むこう 127号(2014年2月)

む こ う
神戸をほんまの文化都市にする会
2014年2月20日発行
第
127
号
〒650-0044
神戸市中央区東川崎町1-5-7
神戸情報文化ビル3F文化村
連絡先 TEL・FAX (078)361-5056
e-mail:[email protected]
http://honmabunka.news.coocan.jp/
わらってますか?
平澤ゆかこ
探 訪 記
NPOをサポートするNPOとして
~認定NPO法人「CS神戸」事務長:飛田敦子さん~
また1人、バイタリティ溢れる女性とお
会いすることが出来ました。飛田敦子さん。
認定NPO法人CS神戸(コミュニティ・
サポートセンター神戸)の事務長を務めて
おられます。
その「CS神戸」とは、より良い社会を
目指して活動している団体や団体の新規立
ち上げを支援したり、この目的にあう行政
等からの委託事業やネットワーク活動を行
う組織です。阪神淡路大震災を契機に生ま
れたボランティアグループ「東灘・地域助け合いネットワーク」がその前身で、CS
神戸理事長:中村順子さんの「いつまでもボランティアに助けられるばかりでなく、
有難うと言われる側にならないと」という発想の下、96年10月に設立、99年4
月に兵庫県で1番最初にNPO法人格を取得した4団体の1つとなりました。
「NPOをサポートするNPOですね。グループを立ち上げるまで、立ち上げてか
らの応援を行っています」
そんな“中間支援”のほか、厚労省認可の「無料職業紹介所」として就業・起業の
サポート、「市民活動サポート基金」を設けての助成活動など、“まちづくり”“福
祉等”を活動の3つの柱と位置付けた取り組みを展開。昨年末からは、ショッピング
モールの1角に企業との協働で、地域活動をサポートする場「まちづくりスポット神
戸」も開設しました。
「NPO・企業・行政それぞれが別に何かやるのでなく、自分たちの中にも多様性
を持って臨むという姿勢がいるんじゃないかと思うんです。それで連携してやってい
ければ」
また、指定管理者として、東灘区民センター小ホールとJR住吉駅前自転車駐輪場
を担当。前者では区民の方に講師をやってもらう「ひがしなだ区民カレッジ」を開講、
後者では作業所と連携し障害者の方も働ける場として運営を行っています。
「“参加型”で常に考えるようにしています」
そしてやはり、母体である「東灘~ネットワーク」が生まれたキッカケともなった
阪神淡路大震災同様、東日本大震災への支援も取り組みの中には含まれています。
( 2 )
「兵庫県への被災避難者に生活用品を届けますという発信をした時には、提供した
いという電話でパンク状態でした。岩手県大槌町には理事長の中村順子らが出向いて、
住民の自治組織立ち上げのサポートを行っています」
ここまで伺って、飛田さんに「大学でまちづくりなどの勉強を経てここに来られた
んですか」と聞いてみました。
「スウェーデンに留学して国際協力を学んでいました。帰国する2~3日前にヤフー
でNPO求人を検索して出てきたのがここだったんです。帰国してすぐ面接、2~3
年働くつもりがもう10年になりました」
昨年7月、CS神戸は「認定NPO法人」を取得、これによりCS神戸への会費・
寄附は税額控除を受けられることになりました。
「事業が次々変わっていって、人との出会いも多種多様です。その中で自分たちの
ミッションを保ち、譲れるところは譲りながら落としどころをどこにするか。前向き
であり続けるのが大変ですが、飽きることはありません」
益々発展を遂げていくCS神戸は、言うなれば
「神戸をほんまの元気都市にする会」といったと
ころでしょうか。私たちも見習わねばなりません
ね。
(劇団四紀会 里中)
認定NPO法人
コミュニティ・サポートセンター神戸
〒658-0052
神戸市東灘区住吉東町5-2-2
ビュータワー住吉館104
TEL 078-841-0310
FAX 078-841-0312
「都市と文化をめぐる」講座
第35回「大理・昆明」
日 時:4月17日(木)18:30
会 場:ハーバーランド文化村
講 師:竹山清明(京都橘大学教授)
参加費:500円(資料代)
( 3 )
ほんまの会では橋下市長の文楽協会に対する補助金カットが実施されそうだとのこ
とで、有志を募って文楽鑑賞会を1月21日(火)に行ないました。急なことでしたが
5人が参加しました。今後もこういう取り組みをしてゆきたいと考えています。4月
の「菅原伝授手習鑑」でも行ないたいと考えています。後日、日程を決めたいと思
いますのでぜひご参加下さい。
再び文楽と相見ての記
戦前、父に連れられて時々文楽を観劇した記憶
がある。まして私が20年近く勤務した病院のす
ぐ側に文楽座があったためもあって、見には行か
ずとも親近感はずっと持っていた、にも拘らず7
0年近く観劇の機会は無かった。
ところが、である。先日、現大阪市長は“集客
努力が足らん”とかで文楽への助成金を削ると発
言したことか
ら、俄然、私
の日本人とし
ての血が騒ぎ
出した。伝統
芸能をなんと
心得るのか、頭がよく実行力をもあわせ持つ男、
と思っていたのに何たる事ぞ、期待外れもいい
とこだ、たった一度一幕みた位で何をいうのだ。
と、いう訳で私はお誘いを受けるまま先日文
楽座に赴いた。出し物は近頃(ちかごろ)河原(か
わら)の達引(たつびき)、壇(だんの)浦(うら)兜
(かぶと)軍記(ぐんき)であった。
( 4 )
入りも中々多く、着物姿の女性もみられた。まして意外に
も若者の多い事は嬉しい限りであった。
久々の観劇である。その上私も人情の機微が多少は理解で
きる年齢に達しているからでもあろう。その人形の感情の緻
密な表現にはまず驚いた。
お能の場合は能面の微かな動きにより表情、感情が変わる
のを感じるまでに観客としては少し時間を要するかもしれな
いが、文楽人形の喜怒哀楽の表し方は技芸員の動きだとわかっ
てはいても人形の表情そのものと見え何の違和感もない。ま
して脇に居並ぶ技芸員の三味線、琴の音などと人形の動きの
見事な一体化、また、それこそ顔を紅くして腹底から謳うそ
の声の底力、重厚さは胸をうち、聞いていて始めて座の玄関
脇に陳列されていた、分厚い腹帯びの意味がわかった。
お能の場合は静と重圧そのものの美、文楽は微妙な動と舞
台の空間をも活用した動態そのもの。
無意識にこれらを対比対象しつつ見ていたが、久々に日本人の本質にどっぷり浸かった気が
した。
上から吊られた何本もの紐で人形を操る外国の人形劇と全く異なる芸術なる文楽、その感情
の機微に触れて思わず引き込まれてしまったあの不思議さ。
豊かな感性を養い、厳しい稽古、場数を踏まねばにじみ出てこないであろうあの細やかな動
きを演出するにはどれほどの努力が隠されているのであろうか。技芸員の感情は観客に全く見
えていない。いや、内面にどん、と包込み自分の息吹を消しこんだ技芸員の動き。足ひとつ動
かすにしても何年もの修業をつまねば出来ないであろう、あの大仰にして的確な表現動作。
静と動。日本人の豊かな感性は春夏秋冬の風土が土台となって培われたものであろうが、今
に伝えられ続けられている原点は世界の他に比類なきものであろう。日本人は判官贔屓だなど
と言われるが、今回の演目はそれを上手く引き出している。壇浦の段では思わず身を乗り出し
ている自分を感じた。
悪代官であるはずが、思わず火箸を手に胡弓を弾く真似をしてみたり、ユーモアをも交えて
客を楽しませたりしている。
終演後、私は自分の気持ちをまさぐってみた。なぜこんなに深く心をゆさぶったのだろうか
と。
そして見つけた。日本人の心の故郷を演じているのだと。歌舞伎の華やかさとは又、異なっ
た奥深さ。
ただ、一ついいたい事は4時間にわたる公演は少し身の疲れを感じたのは否めない。そのは
一考の余地ありと思った。
だが・・・、ひょっとして・・・。現大阪市長殿はよい意味に解釈すれば反対実物教育?に
より、助成金削除なる過激な言葉を使って、激励したかったかも??
これは私の錯覚であろうか?しかし集客問題もさることながら舞台稽古の時間を割かれる事
は技芸員にとってどんなに辛いことか。察するに余りありである。
(川添和子)
( 5 )
「加川広重巨大絵画が繋ぐ東北と神戸2014」
1月5日 デザイン・クリエイティブセンターKIITO
昨年に続いて加川さんの大きな絵に会いました。新しい「南三陸の黄金」は、被災から1
年半、空洞化した防災庁舎が黄金の光の中につくねんと立っています。一瞬、黄金に色づいた
稲穂に囲まれているのかと思いました。豊かな実り…錯覚ではあったものの、東北の再生を感
じました。現実には、まだまだ遠いのでしょうが。巨大な絵の前に立つと、私が絵を見ている
のではなく、絵に見つめられているような気持ちになりました。「あなたは、そこに立って何
を見ているの?ここに繋がっていますか?」と問われているような。
オープニングのこの日は、チェロアンサンブルと2部のヴァイオリンコンサートを聴きまし
た。新しい「南三陸の黄金」ではなく、昨年の「雪に包まれる被災地」の前にステージがあり
ました。やはり、これが原点だという主催者の意思でしょうか。絵画が多様なアーティストを
集め、多くの観客を集めて、神戸と東北が近いものになったと思いました。
(黒瀬 晴世)
押入れに貼られていた引き札
いちばぎゃらりぃ侑香
戦前の平野地域住宅地図の復元を見に行ったのに、なんと、諸事情で予定が変更になって、
「明治から大正時代の引き札」の展示になっていました。奥平野の商店の引き札を中心に、兵
庫各地の酒屋、炭・薪、油、寿司屋、時計商、履物、洗い張りなど、生活に密着した商売の、
宣伝ポスターです。極彩色の版画。恵比寿・大黒さまの図柄が多いのは商売繁盛の願いでしょ
う。その商店の中に最近まであった店、今もある店のことを聞いて、平野の歴史を感じました。
この町を大切に思う侑香さんに、こうした貴重な資料が寄ってくるのでしょう。
ちょうど郷土史家の前田先生が来られて、家の押入れの壁にたくさんの引き札が貼られてい
たことを話してくださいました。また、見たかった兵庫の住宅地の復元図を見せていただきま
した。所期の目的も果たせたというものです。
(杏三)
講演会予告
「父・井上ひさしの思い出、父の愛したボローニャとの出会い、
そして、演劇人として」
講 演:井上麻矢さん(こまつ座代表取締役社長)
日 時:3月29日(土)14:00~
場 所:神戸市勤労会館2階多目的ホール
参加費:1,000円(前売り900円)
主 催:井上麻矢さんの講演を成功させる会
( 6 )
神戸の街スポット
旧生糸検査所のリノベーションの成否は?(その4)
中尾嘉孝(港まち神戸を愛する会)
時々の話題も盛り込んだので、ほとほと語り疲れた感のある旧神戸生糸検査所の
項も、今回で締め、である。
旧神戸生糸検査所庁舎は、神戸市が2009年に買い取った後、試験的に利活用のイ
メージを練るための暫定利用や有識者による検討会での議論を経て、2010年から耐
震補強を含めた改修工事を二年がかりで行い、2012年夏に先行的にデザインクリエ
イティブセンターの一部の施設が一般に開放され、同年10月、市長も出席のもと、
三宮から小野浜まで参加者がパレードする形でKIITOまで練り歩き、グランドオー
プンのセレモニーが行われた(もう早、二年)。
この間、指定管理者側では、単なる貸し館の催しに留まらず、デザインクリエイ
ティブセンター発の取り組みを応援する企画も発信してきた。(例えば、小児がん
専門の治療施設「チャイルド・ケモ・ハウス」建設支援のチャリティイベントなど。)
また、東日本大震災の被災地をつなぐ加川一重の巨大絵画の展示とダンス、音楽の
イベントは、KIITOの持つ施設の懐の深さを感じさせるイベントが行われている。
余談だが、先日、東京で古建築の修復を手がける年長の知人を、山手の海外移住
と文化の交流センター、新長田の旧二葉小学校を改修した地域人材支援センター旧
神戸生糸検査所へ案内した。
この3つの施設で、運営する特定非営利法人の活動そのもの、そして歴史的建造
物を積極的に活用しようという姿勢が、知人にも伝わったようで、概して好意的な
見方をして居た。東京都内の区が管理する廃校利用の施設は、全国的に見て先をい
く印象を受けるが、例えば旧移住センターのように施設の壁にペイントをアーティ
ストが施すことすら、東京では制限されているのだという。
一方で、神戸市内でもデザインクリエイティブセンターの存在が知られていない
のも、また実情だろう。日常生活と結びついたデザイン
を発信する、という広がりのある目的ゆえに、かえって
広い市民の関心を惹く存在にはなって居ない所もあるの
かもしれない。
イベントの開催も勿論だが、旧神戸生糸検査所庁舎の
建築そのもの以外にも、デザインそのものに触れる事の
できる機会がここで出来れば、更にデザインクリエイティ
ブセンターらしさが発揮できるのではないだろうか。こ
れだけのヴォリュームの施設は一朝一夕に出来上がるも
のでもなく、恐らくは継続して変化も伴いながら出来上
がって行くものなので、私たちも場に参加しながらこの
施設を育てて行く必要があるのではないだろうか。オー
プンから三年を迎えるデザインクリエーテイブセンター
のこれからを気にして行きたい(この項、終わり)。
( 7 )
ここでは、加盟団体・個人の文化情報をお伝えします。各行
事への参加については、前もって主催者にお問い合わせ下さい。
次回は、14年4月中旬に発行の予定です。2014年5~6月の
予定をお知らせ下さい。4月初めまでにお願いします。
担当者:黒瀬晴世 (TEL.FAX/078-531-4903)
〒652-0058 神戸市兵庫区菊水町10丁目39-11-1-507
神戸東おやこ劇場
TEL.FAX/441-0836
神戸中央おやこ劇場
TEL.FAX/341-8069
神戸須磨北おやこ劇場 TEL.FAX/976-0023
神戸垂水おやこ劇場
TEL.FAX/706-1810
☆幼児・小低例会
「おひさま劇場
わくわくどっきんこぶたのりんご
森のちいくまちゃん」
(人形劇団クラルテ公演)
日時:4月6日(日)14:00
会場:KAVCホール
☆小高・中学生以上例会
「たかはしべんコンサート
~たんぽぽのうたがきこえる」
日時:4月26日(土)19:00
会場:県民会館9Fホール
神戸映画サークル協議会
TEL/371-8550 FAX/371-8551
3月例会 「追憶」 (73年アメリカ)
監督/シドニー・ポラック
日時:3月14日(金)15日(土)
①11:00 ②13:30 ③16:00 ④19:00
①11:00 ②13:30 ③16:00 ④18:30
会場:神戸朝日ホール
4月例会 「天使の分け前」
(12年英・仏・伊・ベルギー)
監督/ケン・ローチ
日時:4月18日(金)19日(土)
①11:00 ②13:30 ③16:00 ④19:00
①11:00 ②13:10 ③16:30 ④18:30
19日講演会15:30~16:10
「スコットランドとスコッチウィスキー」
講師/武部好伸(エッセイスト)
会場:神戸朝日ホール
☆特別例会
「この空の花」―長岡花火物語
(12年日本)
監督/大林宣彦
日時:5月6日(火・祝)時間未定
会場:神戸朝日ホール
いちばぎゃらりぃ侑香TEL.FAX/361-5055
3月3日~5日 ひなまつり
3月7日~13日 ちぎり絵展
3月16日~22日 山口ヒロミ銅版画展
4月1日~5日 風来舎展
4月8日~19日
いちばぎゃらりぃ侑香4周年「見つけ展」
☆風のたよりのコンサート
日時:3月30日(日)14:00
会場:中華会館東亜ホール
出演:後藤ゆり子(マリンバ)、
金子鉄心(管楽器)、玉川侑香(朗読)
久保比呂誌(津軽三味線)
劇団四紀会 TEL/392-2421 FAX/392-2422
神戸元町賑わい座
「文七元結」
作/三遊亭圓朝
脚色/桜井敏
演出/岸本敏朗
日時:4月12日(土)~20日(日)
時間未定
会場:元町プチシアター
料金:1,500円
神戸演劇鑑賞会
TEL/222-8651 FAX/222-8653
4月例会 「見上げてごらん夜の星を」
(イッツフォーリーズ公演)
作/永六輔
演出/北澤秀人
日時:4月13日(日)15:00
14日(月)18:30
会場:神戸文化ホール(中)
あいり・de・オペラTEL.FAX/361-5056
映像で楽しむオペラ講座第48回
「カルメン」
ジョルジュ・ビゼー作曲
エレーナ・オブラスツォワ(カルメン)
プラシド・ドミンゴ(ドン・ホセ)
日時:3月13日(金)18:30
会場:サロン・ド・あいり
解説:竹山清明(オペラ大好き建築家)
料金:2,500円(食事・ワンドリンク付)
( 8 )
神戸芝居カーニバル実行委員会
TEL/090-1914-4907(中島)
「2014文忌」
①木津川計の一人語り劇場「父帰る」
②2014年をマルセ太郎なら
どう読み解いただろうか
日時:3月9日(日)13:30
会場:神戸アートビレッジセンター
料金:2,200円 会員2,000円
「松元ヒロ『笑』ライブ」
日時:4月13日(日)14:00
会場:伊丹AI・HALL
料金:2,500円 会員2,300円
「柳家小三治独演会」
日時:4月23日(水)18:30
会場:神戸新聞松方ホール
料金:4,500円 会員4,000円
NPO神戸100年映画祭
TEL/954-8044 FAX/954-8066
☆県美シネマクラシック
「若者たち三部作」
監督/森川時久
日時:3月21日(金・祝)
①10:30 「若者たち」67年
②13:00 「若者はゆく」69年
③15:30 「若者の旗」70年
会場:県立美術館ミュージアムホール
料金:1,300円(3本立て)
☆KEN-Vi名画サロン
「もうひとりの息子」 (12年フランス)
監督・脚本/ロレーヌ・レヴィ
日時:4月12日(土)
時間は未定
会場:県立美術館ミュージアムホール
料金:1,000円
神戸農村歌舞伎保存会
TEL.FAX/582-3030(静間)
「第23回全国地芝居サミットイン神戸」
4月19日(土)12:45~
上谷上農村歌舞伎舞台
演目:①甲緑子たから歌舞伎
②尾八重神楽「宿神」
③はことら座「鳴神」 ほか
4月20日(日)11:00~
下谷上農村歌舞伎舞台
演目:①白浪五人男 ②新口村
③南光子ども歌舞伎「三番叟」
④神戸すずらん歌舞伎
「伊勢音頭恋寝刀」ほか
ギャラリー島田
TEL.FAX/262-8058
B1F・1F
3月8日~19日 岡野耕三回顧展
又木啓子展-クエンカに生きてー
3月22日~4月3日
須飼秀和「私だけのふるさと」原画展
B1F
4月5日~16日 WAKKUN展
4月19日~30日 三沢かずこ展
1F
3月1日~6日 Collection Auction
2014 vol.2 現代美術篇
4月5日~10日 木村章子展
4月12日~17日
アンドレイ・ヴェルホヴツェフ展
4月19日~23日 友定聖雄展
4月26日~5月1日 ワタナベミキオ展
☆第270回火曜サロン
東日本大震災復興支援チャリティコンサート
「世界をつなぐ音楽の花束 part7
文化復興 想いは伝わる」
日時:3月18日(火)18:30
会費:2,500円
会場:神戸北野「RICORDIリコルディ」
藤田佳代舞踊研究所 TEL.FAX/822-2066
「創作実験劇場」
「福島の土の神よ 立ち上がれ」
「夜明けの詩」「Sun Power」他
日時:3月1日(土)17:30
会場:東灘区民センターうはらホール
料金:2,500円
本会のお知らせ
◎読書会
「ルネサンスとは何であったか」
塩野七生著(新潮文庫)
日時:3月17日(月)18:45
会場:ハーバーランド文化村「会」事務所
会費:300円(茶菓子付き)
連絡先:361-5056
◎サロン・ド・ほんま
このサロンは、話題提供者の話を聞い
て、教養を深めるとともに、互いに持ち
寄った一品を味わい交流する場です。
日時:3月8日(土)18:30
話題提供者:村上協三さん(昆虫研究家)
「昆虫大好き!街の博士」
会場:ハーバーランド文化村「会」事務所
会費:500円
連絡先:361-5056
( 9 )
いまどきの文化
シリーズNo.103
「モーツァルト像の舞台裏」
綜合芸術工房タレス代表 曽 根 保 彦
文化が人を創るのか?人が文化を創るのか?玉子と鶏の関係はなかなか難しい。レ
オポルド・モーツァルトがヴォルフガング・モーツァルトを創ったのか?ヴォルフガ
ングが父レオポルドの意志を引き継ぎ志を完成したのか?これも難しい判断を迫られ
るところだ。事実はモーツァルトの先祖たちの職業は職人が多いことを示している。
その頂点に立ったのがヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトなのだろう。
1991年11月神戸にモーツァルトのブロンズ像が東遊園地公園に建立された。世間は
「何故、神戸にモーツァルトなのか」と訝しがった。
私は当時元町商店街の5丁目で「アマデウス」というクラッシック喫茶店を経営し
ていた。人は商店街と店の発展のために神戸とモーツァルトを結びつけたのかと!今
あえて白状するが、この建設を思い立ったのはお客様であり、私はその先棒を担いだ
だけであった。ともあれ、ウィーンの役所と大使館との交渉等大変だった。時代は追
い風である。ウィーンのブルクガルデン公園の像も世界に一体だけなら出してもよい
との許可を取った。ところが「フーテンの寅さん」にレプリカを横取りされてしまっ
た。しかし、ウィーンの彫刻作家が見つかり、時間はかかるが製作依頼した。設置場
所が東遊園地公園に決まった経緯もハラハラした。しかし役所内ではウィーンを訪問
経験のある市長という味方がいた。
いよいよ11月2日文化の日の前日除幕式までこぎつけた。発起人の中に一人勇気の
ある人がおられお金の目処が立った。そこで最大の問題、「何故神戸にモーツァルト
なのか」という答えを出さねばならなかった。私は悠々たるそぶりでオーストリア大
使も迎えてマイクの前に立ち、「神戸は世間では“ジャズの街”と思われている。し
かし、この公園で外国人がスポーツを楽しんでいた頃の神戸は、つまり明治、大正の
世ではクラッシック音楽が主流だったのだ、多くの有名なクラッシック演奏家が神戸
で公演している。このたびのモーツァルトの像が立つのは文化の原点にかえることな
のだ。また記念像は世界で、3番目のもの、つまりザルツブルグ、ウィーン、そして
大西洋を越え、太平洋を越え、この神戸に建つのです。」とぶち上げた。そして、
「若い二人のデイトの場所となり、この像の前で“自分も日本のモーツァルトになる”
と決意される人物が現れんことを願う」と締めくくった。この挨拶はある学長から誉
められた。2011年、東遊園地は国指定の登録記念物となった。これで像は安泰という
ことか!
いかなる文化事業も当事者は大変な苦労をする。経済が主流の世の中では如何とも
しがたい。しかしである、“人はパンのみにて生きるにあらず”という謳い文句で生
きているのだ。
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