血を沸かせる闘牛

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血を沸かせる闘牛
印南
博之
(切手収集家、農政ジャーナリストの会会員)
牛をあしらう名闘牛士ロメロ(スペイン)
情熱の国スペインの国民の好むものの代表が闘
牛、フラメンコ、そしてサッカーです。
闘牛はスペイン語でコリーダ・デ・トーロスと
開始のファンファーレ
まず主役の一級闘牛士マタドールが、騎馬で槍
いいますが、直訳すると「牛追い」という意味で、
を持つピカドール、一対の手槍で背を突くバンデ
略してトーロと呼んでいます。
リリェロと共に入場すると歓声が上がります。
このゲームは、スポーツともいわれますが、相
暗い小屋から明るい陽ざしの中へ出された牛は
撲のようにアマチュアができるようなものではな
ヒラヒラ動かされるカポーテという布に向かって
く、プロの闘牛士たちによって興行として行われ
突進します。牛が赤い布を見ると興奮する、とい
ています。
うのは伝説で、牛は色を識別できないので、興奮
古くはローマ時代から行われていましたが、イ
するのは観客の方なのですね。しかし中にはカポ
ベリア半島を占領していたムーア人(アラブ系の
ーテに突進しないおとなしい牛もいて、すぐに退
人たち)が好んだといわれています。
場・交替となり、そのまま屠殺場行きになるとか。
また闘牛は隣国のポルトガル、メキシコや南米
カポーテであしらわれ、その振り方にも技術が
諸国でも開催されています。スペイン全土には約
あり、うまく決めると
オーレ
という掛声がか
500の闘牛場があり、そのシーズンは3月中旬の
かります。牛のスキを見て角の間に布飾りをつけ
バレンシアの火祭りに始まり、10月のサラゴーサ
た一対の手槍を突き立てると、牛は興奮して駆け
のピラール祭りで終わります。このようにトーロ
廻ります。それを騎馬のピカドールが追い回しま
は各地のお祭りと共に行われますが、一級闘牛士
すが、逆切れした牛は馬の腹へ向かって角を突き
が出場するアレーナ(競技場)はマドリード他8
立てることがあります。そのため以前は馬が何頭
カ所とされています。
も死んだので、馬は厚い防具を着せられています。
開始は日没前2時間で、夏ですと大変暑いので
最後にマタドールが赤い布ムレタと槍を持って
日陰の観客席のほうが料金が高く設定されていま
登場し、巧みな技で牛をあしらう妙技を見せ、後
す。
頭部にとどめの一刺しをし、うまく倒せれば大喝
毎回、出場する3人の闘牛士がポスターやプロ
采をあびるのです。倒れた牛は馬に引かれて場内
グラムで知らされ、それぞれ2頭の牡牛と戦うの
を一周して退場します。その後は牛肉となります。
で計6頭の牛が出場するというわけです。牡牛は
隣の国ポルトガルの闘牛では角に革袋をかぶせ
黒毛のリディア種で体重460〜500㎏のものが選ば
たり、殺すマネだけするというように 牛道的?
れて、アレーナの牛小屋で待機しています。
になっているとのことです。
(いんなみ
18
ひろゆき)