シンポジウム「鼠径部ヘルニア手術のピットフォール」:13:00 〜 14:10 S-2 外科研修中に執刀を経験した鼠径ヘルニアの一例 総合南東北病院外科 ○西間木 淳、寺西 寧、阿部 幹、高野祥直、佐藤 直 鈴木伸康、藁谷 暢、外舘幸敏、楡井 東、阿左見亜矢佳 前方アプローチによるヘルニア修復術は切開・剥離・結紮・縫合などの基本操作を含むため、当 院では初期研修医が外科研修中に執刀を経験できる手術である。しかし以下の理由で、実際は研修 医にとっては容易な手術ではない。鼠径部は構造が立体的でありイメージがつきにくい。術野が狭 いため視覚的に十分に確認できない操作が一部上級医によって行われ上級医との共通の理解が困難 である。腹膜前腔へのunderlay patchの挿入では全貌を視覚的には確認できず、触診に頼ること が多い、などである。現在当院では腹腔鏡によるヘルニア修復術の症例数が増加しており、前方ア プローチによる手術は、腹部術後で癒着が予想される症例やヘルニア嚢が大きな症例に対して行う ことが多く、手術の難易度が高い症例も少なくない。今回3ヶ月間の外科研修中に前方アプローチ によるヘルニア修復術の助手を10例経験し、術者としても1例経験したので、その際に理解が難 しかった点について考察し、報告する。 ― 11 ―
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