金型業界における 次世代型金型産業の在り方提案

新素形材産業ビジョン策定委員会資料
資料8
金型業界における
次世代型金型産業の在り方提案
12月18日
金型工業会学術顧問
日本工業大学
横田悦二郎
日本の金型業界を取り巻く環境
海外技術向上
及び需要拡大
による
海外生産の増大
円高
受注減に起因した
過当競争による
経営悪化
FTAの遅れ
従業員 高年齢化
従業員の高年齢化
(若者の人気無し)
電気代上昇
セットメーカの
海 移転
海外移転による
国内需要の減少
設備投資・開発投資
の遅れ
高精度工作機械等に
よる
生産効率の向上
本当は力があるのに
金型納期が1/3
=生産量が3倍になる
業界全体の衰退
日本の“モノづくり”の衰退
日本の金型業界を取り巻く環境の今後は?
国の国内産業活性化の為の大きな方針
「インフラシステム・環境・エネルギー・文化
医療・介護・健康・子育て・ロボット・宇宙」
分野への特化
しかし
これらの分野の活性化は
直接的には金型産業の活性化にはつながらない!
ではどうしたら良いか?
1.業種を変換すること⇒変換は難しい。多分無理!
2.技術革新(イノベーション)を起こすこと
⇒しかし仕事が無ければ(顧客要望)イノベーションは生まれない
存続・活性化の為には
仕事を取るしかな !
仕事を取るしかない!
では何処から仕事をとるか?
営業範囲を広げることしか無い!
⇒海外からも仕事を取る!
しかし・・・
中小金型企業が単独で海外進出(特に製造拠点の設立)は無理!
加えて
海外製造移転して国内製造を閉鎖(従業員をリストラ)
するのは中小企業では“意味が無い!”
(経営者はリストラしてまで会社を存続させるより廃業への道を選択)
製造移転しないで国内本体企業を維持したまま
海外からの仕事を取る方策を推進する!
しかし海外からの受注はコストが合わなくて出来ない?
これには中小企業の海外情報不足も存在する
コストが合う仕事だけを取る!(高品質金型価格は海外でも同じ)
若しくは
海外からの要求 ストに合わせる方策を作る!
海外からの要求コストに合わせる方策を作る!
(イノベーションが必要:海外コスト分析による自社の短所を見出し改善策実行)
そんなにうまい話はあるのか?
⇒当然今までと同じ方法では全く無理(経営改革・営業改革・技術改革の全てが必要)
⇒場合によっては金型関連工業会再編等の大改革も必要!
最大の課題は“引き合い”“受注”を取ること!
(何もしなければ“仕事”は来ない!)
(何もしなければ
仕事 は来ない!)
本提案は
少しでも可能性の在りそうな案を中心に提案する
(現在進行形のものを例に挙げて提案する)
日本の金型産業のふさわしい販売先市場国として
2012年時点で想定している国は?
(横田私見…今後本格的な調査が必要)
残念ながら今までの調査は中小企業の海外展開では役に立たない
第一位 インドネシア…親日感情・極端な金型供給不足・自動車産業の創設
⇒絶対的な金型供給不足(特に高品位金型)
第二位 フィリピン…親日感情・新たなSCMの位置づけ・人材
⇒連携したアジアでの活動
第三位 ベトナム…親日感情・日本と新協力関係・新たなSCMの位置づけ
⇒高品位金型供給不足(殆ど存在しない)
第四位 タイ…親日感情・インフラ・労働力・高度金型使用技術
第五位 カンボジア・ミャンマー…親日感情・タイ生産の補完機能
カンボジア ミ ン
親日感情 タイ生産の補完機能
第六位 インド
インド…中国に代わる新たな勢力国
中国に代わる新たな勢力国
⇒(但し中小企業単独進出は無理)
中小企業特に金型企業にとっては人と人との繋がりが重要な為
海外における金型企業運営には“親日感情”が無ければ成功しない
金型関連企業の海外受注獲得の基本構図
海外進出
日系企業
特にアジア地域
以下の項目を満たす
戦略立案
・相手国環境に合わせた方策
“アジア”を一括りで論ずるのは間違い
アジア を一括りで論ずるのは間違い
基本は
・日系進出企業向け“営業”
受注
納品
人材派遣
技能支援
日本
本
金型産業G
グループ編成が必要
以下の項目
堅持は最優先
・日本国内企業の存続
・国内従業員の確保
・国内設備投資の積極投資
・国内技術開発の促進
金型関連企業の海外受注獲得の基本構図
海外進出
大手日系企業
日本
金型産業G
系列化!
企業連携化促進!
日本は“系列化”で今日まで進んできた!
系列 の良い点を利用すべき!
“系列”の良い点を利用すべき!
単独進出は人材面・資金面共
難しい!
系列化で出来ること!
1.人材教育(系列により文化が違う)
2.統一された企業規格の推進
3 大手企業主導による横連携
3.大手企業主導による横連携
政府支援!
1.人材教育支援(JICA・ODA他)
2 ジャパンブランド啓発活動
2.ジャパンブランド啓発活動
3.政府間連携
連携の形(例)
携
( )
1.中心となる企業への集結
2.金型協同組合の創立(J-kanagata方式)
3.地域連携方式
4.官主導で作る(実験PJが必要)
政府支援!
1.海外展開用人材育成支援
2 海外展開直接支援(資金面・情報面)
2.海外展開直接支援(資金面
情報面)
3.相手先政府との連携及び情報収集
海外進出
大手日系企業
海外におけるセットメーカ若しくは大手部品メーカの
“系列化”は何故必要か?
中小企業金型企業が海外展開で最も苦労すること(海外展開阻害要因)
1.顧客獲得が出来ない
2.人材教育が出来ない
3 余裕設備が持てない
3.余裕設備が持てない
4.言葉が通じない
5.何を技術開発して良いか判らない
5.何を技術開発して良
か判らな
6.将来計画が立てられない
7.大企業ごと違う規格への対応
8 横連携が取れない
8.横連携が取れない
これらの課題は
日本の“系列下”環境
では起きなかった
“系列”の崩壊から
日本の基盤産業
の
苦難が始まった
海外日系大手企業の新しい形の KEIRETU を作ることにより
海外日系大手企業の新しい形の“KEIRETU”を作ることにより
海外におけるセットメーカ若しくは大手部品メーカの文化・風土に合致した
1.“系列企業”全体で人材教育が可能
2.大手企業の将来計画に基づく自社計画の立案が出来る
3.“系列企業”同士の設備の共通化(CADシステム等)
4.技術開発の方向が決められる
5.安定した受注獲得の可能性が高まる
海外での“系列創造”
は
両者に得な施策
国内基盤産業企業連携化・促進化への新たな試みの基本
日本
金型産業G
“連携”を基本とした
新たな“企業形態”の創造!
新
業形態 創造
“日本方式”の企業形態
では連携は進まない!
日本方式
台湾・華僑方式
顧客A
顧客B
顧客C
プレス
加工
企業
射出成形
加工
企業
鍛造
加工
企業
金型
製造
企業
金型
製造
企業
鍍
金
塗
装
熱
処
理
金型
製造
社内一貫生産
社内
貫生産
方式
金型企業の連携が困難!
アジア地域での展開には不向き?
顧客A
工程分業型
方式
生産方式
どちらも
利点と欠点
はあるが・・
理想は
複合型
鍍
金
塗
装
射出成形
加工
企業
プレス
加工
企業
金型
製造
企業
熱
処
理
顧客B
金型
製造
企業
研
削
加
工
放
電
加
工
鍛造
加工
企業
金型
製造
企業
金型
製造
企業
切
削
加
工
経
理
・
総
務
設
計
部
品
調
達
金型企業の連携が簡単!
アジア地域での人材教育に適合?
日本・韓国・台湾・華僑・ポルトガル・ブラジル等のシステムの良い点を取り入れた新しい形態が必要
国内基盤産業企業連携化促進化への提案
日本
金型産業G
横の連携が弱体化している事が
モノづくり の衰退に繋がっている
“モノづくり”の衰退に繋がっている
海外企業の強いところは
強い横の連携がある!
韓国系・華僑系等々
韓国系
華僑系等々
日本の強みは“チームで戦うこと”であり“ひとり”では勝てない!
連携の形(例)
1.中心となる企業への集結
既に海外展開している企業が候補
⇒現在はこれ以上の海外展開は人材・資金・設備の面で壁にぶつかっている
2.金型協同組合の創立(J-kanagata方式)
協同組合 創 (
g 方式)
海外販売だけでなく海外から購入する事業も展開する
⇒協同組合運営の運転資金が出せなく壁にぶつかっている
3 地域連携方式
3.地域連携方式
(1)大田区・東大阪地区・葛飾地区・燕三条地区等で地域連携
(2)いわて次世代モビリティ開発拠点
(3)大田テクノウィングの活用
(4)川崎起業家村ベトナム展開
⇒中心となる“人”がいなくて壁にぶつかっている(ボランティアでは限界がある)
4 官主導で作る(実験PJが必要)
4.官主導で作る(実験PJが必要)
⇒絶対に失敗できない。必ず成功させる必要あり
いずれも
“資金”の点で
壁に
ぶつかっている
推進するには
官の
新たな支援策
が必要
金型企業の海外展開案例1
現在進行中!
(プレス金型の場合)
現地新規顧客
現地既存顧客
日本国内新規顧客
日本国内既存顧客
(セ トメ カ&T1メ カ)
(セットメーカ&T1メーカ)
(セ トメ カ&T1メ カ)
(セットメーカ&T1メーカ)
(セ トメ カ&T1メ カ)
(セットメーカ&T1メーカ)
(セットメーカ&T1メーカ)
JV製品
納品
納品
納品
地域
連携金型企業
現地企業とのJV会社
JV用部品
金型
納品
(プレス加工事業専業)
資本比率
現地企業が主導権を握れる%
日系新規顧客
(セットメーカ&T1メーカ)
従業員:現地従業員中心
納品
製造委託
納品
金型
納品
加工外注
現地企業
連絡
認証
現地プレス
加工企業
加工
委託
金型
受注
納品
技術
支援
国内製品
納品
金型部品
及び金型
製造委託
日本の金型企業
地域を巻き込んだ事業
金型製造販売
(国内製造:輸出)
プレス部品製造販売
(JV製品)
輸出販売
金型納入
現地企業との金型JV会社
(金型 冶工具事業中心)
(金型・冶工具事業中心)
資本比率:日本が主導権を握れる%
従業員:日本から数名程度
受注金型
納品
連携
連絡
日系新規顧客
本社
納品
日系新規顧客
日本国内工場
地域
連携金型企業
金型企業の海外展開案例2
現在進行中!
(プレス金型の場合)
現地既存顧客
(セットメーカ&T1メーカ)
従来製品納品
JV製品納品
現地企業
(プレス加工事業専業)
JV製品納品
金型
納品
現地企業とのJV会社
資本比率:現地企業が主導権
(プレス加工事業専業)
従業員 現地従業員
従業員:現地従業員
日系新規顧客
製品
受注
納品
製造委託
納品
技術
支援
金型JV会社
(セットメーカ&T1メーカ)
仕様打合せ
連絡
認証
金型
貸与
日本の金型企業
又は
プレス加工企業
(金型・冶工具事業中心)
資本比率:日本企業が主導権
加工
委託
納品
連携
加工
技術支援
連携
連絡
日系新規顧客
本社
受注
納品
日系新規顧客
日本国内工場
地域連携
金型企業
金型企業の海外展開案例3
現在進行中!
(プラスチック金型の場合)
育成された
人材
海外成形
子会社
金型販売
プラスチック成型会社
育成すべき
人材
育成された
金型
人材
注文
金型人材育成企業
(子会社)
金型の製造販売を行う
海外成形企業
金型販売
金型
納品
金型
注文
金型販売事業
金型
納品
顧客
目標とすべき海外展開の形(案)
進出海外構造
国内企業構造
連携
現地
系列企業A
連携
現地
系列企業B
連携
発注
納品
発注
納品
発注
納品
海外進出
日系
系列企業C
連携
連携
現地
系列企業C
発注
納品
海外進出
日系企業
系列化!
連携
発注
納品
発注
発注
納品
発注
納品
海外進出
連携
発注
納品
連携
金型
企業
C
発注
納品
発注
納品
連携
連携
企業
D
連携
又は提携
連携又は提携
プレス企業
又は
成形企業
連携
系列化で行うこと!
1 人材教育(新入社員教育・幹部社員教育他)
1.人材教育(新入社員教育・幹部社員教育他)
2.企業規格の推進
3.横連携の強化(綿密な情報交換・設備の融通他)
連携
金型
企業
B
日本
金型企業
発注
海外進出
日系
系列企業A
発注
納品
海外進出
日系
系列企業B
連携
金型
企業
A
発注
納品
発注
納品
連携
金型
企業
A
連携
連携
金型
企業
B
連携
企業
D
発注
納品
連携
連携
金型
企業
C
連携
目標
目標とすべき海外SCMの形(案)
海外
形(案)
分業化の推進!
国内
連携
企業
仕事があれば
連携度は高まる!
国内企業構造
連絡・連携・情報交換
プレス企業
又は
成形企業
日本
金型企業
進出海外構造
生産融通
突発事故
が発生
しても
グループ内で
対応
現地
系列企業A
現地
企業
現地
企業
海外進出
日系企業
連絡・連携・情報交換
世界どこで
発注しも
同一価格・品質
の製品を提供
情報交換
海外B国
日系大手
企業
海外進出
日系企業
国内
連携
企業
国内
連携
企業
進出海外構造
現地
系列企業A
現地
企業
現地
企業
情報交換
海外A国
日系大手
企業
大手企業
日本本社
海外進出
日系企業
国内
企業
国内
企業
海外進出
日系企業
海外進出
日系企業
海外進出
日系企業