第118号 - 日本健康太極拳協会 東京都支部

2014年6月 第118号
発行人
トピックス
茶木
登茂一
26年度支部会員登録終わる
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各教室でお願いした26年度東京都支部会員登録が終わりまして、去る5月15日、東京都支部事務局
へ会員名簿提出とともに会費を納入いたしましたので、ご報告いたします。新年度の状況は以下のとおり
です。瑞江鶴の会37名(全員)、東大島鶴の会39名(全員)、亀戸スポーツセンター教室13名(有志)、
担当教室合計89名です。
(なお、早朝野外太極拳の会〈清新プロバンス会〉ではまだ支部入会のご案内を
いたしておりません。
)
清新鶴の会が「ふれあい祭り」で表演
江戸川区の清新鶴の会(指導;蕗澤徹師範)は地元恒例の
イベント「清新町・臨海町ふれあい祭り」に表演しました。
当日は素晴らしい快晴の天気のもと、大勢の人出のなかで、
お揃いのTシャツで八段錦と二十四式太極拳を演じて、観
客の方々から熱い拍手をいただきました。 (写真右)
北地域・地域交流会 7 月 5 日(土)参加者募集中
第 2 回北地域・地域交流会が 7 月5日(土)に開催されます。現在参加者を募っておりますので、各教室
でご相談の上、ふるってご参加ください。(申し込みは6月20日まで)
日時;2014 年 7 月 5 日(土)午後 2 時~4 時15分(受付は午後1時半から)
場所;台東リバーサイドスポーツセンター 第1競技場(室内)
参加費; 東京都支部会員500円、非会員1000円
江戸川区教室交流会 9 月 28 日(日)に開催
第 4 回江戸川区教室交流会は 9 月 28 日(日)午前に北葛西コミュニテイ会館で開催することがこのほど決
まりました。詳細は追ってご連絡いたしますが、予定に入れておいてください。
降圧剤で血圧を下げることの矛盾と危険性
高血圧などの基準値緩和に関する報道は、前月号で予想した通り、社会的に大きな反響を呼び、新聞や
週刊誌などでも大きく取り上げられています。問題点を整理すると二つになります。
ひとつは、従来の基準値130以下はいかに非合理的なものであるかということです。昔は年齢プラス
90とよく言われていました。70歳なら160が上限値と言うこと。誰しも年齢が高くなればそれなり
に血圧が上がるのは当然、あるいは、その血圧でないと全身に必要な血液を送ることが出来ないというこ
とです。つまりその人の体調維持に必要な血圧になっているということです。
ふたつには、降圧剤を毎日飲むことで血圧を下げることの無意味さとその危険性についてです。血圧を
下げるための薬にはいろいろなタイプがあるようですが、効果が顕著なのは、血圧を上げようとする反応
を内部で遮断することで下げてしまういわゆる○○遮断薬とか○○阻害薬とか言われるものです。下がる
とどうなるかと言うと、必要な血液が体内に行き渡らなくなります。まずダメージを受けるのが脳、つま
り貧血状態に陥りやすいということで、頭が働かない、気力が低下する、ボケが進行する、はなはだしい
ときには失神することもおきます。さらには、胃腸の調子が落ちる、体の新陳代謝が低下する、動脈硬化
がかえって進行する、など良いことはないようです。
血圧を上げる要因は様々で、たとえば、肥満、ストレス、低体温、他の薬剤使用の影響、パソコン、ケ
イタイ、テレビ依存症などなどですが、これらに対処せずに、降圧剤でやみくもに血圧を下げることは、
まさに“アクセルを踏みながらブレーキをかけるようなものだ”との名言もあります。
血圧が気になる人はまず自分の生活を見直してその高血圧の要因を減らす努力をすること。そして、自
分で血圧を下げるちょっとした工夫を毎日の生活の中に取り入れることかと思います。原理は簡単です。
深呼吸をして酸素を余分に取り込みましょう。自律神経も副交感神経優位に転じて血管も緩み、一石二鳥
です。体温を上げることに努めましょう。掌こすり、爪モミ運動、足踏み、あるいは体をたたく、揉む、
さするなど、なんでも手軽にできて即効性があります。また体を温める食べ物を意識的に、積極的に摂取
することも大事です。
しかし、なんといっても太極拳が一番! ストレスを取り去って、自律神
経の働きを整え、ゆったりのんびり過ごすようにすれば、自然に血圧は下が
るものです。できるだけお薬に依存せずに賢く生きたいものです。
なお、血圧については、この『雲の手通信』の第18号(2005 年 11 月)と
第 29 号(2006 年 11 月)でも詳しく書いておりますので、ぜひ検索して、見
てください。
また、この文章を書くについてはさまざまな先生方のご本を参考にさせて
いただいておりますが、もっともコンパクトにまとまっているのは『高血圧
を自力で下げる新常識』(マキノ出版ムック・2013 年 12 月刊)かと思います
ので、ここで紹介させていただきます。
(写真右)
うたで綴るフランス旅日記
4 月の下旬に、妻と二人で「北フランス 8 日間の旅」というツアーに参加してきました。もちろんおい
しいワインもそれぞれの地の名物料理とともに味わうことができました。以下旅で詠みました短歌50首
で綴る旅日記を写真とともにご紹介します。
4.23(水) 東京発パリ着
40 年ぶりのパリ
【パリ泊】
“パリはいまマロニエの花盛りです”とまずは書きだす旅の絵葉書
む
黒き実をたわわにつけてプラタナス“鈴懸”と言う異名も宜べなり
4.24(木)パリ→(TGV*)→レンヌ→モンサンミッシェル
【同島内泊】
*フランスの高速鉄道
みどりと黄の大地のじゅうたん切り裂いて
TGV は西へと疾走
牧場と菜の花畑が次々と車窓をよぎる“農業大国”
(モンサンミッシェル) 世界遺産の海に浮かぶ聖地
→
あまた来る巡礼たちへ給せんと
大きく見せしがこのオムレツと
仲見世のように押し合いへし合いて左右の店々覗きつつゆく
信仰の道はいずこも険しいと聖なる岩山登りゆくなり
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ポタラ宮とアンコールワット想いつつ参道登るモンサンミッシェル
4.25(金)モンサンミッシェル→オンフルール→エトルタ→ルーアン
【ルーアン泊】
(モンサンミッシェル)
暁闇の参道行けばパンを焼く匂いかすかに流れ来るなり
ウミネコの鳴き交う声と風ばかり干潟の海はひそと明けゆく
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丸々と肥えたウミネコ逃げもせずカラスのごとく人睨むなり
(オンフルール)
セーヌ川河口の旧い港町
ノルマンディーの霧の原野を港町オンフルールへと走りゆくなり
広場あり教会がある村々をバスはつぎつぎ駆け抜けてゆく
道端にゴミもボトルも無かりけり百キロ行けども見ざるなりけり
小雨降る港町にはよく似合う客もまばらな回転木馬が
ちょうな
港町の船大工らが建てしとふ手斧の跡ある木造教会
(エトルタ) モネ、コローなど印象派画家が愛した断崖のある海岸
ドーヴァーに白亜の断崖広げたるモネが愛せしエトルタ海岸
荒波にもまれて丸く磨かれし小石を拾いて旅の土産に
(ルーアン; 大聖堂の尖塔と大時計)
みこう
シードルは味香よけれど物足らずついカルヴァドスの杯を重ねる
(シードル;リンゴ素材の醸造酒、アルコール度数 4~5 度
カルヴァドス;シードルを原料とした蒸留
酒、アルコール度数 40 度、いずれもこの地方の特産品)
4.26(土) ルーアン→ジヴェルニー→パリ
(ルーアン)
【パリ泊】
古都、ジャンヌダルク処刑の地
信長のころ建てられし建物にマックが店出す奇妙なバランス
木造の古き建物現代に生かしてモダンなルーアンの街
ジャンヌダルクの尽きぬ涙と思ひしがただ雨多きこの地と知れり
(ジヴェルニー)
モネの家と庭園がある小さな美しい村
とりどりの樹花と草花が競い咲くモネ入魂の和洋の庭園→
モネの絵に描かれている糸杉がわが目前に高々とあり
風水も研究したのかモネの家小川を前に丘を背に建つ
北斎や広重などの浮世絵が飾られているそこにもここにも
この地にて江戸の美人画見てみれば
その美その技ただならぬなり
(パリ)
雨上りのパリの街へと戻り来れば大いなる虹夕空に顕つ
恋歌の舞台と思い来てみれば「カルチェラタン」は「ラテン語学区」と
五月革命聖地の街に雪降らせ布施明は歌う甘いくちづけ
(カルチェラタンの雪)
シャイヨー宮広場で受難訴える法輪功の群れ見向かれもせず
エッフェル塔背にして撮れば思い出す 40 年前にもここで撮ったと
ラーメン屋寿司屋うどん屋居酒屋とオペラ座あたりに連なる異景
しゃおちぇ
“KADOYA”にて 小 姐 持ちくるラーメンと半チャーハンセット食むも可笑しき
4.27(日) パリ→バルビゾン→フォンテーヌブロー→パリ
【パリ泊】
(バルビゾン) ミレー、ルソーなどの画家が暮らして名画を残したパリ近郊の村
日が射すと思えばたちまちけぶりゆく藤の花咲く「晩鐘」の村
絵の中の農婦履きゐし木の靴のそのまま残るミレーのアトリエ
→
コレラから逃れてミレーの住みしより寒村今や高級リゾート
(フォンテーヌブロー)
広大な森とその中の壮大な宮殿
き
ん
どの部屋もこれでもかという黄金尽くし見ているだけでも疲れる宮殿
お好みに寝室造れど使う前にアントワネットは処刑されしと
4.28(月) パリ→ヴェルサイユ
【ヴェルサイユ泊】
あまりにも多くの名画見しゆえに
たちまち次々忘れる悲しさ(オルセー美術館)
リラ冷えのパリの街にはよく似合うロングコートのパリジャンヌたち
川べりを行く人々と手を振り合いシャンソン聴きつつセーヌのクルーズ
←隅田川ではこうはゆくまいみぎひだり観るもの多きセーヌ川クルーズ
ヴェルサイユの森に囲まれ凛然とシャトーのごとき今宵の泊屋 ↓
4.29(火) ヴェルサイユ→パリ→東
京へ【機内泊・翌 4.30(水)東京着】
森の中のホテルの庭に拳舞えば
筒鳥鳴けり朝のしじまに
あめつち
←
天地 の気を受けながら拳を舞う
一期一会のヴェルサイユの地で
“ベルバラ”の由来はこれぞ宮殿の
アントワネットの花の寝室
こうけつ
内外から搾り取りたる膏血 が
こ が ね
黄金に化けて我らを欺く →
(エピローグ)
空港を飛び立つ頃はまたも雨パリは天気もやはり移り気
ふたりして和洋のディナー分けあって機上に語る旅のあれこれ
「江戸名所花暦」塗り絵展示会のご案内
日時;6月8日(日)~17日(土・午後3時まで)
場所;江東区・森下文化センター1階ロビー
主催;大江戸熱愛倶楽部
原画加工;秋山修(当会講師)・展示企画;大野豊
今年は「江戸名所図会」ではなく同じ長谷川雪旦原画の
こがねい
「江戸名所花暦」を彩色した 24 景を展示します。私も「金井
橋満花」(右)と「隅田川の雪」の 2 枚を出展します。
おついでのおりにご覧いただければ幸甚です。
塗り絵師; 茶木登茂一
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