1 薬理総論シラバス(4) 薬物の連用 ⒈耐性 Tolerance: 連用→初期 果

薬理総論シラバス(4)
薬物の連用
⒈耐性 Tolerance: 連用→初期
果の発現に増量の必要性
ex. モルヒネ
タヒフィラキシー:やや短期の連用→成立する抵抗性
Tahyphylaxis
Receptor の
down regulation
伝達物質遊離を生じる薬
による伝達物質枯渇
ex. エフェドリン(気管支拡張薬)
気管を支配する交感神経に作用
↓
NA 遊離
この NA がなくなれば薬効↓
↓
気管弛緩
交叉耐性 cros tolerance
ex. アルコールとエーテル (全身麻酔薬)
化学構造の類似
慢性アルコール中毒のヒトはエーテル感受性も下がる
ex. 細菌と抗生物質
細菌がある抗生物質に対して耐性となると類似した化
学構造の抗生物質に対して全て耐性となる
⒉蓄積 acumulation
吸収速度>排泄・代謝速度
ex 遅発性強心薬 digitoxin
⒊薬物依存 dependence
精神的依存 psycic
dependence ex. 禁煙→精神不安定
身体的依存 physical depdendence
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より高度
禁断症状→薬物願望
どんな手段を使っても薬物を手に入れる
⑴モルヒネ型依存症
・末期癌患者:モルヒネの耐性形成
成人
10日くらい
10mg/一回筋注
ホスピス運動
「プロンプトンカクテル」として食事毎に飲用し、激痛を予防
本来は副作用となる多幸感が末期癌患者には主作用となる
(主作用は鎮痛)
・麻薬の静注速度↑
→呼吸停止(安楽死)
・メペリジン=ペチジン
鎮痛効果
小
呼吸中枢麻痺
小
禁断症状
小
耐性発現
遅
陶酔感
同
モルヒネと比較して
→医療従事者の麻薬中毒
<麻薬の流通ルート>
モルヒネ、ヘロインの密売←マフィア
コカイン(陶酔感最大)
①タイ、ビルマ、ラオス(黄金の魔の三角地帯)でケシ栽培
②パキスタン、アフガニスタン、アラブ(黄金の三日月地帯)
→ソ連→ヨーロッパへ
③中南米のコカイン栽培地帯→パナマ運河
<日本の覚醒剤>
戦争中
戦後
特攻隊員にヒロポンを服用させるため軍隊が保有
この大量のヒロポンが民間に流出
<バルビツール酸*とアルコール型依存**>
*一般的中枢抑制(興奮性伝達物質の遊離抑制、GABA
受容体系促進)
**選択的中枢抑制(GABA 受容体系促進)
睡眠薬としては、バルビツールからベンゾジゼピ
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ンへ
中枢作用薬乱用の社会的影響
ex. Triazolam ハルシオン
副作用(健忘)下の殺人、殺意不成立→無罪
<不眠の訴え>
病棟で最も多い訴えの一つ
mund therapy 言葉による治療
アルコール中毒(精神病棟、床数の半数を占める)
⑵コカイン型依存症
coca-cola コカ・コーラ会社はかつてコカの葉エキス (cocaine)を入れていた
⑶アンフェタミン型依存
ヒロポン中毒→被害妄想(自分より弱そうなヒトに対して自分が殺されそう
な感覚に陥る)→「正当防衛」のため「いわれなき」殺人を繰り返す
⑷マリファナ型依存 (cannabinoid receptors)
たばこと類似→かつてアメリカではタバコ屋でマリファナを売っている州もあ
った
⑹幻覚妄想型依存
LSD-25:セロトニン拮抗薬として合成されたが、麻薬
LSD-25 中毒者———背中に羽が見え、触れる→飛び下り死
——サイケ調の絵が描ける Psychedelic
学派
シロシビン(←キノコ成分)
インカ帝国などの祭事において生け贄となるものが服用
cf. Caffein の身体的依存
頭痛
精神・身体依存の程度
薬物・化学物質
アヘンアルカロイド*
コカイン*
LSD—25
メタンフェタミン**
マリファナ***
精神的依存
+++
+++
++
++
++
身体的依存
++
±
?
+
?
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バルビツール酸系催眠薬
アルコール
シンナー****
タバコ
++
++
++
+
++
++
+
±
*麻薬及び向精神薬取締法の適用
**覚せい剤取り締まり法
***大麻取締法
****毒物及び劇物取締法
★薬物の相互作用
⒈協力
synergism
2種以上の薬物併用による作用増強
①相加
addition
Histamine
ACh 併用による降圧
②相乗 potentiation
・ACh, CheE(choline esterase)阻害剤 併用→Ach 作用↑↑
ACh を分解
CheE---
・cocaine or imipramine, noradrenaline (NA) →NA 作用↑↑
⒉拮抗 antagonism
Agonist
Antagonist 間の相互作用
Ex) 農薬中毒→PAM
鉛中毒→EDTA
ヒ素中毒→BAL
拮抗の様式
①化学的、物理化学的
拮抗
(ex. 酸とアルカリ)
②生理学的拮抗
作用点の異なる反対方向の作用相互の打ち消し合い
ex.・ NA による昇圧と ACh, histamine による降圧
③薬理学的拮抗
共通反応系における拮抗
⑴競合型 competitive
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⑵非競合型 non-competitive
⑶混合型
❶競合的拮抗の数式
一つの Receptor (R) に薬物 A, B が作用
Agonist, antagonist
B の存在下:A による反応 A’
占拠説に従えば・・・
❷非競合的拮抗
A 単独の最大反応 Am
B 存在下の最大反応 A’m
④生化学的拮抗
代謝酵素、誘導を生じる薬物:代謝促進→作用↓↓(耐性発現)
代謝酵素を阻害すれば作用↑↑
⑤併用による副作用
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