第7回高校生のフォトメッセージコンテスト 入賞作品決定

国際文化フォーラム通信 no. 62 2004年4月
TJFの事業
第7回高校生のフォトメッセージコンテスト
入賞作品決定
TJFが毎年開催している「高校生のフォトメッセージコンテスト」
(
「東京視点」
代表、映像プロデューサー)
と可越氏
のお二人に審査員をお
は、今回7回目を迎えました。このコンテストは、日本の高校生の
願いしました。ボクステル氏は応募作品について
「学校の様子の
生き方や暮らしぶりを、高校生自身が写した5枚の写真と文章
写真が予想以上に多様でした。また教室の中だけでなく、家で
で、日本国内や海外の同世代の若者に伝えてもらおうとの趣旨
の様子、部活やアルバイトの姿など、生活全体の様子が多くあ
で行っています。
り、素晴らしいと思いました」
と述べています。また、可氏からは、
今回は全国59の高校から、186作品(写真930枚)が寄せられま
「写真を通じ、撮影者と主人公、撮影者とそれを見る人々の間
した。その内訳は、美術、日本語、韓国朝鮮語などの授業の一
に、心が一つに通い合えるコミュニケーションができたことは、こ
(26%)
環として制作した作品が48作品
、写真部や美術部などの
のコンテストの大きな意義だと思います」
とのコメントがありました。
部活動の一環として制作した作品が108作品(58%)、個人制作
が30作品(16%)でした。
入賞作品はTJFのホームページ(http://www.tjf.or.jp/photocon/
index.htm)
の「過去の入賞作品」のコーナーでも閲覧できます。
1月27日に開催した審査会において、最優秀賞(広島県立庄原格
また、入賞作品を中心に応募作品をまとめた写真集
『伝えたい
)
致高等学校の相原美穂さんの
「憧れのアッキー 16歳の記録」
と、入賞作品
私たちの素顔 The Way We Are 2003』
を6月末に発行し、国内
26点を決定しました。相原さんは、
「ひそかな憧れの存在だっ
関係者のほかアメリカ、オーストラリア、中国など海外の中高校
た主人公アッキー(秋山さん)」から自分の写真を撮りにきてほし
で日本語や日本について学ぶ同世代に届けるため、関係機関
いと誘われたことがきっかけで、撮影をするようになりました。
に寄贈する予定です。
撮り始めてから、相原さん自身が「徐々にアッキーの持ち前の
明るくて面白い人柄に刺激され、前より積極的で自然と笑顔で
『レンズの向こうに自分が見える』
――岩波ジュニア新書として刊行
いることが増えて」
いったといいます。
フォトメッセージコンテストの参加常連校
審査員長の田沼武能氏は、
「主人公の自然な姿をとらえてお
でもある大阪府立大手前高校定時制課程
り、夢と希望が感じられます。高校生のフォトメッセージコンテス
の写真部顧問、野村訓先生編著の本『レン
トも回を重ねるに従い内容が充実してきており、これほどの作
ズの向こうに自分が見える』が岩波ジュニ
ア新書として3月19日に刊行されました。野
品が制作できることは、たいへん素晴らしいことだと思います」
村先生の指導のもと、さまざまな高校生が
と講評されました。
写真を通して人と出会い、あるがままの自
2月28日には、上位入賞者6名を東京に招待し授賞式と懇親
分を見つめて表現し本当の自分の人生を
会を行いました。賞状や盾の授与の後、撮影者から作品のね
生きていくようになった過程を、高校生自
らいや制作中のエピソードなどを語ってもらいました。また授賞
式会場で入賞作品26点の展示も行いました。
今回から新たに、レオニー・ボクステル氏(豪日交流基金事務局長)
野村訓編著
ジュニア新書465
全208頁
定価777円(税込)
ISBN4-00-500465-2
身の写真と文章で伝えています。フォトメッ
セージコンテストに寄せられた写真も多数
掲載されています。
写真:北郷仁
写真:北郷仁
来場者を前に作品について語る相原さんと田沼審査員長。
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写真:北郷仁
受賞者とコンテスト関係者の記念撮影。
新審査員の
ボクステル氏
(上)
と可氏。
国際文化フォーラム通信 no. 62 2004年4月
最優秀賞「憧れのアッキー 16歳の記録」
相原美穂(広島県立庄原格致高等学校)
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主人公
写真のキャプションと相原さんのメッセージ
秋山佳範(16歳)
q 夏休み中の暑い日。体育祭本番に向けて限られた時間での応援団の練習。団長は全
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校生徒の代表。こんな重大な役割を引き受け、見事成功させたアッキーは一番輝いて
いました。
試合中のアッキーは、普段の生活ではあまり見せない真剣な表情。キャプテンとしての
責任感、ラグビーに対する熱い想いが伝わってきます。
ラグビーの敗戦の責任をとって、気合を入れるため丸坊主に。いさぎよくバリカンを入れ
ていくアッキーの姿は、次の試合への意気込みがすごく感じられ、カッコよかったです。
アッキーが所属している軽音同好会の中庭ライブ。この時はカバー曲でしたが、自分たち
で曲を作って、それを披露したりもします。たくさんの生徒が見るなか、見事な歌唱力で
ライブは大盛況でした。
アッキーの休憩時間の教室での様子。どうでもいいことでも仲のよい友だちとなら大笑
い。こんな日常からアッキーの素敵な笑顔はうまれます。
■趣味
ギターをひくこと
■尊敬する人
ラグビー部の歴代キャプテン
■好きなことば 気合、愛
■大切なもの
彼女、友だち、家族、みんな大切です。一
番なんてきめられないな。
■メッセージ
最近、一番くやしかったことは、今回のラ
グビー全国大会予選で1回戦敗退という
結果になってしまったこと。そして、その試
合で自分が思うようなプレーができなかっ
たことです。今、キャプテンをひきついで歴
代キャプテンのようにチームをひっぱって
いけるかが心配です。でも、僕が落ち込ん
私は今振り返って、アッキーの16歳の記録ができたことは、今年度最高の経験だと思います。知
り合う前までは失礼ながら外見がカッコイイぐらいにしか思ってなかったけど、この期間に外見だけ
ではなく、内面も含めて本当にカッコイイ人物だと思いました。そして私はアッキーより素敵な人物
になりたいです。
でいるといつも彼女、友だち、チームメー
トが支えになってくれます。そんな人を大
切にしていきたいなぁーって思ってます!!
❈相原さんのメッセージの詳細およびプロフィールは、
「素顔の高校生」
(p.16)に掲載されています。
第7回高校生のフォトメッセージコンテスト入賞作品
■最優秀賞(1作品)
:
「憧れのアッキー 16歳の記録」 相原美穂(広島県立庄原格致高等学校)
■優秀賞(2作品)
:
「私の分身!! 双子の姉ちぃーかぁー」 宮里三奈(沖縄県立真和志高等学校)
/
「共に、そして友に」 ジミー・ビューリー
(大阪インターナショナ
ルスクール)
■審査員特別賞(3作品)
:「みさんごと私」 松永未樹(大阪府立大手前高等学校定時制課程)
/「麻衣的楽しみ方」 宮下萌(大阪市立工芸高等学校)
/「↑マッスーグ
↑」 渡辺麻実(桜美林高等学校[東京都]
)
■奨励賞(10作品)
:
「幸華の熱き情熱〜4.18m2に懸ける青春」 吉見澄子(北海道立滝川高等学校定時制課程)
/
「海のシティボーイ」 佐藤昭洋(宮城県立塩釜
高等学校)
/
「自己中B型
だけどいいやつ」 寺嶋渚(東京農業大学第一高等学校)
/
「修行の日々」 栗原啓文(身延山高等学校[山梨県]
)
/
「Justiceのカケラ」 竹田真理子(大阪市立工芸高等学校)
/
「心の居場所〜写真との出会い〜」 後尾久美子(大阪府立大手前高等学校定時制
課程)
/
「年上の後輩はピーターパン」 中才知弥(大阪府立大手前高等学校定時制課程)
/
「人間、キタアカリ」 東美希(智辯学園高等学校[奈
良県]
)
/
「HAPPY☆SMILE」 三上晴香(広島県立庄原格致高等学校)
/
「私の天使」 岩田典子(広島県立庄原格致高等学校)
:
■努力賞(10作品)
「151日
『ユキちゃん』
という人」 高橋詩織(岩手県立不来方高等学校)/「貴子
17歳の日々!!」 加藤祐衣(秋田県立横手高等学校)/「輝
けえりこ!」 小寺珠央(桜美林高等学校[東京都]
)
/
「Happy School Life〜ありがとうフジ〜」 岡嶋佑子(三重県立上野高等学校)
/
「あたし
サチ。だから幸せ」 新家千尋
(三重県立名張西高等学校)
/
「友達以上、姉妹未満」 安井ももよ
(京都府立向陽高等学校)
/
「2人の距離70cm」
田中雅人(大阪府立大手前高等学校定時制課程)
/
「菟田野町民、Kの生活」 魚田恵介(奈良県立奈良高等学校)
/
「只今コレに夢中!!」 竹岡
恵里奈(広島県立庄原格致高等学校)
/
「Face」 桐原由里江(宮崎県立延岡商業高等学校)
:
■学校賞特別賞(3校)
大阪インターナショナルスクール/大阪府立芦間高等学校/大阪府立阪南高等学校
:
■学校賞(3校)
正則高等学校[東京都]
/福岡インターナショナルスクール/東京都立工芸高等学校
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