富山のデザイン情報誌 富山の優れた工業製品の紹介をしています。 (詳しくは富山プロダクツモバイルサイト http://products.toyamadesign.jp/mobile/ をご覧下さい) ■発行日/2010年3月31日 ■企画・編集/オファー編集部 ■発行/総合デザインセンター 〒939-1119 富山県高岡市オフィスパーク5番地 TEL0766-62-0510 FAX0766-63-6830 ホームページ http://www.toyamadesign.jp/ ■編集長/桐山登士樹 ■編集/玄千賀子 ■アートディレクター/名越恵美 ■デザイナー/名越恵美 ■ライター/篠原智子、タダカツ ■印刷・製本/富山スガキ㈱ 35 vol. デ ザ イン と 継 承 VO L . 0 2 c o n t e n t s “時 間 の 蓄 積 した モノ ” 「 下 山 芸 術 の 森・発 電 所 美 術 館 」再 生 の 魅 力 デザインと継承 2 “時間の蓄積したモノ” 「下山芸術の森・発電所美術館」再生の魅力 トピックス 3 デザインセンターニュース 5 近年、歴史的建造物が復元されたり、伝統産業の技を もって新たな国際舞台への挑戦が試みられたり、近代遺産 ともいうべき空間が別用途に改装、あるいは映画の撮影に 活用されたり、また、街づくりにおいても拡大化から旧市 街地の活性化(社会的機能の復活)へと大きな変化が感じ 特集座談会 デザインセンターを中心とした モノづくりネットワーク強化を目指して られる。それは大地を削り海を埋め立てる開発計画とは明 6 らかに違う時代の潮流で、これらに共通する思いは有形無 形の文化遺産を受け継ぎながら、未来へ活かしていこうと いう切実な祈りにも似た発想のように思われる。 このような再生の発想は、 “時間の蓄積したモノ”に対 デザイン講習会 11 する価値観の高まりだ。その不思議な引力、あるいは磁場 ともいうべき空間への再評価であろう。人為的には創り出 キヤノンのデザイン戦略 せない時間の蓄積こそ、忘れてはならない視点である。新 講師 酒井 正明 しいモノがもたらす変革と利便性だけでは、豊かな社会環 デザインの美しさ、デザインの楽しさ、 そしてデザインのロングライフ 境、潤いのある風情や情緒は創出できないことを、我々日 本人はもう十分に学んだはずだ。 講師 紺野 弘通 そういう意味では、再生という試みの先駆的な実験舞台 の一つが「下山芸術の森・発電所美術館」である。同館は大 商品開発研究会 15 正14年(1925)に建設された赤煉瓦造の水力発電所を再 生したもので、当時の機器類や発電用タービン、大きな導 デザイントレンド速報 水管などがそのまま活かされた大空間が実に印象的であ 最新市場のキーワード る。鉄骨造の高い屋根裏を見上げると大型クレーンも現役 講師 桐山 登士樹 で創作活動に役立てられている。水力発電所という役目は デザイントレンド速報 終えても、その建築生命は美術館という姿で脈々と息づい メゾン・エ・オブジェ 2010 ているようだ。 講師 桐山 登士樹 ちなみに、同館は“現代アート”と呼ばれる領域を専門に している。その創作活動は、まさに時間の蓄積した空間を ナイトフォーラム 17 舞台に、常に「現代」を問い続けるというところが面白い。 様々な手法と素材で物語る作家たちの声は、時を封印した 人と技術をつなぐデザイン 空間の中で響き合い、より現代性を際立たせるのであろう ゲスト 川上 元美 か。イメージを膨らませて想像するなら、旧水力発電所の 富山プロダクツ 19 優れた富山ブランドを全国へ発信! 2009年度事業報告・研究評価 空間は時空を超えた“超伝導”となってエネルギーを溜め 込み、現代アートにスパークしているのかもしれない。 COVER デザインには、エネルギーがあります。 21 歴史的建造物に限ったことではないが、時間を蓄積した それは社会を変えてしまうほどのチカラです。 モノは美しい。人間にも神秘的で摩訶不思議な“老”の美が そのエネルギーの源は愛。 あるように。モノでもヒトでも時間が蓄積するところに麗 企業が人を想い、社会を想う気持ちです。 しい、温かい、香しい何かがにじみ出るようだ。時間の蓄積 =歴史的エネルギーを活かす知恵を忘れてはなるまい。 文/岡田編集写真事務所 P R O F I L E アートディレクター・デザイナー 尾山 鮎美 Ayumi Oyama 1977年 富山県生まれ。 ㈱ミツイのアートディレクションを担当。 北日本新聞広告賞グランプリ他、 日本パッケージデザイン大賞2009入選など。 下山芸術の森・発電所美術館 富山県下新川郡入善町下山364-1 TEL&FAX0765-78-0621 http://www.town.nyuzen.toyama.jp/nizayama/ TOPICS トピックス 天野漆器から、高岡漆器の技法・特長を活かした、 次の可能性を探るお洒落なアイテムが登場! 高岡市の天野漆器㈱では、愛知県の㈱ブルースデザ この他、 『UFO CD case』、 『necktie case』、 『男 インと共同で、伝統の枠を超えた、漆を使った新ア 酒器』、重厚な雰囲気が漂う『cup & saucer』、さら イテムを商品化。今年2月に東京ビッグサイトで開 に、塗・加飾の提案として『ダーツ』も作られた。 催された東京インターナショナル・ギフト・ショー 同社常務取締役の天野真一さんは「漆器だからいい で発表した。 ものだ」という考え方ではなく、 「いいなと思うも 今回製作されたのは、 「男のアイテム」をコンセプ のが漆器だった」と感じてもらえるようなデザイン トに、開発者自らが使ったり、部屋に置いておきた 性の高さを目指した。その上で付加価値としての、 くなるような、お洒落な商品。中でも注目は『Bear 漆の新しい可能性を探ったという。 japan』。漆ならではの光沢や質感を生かし、目や鼻 「今後も漆器職人はもちろん、デザイナーとも積極 を螺鈿細工で仕上げた大人のためのテディベアだ。 的に交流していきたいですね。螺鈿など、高岡漆器 黒や金、ピンクをはじめ、好みの色で注文できる。 の技法・特長を活かしながら、まずは、興味を持ち、 3次元CADでのデザインや、NC加工機での加工は 手に取ってもらえる優れたデザインの漆製品を開 同社の漆器製作では初の試みだ。 発していきたい」と意気込みを語る。 Bear japan necktie case UFO CD case ●天野漆器株式会社 TEL0766-23-2151 FAX0766-25-6150 http://www.amanoshikki.com/ ●株式会社ブルースデザイン TEL0562-45-6700 FAX0562-45-6701 http://www.blues-d.com/ ショウワノート&東京大学コラボシリーズ第1弾 学習効果を上げる「Tノート」新登場。 文具メーカーのショウワノート㈱(本社高岡市)は のまま書き写しやすいデザインを採用。また本文 昨年9月、東京大学大学院情報学環・七丈直弘研究 枚数を32ページと一般のノートより少なくし、使 室を中心とする「東大キャラビズ研究プロジェク い切る達成感と新しいノートを使うワクワク感に ト」と共同開発した、学習効果を高める新学習用 よってモチベーションを維持しやすい作りにして ノートの発売を開始した。 いるという。インデックスページやセンターライ 商品名は「Tノート」。「黒板用」の横製本と「汎用」 ン、タイム欄等の工夫も満載だ。 の 縦 製 本 の4品 目8種 類 を 展 開 し、い ず れ も1冊 同社主力商品のジャポニカ学習帳は、主に小学生 157円(税込)。集中力を高めて短期間で達成感が の支持を集めているが、中高生の需要獲得に向け 得られれば学習効果が向上するのではという考え て一昨年末、同研究所との共同プロジェクトに着 ●ショウワノート株式会社版権部 から、 「集中・持続・達成感」をコンセプトに商品開 手。現在は中高生のみならず大学生や塾、予備校 TEL03-5541-9211 FAX03-5541-9220 http://www.showa-note.co.jp/ Tノートの販売店は「ショウワノートお客様相談室」 TEL03-5541-8071(9:00〜17:00 土日祝日除く)に お問い合わせください。 発。機能面では、板書をノートにとるのは重要かつ、 等からも多数問い合わせがあるという。今回の「T 最も効率のよい勉強方法であるという現役東大生 ノート」はコラボシリーズ第1弾。今後も引き続き の学習経験をヒントに、視覚的に捉えた黒板をそ 様々なアイテム展開が予定されている。 (左上)開業記念イベント:大手モールに3色のセントラムが勢揃いし多くの人が記念撮影を楽しんだ。また無料試乗会も行われ、環状線を約半周しなが ら静かな乗り心地を体感した。 (左下) 車両愛称ロゴデザイン・車両カラーリングデザイン:愛称は市内中心部の 「CENTER」 、 環状線の 「EN」 、 路面電車の 「TRAM」 を合わせた造語。 市民公募で集まった670点から選定された。 車両は清楚な 「ホワイト」 、先進的な 「シルバー」 、重厚な 「ブラック」 の3編成。 各色が 富山らしさである 「自然・未来・伝統」 を表現している。 (右) 外形デザイン:車体はポートラムと同じ新潟トランシス社製の2車体連接。 電停と車両乗降口の 段差がなく車椅子でもスムーズに乗り降りできる。 路面電車による環状線がいよいよ開業! 富山の新しい顔 「セントラム」に期待。 Tノート TK-1A(横型/黒板用/方眼罫) 昨年12月23日、富山市中心部で路面電車「愛称: 使って富山の地場産業活力を表現。「平和通り」は セントラム(CENTRAM)」が環状運行を開始し、富 立山連峰を借景とした都会的なショッピングスト 山市民プラザ前で記念イベントが行われ多くの鉄 リートと、3区間それぞれに個性を強調した景観デ 道ファンや家族連れで賑わった。 ザインが施された。 この市内電車環状線化事業は、路面電車で全国初と 富山駅北を走る富山ライトレールとの将来的な接 なる「上下分離方式」を導入。富山市が「下」にあたる 続を考慮し、車体は「ポートラム」と同型の低床車 軌道整備や車両購入を担い、富山地方鉄道㈱がそ 両を採用。車体カラーは「ポートラム」の7色(有彩 れらを借り受け「上」にあたる運行を担当する。運行 色)に対して無彩色を基本に選定し、ホワイト、シル ルートは富山駅前〜丸の内〜新区間〜荒町〜富山 バー、ブラックのモダンな3色に決定。そんな都会 駅前。環状線化のため新たに約940mの線路を敷 的なイメージに調和するよう、内装は上品で落ち着 電気自動車の製造・販売を手掛けるタケオカ自動 2,500円。運転には普通免許が必要だが維持費が き、既存の富山地方鉄道の路線と接続。延べ3.4km いた色合いになっている。 車工芸(富山市)は昨年秋、一人乗りミニカー「ミ 少なく、前進・後退がボタン操作なので誰でも簡単 リュー R」を全面改良し、新型「ミリュー T-10」を に扱うことができる。 になった環状線を、昼間は約10分間隔で反時計回 新型一人乗りミニカー「ミリュー T-10」 タケオカ自動車工芸より5月発売開始! 「セントラムが中心市街地を循環することで、交通 りに運行する。 やまちづくりの枠を超えた波及効果が望めます。観 開発。今年5月から発売開始する。 開発に着手したのは2005年。県の中小企業支援 車両、電停、車道、歩道等の整備には、富山市と富山 光など産業の様々な面で間接的影響があると考え 新型開発で重視されたのは乗り心地と安全性。車体 事業の補助を受け、富山大学芸術文化学部の林教授 地方鉄道、道路管理者らによる「市内電車環状線化 られ、車体や景観を含めてトータルデザインし魅力 を一回り大きくし、従来の鉛電池だけでなく走行距 らと協同で進められた。林教授が担当したのは車 デザイン検討委員会」を設置。「新しい富山の顔と ある街路空間をつくることが重要だと考えました」 離の長いリチウムイオン電池にも対応した。フル充 体デザイン。車内空間をゆったりとさせ、空気抵抗 なる景観形成」をコンセプトに、公共スペースの総 と森雅志市長は開業式で述べた。 電での走行距離は鉛電池が50km、リチウムイオ を抑えるため車体に丸みをつけ曲面を強調。次世 合的デザインを手掛ける㈱GK設計や地元の意見 車社会の流れで一度は廃止されたが、最新設備を搭 ン電池が70km。最高速度は鉛電池が約55km/h、 代カーの誕生をイメージし、ふたばで社名の「T」を を踏まえながら、街路景観や各施設を含むトータル 載して36年ぶりに運行開始した環状線。今後、市民 リチウムイオン電池が約60km/h。いずれも減速 デザインが検討された。「県道富山高岡線」は城址 生活の向上や中心市街地の活性化につなげ、未来型 時に発生する電気を蓄える仕組みになっている。 「次世代に愛される親しみやすい姿形に生まれ変 公園の景観と融合調和した和テイスト。多目的な利 都市・富山を全国発信していくことが期待される。 ●富山市都市整備部路面電車推進室 鉛電池タイプは1台96万6千円。ミニカーは車検、 わった。ゆったりとした車内でクリーンな運転を楽 TEL076-443-2115 FAX076-443-2148 重量税、取得税がかからず年間自動車税はわずか しんでほしい」と武岡学専務は語っている。 用が想定される「大手モール」はアルミやガラスを 景観イメージパース:3区間の個性を活かした景観デザイン。車内から 景色の変化を楽しむことができる。 (上から)県道富山高岡線、大手モー ル、平和通り 東京モーターショー 2009で、 「ミリュー T-10」は次世代自動車振興センターの ブースに出展した。 象った新エンブレムも製作し取り付けた。 ●タケオカ自動車工芸 TEL076-429-2381 FAX076-429-2910 http://www.takeoka-m.co.jp/ ●今年度の富山プロダクツに選定されました。 (19p参照) Design Center News T O YA M A デザインセレクト 2009-2010 高岡展: [日時]2009年10月15日㈭ 〜10月25日㈰ [会場]ウイング・ウイング高岡1F 富山展: [日時]2009年11月3日㈫ 〜 2010年3月30日㈫ ブランドデザイン基礎講座 特集座談会 [日時]2009年12月10日㈭ [会場]富山県総合デザインセンター プレゼンテーションルーム [講師]清須美 匡洋(九州大学大学院芸術工学研究院 教授) [日時]2010年1月22日㈮、2月24日㈬、2月25日㈭ [会場]富山県産業高度化センター 2F会議室 [会場]神通峡春日温泉リバーリトリート雅樂倶1Fショップ 県内2カ所で年1回開催されている「 TOYAMAデザインセレクト」。 近年「ブランド力強化で○○アップ!」や「△△商品をブランド化」な 3回目を迎えた今回も「富山プロダクツ選定商品」を中心に、 “富山 どブランドアピールの必要性を唱える言葉に触れる機会が増えてい 発”の厳選商品約120点を展示・販売しました。会場となったのは、 ます。しかし、成功事例についての情報ばかりが先行し「ブランドが必 市民の憩いの場「ウイング・ウイング高岡」と、県内外から多くの観 要なのはわかるけど…。」 「ブランドを構築するためには具体的にどう 光客が訪れるリゾートホテル「リバーリトリート雅樂倶」のお土産 いう取組みが必要なのか」といった疑問を持つ企業の方が増えている ショップ。デザイン性と機能性が融合したアイデア商品に触れてい のが現状です。そこで、ブランド構築の必要性を感じている県内企業 ただくことで、県内企業がもつ高い技術力や、ものづくりに携わる の経営者、企画開発担当者、県内デザイナーを対象に、ブランドの基本 人々の情熱、そして今後の新たな可能性を多くの方に感じていただ 構造の解説および、ブランド構築初期段階の実践を行う3日間の集中 くことができました。 講義「ブランドデザイン基礎講座」を開催しました。 デザインセンターを中心とした モノづくりネットワーク強化を目指して 1月22日㈮ ブランドの基礎に関する講義 ・ブランドにできること ・ブランドの種類 ・ブランドの構造 ・事例紹介 2月24日㈬ 基本的なブランド構築手法の解説 ・ブランド構築要素 ・ブランドモデル 参加者自身のテーマについて、演習 ・自社の現状分析(SWOT) ・自社のブランドモデル構築 ・自社のブランドアクションプラ ン構築 高岡展 近年、企業活動のPRの場として注目を集めている「インテリアライ フスタイル」。2008年から、その秋版にあたる 「インテリアライフ スタイルリビング」と、国内最大の家具見本市「IFFT(東京国際家具 2月25日㈭ 見本市)」が融合し、ライフスタイルをトータルに提案する「IFFT / 演習結果をもとに、講師による個 別相談 インテリアライフスタイルリビング」が開催されています。 去る12月2〜4日に開催された同見本市に、富山県総合デザインセ ンターとして初出展を果たしました。後日、センターのスタッフで 富山展 今回の出展の手応えや反省点、そして今後の課題や目標について話 し合いました。 富山展DM きよすみ・まさひろ/ 1981年㈱GK設計(建築部)入社。87年㈱ディーシー参加、 取締役。93年㈱デーシーアイ設立、代表取締役。2007年九州大学大学院 芸術工 学研究院 デザインストラテジー専攻に教授として着任。08年九州大学大学院統合 新領域学府 ユーザー感性学専攻に兼任。専門分野:ブランドデザイン・プロモーショ ンデザイン・ソーシャルエクスペリエンスデザイン 特集座談会 センター初出展の背景と目的、その内容 桐 山 ● 公 式 に 発 表 さ れ た 来 場 者 数 は2万 し、県内企業の商品開発を通して県全体を て世に出たことがアピールできた。それに、 200人。構成は主にバイヤー、メディア、デザ PRしていますと、関係や立場を説明しやす 斬新で面白いものを開発しようとしている 桐山●富山県は全国でも屈指のモノづくり イナー。我々のブースへの来場者は約5,500 かったです。 ことも伝わった。今後「ぜひこれを商品化し の環境が整備された県です。また地元にもモ 名。交換名刺枚数は208枚でした。 玄●能作さんは6月の出展後、同展では十分 たい」 「売らせて欲しい」と言われる流れがで ノづくり現場を担ってきたという自負があ 氏家●1日目は百貨店を中心としたバイヤー 評価が得られるようになったので、現在は海 きれば嬉しいですよね。 ります。しかしライフスタイルの変化に応じ が多く、お土産プロジェクトが注目されてい 外への販路開拓に力を入れているそうです。 堂本●コンペについては普段から多くの問 て市場を捉えた商品開発や販路開拓ができ ました。2日目はメディア関係、3日目はデ リッチェルさんも新ラインを発表し、従来の い合わせを頂きます。今回も多く、商品化は ているかどうか。それが今の富山の課題であ ザイナーが多かったですね。 DESUSブランドを強化しています。展示会 富山の地場産業の活用が原則だといつもの に参加するメリットが感じられるようにな 様に説明しました。しかし、県内企業だけで り、各企業がバイヤーやメディアに積極的に はできないことも当然あるわけで、実際問 り、我々の課題になっています。 大矢●以前、商品開発研究会でインテリアラ 出展者の連携プレーで富山全体をアピール イフスタイルについて意見交換をした時出 デザインセンターの出展ブース コンペ作品の中では、クリップホルダー「ドロップ」が人気で、多くの人が興味深げに揺らしていた。また、富山プロ ダクツと越中富山お土産プロジェクトを一緒に展示し、 “富山発”の地方文化とデザインのある生活を提案した。 デザインセンターを中心とした モノづくりネットワーク強化を目指して 売り込む流れができてきたと思います。 題、取り掛かってみないと分からない部分が 展経験のある企業から、名刺交換の機会は同 吉田●6月は県内から9社が単独出展しまし 堂本●確かに、今回のために各企業にいくら 多いんですよね。 展でなければ得られないという声が出てい たが、今回は我々とナガエさんだけでした。 かの負担と協力をお願いした時、皆さん好意 大矢●基本的に県内企業に声を掛けて不可 ましたよね。同展を高く評価している企業が 同社は去年立ち上げた新ブランド「naft」の 的でした。6月の出展企業が多かったのです 能ならば、県内に縛られなくてもいいと思っ 多かった。そこで我々も新たなパイプを作ろ 6点を発表しました。アルミの鋳物に黒の塗 が、時間をおかず東京で発表している事実が ています。もともと商品化という明確な目的 うということで今回初出展しました。結果、 装をしたキャンドル立てや花器などをベー 作れるということで前向きに捉えていただ があるのだから、他県に一部協力してもらっ ある一定の成果は得られたと思っています。 スの3点に加えたことで、ブランドイメージ けました。 ても構わないんじゃないかと。 堂本●展示では富山県総合デザインセン が固まってきたようです。周囲の評判もとて ターがどんな企業支援をしているかを3本柱 も良く、1月末にはテーブルウエアショー、 で紹介しました。富山プロダクツを中心とし 4月にはOZONEでの展示を予定しているそ た県内企業のインテリア商品と、現在進行中 うです。 大矢●コンペについては、今年の最終審査作 品化されにくいのは、我々の売り込む手口の の越中富山お土産プロジェクト、そして富山 平野●今回は我々とナガエさんだけだった 品とこれまでの試作品、合計12点を展示し 少なさにあります。また、デザイナー自らが プロダクトデザインコンペティションの商 のでお客様の流し合いをしようと事前に連 ました。今以上にデザイナーの集客力や関心 県外から協力企業を連れてきている状況に 品化支援策でした。 携を図りました。我々のブースで「naft」に興 度を高め、一般の流通業者から見たコンペ商 対して、県内企業が乗れていないから。デザ 大矢●ブース左側ではコンペ作品、中央は富 味を示したお客様には「あちらでも単独出展 品の魅力を探りたい、それが狙いでした。 イナーによっては販路も一緒に提案してく 山プロダクツ、それと混在させた形でお土産 されてますよ」と教えてあげましたし、また 桐山●コンペを始めて16年経ちますが、東 れる場合もあるほどです。他県が完全に手招 プロジェクトも展示しました。他ブースに比 逆の流れもありました。 京で発表したのは久しぶりです。同時に過去 きしている状況の中で、我々の痕跡をどう残 べて賑やかだったし、我々が楽しく頑張って 堂本●ナガエさんのブースと同じ製品を置 商品化された作品も紹介でき、今や定番に すか。いよいよ大きな課題になってきたと思 いることが伝わったと思います。 いていたことで、我々は富山県として出展 なっているヒット商品が当センターを通し います。 堂本●富山にアセンブル会社があればメイ しくみを含め、コンペの課題がより明確に ドイン富山の痕跡を少しでも残せるのかも しれません。市場に出れば売れそうなのに商 見本市名称:IFFT /インテリアライフスタイルリビング 会期:2009年12月2日㈬ 〜4日㈮ 主催:社団法人国際家具産業振興会、 メサゴ・メッセフランクフルト株式会社 会場:東京国際展示場 (東京ビッグサイト) 東2・3ホール 会場面積:17,020㎡[前回:25,690㎡] 出展者数:327社 (国内275社・海外52社) 10カ国/地域[前回:367社、14カ国/地域] 来場登録者数:主催者公式発表20,226名[前回 (開催4日間) :26,912名] ㈱ナガエの出展ブース 「naft」は㈱ナガエのアートピースブランド。商品の模 様である丸穴を展開した印象的なブースで、壁穴から 中を覗く姿が時々見られた。 デザインセンターを中心とした モノづくりネットワーク強化を目指して 特集座談会 桐山●商品化の実績は既に多くあるので、挑 話には進めませんでした。今後はホームペー 食 し狭かったほどでしたが、初出展でこれだけ コンサルタント 次なる デザイン領域への チャレンジ 越中富山 お土産 プロジェクト 戦したいというベンチャー企業が出てきて ジ等での情報開示が重要になると思います。 周囲に新鮮に受けとめてもらえたのはいい くれたらいいですよね。当センターでは試作 玄●結婚式の引出物として食品を扱いたいと 感触。今後は各ターゲットに的を絞って進め レベルは補助できるし、それを県内企業に振 いう企業や、試作販売でもいいから先行して ていく必要があると思います。 り分けることもできる。次はそれをアセンブ 扱いたい、富山プロダクツも一緒に扱いたい、 吉田●新しくできた関係を今後より強くす ルする会社が県内に欲しい。我々はそのトー 東京で販売開始やプレスリリースする際は声 るには何をすべきでしょうか? タルプロデュースを考える段階に来ていま を掛けてほしいという要望もありました。 玄●まずお礼のメール、それから富山プロダ す。出展したことで次の課題が明確になりま 平野●プロダクトからインテリア雑貨、食品 クツのカタログや機関誌も送って我々の活 したね。 まで一緒に展示したことが、他との差別化に 動を知っていただきましょう。 なって新鮮に映ったみたいです。 堂本●有楽町にある富山いきいき館をご存 氏家●メイドイン富山のアイテムとお土産 知の方が結構いたので、既存の情報館を活用 富山県総合デザインセンター を組み合わせる、その考え自体を特集記事に する手もありますね。 デザインディレクター 窪●今回お土産プロジェクトも一緒に展示 したいという依頼や、富山はデザイン振興力 窪●継続してPRするにはお金をかけない方 したのは、当センターの商品開発支援は工業 が強いですねという驚きと賞賛の声もあり 法を考えないといけませんよね。 製品だけでなく、地域リソースも含めてデザ ました。 大矢●スケール感を生み出すには継続的、定 インの対象としていることを明確に伝えた 桐山●いくら立派な品が並んでいても今の 期的に発表できればベスト。お土産プロジェ 富山県総合デザインセンターは、デザインウ これらの点を踏まえたチャレンジ、美味しい 顔となる新商品ブランドが「越中富山お土産 お土産プロジェクトが相乗効果を生んだ 開発アドバイス 富山県総合デザインセンター 活動領域 デザインウエーブ プロダクトデザイン コンペティション マーケティング 新領域 開発 デザイン デザインサポート 市場開拓サポート マーク サイン 試作 モックアップ モニター会 桐山 登士樹 展示会 かったからです。 時代それだけでは弱いんですよね。使うシー クトの方は今後もPRする機会はあると思い エーブ事業において1994年よりプロダク 堂本●もう一つは、県内企業商品の集合であ ンの提案や消費者の心を揺さぶるしかけ、そ ますが、富山プロダクツとコンペ作品に関し トデザインコンペティションを開催してき プロジェクト」です。富山を離れた家族や県 ては知恵が要りそうですね。 ました。この16年間、県内外のデザイナーか 外の友人・知人にお土産を渡すとき、富山を もっと知っていただくためにも、美味しく召 る富山プロダクツはデザインも用途もばら の見せ方が重要です。このことを意識した展 ばらです。これらをただ並べても散漫な印象 示はありませんでした。新しい事に踏み込め 窪●我々の取り組みにご協力いただくこと ら応募された数多くのデザインをサポート にしかならないので、統一アイテムを置くこ た点で、我々の考え方や目指す方向を示せた で、当センターを中心として企業間に横の繋 し商品化して市場に送り出してきました。公 し上がっていただけること、そして今の時代 がりができてきたような気がします。ですか 的機関として商品化に踏み込んで活動して に合った量やサイズ(残らない、小分けでき る)であることを念頭に置いています。 とでブース全体を整えようと考えました。 と思います。 氏家●お客様と話した感じでは、小サイズと 大矢●確かにお土産プロジェクトがスター ら地元企業との関係も上手くサポートしな いる当デザインセンターは、世界でも珍しく 個包装が好感触でした。試作品の中には全国 トしたことで、従来の活動に相乗効果が生ま がら、富山プロダクツやコンペ作品も効果的 最先端を走っています。こうした実績を踏ま そのため、このプロジェクトには富山県をよ にPRできる仕組みを探していきましょう。 えて今年度から、これまでの「プロダクト」領 く知る4名のキャリア女性に加わっていた 桐山●ちなみにお土産プロジェクトが目指す 域に加えて「食」をテーマ領域に入れ、その商 だき、商品選定から商品の有り様まで女性目 のは来年度のGマークです。 しっかりやればイ 品化を進めています。名付けて「越中富山お 線できめ細かく検討します。このプロジェク ンパクトは強いはずです。デザインを核にし 土産プロジェクト」です。このプロジェクト トは選定商品だけが売れればいいというも た事業展開で誰よりも先を行きたいですね。 を起案した理由は以下3点です。 のではありません。より多くの来県者にお土 的に有名なものはありませんが、それらを集 れましたよね。 めて富山というブランドをつくる考えが面白 いと感想を頂きました。ぜひ当デパートで販 一歩進むにはネットワークと知恵が必要 売してみたいという声もありましたが、イン テリア関係の来場者が主だったので具体的な 大矢●3本柱はある意味欲張りでブースが少 産を通じて、まずは富山を知っていただくこ 1. 深さ1,000mの海底から標高3,000mの と。そしてその為の商品企画とデザインが必 北アルプスまで、高低差4,000m以上という 要なのです。お土産という機会を通じて好印 世界でも稀有な地形を有する富山県は、さま 象を持っていただければ、それらをインター ざまな自然の恩恵を受けている。(美味しい ネット等々で直接購入していただけるしく ものが多い) みも作りたいと考えています。 また食品加工業に携わる各社には味や量な 出展協力企業 2. 富山県は「かまぼこ」や「ますのすし」に代 どの商品企画だけでなく、パッケージングや 表されるように食品加工業が多いが、ライフ ディスプレイ等のデザインにもさらに精進 スタイルとともに大きく変化したマーケッ していただくことが目的です。こうしてマー トニーズをしっかり捉え応えている商品が ケットを意識した改善・改良が行われれば、 食 少ない。 品加工業の総売り上げ1.5倍も夢ではありま ■富山プロダクツ アイオーティーカーボン㈱/㈱高田製作所/㈱タカタレムノス/㈱ナガエ アート事業部/ ㈱能作/㈱二上/㈲ベンチャーアンツ/北陸アルミニウム㈱/㈱リッチェル/富山ガラス工房 ■越中お土産プロジェクト ㈱あいば食品/稲積好梅サークル/川口食品/㈱河内屋/五洲薬品㈱/㈱ごん六水産/ 樽蔵産業㈱/月世界本舗/㈲道正昆布/日の出屋製菓産業㈱/㈱桝田酒造店/㈱源/㈱山竹園 せん。当デザインセンターは深刻な経済状況 3. 富山空港、道の駅、東京圏で販売されてい から脱却するためにも、デザインを活用した る富山県の食品等は、総じて目立たず控えめ 産業の再構築に積極的に踏み込んでいかなけ でアピールが足りない。また北陸新幹線開通 ればいけません。 「越中富山お土産プロジェ により、数年後には富山県を訪れる観光客も クト」は現在、2010年夏を目安に着々と準 増えると予測される。 備を推し進めています。 ぜひご期待下さい。 10 デ ザ イ ン 講 習 会 [ デザイン分野のスペシャリストを招いた講習会] D E S 多角化経営で世界市場に挑むキヤノン I G N S E M I 段あまり関わりのないTomorrowやFuture を作りました。つまり適材適所な人材配置に の中を見ていくと、単に生産計画を管理して よってプロフェッショナルを育成し、デザイ 弊 社 は1937年 創 業 以 来 カ メ ラ に 始 ま り、 いるだけのような商品企画や、目的や背景が ン部全体を先行提案型集団にしていったの 光学技術、精密技術、電子工学を核に関連多 釈然としない研究開発もあったので、事業部 です。 角化を進めて成長してきました。現在の主 に対してはコンセプトモデルを提案し、本社 領域には一般消費者向けのカメラやプリン R&Dとはコアコンピタンスである技術の最 ターなどがありますが、現在の売上比はカメ 終的な着地点をエンジニアと一緒に考えて キヤノンは製品の約80%を海外で販売し、世界ブランドとして生き残るため経営・技 ラ31%、事務機器61%、光学機器8%。半分 いこうと、50%以上Tomorrowに軸足をお 弊社は製品ブランド訴求のため宣伝活動に 術・デザイン・販売の一貫体制を確立しています。今回はその経営の要となって企業を 以上が事務機器です。マーケット構成比は国 いた業務枠へと5年程前に舵を切りました。 も力を入れており、新製品が出るといつも性 導くデザイン部の責任者、キヤノン総合デザインセンター所長の酒井正明氏をお迎え 内21%、海外79%で、アジアが近い将来国 昨年から、弊社のインクジェットプリント技 能の良さを訴求します。しかしどのカメラも し、1994年デザイン部統合以降の新しい取り組みや、デザイナーの可能性を引き出す 内%を越えると予測されています。 術の中で育ってきた大判プリントサービス 十分きれいに撮れるようになった時代に、一 弊社ではかつて各事業部の開発にデザイ を販売会社(キヤノンMJ)で始めました。業 般ユーザーはまだ高画質の方を選ぶでしょ ナーが所属していました。しかしそれでは 務関係者だけでなく一般消費者にもぜひ利 うか?むしろ高性能・高機能を活かしてでき 人、モノ、金を含め無駄な投資が多く、一本化 用して欲しい。それにはどんな機会を作れば ること、弊社の場合、豊富な入出力機器で創 へと94年にデザイン部が統合。社長直轄の きっかけになるかをインテリア雑誌編集長 造する新しいデジタルイメージングの世界 キヤノン総合デザインセンターが誕生しま と話していた時、誰もが持っているマイコン をPRすべきだと考え、リアルを追求してき した。翌年就任した御手洗社長が負債事業を テンツでインテリアグッズが作れたら、より た弊社の新しい試みとして「NEOREAL」を 改革すべく「グローバル優良企業構想」を掲 自分らしい部屋が表現できるのでは?とい テーマに、感性豊かな人々が集まるミラノサ げ、意識改革と集中した投資を行って業績を う話に至りました。そこで自分のお気に入り ローネに一昨年から出展してきました。 改善。構想最終年の今年には新規事業の参 のコンテンツでタペストリー、カーペット、 2008年に展示した3部構成のうち「綴」の部 画を経て、全主要経営指標が世界TOP100 パーティション等にすることをPRするイ では、07年から京都文化財団と取り組んで 入りを果たす予定でしたが、昨今の不況で ベントを開催。そこで偶然にも某インテリア いる文化財保護活動「綴プロジェクト」の作 2008年から前年度割れをして今、方向転換 ショップの社長に興味をもっていただいて、 品、屏風と襖絵3点を世界初公開しました。こ を図っています。 今、販売会社とビジネスを始めようという話 れは一般公開できない文化財の複製品を1点 に至っています。 だけ作り、多くの人に鑑賞してもらおうとい キヤノンのデザイン戦略 [講師]酒井 正明(キヤノン㈱総合デザインセンター 所長) [日時]2010年1月28日㈭ [会場]富山県産業高度化センター 2F会議室 マネジメントについてお話いただきました。 社内デザイナーの役割と可能性を模索 先行提案型の要となったプロセス改革 11 A R 企業がPRすべきは、新しい顧客価値 On the wallプロジェクト 大判プリントの用途を様々な素材を使って個人向けに 提案したPRイベントの様子。この設定はダイニング ルームで、上の写真左の布製パーティション、天井の カットシート、右壁のタペストリー(水玉フード、食器 棚)が大判プリンターによるもの。 う活動です。デジタル一眼レフカメラで撮影 統合以降私がデザインセンター所長として ミラノサローネ2009 「NEOREAL -キヤノンが創造する新たな映像表現の世界-」 「躍」の部、キヤノン社内デザイナーによる映像体験作品。来場した子供たちが不思議な映像世界をスクリー ン前で躍りながら体感した。 N し大判プリンターで特製和紙に原寸大出力 し、その上に金箔を施して弊社のプリンター 取り組んできたのは、商品価値向上を目指す デザイン部の提案がたたき台になり多くの の表現力をアピールしました。(「活」の部、廣川 ために事業計画をいかにデザイン部主導で 事業関係者から意見が出たり、技術的に難し 玉枝氏の空間演出についてはoffer vol.32参照) やるかということです。日本のデザイン界で くても面白さが伝われば技術を投入しても 昨年展示した「響」の部では、弊社が独自に はフリーランスよりインハウスが圧倒的に らえるようになり、今では業務の約2/3が先 開発したフルハイビジョン投影できるプロ 多くいます。そんな彼らが企業の中で担うべ 行提案型になりました。 ジェクターを使って、建築家の平田晃久氏 き役割や、彼らの能力を最大限に引き出すし このワークフローを作るために行ったのが による有機的空間にインタラクティブアー くみを常に模索し、デザイン部はもっと会社 デザインプロセス改革です。先行提案してい ティスト・松尾高弘氏の幻想的な映像を投射 に貢献できるはずだという信念のもと様々 くには効率よく時間を稼ぎ、その時間で新し しました。(詳細はoffer vol.32・vol.34参照)これ な取り組みをしてきました。 いことを考え、同時に事業部を納得させる企 と同じ機器を使って社内デザイナーにも発 その1つが14年前から始めた「デザインエキ 画力や説得力をつけていく必要があります。 表の機会を与えたのが「躍」の部です。ブース スポ」です。デザイン部が独自の発案や事業 そこでリサーチできる人材やプロトタイプ 来場者をビデオカメラで撮影し、瞬時に画像 テーマの先行提案等を発表する場で、先行提 が作れる人材を補強し、経営トップにはデザ 処理をし、人物のアウトラインだけをタイ 案力強化や研究開発促進、製品化実現を目指 イン部にもっと期待してほしいと言い続け ムラグなくスクリーンに投射。解像度の高 すイベントです。これには全グループ会社か てきました。そして市場調査や感性価値の追 さを示しながら映像機器の新しい活用法を ら毎年1,000人以上が来てくれます。 求、外部とのコラボレーションをしながら、 提案し、想像を超える反響を頂きました。外 酒井 正明 ま た 統 合 時 の デ ザ イ ン 業 務 の 割 合 は、 デザイナーが次期主力製品の提案をできる 部クリエイターを起用して社内デザイナー さかい・まさあき/ 1970年キヤノン入社。プロダクトデザイナーとして電卓 をはじめ、ワープロ、プリンター、複写機など事務系製品を中心に、各製品群の キヤノン初号機のデザインを多数担当。94年よりキヤノン総合デザインセ ンター所長を務め、現在に至る。 Today70%、Tomorrow20%、Future10% よう企画力のあるクリエイターを養成。さ を刺激し、彼らにも発表の場を与えたこと でした。Todayは全グループ会社のデザイン らにデザイン決定後も製品化までには必ず が新たな経験と自信を与えました。次回の 通常テーマ、Tomorrowは事業部中計テーマ、 フォローが発生するので、フィニッシャー 「NEOREAL」にもぜひご期待いただければ Futureは本社R&Dの研究開発テーマです。普 というメンバーにフォローしてもらう流れ と思います。 ミラノサローネ2008 「NEOREAL -キヤノンが創り出す新しい感性の世界-」 「綴」の部、大判プリンターを使った文化財の複製品。 「老梅図襖」 (狩野山雪筆・メトロポリタン美術館所蔵) 「八橋図屏風」 (尾形光琳筆・メトロポリタン美術館所蔵) 「松林図屏風」 (長谷川等伯筆・東京国立博物館所蔵・国宝) 12 デ ザ イ ン 講 習 会 [ デザイン分野のスペシャリストを招いた講習会] D E S デザインを意識した科学万博 デザインの美しさ、 デザインの楽しさ、 そしてデザインのロングライフ I G N S M I でもう一度デザインを学びたいと考えるよ 子をデザインするきっかけになったのです。 うになりました。 このプロジェクトが開始した時には他のプ 昨年、デンマークのフリッツ・ハンセン社か ら発売された椅子の開発プロセスを含め、私 E がデザイナーになるまでのバックグラウン の椅子の開発中にモックアップを建築家や ディーラーに見てもらい、多くのヒヤリング インの楽しさや美しさを、少しでも感じてい 学しました。「なぜ北欧デザインがうまれる を行ないました。なぜなら、どんなに素晴ら ただければ幸いです。 のか?」その答えはやはり生活の中にありま しいデザインでもフリッツ・ハンセンのブラ 私が「デザイン」を意識するきっかけは、12 した。厳しい自然と天然資源に恵まれない環 ンドにふさわしいものでなければ製品には 歳の時に筑波で開催された科学万博へ遊び 境の中で「北欧デザイン」が誕生することは ならないからです。家具業界でブランドを意 に行ったことです。ルイジ・コラーニがデザ 必然的なことであったとスウェーデンでの 識しながら製品を開発するところは少ない フリッツ・ハンセン社とのコラボレーションによって誕生した椅子「リンチェア」は、これま インしたロボットや、黒木さんがかかわった 生活を通して感じました。 かもしれませんが、次の時代も愛され続ける での同社では考えられないイノベーティブなラインです。昨年春のミラノサローネで最も ソニーのジャンボトロンなど、当時の最先端 在学中にコペンハーゲンで行われたルイス・ ブランドになるためにはとても大切なこと 目立ち、世界のメディアもこぞって取り上げました。今回は、この椅子をデザインし、北欧の 技術を「デザイン」というフィルターを通し ポールセン社の創設125周年パーティーで だと思いました。 企業を主なクライアントとして活躍中の紺野弘通さんに、その開発プロセスなどを通して、 て分かりやすく紹介された展示を見たとき、 ロス・ラブグローブと出会い、1999年にロ 2006年 の 暮 れ に は コ ス ト の 問 題 で こ の 子供ながらにデザインの可能性を感じ、その ンドンへ行くことになりました。彼のもとで プロジェクトが中止の瀬戸際まで追い込ま 魅力に引きつけられました。 は3年間、アシスタントデザイナーとして家 れました。しかしフリッツ・ハンセン社のス デザイナーになりたいと考えたのは高校生 具のプロジェクトに携わりました。その後、 タッフたちが諦めず、コストダウンに成功し の時です。万博で技術とデザインの密接な関 2002年にロンドンで独立し、これまでにデ ま し た。そ し て 一 年 後 の2007年 暮 れ に 製 係を感じていたことから、工業系の大学でデ ンマークのソフトライン社のソファ、ジョー 品化が決まりました。少人数のスタッフでし ザインを学びたいと思いました。実際に大学 ジ・ジェンセン社のカード・ホルダーやステ たが、皆がデザインの開発を楽しみ、この椅 に入ると思い描いていたこととは少し違い、 ルトン社のボウルなど主にヨーロッパブラ 子をかわいがってくれました。「なんとか製 将来の方向性について悩んだ4年間でもあ ンドのためにデザインを手掛けています。 品にしたい。」 「フリッツ・ハンセンの次のア [日時]2010年2月16日㈫ [会場]富山県産業高度化センター 2F会議室 長く愛される北欧デザインの魅力や、デザインへの思いについてお話いただきました。 りました。在学中はテーマパークでの仕事に 明け暮れ、お客さんの行動をいつも観察して Fritz Hansen リンチェア(2009) フリッツ・ハンセン社の他のテーブルや椅子との調 和を考慮してデザインされている。シェルの部分は ポリプロピレン製。 わったすべての人の想いが4年の歳月を経て ようやくかたちになったのです。デザインは ものになりました。デザインは人や環境をよ 昨年、 フリッツ・ハンセン社から発表されたリ チームで作り上げていくもので、彼らと仕事 く観察することで、様々な答えが見つかりま ンチェアは、日本語の 「凛」 と、一輪の花の 「輪」 をしていく中で多くのものを学びました。 す。その観察する力をこの時に身につけたと から名づけられました。同社にはブランドマ 思います。 ネージメントの担当者がおり、製品だけでな デザインはみんなのしあわせのために くブランドをどのように世界に発信していく デンマークデザインとの出会い か常に考えています。 デザインワークの一環として、2008年に国 リンチェアは、オフィスや商業施設等のコン 立新美術館で、昨年はロゴバで子ども向けの 大 学 の 卒 業 を 控 え た1996年2月 に、デ ン トラクト向けとして白と黒の2色で販売を開 ワークショップを行いました。デザインって マークへ旅行しました。ポール・ヘニングセ 始しました。その後、4色が加えられ合計6 色 なんだろうか?椅子を用いてデザインにつ ンがデザインしたアーティチョークランプ となっています。色もブランドマネージメン いて考えてもらう試みです。デザインの開発 がずらりと並ぶ銀行の空間を見たときに、そ トの担当者が世界中をリサーチして、慎重に 過程やそれにかかわる人たちを紹介し、子供 れまで写真でしか見たことのなかった名作 選びました。 今春、東京の国立新美術館に白と たちに家族のための椅子をデザインしても が大きな空間と調和し、しかも美しく存在し 水色と赤のリンチェアが入る予定です。 らいました。このワークショップで子供たち ていることにとても感動しました。どんな名 この椅子のプロジェクトが始まったのが に伝えたかったことが二つあります。まず、 作も生活を豊かにするためにデザインされ 2004年。30名近くのデザイナーが世界中 デザインはみなのしあわせのために行なっ ているのだから日常で使われて当然ですが、 からフリッツ・ハンセン社に集まり、 同社の将 ていること。そして身のまわりのモノもデザ その当たり前のことを気づかせてくれたの 来について語り合い、次のアイコンになる椅 イナーが様々な思いを込めてデザインをし 紺野 弘通 がデンマークのデザインでした。 子をデザインすることになりました。そして、 ているということです。 こんの・ひろみち/ 1972年生まれ。千葉工業大学工業デザイン学科卒業後、ス ウェーデンのウメオ大学アドバンスト・プロダクトデザイン・マスターコース に入学する。在学中にロス・ラブグローブと出会い、彼のスタジオへ移籍し、ア シスタントデザイナーとして3年間家具のプロジェクトに携わる。2002年に ロンドンで独立し、Georg JensenやStelton、Fritz Hansen、Lexonなどの ヨーロッパ企業とプロジェクトを行い、08年、東京にデザインスタジオを開設。 www.hiromichi-konno.com/ カフェでセブンチェアに座っていた時も、そ 私の提案が採用され、リンチェアのプロジェ デザインすることは大切な人にギフトを贈 の椅子の素晴らしさについて熱く語ってく クトがスタートしたのです。 るようなもの。家族のために椅子を考えデザ る店員を見て、デンマークデザインは自国の デザインの発想の元は鳥の巣です。なぜ鳥は インすることで、普段使っているモノの見か 人々に愛されていると強く感じました。生活 卵を温めるにも、雛鳥を育てるのにも最適な、 たが変わるような体験になってくれたらと に根付き、人々に愛されるデンマークデザイ 美しく完璧な巣をつくることができるのか。 願っています。子供たちにモノを大切に使う ンがロングライフになることは当然なこと 自然の神秘の一つですが、人間にもそんな能 心を育んでもらう機会をつくることもデザ なのかもしれません。この旅で私は北欧の地 力が備わっていないのか?その疑問がこの椅 イナーの大切な仕事だと考えています。 リンチェア・カラーバリエーション(2009) 色は現在全部で6色。色の組み合わせ次第で、室内の印象ががらりと変わる。 13 Fritz Hansen ジョージ・ジェンセン社のカード・ホルダー(2005) ステンレス製でマグネットによる開閉や、ほどよい 重さが魅力の人気商品。 イコンにしたい。」このプロジェクトにかか リンチェア・プロジェクト いました。その後、この経験はとても貴重な Fritz Hansen R 製品になったのはリンチェアだけです。こ 1998年にスウェーデンのウメオ大学へ留 弘通(HIROMICHI KONNO DESIGN STUDIO 代表) A ロジェクトも進行していましたが、実際に ロス・ラブグローブとの出会い ドも紹介したいと思います。その中で、デザ [講師]紺野 N 上:ソフトライン社のチャットプーフ(2008) 下:ソフトライン社のチャットソファ(2009) 紺野さんが娘さんとの会話を思いながらデザインし たもの。 ステルトン社とコラボレーションした新作ボウル 「SETTING」 (2010) 北欧の太陽が沈む時の色の変化をイメージしてデザ インされた。 14 商 品 開 発 研 究 会 [ 最新デザイン情報の提供、商品開発促進、企業間交流を目的とした研究会 ] ●テーマ ●テーマ デザイントレンド速報 今回は、建築、インテリア、生活雑貨などの豊富 デザイントレンド速報 最新市場のキーワード な事例をもとに、2009年春から夏にかけての メゾン・エ・オブジェ 2010 [講師]桐山 登士樹(富山県総合デザインセンター デザインディレクター) [日時]2009年9月17日㈭ [会場]富山県産業高度化センター 2F会議室 最新市場動向をレポート。 色、素材、形状、デザ インテイストなどを多角的に分析し、消費者心 理やライフスタイルの変化を捉えた新たな商 [講師]桐山 「メゾン・エ・オブジェ(以下M&O)」 はパリで毎年9月 と1月に開催されているインテリアデザインの国 際見本市。 今回は、その1月展(1月22日〜 26日 開催、集客数8万人)に初出展した㈱能作さんの 登士樹(富山県総合デザインセンター デザインディレクター) 体験談を中心に、世界を舞台としたデザインビ [日時]2010年2月16日㈫ [会場]富山県産業高度化センター 2F会議室 ジネスについて企業間で情報共有を図りました。 品企画のためのヒントを企業間で探りました。 建築は今、従来の概念が変わりつつある端境期。 ソコンを使う人が多いので、ペンを持って紙に書くという行為そのも M&Oに初出展し、まず感じたのは 「世界の広さ」 我々にとってビジネスチャンスは十分あるといえますね。 能作●また、大手商社に「月に何万個できるか?」と聞かれたりもしま のが逆に新鮮に感じられるようです。 今回は幅広い分野から私が選んだ今注目すべき動きをお話しします。 物事は全て裏腹です。ある面が顕在化すると対局にあるものがビジネ 桐山●能作さん、M&O初展示はいかがでしたか? まず建築。2006年、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン財団はアメ スとして成長したりする。右だけを見て、左を見ることを忘れてはい 能作●とにかく日本の展示会に比べて規模が大きく世界の広さを実感 桐山●大企業は個数を求めてくるんですよね。大きなチャンスを無駄 リカの建築家フランク・O.ゲーリーを起用して、ブローニュの森に現 けません。上があれば下、前があれば後ろがある。ローテクとハイテク しました。出展したのはテーブルウェア系が集まる3号館。デザイナー にしないためにも、今後は従来のドメスティックな生産体制を世界的 代美術センターを建設する計画を発表しました。雲を連想したという など、何か売れている時には必ず対局にあるものも意識する。そうす の小泉誠さんがデザインした暖簾スタイルのブースで、我々は法被姿 ビジネスに見合う体制へと広げていく必要がありますね。 有機的形態のガラス張りの設計で、現在、2012年竣工に向けて進行 ると新しい発見からビジネスチャンスも広がっていくと思います。 で臨みました。展示品を送る11月時点でコマが未定だったので、長方 しています。 新建築が少ない今、話題を集めているのはこうしたミュージアムや図 したが、その数には到底対応できないので断りました。 形、正方形、右開口、左開口、どんな場所を与えられてもインスタレー 毎日のニュースから背景にあるトレンドを読む。 書館などの大型施設。さらにいわゆるモダン建築ではなく、建築の存 ただ見に行かずに本気になって出展するのが一番 ションできるよう材料を考えて持っていきました。昨年の9月展を下 見した際、どの展示品も大きくカラフルなのを見て、弊社の錫では目立 能作●出展に当たって感じたのが現地の販売代理店の重要性。それま 在を消すようなファジーなものが主になりつつあります。建築そのも 眼鏡ショップのジンズグローバルスタンダードは7月、世界を舞台 てないと判断。そこで錫の器の内側に金箔を貼ってみたところ、驚いた では自分で何とかなると思っていました。でも彼らなしでは世界でビジ のの考え方が変われば当然、構造や空調、メンテナンス、素材などの考 に活躍する日本人建築家とコラボレーションした眼鏡を発表しまし ことに錫を曲げても金箔が割れず、一緒に曲がったんです!これは面 ネスは無理。だって世界は広く様々な国があって言葉も習慣も違います え方も変化します。建築は端境期を迎えています。動向を慎重に見て た。青木淳、石上純也、伊東豊雄、乾久美子など11組の建築家が「自分 白いと思って商品を並べたら、案の定大好評。台湾のレストランから大 から。しかも北欧は誰、中国は誰と複数人必要ですね。とにかく出展すれ いけば我々の取るべき動きもつかめるかもしれません。 がかけてみたい眼鏡」をテーマにデザイン。「巨大な建築物を手掛け 量発注頂きました。また小野里奈さんデザインのKAGOも大中小揃え ばいい販売代理店に出会える可能性はあるし候補も増えると思います。 る建築家が小さなプロダクトを手掛けたら?」という大胆な発想によ て展示しました。錫を曲げたときの反応って日本人も外国人も一緒な 桐山●必要といえば、海外には日本の様な暗黙の了解はないので、明確 る企画で、11種の眼鏡はどれも建築家らしく独創性豊か。各100個 んですね(笑)。広い世界に通じるかなという自信が持てました。 にモノの良さをアピールするだけのシナリオが重要です。さらにマスコ これからの都市緑化には、草だけでなく樹木も。 限定で生産・販売されたそうです。 ミ等から高く評価されるよう演出面の努力も大切。そしてネットワーク 世界を目指すと見えてきた、新たな可能性と課題 ビルなどの壁面を覆うグリーンはつる植物などの草本類が中心でし 最近の傾向としてまず言えるのは、このように建築家やデザイナーの た。ところが7月、竹中工務店が樹木も植栽できる新パネルを開発し 領域がシャッフルしているということです。建築家がプロダクトをデ たと発表。非常に厳しい条件の壁面でも樹木を健全に育て、美しい緑 ザインしたり、グラフィックデザイナーがプロダクトを手掛けたり。 能作●日本人バイヤーが来たのは不思議な感じでした。国内展示会で 応していく。世界で生き残るためにはどれも大切な考え方です。 化景観を維持し、新規・既存を問わず導入可能だそうです。ヒートアイ それほど、どの立場も柔軟な考えで物事に臨まなければいけない時代 は会ったことのない人で、M&Oに来て輸入雑貨を買い込んでデパー 能作●今回は可能な限り完璧な状態で臨みました。数年出展し続けな ランド対策として注目の緑化商品は首都圏を中心に需要拡大が予測 なのかも知れません。またエコや環境問題に対する姿勢は、今やあら ト等に卸している業者でした。彼らはインテリアライフスタイル等に いと結果は出せないと周囲から言われていたので。通訳とも契約し、 されます。この仕組みが分かれば富山でも樹脂や鋳物の成型技術を活 ゆる分野で一つの価値判断基準です。常に自分も何かできないかと模 は来ないらしく、M&Oで初めて弊社を知り「流通はあるから輸出さ 会社案内・カタログ・HP・DM等も一新。初期投資は随分かかりまし かして何か新しいことができるのではないでしょうか。 索しながら、いつでも行動できるよう商品開発を進めていくべきで せて欲しい」というお話でした。これは初経験の流れでした。またパリ た。しかし、いい加減に行って展示してそこで終わっては意味がない す。ちょっとした日常雑貨類であっても、現状からどう一歩踏み込ん の三つ星レストランで錫の器を使いたいという注文もありました。 ので、注文を頂いたら発送できるよう万全の体制を整えました。だか だモノを作るか。最近は感覚に訴えるモノや五感を刺激するモノ、距 桐山●パリの高級飲食店に置けたら宣伝効果はあるでしょうね。そう らこそ一定の結果が出せたと思います。世界に挑戦してみて本当に良 二律背反という考え方にビジネスヒントがある。 を作り、地道にメンテナンスし、自分の動きを随時情報発信していく。ア ナログとデジタルの2軸をビジネス戦略に落とし込んで、きめ細かに対 離や時間など関係性をデザインしたモノが多く見受けられます。その いう所には異文化理解や見識のある人々が集まりますから。欧州も不 かった。ただ見に行くのとは違って、出展して初めて分かったことば コクヨアワード2007のグランプリ作品「紙キレ」が商品化されまし 中でどんな一歩を踏み込むのか。今後も様々な分野のトレンドからそ 景気ですが日本の道具や作法に対する理解は深くて、近年特に日本食 かりでした。何より手応えが得られたことが嬉しい。来年はM&Oで人 た。碁盤目状にミシン目が入っただけのシンプルな用紙で、この年は のヒントや方法を探っていきたいと思います。 の店が増えています。パリのそば屋に行くと昔は日本人ばかりでした 気NO.1ブース「now!」での出展を目指して頑張ります。 「融通のきくもの」がテーマでした。今、紙を使ったコミュニケーショ が、今は9割が現地住民。それだけ日本の食文化が定着した。というこ 桐山●期待しています。富山県の為にも先鞭をつけていただきたいと ンが流行っていて、密かに万年筆もブームだそうです。近頃は専らパ とは日本文化が受け入れられる素地ができているということであり、 思います。 メゾン・エ・オブジェ 2010の様子 15 ㈱能作の出展ブース 16 N I G H T FORUM S T O R Y N I G H T F O R U M S T O R Y 事務用チェア「パルス」 ▲ 昨今のオフィスチェアでは一般的になっている人間 工学に加え、医療現場からの視点も加えることで座り 心地の良さを目に見える形で実現した。 第159 回 ナイトフォーラム 多彩なジャンルのゲストを招いての 講演および交流会 [日時]2009年12月8日㈫ [会場] カーヴ・ユノキ [ゲスト] 川上 元美 人と技術をつなぐデザイン 川上元美さんが1977年にデザインしたアルフレックスのチェア「NT」 は、2009年度グッドデザインのロングライフデザイン賞を受賞しま ▲ トポスポット 「トポスの泉」 ▲靴べらスツール「STEP STEP」 した。今回は、家具デザインから地域活性化事業としての環境デザイン 締まりの良い紐靴を愛用する川上氏自身が欲しかっ たデザイン。売り場で商品を見つけ共感した方がすぐ に持ち帰って使えるよう、仕組みもパッケージもコン パクトにした。 まで、幅広いジャンルのデザインを数多く手がけている川上さんにもの づくりの真髄をお話いただきました。 デザインに大きさやジャンルの違いは関係ない 学生時代にアンジェロ・マンジャロッティという人の作品集を見て、 ガラスのまち長浜の再生をかけたデザインプロジェ クト。その第一弾として運動の中心地につくられた 「トポスの泉」は、夜になるとライトアップによってロ マンチックな雰囲気に。 ングライフデザイン賞を2009年度頂きました。 「NT」にはアームレ チェアを様々なシーンで長く使ってほしいので、機能だけでなくデザ スカウンターチェアや子ども用バンビーノチェアなどもあり、1995 イン面にもこだわりました。そして環境に対する時代性も意識し、簡 年にはひとまわりスリムで軽量な 「NT SLIM」 を発表しています。 単に壊せてリユースやリサイクルができるようにしました。こちらも 一人の人間が建築からクラフト、工業デザインまで、一つの個性で全 て手掛けていることに大きな衝撃を受けました。そして「これだ!」と 今年度グッドデザイン賞を頂きました。 地場産業の販路開拓を試みたコンパクトな家具 デザインの力で技をいかし、人、まちを元気に 思って卒業後、彼の建築事務所に飛び込みました。当時の感動が独立 してから今でもずっと、私の活動における1つの原点になってるよう 次も今年度グッドデザイン賞を頂いたものです。2008年発売した な気がします。 日進木工㈱の靴べらスツール「STEP STEP」は、岐阜県飛騨高山の 最近完成したばかりのものに、滋賀県長浜市の「トポスポット」という 今の世の中はデザインも専門的になり各セクションに分かれていま 地場産業技術を応用して作りました。これは「自分で使いたい家具」を 広場があります。長浜はガラスの街として有名で、ガラスで街おこしを す。しかしいつの時代もどこでも基本的には人間が主体であり、それ テーマにデザインしました。玄関で靴を履くときに腰掛けるちょっと して20年。まだまだ人気のある場所ではありますが、裏通りは人通り をとりまく空間があり、我々は様々な関係性の中で生きています。で した椅子が欲しい、そして、いつも靴べらの置き場に困るという私の が少なく、夜になると表通りでも人影がなくなります。そこで街の広場 すからデザイナーにとって、ものの大小やジャンルはそれほど重要で 実体験をもとに、この2つの要素を合体させようと考えました。靴を や空き地を活用してガラスを室内から外へ持ち出そう。「アーバング はないと考えて、生活用品から都市景観まで幅広く様々なデザインに 履いたあと椅子に靴べらを差せるようにすると、 「行ってらっしゃい」 ラス」による景観で人が散策できる観光拠点を作ろうと、地域再生プロ 取り組んでいます。今日はそんな私の最近の仕事を中心に紹介したい と言って送ってくれるような愛らしい姿になりました。 ジェクト「長浜アーバングラス・コンペティション」が始まりました。 と思います。 購入後すぐに持ち帰れるようノックダウン式にし、誰でも簡単に組み 2009年よりビエンナーレ形式で開催するデザインコンペで、実は私 立てられるようシンプルな木ネジ式にしました。脚を座裏にねじ込む がその審査委員長を務めます。プロジェクトを始めるに当たり、この だけで工具不要。パッケージングを極力コンパクトにすることで使う 運動の核となる敷地にピラミッドのようなガラスのモニュメントを までの経緯もスムーズになり、家具の新しい流通ルートの開拓に挑戦 デザインしました。「トポスの泉」に湧く水がゆっくりと四方に流れ することができました。 出て、ガラス文化の流れが街を巡るというイメージです。ちなみに、こ 30年経っても新鮮さを感じさせるデザインチェア 仕事を始めた頃の作品に1977年にデザインしたアルフレックス ジャパンのチェア「NT」があります。 ダイニングチェアやパーソナル チェア、会議室やホールでのパブリックチェアとして幅広い用途を意 産官学による、姿勢が崩れにくい高機能チェア 基本的にデザインは、人のためのモノやコト ▲チェア 「NT」 識したもので、デザインは極力シンプルにかつ座り心地の良さを追求 いつまでも飽きないスタンダードの魅力を持ちながら、今なお新鮮さを感 じさせるデザイン。1977年の発表から30年以上販売され続けている。 しました。高い技術で形作られた成型合板フレームは、安定感があり 約3年の試行錯誤を経て2009年1月に発売されたのが、北海道大学 堅牢で、体に馴染みやすい曲線になっています。座面と背もたれはほ と北海度立心身障害者総合相談所と内田洋行の、産官学連携プロジェ こんな感じで、昔からいろんなジャンルの人と関わりながら仕事をし どよいクッション性をもった独自の編み込みが特徴で、革テープ編み クトによる事務用チェア「パルス」です。誰もが快適に座れるよう座り ています。個人だからできることではありますが、一つの仕事から自 とコットンテープ編みの2種類作りました。革テープの方はどうして 心地をとことん追求し、長時間の着座が可能な椅子を目指しました。 然に繋がりができてくるんですね。基本的には人が使う、人のための も使ううちにたるんでしまうので、締め直しや張り替えができるよう 開発は人間工学だけでなく特殊車椅子の研究結果もベースにして進 モノやコトです。扱う素材や技術などは仕事によって異なりますが、 にしてメンテナンス性を高め、 長く使い続けられるようにしました。 められました。腰から背中にかけてのカーブを通常のチェアより低め その都度教わりながら協力して進めています。協力するにも自分の立 「NT」は発売から30年以上経った今も支持されているロングセラー にし、おしりが沈み込むよう設計されたシートを採用。それによって 脚点は必要ですから、私の場合は家具を中心に人や技術が結ばれるこ ということで、10年以上継続的に生産販売された商品あるいは同一 下半身を支えて上体を安定させしっかり座れるようにしました。この とを想い描きながらデザインしています。 コンセプトが継承されている商品に与えられる、グッドデザインのロ 他にも、背もたれの角度調節や座奥の調節などができるこの高機能 かわかみ・もとみ/ 1940年兵庫県生まれ。64年東京芸術大 学美術学部工芸科ID専攻卒業。66年同大学院美術研究科修 士課程修了後、69年までアンジェロ・マンジャロッティ建築 設計事務所 (ミラノ) 勤務。71年 川上デザインルーム設立。 プ ロダクトデザイン、インテリアデザイン、環境デザインなどを 手がけ全国各地の地場産業の活性化事業や地方人材育成事業 などに協力。 東京芸術大学、多摩美術大学、金沢芸術工芸大学、 神戸芸術工科大学などの客員教授を歴任。 展覧会・講演を全国 各地で開催。 『川上元美 - 人と技術をつなぐデザイン』 (2002 年アムズ・アーツ・プレス) など著書・受賞歴ともに多数。 17 の製作には富山のガラスメーカーに多大なご協力をいただきました。 18 TOYAMA PRODUCTS 2010 優れた富山ブランドを 全国へ発信! 富山県では、県内で企画・製造された商品の中から機能性や 今後は「富山プロダクツ総合カタログ」に掲載するほか、各種 石 黒 芳 郎(㈳富山県デザイン協会 常務理事・事務局長) 平成21年度 富山プロダクツに20点が選定 展示会への出展やデザイン改善・展開をサポートし、販路拡 野 田 雄 一(富山ガラス工房 館長) [富山プロダクツ選定品展示会]2010年3月3日㈬〜 3月30日㈫ [展示会場]富山県産業高度化センター1F展示室 選定委員 デザイン性に優れた富山らしいものを選出し、毎年「富山プ 委員長/大 矢 寿 雄(富山県総合デザインセンター 所長) ロダクツ」に認定しています。今年度選定されたのは20点。 委 員/浅 野 隆(金沢美術工芸大学製品デザイン 教授) 高 川 昭 良(高岡市デザイン・工芸センター 所長) 矢 口 忠 憲(富山大学芸術文化学部 准教授) 大をバックアップ。そして富山ブランドを全国、世界へと発 桐山 登士樹(富山県総合デザインセンター デザインディレクター) 信していきます。 ●各商品説明下の箇条書きは選定委員からのコメント リキアラームクロック 炭草花シリーズ スミバコ KAGO−ローズ・ダリア TANPOPO Tsukimi ㈱タカタレムノス/高岡市 アイオーティカーボン㈱/富山市 ㈱能作/高岡市 ㈱能作/高岡市 ㈱高田製作所/高岡市 Dented・Dented mini ドルフィン ㈱高田製作所/高岡市 数字が大きく視認性の高い文字盤とシンプルな フォルム。木製の丸みを帯びた意匠は軽やかで 特徴的。 デザイン:渡辺力 廃材で作った木炭を入れたマルチボックス。木 炭の脱臭・調湿性能で周囲のニオイも吸収。 使い 方はアイデア次第。 デザイン:参/ MILE 錫100%の柔らかい特性を活かしたトレー。手 で簡単に自由に曲げて器として使用できる。 デザイン:小野里奈 窓辺や玄関などで楽しむ置き型風鈴。上部には 羽毛が付いており、下部の真鍮に鳴り玉が当 たって音が出る。 デザイン:大治将典 キマド㈱/富山市 一輪挿しという日本の床の間文化と、センター ピースという西洋文化を織り交ぜた造形。デザ イン:アンドレア・ブランヅィ 側面の凹みが特徴的でオブジェとしても人 気。 デザイン:ニコラ・ガリッツィア(イタリア Molteni&C社 アートディレクター) 枠から立体的に飛び出るフルオープン窓。自然 との一体感、開放感が味わえる。 メンテナンス性 の高い木製サッシを使用。 ・光沢塗装や木の質感に高級感が漂う。 ・環境にやさしい商品。好感が持てる。 ・素材の特性をうまく活かしている。 ・シンプルで美しい。 ・使い方やシーンをもっと提案して欲しい。 ・使い手の自由度が高いアイテム。 ・音色も見た目もやさしく軽やか。 ・テーブル中央でよく映えるモダンな作品。 ・柔らかなフォルムが心地よい。 ・大窓の割には軽く開閉しやすい。 ・微風でも音が出るよう工夫しては。 ・花器部分が取り外せると使いやすい。 ・シンプルだが温かく面白さもある。 ・高湿な地域での耐用年数が気になる。 1.栓抜き(三日月、日食、枠) 2.ゼンマイフック 3.鍋敷き(銀河、太陽、月、星) ㈱二上/高岡市 naft Helical 和紙型染クッション 安心ニット帽(RBB-2901) だるマネー プチアンジュシリーズ オリジナル手作りキット ㈱ナガエ/高岡市 ㈲桂樹舎/富山市 ㈲アールビービープロジェクト/砺波市 石﨑産業㈱ ビーモールド研究開発センター/魚津市 ルシエルブリレ ㈲アクセル/富山市 真鍮の鋳肌を活かした生活用品シリーズ。使うう ちに味わいが出て手や空間にしっくり馴染む。 デザイン:大治将典 積み重ねると螺旋状に形が続くキャンドルホル ダー。スタッキングしたときの姿にも美しさを もたせた。 デザイン:青井一暁 使い込むほどにツヤが増す、丈夫な和紙のクッ ション。 モダンな柄は型染技法によるもの。 撥水 加工も施されている。 衝撃吸収。 活性炭消臭・保温・吸湿。 インナーソー ルの裁断時に余る大量の生地を使った商品。製 造は高岡市のニット製造メーカー。 傷んで使えなくなった日本銀行券の裁断くず で作られた貯金箱。500円玉なら約15万円、 100円玉なら約5万円、 貯金ができる。 挙式の指輪交換儀式を華やかに演出するリン グピロー。写真とカードが一緒に飾れるメモ リアルケースはウェルカムボードにも。 ・素地を活かすという着眼点が斬新。 ・小物入れにもなる。1個から販売しては。 ・和紙でクッションという発想がユニーク。 ・機能は良いがデザインは要再考。 ・見入ってしまう。ご利益がありそう。 ・気の利いた記念品型提案商品。 ・鍋敷きにサイズ展開がほしい。 ・カチッと気持ちよくはまって欲しい。 ・クッションとしてはやや硬質。 ・子供用、高齢者用と対象別に展開しては。 ・現代的なアイテム展開も見たい。 ・用途が明確。パッケージも美しい。 3 1 2 トライアル発注制度 ミリュー T-10 WOO-KA(ウーカ) アルストレイン ガラスソーラータイル クリペ70丸型・クリペ100角型 百合菜(ユリナ) カナヤママシナリー㈱/黒部市 北陸アルミニウム㈱/高岡市 ㈱マスオカ/高岡市 ㈱日本ロジックマシン/小矢部市 一人乗り電動自動車。8時間充電で50km走行 可能。 車検・重量税・取得税がかからないので維 持費が少なく誰でも扱いやすい。 立ち上がりや座る際の身体の不安定を解消。歩 行補助にもなる。 富山大学との共同開発商品で、 製造は富山国際職藝学院。 デスク周りの収納システム。文房具を整理する ディスクオーガナイザー、マルチトレイ、カード ホルダーなど。 デザイン:芦田秀一 太陽光電池の入った誘導灯。公園や庭のアプ ローチ等に。埋没配線工事不要でコストゼロ。 材質は蛍光灯のリサイクルガラス。 介護用お手伝いロボット。 抱き上げハンド、個浴 専用ハンド、持ち上げハンド、リハビリハンドが あり、 ワンタッチで脱着可能。 ・丸いフォルムが可愛らしい。 ・コストダウンに努めるべき。 ・随所に工夫や気遣いが感じられる。 ・細部の改良やバリエーション展開に期待。 ・時代のニーズを捉えた商品開発。 ・前進後退がボタン操作で簡単。 ・フローリングなどに傷がつかないか心配。 ・機能的で使いやすいが少々高額。 ・中のパネルをもっと目立たなくしては。 ・機能性が高い。デザイン性の向上に期待。 ㈲タケオカ自動車工芸/富山市 19 県内ベンチャー企業の新商品開発や販路開 拓を支援する制度で、富山県は平成17年度 から導入しています。認定商品は県との随意 契約により納品できるほか、県の使用後の評 価をもとに企業はブラッシュアップに繋げ ることができます。 富山プロダクツに認定された商品は、この制 度に応募することができます。 20 2009年度(平成21年度)事業報告 事業名 名称・日時 1.デザイン開発 支援事業 商品開発研究会 2009.5.26 デザイントレンド 発進事業 2009.9.17 デザイントレンド速報「最新市場のキーワード」 2009.10.6 富山プロダクトデザインコンペティション2009第二次審査会 第一次審査会を通過した14点と招待デザイナー10点の24点の模型による審査 〃 デザイントレンド速報「メゾン・エ・オブジェ2010」 講師:桐山 登士樹(総合デザインセンター デザインディレクター) 〃 県内企業のデザイン支援及び新たなデザインビジネスの創出を目指し、デザ イン改善を希望する企業に対して、デザインの問題点等を県内第一線のデザ イナーが相談に応じるデザイン相談会を開催。 アドバイザー:滝川 正弘(㈲クロス アートディレクター) 富山県産業高度化センター 深山 雅亮(㈲ビジョン・デザインアンドプランニング 代表取締役) 会議室 宮田 裕美詠(グラフィックデザイナー) 相談企業:泉洋化工㈱、㈲女傳商会、かね七㈱、シロウマサイエン ス㈱、㈲鈴香食品、㈲リット・ライフ、第一工業㈱、㈱ティ アンドティ・タカマツタテグ、㈱ナカノ、㈱北越、北星 ゴム工業㈱、マルカサフーズ㈲、丸田工業㈱(計13社) デザインBizマッチング in東京開催事業 IFFT/インテリアライフ スタイルリビング出展 2009.12.2~12.4 ブランドデザイン基礎講座 2010.1.22 /2010.2.24・2.25 富山県内のデザイン開発支援策として、企業にデザイナーを派遣し、デザイ ンを軸に魅力ある商品開発プロジェクトを発起させ、県内のデザイン開発を 推進する。 講師:桐山 登士樹(総合デザインセンター デザインディレクター) 主催:㈳国際家具産業振興会 メサゴ・メッセフランクフルト㈱ ブランドに関する基礎知識の習得と、ブランド構築の基礎段階を体験できる 3日間の集中講座 講師:清須美 匡洋(九州大学大学院芸術工学研究院 教授) 2009.8.25 第一次審査会 作品パネルによる審査 審査員:安積 朋子(デザイナー) 五十嵐 久枝(インテリアデザイナー) 大熊 健郎(CLASKA/DO クリエイティブディレクター) 下川 一哉(日経デザイン 編集長) 大矢 寿雄(総合デザインセンター 所長) 2009.10.6 第二次審査会 模型による審査 審査員:五十嵐 久枝(インテリアデザイナー) 大熊 健郎(CLASKA/DO クリエイティブディレクター) 下川 一哉(日経デザイン 編集長) 大矢 寿雄(総合デザインセンター 所長) 富山県産業高度化センター 会議室 2009.10.21 第三次審査会 プレゼンテーションによる公開審査 審査員:安積 朋子(デザイナー) 五十嵐 久枝(インテリアデザイナー) 大熊 健郎(CLASKA/DO クリエイティブディレクター) 下川 一哉(日経デザイン 編集長) 大矢 寿雄(総合デザインセンター 所長) ホテルニューオータニ高岡 2009.10.22 デザインマッチング会 デザインウエーブ参加デザイナーと県内企業とのマッチングを行い、商品 開発のきっかけとする。 アドバイザー:名児耶 秀美(アッシュコンセプト㈲ 代表取締役) ウイング・ウイング高岡 デザインウエーブ会議 2010.3.19 講師:宇野 博(ZCorporation日本支社 代表取締役社長) 富山県産業高度化センター 吉澤 文(ZCorporation日本支社 マーケティングマネージャー) 会議室 五十嵐 裕美子(㈱DICO 技術部) 「そのデザイン、売れますか?」 波乱市場を生き残るためのヒントを探る 審査員、デザイナー、コンペ参加者等が一堂に会する場を設け、デザインウ エーブ開発商品の流通支援や商品開発への提言を求める。また、商品化の促 進等における本事業の課題・改善策等について意見交換会を実施し、同事業 の今後の在り方を探った。 講師:小倉 ひろみ(カラーデザイナー/㈱スタジオピーパ 代表取締役) 富山県産業高度化センター 会議室 〃 講師:紺野 弘通(プロダクトデザイナー) 〃 講師:川上 元美(デザイナー) 2009.11~2010.3 8.富山プロダク ツ選定事業 応募された商品の中から20点を「富山プロダクツ選定商品」として選定。 ウイング・ウイング高岡 1F交流スペース 選定証交付式 2010.3.3 リバーリトリート雅樂倶 参加者:中山 真由美(㈲ファイン・プロジェクト アートディレクター) 総合デザインセンター 能作 幾代(nousaku店主、チーズソムリエ) プレゼンテーションルーム 羽根 由(㈱生活ネット研究所 代表取締役所長) 平島 亜由美(北日本放送㈱ 報道制作局 報道制作部) 大矢 寿雄(総合デザインセンター 所長) 桐山 登士樹(総合デザインセンター デザインディレクター) 審査員:委員長:大矢 寿雄(総合デザインセンター 所長) 富山県産業高度化センター 委 員:浅野 隆(金沢美術工芸大学製品デザイン 教授) 展示室 石黒 芳郎(㈳富山県デザイン協会 常務理事・事務局長) 高川 昭良(高岡市デザイン・工芸センター 所長) 野田 雄一(富山ガラス工房 館長) 矢口 忠憲(富山大学芸術文化学部 准教授) 桐山 登士樹(総合デザインセンター デザインディレクター) 評価を行います。結果、下記の評価となりました。 〃 開発期間:平成20年度 富山のおみやげブランドのデザイン・コンセプト検討他 〃 開発期間:平成20年度 研究課題: 2009.10.5 おみやげプロジェクト発表について、発表用試作品の企業・商品について他 カーヴ・ユノキ(富山市) 錫とシリコーンゴムを使った携帯 灰皿の開発 2010.1.27 プロジェクト実施概要の報告、おみやげプロジェクトモニター事業について、 第二次試作について他 富山県民会館 508号室 ●目標の達成度(5点) 東京モニター会 20~60代の一般モニターなどからパッケージデザイン、価格などについて 意見収集を行った。 ㈶国際文化会館(東京都港区) 富山県産業高度化センター 会議室 富山県産業高度化センター 展示室 富山県は平成16年度に研究評価制度を導入しました。当センターにおいても「外部評価委員会」を設置。県内外の産官学等の有識者6名による外部委員が研究課題について事前・事後 富山のおみやげブランドコンセプト検討、ブランドデザインのデザイナーに ついて他 展示会 2009.10.21~10.25 出席者:審査員:大熊 健郎(CLASKA/DO クリエイティブディレクター) ロイヤルガーデンカフェ 下川 一哉(日経デザイン 編集長) (東京都港区) 澄川 伸一(澄川伸一デザイン事務所) 竹綱 章浩(コクヨ㈱ 経営戦略部部長) 名児耶 秀美(アッシュコンセプト㈲ 代表取締役) 廣田 尚子(HirotaDesignStudio) デザイナー、コンペ、ワークショップ参加者等 出席者数40名 県内試験研究機関が取り組む課題について、公平性・透明性の確保と研究資源の効率的・効果的な活用を通して、優れた成果を出しそれを県内産業界等に波及させることを目的として、 2009.7.22 東京モニター会の報告ほか 主催:㈶日本産業デザイン振興会 グッドデザイン賞事務局 研究評価制度について 〃 2010.3.25 開発期間:平成22年度〜平成24年度 3ヶ年 研究課題: 委員平均(点) 鋳造プロセスから生まれる形態研究 研究課題: 委員平均(点) 富山ものづくりデータベースマッ プの製作 ウイング・ウイング高岡 1F交流スペース 委員平均(点) 3.7 ●目標の達成度(5点) 3.8 ●事前調査等の状況(5点) ●成果の普及活動(5点) 3.2 ●成果の普及活動(5点) 3.5 ●社会的・政策的な必要性(5点) 4.7 ●実施化の状況(5点) 2.8 ●実施化の状況(5点) 3.7 ●新規性(5点) 3.8 合計点(15点中) 9.7 合計点(15点中) 11 ●推進体制の妥当性(5点) 要領及び運用細則の規定に基づき、 この研究課題を評価Bとする。 要領及び運用細則の規定に基づき、 この研究課題を評価Bとする。 ●期待される効果(5点) 合計点(25点中) 富の山をおすそわけするというコンセプトに新しいお土産ブランド創出とビ ジネス化を図る事業の紹介。 ホテルニューオータニ高岡 ウイング・ウイング高岡 1F交流スペース 「富山プロダクツ2010」 2010.3.3~3.30 今年度選定された20点と過去の選定商品(一部)を展示 おみやげの調査、試食、選定他 2010.3.7~3.8 講師:安積 朋子(プロダクトデザイナー) 名児耶 秀美(アッシュコンセプト㈲ 代表取締役) 企業名:アイオーティカーボン㈱、ルシエルブリレ、㈲アールビー 富山県産業高度化センター ビープロジェクト、石﨑産業㈱、カナヤママシナリー㈱、 展示室 キマド㈱、㈲桂樹舎、㈱高田製作所、㈱タカタレムノス、 ㈲タケオカ自動車工芸、㈱ナガエ、㈱日本ロジックマシン、 ㈱能作、㈱二上、北陸アルミニウム㈱、㈱マスオカ(計16社) 2009.6.23 2009.9.1 アドバイザー:近藤 康夫(デザイナー/九州大学大学院芸術工学研究院 教授) 富山ガラス工房、高岡市デザ イン・工芸センター、総合デ ザインセンター 2009.4.1~2010.1.15 県内で企画、製造される性能、品質及びデザイン性に優れた工業製品の認定 (通年募集) 制度「富山プロダクツ選定商品」の公募 選定委員会 2010.1.26 カーヴ・ユノキ(富山市) デザインの現場、AXIS、新建築、日経デザインなどのデザイン誌を整備し、 デザインセンターライブラリーなどで閲覧するなどの情報提供を行う。 富山のおみやげについて意見交換 ㈶国際文化会館 (東京都港区) 富山プロダクトデザインコンペティション2009入賞作品、ワークショップ 提案作品試作及び商品化検討 offer34号・35号 平成21年度事業報告 デザイン展 「TOYAMAデザインセ レクト2009」高岡展 2009.10.15~10.25 「富山プロダクツ選定商品」を中心に、富山生まれの商品を展示・販売 富山お土産プロジェクト委員会 2009.6.9 募集 作品パネル受付 2009年度グッドデザ 「デザインウエーブイン富山」 のこれまでの20年にわたる「デザイン」と「企 イン商品選定 業」と「人」とを結ぶ活動が評価され、グッドデザイン賞を受賞。 富山県産業高度化センター 会議室 講師:酒井 正明(キヤノン㈱ 総合デザインセンター所長) 場 所 展示会 2009.10.21~10.25 ・「富山プロダクトデザインコンペティション2009作品展」 ・「ガラスとメタルのワークショップ作品展」 ・「こころともののおすそわけ」 東京ビッグサイト (東京都江東区有明) 2010.2.16 「デザインの美しさ、デザインの楽しさ、そしてデザインのロングライフ」 摘 要 富山県民会館 706号室 ワークショップ 2009.8.21~8.23 「ガラス」と「メタル」によるプロダクト制作 派遣先企業:㈲ベンチャー・アンツ 派遣デザイナー:MicroWorks 海山 俊亮 毎年ドイツで開かれている生活用品とインテリアの見本市を母体とした国際 見本市。「越中富山お土産プロジェクト」や「富山プロダクトデザインコン ペティション」作品、「富山プロダクツ選定商品」などを展示。 内 容 〃 2010.1.28 「キヤノンのデザイン戦略」 機関誌の発行 2009.10/2010.3 富山プロダクトデザイン コンペティション2009 2009.6.15~8.18 デザイントーク 2009.10.21 デザイン講習会 2010.6.23 「カラーデザイントレンド」 デザイン雑誌情報 21 7.デザインウエ ーブ2009イ ン富山 〃 「TOYAMAデザインセ レクト2009」富山展 2009.11.3~2010.3.30 「富山プロダクツ選定商品」を中心に、富山生まれの商品を展示・販売 6.越中富山お土 産プロジェクト 富山県産業高度化センター 会議室 富山プロダクトデザインコンペティション2009応募作品218点と招待デ ザイナー10点の228点の作品パネルの内見会 ナイトフォーラム 第159回ナイトフォーラム 2010.12.8 「人と技術をつなぐデザイン」 5.情報発信事業 名称・日時 デザインウエーブ開催委員会 2009.4.16 2009.8.21 ITセミナー 2010.3.16 フルカラー3Dプリンターの活用事例と各種デジタルツールの紹介 4.デザイン交流 事業 事業名 〃 プロジェクト推進事業 デザインコーディネート事業 2009.1.12~2010.3.31 ザインスキル デ アップ事業 講師:桐山 登士樹(総合デザインセンター デザインディレクター) 場 所 企業意見交換会「インテリアライフスタイルについて」 2010.2.16 3.人材育成事業 第一部:商品開発研究会の活動について 年間運営計画について 第二部:デザイントレンド速報(2009ミラノサローネより) 「09_salone_trend」 摘 要 2009.7.21 デザインアドバイザー事業 デザイン相談会 2009.9.8・9.9 2.販路開拓支援 事業 内 容 4 4 4.7 21.2 要領及び運用細則の規定に基づき、この研究課題を実施すべき課題とする。 22
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