私たちの日常生活に関する研究 (4)

2
3
私たちの 日常生活 に関する研究 (4)
-本学の体育講義の授業を受講する前 と後の学生の変化 について検討 -
Re
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honOurLi
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4)
(
2007年 3月3
1日受理)
谷
本
満
江
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i
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o
Ke
ywor
ds:生活習慣,気づ き,行動修正,行動変容
要
旨
筆者 の体育講義内容は,健康分野 を中心 としてい る。我々は講義す ること,受講 させ ることは簡単であるが,実際に
皆が健康 なか らだで,健康 な 日常生活 を送 ることが重要 と考 えてい る。現代社会では,夜型生活の傾 向があ り,特に大
学生に於いては,親元 を離れて生活 を した り,サークル ・アルバイ ト活動が多いな ど,いろいろな面で 自己管理 しなけ
ればな らない。 しか し,多 くの学生は不規則 な 日常生活 を送 りやすい と考 えられ る。本学の学生 に対 しては, これまで
の生活習慣 をいかに行動修正 ・行動変容 させ るかは筆者 の責任 と考 え,講義 している。最初 に学生の体脂肪率測 定を行
い, これまでのライフスタイル を生活 に関す る調査でチェック した。そ こで,まず 自分の身体 とライ フスタイル を確認
食
し,興味 ・関心を持つ こと,そ こか らの出発なので学生の中に講義 内容が浸透 Lやすかった。健康の 3本柱 であ る 《
事》《
休養》《運動》 に於いて,
最低気 をつ けたい具体的 目標 をかかげた。《
食事》①朝食 を摂 る②三食 きちん と取 る 《
休
養》①平 日と休 日の起床 ・就寝時刻 を同 じにす る②その 日の内に寝 る 《
運動》① 日常生活での姿勢 に気 をつ ける②でき
るだけ歩 く ・・・これ らは簡単そ うに思えるが,実はこれ を実行 し,継続す ることは意外 と大変である。 しか し,体育
講義受講後はダイエ ッ トしよ うと考えていた学生 も間違 った方 向に行かないよ うに考 えていた。そ して,各 自可 能な内
意欲的 にな り,
容 を 1週間, 2週間 と行動修正 し,継続できた者 が結果的にダイェ ッ トに繋 り,更に精神的にも前向き・
他学生にも報告 し自他共に認 めていた。また, 9割の学生は少 な くとも何 らかの形で,健康 に気 をつ けて生活で きるよ
うになった と記述 していた。今後 もこれが行動変容 として習慣化 され ることを願 ってい る。
は
じ め
に
21
世紀 における国民健康作 り運動 「
健康 日本 21
」とは,
動量の低下を起 こし始める時期で もある。また, サ ーク
ルや アルバイ ト・夜遅 くまで起 きてい る ・下宿 生活 で,
時間の縛 りがないな ど,放課後の時間はかな り自由気ま
1次予防に重点を置 く,第 3次国民健康づ くり対策 と位
まに使 っている現状が うかがえる。そ こには不規 則 な生
置づ けられている。つま り,一人ひ とりが生涯 を通 じて
活 ・夜型生活 リズムが考 え られ る。人間,誰 しも 自分が
健康で心豊かな生活 を営む ことが出来 るよ う, 自ら健康
自由で楽 しく過 ごせ る生活 リズムに慣れて しま うと,そ
づ くりのための具体的な達成 目標 をかかげ,実践す るこ
の リズムを変えることはむずか しい。
とを うたっている。
そ こで,保育者 を 目指す本学保育学科 において は,体
大学での生活は,高校時代に行 っていた運動 をや めた
育講義の内容 にライ フスタイル と健康 の分野で, 大学生
り,運転免許 の取得 による車の使用な どにより,身体活
の 日常生活 を取 り上げてい る。そ して,保育者 を 目指す
2
4
谷
本
滞
江
学生は,特に子 どもの生活 リズムにも大人の悪い生活習
チェックでき,
考えることができたようである。そ して,
慣が影響す ること ・自分 自身の 日常生活をチェックし問
体脂肪率を測定することにより,体重だけを気にする傾
題を見つけること ・悪い生活習慣により様々な問題を引
向にある女子学生は,特に関心を持ったようである。ま
き起 こす ことを理解 し,学生 自らの生活改善について検
ず興味 ・関心を持つ,そこが大切だと考えている。筆者
討 したのでここに報告する。
は,学生が体育講義を受講 し,気づき ・行動修正 ・実践
の継続 ・行動変容により,健康な 日常生活を送 り,魅力
方
紘
研究対象
的な保育者になってくれることを願い授業をしている。
体育講義の授業の中で,学生はまず 『ダイエ ッ ト』 と言
う言葉には過剰な反応を示す。そこで,体脂肪率の測定
協力者は平成 1
8
年度生,本学保育学科 1年生体育講義
は,授業の中で多 くの学生を短時間で測定 し,体脂肪率
6(
7
8
.
9
%)
受講生データ有効数8
の変動の傾 向をチェックす るためにオムロンH
B
F
3
0
2を
方法
使用 した。肥満判定は次の表 1により行っている。そ し
8
年後期体育講義授業において講義
・平成 1
て,《ダイェ ッ ト》項 目① 自分は太っていると思ってい
2
月上旬
・生活に関す る調査 :9月下旬 ・1
るか②ダイエ ッ トをしたい と思ったことがあるか③ダイ
・体脂肪率の測定 :9月下旬 ・1
2
月上旬
エ ッ トを したことがあるか④ダイエ ッ トはどんな方法で
1
2
月上旬)
・食事記録 :1週間 (
したか⑤ダイエ ッ トは成功 したかを表 1の肥満判定表に
1
2
月)
・睡眠 リズム表 :1ケ月 (
基づいて分類 し,①②③については,表 2に示す とお り
・体育講義の授業終了後に体育講義受講前 と後の自分の
である。肥満判定により,やせ ・標準にもかかわ らず 自
分は太っていると思っている人は,7
1
%を占めていた。
変化 を記述する
各分類において,太っていると思っている人はほとん ど
結
果
ダイエ ッ トしたい と思っていた。そ して,全体で②のダ
イエ ッ トをしたい と思っている人は7
6
%で,太っている
まず,体育講義のオ リエンテーションにおいて,生活
と思っていな くても,ダイエ ッ トしたい と考えていた。
に関す る調査 (
4
6
項 目) と体脂肪率の測定を行 い 自分の
実際ダイエ ッ トした人は4
2
名お り,約5
0
%の人が経験 し
生活 を振 り返った。調査内容はA食事について ・B睡眠
ていた。方法は運動2
5
%,食事制限3
6
%,運動 と食事制
について ・Cダイエ ッ トについて ・D放課後か ら寝るま
限3
2
%,その他 7%であるが,結果は成功 2割で 8割 方
での過 ごし方 ・E筋肉チェック ・F食生活問診である。
失敗 となっていた。
あわせて体脂肪率 ・体格を見た。そこで,A食事につい
ては食事の規則正 しさ ・間食 ・夜食等, B睡眠について
表 1 肥満判定表
は平 日・
休 日の起床 ・
就寝時刻の規則正 しさ,Cダイエ ッ
やせ
標準
軽肥満
肥満
トについては どのような考えを持っているか調べた。ま
た D放課後 の過 ごし方では, どこに時間の無駄がある
か,E筋肉チェックでは,日常の姿勢・
行動で筋肉を使っ
ているか, F食生活問診では,食事内容 ・噛み方はどう
かな どを調べた。多 くの学生達は普段何気なく毎 日を過
ごし, 自分のや りたいように時間を使 っている。また好
きな物 を好 きな時に好 きなだけ摂 り,好きなとき眠るそ
れが普通で心地よく,悪い生活 と思っていない。それが
現状である。 しか し,生活に関す る調査をし,一つ一つ
具体的に内容が示 され ると自分の 日常生活 を振 り返 り,
男性
1
0
%未満 1
0
2
0
%
%
以上
未満 2
0
2
%
5
%
以上
未満 2
5
%以上
女性 2
0
%未満 2
0
3
%
0
%
以上
未満∼3
0
3
%
5
%
以上∼
未満 3
5
%以上
L
o
h
ma
n
(
1
9
8
6
)
および長嶺(
1
9
7
2
)
によって提唱されている肥満判定値参考 :
オムロン株式会社
25
私 た ちの 日常生活 に関す る研 究 (4)
表 2 肥満判定分類別割合
分類
①項目
%
間を黒 く塗 りつぶ し,起床時の気分の状態 を記録す る。
②項目
%
③項目
思わない
0
%
に寝 ることを目標 とし,起床 ・就寝時刻 を意識 し行動す
∩
やせ
-15太っていると思う 9
.
3 ダイエットしたいと思う 1
0
0ダイエットした
思わない
8
.
1 ダイエットしたいと思う 2
9 ダイエットした
思わない
7
1 していない
6
3
3
7
1
4
8
6
9 していない
9
1 ダイエットした
2
1 ダイエットした
7
9 していない
3
8
6
2
7
9
3
0
1
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
1
0
0
0
していない
平 日と休 日の起床 ・就寝時刻 を同 じにす る ・その 日の内
る。
※ 4.筋 肉チ ェック
思わない
n
標準
=67太っていると思う 6
1
.
6ダイエットしたいと思う
思わない
1
6
.
3ダイエットしたいと思う
思わない
軽肥満
∩-3
太っていると思う
思わない
0
思わない
3
.
5 ダイエットしたいと思う
ダイエットしたいと思う
思わない
0
思わない
n
肥満
=1 太っていると思う 1
.
2 ダイエットしたいと思う
思わない
ダイエットしたいと思う
していない
ダイエットした
ダイエットした
していない
していない
ダイエットした
ダイエットした
日常生活における姿勢のチェックをす る。 よく片肘で
方杖 をす る ・立っている時,腕組みをす る ・背 もたれ に
寄 りかかって座 る ・座 るとす ぐ足を組む ・
椅子 に座 る時,
膝だけつけて足先 を開いた り膝が閉 じにくい等,具体的
に姿勢をチェックす る。また,筋肉が どのよ うな状態で
どれだけ使われているか考え, 日常生活で特に運動の時
間を取 らなくても,姿勢に気 をつけて生活す ることに意
義あることを知 らせ る。
そ して,一 目の必要カロリー,体脂肪の必要性 ,正 し
※ 1.体脂肪率を知ることの意義
まず,体脂肪率の測定を各 自行い,体脂肪量 ・体脂肪
率 ・肥満判定を記入 した。
い姿勢,ダイエ ッ ト,カル シュウム,生活習慣病 ,休養,
たばこ,酒等私たちの 日常生活において,切 り離す こと
の出来ない内容 を取 り入れている。それ らは身近 な問題
体脂肪率 とは体重の内,
体脂肪量の 占める割合であ り,
であ り, しかも重要な問題であることを理解 し,※ 1-
体重か ら体脂肪量を除いた ものを除脂肪量 (
骨 ・血液 ・
※ 4をチェック しなが ら, 自分のこととして考 え られ る
筋肉 ・水分など) とい う。そ して,肥満 とは体重に対す
よ う講義 しているつ も りである。
る体脂肪量の割合が増加 しすぎた状態である。また,こ
そ こで,体育講義受講前 と後の 自分 を比較 して,今 の
の体脂肪率測定により,隠れ肥満 を発見す ることが出来
自分 は ど うなのか,今後 ど うあるべ きかを記 述 して も
る。B
M
I(
B
o
d
yM
a
s
sI
n
d
e
x
)や他の肥満判定法では体重
らった。学生の現状 を記述 した内容 は次の通 りである。
と身長 による計算方法のため, どうしても体重の減少の
(
表 3- 1-表 5-2)
みになる傾 向がある。健康 な身体 とは筋肉 と体脂肪のバ
ランスが大切である。 しか し,体重の減少 に 目が行 き,
運動を怠った食事制限のみの減量をす ると,著 しく筋肉
や骨が減少することが言われている。そのことを学生に
きちん と理解 させ,間違ったダイエ ッ トしない ことを目
的 とした。
※ 2.食事記録表
1日の食事記録 を 1週間記録す る。朝食 ・昼食 ・夕食 ・
間食において,何 を食べたか,それは栄養素 1群 ∼ 6群
の どれかを記入す る。記録す ることにより現実を把握 し,
自分の食生活を考え改善す る。
※ 3.睡眠 ・覚醒 リズム表
1ケ月間睡眠 ・覚醒 リズム表をつける。 1日の睡眠時
表 3-1 食事に関すること (
講義前)
内
容
1.食事の時刻は不規則である
2.偏食である
3.間食が多い
4.食べ過ぎる
5.朝食を摂らない
6.よく噛まない
7.インスタント食品が多い
N %
1
2 30
ll 26
7 1
6
4 9
4 9
3 7
2 3
26
谷
本
満
江
表 3-2 食事に関すること (
講義後)
内
1.バランスよく取る
2.間食が減った
3.規則正しく取る
4.よく噛む
5.朝食を摂る
6.夜食を食べない
7.外食をしない
8.カロリーを気にする
9.腹8分 目
容
N %
1
9 29
1
7 26
8 1
2
7 ll
5 8
3 5
3 5
2 3
1 1
表 4-1 休養に関すること (
講義前)
内
容
1.睡眠のリズムが悪い
2.眠くなつたら寝る
3.日ざめが悪い
4.学校で眠い
5.規則正しいリズムと時間
N %
1
3 45
9 31
3 1
0
3 1
0
1 4
表 5-2 運動に関すること (
講義後)
内
1.片肘つかず背筋伸ばす
2.足を組まない
3.正しい姿勢をする
4.速く歩く
5.よく歩く
6.正しい歩き方をする
7.座位.
立位を意識している
8.腕組みをしない
9.階段を利用する
1
0.体重を前にかける
ll
.腹筋運動をする
1
2.自転車に乗る
1
3.ストレッチをする
1
4.筋トレをする
1
5.柔軟体操をする
ドミントン等
1
6.スクワットリi
容
N %
27 21
1
5 1
2
1
5 1
2
9 7
9 7
8 6
6 5
6 5
5 4
5 4
5 4
4 3
4 3
3 2
2 1
6 4
前記の表に示 したように, 1分野のみ気をつけた学生
もいれば,《
食事)《
休養》《運動か全てに気 をつけた学
生もいた。
表 4-2 休養に関すること (
講義後)
内 容
1.睡眠時刻を考えて実行する
2.その日の内に寝る
3.早寝が出来だした
4.早起きが出来だした
N %
1
7 6
3
5 1
9
3 ll
2 7
しか し,一番修正が難 しいのは 《
休養》の中の睡眠の
ようだった。
また,行動修正 している うちに次のような身体的変化
があったと記述 されていた。
《
食事》
*朝食を摂 るようになった
(
身体的変化) ・身体がだるくなくなった ・授業に身が
表 5-1 運動に関すること (
講義前)
内 容
N %
1.片肘で頬杖をする
1
6 2
2
ll 1
5
2.腕組みをする
3.猫背である
9 1
3
4.楽な姿勢をしている
8 1
2
5.背もたれに寄りかかつている 8 1
2
6.足を組む .
6 8
7.だらだら歩く
6 8
8.すぐしゃがむ
3 4
9.足を開いて座る
3 4
1
0.内股で座る
1 1
ll
.片足重心で立つ
1 1
入 り出 した
*規則正 しく摂 るようになった
(
身体的変化) ・体調がよい ・体脂肪が減った ・便秘が
治った ・身体がスッキ リしてきた
*よく噛むようになった
(
身体的変化) ・食事が適量で満足す る ・満腹にな り間
食やめた
*カルシュウム摂取に気をつけた
(
身体的変化) ・二枚爪が治った
《
休養〉
*起床 ・就寝時刻に気をつけるようになった
(
身体的変化) ・目ざめがよくスッキ リ起きられる ・目
覚ま しが鳴 る前 に起 き られ る ・授業 中のいねむ りがな
くなった ・考え方が前向きになった ・意欲的になった ・
27
私たちの 日常生活に関する研究 (4)
気分がよい ・身体が軽い ・朝早 く起きて勉強がはか どっ
事面 ・休養面 (
睡眠)・運動面全ての改善はむずか しい,
た ・肌荒れが治った
しか し何か一つでも, 自分に出来 ることか ら行動修正 し
てい くことに意義があると思 う。 この 3本柱は健康 とい
《
運動》
*正 しい姿勢をす るよ うになった ・速 く歩 くよ うになっ
た
う分野で くくられている。そ して,何か一つ変わればそ
れが引き金にな り, どん どん変わってい く。食事面で よ
(
身体的変化) ・背が伸びた感 じがす る ・人に背が伸び
く噛む ことにより,食事に時間がかか り満腹 中枢 が働 き
た と言われ る ・勉強が頭 に入 るよ うな気がす る ・シャキ
出 し,食べ る量が少なくてすむ よ うになった り,間食 の
シャキ してきた ・やせた と言われた ・お腹が締まった ・
必要がなくなったな どが挙げ られた。睡眠や姿勢 の改善
腰痛,肩 こりが治った ・電車に間に合 うよ うにな り,寄
により,気分が良い ・気分が楽になった ・毎 日笑 ってい
り道せず間食が減 った
られ る ・他人にも自分にも関心が持てるよ うになった ・
*身体を動かす よ うになった
見た 目ではな く体内を考 えるよ うになった ・自分 に出来
(
身体的変化) ・気持 ちがス ッキ リす る ・身体があたた
まる
ることか ら頑張れ るので継続できるな ど前向きな姿勢が
伺 えた。学生達は無意識 を意識 に変えることによ り,学
生生活の枠の中で見直 しのきっかけをつかんだ よ うであ
考
察
る。 良い睡眠 とは深睡眠が多い ことであ り,脳 の休息 ・
身体の成長 にとって重要 と言われている。遅 くとも夜 中
「
健康21
」の栄養 ・食生活面では, 自分の食生活の問
の1
2
時より前に就寝すると,寝っき ・目覚めが よ く,睡
題点を改善す る,朝食 を食べ る等がある。休養 ・心の健
眠時間を 7- 8時間取るのがよい とされている。 そこで
康づ くりは 目標が 日常生活のス トレスを減 らす,睡眠の
その 日の内に寝 るよ うにすすめているが,なかなか実行
質を高める等である。運動面では意識 して身体活動 をす
はむずか しいよ うである。 しか し,その 日の内に就寝す
る。毎 日歩 くようにす る等が 目標 とされている。
るのは難 しいが時刻 を気 にす るよ うにな り,考 えて行動
現代社会において,健康-の関心は高まって来ている
す るよ うになっていた (
表 4-2)
。 日常生活 の 中での
が,そこで とどまるのではなく,より豊かで健康的な 日
姿勢 を意識 して過 ごす ことは,1日の中 3分の 2は立位 ・
常生活 を送 るためには,各 自が責任 を持って健康管理を
座位 を とってお り,身体活動量の増大に繋がる と考 えて
行わねばな らない。 自らの健康づ くりのための具体的な
いる。表 5- 1・5-2で示す ように一つだけ気 をつ け
達成 目標 を掲げ,実践す ることが必要である。そのため
る学生 もあれば,複数行動修正 している者 もい るがいず
にはまず, 自分 自身の 日常生活が どのよ うに送 られてい
れにせ よ,背筋 ・腹筋 ・下肢全体の筋肉を必要 とす る姿
るか見直す こと,それで良いか考え,いろいろなことに
勢に改善がみ られた。身体的変化にも見 られた よ うに姿
気づ くこと,気づいた ら行動修正 し実行す る,継続 し習
勢の改善により身 も心も引き締まる傾 向にあった。運動
慣化す る,つま り行動変容である。そこには, 自分 自身
として,このよ うに強い運動でな くても,小 さな こだわ
の勇気 と努力が必要である。 しか し,一歩踏み込めば意
りや努力の継続が行動変容 となればいい と考えて い る。
外 と自分の具体的内容 を意識す ることにより,事態はい
学生の記述によると,全体的に今までは,特 に何 も し
い方向を目指す ものである。 1日, 2日, 3日と意識 し
なくても普通に過 ごしていれば,良い生活 を維持 できる
行動す ることによ り行動変容 し,結果がついて来 る。そ
と考 えていたよ うである。 しか し,体育講義 を受講 し,
れが,
今回の学生の記述にも現れていた と思 う。それは,
授業の中で実行 しやすいア ドバイスを受 けた ・自分 と
身体的変化であった り,精神的変化 として読み取 ること
い う者 を見つけ理解 しやすい具体的内容だった ・一つ一
が出来た。
つのことを気にかけ,今の自分を第三者的立場か ら見 る
1割弱の学生はこのままではいけない と思ってはいる
目を持てた ・友達 とお互いに注意 し合い気 をつ け るよ う
が,何 も改善出来ていない。 しか し, 9割の学生は健康
になったな ど日常生活の気づきゃ行動修正のきっ かけに
に気 をつけて生活できるようになった と述べている。食
なった と思われ る。
28
谷
健康 な身体づ くりの基盤 となる,規則正 しいバ ランス
の取れ た食生活,規則正 しい睡眠 リズム,適度 な身体活
動 をす ることは基本 の基本である。生活 にメ リハ リをつ
け,夜型生活 リズムか ら脱 出す ること, これ は保育者 を
め ざす本学の学生 に とって も大変重要 なここと考 えてい
る。
参
考
文
献
1)谷本満江 :中国学園紀要 第 3号
(
2
0
0
4)
2)大野誠 :肥満 と-ル シー ・ダイエ ッ ト 日本 メデ ィ
カルセ ンター (
1
994)
3)谷本満江他 :-ル スライ フ&スポーツ 不味堂出版
(
1
994)
4)社 団法人全国大学体育連合編集 :大学体育 No7
9
全
国大学体育連合 (
2
0
03
)
5)下村吉治 :スポーツ と健康 の栄養学 N
AP (
2
0
0
2
)
6) 山 田尚登 ・菅原英世 :健康教室
房 (
2
0
01
)
第6
21
集
東 山書
本
満
江