「ともいき京都1周年記念イベント」報告書 ともいき京都 代表 田村恵子 2016 年 10 月 「ともいき京都1周年記念イベント」事業が完了したので、下記のとおり報告 致します。 記 (1) 件名 「ともいき京都1周年記念イベント」 (2) 会場 (3) 日時 カトリック河原町教会 平 成 28 年 7 月 9 日 ( 4 ) 看 護 師 な ど の ボ ラ ン テ ィ ア 45 名 、 参 加 者 計 290 名 講師 所属 職名 氏名 ① 風鈴社 女優 石田ひかり ② 河原町教会 オルガニスト 桑山彩子 ピアノ演奏 前滝康彦 ③ ③ ぎんなんの会 がん体験者 辻恵美子 ④ 身体でイメージを形にするワークショップ がん体験者 松田裕樹 ⑤ 紫音 声楽家・がん 藤花優子 体験者 堀田百合子 中山節子 1.開催報告書 ともいき京都をはじめ 1 年が経過し、これまで参加いただいた方々への感謝 とさらに広くともいき京都を理解いただき発展させていくための節目として、 1 周年記念イベントを河原町教会にて開催させていただいた。寄せていただい たお言葉や詩の朗読、音楽や合唱が効果的に融合でき、癒しや共に過ごす心地 よい時間となり、また、ともいき京都の活動の必要性や新しいこの活動の可能 性を感じる貴重な時間を過ごすことができた。 本イベントは、ともいき京都でも協力いただいている看護師などのボランテ ィ ア 4 5 名 の 力 を 結 集 し 運 営 す る こ と が で き た 。ま た 、司 会 や が ん 体 験 の お 話 し 、 音 楽 の 共 有 と 1 0 名 の 方 々 に ご 登 壇 い た だ き 、温 か く 手 作 り で プ ロ グ ラ ム を 進 め る こ と が で き た 。3 時 間 の 及 ぶ プ ロ グ ラ ム で の 参 加 者 は 、1 部 の 音 楽 と 語 り の 集 い に は 総 勢 2 3 4 名 、2 部 で の 懇 親 会 に も 1 0 0 名 以 上 の 方 々 が お 集 ま り い た だ き 、 ともいき京都への期待や協力について多くのお言葉をいただくことができた。 参 加 者 は も と も と と も い き 京 都 を 知 っ て い た 方 や 知 人 に 誘 わ れ た 方 が 70% を しめたが、チラシやホームページを通して本イベントを知り参加してくださっ た 方 も 2 4 % ほ ど お ら れ た 。ま た 、が ん 体 験 者 は 4 8 % 、家 族 が 1 7 % 、友 人 が 7 % であった。 ボランティアからは、以下のような感想が寄せられている。 プログラムはとても興味深く、パイプオルガンがすばらしかったです。 スタッフの御揃いの「ともいき京都 T シャツ」がよかった。 ボランティアの人と一緒にお手伝いができて仲間同士の絆につながりま した。 多 く の 方 が 参 加 い た だ き 、と も い き 京 都 が 社 会 的 に 必 要 と さ れ て い る こ と を改めて感じました。 参加者の方の笑顔が見られ、みんなで作り上げたという実感がしました。 1 人 1 人 体 験( が ん 体 験 )は 違 っ て も と も い き 京 都 の 場 で 出 会 い 、自 分 の 体 験 を 語 り 、ま た 誰 か に 聞 い て も ら う こ と で 、新 し い 自 分 に 出 会 っ た こ と を参加された 1 人 1 人の顔をみて伝わってきました。 人が成長したり、生きる力を取り戻す瞬間に関わらせていただくことで、 私達も幸せな気持ちになりました。 たくさんの人に支えられているのを実感しました。 2.イベント実施状況写真 3.参加者の感想 1)ともいき京都 1 周年イベントに参加して 高橋 真依 私はともいき京都に参加させていただくなかで 一番感じていたことが「温かさ」でした。それは 来られている方々、スタッフの方々、風伝館のす べての雰囲気がそのように感じさせてくさているのだと思います。今回のイベ ントでは教会ということでまたいつものともいきとは違いましたが、ステンド ガラス、パイプオルガンの音色に包まれ華やかかつ温かみのある素敵な会でし た。ご講演くださったお二方、素敵な音楽を届けてくださった紫音のみなさん を見て、病気と闘いながらも自分のすべきことに向かってそれを実現されてお られる姿に感銘を受けました。同じように病気を経験した方のお話しだからこ そすごく共感できることもあり、また石田ひかりさんの朗読もすごく心に残り ました。これでいいのだ…。当たり前のことを気づかせもられるフレーズばか り で し た 。私 自 身 、病 気 に な っ た こ と で 価 値 観 や 人 生 観 が 大 き く 変 わ り ま し た 。 自分が生かされている意味は何なのか、使命は何なのかを考え、当たり前のな かにある有り難さを感じるようになりました。しかし働きはじめて私は自分の 夢を叶えているのにもかかわらず、毎日をこなすことに必死になり、病気が教 えてくれた一番大切なことを忘れかけていました。しかしそのことを今回のイ ベントで再確認することができ、こころ温まる幸せな時間を過ごすことができ たと同時に明日からまた頑張ろうという勇気と希望をいただきました。 2)がんと共に、仲間と共に 菊池久美子 病との上手い共存共生。それを望むがん患者は少なくな い で し ょ う 。病 と 向 き 合 い な が ら 、 「 頑 張 ら な い 」こ と の 大 切さ、 「 楽 し い ひ と と き 」の 大 切 さ 、を 私 た ち 患 者 は 痛 切 に 実感します。 私たちのそんな思いを受け止めてくれる交流スペース「ともいき京都」が誕 生 し た の は 、2 0 1 5 年 7 月 の こ と 。月 に 2 回 現 れ る オ ア シ ス と 言 っ て も 過 言 で は ありません。 「 な ぜ こ ん な に 居 心 地 が い い の ? 」あ る 時 、そ の 訳 が わ か り ま し た 。 そこは単なる交流の場ではなかった…創設者、田村先生の長年に渡るホスピ スでの経験を、そのままコンセプトにした「憩いの場」だったのです。しかも 「ともいき」では、医療に携わるプロがボランティアスタッフとして、訪問者 に い つ も 優 し く 対 応 し て く れ ま す 。だ か ら 私 た ち が ん 患 者 は 、迷 う こ と な く「 が ん」を語り、時には「がん」に不安を覚え、しかしながら「がん」で笑うこと が、そこではごく自然に出来るのです。 2 0 1 6 年 7 月 9 日 、「 と も い き 京 都 」 の 1 周 年 記 念 イ ベ ン ト が 催 さ れ 、 参 加 し ました。田村先生、並びにスタッフの皆さんの思いの強さを、改めて認識する 機会となりました。 日本人の約半数が患うという病。にもかかわらず「がん」という響きに、社 会は先入観と共に反応します。がん患者にとって「ともいき」の必要性は、今 後益々大きくなることでしょう。故に、スタッフ皆さんのご活躍、そして「と もいき」の発展を、心から願わずにはいられません。
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