大東文化大学 文学部 英米文学科主催 第3回 高校生翻訳コンテスト 高校生翻訳コンテスト 最優秀作品 ピーター といういたずら好きなうさぎが お母さんの言いつけを破って マクレガー さんの 菜園に入りこみ、 危うく青い上着や靴よりも 大切なものを失いかけたあの 時から110年が経ちました。 それ以来、 ピーターのおはなしは35ヶ国語 以上 に翻訳され、 世界中の人々に読まれ、そして楽しまれています。 日常生活では、 お皿・カップ・ペン・鉛筆、 さらには ガーデニング用品 にまでも ピーターが プリントされているのを あちこちで目にします。きっと ピーターを知らない人は 現在 ほとんどいないでしょう。 ピーターはおそらく この広い世界で最も名の知れた うさぎでしょう。 ピーターの生みの親は、ビアトリクス・ポターという女性でした。ポターは物語の挿絵を描く時、 はじめに動物のスケッチを沢山描きました。彼女は様々な角度から動物を描き、またときには 動物の構造をよりよく理解するために骨格を描くこともありました。私たちがポターの描いた ピーターラビットを見る時、絵ではない、本物のうさぎを見ているように感じます。ポターは巧みな体の 描写によって、ピーターとその周りの動物たちが抱く感情を伝えたのです。 おそらく、アメリカで誕生した最も有名な動物のキャラクターはミッキーマウスでしょう。 ミッキーは名目上はネズミかもしれませんが、見た目やふるまいからすれば、本物のネズミには 明らかに程遠いものです。車を運転し、電話をかけ、宇宙船に乗りさえします。ミッキーは 現代世界に生きていて、まさにアメリカンドリームの産物と言えます。将来が良いものであると信じ、過去や 過ぎ去ったことは気にしないのです。 ミッキーと比べると、ピーターラビットは古めかしく見えるかもしれません。ピーターの生きる世界は 私たちの生きる世界とは全く別物なのです。これはひょっとしたら未来より過去に目を向ける傾向のある 国であるイギリスでピーターが生まれたかもしれません。イギリスでは、伝統が守られ、古いものは 愛情を込めて保存されています。とりわけ、ビアトリクス・ポターはこれに当てはまる人でした。彼女は、 イングランド北西部に位置する湖水地方の自然美を守ると決心し、本を書いて得た沢山の お金を使ってその土地を購入しました。そして彼女の死後すぐに、次の世代の人々が楽しめるよう な自然の姿を保つという条件の下でその土地はナショナルトラストに寄付されたのです。 NAME(ローマ ローマ字 :Sato Akari ローマ字): 氏名: 氏名:佐藤 あかり 所属高校名: 所属高校名:文化学園大学杉並高等学校 学年: 学年:2年
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