2007.4.21 明専会東京支部講演会 1 目次 Ⅰ. 旭化成の 旭化成の構造改革 1. 旭化成の 旭化成の概要 2. 構造改革を 構造改革を目指した 目指したNAC したNACプロジェクト NACプロジェクト 3. 旭化成 ISHIN 改革 全体構図 4. 事業の 事業の選択と 選択と集中・ 集中・過酷な 過酷な現実 Ⅱ. 歴史上の 歴史上の改革 5. 日本歴史上の 日本歴史上の改革 6. 信長の 信長の改革に 改革に学ぶ 7. 徳川( 徳川(江戸) 江戸)時代の 時代の改革 8. 明治維新の 明治維新の改革 9. 江戸・ 江戸・明治・ 明治・昭和 改革の 改革の特質 Ⅲ. 成功した 成功した改革 した改革 10. 10. 上杉鷹山の 上杉鷹山の改革 11. 11. 今なお残 なお残る江戸の 江戸の仕組 12. 12. 改革の 改革の手法は 手法は変わらない 13. 13. 成功した 成功した改革 した改革から 改革から学 から学ぶこと 14. 14. 歴史の 歴史の教訓とは 教訓とは何 とは何か 15. 15. 企業が 企業が永遠の 永遠の生命を 生命を保つには 2007.4.21 明専会東京支部講演会 2 参 考 1. 2. 3. 4. 5. 6. 信長= 信長=変革期にあらわれた 変革期にあらわれた空前絶後 にあらわれた空前絶後の 空前絶後のリーダー 秀吉= 秀吉=高度成長の 高度成長の演出者 家康= 家康=拡大路線から 拡大路線から均衡型社会 から均衡型社会をつくる 均衡型社会をつくる 上杉鷹山 嗣子( 嗣子(治広) 治広)に与えた言葉 えた言葉 常道から 常道から逸脱 から逸脱する 逸脱する日本 する日本の 日本の戦法 江戸時代に 江戸時代に形成された 形成された日本人 された日本人の 日本人のDNA 2007.4.21 明専会東京支部講演会 3 1.旭化成の 旭化成の変遷 日窒コンチェルン 日窒 コンチェルン 創設 ・曽木電気(’06) ・石炭窒素肥料(水俣) ・カザレ-法アンモニア(延岡) 新生旭化成工業の 新生旭化成工業 の 発足 合成繊維、 合成繊維 、 石油化学への 石油化学 への進出 への 進出 (1945年~1955年) (1955年~1965年) ・戦敗により興南工場没収 ・再生セルロース繊維 (レーヨン、ベンベルグ) ・化学肥料 ・化薬 ・旭化成工業(株)発足(’46) ・興南工場(朝鮮 ’25) 旭 ベンベルグ絹糸 ベンベルグ 絹糸から 絹糸 から日窒化学工業 から 日窒化学工業へ 日窒化学工業 へ 1955年 多角化 2% (1933年~1945年) 基礎原料 化学肥料 化薬 37 % ・旭ベンベルグ絹糸(’33) ・日窒化学工業(’43) ・合成樹脂(スタイロン)進出(’57) ・カシミロン事業進出(’59) ・宮崎 輝 社長就任(’61) ・三新規事業発足(’63~’64) (ナイロン、合成ゴム、建材) 1965年 多角化 化成品・ 樹脂 20 % 5% 繊維 61 % 繊維 75 % 売上高 241億円 売上高 1130億円 多角化の 多角化 の 推進 石油化学拡大と 石油化学拡大 と 建材、 建材 、 住宅事業の 住宅事業 の 成長 経営の 経営 の 効率化をめざして 効率化 をめざして (1965年~1975年) (1975年~1985年) (1985年~1997年) ・石油化学本格展開 エチレンセンター進出(’72) ・総合石油化学の形成 旭ダウの合併(’82) ・繊維事業の再編成 ・住宅事業開始(’72) ・医薬事業部発足(’81) ・NAC開始(’82) ・LSI事業進出(’83) ・東洋醸造の合併(’91) 1975年 建材・住宅 6% 多角化 3% 化成品・ 樹脂 32 % 1985年 多角化 3% 繊維 59 % 売上高 4578億円 建材・住宅 20 % 1995年 繊維 28 % 化成品・ 樹脂 49 % 建材・住宅 37 % 売上高 7740億円 多角化 17 % 繊維 14 % 化成品・ 樹脂 32 % 売上高 1兆194億円 2007.4.21 明専会東京支部講演会 4 2.構造改革を 82~ 92) 構造改革を目指した 目指したNAC したNACプロジェクト NACプロジェクト( プロジェクト(’82 82~’92 92) ∇顕在化していた 顕在化していた事実 していた事実 ● ● ● 汎用繊維事業の 汎用繊維事業の凋落 石油化学事業の 石油化学事業の構造問題 新規事業の 新規事業の赤字幅拡大 ● ● 海外事業の 海外事業の低迷 関係会社への 関係会社への支援過大 への支援過大 ∇事業買収・ 事業買収・合併 ● ● ● 旭ダウ併合 82) ダウ併合( 併合(’82 82) 新日本化学を 82) 新日本化学を傘下に 傘下に(’82 82) 東洋醸造合併( 92) 東洋醸造合併(’92 92) ● ● 旭フーズ設立 フーズ設立 内外食品事業買収 ∇新規事業 炭素繊維( 83) 炭素繊維(’83 83) ● MR-CT(’84 MR-CT( 84) 84) ● ウラン濃縮 85) ウラン濃縮( 濃縮(’85 85) ● 光ディスク( 86) ディスク(’86 86) ● LSI事業 86) LSI事業( 事業(’86 86) ● ポリプロピレン( 90) ポリプロピレン(’90 90) ● 2次電池( 91) 次電池(’91 91) ● 2007.4.21 明専会東京支部講演会 5 3. 旭化成 ISHIN 改革 全体構図 目的: 目的:旭化成グループ 旭化成グループを グループを「安定性」「 安定性」「収益性 」「収益性」「 収益性」「成長性 」「成長性」 成長性」ある企業集団 ある企業集団に 企業集団に変えること 【目指す 目指す経営】 経営】 国際的な 国際的なルールで ルールで競い、勝てる経営 てる経営 ■明確な 明確な企業理念■ 企業理念■ ■企業価値の 企業価値の増大■ 増大■ ■市場からの 市場からの評価 からの評価■ 評価■ ISHIN-05 3つの過剰 つの過剰の 過剰の解消 カルチャーの カルチャーの転換 ①選択と 選択と集中 -高収益型ポートフォリオ 高収益型ポートフォリオへの ポートフォリオへの転換 への転換- 転換- 最適な 最適な組織体制 インフラ 整備 ②自己責任による 自己責任による自立経営 による自立経営 インフラ 整備 最適な 最適な経営制度 -経営マネジメント 経営マネジメント改革 マネジメント改革- 改革- ・ISHIN改革 ISHIN改革での 改革での施策 での施策の 施策の 成果実現 ・高収益事業群へ 高収益事業群へシフト ・技術融合型事業推進 ③顧客価値の 顧客価値の創出 -ともに儲 ともに儲かる仕組 かる仕組み 仕組み作り- ・連結売上高 15,000億円 15,000億円 ・連結営業利益1,000 連結営業利益1,000億円 1,000億円 ・ROE 10% 10% ・D/Eレシオ D/Eレシオ 0.7 根本命題 意識改革 2007.4.21 明専会東京支部講演会 6 4.事業の 事業の選択と 選択と集中・ 集中・過酷な 過酷な現実 ∇ 不採算事業の 不採算事業の整理 事業撤収 事業売却 工場閉鎖 事業改革 ∇ 労働債務 労働債務の の処理 (負の遺産の 遺産の処理) 処理) 年金債務の 年金債務の償却、 償却、年金資産の 年金資産の圧縮、 圧縮、割引率の 割引率の変更 レーヨン、 レーヨン、アクリル( アクリル(繊)等 食品、 食品、塩、酒類、 酒類、電池等、 電池等、関係会社 アイルランド( アイルランド(繊)、松戸 )、松戸( 松戸(建)等 建材、 建材、住宅事業の 住宅事業の再構築 競争優位、 競争優位、高機能 生活・ 生活・知識集約型 アクリルニトリル、 アクリルニトリル、スチレン、 スチレン、塗料原料、 塗料原料、 電子材料・ 電子材料・部品、 部品、住宅、 住宅、環境関連事業 ∇ JV 海外事業の 海外事業の展開 提携、 提携、買収 技術供与 他 石油化学、 石油化学、樹脂、 樹脂、電子材料、 電子材料、高機能製品等、 高機能製品等、 米・欧・中・東南アジア 東南アジア等 アジア等に進出 ∇ 自助・ 自助・自立・ 自立・経営体制 7分社・ 分社・持株会社へ 持株会社へ移行、 移行、分野別ビジネスモデル 分野別ビジネスモデル ∇ 高収益事業へ 高収益事業へ転換 カルチャーの カルチャーの転換 ・ 拡大至上主義 ・ 原料一貫主義 ・ 撤収敗北主義 ・ 自前完結主義 ・ 残存者利益論 ・ 赤字容認論 2007.4.21 明専会東京支部講演会 7 5.日本歴史上の 日本歴史上の改革 1.大化の 大化の改新 → 律令制度の 律令制度の確立 大陸からの 大陸からの圧力 からの圧力で 圧力で入亜政策をとる 入亜政策をとる 2.徳川家康の 徳川家康の天下 → 戦争のない 戦争のない平和社会 のない平和社会の 平和社会の建設 自力で 自力で実行した 実行した稀 した稀なる改革 なる改革、 改革、260年 260年の繁栄を 繁栄を築く 3.明治維新の 明治維新の改革 → 列強諸国に 列強諸国に伍す国づくり ペリーに ペリーに誘発され 誘発され脱亜入欧政策 され脱亜入欧政策をとる 脱亜入欧政策をとる 4.太平洋戦争敗戦の 太平洋戦争敗戦の改革 → 再び戦争をしない 戦争をしない日本 をしない日本 GHQによる GHQによる改革 による改革、 改革、軍事小国・ 軍事小国・経済優先政策 5.21世紀日本 21世紀日本の 世紀日本の改革 → 美しい国 しい国づくりとは 世界との 世界との共生 との共生、 共生、地球環境の 地球環境の保全、 保全、イノベーションの イノベーションの誘発 成功した 成功した改革 した改革は 改革は旧幣を 旧幣を破壊して 破壊して新 して新たな創造 たな創造をする 創造をする再構築 をする再構築 2007.4.21 明専会東京支部講演会 8 6.信長の 信長の改革に 改革に学ぶ (信長の 信長の志=あゆちの思想 あゆちの思想) 思想) 描く国家像 = 規律の 規律の回復 平和国家建設 経済の 経済の振興 民衆生活向上 文化振興 世界交流 理想の 理想の具現 = 1 STEP 国内平定 (天下布武) 天下布武) 既得権の 既得権の打破 2 STEP 商工振興 (貨幣経済) 貨幣経済) 新産業の 新産業の育成 3 STEP 自由主義経済導入 都市型文化育成 (町衆文化) 町衆文化) 新都市建設 4 STEP 価値観の 価値観の転換 茶の湯 御政道 貿易振興 (世界交流) 世界交流) 堺・博多・ 博多・大阪 制覇 情報重視 合理主義 先見性 海運振興 粘 り強 さ 無私 2007.4.21 明専会東京支部講演会 9 7.徳川( 徳川(江戸) 江戸)時代の 時代の改革 ■ 家康 : 戦乱 戦乱のない のない平和 のない平和な 平和な社会をつくり 社会をつくり、 をつくり、徳川家の 徳川家の安泰を 安泰を図る 武闘派閥粛清、 武闘派閥粛清、士農工商の 士農工商の身分制度、 身分制度、人口抑制 ■ 前期 : 文治政策の 文治政策の推進( 推進(元禄時代) 元禄時代) 秩序の 秩序の回復、 回復、政治経済体制の 政治経済体制の確立、 確立、規制緩和 情報交流、 情報交流、交通運輸の 交通運輸の発達、 発達、都市の 都市の誕生( 誕生(参勤交代) 参勤交代) ■ 後期 : 町人の 町人の台頭による 台頭による資本論理 による資本論理と 資本論理と武士の 武士の論理の 論理の葛藤 幕府・ 幕府・武士階級の 武士階級の改革、 改革、質素倹約、 質素倹約、武芸奨励 農業振興・ 農業振興・農本主義経済、 農本主義経済、町人( 町人(商人) 商人)無用論 門閥・ 門閥・家格、 家格、主君への 主君への忠義 への忠義、 忠義、武術の 武術の達人という 達人という武士 という武士の 武士の 論理は 論理は吉宗の 吉宗の時代にはすたれていた 時代にはすたれていた。 にはすたれていた。信念として 信念として、 として、これを 守った藩 った藩は没落していく 没落していく。 していく。経済を 経済を重視した 重視した藩 した藩が力をつける。 をつける。 2007.4.21 明専会東京支部講演会 10 8.明治維新の 明治維新の改革 1.背景 幕藩体制は 幕藩体制は制度疲労、 制度疲労、列強諸国による 列強諸国による植民地化 による植民地化の 植民地化の進展、 進展、国家存亡 の危機が 危機が迫る。雄藩の 雄藩の台頭、 台頭、国民の 国民の意識改革進展。 意識改革進展。 2. 目的 幕藩体制を 幕藩体制を徹底的に 徹底的に破壊する 破壊する。 する。天皇を 天皇を基軸に 基軸に据えて欧米列強 えて欧米列強に 欧米列強に伍 す近代国家を 近代国家を創設する 創設する。 する。 3. 手段 富国強兵、 富国強兵、殖産興業、 殖産興業、官僚制度の 官僚制度の確立。 確立。政・官・財の挙国一致政策 推進。 推進。技術、 技術、制度、 制度、人材までも 人材までも欧米 までも欧米から 欧米から導入 から導入。 導入。 4. 結果 日清、 日清、日露戦争に 日露戦争に勝利。 勝利。第一次世界大戦後、 第一次世界大戦後、国際連盟常任理事国 入り。アジアの アジアの奇跡といわれる 奇跡といわれる国 といわれる国づくりに成功 づくりに成功。 成功。 維新前夜 = 経済改革 経済改革に に成功した 成功した藩 した藩が強大になる 強大になる。 になる。国民の 国民の改革への 改革への マグマが マグマが胎動していた 胎動していた。 していた。外国と 外国と戦って敗 って敗れた薩 れた薩・長が明 治の主役となる 主役となる( となる(攘夷→ 攘夷→開国)。 開国)。 明治の 明治の後期 = 戦勝に 戦勝に酔い、軍が台頭し 台頭し、無自覚な 無自覚な太平洋戦争へと 太平洋戦争へと突入 へと突入 する。 )。 する。軍の共同体化が 共同体化が悲劇を 悲劇を生む(昔陸軍、 昔陸軍、今3K…)。 2007.4.21 明専会東京支部講演会 11 9. 江戸・ 江戸・明治・ 明治・昭和 改革の 改革の特質 近代化への 近代化への独自 への独自の 独自の試行と 試行と模索をした 模索をした江戸時代 をした江戸時代 (前半) 前半) 政治・ 政治・経済体制確立 → 経済成長期 (後半) 後半) 教育の 教育の普及により 普及により大衆文化発達 により大衆文化発達 → 民衆生活向上 明治維新への 明治維新へのエネルギー へのエネルギー蓄積 エネルギー蓄積の 蓄積の時代 江戸時代 徳川家による 徳川家による支配 による支配と 支配と繁栄、 繁栄、富藩主義が 富藩主義が進む(忠君・ 忠君・愛藩) 愛藩) 富藩強兵を 富藩強兵を実現した 実現した薩長 した薩長が 薩長が政権を 政権を担当 明治時代 天皇を 天皇を基軸にした 基軸にした統一国家 にした統一国家をつくる 統一国家をつくる( をつくる(忠君・ 忠君・愛国) 愛国) 富国強兵政策を 富国強兵政策を進め欧米に 欧米に伍す国へ 昭和時代 欧米の 欧米のキャッチアップで キャッチアップで経済大国実現( 経済大国実現(忠君・ 忠君・愛社) 愛社) 日本株式会社、 日本株式会社、会社の 会社の発展の 発展の為に頑張る 頑張る(戦後) 戦後) 明治も 明治も昭和時代は 昭和時代は、自らを遅 らを遅れたものと規定 れたものと規定し 規定し、ガムシャラに ガムシャラに 欧米に 欧米に学ぶ。どんな苦痛 どんな苦痛を 苦痛を国民に 国民に強いても実行 いても実行する 実行する決断 する決断をしている 決断をしている 2007.4.21 明専会東京支部講演会 12 10. 10. 上杉鷹山の 上杉鷹山の改革 蕃財政の 蕃財政の再建 ● 財政の 財政の実態をありのままに 実態をありのままに把握 をありのままに把握させ 把握させ、 させ、資本の 資本の論理を 論理を貫き正しい対応 しい対応をする 対応をする 対 応 策 ● 倹約、 倹約、支出の 支出の大削減 ● 追加税の 追加税の徴収 ● 減俸、 減俸、余剰人員整理 ● 武士の 武士の生産労働の 生産労働の移転 ス タ ッ フ ● 参 謀 : 竹俣 当綱 → 長期にわたり 長期にわたり既得権 にわたり既得権グループ 既得権グループが グループが形成される 形成される ● 相談役 : 藁科 貞裕 ● 検察官 : 養文 重定 明君の 明君の所以 ● 伝統的武士 伝統的武士の の論理を 論理を大幅に 大幅に減退させ 減退させ、 させ、町人の 町人の資本の 資本の論理を 論理を導入した 導入した ● 自らは質素 らは質素、 質素、倹約、 倹約、武芸奨励を 武芸奨励を行い、武士の 武士の存在理由も 存在理由も認めている 2007.4.21 明専会東京支部講演会 13 11. 11. 今なお残 なお残る江戸の 江戸の仕組 年功序列の 年功序列の経営システム 経営システム 享保時代 丁稚 手代 番頭 大番頭 宿這入 暖簾分 昭和時代 平社員 係長 課長 部長 役員 子会社出向 共同体でなくては 共同体でなくては機能 でなくては機能しない 機能しない日本 しない日本の 日本の社会 ● 藩・国家・ 国家・社会という 社会という共同体 という共同体へ 共同体へ奉仕することを 奉仕することを強 することを強く求める ● 機能集団が 機能集団が共同体を 共同体を守るために機能 るために機能する 機能する危険性 する危険性 ● 成果を 成果を問わず 合理性なき 合理性なき働 なき働きを評価 きを評価しはじめる 評価しはじめる 何時の 何時の時代も 時代も経済合理性を 経済合理性を追及しない 追及しない集団 しない集団は 集団は生き残れない 仲間内で 仲間内で評価し 評価し、外部評価を 外部評価を拒否する 拒否する集団 する集団は 集団は滅亡する 滅亡する 2007.4.21 明専会東京支部講演会 14 12. 12.改革の 改革の手法は 手法は変わらない 生きた情報 きた情報の 情報の収集 意識の 意識の改革 理念設定 組織改編 旧弊の 旧弊の破壊 行動様式の 行動様式の改革 ビジョンの ビジョンの設定 同志結集 新しい創造 しい創造 制度改革 新体制実現 経済力強化 国民生活を 国民生活を豊かに 2007.4.21 明専会東京支部講演会 15 13. 13.成功した 成功した改革 した改革から 改革から学 から学ぶこと ● 時代が 時代が変われば、 われば、旧弊を 旧弊を打破して 打破して新 して新しい社会 しい社会をつくる 社会をつくる。 をつくる。 創造的破壊であり 創造的破壊であり、 であり、再構築である 再構築である。 である。 ● 改革の 改革の根幹となる 根幹となる理念 となる理念と 理念とビジョンが ビジョンが必要である 必要である。 である。 共同体で 共有できる できる基軸 基軸をつくる をつくる。 共同体 で共有 できる 基軸 をつくる 。 ● 具体的目標を 具体的目標を設定し 設定し、政略 ・ 戦略 ・ 戦術をたてる 戦術をたてる。 をたてる。 生きた情報 きた情報を 情報を集め、英知を 英知を集めて考 めて考える。 える。 ● 方針が 方針が決まれば抵抗勢力 まれば抵抗勢力と 抵抗勢力と闘い、勇気をもって 勇気をもって実行 をもって実行する 実行する。 する。 組織に 組織に殉ずる使命感 ずる使命感が 使命感が必要である 必要である。 である。 改革とは 改革とは、 とは、変化の 変化の現実を 現実を直視し 直視し、時代に 時代に適応するように 適応するように 組替える 組替える当 える当り前の作業である 作業である。 である。 知るは易 るは易く、 行いは難 いは難し。 2007.4.21 明専会東京支部講演会 16 14. 14.歴史の 歴史の教訓とは 教訓とは何 とは何か ・ 歴史に 歴史に学ぶことは、 ぶことは、その時代 その時代に 時代に生きた改革者 きた改革者たちの 改革者たちの歴史観 たちの歴史観や 歴史観や 人生観を 人生観を窺い知ることができる 。 ・ 時代の 時代の変化の 変化の兆しが見 しが見えたとき、 えたとき、自らを変 らを変え 国を変えようとした 改革者の 改革者の心を揺り動かしたものは何 かしたものは何であったのか。 であったのか。 ・ 改革者の 改革者の設定した 設定した目標 した目標や 目標や手段は 手段は正しかったのかどうか、 しかったのかどうか、成否と 成否と ともに歴史 ともに歴史は 歴史は語ってくれる。 ってくれる。 ・ 隆盛を 隆盛を維持しているとき 維持しているとき、 しているとき、あえなく滅 あえなく滅びてゆくとき、 びてゆくとき、検証すれば 検証すれば、 すれば、 そこには必 そこには必ずその原因 ずその原因を 原因を見出すことができる 見出すことができる。 すことができる。 ・ それでもなお、 それでもなお、人間は 人間は同じ過ちを繰 ちを繰り返すものだということも 赤裸々 赤裸々に写しだす。 しだす。 2007.4.21 明専会東京支部講演会 17 15. 15.企業が 企業が永遠の 永遠の生命を 生命を保つには ■ 最強の 最強の者や最も知恵に 知恵に富む者(種)が生き残れるのではなく、 れるのではなく、 最も変化へ 変化へ対応できる 対応できる者 できる者こそが生 こそが生き残れる。 れる。 ダーウィン 種の起源より 起源より ■ デュポンは デュポンは対象とする 対象とする市場 とする市場の 市場の変化から 変化から、 から、将来起こる 将来起こる経営環境 こる経営環境 の悪化を 悪化を真先に 真先に見通した 見通した。 した。 変化を 変化を見つけたら姿 つけたら姿を変える。 える。 未来へ 未来へ進む時には過去 には過去は 過去は捨て去る。 C.O.Holliday 現 CEO ■ 先を見通せる 見通せる経営者 せる経営者なんていない 経営者なんていない。 なんていない。 世の中が変われば 直ちに自 ちに自らを変 らを変えることのできる企業 えることのできる企業が 企業が生きのびていく。 きのびていく。 ドラッカー、 ドラッカー、ウエルチ 絵に画いた理想 いた理想は 理想は追うな。 うな。 身の丈にあった事業 にあった事業をやろう 事業をやろう。 をやろう。 何をしてきたかではなく、 をしてきたかではなく、これから何 これから何ができるかを議論 ができるかを議論しよう 議論しよう。 しよう。 2007.4.21 明専会東京支部講演会 18 参考1 参考1.信長 = 変革期にあらわれた 変革期にあらわれた空前絶後 にあらわれた空前絶後の 空前絶後のリーダー (利権構造打破との 利権構造打破との闘 との闘い) 情報戦略駆使 情報戦略駆使 兵農分離 鉄砲導入 桶狭間で 桶狭間で今川義元を 今川義元を破る 近代的戦術の 近代的戦術の確立 専門職制度 IT武装社員 武装社員 (時代の 時代の変化と 変化と技術革新) 技術革新) 楽座・ 楽座 楽座・ 楽座・・楽市 楽市 撰銭令 貨幣・ 貨幣・開放経済の 開放経済の導入 規制緩和 税制改革 (商工業中心の 商工業中心の経済) 経済) 抜擢人事 パートナーシップ軍団 パートナーシップ軍団 新人事・ 新人事・提携政策 学歴無用 グループ経営 グループ経営 (合理主義・ 合理主義・能力主義) 能力主義) 商人と 商人と交流 宣教師優遇 情報戦略の 情報戦略の確立 (グローバルな グローバルな視点) 視点) 新都市の 新都市の建設 天下布武 政治基盤の 政治基盤の確立 IT革命 革命 ネットワーキング 都市計画は 都市計画は 誰のための政治 のための政治か 政治か (民衆を 民衆を豊かにするために) かにするために) 2007.4.21 明専会東京支部講演会 19 参考2 参考2.秀吉 = 高度成長の 高度成長の演出者 信 長 の コ ン セ プ 実 ト 行 雑用係 兵力増強 領地拡大 過大恩賞 夢を越えた 何 て と し も 成 長 を 国持大名 高度成長 適合政策 全国征服 積極投資 市場拡大 賃金上昇 目標を 目標を越えた 国内の 国内の成功体験の 成功体験の移転 武士過剰 領地不足 財政悪化 豊臣滅亡 55 年 体 制 の 推 進 朝鮮出兵 3つの過剰 つの過剰 経済停滞 構造不況 財政破綻 企業倒産 環 境 が 大 き く 変 わ っ て い る の に 2007.4.21 明専会東京支部講演会 20 参考3 参考3.家康 = 拡大路線から 拡大路線から均衡型社会 から均衡型社会をつくる 均衡型社会をつくる 武闘派粛清 拡大路線の 拡大路線の修正 士農工商制定 人口抑制 平和人 口抑制 平和社会建設 軍事技術停滞 情報交流 民生の 民生の発達 参勤交代 交通運輸発達 江戸文化開花 都市の 都市の発達 ’40 40年体制打破 40年体制打破 低成長へ 低成長へ転換 産業構造改革 <構造改革 進まず> まず> 平和ボケ 平和ボケ日本 ボケ日本 <規制緩和 進まず> まず> <ハブ空港 ハブ空港さえできず 空港さえできず> さえできず> <都市は 都市は劣化する 劣化する> する> 藩校・ 藩校・寺子屋・ 寺子屋・私塾 哲 学・ 思 想 医 学・ 数 学 浮世絵・ 浮世絵 ・俳 句 茶の湯・ 生け 花 教育の 教育の普及 <偏差値教育が 偏差値教育が普及した 普及した> 共生の 共生の思想 権威と 権威と権力の 権力の調和 <権威・ 権威・権力は 権力は保護と 保護とバラマキ> バラマキ> 2007.4.21 明専会東京支部講演会 21 参考4 年) 参考4. 上杉鷹山 嗣子( 嗣子(治広) 治広)に与えた言葉 えた言葉( 言葉(1785年 (近代国家の 近代国家の成立の 成立の発想) 発想) ● 国家は 国家は先祖より 先祖より子孫 より子孫に 子孫に伝候国家にして 伝候国家にして、 にして、我私すべき 我私すべき物 すべき物には無之候 には無之候。 無之候。 ● 人民は 人民は国家に 国家に属したる人民 したる人民にして 人民にして、 にして、我私すべき 我私すべき物 すべき物には無之候 には無之候。 無之候。 ● 国家人民の 国家人民の為に立てたる君 てたる君にして、 にして、我私すべき 我私すべき物 すべき物には無之候 には無之候。 無之候。 ● 右三箇条ごいねんあるまじく 右三箇条ごいねんあるまじく候 ごいねんあるまじく候こと。 こと。 “人民による 人民による 人民のための 人民のための 人民の 人民の政府” 政府” リンカーンの リンカーンの有名な 有名な演説は 演説は 1863.11.19 国家を 国家を企業に 企業に置き換えて見 えて見れば近代経営論 れば近代経営論 2007.4.21 明専会東京支部講演会 22 参考5 参考5.常道から 常道から逸脱 から逸脱する 逸脱する日本 する日本の 日本の戦法 奇策・ 奇策・奇襲を 奇襲を絶賛してきた 絶賛してきた日本 してきた日本 ●源 義経 鵯越 鵯越の の奇襲 ●織田信長 桶狭間の 桶狭間の奇襲 ●楠木正成 千早城 千早城の の篭城 ●日米開戦 真珠湾の 真珠湾の奇襲 困ったことに成功体験 ったことに成功体験として 成功体験として繰 として繰り返し、失敗する 失敗する 常勝将軍 会戦の 会戦の鉄則 ●ローマ軍団 ローマ軍団 ●織田信長 ●ナポレオン 敵に倍する兵力 する兵力を 兵力を集中 輸送路を 輸送路を確保し 確保し、兵站を 兵站を確保 ●日露戦争 日本海海戦、 日本海海戦、連合艦隊全てを 連合艦隊全てを対馬 てを対馬に 対馬に結集 児玉源太郎、 児玉源太郎、旅順、 旅順、奉天に 奉天に陸軍を 陸軍を結集 名勝は 名勝は兵力を 兵力を一点に 一点に集中する 集中する 2007.4.21 明専会東京支部講演会 23 参考6 参考6.江戸時代に 江戸時代に形成された 形成された日本人 された日本人の 日本人のDNA 働くこと即美徳 くこと即美徳とした 即美徳とした江戸 とした江戸の 江戸の思想家 ●経済性を 経済性を無視しても 無視しても、 しても、ひたすら働 ひたすら働くことを評価 くことを評価する 評価する。 する。 ●忙しく働 しく働く。働いていないと不安 いていないと不安。 不安。余剰人員が 余剰人員が増える。 える。 ●赤字が 赤字が出ても事業 ても事業を 事業を続ける。 ける。定年を 定年を悲しむ日本人 しむ日本人。 日本人。 ●電車が 電車が止まって歩 まって歩いて出社 いて出社。 出社。飲んでも役所 んでも役所に 役所に帰る官僚。 官僚。 “共同体の 共同体の為に”がないと機能 がないと機能しない 機能しない日本人 しない日本人 ●自分の 自分の所属する 所属する共同体 する共同体を 共同体を守る精神構造を 精神構造を形成 (明治維新、 明治維新、戦後の 戦後の発展にも 発展にも寄与 にも寄与した 寄与した) した) ●所属する 所属する共同体 する共同体を 共同体を守る為だけに機能 だけに機能すると 機能すると危険 すると危険 (昔の軍隊、 軍隊、官庁の 官庁の天下り 天下り、不祥事の 不祥事の隠蔽) 隠蔽) 2007.4.21 明専会東京支部講演会 24
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