信払いの荷物は受け取れません。
荷物に保険を掛けるか損傷リスクを容認してください。
日常のメインテナンス
A2O の正確度と精密度を維持するために、メインテナンスは定期的に実
施しなければいけません。以下のスケジュールは、装置の構成部をチェ
ックし交換するための適切なメインテナンス間隔の概要です。
日常のメインテナンス:
1. システム溶液容器と廃液容器
これらの容器内の液体を目で点検します。
• システム溶液ボトルが空でないことを確認します。
• 廃液容器が一杯になっていないことを確認します。
• システム溶液ラインを点検して、挟まれていないか、損傷がない
か確認します。
ヒント
A2Oシステム溶液の抗菌性を維持するために、ボトルの全溶液
は開封後 30 日以内に使用するか交換してください.
2. シリンジ
操作中にシリンジを連続して上下に動かすと、シリンジのネジがゆる
み、液体システムから漏れる原因となります。
• シリンジのネジをチェックし手でしっかりと締めます(図44)。
• シリンジポンプは使用しない時、A2O 用システム溶液 (部品番号
200222) でプライムしてください。
91
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
シリンジのネジ
図44:シリンジのネジ
• シリンジポンプは空のままで2~3 サイクル以上作動させないでく
ださい。
• シリンジポンプの漏れを点検し、問題があれば直ちに修理します。
• シリンジポンプの上や周りについたすべての水滴を直ちに拭き取
ります。
3. ピペット
ピペットは毎日クリーニングし、年に1 回交換します。
注意
ピペットに静電気放電させると、液体レベルの検出を損なう可能
性があります。
• 電源スイッチをオフにする前にシステム構成スクリーンのシャッ
トダウンボタンを使用します(図45)。
• イソプロピルアルコールまたはタンパク質除去用クリーニング溶液
シャットダ
ウンボタン
ピペット
図45:ピペットのクリーニン
92
第6章 -トラブルシューティングとサービス
(Thermo Scientific Orion クリーニング溶液 900021など)を染み
込ませた糸くずのない布で、ピペットを拭いてきれいにします。
4. サンプルプローブ
サンプルプローブは毎日点検し、清浄でいかなるサンプルも残存し
ていないことを確認しなくてはいけません。
サンプルプローブ
図46:サンプルプローブ
• 万一サンプルプローブに付着物の形跡が見えた場合、イソプロピ
ルアルコールまたはタンパク質除去用クリーニング溶液(Thermo
Scientific Orion クリーニング溶液 900021など)を染み込ませた
糸くずのない布で、ピペットを拭いて浄化します。
毎週のメインテナンス:
1. シリンジ、チューブおよびピペット
以下に説明するように、液体の通路(シリンジ、液体チューブ、お
よびピペット)を完全に浄化し、液体システム内の微生物の繁殖を
防ぎます。
クリーニング溶液(1% 次亜塩素酸ナトリウム)
• 市販の漂白剤を水で希釈するか、Bleach-Rite® BRSPRAY16 など
市販の製品を使って 1% 次亜塩素酸ナトリウムを作ります*。
*Bleach-Rite® は Current Technologies, Inc.の登録商標です。
93
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
• システム溶液ボトルのキャップを外し、クリーニング溶液の容器
にチューブを挿入します。
• シリンジをプライミングし、その溶液を液体の通路内に 30 分間
保持します。
• 30 分後システム溶液キャップのチューブをクリーニング溶液から
外し、チューブの外側についたクリーング溶液を拭き取ります。
• システム溶液キャップのチューブをシステム溶液ボトルに挿入し
て、キャップを締めます。
• A2O システム溶液 (部品番号 200222)でシステムを少なくとも
2 サイクルプライムします。
2. サンプル用冷却ウェル
クリーニングが必要な場合、イソプロピルアルコールと綿棒を使い
(部品番号 202850)サンプル残渣または凝縮物を取り除きます。
3. 廃液容器
廃液容器は 1 週間に 1 回以上クリーニングし、微生物の繁殖を防ぎ
ます。1% 次亜塩素酸ナトリウムはクリーナーとしても使用できます。
注
廃液容器はオートクレーブで使用できます。ボトルのバイオ
ハザードラベルを、オートクレーブ中にラベルが剥がれる可
能性がある旨の警告ラベルに取り替えます。
4. 洗浄ステーションおよび廃液ライン
• 以下の物を用意します:
• プラスチックシリンジ(容量 10 mL 以上)
• 直径 3mm プラスチックチューブ(シリコン製またはTygon)
• 1 % 次亜塩素酸ナトリウム
• 廃液ボトルからキャップを外し、ボトルが廃液チューブに接続さ
れていることを確認します。
• プラスチックシリンジのプランジャーを完全に押し下げます。
• プラスチックチューブの一端をプラスチックシリンジに、他の端を廃
液ボトルキャップ内側のフィッティングに接続します(図47)。
94
第6章 -トラブルシューティングとサービス
図47: プラスチックシリンジを廃液
ボトルキャップへ接続
注意
1% 次亜塩素酸ナトリウムは腐食性です。クリーニングステー
ションに入れすぎないように注意してください。クリーニング
ステーションを溢れさせ、液体がプラスチック作業面下の部
分に入ると、電子装置構成部が腐食されることになります。
• クリーニングステーションを1% 次亜塩素酸ナトリウム溶液で満
たします。
• 廃液ボトルキャップにつながるチューブが、次亜塩素酸ナトリウ
ム溶液で完全に満たされるまで、プラスチックシリンジのプラン
ジャーをゆっくりと引きます。
注: チューブを完全に満たし、気泡をすべて除くには、次亜塩
素酸ナトリウム溶液をクリーニングステーションに再充填
する必要があるかもしれません。
• 一旦次亜塩素酸ナトリウム溶液をチューブに満たしたら、できる
だけクリーニングステーションの上端が溶液で溢れさせないよう
に再充填します。
• チューブとクリーニングステーション内に溶液を 30 分間留まる
ようにします。
95
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
• 廃液 ボトルのキャップ下側にあるシリンジとチューブを横に移動
させます。
• 廃液 ボトルのキャップを取り替え、キャップをきつく閉めます。
• A2O システム溶液 (部品番号 200222)でシステムを少なくとも
2 サイクルプライムします。
5. データベースの削除
装置のデータベースサイズを 1 週間単位でチェックし、1,000 レコー
ドを超えたら、削除します。
• データベースを消去するには、システム構成スクリーンで、 デー
タベースの消去 ボタンをクリックします (図 48).
データベースの
消去ボタン
図48:データベースの消去ボタン
• 次のスクリーン (図 49) で、データベースを削除する前に結果を
インポートできます。
96
第6章 -トラブルシューティングとサービス
図49:データのエクスポート
• データをエクスポートしてから削除することにした場合、
はい (図 49) を選択します。LIS システムに接続されていない
場合、データをエクスポートするには、メモリスティック
(USBメモリ)が必要です。
図50:データエクスポートの確認
• いかなるデータもエクスポートしないつもりなら、いいえ
(図 49) を選択すると、データ削除ができるようになります。
97
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
図51:データ削除の確認
• はい を選択して、現在保存されているデータすべてを削除します。
データが削除された確認メッセージが表示され、A2O が再スター
トします。
シャットダウンと保管
注意
シャットダウンまたは保管中に大気温度が 0ºC (32ºF) 未満にな
ったらいつでも、ピペットシステムをパージし、装置内の他の
すべての溶液を除去してください 。
オーバーナイトまたは週末:
1. ピペッターシステムをプライムしてください。
2. すべてのプライマリサンプルチューブ、使用済み浸透圧計サンプ
ルカップ、および使用済みワイパーリングを外します。
3. 廃液 ボトルを空にします。
4. 作業域表面に溢れている液体はすべて拭き取ります。
5. フロントドアを閉じます。
6. 必要なら、装置の電源をオフにします。
注意
98
装置の電源をオフにしない限りカバーを掛けないでください。
装置のオーバーヒート(異常に発熱している)または冷却ファン
への損傷が起こります。
第6章 -トラブルシューティングとサービス
1 週間以上:
1. ピペッターシステムをプライムしてください。
2. すべてのプライマリサンプルチューブ、使用済み浸透圧計サンプルカッ
プ、および使用済みワイパーリングを外します。
3. 廃液 ボトルを空にします。
4. 作業域表面に溢れている液体はすべて拭き取ります。
5. フロントドアを閉じます。
6. 装置の電源をオフにします。
7. 壁のコンセントから電源コードを抜きます。
8. 装置にカバーをかけます。
トラブルシューティングの確認事項
操作要件の確認 ご使用の装置に問題がある場合、まず製品仕様に記載されて
いる操作要件および推奨セットアップとテスト(測定)手順を
注意深く参照してください。
ヒューズのチェック 装置背面の電源コードコネクタの傍にあるヒューズホル
ダーを探します(図 11) 電源スイッチをオフにして、電源コードを外します。
小型のマイナスドライバーまたはヒューズホルダーをあける同様なツールを使
用します。ヒューズが飛んだことを眼で確認します。少しでも疑わしければ、
導通チェッカーまたはオーム計でヒューズを
テストするか、すぐに新しいヒューズを交換します。
エラーメッセージの確認 ご使用装置のソフトウェアはいかなる不完全な動
作に対しても、豊富でわかりやすいエラーメッセージにより問題の原因を見
つけられるように設計されています。すべてのエラーメッセージと、その意
味についての説明は付録 Aをご覧下さい。
ヒューズの交換
ご使用装置がヒューズが飛んだため機能しないと判断した場合、以下の手順
に従ってヒューズを交換する必要があります。
1. 電源スイッチをオフにして、電源コードを外します(図 52)。
2. 小型のマイナスドライバーまたは類似のヒューズホルダーをはずせる
ようなツールを使用します。ヒューズホルダーを取り外します。
99
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
3. ヒューズに記載されている値を二度チェックします。A2O は、
100VAC と 250VAC 間の電圧に自動的に調整され、適切な定格
ヒューズが 2 つ取り付けられているはずです。5 x 20 mm、
250V、時間遅延 (タイプ T): 5-Amp をご使用ください。
4. 装置背面内にヒューズホルダーを再取り付けします。
5. 電源コードを再接続して電源スイッチをオンにします。装置は
正常にスタートするはずです。
図52: ヒューズの交換
100
付録 A
トラブルシューティング表
装置のカバーを外す前に装置の電源が抜いてあることを確かめ
てください。
ヒント メッセージスクリーンまたはエラーログに以下のメッセージが
表示されることがあります。
問題点/メッセージ
説明
電源が突然切れる
ご使用装置への電源が切れた場合、ご使用
のコンセントが正しい電圧を供給している
か確認することをお勧めします。コードが
装置とコンセントの両方に硬く差し込まれ
ているか確認します。ヒューズを眼で転換
して、必要なら交換してください。
「ブロックプローブが
開いていますか?」
このメッセージが表示されたら、まず装置
を再スタートします。ブロックプローブが
浸透圧計サーキットボードに差し込まれて
いるか確認するには、アドバンス社HotLine サービスに連絡してください。
「較正が範囲外です」
このメッセージが表示された、較正アンプ
ルに十分な液体が入っていることを確認し
ます。続いて再較正します。問題が続くよ
うなら、アドバンス社Hot-Line サービスに
お問い合わせください。
「バーコードが読み取
れません」
プライマリサンプルチューブまたは較正ア
ダプタにバーコードが付いていないか、ま
たはバーコードが読み取れない位置にあり
ます。マニュアルでバーコードを入力する
か、バーコードがチューブホルダーのスロ
ットから見えるようにチューブとホルダー
を再配置します。
101
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
「ファンドライブが故
障です」
ファンが妨害されていないかをか確認しま
す。ファンが塞がれていることを確認する
方法は、 アドバンス社Hot-Line にお問い合
わせください。
「溶液レベルが見つか
りません」
サンプルが採取されているレセプタクルに
十分なサンプル量があることを確認します
(第 2 章)。
サンプル中に気泡あるいは泡がないか確認
します。
ピペッタ-ワイヤーが適切に接続されてい
るか確認する。
部品番号 200448 のカルーセルアダプター
の使用についてはアドバンス社製品サービ
ス部へお問い合わせください。
バッテリが低下してい
ます
NVRAM メモリ内部のリチウム電池が低下
して、保存されている情報、較正、システ
ム設定を保持できません。主電源がオンで
ある限り機能は正常です。アドバンス社
Hot-Line サービスにご連絡ください。
「プラトーがありませ
ん」
ご使用の装置は凍結プラトーを検出できな
いため、結果を出すことができません。
使用しているやり方を確認してもう一度試
してください。このメッセージが続くよう
なら、アドバンス社Hot-Line サービスにお
問い合わせください。
スタートまたは測定キ
ーを押しても応答しま
せん
ご使用の装置を再スタートしてみます。
それでも問題が解決しない場合、アドバン
ス社Hot-Line サービスにご連絡ください。
範囲外
プラトー値が 4000 mOsm の上限を超える
とこのメッセージが表示されます。限界値
を設定するブザーポイントを超えても表示
されます。
102
付録A トラブルシューティング表
内蔵プリンタで印刷で
きない
プリンタに用紙があるか確認します。用紙が
なければ、第 1 章 「設置とセットアップ」
の説明に従って用紙を入れます。プリンタ
に用紙がある場合、プリンタカバーが完全
にきっちり閉じているか確認します。
内蔵プリンタは用紙を
送り、印刷しているよ
うに見えるが、白紙が
出てくる。
用紙のロールが第 1 章 「設置とセットア
ップ」 に従って適切にセットされているこ
とを確認します。用紙は図 6 に示すように
ロールの底部から送られているはずです。
「再較正が必要です」
このメッセージは、ご使用の装置は再較正が
必要であることを示します。第 4 章の説明
に厳密に従って再較正します。エラーメッセ
ージが繰り返されるようなら、アドバンス社
Hot-Line サービスにご連絡ください。
結果が予想値未満か、 浸透圧計の溶液レベルとプライマリカルー
セルチューブをチェックして、サンプルの
一連の反復測定で最
分注量が不十分か確認します。
後の結果が前の結果
未満です
結果に再現性があり
ません (分散し過ぎて
いる)
浸透圧計の溶液レベルとプライマリカルー
セルチューブをチェックして、サンプルの
分注量が不十分か確認します。システム溶
液レベルをチェックします。溶液チューブと
接続部をチェックします。
「サンプルが凍結し
ませんでした」
そのサンプルを別に採取し、きれいなサン
プルチューブで測定します。装置の範囲内
であることが既知である測定サンプルを試
します。
「サンプルの予備凍
結」
そのサンプルを別に採取し、きれいなサンプル
チューブで測定します。測定の前に、サンプル
に泡や霜がないことを確認してください。早期
結晶化を引き起こそうとする、物質の作用を
最小にするようにします。アンプル中のサ
(続き)
103
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
(続き)
「サンプルプローブが
開いていますか?」
「測定タイムアウトエ
ラー」
「液滴がピペッタ-先
端に残っている」
104
ンプルを測定する際、汚れのない布または
綿棒で、アンプル開封口にある液体膜を注
意深く取り除きます。プローブビン番号を
確認して正しくします。全範囲を使用して
低浸透圧サンプルを測定する際、低範囲に
切り替え別のサンプルを測定します。それ
でも問題が解決しない場合、ブロックプロ
ーブ抵抗を確認する方法について、アドバ
ンス社Hot-Line サービスにお問い合わせく
ださい。
装置のスイッチをオフにして続いてオンに
します。サンプルプローブがメインボード
内に差し込まれていることを確認します。
A/D テスト(冷却効率テスト)を実行してサン
プルブローブをチェックします。エラーメ
ッセージが継続せず、他のエラーメッセー
ジが表示されない場合、このメッセージは
無視してください。そうでない時は、アド
バンス社Hot-Line サービスにご連絡くださ
い。
このメッセージはご使用装置が割り当て時
間内に、測定を完了できなかったことを示
します。問題が継続する場合、ブロックプ
ローブ抵抗を確認する方法について、アド
バンス社Hot-Line サービスにお問い合わせ
ください。
溶液フィッティングが緩いか、溶液チュー
ブに損傷がある可能性があります。溶液フ
ィッティングが合っているか、ピペッター
先端とシリンジポンプ間のチューブに損傷
がないことを点検します。
付録A トラブルシューティング表
外付けのプリンタで印
刷できない
プリンタに電源が来ているか確認します。
データケーブルがプリンタと A2O の USB
ポートの 1つに適切に接続されているか確
認します。プリンタセットアップのスクリ
ーンの External Printer(外付けプリンタ)
ボタンが選択されているか確認します。
外付けプリンタの印刷に関する詳細は附録
D を参照してください。
Laboratory Information
System(LIS)に接続で
きない
LIS ケーブルが A2Oに正しく接続されてい
るか確認します。LIS セットアップスクリ
ーンの設定が正しく行われているか確認し
ます。接続が確立できない場合、アドバン
ス社 Hot-Lineサービスに連絡して、 A2O
とLISのインターフェイスに関する詳細情
報が記載されている文書200443PMを入手
ください。
105
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ヒント:
106
付録 B
製品仕様
電源必要電源:
ヒューズ (2):
消費電力:
予備メモリ:
100 ~ 240 VAC (50/60 Hz)
250V 時間遅延 (タイプ T):5-Amp
375 ワット
一体型リチウム電池 2 個;耐用年数 10 年 (通常)
(ユーザによる交換は不可)
サンプル量:
測定100 µL、吸引 150 µL
サンプル保持数:
20
読み出し:
カラータッチスクリーンディスプレイ
単位:
mOsm/kg H2O
測定間隔:
0 ~ 4000 mOsm/kg H2O
分析測定範囲
(報告可能範囲および
直線性範囲):
0 ~ 4000 mOsm/kg H2O
較正
範囲低範囲:
全範囲:
0 ~ 2000 mOsm/kg H2O
0 ~4000 mOsm/kg H2O
分解能:
1 mOsm/kg H2O
コミュニケーション:
オンボードプリンタ;10/100 Mbps イーサーネットポート;
USB 1.0、1.1、2.0 ポート
基準条件下での性能1
正確度:
0 ~ 400 mOsm:
平均値 < 2 mOsm/kg H2O 公称値
400 ~ 4000 mOsm: 平均値 < 0.5% 公称値
精度 (測定内):
0 ~ 400 mOsm:
Standard deviation < 2 mOsm/kg H2O
400 ~ 4000 mOsm: 標準偏差 < 平均値の 0.5%
ドリフト:
1 mOsm 未満/kg H2O/月
使用条件下での性能
1基準条件:
20℃ ~ 25℃(68°F~77°F);相対湿度 40~ 60%;基準または較正溶液の許容範囲は
除く 。
107
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
温度の影響:
大気温度の変化が5°C (9°F) 以上ではリキャリブレー
ションが推奨される。
操作条件
温度:
18°C ~ 35°C (64°F ~ 95°F)
湿度:
相対湿度 5~80% (凝縮なし)
サンプル粘度:
U最大 20 mPa.s (20 cP);高粘度はピペッターの精度に影響
す ることあり
保管温度:
-40°C ~ +45°C (-40°F ~ +113°F)
スタートアップ時間:
スタンバイからすぐ;電源投入後 1 分
測定所要時間:
低範囲で 1 サンプル当たり 3 分
測定処理能力:
1 時間内に 20 サンプル測定可能
ピペッター正確度:
< 1%
音響レベル:
レベル <\\> <66 dB(A) Typ.オペレータの位置で測定
サイズ
幅:
奥行き:
高さ:
インチ
23.6
20.5
22.8
センチメーター
60
52
58
重量
総重量:
輸送時:
ポンド
68
133
キログラム
31
60
保証::
ガラス、プラスチック、およびそのメーカーが保証する部品
を除く、製品と全部品に対する 1 年間の保証
認証:
規制通知に適用できる基準は付録C
を参照してください。
取り付け分類:
I
過電圧カテゴリ:
II
汚染度:
2
湿気保護:
IPX0 (通常)
108
付録 C
規制案内
• 本製品は以下に概要する米国、カナダ、ヨーロッパの規制要綱に
従い設計され製造されています。製造者が認可を書面で明示してい
ない改造を本製品を行うと、本製品を操作するユーザの権限、以前
に発行された製造所の認可、および保証されているユーザの権利が
無効になります。
• 代理店または販売業者は、現地、国内、または海外での本製品に
対する追加認定を適用していると思われます。詳細と資料の請求は
代理店または販売業者にご相談ください。
シンボルマークの表記ルール
このシンボルマークは関連ヨーロッパ指令に適合している
ことを示します。
このシンボルマークは、製品がカナダと米国の関連安全性基
準に適合していることを Intertek Testing Services NA, Inc.
がテストしたことを示します。ETL マークは、米国の OSHA
による Nationally Recognized Testing Lab (NRTL)として、
またカナダの Standards Council of Canada による認可を示
します。
EU 指令 98/79/EC に適合する体外診断医療装置
この記号は、EU 指令 2011/65/EU の意図に適合している
ことを示します。
109
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
規制認可のタイプ
説明
米国での安全性
本製品はUL 61010-1、第2版、”実験室使用向け
電気的装置、パート 1: 一般要綱” の要綱に準拠
しているとして、ETL 試験室によりリストされて
います。一般要綱 ETL マークの右下の 「US」 は
このリストを示しています。
カナダでの
安全性
本製品はCAN/CSA C22.2 No. 61010-1、第2版、
“測定、コントロール、および実験室使用向け電気
的装置の安全要綱、パート 1: 一般要綱” の要綱
に準拠しているとして、ETL 試験室によりリスト
されています。一般要綱 ETL マークの左下の
「C」 はこのリストを示しています。
EC 適合宣言 -
EMC
本製品は電磁両立性に関する指令2004/108 の意
図に適合しています。準拠性はECの正式ジャーナ
ルに記載されているように、以下の基準によって
明示されました。直近のアップグレード製品に付
属して出荷された適合宣言証明書を参照してくだ
さい。
· EN 61326-1:2006、EN 61326-2-6:2006 &
EN 55011:1998、グループ 1、分類 B、”測定、
コントロールおよび実験室使用の電気的装置。
EC 適合宣言 -低
電圧
本製品は低電圧指令に関する EC 指令2006/95 の
意図に適合しています。準拠性は、ECの正式ジ
ャーナルに記載されているように、以下の基準に
よって明示されました。(必要に応じて)直近のア
ップグレード製品に付属して出荷された適合宣言
証明書を参照してください。
· IEC 61010-1:2001、第 2 版”測定、コントロー
ル、および実験室使用の電気的装置に対する
安全性要綱 - パート 1: 一般要綱。
(続き)
110
付録C 規制案内
規制認可のタイプ
(続き)
説明
· IEC 61010-2-081:2001 + A3:2003、「測定、
コントロール、および実験室使用の電気的装置
に対する安全性要綱 - パート 2-081: 分析お
よび他の目的用自動/半自動実験室装置の特定
要綱」。
· IEC 61010-2-081:2002、「測定、コントロー
ル、および実験室使用の電気的装置に対する安
全性要綱 - パート 2-101:体外診断用装置
(IVD)の特定要綱」。
CB レポート
CB 認定書
米国 FDA リスト
CB レポートと証明書がこの製品に対し発行され
ています。使用した標準液は、IEC 61010-1、
第 2 版;61010-2-081;および 61010-2-101。
認定のコピーはリクエストに応じて入手可能で
す。
アドバンス社が製造した較正剤およびコントロー
ルを含む本浸透圧計は、米国保健省、 食品医薬
品庁で以下のように分類されています。
浸透圧計
較正剤
コントロール
カナダ保健省認
可
アドバンス社が製造した較正剤およびコントロ
ールを含む本浸透圧計は、カナダ保健省、医薬
品指令、医療装置局では以下のように認可され
ています。
浸透圧計
較正剤
コントロール
EC 適合宣言 -
IVD
分類 1
分類 2
分類 1
分類 2
分類 2
分類 2
本製品は、体外診断用装置に対する指令
Directive 98/79/EC の意図に適合しています。
(必要に応じて)直近のアップグレード製品に付属
して出荷された適合宣言証明書を参照してくだ
さい。
111
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
規制認可のタイプ
説明
FCC - パート 15、
サブパート B、ク
ラス B
本装置は FCC 規則パート 15 に適合しています。
操作は以下の 2 つの条件に従います。(1) この装
置は有害な妨害を生じる可能性はなく、(2) 不必
要な測定を起こす可能性のある妨害など、どんな
妨害も認容しなければならない。
カナダ ICES-003
このクラス B デジタル装置はカナダ ICES-003 に
適合しています。
Cet appareil numérique de la classe B est
conforme à la norme NMB-003 du Canada.
EC 適合宣言 WEEE
本製品は、廃棄用電気および電子装置(WEEE)
に対する 2003/108/ECによって改正された指令
2002/96/EC の意図に適合しています。(必要に
応じて)直近のアップグレード製品に付属して出
荷された適合宣言証明書を参照してください。
EC 適合宣言 RoHS
本製品は、「電気および電子装置の特定危険物質
の使用制限」 指令2002/96/EC の意図に適合し
ています。
112
付録 D
測定結果の印刷
A2O は内蔵プリンタに1, およびシリアルインターフェース付きの外付け
プリンタに測定結果を印刷できます。外付けプリンタは、紙テーププリ
ンタまたはページプリンタのいずれかとなります。2 A2O は、外付け
ページプリンタの用紙サイズが8-1/2 x 11 インチ、またはA4であると
想定します。A2O は内蔵プリンタのみに、外付けプリンタのみに、
両プリンタへ同時に、またはいずれのプリンタにも印刷しないという
ようにに設定できます。
測定が完了すると、A2O は直ちに内蔵プリンタと外付けプリンタ(紙テ
ーププリンタで有効なら)にその結果を書き出します。
外付けプリンタがページプリンタで有効であれば、 A2O は、バッチテ
ストを実行中に試験結果を蓄積し、バッチテスト終了時にその結果すべ
てを印刷します。結果が蓄積されているが印刷されない場合、 A2O GUI
スクリーンの下部近くにボタンが現れ、そのボタンを押すとそれまでに
蓄積されたバッチテストの結果すべてを印刷できます。3
外付けプリンタの A2Oへの接続方法
外付け紙テーププリンタを A2O に接続するには、A2Oの USB ポートの
1 つにプリンタを差し込みます。
1 「内蔵プリンタ」とは、A2O 内に内蔵されている紙テーププリンタです。
2 紙テーププリンタは一回に一行印刷します。紙プリンタ」は、一般的なインクジェット
およびレーザープリンタのように、一回に一枚の紙全体を印刷するプリンタです。
3 このボタンを押しても印刷される測定結果が破棄されることはありません。それでもバ
ッチテストのすべての結果はバッチテスト最後に印刷されます。
113
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
バッチテスト終了前に測定結果を印刷するボタン
外付けページプリンタを A2O に接続するには、Edgeport/1 (またはそれと同
等) USB 変換ケーブルを使って、プリンタのシリアルポートコネクタを A2O
の USB コネクタに接続します。
警告: 外付けページプリンタは A2Oに電源を入れる前に接続しておく必要が
あります。A2O からケーブルを引き抜き、続いてA2Oに差し込む場合、外付け
ページプリンタを再度使用する前にA2O の電源を入れ直しておくことが必要
です。
外付けページプリンタの用紙切れ
印刷しようとする時に外付けページプリンタが用紙切れの場合、「printer
timed out(プリンタのタイムアウト)」メッセージが A2O GUI に表示され
ます。メッセージに再試行ボタンが付いていますが、プリンタに用紙を補充
した後に再試行ボタンを押しても、別のタイムアウトメッセージが表示され
ます。このような場合、外付けページプリンタに用紙を補充した後、 A2O の
電源を入れ直す必要があります。
114
付録 E
LIS ( Laboratory Information
System) 実験室情報予備システム
A2O システムは、 LIS または多目的コンピュータに接続して、情報交換
ができます。A2O システムがサポートする通信プロトコールは、CLSI
(LIS2-A2 記録フォーマットおよび LIS01-A2 低レベルプロトコール) は、
双方向と一方向です。
通信リンクにより、ホストコンピュータは患者の作業命令を A2O シス
テムに送信し、A2O システムから送信された結果を受信することができ
ます。ホスト作業命令はサンプル情報を A2O システムソフトウェアに
提供しますが、測定されるパラメータは選択しません。A2Oは、唯一の
測定サイクルを有しています。
本書の付録の説明にあるように、使用プロトコールのタイプは、システ
ムユーザインターフェイスの LIS セットアップスクリーンから選択され
ます。
A2Oのシステムソフトウェアは、使用可能な結果を自動的にホストに
送信するか、またはマニュアルで結果を送信しオペレーターにデータ
を検討する時間を与えることもできます。双方向モデルでは、必要に
応じて、A2O システムは LIS から患者作業命令情報を請求できます。
LIS はサンプル測定に先立ち、患者作業命令情報のA2O への送信を開始
することもできます。情報は、解析され、後で使用するためにシステム
に保存されます。システム測定サイクルがスタートし、既存のサンプル
ID 作業命令または患者のバックグラウンドの記録がシステムに存在し
ない場合、患者情報が自動的に請求されます。
115
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
A2O LIS 通信のセットアップ
LIS 通信用に A2O を構成するために、 A2O 用 LAN 接続とそれに伴う
LIS 接続の両方をセットアップする必要があります。
A2O 用 LAN 接続のセットアップ
A2O のLAN セットアップスクリーンを使って、お使いのLANで通信でき
るようにA2O を構成します。
LAN セットアップスクリーンを表示させる手順:
1.
メインスクリーンを起動させ、メニュー、続いてシステム構成を押
し、最後に監督者モードを押します。
2.
入力キーを押します。
3.
パスワードを問われたら、「パスワード」とタイプして入力キーを
押します。
4.
LANボタンを押します。
LAN セットアップは一度だけ必要です。
最初に、DHCP サーバにより動的 IP アドレスを A2Oに割り当てたいの
か、あるいは固定 IP アドレスを A2Oに割り当てたいのか(貴社の IT 部
からどちらを使用しているか情報を得る)を決めます。この操作をすると
116
LIS ( Laboratory Information System) 実験室情報予備システム
、LAN セットアップスクリーンで他の設定は全くできなくなります。
固定 IP アドレスを使用するには、DHCP 使用のボックスを選択せずに
、 LAN セットアップスクリーンで表示される追加情報(貴社の IT 部か
ら入力情報を得る)を入力します。
終了したら、変更の適用ボタンを押します。
A2O 用 LIS 接続のセットアップ
A2O の LIS セットアップスクリーンを使って、お使いの LIS で通信でき
るように A2O を構成します。
LIS セットアップスクリーンを表示させる手順:
1.
メインスクリーンを起動させ、メニュー、続いてシステム構成を押
し、最後に監督者モードを押します。
2.
入力キーを押します。.
3.
パスワードを問われたら、「パスワード」とタイプして入力キーを
押します。
4.
LIS ボタンを押します。
LIS セットアップは一度だけ必要です。
117
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
A. 通常動作時のセットアップ
最初に LIS 有効 ボックスを非選択にします。普通は、サーバと
して接続とサーバとして通信のボックスを非選択にするでしょ
う。ご使用の LIS サーバの IP アドレスとポート番号を貴社 IT
部から得て、IP アドレスの変更 とポート # の変更ボタンを使
ってこれらの値を入力します。次いで、LIS 有効 ボックスを選
択します。
サーバとして接続、サーバとして通信、<ETX> 前に <CR> を送
信しない、<EOT> を送信しないの選択肢を非選択のままにしま
す。
A2O をこの方法で構成していれば、A2Oは指定した IP アドレス
とポート番号でサーバに接続しようとします。
B. 特殊な設定
A2Oをサーバとして接続および/または通信させる
サーバとして接続とサーバとして通信 ボックスについては、ア
ドバンス自動浸透圧計 A2O の実験室情報予備システム(LIS)
インターフェイススペック(文書番号 200443PM)のサーバに
接続およびサーバとして通信のセクションをご覧ください。
サーバとして接続ボックスを選択していると、 A2O は LIS セッ
トアップスクリーンの IP アドレス設定値を使用しません。この
方法で A2O を構成していると、 LAN セットアップスクリーン
で指定した IP アドレス、およびLIS セットアップスクリーンで
指定したポート番号への接続を認めるソケットを、A2O から得
られます。この場合、LAN セットアップスクリーンで指定した
IP アドレス、およびLIS セットアップスクリーンで指定したポ
ート番号への接続を要求するには、A2O LIS に接続を好むソフ
トウェアを構成しておく必要があります。
下位互換性に対する設定
118
LIS ( Laboratory Information System) 実験室情報予備システム
後期バージョンの A2O ソフトウェアは、旧バージョンより実施
されてきたLIS 通信プロトコルへのいくつかの変更を組み込ん
でいます。旧バージョンですでに LIS 通信を確立した設置に対
応するために、現在の A2O ソフトウェアは、以下の旧バージョ
ンの機能を保持するための条件を包括しています。
• LIS スペックでは、LIS メッセージ内の各記録を <CR> 文字で
終了する必要があることを言及しています。また、記録のま
とまりは <ETX> 文字で終了する必要があることも言及してい
ます。A2O ソフトウェアの現バージョンは、各記録は <CR>
文字、続いて <ETX> 文字の順で終了します。A2O ソフトウェ
ア旧バージョンの一部は、各記録が <ETX> 文字だけで終了し
ます(<CR> 文字が先行しない)。 <ETX> 前に <CR> を送信
しない ボックスを選択していると、A2O ソフトウェアに
<CR> 文字を送信させないことになります。
• LIS スペックでは、各 LIS メッセージが <EOT> 文字で終了す
る必要があることを言及しています。A2O ソフトウェア旧バ
ージョンの一部では <EOT> 文字を送ることが出来ませんでし
た。 <EOT> を送信しないボックスを選択していると、A2O
ソフトウェアに <EOT> 文字を送信させないことになります。
LIS 作業の記録
実施するすべての LIS 操作を記録するように、A2O を構成することがで
きます。この記録はテキストとしてUSBメモリスティックにエクスポー
トできます。
LIS 作業の記録を有効にするには、LIS セットアップ画面を表示して、
以下のように LIS 作業を記録するのチェックボックスを確認します。
A2O が LIS 操作を実施するとき、LIS 作業記録はデータを蓄積し続けます。
作業記録を消去 ボタンを押すと記録がなくなります。作業記録のエク
スポートボタンを押すと、 USB メモリスティックに記録が書き込まれ
ます。
119
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
メモリスティックを差し込んでから A2O が認識するまで数秒かかり、
さらに作業記録のエクスポート ボタンを押した後、書き込み終了のメ
ッセージがA2O 画面に表示されるまで待ってから、メモリスティックを
取り外す必要があることに注意してください。
120
付録 F
シンボルマークの定義
オン-オフ
動作矢印
用紙送り
プリンタ
割り込み
入力
測定
RS-232
スタート
バーコード
停止
注意
記録見直し
熱表面に注意
セットアップ
危険電圧
較正
危険物の持ち上げ
キャンセル;削除
較正剤
121
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
122
内容物
上部の開梱禁止
コントロール
取り扱い注意
ネガティブコントロール
有毒
ポジティブコントロール
ナイフで開ける
引火性
再使用禁止
割れ物注意
体外診断用
刺激性
ヨーロッパ規格
湿気厳禁
限界温度
製造日
説明書を参照
滅菌ずみ
ロット番号
非滅菌
使用期限
シリアル番号
正規代理店
溶液
部品番号
シンボルマークの定義
[ x ] 測定に十分
ここを開ける
ラッテクス不含
希釈
液量低
温度ガイドライン説明
書を参照
手を近づけない
とがった物でケガをす
る危険性
製造者
電子装置適切な廃棄が
必要
バイオハザード
レーザーハザード
カットハザード
静電放電
123
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ヒント:
124
付録 G
保証および保証の義務
ユーザと アドバンス社は、本装置を受理し
操作することにより、本装置の最大の利点
と有用性を得るために、販売者とユーザ間
で契約で同意した保証と条件を構成する以
下の責任に同意します。
アドバンス社は以下の事項を保証
します。
1. 標準のデザイン、材質、および製品で
同一の価格範囲ではいずれの競合製品
以上の装置を生産している。
125
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
2. 身体に損傷を起こす可能性のあるデザ
インや材料に欠損がないことを熟知し
ている。
3. 装置の変更または改善がされる場合、
それらについてユーザにアドバイスす
ることに努め、使用している装置の安
全性と性能を向上させる対策を、ユー
ザが講じることができるようになる。
4. 添付の保証書の保証契約にしたがって
装置を交換または修理する。
5. 本装置が関与する事故の共同防衛、ま
たはユーザ/操作作業員に対するサード
パーティの訴訟では、いかなる事故発
生に関してユーザにより直ちに助言が
あれば、緊密に協力する。
c.
前記損傷についてアドバンス社に
迅速に通知されなかったため。
d.
結果の解釈。
言葉の定義
1. 「耐用年数」とは:
a.
ユーザが実際に装置を減価償却す
るか否かにかかわらず、米国国税
庁のガイドラインで原価償却期間
と同じ意味である。しかし、ユー
ザへの納入期日から 10 年を超え
ないものとする。
b.
装置を アドバンス社による処方に
基づき定期的にメインテナンスし
続けてきた期間に限る。ユーザが
現地サービスを得られない地域に住
んでいる場合、アドバンス社は現地
サービス員に(装置の実際の修理を
実施する人材を意味すると考えられ
る)、適切なメインテナンスと修理
コースに出席して試験に合格するこ
とを要請することがある。
c.
アドバンス社の書面による許可な
くいずれかの方法でユーザが装置
を変更しなかった期間に限る。
d.
ユーザがいずれのサードパーティ
にも装置を、ローンしたり、リー
スしたりまたは転売しない期間に
限る。
ユーザは以下について確実に行う
ことが必要です。
1. 装置は無理なく使用する。
2. 装置を本マニュアルに従って定期的に
メインテナンスし、それには装置に実
施されたすべてのサービス、テストお
よび修理の記録も含まれ、代理店のサ
ービス員の能力を超えた修理に対し、
アドバンス社に請求した修理すべてに
ついて記録を保管しておく。
3. 装置は アドバンス社の書面による許可
なしで変更しない。
4. アドバンス社は装置に関連する損傷が
起きる場合、ただちに アドバンス社に
通知し、問題の装置の迅速で完全な検
査を実行することを許可する。
5.
損傷が持ち上がった場合(理由は以下
を参照)、アドバンス社は、害のないの
立場に置かれる。
a.
装置の耐用年数を越えたため。
b.
無理な使用による。
126
2. 「適性な使用」とは”:
a.
アドバンス社によって供給された指
示(英語を読む社員または監督者を
想定)に従って使用する。監督者と
オペレータのいずれも英語を読めな
い場合、ユーザは提供された、装
置ラベル、操作方法、ユーザガイ
ドおよび/または取扱説明書の正確
な翻訳を得ることに同意する。
付録G 保証および保証の義務
b.
監督者または他の担当専門者によ
る直接の実地監督下での使用。
c.
未知の欠陥あるい未修正の修理が
ある場合。
d.
装置とともに提供される操作方法
に記載されてある目的に限った使
用。
e.
提供された操作方法に従って装置
がメインテナンスされている状態
で使用。
3. 「迅速な通知」とは:
a.
アドバンス社の装置に関与するい
かなる事故、誤使用、または製造
物責任が持ち上がった核心となる
時と認識される。
b.
アドバンス社 の装置に関与し、
アドバンス社がいかなる形態の訴
訟の被告として告発される可能性
が少しでもある状況で、人への損
傷が発生した際、ただちに(可能な
らその日のうちに) アドバンス社に
通知すること。
c.
アドバンス社またはその代理店が、
アドバンス社の装置およびその装置
に関連するすべての記録について、
迅速で全体的な徹底した検査を可
能にすること。
127
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
ヒント:
128
付録 H
製品の廃棄とリサイクル
耐用年数を終えた製品と材料の不適切な廃棄により生じる、環境汚
染に対する国際的な懸念が起こり、その結果、廃棄される電気/電子
装置の取り扱い方法と手順を管理する法律が増えました。世界の一
部の地域では、その規制状況が正式な法律の施行まで進展している
一方、その他の多数の地域では、類似の法律を作成中であったり、
他の地域ですでに存在する法律を採用しようとしています。そのた
め数年先は、製品が一旦使われなくなると、その廃棄および成分の
リサイクルはより厳しく管理されることになります。
ご使用の装置や付属品の廃棄を管理する規制が、地理的な位置によ
って様々に異なる可能性があるので、以下のガイドラインが提供さ
れています。そのガイドラインは、本製品の交換または廃棄の決定
をした後、皆様が利用可能な選択肢を確認するお手伝いをします。
• 製品を購入した納入業者に連絡します. アドバンス社から直接か、
その正規代理店の1つから購入したかに関わらず、納入業者はそ
の地域で製品の廃棄とリサイクルを管理する、国と地方の規制に
ついて精通しているはずです。一部の納入業者は、皆様から製品
を受け取り、それ以上の手間をかけずに、適切な廃棄またはリサ
イクルを手配することを、法的に義務付けられていることもあり
ます。これとは別に、製品を適切に廃棄するために、皆様がと
るべき作業の具体的な説明を、納入業者が提供することもでき
ます。
129
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
• 地方自治体の廃棄物収集と廃棄を担当する部署にお問い合わせく
ださい。 担当部署では施行されている手順と制約を確認し、適切
な廃棄と製品を送ることが可能な場所を確保できます。
• 以下の アドバンス社Hot-Line® サービスにご連絡ください。
• 800-225-4034(米国とカナダでは通話無料、営業時間以外は
内線 2191)
• +US 781-320-9000 (それ以外の地域)
• +US781-320-0811 (ファックス)
サービス担当者が、現地の廃棄に関する情報を与えるか、または
アドバンス社に直接製品を返送する説明をいたします。
130
付録 I
修理記録
モデル:
A2O
シリアル番号:
ソフトウェア改訂:
サンプルプローブ番号:
ブロックプローブ番号:
日付
問題点/症状
処置
131
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
日付
132
問題/症状
処置
索引
あ
イーサーネット ポート
28
イベント記録
83
インストールとセットアップ 1
エクスポート機能
82
エラーメッセージ
99, 101
温度測定
26, 72
か
キーパッド
28, 45
機器の電源を入れる
9
機器の返送
89
記号
凡例
ix, 109
言葉の定義
121
規制通知
109
較正
15, 33, 41
スクリーン
43
手順
41
メモ
43
ログ
64
緊急停止
28, 49
クリーニングステーション 6, 21,
31
結果スクリーン
79
言語の選択
14, 65
検索機能
81
較正剤
xii, 37, 62
言葉の定義
xviii, 121, 126
コントロール
回路
チャート
溶液
コントロール溶液
限界値処理
削除
追加
変更
24
60
57
60
59
58
58
さ
サービス連絡先
再現性を得るヒント
再現性(精度)と正確度
(確度)
最小サンプル量
サンプル
測定手順
調製
ID
システム溶液
残りの溶液レベル
容量
湿度の測定
修理記録
修理サービスの依頼
仕様
使用目的
シリンジポンプ
診断テスト
ii, 79
32
37
20
33
31
55
50
23
26, 71
131
88
107
xv
27
13
133
アドバンス自動浸透圧計 A2O® ユーザガイド
浸透圧計モジュール
浸透圧の定義
スタートボタン
ストッパ
取り付け
取り外し
スピーカー音量
製品仕様
設定、変更
測定
設定
セットアップ
手順
26
xxi
49
90
4
71
107
35
55
52
29
た
ターンテーブル(浸透圧計) 10, 22
通知
63
抵抗
サンプルプローブ
71
ブロックプローブ
72
低容量インサート
20
停止ボタン
48, 64
テキスト入力
85
ディスプレイのバックライト
レベル
71
電源スイッチ
6
トラブルシューティング
87
チェック事項
99
表
101
チューブ残存
50
な
粘度
134
31, 108
は
廃液ボトル
充填レベル
容量
標準溶液とコントロール
反復回数
包装内容リスト
バーコード
スキャナー
測定
フォーマット
ポート
日付/時間
品質管理
ピペット
機能
クラッシュ検出回路
プライミング
溶液レベルの検出
ヒューズの交換
フリージングチャンバ
プライマリチューブ
カルーセル
アダプター
許容チューブサイズ
ディスプレイ
プリンタ
セットアップ
テスト
用紙の装填
プロトコール
削除
使用
追加
内蔵
53,
14,
8,
14,
50
23
37
70
3
56
25
29
25
29
75
39
22
22
24
12
24
99
27
10, 19
13, 21
20
47
28
69
70
5
52
53
57
53
53
索引
保守
シャットダウンと保管 98
日常
91
保証
125
や
ユーザー
アクセス権の変更
インターフェース
削除
追加
パスワード変更
リスト
ID
溶液ボトル
溶液レベルの検出
A/D テスト
104
Hot-Line® サービス
ii, 84
Levey-Jennings チャート
58
LIS のセットアップ
73, 115
STAT
測定
81
ボタン
47
USB ポート
9, 29
68
24, 45
68
68
68
67
55
23
20, 24
ら
リアパネル
リサイクル
ログ
エクスポート
コントロール溶液
表示
9
129
82
61
83
135