重要伝統的建造物群保存地区の制度について(102KBytes)

 重要伝統的建造物群保存地区 保存地区の制度について
歴史ある町並みとして、市町村が定める伝統的建造物群保存地区のうち、特に価値が高
いものとして国が選定する地区を、重要伝統的建造物群保存地区といいます。
重要伝統的建造物群保存地区に選定されると、歴史的な町並みを保存していくための計
画・規制と、助成制度が定められることになります。
1、伝統的建造物群保存地区
伝統的建造物群保存地区(以下、保存地区という)内においては、現在の歴史的・伝統
的な景観を維持するため、保存地区内の建物・石積み・樹木などの物件に関して、地区
の伝統的な特性を特に顕著に残し、将来に渡って保存すべきものを「特定物件」、それ以
外の物件を「特定物件以外」として定めます。保存地区内の建物について、外観と建物
を支える構造材などが、規制と助成の対象となります。また、建物の新築・増改築・土
地の造成・樹木の伐採(日常の管理のための伐採は除く)などの行為に関して、届け出
が必要となります。
2、出羽島の建造物
出羽島の建造物については、昭和30年代頃から始まる、水道やプロパンガス、電気
の普及によって住環境整備が進められ、薪や井戸水を運び入れる必要がなくなりました。
それに伴い、この頃を境にして建物の形態が大きく変化したことがわかっています。こ
のような建物の変遷を元に、昭和30年より前の建造物を伝統的建造物(特定物件候補)、
昭和30年以降の建造物を伝統的建造物以外の建造物、と位置づけられることが明らか
になりました。
出羽島が重要伝統的建造物群保存地区に選定された場合に、建物の外観を変更、または
新築する際には、保存対策調査によって明らかになった出羽島の建物の特徴を維持する
ため、次の各種基準が適用されることとなります。
3、建物を工事する際の各種基準
修理基準
建物の改修履歴を調査し、往時の姿を維持・あるいは復元する際に適用される基準
です。
「特定物件」であれば、国・県・町からの工事経費の補助率は補助対象工事費
の8〜9割となります。ただし、「特定物件」候補でも、保存に同意いただけない場
合の補助率は補助対象工事費の約6割となります。
修理基準は、次の場合に適用されます。
① 昭和30年より前の建造物で、かつその建物を保存することに
同意いただいた物件(特定物件)の外観を変更する修理
② 昭和30年より前の建造物で、保存に同意いただけない物件の
外観を変更する修理
修景基準
出羽島の歴史的風致に沿うような外観で、建物を修理・新築する基準を示すもので
す。周囲の伝統的な建物(昭和30年より前の建造物)と調和し、出羽島らしさが維
持され、群としての価値が保たれる基準となります。国・県・町からの工事経費の補
助率は補助対象工事費の約6割となります。
修景基準は、次の場合に適用されます。
① 昭和30年以降の建造物の外観を変更する修理
② 建物の新築
許可基準
補助金を受けずに、建物を改修したり新築する場合に適用される基準です。出羽
島らしい町並みを損なわないための、最低限守っていただく改修・新築行為の基準
となります。
許可基準は、次の場合に適用されます。
① 補助金を受けずに建物の増改築を行う場合で、昭和30年より前に建てられた
保存に同意いただけない建造物の外観を変更する工事
② 補助金を受けずに建物の増改築を行う場合で、昭和30年以降の建造物の外観
を変更する工事
③ 補助金を受けずに行う場合で、建物の新築