HA17555 シリーズ プレシジョンタイマ ADJ-204-065 (Z) Rev. 0 2000.12 概要 HA 17 55 5 は正確なタイミングパルス遅延時間発生用として設計された IC です。単安定マルチバイブレー タ,無安定マルチバイブレータなどの広範囲な応用ができるようにトリガ端子,リセット端子の両方を備え ており,また外付け部品点数は少なくてすみます。なおシグネティクス社の NE555 と互換性があります。 特長 l 単安定マルチバイブレータは抵抗,コンデンサ各 1 個で構成可能 l 無安定マルチバイブレータは抵抗 2 個,コンデンサ 1 個で構成可能 l 遅延時間設定は数 µs∼数時間まで広い範囲で設定可能 l パルスデューティが精度良くコントロール可能 l シンク電流,ソース電流の最大値は 200mA l 出力は TTL と直結可能 l 遅延時間の温度変動率は 50ppm/°C (標準) l 出力は通常 ON, OFF 状態 製品ラインアップ 区分 型名 パッケージ 通信工業用 HA17555PS DP-8 一般用 HA17555FP HA17555 FP-8D DP-8 HA17555F FP-8D HA17555 シリーズ 用途 l 遅延時間発生器 (単安定マルチバイブレータ) l パルス発生器 (無安定マルチバイブレータ) l パルス幅変調器 l パルス位置変調器 l ミスパルス検出器 ピン配置 GND 1 8 VCC Trigger 2 7 Discharge Output 3 6 Threshold Reset 4 5 Control Voltage (上面図) 端子説明 端子 No. 2 端子説明 1 GND 端子 2 トリガ端子 3 出力端子 4 リセット端子 5 コントロール電圧端子 6 スレッショルド端子 7 ディスチャージ端子 8 VCC 端子 HA17555 シリーズ 回路構成 Control Voltage VCC R1 R2 R3 R4 R12 Q21 Q5 Q6 Q7 Q8 Q9 Q22 Q19 R13 R7 Q23 Threshold Q1 Q4 Q2 Q20 Q3 R14 Q18 R8 R11 R5 Q24 R16 Q11 Q12 Q10 Trigger Output Discharge R15 Q13 Q16 Q17 Q14 Q15 R6 R9 GND Reset Q25 ブロックダイアグラム VCC Threshold Control Trigger R Q S Output CLR Discharge Reset 3 HA17555 シリーズ 絶対最大定格 (Ta = 25°C) 定格値 項目 記号 HA17555PS/FP HA17555/F 単位 電源電圧 VCC 18 18 V 放電電流 IT 200 200 mA 出力ソース電流 Isource 200 200 mA 出力シンク電流 Isink 200 200 mA 600/385 600/385 mW 1 許容損失 PT * 動作温度 Topr –20∼+75 –20∼+70 °C 保存温度* Tstg –55∼+125 –55∼+125 °C 注) 1. HA 17555/PS は,Ta = 50° C までの許容値であり,それ以上は 8. 3mW/ ° C でディレーティングし てください。 HA 17555F/ FP は,Ta = 25° C までの許容値であり,それ以上は 3. 85mW/ ° C でディレーティング してください。実装時のディレーティングについては,「信頼性について」の「SOP の使用上の 注意」を参照してください。 最大許容損失 PTmax (W) 0.7 0.6 a. 0.6 W 8.3 mW/°C 0.5 3.85 mW/°C 0.4 b. 0.385 W 0.3 0.2 0.1 –40 –20 4 0 20 40 60 80 周囲温度 Ta (°C) 100 120 HA17555 シリーズ 電気的特性 (VCC = 5∼15V, Ta = 25°C) 項目 記号 Min Typ Max 単位 電源電圧 VCC 4.5 — 16 V 電源電流 * 1 I CC — 3.0 6.0 mA — 10 15 タイミング 固有誤差 エラー* 2 ET 測定条件 VCC = 5V, RL = ∞ VCC = 15V, RL = ∞ — 1.0 — 温度依存性 — 50 — % 電圧依存性 — 0.01 — %/V 2/3 — ×VCC V ppm/°C Ta = –20∼+75°C VCC = 5∼15V スレッショルド電圧 Vth — トリガ電圧 VT — 5.0 — トリガ電流 IT — — 1.67 0.5 — — µA リセット電圧 VR 0.2 0.5 1.0 V リセット電流 IR — 0.1 — mA — 0.1 0.25 µA V VCC = 15V V VCC = 5V VCC = 15V 3 スレッショルド電流 Ith* コントロール電圧 VCL 9 10 11 VOL 2.6 — 3.33 0.1 4.0 0.25 0.4 2.0 2.5 0.25 12.5 13.3 3.3 100 0.75 2.5 — 0.35 — — — — ns 出力電圧 出力立ち上がり時間 tr — — — — — 12.75 2.75 — 出力立ち下がり時間 tf — 100 — ns パルス幅差 tw ±10.0 — — µs VOH 注) VCC = 15V VCC = 5V V Isink = 10mA Isink = 50mA Isink = 100mA Isink = 200mA VCC = 5V, Isink = 5mA VCC = 15V Isource = 200mA Isource = 100mA VCC = 5V, Isource = 100mA 無負荷時 (出力パルス幅—トリガパルス幅) * 4 1. 出力がローの状態 (出力がハイの状態では,標準で 1mA 少ない) 2. RA, RB = 1k∼100kΩ, C = 0.1µF, VCC = 5V および 15V 3. Ith の値により VCC = 15V 時の RA + RB の最大値が決定され 20MΩ max.です。 4. 単安定回路時は出力パルス幅,無安定回路時は出力ハイレベルパルス幅 5 HA17555 シリーズ 主特性 無負荷消費電流 対 電源電圧特性 Vout : Low Level Quiescent Current ICC (mA) 10.0 Ta = –20°C 8.0 25°C 6.0 75°C 4.0 2.0 0 5.0 10.0 Supply Voltage VCC (V) 15.0 Supply Voltage VCC – Output Voltage VOH (V) 12.0 電源電圧 (VCC) — 出力電圧 (VOH) 対 ソース電流特性 2.0 Ta = –20°C 1.6 25°C 1.2 75°C 0.8 5 V < VCC < 15 V 0.4 0 10 VCC = 10 V 3 Output Voltage VOL (V) Output Voltage VOL (V) Ta = 75°C 25°C –20°C 1.0 0.3 0.1 VCC = 5 V 0.03 100 出力電圧 (VOL) 対 シンク電流特性 (2) 出力電圧 (VOL) 対 シンク電流特性 (1) 10 3 3 10 30 Source Current Isource (mA) 1 1.0 0.3 Ta = 75°C –20°C 0.1 25°C 0.03 0.01 0.01 1 3 10 30 100 300 Sink Current Isink (mA) 1 1,000 3 10 30 100 300 Sink Current Isink (mA) 1,000 相対遅延時間 対 電源電圧特性 出力電圧 (VOL) 対 シンク電流特性 (3) 1.015 10 1.010 Relative Delay Time Output Voltage VOL (V) VCC = 15 V 3 1.0 Ta = –75°C 0.3 0.1 –20°C 25°C 1.000 0.995 0.990 0.03 0.01 0.985 1 6 1.005 3 10 30 100 300 Sink Current Isink (mA) 1,000 3 5 10 15 Supply Voltage VCC (V) 18 HA17555 シリーズ 相対遅延時間 対 周囲温度特性 トリガ最小パルス幅 対 トリガ電圧Lowレベル特性 200 Minimum Trigger Pulse Width (ns) 1.015 Relative Delay Time 1.010 1.005 1.000 0.995 0.990 150 100 Ta = –20°C 50 0.985 –20 0 20 40 60 80 Ambient Temperature Ta (°C) 25°C 75°C 0 0.1 0.2 0.3 0.4 Low Level Trigger Voltage (×VCC) 伝搬遅延時間 対 トリガ電圧Lowレベル特性 Propagation Delay Time (ns) 300 200 Ta = –20°C 25°C 100 0 75°C 0.1 0.2 0.3 Low Level Trigger Voltage (×VCC) 0.4 7 HA17555 シリーズ 動作回路例 単安定動作 VCC 4 Reset Input 8 RA VCC Output 3 RL Output 2 Trigger Discharge 7 5 Control Voltage Threshold 6 0.1µF GND 1 C 図 1 単安定回路 図 1 は HA 17 55 5 を使用した単安定回路です。外付け容量 C は初め IC 内のディスチャージトランジスタに よって放電されているものとします。トリガ端子にネガティブゴーイング入力トリガパルスが加えられると, フリップフロップはセットされて,出力は"High"に駆動されます。容量 C は抵抗 RA を通して時定数 τ = RA C で充電されます。容量 C の両端の電圧がコンパレータ A のスレッシュホールド電圧に達すると,フリップフ ロップはリセットされて,容量 C は放電します。このため出力は再び" Lo w" に戻ります。単安定はネガティ ブゴーイング入力パルスがトリガレベルに達すると起り,一度単安定動作に入るとこの期間中に再トリガ信 号が加えられても再トリガはされません。出力パルス幅は図 1 および図 2 から,t w = 1.1 RA C となります。単 安定動作中にリセットとトリガ端子にネガティブゴーイングのパルスが同時に印加されると,C は放電して リセットパルスの ポジティブエッジで単安定動作が 再び始まります。出力はリセット 端子が" Lo w" である限 り" Lo w" に保持されます。ま たリセット端子は使用しない場合,誤動作を防ぐ ために VCC に接続しておく方 が安全です。図 2 は RA と C の値を変えたときの出力パルス幅の特性を,図 3 は動作波形を示します。また単 安定回路に従属に接続することによって,シーケンシャルタイマを作ることもできます。 8 HA17555 シリーズ 100 10 出力パルス幅 tW (sec) 1 RA = Ω 1M Ω 0k 100m 10 kΩ 10m 10 Ω 1k 1m 100µ 10µ 0.001 0.01 0.1 1 タイミング容量 C (µF) 10 100 図 2 単安定動作の出力パルス幅 対 外部定数の特性 Input (5V/div) 0 Output (5V/div) 0 Output (10V/div) 0 C端子の電圧 (6ピン) 0 (5V/div) C端子の電圧 (6ピン) 0 (10V/div) RA = 8kΩ C = 0.01µF RL = 1kΩ (100µs/div) Input (5V/div) 0 (a) VCC = 5V RA = 8kΩ C = 0.01µF RL = 1kΩ (100µs/div) (b) VCC = 15V 図 3 単安定動作波形 9 HA17555 シリーズ 無安定動作 図 1 の回路に第 2 の抵抗 RB を付加し,トリガ端子にスレッシュホールド端子を接続すると,HA17555 は無 安定回路として動作します。この回路構成を図 4 に示します。この回路で容量 C は RA と RB を通して充電さ れ,RB を介して放電します。したがってデューティサイクルは RA と RB でコントロールできます。図 4 では 容量 C はスレッショルド電圧レベル (約 0.67 VCC ) とトリガ電圧レベル (約 0.33 VCC ) の間を充,放電します。 VCC 4 Reset 8 RA VCC Output 3 RL Output 2 Trigger Discharge 7 RB 5 Control Voltage Threshold 6 0.1µF GND 1 C 図 4 無安定回路 図 5 に無安定動作の代表的な例を示します。この図で出力が"High"レベルの時間 t H と"Low"レベルの時間 t L は, t H = 0.693 (RA + RB) C t L = 0.693 RB・C 発振周波数は, f = 1.44 / (RA + 2R B) C デューティサイクル D は, D = RB / (RA + 2R B) と計算できます。 RA = 3.9kΩ RB = 3.2kΩ C = 0.1µF RL = 1kΩ Output (2V/div) 0 C端子の電圧 (6ピン) (2V/div) 0 RA = 3.9kΩ RB = 3.2kΩ C = 0.1µF RL = 1kΩ Output (5V/div) 0 C端子の電圧 (6ピン) (5V/div) 0 (200µs/div) tL tH (a) VCC = 5V (b) VCC = 15V 図 5 無安定動作波形 10 (200µs/div) HA17555 シリーズ ご使用上の注意点 1 . HA 17 55 5 タイプのタイマ用 IC は回路構成上の特長より,使用時に電源,GN D ラインにスイッチングノ イズが乗ることがあります。このような場合,電源内部および電源−GND 間配線のインピーダンスによっ ては,出力波 形異常を生ずることがあ りますので,実装時は各配 線インピーダンスを極力 下記の値以下 に抑えるようご配慮ください。 R31 R21 R1 VCC 1 8 2 7 3 6 4 5 RA RB C 0.1µ R22 R32 R1 : 電源出力インピーダンス R21, R22 : リード線抵抗 R31, R32 : 基板配線抵抗 R1 ≤ 50mΩ R21 + R22 ≤ 100mΩ R31 + R32 ≤ 20mΩ 2 . セットパル ス幅とトリガパルス幅が近 い場合,一度にセットパ ルスが続けて出力されるダ ブルパルスが 発生する恐れがあります。 これは,セットパルス幅とトリガパルス幅の差がおよそ±1 0µS 前後以下の場合, おこりやすく,対策と しては以下が有効です。 a. セットパルス幅を極力長く,トリガパルス幅を極力短く設定し,これらのパルス幅の時間差を長くす る。 b. 5 ピンのコンデンサを小さくするか,削除してみる。 11 HA17555 シリーズ 外形寸法図 Unit: mm 6.3 7.4 Max 9.6 10.6 Max 8 5 1 0.89 4 1.3 7.62 0.1 Min 2.54 Min 5.06 Max 1.27 Max + 0.10 0.25 – 0.05 0.48 ± 0.10 2.54 ± 0.25 0° – 15° Hitachi Code JEDEC EIAJ Mass (reference value) DP-8 Conforms Conforms 0.54 g Unit: mm 4.85 4.4 5.25 Max 5 8 1 0.75 Max *0.22 ± 0.05 0.20 ± 0.04 2.03 Max 4 0.25 6.50 +– 0.15 1.05 *0.42 ± 0.08 0.40 ± 0.06 0.10 ± 0.10 0° – 8° 1.27 0.25 0.60 +– 0.18 0.15 0.12 M *Dimension including the plating thickness Base material dimension 12 Hitachi Code JEDEC EIAJ Mass (reference value) FP-8D — Conforms 0.10 g HA17555 シリーズ ご注意 1 . 本書に記載 の製品及び技術のうち「外 国為替及び外国貿易法」 に基づき安全保障貿易管理 関連貨物・技 術に該当するものを輸出する場合,または国外に持ち出す場合は日本国政府の許可が必要です。 2 . 本書に記載 された情報の使用に際して ,弊社もしくは第三者の 特許権,著作権,商標権, その他の知的 所有権等の権 利に対する保証または実 施権の許諾を行うものでは ありません。また本書に 記載された情 報を使用した 事により第三者の知的所 有権等の権利に関わる問題 が生じた場合,弊社はそ の責を負いま せんので予めご了承ください。 3 . 製品及び製 品仕様は予告無く変更する 場合がありますので,最 終的な設計,ご購入,ご使 用に際しまし ては,事前に最新の製品規格または仕様書をお求めになりご確認ください。 4 . 弊社は品質 ・信頼性の向上に努めてお りますが,宇宙,航空, 原子力,燃焼制御,運輸, 交通,各種安 全装置, ライフサポート関連の医療機器等のように,特別な品質・信頼性が要求され,その故障や誤動 作が直接人命 を脅かしたり,人体に危 害を及ぼす恐れのある用途 にご使用をお考えのお客 様は,事前に 弊社営業担当迄ご相談をお願い致します。 5. 設計に際しては,特に最大定格,動作電源電圧範囲,放熱特性,実装条件及びその他諸条件につきまし ては,弊社保証範囲内でご使用いただきますようお願い致します。 保証値を越えてご使用された場合の故障及び事故につきましては,弊社はその責を負いません。 また保証値内のご使用であっても半導体製品について通常予測される故障発生率,故障モードをご考慮 の上,弊社製品の動作が原因でご使用機器が人身事故,火災事故,その他の拡大損害を生じないように フェールセーフ等のシステム上の対策を講じて頂きますようお願い致します。 6. 本製品は耐放射線設計をしておりません。 7. 本書の一部または全部を弊社の文書による承認なしに転載または複製することを堅くお断り致します。 8. 本書をはじめ弊社半導体についてのお問い合わせ,ご相談は弊社営業担当迄お願い致します。 半 導 体グループ 北 海 道 支 社 東 北 支 社 関 東 支 社 新 潟 支 店 茨 城 支 店 群 馬 支 店 電 子 統 括 営 業 本 部 松 本 営 業 所 横 浜 支 社 〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目6番2号(日本ビル)(03) 3270-2111(大代) (011) 261-3131 (代) (0462) 96-6800 (代) 県 央 支 店 (022) 223-0121 (代) (0559) 51-3530 (代) 沼 津 営 業 所 ダイヤル) (03) 3212-1111 (代) (076)263-2351 ( 金 沢 支 店 イン (052) 243-3111 (代) (025) 241-8161 (代) 中 部 支 社 (06) 6616-1111 (大代) (029) 271-9411 (代) 関 西 支 社 (082) 223-4111 (代) (027) 325-2161 中 国 支 社 (087) 831-2111 (代) (03) 3270-2111 (代) 四 国 支 社 (089) 943-1333 (代) (0263) 36-6632 愛 媛 支 店 (092) 852-1111 (代) (045) 451-5000 (代) 九 州 支 社 ■ 技術的なお問合せおよび資料のご請求は、上記の担当営業または下記へどうぞ。 〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 (日本ビル) 株式会社 日立製作所 半導体グループ 電子統括営業本部 総合問合せ窓口 :半導体カスタマサービスセンタ E-Mail:[email protected] 電話 (03) 5201-5220(直) ドキュメント請求窓口:半導体ドキュメント管理室 E-Mail:[email protected] 電話 (03) 5201-5189(直) ● 製品仕様は、改良のため変更することがあります。 Copyright Hitachi, Ltd., 2000. 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