ボッシュパッケージングテクノロジー カスタマーマガジン 食品・製菓編

packazine
ボッシュパッケージングテクノロジー カスタマーマガジン 食品・製菓編 2016年号
2 | packazine 目次 | はじめに
14
9
6
19
目次
お客様紹介と市場傾向
食品・製菓
04
Rapunzel | 自然食品の充填・包装ライン
06
Afición | 中国市場を変えるスイス風プレミアムチョコレート
09
Wilde Snacks | Wilde Snacks社が導入したボッシュの横ピロー包装機
12
DMK | リラックスしたコーヒータイムを演出するDMKの“cup-fitter”
14
TINE | ノルウェー最大の乳製品メーカー
16
Brandt | 伝統とオートメーションの出会い
19
UB McVities | 英国で人気のMcVitie’s Jaffa Cakesの包装に導入された
ボッシュ製システム
24
Imprint
packazine
Customer magazine of the
­Packaging Technology Division,
Robert Bosch GmbH
Editorial
Central Marketing & Communications
Annette Soyke (Leitung)
Phone +49 711 811-0
[email protected]
Design
Central Marketing & Communications
Karin Schmückle
Photos
B.J.Y.L.D (picture editing); Bosch P
­ ackaging
­Technology; Ralf Grömminger Fotografie GmbH;
Stock-Asso (Shutterstock)
22
Pozuelo | クッキーメーカーPozuelo社とボッシュのパートナーシップ
24
Mydibel | 品質の伝統
Publishing
Board of Management
Stuttgarter Straße 130
71332 Waiblingen
イベント
© Copyright · Packaging Technology Division,
Robert Bosch GmbH
2016~2017年食品・製菓関連イベント
The contents of this publication may not be reprinted
except by permission. Subject to alterations.
27
packazine | 3
はじめに
読者の皆様へ
Packazine 2016年号へようこそ!今回も、
多方面で活躍するボッシュの設備について、
多く
の事例をご紹介させていただきます。
最近では、
米国のOsgood Industries社、
英国のKliklokWoodman社のほか、
インドでのボッシュとKlenzaids社の合弁企業などにより、
私達の製品ラ
インナップはさらに充実し、
グローバルな事業展開をしています。
例えば、
食品分野では、
コスタリカのPozuelo社はボッシュの技術を採用し、
クッキー焼成後
の温度管理の問題等を克服し、
安全な包装を実現しました。
ヨーロッパ全域に展開する食品メ
ーカーRapunzel Naturkost社は、
一次包装・二次包装ともに、
ボッシュの総合的なシステム能
力を活用しています。
製薬の分野では、
一貫ソリューションであることも設備購入における重要な判断基準となっ
ています。
当社の新しいお客様であるLG Life Sciences社
(韓国)
がその例です。
ボッシュのラ
イン能力は、
抗癌剤メーカーOncotec社のシリンジ充填システムでも証明されています。
Hikma社がヨルダンおよびサウジアラビアで使用しているCPIソフトウェアと25のシリアル
化用CPSモジュールの記事では、
ボッシュが常に広い視点で取り組んでいることをご紹介して
います。
お客様のご要望に応じた最適ソリューションを実現する、
弊社の幅広い製品ラインアッ
プと技術をお伝えできれば幸いです。
新しいpackazineをお楽しみください。
Friedbert Klefenz
Friedbert Klefenz
ボッシュ
パッケージングテクノロジー
社長
4 | packazine
お客様紹介と市場傾向 食品・製菓
自然食品の充填・包装ライン
Rapunzel社とボッシュは
最高品質の自然食品を毎日お届けしています
欧州における認証有機食品・自然食品・ベジタリアン向け食品
は、
シンプルで使いやすいこと、
損傷しやすい製品もやさしく包装
のトップメーカーの1つ、
Rapunzel Naturkost
(ラプンツェル・ナ
することが条件とされました。
トゥーアコースト)
社。
1974年、
Joseph Wilhelm氏とJennifer
Vermeulen氏が小さな自然食品店としてアウクスブルク
(ドイツ)
に設立しました。
同社は、
有機食品分野におけるトレンド予測のエ
実績・定評のある機械から構成された新規ライン
キスパートとして、
常に将来の市場要求に備え、
グローバルブラン
Rapunzel社生産部門長のAlexander Karst氏は、
「2009年の最
ドにまで成長しました
(従業員数:約350名)
。
有機食品市場は年々
成長を続け、
Rapunzel社においても需要の増加により事業が成長
初の発注時に、
プロジェクトの基礎が固まりました。
」
と言います。
「ボッシュは品質の代名詞。
新ラインの一次包装機のほとんどが
し、
バイエルン州レーガウの工場での生産を拡大する契機となりま
ボッシュ製となった段階で、
当社のオペレータにとって操作がシン
した。
一方で、
その過程で様々な課題も生じていました。
プルになるよう、
最終包装機であるケースパッカーもボッシュ製に
決定しました。
いずれもボッシュ製とすることにより、
インターフェ
ースを最適化し、
従業員のトレーニングも短期間で効率的に行う
シリアルからクリームまで多様な製品
ことが可能となりました。
すべての機械部品について、
連絡窓口が
生産ラインは受注量の増加と、
消費者ニーズの変化に追い付け
1カ所に集約されることも大きなメリットです。
」最終的に、
Rapun-
なくなっていました。
そこで、
Rapunzel社は袋詰めからケース包装
zel社で稼働しているケースパッカー3台すべてがボッシュ製とな
までを行う新規包装設備を検討。
これらのラインには、
多種多様な
りました。
製品を包装するフレキシビリティが求められます。
同社の製品ライ
ラップアラウンド技術を採用したケースパッカーElematic
ンナップはチョコレート・ナッツクリーム、
シリアル、
ドライフルーツ
3000型のうち1台は、
重量250 g、
400 g、
500 gまたは750 gの様
など幅広く、
それぞれに異なるサイズと包装形態があります。
ガラ
々なガラス容器を包装しています。
毎日、
最大で50トンのナッツク
ス瓶詰の製品、
角底袋やスタンディング袋詰めの製品は、
ケース
リームとチョコレート・ナッツクリームがレーガウの工場で充填・包
パッカーにより輸送用・販売用に包装されます。
さらに、
新規機械
装されています。
他の2台は、
新たに拡充された施設が稼働し次第、
使用できるように設置されました。
さらに、
一次包装機2台がボッシ
ュから導入されました。
ひとつは縦型製袋機SVE 3600 WR型で、
オーガー充填装置により、
シリアル、
ナッツ、
ドライフルーツを様々
なサイズの袋に包装します。
もう1台は包装機PME型で、
セモリナ
と朝食用のピュレを角底のスタンディングパウチに包装します。
市場のニーズを見据えた計画
合計3つのラインで生産された各製品は、
Elematicケースパッ
カーに自動で振り分けられます。
ケースパッカーのうち1台はガラ
ス容器製品を包装し、
他の2台は各種パウチ
(重量75 g~2 ㎏)
を
様々なサイズのカートンに包装します。
それぞれ1台の機械がすべ
てを行います。
プラスチックを用いた機械部品とサーボドライブに
よるきめ細かいハンドリングにより、
特に壊れやすいガラス製品も
確実に保護します。
packazine | 5
これにより、
機械停止のリスクを低減し、
包材や製品のロスを最
十分なトレーニングで準備万端
小化します。
Elematic型は、
それぞれの上流機のスピードに合わ
「Rapunzel社の理念は、
革新と未来志向です。
私たちは決して立
せて調節することも容易で、
生産ラインの効率性が向上していま
ち止まりません。
毎日、
毎週、
ひとつひとつの仕事に新たな驚きがあ
す。
さらに、
ケースパッカーには、
トレー&フード包装や全体のラッ
ります。
」
とKarst氏。
「パートナーであるボッシュと新規生産ライン
プアラウンド包装のモジュールを取付けることも可能です。
これに
のおかげで、
将来待ち受けている様々なチャレンジさえ楽しみに
より、
高度なフレキシビリティと、
市場やお客様のニーズにこたえる
思えるのです。
必要な効率性と品質を正確に投入することにより
ための自由度が得られます。
機械部品は名称や番号表記が分かり
必ず対応できると確信していますから。
」
やすく、
工程も体系的に確立されているため、
品種替えも1日2回ま
で、
簡単・スピーディーに行うことができます。
また、
Elematic型は
メンテナンスのためのアクセスが容易な設計になっています。
「店頭での製品の見栄えにこだわるお客様は増えています。
」
と
Karst氏は指摘します。
「ですから、
計画の当初から、
ラップアラウン
ドに加えて、
将来的にトレー&フードの包装ができるよう考えてい
ました。
このオプションはすでに組み込まれているため、
いつでも
その包装形態を導入できます。
市場では新たなニーズに対してす
ばやい順応が求められるため、
これは大きなメリットです。
前のシ
ステムでは限界を感じていた中、
新規システムのおかげで、
以前
の当社にはキャパシティがなかったような革新的な製品にも積極
的に対応できるようになりました。
」
中国市場を変えるスイス風
プレミアムチョコレート
中国のチョコレートメーカーAfición社はボッシュとともに中国の
チョコレート生産をレベルアップさせています
packazine | 7
世代の購買行動はより
「西洋化」
され、
ブランド品質を意識し、
高級
品に高い金額を払うことをためらいません 。
こうした高級品に対
する需要を念頭に、
Aficiónブランドの創設者は、
ココアペースト層
の上に粉砕層を重ねる伝統的なレシピでのチョコレート生産を決
意しました。
これにより、
独自の味と食感をもつ製品が生まれまし
た。
店頭でのアピール力とブランド力をさらに高めるため、
チョコレ
ートは伝統的な折りたたみ包装としました。
Afición社がパートナーとして選んだのは、
チョコレート分野で世
界的に高品質の機器としての実績を有するボッシュでした。
ボッシ
ュは、
中国におけるチョコレートの折りたたみ包装市場でも80%を
超えるシェアを持っています。
「当社の特別な製品にふさわしく、
かつ、
Aficiónチョコレートのユニークな味を保護する高品質の包
装機が必要でした。
これに対し、
ボッシュは期待以上のパフォーマ
中国には「人の心を一度つかんだものは、
決して離れることはな
ンスで応えてくれました。
」
とAfición社の創設者でゼネラルマネ
い」
という諺があります。
これは、
Afición
(アフィシオン)
社が中国製
ージャーのXue Feng Mo氏は言います。
Afición社を納得させた
高級チョコレートを生み出した原動力をよく言い表しています。
同
社は高品質のチョコレートブランドを確立するのみならず、
チョコ
ものは、
高品質の包装や効率性の良い機械だけではありません。
「ボッシュによる現地のサービスサポートは、
スピーディで頼りに
レートファンが工程を見学できる施設として、
嘉善県
(中国浙江省)
なりました。
さらに、
当社のオペレータやエンジニア向けに追加の
の同社施設内にチョコレート博物館を開設しました。
毎年多くの観
トレーニングも行ってくれました。
これは他のどんな機械メーカー
光客が訪れ、
ココア豆から、
完璧に包装された贈り物となるまでの
にもできないことでしょう。
」
工程を見学しています。
チョコレートの包装スタイルのギャラリー
もあり、
世界各国の様々なパッケージスタイルが展示されていま
す。
チョコレートファンにとってパラダイスとも言えるこの施設の創
設に、
ボッシュパッケージングテクノロジーの一員であるSapal社
可能性を求めて
この協力関係の成果は、
Afición社への100万人以上の訪問者
(本社:スイス エキュブラン)
も参加しました。
Sapalの包装ライン
にも示されています。
ライン全長は156 mで、
ココア生地と砂糖
では、
Afición社のチョコレートが完璧に成形されたエンベロープ
を粉砕してコンチングを行うプロセスユニット、
チョコレートをタ
型の折りたたみ包装に包装されます。
Afición社は製品スタイルを
ブレットに成形するテンパリングユニット、
折りたたみ包装機DSD
差別化し、
品質・安全性・美観の基準を引き上げることにより、
競合
0600型2台と分配機Transver SDI型
(Rotzinger社製)
で構成され
メーカーとの競争に挑んでいます。
るラッピングユニットの3つの部分で構成されています。
製品の安全性を保証するため、
チョコレート10 gごとに、
金属検
知器で異物の有無を確認しています。
合格した製品はインフィード
ブランドの確立
ベルト上の2つのフォールディングレボルバーに送られます。
中国の経済と社会は変革し続けていて、
2022年までには、
小売
ここから、
ギフト用の箱にマニュアルで包装されるまで、
別々のフ
市場は米国の2倍、
8兆ドルに到達すると予想されています
(A.T.
ォールディング工程を通過します。
きちんとした伝統的な折りた
Kearney報告書 )
。
このことは、
特に国内消費者に親しまれている
たみ包装形態を実現するため、
内側は紙・アルミ層、
外側は紙カバ
欧米ブランドにとって重要なメッセージです。
欧米の製品は常に
ー
(糊塗布済み)
の包装材でチョコレートは覆われます。
その後、
上
高品質で上品であり、
それを所有することは特権を意味するから
下のグリッパーによりピックアップされ、
製品はフォールディングボ
です。
この傾向は特に、
若い世代の中国人消費者で顕著です。
この
ックスを横切り、
最初に横折り、
次に縦折りがなされます。
その際、
1
製品はやさしくハンドリングされます。
その後、
2つ目の回転装置に
Source: http://www.luxurydaily.com/brands-entering-chinese-marketmust-appeal-to-unique-preferences/
2
Source: https://www.moduslink.com/chinese-demand-for-foreignbrand-products/
3
Source: http://www.chinabusinessreview.com/understanding-chineseconsumers/
送られ、
ここではシーリングを確実にするため、
糊付け部分の圧力
が維持されます。
グリッパーが反時計回りに製品を回転させ、
出口
プッシャ
に送り、
製品は出口ベルトに排出されます。
最大速度は600個/分
8 | packazine
お客様紹介と市場傾向 食品・製菓
で、
安定した性能と高いライン効率で年間最大7,000トンのチョコ
功しました。
ボッシュとともに、
Xue Feng Mo氏は、
お客様のプレミ
レートを生産することができます。
Afición社では、
間もなく国外市
アムチョコレートに対するニーズを満たすにとどまらず、
品質、
安全
場へも製品を輸出できるようになると考えています。
「計画した設
性、
美観の基準を引き上げることにより、
国内市場に挑戦しました。
備拡張を行う前に、
ライン最終部分の自動化を検討する必要があ
それにより、
自社の製品を様々な問題から保護しています。
Afición
ります。
その際も、
当社の事業目標に確実に到達できるよう、
ブランドが中国の消費者から支持されたことにより、
売り上げは最
ボッシュに相談するつもりです。
」
大で年間数千トンの大幅な伸びを記録しました。
Afición社のサク
セスストーリーは始まったばかりです。
まだ始まったばかり
シングルソースサプライヤーであるボッシュのサポートによ
り、
Aficiónブランドは、
伝統的なスイス風のチョコレートを製造し、
特別な味を保護するプレミアムパッケージに包装するという目標
を達成することができました。
さらに、
高度な製品保護を行うことに
より、
ブランドのロイヤリティを作り出し、
競合製品との差別化に成
packazine | 9
Wilde Snacks社が導入した
ボッシュの横ピロー包装機
新技術で開発された肉ベースのプロテインバーの
気密包装
プロテインバーの分野では、
包装が極めて重要なポイントです。
を含み、
砂糖やナトリウムを極力抑えています。
また、
美しいピロー
消費者はバー製品でよく使用されるピロー包装をよく知っていま
包装が目を引きます。
す。
Wilde Snacks
(ワイルドスナックス;米国コロラド州ボルダー)
設立間もない同社のコンセプトは、
一見シンプルです。
成長ホル
社は、
消費者によく知られた包装を採用しつつ、
いままで誰もやっ
モンや抗生剤を使用せず、
サステナビリティに配慮して草で育て
たことのない、
通常のピロー包装とは異なるパッケージに投資す
た牛の赤身肉と、
フルーツ、
野菜、
古代穀物、
スパイスを1本のバー
ることを計画しました。
Wilde社のプロテインバーは、
肉をベースと
に融合させることでした。
し、
スローべークしたおいしい自然食品で、
10~11 gのプロテイン
10 | packazine
お客様紹介と市場傾向 食品・製菓
「当時、
高プロテインかつ糖分控えめのおいしい製品はありませ
のサイエンス教授 Robert Delmore博士にWilde社独自の焼成
んでした。
Wilde Snacks社では、
バーを完全にスローベークし、
真
工程の検証を依頼。
3カ月の試験後、
Delmore博士は15ページの
にユニークなものを消費者に提供することこそ、
成功の鍵だと考
バリデーション報告書を農務省に提出し、
Wilde社の工程は安全で
えました。
」
とWilde Snack社の共同設立者/CEO Jason Wright
あり、
真に革新的であると述べました。
氏は言います。
最適な包装の実現に向けて
Wildeのパッケージ
ボッシュパッケージングテクノロジーが横ピロー包装機のトッ
Wilde社は、
GAP
(Global Animal Partnership)
認証の赤身肉
プメーカーの1つであることを知っていたWright氏にとって、
機械
を使用したプロテイン製品を
「ジャーキー」の表示ではなく、
バー
のサプライヤーの決定は容易でした。
機械に加えて、
外部からの
として製造することを計画。
これは、
Wright氏がWilde社を設立す
空気の侵入を防ぐ気密シール包装が可能な包材フィルムも選定
る際のこだわりでした。
「店で目にする、
砂糖の入った低プロテイン
する必要がありました。
肉の包装では、
リークや穴があっては製品
のスナックバーにはウンザリしていました。
それとは違う、
新しく、
お
が損なわれてしまいます。
「ボッシュには気密シールを安心して任
いしく、
違いを感じられるものを親しみのある包装で消費者に提供
せることができました。
これはボッシュをパートナーに選んだ主な
したい。
その思いから、
バーの包装としては、
ピロー包装を選択しま
理由の一つです。
」
とWright氏。
した。
」Wright氏とチームは、
店頭で既存の見慣れているバー製品
要求事項を確認するため、
ボッシュは機器の発注前に自らの工
の隣に置いたとき、
一見して違いがわかる印象的なデザインを目
場でテストを行い、
要求される品質とスピードで包装のシーリング
指しました。
が行えることを立証しました。
Wilde Snacks社は横ピロー包装機
Wright氏は、
アイディアを現実的な形にするために、
適切な人
Pack 101型に決定しました。
物を最初からメンバーとして巻きこむことの重要性を強調します。
「私たちの最大の成果のひとつは、
JR Crosbyが私のパートナー
本機は、
幅広い範囲の製品に対応可能な入門機です。
最大包装
となり、
Derek Sporsと共にWilde Snacksを立ち上げた
能力はバー150本/分であり、
完全なサーボモーター設計で、
レシ
ことです。
」
ピ切替えもボタンを押すだけ
デザイン会社Ptarmak社の設計責任者JR Crosby氏は、
Wilde
で簡単でスピー
バーのデザインを生み出したクリエイターです。
かつてBen &
ディに行うことが
Jerry’sのアイスクリームフレーバーの誕生にもかかわったSpors
氏は、
食品業界向けの製品開発を手がける研究所Spork and
Ladle社のオーナーで、
今回は革新的な製品の仕様と味を決める
責任者となりました。
Wildeについて、
Spors氏は伝統的な保存工程を変更し、
中
温で肉を調理できないか確認することにしまし
た。
Wright氏は、
「肉の調理に関する問題を解
決できれば、
高級な七面鳥のフィレの赤身、
鶏胸
肉、
丸ごとのサーロイン等を原料にできると分か
っていました。
」
と強調しています。
「従来の燻製などの工程では、
脂肪分のある肉
から加工を始めなければならず、
避けたかった
のです。
」
とWright氏は言います。
「また、
脱水すると、
私たちの求める本来のバーの質感は得られま
せん。
」18カ月にわたる検討後、
Spors氏はこの製品独自の秘密の
製法を完成させました。
この製法は米国農務省にとっても過去に
経験のないものであったため、
Wilde社は第3者による検証試験を
行う必要がありました。
Wright氏とSpors氏は、
コロラド州立大学
packazine | 11
できます。
また、
フィルムの使用量を最適化し、
生産中の製品ロスを
低減。
運転コスト、
メンテナンスコストも低く抑えています。
これを
実現するのは、
フィルムのムダをなくす“no-product-no-paper”
機能、
シーリングジョーによる汚れに起因する機械停止を防止す
る“no-gap-no-seal”といった機能です。
カッティングヘッドには複
数のサイズがあり、
機械をフレキシブルに設定し、
広範囲の製品サ
イズに対応することが可能です。
「機械の一貫性を高く評価してい
ます。
いつも当社が求める完璧なシーリングを行ってくれます。
」
と
Wright氏。
「過去5年間、
高品質のミートスナックに対する需要は2ケタの成
長を遂げています。
波は来ているのです。
そして当社のサーフボー
ドはまさに、
その波をとらえています。
」
1
ttps://www.mclaneco.com/content/sms/en/resources/articles/
h
snacks-meat.html
12 | packazine
お客様紹介と市場傾向 食品・製菓
リラックスしたコーヒー
タイムを演出する
DMKの“cup-fitter”
ボッシュパッケージングテクノロジーの最新設備が
Deutsches Milchkontor社の革新的包装を実現しました
食堂、
会議室、
飛行機の中など、
日常生活の様々な場面で登場
協働し、
約7,400名の従業員を有するDMKは、
ドイツ全土の17
する、
小さく丸いポーションパックのミルク。
ソーサーから落ちや
の乳製品工場で68億kgの牛乳を加工しています。
その他に8
すい、
開封時に飛び散りやすいなど、
ちょっとした不便さを誰もが
カ所の拠点で、
ベビーフード、
アイスクリーム、
栄養補助食品や
経験しているでしょう。
DMKグループは、
この点に改善の余地が
グルコース製品といった健康食品を製造しています。
MILRA
あると考え、
革新的な包装の開発に乗り出し、
ボッシュパッケージ
M、
Ravensberger、
Osterland、
Oldenburger、
Humana、
inta
ングテクノロジーとのコラボレーションにより成功させました。
ct、
Leben’s、
Biolabor、
hansalやNORMIなど多くのブランド
DMK Deutsches Milchkontor GmbH
(DMKドイチェス・ミル
が示す通り、
DMKの製品は世界100カ国以上で小売業者や消
ヒ・コントールGmbH;以下DMK)
はドイツ最大の乳製品メーカー
費者に支持されています。
2014年、
同社の売上は53億ユーロ
です。
Humana社とNordmilch社の合併により2011年に設立さ
に達し、
欧州で最大の乳製品メーカーとなりました。
れ、
現在ではDMK GROUPの一員です。
8,900を超える酪農家と
packazine | 13
利便性を向上させた新デザイン
特殊なアセプティック技術による無菌包装
DMKがMILRAMとOldenburgerのブランド用に開発し
使用されている熱成形機は、
コーヒークリームなどの液体や粘
た“cup-fitter(カップフィッター)”は、
コーヒークリームおよびコン
性のある製品を熱成形カップへ無菌包装するために、
ボッシュが
デンスミルクのための優れた画期的な包装であると言われてい
開発したものです。
特殊なアセプティック技術により、
コストのか
ます。
特に、
コーヒーカップの側面にぴったりフィットする、
しずく型
かる後滅菌や冷蔵保存、
保存剤の添加を行う必要なく、
食品を長
のデザインが革新的です。
さらに、
この新規形状により、
開封時に
期保存することができます。
また、
高精度の充填装置、
包材消費量
飛び散ることがなく、
注ぐときにもこぼれません。
リラックスしたテ
の低減、
低いメンテナンスコストにより、
経済的な生産を実現しま
ィータイム、
コーヒータイムにぴったりです。
使いやすく人気のあ
した。
さらに、
堅牢な機械構造は、
信頼性ある製造と長い機械寿命
るこのコーヒークリームポーションの特長として、
個別包装である
を保証しています。
ことや、
保存期間が極めて長いことがあります。
大型容器を開封す
「機械の品質は私たちにとって非常に重要でした。
1つでも無菌
る必要がないため、
ムダも低減します。
でないカップが混入していてクレームを受けると、
ビジネスにとっ
て大きな悪影響が生じます。
よって、
安全性は最優先事項です。
」
と
Ingwersen氏。
「採用されている滅菌工程により、
現在使用してい
ボッシュとのコラボレーションの成功
るフィルムは実質上無菌です。
カップ10万個のうち、
無菌でないも
「通常の丸型ポーションパックは有名ですが、
しずく型のデザイ
のは1つもないことが分かっています。
」
ンは消費者だけでなく製造業者にとっても新しいものです。
」1980
年から製造責任者を務めるSönke Ingwersen氏は言います。
その
ため、
DMKにとって、
経験あるパートナーとともに当プロジェクトを
短期間で最良の結果をもたらした新パッケージ
実施することが重要でした。
同社とボッシュとの協力関係は30年以
Cup-fitterは完全な成功をおさめています。
複雑な機械は約1
上にわたる実績があります。
今回も、
DMKは包装のスペシャリストと
年間をかけて製造され、
その後問題なく稼働が開始され、
機械の納
してボッシュパッケージングテクノロジーを選び、
この野心的なプ
入後わずか4週間で生産開始となりました。
DMK GROUPの消費
ロジェクトを実現しました。
者コミュニケーションシニアPRコンサルタントのDaniela Deth-
「この新規包装デザインでは、
サステナビリティの観点からの欠
mann氏は、
「現在このポーションパックは旅客機で提供されてい
点はあってはならないものでした。
」
とIngwersen氏。
DMKは初期
ます。
その厳しい条件下でも、
新パッケージは気圧に耐えていま
のデザインと包材消費に関する厳格なガイドラインをボッシュに提
す。
さらに、
形についてもご好評をいただいています。
このようなお
示。
ボッシュは自らの機械でプロジェクトの試験を行いました。
最終
客様の満足は、
私たちの満足でもあります。
」
と述べています。
的に選定された熱成形機TFA 2520は、
cup-fitterの個々の要求事
項に対応することができる成形ツールを備えています。
Ingwersen氏によれば、
「TFA 2520型を選定した理由とし
て、
DMKの要求に対応できる熱成形機は、
他のどのメーカーも提供
できませんでした。
この分野では、
ボッシュは独自の強みを持って
います。
長年にわたってボッシュの機械とサービスに満足してきた
当社にとって、
ボッシュを選んだのは自然なことでした。
」
熱成形機TFA2520型の成形ツールは、
お客様の個別要求に対応可能です
14 | packazine
お客様紹介と市場傾向 食品・製菓
ノルウェー最大の乳製品メーカー
ボッシュの子会社Ampack社の革新的な設備により
TINE社の生産性とフレキシビリティが向上
その昔、
乳製品は農場で様々な木製容器、
主に樽でつくられてい
社は製造工程全体にわたって、
衛生基準を向上させたいと考えて
ました。
バターやチーズといった製品も鮮度維持のために樽に保
いました。
すでに保存料無添加の乳製品の充填を行っていました
存されることがありました。
はるか北欧のノルウェーでは、
木を削っ
が、
包装工程においても可能な限り最高のカップシーリングを行
てつくられた樽は“tine”と呼ばれ、
今日に至っても乳製品業界で
いたいと考えていました。
新規のカップ充填機が既存の包装ライ
使用されています。ノルウェー最大の乳製品メーカーである
ンに容易に統合できることも条件となりました。
何より、
スケジュー
TINE SA
(ティーネSA)
は、
“tine”を商標登録し、
会社のロゴとして
ルが非常に厳しいことが、
当社にとって大きな課題でした。
」
採用しています。
この野心的な計画を実現するため、
TINE社が信頼できるパート
本社をオスロに置く創業133年のTINE社は、
ノルウェーの酪農
ナーとして選んだのがAmpack社でした。
1999年、
TINE社は包装
家15,000軒が組合員兼株主となり、
組合として設立されました。
の専門企業であるAmpack社から機械を購入しました。
協力関係
総従業員数5,675名のTINE社は、
毎年牛乳約14億リットル、
ヤギ乳
が成功したことから、
続いてさらに3台の機械を購入。
アウクスブル
約1900万リットルを加工し、
高級乳製品を生産。
厳格な管理と最新
ク近郊のケーニッヒスブルンに本社を置くAmpack社は2012年
の技術を基礎として、
最高の品質を担保しています。
製品ラインナ
以降ボッシュパッケージングテクノロジーの一員となり、
液体やペ
ップは幅広く、
ヨーグルト、
サワークリーム、
各種チーズなど、
約200
ースト状食品の充填・シール機の開発・製造・販売を世界中で行っ
種類の製品を製造しています。
製品はTINEブランドとして海外で
ています。
も販売されています。
Ampack社は、
TINE社の要求にカスタマイズされたカップ充填
機を設計。
カップが置かれる8つのレーン、
滅菌装置、
充填装置、
リッ
ドステーション、
シーリングステーション、
スナップオン・リッドステ
未来を見据えて
ーション、
パッカー、
成形されたカップに様々な製品を充填するた
「私たちは、
閉鎖された他社乳製品工場の生産を引き継いでお
めのトレー搬送装置を備えています。
ヨーグルト製品、
粘性のある
り、
生産量向上の実現を確実にする必要がありました。
」
とTINE社
デザート、
サワークリーム、
カッテージチーズなどの充填が可能で
のプロセスエンジニアHavard Lamberg氏は言います。
「また、
当
す。
これら様々な装置・部品で構成されるシステムは、
TINE社の幅
packazine | 15
広い製品範囲に適応可能な理想的なものでした。
革新的な技術と卓越したサービスにより、
Ampack社の設備は構
「TINE社では、
製品の品質が極めて重要です。
」
とLamberg氏。
築されました。
「良好なパートナーシップにより、
全工程が大幅に加
「新しいAmpackの包装ラインにより、
品質はさらに向上しました。
速化されました。
ボッシュのサポートとサービスに満足しており、
プ
ですから、
お客様の期待通りの当社製品を提供することができま
ロジェクトの最初から最後まで、
プロフェッショナルなサポートを頼
す。
システムの衛生的な設計は、
非常によく考えられた構成である
りにすることができました。
」
とLamberg氏は強調します。
ことを証明しています。
その結果、
清掃作業も最小限の労力で行う
ことが可能です。
正しい選択
新規機械の購入に当たり、
TINE社にとっては、
最大の生産性と、
高水準のフレキシビリティを統合することが決定要因でした。
新規
包装ラインは能力18,000カップ/時
(従来モデルから50%向上)
で
設計されています。
また、
1台で複数品種のカップと様々な包装材
料を使用できます。
TINE社の生産能力は向上しましたが、
オペレー
タに必要な労力はほぼ同じ。
マガジンへの容器の補充は従来と同
じ間隔で行います。
「新規機械のレイアウトは前の機械のレイアウトをベースにして
おり、
コントロールや操作はほとんど変わらなかったことから、
従業
員は全く問題なく、
Ampackの機械で生産することができました。
」
とLamberg氏。
この高性能システムは2シフトで週5日間稼働して
おり、
機械停止は最小限に抑えられ、
停止時間はほとんど生じませ
ん。
その結果、
TINE社は、
据付期間中も大きな製造ロスを生じるこ
となく、
目標どおりに生産量を増加させることができました。
インラ
インの機械の立上げではトラブルがなく、
たった2週間で効率的な
生産を開始することができ、
プロジェクトは大成功に終わりました。
16 | packazine
お客様紹介と市場傾向 食品・製菓
伝統とオートメーションの出会い
Brandt社の有名なラスクは
ボッシュのフレキシブルなロボット技術により包装されています
packazine | 17
Brandt
(ブラント)
社のラスクは100年以上にわたり、
遊び場のお
求められました。
様々な設備を検討した結果、
画像システムと3台
供として、
あるいは、
1日の始まりとなる朝食として親しまれていま
の高性能デルタロボットを搭載した、
ボッシュパッケージングテク
す。
サクサクとした食感のラスクを食べると、
子どもの頃の思い出
ノロジーSAのDelfiフィードプレーサーが選定されました。
が蘇り、
誰もが自然と笑顔になります。
同社のラスクは欧州各国で有名です。
従業員数800名を超える
家族経営企業であるBrandt社は、
ハーゲン
(ドイツ)
に本社を置き、
ボッシュの専門技術
毎年約17,000トンのラスクを生産。
主にヨーロッパで販売してい
「ボッシュの専門性は説得力があり、
同社のオファーは驚くほど
ますが、
遠く日本にも輸出しています。
同社の成功の秘訣は、
長年
具体的でした。
質問は的確で、
当社の製品ニーズに対応していまし
培ったお客様からの信頼に加え、
製品開発に対する革新的なアプ
た。
結果として、
私たちにとって最適な設備が構築されました。
」
と
ローチです。
語るのはBrandt社のオーアドルフ工場長Marco Geimer氏。
今回
人気商品であるコーティング加工のラスクはその好例で、
当初、
の設備購入を決定した人物です。
包装面で大きな課題がありました。
生産中、焼きたてのラスクはコ
大幅な生産能力向上を達成し、
Delfiの設備は当初から大成功
ンベアベルト上にランダムに置かれ、
紙トレーに包装するために
を収めました。
この生産能力向上は、
ピック&プレース速度の向上
は、
汎用性の高いピック&プレース技術が求められます。
また、
ラス
と、
より丁寧な製品ハンドリングによる不良品率の低下により実現
クを直線上に正確に方向規整することや、
基準を満たした良品の
したものです。
ロボット1台あたり2つのがラスクをピックアップし、
みを包装するための品質確認も必要でした。
さらに、
表面形状が不
後工程のトレーローダーのインフィードチェーンにのせます。
ここ
規則なラスクや、
プレミアムチョコレート掛けのラスクは、
損傷しな
には独自の技術が採用されており、
製品はベンチュリ機構のエンド
いよう、
丁寧なハンドリングは必須条件になります。
エフェクターにより慎重に持ち上げられます。
この方法により、
製品
そこで、
生産能力とフレキシビリティの両面を向上させる設備が
屑によるロボットのエアチューブの汚れを確実に防止し、
清掃・メ
ンテナンスの作業量が低減され、
機械停止が防止されます。
「まだ最大限の能力まで使用していません。
機械は最大能力
390個/分として設計されています。
生産プロセス全体を段階的に
最適化し、
この生産水準に到達できるでしょう。
」
とGeimer氏は確
信しています。
フレキシブルで信頼性ある技術
Brandt社にとっては、
特性が異なる様々なタイプのラスクを1ラ
インで確実に包装できることが重要でした。
現在、
Delfiシステムは
チョコレート掛けやココナッツ掛けの製品を含む、
4種類のフレーバ
ーのラスクをハンドリングしています。
Delfiのフィードプレーサーは、
計画されている製品ラインアップ
の拡充にも問題なく対応できます。
カメラによる画像システムを
搭載し、
ロボットがピックアップする前にすべての製品を記録し、
正
確にピック&プレースを行います。
画像システムのパラメーター
設定により、
新品種を追加し、
操作パネルで容易にシミュレーショ
ンすることもできます。
生産中に、
実際の製品を使用せずにシミュ
レーションが可能です。
18 | packazine
お客様紹介と市場傾向 食品・製菓
新品種を追加すれば、
品質保証の観点から課題が生じます
が、
Delfiフィードプレーサーはこの分野でも優れています。
画像シ
ステムは、
あらかじめ規定された規格に基づいて不良品を検出す
ることができ、
継続的に品質検査を行うことが可能です。
不良品は
ピックアップせず、
自動で不良排出します。
この重要な作業は、
過
去には人が行っていました。
「しかし、
製品で一杯のコンベアベルト
を人の目で詳細に品質管理するには限界があります。
」
とGeimer
氏。
「現在では、
Delfiシステムのおかげで、
ほぼ100%コントロール
できています。
」
新規ピック&プレースシステムで強化されるパートナーシップ
Brandt社とボッシュパッケージングテクノロジーSAのパートナ
ーシップは18年以上前にさかのぼります。
現在、
すでに14のボッシ
ュの設備が同社のラスク生産工程に組込まれており、
新規システ
ムや様々なインターフェースの追加の際は大きなメリットとなりま
す。
Delfi設備は現在だけでなく、
将来の生産ニーズに完璧に対応
することが確認され、
長期にわたる協力関係が貴重なものである
と実感されています。
「従来よりも衛生的で効率的な製品ハンドリングが可能になりま
した。
Delfiフィードプレーサーは完璧に稼働しているため、
他の機
械での生産が思わしくないと従業員から報告がある場合もありま
す。
この情報をもとに、
製造サイドで必要な改善を特定できます。
両
社の協力関係は充実しており、
今後のボッシュとのプロジェクトを
検討しています。
」
英国で人気のMcVitie’s
Jaffa Cakesの包装に導入
されたボッシュ製システム
「楽しい、
簡単、
すごい!」― ボッシュのTwo-in-One
ビスケットシステムはUnited Biscuits社のオペレータ
に大幅な作業性の向上をもたらしました
1948年に設立されたスナックメーカーのパイオニアである
です。
多様な包装サイズや印象的な包装形態への要求が高まる
United Biscuits
(ユナイティッド・ビスケッツ)
社は、
愛されるブラン
中、United Biscuits社は、
マンチェスターの本拠点で30年以上に
ドをいくつも擁しています。
同社は、
特にビスケット製造で有名で、
わたり安定稼働している包装機を、
より市場ニーズに柔軟に対応
代表的製品の1つに、
柔らかさと甘酸っぱさが特徴の“McVitie’s
できる新規機械へと切り替える検討を始めました。
このとき、
同社
Jaffa Cakes”があります。
約90年前に発売され、
最も人気のある
が高いレベルの技術を期待していたことは明らかです。
標準的な
ブランドのひとつとして確立されました。
1991年に正式に「ケー
McVitie’s Jaffa Cakesの包装形態は横整列方式と積上げ方式の
キ」
として認められた後、
2012年の英国における
「ケーキまたはビ
2通りあり、
12枚入です。
傾向としては、
より小さな包装サイズが出
スケット」分野のベストセラーにランクインしました。
ていて、
限定商品としての様々なフレーバー製品や包装個数の異
有名な老舗でも、
競争力を維持するには、
継続的な改善が必要
なる製品も人気があります。
したがって、
品種替えを定期的にすば
20 | packazine
お客様紹介と市場傾向 食品・製菓
やく行う必要があります。
新たな設備はスピーディな品種替えが
可能で、
機械停止時間を最小限に抑えつつ、
既存のレイアウトスペ
ースに収まる必要がありました。
さらに、
最適な製品品質を保証す
るための丁寧なハンドリングについて、
Biscuits社の厳格な要求
を満たす技術が求められました。
フレキシビリティが最優先
このような課題を解決する最適な設備を求め、
様々な設備を検
討する中で、
United Biscuits社はボッシュの“Two-in-One”ビス
ケット包装システムに関心を持ちました。
このシステムでは、
横整
列方式から積上げ方式への包装形態切換えがすばやく、
3分以内
に完了します。
世界的にも類をみないフレキシビリティを兼備えた
ボッシュの機械は、
マンチェスター工場の実生産条件下で試され
ることになりました。
使いやすさ、
スピード、
汎用性
現地での試験は、
進行中の生産を中断することなく行う必要が
ありました。
その結果、
既存の包装ラインと、
新しいTwo-in-Oneシ
ステムの双方に接続可能な供給システムが開発されました。
「現
地テストの初期段階で、
様々な積上げ方式と整列方式の段取り替
えを試行しました。
そして、
非常にスピーディな段取り替えが、
実際
の生産条件下でも実施できることを確認しました。
」
と語るの
が、
この技術の中に実現されていることも理由です。
」
と説明してい
は、
United Biscuits社のSimon Breckenfield氏。
ます。
「製品はフラットな面でハンドリングされ、
最終包装形態とし
システムのスピードとフレキシビリティを可能としたのは、
て積上げられるまで、
接触面は極めて小さい。
これにより、
こわれや
McVitie's Jaffa Cakesを横ピロー包装機に搬送する最新の供給
すくハンドリングが難しい製品も安全にやさしく取り扱うことがで
技術でした。
このシステムでは、
品種替えの際も同じ供給用部品を
き、
製品品質が大幅に改善すると考えます。
」
使用するため、
完全な再現性を担保し、
かつ部品交換は不要です。
これにより、
1ラインで様々な包装形態、
形状、
寸法および数量に対
応可能です。
楽しい、
簡単、
すごい!
このシステムは、
同様の設備の中で、
包装における製品集積形
現地テストの終盤、
Breckenfield氏は、
このシステムが同社のビ
態の切替えを記録的な短時間で行うことが可能な唯一の機械で
ジネスに及ぼす影響について確信したと言います。
「このプロジェ
す。
ビスケットの枚数が1~5枚またはそれ以上であっても、
積上げ
クトは大きな成功をおさめました。
Two-in-Oneビスケットシステム
包装の高さは最大で50 mm
(約2インチ)
まで可能です。
また、
ボト
により、
当社の生産性とフレキシビリティがワンランクアップしたと
ルネックを排除した設計で、
機械停止時間を最小限に抑え、
製造フ
言えます。
販売戦略の実現を促し、
また今後のビジネスにおいて
ローを最適化した包装機器で構成されています。
直面するであろう課題に対しても晴らしい解決策を得ました。
」
最も一般的なMcVitie’s Jaffa Cakesは直径54 ㎜の丸型で、
ス
ポンジビスケット、
オレンジ味のゼリーとチョコレートコートの3層
で構成されています。
このようにデリケートな製品にとって、
やさし
いハンドリングは必須になります。
Breckenfield氏は、
「Two-inOneビスケットシステムが非常に魅力的であったのは、
丁寧なハ
ンドリングにより製品ダメージを最小化するという当社の考え方
packazine | 21
同氏は、
ボッシュのシステムを、
3つの言葉で表現します。
1.楽しい:
実際に作業をするエンジニアやオペレータが楽しんでいます。
2.簡単:
100%の生産能力を発揮しているときでも、
システムに負荷が
かかっていることを感じさせません。
3.すごい!
:
36年間のビジネス経験の中で、ボッシュのシステムと同等の
能力をもった堂々たる機械は見たことがありません。
現在、
毎日290万個のMcVitie’s Jaffa Cakesが英国で生産され
ており、
依然として高い人気を誇っています。
“Two-in-One”ビスケ
ットシステムの導入により、
United Biscuits社は最先端のフレキ
シビリティと効率性をもつ生産体制を確立し、
競争力の優位性を
維持していきます。
22 | packazine
お客様紹介と市場傾向 食品・製菓
クッキーメーカーPozuelo社と
ボッシュのパートナーシップ
コスタリカに拠点を置くPozuelo社
ボッシュの新規一貫ラインで能力25%向上
コスタリカ共和国と聞いてまず思い浮かべるのは、
美しい砂浜、
ました。
熱帯雨林と珍しい野生動物といったところでしょうか。
しかし、
中
サプライヤーの検討・選定のための時間は限られていました。
央アメリカに位置するこの国は、
すばらしいリゾート地であるの
幸い、
コスタリカの関連会社がボッシュパッケージングテクノロジ
みならず、
この地域で最大手のクッキーメーカーであるPozuelo
ーの設備を導入していたため、
Pozuelo社はボッシュになじみが
Cookie Company
[以下、
Pozuelo
(ポスエロ)
社:Nutresa Group
ありました。
関連会社とボッシュのパートナーシップの成功を目の
S.A.の子会社]
の本拠地でもあります。
Pozuelo社は、
中米市場に
当たりにしたPozuelo社は、
高品質の設備メーカーとして定評のあ
様々なスイーツを供給しています。
るボッシュに設備を発注することとなりました。
専門メーカーとして100年近い実績をもつPozuelo社は、
消費
「この地域ではコストが非常に重要です。
当社は最高の技術を
者に最高の製品を提供することに注力し、
中米市場で長年にわた
ベストプライスで求めていました。
設備の統合のための要求に対
って築き上げた主力分野での事業を強化しています。
しかし、
市場
応し、
最高のコストパフォーマンスと技術を提供することができる
での優位性を維持するためには、
市場の急激な成長と困難な気候
サプライヤーを探していたのです。
」
とPozuelo社オペレーション
条件に対応しつつ、
包装ラインを最適化することが必要でした。
責任者のSantiago Builes Maya氏は言います。
「ボッシュの仕事
こうした背景から、
Pozuelo社はボッシュパッケージングテクノロ
ぶりは良く知っていましたから、
成功を確信していました。
」
ジーの一貫包装システムの検討を始めました。
スムーズな機器の統合プロセス
成功への道
Pozuelo社の主な目標は機器の統合であり、
ボッシュは、
広範な
生産性向上への取り組みは2013年に始まりました。
Pozuelo社
ラインアップから同社の予算とニーズの両面での要求にこたえ
は限られた予算内で、
同社の“Chiky”ビスケットの生産ライン能力
る、
カスタムメードの設備を提供することが可能でした。
“Chiky”
を向上させる新規設備の検討を開始。
中米では非常に人気のあ
クッキーの新規生産ラインは、
Rotzinger社製ベルトコンベアシス
る商品ですが、
このビスケットは下半分がチョコレート掛けのため、
テム、
冷却トンネルCKG 1300型、
横ピロー包装機Pack 201 HS
包装には特有の難しさがありました。
コスタリカの気候は高温多湿
で、
チョコレート掛けのビスケットにはリスクがあります。
お客様に
最高の仕上がりの製品のみを確実に提供するには、
チョコレート側
が包材に接しないよう、
システム化された設備で包装する必要が
ありました。
オーブン
チョコ掛け機
施設内が高温で、
工場のスペースも限られていたことから、
焼
成後、
チョコレート掛け前のビスケットに十分な冷却時間を確保す
ることも課題となりました。
そのため同社は、
これらの要求事項全
てに対応した「オールインワン」の設備サプライヤーを求めてい
ベルトコンベアシステム
冷却トンネル
packazine | 23
型2台で構成。
設備導入の意思決定では、
これらの技術要求に加え、
「人」
も重要な要素でした。
ボッシュは専門的なコンサルティング
においても高く評価されています。
コスタリカの営業担当Nelson
Morera氏と中米・カリブ海諸島の営業責任者Carlo Medina氏は、
ボッシュの専門技術者とともに設備統合プロセスの実務に携わり、
設備がPozuelo社のニーズに完璧に対応していることを確認しま
した。
「ボッシュはPozuelo社のニーズを真に理解し、
決定過程全体を
通じて、
当社チームの相談に乗り、
指針を与えてくれました。
おかげ
で、
新規設備のメリットを理解でき、
明確に説明できるようになりま
した。
」
とBuiles氏は言います。
ボッシュとの協力関係が成功に導く
ボッシュは設備全体がスムーズに据付・統合されるよう、
Pozuelo社と緊密に連携。
「今回導入したラインで高品質の製品が
得られており、
かつ生産能力は25%増強されました。
現在、
過去最
大の能力でラインを稼働させています。
今後もボッシュと協力して
仕事をすることが楽しみです。
」
とBuiles氏はコメントしています。
マガジンフィーダーへ
マニュアル供給
横ピロー包装機Pack 201 H5型へ
ビスケット集積
て
て
て
べ
べ
べ
す が上 す が下 す が上
は 面
は 面
は 面
ト
ト
ト
ッ ート ッ ート ッ ート
ケ レ
ケ レ
ケ レ
ス
ス
ス
ビ ョコ ビ ョコ ビ ョコ
チ
チ
チ
24 | packazine
お客様紹介と市場傾向 食品・製菓
品質の伝統
ベルギーの家族経営企業Mydibel社
最新の衛生設計基準を満たすためボッシュ製設備を導入
packazine | 25
家族経営企業では、
信用と信頼がすべての根幹です。
このような
SVC 4020型は最高の衛生水準に対応して設計されており、
衛
企業の多くは小規模~中規模であるため、潤沢なリソースをもつ
生的な包装環境の維持に理想的な包装機です。
コンタミネーショ
グローバル企業に対し競争力を持つには、
すべての工程や生産方
ンを防止するため、
清掃を容易かつ徹底的に行えるよう、
ロゴやル
法を最適化し、
独自のセールスポイントを際立たせなくてはなりま
ーラーは刻印としています。
さらに、
表面に傾斜を付け、
角の面取り
せん。
ベルギーを拠点とするMydibel
(ミディベル)
社はこのような
を行うことにより、
ジャガイモの残留物の滞留を防止し、
細菌繁殖
企業の好例です。
農家の息子であったRoger Mylle氏は幼少期か
の可能性を低減し、
Mydibel社の高品質の製品を一貫して製造す
ら農業に情熱を持ち、
その夢は常に自分の会社を設立することで
ることを保証しています。
した。
その夢がかなったのは1988年。
様々なチルド/冷凍製品や
ボッシュパッケージングテクノロジーのエンジニアリング・設計
ディハイポテト(乾燥ポテト)
製品のメーカーとしてMydibel社を設
責任者のPatrick Lagardeは、
「衛生と時間は、
当社のお客様にとっ
立しました。
現在は、
2人の息子Bruno氏とCarlo氏が会社経営に
て大事な財産です。
」
と言います。
「そのため、
スピーディで効率的
当たっています。
その生産量は、
ポテト製品として年間1億5千万袋
に清掃を行い、
生産停止時間を低減することを目的として、
SVC
(225,000トン)
にも上ります。
製品は自社ブランドのほか、
プライ
4020型を開発したのです。
」
ベートブランドとしても販売されており、
現在では、
同社事業の
一流の製品を提供することにこだわるMydibel社の姿勢が、
そ
50%以上を後者が占めています。
の事業を急激に成長させています。
SVC 4020型の導入により、
同
競争の激しい商品市場で成功するため、
Mydibel社は常に他社
社は安定して生産需要の増加に対応することが可能となりました。
に勝る方法を模索しています。
同社の理念は一貫して、
高品質の
「SVC 4020型は、
前世代の縦型製袋機と比べて20~25%高速化
製品を提供することにあり、
120カ国以上の国で消費者の心をつ
されており、
技術的にもより進歩しています」
とMylle氏。
「製品ロス
かんできました。
さらに、
環境保護にも積極的に取り組み、
環境にや
や停止時間が低減されています。
」
さしい工場としての厳格な方針を守っています。
近年Mydibel社
新規製袋機のオープンフレーム設計と使いやすい操作パネル
は、
水の消費を50%低減した新規の全自動ジャガイモ分類工程を
は、
Mydibel社のオペレータにとって大きなメリットです。
これによ
確立。
また、
100%再生可能電力を使用し25%の熱エネルギー供
り、
メンテナンス、
清掃および運転の時間が節約されます。
例えば
給を可能にした発酵槽を導入しました。
SVC型のスプライシングテーブルは人間工学に基づいた設計で
今日、
消費者、
顧客および国際的な規制当局は食品の安全性を
45°の傾斜がついており、
アクセスやフィルムの交換が容易です。
より重視しているため、
Mydibel社は最新の衛生設計基準および
また、
操作パネルは分かりやすく、
スタッフトレーニングの時間も最
要求事項に対応することを重要視しています。
長年のパートナー
小限に抑えられ、
データの読出しやオフラインモニタリングも見や
であるボッシュパッケージングテクノロジーとのパートナーシップ
すくなっています。
により、
Mydibel社は最高の製品品質と、
現在かつ将来の衛生基準
に対応可能な包装設備を見出しました。
常にベストなコンディション
Mydibel社は、
同社のポテト製品
(500 g~2.5 ㎏のピロー袋、
最
大生産能力:70袋/分)
の包装機として、
ボッシュの縦型製袋・充填・
シール機SVC 4020型を選定しました。
本機は連続動作で、
コンタ
ミネーションを防止し、
清掃が容易にできるよう設計されていま
す。
さらに本機により、
高い衛生要件を満たすことができ、
効率的な
生産が可能となりました。
「品質はMydibel社の基本理念であり、
私
たちはサプライヤーに対しても同じことを期待しています。
」
と
MydibelグループのCEO Carlo Mylle氏は言います。
「ボッシュの
製袋機SVC型は当社の要求に完璧にこたえています。
清掃が容易
な設計で、
袋の品質が良く、
設定はフレキシブルです。
この新規技
術のおかげで、
当社はお客様に喜んでいただき、
お客様からの支
持を維持することができます。
」
26 | packazine
お客様紹介と市場傾向 食品・製菓
ポテト製品市場
Mydibel社がSVC 4020型を7台、
一度に発注したのも信頼関係の
事業を立ち上げて27年以上になるMylle氏は、
成功するために
表れです。
この設備更新により、
一貫した製品品質を維持しつ
は、
陳列棚の製品が魅力的な外観で消費者の注意を引くものでな
つ、
30%の生産増が実現しました。
「ボッシュは当社の信頼できる
ければならないことを熟知しています。
そのため、
ブランドの理念
パートナーであり、
技術の進歩によって私たちのニーズにこたえて
やイメージを支える包装に対して、
Mydibel社は継続的に投資し
くれます。
おかげで、
当社は競合の一歩先を行くことができるので
ています。
「お客様が最初に目にするのは袋ですから、
完璧な外観
す。
」
とMylle氏。
「今後もポテト製品市場で成長を続け、
ボッシュと
が必要です。
」
とMylle氏。
「その意味で、
ボッシュ品質とSVC 4020
協力していきたいと思います。
」
型は、
当社のブランドに完璧にマッチしています。
」
SVC 4020型のフレキシビリティと品種替えの容易さは、
Mydibel社にとって重要なメリットです。
オペレータは様々なポテ
ト製品間の切替えをスピーディに行うことができ、
ラミネートシー
トとポリエチレンシートの双方を収容可能です。
操作の効率性をさ
らに高めるため、
製品や袋の品種替えをすばやく、
工具不要で行う
ことができます。
信頼の力
価値と原則を共有できるパートナーとともに仕事をすることが
Mydibel社の成功の基礎となっています。
過去25年間、
同社の3カ
所の施設に対して、
ボッシュは何台もの縦型包装機を提供してき
ました。
Mylle氏にとって、
この息の長いパートナーシップは信頼に
基づくものです。
通常は1台ずつ機械の更新を行いますが、
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http://bit.ly/1V1jvqo
packazine | 27
2016年
2017年
日程
イベント名
開催地
5月17~20日
Expo Pack México
メキシコシティ
食品
5月26~29日
Afro Packaging & Food Manufacturing
カイロ
食品
5月30日~6月2日
Iran Food + Bev Tec
テヘラン
食品
6月7~10日
Fooma Japan
東京
食品
6月15~18日
Propak Asia
バンコク
食品
7月13~15日
Propak China
上海
食品
9月14~15日
Food & Drink Technology Africa
ヨハネスブルク
食品
9月27~29日
FachPack
ニュルンベルク
一般
10月8~11日
IBIE Bakery Show
ラスベガス
食品
11月6~9日
Pack Expo International
シカゴ
食品
11月14~17日
All4pack (Emballage)
パリ
一般
3月7~9日
CFIA
レンヌ
食品
5月4~10日
Interpack
デュッセルドルフ
一般
(上記は変更されることがあります)
分野
2016~2017年
食品・製菓
関連イベント
packazine | 28
本
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