ガルバニック腐食(異種金属接触腐食)

一
7一
一 一
・
司
会二
f
A
・
2
1Iガルパニック腐食とは,
回
貝 二
ガルパニック腐食(異種金属接触腐食)
竪
空}
jの現象とその防止策は?
委二
法二
工二
施二
き
主
玄圃
ノレやそれに関連する表面皮膜の形成などによって
も変化します。
たとえば,両材料間の電位差は,ステンレス鋼
F
i
g
.1のよう
は軟鋼より貴でありアルミニウムとの電位差は大
に電解質水溶液中において異種の金属
材料を接触させた時に生じる腐食現象であり,電
程度はむしろ小さく,電位差だけでは決まりませ
位が卑な方の金属がアノードとなって,単独で、置
ん。ステンレス鋼のように表面に不動態と呼ばれ
かれている場合より一般に腐食速度が増大しま
る電子伝導性の低い酸化皮膜を形成する材料では
一
一
一J
きくなるものの,アルミニウムが受ける接触腐食
す。一方で,電位が貴な方のカソード側の金属材
皮膜の抵抗が高く,材料表面での電子放出が生じ
料は単独で置かれるよりも一般に腐食速度が低減
にくくなり,欄虫腐食の進みが抑えられるのです。
して,いわゆるカソード防食されます。
F
i
g
.3に無処理のステンレス鋼との組み合わせに
アルミニウムが,より貴な金属(たとえば鉄・
銅など)と電解質水溶液中で長時間にわたり直接
おけるアルミニウム接触部の腐食量を示します
が,無処理の裸鋼の場合よりも腐食の程度は抑制
接触すると,局部電池が形成され,アルミニウム
は液中へ溶けてイオン化し,残された電子は材料
中を移動し,貴な金属表面から同様に液中に放出
+
0
.
2
電位( Vvs.SCE)
l
.
6
-0.
2o
.
4 -o.
so
.
s1
.
01
.
2 -t4 一
o
されますが,液中の水と酸素から水酸化イオンが
7
ロ亜鉛|
グネ yウムロ
I
ロベリ リウム I
二==コアルミニウム合金
ロカドミウム
|
cコ軟鋼.鋳鉄 I
ロ 低合金綱 |
|
亡コニ γ ケルオーステナイ ト鋳鉄
Cコ ア ル ミ
ニユウム青銅 l
Cコネーパル黄銅,黄銅,丹鋼
I
I
口すず I
口 鍋
I
I
I
CJP
b-Snはん f
(
ご5
0
/
5
0
)
1
c
コアド ミラリティ宮町鋼.アルミニウム黄銅
ロ 守 ンガン背銅 l
I I
I
0;
,
,
1
1コン青銅
I
I I
I
ロ す ず背鋼l
I
I I
I
Cコ l圃圃 ステ〆レス鋼“Type
s4
!
0,
4
1
6”
できることとなります。
c
異種金属材料の組合せにおいて,どちらの材料
がアノードとなって優先腐食するか,あるいはど
ちらの材料がカソードとなって防食されるかは,
その環境中でのそれらの材料の腐食電位によって
判断できます。この腐食電位を順番に並べたもの
が腐食電位列あるいはイオン化列と呼び,その例
をF
i
g
.2に示しますが,環境中の酸化ポテンシャ
ロ洋銀
I
I
ロ 90Cu-lONi合金
ロ 80Cu2
0N
i合金
I
I
|
|
I
I
ロ
l圃圃 ステン?ス鋼“Type4
3
0”
ロ 鉛 1
I I I
ロ 70Cu-30Ni合金 l
|
Cコニ ッケ Jレーアルミ ニウム背銅
ロl
- N iー
Cr合金
“Alloy600”
I
I
I
ロ I l圃圃 ステンレス繍“Ty
陣 却2
.3
0
4
,3
2
1
.3
4
7
・
・
Cコ N
iCu合金“A
l
l
o
y
s4
0
0
,K-500
” I
亡コ銀ろう
Eコ ニ y ケル
ロ銀
I
I
I
J
I
I
I
c
コ I .圃 えテ/レ ス鋼
l
lo
y2
0
"I
亡コ ステノレス鋼" A
ロ NiFe-Cr合 金 川l
o
y8
2
5
”
ロN
iCr-Mo-Cu-Si合金“A
l
l
o
yB"
cコチタン I I I
Ni-Cr-Mo合金“A
l
l
o
yC”
ロ 白金
コ
巳
黒鉛
アノレミニウム
鋼
F
i
g
.1 アルミニウムの腐食と鋼との接触腐食
i
l
t
l定条件:流速 2
.
4∼4.0m
/s
,温度 1
0∼21・c
.. −腐食態の電位
F
i
g
.2 海水中における各種金属の腐食電位
軽 金 属 溶 接 Vol.47 (2009) No.3
l
Q触させた材料
孔宮様害回
u
.
1 o2u
.
3o.~ u
.
s
オンなどを含む自然環境中では,電子の放出速度
に応じてアルミニウムのイオン化,すなわち腐食
が進むと考えられ,よってア ルミ ニウムの面積に
対して鋼の面積が大きくなるほどアルミニウムの
腐食は大きくなります。
これらのことを考慮して,ガルパニック腐食の
防止策としては,水に触れてもスベーサで両金属
聞を直接絶縁する方法や,塗装によって水との接
触を絶つ方法などがあります。両材料全面に塗装
するのが望ましいのですが,どちらか一方に施す
(最大深さ E二己 、平均深さ~)
F
i
g
.3 接触部の孔食深さ(沖縄大気曝露 1年後)
されています。しかしガルパニッグ腐食の観点
から無処理の裸鋼は用いられることはほとんどな
く,たいていは亜鉛系めっき鋼が用いられます。
亜鉛はアルミニウムよりも腐食されやすいのです
が,亜鉛めっき層が残存する限りはアルミニウム
が保護されるので,ステンレス鋼の耐食性は良い
からといっても亜鉛系めっき鋼には及びませんの
で注意が必要です。
さて,上記以外の因子としては,実用的な面で
重要な両金属材料の面積比が上げられます。鋼と
の接触ではアルミニウムがイオン化して生じた電
子が材料を通して鋼表面で放出されます。塩素イ
軽金属溶接 V
o
l
.4
7(
2
0
0
9
)N
o
.3
場合は注意が必要となります。アルミニウムと鋼
との組合せにおいて,アルミニウム側だけに塗装
してその塗膜に傷が入った場合には,その露出し
たアルミニウムの面積は,塗装しない鋼の材料の
面積よりも著しく小さくなり,鋼側を塗装した場
合よりも傷部で著しく腐食が生じることがあり,
通常は鋼板側材料を塗装するのが効率的となりま
す。さらには,接触している両金属材料のいずれ
の電位よりもさらに卑な金属材料を犠牲アノード
として用いるなどの対策があります。
参考文献
中山武典:軽金属溶接, Vol.44(2006),No.7
,p
.1
.
当摩健:軽金属溶接, Vol.44(2006),No.7,p.9
.
自動車のアルミ化銭術ガイドー表面処理編, p
.28,軽
金属協会発行(昭和56年
)
.