サンフランシスコ湾岸地域のゼロウエイスト動向 ~現地視察及び情報交流を通じて

環境行 政改革 フォーラ ム論文 集 Vol.1 No.2
サンフランシスコ湾岸地域のゼロウエイスト動向
~現地視察及び情報交流を通じて~
池田こみち(環境総合研究所)、青山
貞一(武蔵工業大学環境情報学部)
注 ) 本 報 告 は 、 2008年 3月 の カ リ フ ォ ル ニ ア 州 視 察 調 査 を も と に と り ま と め た も の で あ る 。 写 真 は い ず れ も そ の 際 に 撮 影 し た も の 。
●訪問先1:サンフランシスコ市 City of San Francisco
うやく 決 着し たよう だ。 レジ袋 禁止条 例は、 サン
サン フラ ンシ スコ 市はベイエリアでも最も早く
フラン シ スコ からは じま り、ボ ストン やポー トラ
ゼロ・ ウェ イス トに 向けた取り組みを始めたリー
ンド、 フ ェニ ックス など 米国各 地にも 広がり 、今
ダ ー 格 で あ る 。 人 口 お よ そ 80 万 人 の 同 市 は 、 カ
やパリ や ロン ドンか らも ノウハ ウを求 めにく るほ
リフォルニア州法が定めた目標(リサイクル率
ど世界的な広がりを見せているという。
50 % 達 成 ) を 実 現 す る た め 、 い ち 早 く 条 例 を 制
そし て 、成 功の秘 訣は 、なに よりも ごみの 半分
定し、 2010 年 までに 75 % のリサイクルを実現す
近くを 占 めて いた生 ごみ (有機 物)を 分別し 、堆
ること を義 務づ け着 実な取り組みを開始した。既
肥化を 進 めた ことだ 。ノ バスコ シア同 様に、 生ご
に事業 系一 般ご みに ついては、その目標を達して
みはグ リ ーン カート 、資 源物は ブルー カート 、埋
いると いう 。今 回は 、サンフランシスコ市の担当
め立て ご みは ブラッ クカ ートの 3分別 を徹底 した
者を訪 ね、 直接 その 意気 込みと現状を取材した。
ことで あ る。 市役所 は仕 組みを 作り、 市民や 事業
担当 者: 環境 ・廃 棄物・リサイクル・ゼロ・ウ
者に徹 底 して 情報提 供、 教育を 行い、 実際の 事業
は民間 が 行う という ノバ スコシ ア同様 のシス テム
ェイスト部門調整官 Kevin Drew 氏
が機能している。
ヒアリングテーマ
我々は焼却に依存
( 1 )サ ン フ ラ ン シ ス コ 市 の 廃 棄 物 ・ リ サ イ ク ル
する日本の実態を説
政策、施策の歴史
明 し 議 論 し た。
( 2 )サンフランシスコ市のゼロウエイスト政策
Kevin 氏 は 「 こ ん な
と具体的実践
( 3 )脱焼却、脱埋め立ての経緯
に燃やしている日本
( 4 )生ゴミ、有機物の堆肥化、各種容器デポジ
はもうどうしようも
ない!」と頭を抱え
ット化、ポリ袋禁止政策
( 5 )ゼロウエイスト政策と市民活動支援
Kevin氏 へ の イ ン タ ビ ュ ー
て下を向いてしまっ
た。サ ン フラ ンシス コ市 に「焼 却処理 」とい う選
埋め 立て をな くし 、資源をリサイクル・リユー
択肢は 全 くな かった のか を尋ね ると、 彼はは っき
スする ため の仕 掛け を怒濤のようにまくし立てる
り次のように答えた。
Kevin 氏 は、民間の環境 NGO の 出身である。今は
「将来、焼却処理という選択肢は残されている。
市役所 の職 員だ が、 カナダでもこうした人材の流
しかし 、 それ は最後 の選 択であ り、そ れを選 ぶ前
動性が 硬直 化し た役 所の体質を変え、ごみ問題の
にやる こ と、 やれる こと がたく さんあ る。今 まで
ように 市民 に密 着し た政策を進める上でとても大
埋め立 て てき たごみ を分 別し、 徹底的 に資源 化を
きな役割を果たしているという。
進め、 処 理し にくい 物を 減らす こと、 それに よっ
もっ とも 印象 的か つ衝撃的なエピソードは、レ
て埋め 立 て量 を圧倒 的に 減らす ことが でき、 コス
ジ袋廃 止に 向け た取 り組みである。ノバスコシア
トも削減できる。」と。
では飲 料容 器の デポ ジット制導入をめぐり、大手
飲料メ ーカ ーが 州政 府を訴え、最高裁で州政府が
●サンフランシスコのゼロ・ウェイスト政策とは
勝利し たと いう 快挙 があったが、ここでは、レジ
廃棄 物 は「 出る物 だか ら、処 理する 」とい う考
袋メー カー が市 を訴 える という事態に発展した。
え方の 元 、ど んなに 費用 がかか ろうと 、どん ない
結局 、市 は大 手ス ーパーでのプラスチック製レ
資源が 無 駄に なろう と、 日本で は収集 、焼却 、灰
ジ袋の 使用 を禁 止す る条例を可決し、大論争とな
の埋立が当たり前のように続けられている。
ったが、 2008 年 3 月 27 日 に条例が可決され、よ
サン フ ラン シスコ 市で は、廃 棄物政 策の理 念と
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環境行 政改革 フォー ラム論 文集 Vol.1 No.2
米国には「環境正義」
して次 のよ うな 方向 性を 明確に打ち出している。
と い う こ と ば が あ る が、
以下、市の広報ページより引用(翻訳:池田)
彼らはまさにその環境
みなさん、何も埋立地や焼却炉に行かない社会、と
正義実現のため、日々
いうのを想像できますか。私たちは、それは可能だと考
闘 っ て い る の で あ る。
え て い ま す 。 そ し て 、 市 民 ・ 事 業 者 ・ 行 政 の 各 分 野に お
米国の場合、環境正
義 の 対 象 と な る の は、
いてそれが実現できるよう、やれることはすべてやって
Green Action Officeに て
い こ う と し て い る の で す 。 そ の 結 果 、 2010年 ま で に 埋 立
黒人、 ア ジア 系アメ リカ 人、社 会経済 的に貧 困な
ご み を 75% 削 減 、 2020年 ま で に ゼ ロ ・ ウ ェ イ ス ト 達 成 と
人々で あ り、 メンバ ーも ブラッ ドリー さん以 外は
い う 目 標 に 向 け て 着 実 に 歩 み を 進 め 、 現 時 点 (2007年
皆、マイノリティ系のアメリカ人であった。
一通 り 、設 立の経 緯や 組織、 活動の 状況な どに
度)で69%まで到達し ています。
第 一 目 標 の 75% 削 減 を 達 成 す る た め に は 、 消 費 者 の
ついて 説 明を 受けた あと 、市内 の主要 なスポ ット
責任 を さ ら に徹 底 し て い く必 要 が あ り ま す 。 そし て 、最終
を案内 し ても らうこ とと なった が、そ の前に 、ご
目標であるゼロ・ウェイスト(ごみ・ゼロ)に到達する
み問題 に つい ての非 常に わかり やすく かつ重 要な
ためには、生産者責任の徹底が求められます。すなわ
アニメがあるので、ぜひみてほしいと紹介された。
ち、製造業者や流通業者は、ものが消費されたあと何
そのアニメのタイトルは、「 Story of Stuff 」 、直
が起こるかを考えて商品の設計見直しを責任を持って行
訳すれば、「物のお話」、とでも言うのだろうか、
う必要があるのです。
多くの ス タッ フと財 団な どから の財政 支援を 受け
サ ン フラ ンシ スコ 市 内 のレ ス トラ ンでは 、 使 い 捨 て の容
て 、 ア ニ ー ・ レ オ ナ ー ド さ ん ( Ms. Annie
器ではなく、堆肥化可能な容器あるいは、再資源化が
Leonard ) が作成したもので、すでに 200 万 回以上
可能な 容器のみ が使 われるように、ご協力下さい。
のアク セ スが あり、 世界 中の人 々に見 られて いる
という環境教育のためのプログラムでもある。
●訪問先2:Greenaction
日 本 か ら も 誰 で も 以 下 の URL に ア ク セ ス す れ
http://www.greenaction.org/
議論相手:代表 Bradley Angel 氏 他スタッフ
ば 見 る こ と が で き る 。 た だ し 、 PC 用 ス ピ ー カ ー
テーマ:
をつけ 音 声が よく聞 き取 れるよ うにし てから 見て
欲 し い !! 英 語 の 勉 強 ( リ ス ニ ン グ ) に は 最 適 だ。
( 1 )サ ン フ ラ ン シ ス コ ・ ベ イ ・ エ リ ア に お け る
環境正義( Environmental Justice ) 活動
http://www.storyofstuff.com/
内容 は 、大 量生産 ・大 量消費 ・大量 廃棄の 一方
( 2 )サ ンフランシスコ、米国、世界各地域にお
け る廃 棄 物の「 脱焼 却」 、「脱埋立」などゼ
通行が ど れほ ど地球 上の 資源を 浪費し 、格差 を生
ロウエイストに向けての実践活動
み出し 、 環境 を汚染 して いるか をわか りやす く解
( 3 )サンフランシスコ、米国、世界各地域にお
説した も ので ある。 改め て、先 進国に 暮らす 私た
け る大気 汚染、 土壌 汚染な どによ る健康被
ちの生 活 が「 物」に 埋め 尽くさ れそれ に支配 され
害 への 環 境監視 、モ ニタ リング活動の実践状
ている か 、そ してあ らゆ る「無 駄」が 地球環 境を
況把握
蝕んでいるかを解いている。
( 4 ) GCM ( Global Community Monitor ) 活動と
● 訪 問 先 3: バ ー ク レ ー 市 の 民 間 リ サ イ ク ル 施 設
バ ーク レ ー地域 にお ける 具体的活動と方法の
状況把握
3R Urban Ore Reuse Recycle Facility
West Berkeley Community Air Monitoring Project
サン フラ ン シスコ 市の ゼロ・ ウェイ スト政 策は
( 5 )日 米に おけ る環 境正義、環境モニタリング、
圧倒的 に 市民 の支持 を得 ている。次に私たちは、
「 都 市 鉱 山 ( Urban Ore ) 」 と 名 付 け ら れ た 民 間
ゼロウエイスト
のリサ イ クル 施設を 訪問 した。 そこは 、とて つも
Greenaction は 、 元 グ リ ー ン ピ ー ス メ ンバ ーら が
なく広いがらくた置き場のようだが、中に入ると、
中心と なっ て、 米国 南西部における健康と環境正
不用品 と して 持ち込 まれ たもの たちが 、整理 され
義を守る闘いを展開してきた NGO で ある。
て再び商品として並べられている。
恰幅 の よい 女性( 経営 者)が 説明に 出てき てく
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環境行 政改革 フォーラ ム論文 集 Vol.1 No.2
経営者と記念撮影
れた。自信に満ち溢れ
ドア類 は 狭い エリア に多 くを収 納でい るので 、金
ている。まず、もの
属類と 並 んで 面積あ たり の売り 上げに 寄与し てい
(ある人にとっての不
るという。
要品)がこの“鉱山”
会社 の 土地 は、借 地の ため借 地権と 税金で 、月
に入ってくる入り口か
額 23,000 ド ル の 経 費 が か か る と の こ と だ が こ の
ら案内しよう、と私た
規模の リ サイ クル施 設は 市にと っても その目 標を
達成する上で貴重な存在であることは間違いない。
ちを連れて行った。そこ
は、一 般市 民も 家の 建替えや引越しなどで不要と
今で は 、長 年培っ てき たノウ ハウを 周辺ば かり
なった もの を持 ち込 んでくる。また、自社で粗大
でなく 、 オレ ゴンな ど遠 方の地 域にも 教えに 行っ
ゴミを 引き 取っ てく る場合もあるという。持ち込
たり、 ま た学 びに来 ると のこと で、ま さに先 駆者
まれた もの は、 種類 ごとに分け、清掃・修理、値
として の 役割 を果た して いる。 ご夫婦 ともと ても
段付け を行 って 、陳 列エリアのしかるべきコーナ
明るく て 元気 のよい 、ミ ッショ ンをも った経 営者
ーに並べられる。
である 。 彼ら に日本 のご み焼却 の実態 を説明 する
屋外 には 、便 器、 バスタブ、ドア、サッシ、タ
と 、 SF 市 当 局 が 提 案 し て き た ベ イ エ リ ア へ の 焼
イル、ブロックなどがあり、屋内には家具、図書、
却炉立 地 計画 に対し てど のよう に阻止 してき たか
衣類、 家電 、台 所用 品などありとあらゆるものが
を誇らしげに語ってくれた。
並べら れて いる 。こ の施設(お店)を始めてから
● 訪 問 先 4:オ ー ク ラ ン ド 市 の ゼ ロ ・ ウ ェ イ ス ト 計 画
すでに 38 年 ほどが経過しているという。
バークレー市で
オークランド市の担当者にはランチを食べな
は昔からごみはす
がらお 話 をう かがっ た。 彼は市 のゼロ ・ウェ イス
べて湾岸エリアに
ト計画 案 を持 参され 、そ れにも とづい てオー クラ
埋め立てられてい
ンド市のゴミ事情、今後の計画を説明してくれた。
たが、埋め立てを
オーク ラ ンド のゼロ ・ウ ェイス ト政策 案は、 先行
中止するため、粗
する隣 の サン フラン シス コ市の ゼロ・ ウェイ スト
大ゴミの回収(サ
政策を 見 本と したも のだ が、オ ークラ ンドは サン
ルベージ)の権利
フラン シ スコ が大都 市で 商業と 住宅の 町であ るの
を市役 所が この 会社 に独占的に与えたことが最初
に対し 、 工業 ・物流 ・業 務を中 心とし たいわ ば工
のきっかけとなったという。
業都市 で ある ことも あり 、住民 のゴミ 問題に 対す
屋外陳列の様子(撮影:青山)
最初 は夫 婦二 人か ら始まった小さな会社だった
る意識 も サン フラン シス コに比べて遅れている。
が 今 で は 、 従 業 員 38 名 の 企 業 に ま で 成 長 し 、 従
それで も グリ ーンア クシ ョンや ガイア といっ た強
業員に は健 康保 険も 支払うほどの優良な企業とな
力 な 環 境 NGO が 近 く に あ る こ と も あ り 、 廃 棄 物
っている。
を燃や し て埋 める日 本の ごみ処 理とは 比べも のに
ならない。
バークレイだけでなく、湾岸エリアの市民にと
って貴 重な 資源 循環 の場となっているようだ。従
現段階では、サン
業員も 誇り を持 って 仕事をしている様子がみられ
フランシスコやカナ
た。た また ま店 を訪 れたお客(市民)も、お店と
ダのノヴァスコシア
経営者 のフ ァン だと 言い、このアーバン・オール
州のように、家庭か
の果たす役割を高く評価していた。
ら出る生ゴミの堆肥
化や飲料容器のデポ
この とこ ろの エネ ルギーの高騰や金属資源の逼
迫もあ り、 金属 類特 に、非鉄金属は高く売れるた
オ ーク ラ ン ド 市 政 策 担 当 者と
ジット など は取 り 入れ
め、特 別の エリ アで 厳重に管理されていた。ケー
オークランドにて
ていない。
ブルな どは 、最 近導 入したというご主人自慢の自
工業 地 域で もあり アメ リカの まちに よくあ る埋
動剥離 機に よっ て効 率的に中の銅線を選別し、資
め立て処理が中心となっている。
源とし て販 売し てい る。これらは、よりきめ細か
サン フ ラン シスコ やバ ークレ イには 若干後 れを
く選別 すれ ばす るほ ど、 高い値がつくのである。
取った が 、こ れから ゼロ ・ウェ イスト 計画の 実現
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環境行 政改革 フォー ラム論 文集 Vol.1 No.2
に向け て取 り組 んで 行くとのことで、今後の成果
ピース メ ンバ ーとし て参 加して いたネ ール・ タン
が期待できる。
グリ氏だったのだ。
2006 年 11 月 28 日 に策定されたゼロ・ウェイス
バークレー市はまさ
ト戦略 計画 によ れば 商業・業務・物流・業務など
に 3 万 3 千人の学生を
の 産 業 廃 棄 物 と 家 庭 系 廃 棄 物 を 合 わ せ 1990 年 当
擁するカリフォルニア
時 58 万 ト ン あ っ た 年 間 の ご み 処 理 量 は 2005 年
大学バークレー校のキ
(現状)に 40 万 トンとし、さらに 2010 年 には 30
ャンパスを中心とした
万トン、 2015 年 には 15 万 トン、 2020 年 には 4 万
学園都市である。その
トンに削減させる計画となっている。
GAIAオ ッ フ ィ ス に て
ため、隣接する工業と
人 口 約 40 万 人 の 米 国 を 代 表 す る 都 市 と し て は、
物流の 街 オー クラン ドと は異な り、高 層ビル はな
非 常 に 大 胆 な 計 画 で あ る 。 ち な み に 2005 年 で は、
く、ゆ っ たり とした 雰囲 気があ ふれて いる。 木造
上記の廃棄物総量のうち家庭系廃棄物の割合は
二 階 建 て の 2F の オ フ ィ ス で は 、 ネ ー ル ・ タ ン グ
33 %である。家庭系ゴミのうち単身世帯は 23 %、
リさん と 赤ち ゃん連 れの 女性の スタッ フが出 迎え
二人以上の世帯の割合が 10 %となっている。
てくれた。
ゼロ ・ウ ェイ スト 計画では、ゴミの排出削減と
ガイ ア はフ ィリピ ン、 台湾、 インド ネシア など
リ サ イ ク ル 、 3R 市 場 の 創 造 、 中 小 企 業 リ サ イ ク
東南ア ジ ア諸 国のご み問 題、と りわけ 日本の 焼却
ルとそ れへ の技 術支 援、廃棄物削減のためのパー
炉メー カ ーが 日本市 場の 飽和か ら、ア ジア諸 国に
トナー シッ プの 確立 、環境ビジネスの創造、有機
焼却炉 や 溶融 路を輸 出す ること により 日本型 の燃
物市場 の創 造な どが 挙げられている。施策として
や し て 埋 め る 20 世 紀 型 ( 日 本 型 ) ご み 処 理 政 策
は、補 助金 をご み削 減のためのインセンティブに
が普及することに強く危機感を抱いている。
移行さ せる こと 、製 造過程の改善による廃棄物発
もち ろ ん、 その他 、地 球温暖 化、気 候変動 はじ
生の削 減、 環境 ビジ ネスの持続的育成、小売業者
め重金 属 汚染 、大気 汚染 問題な どもタ ーゲッ トと
・消費 者へ の情 報提 供、ごみ問題・環境問題に強
してい る 。グ リーン アク ション がキャ ンペー ン活
い消費 者づ くり 、製 造者責任の強化、資源回収の
動中心 な のに 対して ガイ アは調 査研究 などシ ンク
ための 土地 利用 、資 源再利用分野での雇用創出な
タンク 的 な機 能も備 えて いる。 いわば 、理論 的に
どがあ り、 いず れも 工業、物流、業務、商業など
焼却主 義 の問 題点を 追及 している組織でもあり、
を巻き込んだ廃棄物政策となっているのが特徴だ。
ERI と も近 いも の を感じた。温暖化との関係では、
その オー クラ ンド 市は、現在、生ごみや調理済
堆肥化 に よる 温室効 果ガ スの削 減、バ イオエ ネル
みの有 機物 を堆 肥化 し農家などに提供する堆肥化
ギ ー 、 ご み 発 電 に よ る 二 酸 化 炭 素 の 排 出 増、
事業を市内、 2 ~ 3 ヶ 所で試験的に開始している。
CDM に よ る 途 上 国 に お け る 排 出 増 な ど を 理 論 的
につめていく必要があるとの意見が一致した。
たと え ば世 界一の ごみ 焼却国 、日本 では、 国が
● 訪 問 先 5 GAIA : Global Anti Incineration Alliance
市町村 に 巨額 の補助 金や 特別交 付金を 出して ゴミ
Web site : http://www.no-burn.org/
GAIA は 世 界 各 地 の 500 以 上 の 草 の 根 団 体 ・
を燃や し 埋め 立てる 施設 、すな わち焼 却炉や 管理
NGO ・ 個 人 が 連 携 す る ネ ッ ト ワ ー ク で あ り 、 そ
型処分 場 の建 設を推 進し てきた 。その 結果、 日本
の究極 の目 的は 、焼 却炉を無くして有害物質のな
は米国 を 上回 る焼却 大国 になっ てしま った。 さら
い社会を築くことにある。
に日本 の 重厚 長大メ ーカ ーは、 日本で 焼却炉 、溶
融路の 建 設が 一段落 する と、ア ジア諸 国に焼 却炉
私た ちは 、昼 食後 、ガイアのメンバーであるデ
や溶融炉を販売攻勢を掛けているのである。
ーブさ んの 案内 で産 業都市のオークランドからカ
リフォ ルニ ア大 学バ ークレー校で有名なまち、バ
わずか 2 日 間のサンフランシスコベイエリアの
ークレ ーに 向っ た。 というのも、ガイアの代表が
私たちに会いたいと言っている、というのである。
滞 在 で あ っ た が 、 行 政 当 局 、 NGO と の 貴 重 な 情
後 で わ か っ た の だ が 、 そ の 代 表 は 1999 年 当 時、
報交流 が でき て、有 意義 な視察 を行う ことが でき
環境行 政改 革フ ォー ラムが東京で開催した「環境
た。日 本 でも ゼロ・ ウェ イスト 宣言を 行う自 治体
正義」 問題 に関 する セミナーに米国からグリーン
が増えて欲しいものである。
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