奈良教育大学紀要 第42巻第1号(人文・社会)平成5年 Bull. Nara Univ. Educ,, Vol.42, No. 1 (Cult.&SocJ. 1993 日本語教育のための基本外来語について 津 田 田津子 (奈良教育大学言語文化教室) (平成5年4月28日受理) 1.は じ め に 日本語教育の語嚢レベルの問題では、外来語が取り上げられることがしばしばある。外来語の 困難点は、まず発音、つぎに意味の派生、表記法といったことであろうか。また、これは日本人 にとってもそうであるが、外来語には出現しては消えるというケースが少なからずあり、辞書に 掲載されていない語も多く、その使い方も多様であることが問題となる。 小論では、先行論文に基づきながら、まず外来語のなかでも日本語教育の観点から見て基本的 だと思われる語をとりだし、その語嚢について整理し、問題点をあげ、学習者にとって有益だと 思われる情報を提供することを目的とした。 2.基 本 外 来 語 このレベルの外来語についてはいくつかの資料がある。その一つは、国立国語研究所の『日本 語教育のための基本語嚢調査』(1)である。この中には、 「基本語二千」と「基本語六千」があっ て、外来語がその中に占める割合は、 「基本語二千」では、 2.3%、 「基本語六千」では4.5%であ る。日本語全体に占める外来語のおおよその割合は、使用場面、発話スタイルによって異なるの で、一概にはいえないが、辞書から推定すると、少し古い資料ではあるが、 1956年版『例解国 語辞典』の見出し語で、 3.5%である(21。また、 『現代雑誌九十種の用語用字』では、異なり語数 の内で、その9.8%を占めていて(3)、やはり雑誌という時代の先端をいく媒体の中では、外来語 の比率が大きいことがうかがえる。 さて、もう一つ、基本外来語を決定するに当たって資料としたのは、玉村(1991)'である。 本稿ではこの二つの資料に加えて、日本語教育のための基本外来語、という観点から考えるため に、いくつかの日本語のテキストに使用されている外来語を取り出し、合わせて検討の資料とし た(5-。以後、これらの資料を元にして、基本的と思われる外来語を提案することとする。なお、 以下では「基本語六千」を「六千」、 「基本語二千」を「二千」、玉村による基本外来語を「玉村」 と略すことにする。 具体的な語嚢数で言うと「六千」の内の外来語は289語、 「二千」の内、外来語は47語である。 「玉村」での語嚢数は170語となっている。日本語教育では、通例、初級レベルの総語乗数は 1500程度といわれており、この内の2%を外来語とすれば、わずか、 30語ということになって しまう。したがって、今回考える基本外来語というのは、いわゆる中級レベルの学生までの為の ものとする。中級レベルの場合、個人差はあるが、はぼ到達目標として総語乗数5000-7000語 225 津 田 田津子 226 とされている(6)。この内の約3%を外来語とすると、その数は150語から210語ということに なる。本稿では大体この線にそって基本外来語を決定していきたい。 まず前述の資料を比較・検討してみる。 「六千」にも、 「玉村」にも取り上げられているのは、 以下の126語である。 2.1リスト I アイロン アパート イメ-ジ インク(インキ) ウイスキ- エスカレ-クー エレベーター エンジン オーバー カーテン カード ガス ガソリン カメラ ガラス カルタ カレンダー キャベツ キロ クラス グラフ グラム クリーム ゲーム コース コート コード コーヒー コップ コピー ゴム サイン サラダ シーツ シャツ ジュース ス-ツ スープ スカート スケート ストーブ ストップ スピード スプーン スポーツ ズボン ゼロ センチ ソース タイプ(ライタ-) タオル タクシー ダンス チーズ チーム チョーク チャンス チョコレート テープ テーブル テープレコーダー テスト テニス テレビ テント ドア トイレ トマト トラック ドラマ トランプ ドル トンネル ナイフ ニュース ネクタイ ノート パーセント バケツ ノヾス バター バナナ パン ハンカチ ノヾンツ -ンドバッグ -ンドル ピアノ ビール ビル ピン フイルム プール ブラシ 7*-9 ブレーキ プレゼント ページ ベッド ベノレ ベルト ペン ボート ボール ボールペン ポケット ポスター ボタン ホテル マーク マンション ミ シン ミルク メ-トル メモ メロディー ラジオ リズム レコード レ(リ)ポート レストラン レンズ ローマ字 ワープロ ワイシャツ ワット 上記のリストのうち下線が引いてあるものは、筆者の判断で、基本外来語としてあげるには重 要性が低いと思った語である。その理由は、外来語として古くなって他の語にとって代わられた ものであるとか、最近の日常生活ではあまり使わなくなった物を示す語であるために、使用頻度 が少なくなってしまったものであるとか、抽象的な物事を意味する語なので、差し当たって中級 レベルには必要とは思えない語など、いろいろである。また、地名や固有名詞に属するような語 も除いた。従って、リストIから下線の語14語を引くと、その数は112語となる。 E]本語教育のための基本外来語について 221 次に、 「六千」にあって、 「玉村」にない外来語をあげる。この内、 *印のある語は、検討資料 とした日本語の教科書に出てくるものである。下線の語は、リストIと同様、基本外来語から除 く語である。 2.2 リスト II 基本6000語の外来語独自のもの(語の後ろの*は教材に出るもの、国名・地名は除く) アイスクリーム* アイデア アクセント アナウンサー アマチュア アルコール アルバイト* アルカリ アルノヾム アルミ アンテナ アクセサリー* インテリ* イントネ-ション インフレ ウール ウェートレス エチケット エネルギー* オートバイ* オリンピック オルガン カバー カメラマン カラー ギター* キリスト(戟)* クイズ クラシック* クラブ クリーニング グリーン クリスマス* グループ ケ-キ* コーチ ゴルフ* コンク-ル コンセント サイレン サラリーマン サンドイッチ* シーズン ジェット機 ジャーナリスト* ジャム* ス-パー* スケジュール スター スタート スタイル ステージ ステレオ スト ストライキ スピーカ- スピーチ スマート スライド スリッパ* セ-クー* セメント センター* ダース タイヤ ダイヤル タバコ ヱ土 チューリップ デート チ-マ テキスト デザイン デパート* テンポ トップ ドライブ* 上土 ナイロン* ニュアンス ノイローゼ ノック パーティー* バイオリン -イキング パイプ パスポート バッジ バット ハム ピクニック ビザ ビスケット ピストル ビタミ ン ピンク ファスナー ファン プ-ム フライパン ブラウス プラス プラスチック プラットホ-ム プラン プリント プロ プログラム ベテラン ヘリコプター ペンキ ベンチ *'- !' ポー+1 ホーム マイク マイナス マスク マフラー バランス マヨネーズ ミス ミスプリント ミリ ムード メーター メニュー メンバー モ-クー モダン ユーモア ユネスコ ラケット ラッシュアワー ランチ リットル レインコート レクリエーション レモン ワンピース リストⅡの総語数は140語。その中から、日本語の教科書に出てくる語を参考にし、筆者が基 本外来語としては取り出す必要がないと考えた語に下線を引いた。下線を引いた語39を総数か ら引くと、残るのは101語。リストIと合わせて、 213語である。 リストⅢは、 「玉村」にあって「六千」にない語である。再び、筆者が基本外来語としては適 浮 出 田津子 228 当ではないと思った語には、下線をっけた。 2.3 リスト III 「玉村」の基本170語にあって、基本6000語にない語 オムレツ アンケート カーブ カセット ガレージ カレーライス キャラメル キャンパス キャンプ ココア コンパ コンビュ-ター サービス シート シャワー シャンプー スイッチ スキ- スタンド スタンプ ステーション ストッキング セミナ- ゼロックス てんぷら ナンバー パス バスタオル ピンポン フルーツ ポスト ポンプ マッチ マラソン ライト ライン ランプ リンス レベル ロボット ワイン 以上総語数41語中、下線の語18語を引いて、 23語、リストI、 Ⅱと合わせて236語になる。 ところで、リストI∼Ⅲまでに出てはこなかったが、検討資料とした日本語教科書によく出て くる外来語がある。それらをリストⅣとして以下にまとめた。 2.4 リスト IV イメージ イヤホ-ン エアメール カウンター キャッシュカード ク-ラ- コーフ シャ-プペンシル スパゲティー セロテープ センス ソックス タイミング タワー チャンネル データ デザート トイレットペーパー パソコン ハンサム -ンハーグ ビデオ ヒント ファッション ライター ラジカセ ラ-メン ランニング リボン レジ レンタカー ロッカー ロビー それでは、以下にリストIからⅣまでをすべてまとめて、不要だと思われる語を抜いた、日本 語教育の為の基本外来語・ ・中級レベルをあげる。 2.5 日本語教育の為の外来語-中級レベルまで アイスクリーム アイロン アノヾ-ト アナウンサ- アルバイト♯ アルバム# アンテナ アンケート♯ イメージ♯ インク(インキ) ウイスキ- ウール♯ ウェートレス♯ エアメール♯ エスカレーター エチケット♯ エネ,し*'-S エレベーター オートバイ♯ オリンピック カ-テン カ-ド カ-プ# 蝣*]rtン・Y?-♯ カセット ガス ガソリン EBSL カメラ♯ カメラマン♯ 日本語教育のための基本外来語について カラー♯ ガラス ギター キャッシュカード クイズ♯ グラム ・J29 カレーライス カレンダー キャンプ キリスト(戟) キロ クーラー♯ クラシック♯ クラス♯ クラブ♯ クリーニング クリーム グループ♯ ケーキ ゲーム コース♯ コート♯ コード♯ コーヒー コーラ コップ コピー♯ (けし)ゴム ゴルフ コンセント♯ コンピューター サービス♯ サイン♯ サラダ サラリーマン♯ サンドイッチ シーズン♯ シーツ♯ シート♯ ジェット機 シャツ ジャム シャワ- シャンプー♯ ジュース♯ スイッチ スーツ スーノヾ- スープ スカート スキー スケジュール♯ スター♯ スタート♯ スタイル♯ ステージ# ステレオ スト ストーブ# ストッキング♯ ストップ♯ スパゲティー スピーカー♯ スピーチ♯ スピード♯ スプーン♯ スポーツ♯ ズボン スマート スリッパ セーター セミナー ゼロ セロテープ ¥riO センチ ソース 蝣*!'I -> ->f クリスマス ソックス♯ タイプ タイヤ タオル タクシー タバコ ダンス♯ チーズ チーム チャンス♯ チャンネル チョコレート データ♯ デート テープ J^EES!; テープレコーダー テ-マ♯ テキスト♯ デザート デザイン♯ テスト♯ テニス デパート♯ テレビ トイレットペーパー トップ♯ トイレ♯ テンポ♯ ドア♯ トマト ドライブ トラック ドラマ♯ トランプ ドル トンネル + 1 ->* ナイロン ナンバー♯ ニュース♯ ネクタイ ノート♯ ノック♯ パーティー♯ パーセント バイオリン -イキング パイプ# バケツ ノヾス パスポート# ノヾソコン SEE バッジ♯ バット バナナ ノヽム ノヾン I、ン・*.'+ -ンサム♯ ノヾンツ -ンドバッグ♯ ハンドル -ンバ-グ ピアノ ビール ピクニック ビザ♯ ビスケット ピンク♯ ピストル♯ ビタミ ン ビデオ ビル ヒント♯ ファッション♯ フイルム ブーム プール フォーク フライパン ブラウス ブラシ プラス♯ プラスチック プラットホーム プラン♯ プリント♯ フルーツ♯ ブレーキ プレゼント♯ プロ♯ プログラム ページ ベッド♯ ベル♯ ベルト ペンキ ベンチ 汁.:-ト +:-+て事 ボール♯ ボールペン ホ-ム ポケット ポスター ポスト ボタン ホテル マーク♯ マイク♯ マイナス♯ マスク マッチ 津 田 田津子 230 マンショ ン マフラー♯ マヨネーズ ミシン ミス♯ ミリ ミルク♯ 包B^Si: メートル メニュー♯ メモ♯ メンバー♯ モ-クー ユーモア♯ ラーメン♯ ライター ライト♯ ライン♯ ラジオ ラッシュアワー ランチ♯ ランニング リズム♯ リポート♯(レポート) リボン リンス レコード レジ レストラン♯ レベル♯ レモン レンズ レンタカー ローマ字 ロッカー ロビー♯ ワープロ ワンピース 以上の語をすべてあわせると263語である。語の末尾に#印があるものは、殆ど同じ語義で和 語または漢語があり、それと併用されるか、または意味の分化をになっているものである。無印 の語は、適当な和語・漢語がないために主にこの外来語が使われているものである。これらの語 について、日本語教育に役立っ情報を盛り込んで、整理をしてみたい。 3.基本外来語の問題点 以下に外来語に特有の問題点ごとに上記の語を分類して、さらに詳しい説明を加えていく。な お、問題点の項目は基本的には玉村(1991)によるが(7)、必要に応じて筆者が加えたものもある。 3.1原語による分類 外来語の原語はほとんどが英語である。したがって、ここでは英語以外の言語を原語とする外 来語のみを分類して挙げる。その他はすべて英語が原語である外来語だということになる(8)。 ① フランス語を原語とする外来語 アンケ-ト,エチケット,キロ,グラム,ズボン,ゼロ,マヨネーズ,ミリ,メートル, ユーモア,レストラン, ② ドイツ語を原語とする外来語 アルバイト,エネルギー,テーマ, ③ ポルトガル語を原語とする外来語 キリスト教,タバコ,パン,ボタン, ④ オランダ語を原語とする外来語 インキ,ガス,ガラス,コーヒー,コップ,ゴム,ビール,ペンキ, ⑤ イタリア語を原語とする外来語 スパゲティ一,テンポ, ⑥ 中国語を原語とする外来語 ラーメン, ⑦ 和製外来語(原語の語義と日本語になってからの語義とがかけはなれたものも含む。) アイロン,オートバイ,コンセント,サラリーマン,トランプ,ポスト,ミシン, 日本語教育のための基本外来語について 231 3.2 多義語 カラー(色、襟),クラス(組、階級),グリーン(緑、ゴルフ用語),コード(電線、略号) コピー(複写、広告文案),サイン(署名、合図),スイッチ (電気の開閉装置、交替), スーパー(スーパーマーケット、超∼),ソース(調味料の一種、原因・出所),タイプ ・エ イブライター、類型),バス(乗り物の一種、風呂),ビデオ(ビデオのテープ、ビデオテー プレコーダー),プール(水泳プール、出資すること),ホーム(プラットホーム、家),ポ スト(郵便受け、地位、後の),マッチ(坦、釣り合う),ミス(箪旦、未婚女性への敬 称),ライト(明かり、軽いこと),レコード(音盤、記録), (下線部の意味のみここでは取り扱う。) 3.3 暗語化かおこって、略言吾の方が定着している外来語 カセット(カセットテープ),キロ(キログラム、キロメートル),スーパー(スーパーマー ケット),スト(ストライキ),センチ(センチメートル),タイプ(タイプライター),パソ コン(パーソナルコンピューター),バッグ(ハンドバッグ),ビル(ビルディング),プロ (プロフェッショナル),ホ-ム(プラットホーム),ミリ(ミリメートル),ワープロ(ワー ドプロセッサ), 略語化は語の最初の部分だけをとったものが多いが、 「ホーム」のように、語の後ろの部分を とったものもある。また、 「パソコン」 「ワープロ」のように、前半部分と後半部分とからできて いる略語もある。 3.4 原語が長いために、そもそも省略形で外来語化した語 アパート,デパート,テレビ,ノート,トイレ, -ンカチ, -ンハーグ,プール,フライパ ン,ボールペン,マイク,ミシン,レジ, この中には、デパート、 -ンカチのように、極端に省略化して四拍語に落ち着いている語、 ンハーグ、ミシンのように原語では二語であるものの一語だけを取り出した語がある0 3.5 原語では一語ではなく、統語構造があるのに、一語化している外来語。 カレ-ライス,コンセント,サラリ-マン,パソコン,フライパン,ミシン,レジ,レンタ カー,ワープロ,ワンピース, このうち、使用頻度の高い「カレーライス」は「カレー」と省略されて言われることが多い。 3.6 名詞として使われるだけではなく「する」をつけて動詞化される外来語 アルバイトする,イメージする,カーブする,カバーする,キャンプする,クリーニングす る,ゲームする,コピーする,サービスする,サインする,シャンプ-する,スタートする, ストする,ストップする,スピーチする,タイプする,ダンスする,デートする,デザイン する,テストする,ドライブする,ノックする,ハイキングする,ピクニックする,プラス する,プリントする,プレゼントする,マークする,マイナスする,メモする,ランニング する,リポートする,リンスする, (「外来語+を+する」の形になるものは、この他にも多数あるが、ここでは除外した。) なお、 「メモる」 「ミスる」という形があるが、これは「する」をつけていたものが短縮し、 津 田 田津子 ・J3-J 「∼る」の部分を利用して動詞化したと考えられる。 3.7 一緒に使う動詞や形容詞が比較的決まっているもの アンケートをとる,ガスをっける/けす,コンセントに差し込む,サイレンを鳴らす,サー ビスがいい/わるい/行き届く,シャワーを浴びる,スイッチをいれる/きる,スケジュール を調整する,スタイルがいい/わるい,タバコを吸う,チャンスに恵まれる,テストを受け る,トランプを切る,ネクタイをしめる,ノートをとる,バランスをとる,ハンドルをとる /がとられる,ピストルをうつ,ヒントを与える/だす,ブラシをかける,ブレーキがきく/ をかける/がかかる,ページをめくる,ミシンをかける,リボンをかける,レジをうつ,レ ンタカーをかりる, 3.8 外来語に相当する意味の適当な和・漢語がないもの アイスクリーム,アイロン,アパート,アナウンサ-,アンテナ,インク,ウイスキー,エ スカレーター,エレベーター,オリンピック,カーテン,カード,カセット,ガス,ガソリ ン,ガラス,カレ-ライス,カレンダー,ギター,キャッシュカ-ド,キャンプ,キリスト, キロ,グラム,クリーニング,クリーム,クリスマス,ケーキ,ゲーム,コーヒ-,コーラ, コップ,ゴム,ゴルフ,コンピューター,サラダ,サンドイッチ,ジェット機,シャツ, ジャム,シャワー,スイッチ,スーツ,スーパ-,スープ,スカート,スキー,ステレオ, スト,スパゲティ-,ズボン,スマ-ト,スリッペ セーター,セミナー,ゼロ,セロテー プ,センチ,ソース,タイプ,タイヤ,タオル,タクシー,タバコ,チーズ,チーム,チャ ンネル,チョコレート,デート,テープ,チ-プレコーダー,デザート,テニス,テレビ, トイレットペーパー,トマト,ドライブ,トラック,トランプ,ドル,トンネル,ナイロン, ネクタイ,パーセント,バイオリン, -イキング,バケツ,バス,パソコン,バター,バッ ト,バナナ,ハム,パン, -ンカチ,パンツ, -ンドル, -ンハーグ,ピアノ,ビール,ピ クニック,ビスケット,ビタミン,ビデオ,ビル,フイルム,ブーム,プール,フォーク, フライパン,ブラウス,ブラシ,プラスチック,プラットホーム,ブレーキ,プログラム, ページ,ベルト,ペンキ,ベンチ,ボート,ホーム,ボールペン,ポケット,ポスター,ポ スト,ボタン,ホテル,マスク,マッチ,マヨネ-ズ,マンション,ミシン,ミリ,メート ル,モーター,ライター,ラジオ,ラッシュアワー,ランニング,リボン,リンス,レコー ド,レジ,レモン,レンズ,レンタカー,ローマ字,ロッカー,ワープロ,ワンピース, 以上の外来語は、 ①従来存在しなかった事物の登場に伴って使用されるようになった外来語、 すなわち、指示対象物や事項がはっきりしているもの。 ②世界共通の単位。に大きくわけられる ようだ。 3.9 該当する和・漢語があるか、主に外来語の方が使われるもの。 アルバイト((学生の)一時的仕事),アルバム(写真帳),イメージ(心象),ウール(毛、 羊毛),ウェートレス(女給),エアメール(航空便),エネルギー(元気、精力),オートバ イ(自動二輪車),カバー(覆い),カメラ(写真機),クーラー(冷房機、冷却機),クラ シック(古典),コート(外套),コ-ド(電線),コピー(複写),サラリーマン(月給取 り),シ-ツ(敷布),シ-ト(敷物),シャンプー(洗髪用洗剤),ジュース(果汁欽料), 日本語教育のための基本外来語について 233 ストッキング(長靴下),スピーカー(拡声器),スプーン(匙),センター(中心機関、場 所),デザイン(意匠・図案),テンポ(演奏速度),トップ(頂点、最上位),ノート(帳 面),ノック(軽く叩く),パスポート(旅券),バッジ(徽章), -ンサム(男前),ビザ (査証),ヒント(暗示、手掛かり),プラス(正、たす),プロ(専門家、玄人),ベッド (寝台),ベル(鈴),ボーナス(賞与),ポール(球),マイク(拡声器),マイナス(負、ひ く),マフラー(襟巻),メ-タ- (計量器),メニュー(品書き、献立表),メモ(覚え書 き),リズム(拍子),レジ(勘定所), 3.10 該当する和語または漢語があるか、外来語とは意味するところが少し速い、使い分けられ ている語。 アンケート(調査),エチケット(礼儀・作法),カウンター(台・ ・勘定台、受付台等), カープ(曲線),カメラマン(写真家),力ラl(色、特色),クイズ(なぞ、あてもの),ク ラス(組),クラブ(協会、団体),グループ(仲間・群れ),コース(進路・過程),コンセ ント(電源),サイン(署名),サービス(奉仕),シーズン(季節、手ごろな時期),スケ ジュール(予定・計画),スター(星、人気者),スタート(開始・始まり),スタイル(形、 外観),ステージ(舞台),ストップ(停止),ストーブ(暖炉),スピーチ(演説),スポー ツ(運動),ダンス(踊り・舞踊),チャンス(機会),データ(記録、資料),テキスト(敬 科書),テスト(試験),テーブル(食卓),ドア, (戸),ドラマ(刺),ナイフ(小刀), ニュース(報道、記事),パイプ(管),パーティー(夜会、宴会),ハンドバッグ(手提げ 鞄),ファッション(流行),プリント(印刷する、印刷されたもの),ミルク(牛乳),メン バー(会員),ユーモア(しゃれ、冗談),ラーメン(中華そば),ランチ(昼食、定食),リ ポート(報告、報告書),レストラン(食堂),ロビー(大広間), 3.11該当する和語または漢語があり、かつ意味がほとんど同じで、使い分けかかなり慈恵的な 2五 J)ロしヽ ガレージ(車庫),グリーン(緑),スピード(速度),ソックス(靴下),デパート(百貨 店),テーマ(主題),トイレ(お手洗い、便所),ナンバー(番号),ピストル(拳銃),ど ンク(桃色),プラン(計画),フルーツ(果物),プレゼント(贈り物),マーク(印),ミ ス(誤り、間違い),ライト(明かり),ライン(線),レベル(水準、程度), このような語の場合、外来語を使った方が日常語的で生き生きとした感じがするようである。 以上のうち、外国語として日本語を学ぶ際に特に困難を感じるのは、 3.6、 3.7、 3.10、 3.11、だ と考えられる。外来語のほうを主として使う語や、外来語しかないような場合は、普通の語嚢を 覚えるのと同じようにして、表記法に注意しながら覚えていくしかない。しかし、本来名詞であ る外来語が動詞化したり、また慣用句的に決まった表現とともに使われるというのは、注意して 導入しなければ外来語のみの導入に終わってしまいがちだ。さらに、外来語に相当する和語また は漢語がある場合は、両者の間の使い分けが問題となる。 4.外来語の動詞化について 2.5で掲げたリストの中にも「する」をっけて動詞化される語がかなりあった。 (3.6参照)そ 234 津 田 田津子 こで、どんな外来語に「する」をっけることができるのか、またできないのか、もう少し詳しく 考えてみたい。 2.5の語嚢の中には、 3.7のように決まった動詞と使われることはあるが、 「する」をつけては 使えないものもある。以下を参照のこと。 アンケートする, *コンセントする, *サイレンする,サービスする, ?シャワーする, *スイッチする, *スケジュ-ルする, *タバコする, *チャンスする,テストする,トラ ンプする, ?ネクタイする, ?ノートする, *バランスする, *ハンドルする, *ピストル する, *ヒントする, ?ブラシする, *ブレーキする, ?ミシンする, ?リボンする, ?レジ する, *レンタカーする, (*印は使われない形、 ?印は違和感のある形を示す。) ところで「∼する」動詞化するその他の外来語を調べてみると、次のようである。 [参 考] 外来語のうち、 「する」をっけて動詞化するもの。 (資料は楳垣実『増補 外来語辞典』、 『言 泉』、 『イミダス1993年版付録 外来語・略語辞典』による) [但し2.5にあげた語を除く] アウトプットする アソシエートする アタックする アップする アップダウンする アップリケする アドバイスする アナウンスする アピールする アメリカナイズする アレンジする インサートする インターセプトする インタビューする ウィンクする ウィンド-ショッピングする ウォーミングアップする ウォッチングする エキサイトする エスカレートする エスケープする エスコートする オーソライズする オーダーする オーバーヒートする オーバーラップする オープンする オリエンテーションする ガードする ガイドする カウンセリングする カウントする カットする カモフラ-ジュする カンパする キープする キスする キックする キックオフする キャッチする キャンペーンする クールダウンする クリアーする クリエートする クロスする クローズアップする コーディネイトする コストダウンする コミットする コメントする コントロールする サーブする サポートする システム化する シフトする ジャッジする シャットする シャットアウトする ジャンプする シュートする シンクロナイズする スイッチバックする スイングする スカウトする スキップする スキャンする スクープする スクラップする スクロールする 日本語教育のための基本外来語について 235 スケッチする ストックする スパークする スパートする スライスする スライドする スリップする セーブする セットする ソテーする ターンする タイアップする ダイエットする ダウンする タックルする ダッシュする タッチする タッチアウトする タッチオフする タッチダウンする チェックする チャージする チャーターする チャレンジする ディスカウントする ディスカッションする ディベートする テークアウトする テークオフする デッサンする デビューする デフォルメする デュエットする ドーピングする トライする トラバーユする トリミングする トレードする ストライキする トレーニングする ドロップアウトする ナンバリングする ネーミングする ネグレクトする ノックアウトする ノックオンする ノックダウンする -イジャックする バイトする バックアップする -ッスルする バトンタッチする ハミングする パラフレーズする パワーアップする パンクする と-トする ヒットする ビルトインする ファイルする フィックスする フィットする フェードアウトする フェードインする フォローする ブッキングする プッシュする プラスマイナスする フラッシュバックする プランニングする ブリーチする プリ-フィングする プレスする ブレンドする プログラムする プロテストする プロポーズする ペイする ベースアップする ボイコットする ホームステイする ポーリングする マスタ-する マッサージする マッチする マネージする ミートする メーキャップする モダナイズする モニターする モノポライズする ランクする リークする リースする リードする リクエストする リクルートする リコールする リサーチする リザーブする リストアップする リファインする リメークする リライトする リラックスする レコーディングする レシ-プする レンタルする ローマナイズする ロールする ロックする ロックアウトする 上記の語と「する」動詞化しないものとを比べて、次のような仮説を提案する。 滞 田 Eil津子 236 [外来語の「∼する」動詞に関する仮説] ① 原語において、動詞の用法のあるものが、まず名詞として外来語になってから、 「∼する」 をつけて動詞化する。 (アルバイト、イメージ、カープなど多数)従って原語において、名 詞の意味しかないような語(タバコ、 -ンドルなどの具体的な事物を指す語)には「する」 をっけられない。 ② 「する」動詞化して、なんらかの変化を表現する場合が多い。 (カットする、デザインする、 フィットする、プレスする、リメークする等)従って原語では副詞や前置詞としての使用が 主である語にも「する」がつくことがある。 (アップする、ダウンする等) ③ 原語において既に動名詞化している語は、日本語に取り入れられると、さらに「∼する」 をつけて動詞化される。 ハイキングする,ブラッシングする,セッティングする,ダビングする,ブッキングする, ナンバリングする,ネーミングする,プランニングする,ブリ-フィングする,ショッピ ングする,ウォッチングする,カウンセリングする,トリミングする, このうち、例えば「セッティングする」は「セットする」ともいえるが、両者の間には微妙 な意味の違いがある。また、 「ブラシする」や、 「ナンバーする」とは言わないが、 「ブラッ シングする」や「ナンバリングする」とはいうように、 「∼ング」をつけることで、具体物 を表していた語がなんらかの行為全体を意味するようになり、そのことで「する」がつきや すくなるのではないかと考えられる。 ④ すでに和語において動詞が存在し、かっ日常頻繁に使われる動詞は外来語の動詞化したも のと競合しにくい。 (例えば、 「食べる」 「聞く」などは、なかなか外来語を使った表現にはなりそうもない。) ⑤ 「[スポーツ]をする、」 「[楽器]をする」 「[装飾品]をしている」は慣例的にほとんど認 められる。 さらに、 「する」動詞化はしないが、常に一定の動詞とともに使われることになっている外来 語というものも多い。この点については、すでに『日常外来語用法辞典』(9)に記述がでているが、 なお資料は不十分であると思われる。ちなみに、どのような例があるかというと、以下のように なる。 ★外来語のうち、 「する」以外の動詞表現で使われるもの(3.7は除く) アジる,アドリブを言う,アンダーラインをひく,イベントを開く,インパクトを与える, ウィットに富む,ヴァラエティーに富む,エールをおくる/交換する,エヌ・ジーを出す,カウ ンセリングを受ける,キューを出す,クレームをっける,コンタクトをとる,サボる,システム 化する,スクラムを組む,スコアをつける,スポットをあてる,スランプに陥る,スリルを味わ う,センセーションを巻き起こす,、ダブる,ダメ-ジを与える/受ける,パーマをかける/あて る,バッテリーがあがる,フラッシュをたく,プランをたてる,ペテンにかける,ペナルティを かす,メッセージをおくる,リンチをくわえる,レッテルをはる, このような表現を考えると、まず日本語の表現があり、そこに外来語が入って、動詞部分だけ が日本語を残しているという場合がほとんどである。 日本語教育のための基本外来語について 237 「下線を引く」-「アンダーラインを引く」 「衝撃を与える」 - 「インパクトを与える」等、 このような例では、元になる日本語の表現を知っていれば問題はないが、その場合は日本語の 表現と外来語を使った表現との使い分けをどのようにするか、ということが新たな問題となるだ ろう。つまり、ここでの問題は3.10の問題と同じだと言ってよい。 一方、例えば「クレームをつける」は、 「苦情を言う」からの類推で、 「クレームを言う」と 言ってもよさそうであるが、実際にはあまりそうは言わない。 さらに、 「パーマをかける」 「バッテリ-があがる」 「フラッシュをたく」などは、外来語部分 に該当する日本語の表現がないので、動詞に関しても類推ができないものである。大方は、実際 にどのような動作をしているかの観察によって動詞がきまっているが、 (「レジをうつ」 「タバコ を吸う」 「シャワーをあびる」 「ピストルをうつ」等) 「バッテリーがあがる」などは動詞が類推 しにくいものである。また「かける」という動詞が広く使われているが、 (「ミシンをかける」 「リボンをかける」 「ブレーキをかける」 「ブラシをかける」等)これなどは「かける」という動 詞の意味範囲を明らかにしておくことがまず必要だと思われる。 最後に「タブる」 「ミスる」 「サボる」 「メモる」等の一語化したものは、数も少なく、新たに どんどん作られるという傾向もないので、あまり一般化することはできないようだ。 5.お わ リ に 日本語教育においては、まず重視されるのが、やはり文法・文型であり、次が表記である。そ れに対して、語量の問題については学習者のニーズによって非常に片寄りがでる場合があるので、 一般的に論じられることは少ないようだO外来語の問題は主に二つあり、一つは表記と発音との 関係、あと一つが語嚢レベルの問題である。本稿では、語嚢の問題として外来語を取り上げ、基 本的だと患われる外来語の選定を行った。もちろん学習者の多様化により、ここに出した語嚢が 必ずしもすべての学習者にとって基本的だとはいえないだろうが、 JGPの学習者を対象とした 場合は一応これで進められるのではないかと考えている。 次に基本外来語の中身を見てみたわけだが、このように基本的な外来語をまとめて、問題点ご とに整理してある資料は、学習者・教授者双方にとって利用価値があるのではないかと思う。 日本語教育では、外来語が大きな語嚢的な問題であることは共通の認識としてあるが、実際に 教材や教室活動の中でどのようにその間題を解決していくのか、という点についてはあまり議論 されていない。日本人が日本語の問題点として外来語をとりあげ、一つ一つの外来語の意味範囲 や、使われ方を記述することはよくあるが、その場合は取り上げられる外来語が必ずしも日本語 教育の視点からみて基本的なものばかりではない。しかし、筆者が日常接する日本語学習者のほ とんど全員が外来語について問題を感じており、その問題は上級レベルになるまで持ち越されて、 結局学習者が個人的に一つ一つ辞書を引き、調べるより仕方がないのである。しかも、辞書を引 いても出てこない外来語さえあるし、まして日本語の語嚢との使い分けに関する説明や、どのよ うな動詞とともに使われるのかが普通なのか、等ということはまず記述されてこなかった。この ような結果として、日本語学習者の話す日本語を聞いていると、日本人が使っているよりずっと 少ない数の外来語しかでてこないのである。言い替えれば、外国語として日本語を学習している 学習者に対しては、異体名詞以外はできるだけ日本語の語嚢だけで話しかける方が分かりやすい 238 津 田 田津子 とさえ言える。 今後の計画としては本稿の4.で考えたような問題、即ち外来語の動詞化に関する問題を更に 調査・検討していきたいと思っている。主な項目を次にあげる。 1.外来語の「∼する」動詞に関する仮説の検討、立証。 2.外来語とともに使われる動詞の動詞別の整理と、その動詞の意味するところを明らかにす ること。 (「かける」 「とる」等) 3.外来語と、それに相当する和語・漢語がある場合の使い分けについての調査。特に動詞表 現を中心として。 なお、研究の過程や成果をまとめるにあたっては、常に日本語教育の現場に反映できるように 配慮したいと考えている。 注 (1) (1984) 『日本語教育のための基本語費調査』国立国語研究所 (2)日本語教育学会 編(1982) 『日本語教育事典』 P.286 (3) Ibid.P.286 (4)玉村文郎(1991) 「日本語における外来要素と外来語」 『日本語教育74号』この論文では、日本語語嚢 の中における外来要素と外来語について論じている。主に名詞と形容詞に重点をおいて、特殊なものを 中心に取り上げて説明を加えている。最後に参考資料として、著者の提案する基本外来語170語が掲載 されている。 (5)今回資料として使用した日本語の教科書は次の六種。 『にはんごのきそ』海外技術者研修協会 『日本語初歩』国際交流基金 『日本語I、 Ⅱ』国際学友会日本語学校 『An Introduction to Modern Japanese』 The Japan Times 『文化初級日本語』文化外国語専門学校 『総合日本語中級』水谷信子 凡人杜 (6)石田敏子(1987) 『日本語教授法』大修館書店 P.98 (7)玉村Ibid.の他に参考としたものは、 楳垣 実(1963) 『日本外来語の研究』研究社 石野博史(1983) 『現代外来語考』大修館書店 プレム・モトワニ(1991a) 「日本語教育のネック-外来語」 『日本語教育74号』 (8)以下、分類したり意義をまとめるに際しては、次の辞書に基づいた。 (1976) 『コンサイス外来語辞典』三省堂 楳垣 実 編(1971) 『増補 外来語辞典』東京堂出版 (9)プレム・モトワニ(1991b) 『日常外来語用法辞典』丸善 239 Loanwords Usage in Japanese The Fundamental Points for the Japanese Language Teaching - Tazuko Sawada {Department of Language and Culture, Nara University of Education, Nara, 630 fapan) (Received April 28, 1993) For the students of the Japanese language, the issue of loanwords is one of the most difficult points to learn. This paper shows basic 263 loanwords after researching three materials and gives some fundamental explanations to these loan-words. 1. The original language of the loanwords. 2. Polysemic loanwords. 3. Contraction and abbreviation. , The loanwords which have Japanese native words or Chinese-origin words as their synonyms. 5. Verbalization of nouns. (Mainly concerning [-SURU] verbs] In the last chapter, the issue of verbalization is further argued. The following five hypotheses about the [-SURU] verbalization are proposed. When its original word has verbal function, the loanword can be verbalized with suffix [-SURUJ. (2) Many [-SURU] verbs which have been made from loanwords indicate "Change. (3) Recently, the forms such as [HAIKINGU SURU] [NEEMINGU SURU] are often used. There are some words which have only [ NGU SURU] form. That is, they don't have the form of [ SURU]. The examples are * [BURASHI SURU]/ [BURAS-SHINGU SURU], * [NAMBAA SURU]/[NAMBARINGU SURU]. (4) When native verbs exist and they have been widely used, it is difficult to borrow a new word from foreign languages for making [-SURU]verb. (5) The following forms are usually permitted in Japanese, [(sports)+O+SURU], [(musical instrument) +O+SURU], [(accessory) +O+SURU].
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