組立て式断層モデル実験装置の製作

組立て式断層モデル実験装置の製作
○山下清次,川村教一
YAMASHITA Seiji and KAWAMURA Norihito
秋田大学教育文化学部
【キーワード】断層,地層,モデル実験装置
1
はじめに
岡本(2000)はスライドフィルムケースに
小麦粉を入れて用いる断層モデル実験装置を
製作した 1)。この実験装置は広く用いられ,
地震教育の推進に貢献してきた。しかし,近
年スライドケースの入手が困難となってきて
いる。ところで,横山(2012)は組立て式の津
波モデル実験装置を製作しており,その中で
アクリル板を固定する際にクランプを使用し
ている 2)。筆者らはこれを参考にスライドケ
ースに代わる材料を用いた断層モデル実験装
置を開発することを目的とし,組立て式のモ
デル実験装置を製作した。今回はその概要に
ついて報告する。
実験装置の製作
本実験装置を製作するにあたり使用した主
な材料は表 1 の通りである。なお図 1 は今回
製作した実験装置の設計図である。
実験装置の特徴は,組立て式となっている
ことである。そのため分解することができ,
洗浄や片付けを容易に行うことができる。
完成した実験装置は図 2,3 のようになる。
図2
組立て式断層モデル実験装置(写真)
押し込む
2
表 1:組立て式断層モデル実験装置製作材料
材
料
法
数 量
角
材(A)
15mm×15mm×60mm
1本
角
材(B)
15mm×15mm×600mm
1本
塩ビ板(厚さ 3mm)
80mm×200mm
2枚
板
60mm×150mm
2枚
挟口 50mm
4個
材
ダブルクリップ
150
塩ビ板
60
60
15
200
15
80
寸
600
図1
組立て式断層モデル実験装置設計図
単位(mm)
小麦粉とココアの地層
図3
ダブルクリップ
モデル地層を入れた時の模式図
3 実験手順
(1)実験装置の組立て。(詳細は発表で説明)
(2)小麦粉をスプーンで実験装置のケース内
にまんべんなく敷き詰め,上から板材で軽く
押さえる。(層の厚さは5mm程度)
(3)ココアパウダーをスプーンでケース内に
敷き詰め,板材で上から軽く押さえる。(層の
厚さは1mm程度)
(4)(2),(3),(2)の順で,層を重ねていく。
(5)押板で水平にモデル地層を押す。
(6)形成された逆断層を観察する。
謝辞
本研究の費用の一部は,JSPS科研費2450103
5(研究代表者川村教一)および平成26年度秋田
大学教育実践研究支援プロジェクト経費によ
った。支援くださった関係各位に感謝する。
引用及び参考文献
1)岡本義雄(2000)「小麦粉を用いた断層モデ
ル実験」,大阪と科学教育,14,pp.13-16.
2)横山光(2012)「自然災害を再現する実験教
材の工夫・開発」,北海道立教育研究所附
属理科教育センター研究要,24,pp.76-81.