2 - 兵庫県立大学 工学部・大学院工学研究科 University of Hyogo

化学工学概論Ⅱ
第1部 化学熱力学とは何か
H28年 月 日(後期開講)
担当 森下政夫
大学院: 工学研究科化学工学専攻
学部: 化学工学コ-ス熱化学研究室
主要担当科目:物理化学Ⅰ、化学熱力学 、
熱化学Ⅰ(大学院)
主要担当研究テ-マ:熱力学諸量の測定、
状態図の熱力学計算、都市鉱山からの資源
の回収、使用済核燃料廃棄可否熱力学判定
基準の構築(国際機関委託)
課題1 トリチェリの真空実験を説明し、大気圧は
何ヘクトパスカルか解答せよ。
課題2 熱力学第1法則を一言で説明せよ。
課題3 298 Kにおいて、鉄1 molが塩酸と反応する
とき、発生した水素ガス(H2)が、1 atm一定
の大気圧を押し戻すの仕事を計算せよ。
課題4 プロペンからプロパンが生成する標準反応
エンタルピー,𝜟𝒓 𝑯◦ ,を求めよ。
課題5 熱力学第2法則を一言で説明せよ。
課題6 カルノーサイクルにおいて、温度Thの高温
熱源から吸熱する熱量qh、と温度Tcの低温
熱源に発熱する熱量qcとの関係式を記せ。
課題7 ステンレス鋼 19.15mol%Crー5.4mol%Ni
ー73.31mol%Feの配置のエントロピーを計
算せよ。
課題8
課題9
課題10
課題11
熱力学第3法則を一言で説明せよ。
絶対零度を一言で説明せよ。
第3法則エントロピーを式で表せ。
BaMoO4(cr)の標準生成エントロピー
°
(∆𝐟 𝑆m
)を計算せよ。
課題12 ステンレス鋼 19.2mol%Crー5.4mol%Niー
75.4mol%Feの1000 Kにおける混合のギブズエネル
ギ-,∆mix G,が, -7.57 [kJ mol-1] となることを証
明せよ。ただし、混合のエンタルピー,∆mix H,は、
-1.85 [kJ mol-1] である。
∆mix G = ∆mix H-T × ∆mix 𝑆 conf
ideal
∆mix 𝑆 conf
ideal は課題7の解答を用いよ。
課題13 水素エネルギー自動車に関連して、298 K
において、水素の燃焼1モルあたり「何[V]」
の起電力得られるのか計算せよ。
化学工学コースのスタッフ
研究グルプ名称
無機機能材料工学
表面エネルギー化学
熱化学
高分子材料工学
粉粒体工学
教授
小舟 正文
八重 真治
森下 政夫
岸 肇
鈴木 道隆
准教授
菊池 丈幸
移動現象
環境化学プロセス
熱エネルギー工学
前田 光治
新船 幸二
山本 拓司
朝熊 裕介
流体計測
助教
福室 直樹
山本 宏明
松田 聡
飯村 健次
伊藤 和宏
柿部 剛史
佐藤根 大士
物理化学とは何か
「物理学の理論と物理的測定方法を化学
に導入して物質の構造,物性,反応の理論
的体系を構築する化学の一部門。」
物理化学の目標
「化学物質の性質あるいは化学現象につ
いて精密な測定と理論的解析を行い,それ
を通して化学の関連する現象を解明する
基礎概念を導き出すことにある。」
化学工学コ-ス 熱化学研究グループ
http://www.eng.u-hyogo.ac.jp/group/group40/
森下 政夫
山本 宏明
化学熱力学
化学熱力学
[email protected]
[email protected]
化学熱力学の目標
「物理学の理論と精密測定を化学反応や化学平衡に適
用し、エネルギーが関連する基礎概念を導く。」
教育・研究の内容
エンタルピ-,エントロピ-およびギブズエネルギ-の精
密測定を行い, 「新エネルギ-開発、都市鉱山から資源
分離回収および環境保全」などの分野において、「エネ
ルギー」が関連する基礎概念を導いています。
共同研究先(実績)
経済協力開発機構(OECD)パリ本部,カリフォルニア大学(米),
モンタン大学(墺),京都大学,神戸製鋼所㈱,新日鉄住金㈱,
サンアロイ工業㈱など
最近の進学先(過去数年間)
兵庫県立大学大学院,奈良先端科学技術大学大学院
最近の就職先(過去数年間)
神戸製鋼所㈱,日立金属㈱,日本金属工業㈱,大和工業㈱,
日亜鋼業㈱,ダイセル化学工業㈱,ダイハツ自動車工業㈱,
NTN東洋ベアリング,三徳金属工業,住友精密工業㈱
本研究グループの過去の卒業研究生
東北大学総長(元) 井上明久 先生
近畿大学教授 沖幸男 先生
神戸製鋼所高砂工場長 松本修 氏など 多数 人材輩出
力、 F、の定義
F = ma
[N]
m 質量
[kg]
a 加速度
[m s-2]
v 速度
[m s-1]
1 [N] = 1 [ kg m s-2]
仕事 = 力 ⨉ 距離
w=F ⨉ L
1 [J] = 1 [N m]
圧力、P、の定義
1 [Pa] =1 [N m-2] = 1 [kg m-1 s-2]
1 [bar] = 1 ⨉ 10 5 [Pa]
1 [atm] = 760 [mmHg] = 1.01325 ⨉ 10 5 [Pa]
トリチェリ-の真空実験
水銀柱の高さ: 760 mmHg
水銀密度、 r 、
: 13.55 g cm-3 = 13.5⨉10 6 ⨉(1/103) [kg m-3]
P= rhg
= 13.5⨉103 [kg m-3] ⨉ 0.76 [m] ⨉ 9.81 [m s-2]
= 101.02⨉103 [kg m-1 s-2]
= 101.02⨉103 [kg m-2 ⨉ m s-2]
= 101.02⨉103 [kg m s-2 ] ⨉ 1 [m-2]
= ? [hPa]
課題1 トリチェリの真空実験を説明し、大気圧は
何ヘクトパスカルか解答せよ。
昨年の巨大台風 950 [hPa]
現在の正式の単位
1 [bar] = 1.01325 [Pa]
エネルギ-の定義:
エネルギ-とは仕事をする能力のことである。
物体の運動エネルギ-:
物体が運動する結果としてもつエネルギ- = 1/2 mv2
物体のポテンシャルエネルギ-:
物体の位置に依存してもつエネルギ-。ポテンシャルエ
ネルギ-が0の位置は任意である。
基準の取り方の例:
物体の重力ポテンシャルエネルギ-は
地球表面で0とする = mgh
gは自然落下の加速度(g=9.81 ms-2) h=0=でV=0
演習問題
体重 70 kg の高跳びの選手が、10 mの飛び板か
ら飛び込んだしき、水面
での速度を計算せよ。
解答
1/2 mv2 = mg h
v = (2 ⨉ 9.81 [m s-2] ⨉ 10 [m]) ½
v = 14.0 m s -1
= 50.4 km h -1
熱とは何か
・ 運動エネルギ-の無秩序化された形態
・絶え間なく動き回っていてる分子は衝突し、運動エ
ネルギ-をランダムにやり取りする。
・物体が加熱または冷却されると、分子の平均運動
エネルギーは変化する。
平均運動エネルギ-
m(vavg )2 / 2 = (3/2) kBT
vavg : 分子の平均速度
kB: Boltzmann 定数 1.381 ⨉ 10-23 J K-1
熱量の単位
カロリ- (cal)
1 cal は、 1 gの水を、14.5 ℃から15.5 ℃に
上昇させるのに必要な熱量
仕事と熱
1 cal = 4.184 J
熱容量
δQ/dT=C
定圧モル熱容量 Cp, m [J K-1 mol-1]
ジュールの実験
熱力学第1法則
エネルギー保存の法則
孤立系の内部エネルギーは一定である
ΔU = q + w
U : 内部エネルギー
(運動エネルギー+位置エネルギー)
q:熱
w : 仕事
課題2 熱力学第1法則を一言で説明せよ。
アトキンス物理化学(上)Page 33 数値例 2.1
ある電気モーターが毎秒15 kJ のエネルギー
を力学的な仕事として生産し、2 kJ を熱として
外界に放出した。モーターの内部エネルギー
の変化は毎秒 (2.1.2)式となる。
ΔU = -2 kJ -15 kJ = -17 kJ (2.1.2)
力、 F、の定義
F = ma
[N]
m 質量
[kg]
a 加速度
[m s-2]
v 速度
[m s-1]
1 [N] = 1 [ kg m s-2]
仕事 = 力 ⨉ 距離
w=F ⨉ L
1 [J] = 1 [N m]
(a) 仕事の一
般式
(a1) ある物体を力Fに逆ら
って距離dzだけ動かす仕
事は(2.4)式で定義される。
dw = -F dz
(2.4)
圧力、P、の定義
1 [Pa] =1 [N m-2] = 1 [kg m-1 s-2]
1 [bar] = 1 ⨉ 10 5 [Pa]
1 [atm] = 760 [mmHg] = 1.01325 ⨉ 10 5 [Pa]
(a2) 外圧𝒑𝐞𝐱 に抗して距離dz
だけ膨張する仕事は式(2.5)
式で定義される。
δw = -𝒑𝐞𝐱 A dz
= -𝒑𝐞𝐱 dV
(2.5)
(a3) 体積が𝑽𝐢 から𝑽𝐟 まで変化
するときになされる仕事の総量
は (2.6)式で定義される。
𝑽𝐟
δw = - 𝑽 𝒑𝐞𝐱 dV (2.6)
𝐢
図2.6 膨張の仕事
(d) 理想気体の等温可逆膨張
理想(完全)気体の状態方程式
pV = nRT
n: モル数
R: 気体定数 8.3145 [JK-1mol-1]
T: 絶対温度 [K]
p = nRT / V
𝑽𝐟
w =- 𝑽 𝒑 dV
w =- nRT
𝐢
𝑽𝐟
𝐝𝑽
𝑽𝐢 𝑽
(2.11)
気体の生成の仕事
課題3 298 Kにおいて、鉄1 molが塩酸と反応するとき、
発生した水素ガス(H2)が、1 atm一定の大気圧を押し戻す
の仕事を計算せよ。
Fe(s) + 2HCl (aq) → H2 (g) + FeCl2 (aq)
解答
𝒏𝐑𝑻
w = - 𝒑𝐞𝐱 Δ 𝑽 ≒ - 𝒑𝐞𝐱 Δ 𝑽 ×
𝒑𝐞𝐱
= -nRT
w = - ×(8.3145 [JK-1mol-1])×298 [K]
= -? [kJ]
留意事項 外に向かう仕事 マイナス
発熱反応 マイナス 自発的に進行
吸熱反応 プラス
定容熱容量
定圧熱容量
𝐶𝑉 =
𝐶𝑝 =
𝜕𝑈
𝜕𝑇 𝑉
𝜕𝐻
𝜕𝑇 𝑝
エンタルピーの定義
H = U + pV
dH = dU + Vdp + pdV
= δq + δw + Vdp + pdV
= δq - pdV + Vdp + pdV
= δq + Vdp
p = 一定のとき(大気圧下での実験)
dH = δq
例題2.3 エンタルピーと内部エネルギーの相違
水を1.0 atmの圧力で沸騰するまで加熱した。12 V
の電源から0.50 Aの電流をそれと熱接触している抵
抗に300 S流したところ、0.798 gの水が蒸発した。
沸点(373.15 K)におけるモル内部エネルギーとモル
エンタルピーの変化を計算せよ。
H2O(l) → H2O (g)
373.15 K
例題2.3 解答
Δ H m = Δq = (0.50 A)×(12 V)×(300 s)
= + 0.50×12×300 [J]
吸熱反応
H2O(g)の分子量: 18.02 g -気化モル数 (0.798/18.01)
mol
+ 0.50×12×300 [J]
-1]
ΔH m= +
=
+41
[kJ
mol
𝟎.𝟕𝟗𝟖
𝟏𝟖.𝟎𝟏
Δ H m = Δ U m + p ΔV + V Δp = Δ U m + p ΔV
Δ U m= Δ H m - p ΔV 大気圧を押しのける仕事 w = -p ΔV =
-R T
= Δ H m - R T = +38 [kJ mol-1]
Δ U m: H2Oの液体から気体へ変化したときの運動エネルギ
ーと位置エネルギーの増加量
熱化学
基準状態: ある温度における、ある物質の基準状
態とは、1 barの圧力で安定な元素物質である。
例: Fe(bcc) , C(graphite), H2(g), O2(g)
標準状態のうち元素物質
標準状態: ある温度における、ある物質の標準状
態とは、1 barの圧力で純粋な形にある状態であ
る。
純粋な形にある状態: 化学量論組成の化合物
例: H2O(l) , CO2(g), CO(g), Al2O3(s), Fe2O3(s)
標準生成エンタルピー
Δf 𝐻 ◦
基準状態 元素物質 零と定義
H (H2(g))= 0
H (O2(g))=0
at 298.15 K
H2(g) + O2(g) →H2O(l) 𝜟𝐟 𝑯◦ = -285.83 [kJ
mol-1]
𝜟𝐟 𝑯◦ = H (H2O(l))- H (H2(g)) - H (O2(g))
酸化物のエンタルピ-変化の決定方法
(△H)
燃焼熱量計法
燃焼熱量計
燃焼熱量計の内部
標準反応エンタルピー
𝜟𝐫 𝑯 ◦
標準状態: 純粋な形にある状態
at 298.15 K
CH4(g) + 2 O2(g) →CO2(g) + 2 H2O(l)
𝜟𝐫 𝑯◦ = -890 [kJ mol-1]
𝜟𝐫 𝑯◦ = 𝟐𝜟𝐟 𝑯◦ (H2O(l)) + 𝜟𝐟 𝑯◦ (CO2(g) )
- 𝜟𝐟 𝑯◦ (CH4(g) )- 2𝜟𝐟 𝑯◦ (O2(g) )
= 2×(-285.83)+ (-393.51)-(- 74.81)-
2×(0)
= -890.36 [kJ mol-1]
課題4 プロペンからプロパンが生成する
標準反応エンタルピー,𝜟𝐫 𝑯◦ ,を求めよ。
ヘスの法則
C3H6(g) プロペン
C3H8(g) プロパン
𝜟𝐫 𝑯◦ [kJ mol-1]
C3H6(g) + H2(g) →C3H8(g)
-124 (1)
C3H8(g) + 5O2(g) →3CO2(g) + 4H2O(l) -2240 (2)
1
H2O(g) → H2(g) + O2(g)
+286
(3)
2
(1) + (2) +(3) =(4)
9
2
C3H6(g) + O2(g) →3CO2(g) +3H2O(l)
? [kJ mol-1] (4)
熱力学第2法則
エントロピー増大の法則
孤立系のエントロピーは自発変化
の間増加する。
課題5 熱力学第2法則を一言で説明せよ。
ニュ-トン(1643-1727,イギリス)
力学の体系化 F = ma, E = 1/2mv2, w = F× l, dw = - pdV
ボイル(1627-1691,イギリス)
p ∝ 1/V, pV = const.
シャルル(1746-1823,フランス)
V = 定数× T
ワット(1733-1819,イギリス)
最初の蒸気機関 -------- 産業革命
1. 等温可逆膨張
詳細は2年生前期物理化学Ⅰ
VA  VB
CV, m
c=
R
VA
3. 等温可逆圧縮
VB
Isothermal
Volume, V
c
C c
VT =VT
VC  VD
Adiabatic
Adiabatic
Pressure, p
c
B h
Th
Tc
2. 断熱可逆膨張
VB  VC
Isothermal
VD
VB
q h = nRTh ln
VA
VD
qc = nRTc ln
VC
VC
4. 断熱可逆圧縮
VD  VA
c
D c
c
A h
V T =V T
式の導出は2年生
前期物理化学Ⅰ
qh qc
+ =0
Th Tc
課題6 カルノーサイクルに
おいて、温度Thの高温熱源
から吸熱する熱量qh、と温
度Tcの低温熱源に発熱する
熱量qcとの関係式を記せ。
Th
1. 等温可逆膨張 2. 断熱可逆膨張
Tc
3. 等温可逆圧縮
4. 断熱可逆圧縮
図に示したように、このサイクルを状態P0から開始して経路Kを通って状態Pへ
到達する過程と、状態Pから経路K’通って状態P0に戻る過程に分けると、
𝑃 𝛿𝑞
𝑃0 𝐾 𝑇
+
𝑃0 𝛿𝑞
𝑃𝐾′ 𝑇
=0
可逆過程であるため経路に依存しないから、
𝑃 𝛿𝑞
𝑃
𝛿𝑞
= 𝑃 𝐾′
𝑃0 𝐾 𝑇
𝑇
0
したがって、始点P0と終点Pを与えると決まる状態量Sが存在することを意味する。
𝑃
∆𝑆 = 𝑆 𝑃 -𝑆 𝑃0
微少量では、
𝛿𝑞
𝑑𝑆=
𝑇
𝛿𝑞
=
𝑃0 𝑇
この状態量Sがエントロピーである。
可逆
不可逆過程
不可逆
不可逆サイクルであるから、クラウジウスの不等式より、
𝑃
=
𝛿𝑞
+
𝑃0 𝐾 𝑇
𝑃0
𝛿𝑞
< 0
𝑃𝐾′ 𝑇
路Kは可逆であるから、
𝑃
𝛿𝑞
< −
𝑃0 𝐾′ 𝑇
𝑃
𝛿𝑞
<
𝑃0 𝐾′ 𝑇
𝑃0
𝑃𝐾
𝛿𝑞
< 0
𝑇
𝑃
𝛿𝑞
= 𝑆(𝑃) − 𝑆(𝑃0 )0
𝑃0 𝐾 𝑇
𝛿𝑞
< d𝑆
𝑇
系は孤立しており、熱の出入りはない(dq=0)とすると
dS  0
終わりの状態
始めの状態
V1
V2
p
1つの分子が占める場所の割合
1つの分子が占める場所の割合
V1
w1 = v
m
V2
w2 = v
m
N個の分子を位置づける仕方の数
V1
W1 = w = v
m
N個の分子を位置づける仕方の数
N
V2
N
W2 = w2 = v
m
N
1
W2
=
W1
V2
vm
N
V1
vm
N
=
V2
V1
N
N
V2
ln W2 – ln W1 = N ln
V1
等温可逆膨張によるエントロピ-変化
V2
V2
V2
S 2 – S 1 = nR ln = nN Ak B ln = Nk B ln
V1
V1
V1
NAをアボガドロ数としてN=n NA、
また、ボルツマン定数kBはkB= R / NAである
S 2 – S 1 = k Bln W2 – k Bln W1
S = k Bln W
ある巨視的状態に対して、より多くの微視的状態があれば、
その巨視的状態のエントロピ-は大きい。
微視的状態が多いとき、系は乱雑であると考えることができる。
配置のエントロピー
課題7 ステンレス鋼 19.2mol%Crー5.4mol%Ni
ー75.4mol%Feの配置のエントロピーを計算せよ。
∆mix 𝑆 conf
ideal = -R (𝑋Cr ln 𝑋Cr + 𝑋Ni ln 𝑋Ni +𝑋Fe ln 𝑋Fe )
= -8.3145 (0.192 ln 0.192
+ 0.054 ln 0.054+ 0.754 ln 0.754 )
= ? 課題7 [JK-1mol-1]
式の導出の詳細は2年生前期物理化学と
大学院熱化学Ⅰで説明します。
∆mix 𝑆 conf
ideal = 𝑆A,B -𝑆A -𝑆B
= -R (𝑋A ln 𝑋A + 𝑋B ln 𝑋B )
R=8.3145 [J K-1 mol-1]
H27年12月20日へ
テキストを忘れないように!
熱力学第3法則
完全結晶のエントロピーは
絶対零度で零である。
課題8 熱力学第3法則を一言で説明せよ。
熱エンジンの効率
w
=
qh
カルノーサイクルの帰着
qh qc
+ =0
Th Tc
課題9 絶対零度を一言で
説明せよ。
w = qh + qc
qh + qc
qc
=
=1+
qh
qh
Tc
 rev = 1 –
Th
Tc
 irrerev < 1 –
Th
可逆過程(ゆっくり時間無限大)
不可逆過程
課題10 第3法則
エントロピーを式
で表せ。
298.15

m
S =
0

p,m
C
dT
T
Fig. The measured Cp data for BaMoO4 at 2-300 K.
S m (BaMoO4(cr), 298.15 K) =
155.905
±
1.559 [J K-1mol-1]
課題11 BaMoO4(cr)の標準生成エントロピー
°
(∆𝐟 𝑆m
)を計算せよ。


S
∆ m (BaMoO4(cr), 298.15 K) = S m (BaMoO4(cr), 298.15 K)

m

m

m
−S
−S
−S
(Ba(cr), 298.15 K)
(Mo(cr), 298.15 K)
(O2(g), 298.15 K)
= 155.905
-62.420
-28.581
-(1/2)×205.152
= -37.602 [JK-1mol-1]
° (Mo) = 28.581 ± 0.050
𝑆m
° (O ) = 205.152 ± 0.005
𝑆m
2
[J・K−1・mol−1]
[J・K−1・mol−1]
ギブズエネルギ- の定義
ギブズ(1839-1903, アメリカ)
不可逆過程も含めたクラウジウスの不等式は
d𝑆
𝛿𝑞
−
𝑇
≥0
𝑇d𝑆 − 𝛿𝑞 ≥ 0
定圧で熱が輸送され、膨張以外の仕事がなければ、𝛿𝑞 = dHと書くことができ、
TdS – dH  0
dH – TdS  0
dG = dH-TdSと定義すると、
dG  0
G をギブズエネルギ-と定義する
∆𝐫 𝑮° = ∆𝐫 𝑮° − T × ∆𝐫 𝑺°
例題3.5
非膨張 最大の仕事
C6H12O6(s) + 6O2 (g) → 6 CO2(g) + 6 H2O (l)
∆r 𝐻° = -2808 [kJ mol-1]
∆r 𝑆° = + 182.4 [J K-1 mol-1]
体温 310 K (37 ℃)
∆r 𝐺° = -2808 [kJ mol-1]
-(310 [K]) ×(182.4 [J K-1 mol-1])
= -2865 [kJ mol-1]
質量70 kg の人は鉛直に3.0 m上るのに2.1 kJ
の仕事を必要とする。0.13 gのグルコ-スを必要
とする。
混合のギブズエネルギー
課題12 ステンレス鋼 19.2mol%Crー
5.4mol%Ni
ー75.4mol%Feの1000 Kにおける混合のギブ
ズエネルギ-,∆mix G,が, -7.57 [kJ mol-1]
となることを証明せよ。
ただし、混合のエンタルピー,∆mix H,は、-1.85
[kJ mol-1] である。
∆mix G = ∆mix H-T × ∆mix 𝑆 conf
ideal
∆mix 𝑆 conf
ideal は課題7の解答を用いよ。
課題13 水素エネルギー自動車に関連して、298 Kにおい
て、水素の燃焼1モルあたり「何[V]」の起電力が得られる
のか計算せよ。
1
2
H2(g)+ O2(g) → H2O(l)
Δ fG゜(H2O(l), 298 K) = -237.141 [kJ mol-1]
°
∆
𝐺
𝐸 ° =− r
ν𝐹
式の導出は3年生化学熱力学で説明
解答
𝑬° =−
∆𝐟 𝐆° 𝐇𝟐 𝐎 (l)
𝝂𝐅
−𝟐𝟑𝟕.𝟏𝟒𝟏×𝟏𝟎𝟎𝟎 [𝐉]
=−
𝟏×𝟗.𝟔𝟒𝟖𝟓 ×𝟏𝟎𝟒 [𝐉𝑽−𝟏 ]
n : 価数
= ? [V]
F: ファラデー定数 (𝟗. 𝟔𝟒𝟖𝟓 × 𝟏𝟎𝟒 [𝐉𝑽−𝟏 ])
平衡定数,K
式の導出は3年生化学熱力学で説明
Δ
vapG゜(T
K): 1 barのH2O(g)が蒸発するギブズエネルギ-
H2O(l) → H2O(g)
Δ vapG゜(T K) = - R T ln K
= -R T ln
= -R T ln
∴
𝑝H 2 O
𝑝°
= exp −
𝑎H2 O (g)
𝑎H2 O (l)
𝑝H O
2
𝑝°
1
∆vap 𝐺 °
RT
課題14 298.15 K における水蒸気分圧を計算せよ。
1
2
1
2
H2(g)+ O2(g) → H2O(l)
Δ fG゜(H2O(l), T K)
H2(g)+ O2(g) → H2O(g)
Δ fG゜(H2O(g), T K)
H2O(l) → H2O(g)
Δ vapG゜(T K) = Δ fG゜(H2O(g), T K)- Δ fG゜(H2O(l), T K)
Δ
vapG゜(T
K): 1 barのH2O(g)が蒸発するギブズエネルギ-
Temp Δ fG゜(H2O(l)) Δ fG゜(H2O(g))
[K]
[kJ mol-1]
[kJ mol-1]
298.15
-237.141
-228.620
373.15
-225.169
-225.169
500
-204.920
-219.113
Δ vapG゜
[kJ mol-1]
+8.521
0
-14.194
p(H2O)
[bar]
課題13
1
30.388