FM放送電波の形 その3 送信電波

No58
Shu-chan の
FM放送
放送ネットワーク
道しるべ
中仙道(倉賀野宿)
< F M 放 送 電 波 は ど ん な 形 ? ・・作 り 方
(その3 送信電波)>
今回は、送信電波を作り出す機器や回路の説明をいたします。
FM放送機について、モノーラル放送用とステレオ放送用に分けて示し
ます。
☆
モノーラル放送機
図1にモノーラル放送電波を作る放送機のブロック図を示します。
変調波
入力
発信
変調
逓倍
増幅
電力
増幅
変調波
出力
分周
低域通過
フィルター
図1
位相
比較
分周
基準
発信
モノーラル放送電波の作り方
① 基準発信部では、正確な一定の基準となる周波数の搬送波を発生しま
す。
② 位相比較部では基準発信の周波数と発信変調の周波数の差異をチェッ
クし常に安定したFM放送波となるよう微調整する信号をつくります。
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受信サービス株式会社
http://www.jushin-s.co.jp/
③ 分周部では基準発振の周波数と発振変調の周波数とを比較する際、比
較しやすい低い周波数になるよう変換します。
④ 発信変調部では、VHFのように高い周波数を変調するのは困難です
ので、ひとまず、低い搬送波を変調し被変調波の「卵」を作ります。
一般的には、送信する電波の1/6の周波数で変調します。
⑤ 逓倍増幅部では、
「卵」から放送電波と同じ周波数になるよう、2逓倍
および 3 逓倍の増幅器にて放送電波の周波数に変換します。
⑥ 電力増幅部では、必要な電力、NHK-FM 東京の場合は 7 kW に増幅し
ます。
☆
ステレオ放送機
ステレオ放送電波を作る放送機は、後述のFM多重放送にも対応するよ
う、伝送帯域を約 100kHz まで広げる必要がありますが、基本的にはモノ
ーラル放送機と同様です。
この大きく異なる部分は、FM放送機に入力される変調信号が「ステレ
オ複合信号」になることです。まず、ステレオ複合信号を作るFMステレ
オ変調器から説明しましょう。
図2「にステレオ複合信号の「ベースバンド上の周波数の配列」を再掲
します。
ステレオ放送
A=M+S+P(ステレオ複合信号)
主チャンネル信号
M=L+R
副チャンネル信号
パイロット信号
S=L-Rの
副搬送波変調波
P
副搬送波
副搬送波
0
38
15 15 23
53
変調周波数kHz
図2
ベースバンド上の変調周波数の配列
2
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各信号の構成は次によります。
左側信号の電圧・・・・・・L
右側信号の電圧・・・・R
パイロット信号の電圧・・・P
主チャンネル信号の電圧・・M=L+R
副チャンネル信号の電圧・・S=38 kHz の副搬送波で(L-R)を振幅変
調し、38 kHz の副搬送波を弱めたもの
主搬送波を変調する信号の電圧・・・・A=M+S+P
(ステレオ複合信号といいます。)
各信号を主搬送波で周波数変調する際の主な規定は次のように定められ
ています。
・
主チャンネルおよび副チャンネルの信号による主搬送波の周波数偏移
は同一の値で、その最大値は主搬送波の最大周波数偏移の 45%とします。
19kHz
・
パイロット信号の周波数は
とします。
・
パイロット信号による主搬送波の周波数偏移は、主搬送波の最大周波
数偏移の 10%とします。
38 kHz
・
副搬送波の周波数は
とします。
・
パイロット信号の位相
・
左右分離度は、変調周波数 100Hz~10 kHz の間で 30dB 以上
0°
図3にステレオ複合信号を作るFMステレオ変調器のブロック図例を示
します。
この変調器は、通常、送信所ではなく放送局(演奏所)に設置されてい
ます。
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主チャンネル信号 M: (L+R )
L入力
R入力
プリエン
ファシス
マ
ト
リ
ッ
ク
ス
プリエン
ファシス
L+R、L-R
を作る回路
(L-R
副搬送波
を変調
38kHz
副搬送波
発信
図3
①
混
副チャンネル信号 S:
(L-R)
合
回
1/2 に
分周
ステレオ複合信号の作り方
ステ
レオ
複合
信号
出力
路
M+S+P
パイロット信号
19kHz P
L信号ならびにR信号をそれぞれ時定数 50μs のプリエンファシス
回路に通します。
②
マトリックス回路により L+R ならびに L―R の信号を作りま
す。
③
38kHz の副搬送波を発信させます。
④
その副搬送波で L―R の信号を振幅変調し、38kHz の副搬送波成
分を抑圧します。この方法としては、平衡変調器にて容易に実現でき
ます。
⑤
他方、38kHz の発信器出力を 1/2 の周波数に分周し、19kHz のパ
イロット信号を作ります。
⑥
混合回路にて、主チャンネル信号 M=L+R と副チャンネル信号
S=L―R と 19kHz のパイロット信号P とを混合します。
⑦
混合回路の出力のM+S+P のステレオ復合信号(コンポジット信
号)を回線により送信所に伝送し、次の送信機のステレオ復合信号入
力に導きます。
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図4にFMステレオ放送電波を作る放送機のブロック図を示します。
L と R
信号入力
ステレオ
変 調 器
自励発信・
変 調
逓倍
増幅
変調波
出力
分周
スタジオに置か
れることが多い
位相
比較
制御
図2
①
電力
増幅
分周
基準
発信
FMステレオ放送電波の作り方
基準発信部では、正確な一定の基準となる周波数の搬送波を発生し
ます。
②
位相比較部では基準発信の周波数と自励発信・変調の周波数の差異
をチェックし常に安定したFMステレオ放送波となるよう微調整する
信号をつくります。
③
分周部では基準発振の周波数と自励発信・変調の周波数とを比較す
る際、比較しやすい低い周波数になるよう変換します。
④
自励発信・変調部では、搬送波を変調し被変調波の「卵」を作ります。
⑤
逓倍増幅部では、
「卵」から放送電波と同じ周波数、NHK-FM 東京
の場合は 82.5MHz になるよう高い周波数に変換します。
⑥
電力増幅部では、必要な電力、NHK-FM 東京の場合は 7 kW に増幅
します。
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