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特集 - 建設副産物リサイクル広報推進会議ホームページ

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2016 春号
75
特集
「建設リサイクルにおける
地域固有の課題解決」への
取組みについて(後編)
ニュース・フォーカス
クローズ・アップ
ほっとひと息 おとなりさんのエコ
現場での実効ある対策の推進のために」
(2014−15)
発行:建設副産物リサイクル広報推進会議
建設副産物のリサイクルに関する情報を、わかりやすく、使いやすい資料
として現場技術者向けにまとめた最新版です!
A4判・48ページ
定価 本体500円+税(送料別)
お申し込み
http://www.suishinkaigi.jp/
book/other/index.html
変更・改訂・追加のポイント
●廃棄物・リサイクルの現状を最新のデータ
(平成 20 年度から 24 年度)
に更新
●平成 26 年 9 月 1 日に公表された
「建設リサイクル推進計画 2014」
を収録
●「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル(暫定版)
」、国土交通省「環境行動計画
2014 年度∼2020 年度」
(概要)
、
「廃石膏ボード現場分別解体マニュアル
(案)
」
、
「大気汚染防止法による飛散防止対
策について」などを新たに収録
●建設副産物対策の実務上の留意点を見直し
●リサイクルの取組み・事例においては、
日建連の「建設業の環境自主行動計画
(第 5 版)
」を収録し、
最新の事例も追加
本文42Pへ▶
水閘門改築工事における
建設副産物発生および排出の抑制
∼基礎杭先端根固め工法における建設汚泥発生および排出の抑制∼
株式会社大林組 名古屋支店 日光川水閘門JV工事事務所
・はじめに
を可能とした施設)
を建て替える工
とができる工法を採用している。
昨今、3R
( リデュース、リユー
事であり、従来の仮締切工法では
主な工事内容は、水閘門の底版
ス、リサイクル)という大量廃棄
なく、河床のグラブ浚渫船による
および堰柱部となる鋼殻の製作・
社会から循環型社会への転換が求
床掘り、および基礎鋼管杭の水上
設置並びに門柱部の構築と、それ
められる中で、建設業界において
打設後に、工場製作した鋼殻函体
に付随する基礎杭や管理橋の設置
もそれが重要課題となっている。
のハイブリッドケーソンを浮函え
等の工事である。
施工現場では工期、工費、環境
い航、沈設して基礎杭と結合する
また、施工場所の近くに、ラムサ
問題をそれぞれ考慮した工法が要
ハイブリッドピア工法を採用して
ール条約登録湿地
(藤前干潟)
がある
求され、その技術者の育成も課題
おり、現地での鉄筋組立および型
ため、環境への負荷を極力抑えるよ
として残っている。
枠組立・解体の工程を省略するこ
う対策を講じる必要があった。
本稿は予期せぬ事象より、技術
的解決を施すうえで、最重要課題
であった環境負荷低減を工事事務
所一丸となり解決し、平成27 年
度3R推進功労者等表彰において、
国土交通大臣賞を受賞した建設汚
泥発生および排出の抑制の事例を
報告する。
・工事全体概要
現日光川水閘門は建設後50 年
近くが経過し、本体の老朽化の進
行や地盤沈下の影響による高潮に
対する必要な高さ不足や流下能力
不足、さらには東海地震を始めと
する大規模地震への備えなどから
改築が必要となってきた。
本工事は、現行の水閘門の下流
側へ水門および閘門施設
(海側と川
側の水位差を調整し、船舶の往来
工事概 要
工事名称
発 注 者
受 注 者
施工場所
工 期
工事内容
主要工種
及び数量
位置図
大規模河川管理施設機能確保事業 日光川水閘門改築工事(本体構築工)
愛知県
大林・徳倉・河村特定建設工事共同企業体
愛知県海部郡飛島村大字梅之郷地先
平成22 年12 月17 日∼平成27 年2 月27 日
ハイブリッドピア工
(L=20 ∼27m、B=20 ∼26m、8 函)
による水閘門
(W=
125.6m)
の新設工事
グラブ浚渫:50,000 ㎥、鋼管管杭打設:φ1,000mm×L=25.5 ∼30.0m
×311本、ハイブリッドケーソン製作・沈設:8函、水中不分離性コンクリー
ト打設:V=18,000㎥、高流動コンクリート打設:V=5,600㎥、ゲート扉
体設置:6門、カーテンウォール工:4基、管理橋工:1式
本文47Pへ▶
石積みと花の町「長島町」
∼掘削土から発生する天然石の3R実施と景観への配慮∼
鹿児島県 出水郡 長島町
長島町では、地域における建
内を一周できる国道・県道・町道
れ、視野が広がることによる車両
設・土木造成工事に伴い発生す
を中心に石積み花壇にリサイクル
の走行安全性の向上、③法面の保
る掘削土(以下、建設発生土)
には、 する事業を、平成19 年度から緊
護や維持管理性の向上及び毎年の
大きな天然石や平石状の天然石が
急雇用促進事業として実施してい
除草で出ていた枯れ草の処分量の
多く含まれています。
ます。さらに、平成24 年度から
発生抑制などと、良い効果の派生
このような天然石を含む建設発
は平石を法面の保護材としてリサ
につながっています。
生土は、盛土材として施工が困難
イクルを行う「長島・ぐるっと一
長島町は、もともと急傾斜の土
であるばかりでなく、締め固めも
周景観整備事業」を実施していま
地が多く、耕作地は石積みによる
不十分となることから混在して活
す。
段々畑が多く存在するため、石積
用できず、土砂と天然石を分別し
平成26 年度現在で、天然石を
みの花壇や平石による法面保護材
て土砂は盛土材として活用できる
使った道路沿いの花壇は約14km
などは景観的にも地元にあったも
ものの、天然石については、島内
に な り、 平 石 状 の 天 然 石 は 約
のになっており、「石積みと花の
には砕石工場もないため、最終処
8000 ㎡を法面保護材としてリサ
町」をテーマに、花壇等を活かし
分を余儀なくされています。
イクルされています。
たぐるっと一周フラワーロード事
そこで、発生する天然石を処分
その結果、①天然石の最終処分
業を行って地元で発生する石材の
場などへ廃棄するのではなく、島
量の縮減、②雑草の繁茂が抑えら
再利用を促進しています。
天然石を活かした
花壇や法面保護
天然石を活かした
石花
2016. 春 号
目次
1,42
建設リサイクルの現場レポート
水閘門改築工事における建設副産物発生および排出の抑制
〜基礎杭先端根固め工法における建設汚泥発生および排出の抑制〜
株式会社大林組 名古屋支店 日光川水閘門JV工事事務所
2,47
4
石積みと花の町「長島町」 〜掘削土から発生する天然石の3R実施と景観への配慮〜
鹿児島県 出水郡 長島町
特集 「建設リサイクルにおける地域固有の課題解決」
への取組みについて(後編)
5
「東北地方における建設リサイクル推進計画」
における地域固有の課題とその対応策
10
「北陸地方建設リサイクル推進計画2015」
における地域固有の課題とその対応策
14
「建設リサイクル推進計画2015
(中部地方版)
」
における地域固有の課題とその対応策
17
「中国地方建設リサイクル推進計画2015」
における地域固有の課題とその対応策
20
「沖縄地方における建設リサイクル推進計画2015」における地域固有の課題とその対応策
24
東北地方建設副産物対策連絡協議会 事務局
東北地方整備局 企画部 技術管理課
北陸地方建設副産物対策連絡協議会 事務局
北陸地方整備局 企画部 技術管理課
中部地方建設副産物対策連絡協議会 事務局
中部地方整備局 企画部 技術管理課
中国地方建設副産物対策連絡委員会 事務局
中国地方整備局 企画部 技術管理課
沖縄地方建設副産物対策連絡協議会 事務局
沖縄総合事務局 開発建設部 技術管理課
ニュース・フォーカス
建設業法等の一部改正について
国土交通省 土地・建設産業局 建設業課 課長補佐 松原 寛
28
「港湾・空港等整備におけるリサイクルガイドライン」
の改訂
35
【実施中】
建設発生土の官民有効利用マッチング
37
国土交通省 港湾局 技術企画課技術監理室 技術企画係長
木原
弘一
国土交通省 総合政策局 公共事業企画調整課 環境・リサイクル企画室
クローズ・アップ
茨城県における20年目の建設発生土ストックヤード事業
一般財団法人 茨城県建設技術管理センター 技術部 部長(前建設副産物リサイクル事業部 部長) 渡邉
茨城県 土木部 検査指導課 係長 荒芝 良彰
51
ほっとひと息
おとなりさんのエコ
「エコーガニック with ノーマライゼーション」食品スーパーが提案する環境ループ事業
株式会社ウジエスーパー 常務取締役
54
56
孝志
株式会社ウジエクリーンサービス 取締役本部長
吉田
芳弘
丸の内エリアにおけるエコ弁プロジェクト実証実験
三菱地所株式会社 ビル運営事業部
中野
壮一朗
インフォメーション
特に断り書きの無い場合、執筆者の所属・職位等は執筆当時のものです。
表紙写真/長島町
(鹿児島県) 写真の説明は本文記事2頁、47 頁
建設リサイクル Vol.75
3
特集
Special
issue
「建設リサイクルにおける地域固有の
課題解決」への取組みについて(後編)
これまでの建設リサイクル推進対策は、再資源化率などの向上といった国全体で取り組
むべきものが主体であり、その結果として相当レベルまで上昇しています。
一方、国土交通省が平成26年9月に策定した
「建設リサイクル推進計画2014」
(本誌2014年秋
号. vol69にて紹介)
では、近年、大都市における再生クラッシャランの需給ギャップによる滞
留懸念など、地域ごとに異なる建設リサイクルの課題が顕在化していることに着目しており、
地域ごとに生じている課題を、関係機関で把握し、地方ブロック毎に対処し、その結果を同様
の課題を抱える他地域や全国にも展開していくことも必要であるとしています。
そこで本稿では、建設副産物対策地方連絡協議会が策定している地方版の建設リサイク
ル推進計画について、2回に分けて特集することにしました。2016年冬号vol.74では、北海
道、関東、近畿、四国、九州を紹介しましたので、今回は、東北、北陸、中部、中国、沖
縄地方の「地域固有の課題解決」
に関する取組みを紹介します。
4
特集
Special
issue
「東北地方における建設リサイクル
推進計画」における
地域固有の課題とその対応策
東北地方建設副産物対策連絡協議会 事務局 東北地方整備局 企画部 技術管理課
キーワード
1
はじめに
東日本大震災、災害廃棄物、再生資材、建設副産物実態調査
イクル推進計画」の策定に向け検討
に関する特別措置法」により災害廃
しているところです。
棄物処理を被災した市町村に変
わって国が処理出来るようにな
東北地方では、東日本大震災に
より災害廃棄物が大量に発生した
2
災害廃棄物由来の再生資材
活用に向けた取り組み
ことから、震災がれきの最終処分
り、環境省や国土交通省等より発
出された災害廃棄物の処理指針や
再生資材の活用に関わる通知に基
量を減らすため、災害廃棄物由来
東日本大震災による災害廃棄物
づき災害廃棄物由来の再生資材の
の再生資材を公共工事にて有効活
等の処理に向けては、
「東日本大震
活用を進めました。この再生資材
用することに取り組んでいます。
災により生じた災害廃棄物の処理
の活用推進に向けた取り組み事例
また、災害復旧や復興事業に伴う
多くの工事により、建設副産物が
大量に排出されている状況です
が、震災直後の建設副産物実態調
査
(平成24年度実績)結果では、建
設副産物全体の再資源化率の目標
値95%に対し、97.3%と目標を上
回る結果であり、建設リサイクル
の推進が着実に図られています。
東北地方における建設リサイク
ルの推進は、
「東北地方における建
設リサイクル推進計画2010」
(計画
目標年度;平成27年度)
( 以下「推
進計画2010」という)を基に進めら
れており、この計画に対する達成
状況を確認するため、平成26年度
実績を調査し、この結果を踏まえ
新たな
「東北地方における建設リサ
図−1 災害廃棄物の有効利用のための協力体制
建設リサイクル Vol.75
5
を紹介します。
出量が多い状況となっています。
本大震災により排出量が大幅に増
再生資材の需要と供給のマッチ
また、排出量の内訳
(図−3参照)
と
えましたが、震災後も震災前とほ
ング促進を目的として、国
(国土交
しては、アスファルト・コンクリー
ぼ同レベルの最終処分量を維持し
通省、農林水産省)
・県・市町村の
ト殻とコンクリート殻が排出量全
ており、建設リサイクルの推進が
公共事業発注部局は工事に必要な
体の約8割を占めている状況です。
図られた結果と見ています。しか
土・再生砕石の利用情報
(数量や施
これに対し最終処分量は、東日
しながら、平成26年度の最終処分
工時期等の利用計画)を、環境省東
北地方環境事務所を通じて、県・市
町村の災害廃棄物処理担当部局へ情
報提供しました。また、県・市町村
の災害廃棄物処理担当部局は災害廃
棄物由来の建設資材及び建設資材化
が可能な災害廃棄物の情報を、環境
省東北地方環境事務所を通じて、公
共事業発注部局へ提供し、需要側と
供給側の資材条件が折り合った場合
には、担当部局間で調整を図る体制
を構築し、災害廃棄物の活用促進を
図りました。
国と県・市町村が連携し災害廃
棄物を活用した事例としては、仙
台湾における海岸堤防復旧におい
て宮城県及び3市町と連携を図り、
コンクリート殻や津波堆積土を堤
防の盛土材として活用したほか、
図−2 建設廃棄物の排出量と最終処分量の経年変化
八戸港での防波堤復旧においては
八戸市と連携を図り、津波堆積土
を防波堤ケーソンの中詰材に活用
しました。
3
東北地方における
地域固有の課題と対応策
⑴建設廃棄物の排出量と最終処分量
東北地方における建設廃棄物の
排出量
(図−2参照)は、平成14年
度から平成20年度までは減少傾向
でしたが、東日本大震災の影響に
より平成24年度の排出量は急激な
増加に転じました。平成26年度に
は若干減少したものの、災害復旧
や復興事業にて多くの工事を実施
していることから、依然として排
6
図−3 品目別建設廃棄物の排出量
特集
量が平成24年度より若干増えてい
S p e c i a l
i s s u e
表−1
「東北地方における建設リサイクル推進計画2010」
の目標達成状況
るため、引き続き注視していかな
ければと考えています。
⑵建設副産物実態調査(平成26年度
実績)による課題と対応策
現行計画である
「推進計画2010」
では、平成24年度の中間目標値と
平成27年度計画目標値の2つの目
標値を設定しており、目標値に対
する実績値を取り纏めたものが表
−1です。
①建設発生木材
再資源化率については、平成24
年度実績で85%と平成27年度目
標値80%を達成していましたが、
課題は、発生場所から直接最終
利用事例を収集・周知し関係者の
平成26年度は73%まで低下し、
処分場へ搬出していることであ
理解促進を図りたいと考えていま
再資源化・縮減率においても目標
り、この搬出量が平成24年度から
す。
達成できませんでした。
平成26年度にかけて13%増えて
発生場所から直接最終処分場へ
いるところです。
③建設混合廃棄物
の 搬 出 量 が 平 成24年 度 か ら 平 成
今後は、直接最終処分場への搬
建設混合廃棄物の目標値は、排
26年度にかけて9%増えているこ
出が平成24年度以降に増えた要因
出量を平成17年度比40%削減す
とが課題ですが、この要因として
について、搬出側及び再資源化施
ることですが、平成26年度実績の
は、根や土砂が付着している伐採
設側
(関係業団体)へ確認し、建設
排 出 量 は45 % 増 加 し た 結 果 と な
根等が再資源化施設の受入条件を
汚泥の現場内・工事間利用を促進
り、東日本大震災の影響を受けた
満たされず直接最終処分場へ搬出
する取り組みを検討します。また、
ものと見ております。
している事が考えられます。今後、
再資源化施設(関係業団体)への受
入条件や処理能力など
(平成24年
度以降の状況変化)について確認す
ることとしています。
再資源化施設における具体的な
受入条件の情報提供など、再資源
化施設への搬出が向上する対策を
考えています。
↑ 6%(H24)
②建設汚泥
再資源化・縮減率は、平成24年
度実績では89%と平成27年度目
標値85%を達成していましたが、
平成26年度には76.5%と低下し目
標を達成できませんでした。
図−4 建設発生木材のリサイクルフロー
(東北地方)
建設リサイクル Vol.75
7
発生場所から直接最終処分場へ
搬出している割合が68%と高く、
この搬出量は平成24年度から平成
26年度にかけて15%増えている
ことが課題となっています。現場
で十分な分別が行われず搬出され
ていることが要因と考えられてお
り、今後は、直接最終処分してい
る内容を詳細に確認し、現場分別
並びに再資源化施設への搬出徹底
の要請等の取り組みを図る予定で
す。
④建設発生土
↑ 10%
(H24)
建設発生土の有効利用率は、目
標値90%に対し平成26年度実績
は79%と目標値に達しませんでし
た。
課題は、場外搬出量のうち内陸
図−5 建設汚泥のリサイクルフロー
(東北地方)
受入地61%(内陸の土砂処分地等)
が工事間で利用されずに搬出され
ていることです。この要因として、
工事間の利用調整が不十分である
と考えられます。
対応策として、建設発生土の更
なる有効利用を図るため、国土交
通省にて試行運用している建設発
生土マッチングシステムの活用を
↑ 48%(H24)
呼びかけ、利用促進を図る予定で
す。
⑤建設廃棄物全体の再資源化・
縮減率
平成27年度目標値95%に対し、
平成26年度は94.6%とわずかに下
図−6 建設混合廃棄物のリサイクルフロー
(東北地方)
回った結果でしたが、建設廃棄物
の排出量が多い状況が続き、復旧
復興事業に伴う多くの工事の実施
達する事が出来たと考えておりま
縮減率等の継続維持と、目標未達
や人材不足等の社会情勢も影響し
す。
成品目ならびに他よりも目標設定
厳しい現場状況でありながら、建
建設副産物実態調査結果にて多
の低い品目の更なる向上を図るた
設副産物の再資源化及び災害廃棄
くの品目で目標を達成出来なかっ
めに、再資源化・縮減等の状況の
物由来の再生資材活用に努めたこ
たことから、全体的な対応策とし
変化を早期に確認できるよう、建
とにより、目標値と同レベルまで
て、建設副産物の高い再資源化・
設副産物情報交換システムを活用
8
特集
S p e c i a l
i s s u e
した、建設副産物物流のモニタリ
ングによる取り組みを検討します。
4
おわりに
建設リサイクルについては
「建設
工事に係る資材の再資源化等に関
する法律」
(建設リサイクル法)の施
行により、分別解体・再資源化が
義務付けられ、民間工事において
もリサイクルが促進され、建設廃
棄物全体の再資源化・縮減率が大
幅に向上し、東日本大震災直後の
建設工事においてもリサイクルが
促進されました。
しかしながら、建設廃棄物の発
生抑制については十分といえず、
また最近では建設廃棄物全体的に
再資源化・縮減率において低下し
ている傾向にあり、これまで以上
に、建設リサイクルの推進が必要
です。
今後、東北地方建設副産物対策
連絡協議会にて新たな東北地方に
おける推進計画を策定し、当該推
図−7 建設発生土のリサイクルフロー
(東北地方)
進計画の取り組みにより、建設工
事におけるより一層の建設リサイ
クル推進を図り、東北の復興に貢
献していきたいと考えています。
建設リサイクル Vol.75
9
特集
Special
issue
「北陸地方建設リサイクル
推進計画2015」における
地域固有の課題とその対応策
北陸地方建設副産物対策連絡協議会 事務局
北陸地方整備局 企画部 技術管理課
キーワード
1
はじめに
アスファルト・コンクリート塊及びコンクリート塊、建設発生木材、
建設汚泥、建設混合廃棄物、建設発生土
2
ることから、課題としては以下が
品目毎の課題
考えられる。
・課 題1: 再 生 砕 石 等 の 需 給 状 況
平 成27年6月 に 開 催 し た「 北 陸
「北陸地方建設リサイクル推進計
地方建設副産物対策連絡協議会」に
画2015」で目標値を定めた、アス
おいて「北陸地方建設リサイクル推
ファルト・コンクリート塊及びコ
進計画2015」
が策定された。
ンクリート塊、建設発生木材、建
⑵建設発生木材
「北陸地方建設リサイクル推進計
設汚泥、建設混合廃棄物、建設発
建設発生木材の平成24年度の再
画2015」は、国および各県、市町
生土についての課題を、平成24年
資源化・縮減率は88.4%であった
村等のみならず、民間事業者を含
度建設副産物実態調査の結果等か
が、 平 成17年 度 の 実 態 調 査 で は
めた建設リサイクルの関係者が、
ら整理する。
92.7%の実績があることから、推
今後、中期的に取り組むべき建設
副産物のリサイクルや適正処理等
を推進することを目的とし、北陸
(施設毎の不足や余剰)の把握が
必要
進計画2015では目標値を95%以
⑴アスファルト・コンクリート塊
及びコンクリート塊
上とした。
建設発生木材の再資源化等促進
地方における建設リサイクルの推
アスファルト・コンクリート塊
のための課題としては以下が考え
進に向けた基本的な考え方、目的、
及びコンクリート塊の平成24年度
られる。
具体的施策を策定しており、目標
の再資源化率は、それぞれ98.7%、
・課題1:直接最終処分11%を再
年度は平成30年度、目標値は平成
98.8 % と 非 常 に 高 く、 推 進 計 画
資源化施設等へ搬出できていな
24年度建設副産物実態調査の結果
2015の目標値は99%以上とした。
い。
を元に、対象品目毎に設定してい
現時点では特に大きな問題は見
る。
受けられないが、今後は社会資本
以下、
「北陸地方建設リサイクル
の老朽化に伴う維持管理、更新型
推進計画2015」における地域固有
工事の増大によって、アスファル
これらの課題については、下記
の課題とその対応策について説明
ト・コンクリート塊、コンクリー
要因があると考えられる。
する。
ト塊の排出量増加が想定されてい
①新 築・ 増 改 築
( 木 材 )の 再 資 源
10
・課 題2: 焼 却 施 設 で の 熱 エ ネ ル
ギー回収の促進が必要。
北陸地方建設リサイクル推進計画2015 目標値一覧
化・縮減率が低い。
②熱回収システムの導入効果への
めの課題としては以下が考えられ
排出率は2.8%、再資源化・縮減率
る。
は60.4%であった。推進計画2015
・課題1:直接最終処分13%を再
では、それぞれ3.0%以下、60%
③再資源化が困難な有害物質を含
資源化施設へ搬出できていない。
以上とし、今後もその割合を低下
む建設発生木材が、含まれてい
・課題2:施設経由処分2%の再資
させない方向で目標値を設定した。
理解が十分浸透していない。
る可能性がある。
源化を促進できていない。
④現場近隣に再資源化施設や熱回
収施設が存在しない。
⑶建設汚泥
進のための課題としては以下が考
これらの課題については、下記
えられる。
要因があると考えられる。
・課題1:直接最終処分28%を再
①特 定 の 地 域 や 事 業 種 で 再 資 源
建設汚泥の平成24年度の再資源
化・縮減率の低い所がある。
化・縮減率は85.6%であったが、
②施設内の再資源化・縮減率が低
平成20年度の実態調査では93.9%
建設混合廃棄物の再資源化等促
い施設が一部存在する。
資源化施設等へ搬出できていな
い。
・課題2:施設経由処分12%の再
資源化を促進できていない。
の実績があることから、推進計画
2015では目標値を94%以上とした。
⑷建設混合廃棄物
これらの課題については、下記
建設汚泥の再資源化等促進のた
建設混合廃棄物の平成24年度の
要因があると考えられる。
建設リサイクル Vol.75
11
①直接最終処分している建設混合
設副産物物流のモニタリング」に
底を要請し、取り組みを推進す
廃棄物は、新築・増改築、解体
ついて、民間も含めた受発注者
る。
現場からのものが多い。
と連携して取り組む。
②他品目に比べて再生処理の技術
的・人的な手間が大きい。
③施設毎に再資源化・縮減率が異
なる。
③建設廃棄物の再資源化を推進す
また、その結果から再生資源
るため、関係業界との連携の下
のストック状況等の物流を把握
で個々の再資源化施設における
し、そのデータを基に必要に応
再資源化・縮減率を適切に把握
じて利用徹底・拡大を推進する。
し、建設混合廃棄物や建設発生
木材、建設汚泥の再資源化・縮
⑸建設発生土
建設発生土は平成24年度の実態
⑵建設発生木材の再資源化・縮減
の促進
減率が高い優良な再資源化施設
への搬出を推進する。民間も含
調査では有効利用率を算出してい
①再生利用が困難な木材の搬出先
な い が、 推 進 計 画2015で は 全 国
である焼却施設において、熱エ
の目標値と同じ80%以上とした。
ネルギーの回収を促すため、北
建設発生土の有効利用率促進の
陸地方の各県、市町村等と連携
⑸建設工事における再生資材の
ための課題としては以下が考えら
して先進的な事例の周知を図る。
利用促進
れる。
・課題1:内陸受入地搬出58%を
工事間利用できていない。
めた受発注者に対して同様の対
応を働きかける。
①建設汚泥の現場内・工事間利用
⑶工事前段階における発生抑制の
検討促進
等を促進するため、これらの先
進的な利用事例
(自ら利用、個別
①個々の工事における建設副産物
指定制度の活用、汚泥処理土利
これらの課題については、下記
の発生抑制を徹底するため、事
用など)を広く周知し関係者の理
要因があると考えられる。
業の計画・設計段階において実
解促進・意識向上を図る。
①これまでの工事間利用調整は公
施可能な建設副産物の発生抑制
②資 材 製 造 者 等 の 関 係 者 に 対 し
共機関のみで実施しており、民
に資する対策を十分検討する。
て、民間も含めた受発注者が再
間事業者との連携が不十分。
民間も含めた発注者や設計者に
生資材を利用しやすくなるため
対して同様の対応を働きかけ
の再生資材の品質基準やその保
3
課題に向けた対応策
(新たな重点施策)
る。
証方法の確立を働きかける。
③グリーン購入法に基づく特定調
⑷現場分別・施設搬出の徹底
達品目の使用を、必要とされる
以上の課題に対する対応策とし
による再資源化・縮減の促進
強度や耐久性、機能の確保、コ
て、北陸地方において新たに取り
①建設混合廃棄物の排出削減を促
スト等に留意しつつ、積極的に
組むべき重点施策は、以下のとお
進するため、建設混合廃棄物の
りである。
詳細調査・分析を踏まえ、民間
も含めた受発注者に対して分別
⑴建設副産物物流のモニタリング
強化
①民 間 も 含 め た 受 発 注 者 に よ る
個々の建設工事における建設混
可能な混入物の現場分別ならび
推進する。
⑹建設発生土の有効利用・適正処理
の促進強化
に個別品目としての施設への搬
①建設発生土の更なる有効利用を
出の徹底を要請し、取り組みを
図るため、官民一体となった発
推進する。
生土の相互有効利用のマッチン
合廃棄物、建設発生木材、建設
②建設混合廃棄物、建設発生木材、
グを強化するための全国版の重
汚泥の搬出状況や直接最終処分
建設汚泥の再資源化施設への搬
点施策である
「建設発生土の試行
へ搬出している要因を把握する
出を促進するため、直接最終処
マッチング」の取り組みについ
ため、建設副産物情報交換シス
分の内容の詳細調査・分析を踏
て、民間も含めた受発注者に対
テ ム( 以 下、COBRIS)を 利 用 し
まえ、民間も含めた受発注者に
して参画を働きかける。
た、全国版の重点施策である
「建
対して再資源化施設への搬出徹
12
特集
4
S p e c i a l
i s s u e
おわりに
「北陸地方建設リサイクル推進計
画2015」については、北陸の建設
副産物リサイクルのホームページ
に掲載しています。新しい施策に
基づく取り組みなどについても掲
載していますので、ご参照下さい。
本推進計画の取り組み等によ
り、今後より一層、建設リサイク
ルが推進することを期待します。
建設リサイクル Vol.75
13
特集
Special
issue
「建設リサイクル推進計画2015
(中部地方版)」における
地域固有の課題とその対応策
中部地方建設副産物対策連絡協議会 事務局
中部地方整備局 企画部 技術管理課
キーワード
再生クラッシャランのストック状況把握及び利用用途拡大の検討
現場分別マニュアル(案)、建設発生土受入地登録制度、
簡易型建設副産物実態調査
民間事業者も含めた建設リサイク
計画として、
「建設リサイクル推進
ルの関係者が今後中期的に建設副
計画2015(中部地方版)」を中部地
産物のリサイクルや適正処理を推
方建設副産物対策連絡協議会が策
国土交通省における建設リサイ
進することを目的としたものであ
定した。
クルの推進に向けた目標、具体的
る。このような中、建設リサイク
ここでは、中部地方として重点
施策を内容とする
「建設リサイクル
ルの状況は地域によって異なるた
的に取り組む主な施策について紹
推進計画2014」が策定された。こ
め、中部地方における目標値の設
介する。
の計画は、国や地方公共団体から
定や行動計画を加えた独自の推進
はじめに
中部地方建設副産物対策連絡協議会 構成機関(平成28年2月現在)
中部地方整備局、東海農政局、中部森林管理局、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、名古屋市、静岡市、
浜松市、(独)水資源機構中部支社
中日本高速道路(株)東京支社、中日本高速道路(株)名古屋支社
(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構、鉄道建設本部東京支社
(独)都市再生機構中部支社、地方共同法人日本下水道事業団東海総合事務所
名古屋高速道路公社、西日本電信電話(株)東海事業本部
中部電力(株)、東邦ガス(株)
(一社)日本建設業連合会中部支部、(一社)
日本道路建設業協会中部支部
(一社)
建設コンサルタンツ協会中部支部、
(一社)
岐阜県建設業協会
(一社)静岡県建設業協会、 (一社)愛知県建設業協会、 (一社)
三重県建設業協会
14
「建設リサイクル推進計画2015
(中部地方版)
」
の目標値
対 象 品 目
平成24 年度
(実 績)
平成30 年度
目 標
アスファルト・コンクリート塊 コンクリート塊
再資源化率
99.9%
99.7%
99%以上
99%以上
建設発生木材 建設汚泥
再資源化・縮減率
97.5%
95.1%
97%以上
95%以上
建設混合廃棄物
排出率
再資源化・縮減率
4.7%
69.0%
3.5%以下
70%以上
建設廃棄物全体
再資源化・縮減率
97.7%
97%以上
建設発生土
建設発生土有効利用率
−
80%以上
※目標値の定義は次のとおり
<再資源化率>
・建設廃棄物として排出された量に対する再資源化された量と工事間利用された量の合計の割合
<再資源化・縮減率>
・建設廃棄物として排出された量に対する再資源化及び縮減された量と工事間利用された量の合計の割合
<建設混合廃棄物排出率>
・全建設廃棄物排出量に対する建設混合廃棄物排出量の割合
<建設発生土有効利用率>
・建設発生土発生量に対する現場内利用及びこれまでの工事間利用等に適正に盛土された採石場跡地復旧や農地受入等を加えた有効利用量の合計の割
合
再資源化等を行う各県
(愛知県、岐
棄物の発生量が増加していること
阜県、三重県、静岡県)の産業廃棄
から、効率的な現場分別が求めら
物協会との意見交換会を平成28年
れている。このため、現場作業員
1.再生クラッシャランのストック
1月に実施した。
向けのわかりやすい現場分別マ
状況の把握と利用用途拡大の検討
各県の産業廃棄物協会による
ニュアル(案)
を作成する。
1.1 現状の課題
と、2年前と比較して再生クラッ
平 成28年 度 の 取 り 組 み と し て
中部地方の中でも、都市圏にお
シャランの滞留状況は改善されて
は、作成した現場分別マニュアル
いては、再生クラッシャランの需
いるとのことであったが、地域に
(案)を中部地方建設副産物対策連
給ギャップによる滞留が顕在化
よっては未だに滞留が見受けられ
絡協議会の構成機関の中で、利活
し、その結果、再資源化施設等に
ることから、引き続き産業廃棄物
用に協力していただける機関に試
おけるコンクリート塊の受け入れ
協会との意見交換会を実施し、中
行的に活用をお願いし、年度末に
をストップせざるを得ない状況に
部地方建設副産物対策連絡協議会
開催する建設副産物対策連絡協議
なった時期があった。
の中でストック状況把握の仕組み
会においてマニュアル(案)の改善
このため、再生クラッシャラン
を検討する。
点について議論し、使いやすい現
の 需 給 ギ ャ ッ プ 解 消 の た め、 ス
また、利用用途拡大の検討につ
場分別マニュアルを策定する。
トック状況の把握及び利用用途拡
いては、幅広く利用事例を集め
「再
大が必要である。
生砕石利用拡大事例集
(案)」を作成
3.建設発生土受入地の登録制度
する。
1.2 対応策
建設発生土については、場外搬
再生クラッシャランのストック
2.現場分別マニュアル
(案)作成
出量が搬入土砂利用量に対し約2
中部地方として重点的に
取り組む主な施策
状況の把握については、現在、実
態を把握する手法がない。そこで、
の検討
中部地方において、建設混合廃
の検討
倍程度と需給バランスが崩れてお
り、工事間利用できない建設発生
建設リサイクル Vol.75
15
特集
S p e c i a l
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土については、内陸受入地等への
ことが重要であるため、毎年度簡
1,000㎥以上又はコンクリート
搬出が不可避である。中部地方に
易型建設副産物実態調査を実施し
塊などの建設廃棄物200トン以
おいては、今後大規模工事により
ている。平成26年度の実態調査結
上の搬出がある工事)
大量の建設発生土の発生が予想さ
果は、アスファルト・コンクリー
れることから、建設発生土の適正
ト塊、コンクリート塊、建設汚泥
な処理等を確保する仕組みの構築
等は平成30年度目標値を達成して
が求められている。このような状
いるが、建設発生木材や建設混合
況に対応し、適正な処理が確保さ
廃棄物等一部の品目で目標を達成
これまでの施策で、建設副産物
れる建設発生土受入地登録制度を
していない品目があった。今後は、
の最終処分量が大幅に削減、建設
検討している。平成28年度の取り
目標未達成の品目についてその原
リサイクルの成果が上がってい
組みとしては、各県・政令市と意
因を分析し、個別にヒアリングを
る。今後は、現在のリサイクル水
見交換会を実施し、建設発生土受
実施することも検討する。
準を維持するため、個別品目ごと
のリサイクル阻害要因に対する解
入地登録制度の必要性や整理事項
を検討する。
4.簡易型建設副産物実態調査の
実施
建設副産物の高い再資源化・縮
おわりに
<簡易型建設副産物実態調査の
決方策を重点的に実施する。
調査対象工事>
また、社会資本の老朽化に伴う
①中部地方建設副産物対策連絡協
維持管理・更新型工事の増大に対
議会加盟機関の工事
(土木・建
するリサイクルに対応し、東海地
築)
震・東南海地震などの大規模災害
減率等の継続維持と、建設発生土
②平成26年度に完成した工事
に備え、災害廃棄物が大量に発生
有効利用率等の分析や更なる向上
③「資源有効利用促進法」で定めら
した場合にも建設資材として円滑
を図るためには、再資源化・縮減
れた一定規模以上の工事
(土砂
に利用できる体制を構築しておく
等の状況の変化を早期に確認する
1,000㎥ 以 上 等 の 搬 入、 土 砂
ことが必要である。
16
特集
Special
issue
「中国地方建設リサイクル
推進計画2015」における
地域固有の課題とその対応策
中国地方建設副産物対策連絡委員会 事務局
中国地方整備局 企画部 技術管理課
キーワード
1
建設汚泥再資源化、建設発生土有効活用利用、建設混合廃棄物発生抑制、
地域連携強化
機関相互の密接な情報交換を行い
はじめに
ながら、循環型社会システムの構
2
平成24 年度建設副産物
実態調査結果
築に努めてきた。
中国地方においては、土木建築
この度、中国地方における建設
中国地方における平成24年度の
に関する工事に伴い派生的に生じ
リサイクル及び適正処理の推進を
建設廃棄物の排出量は483万トン
る建設残土や建設副産物の適切な
目的とした「中国建設リサイクル推
であり、前回調査(平成20年度)よ
処理と利用促進に関し必要な協
進計画2015」を策定した。本計画
り、18.7%増加している一方で、
議、情報の収集・交換及び啓発普
は、平成26年9月1日に国土交通
最終処分量は18万トンと前回調査
及のための広報活動等を関係機関
省が策定した
「建設リサイクル推進
より30.8%減少した。建設廃棄物
が連携して計画的かつ効率的に実
計画2014」を踏まえ、
「中国地方建
の再資源化・縮減率は、96.2%で、
施することを目的として、平成3
設副産物対策連絡委員会」により、
前回調査より、2.7%増加した。各
年5月28日 に、「 中 国 地 方 建 設 副
中国地方における建設リサイクル
品目毎の再資源化率等の達成状況
産物連絡委員会」を設置し、平成
の推進に向けた基本的な考え方、
は、全国の目標値は全て達成した
21年10月に、「中国地方リサイク
目標、具体的な施策をとりまとめ
が、「中国地方建設リサイクル推進
ル推進計画2009」を策定し、関係
たものである。
計画2009」の平成24年度目標値に
対しては、建設汚泥については達
「中国地方建設副産物対策連絡委員会」
構成機関
中国地方整備局、中国四国農政局、中国経済産業局
鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、広島市、岡山市
西日本高速道路(株)中国支社、広島高速道路公社
成できなかった。建設発生土の搬
出 量 は、1,337万 ㎥ で、 前 回 調 査
より20.6%増加している一方で、
利用土砂の建設発生土利用率は、
91.9%と前回調査より7.7%増加
した。
西日本電信電話(株)中国事業本部、中国電力(株)
(一社)日本ガス協会中国部会、(一社)日本建設業連合会中国支部
(一社)日本道路建設業協会中国支部
3
建設リサイクルに係わる
中国地方の課題
(一社)建設業協会中国ブロック協議会
(一社)建設コンサルタンツ協会中国支部
○建設混合廃棄物
建設混合廃棄物は、場外搬出量
建設リサイクル Vol.75
17
中国地方全体の目標達成状況
の内、46%が直接、11%が再資源
化施設を経由し、合わせて57%が
○アスファルト・コンクリート塊、
○建設汚泥
再資源化・縮減率は平成24年度
コンクリート塊
最終処分されている実態であり、
ア ス フ ァ ル ト・ コ ン ク リ ー ト
目標値85%に対して、実績値82.5%
これら最終処分の減量(再利用の促
塊、コンクリート塊とも平成24年
と目標を達成できなかった。更なる
進)と排出量そのものの減量が求め
度目標値の98%以上に対して、両
推進を目途に全国版と同等の目標設
られる。
品目とも99%以上と目標を達成し
定とした。
ている。今後、この高いレベルの
○建設汚泥
最資源化率が低下しないように目
○建設混合廃棄物
建設汚泥は、場外搬出の約17%
標を設定した。
指標を排出量から
「建設混合廃棄
が直接最終処分されており、再資
源化再利用の促進が求められる。
物排出率」
( 全建設廃棄物排出量に
○建設発生木材
対する建設混合廃棄物排出量の割
再資源化・縮減率は、平成24年
合)に改めるとともに、引き続き建
○建設発生土
度目標値95%以上に対して、実績
設工事における現場分別の徹底に
建設発生土については、先ずは
値96.8%と上回ったことから、よ
より、建設混合廃棄物としての排
土量配分
(発生過多)の改善と、内
り高い目標を設定した。
出が抑制されるよう、その割合を
陸受入地の有効利用が求められる。
中国地方建設リサイクル推進計画2015 の目標値
4
目標設定(中国地方建設
リサイクル推進計画2015)
対 象 品 目
平成24 年度 平成30 年度
(実 績)
目 標
アスファルト・コンクリート塊
再資源化率
99.7%
99%以上
「平成24年度建設副産物実態調
コンクリート塊
再資源化率
99.7%
99%以上
査」結果によると、中国地方におけ
建設発生木材
再資源化・縮減率
96.8%
97%以上
る建設廃棄物全体の再資源化・縮
建設汚泥
再資源化・縮減率
82.5%
90%以上
排出率
3.2%
3.2%以下
減率は96.2%と高い水準にあるこ
とから、今後も高い水準を維持し
建設混合廃棄物
再資源化・縮減率
42.9%
45%以上
つつ、個別品目の課題解決を図り、
建設廃棄物全体
再資源化・縮減率
96.2%
96%以上
建設リサイクルの推進に取り組む。
建設発生土
建設発生土有効利用率
−
80%以上
18
特集
S p e c i a l
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維持する方向で目標設定する。ま
等を促進するため、先進的な利用
されている。中国地方においても
た、再資源化施設における建設混
事例(自ら利用、個別指定制度の活
広く周知を図り、まずは多くの公
合廃棄物自体の再資源化・縮減の
用、汚泥処理土利用など)を広く周
共、民間工事の参加を図り、多く
向上を図る観点から、再資源化・
知し関係者の理解促進・意識向上
の情報交換、工事間利用に努めて
縮減率についても目標設定した。
を図る。
いく。また、建設発生土の工事間
中国地方の地域課題として、建
利用について、県内ブロックでの
○建設廃棄物全体
設汚泥の中間処理施設がなく、最
調整に加えて、県単位等での調整
再資源化・縮減率は平成24年度
終処分せざるを得ない地域があ
を積極的に行い、中期的な建設発
目標値94%に対して、実績値96.2%
る。また、たとえ近傍に中間処理
生土の需給動向を地域レベルで把
と目標達成状況であることから、現
施設があっても、建設残土が供給
握し、それを適宜設計に織り込ん
在の高いレベルの再資源化率・縮減
過多の状況下、処理土の需要増も
で需給バランスの改善を図る。
率が低下しないように目標を設定し
見込まれず施設稼働の低い現状も
た。
ある。今後は後述する建設残土の
需給バランスを図る事と併せて、
6
終わりに
○建設発生土
建設汚泥自体も現場内利用、工事
建設発生土の発生抑制、現場外
間利用をより進める必要がある。
建設リサイクルの推進につい
への搬出抑制、建設工事間での更
そのためには、広く事業間、関係
て、これまでの各機関・各現場の
なる有効利用を促進するため、
「建
機関が、工事間や現場間の利用が
努力や連携・協力により、大きな
設発生土有効利用率」
( 建設発生土
進まない課題を共有し、共に対応
前進が認められる一方、地域固有
発生量に対する現場内利用及び工
を執る等の事業者間の連携が求め
の課題が顕在化してきている。中
事間利用等に適正に盛土された量
られる。
国地方においても、建設汚泥と建
設混合廃棄物の再資源化・縮減率
を加えた有効利用量の割合)に指標
○建設発生土
が全国平均と比較して低く、中国
これまでも建設現場間の流用に
地方内でも地域差が認められる。
務めてきているが、国土交通省は、
そこには地域の実情に応じた課題
平 成26年9月 に 策 定 し た「 建 設 リ
があり、今後更なる建設リサイク
サ イ ク ル 推 進 計 画2014」に お い
ルを進めるには、地域に即した対
○建設混合廃棄物
て、位置付けた
「建設発生土の官民
応が求められる。地域において関
民間も含め受発注者に対して、
利用の試行マッチング」を開始して
係機関がより連携し協議・調整、
分別可能な混入物の現場分別並び
いる。これまで公共事業と一部の
情報交換を図らなければならな
に個別品目としての再資源化施設
民間事業間を対象として情報交
い。また、取組を進めるには広報
への搬出の徹底を依頼する。
換・工事間利用に限られていたと
活動も欠かすことはできない。引
ころ、民間工事にも対象を拡大し、
き続き「中国地方建設副産物連絡委
○建設汚泥
公共事業と民間工事の間での調整
員会」を中心に地域と連携して循環
建設汚泥の現場内、工事間利用
や民間工事間の調整の促進が期待
型社会の形成に努めていく。
を変更の上、目標設定した。
5
課題解決及び
目標達成のための取組
建設リサイクル Vol.75
19
特集
Special
issue
「沖縄地方における建設リサイクル
推進計画2015」における
地域固有の課題とその対応策
沖縄地方建設副産物対策連絡協議会 事務局
沖縄総合事務局 開発建設部 技術管理課
キーワード
1
はじめに
建設発生木材、建設混合廃棄物、建設汚泥
2
平成24 年度建設副産物
実態調査結果
3
各品目の取り組み
沖縄地方では、建設リサイクル推
平成24年度調査結果(沖縄)は、
1)アスファルト・コンクリート塊
進計画の取り組みにより、建設廃棄
アスファルト塊、コンクリート塊、
及びコンクリート塊(H24目標
物全体の再資源化・縮減率は平成17
建設汚泥、建設混合廃棄物、建設
達成、全国平均以上)
年度には88.3%
(全国92.2%)
、平成
発生土の5品目が、平成24年度目
平成24年度目標を達成し、全国
20年度には92.6%
(全国93.7%)
、平
標を達成し、特にアスファルト塊、
平均も上まわっており、今後も引
成24年度には、96.7%
(全国96.0%)
コンクリート塊の再資源化率は
き続き推進に取り組みます。
と向上し、全国平均を上まわるよう
99.8%、99.9%と100%に近い値
になりました。
になりました。
2)建設発生木材(H24目標未達成、
また、3Rの第一に掲げられる発
一方で建設発生木材の再資源
生抑制についても、平成24年度の
化・縮減率は平成24年度目標未達
建設発生木材のリサイクルフ
建設廃棄物全体の排出量が66万ト
成となり、建設混合廃棄物につい
ローは図1のとおりであり、この結
ンと平成20年度より25.8%減少し
ては、平成24年度目標指標である
果より次の課題が見受けられます。
ており、取り組みの成果が上がっ
排出量については目標を達成した
・課題1:直接最終処分6%(全国
てきました。
ものの、再資源化・縮減率におい
5%)を再資源化施設へ搬出でき
このような中、国土交通省にお
ては、全国平均以下となりました。
ていない。 い て「 建 設 リ サ イ ク ル 推 進 計 画
また、建設汚泥の再資源化・縮減
( 蝶 番、 ド ア ノ ブ
木材と金属
2014」が策定されたのを受け、今
率は、平成24年度目標を達成し、
等)等の分別に手間がかかるた
年度、沖縄地方において適切な建
全国平均を上まわったものの、他
め、分別されずに直接最終処
設リサイクルを推進するため、目
の品目に比べると低い値となりま
分場へ搬出されているものが
標設定、具体的な取り組みを定め
した。
ある。 た
「沖縄地方建設リサイクル推進計
このようなことから建設発生木
・対応1:工事の受発注者に対し現
画2015」を策定しました。
材、建設混合廃棄物、建設汚泥の
場分別及び熱エネルギー回収施
3品目については、今後も重点的
設を含む再資源化施設への搬出
に取り組むこととしました。
の徹底について協力を依頼する。
20
全国平均以下)
・課題2:焼却施設へ搬出される木
材7%
(全国4%)
は、熱エネルギー
回収の促進が必要。
熱エネルギーを回収すること
により、地球温暖化対策にも
資することが可能。 ・対応2:工事の受発注者に対し、
熱エネルギー回収施設への搬出に
ついて協力を依頼する。また、単
純焼却施設に対しては、先進事
例の周知を図り、熱エネルギー
の回収を促進する。
3)建設汚泥(H24目標達成、全国
平均以上)
図1 建設発生木材のリサイクルフロー 出典:平成24 年度建設副産物実態調査
建設汚泥のリサイクルフローは
図2のとおりであり、この結果よ
り次の課題が見受けられます。
・課題1:直接最終処分12%(全国
8%)を再資源化施設等へ搬出で
きていない。 汚泥に異物(草木、空き缶、ビ
ニール等)が混在しており、除
去されずに直接最終処分場へ
搬出されているものがある。
・対応1:工事の受発注者に対し、
異物除去の徹底及び工事間流用
について協力を依頼する。
4)建設混合廃棄物
(H24目標達成、
全国平均以下)
図2 建設汚泥のリサイクルフロー 出典:平成24 年度建設副産物実態調査
建設混合廃棄物のリサイクルフ
ローは図3のとおりであり、この結
果より次の課題が見受けられます。
・課題1:直接最終処分50%(全国
29%)を再資源化施設へ搬出でき
ていない。
直接最終処分している混合廃
棄物の中には、分別可能なも
のが含まれている。 ・対応1:工事の受発注者に対し、
現場分別及び個別品目の処理施
設への搬出の徹底について協力
図3 建設混合廃棄物のリサイクルフロー 出典:平成24 年度建設副産物実態調査
建設リサイクル Vol.75
21
特集
S p e c i a l
i s s u e
を依頼し建設混合廃棄物の排出
・課 題1: 内 陸 受 入 地 へ の 搬 出
査」結果及び課題を踏まえて平成
量を削減するとともに分別が困
63%(全国64%)を工事間流用で
30年度の目標を下表のとおり設定
きていない。 しました。
難(釘等の金属片が混入)な場合
は再資源化施設へ搬出するよう
これまでの工事間利用調整
は、公共機関のみで実施して
協力を依頼する。
5
終わりに
・課題2:施設経由処分4%(全国
おり、民間事業者との連携が
13%)
の再資源化ができていない。
不十分であるため、工事間利
再資源化施設によっては、受入
用されずに、内陸受入地へ搬
建設廃棄物全体の再資源化・縮
出されている場合がある。 減率は年々着実に向上していると
量の大半を最終処分場に搬出し
ている施設が存在している。 ・対策1:建設発生土マッチングシ
ころですが、
「沖縄地方リサイクル
・対応2:再資源化・縮減率の高い
ステム(国土交通省試行)を活用
推進計画2015」に基づき、平成30
優良な再資源化施設への搬出を
し、民間を含めた受発注者への
年度の目標を達成できるように、
推進する。 参画を促進する。
今後も建設リサイクルの推進に取
り組んでまいります。
5)
建設発生土(H24目標達成、全国
平均以上)
4
平成30 年度目標設定
建設発生土は次の課題が見受け
「平成24年度建設副産物実態調
られます。
本計画の目標
対 象 品 目
H24 年度
目標
H24 年度
実績
H30 年度
目標
アスファルト・コンクリート塊
再資源化率
98%以上
99.8%
99.8%以上
コンクリート塊
再資源化率
98%以上
99.9%
99.9%以上
建設発生木材
再資源化・縮減率
95%以上
92.4%
95%以上
建設汚泥
再資源化・縮減率
82%以上
87.9%
90%以上
建設混合廃棄物
排出率
再資源化・縮減率
−
3.0%
3.0%以下
−
45.9%
50%以上
建設廃棄物全体
再資源化・縮減率
94%以上
96.7%
96%以上
建設発生土
建設発生土有効利用率
−
−
80%以上
22
● 図書案内 ●
建設リサイクル Vol.75
23
ニュース・フォーカス︽1︾
建設業法等の一部改正について
松原 寛
国土交通省土地・建設産業局建設業課 課長補佐
キーワード
建設業法、解体工事、解体工事技術者要件、
建設リサイクル法
はじめに
での課題等への対応が求められて
いる。このため、現行の建設業法
においては
「とび・土工・コンク
平成26年6月、建設工事におけ
リート工事
(とび・土工工事業)
」に
る現在及び将来にわたる適正な施
含まれる
「工作物の解体」を独立さ
工及び品質の確保と、その担い手
せ、業種区分
「解体工事(解体工事
の中長期的な育成・確保を目的と
業)
」を新設
(施行日は平成28年6
して、「公共工事の品質確保の促進
月1日)
することとなった。
(図−1)
に関する法律の一部を改正する法
NEWS
律」及び「建設業法等の一部を改正
1.1.許可業者に対する経過措置
する法律」が第186回国会において
法施行前に、既にとび・土工工
可決・成立し、いずれも6月4日に
事業の許可を取得して解体工事を
公布されたところである。
営んでいる者に対しては、法施行
本稿では、建設業法の改正及び
後3年間
(平成31年5月31日まで)
解体工事業の技術者要件を中心
に限り、解体工事業の許可を取得
に、改正内容を説明する。
しなくても解体工事を請け負うこ
とができる経過措置を設けてい
1
建設業法等の一部を改正する
法律について
る。なお、経過措置終了後は、解
体工事の許可を取得する必要があ
ることに留意されたい。
(図−2)
FOCUS
24
我が国では、高度経済成長期以
降に建設された数多くの建築物等
が、今後、次々と更新時期を迎え
2
解体工事業の技術者要件
ることとなり、解体工事の工事量
の増大が見込まれる。一方で、解
許可を得るためには、営業所専
体工事については、市民を巻き込
任技術者の配置が必要であり、工
むような重大な事故の発生や、廃
事を請け負った場合は、現場に監
棄物の分別、適正処理など環境面
理技術者又は主任技術者を配置す
図−1 業種区分の新設
(解体工事)
図−2 とび・土工工事業の許可業者及び技術者に係る経過措置
建設リサイクル Vol.75
25
※1
木」に限る。
)
る必要がある。
解体工事の適正な施工を確保す
るため、
「解体工事の適正な施工確
2.4.登録解体工事講習について
・2級 建 築 施 工 管 理 技 士( 種 別
「建
※1
築」又は「躯体」
に限る。)
登録解体工事講習とは、新たに
省令附則に規定された講習であ
・とび技能士
(1級)
り、平成28年6月1日から登録申
(早稲田大学大学院教授)
)」を設置
・とび技能士
( 2級)
合格後、解体工
請を開始する講習であり、登録解
し、解体工事に配置される技術者
事に関し3年以上の実務経験を有
体工事講習の実施機関について
する者
は、登録申請を受けた後に官報に
保に関する検討会
(座長:嘉納成男
に求められる技術及び知識、及び、
解体工事業の技術者要件について
検討を行った。検討会は平成26年
8月から6回開催し、平成27年9月
・登録技術試験(種目
「解体工事」)
※3
3年以上、高卒
・大卒
(指定学科 )
(指定学科
※3
)5年 以 上、 そ の 他
て公告することとしている。なお、
既存の監理技術者講習や建設リサ
イクル法に基づく登録工種ではな
に最終とりまとめを行った。この
10年以上の実務経験を有する者
最終とりまとめを踏まえ、平成27
・土木工事業及び解体工事業に係
年12月 に 建 設 業 法 施 行 規 則( 以
る建設工事に関し12年以上の実
下、
「省令」という。)等を改正し、
務の経験を有する者のうち、解
解体工事の技術者要件を規定した。
体工事業に関し8年を超える実務
法施行前に既にとび・土工工事
の経験を有する者
業の技術者要件を満たす者に対して
2.1.解体工事業の監理技術者資格等
・建築工事業及び解体工事業に係
は、平成33年3月31日までに限り、
解体工事業の監理技術者資格等
る建設工事に関し12年以上の実
解体工事業の技術者とみなす経過措
は、下記のいずれかの要件を満た
務の経験を有する者のうち、解
置を設けている。なお、経過措置終
す者と規定した。
体工事業に関し8年を超える実務
了後は、解体工事業の技術者とみな
の経験を有する者
されなくなるため、上述2.1又は2.2
・1級土木施工管理技士
※1
・1級建築施工管理技士
※1
・とび・土工工事業及び解体工事
・技術士(建設部門又は総合技術監
業に係る建設工事に関し12年以
※2
上の実務の経験を有する者のう
・主任技術者としての要件を満た
ち、解体工事業に関し8年を超え
理部門(建設))
す者のうち、元請として4,500万
る実務の経験を有する者
円以上の解体工事に関し2年以上
※1及び2は上記2.1.と同様。
の指導監督的な実務経験を有す
※3 解体工事業の指定学科は、土木工
る者
学又は建築学に関する学科
年以上又は登録解体工事講習の受
講が必要。
2.5.解体工事の技術者要件に関する
経過措置
に示す要件を満たす必要があること
に留意が必要である。
3
建設リサイクル法の
改正について
建設リサイクル法(建設工事に係
る資材の再資源化等に関する法律)
において、解体工事を営む者は都
※1 平成27年度までの合格者に対して
は、解体工事に関する実務経験1
いことに留意が必要である。
2.3.登録技術試験
(種目
「解体工事」
)
について
道府県知事に登録することが義務
付けられているが、建設業法の土
登録技術試験とは、省令に規定
木工事業、建築工事業、とび・土
されている登録規定に合致してい
工工事業のいずれかの許可を取得
る民間資格を国土交通大臣に登録
している者については登録が不要
することにより、主任技術者資格
であった。
2.2.解体工事業の主任技術者資格等
に位置づけることができるもので
この度、業種区分
「解体工事」を
解体工事業の主任技術者資格等
ある。
新設したことから、登録が不要な
は、下記のいずれかの要件を満た
解体工事については、平成28年
許可業種について、とび・土工工
す者と規定した。
6月1日以 降 に 解 体 工 事 施 工 技 士
事業から解体工事業に改正
(施行日
※2 当面の間、解体工事に関する実務
経験1年以上又は登録解体工事講
習の受講が必要。
・2.1に示した監理技術者資格等の
いずれか
・2級 土 木 施 工 管 理 技 士( 種 別
「土
26
(試験機関:公益社団法人全国解体
は平成28年6月1日)している。
工事業団体連合会)が登録される予
なお、法施行前に既にとび・土
定である。
工工事業の許可を取得して解体工
事を営んでいる者に対しては、法
要があることに留意されたい。
(図
解体工事が増加することが予想さ
施 行 後3年 間
( 平 成31年5月31日
−3)
れる。関係法令を遵守しつつ、解
体する対象物や現場状況等を踏ま
まで)に限り、解体工事業の登録を
取得しなくても解体工事を請け負
うことができる経過措置を設けて
おわりに
え、適切な安全管理や施工管理が
より一層求められることから、引
き続き解体工事の適正な施工を確
いる。経過措置終了後は、都道府
県知事の登録又は建設業法におけ
今後、老朽化した建築物や超高
る解体工事業の許可を取得する必
層ビルなどの複雑な建築物などの
保するようお願いしたい。
図−3 建設リサイクル法の改正内容
建設リサイクル Vol.75
27
ニュース・フォーカス︽2︾
「港湾・空港等整備における
リサイクルガイドライン」の改訂
木原 弘一
国土交通省 港湾局 技術企画課技術監理室 技術企画係長
キーワード
1
港湾・空港等整備、リサイクルガイドライン、品質性能、
利用実績、技術評価
はじめに
港湾・空港等においては、リサ
イクル材料の利用手続きや関係法
令を整理した
「港湾・空港等整備に
建設廃棄物の発生抑制、再資源
おけるリサイクルガイドライン」
化、再生利用の促進は重要な課題
(平成13年3月)
( 以下、
「旧リサイ
である。また、建設廃棄物の再資
クルガイドライン」という。
)と、リ
源化・縮減率は向上しているが、
サイクル材料の特性や設計・施工
社会資本の老朽化に伴う維持管
方法を整理した
「港湾・空港等整備
理・ 更 新 工 事 や 東 京 オ リ ン ピ ッ
におけるリサイクル技術指針」
(平
ク・パラリンピック関連工事によ
成16年3月、平成24年3月に一部
る建設副産物の発生増等が予想さ
改訂)
(以下、
「リサイクル技術指針」
れる。
という。)が策定済みであり、浚渫
NEWS
FOCUS
図−1 港湾・空港等整備における
リサイクルガイドライン
(平成13 年3 月)
28
図−2 港湾・空港等整備における
リサイクル技術指針
(平成16 年3 月)
土砂の有効利用、スラグの受け入
れ等、所要の成果を得ている。
2
目的・留意点
ニーズを勘案しつつ、適宜最新情
報に更新することとしている。
近年、リサイクルに係る技術開
発及び各種材料の利用マニュアル
改訂リサイクルガイドライン
やガイドライン類等の整備が進め
は、港湾・空港等工事におけるリ
られていることから、最新の技術
サイクルの促進を図ることを目的
情報を反映すると共に、実務者に
としている。
主な改訂内容は、次の3点であ
とって解りやすく使いやすいもの
改訂リサイクルガイドライン
る。
とするため、旧リサイクルガイド
は、現段階までの動向を踏まえ、
⑴ リサイクル材料の追加・細分化
ライン及びリサイクル技術指針を
基本的な考え方、用途別の適用技
⑵ 対象用途の追加・細分化
全面的に見直し、「港湾・空港等整
術、関係法令等を体系的に整理し、
⑶ 技術評価の更新
備におけるリサイクルガイドライ
とりまとめたものであるため、リ
ン」
(以下、
「改訂リサイクルガイド
サイクル材料の利用に際しては、
ライン」という。
)として、平成27
常に最新の情報を確認するように
年12月に改訂・統合した。
心がけると共に、室内試験や現地
○道路用鉄鋼スラグと水硬性スラ
なお、改訂リサイクルガイドラ
実証試験等によって得られた知見
グコンパクション材は、高炉スラ
インは、国土交通省ホームページ
等を基に検討を行うことが必要で
グと製鋼スラグを素材とし、これ
ある。
らの単独または混合により製造
kowan_fr5_000054.html)よ り 入
また、今後のリサイクル技術の
される製品であるため、鉄鋼スラ
手可能である。
開発動向や港湾・空港等工事での
グ混合製品として別途記載。
(http://www.mlit.go.jp/kowan/
表−1 リサイクル技術指針と改訂リサイクルガイドラインのリサイクル材料の比較
3
改訂リサイクルガイドライン
の主な改訂内容
⑴ リサイクル材料の追加・細分化
(表−1)
= 追加・細分化されたリサイクル材料
建設リサイクル Vol.75
29
○性状と用途が異なるため、コン
材評価制度の再生路床材として
価方法及び評価の定義を図−3に、
クリート用高炉スラグ骨材から
認定されている。また、愛知県
技術評価の結果を表−5に示す。
の護岸工事
(裏埋材)等で本施工
技術評価の更新内容は、以下の
の利用実績がある。
とおりである。
高炉スラグ微粉末を分割。
(参考)
コンクリート用高炉スラグ骨材の品
○基準・マニュアル類の整備によ
質は、JIS A 5011−1
(コンクリー
る品質性能評価の向上や、適用
ト用スラグ骨材−第1部:高炉スラグ
事例の蓄積に伴う利用実績評価
骨材)に規定されている。
の向上により、品質性能と利用
一方、高炉スラグ微粉末の品質は、
実績の総合評価である技術評価
JIS A 6206(コンクリート用高炉ス
が42項目で向上した。
ラグ微粉末)
に規定されている。
写真−2 破砕瓦
○生物共生材
(鉄鋼スラグ二次製品
○リサイクル材料及び対象用途の
追加・細分化により、新規に21
である藻場造成用鉄分供給ユ
⑵ 対象用途の追加・細分化
ニット等)を追加。
(表−2)
項目で技術評価を実施した。
○道路用鉄鋼スラグ、鉄鋼スラグ
・生物共生材は、
(一社)全国水産
○リサイクル材料の利用実績が多
水和固化体、銅スラグに関して
技術者協会から
「漁場造成・再生
く、裏込材や盛土材等と品質評
は、品質を確実に保証するため、
用資機材の技術審査・評価報告
価が異なるため、対象用途へ新
適用用途を限定する必要が生
書」が発行されており、関東(千
たに埋立材を追加。
じ、技術評価を9項目で用途対
葉県保田漁港沖)及び四国(高知
○As混 合 物 の 空 隙 を 充 填 す るAs
県須崎港)で実証実験・試験施工
フィラー材は、As舗装骨材と品
を実施している。
質評価が異なるため、As舗装骨
技術評価は、品質性能及び利用
材とAsフィラー材へ細分化。
実績の両面からみた各リサイクル
象外等に変更した。
材料の利用可能性の目安を示すも
⑶ 技術評価の更新
のであり、評価結果の高いリサイ
リサイクル技術指針と同様の手
クル材料であっても、全ての工事
法により、対象用途別に各リサイ
に利用できることを保証するもの
クル材料の品質性能及び利用実績
ではない。また、技術評価が「×」
の両面から評価を行い、総合評価
写真−1 藻場造成用鉄分供給ユニット
(現段階では利用が難しいと考える
として6段階で技術評価を行った。
もの)または
「−」
(用途対象外)とさ
○破砕瓦を追加。
品質性能及び利用実績の評価基準
れたリサイクル材料であっても、
・破砕瓦は、愛知県リサイクル資
を表−3・表−4に、技術評価の評
設置者等の判断による利用を妨げ
表−2 リサイクル技術指針と改訂リサイクルガイドラインの対象用途の比較
■リサイクル技術指針
■改訂リサイクルガイドライン
30
= 追加・細分化された対象用途
表−3 リサイクル材料の品質性能の評価基準
−
品質評価の基準
判断の基準の定義
A
既に当該用途を想定した品質
基準が設けられている
JISまたは、JISと同等の基準(国等の指針や通達等)
が整備されているもの
B
利用マニュアル等が整備され
ている
次の事項を全て満足するマニュアル等
(利用マニュアル、手引き、ガイドライン、ハンドブック等)
が整備されているもの
(用途として準用可能と見なせるものを含む)
①中立性のある機関により策定されたもの
(個別民間企業の自社基準・技術資料は対象としない)
②有識者による技術検討委員会等により取りまとめられたもの
③品質管理に関する記載があるもの
(材料に関する調査・試験の実施方法、施工後のモニタリング
方法等)
C
標準材料に準ずる性能を有す
るもの
技術資料等(パンフレット、研究論文
(査読付き)
、研究所報告、自社基準等)
により、標準材料に準
ずる性能が確認されるもの
(用途として準用可能と見なせるものを含む)
)
D
用途として利用可能である
が、課題等も挙げられている
もの
次のいずれかに該当するもの
①マニュアル等や技術資料等で用途として利用可能であるが、課題等も挙げられているもの(用途
として準用可能と見なせるものを含む)
②査読なしの研究論文等
(講演資料等)に限られているもの
③マニュアル等や技術資料等で、用途の検討が行われたことは確認できないが、公共工事において
利用実績があり、かつ利用面で汎用性が高いと考えられるもの
E
現段階では利用が難しいと考
えられるもの
マニュアル等や技術資料等で利用用途に関する検討は行われているが、品質面で利用が難しいと考
えられるもの
―
用途対象外
マニュアル等や技術資料等で、用途の検討が行われたことが確認されないもので、利用実績が限定
されるもの 等
表−4 リサイクル材料の利用実績の評価基準
−
実績評価の基準
判断の基準の定義
a
利用実績が多いもの、または
汎用性が高いもの
公共工事(国直轄の本施工に限る)
において、利用実績が複数あるもの、又は、既に一般的に普及さ
れているもので利用面で汎用性が高いと考えられるもの
b
利用実績(試験施工含む)
はあ
るが限定されるもの
次のいずれかに該当するもの
①公共工事(国直轄に限る)以外の、公的機関や民間企業の工事で利用実績があるもの
②公共工事(国直轄に限る)の試験施工や実証実験で利用実績があるもの
③公共工事
(国直轄に限る)で利用実績はあるが限定されるもの(同一港湾のみ1箇所での利用等限
定されるもの、適用条件が限定されるもの 等)
c
利用実績(試験施工含む)はあ
るが課題があるもの
本施工や試験施工、実証実験等における利用実績はあるが、施工後の品質的な課題等が存在するも
の
―
利用実績がないもの
本施工や試験施工、実証実験等における利用実績がないもの
るものではないことに留意する必
要がある。したがって、リサイク
ル材料の適用に際しては、対象と
する工種・用途ごとに、「港湾の施
設の技術上の基準」、
「港湾工事共
通仕様書」及び「空港工事共通仕様
書」等に準拠し、マニュアル等や既
存事例等を参考とし、対象となる
リサイクル材料の特徴
(重量、水硬
性、せん断抵抗角等)や供給量等を
踏まえ、経済性等を十分検討する
必要がある。
図−3 技術評価の評価方法及び評価の定義
建設リサイクル Vol.75
31
表−5 技術評価の結果
32
建設リサイクル Vol.75
33
4
技術評価の更新例
(評価向上例)
○コンクリート塊
用いた固化体で、無筋コンクリー
品質: D → B
ト及び石材の代替が可能な製品。
実績: − → b
【用途】裏込材
【評価理由】
【評価】評価なし → ○+
・リサイクル技術指針一部改訂以
工作物の除去によって生ずるコ
品質: − → B
降に技術マニュアルが整備され、
ンクリートの破片のこと。廃掃法
実績: − → b 品質評価が向上した。
の産業廃棄物
(コンクリートくず、
【評価理由】
がれき類)に該当する。
・技術マニュアルを精査し、品質
【用途】コンクリート用細骨材
【評価】△ → ◎
品質: A → A
・工事の利用実績を精査し、実績
評価が向上した。
評価が向上した。
・工事の利用実績を精査し、実績
評価が向上した。
5
おわりに
実績: − → b 【評価理由】
○フェロニッケルスラグ
改訂リサイクルガイドラインの
・工事の利用実績を精査し、実績
フェロニッケル製錬の際にロー
とりまとめにあたっては、「港湾・
タリーキルンまたは電気炉で発生
空港等リサイクル推進検討会
(座
評価が向上した。
する半溶融あるいは溶融したスラ
長:菊池喜昭、東京理科大学理工
○製鋼スラグ(土工用・地盤改良用)
グを冷却し、破砕・粒度調整を行っ
学部土木工学科教授)
」を通じて、
鋼を製造する際に副産物として
たもの。JISで規格化されている。
学識経験者から貴重なご助言を頂
生成・溶融しているスラグを徐冷
【用途】バーチカルドレーン及びサ
いた。末筆ながら、各位に深甚な
したもの。転炉系スラグと電気炉
系スラグがある。
【用途】裏埋材
【評価】評価なし → ○+
品質:評価なし → B
実績:評価なし → b
【評価理由】
・利用マニュアルを精査し、品質
評価が向上した。
・工事の利用実績を精査し、実績
評価が向上した。
(今回新たに評価)
○スラグ二次製品(水和固化体)
高炉セメントの原料である高炉
スラグ微粉末を主な結合材とし
て、骨材に製鋼スラグ、必要に応
じて混和材にフライアッシュ等を
34
ンドマット材
る謝意を表する。
【評価】△ → ○+
港湾・空港等リサイクル推進検討会 委員名簿
(平成26 年度)
敬称略、順不同
ニュース・フォーカス︽3︾
【実施中】建設発生土の
官民有効利用マッチング
国土交通省 総合政策局 公共事業企画調整課
環境・リサイクル企画室
キーワード
1
建設発生土、マッチング、官民連携、
建設リサイクル推進計画2014
試行の開始
で上昇しており、公共工事から発
生した土砂が有効に利用されてい
ることがわかります。
公共建設工事においては、まず
一方で、民間工事と公共工事の
は工事内での盛土と切土の量を調
間での利用調整も推進すべきでは
整することが基本ですが、場外に
ないか、との指摘は以前からあっ
搬出する場合にも、各事業者内部
たようですが、課題が多く、本格
や事業者間での建設発生土の利用
的には実現できなかったのが実態
調整が行われています。平成7年
のようです。しかしながら、既に
度には32%にすぎなかった利用土
公共工事間の利用調整が高い水準
砂の建設発生土利用率
(公共、民
で行われるようになった現時点に
間)は、平成24年度には88%にま
おいて、建設発生土の有効利用を
NEWS
FOCUS
マッチングフロー
(イメージ)
建設リサイクル Vol.75
35
もう一歩進めるためには、まずは
を公開しています(約4千件)。ま
より多くの土量情報が登録され
試行を行いながら可能性や具体的
た、民間企業の参加も継続的に増
ると、工事間利用の機会も増えて
な課題・解決策を検討してはどう
加しており、本年3月初旬時点で
き ま す。 制 度 の 内 容 は 専 用 のHP
かとの機運が高まり、国と地方自
の登録社数は32社、登録工事は約
(http://matching.recycle.jacic.
治体、
(一社)日本建設業連合会、
(一
20件
( 20万㎥)となっています。
or.jp)に掲載していますが、概要を
社)全国建設業協会が連携して、昨
現在のところ、参加している会社
纏めたパンフレット
(随時更新)も
年6月から取組を始めたところで
は関東が多く、土量登録は中部、
作成して掲載していますので、参
す(詳細については、「建設リサイ
近畿、九州が積極的なようです。
考にしていただきながら、多くの
クル」
2015・夏号 p.43 建設発
このなかから、マッチングが実
方に参加いただくことを期待して
生土の官民有効利用に向けたマッ
現した例も出始めており、参加し
います。
チングの開始について を参照)
。
た方からは、例えば下記のような
なお、本取組では、民間工事と
意見を伺っています。
公共工事の間での利用調整だけで
なく、民間工事間の調整も対象と
しています。民間工事の一部では、
現在も建設業者自ら又は土砂を扱
う専門的な業者を通じて利用調整
が行われているようですが、残さ
れた可能性も大きいとの見方もあ
ることから、本取組を通じて再利
用が促進されることを期待してい
ます。
2
実施状況
試行の開始により、公共工事に
ついては、他の公共工事との調整
が終了していない概ね全ての工事
マッチング実現事例
各種マッチングパンフレット
36
茨城県における20 年目の
建設発生土ストックヤード事業
渡邉 孝志
一般財団法人 茨城県建設技術管理センター 技術部 部長(前建設副産物リサイクル事業部 部長)
荒芝 良彰
茨城県 土木部 検査指導課 係長
キーワード
建設発生土、ストックヤード、受入地、建設発生土情報検索システム、
建設リサイクル推進計画
た。それと同時に、公共工事から
設置と管理運営を県から委託され
発生する建設発生土のリサイクル
た形でスタートした。現在ではス
を推進するため茨城県建設技術管
トックヤード事業だけではなく、
理センター
(以下「センター」とい
建設副産物全般に関する調査研究
物の有効利用を図るため「茨城県建
う。
)内に
「建設副産物リサイクル事
を行っている。
設副産物対策行動計画」を策定し
業部」を設置し、ストックヤードの
建設副産物リサイクル事業部発
1
はじめに
茨城県は平成8年4月に建設副産
足後、本年度で20年が経過し、こ
れまで茨城県とともに建設発生土
対策として実施してきたストック
ヤード事業について、実績と課題
及び新たな取り組みを紹介する。
2
ストックヤードの設置・
管理状況
⑴ストックヤード位置図
茨城県内のストックヤード位置
図を、図−1に示す。
平成28年4月現在において、10
箇所(仮置型8、受入型2)のストッ
クヤードの管理運営を行ってい
る。ストックヤードに関する利用
手続き方法や現況、利用に関する
様式等については、センターホー
ムページで紹介している。なお、
図−1 ストックヤード位置図
(平成28 年4 月現在)
ス ト ッ ク ヤ ー ド の 開 設 や 廃 止、
建設リサイクル Vol.75
37
利用料金設定にあたっては、関係
法令の課題等を整理した上で茨城
県土木部検査指導課と協議を実施
し進めている。
⑵ストックヤードの種類
センターで管理運営しているス
トックヤードは、図−2に示す「仮
置型ストックヤード」と
「受入型ス
トックヤード」の2種類の形態があ
る。
「仮置型ストックヤード」は、発
生土工事と不足土工事の公共工事
間利用でタイミングや土質等が合
図−2 ストックヤードの種類
わない場合に一時仮置き
(搬入)し
て、その後不足土工事へ搬出する
に56箇所のストックヤードを開設
事業予定地を受入型ストック
ものである。
し、 搬 入 約723万 ㎥、 搬 出 約227
ヤードとして設置するにあたって
「受入型ストックヤード」は、公
万㎥の合計約950万㎥の土砂を取
は、センターが土砂集積及び受入
共事業において土砂を大量に必要
り扱ってきた。総取扱土量に対し
管理を行うことで、発注機関の事
とする事業予定地に直接土砂を集
て搬入が8割、搬出が2割と搬入の
務負担の軽減や、粗造成等の事業
積するものである。
割合が高く、公共工事の発生土工
費コスト縮減に繋がることなどの
事が非常に多いことが特徴である。
メリットを事業者に対して説明し
⑶年度別取扱土量実績と現状
このような大量の発生土の受入が
調整を図ってきた。
平成8年度から平成26年度にお
できた要因として考えられるのは、
また、ストックヤードに搬入で
ける、取扱土量実績
(搬入・搬出)
公共事業で盛土が必要となる事業予
きる土砂は、第3種建設発生土以
を図−3に示す。
定地を受入型ストックヤードとして
上
(コーン指数400KN/㎡)を対象
平成8年度から平成26年度まで
開設したことが挙げられる。
とし、土質試験結果
(コーン貫入試
図−3 年度別取扱土量実績
38
表−1 主な受入型ストックヤード利用実績
受 入 地
受入土量
(㎥)
受入期間
(年)
国営ひたち海浜公園造成事業地
(国土交通省)
450,000
H11 年∼H18 年
江戸崎工業団地造成事業地
(茨城県開発公社) 440,000
H8 年∼H20 年
北関東自動車道事業地
(NEXCO東日本)
342,000
H8 年∼H11 年
桜の郷住宅団地造成事業地
(茨城県)
273,000
H14 年∼H21 年
下水処理場造成事業地
(茨城県)
230,000
H10 年∼H20 年
ストックヤード事業中 平成13 年
完了後 平成19 年
(秋のコキア)
図−4 国営ひたち海浜公園 みはらしの丘造成事業
験)を確認したうえで受入を行い、
一定基準の品質の土砂を提供して
きた。これらにより大量の建設発
3 「茨城県建設発生土情報
検索システム」
による
建設発生土の活用
生土の受入が可能となり、適切に
を行い、発生土の利用先を決定で
きる仕組みとなっている。(図−5
参照)
また、平成27年には利用者にア
処理することができた。
このシステムは平成16年にセン
ンケートを実施した意見等を基
最近の受入型ストックヤードの
ターが開発し管理運営を行ってお
に、使いやすさの向上と機能の充
設置事例としては、平成28年2月
り、発生土・不足土情報提供から
実を図るためにシステム改修を
より、水戸市の公園事業予定地に
工事間利用、ストックヤード利用
行った。これにより、入力作業の
おいて開設した。
に至るまでを一元的にコントロー
軽減や地図から工事の位置情報を
こうして、平成26年までに56
ルすることができる独自のシステ
取得することなどが可能となった。
箇所のうち27箇所の受入型ストッ
ムである。茨城県では、発生土の
このシステムの登録画面と検索
ク ヤ ー ド を 開 設 す る こ と で、 約
適正処理を図るため、システムに
結果画面を図−6に示す。また、
470万㎥の土砂を受入れ、建設発
工事情報を登録してデータベース
参考にストックヤード利用の流れ
生土のリサイクル促進に大きく貢
化 し、 リ ア ル タ イ ム な 情 報 検 索
を図−7に示す。
献してきた。 ツールとして活用されている。こ
これまでの主な受入型ストック
のシステムにより工事間利用の対
ヤードの実績を表−1に示す。
象工事(時期、土質、距離、土量等)
4
発生土処理の現状と課題
を検索することができ、対象工事
が無ければストックヤードの検索
平成28年4月現在、県内10箇所
建設リサイクル Vol.75
39
図−5 茨城県建設発生土情報検索システムの流れ
図−6 「茨城県建設発生土情報検索システム」
登録画面
でストックヤードを開設している
ある。
割合が高く、仮置型ストックヤー
が、県内全域を網羅した適正配置
本来、仮置型ストックヤードは、
ドでは対応できないため、工事発
とは言い難い状況にある。さらに
発生土と不足土の受給バランスに
注機関から受入地の早期整備を求
発生土過多の現状に加え、不足土
対応するため、一時仮置きを行い
められている。
工事となる公共事業予定地も年々
利用調整する役割を担っている。
一方で県西・県南地区では、大
減 少 傾 向 に あ る な ど、 ス ト ッ ク
しかし、県北地区においては山間
規模な不足土工事と予想される
「鬼
ヤード事業の運営は厳しい状況で
地域であることから発生土工事の
怒川緊急対策プロジェクト
(平成
40
28年から平成32年の5ヶ年)
」の事
2016」を策定したところであり、
行い、動向等を見ながら課題を整
業 実 施 に 伴 い、 近 隣 の ス ト ッ ク
今後、センターではこの計画に基
理し、茨城県土木部検査指導課と
ヤードにおいては当面の間、搬出
づいて建設発生土の利用先を確保
協議を進めて建設発生土の利用先
利用が見込まれる。しかし、平成
していく予定である。
を確保したいと考えている。
33年 以 降 は 事 業 等 が 収 束 し て い
現在、公共事業の受入地だけで
今後、これらの取り組みにより
き、搬出が滞る見通しであること
はなく民間も含めた形で
「(仮称)建
発生土の利用先を全県的に確保
から現状の仮置型ストックヤード
設発生土登録受入地制度」の導入に
し、更なる建設発生土の適正な有
の運営では限界がある。
向けて調査・検討を始めたところ
効利用推進に努めていく。
今後も県内全域で発生土工事が
であり、他公共団体の実態調査を
続くことにより、仮置型ストック
ヤードでは機能を果たせなくなる
ため、仮置型から受入型へ転換し
なければならない時期を迎えてい
る。
5
新たな取り組み
国土交通省では、建設発生土利
用を取り巻く現状を捉えた新たな
取り組みとして、「建設発生土の官
民有効利用の試行マッチング」を平
成27年6月より開始した。茨城県
においても併せて参加したところ
であるが、具体的な手続き等の方
法については他公共団体の動向等
を見て検討を進めていく。
また、国土交通省関東地方整備
局が策定した
「建設リサイクル推進
計 画2015
(関東地域版)
」を 踏 ま
え、茨城県では今年3月に
「茨城県
建設リサイクル推進行動計画
図−7 ストックヤード利用の流れ
建設リサイクル Vol.75
41
水閘門改築工事における
建設副産物発生および排出の抑制
∼基礎杭先端根固め工法における建設汚泥発生
および排出の抑制∼
株式会社大林組 名古屋支店 日光川水閘門JV工事事務所
鋼管杭を打設し、それを基礎とす
衝撃載荷試験によって鉛直支持力
る計画となっていた。
を確認したところ、全ての杭で極
施工途中において、本体基礎の
限支持力が30%前後不足する結果
本工事の躯体構造物は杭基礎構
鋼管杭
(杭径1,000mm)のうち、試
となった。
造となっており、直径1,000mmの
験杭に選定した8本を打設して、
そのため、当社の技術部門等と
1
基礎杭先端根固め工法の
採用
の連携により、基礎杭の先端支持
地質横断図
力増大対策として、先端根固め工
法を採用した。
この工法はセメント系硬化材の
超高圧噴射により地盤を切削し、
円柱状の改良体を高速施工で造成
するジェットグラウト工法である。
平面図
42
2
施工方法の選定
採用にあたり、支持力増大の確
実性はあるものの、高圧噴射され
たセメント系硬化材は切削された
土砂とともに余剰分が排泥される
が、施工箇所はラムサール条約登
録湿地
(藤前干潟)であるため、環
境負荷の観点から、無対策で基礎
杭下端の造成を実施することは許
されず、ましてや海中部に基礎杭
の杭頭が位置する条件下における
工事の実績が乏しく、排泥の海中
漏出などの対策を熟考する必要が
あった。
そこで、海中に位置する基礎杭
杭頭部に現場において製作した鞘
管を搭載し、結合部の止水性を確
保することで、海中内への海水と
先端根固め工概念図
混合されて増大する漏泥を防止し
て、環境負荷を抑制することとし
た。
工法概要図において、陸上施工
の場合は根固め施工にともない発
生した余剰の排泥は気中にてその
回収が可能であるが、海上施工の
場合、基礎杭上端より排出された
排泥は無対策であれば海中に漏
出・拡散する。
3
対策の結果
施工にあたり、試験的な漏泥の
確認を実施した。
試行錯誤による鞘管構造の見直
しを行い、最終的な構造が確定さ
ハイブリッド
ケーソン構造図
せ、実施工におよんだ。
結果として、鋼管杭311本全数
に対して発生する建設汚泥量を当
縮小することが可能となり、1,900
全くなく、近傍のラムサール条約
初5,800㎥と見込んでいたが、対
㎥の減量を可能とした。
登録湿地
(藤前干潟)への環境負荷
策を施すことにより、3,900㎥に
加えて、海中への漏出・拡散も
もなかった。
建設リサイクル Vol.75
43
鞘管詳細図
3.1 廃棄物の削減効果
前述のとおり、建設汚泥につい
ては1,900㎥の削減をすることが
できた。
また、本工事の施工方法として、
躯体の一部を工場にて製作し、海
上輸送することで現地での工程を
工法概要比較図
44
省略することができる工法を採用
鞘管製作状況
鞘管設置状況
鞘管設置状況
施工状況
(鞘管)
船団配置図
機械配置図
している。
軽油消費量は11kLを削減するこ
3.4 その他の効果
このことにより、現場において
とができた。
現場における施工範囲を削減す
必然的に発生する建設副産物を抑
ることができたため、安全性が向
制し、コンクリート塊を20t、建
3.3 環境保全効果
上した。
設発生木材を70㎥、混合廃棄物を
汚泥流出等を防止可能にしたこ
加えて、本工事はラムサール条
60㎥削減することができた。
となどにより、ラムサール条約登
約登録湿地に近接する大規模工事
録湿地に対する環境負荷を抑止す
であったことから、地域住民に加
3.2 省資源・省エネルギー効果
ることができたことに加え、減量
え内外の関係者より注目される現
建設汚泥の減量により、その廃
した廃棄物運搬車両等によるCO₂
場であった。
棄物運搬車両台数も軽減できたこ
の発生量を約28t削減できた。
高い技術力を要求されるととも
とになる。
に、環境に対する姿勢は特に重要
工場制作状況
施工状況
(躯体)
建設リサイクル Vol.75
45
地域清掃活動状況
現場見学会実施状況
かつ必要項目であり、工期、工費
作業員や他工事にも影響し、関係
に抑制することが可能となった。
の限定される中での最重要課題で
者すべての意識を高揚することと
今回の事例は工法として当現場
あった。
なった。
のような施工条件における実績も
その中で、パンフレット、ホー
乏しく、特異な例である。
ムページの作成、見学者施設の設
置など当事務所が環境活動に取り
4
おわりに
組む姿勢を対外的に示しながら、
建設汚泥の海中漏出等の防止と
いう現場状況下の制約条件によ
り、必要とされる手法から考え出
工事の実施においても常に環境負
実施の結果、無対策であれば海
された独創的かつ先進的な方法で
荷に重点を置き、問題なく実践し
水と混合され、設計以上の排泥量
あった。
たことは各所から評価された。
であることは必至であったが、陸
これらのことは現場に従事した
上部における施工と同様の排泥量
完了全景
46
石積みと花の町「長島町」
∼掘削土から発生する天然石の3R実施と
景観への配慮∼
鹿児島県 出水郡 長島町
1
地域の概要
長島町は、鹿児島県の最北端の
町として薩摩半島の北西部に位置
し、長島本島のほか大小26の島々
で形成されており、四方を東シナ
海と八代海に囲まれて温暖な気候
と青く美しい海岸線に恵まれた、
赤土バレイショ・養殖ブリ・みか
ん・芋焼酎などの特産物がある自
然豊かな町です。
もともと急傾斜になっている土
地が多く、さつまいもやじゃがい
も、みかんなどの耕作地は石積み
による段々畑が多く存在します。
2
リサイクルの内容
丸石や平石など形・大きさは様々
で あ り、 直 径 が30cmを 超 え る も
3
「長島ぐるっと」事業の
紹介
のは盛土材として転用ができない
長島町で出土される天然石は、
ことと島内に砕石工場もないた
現在、長島町では島内を一周で
め、最終処分することしかできま
きる国道・県道・町道を中心とし
せん。また、この地域では平石状
て、
「石積みと花の町」をテーマに、
の天然石が多く排出されるため、
景観に配慮した天然石を使用した
盛土材として使用すると施工性に
花壇などを生かした
「長島ぐるっ
劣り、土木工事や建築工事、土地
と」
事業を推進しています。
の造成工事の掘削により出る石の
処分に以前は困っていました。
①長島ぐるっと一周景観整備事業
しかし、平成19年度から天然石
平成24年度から、天然石のリサ
を処分場などへ搬出するのではな
イクルや車両の走行安全性、道路
く、石積み花壇に再利用する事業
の維持管理の容易さなど図ること
や平石を法面の保護材として再利
を目的に、天然石を使った法面保
用を促進させることで、最終処分
護を行う事業を実施しており、実
量の縮減に大きく貢献することが
施面積は平成27年度までで8,000
できました。
㎡
(約5km)になっています。
建設リサイクル Vol.75
47
法面保護の実施状況
作業状況
②長島ぐるっと一周フラワーロード事業
いに石積み花壇を設置しており、
※
平成19年度から緊急雇用促進事
延長
業や町単独事業などを活用し、天
14Kmを実施しています。
業で設置した花壇や法面を活かし
然石のリサイクルや
「花の町」とし
※
[編注]延長:道路法による路線の長
て、つわぶきの植栽を行っています。
ての花壇に利用するため、道路沿
は 平 成27年 度 ま で に 約
③長島ぐるっと一周緑化事業
さのこと。
景観整備事業やフラワーロード事
この植栽は雑草の繁殖を抑えるだけ
道路沿いの石積み花壇
48
でなく、秋には道路縁沿いに黄色一
町道や公共施設等を中心に、リサイ
色のきれいな花を咲かせて、往来者
クルした天然石で
「石花」
を製作して
の目を楽しませています。
います。直径1mのものから7mも
あるものまで花の種類は様々。平成
4
天然石リサイクルの
活用効果
【道路の維持管理】
④長島ぐるっと一周石花百輪事業
27年 度 末 で は18輪 あ り、 目 標 は
国道・県道の一部は、管理者で
島内を一周できる国道・県道・
100輪を目指しています。
ある鹿児島県からの権限委譲によ
つわぶきの植栽
天然石で作る
「石花」
建設リサイクル Vol.75
49
ボランティアで管理された石積み花壇
り除草作業を随時行っています
事業を推進しています。
政・消費者・産業界などが連携し
が、延長が長く人件費がかかり、
例年、町では
「春の花フェスタ」
て、これからの資源・産廃問題に
作業中の事故など危険が多いこと
や「つわぶきウォーキング」
、
「すい
対処するために3Rを通じた循環型
で、効率が悪くなっています。
せんウォーク」などのイベントを開
社会形成を目指して活動している
そこで、天然石をリサイクルし
催していますが、平成19年度と比
団体を表彰するもので、本町の
「掘
た花壇を設置し、花壇が管理され
較すると3倍以上の交流人口の増
削土から発生する天然石の3R実施
ることで、雑草が生えにくくなり
加が見られます。リサイクルを通
と景観への配慮」の取組み活動が認
維持管理が容易になりました。さ
して、景観に配慮した町づくりを
められました。
らに平石で法面保護をすることで
行うことで、思わぬところに効果
除草作業が不要になり、維持管理
が現れています。
延長が縮減され、作業中の事故防
止や毎年数回の除草作業で出てい
【国土交通大臣賞を受賞】
た枯れ草の処分量の発生抑制にも
以 上 の 取 組 み は 平 成27年 度 リ
なっています。
デュース・リユース・リサイクル
また、道路の視野が広がること
推進功労者等表彰の国土交通大臣
により車両の安全走行の向上にも
賞 を 受 賞 し ま し た。 こ の 賞 は 行
表彰受賞式
つながり、良い効果が派生してい
ます。
【花壇の管理】
石積み花壇は、地域のNPO法人
や団体などがボランティアで管理
を行っており、平成27年度現在約
180団体が参加しています。町内
約14kmの花壇で、四季様々な花
が楽しめます。
【交流人口の増加】
長島町では、以前から「石積みと
花の町」を合言葉に、長島ぐるっと
50
イベント交流人口と事業効果
(町開催イベント)
ほっとひ
の
さん
り
息 おとな
と
1
「エコーガニック with
ノーマライゼーション」
食品スーパーが提案する
環境ループ事業
株式会社ウジエスーパー 常務取締役
株式会社ウジエクリーンサービス 取締役本部長
吉田 芳弘 はじめに
社ウジエスーパーでも、食品ロス
以来、グループ全体で法定雇用率
の削減は避けては通れない課題と
を上回る障がい者の雇用を確立す
なっていました。
ることができるようになったので
私たちウジエスーパーは、宮城
そんな折、食品リサイクル率を
す。
県有数の米どころ・登米市に本社
高めて環境負荷削減を図ることを
これまで外部に委託していた
を置く食品スーパーです。このた
目的とした
「改正食品リサイクル
スーパー関連業務を内製化するた
び、障害者特例子会社のウジエク
法」が施行されました。平成19年
め、ウジエクリーンサービスには
リーンサービスとともに進めてき
12月1日 の こ と で す。 こ れ を 機
清掃や人材派遣といった部門が設
た
「エコーガニック with ノーマ
に、わが社でも食品残渣を減らす
けられました。なかでも特に重要
ライゼーション」という活動が、平
取 り 組 み が 加 速。 平 成21年 に は
な部門となったのが、廃棄物処理
成27年度3R推進功労者表彰にお
27.5 % だ っ た 食 品 リ サ イ ク ル 率
部門でした。
いて最高賞である内閣総理大臣賞
が、平成25年には65.2%にまで向
廃棄物処理部門を立ち上げたウ
を受賞いたしました。各方面から
上し、短期間のうちに大きな成果
ジエクリーンサービスは、改正食
高い評価をいただいている環境
を上げることができたのでした。
品リサイクル法の施行を受け、食
ループ事業「エコーガニック with
品循環資源の再生利用事業計画の
ノーマライゼーション」。その確立
に至った経緯や、取り組みの概要
2
転機となった
障害者特例子会社の設立
についてご紹介いたします。
1
リサイクル率65.2%
という高い数値を達成
認定を宮城県で初めて取得。また
登米市と栗原市では一般廃棄物収
集運搬業の許可を取得しました。
食品リサイクル率65.2%という
これにより、スーパー各店舗から
数字を達成できた背景には、障害
出る食物残渣の処理を自分たちで
(※)
者特例子会社
として平成18年3
行えるようになり、それが食品リ
月に設立した株式会社ウジエク
サイクル率の飛躍的な改善に結び
日本では、まだ食べられるのに
リーンサービスの存在が大きく関
ついたのです。
廃棄される食べ物、いわゆる「食品
係しています。ウジエスーパーは
ウジエクリーンサービスは、地
ロス」が年間500∼800万トンにも
食品スーパーという仕事の性質
域雇用を創出し障がいを持つ人に
なると推計されています。食料の
上、障がい者の採用は難しい面が
活躍の場を提供するのみならず、
多くを輸入に依存しているにもか
多々あり、法定雇用率を満たせて
食品リサイクル率の向上により環
かわらず、大量の食品を廃棄する
いませんでした。そのため、ハン
境保全に貢献し、さらには内製化
ことは、それ自体が深刻な環境問
ディキャップを持つ人たちの受け
によりウジエスーパーのコストダ
題だといえるでしょう。宮城県内
皿となるべく障害者特例子会社の
ウンをも実現したのです。
で30店舗を展開する私たち株式会
ウジエクリーンサービスを設立。
建設リサイクル Vol.75
51
(※)障害者特例子会社とは、企業が障が
し続けることが命名の理由です。
い者の雇用を促進する目的でつくる
また、『無限』を使い無農薬でつく
子会社のこと。企業には一定割合(法
られた米は、『無限のぼり米』と命
定雇用率)の障がい者を雇用しなけ
ればならない義務があると障害者雇
用促進法で定められているが、障害
者特例子会社を設立した場合、子会
名。地元・登米を表すとともに、
地域の持つ可能性が伸び続けてい
くようにとの思いを込めました。
社の障がい者雇用数を親会社および
企業グループ全体の雇用分として合
算することができる。
3
独自かつ持続可能な
リサイクルループの確立へ
4
地域と共創し農商工連携で
価値を極大化
さらに一歩進んだ取り組みとし
恋のぼり
て、『無限』を使ってつくった米や
野菜、カモミールを原料に、農商
エコ と、その肥料だけで農作物
私たちはかねてから、「地場の企
工と連携して日本酒やスイーツ、
をつくる オーガニック 。私たち
業として地域の役に立つこと」
「地
入浴剤などの加工品を製造する6
がこの2つの融合により進めてい
元生産者を盛り立てるために連携
次産業化も展開中です。登米市に
るのは、地球環境を守る取り組み
を図っていくこと」
「 ウジエならで
本社を構える味噌・醤油の醸造会
にほかなりません。そしてここに
はのサービスを通してお客様に喜
社と提携し、『無限のぼり米』と登
加わるもう1つの大きな要素が、
んでいただくこと」を強く意識して
米市産特別栽培大豆を使用してつ
地域社会に暮らす人々を守る ノー
きました。この3つの命題を実現
くる十割麹味噌『夢のぼり』や、地
マライゼーション です。前述した
すべく取り組んできた食品リサイ
元の日本酒醸造会社と連携し、
『無
ように、私たちは障がい者雇用と
クル事業は、今やさらなる発展を
限のぼり米』を100%使用して醸し
自立支援を取り入れながら、地域
遂げ、独自のリサイクルループを
た純米大吟醸
『恋のぼり』などがそ
の人々を巻き込んだ共存共栄の形
確立するまでに至っています。
の例です。
を模索しているのです。
スーパーで出た野菜くずなどの
このように私たちウジエスー
食品残渣は、
「ウジエ無限ファクト
パーでは地元企業と連携し、次々
リー」という肥料製造工場に運ばれ
とプライベートブランド商品の開
ます。集められた食品残渣は約24
発に着手、価値の極大化を図って
時間かけて分解・発酵させ、有機
います。
活動の広がりや秘められた
可能性はまさに“無限”
私たちのこうした取り組みは大
きな賛同を集め、今や全国の食品
質肥料に生まれ変わります。有機
質肥料は地元の農家へ提供し、そ
れを使用して生産された米や野菜
6
5
エコーガニック with
ノーマライゼーション
関連業者が見学に訪れるまでにな
りました。最近ではエコスクール
や親子向けの環境教室を開くな
を私たちが買い上げ、ウジエスー
パーで販売します。またはその有
こうした私たちのリサイクル事
ど、活動の幅も広がっています。
機質肥料を使って自社農場
「無限て
業の核となるのが、わが社が商標登
また、一連のリサイクルループは
るてるファーム」で米や野菜、カモ
録している エコーガニック です。
発展途上国などへも移植可能なモ
ミ ー ル な ど を 育 て、 ウ ジ エ ス ー
エコ と オーガニック の2つを組
デルとして注目されており、さら
パーで販売するというパターンも
み合わせたこの造語は、単独のテー
なる社会貢献の形も見えつつある
あります。この流れを繰り返し、
マとして捉えられている エコ と
状況です。資源を有効利用し、人
半永久的に循環していくのです。
オーガニック を同時に満たすこと
の輪をつなぎ、地域と共に歩む
「エ
「ウジエ無限ファクトリー」で作
で、新たに創造される価値を大切に
コーガニック with ノーマライゼー
られたオリジナル有機質肥料は、
していこうという考えと、それに伴
ション」
。私たちはその 無限 の可
う取り組みを意味しています。
能性をこれからも探っていきたい
食品残渣を使用して肥料を作る
と考えています。
『無限』という名で商標登録しまし
た。文字通り、無限にリサイクル
52
「エコーガニック with ノーマライゼーション」
のフロー
建設リサイクル Vol.75
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ほっとひ
の
さん
り
息 おとな
と
2
丸の内エリアにおける
エコ弁プロジェクト
実証実験
三菱地所株式会社 ビル運営事業部
中野 壮一朗
丸の内エリア(大手町・丸の内・
23万人のオフィスワーカーが毎日
る仕組みになっており、はがし終
有楽町地区の総称)は日本の中心地
行えば、エコ効果は相当な規模に
わった容器を回収することで、水
である東京駅と皇居の間に位置
なります。企業がお金を出して環
で洗うことなく再生資源としてリ
し、4,000以上の事業所と23万人
境に良い設備を導入する方法もあ
サ イ ク ル が で き ま す。 回 収 率 が
のオフィスワーカーが働く世界有
りますが、1人1人がエコ意識を持
60%の場合、二酸化炭素削減率は
数のビジネス拠点です。近年は商
ち、行動するような仕組みをつく
46%にも及びます。この取り組み
業施設も増え、アフターファイブ
ることが継続的な活動に繋がると
は140を超える大学で既に実施さ
や休日にも人が行き交うようにな
考えました。
れていますが、オフィス街では販
売場所
( 1階や地下飲食店)と食事
り、三菱一号館美術館を中心とし
た文化の要素を取り入れながら更
エコ弁プロジェクトはこのエリ
場所
(自社オフィス内)が異なるた
なる発展を目指しています。
アで販売されているお弁当容器を
め、容器の回収が困難となり、実
リサイクル率の高い容器に変更す
現していませんでした。
この街でエコの取り組みを実施
ることで、二酸化炭素等の排出量
するにあたって着目したのは昼間
を削減することを目指していま
三菱地所グループは丸の内エリ
人口の多さです。レジ袋を貰わな
す。容器には表面に薄いフィルム
アに多くのビルを所有・管理して
いというような簡単なエコ活動も
が貼られていて、使用後にはがせ
いることを生かし、この取り組み
を当エリアで実験的に実施しまし
た。丸ビルの飲食店舗を中心に16
店舗で対象容器での弁当販売を行
い、回収についてはオフィスの自
席等で弁当を食べる就業者が多い
ことから周辺ビルの各階給湯室に
回収ボックスを設置しました。プ
ロジェクト周知のために給湯室に
はポスターを掲示し、購入時には
リーフレットを配布し、館内のデ
ジタルサイネージでは周知用の映
像を放映しました。実験期間2ヶ
月間( 2015年10月∼11月)中に対
象 容 器 の 弁 当 を 約26,000個 販 売
し、約5,500個の容器を回収しま
プロジェクトスキーム
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した
(回収率約21%)。一部購入者
の方々にアンケートを実施したと
応が多く、街に合った取り組みで
ではの環境への取り組みを引き続
ころ、値段が変わらなければ継続
あると実感しました。この取り組
き検討していきます。
的に購入するといった好意的な反
みのような三菱地所グループなら
配布リーフレット
建設リサイクル Vol.75
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1
2016 建設リサイクル技術発表会・技術展示会の開催
建設リサイクル技術発表会・技術展示会は、建設リサイクルの更なる普及と促進にむけて、
関係者
(工
事発注者、建設工事施工者等)に対する意識啓発と建設リサイクルの推進に有用な技術情報等の周知・伝
達、技術開発の促進、一般社会に向けての建設リサイクル活動の取り組みをPRすることを目的として、
毎年開催しています。
開催日時
建設リサイクル技術発表会:平成28 年10 月5 日(水)
(予定)
建設リサイクル技術展示会:平成28 年10 月5 日(水)・6 日(木)
(予定)
開催場所
一橋大学一橋講堂
(予定)
東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター内
※詳細については、随時、建設副産物リサイクル広報推進会議ホームページ(http://www.suishinkaigi.
jp/)
へ情報を掲載いたします。
建設リサイクル 読者投稿用紙
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フリガナ
氏名
TEL・FAX
E-Mail
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「建設リサイクル」に関するご意見、ご要望、掲載して欲しい記事等
建設副産物リサイクル広報推進会議(事務局:一般財団法人 先端建設技術センター)FAX
03-3942-0424
機関誌編集部会メンバー(春号編集会議時)
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《委員》
国土交通省関東地方整備局企画部技術調査課 建設専門官
(一社)日本建設業連合会 環境委員会 建設副産物部会委員
(一社)日本建設業連合会 環境委員会 建設副産物部会委員 (一財)日本建設情報総合センター 建設副産物情報センター長
建設廃棄物協同組合 事務局長
(公財)産業廃棄物処理事業振興財団 適正処理・不法投棄対策部 部長
(一社)住宅生産団体連合会 環境安全部長
(一社)日本アスファルト合材協会 業務部長
(公社)全国産業廃棄物連合会 調査部係長
(一財)先端建設技術センター 常任参与兼企画部長
高橋 進
井上 英司
上圷 勝
高橋 克和
佐々木 秀雄
山脇 敦
柳 求
小宮山 常見
戒能 伸定
田 延雄
《アドバイザー》
国土交通省大臣官房公共事業調査室 係員
国土交通省総合政策局公共事業企画調整課環境・リサイクル企画室 課長補佐
国土交通省土地・建設産業局建設業課 課長補佐
横山 一史
種蔵 史典
松原 寛
2 016
夏号
改訂版 建設現場従事者のための残土・汚染土取扱ルール
[編著]公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団
[発行]
(株)大成出版社
TEL : 03-3321-4131
FAX : 03-3324-7640
URL : http://www.taisei-shuppan.co.jp/
内容
1.残土問題と関連用語
2.残土条例
3.建設発生土としての
適切な取扱い
4.土壌汚染対策法
5.廃棄物処理法
資料
定価 : 本体1,900円(税別)
判型 : B5
頁数 : 130頁
土壌汚染対策法に関する諸基準等の改正を踏まえた最新版! 建設現場従事者の方々が、残土の
適正処理に資するために知っておきたい法制度等の知識をわかりやすくまとめた役立つ一冊です。
【建設現場従事者必携】産業廃棄物・汚染土壌排出管理者講習テキスト
[編著]公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団
[発行]
(株)大成出版社
TEL : 03-3321-4131
FAX : 03-3324-7640
URL : http://www.taisei-shuppan.co.jp/
定価 : 本体3,300円(税別)
判型 : A5
頁数 : 190頁
内容
建設現場における管理事項
Ⅰ.本書の使い方
廃棄物
Ⅱ.講習テキスト
Ⅲ.修了の申請手続き 建設副産物
Ⅳ.法制度等の周知の 土壌汚染
その他関連法令
重要性について
(巻末)
「修了考査問題・
(参考資料)
修了者リスト掲載同意書」
Ⅴ.講習テキスト・
詳細版
これだけはおさえなければならない法制度等の知識を簡潔に集約!
本書は建設廃棄物や汚染土壌の適正処理が社会的に強く求められて
いるなかで、建設現場従事者の方々にとって不可欠な法制度等の知識を
*巻末の修了考査問題に合格された方には、
「 修了証」
「ヘルメット用シール」をお送り
習得していただくことを目的にまとめたものです。
致します。
お問い合わせは、
こちらにお願いいたします
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