介護保険制度 高齢化が進んでいるわが国では,今後、寝たきりや痴ほうの高齢者 が急速に増えることが見込まれます。 このような社会状況のなか,国民の老後生活の最大の関心事となっ ているのが介護の問題です。介護を社会全体で支えるために始まった のが,「介護保険制度」です。 今後,急速な増加が見込まれる介護費用を将来にわたって国民全体 で公平にまかない,利用者の希望を尊重した総合的なサービスが受け られる仕組みである介護保険制度についてご紹介します。 ●高齢化と介護 急速に進む高齢化に伴い,介護を要する高齢者の介護の程度が重く なったり,介護の期間が長期に及ぶなど、家庭での介護の負担が増大 してきています。また,少子化も進み、高齢者が高齢者を介護してい る割合も高くなってきており,家族だけで介護することは,非常に難 しくなってきています。そこで、社会全体で高齢者介護を支援するた めの【介護保険制度】が必要になったのです。 ●被保険者(加入する人) ▼ 第 1 号 被 保 険 者 ・・・ 65 歳 以 上 の 人 ▼ 第 2 号 被 保 険 者 ・ ・・ 40 歳 以 上 65 歳 未 満 の 人 で , 医 療 保 険 に 加 入 し ている人 ●介護サービスを申請できる人 第 1 号 被 保 険 者 ( 65 歳 以 上 の 人 ) ▲寝たきりや痴ほうなどで,入浴,排泄,食事などの日常の生活 動作について常に介護が必要な人 ▲家事や身支度などの日常生活に支援が必要な人 第 2 号 被 保 険 者 ( 40 歳 以 上 65 歳 未 満 の 医 療 保 険 加 入 者 ) ▲初老期痴ほう,脳血管疾患など老化に伴う特定疾病によって介 護や支援が必要となった人 ●利用手続き ①市に認定申請 本人や家族が,市の窓口で申請をします。 居宅介護支援事業者などが代わって申請を 行うこともできます。(必ず主治医と連絡を とり,必要があれば受診してください。) ②訪問調査等 認定申請を受けて介護認定調査員が訪問 し,食事や入浴といった日常生活動作等につ いて,本人や介護をしている家族などと面接 して調査します。 あわせて,主治医に意見書を求めます。 ③介護認定審査 会 訪問調査の結果や主治医の意見書などをも と に , 介 護 が 必 要 か ど う か を 保 健 ・医 療 ・福 祉 の専門家で構成する介護認定審査会で審査判 定します。 ④ 認 定 (通 知 ) 審査判定結果にもとづいて,南薩介護保険 事 務 組 合 が 認 定 し , 原 則 と し て 申 請 日 か ら 30 日以内に本人に通知します。 ⑤介護サービス 在宅でのサービスを希望される場合,原則 計 画 (ケ ア プ ラ として本人や家族の希望を尊重して,居宅介 ービスの提供 ャー)が介護サービス計画を作成し,この計 ン )の 作 成 及 び サ 護支援事業所の介護支援専門員(ケアマネジ 画に基づきサービスが提供されます。 また,施設でのサービスを希望される場 合,入所する施設の介護支援専門員等が介護 サービス計画を作成し,この計画に基づきサ ービスが提供されます。 認定には有効期限(原則 6 ヶ月)がありますので,有効期限終了日 の 6 0 日 前 ~ 30 日 前 に 更 新 手 続 き を 行 っ て く だ さ い 。 なお,心身の状況に変化がある場合は,有効期限に関係なく随時, 認定の変更のための申請ができます。 ●介護保険の保険料 まず,全体でどれだけの費用がかかるか(100%)の予測をしま す。そこから公費負担分(50%)と第 2 号被保険者の保険料分(3 2%)を差し引くと,第1号被保険者の保険料分(18%)が算出さ れます。 この額を所得の状況ごとに5段階に分けた第1号被保険者数の見込 み数で割ると保険料第3段階の区分「基準額」となります。 第1号被保険者(65歳以上の人)の保険料 【所得に応じた保険料の額】 所得状況に応じて,次のような対象者ごとに5段階に区分されてい ます。 段 階 第 1 段階 第2段階 第3段階 第4段階 第5段階 対象者及び保険料の計算方法 老齢福祉年金受給者で世帯全員が住民税 非課税又は生活保護受給者 世帯全員が住民税非課税 本人が住民税非課税 保 険 料 (年 額 ) 16年度 基 準 額 ×0.5 基 準 額 ×0.75 基 準 額 ×1 本人が住民税課税者で合計所得が200 万円未満 基 準 額 ×1.25 万円以上 基 準 額 ×1.5 本人が住民税課税者で合計所得が200 21,900 円 32,850 円 43,800 円 54,750 円 65,700 円 【保険料の納め方】 徴収の方法には,特別徴収と普通徴収の 2 通りがあります。 ▼ 特 別 徴 収 ( 老 齢 ・ 退 職 年 金 が 年 額 18 万 円 以 上 の 人 ) 各年金保険者(社会保険庁や共済組合など)が介護保険被保険 者の老齢・退職年金から介護保険料を控除し、市に納入するもの で,介護保険料を差し引いた額の年金が支給されます。 ▼普通徴収 年 金 支 給 額 が 年 額 18 万 円 未 満 の 人 や 特 別 徴 収 の 対 象 と な ら な い年金(障害年金,遺族年金など)だけを受給している人等につ いて,納付書を送付し,介護保険料を個別に金融機関等で納付し ていただくものです。(口座振替もご利用できます。) 《特別徴収(仮徴収)》 介護保険料を計算する元になる住民税が6月頃に確定するため, 特別徴収の場合は,4月,6月,8月に差し引かれる介護保険料 は仮徴収ということになります。 各月の仮徴収額は前年度の2月分の保険料と同額となります。 住民税が確定した後,当該年度分の介護保険料が確定しますの で , 仮 徴 収 で 納 め た 保 険 料 を 確 定 保 険 料 か ら 差 し 引 い て , 10 月 , 12 月 , 翌 年 2 月 に 分 割 し て 納 め て い た だ く こ と に な り ま す 。 【普通徴収の口座振替】 普通徴収の人は,口座振替をご利用できます。 各納期に自動的に引き落とされますので,納め忘れもなく,便利で 安心です。 被保険者証,納入通知書,預金通帳,印鑑を持って,市役所税務課 または口座のある金融機関(指定及び収納代理金融機関に限る)か郵 便局で手続きをしてください。 ご夫婦の場合は,それぞれの口座で申し込んでください。 【保険料の減免】 第1号被保険者が次のいずれかに該当し,保険料の納付が困難と認 められる場合,一定の基準の範囲内で保険料の減免を受けることがで きます。 (1)第1号被保険者又はその属する世帯の生計を主として維持する 者が,震災,風水害,火災その他これらに類する災害により,住宅, 家財叉はその他の財産について著しい損害を受けた場合。 (2)第1号被保険者の属する世帯の生計を主として維持する者が, 死亡したこと又はその者が心身に重大な障害を受け,若しくは長期間 入院したことにより,その者の収入が著しく減少した場合。 (3)第1号被保険者の属する世帯の生計を主として維持する者の収 入が,事業又は業務の休廃止,事業における著しい損失,失業等によ り著しく減少した場合。 (4)第1号被保険者の属する世帯の生計を主として維持する者の収 入が,干ばつ,冷害,凍霜害等による農作物の不作その他これに類す る理由により著しく減少した場合。 【保険料の徴収猶予】 保険料の減免に準じて,徴収猶予を受けることもできます。徴収猶 予期間は,6月以内で,納付することができないと認められる金額を 限度とします。 第 2 号 被 保 険 者 ( 40 歳 以 上 65 歳 未 満 の 医 療 保 険 加 入 者 ) の保険料 保険料額は加入している医療保険ごとに定められた算定方法により 決められます。 支払方法は医療保険料(税)と一括して加入している医療保険者に 支払っていただきます。 詳しくは,加入している医療保険者へお問い合わせください。 ●利用者負担 要介護認定を受けた人は,要介護度ごとに定められた限度額の枠内 でサービスを受けることになりますが,かかった費用の1割を負担し ていただきます。(表1参照) 介護保険施設に入所している場合には,1割の負担に加えて医療保 険と同様に食費についてもその一部を負担していただきます。(表2 参照) 表1 サ ー ビ ス の 上 限 及 び 利 用 者 負 担 額 (在 宅 ) 居 宅 サ ー ビ ス (1 か 月 ) 状 態 区 分 (利 用 者 負 担 額 ) 61,500円 要支援 (6,150円) 165,800円 要介護1 (16,580円) 194,800円 要介護2 (19,480円) 267,500円 要介護3 (26,750円) 306,000円 要介護4 (30,600円) 要介護5 表2 358,300円 (35,830円) 平 均 利 用 額 及 び 利 用 者 負 担 額 (施 設 ) 平 均 利 用 額 (1 か 月 ) 施 設 種 別 (利 用 者 負 担 額 ) 介護老人福祉施設 323,000円 (特 別 養 護 老 人 ホ ー ム ) (4 9 , 5 0 0 円 ) 介護老人保健施設 353,000円 (老 人 保 健 施 設 ) (5 2 , 4 0 0 円 ) 介護療養型医療施設 426,000円 (療 養 型 病 症 群 等 ) (5 9 , 1 0 0 円 ) ●介護保険によるサービス ①在宅サービス サ ー ビ ス 訪問介護 (ホームヘルプサービス) 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハビリテーション 通所介護 (デイサービス) 通所リハビリテーション (デイケア) サ ー ビ ス の 内 容 訪 問 介 護 員 (ホ ー ム ヘ ル パ ー )や 介 護福祉士などが家庭を訪問して,食 事,入浴,排泄の介助や,炊事,掃 除,洗濯といった日常生活の手助け を行います。 入浴が困難な寝たきりの高齢者な どの家庭を,入浴設備や簡易浴槽を 積んだ移動入浴車などで訪問し,入 浴の介助を行います。全身入浴のほ か,希望により部分浴や清拭も利用 できます。 訪問看護ステーションの看護師, 保健師などが家庭を訪問して,主治 医と連絡をとりながら病状を観察し たり,入浴や排泄の介助,床ずれの 手当てなどを行います。 理学療法士や作業療法士などが家 庭を訪問して,日常生活の自立を助 けるための主治医の指示にもとづい たリハビリテーション(機能訓練) を行います。 デイサービスセンター(日帰り介 護施設や特別養護老人ホーム)など に通い,食事,入浴の提供や日常動 作訓練などが受けられます。 介護老人保健施設や医療機関に通 い,理学療法士や作業療法士による できる限り自立した日常生活を送る ためのリハビリテーションを受ける ことができます。 短期入所生活介護 (介護老人福祉施設などに おけるショートステイ) 短期入所療養介護 (介護老人保健施設などに おけるショートステイ) 痴呆対応型共同生活介護 (痴呆性老人のグループホ ーム) 特定施設入所者生活介護 福祉用具貸与 福祉用具購入費の支給 住宅改修費の支給 居宅療養管理指導 居宅介護支援 短 期 間 , 介 護 老 人 福 祉 施 設 (特 別 養 護 老 人 ホ ー ム )な ど を 利 用 し て , 食事,入浴,排泄など日常生活上の 介護などのサービスを受けることが できます。 短 期 間 , 介 護 老 人 保 健 施 設 (老 人 保 健 施 設 )な ど を 利 用 し て , 食 事 , 入浴,排泄など日常生活上の介護や 機能訓練などのサービスを受けるこ とができます。 痴呆の状態にある高齢者などが, 少人数(5~9人)で共同生活をし ながら,介護スタッフによる食事, 入浴,排泄など日常生活の支援や機 能訓練を家庭的な環境のもとでサー ビスを受けることができます。 有料老人ホーム,軽費老人ホーム (ケアハウス)などに入所している 高齢者などは,介護サービス計画 (ケ ア プ ラ ン )に も と づ く 食 事 , 入 浴,排泄の介助や機能訓練,療養上 の世話を受けることができます。 心身の機能が低下した高齢者に, 車いすやベッドなど日常生活の自立 を助ける用具を貸与します。 心身の機能が低下した高齢者に, ポータブルトイレや簡易浴槽など排 泄や入浴に用いる用具の購入費の一 部を支給します。 心身の機能が低下した高齢者など が住む住居の安全を確保するため, 段差を解消したり廊下や階段に手す りをつけるといった小規模の改修費 の一部を支給します。 医師,歯科医師,薬剤師などが家 庭を訪問して,医学的な管理や指導 を行います。 都道府県の指定を受けた,介護支 援専門員(ケアマネジャー)がいる 事業所です。要介護認定の申請の代 行や,家庭で介護を受ける高齢者等 の心身の状況,希望などを踏まえ, 介護サービス計画を作成するととも に,サービス提供機関との連絡調整 を行います。 ②施設サービス サ ー ビ ス 介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム) 介護老人保健施設 (老人保健施設) 介護療養型医療施設 (療養型病床群など) サービスの内容 入所者に,施設介護サービス計画 にもとづく食事,入浴,排泄などの 介助,日常生活上の世話,機能訓 練,健康管理などのサービスを行い ます。 入所者に,施設介護サービス計画 にもとづく医療,看護,医学的管理 下での介護,機能訓練や日常生活上 の世話などのサービスを行います。 入院者に,施設介護サービス計画 にもとづく医療,療養上の管理,看 護,医学的管理下での介護,機能訓 練などのサービスを行います。 ③高額介護サービス費 同一世帯の1ヶ月の利用者負担(保険給付費用)の合計額が下表 のとおり一定の限度額を超えたときは,申請すると,その超えた額 が払い戻されます。ただし,施設入所,入院中の食事代は含まれま せん。(該当者には通知します。) 区 分 老齢福祉年金受給者で,世帯 全員が市民税非課税の人など 市民税世帯非課税者など 上記以外の人 ・申請に必要なもの 自己負担限度額 15,000 円 24,600 円 37,200 円 領収証,印鑑,お知らせの文書,本人名義の預金通帳(郵便局は 不可) 申請から,払い戻されるまで1ヶ月程度かかります。 詳しくは,窓口までご相談ください。 ④介護保険施設に入所するときの食事代(標準負担額) 特別養護老人ホームなどの介護保険施設に入所・入院中の食事代 として利用者が負担する額は1日780円です。ただし,下表のよ うに減額される場合があります。 対象と思われる方は,市役所 窓口へ申請してください。 福祉事務所 高齢者介護保険係 対 象 と な る 人 食 住民税世帯非課税者など 事 代 500円 老齢福祉年金受給者で世帯全員が住民 300円 税非課税又は生活保護受給者 ・申請に必要なもの 介護保険被保険者証,印鑑 ●国の特別対策 【低所得者の利用者負担軽減など】 低所得者に対して,次のような利用者負担の軽減制度があります。 対象と思われる方は,市役所 福祉事務所 へ申請してください。 高齢者介護保険係窓口 (1 )施 行 時 訪 問 介 護 ( ホ ー ム ヘ ル プ サ ー ビ ス ) 利 用 者 平 成 11 年 4 月 1 日 ~ 12 年 3 月 31 日 ま で に ホ ー ム ヘ ル プ サ ー ビスを無料で利用していた場合,ホームヘルプサービスの利用 者 負 担 が 6 % で , 平 成 17 年 度 か ら 1 0 % に な り ま す 。 年 度 利用者負担 16 年 度 6% 17 年 度 10% (2 ) 障 害 者 や 難 病 患 者 な ど (* ) 障 害 者 施 策 に よ る ホ ー ム ヘ ル プ サ ー ビ ス を 無 料 で 利 用 し て い た人などについて,ホームヘルプサービスの利用者負担は3% になります。 年 度 利用者負担 16 年 度 3% 17 年 度 見直し *次の①~③のいずれかに該当する人 ① 65 歳 に 到 達 す る 前 1 年 間 に , 障 害 者 施 策 な ど に よ り ホ ー ム ヘ ル パ ー を 派 遣 さ れ た こ と の あ る 人 が , 65 歳 に な っ て 介 護 保 険が適用になった場合。 ②法が施行される時にホームヘルプサービスを利用していた 65 歳 以 上 の 障 害 者 の う ち , 6 5 歳 以 前 の 障 害 を 原 因 と し て 手 帳の交付を受けている場合。 ③ 40 歳 か ら 64 歳 ま で の 人 で , 特 定 疾 病 に よ っ て 生 じ た 身 体 上又は精神上の障害が原因で,要介護又は要支援の状態とな った場合。 ※介護保険全般とサービスの利用については, 枕崎市役所 TEL 市民部 福祉事務所 0993-72-1111 ※介護保険料の賦課のことについては, 枕崎市役所 TEL 市民部 税務課 課税係 0993-72-1111 ※介護保険料の納入のことについては, 枕崎市役所 TEL 市民部 税務課 高齢者介護保険係 内線(131・132) 内線(154・155) 管理収納係 0993-72-1111 内線(152・153)
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