学習指導案 地理歴史科 教科(科目) 単元名 西アジアと日本 (学校設定科目:日本とアジア) 2010 データブック オブ ザ ワールド(二宮書店) 、 教科書 新詳高等地図 初訂版(帝国書院) 副教材 記入用プリント、資料プリント、黒板掲示用写真資料 ① パレスチナ問題について、歴史的に理解することができる。 ② 現代のイスラエルという国で生きる若者の生の声に触れ、日本で生きる自分たちと比較して、共通している 本時の目標 【関】 【知】 部分、又はそうでない部分について意見がもて、言葉で表現できる。 ③ 【関】 【思】 【技】 イスラエルという国に住む人々の「共通の願い」とは何であるかを考えることができる。 【思】 【技】 【関】=関心・意欲・態度、 【思】=思考・判断・表現、 【知】=知識・理解、 【技】=技能 ・生徒が現地に住む若者の生の声や姿に触れられるような資料を提示した。 ・生徒にアンケートを取り、現地の若者が自分達と変わらない夢や希望をもっていること、一方では想像を絶す 工夫した点 るような過酷な状況の下に暮らしていることを実感できるように工夫した。 ・資料から様々な情報を読み取り、多面的に物事を判断して意見をまとめられるように、言語活動の充実を図れ る展開に心掛けた。 指導の内容・ねらい 学 習 活 動 指導上の留意点・観点別評価 1時間目 ・基本的な知識の定着を ○アジア 47 か国から 10 か国を出題し、国の場所を答える。 図る(小テストの実施) 。 ○隣の席の生徒と解答用紙を交換して、答え合わせをする。 ○各生徒の知識の定着につなが っているのか、回収後確認する。 ○解答用紙を提出する。 【知】 ・本時(2時間分)の課 課題:「パレスチナ問題」を通して平和とは何か考えよう。 ○イスラエルで撮影された写真 題を意識させる。 ○2枚の写真に注目し、どのような写真なのか推測する の提示 ・歴史的視点から、パレ SQ:「パレスチナ問題」とはどのような問題か? ○プリント1の配付 スチナ問題を確認させ ○イスラエル人(=ユダヤ人)…主にイスラエルに住むユダヤ教徒 ○パレスチナ問題について歴史 パレスチナ人(=アラブ人)…パレスチナに住むイスラーム教徒 的背景を踏まえて理解させる。 る。 〔写真資料 1,2〕 【関】 ○地図上でイスラエルの位置とパレスチナの区分について確認する。 昨年度の世界史Aの内容との関 ○第一次世界大戦までのパレスチナについて概観する。 わりに意識する。 【関】 【知】 ○第一次世界大戦中のイギリスによる三枚舌外交 第一次世界大戦後…パレスチナに多くのユダヤ人が移住 それ以前より住むアラブ人(パレスチナ人)との対立激化 国際連合によるパレスチナ分割案 ユダヤ人→受け入れ=1948 年にイスラエルを建国 パレスチナ人→反発=1948 年に中東戦争が起こり、敗北 パレスチナ難民…PLO組織される 中東戦争…1948∼1973 年までに4回起こる 現実路線への転換…オスロ合意によるパレスチナ自治政府の誕生 ○プリント1に穴埋めをしなが ら、用語確認とパレスチナ問題 の経緯を確認する。 【関】 【知】 ・イスラエルに住む若者 MQ:イスラエルという国に住む若者たちと たちの生の声に触れ、自 分たちと比較させる。 ○資料1の配付 本校生徒との考えや思いの違いは何だろうか? ○資料1の若者達のプロフィー ○資料1: 「イスラエル、パレスチナ 45 人のリアル・ライフ」 (抜粋) ルや、アンケートの回答につい を読んで、印象に残る言葉や文章(本人の意見が反映されていると て目を通す。 【関】 思われる箇所)に下線を引く。 ○資料2:事前アンケート「生徒 36 人のリアル・ライフ」の内容と ○資料2とプリント2の配付 資料1の内容とを比較しながら目を通し、同様に下線を引く。 活動1:イスラエルに住む若者と本校生徒に共通する考え方、思いを まとめる。 ・資料からイスラエルの に取り組む。活動をスムーズに 活動2:同様にイスラエルに住む若者と本校生徒の考え方、思いが異 現状を推測させる。 ○活動内容に従って、各自課題 なると感じる部分をまとめる。 行うため、状況によっては活動 1は教師主導で全員に取り組ま せる。 【関】 【技】 (生徒の活動の進行を促す必要がある場合) パレスチナ人のユセフ・カディブの生き方・考え方に触れてみよう ○「自爆」、「投石」とは何かに ・彼の夢:自爆、趣味:投石、今したいこと:武器を作ること ついて触れる。彼女は兵士であ 等 イスラエル人のカレン・ベンイシャイの生き方・考え方に触れてみよう り、イスラエルは男女共「兵役」 ・彼女の職業:兵士、夢:平和になること、今欲しいもの:静寂 が義務であることに触れる。 等 【関】 【思】 ・本時のまとめ 活動1と活動2で出された意見について、発表し意見交換する。 ○自分にない意見はメモを取る よう促す。 【思】 前回授業の内容を、プリントに目を通しながら確認する。 2時間目 ・前回の授業内容を復習 SQ:イスラエルという国に住む若者たちは何を考え、 し、課題を確認する。 ・資料からの読み取りを 何を信条として生きているのだろうか? 活動3:イスラエルの「パレスチナ人」と「イスラエル人」との間で 行わせる。 ○(進行の状況を見て)グルー プになり、意見交換をしながら 作業を進める。 の意見について比較しよう。 ① 【関】 【思】 【技】 パレスチナ人」の若者は「イスラエル人」若しくはイスラエル という国をどう見ているだろう。 ② イスラエル人」の若者は「パレスチナ人」若しくはパレスチナ をどう見ているだろう。 ・パレスチナの現状につ SQ:オスロ合意後、パレスチナ問題はどうなっているか? ○活動でまとめた中から、パレ いて、オスロ合意後の状 ○資料1から、現在パレスチナ問題はよい方向に向かっているか、そ スチナ問題の現状を考える。資 れともそうではないのかを考える。資料1のどの部分からそのよう 料のどの部分に注目したかを明 況を推測させる。 に言えるのか、理由付けをして意見をプリントにまとめ、発表する。 記させる。 【思】 【技】 ↓ ・それでも自爆テロとい パレスチナ問題は解決に向かっていない う形でパレスチナの平和 ↓ を求める青年や、国のた 彼らは現状をどのように乗り切っているのだろうか? めに兵役へ出かける若者 の姿から考えさせる。 ○前回に見た写真資料 1,2 をも う一度見直す。 ・自爆テロ犯の青年の遺 書を朗読する。自爆テロ ○パレスチナ人の自爆テロ犯の青年の遺書の朗読を聞き、パレスチナ 人の若者の考えに触れる。 という形で平和を求める ○朗読にきちんと耳を傾けさせ る。あくまで一例であることを 補足しておく。 【関】 【知】 青年の考えを紹介する。 MQ:イスラエルに住む人々の共通の願いとは何なのだろうか? ○現状に疑問を投げ掛ける人々 ○自爆テロに巻き込まれて息子を失ったパレスチナ人の写真より の存在があることにも気付かせ ○兵役を拒否するイスラエル人の若者の存在 る。 【関】 【思】 ○イスラエルに住む人々の願いとは→平穏な暮らし、平和への願い ・本時のまとめを記入さ 授業を終えて:「平和」についてどのような考えをもったか? ○自分の言葉で表現できている せる。 ○自分の意見の記入、意見交換 か。 <主要参考文献> ・ 『正直な気持ちを話そう True to the Heart イスラエル、パレスチナ 45 人のリアル・ライフ』 (八木健次 たちばな出版 2003) ・『まんが パレスチナ問題』 (山井教雄 講談社 2005) ※資料1は、45 人のリアル・ライフのうち4人を抜粋したもの。また、質問項目は以下の通り。 ① 家族は何人ですか? ② 今日は何を食べましたか? ③ 将来の夢は何ですか? ④ 趣味は何ですか? ⑤ どんな音楽が好きですか? ⑥ 今、ほしいもの(したいこと)は何ですか? ⑦ 尊敬する人は誰ですか? ⑧ 宗教とは何だと思いますか? 神は存在すると思いますか? ⑨ 戦争とは何ですか? ⑩ この 50 年から 100 年の間、誰が悪いと思いますか? ⑪ 愛している人(恋人)はいますか? ⑫ もし、子供がイスラエル/パレスチナ人と結婚したいと言ったら、どうしますか? ⑬ 2000 年後のイスラエルとパレスチナはどうなっていると思いますか? ⑭ (A)好きな国と(B)嫌いな国を教えてください。 ⑮ 一言メッセージをください。 ※資料2は、今年度「日本とアジア」を選択履修した 36 人に対し、上記質問項目のうち、①∼⑨、⑪ の 10 項目を質問したもの。 【思】
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