Baslerのカメラシリーズ dartと pulseの強力な機能

マーケティングノート
www.baslerweb.com
Baslerのカメラシリーズdartとpulseの強力な機能
人間の目に最適な画質に補正する効果的な機能がBaslerのカメラシリーズdartとpulseに搭載されました。このマーケティングノートではカメラ
の初期設定やその目的、そして各機能の詳細についてご説明していますが、Basler dart、pulseを多くの用途でご使用いただけるように、お使
いのマシンビジョンシステムの画質要件に合わせて各機能の設定を変更することも可能です。また、この記事では、使用シーンに応じた設定変
更の方法や変更が必要な設定に関してもご紹介していきます。
目次
2. カメラの新機能
1. カメラの初期設定.................................... 1
2.カメラの新機能...................................... 1
3. PGI................................................. 1
3.1 PGIによるノイズ除去...............................
3.2 シャープネスの向上...............................
3.3 5×5デベイヤリング................................
3.4 カラーアンチエイリアシング.........................
3.5 PGI機能をオフにする..............................
2
2
3
3
4
4. 逆光補正............................................ 4
5. アンチフリッカーフィルター............................ 4
Basler dart、pulseでは、開発の際に下記の画像補正機能がカメラ
のFPGA(集積回路)に組み込まれています。
„„PGI Feature Set:
„„ ノイズ除去
„„ シャープネス
„„ 5×5デベイヤリング
„„ カラーアンチエイリアシング
„„逆光補正
„„アンチフリッカーフィルター
3. PGI
1. Basler dart、pulseの初期設定
人間の視覚に合わせて開発されたBasler dart、pulseは、人間の目
に最適な画質を実現できるように初期設定がされているため、人間
の目で画像を評価する用途での使用に理想的です。そのような用途
では、ファクトリーオートメーションなどの場合と異なり、機械では
なく、人間の目で画像を検査します。人間の目と機械の目では画像の
見え方が異なります。人間の目の色覚に合うように、画像の色はあ
らかじめ最適な状態に調整されており、光源プリセット、ガンマ
値、PGIアルゴリズムなどの初期設定も、医療やリテール用途向けに
最適化されています。一方で、Basler aceなどの従来のマシンビジョ
ン(MV)カメラについては、
マシンビジョンシステムに合った初期設
定がされています。
Baslerが独自に開発した新機能PGIとは、ノイズ除去、シャープネス、
5×5デベイヤリング、カラーアンチエイリアシングを通じて画像を補
正する機能のことで、人間の視覚に合った最高画質を実現します。
ノイズ除去
5×5デベイヤリング
Basler dart、pulseを多くの用途でご使用いただけるように、お使
いのマシンビジョンシステムの画質要件に合わせて各機能の設定を
変更することも可能です。マシンビジョン用途では、これらの設定を
調整することで、個々の使用シーンに合わせて撮影画像を最適化で
きます。
シャープネス
カラーアンチエイリアシング
PGIはカメラのFPGAに組み込まれているため、カメラが起動するとオ
ンになります。カメラの設定をRAW Modeに変更することでPGIをオフ
にすることも可能です。PGIはピクセル形式を、
「BayerGB8」、
「BayerGB12」にすることでもオフになります。
工場やラボラトリーオートメーション用途で使用されるカメラはマシ
ンビジョンシステムで必要とされる生画像を生成しますが、これらの
画像に含まれるデータは全く処理がされていない状態になっていま
す。これは、撮影後に各用途に応じた画像分析を行う際にカメラの
外部で処理を行うためです。このような生画像撮影用のモード(RAW
Mode)を初期設定しておくこともできるため、各用途の要件に合わせ
てカメラを正確に機能させることが可能になっています。
1
PGIがオフになるピクセル形式の変更例(Basler
Suiteを使用した場合):
pylon
Software
3.2 PGIによるシャープネスの向上
撮影した画像の再現性を決定するシャープネスは、画質を左右する
最も重要な要素であるといえます。
Basler dart、pulseに内蔵されているPGIのシャープネスアルゴリズ
ムは 、輪郭をくっきりと表示することで分析の精度を向上させます。
さらに、コントラストも改善するため、撮影範囲にある非常に細かい
形状まで捉えられるようになります。
PGIによるシャープネス補正がない場合
3.1 PGIによるノイズ除去
PGIによるシャープネス補正がある場合
デジタルノイズはアナログノイズとして知られているフィルムグレイン
に見た目がよく似ており、照明条件が悪い場合によく発生します。標
準偏差を大幅に減少させるPGIのノイズ除去アルゴリズムは、暗い場
所での撮影に効果的です。
一般的なノイズ除去
PGIによるノイズ除去
PGIのノイズ除去機能は単独で設定変更ができないため、PGIが起動
している間は常にオンになっています。そのため、ノイズ除去が不要
な場合は、前述の方法でピクセル形式を変更する必要があります。
2
シャープネスの度合いは、
「Sharpness Enhancement」
(シャープネ
ス補正)と呼ばれる別の機能で直接調整できます。
3.2.1 コントラスト補正
画像の明暗をはっきりさせるために、dartとpulseには撮影した画像
のコントラストを補正する機能が内蔵されています。
PGIの5×5デベイヤリングでは輪郭が滑らかになっています
この機能は画像処理パイプラインの構成要素の一つであるため、常
に機能しており、オフにすることはできません。
3.4 PGIによるカラーアンチエイリアシング
Basler PGIによるコントラスト補正
コントラストの度合いは、pylon Software SuiteやSDKを通じて直接
調整できます。
画像の細部まで捉えて色の滲みを防止する新しいアンチエイリアシ
ングアルゴリズムでは、特にモノクロの細かい形状を高いコントラス
トで再現できます。この機能は、物流におけるバーコードの読み取り
や高度道路交通システムにおけるナンバープレートの読み取りな
ど、光学文字認識(OCR)が重要となる用途で特に威力を発揮しま
す。
通常の画像にはエイリアシング効果(オレンジとブルー)が見られます
3.3 PGIによる5×5デベイヤリング
従来のデモザイクよりも高い画質を実現するPGIの5×5デベイヤリン
グにより、輪郭や図形の線の再現性が向上しました。のこぎり刃現
象も大幅に低減されており、不具合の少ない高画質な画像を撮影で
きます。
PGIを使用した画像では細部まで正確に再現されています
カラーアンチエイリアシング機能は単独で設定変更ができないた
め、PGIが起動している間は常にオンになっています。
通常の2×2デベイヤリングではジャギーなどの不具合が見られます
3
3.5 PGI機能をオフにする
5. アンチフリッカー
PGI機能をオフにしたい場合は、ピクセル形式を、
「BayerGB8」、
「BayerGB12」など他の形式に変更する必要があります。この設定は
ユーザーテンプレートとして保存しておくことができます。標準設定
として使用するには、Basler pylon Software SuiteやSDKで初期設
定されているユーザーテンプレートを上書きしてください。
フリッカーは、発光周波数が50Hzまたは60Hzの条件で撮影を行う
際に発生する現象で、画像ごとに撮影結果が大きく異なってしまい
ます。Basler dart、pulseは主に屋内で使用されるため、自動補正
機能として50Hz・60Hz向けアンチフリッカーが搭載されています。
自動補正機能の電源周波数は、ご使用地域に応じて「Anti Flicker
50 Hz」または「Anti Flicker 60 Hz」に設定可能です。これらの設
定を調整することで、撮影した画像のフリッカーを大幅に低減でき
ます。
アンチフリッカーは、pylon Software SuiteやSDKを通じて直接調
整できます。
変更が可能な初期設定の詳細やユーザーテンプレートに関する推
奨事項については、Basler dart・Basler pulseの取扱説明書およ
びBasler pylon SDKでご覧いただけます。
4. 逆光補正
通常、撮影対象物の後ろに強い光源がある画像では、対象物がシル
エット状に表示されます。そのような場合は、逆光補正を使用して画
像全体の露光を調整することで、手前の対象物を適切に浮かび上が
らせることができます。
逆光補正は、カメラが最適な撮影条件を判断し、光の強さを自動的
に必要な水準にまで補正できるようにするために開発されました。
アンチフリッカーなし
逆光補正なし
アンチフリッカーあり
逆光補正あり
逆光補正の度合いは、pylon Software SuiteやSDKを通じて直接調
整できます。
Basler dart、pulse
4
連絡先
筆者
Denis Dettmer
プロダクトマネージャー
Basler AGのプロダクトマネージャー。前
職では、POSシステムと銀行システムを取
り扱うメーカーの営業・マーケティング担
当やドイツの大手銀行協会におけるカメラ
付きセルフサービスシステムのプロダクト
マネージャーを歴任したほか、IT関連業
務の委託先で有資格エンジニアやプロジェクトマネージャーとして業
務に従事。
プロダクトマネージャー
Denis Dettmer
Tel:+49 4102 463 375
Fax:+49 4102 463 46375
Eメール:[email protected]
Basler AG
An der Strusbek 60-62
D-22926 Ahrensburg
Germany
現在は業務プロセスに関する知識や業界での経験を生かし、医療・
ライフサイエンス業界向けのボードレベルカメラに関する情報や提
案を世界中のBaslerの顧客に提供。
社内ではプロダクトマーケットマネージャーとして顧客のニーズや技
術要件を集約し、ボードレベルカメラの導入の可能性について製品
管理レベルで分析するなど、医療・ライフサイエンスの垂直市場にお
けるボードレベルカメラの短期から将来までを含めた業務展開を担
当。
Basler AG
Baslerは産業、リテール、医療機器、交通システムなど幅広い分野で
使用されているデジタルカメラの製造で業界をリードするグローバ
ル企業です。業界のニーズに合った製品設計をモットーに、優れた
画質はもちろん、取り付けが簡単でコンパクトなカメラを提供するこ
とで、高いコストパフォーマンスを実現しています。1988年の設立以
来、25 年以上にわたりマシンビジョン業界に従事してきたBasler
は、約500名の従業員を有し、ドイツ・アーレンスブルクの本社のほ
か、ヨーロッパ、アジア、北米・南米にも拠点を展開しています。
© Basler AG, 02/2016
法的責任の免責事項およびプライバシーに関する声明についてはwww.baslerweb.com/disclaimerの情報をご覧下さい
Basler AG
ドイツ、本社
USA
アジア
Tel. +49 4102 463 500
Tel. +1 610 280 0171
Tel. +65 6367 1355
Fax +49 4102 463 599
Fax +1 610 280 7608
Fax +65 6367 1255
[email protected]
[email protected]
[email protected]
www.baslerweb.com