「自動車用動力バッテリー業界規範条件」（工業情報化部「2015 年 22 号」） 2015 年 3 月 24 日に工業情報化部が本公告を公布し、2015 年 5 月 1 日より実施。公告 URL（原文）： http://www.miit.gov.cn/n11293472/n11293832/n12845605/n13916898/16522519.html 公告の概要（ポイント）１）対象企業：中国国内（台湾、香港、マカオを除く）に生産拠点を持つ、車載電池メーカ：・車載リチウムイオン蓄電池・車載ニッケル水素蓄電池・車載スーパーキャパシタ ※鉛酸類電池は本規範の対象外２）強制性：本公告は【規範条件】であり、【参入管理規則】ではないため、工業情報化部の担当者によると、本公告は強制性を持たず、推奨である。３）公告の実施管理：企業はこの【規範条件】に規定された条件を満たした場合、自主的に工業情報化部に申請し、工業情報化部は「専門家委員会」を設け、審査で合格と認定される場合、企業名を公告にて公布する。４）申請条件（一部を抜粋）： ■生産規模：・リチウムイオン電池セル生産企業⇒2 億 Wh 以上/年間・車載ニッケル水素蓄電池⇒1 千万 Wh 以上/年間・車載スーパーキャパシタ⇒500 万 Wh 以上/年間・電池組の生産企業⇒10,000 セット/年間 or 2 億 Wh/年間以上 ■技術能力要求：・研究開発人数は 100 人以上 or 従業員人数の 10%以上・研究施設、試験設備の要求 1 All Right Reserved. IST-software Co.,Ltd. 2015 ■製品要求：以下の標準に適合。質検総局が承認した自動車用動力電池の第三者検査機関にて製品の型式検査を実施し、試験レポートを提出。但し、製品の全品目を検査する必要がなく、代表的な型番の検査を実施すること。標準番号 GB/T 31484-2015 GB/T 31485-2015 GB/T 31486-2015 標準名電動自動車用動力バッテリーのサイクル寿命の要件および試験方法件および試験方法のセルおよびモジュール電動自動車用動力バッテリーの電気的リチウムイオン電池、ニッケル水素電池性能要件および試験方法テリーパックとシステム ―第 1 部分：高出力用試験規程電動自動車用リチウムイオン動力バッ GB/T 31467.2-2015 車載電池のセルおよびモジュール電動自動車用動力バッテリーの安全要リチウムイオン電池、ニッケル水素電池電動自動車用リチウムイオン動力バッ GB/T 31467.1-2015 標準の適用対象テリーパックとシステム ―第 2 部分：高エネルギー用試験規程のセルおよびモジュール電動自動車用高出力リチウムイオン電池パックおよびシステムの測定電動自動車用大容量リチウムイオン電池パックおよびシステムの測定電動自動車用リチウムイオン動力バッ GB/T 31467.3-2015 テリーパックとシステム電動自動車用リチウムイオン電池パッ ―第 3 部分：安全性の要件および試験クおよびシステムの測定方法 QC/T 741-2014 車用スーパーキャパシタ電気自動車用スーパーキャパシタ単体およびモジュール 2 All Right Reserved. IST-software Co.,Ltd. 2015 ■品質保証マネジメント能力： ISO/TS16949 マネジメントシステムの認証取得、生産一致性制御計画の作成、原材料、部品調達から完成品出荷までの検査およびトレーサビリティー・システムの構築 ■その他：アフターサポート体系の確立、廃棄電池のリサイクル計画の提出など５）申請開始時期および申請方法 2015 年 5 月より申請の受付を開始し、下記の専用サイトより申請を行うことができる。 http://battery.catarc.info/ 2015 年 9 月より申請企業（第一回）の審査を開始。9/28 時点に於いて、公布された企業の公告を確認できていない。６）工業情報化部による見解： ①新標準適合の過渡期：・2015 年中に申請する場合：旧版の標準である QC/T 741-2006、QC/T 743-2006、QC/T 744-2006 に基づいた試験レポートを提出し、2016 年 4 月末までに新標準と旧標準の差分試験レポートを追加。・2016 年 5 月 1 日以後に申請する場合：新標準に基づいた試験レポートの提出すること。 ②海外メーカへの影響：海外から輸入した電池セルをシステム化して商品化する中国企業も申請可能。但し、その調達先（海外の電池企業）に対しても、拡大審査の要求ができると規定しているため、海外の電池企業は納入先の中国企業に早急に確認を取り、対策を練る必要がある。 ③政府の意図：中国の車載電池メーカは 177 社（実際には 500～600 社あるとも言われている）もあり、この条件をクリアできるのはせいぜい 10 数社だと言われている。今後、中国政府は電池メーカの統廃合を促す意図を読み取れる。 3 All Right Reserved. IST-software Co.,Ltd. 2015