342号 - 結核予防会

秩父宮妃記念
授
賞
式
第14回秩父宮妃記念結核予防功労賞 世界賞の授賞式
(フランス リール)
授賞式の様子 長田理事長(左)とリチャード・オブライエン氏(右)
左―長田理事長,中央―リチャード・オブライエン氏ご夫妻,右―石川副理事長
フランス リールにて開催された第42回国際結核肺疾患予防連合世界大会の10月
27日のオープニングセレモニーの中で,第14回秩父宮妃記念結核予防功労賞・世界
賞の授賞式が行われ,リチャード・オブライエン氏(アメリカ・新診断技術開発財
団製品評価実証部長)が表彰されました。総裁秋篠宮妃殿下からの表彰状が,本会
を代表して長田理事長より授与されました。
リチャード・オブライエン氏は,結核の新薬・診断法の研究拡大に尽力され,そ
の功績が認められ表彰されました。
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Message 年頭のごあいさつ
財団法人結核予防会大阪府支部
お
ぐ ら
たけし
小倉 剛
支部長 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
されてから早や5年になろうとしています。その一環
昨年は国の内外で大きな自然災害が頻発し,被災地
として始められた生活習慣病でもあるCOPDの共同研
ではまだまだご苦労が続いています。今年こそ様変わ
究事業は全国支部のご協力を得て今年3月をもって終
りし,希望に満ちた1年になるよう期待しています。
了しますが,厚生労働省厚生労働科学研究費補助金に
さて,本年2月,第63回結核予防全国大会が大阪で
よるCOPDのスクリーニングの研究班が新たにスター
開催されます。昨年,開催準備にご尽力された福島県
トし,厚生労働省では「COPDの予防・早期発見に関
を引き継ぎ,有意義で楽しい大会になるよう準備して
する検討会」に次いで日本医師会,日本呼吸器学会,
おりますので,多数の方々が御来阪くださるようお待
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会,結核予防会
ちしています。
による「COPD対策推進会議」が発足しました。我々
今大会は当地にとり3回目の開催に当たりますが,
支部にとってはCOPDの健診・保健指導に大きな期待
その間,大阪府では20年間,大阪市では40年間の長き
がかかる年になりそうです。
に亘り全国最悪の結核罹患状況が続いています。この
しかし,我が国の行政・経済・財政状態を顧みれば,
ような背景には,大阪の社会的環境が少なからず影響
楽観を許さない状況にあります。
していることは明らかで,今大会でもご指摘があろう
辰年に相応しく発想を新たに新
かと思います。勿論,当支部にとっても積年の課題で
規の事業展開を図るとともに,や
あり,今大会,さらには,全国から関心を集めた新し
はり温故知新,長年の経験に学び,
い知事と市長の誕生を機会に,がんや生活習慣病を含
自施設の運営強化に一層努力する
めた広い視野からの効率的な健康増進対策の実践に一
必要があるようです。
層努力する所存であります。
本部,全国各支部のご発展を祈
結核に次いで,結核予防会の基本方針としてCOPD
念すると共にご指導,ご鞭撻をお
などの呼吸器疾患,がん疾患,メタボリック症候群な
願い申し上げ,新年のご挨拶とい
どの生活習慣病,国際協力への取り組みが本誌に宣言
たします。
Contents
■メッセージ
年頭のごあいさつ
小倉 剛……1
■新春ご挨拶2012
佐々木義樓・丸瀬 和美・上ノ山幸子……2
■お知らせ 第63回結核予防全国大会開催要領(案) ……3
■教育の頁
日本版DOTSの進展
加藤 誠也……4
■シリーズ 結核対策活動紹介
鈴鹿保健所における薬局DOTSの取組みについて
伊東抄代子・山川 秀美・三木 惠弘・坂井 温子……6
■結核研究所対策支援部が行う「研修事業」のご紹介 ……7
■第70回日本公衆衛生学会総会報告
●第70回日本公衆衛生学会に参加して
石塚 共實……8
●「結核集団発生対策に関する自由集会」参加報告
赤田真貴子……9
■2010年度胸部画像精度管理研究会報告
尾形 英雄……10
■平成23年度結核予防技術者地区別講習会実施報告
……12
■KAPに注目が集まった,第10回アジア・太平洋地域エイズ
国際会議
岩橋 恒太……15
■第42回国際結核肺疾患連合(IUATLD)世界大会報告
∼規模拡大とケアのためのパートナーシップ∼
下内 昭・山田 紀男……16
■結核予防週間レポート
続報 結核予防週間支部活動報告
……18
■宮城県支部・遼寧防癆協会日中友好交流会
20周年記念大会に出席して
長田 功……20
■健康日本21推進全国連絡協議会平成23年度合同分科会
「震災時(非常時)における健康づくり・生活習慣病対策」
……22
■第5回両岸四地たばこ対策交流検討会に島尾顧問が参加される
……23
■APACT2013 ロゴマーク決まる
……23
■思い出の人を偲んで
最上キクヱさんを偲んで
染谷 睦子……24
■ストップ結核パートナーシップ日本だよりNo.19
カミングアウト
宮本 彩子……26
■シールだより
●平成23年度 複十字シール運動担当者会議について……27
●マルハン・ドリーム・カップにおける複十字シール運動の
広報活動報告
……28
■工藤翔二先生の保健文化賞をお祝いする会開催
……28
▽予防会だより
……29
○平成23年度 診療放射線技師研修会開催のご案内
○国際結核セミナー・全国結核対策推進会議・世界結核デー
記念フォーラム予告
○街頭無料結核検診が実施されました
○「複十字」掲載主要論文・記事一覧
No.337(1月号)∼No.341(11月号)/2011年
○東日本大震災写真展ならびに募金経過報告
○新結核関連切手紹介シリーズ(9)
〔表 紙〕「大キレット越しに槍ヶ岳を臨む」
撮影地 北アルプス北穂高岳(3,106m)北峰
撮影者 堀川春男氏
〔カット〕佐藤奈津江
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新春ご挨拶 2012
公益財団法人移行にあたり
財団法人青森県総合健診センター
理事長 佐々木
義樓
新年あけましておめでとうございます。
当法人の事業運営につきましては,平素から格別の
ご支援,ご協力を賜り,厚くお礼申しあげます。
昨年の東日本大震災の被災者の皆様には心よりお見
舞い申し上げますとともに,一日も早い復興をお祈り
申し上げます。
さて,私は昨年4月から当センターの理事長に就任
しましたが,当法人の事業計画の重点事項でありまし
た公益認定申請について,10月に公益認定等審議会の
審査を受け,本年4月より公益財団法人青森県総合健
結核予防会事業協議会の発足
にあたって
結核予防会事業協議会会長
(鳥取県支部常務理事兼事務局長)
丸瀬 和美
新春を迎え,謹んでお慶びを申し上げます。
東日本大震災及び大津波,紀伊半島豪雨による深層
崩壊などにより,犠牲になられた方々のご冥福をお祈
りいたします。
日本及び世界中で自然災害による被害が拡大してお
り,危機管理の重要性が増しています。また,急激な円
高の進行による企業の海外移転,事業縮小などによる
従業員の減少など,世界に目を転じるとユーロ圏の混乱,
中国の経済成長力に陰りが見られるなど日本及び世界
経済の動向から目が離せません。支部経営は,これらの
全国大会を開催するにあたって
社団法人大阪エイフボランタリーネットワーク
会長 上ノ山
幸子
新年明けましておめでとうございます。
昨年は,東日本大震災や台風等による集中豪雨など
で,不幸にして多くの方が被災され,何とも悲しいこ
とが多い1年でございました。本年こそは良き年とな
るよう願うばかりでございます。
第63回結核予防全国大会が,大阪府において開催さ
れますことは誠に喜ばしく,ご尽力いただいた関係者
の皆様に深く敬意を表する次第でございます。
さて,大阪府における平成22年の結核罹患率は,人
口10万当たり29.9で,昨年までの30台を下回ったもの
2
診センターとして新しい一歩を踏み出すこととなって
おります。これもひとえに結核予防会と全国の関係団
体の皆様方のご協力の賜と感謝しております。
結核感染者の高齢化が続いている現状で,青森県の
高齢化率は全国的にみて高いことから,当法人の健診
事業の役割はますます重要なものと考えております
が,青森県民の健康保持・増進につなげるため,引き
続き結核予防会並びに結核予防婦人会等と協力し,結
核健診の受診率向上,早期治療のため結核の知識の普
及及び啓発活動に努めていく所存でございます。
今年は公益財団法人として新たな取り組みに邁進
し,精度の高い健診,サービスの行き届いた健診を提
供していきたいと考えております。
最後に,皆様方のご発展とご健勝を祈念申し上げ新
年のご挨拶といたします。
影響による受注の減少,競合など困難を迎えております。
結核予防会は,ストップ結核ボランティア大使に
JOYさんを任命し,結核問題のメッセージを発信し,
若者,高齢者,ホームレスなどの結核が増えているこ
とから健診受診による早期発見・早期治療を呼び掛け
るなど,結核の予防と啓発を進めています。また,東
日本大震災後には本部の呼びかけで支部から多額の資
金拠出と多数の職員が健康支援活動に参加し,3ヶ月
余活動を展開いたしました。
昨年4月に結核予防会事業協議会は,結核予防会全
国支部事務局協議会と結核予防会事業連絡協議会を統
合して発足いたしました。事業協議会は,本部支部の
結束を図って結核予防会の発展に尽くす所存でありま
すので,今後ともよろしくお願い致します。
最後に,皆様のご発展とご健勝を祈念いたしまして,
新年のご挨拶とさせていただきます。
の全国ワースト1の不名誉な記録は,10年継続してい
ます。
私たち「大阪エイフ」は「結核ゼロ運動」を合言葉
に,保健所や地域医師会等関係機関の協力を得て,積
極的に予防啓発活動を推進して参りました。
また毎年9月には,結核予防会大阪府支部と共催で,
「結核予防推進大会」を開催し,結核の正しい知識の習
得と健診の重要性を学び,地域活動に生かしております。
複十字シール運動につきましても,エイフ会員1名
1組募金を目標に,活動を推進して参りました。
私は一昨年の11月,結核予防会の方達とカンボジアの
結核事情を実地に視察させて頂き,シール運動による国
際貢献の重要性を改めて痛感したところでございます。
2月に開催される大会には,全国から多数の皆様に
大阪へお越しいただき,実り多き大会となりますよう
祈念申し上げ,新年のご挨拶といたします。
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お知らせ
第63回結核予防全国大会 開催要領(案)
と き 平成24年2月13日(月)・14日(火)
ところ 大阪府大阪市
期 日 平成24年2月13日(月)・14日(火)
場 所 リーガロイヤルホテル
【第2日】2月14日(火)
1.全国支部長会議
(大阪府大阪市北区中之島5丁目3番68号)
10:00∼11:30
主 催 大阪府,
大阪市,
公益財団法人結核予防会
場 所:(山楽1)
主催協力 財団法人結核予防会大阪府支部
2.全国結核予防婦人団体連絡協議会懇談会
後 援(予定)
10:30∼11:20
厚生労働省,外務省,社団法人日本医師会,
社団法人全国結核予防婦人団体連絡協議会,
(山楽2)
場 所:
3.支部長午餐会
12:00∼12:30
財団法人健康・体力づくり事業財団,特定非
営利活動法人ストップ結核パートナーシップ
場 所:(クラウン)
日本,ストップ結核パートナーシップ推進議
4.大会式典
13:00∼14:00
員連盟,大阪府教育委員会,大阪市教育委員
会,堺市,東大阪市,高槻市,大阪府市長会,
場 所:(光琳)
大阪府町村長会,社団法人大阪府医師会,社
式 次 第
団法人大阪府歯科医師会,社団法人大阪薬剤
⑴ 開会のことば
財団法人結核予防会大阪府支部長
師会,社団法人大阪府看護協会,日本赤十字
社大阪府支部,社団法人大阪エイフボランタ
⑵ 運営委員長あいさつ
大阪府知事
リーネットワーク,大阪市地域女性団体協議
⑶ 開催地市長あいさつ
大阪市長
会,財団法人大阪公衆衛生協会,社団法人大
⑷ 結核予防会総裁おことば
公益財団法人結核予防会総裁
阪府放射線技師会,社団法人大阪府臨床検査
技師会,財団法人大阪対がん協会,社会福祉
⑸ 結核予防会理事長あいさつ
公益財団法人結核予防会理事長
法人大阪府社会福祉協議会,社会福祉法人大
阪市社会福祉協議会,朝日新聞大阪本社,読
⑹ 秩父宮妃記念結核予防功労賞
第15回受賞者表彰
売新聞大阪本社,日本経済新聞大阪本社,産
経新聞大阪本社,毎日新聞大阪本社,日本放
⑺ 来賓祝辞
送協会NHK大阪放送局,関西テレビ放送株
厚生労働大臣
式会社,朝日放送株式会社,株式会社毎日放
社団法人日本医師会会長
送,読売テレビ放送株式会社,テレビ大阪株
社団法人全国結核予防婦人団体連絡協議会会長
式会社,株式会社新日本海新聞社大阪本社
⑻ 議 事
議長および副議長選出
全国支部長会議概要
【第1日】2月13日(月)
1.全国結核予防婦人団体連絡協議会理事会
15:00∼16:00
決議および宣言
次期開催地について
場 所:(桂)
⑼ 閉 会
2.全国結核予防婦人団体連絡協議会総会
5.シンポジウム
16:10∼17:00
14:10∼16:00
場 所:
(桐)
場 所:(光琳)
3.大会決議・宣言起草委員会
6.大会歓迎レセプション
16:00∼17:00
場 所:(蔦)
16:20∼17:30
場 所:(山楽)
(今後,変更が生じる場合があります)
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教育の頁
日本版DOTSの進展
結核研究所
加藤 誠也
副所長 日本版DOTSは平成16年12月に「結核患者に対する
シャルワーカー等を中心とし,服薬継続の妨げに
DOTS(直接服薬確認療法)の推進について」が発出
なりうる社会的要因に関して,チームによる包括
され,平成17年4月より施行された改正結核予防法よ
的な支援を実施する。
り保健所長及び医師に患者が確実に服薬できるよう指
3. DOTSカンファレンスについては,保健所,医
導する義務が課せられてから,全国的に実施されるよ
療機関,その他の関係機関の全ての関係する職種
うになった。地域DOTSはほとんど全ての保健所で実
が参加することが明確になった。外来で治療を開
施されるようになったが,コホート検討会等による評
始する患者についても,潜在性結核感染症患者を
価事業は不十分な地域がある。院内DOTSは概念が明
含めて,保健所は個別患者支援計画を作成し服薬
確になっておらず,十分に実施されていない医療機関
終了まで支援する。ただし,保健所はDOTSカン
があり,患者中心の服薬支援が実施されるよう外来
ファレンスを関係機関との地域連携パスや個別の
DOTSの充実を図る必要がある。結核患者の減少とと
連絡等で代用してもよい。
もに結核を診療できる医師が減少しており,医療の質
4
4. 地域DOTS:従来,地域A型は毎日・外来,B
を保つことも重要な課題となりつつある。
型は週1-2回以上・訪問,C型は月1-2回以上・
このような状況の中で,平成23年5月に出された「結
連絡と実施頻度と方法を1:1対応させていたが,
核に関する特定感染症予防指針」では,保健所はコホー
既に保健所等では,患者の状況に合わせて外来,
ト検討会の充実,地域連携パスの導入など,保健所,
訪問,連絡確認を組み合わせるなどの柔軟な服薬
医療機関,社会福祉施設,薬局等の関係機関との連携
確認方法をとっていることから,新通知では脱落・
及び保健師,看護師,薬剤師等の複数職種の連携によっ
中断のリスクによって実施頻度を定めて,患者中
て積極的な活動が実施されるよう,適切な評価及び技
心の支援が行えるように,1人の患者において服
術的助言を行い,地域連携体制の強化を図ること,医
薬確認方法を組み合わせてもよいこととなった。
療機関においては外来治療とDOTSを含めた患者支援
5. コホート検討会は,対象者全員の治療成績のコ
の一体的な実施を推進すること,患者教育の観点から
ホート分析とその検討を行い,治療不成功の原因
医療機関における入院中からのDOTSを十分に行うな
を検討することによって,DOTSの実施方法及び
ど,地域DOTSが有効な患者支援となるよう徹底する
患者支援の評価・見直しを行い,地域における
方針が示された。
DOTS体制の推進を図ることを目的として強化が
この予防指針に示された考え方に基づき,平成23年
必要である。また,服薬支援のみならず,地域の
10月12日付で前述のDOTSに関する通知が改正され
結核医療や結核対策全般の課題についても検討を
た。主な改正点は以下のような点である。
行うこととした。評価指標として,全患者に対す
1. DOTS対象者は結核対策上の優先順位が高い塗
るDOTS実施率95%以上,治療終了・脱落5%以
抹陽性患者のみであったが,再発・耐性菌出現の
下は変わらない。チェックポイントとして従来の
防止,潜在性結核感染症患者の発病予防を徹底す
毎月の菌所見,治療状況,副作用の有無の把握,
るために,全ての患者を対象とすることになった。
治療失敗・中断例については症例検討会の実施に
2. 院内DOTSは従来の体系図にもあったが,概念
加えて,菌(培養)陰性化の確認,DOTS実施状
が明確になった。新通知では,院内DOTSの要素
況,接触者健診が挙げられている。参加者には医
として,①患者教育,②服薬支援,③保健所との
療機関の医師,看護師,薬剤師等に加えて,社会
連携が挙げられており,入院医療機関と地域の医
福祉士や介護関係者等,患者支援に関わる全ての
療機関・保健所の連携の下に,患者自身が服薬の
関係者の参加が望まれる。
重要性を理解し規則的内服を動機づけることがで
さらに,既に試みられている地域連携によって,遠
きるように,関係する職種からなるチームによる
隔地の結核病院に入院した患者が身近な医療機関への
包括的な支援を実施することとした。さらに,ソー
スムーズな転院が可能となり,地元の医師会の結核医
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療への関与の推進によって,治療成績の向上や入院期
用することによって患者中心の服薬支援がより進展す
間の短縮に役立っている。また,都市部ではかかりつ
ることが期待される。
け医,調剤薬局,介護関係者など様々な社会資源を活
日本版21世紀型DOTS戦略推進体系図
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結核対策
活動紹介
鈴鹿保健所における
薬局DOTSの取組みについて
鈴鹿保健福祉事務所(鈴鹿保健所)
○伊東 抄代子 山川 秀美 三木 惠弘 坂井 温子
1.鈴鹿保健所管内の概要
への手応えを感じ,薬剤師会理事の了解のもと,より
認識を深めていただくために,結核指定医療機関登録
薬局に対して結核服薬手帳と患者用リーフレットの配
布を行った。
現状では,薬局DOTSのきっかけとなったS薬局の
みでの実施となっているが,薬局に対してDOTS委託
料や手数料等の支払いは行っておらず,状況は電話連
絡にて保健所から患者,薬局の双方に確認を行ってい
る。この点について,薬局からは,DOTSは薬剤師の
本来の役割であり,薬局の業務の中にDOTSに関する
業務や費用は含まれているものと考えているとの意見
をいただいている。
また,薬局DOTSの実施者数は,平成21年度は1名,
平成22年度は2名,平成23年度(11月末日現在)は5
名と徐々に増加している。
鈴鹿保健所は,三重県の北中部に位置し,管内(鈴
鹿市・亀山市)の人口は約24万9千人で,県人口の
13.6%を占める。高齢化率は19.1%と全国,県平均よ
り低く,生産年齢人口や外国人の割合は高く,流出入
も多い。また,結核新登録者数は年間30人前後で推移
し,罹患率は13前後と低い。平成22年度の新登録者を
年 齢 別 に み る と,80歳 以 上 が45.7 %,70歳 以 上 は
62.8%と,全国平均に比べ高齢化率が低いにもかかわ
らず,高齢者の結核患者の割合が高い地域である。
2.「薬局DOTS」の気づき
薬局DOTSが自然に始まっていった事例を紹介する。
A氏は67歳の男性で,平成21年9月上旬に結核性胸膜
炎と診断され外来治療となったため,保健所では月1回
の訪問や来所による地域DOTSを開始した。11月にA氏
が保健所へ来所した際,服薬手帳には既に印鑑が押さ
れていた(図)
。これについて本人に確認すると「S薬
局で薬を貰う時に,空袋を持って行き,薬剤師さんに押
印してもらいました」とのことであった。その後もS薬
局薬剤師による空袋の確認・押印が継続し,保健所で
は押印済みの服薬手帳の確認や,電話連絡にて服薬継
続の確認を行うようになった。そこで,これは薬剤師に
よる服薬確認,即ち「薬局DOTS」では?と気づいた。
5.まとめ
一つの事例をきっかけに薬局DOTSの導入の可能性
に気づき,衛生指導課と連携を図ることで,薬局への
連絡が円滑に行え,薬剤師会とのつながりもできた。
また,薬剤師の方にとっても,薬剤師の専門的知識を
生かすことができるものと捉えていただくことができた。
薬局DOTSは,患者本人の了解が得られた場合は誰
でも対象になると考えている。特に,高齢者では結核
の他,合併症があり数種類の薬を服用している場合も
多く,抗結核薬との相互作用や副作用の確認が必要で
あり,薬剤師が支援者になるメリットは大きい。また,
寝たきり等で在宅療養中の人も,薬剤師の訪問事業を
活用することで,薬局DOTSの拡大が期待できる。
今後も,薬剤師会との協働のもと,薬局DOTSの実
施に協力いただける薬局を増やし,体制を整えていき
たいと考えている。
最後に,
「人が人とつながって人を治す」という意
識をもち,患者が確実に服薬できるように支援すると
いう目標に向かい,患者の生活スタイルに合わせた支
援の提供ができるよう多くの職種で連携をもち,地域
DOTSを推進していきたい。
3.取組状況の確認
S薬局のA氏への関わりの詳細等を知りたいと考え,
薬事業務でつながりがある保健所衛生指導課を通して,
S薬局へ連絡したところ,話が順調に進んでいった。A
氏の服薬終了前の平成22年5月にS薬局への同行訪問
が実現し,現場にて状況を確認することができた。当時
はA氏のみに実施しており,S薬局の中でも,DOTSに
ついての認知度は十分ではない,ということが分かった。
おそらく,他薬局でも認知度は低いであろうと思われた。
4.薬局DOTSの拡大に向けて
そこで,薬局薬剤師の方々に対して,DOTSに関する
研修会を開催することにした。幸い,S薬局所属の薬剤
師会理事の方が,鈴鹿地区薬剤師会の勉強会の場を活
用できるよう便宜を図ってくださった。7月27日に実施
した研修会には36名の会員の参加があり,結核の基礎知
識やDOTSの概念,結核服薬手帳(の
んびり)やA氏の事例について紹介
し,
薬局DOTSへの協力をお願いした。
研修会受講後のアンケート調査の
結果,DOTSに対する理解が得られ,
関心度も高いことがわかり,自由意
見でも前向きな意見が多くみられ
た。中には,保健所と薬局の連携を
より深めていく必要性についての提
案もあった(表)。
この研修会によって,薬局DOTS
6
参考文献
財団法人結核予防会「保健師・看護師の結核展望」通巻94号
(Vol.47 No 2)p37-45
図
表
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結核研究所対策支援部が行う「研修事業」のご紹介
結核研究所 対策支援部
保健看護学科では,
「保健師対策5日間コース」
「保健師看護師等基礎実践コース」
「フォローアップコース」
「合
同アドバンスコース」の4コース(合計7回)を実施しています。今回は「フォローアップコース」の内容を中
心にご紹介します。
「保健師対策5日間コース」
結核対策を担う行政機関の保健師を対象にしたコー
スです。6月と9月に実施し,164名の参加を得ました。
「保健師看護師等基礎実践コース(4日間)」
結核業務に関わる新人およびブランクがある看護
師・保健師向けの基礎知識に重点を置いたコースです。
3回(10月・11月・12月)実施し,参加者は238名で
した。年々,看護師の申し込みが増えていますが,
DOTS対策に関わる薬剤師や臨床検査技師,看護大学
教員の参加もみられます。 写真1 フォローアップ研修の様子
療器具で,口で吹くことにより,排痰を誘発します。
ネブライザーと同様の効果があり,今後の普及が期待
「フォローアップコース(2日間)」
されています。 各コースのフォローアップとして,結核業務に携わ
る行政および医療機関の保健師・看護師等担当者が最
「合同アドバンスコース(2週間)」
新情報を習得できるコースです。(参加者91名)
平成24年1月に医学科・放射線学科・保健看護学科
今年は,二人の先生を特別講師としてお迎えしまし
の3科合同で開催予定です。結核の知識だけでなく,
た。お一人は結核予防会顧問の島尾忠男先生です。「結
実際の事例を用いた演習やワークショップ,グループ
核制圧のために何をなすべきか,過去の経験を将来に
研究を行います。昨年度N-95マスクの定量的なフィッ
いかに活かすべきか」をテーマに結核対策の歴史につ
トテストを体験しました。(写真2)
いてお話しいただきました。受講生から「結核対策の
歴史的変遷を初めて知り,結核への思いが高まった」
という感想が寄せられました。時代の流れとともに対
策も見直され,低まん延達成に向け手を緩めてはいけ
ないと熱い気持ちになりました。
もう一人の講師である工学院大学建築学部教授の筧
敦男先生には,「施設管理から見た感染対策」と題し
て講義をいただきました。ハード面での院内感染対策
については初めて聴くことが多く,特に,結核病床の
写真2 フィットテストの様子
施設基準の考え方は大変勉強になりました。
写真1は,オプションで実施したラングフルートの
人材育成は結核対策の要です。研修は全国の結核業
説明風景です。結核の診断・治療において,喀痰検査
務に関わる方々と出会える唯一の機会です。保健看護
は欠かせませんが,痰の喀出が困難な患者も多くみら
学科では,患者指導やDOTS支援者育成の教材をそろ
れます。ラングフルートはたて笛のような形をした医
えて皆様のご参加をお待ちしています。
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第70回日本公衆衛生学会総会報告
第70回日本公衆衛生学会に
参加して
秋田県健康福祉部健康推進課
石塚 共實
課長 「公共性の地平から見た公衆衛生の将来展望」のメイ
ンテーマの下,平成23年10月19日・20日・21日の3日間
秋田県秋田市において「第70回日本公衆衛生学会」が
開催されました。19日の開会式では東日本大震災の被災
者の御冥福を祈り参加者全員による黙祷を行いました。
開催前の数日間の荒れた天気とは正反対に3日間と
も晴れ渡り,晩秋の秋田の紅葉,おいしい食べ物,お
酒等を多くの方々に味わっていただいたことと大変喜
んでおります。
特に今年は,3月の東日本大震災があったことから,
多くの方が参加してくれるのか不安を抱えて開催日を
迎えましたが,おかげさまで3,100名を超える参加者
を迎えることができました。
特別講演の講師を,共に秋田県出身の東京国立博物
館館長の銭谷眞美先生と前東大総長佐々木毅先生に引
き受けていただきました。お二方共著名な先生であり
ますが,お忙しい中ご講演くださいました。
今年の学会は,3・11の東日本大震災の影響もあり,
被災地支援に関するシンポジウムや,放射線関連のシ
ンポジウムに関心が高く,多くの参加者がありました。
私も生活習慣病予防ー特定健診・特定保健指導の今
後を見据えてーと題するシンポジウムで発表させてい
8
ただきました。
して行いました。
過去において実践してきた秋田県における脳卒中対
初日には,歓迎行事として秋田県男鹿市に伝わる「な
策の取り組み等報告させていただきました。昭和50年
まはげ郷神楽」が上演されました。勇壮な和太鼓が打ち
代秋田県での「短命県返上」を目的とした循環器検診
鳴らされる中,
「ウオー・ウオー泣ぐ子はいねがー」と叫
をはじめとする脳卒中対策から昭和58年に始まった老
びながら会場の後方から「なまはげ」の入場がありまし
人保健法,更には平成20年からの特定健診・特定保健
た。サプライズ効果で参加者の皆様は喜んでおりました。
指導,そのすべての施策に自分も関わり,住民と共に
個人的な話になりますが,実は私,小学生の頃男鹿市
推進してきましたが,やはり秋田県にとっては,血圧
で育ちまして,なまはげは怖いものと教わりまして,親
を中心とする循環器対策を熱望する声が多くあり,特
には何か悪さをするとすぐ「なまはげ来るよ」と脅かさ
定健診・特定保健指導の実施率は伸び悩んでいるとい
れていたせいか,今でも声を聞くと緊張してしまいます。
うのが現状であります。平成24年度に見直しが行われ
今回も近くになまはげが来ると緊張して体が固まってし
ることとなっております特定健診・特定保健指導に大
まいました。でも本来なまはげは神の使者であり,あり
いに期待しているところです。
がたいものであることに変わりはありません。是非秋田
秋田県では自殺予防対策にも力を入れており,今回
にお出でいただきご覧いただければありがたいです。
のシンポジウムでも多くの参加者がありました。平成
数年前,秋田での第70回全国公衆衛生学会が決まっ
13年度から県の重点施策として事業が開始され,多く
た頃は,ぼんやりと学会には何らかのお手伝いをしたい
の方々から協力をいただき,この10年間で減少傾向に
と考えておりましたが,23年度を迎え自分が実務担当者
あります。今では「民・学・官」の連携による秋田モ
となり,何とか関係者の皆様の協力のもと無事開催でき
デルとも言われており,県民の関心も高く公開講座と
たことを本当に嬉しく思います。
ありがとうございました。
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「結核集団発生対策に関する
自由集会」参加報告
秋田市保健所 健康管理課
赤田 真貴子
感染症・難病担当 主席主査 10月19日(水),第70回日本公衆衛生学会に合わせて
② 事業所内外国人集団発生事例「ベトナム人技能実
結核予防会結核研究所の主催による「結核集団発生対
習生を初発とした集団発生事例」相模原市保健所か
策に関する自由集会」が秋田県民会館ジョイナスにて
らの報告。
開催されました。結核研究所石川信克所長の挨拶に始
結核の高まん延国からの来日で,発症者が全て同
まり,開催を待ち望んでいた参加者117人と会場は熱
国からの来日者で,以前から感染していた可能性も
気に包まれました。
否定できない事例。
参加者から小中学生結核対策委員会では,高まん
講演「クォンティフェロンの応用と問題点」
結核研究所名誉所長 森 亨 氏
延国についての対応がとられていることから,入国
QFT検査について,既感染率を基にしてあらかじ
して国へ要望してほしいとの意見も出されたが,厚
め見当をつけた解釈が大切なこと,疑陽性は高まん延
生労働省では高まん延国からの入国者に対して健診
集団については,偽陰性,見落とし防止,低まん延集
等の対応について検討している旨の情報提供があっ
団については偽陽性,読み過ぎの防止の意味があるこ
た。
者に対しても対応が必要であることを結核研究所と
と。CDCの勧告によると検査後の対応として感染の
③ 高校における集団感染事例「高等学校における結
状況証拠がある,感染を受けやすい,発病しやすい,
核集団発生事例からの教訓∼広範囲に及んだ感染の
発病後の予後が不良の場合は陽性の判定,健康者で感
要因分析」奈良県郡山保健所からの報告。
染や発病のリスクが小さいときは偽陽性,BCG既接
宗教団体の特殊な活動内容が把握できていないた
種者で以上に該当しない場合は偽陽性とし,その他の
め,調査内容に不足があったことを反省点として,
場合,判定保留とするのが合理的であることやより安
また,接触者健診を依頼しても依頼先の保健所から
定した検査技術の開発などの課題があることについて
健診不要と判断され,初回の依頼では健診を実施で
の講演がありました。
きないこともあったことから,健診実施についての
基準にばらつきがあり標準化が必要との報告がされ
事例報告
た。
① 院内及び施設内集団感染事例「呼吸器症状のない
高齢者結核の病院内および高齢者福祉施設内集団感
結核予防会山下事業部顧問,結核研究所加藤副所長,
染事例」茨城県竜ヶ崎保健所からの報告。
山形県衛生研究所阿彦所長や
呼吸器症状は認められないが,難聴があり,至近
距離での会話,介助を要する事例。
参加者から,事例に対する質
問と共に課題等対応について
高齢者結核の早期発見のために市町村,福祉施設
積極的な意見交換がされまし
等での結核健診,医療機関での診断体制の重要性,
た。日々,結核対策に取り組
接触者健診結果評価のためにベースとなるQFT検
まれている医師,全国で結核
査の導入の必要性が課題として挙げられた。また,
対策に奔走されている従事者
潜在性結核感染症診断時の胸部CT検査導入により
の熱い想いが感じられる集会
胸部レントゲン撮影よりも早期の肺結核が診断され
となりました。初めての参加
る傾向にあるという報告がされた。
で,時間が過ぎるのがとても
参加者から胸部CT検査は,自然治癒するものも
早く感じられ,もうしばらく
発症としてしまうこともあり,難しい問題であるこ
参加者の意見を聴いていたい
とが指摘され,また,子どもについては胸部CT検
という想いが残る,また,翌
査を依頼することもあるが,大人については勧めな
日からの結核業務へ新たな意
い,子どもは息を止めにくいことや,被曝量を考え
欲をみなぎらせてくれる貴重
て慎重に対応する必要がある等の意見が出された。
な集会でした。
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2010年度
胸部画像精度管理研究会報告
複十字病院副院長
(結核予防会 胸部検診対策委員会 精度管理部会長) 尾形
はじめに
PACS
(医療用画像管理システム)の急速な普及を背景にし
て,予防会の胸部間接・直接撮影フィルムの精度管理を担っ
てきたフィルム評価会を,2009年からはモニター画像の精度
管理も含めた胸部画像精度管理研究会に衣替えして第2回目
になった。この間にも新たにPACSを導入した支部や,胸部デ
ジタル画像のフィルムだしを止めモニター診断に切り替える
支部が更に増加してきていた。その一方で,胸部健診車のミ
ラーカメラを完全にCR
(デジタル撮影システム)に置き換える
ことは経営的に難しいためか,間接撮影フィルムによる胸部
健診を大半の支部(43支部中40)が続けている。これまでの
間接・直接撮影フィルムの精度管理を継続しながら,モニター
画像とその読影の新たな精度管理方法を模索している当研究
会の現況を報告する。
研究会の概要
2010年度胸部画像精度管理研究会は,2010年12月9日・
英雄
10日の二日間にわたって結核研究所の4階講堂に全国38支
部から医師・放射線技師60名以上が集結して開催された。
フィルム画像の撮影条件に関するアドバイザーとしてフィル
ムメーカーの専門家を,モニター画像に関する疑問に答えて
もらうためモニター・PACSのメーカーの技術者を招いたの
で,事務局を含めると総勢90人ほどの参加者であった。医師・
放射線技師を6班に分けて,各班にシャーカステンを用意し
て初日午前中にアナログ直接撮影フィルム91枚の評価,午後
からデジタル画像フィルム130枚(うち6枚データのみ)の
評価を行った。デジタル画像フィルムを見るとき,該当する
デジタル元データのある58例(32支部)についてはメーカー
の用意したモニター画面(ソフトコピー)で同時表示してそ
のフィルム画像(ハードコピー)と見比べられるようにした。
二日目の午前は間接フィルム112巻についてのフィルム評価
を実施した。間接撮影フィルムについては「胸部間接撮影
フィルムの評価基準」に,直接撮影フィルムとデジタル画像
フィルムについては
「胸部直接フィルムの評価基準」
のマニュ
図1 間接撮影フィルム評価結果の年次推移
図2 直接撮影フィルム評価結果の年次推移
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アルにそれぞれ基づいて濃度,コントラスト,鮮鋭度,粒状
性,姿勢などの9−10因子について「適」
・
「やや適」
・
「やや
不適」
・
「不適」などの評価をして,最終的にA・B・C(上・
中・下)D・Eの総合評価を下した。
フィルム評価成績
間接撮影フィルムは最高評価であるA判定が16%,これに
次ぐB判定は35%だったので,提出された間接フィルムの
51%が「優れたフィルム」と評価されたことになる。一方「か
ろうじて読影可能」なC下評価のフィルムは,わずか2%だっ
た。間接撮影フィルム評価結果の年次推移(図1)によれば,
2010年は過去25年の中で最高の成績だった。間接フィルム撮
影装置は,メーカーが機器の部品供給を止めたことから,故
障すれば使用不能となる運命にあるが,耐久性に優れた機器
なので今後もしばらくは集検で使われると思う。アナログ直
接撮影フィルムも,B評価が56%と過去最高でC上評価は
25%と過去最低だった。A評価15%を加えると,
「優れたフィ
ルム」は71%にのぼった。確かにこの25年間にフィルムメー
カーによる胸部撮影に特化したフィルムの開発や,増感紙・
カセット・自動現像機の改良があったこと,当研究会からの
各支部への長年の指導効果かもしれない。しかし,単純に
2010年の評価が以前より甘くなった可能性もあるので,2011
年度のフィルム評価結果を注目する必要がある。デジタル
フィルムの評価は,A評価24%,B評価39%とこの3年間で
は良好な成績だが,これまでの最高成績は評価開始時の1998
年である。間接・直接撮影フィルムの評価成績が,評価開始
時の1985年に最も悪かったことと逆の関係になっている。こ
れはデジタルフィルムの評価開始時はわずか14枚の評価だっ
たが,その後急速に評価枚数が増加するとともに評価が悪く
なっている。おそらくあまり質の高くない安価な撮像装置を
購入した支部や,ソフトコピー診断している支部が普段使用
していないプリンターでハードコピーを提出したため,質の
劣るデジタルフィルムが提出されたためと考える。
今年度の教育講演会
胸部画像精度管理研究会に衣替えしてから,毎年デジタル
フィルム評価の前にPACS・モニターのメーカーから機器に関す
る情報提供を受けている。今年度は東京特殊電線から「液晶モ
ニターの原理」
,東陽テクニカから「液晶モニターの精度管理」
について説明を受けた。モニターはその使用頻度に応じて劣化
するので,日常的に使用すれば5年程度で交換しないとモニター
照度が低下してソフトコピー診断に支障が生じるという。医師・
放射線技師のレベルアップを目的とした教育講演会は,東京女
子医科大学の画像診断学・核医学講座の主任教授 坂井修二
先生にお願いした。
「デジタル胸部X線撮影の現況∼原理から
臨床応用まで∼」という我々にとって最も必要な講演だったと
思う。撮影装置としてのCRとFPDの比較を述べられ,前者は導
入コストが安く,ポータブル撮影・骨撮影に有利であるが,後
者は撮影から画面表示までが短時間で,装置がコンパクト,被
曝量軽減がしやすく,患者の位置合わせ不良による再撮影不要
な点が優れていると述べられた。導入コストが許せば,胸部健
診にはCRよりFPDが向いていることになるので,これから
PACSを導入する支部にとっては参考になる知識である。また
今後新たにでてくるデジタル撮影装置として,Dual Energy
Subtraction,Tomosynthesis,Slot Scanなどの解説をしていた
だいた。厚生労働省石垣班の研究では,ソフトコピー診断(モ
ニター診断)とハードコピー診断(フィルム診断)では,その
診断率に有意差はないが,ソフトコピー診断ではディスプレイ
の選択が重要との結論だったという。更に日本肺癌学会集団検
診委員会の肺癌集検デジタル撮影条件検討のための小委員会
は,撮影距離を180㎝≦,撮影電圧は120kV≦,グリッド比は
12:1≦,被曝線量は0.3mGy≧の条件をリコメンドすると同時に,
ソフトコピー用画像処理はフィルムより修飾することを推奨して
いる。これは極めて重要な指摘で,これまで我々はソフトコピー
画像を,アナログフィルムのA評価画像に近づけることばかり
考えてきた。しかし,ソフトコピーは全く別の診断技術と位置
づけて,病変を発見しやすいソフトコピー画像を追求すること
を考えるべきだろう。
おわりに
3月11日に発生した東日本大震災は,結核予防会の岩手
県・宮城県・福島県支部の施設に様々な爪痕を残したが,
幸いにして本研究会参加者を含め人的被害はなかったと聞
いている。毎年この研究会報告を書くのが部会長の務めと
心得ているが,今年に限っては大震災のインパクトが余り
に強烈で,その数ヶ月前に開催したこの研究会の記憶が薄
れてしまい思い返すのに大変苦労した。来年はこのような,
不幸な自然災害が日本に起きないことを祈るばかりである。
図3 デジタルフィルム評価結果の年次推移
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平成23年度結核予防技術者地区別講習会実施報告
○講習会テーマ
合同講義Ⅰ・Ⅱ(結核予防会)「結核対策の方向性∼予防指針・予防計画の改訂を通して∼」
合同講義Ⅲ(厚生労働省)
「結核対策の方向性∼予防指針・予防計画の改訂を通して∼」
医学科講義
「結核の診断と治療∼早期発見をめざして∼」
放射線学科講義
「結核対策の基礎知識・デジタル診断の課題」
保健看護学科講義
「結核のない世界をめざして∼地域連携体制の強化を柱に∼」
○開催地・講師一覧
開催地
東北
(山形県)
関東・甲信越
(茨城県)
東海・北陸
(三重県)
近畿
(兵庫県)
中国・四国
(香川県)
九州
(沖縄県)
日 程
担 当 講 師
11月29日(火)∼11月30日(水)
合 同 講 義:下内 昭(結核研究所副所長)
医 師:御手洗 聡(結核研究所抗酸菌レファレンス部副部長)
保 健 師:小林 典子(結核研究所対策支援部長)
診療放射線技師:星野 豊(結核研究所放射線学科長)
厚 生 労 働 省:伊藤 智朗(健康局結核感染症課課長補佐)
10月6日(木)∼10月7日(金)
合 同 講 義:加藤 誠也(結核研究所副所長)
医 師:吉山 崇(複十字病院診療主幹)
保 健 師:浦川美奈子(結核研究所保健看護学科科長代理)
診療放射線技師:星野 豊(結核研究所放射線学科長)
厚 生 労 働 省:伊藤 智朗(健康局結核感染症課課長補佐)
8月25日(木)∼8月26日(金)
合 同 講 義:加藤 誠也(結核研究所副所長)
医 師:吉山 崇(複十字病院診療主幹)
保 健 師:浦川美奈子(結核研究所保健看護学科科長代理)
診療放射線技師:星野 豊(結核研究所放射線学科長)
厚 生 労 働 省:伊藤 智朗(健康局結核感染症課課長補佐)
6月30日(木)∼7月1日(金)
合 同 講 義:加藤 誠也(結核研究所副所長)
医 師:吉山 崇(複十字病院診療主幹)
保 健 師:小林 典子(結核研究所対策支援部長)
診療放射線技師:星野 豊(結核研究所放射線学科長)
厚 生 労 働 省:伊藤 智朗(健康局結核感染症課課長補佐)
8月23日(火)∼8月24日(水)
合 同 講 義:石川 信克(結核研究所所長)
医 師:伊藤 邦彦(結核研究所臨床・疫学部長)
保 健 師:永田 容子(結核研究所保健看護学科長)
診療放射線技師:星野 豊(結核研究所放射線学科長)
厚 生 労 働 省:伊藤 智朗(健康局結核感染症課課長補佐)
7月21日(木)∼7月22日(金)
合 同 講 義:下内 昭(結核研究所副所長)
医 師:御手洗 聡(結核研究所抗酸菌レファレンス部副部長)
保 健 師:永田 容子(結核研究所保健看護学科長)
診療放射線技師:星野 豊(結核研究所放射線学科長)
厚 生 労 働 省:伊藤 智朗(健康局結核感染症課課長補佐)
東北地区(山形県)
山形県健康福祉部保健薬務課
感染症難病対策担当
髙橋 彩乃
主査 平成23年度東北地区結核予防技術者地区別講習会
は,山形県が担当県となり,11月29日,30日の2日間
にわたり山形市の山形国際ホテルで開催しました。
本県での開催は平成25年度の予定でしたが,3月に
発生した東日本大震災の影響で,今年度開催予定の岩
手県での開催ができなくなり,急遽お引き受けするこ
ととなりました。4月に配属になったばかりの私は右
も左もわからず,結核や,地区別講習会について勉強
しながら,予算の確保から動き出し,日程も通常の夏
開催からは大幅に遅れ,雪が心配される11月末の開催
となりました。参加者が集まるのか,開催にこぎつけ
られるのか等の心配はありましたが,震災後であるに
もかかわらず,東北地区の医療機関や行政機関はもと
12
より,北海道から約180名の参加をいただき,結核に
関わる方々の関心の高さを感じる2日間でした。
合同講義では,
「結核対策の方向性∼予防指針・予防
計画の改訂を通して∼」と題して,各講師の先生から本
年5月に改訂された予防指針についてわかりやすく御講
義いただきました。最新の情報は参加者にとって興味を
引くものであり,
とても有意義だったのではないでしょうか。
結核対策特別促進事業の報告では,震災の影響で発
表できる県が限られ,青森県,秋田県の御担当の方に
本当に御協力いただきました。「発表できる内容で」
ということで,テーマにこだわらず何とか事例を挙げ
ていただき,3事例を発表することができました。発
表後には,厚生労働省,結核研究所の講師の先生方か
ら貴重な御意見をいただきました。
行政担当者会議では,各道県市から大変多くの議題
が出されました。特に「予防指針の改訂」
,
「結核病床の
維持」
,
「DOTSの推進」等について各県からの現状報告
と意見が出され,先生方からの御助言もいただき,短い
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時間ではありましたが,
貴重な情報交換の場となりました。
三科別講義では,医師,診療放射線技師及び保健師・
看護師の専門的見地からそれぞれの職種における最新
の結核対策について御講義いただき,大変有意義な時
間になったものと思います。
最後になりましたが,本講習会の開催に当たっては震
災後の多忙な中ではありましたが,準備段階から御協力
いただきました結核研究所の方々,各自治体の担当者の
皆様,講師の先生方,事例発表をいただきました発表
者の皆様,そして,講習会に御参加いただきました皆様
に,この場をお借りしまして深く感謝申し上げます。
関東・甲信越地区
(茨城県)
茨城県保健福祉部保健予防課
健康危機管理対策室
小沼 弘美
係長 平成23年度の関東甲信越地区の結核予防技術者地区
別講習会は,東日本大震災の発生に伴い,本県での開
催が一時危ぶまれましたが,関係者の皆様の御支援,
御協力をいただき,10月6日,7日の2日間にわたり
茨城県庁で開催することができました。
本講習会は,我が国の結核対策の第一人者である先
生方から,結核の現状と対策及び最新の情報を交えて
専門的な知見を分かりやすく学べる機会であることか
ら,県内外の自治体担当者をはじめ,医療機関等から
約250名の方々の御参加をいただきました。
合同講義では,特定感染症予防指針・予防計画の改
訂を通して,今後の結核対策の方向性について,御講
義をいただきました。参加者から活発な質問があり,
先生方から丁寧な御回答をいただき,とても有意義な
講義となりました。
三科別講義では,医師,看護師・保健師,診療放射
線技師ごとに分かれて,それぞれの職種における最新
の結核対策の情報について御講義をいただきました。
参加者から,「即,活かすことができる内容であった。」
等の感想を多数いただきました。
また,結核対策特別促進事業の報告・評価では,先駆
的な取り組み事例として,
「東京都のDOTS支援員派遣事
業」
「相模原市の結核予防啓発の動画作成」
「筑波学園病
院内のDOTSの現状と課題」について,報告していただき
ました。講習会を通して,改めて結核予防に関する普及
啓発や早期発見による適切な治療の促進,感染防止に努
めることの重要性について,再認識することができました。
今回の講習会で習得した効率的で効果的な結核対策
について,参加者が地域の実情に合った結核対策に取
り組む際に,お役立ていただくよう祈念しております。
末筆になりましたが,
本講習会の開催にあたり,
御支援,
御尽力をいただきました結核研究所の先生方を始め,関
係者の皆様にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。
東海・北陸地区(三重県)
三重県健康福祉部
健康危機管理室感染症対策グループ
谷出 早由美
主幹 平成23年度東海・北陸地区の結核予防技術者地区別
講習会は,三重県が担当県となり,8月25日(木)から
26日(金)の2日間にわたり津市で開催しました。県内
外の行政担当者,保健所,医療機関等から約190名の
方々にご参加いただきました。
合同講義では,結核研究所の先生方等から最新の結
核医療や今後の方向性について御講義いただきました。
特に今年度は,予防指針・予防計画が改訂され,地域
医療連携体制の構築,地域DOTSの推進などが位置づ
けられました。御教示いただいた内容は非常に有用であ
り,各自治体がさらに結核対策の充実を図ろうとする時
期に,大いに施策に活用できるものであると感じました。
三科別講義の医師対象講義は,結核医療に携わる開業
医や病院医師の方々に多く参加していただき,病診連携
体制の整備を進めるために,日頃,抱える問題点や課題に
ついて議論いただきました。初めての試みでしたが,患者
を紹介する側,される側のそれぞれの立場からの意見が
紹介され,理解を深める良い機会になったことと思います。
最後になりましたが,企画の段階から御協力いただ
くとともに,当日はご熱心に御指導をいただきました
結核研究所の諸先生方,また,結核対策特別促進事業
のご発表をいただきました各県の方々をはじめ,関係
者の皆さまに心から感謝を申し上げます。
近畿地区(兵庫県)
兵庫県健康福祉部健康局疾病対策課感染症係
鴻池 純二
主査 近畿地区における平成23年度結核予防技術者地区別
講習会は,兵庫県が開催県となり,6月30日,7月1
日の日程で兵庫県民会館において開催しました。
当日は,近畿府県の結核対策に従事する行政担当者や
医療機関関係者等280名を超える参加をいただきました。
今回の講習会は,
「結核に関する特定感染症予防指針」
が改訂されてから間もない時期での開催であったため,
合同講義における結核研究所の加藤先生や厚生労働省の
伊藤先生からお話いただいた指針改訂のポイントや改訂
にまつわる裏話等は非常にタイムリーな話題となりました。
結核対策特別促進事業の報告・評価では,3題異な
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る内容の報告をいただきました。京都府からは,事業
所における接触者集団健診がスムーズに対応できた事
例を紹介いただき,同様の事例が発生した場合対応す
るためにとても参考になりました。滋賀県からは,外
国人の結核患者に対する対応について,教材を開発さ
れている話やマニュアルの作成など,今後ぜひ参考に
させていただきたい報告をいただきました。和歌山県
からはクリティカルパスの導入状況を報告いただき,
先駆的な取り組みにただただ感心させられました。
行政担当者会議は,近畿地区では同様の会議がある
ため,これまで地区別講習会において開催していませ
んでした。しかし,今回初めて開催し地域の結核医療
体制のことなど課題や問題点,または要望に対して直
接厚生労働省や結核研究所の先生方からご回答いただ
くことができ,非常に有意義な会議となりました。
最後に,今回の講習会を開催するにあたりご指導い
ただきました結核研究所の先生方及び研修担当,また,
ご協力いただいた皆様に感謝と共にお礼申し上げます。
中国・四国地区(香川県)
香川県健康福祉部薬務感染症対策課
堀本 宏
副主幹 平成23年度中国・四国地区結核予防技術者地区別講
習会は,香川県が担当県となり,8月23・24日の日程
で高松市の香川県社会福祉総合センターにおいて開催
し,
県内外から約100名の方々に御参加いただきました。
合同講義・参加別講義では,結核研究所所長の石川
先生,厚生労働省の伊藤先生を始め,講師の皆様方に
よる熱心な講義が行われ,
充実した講習会となりました。
結核対策特別促進事業の報告では,山口県宇部健康
福祉センターから「山口県における地域DOTS事業の取
り組みについて」
,独立行政法人国立病院機構高松医療
センターから「継続した医療を目指して∼拠点病院の役
割と取り組み∼」
,香川県と高松市の保健所合同チーム
から「香川県の地域DOTSの取り組み」について,実際
の業務に即した御報告をいただき,御参加いただいた
皆様にも,大変,参考になったのではないかと思います。
御報告をお願いした皆様方には,短い準備期間にも
かかわらず,充実した発表を行っていただき,ありが
とうございました。
また,結核担当者会議では,多数の議題が寄せられ,
熱心な議論が交わされましたが,進行の不手際で,開
始時間が遅れ,十分な時間が取れませんでした。この
結核担当者会議と結核対策特別促進事業の報告・評価
については,もう少し,余裕を持った設定が必要であっ
たと反省しております。
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最後になりましたが,お忙しい中,御講義をいただ
いた講師の先生方,特別促進事業の報告で発表をして
いただいた皆様,本講習会の開催にあたり,御指導,
御協力をいただいた結核研究所の皆様,出席者名簿の
取りまとめや議題の提案・回答など御協力いただいた
各自治体の担当者の皆様,そして,大変暑い時期にも
かかわらず,会場に足をお運びいただいた参加者の皆
様にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。
九州地区(沖縄県)
沖縄県福祉保健部健康増進課
久場 香代子
主任 平成23年度九州地区結核予防技術者地区別講習会
は,沖縄県が担当県として,7月21日及び22日の2日
間沖縄県市町村自治会館で開催いたしました。県内外
の保健所,市町村,医療機関等から約220名と多数の
参加をいただきました。
開催時期については特に離島県である本県では台風
が心配されましたので台風が多い9月から10月を避け
て選定したのですが,なんと講師出発予定日に東京に
台風が近づき,講師の来県が危ぶまれ大変心配しまし
たが,結核研究所の先生方のご厚意により,台風を避
けて予定よりも早めにご来県いただき無事開催するこ
とができました。ありがとうございました。
5月に「結核に関する特定感染症予防指針」が一部
改訂されたばかりであり,今後の結核対策の方向性に
ついて関心が高まるなかでの開催でした。合同講義で
は,結核研究所下内副所長,厚生労働省伊藤課長補佐
から「結核対策の方向性∼予防指針・予防計画の改訂
を通して∼」をテーマとしたご講義をいただきました。
合同講義・職種別講義とも会場からは,数多くの質問
がだされ,たいへん有意義な講習となりました。
結核対策特別促進事業の報告・評価では,熊本市及び
沖縄県から事業の紹介がありました。熊本市から「結核
院内(施設内)感染予防研修会」と題して,医療機関,
特別養護老人ホームを対象とした研修会の内容について
報告いただきました。沖縄県から「沖縄県北部福祉保健
所における地域コホート検討会の効果について」と題し,
コホート検討会の内容,効果,課題等について報告いただ
きました。報告事業について,講師の先生方からの助言,
会場からの質問等により,
大変充実した報告会になりました。
最後になりましたが,遠方よりお越しいただいた講
師の先生方,ご多忙のなか結核対策特別促進事業の報
告をいただいた方々,参加いただいた皆様,開催半年
前から企画・運営にご指導いただいた結核研究所の皆
様に,この場をお借りして深く感謝申し上げます。
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KAPに注目が集まった,
第10回アジア・太平洋地域エイズ国際会議
名古屋市立大学/慶應義塾大学大学院社会学研究科 岩橋 恒太
ア ジ ア・ 太 平 洋 地 域 の エ イ ズ 対 策 を 議 論 す る
ア地域の新規HIV感染の流行予測である。この予測で
International Congress on AIDS in Asia and the
は,アジア地域において有効なエイズ対策が行われな
Pacific(ICAAP)の第10回大会が昨年,8月26日か
い場合,2010年代後半から急速な感染拡大が起こる可
ら30日にかけて韓国・釜山で行われた。
能性を指摘している。ここでは感染経路別の分析も
1990年から始まったICAAPは今回で10回目になる。
行っており,特に男性と性交渉をもつ男性(MSM)
日本でも2005年に神戸で開催されている。今回もNGO
の間での感染拡大の可能性が指摘されている。こうし
や当事者による参加が多くあり,大会本部の報告によ
た状況を背景にして今回のICAAPは実施された。
れば,今回のICAAPには60ヶ国から約3,000人が参加
MSMなどHIVの感染に影響を受けやすい層を近年,
したという。こうした,世界中からエイズ対策に関わ
Key Affected Populations(KAP)と呼んでいるが,
る人々が本会議に参加した背景には,ICAAPがカバー
今回のICAAPでもKAPの対策および当事者の参加に
する地域のエイズ動向に対する世界的な注目がある。
注目が集まった。例えば,最終日にICAAPにおいて
表1はUNAIDS(国連エイズ合同計画)の報告よる
初めてMSMのエイズ対策をテーマにしたプレナリー
2009年時点のHIV陽性者数データである。東アジアお
セッションが行われたことは象徴的だった。
よび東南・南アジアをみてみると,約487万人のHIV
韓国はICAAP開催に合わせるように2010年にHIV
陽性者が居住している(日本の2009年度累積報告数は
陽性者の入国規制を解除した。しかし一方で,エイズ
約1.8万人)。成人HIV陽性率を他の地域と比較すると
対策に関わる薬物使用者やセックスワーカーなどの
率に大きな差はないようにみえるが,この地域では居
KAP当事者の入国ができないなどの課題を残した。
住人口が大きいため,陽性者の数はサハラ以南アフリ
加えて,インドとEU間のFTA(自由貿易協定)反対
カ地域に次ぐ規模となっている。
デモも今期中に行わ
さらに,表2はAsian Epidemic Modelによるアジ
れ た。FTAが 成 立
するとインド製ジェ
表1 UNAIDS「世界のエイズ流行」
HIV陽性者数
ネリック医薬品に制
2009年データ
限がかかり,HIV陽
成人HIV陽性率(%)
性者の治療へのアク
東アジア
410万
0.3
東南・南アジア
77万
0.1
オセアニア
5.7万
0.3
なるというのが理由
北アメリカ
150万
0.5
だ。このデモは沸騰
3,330万
0.8
し,一部の部会が中
世界合計
表2 アジアにおける感染経路別,成人の新規HIV感染者数の推計:
初期には予防介入が成功したことにより減少したが,
近年の介入の失策により増加する,と推計された。
現在セックスワーカーの客である男性
男性と性交渉をもつ男性
現在感染リスクのある層にいない男性
新規感染者数(100万)
静注薬物使用者
すべてのセックスワーカー(薬物使用を問わず)
現在感染リスクのある層にいない女性
セスに大きな障害に
エイズ予防財団のブース。日本各
地のNGOの活動紹介も行われた。
断されるなど,残念
な事態も起こってし
まった。
トラブルもあった
今回のICAAPだが,
アジア地域のエイズ
対策の課題や,HIV
陽性者およびKAPの
参加の重要性を改め
て確認した点は非常
に大きな成果だと感
じた。次回は2013年
にタイ・バンコクで
出典:Asian Epidemic Model estimates for the Asian region
行われる予定である。
第10回ICAAPの会場となった釜山
BEXCO
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第42回国際結核肺疾患連合(IUATLD)世界大会報告
“規模拡大とケアのためのパートナーシップ”
結核研究所
2011年10月26―30日
フランス,リール(Lille)
下内 昭
山田 紀男
副所長 国際協力部長 リールはパリから高速鉄道で1時間のところにある
るカーブがアジアほど大きくないことと人口構成で若
工業都市であるが,ロンドンやベルギーからの交通の
年層の割合が高いことが相まって,年齢別に結核患者
便もよく,また古い街並みも残っており,日本では観
数を見ると,調査対象年齢(15歳以上)では若年者層
光としてあまり有名ではないが,落ち着いた街である。
ほど結核が多い分布であった。今後アフリカ地域でタ
会場は街の中心地から近いリール・グランパレである
ンザニア等のいくつかの国で有病率調査が実施される
が,周りは道が広く,政府関係の高い建物が並ぶ中に
予定であり,アジアとアフリカの疫学像の相違などが
あって,外観はサッカー場のようであった。参加者は,
明らかになっていくと期待される。
世界の129ヶ国から2,400人の肺疾患の専門家,公衆衛
生行政担当者,政策立案者,活動家,地域の代表が集
3.小児結核シンポジウム
まった。今回の学術プログラムは卒後教育コース,ワー
世界では毎年900万人が結核を発症し,そのうち100
クショップ,シンポジウム,全体講演,教育講演,口
万人が小児と推定されている。従来,小児結核は感染
頭発表およびポスター発表が合計160以上と最近では
性が低いということで,対策の中での優先順位が低く,
最もセッションが多い会議であったが,いくつかのト
silent problem「沈黙した問題」とされてきた。しかし,
ピックに絞って報告する。
小児結核は診断が困難であり,重症化することも多く,
適切に治療ができなければ,将来の患者増につながる。
1.特別講演「どのように民間部門が保健サービ
スの拡大に貢献できるか」
このような反省から,ここ数年,漸く小児結核に目が
スイスの民間会社の経営責任者フランドセン氏が,
対策に導入され始めた。ただし,WHOの接触者健診
アフリカで水を濾過して安全な水を供給する器具(商
ガイドラインでは,X線検査やツベルクリン反応検査
標LifeStraw)を安く供給し,特に小児の下痢症の予
ができなくても,喀痰塗抹陽性患者の家族であり,結
防に貢献しているプロジェクトを紹介した。器具販売
核を疑わせる症状の組み合わせがあれば,活動性結核
のために使用現場の様子を紹介したプロモーションビ
として治療し,症状がなければ潜在性 結 核 感 染 症
デオを使い,参加者も全容がよく理解できた。税金を
(LTBI)として治療してよいとされており,診断の
使わなくても貧しい人々の保健が推進できる可能性を
信頼性に課題が残っている。一方,南アフリカの小児
示した貴重な発表であった。活動の基本的考えは「戦
結核の研究と対策の先進地域では,すでに多剤耐性患
略を明確にし,それに沿って進み続ける」であった。
者の接触者健診も開始している。初発患者の菌と二次
向けられ始め,WHOでも小児結核が正式に各国での
患者の菌が合致するのは60%だけであったという結果
2.有病率調査シンポジウム
から,小児の接触者に対しては,菌が感受性であるか
結 核 研 究 所 石 川 所 長 が 議 長 を 務 め た。 一 昨 年 の
も知れないので,ヒドラジド(INH),エタンブトー
IUATLDア ジ ア 太 平 洋 地 域 会 議(北 京)
,昨年の
ル(EB),オフロキサシンを6ヶ月投与するLTBI治
IUATLD世界会議(ベルリン)に引き続き,本テー
療が試行されている。
マで3回目のシンポジウムであった。WHO小野崎医
ミャンマー・エチオピア・中国の有病率調査結果の発
4.多剤耐性結核短期治療法の教育講演(IUATLD
のハンス・リーダー氏)
表と,WHO本部の担当者から有病率調査と疫学推計
世界では毎年,推定44万人の多剤耐性患者が発生し
について発表があった。特にエチオピア調査は,アフ
ている。WHOの多剤耐性結核治療ガイドラインでは,
リカにおいてほぼ50年ぶりに実施された。WHOの推
18-24ヶ月投薬することになっている。しかし,バン
奨方法にもとづく全国有病率調査であり,参加者の関
グラデシュでは,ガチフロキサシン,EB,クロファ
心が高かった。調査結果で,印象的だったのは,結核
ジミン,カナマイシン(KM),ピラジナミド(PZA),
患者の年齢分布である。有病率が年齢とともに上昇す
INHを9ヶ月投与する標準レジメンで,高い治療成功
師から,世界の有病率調査の実施状況の概要説明の後,
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ポスターセッション ミャンマーの西山氏とルィン氏の発表
率を達成した。治療中断しないようにするのが最も肝
の政府やNGOに与える影響は大きい。この度地域の
要である。クロファジミンの作用機序は明らかでない
結核対策で結核史を変えた記念書籍がBRACより発行
が,使った場合に,再発率が低いことが報告された。
された。
また,カメルーンでの12ヶ月療法は,INHとKMを最
初の4ヶ月,EB,PZA,プロチオナミド,ガチフロ
6.ポスターセッション
キサシン,クロファジミンを全期間投薬するレジメン
結核予防会が途上国で活動している内容について以
で,90%以上の治癒率を達成した。ただし,このプロ
下の発表がそれぞれなされた。カンボジア:胸部X線
ジェクトでは患者管理を完全にしており,実際の現場
撮影の精度管理,フィリピン:胸部X線撮影研修効果
では,脱落率はこれより増えるであろう。当該地域で
の評価,タイ:結核対策におけるオペレーショナル実施
フルオロキノロンの感受性率が高い場合には,その薬
能力向上の研究,山岳部族の受診勧奨のためのパート
剤を標準レジメンに加えるべきであると提言し,途上
ナーシップの成功例,ケニア:喀痰塗抹検査に関する
国での多剤耐性結核治療に一石を投じている。
研究。
5.BRAC(バングラデシュ農村発展委員会)の活
動を紹介するシンポジウム
まとめ
世界最大のNGOと言われるBRACのモットーは「小
必要な一方で,小児結核,多剤耐性結核の実情はまだ
さいことは美しいが,大きいことも必要」であり,よ
まだ不明な点が多く,現状を分析する調査が今後,ま
い活動は地域活動でできるだけ広く,都市部も含めて
すます重要になる。接触者健診は日本でもいろいろと
国全体に広げようという方針である。バングラデシュ
苦慮することが多いが,途上国では,罹患率が高いな
で事務所スタッフ2,100人,現場スタッフ46,000人,ボ
かで,すでに,その課題に取り組まなければならない
ランティア89,000人を抱えて,特に貧しい人々に対す
状況に入りつつある。なお,結核予防会からは恒例の
る保健福祉ケアを展開している。バングラデシュが
秩父宮妃記念結核予防功労賞世界賞が新薬や診断法の
1970年にサイクロンの被害にあったときに設立された
研究拡大に尽力されたリチャード オブライエン氏に
が,1973年以降はバングラデシュ農村発展委員会とし
長田理事長から手渡された。日本では結核は年々患者
ている。結核研究所の石川所長がかつてボランティア
数が減少しているが,一方,世界を見ればまだまだ解
としてバングラデシュに赴任していたときに,BRAC
決していない状況を知るべく,読者の方々にも是非,
に対して地域活動の中に地域における保健ボランティ
次回,2012年11月12-17日,マレーシア・クアラルンプー
アによる結核対策患者支援を取り入れるように指導し
ルでの本大会に参加していただきたい。
新しい診断,感受性検査,新しい抗結核薬の開発が
たことが発端で基礎が確立され,現在の規模にまで結
核対策が拡大し,さらにアフガニスタンやアフリカ各
(本会議の発表内容は講師の許可を得て,次のサイト
国でも活躍している。世界に与える最も大きなインパ
からパワーポイント原稿を見ることができるので興味
クトは地域住民が知識を得て,力を合わせれば大きな
がある方は是非ご覧ください。
事業も自分達で実施できるということであり,他の国
http://uwclh.conference2web.com/
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続報 2011結核予防週間レポート
9月24日から30日までの結核予防週間を中心に,「全国一斉複十字シール運動キャンペーン」が実施され,11月
号(前号)に引き続きその活動を紹介いたします。
(誌面の都合により前回ご紹介できなかった記事です。)
神奈川
9月19日小田急線本厚木駅で支部職員,婦
人会合同で複十字シール運動を実施しまし
た。風船・シール・封筒・オーキューバン・
リーフレットを配布しました。
兵 庫
JR姫路駅前,JR明石駅前,三宮駅周辺に
て啓発資材の配布やシール募金の呼びかけ
をしました。
長 崎
富 山
富山市総曲輪通りにてリーフレット,複十
字シール等を配布しました。今年のリーフ
レットはJOY君です。
鳥 取
平井知事夫人にご参加いただき,県内3カ
所で複十字シール運動リーフレット,カッ
トバンを配布しました。NHKニュースや
日本海新聞で報道されました。
静 岡
栃 木
宇都宮市内ショッピングモールベルモール
内にて街頭キャンペーンを実施しました。
鹿児島
鹿児島中央駅コンコースにおいてみんなで
たすきをかけ,シール等を配布しキャン
ペーン活動を行いました。
高 知
長崎市夢彩都店正面玄関前にてポケット 結核の正しい知識を普及するため,静岡ク 高知市中心街では親子連れの方が多く,た
ティッシュ,リーフレット,風船等を配布。 イーンも今日一日は結核ボランティア大使。 くさんの子ども達が募金に協力してくれま
結核予防週間,結核の現状を訴えるととも
した。ありがとうございました。
にシール募金をお願いしました。
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宮 崎
宮崎県庁から宮崎市繁華街を健診の重要
性,結核予防週間等の啓発を呼びかけなが
らパレードしました。
青 森
青森市内のショッピングセンターなどの4
会場で,結核予防のPRと複十字シール運
動の募金協力を呼びかけました。
山 梨
JR甲府駅南口構内にて昨年好評だった花の
種とティッシュをセットにして配布しました。
花の種は「なでしこ」を配布したところ,
今年は名前が話題になっていることもあ
り,結核予防週間に対しても例年に増して
関心をもっていただいた模様でした。
東 京
9月10日・11日に開催された都立東久留米総
合高校での文化祭で各学年の保健委員が複
十字シール運動のたすきをかけて募金活動
をしていただき多額の募金が集まりました。
奈 良
近鉄奈良駅前菩薩行儀周辺にてシールぼう
やの着ぐるみとともにリーフレット,シー
ル等を配布しました。県政フラッシュ(TV)
の取材により多くの方に結核予防を啓発し
ました。
北海道
札幌市北区24条での街頭募金の様子。
大 阪
「平成23年度結核予防推進大会」−結核の
ない街,大阪をめざして−を守口市にて開
催。(社)大阪エイフボランタリーネット
ワークの会員等,合計215名が参加されま
した。
香 川
結核予防婦人会と共に募金活動を行うシー
ルぼうや。
三 重
三重県営サンアリーナで開催された2011福
祉フェスティバルにおいてシールぼうやの
Tシャツを着用し,募金を依頼するととも
に封筒,ティッシュ,シール運動リーフレッ
ト等普及啓発資材を配布しました。
沖 縄
那覇市内においてリーフレット,ポケット
ティッシュ,ボールペン等普及啓発資材を
配布し,街頭募金を行いました。
新 潟
新潟市民健康福祉まつりにて,リーフレッ
ト,ティッシュ等の配布,肺年齢測定を行
い,シール募金への協力を呼びかけました。
愛 媛
松山市駅北口付近にてポケットティッ
シュ,リーフレット,風船等を配布し,街
頭募金を行いました。
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宮城県支部・遼寧防癆協会日中友好交流会
20周年記念大会に出席して
結核予防会
理事長 長田 功
結核予防会宮城県支部と中国瀋陽市防癆協会は,
学術講演では,以下3題が講演された。
1991年から結核予防胸部疾病日中友好交流会を年一度
①島尾忠男先生「日本の結核まん延状況の推移と結
のペースで実施してきて大きな成果を上げてきた。今
年は20周年にあたり,瀋陽で記念大会が催されること
になり,結核予防会島尾忠男顧問に講演依頼の招待が
あり,随員として招待された小林典子対策支援部長の
両人に同行して理事長として私も瀋陽の記念大会に出
核対策の果たした役割」
②宮城県立がんセンター 高橋里美医療部長「日本
の肺がん対策」
③中国CDC 成詩明先生「中国結核病控制策略与
工作進展」(中国の結核対策とその成果)
席することになった。
島尾先生は結核対策の先輩国として,ご自身の体験
本隊と称すべき宮城県支部からは奥山哲夫事務局
も踏まえて日本の結核対策の実態を歴史的に述べら
長,水間誠事業部長,谷津昌弘企画課長の3人と宮城
れ,さらに現状にも及んだ。多くの人に感銘を与えら
県立がんセンター高橋里美医療部長が参加され,合計
れたようである。
7人の訪中団となった。
高橋先生の講演は,日本の肺がん診療のトップレベ
20年の歴史を積み重ねた日中交流会であるが,近時,
ルの話題で,私も興味深く拝聴した。その内容に加え
宮城県支部単独では特に学術面などで会の維持が困難
て先生ご自身の家族にまつわる日中友好秘話(?)を
を来す状況となり,かねて本部の参画を求めていた。
中国への感謝を込めて東北人らしい朴訥な話術で語ら
本部としても交流20年間に築いてきた実績は十分評価
れ,多大の共感を呼んだ。
に値するものであると考え,何らかの形でこの交流を
北京から来られた成詩明先生は中国の結核実態調査
続けられることが望ましいとの観点から,このたびそ
に基づく最近10年間の結核対策の進捗状況と今後の展
の実態を直接拝見するべく参加させてもらったわけで
望を示された。中国の現状を理解するために極めて有
ある。
益なものであった。3者の講演は意義の深いもので,
平成23年10月18日(火):中国南方航空で13:50成田
成功裡に学術講演は終わった。
発,16:50瀋陽着。直ちに迎えの車で宿舎の遼寧大厦
午後は北陵公園に案内された。清朝第2代太宗皇太
に向かった。途中,秋収のあとの夕陽が畑に沈まんと
極の墓陵である。豊かな山林と大きな池塘を配した敷
するのを車窓から眺めて,これが色々な人からそれぞ
地に年月のみが染めることのできる建造物の落ち着い
れの思いを込めて聞かされた「赤い夕陽」なのかと思
た古色にあたかも色付き始めた木々の紅葉が照り映え
うと「旧満州」に踏み入れたと実感した。当日夜は瀋
る光影は誠に好もしいものであった。長期に続いたい
陽市閏(えん)石衛生局長主催の歓迎会に臨んで,熱
ずれの王朝の創始期の遺構にはある種のエネルギーに
烈歓迎を受けた。
10月19日(水):午前ホテルの大講堂で交流20周年記
念の式典とそれに続いて学術講演会が催された。
我々訪問団一同と中国側の防癆協会関係者は演壇上
に席を設けられていた。日本側からは島尾団長が祝辞
を述べられた。壇上から聴講席を見ると大きな講堂は
満席で,出席者の多さに驚かされた。後聞に属するが,
聴講者は約400人で東北三省(遼寧,吉林,黒竜江)
全域に加えて,内蒙古地域からも集まっており,ほと
んどの参加者がそれぞれの地域の結核あるいは呼吸器
疾患に関して中心的に活動している医師であるとのこ
とであった。交流会に対する中国側の熱意と期待の強
さが実感された。
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北陵公園の前で
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満ちた気風を感ずることがあるが,この北陵も例外で
はなかった。
夜は瀋陽市胸科医院の歓迎会に市内のレストラン
「麗雅食典」で招待された。
10月20日(木):午前瀋陽故宮に案内された。故宮と
言えば北京を思い浮かべるが,ここは清朝が北京に遷
るまでの故宮であり,本家本元と言える。北京に比べ
て規模は10分の1とのことであるが,古拙と言う意味
で味のある建造物群であった。とりわけ「文溯閣(ぶ
んそかく)
」を参観できたのは私にとって一つの念願
を果たすことになった。清朝最盛期の乾
帝が凡そ天
下の有用な書物を遍く集めて写本にして2万冊を収め
瀋陽市胸科医院での歓迎(中央 張院長)
た四庫全書館を全国の7ヶ所に置いたが,北京の文淵
閣(ぶんえんかく)に次いで第2番目に竣工したもの
後話し合いで具体的に案件を決める必要があるが,実
である。内部を窺うと書物は移管されて書壇には僅か
地での「言葉」の問題などの課題はあるが,双方の努
な複製本が収められているだけであったが,原状の面
力で乗り越えたいものである。
影は偲ぶことはできた。
夜は瀋陽市防癆協会主催の送別会に臨んだ。劉倩(せ
旧友の亡父君が「旧満州国」時代に書誌学者として
ん)さんの流暢な日本語の挨拶を受け,瀋陽滞在での
文溯閣の管理に関わっていたことを最近知らされたの
時間の早さに思い,会は盛んなものとなった。
で,せめてもと文溯閣の扁額を写真に収めて旧友への
10月21日早朝,一行より一日早く帰国する長田だけ
土産とした。
が留まり,訪中団は長春防癆協会との交流のため,高
午後は張娟(けん)院長の案内で瀋陽市胸科医院を
速道路で長春に向かった。
参観させていただいた。新館工事で取り込み中を押し
一人留まった私は鞍山の玉石(ぎょくせき)観音(巨
かける結果となり,恐縮至極であった。結核病床は
大な玉(ぎょく)に彫られた観音)に案内された。夜
500床あり,常に満床である。年間結核の新患者数は
は胸科病院の張院長他職員一同に再び夕食を接待され
2万人とのことで,我々の想像を遙かに超える実態で
た。「一杯一杯復(また)一杯」と乾杯を重ねた後,
あった。こうした事実を踏まえて,交流を進めるべき
同席諸公と「何日君再来」を唱って別れた。
であると実感した。
10月21日(金):早朝空港へ。ホテル玄関に張院長ご
院内見学の後,今後の交流について話し合いがもた
自身が早朝にもかかわらず,わざわざ送別に来られた
れた。宮城県支部からは今までの型での交流は困難で
のには恐縮するよりほかはなかった。病院職員の案内
あるとの見解が示された。それを受けて予防会として
で空港手続きも極めてスムーズに終わり帰国の途につ
今後の交流についていくつかの提案を示した。結核研
いた。
究所で催されている国際研修コースへの参加,病院間
中国滞在中,一貫して手厚いもてなしを受け感謝の
の医師の交流による新しい知識の交換,あるいはラン
言葉も知らない。交流への熱い期待をひしひしと感じ
プ(LAMP)法など新しい検査法の共同研究,さらに
られたこのたびの訪中であった。瀋陽地区,宮城県支
将来的には抗結核薬の共同研究などが主な内容であ
部の20年間の交流成果を生かすためにも,より良い方
る。そのためには隔年に相互訪問をして事業計画の検
策を探したいと思う。
討などを行うのも一つの方法であるかと思われる。今
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健康日本21推進全国連絡協議会平成23年度合同分科会
「震災時(非常時)における健康づくり・
生活習慣病対策」
平成23年11月4日(金)午後2時より,サウスヒル永
田町(千代田区)において標記分科会が開催されまし
た。本分科会は栄養・食生活と運動とたばこの3つが
ありますが,今回は3月11日の東日本大震災を受け合
同で開催することとなり,協議会加入の139団体中,
35団体55名の参加を得ました。
保健師の立場から
福島県富岡町役場健康福祉課健康づくり係主任専門
保健師兼係長の安倍敬子さんは,富岡町が東電福島第
一原発の20㎞圏内のため郡山市内の避難所(ビッグパ
レット福島)に役場機能を移し,現在までに活動され
てきた経過と問題点をお話しくださいました。元々,
チリ地震の津波の経験から避難所設置は,スムーズに
行われました。ただ,原子力災害の訓練で80㎞避難を
想定していましたが,実際には翌日まで町内に留まり,
20㎞圏外,そして郡山市へと60㎞離れた場所へ移動し,
訓練と現実との開きを実感されていました。
また,4月にノロウイルス,8月に結核患者の発生
があり,糖尿病や認知症などの対応も長期化した避難
所での生活にご苦労された様子が伺えました。また,
避難先が全国に広がっており,震災前よりニーズが高
まるなか,町民の健康づくりをどのように展開してい
くのかという難しさも語られました。また,避難所に
は喫煙室が存在し喫煙対策は難しく,禁煙していた人
もストレスから喫煙を再開するなかなか厳しい状況
だったとも添えられました。
医師の立場から
宮城県南三陸町医療統括本部責任者,宮城県災害医
療コーディネーター,公立南三陸診療所管理者の西澤
匡史先生は,ベイサイドアリーナ総合体育館という
1500人収容の避難所の近くにお住まいなので,震災直
後から災害医療のコーディネーターとして救護所の設
置や急性期医療から医療支援チームの調整などを行っ
てこられました。情報の共有の重要性から朝のミーティ
ングを行い,医療の空白を解消するため,避難所中心
から民家避難者への巡回診療などを早期に開始されて
いました。特に,イスラエルからの医療支援チームを
受け入れ,妊婦健診やX線検査,眼科や耳鼻科など専
門的な検診を依頼し,
住民にも支援側にも喜ばれました。
また,地元医療機関の再開,医療の安定化,また通
院の足(町民バス)などを確保するために奔走され,
5月中旬には全国からの医療支援チームが撤退すると
いう状況を作られました。さらにマスコミへの取材に
丁寧に対応し,現状を全国に伝えることができたこと
などを報告されました。
22
最後には震災時の特殊な状況で被災者の血圧管理に
自宅測定のための血圧計を配布したり,DCAP(災害
時循環器リスク予防ネット)という新システムを活用
したり,災害時の循環器リスク予防スコアを使って生
活習慣病対策に役立てたことも紹介されました。
健康運動指導士の立場から
日本健康運動指導士会岩手県支部指導部長,岩手県
エアロビック連盟理事の藤野恵美さんは,陸前高田市
で,一般ボランティアとして94日,延べ指導人数25,132
人に対して活動されたことを報告されました。なかな
か避難生活では運動のことは取り上げられませんが,
子どもたちに声をかけながら,朝または午後に音楽を
かけ,みんなで運動をする輪を広げて行かれました。
最初は,ボランティアということもあり,活動場所を
少しずつ広げられました。実際には朝のミーティングに
参加し,避難所で懸念されるエコノミークラス症候群,
廃用症候群,低体温,誤嚥防止に足踏み運動や,肩の
運動,首や背中を伸ばしたり,歌を歌ったりすることな
どを取り入れ,できるところから実施されていきました。
夏休みの期間にはラジオ体操などを実施し,自然とみ
んなが集まるような状況を作っていかれました。
今後は寒くなるので,仮設住宅を中心に活動を続け
ていきますと力強く発表されました。
管理栄養士の立場から
岩手県一関保健所保健課上席管理栄養士の澤口眞規
子さんは,行政の対応として,栄養・食生活支援の困
難さをご報告くださいました。備蓄には,固定備蓄と
流通備蓄があり,保管等の問題から災害時に必要な物
資を外部から届けてもらう流通備蓄を当て込んでいた
ため,道路の寸断やガソリン不足で食糧不足が発生し
ました。しかし,地震発生当初は重要な栄養・食生活
は重要視されていなかったため,各避難所の食生活を
調査し,たんぱく質やビタミン,ミネラル不足などの
問題に対応されました。
また,学校敷地内にある仮設住宅者の食料確保のた
め,移動販売者に進入許可書の案内をしたり,寒さ対
策として仮設住宅に風除室(風よけに玄関を2重にす
る)を設けるよう依頼したり,生活全般にわたる支援
をされました。また地域にいらっしゃる食生活改善推
進員の方々の炊き出しの状況や既にある力をフルに活
用した事例を紹介していただきました。
最後に,自衛隊との協力体制も今後の課題であると
し,健康日本21推進全国連絡協議会の加入団体が,そ
れぞれの支部から情報収集し,支援していってほしい
(文責:編集部)
とまとめられました。
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第5回両岸四地たばこ対策交流検討会に
島尾顧問が参加される
9月5日(月)∼9月6日(火)台湾・台北市において,
標記会議が開催され,2013年アジア太平洋たばこ対策
会議の島尾忠男大会長が,大会のアピールも兼ねて招
待されました。
たばこ対策という大義名分の下,大陸(中国)・香港・
マカオ・台湾の4地域の会議がこの表記を使って5回
も続けて行われたことは画期的なことです。
前日の4日(日)には,4地域の研究者,地方保健指
導関連者が集まる夕食会に招待されるなど,歓迎ムー
ドが漂っていました。
開会式では,董氏基金会の理事長Dr. Milton M. S.
Shieh
(謝猛雄先生)が挨拶され,行政院衛生局や各地
域の代表が挨拶し,邱淑媞局長が台湾のたばこ対策を
講演し,先日来日されたDr. Ted Chen(チェン先生)
が,アメリカ・中国・台湾など広範囲のたばこ対策比
較を発表されました。
閉会式で発表される島尾先生
翌日の閉会式では,島尾先生が東日本大震災への援
助に感謝をお話しされるとともに,アジア太平洋たば
ズニーランドに近いと付け加えられると会場がより一
こ対策会議への参加を述べられましたが,会場がディ
層湧き上がりました。
(文責:編集部)
APACT2013 ロゴマーク決まる
2013年8月18日(日)∼21日(水)に千葉県の幕張メッ
セ国際会議場で開かれる第10回アジア太平洋たばこ対
策会議は,「たばこのない社会をめざして−健全な命
を守るために−」をテーマに開催されます。
今回,企画委員会のメンバーである平賀典子さんデ
ザインのロゴマークが10月12日に決定しました。日の
丸に「APACT2013」を筆文字にし,日本の象徴であ
る桜の花を右上にあしらい,開催日と開催地を添えた
デザインとなりました(写真)。
現在,組織委員会の立ち上げ,予算の確認などを進
めています。さらに,プログラムが固まりましたら,
ホームページ(http://www.apact.jp/)にも紹介して
いく予定です。
今後はシンガポールで第15回たばこか健康か世界会
介するためのブース展示や閉会式での大会長挨拶など
議(WCTOH)が3月20日(火)∼24日(土)が開催され
を準備する予定です。
(文責:編集部)
ます。その時にAPACTが日本で開催されることを紹
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最上キクヱさんを偲んで
最上 キクヱ さん
・1923年 山形県生まれ
・1941年 横浜市鶴見看護学校 卒業
・1943年 東海助産婦学校 卒業
・1945年 東京慈恵会専攻科保健婦講習過程修了
・1960年 法政大学経済学部 卒業
1944年東京都品川保健所に勤務以来,日本橋・小平・福生保健所を経て,精神
衛生センター梅ヶ丘分室に(室長として)2年在職する。
保健所を退職後,東京都精神医学総合研究所医療看護研究室研究生となり,精
神障害者の福生ひまわり協同作業所運営委員として精神保健活動に携わっていた。
文:NPOふれあいらんど小平の会 代表 染谷
24
睦子
私と最上さんとの出会いは昭和44年でし
にすら感じたものでした。
た。
しかしお付き合いするうちに,実に正確
私が昭和32年に保健婦学院を卒業し,ひ
にきちんと物事を捉えておられ,私と10歳
とり職場の小平町へ一般会計採用の保健婦
ほどしか違わないのにまるで大先生のよう
として就職し,常に保健所の職員の方々に
な差を感じさせられ,教えを請うのにきち
助けられながら町の保健婦としてどうで
んと下調べをしてからお訊ねするようでし
あったらよいか?と励んでおりました。
た。
出生から死亡に至るまでの統計や,その
母子保健・成人病・結核・伝染病のちに
間の疾病統計など,たくさんの基礎資料は
は精神など全ての事業に深くしっかりと研
地元の保健所が全てもっておられたので大
究される姿勢にいつも感動しておりました。
変ありがたい訳であります。
母子に対しては次のようなエピソードがあ
就職した当初は管轄の保健所は府中でし
りました。
たがその後,田無に変わりました。そして
最上さんは独身で育児など直接的な経験
昭和41年にいよいよ,一市一保健所となっ
をお持ちではありませんでした。しかしな
て小平保健所が市役所の目の前に新設され,
がら担当地区に未熟児を出産された母親が
毎日のように保健所に出向き,資料を頂い
あり,もう既に何人ものお子さんがある家
たり協力をお願いして,活動もより一層活
庭なので少しの間,妊娠を控えた方が良い
発になっておりました。そのような時に,
とお思いになられ,地区担当の家族計画指
最上さんが都内の保健所から転勤して来ら
導をされていた開業助産婦さんを訪ね,皆
れたのです。
さんの指導の様子を拝見したいと依頼され
ただお優しいだけでなく,すべての事に
ました。開業助産婦さんはこんなに偉そう
その根拠や目的,そして何を期待するのか
な保健婦さんにどのようにお見せしようか
等,お聞きになられるので一寸こわいよう
と当惑したそうです。しかしご一緒して訪
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問を終えた後,非常に感動し「さすが専門
けになられ,大変好転してきているとわざ
家ですね……」と最上さんが褒めてくださっ
わざ私の職場まで報告に来て下さっており
たので助産婦さんの方はその事をいつも誇
ました。
りにしてお仲間に話されていました。
88歳の今日になってもまだ燃えるような
いかなる時も相手をよく認め一言一言と
情熱を持ち続け,東京都精神医学総合研究
ても大切に話されている事を知り,私達は
所医療看護研究室研究生として後輩のため
常に尊敬の念を持って接しておりました。
に研究のまとめをされていたと伺い最上さ
小平保健所には7年余り在職されていま
んらしいお姿といよいよ尊敬の念を強くし
した。普通は4∼5年で交代されるようで
ました。
すが,転勤の辞令が出ても他の職場の人々
ただ昨年6月,生まれ故郷の山形のご実
からももう少しいて欲しいとの要請が出て
家へ休養かたがた帰省され突然ご他界され
とうとう長きに至りました。その間に急に
たのでした。長らくお世話になられた複十
活動が活発化した精神の事業や事例に大変
字病院の主治医の先生はじめ,皆様方にお
時間をさかれていたようです。市町村所属
礼のご挨拶がお出来になれなかった事が心
の私達,保健婦も困難事例などに直面する
残りであった事と思います。
とすぐにどうしたら良いかと相談させて頂
ご紹介申し上げた私から,恐縮ですが最
き,ゆっくりとではありますが良い方向に
上さんに代わってお礼を申し上げたく存じ
お導き頂き,いつまでも深く感謝をいたし
ます。ありがとうございました。
ました。
複十字シール運動に心ばかり寄附をさせ
定年退職されてからもずっと休むことな
ていただき,謹んで最上先輩のご冥福をお
くいろいろな会のアドバイザーや役員と
祈りいたします。
なって援助なさっておりました。
私の立ち上げた高齢者のNPO法人認知症
対応型通所施設の役員も,平成5年からお
引き受け下さり的確な尊いご指導をお受け
する事ができました。
ところが85歳頃だったでしょうか。ちょっ
と身体に異変が起こり,私如き者にご相談
されたので普段のお礼のお返しとばかり結
核研究所の先生にご相談申し上げ,複十字
病院にて安心して治療をお受けになられる
事ができました。
幸い感染症ではなかったのですが,治療
は必要でした。交通の便は良くなかったの
ですが保健婦らしく,きちんと医療をお受
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カミングアウト
ストップ結核パートナーシップ日本
参 考
・『ランセット』378号,Winstone Mwenda Zulu氏の追悼文
・http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12345209, Positive and living in Zambia(letter)Zulu W.
・http://www.aarjapan.gr.jp/lib/act/act0505-3aids-shosai.html, NPO法人難民を助ける会,
「ザンビアにお
けるエイズ問題の現状」
・http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/okotoba/okotoba-h21e.html, 宮内庁「主な式典におけるおこと
ば(平成21年)」
タイトル:俳人尾崎放哉の「咳をしても一人(Coughing even;alone)から。咳をしても1人じゃないぞ!
26
ストップ結核パートナーシップ日本だより №
2年前になりますが,結核予防会の創立70周年記念大会式典に,天皇陛下が,「私自身,
かつてストレプトマイシンやヒドラジッドなどの新薬の恩恵に浴したものの一人です。」
とお話しされました。 これには関係者一同,驚きをもって受けとめたと聞いています。
これは,結核について「正しく恐れる」姿勢を示していただいたことになり,結核につい
ての啓発ということでは意義が大きく有り難いおことばでした。
2011年10月12日,ザンビアのエイズ,結核活動家のウィンストン・ズル氏が亡くなりま
した。享年47歳。国連合同エイズ計画(UNAIDS),ストップ結核パートナーシップのスポー
クスパーソンほか様々な役職にあり,ザンビア国内はもちろん,国際的にエイズの予防,
治療,結核治療薬へのアクセス強化の必要性を訴え続けていました。日本へも度々来日さ
れ,第57回結核予防全国大会,記念シンポジウムでは,「アフリカの結核危機と日本の貢献」
の講演をしています。
ザンビア国内で初めてHIV感染者が発見されたのは,1984年。2002年には,平均寿命が
32.7歳まで低下,世界で一番平均寿命の低い国となりました。ズルさんがHIV陽性と診断
されたのは,1990年。そして自身のHIV感染をザンビアで初めて公表,活動を開始します。
世界的にエイズ対策に支援を求めるため,5大陸の政策担当者たちと面会し,日本におい
ても,2007年安部晋三元首相と面会,世界エイズ・結核・マラリア対策基金への日本の支
援とりつけにも貢献しました。ズルさんの4人の兄弟,義姉妹2人は,結核で亡くなり,
結核治療薬へのアクセス強化の国際的な取り組みの必要性についても熱心に語りました。
昨年の秋,JOYさんが,ストップ結核ボランティア大使となりました。マスコミに取り
上げられ,若者にとっても結核は,身近な病気に感じられたことでした。モデル,タレン
トという立場では決して利のある話ではないと思うのですが,自身の患者としての辛かっ
た体験も語り,まさにボランティアとしての働きは,値い千金です。
時代も,状況もまったく違っているのですが,最大公約数で,カミングアウトという言
葉が浮かんできます。その語源は「隠れた押し入れからでてくる」ことだそうです。社会
にはもちろん,友人,同僚,家族にも言えないことをあえて隠さず,差別偏見に毅然とし
て立ち向かい,事実を踏まえたうえでの新しい関係を構築していく姿勢は大切なことです
が,言うのは簡単でも,大変勇気の必要な行動です。未知の感染症の場合,患者さんに対
し,昔でいえば村八分,今なら報道陣に取り囲まれ,メールが殺到するようなことが起こ
ります。古くは,ハンセン病,結核,最近ではSARSや,新型のインフルエンザでそうで
した。
病気について,正しく知る。次は,自らが納得して,治療を選択し,完了する。感染す
る可能性のある場合は,予防するなり,早期発見の処置をとる。この当たり前のことがで
きるようになれば病気の制圧は近い。 結核病院の前を通る時,鼻をつまんで走るとか,
患者さんの家族は,結婚ができないとか,今でも世界の地域によってはこんな話がされて
いると聞きます。カミングアウトを含め笑い話となってほしいものです。
Coughing even; not alone
宮本 彩子
事務局次長 19
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シール
だより
平成23年度 複十字シール運動担当者会議について
日 時:23年11月22日(火)
場 所:TKP東京駅ビジネスセンター
平成23年度の複十字シール運動担当者会議(以下
シール会議)は,29名の参加を得て行われました。シー
ル会議は,以前,5月に開催されていました。複十字
シール運動が8月1日より始まるため,広報資材の紹
介や複十字シール運動に関する事務連絡には,とても
都合が良かったのですが,グループ討議などで良い意
見が出ても,新しい年度が始まっており実施するのは,
難しいため,翌年度の予算が決まる前のこの時期に
シール会議を実施し,良いことは翌年度からすぐに取
り入れるために開催時期を変更いたしました。
さて,シール会議は,実務者レベルが集うもので例
年25名∼30名の参加があります。内容は,複十字シー
ル運動に関する事務連絡,職員研修,本部・支部間の
交流や情報交換となります。今年は,新しい複十字シー
ル運動を軌道にのせ,募金減少に歯止めをかけること
を目的といたしました。
支部活動報告は,千葉県支部小松主事と宮城県支部
谷津企画課長にご報告いただきました。
千葉県支部は,毎年非常にすばらしい街頭キャン
ペーンを実施しており,大きな成果をあげています。
他支部でも参考になるところが沢山あります。詳しく
は,「当財団における複十字シール運動について」を
ご参照ください。(不参加の支部につきましては,配
布資料を発送いたしました)
次に宮城県支部は,平成22年度の募金額が全国第4
位で,複十字シール運動に取り組んている支部の中で
も,リーダー的存在にあります。募金の組織別の割合
は,学校・市町村・その他官公署が49.1%と約半分を
占め,郵送募金が28.3%,婦人会が12.9%と婦人会へ
の依存度が低く,支部独自での募金活動を推進しなが
ら,チラシ「知っておこう!感染症結核」を配布し,
結核に関する正しい知識や情報を提供しています。
特に,学校での普及教育が最も重要と考え,募金協
力の有無に関わらず,小・中・高の児童生徒及び教職
員全員に,約30万部のチラシを配布しています。さら
にこれは,児童生徒を通じて,保護者への普及啓発に
も繋がるという利点があります。また,担任の先生か
ら直接児童生徒の皆さんに結核についての正しい知識
を伝えていただけるよう「クラス担任の先生方へ」と
いう結核マニュアルを添えて,人から人へ伝えること
に重点を置いた方法を取り入れています。
近年,結核健診や予防接種の効率化が進められ,そ
れとともに国民の結核に対する予防意識が希薄になっ
ています。だからこそ普及教育活動がますます重要と
なってきます。
宮城県支部における募金活動の実績は,早くから行
政との協力関係を構築し,組織的,継続的に行ってき
た普及広報活動にあると考えられます。また,国際協
力においても,支部独自での「日中友好交流」が20年
も続いており,大きな成果を上げています。2003年か
ら複十字シールが,糊付きタックシールになったのも,
宮城県支部の発案によるものです。
グループ討議の今年のテーマは,「平成24年度複十
字シール運動の広報活動」といたしました。従来から
の自社メディアやマス・メディアによる広報は,議論
されていたようだが,新しい視点で広報について意見
が出なかったのは,残念だった。たとえば,ソーシャ
ル・メディアを取り入れた既成概念にとらわれない広
報活動はどうだろう。
講演は,結核研究所の永田保健看護学科長から,
「結
核の正しい知識 理解が深まれば結核を恐れることは
ない!」について話していただきました。対象者が事務
員で,複十字シール運動募金を行うときに役立つ結核の
基礎知識を再認識していただければ幸いです。結核予
防の普及啓発を行うためには,正しい知識が不可欠で
す。支部では,日頃結核について関わる機会は,少ない
と思いますので,
今後も定期的,
継続的に行っていきます。
2011年4月1日から資金課と普及課が一体となって,
普及広報課となりました。年々,シール募金は減少し
ており,その中で経費を節減し,一方で複十字シール
運動自体は,より強力に推し進めていかなければなり
ません。旧資金課の繁忙期は,郵送募金後の9∼11月で,
旧普及課の場合は,
中央講習会・全国支部事務連絡会議・
全国大会がある1∼3月ということもあり,少ない人数
で相互協力して事業部の事業を行うことが目的です。
本部が公益財団法人になったことにより,複十字
シール運動は,本部の事業となりました。しかしなが
ら,結核予防の普及啓発活動も,募金活動も本部だけ
ではできません。今まで以上に複十字シール運動が前
進し,結核のない世界を作るため,支部,婦人会から
のご支援,ご協力をお願いいたします。
事業部参事 斉藤
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マルハン・ドリーム・カップにおける複十字シール運動の広報活動報告
11月20日(日),株式会社マルハン主催の第5回マル
参加者に呼びかけました。クイズの正解者は,抽選で
ハン・ドリーム・カップ会場の東京ドームにおいて,
プロ野球選手のサイン入りグッズをもらえる企画が好
複十字シール運動の広報活動と募金活動を行いまし
評で,集客に効果的でした。本会のブースにもクイズ
た。株式会社マルハンは,CSRに力を入れている企業
のヒントがあり,参加者が自然に集って来ます。当日
で,来年度本会が予定しているカンボジアにおける検
は事業部から3名が参加。主催者発表来場者3,000人。
診車による結核予防活動を行うための募金活動をご支
参加者は野球少年が多く,児童に対する普及啓発を行
援いただけることになりました。
うには良い機会で,今後積極的に取り組んでいきたい
22番 ゲ ー ト 階 段 下 に ブ ー ス を 設 置 し て, 結 核・
と考えております。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの教育資材を置き,
事業部普及広報課
工藤翔二先生の保健文化賞をお祝いする会開催
2011年11月25日(金),リーガロイヤルホテル東京に
に終了しました。
おいて工藤院長保健文化賞受賞祝賀会が開催されまし
〈受賞対象となった活動内容〉
た。受賞者の恩師,同僚,ご友人,結核予防会役職員など
びまん性汎細気管支炎の治療法の発見など呼吸器系難
333名がご参集くださり,会場は温かい空気に包まれて
病の治療,喫煙によるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の予
いました。長田理事長の発起人代表挨拶により始まり,
防・早期発見,大気環境の保全,薬剤の副作用による肺
元環境大臣の鴨下一郎衆議院議員をはじめ,受賞に関
障害の防止,結核教育など呼吸器領域における幅広い
わる各分野のご来賓の方々よりご祝辞を賜りました。
保健医療の発展に貢献
2時間という短い時間でしたがとても和やかに盛会裏
28
(文責 編集部)
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予防会だより
平成23年度 診療放射線技師研修会開催のご案内
公益財団法人日本対がん協会・公益財団法人結核予
防会では平成16年度より,診療放射線技師研修会を共
催しています。
この研修会は破格の受講料と豪華な講師陣で,毎年
研修生からご好評をいただいています。今回も,他で
は見られない素晴らしいプログラムをご用意しています。
また当研修は,社団法人日本消化器がん検診学会・
胃がん検診技師認定の更新時2単位(※)が認められ
ています。
この機会にぜひご参加いただけますようご案内しま
す。
日 時:平成24年3月7日
(水)
∼3月9日
(金)
の3日間
※単位修得には,3日間すべての履修が条
件となります。
会 場:公益財団法人 結核予防会結核研究所
http://www.jata.or.jp/
西武池袋線「清瀬駅」下車徒歩約15分
研 修 費:20,000円(税込み)
宿泊ご希望の方は,研究所内宿泊所を1泊
1,150円(寝具使用料含む)でお受けします。
(先着順)
申込締切:平成24年2月3日(金)
お申込み・お問合せ:
公益財団法人 結核予防会 普及広報課
担当:本田(ほんだ)
TEL 03-3292-9287 FAX 03-3292-9208
E-mail [email protected]
共 催:公益財団法人日本対がん協会
公益財団法人結核予防会
平成23年度 診療放射線技師研修会プログラム
3月7日(水) 受付:午前8時30分∼午前8時45分 オリエンテーション:午前8時45分∼午前9時
3月7日(水)
3月8日(木)
3月9日(金)
9時∼10時50分
「胃X線写真の評価」
9時10分∼10時30分
9時∼9時30分
「結核に関する
特定感染症予防指針の改正点」
結核研究所
副所長
「最近の医療情勢」
∼診療放射線技師を取りまく環境変化∼
日本画像医療システム工業会
経済部会長
加藤 誠也
野口 雄司
10時40分∼12時
稲葉
沼倉
高橋
坂本
赤松
雅志(青森県総合健診センター)
二郎(宮城県対がん協会)
清志(栃木県保健衛生事業団)
弘一(ちば県民保健予防財団)
暁(放射線技師協議会)
11時∼12時20分
「胃X線写真の画像評価」
9時30分∼12時
【リーダー】
「グループ討論
宮城県対がん協会
−胃部・胸部・乳房撮影−」 放射線課技術主幹兼係長
「放射線被曝と原発」
福島県立医科大学
副学長
大友 義孝
山下 俊一
12時∼13時(昼食)
12時∼13時(昼食)
12時20分∼13時20分(昼食)
13時∼14時20分
13時∼14時20分
13時20分∼14時40分
「医療サービス業に求められる接遇」
群馬県健康づくり財団
サービス推進課長
「日本のがん対策」
がん研究会がん研有明病院
副院長
高山 千代子
門田 守人
「胃X線診断」
安房地域医療センター
消化管診断科部長
馬場 保昌
14時30分∼15時50分
14時30分∼15時50分
「CT画像の読影」
奈良産業保健推進センター
畠山 雅行
16時∼17時20分
「乳癌検診と治療」
東京都予防医学協会
がん検診・診断部部長
坂 佳奈子
16時∼17時20分
「胃がん診断におけるX線の役割」
仙台厚生病院
副院長
「消化器撮影の精度管理」
慶應義塾大学病院
予防医療センター開設準備室室長
長南 明道
杉野 吉則
※講師の都合により日程が変更すること
もあります
※受講者は,自分で撮影した胃部間接X
線写真30人分程度をご持参ください
※3月7日
(水)午後5時30分∼午後6時
30分 意見交換会(交流会)
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予防会だより
結核研究所
国際セミナー予告
国際結核セミナー・全国結核対策推進会議
世界結核デー記念フォーラム
会 場:ヤクルトホール
東京都港区東新橋1-1-19 JR新橋駅より徒歩5分
主 催:公益財団法人結核予防会結核研究所
◆第17回 国際結核セミナー 「アジアの中・低まん延国における対策(案)」
日 時:平成24年3月1日(木) 13:00-17:10
特別講演/シンポジウム
◆世界結核デー記念フォーラム 「若者にしのび寄る結核―どこにリスクが潜んでいるのか―」
日 時:平成24年3月1日(木) 17:30-19:00
*国際結核セミナーに引き続き行います
◆平成23年度全国結核対策推進会議 「低まん延化に向けた施策の展開」
日 時:平成24年3月2日(金) 9:15-15:00
講演/ポスター展示紹介/シンポジウム
※ポスターによる活動発表を募集いたします。〔10題,締切2月10日(金)〕
※申込要項等(ポスターの展示申込を含む)詳細につきましては結核研究所のホームページ上に掲載いたします。
街頭無料結核検診が実施されました
平成23年12月10日(土)13:00より16:00まで渋谷駅
ログでも受診を呼びかけられました。当日は10代から
モヤイ像前広場にて,東京都,東京都結核予防会,渋
80代まで合計54名(うち20∼30代が60%以上)の方が
谷保健所,学生ボランティアの方々による街頭無料結
受診され,結果はその場ですぐに渡されました。
核検診が実施されました。ストップ結核ボランティア
(文責 編集部)
大使に任命されたタレントのJOYさんが,ご自身のブ
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「複十字」掲載主要論文・記事一覧
№337(1月号)∼№341(11月号)/2011年
※№338(3月号)は東日本大震災のため欠号。東日本大震災について臨時号(5月)を発行。№339(7月号),№340(9月号),№341(11月号)を発行。
◆国内結核事情及び対策の動き
小・中学校における学校検診は簡易化の方向
石川 信克 臨時号5月 P14
平成23年度厚生労働省予算案
臨時号 5月 P27
(結核感染症課・生活習慣病対策室・がん対策推進室)
第16回国際結核セミナーに参加して
鈴木 公典 №339 7月 P2
世界結核デー記念フォーラム
鈴木 公典 №339 7月 P3
平成22年度全国結核対策推進会議に参加して
宮川 隆美 №339 7月 P4
結核に関する特定感染症予防指針の改訂
加藤 誠也 №339 7月 P6
結核予防週間に寄せて2011 静かに流行る結核と最近の対策
石川 信克 №340 9月 P2
平成23年度結核予防週間実施要領
№340 9月 P3
平成23年度結核予防週間実施予定行事
№340 9月 P5
結核予防週間レポート
№341 11月 P2
結核予防週間支部・本部活動報告
№341 11月 P4
「結核の統計2011」をどう読むか―地域の結核対策の課題を見つける―
下内 昭 №341 11月 P8
◆結核対策活動紹介
徳島保健所における外国人健診の取り組みについて
∼外国人研修生等に対する結核健康診断及び接触者健診∼
加治明子・吉本孝幸・河野正一・中瀬明代・森藤夫・渡邉美恵 №337 1月 P8
小児結核の対策について∼第1回首都圏小児症例検討会の開催∼
宮本 謙一 臨時号 5月 P10
「新成人おめでとう!」晴れ着姿の新成人へ 結核予防のメッセージ
坂本 啓之 臨時号 5月 P11
∼動画「ケッカク菌とシールぼうや∼」作成まで∼ 高橋 悦子 №340 9月 P14
寸劇「結核ってなに?」“劇団なか”の取り組み∼ホームレスの結核治療完遂をめざして∼
名古屋市中区中保健所 №341 11月 P6
◆健診関係
健康ネットワーク通信 №25 ネットワーク健診と保健指導
奥田奈賀子 №337 1月 P22
―ネットワーク保健指導の課題と展望―
◆結核予防会関連行事・事業
№337 1月 P3
お知らせ 第62回結核予防全国大会開催要領(案)
第69回日本公衆衛生学会報告○第69回公衆衛生学会総会に参加して
浦川美奈子 №337 1月 P4
第69回日本公衆衛生学会報告○結核集団発生の対策に関する自由集会に参加して
宮本 謙一 №337 1月 P5
中国訪問団恵贈の書幅について
長田 功 №337 1月 P25
結核研究所国際セミナー予告
国際結核セミナー・全国結核対策推進会議・世界結核デー記念セミナー
№337 1月 P28
東日本大震災で被害にあわれた被災者に対する支援について
臨時号 5月 表2
東日本大震災被災地支援計画
臨時号 5月 P4
秩父宮妃記念結核予防功労賞第14回受賞者
臨時号 5月 P5
平成22年度胸部画像精度管理研究会に参加して
金古 努 臨時号5月 P16
第32回(平成22年度)結核予防会事務職員セミナー
参加報告「サービス向上のための意識改革」
河島加奈子 臨時号 5月 P17
マンモグラフィ講習会・乳房超音波講習会のご案内
臨時号 5月 P31
結核研究奨励賞受賞者決定
№339 7月 表2
日本対がん協会・結核予防会共催 平成22年度診療放射線技師研修会開催
藤澤 靖 №339 7月 P5
平成23年度資金寄附者感謝状贈呈式
№339 7月 P22
厚生労働大臣表敬訪問
№340 9月 P4
「みんなに知ってほしい,結核のこと」
結核予防週間啓発ポスター・リーフレット「結核の常識2011」できました‼
№340 9月 P4
平成23年度 都道府県知事表敬訪問報告
№340 9月 P8
第86回日本結核病学会総会報告
№340 9月 P15
平成24年度診療報酬改定要望について
竹下 隆夫 №340 9月 P19
結核予防会の本
№340 9月 P32
結核研究所対策支援部が行う「研修事業」のご紹介
№341 11月 P10
結核研究所ストップ結核アクション研修終了報告
太田 正樹・吉松 昌司 №341 11月 P11
グローバルフェスタJAPAN2011に出展
小田有里子 №341 11月 P15
第14回秩父宮妃記念結核予防功労賞表彰状贈呈式
№341 11月 P23
◆世界の結核事業と結核対策の動き
第41回国際結核肺疾患連合世界大会に参加して
下内 昭 №337 1月 P16
2010年11月11-15日 ドイツ,ベルリン
カンボジア結核対策スタディツアー2010 11月22-29日
下内 昭 №337 1月 P18
「ネパール結核対策とNGOの役割」
都市:カトマンズにおける結核対策のモデルケースをめざして
下谷 典代 №337 1月 P20
ストップ結核ジャパン・アクションプランのフォローアップについて
№337 1月 P30
3月24日世界結核デー 2011年テーマ解説 結核制圧に向けた闘いに,大きな変革を
臨時号 5月 P18
ストップ結核パートナーシップ理事会(2010年10月,南アフリカ)報告
加藤 誠也 臨時号 5月 P19
ザンビアでの結核予防会の国際協力活動について
大室 直子 №339 7月 P8
第3回国際肺疾患連合アジア太平洋地域学会に参加して
下内 昭・吉山 崇 №340 9月 P21
結核予防会の国際協力 ミッション・ビジョン制定
∼結核に苦しむことのない世界の実現に向けて∼
№340 9月 P22
「結核予防会マニラ事務所」を訪問して
長田 功 №340 9月 P23
フィリピン都市貧困地区における結核対策支援事業
―2008年から2011円の3年間を振り返って―
紺 麻美 №341 11月 P12
WHO西太平洋地区高まん延国結核担当官会議報告
吉山 崇 №341 11月 P14
「都市貧困地区での結核対策への貢献」 フィリピン事務所が受賞 №341 11月 P15
◆ストップ結核パートナーシップ日本関連
ストップ結核パートナーシップ日本だより№15
宮本 彩子 №337 1月 P6
STBJの提言(アドボカシー)事業
ストップ結核パートナーシップ日本だより№16
国際結核シンポジウム∼世界から関西の結核を考える∼
宮本 彩子 臨時号 5月
ストップ結核パートナーシップ日本だより№17
関節リウマチ治療を結核でストップさせない
宮本 彩子 №340 9月
ストップ結核パートナーシップ日本だより№18 記者発表
宮本 彩子 №341 11月
◆結核予防会本部・事業所から
シリーズ 結核研究所紹介 結核研究所 菌バンクの役割
御手洗 聡 №337 1月
平成22年度結核予防会ブロック会議各地で開催
№337 1月
シリーズ結核研究所紹介 結核菌の分子疫学的解析 前田 伸司 臨時号 5月
第9回新山手病院・保生の森・グリューネスハイム新山手
合同業績発表会 開催報告
瀬崎 和典 臨時号 5月
複十字病院第6回院内発表会
吉山 崇 臨時号 5月
第2回結核予防会学術発表会報告
瀬崎 和典 №340 9月
故青木正和先生「業績集」発刊記念・偲ぶ会について
菊地 健司 №340 9月
複十字病院登録医会 「第9回定期総会・学術講演会」開催
吉田 達也 №340 9月
新山手病院施設整備計画(本館建替え)地鎮祭
外山 務 №340 9月
第63回保健文化賞に複十字病院 工藤院長が決定!
№340 9月
東日本大震災被災地支援活動報告会及び震災対策検討会報告
竹下 隆夫 №341 11月
ストップ結核ボランティア大使就任式
№341 11月
◆支部紹介のページ
熊本県支部
高宗 秀暁 №337 1月
城間 一男 臨時号 5月
沖縄県支部
◆複十字シール運動
複十字シール募金 支部拠出国際協力費でタイから臨床検査技師を招聘
№337 1月
平成22年度財団法人JKA補助検診車「けいりん号」が3台完成
№339 7月
複十字シール運動に関するお知らせ
№340 9月
平成22年度高額寄附を頂いた方々からのメッセージ
№340 9月
ブライダル募金をいただいた方からのメッセージ
№341 11月
◆エイズ・感染症
エイズ流行の世界の現状
島尾 忠男 臨時号 5月
HIV感染症・エイズ予防の取り組み
堀内 由紀 №340 9月
◆教育の頁
結核対策のパラダイムシフト∼低まん延状況下の対策∼
前田 秀雄 №337 1月
多剤耐性結核の外科治療
白石 裕治 臨時号 5月
多剤耐性結核の問題
下内 昭 臨時号 5月
LAMP法を使った結核迅速診断キット
御手洗 聡 №339 7月
結核の血液検査キットに対するWHOの勧告について―QFTとの違い―
原田 登之 №340 9月
◆たばこ
COPDの予防・早期発見と“肺年齢”∼厚労省検討会を終えて∼
工藤 翔二 №337 1月
健康日本21全国大会 愛媛県松山市で「肺年齢」
№337 1月
健康日本21推進全国連絡協議会第5回たばこ分科会開催
№337 1月
日本COPD対策推進会議設立会と記者発表
臨時号 5月
APACT2013準備委員会開催
臨時号 5月
健康日本21推進全国連絡協議会10周年記念フォーラム
№339 7月
みんなで知ろう!「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」 №339 7月
肺の生活習慣病(COPD)の予防のために
№339 7月
FCTC(たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約)とは?
森 亨 №340 9月
平成23年度「結核や慢性閉塞性肺疾患に関する講演会」の開催報告
大石 惠子 №341 11月
シンポジウム 「わが国の受動喫煙防止対策について」
№341 11月
◆思い出の人を偲んで
石川正光氏
奥山 哲夫 №337 1月
吉田 忠春 №341 11月
春田勤三氏
◆巻頭メッセージ
年頭のごあいさつ 外山 千也 №337 1月
池田 哉・丸瀬 和美・佐藤 裕子 №337 1月
新春ご挨拶2010
第62回結核予防全国大会の中止および複十字臨時号の発行について
長田 功 臨時号 5月
東日本大震災被災地から「岩手の3.11」
高橋牧之介 №339 7月
結核予防週間に当たって
正林 督章 №340 9月
10月6日 国際協力の日を迎えて
山口 又宏 №341 11月
◆ずいひつ
日本で初めてとなるDOTSを開始したころ
桜山 豊夫 №337 1月
長田 功 臨時号 5月
ベルリン鷗外記念館再訪∼複十字315号に続く∼
結核菌にも嫌われた???
須藤 昭子 №341 11月
◆アーカイブス
「連載企画」∼結核に縁(ゆかり)の地歴訪∼
第5回「湘南地方サナトリウム旧跡訪問」
島尾 忠男・竹下 隆夫 №337 1月
第5回TBアーカイヴ事業推進・運営委員会の報告
竹下 隆夫 臨時号 5月
「連載企画」∼結核に縁(ゆかり)の地歴訪∼
第6回「大阪府寝屋川市・兵庫県神戸市」―杏結核資料館と須磨浦療病院
島尾 忠男・竹下 隆夫 №339 7月
◆その他
新結核関連切手紹介シリーズ⑷ ベルギーの慈善切手
№337 1月
島尾 忠男 臨時号 5月
放射線とその健康への影響
新結核関連切手紹介シリーズ⑸ ベルギーの慈善切手 第2弾
臨時号 5月
新結核関連切手紹介シリーズ⑹ ベルギー以外の慈善切手
№339 7月
新結核関連切手紹介シリーズ⑺ オーストリアの高山植物
№340 9月
新結核関連切手紹介シリーズ⑻ ベルギーの慈善切手
№341 11月
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予防会だより
東日本大震災写真展ならびに募金経過報告
当会の国際協力活動の写真を撮り続けてくださって
りました。皆様からの温かいご支援に感謝いたします。
いる写真家の溝江俊介氏による東日本大震災での被災
本会の支援活動に引き続きご支援,ご協力をよろしく
地や本会の支援活動状況の写真を8月∼10月にわた
お願いいたします。
り,複十字病院・新山手病院・第一健康相談所の各事
(文責 編集部)
業所に展示しました。溝江氏が何度も被災地に赴いて,
被災された中で力強く生き抜く人々の姿や尊い命の在
り方を記憶に留めて置きたいとの思いから撮影した
数々の写真展示です。この写真展で震災への募金をお
願いしたところ,全事業所で191,330円の募金が集ま
多額のご寄附をくださった方々
〈複十字シール募金〉(敬称略)
新潟県―小出さや子,柏崎市刈羽郡医師会,たかき
医院,新潟県栄養士会,清水泰二,関口次郎,森下
新一郎,江部医院,小飯塚医院,庭野医院,中村歯
科医院,阿部久四郎,上村和子,下田渡辺医院,樋
口医院,堀医院,山田医院,たむら脳外科クリニック,
弁天町共同ビル,小幡光一,谷正一,新潟臨港病院,
三栄製作所,小宮山会計事務所,メディス,わたな
べ医院,善導寺,JA東日本くみあい飼料,小出耳鼻
咽喉科,斉藤貞一,佐藤武,長谷川進,聞念寺,松
井組,池淳一,山本克巳,大熊内科医院,まなべ整
形外科クリニック,コニカミノルタNC,潟東クリ
ニック,くろきクリニック,登坂尚志,おおたけ小
児科,湧井医院,井上内科医院,貝谷伸一,堀田利雄,
早津内科医院,富樫医院,渋谷医院,協和製作所,
藤田茂,ブルボン,小川会計,渡辺医院,新潟南病院,
双葉印刷,中村啓識,ロイヤルハートクリニック,
はなの医院,常陽会,杉田医院,斉藤内科消化器医院,
竹内クリニック,田村歯科医院,ラック,田中弘邦,
こんの脳神経クリニック,新潟画像診断センター,
ナルサワコンサルタント,新潟木工センター協同組
合,とみやま医院,うさみ内科クリニック,新潟興産,
森下組,たけだ眼科医院,新潟南ライオンズクラブ,
文明屋,むとう医院,上越地域総合健康管理セン
ター,新潟県労働金庫,高田建築事務所,外山迪子,
須田医院,波多俊二,Pronto Net,新潟県看護協会,
相沢医院
京都府―奥本惠治,英興,奥田桂子,京都府歯科医
師会,広野保育所,岡村得子,中井克是,有田弘樹,
中村保,真言宗泉涌寺派宗務所
大阪府―ライフメイトゆうあいケアプランセン
ター,ファマシーオカムラ薬局,日本電機研究所,
淺田敏一,特別養護老人ホームしあわせの郷,本田
寅二郎,十王寺,玉置京子,八田光子,藤野正勝,
深澤利子,古堅ヒデ,脇田治重,東洋製薬化成,今
西小枝子,鹿島洋一,島西チカエ,居場嘉邦,イワ
オ精機,クリーンケミカル,大川進一郎,植田嘉明,
佐藤勝,森英子,大井崇資,小澤昌治,東洋ハイテッ
ク,上田起業,武内顕,南忠佳,一色玄,ヘルパー
ステイションルートサン,老寿サナトリウム,名和
茂,栄光丸水産,楠宗一,岩本義心,木下渥,山本
洋介,岡野幸義,山中直樹,米虫利津子,瀬戸千代子,
田中正子,市岡医院,特別養護老人ホーム錦織荘,
大森布実子,中村諭,清水美代子,庄司修三郎,新
宮良介,青木啓一,道場多鶴子,ホームヘルプサー
ビスまなか,浅野英雄,三浦瓔子,西田邦輔,川下
機工,山本哲夫,後藤和彦,佐野栄宏,花岡秀敏,
米田明正,小川達二,西村忠,西川原覚市,釜田正記,
平原美智子,藤井和男,福村タイヤ商会,湯川松子,
中野眞雅,久保田藤人,河合礼子,宇賀一郎,川村
貞子,岡本高司,東昭和,森井塗装店,宮城昭三,
藤田修一,井上英隆,中池一仁,木村昭,山本忍,
岩本圭司,岩下とみゑ,細田稔,木戸亮,久保しおり,
中道昇,豊田智郎,橋詰電気工業所,山本雅弘,土
田喜八郎,村瀬種子,山本英子,三協国際特許事務所,
32
全国共済農業協同組合連合会,奥田よし子,タイユ,
押幸雄,黒田美子,田中元人,入船盛弘,永井園子,
岡島美津子,大寿病院,井村勲,露口泉夫,高田善治,
栃本天海堂,上田正彦,木村秀明,阿部奈々美,日
之出工業,安藤敏郎,加納敏子,加貫ローラ製作所,
樟蔭学園,福田秀夫,暮部美津代,長山亨,平野俊夫,
豊島邦光,木下芳明,山下晴己,花谷和子,山戸康司,
飯尾明郎,饗庭健介,井上緋紗子,平岡英信,天野
文武,宮原正利,大阪信用金庫,澤田昇,アミーユ
大東深野,榮興電機工業,アズワン訪問看護ステー
ション,鍵本成敏,寺澤恒子,林秀春,藤原良江,
仁木在久,米澤澄子,豊和貿易,小林三郎,佐名木
定夫,鈴置達也,片本皖也,田口鐡男,上田規充,
備繕,圓光寺,全国公益法人協会関西事務局,河内
憲一,プラコン,江田直介,松下朱実,住吉大社,ホー
ム太子堂,大橋寛順,原武司,竹原重光,ユニオンモー
ター,大阪商工信用金庫,小田垣五雄,大京システ
ム開発,紀伊産業,北堀江病院,命宝堂薬局,村尾
達雄,ほんみち泉南支部,興国高等学校,田中宏,
森山和子,藤田耕平,瀬川徳次郎,北修爾,総持寺,
栗東寺,吉村直樹,南順吉,森本正,友国泰治,加
藤伸一,明石恵実,向陽台薬局,盛田利郎,岩田吉一,
森本淳祐,中村孝義,室井電設,小寺電業,月江寺,
佐々木実,岩本千恵,笠松澄子,三本斌,志村晴信,
吹田病院,恵生会 ,日本ペイント,大丸鋲螺制作所,
内山鑑定事務所,ダイダン,西原弘,咲花病院,大
島至郎,柳瀬日出夫,三島厨器産業,小林立美,崔
達俊,オークボ,宮野隆喜,硎家貫之,小出治光,
小松雅子,なかじまちあき,柳瀬昌弘,村田清三,
内田明,吹角隆之,辻野隆志,友國照子,小川豊那,
春日井志津子,山本智英,弘報舘,羽根正雄,伊東
電気設備,あずさ監査法人,森光寺,生心科学会,
大塚隆英,四宮章夫,青木和人,光テレホニイ,林
正明,村上克彦,新いづもや,吉川誠一,青山初穂,
三浪祥光,河面孝,三宅真代,辻義則,須永恭司,
月岡榮子,赤井マリ子,西村器械,下岡良藏,太田
朝子,植野敬次,摂津薬局,前田商店,森内茂治,
伊泊大造,宮前由枝
熊本県―熊本県医師会,天草郡市医師会,熊本市立
熊本市民病院,医療法人弘仁会苓北病院,井上医院,
元島産婦人科医院,山鹿中央病院,司法書士行政書
士平島尚典事務所,寺 内科胃腸科クリニック,第
二やまうち医院,谷 MAクリニック,片岡レディー
スクリニック,医療法人杏章会矢部広域病院,熊本
県医師会婦人の会,反後皓介,熊本県弘済会,阿蘇
製薬,有明測量開発社,友和会,化学及血清療法研
究所,ダイヤエンジニアリングサポート,サンレイ
メディカル,熊本綜合管理,南九州福山通運株式会
社熊本支店,有限会社福島文隆堂,崇城大学,新藤緑,
森直樹
本部―アツミイツコ,ササキミキオ,ヒロセチエコ,
鈴木眞,オカダヒロキチ,セイノカズオ,ヒライワ
ユキコ,河津秋敏,高柳次江,ヤマダリュウゾウ,
オオタヨシコ,ヤマザキアラタ,アイザワヤスコ,
アロエベラエンタープライズ,松岡浩,芹沢実,ウ
ネモトショウイチ,コウダエツコ,マルヤマテツオ,
サトウクニオ,カトウテツジ,柴田末子,村上常太郎,
稲葉定雄,金子芳弘,堀川春男,永島年子,イシカ
ワテルヨ,牛尾正孝,ホソノイチロウ,シラクラテ
ツヤ,
表良吉,
有楽町ビル婦人科クリニック岡宮育世,
遠藤元繁,齋藤みどり,井上定幸,瀬間由美子,日冠,
日本サービスセンター,成美堂出版,都政新報社,
三共社,東京医学社,全互連冠婚葬祭中央協同組合,
浅井商事,国際医学出版,小野寺三幸製本工場,栗
芝和枝,梶原鉄筋工業,デーリィ・ジャパン社,ベ
ルセレージュ,アジア器材,弘友社,上田廉,イズ
ミコーワ,ウエルズ,弘輝,佐藤型枠工業,山陽商工,
長南工務店,大栄製版,品川合同葬祭,戸田葬祭場,
関口商事,エル・エッチ陽光出版,西都興業,山本
プラスター,ツチヤ,ダイニ,誠宏印刷,広進,天
理教本鴨分教会,静勝寺,尚徳寺,真光寺,佐武宣明,
栄寿寺,金地院,簑島秀道,円明寺,松林院,柏山
稲荷神社,三囲神社,御岳大教大滝教会,天王寺,
本門佛立宗立正寺,万福寺,聞明寺,宇田京子,あ
かし歯科医院,小野歯科医院,小澤歯科,原歯科ク
リニック,安養寺,總持寺,梅井秀明,東禅寺,鎌
倉順子,植松和夫,小山泉,鹿島建設株式会社東京
建築支店,松岡秀枝,毛利ゆき子,桜井美国,宮野
博隆,坂井真,安村寛昭,五十嵐公昭,丸山輝久,
栗林秀造,古屋文男,浦野祐一,笠井俊彦,柴田小
児科医院,田川美登子,大橋京子,前田美佐子,丸
山紀久子,斉藤浩一,ジョイフル社,アイワホーム,
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プライムマリッジ,
グラディー
1/2012 複十字 No.342
CW3_AY385_p32_D32.indd 32
2012/01/11 9:20:50
新結核関連切手紹介シリーズ(9)
小林佑吉先生からの貴重な切手のご紹介は9回目となり,今回はベルギー発行のコッホなどの結核に関する偉人をご紹介し
ます。①∼⑤は1953年,⑥,⑦は1955年に発行された切手です。
①
①R.Koch ロベルト・コッホ(1843-1910)
ドイツの医師、細菌学者。ルイ・パスツールと共に「近代細菌学の父」と呼ばれる。
1876年に炭疽菌の純粋培養に成功し、炭疽菌が動物の炭疽病の病原体であることを証明した。
1882年3月24日に結核菌が結核の病原体であることを証明した研究業績を学会で発表した。
その内容をまとめた論文「結核の病因論」を著した。1997年にWHOが3月24日を世界結核デー
として制定した。1890年には結核菌の培養濾液から旧ツベルクリンを創製。当初は治療に使用
することが目的だったが、治療効果はみられなかった。しかし注射した際の副反応を利用して
結核感染の診断にツベルクリン反応検査として広く用いられている。日本人の弟子には北里柴
三郎などがいる。
②
③
③C.Forlanini
カルロ・フォルラニーニ
(1847-1918)
イタリアの肺の専門医。
結核の新たな治療法とし
て人工気胸術を行った。
弟はイタリアの技術者・
発明家で航空のパイオニ
アとして知られるエンリ
コ・フォルラニーニ。
②E.Malovoz アーネスト・マルヴズ
(1862-1938)
ベルギーの医師,細菌学者。ベルギーワロ
ン地方にあるヨーロッパで最も古い大学のひ
とつであるリエージュ大学の医学部に在籍
し,医学博士号を得た。病理学の第一人者と
して研究・教育を行い,ベルギー最初の結核
の療養所と診療所を開設した。
④
⑥
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④A.Calmette アルベール・カルメット
(1863-1933)
フランスの医学者,細菌学者。パリ大学で
医学を修了しケンブリッジ大学に留学,その
後7年間海軍医を務めた。1908年にカミー
ユ・ゲランとともに結核牝牛の結核性乳腺か
ら分離した非常に毒力の強いウシ型結核菌を
継代培養し無毒化する実験をはじめ,1920
年に人体に無害で免疫をつけられることを証
明 し た。 は じ め て ヒ ト に 投 与 さ れ た の は
1921年のことで,乳幼児に経口投与された。
この研究が行われたパスツール研究所の支所
はフランスのLille市にあり,2011年10月26
日から30日には第42回国際結核肺疾患連合
(IUATLD)世界大会が行われた。
(報告記
事は本誌P16∼17)
⑥J.D.Rockefeller,Sr.
ジョン・デイヴィソン・ロックフェラー・
シニア(1839-1937)
アメリカの実業家。スタンダード・オイル
の創設者で,同社を世界最大の石油会社に育
て資産を蓄積したため石油王と呼ばれた。事
業管理から引退した後は,慈善活動に没頭し
た。初期の科学的な医学研究への最大の個人
的後援者としても著名であり,1913年には
慈善事業団体であるロックフェラー財団を設
立。彼の死後もロックフェラー財団は世界中
の沢山の研究者,大学や研究所などの研究機
関に多額の助成金を寄附している。日本でも
その寄附を受けて,後の保健所の原型となっ
た東京市特別衛生地区保健館(現中央保健
所),所沢(埼玉県)の農村保健館(農村で
の保健所のモデル)さらに公衆衛生に携わる
人材の育成を行う国立公衆衛生院(現在の国
立保健医療科学院)が設立された。
⑤
⑦
⑤E.Holboell
アイナール・ホルベル
(1865-1927)
デンマークの郵便局員,
複十字シールの先駆者。
「郵便物に,誰でも買え
る値段のシールを貼って
もらえば,その収益金で
子供の為の結核診療所を
つくれるのでは?」と思
いつき,この発想は国民
的支持を得て,1904年に
世界最初のクリスマス
シールが誕生した。これ
が現在も続く複十字シー
ルのはじまりである。
⑦R.W.Philip
ロバート・ウィリアム・
フィリップ
(1857-1939)
イギリスの医師。世界
ではじめてエディンバラ
に健康相談所をつくった。
外来診療はもちろんのこ
と,患者や家族の健康相
談業務をはじめて行った。
この施設を模して日本で
も東京都の大塚に健康相
談所が設立され,後に4
代目結核研究所長として
活躍した隈部英雄氏も一
時期所属していた。
2012/01/11 9:37:17
結核予防会本部
第一健康相談所
結核研究所
保生の森
複十字病院
新山手病院
平成24年1月16日 発行
複十字 2012年342号
編集兼発行人 藤木 武義
発行所 公益財団法人結核予防会
〒101-0061 東京都千代田区三崎町1-3-12
電話 03(3292)9211(代)
印刷所 勝美印刷株式会社
東京都文京区小石川1-3-7
電話 03(3812)5201
結核予防会ホームページ
URL http://www.jatahq.org
本誌は皆様からお寄せいただいた複十字シール募金の益金により作られています。
複十字シール運動
―みんなの力で目指す、結核・肺がんのない社会
平成23年度複十字シール
複十字シール運動は,結核や肺がんなど,胸の病
気をなくすため100年近く続いている世界共通の募
金活動です。複十字シールを通じて集められた益
金は,研究,健診,普及活動,国際協力事業など
の推進に大きく役立っています。皆様の暖かいご
協力を,心よりお願いいたします。
運動の輪を広げてください。シールは,はがきや,手紙や包装の封印,何にでも使えます。
問い合せ:普及広報課 TEL03-3292-9287(直)
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