6章(業績) - 奈良県総合医療センター

6 業 績
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6 業績 (1)診療部
⑴ 診療部
79
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6 業績 (1)
診療部 ①循環器内科
① 循環器内科
80
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6 業績 (1)
診療部 ①循環器内科
1 取り組み
当院は奈良県北和地域の基幹病院であるが、当科は循環器・腎臓疾患を診療している。
循環器疾患では急性心筋梗塞などの虚血性心疾患、不整脈、高血圧症、心筋疾患などを中
心に診察している。特に急性心筋梗塞などの虚血性心疾患、重症心不全、重症不整脈につ
いては24時間受け入れ可能な体制をとっている。一方、腎疾患ではネフローゼ症候群、慢性
腎臓病および透析導入を中心に診察している。なかでも慢性腎臓病の教育入院を重視しており、
慢性維持透析導入の予防、延期に努めている。
近年、心疾患と腎疾患の病態に双方が密接に関係するという心腎連関という概念が広がりつ
つあり、循環器診療と腎疾患診療を共に行うことができるのは当科の特徴のひとつである。重症
患者はCCUで治療を行っている。CCU入室中は毎朝カンファレンスを行って治療方針を決定し
ている。
また、一般病棟では毎週木曜日に新入院カンファレンスを行っている。 近隣の医療施設とも
病診連携を密にしており、定期的な病診連携会を行っている、また、平成24年8月から近隣医
療施設との間にホットラインも開設した。なお、近隣施設から紹介された症例や外来通院中で安
定した症例は近隣の医療施設に逆紹介している(ただし、当科でも一定期間での定期受診お
よび救急時に対応している)
。
2 成果
平成23年度
平成24年度
増減要因(端的に、分かり易く)
数(人)
8
8
本院5名、救命3名
専門医数(人)
4
5
循環器3名、腎3名
後期研修医数(人)
0
0
-
外来患者数(人)
26,864
26,441
▼423
外来診療額(円)
359,164,782
398,913,089
△39,748,307
入院患者数(人)
1150
1136
▼14
入院診療額(円)
618,329,219
691,318,148
△72,988,929
平均在院日数(日)
9.49
9.78
▼0.29
病床利用率(%)
88.4
91.6
△3.2
紹介率(%)
50.1
57.0
△6.9
逆紹介率 (% )
123.9
188.8
△64.9
心カテ
420
467
△47
PCI
210
231
△21
PTA
4
16
△12
心臓CT
263
401
△138
心臓造影MRI
0
7
△7
ペースメーカ
42
32
▼10
心筋シンチ
171
315
△144
81
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6 業績 (1)
診療部 ①循環器内科
トレッドミル
486
477
▼9
マスター負荷心電図
318
262
▼56
心エコー
2358
2326+998
△1556:+998は汎用登録心血管エコー
経食道心エコー
15
13
▼2
血管エコー
22
53
△31上記+998の一部は血管エコー
Holter心電図
777
906
△129
外来心不全運動療法
0
38
△38:H25年1月から開始
CKD教育入院
199
191
▼8
腎生検
37
41
△4
HD導入
40
48
△8
論文発表(編)
1
1
-
学術集会発表(編)
5
4
▼1
研究助成(件)
0
0
0
入院診療額にはCCU入院分は加算されていない。
3 医師紹介
平成25年10月1日現在
医師名
役職
医師資格
取得年
井上 文隆
部長
平2
日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本高血圧学会指導医、
日本心血管インターベンション学会認定医、日本体育協会認定スポーツ医、
本救急医学会専門医、日本心臓病学会
丸山 直樹
医長
平7
腎尿路疾患センター副センター長、日本内科化学会認定医、日本腎臓病学会専門医、
腎臓一般
日本消化器内視鏡学会専門医、日本透析医学会専門医
藤本 隆富
医長
平11
救命救急センター兼任、日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、
日本心血管インターベンション治療学会認定医
循環器(心臓・高血圧・不整脈)
岡 宏保
医長
平12
救命救急センター兼任、日本救急医学会専門医、日本脳卒中学会専門医、
日本化学療法学会抗菌化学療法認定医、日本旅行医学会認定医、
JATECインストラクター、ICLSインストラクター、ACLSインストラクター、
臨床研修医指導医
循環器(心臓・高血圧・不整脈)
上嶋 運啓
医長
平14
日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心臓病学会、
日本心血管インターベンション治療学会
循環器一般
インターベンション
榎本 理史
医員
平17
日本内科学会、日本循環器学会、心血管インターベンション治療学会
循環器一般
金 仁毅
医員
平19
日本内科学会認定医、日本腎臓病学会専門医、日本循環器学会、日本透析学会
循環器・腎臓一般
循環器・腎臓一般
腎臓一般
所属学会・資格等
鴨門 大輔
医員
平21
救命救急センター兼任、日本内科学会認定医、日本循環器学会、
日本心血管インターベンション治療学会
中島 拓紀
レジデント
平23
日本内科学会
専門領域
循環器一般
インターベンション
4 業績
【論文】
原 著
1)丸山直樹、吉本宗平、藤木健吾、中野知哉、安 基鉉、上嶋運啓、岡 宏保、藤本
隆富、井上文隆、篠原雅岳、中井 靖、松本吉弘、影林頼明、三馬省二:慢性腎臓
病患者に対する短期間教育入院-クリニカルパス作成後 1 年間の成果。県奈病医誌
16:40–44、2012
82
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6 業績 (1)
診療部 ①循環器内科
【発 表】
一般演題
国際学会
1)Inoue F、Fujimoto T,Hiroyasu Oka、Ueshima K、Nakano T、Fujiki K,Yoshimoto S、
Maruyama N
Coronary plaque characteristics that indicate distal embolization during
percutaneous coronary intervention in patients with stable angina-virtual histology
intravascular ultrasound study
ESC Congress 2012 (European Society of Cardiology)(Munich、Germany)
国内学会
1)丸山直樹、藤木健吾、中野知哉、上嶋運啓、吉本宗平、藤本隆冨、岡 宏保、井上
文隆、中井 靖、松本吉弘、影林頼明、三馬省二:慢性腎臓病患者に対する短期間
教育入院-クリニカルパス作成後 1 年間の成果-。 奈良県透析学会(奈良)
2)丸山直樹、藤木健吾、中野知哉、上嶋運啓、吉本宗平、藤本隆冨、岡 宏保、井上
文隆、中井 靖、松本吉弘、影林頼明、三馬省二:慢性腎臓病患者に対する短期間
教育入院-クリニカルパス作成後 1 年間の成果-。 吉本宗平、藤木健吾、丸山直樹、井上文隆、中谷公彦:ネフローゼ症候群に対する
ステロイド薬少量投与による外来加療についての検討。
藤木健吾、丸山直樹、吉本宗平、中野知哉、上嶋運啓、岡 安保、藤本隆富、井上
文隆、中谷敏也、菊池英亮、三馬省二:腎不全教育入院での糖尿病性腎症例におけ
る腎不全進行抑制効果の検討。第 55 回日本腎臓学会学術総会(横浜)
3)横内 剛、中野知哉、鴨門大輔、金 仁毅、藤本 源、上嶋運啓、岡 宏保、藤本
隆富、吉本宗平、丸山直樹、井上文隆:31 歳女性に発症した急性冠症候群の1例 第 113 回日本循環器学会近畿地方会(大阪)
4)横内 剛、中野知哉、鴨門大輔、金 仁毅、藤本 源、上嶋運啓、岡 宏保、藤本
隆富、吉本宗平、丸山直樹、井上文隆:31 歳女性に発症した急性冠症候群の1例 県立奈良病院 病診連携会(奈良)
5)丸山直樹、金 仁毅、吉本宗平、井上文隆、中井 靖、松本吉弘、影林頼明、三馬
省二:KST(キドニー・サポートチーム)たちあげました チームで支える腎不全
治療(橿原)
6)丸山直樹、鴨門大輔、金 仁毅、藤本 源、上嶋運啓、吉本宗平、藤本隆冨、岡 宏保、井上文隆、中井 靖、松本吉弘、影林頼明、三馬省二:当院の CAPD 患者に
おける塩分摂取量の検討。第 21 回奈良県医師会透析部会 PD 分科会(奈良)
7)吉本宗平、丸山直樹、金 仁毅、藤木健吾、井上文隆、藤岡伸啓、田村 緑、伊藤
武文、中谷公彦:肺結核の増悪を契機に急速進行性糸球体腎炎を呈した IgA 腎症の
1例。第 42 回日本腎臓学会西部学術総会(宜野湾)
83
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6 業績 (1)
診療部 ①循環器内科
8)鴨門大輔、金 仁毅、藤本 源、上嶋運啓、岡 宏保、藤本隆富、吉本宗平、丸山
直樹、井上文隆:左冠動脈主幹部にプラークシフトを示した不安定狭心症の1例 第 30 回中河内循環器病研究会(東大阪)
9)中野知哉、上嶋運啓、横内 剛、鴨門大輔、金 仁毅、岡 宏保、吉本宗平、藤本隆富、
丸山直樹、
井上文隆:アルコール性肝硬変に併発した門脈肺高血圧症(POPH)の 1 例。
第 114 回日本循環器学会近畿地方会(大阪)
講 演
1)丸山直樹:CKD 教育入院と病診連携について。北和 CKD(慢性腎臓病)セミナー~
地域連携に向けて~(奈良)
2)丸山直樹:もし腎臓が悪いといわれたら…。 CKD 公開講座(奈良)
3)丸山直樹:奈良県北部における CKD 教育入院。第 2 回北和糖尿病合併症 conference
(腎)
(奈良)
4)井上文隆:循環器内科医の役割と魅力。若手医師のためのハンズオンセミナー
2012(橿原)
5)井上文隆:当院の PCI の現状。県立奈良病院病診連携会(奈良)
6)丸山直樹:奈良県北部における CKD 教育入院について。第 3 回奈良北和減塩のスス
メ Forum Le BENKEI(大和郡山)
7)井上文隆:ステント留置後の抗血小板薬治療についての最近の知見。県立奈良病院
病診・病病連携医療講座(奈良)
84
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6 業績 (1)
診療部 ②呼吸器内科
② 呼吸器内科
85
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6 業績 (1)
診療部 ②呼吸器内科
1 取り組み
呼吸器疾患の中で、主に肺癌を対象として腫瘍内科、呼吸器外科、放射線科と協力しあい
診療、集学的治療に当たっている。入院患者の半数は肺がん患者であり、新規肺癌患者は
年間146例である。奈良県では天理よろづ病院、奈良県立医科大学に次ぐ症例数があり、北
和地区の肺がん治療の中心的施設である。厚生労働省、がん拠点病院統計2010年で県立奈
良病院がん登録832例中肺がん症例は146例であり、当院では最も多い症例数である。
肺がんガイドラインに準拠したエビデンスに基づく癌治療を行っており、取り組みとして全身化
学治療は入院から、
外来治療にシフトしている。癌患者を全人的に診療する考えから、
がんサポー
トチームと早期よりの緩和治療を図り、また進行期、終末期の緩和的治療が主体となる症例には、
地域連携を有効に活用して、在宅治療の推進を行い、入院期間の短縮を図っている。
他の呼吸器疾患数(肺炎、COPDの急性増悪、間質性肺炎による急性呼吸不全、気胸等)
も1昨年の220例から281例と増加している。重症感染症やびまん性肺疾患の診断と治療のため、
他院や院内他科からの紹介も多くなっている。より診断率を上げるため、気管支検査の充実(検
査前の3D-CTの活用、超音波気管支鏡EBASの導入の予定)を図っている。
2 成果
平成22年度
平成23年度
平成24年度
医師数(人)
4
5
5
専門医数(人)
2
3
3
後期研修医数(人)
1
1
0
外来患者数(人)
13,281
13,335
12,703
入院患者数(人)
10,192
11,823
10,776
外来・入院診療額(円)
579,586,793
690,247,044
653,898,064
平均在院日数(日)
18.56
16.6
16.2
病床利用率(%)
87.3
98.9
98.4
紹介率(%)
42.8
46.4
50.6
逆紹介率 (% )
51.2
56.9
56.3
気管支鏡検査(件)
162
169
194
外来化学治療(件)
192
206
241
入院化学治療(件)
440
427
389
論文発表(編)
3
7
9
学会発表(編)
10
10
14
86
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6 業績 (1)
診療部 ②呼吸器内科
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
竹澤 祐一
部長
昭53
奈良県立医科大学臨床教授、医学博士、日本医師会認定産業医、
日本内科学会(評議員)総合内科専門医・指導医、認定制度教育病院責任者、
日本呼吸器学会専門医・指導医、日本アレルギー学会、
日本感染症学会、日本肺癌学会、日本呼吸内視鏡学会、日本緩和医療学会
呼吸器一、
アレルギー緩和治療
杉村 裕子
副部長
昭62
日本内科学会 総合内科専門医・指導医、日本呼吸器学会吸器専門医、
日本感染症学会 ICD、日本結核病学会
呼吸器一、感染対策
藤原 清宏
医長
昭57
医学博士、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医、
日本呼吸器外科(評議員)専門医・指導医、日本胸部外科学会指導医、
循環器(心臓・高血圧・不整脈)
日本外科学会専門医、日本肺癌学会
伊藤 武文
医長
平12
医学博士、日本内科学会 総合内科認定医、日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会、
呼吸器一般
日本循環器学会
大田 正秀
医員
平17
日本内科学会、日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会
所属学会・資格等
専門領域
呼吸器一般
4 業績
【論文】
総説
1)伊藤武文、木村 弘:呼吸機能検査、典型的疾患から学ぶ呼吸機能、特発性肺動脈性
肺高血圧症。呼吸 31: 353-358、2012
原著
1)小林 厚、四宮敏章、徳岡泰紀、山崎正晴、高橋正裕、竹澤祐一、下村俊行、上島成也、
久須美房子、長内清行:まほろば PEACE 医師のための緩和ケア研修会を開催して
平成 21 年・平成 22 年活動報告。J Nara Med Assoc 63: 9-16、2012
2)杉村裕子、藤岡伸啓、寺本佳奈子、伊藤武文、小林真也、藤原清宏、竹澤祐一、濱
中悦子:当院入院中に肺結核と診断された症例の臨床的検討。奈病医誌 17:30-33、
2013
症例報告
1)長 敬翁、大屋貴広、藤岡伸啓、伊藤武文、小林真也、杉村裕子、竹澤祐一、関川 進 :
末梢気管支結石の 1 例。県奈病医誌 16: 45-47、2012
2)切畑屋友希、伊藤武文、藤岡伸啓、長 敬翁、小林真也、藤原清宏、杉村裕子、竹澤
祐一、吉本 宗平、田村 緑 : 右中葉に浸潤影を認めた気管支肺結核の 1 例。県奈病医
誌 16: 69-71、2012
3)藤原清宏:長期間経過観察中の特発性肺線維症における胸部 CT 画像の推移。呼吸
31: 62-63、2012
4)藤原清宏、小林真也、藤岡伸啓、長 敬翁、伊藤武文、杉村裕子、竹澤祐一:ウロキナー
ゼによる胸腔内洗浄が有効であったパーキンソン病を有する高齢女性膿胸の 1 例。
呼吸 31: 464-465、2012
5)藤原清宏:Mycobacterium avium と Mycobacterium abscessus による同時肺感染症
の 1 例。呼吸 31: 558-559、2012
87
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6 業績 (1)
診療部 ②呼吸器内科
6)藤原清宏、藤岡伸啓、寺本佳奈子、伊藤武文、小林真也、杉村裕子、竹澤祐一、菊
井正紀:リウマチ患者へのブシラミン投与によって発生した薬剤性肺炎の 1 例.呼
吸 31: 752-753、2012
7)藤原清宏、小林真也、藤岡伸啓、寺本佳奈子、伊藤武文、杉村裕子、竹澤祐一、宮
坂俊輝、菊井正紀:ゲフィチニブによる治療中に骨シンチグラム上フレア現象がみ
られた肺癌の 1 例.癌の臨床 58: 89-94、2012
【発表】
一般演題
1)中村篤宏、伊藤武文・ほか:肺高血圧症の病態・診断・治療 肺高血圧症症例におけ
る右心カテーテルと心エコー所見の対比.第 52 回日本呼吸器学会総会(神戸)
2)小林真也・ほか:EGFR-TKI 治療後の再発肺癌症例の検討、第 52 回日本呼吸器学会
総会(神戸)
3)小林真也・ほか:血小板減少を伴った肺扁平上皮癌の 1 例、第 96 回日本肺癌学会関
西支部会(大阪)
4)藤原清宏・ほか:ゲフィチニブによる治療中に骨シンチグラム上フレア現象がみら
れた肺癌の 1 例.第 79 回日本呼吸器学会近畿地方会(京都)
5)藤岡伸啓・ほか:多発性筋炎、間質性肺炎の合併した胃癌の 1 切除例.第 80 回日本
呼吸器学会近畿地方会(神戸)
6)伊藤武文・ほか:下大静脈の複合奇形を伴った急性肺血栓塞栓症の 1 例.第 80 回日
本呼吸器学会近畿地方会(神戸)
7)杉村裕子・ほか:一般病院に入院中に結核と診断された症例の検討.第 109 回日本
結核病学会近畿地方会(京都)
8)中島拓紀・ほか:喀血死された嫌色素性腎細胞癌気管支内転移の 1 剖検例.第 197
回日本内科学会近畿地方会(神戸)
9)寺本佳奈子・ほか:デキサメサゾン投与で発症した褐色細胞腫クリーゼの 1 例.第
199 回日本内科学会近畿地方会(大阪)
10)藤原清宏・ほか:ゲフィチニブによる治療中に骨シンチグラム上フレア現象がみら
れた肺癌の 1 例.第 23 回奈良肺癌研究会(奈良)
11)伊藤武文・ほか:血漿交換が有効であった肺胞出血合併 ANCA 関連血管炎の 1 例.
第 44 回奈良呼吸器疾患研究会(奈良)
12)小林真也・ほか:CDDP+TS-1 治療後に TS-1 の維持治療を行った肺癌の 1 例.奈良
肺癌治療セミナー(奈良)
13)杉村裕子・ほか:入院中に結核と診断された症例の検討.第 9 回 NARA Infection
Control Seminar(奈良)
14)上原朋子、藤原清宏・ほか:若年者の市中肺炎の 1 例.第 55 回胸部画像検討会(大阪)
88
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6 業績 (1)
診療部 ③消化器内科
③ 消化器内科
89
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6 業績 (1)
診療部 ③消化器内科
1 取り組み
当科は、消化器疾患全般に加え、糖尿病・甲状腺疾患などの代謝内分泌疾患を中心に診
療している。消化管、膵・胆道疾患に対しては最新の内視鏡を用いた診断・治療を積極的に行っ
ている。また、急性腹症・消化管出血・閉塞性黄疸などの緊急ドレナージを要する消化器救急
疾患の診療体制にも重きを置いている。
また近隣施設からの紹介・依頼を数多く受け入れており、北和医療圏の中核的役割を果たし
ている。肝疾患については奈良県北和地区の中核専門医療機関に指定されており、肝癌診療
の拠点病院でもあり数多い肝疾患診療を行っている。ウイルス性肝疾患に対するインターフェロン・
核酸アナログ製剤を用いた治療や、原発性肝癌に対する局所治療(ラジオ波、PEIT)を積
極的に行っている。また、週1回外科・放射線科と消化器合同カンファレンスを行い、詳細な検
討のもと治療方針を決定している。
2 成果
平成22年度
平成23年度
平成24年度
上部消化管内視鏡
2545
2706
2759
下部消化管内視鏡(消化器内科・外科)
1371
1400
1470
超音波内視鏡
111
160
153
内視鏡的粘膜下層剥離術(胃・食道)
63
72
69
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(診断・治療)
153
274
256
内視鏡的食道静脈瘤硬化療法
61
37
22
内視鏡的食道静脈瘤結紮術
20
22
21
腹部超音波検査
3521
3543
3189
ラジオ波熱凝固療法
39
56
37
経皮的エタノール注入療法
9
8
12
肝生検
45
49
49
PEG
40
41
34
緊急内視鏡(上部/ERCP)
254(200)
237(157)
284(159)
小腸ファイバー(シングルバルーン)
―
4
14
病床利用率 96.3%(42床)
、平均在院日数 13.86日、
紹介率 59.4%、逆紹介率 99.0%
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
菊池 英亮
副院長
昭56
日本内科学会認定医、評議員、日本消化器病学会専門医・指導医、本部評議員、
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本肝臓学会専門医、専門医、指導医、
西部会評議員、糖尿病療養指導医、臨床研修医指導者講習会受講済
中谷 敏也
部長
昭62
消化管の内視鏡治療、
日本内科学会認定医、日本消化器病学会専門医・指導医、
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本肝臓学会専門医、糖尿病療養指導医、超 音 波 ガ イ ド 下 肝 腫 瘍 治 療、
消化器疾患
臨床研修医指導者講習会受講済、日本がん治療暫定教育医
所属学会・資格等
専門領域
消化器疾患、肝疾患
90
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6 業績 (1)
診療部 ③消化器内科
松尾 英城
医長
平8
永松 晋作
医長
平14
日本内科学会認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、
日本肝臓学会
胃癌の内視鏡治療、
消化器疾患、消化器内視鏡
日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医、消化器病学会専門医、
日本肝臓学会
消化器疾患、
消化管の内視鏡治療
下里 直隆
医員
平14
日本内科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会
消化器疾患 消化器内視鏡
澤田 保彦
医員
平19
日本内科学会認定医、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会
消化器疾患、消化器内視鏡
才川 宗一郎
医員
平19
日本内科学会認定医、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会
消化器疾患、
消化管の内視鏡治療
藤永 幸久
医員
平21
救命救急センター兼任、日本内科学会認定内科医
消化器内科
4 業績
【論文】
原著
1)神戸大輔、中谷敏也、関 建一郎、才川宗一郎、澤田保彦、佐藤芳樹、永松晋作、松
尾英城、菊池英亮:ヘリコバクターピロリ除菌の現況 ~一次除菌から三次除菌まで~。
県奈病医誌 16: 16-20、2012
症例報告
1)井筒伸之、中谷敏也、関 建一郎、澤田保彦、神戸大介、永松晋作、橋本耕二、松尾
英城、菊池英亮、佐藤芳樹:ソラフェニブが奏功した進行肝細胞癌の 1 例。県奈病
医誌 16: 79-82、2012
【発表】
講演
1)菊池英亮:生活習慣と肝臓病~肝臓を守るために気をつけること~。平成 24 年度日
本肝臓学会近畿地区市民公開講座 (奈良)
2)中谷敏也:これだけは知っておきたい!スポーツの備えとアフターケア。
「スポーツ
に役立つ食事の話」
。県立奈良病院 県民公開講座(奈良)
3)中谷敏也:C 型肝炎における病態と診断 ―最新のトピックスを含めて―。ウイルス
肝炎治療連携セミナー(奈良)
4)中谷敏也:当科におけるシダグリプチンの使用経験。生活習慣病と肝臓フォーラム(大
和郡山)
シンポジウム・ほか
1)松尾英城・ほか:胃角部病変に対する ESD における基本方針。第 89 回日本消化器
内視鏡学会近畿支部例会ビデオワークショップ(大阪)
一般演題
1)Sawada Y、et al: Comparative study of sorafenib and hepatic arterial infusion
chemotherapy for far-advanced hepatocellular carcinoma. The 22nd Conference of
the Asian Pacific Association for the Study of the Liver (APASL2012) (Taipei、
Taiwan)
2)中島拓紀・ほか:ソラフェニブ投与開始 1 年 1 ヶ月後に間質性肺炎を来した肝細胞
癌の一例。第 109 回日本内科学会総会サテライトシンポジウム(京都)
91
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6 業績 (1)
診療部 ③消化器内科
3)澤田保彦・ほか:進行肝細胞癌に対するソラフェニブの治療成績。第 98 回日本消化
器病学会総会(東京)
4)松尾英城・ほか:胃 ESD 術前生検 Group 3 症例における内視鏡診断に関する検討。
第 84 回日本消化器内視鏡学会総会(2012JDDW)
(神戸)
5)澤田保彦・ほか:進行肝細胞癌に対する動注化学療法・ソラフェニブの前治療とし
ての TACE の影響。第 55 回日本消化器病学会大会(2012JDDW)
(神戸)
6)飯田実加・ほか:Billroth- Ⅱ法再建後の総胆管結石症に対し大口径バルーンを用いて
一期的に載石しえた一例。第 88 回日本消化器内視鏡学会近畿地方会(大阪)
7)神戸大介・ほか:内視鏡で経時的変化を観察し得た食道結核の 1 例。第 89 回日本消
化器内視鏡学会近畿支部例会(大阪)
8)澤田保彦・ほか:イレウス症状で発症し内視鏡下で除去しえた大腸アニサキス症の 1
例。第 89 回日本消化器内視鏡学会近畿支部例会(大阪)
9)神戸大介・ほか:脾梗塞を合併した伝染性単核球症の 1 例。第 96 回日本消化器病学
会近畿支部例会(大阪)
10)神戸大介・ほか:肝転移をきたした胃肝様腺癌の 1 剖検例。第 97 回日本消化器病学
会近畿支部例会(京都)
5 その他
当科は消化器救急疾患とともに癌診療(診断・治療)にも取り組んでおり、外科、放
射線科とも定期的にカンファレンスを行いながら、肝癌、胃癌、胆道癌、膵癌、食道癌
などに対し積極的に取り組んでいる。近隣医療機関からの紹介も多く、できる限り対応
できるよう努めている。
肝癌に対するラジオ波熱凝固療法
早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術
胆道癌に対する内視鏡的胆道ドレナージ術
92
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6 業績 (1)
診療部 ④腫瘍内科
④ 腫瘍内科
「新入院患者数」、
「平均在院日数」、
「紹介率・逆紹介率」、
「救急患者・救急入院患者」
は、
呼吸器内科に含む。
93
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13.12.17 4:56:25 PM
6 業績 (1)
診療部 ④腫瘍内科
1 取り組み
がん治療において、内科、外科、放射線治療科などが連携して治療を行うことが非常に重
要になる。腫瘍内科では、肺癌をはじめとする呼吸器悪性腫瘍の化学療法(抗がん剤治療)
を専門にしているが、各科と連携してあらゆるがん治療の窓口としての役割を果たしている。
患者さんの生活の質を維持しながら治療を継続できるように、通院がん治療を進めており、各
科の医師、看護師、薬剤師と協力して外来化学療法室を運営している。
治療の早期から症状緩和治療を行うことが、がん治療を進めるうえで重要であることがわかって
きた。当院では、認定看護師、専従医師によるがんサポートチームを通じてがん患者さんの症
状緩和ケア、精神的サポートなど行っている。
2 成果
●外来治療室での化学療法件数
平成18年度
165件
平成19年度
522件
平成20年度
721件
平成21年度
1,087件
平成22年度
1,490件
平成23年度
1,851件
平成24年度
2,082件
●腫瘍内科での難治性悪性腫瘍(肺癌を除く)の治療(平成23-24年度)
・悪性リンパ腫
:3例
・軟部肉腫
:1例
・乳癌
:1例
・悪性胸膜中皮腫 :4例
・悪性褐色細胞腫 :1例
外来日:毎週金曜日
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
小林 真也
役職
医長
医師資格
取得年
平9
所属学会・資格等
専門領域
肺癌の科学療法、
総合内科専門医、日本呼吸器学会専門医、日本呼吸器内視鏡学会専門医、指導医、
悪性腫瘍の科学療法、
日本プライマリケア学会専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定
緩和治療
4 業績
【論文】
94
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6 業績 (1)
診療部 ④腫瘍内科
症例報告
1)長 敬翁、大屋貴広、藤岡伸啓、伊藤武文、小林真也、杉村裕子、竹澤祐一、関川 進 :
末梢気管支結石の 1 例。県奈病医誌 16: 45-47、2012
2)切畑屋友希、伊藤武文。藤岡伸啓、長 敬翁、小林真也、藤原清宏、杉村裕子、竹澤
祐一、吉本 宗平、田村 緑 : 右中葉に浸潤影を認めた気管支肺結核の 1 例。県奈病医
誌 16: 69-71、2012
3)藤原清宏、小林真也、藤岡伸啓、長 敬翁、伊藤武文、杉村裕子、竹澤祐一:ウロキナー
ゼによる胸腔内洗浄が有効であったパーキンソン病を有する高齢女性膿胸の 1 例。
呼吸 31: 464-465、2012
4)藤原清宏、藤岡伸啓、寺本佳奈子、伊藤武文、小林真也、杉村裕子、竹澤祐一、菊
井正紀:リウマチ患者へのブシラミン投与によって発生した薬剤性肺炎の 1 例。呼
吸 31: 752-753、2012
5)藤原清宏、小林真也、藤岡伸啓、寺本佳奈子、伊藤武文、杉村裕子、竹澤祐一、宮坂俊
輝、菊井正紀:ゲフィチニブによる治療中に骨シンチグラム上フレア現象がみられた
肺癌の 1 例。癌の臨床 58: 89-94、2012
95
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6 業績 (1)
診療部 ⑤神経内科
⑤ 神経内科
96
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6 業績 (1)
診療部 ⑤神経内科
1 奈良県脳卒中地域連携パスの運用開始1年
奈良県奈良保健医療圏(奈良市)の神経内科を標榜
する病院は、いずれも常勤医数が3人以下であり、限られ
た時間とマンパワーの中で、効率よくかつ質の高い医療を
行うことが求められている。中でも平成17年にtPA治療が
開始されて以来、脳卒中診療に対する負担が増加してお
り、
常勤医2人の当院では対応が十分にできないことも多い。
また脳卒中治療は急性期治療のみでなく、リハビリおよび
予防と長期にわたるため、それぞれの医療機関が専門性
の高い医療を行うために、患者を有効に振り分けるしくみが重要である。
その取組みの一つとして、平成24年2月に奈良県脳卒中地域連携パスの北和地区での運用
が開始された。パスには連携病院が必要な最低限の情報のみが盛り込まれており、非常に簡便
な内容となっている。当院では電子カルテ上で入力・管理を行い省力化している。
このパスの運用により、脳卒中患者の転院までの期間が2.5日短縮し、特に自力歩行が不能
の重症患者(mRS 4,5)では4.8日の在院日数の短縮が得られた(図 1)
。その結果、脳血管
障害患者の受け入れが20%以上増加した。
2 認知症の地域連携
ここ数年で認知症治療薬の認可が相次ぎ、認知症患者の治療機会増加が際立っている。
特に脳血流SPECTは認知症診断に威力を発揮するため、RI設備を持つ施設へ患者が集中し
ている。そこで、懸案であった認知症医療の地域連携を開始すべく、奈良市認知症ネットワー
クの会を立ち上げた。今後、病診連携を中心に、情報の共有と質の高い認知症医療の実践を
目標に、パスの作成に取り組んでいく。
3 病診連携の推進
当院神経内科外来における新患の推移はここ数年徐々に増加傾向であり、今後も高齢化によ
り、増加の一途をたどるものと思われる。増え続ける外来患者に対応するため病診連携を推進
することが急務で、診断確定後はいくつかの診療所に依頼して、治療を委託できるようなシステ
ムの構築が急がれる。
疾患別には、例えばジストニアにおけるボツリヌス治療や、筋ジストロフィー、難治性てんかん
のように専門性の高い疾患に関しては、専門病院に診療を依頼している。また、外来で診断が
確定できない患者に対し、入院精査を行うことは限られた時間内では困難であり、大学病院など
に依頼しているケースが多い。ALS治療ガイドラインに示されるように、当院では神経難病患者
の診断にセカンドオピニオンを利用することを積極的に推進している。
当院神経内科における入院診療の特徴は、ほとんどが緊急入院であり急性疾患が多いこと
があげられる。平成24年度の入院患者の内訳を表1に示した。地域の基幹病院として、脳卒
97
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6 業績 (1)
診療部 ⑤神経内科
中や神経感染症などを中心に、急性期患者の受け入れを行ってい
る。しかし実際には、外来中にtPA適応患者や重症患者の受け入
れには困難があり、勤務時間内の救急に対しては、救急科(ER)
と連携し初期対応していただくことで、多くの救急患者を受け入れら
れるようになった。
また、神経感染症や重症脳卒中患者の全身管理を一般病棟で
行うことには限界があり、重症度が高い場合は、救急救命センター
に共観していただき、ICUにて全身管理を行っている。平成24年度
も多くの患者をICUに受け入れていただき良好な転帰を得ることができた。
4 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
川原 誠
部長
平4
池田 真徳
医員
平17
所属学会・資格等
専門領域
日本神経学会指導医、日本内科学会認定医
神経内科全般、末梢神経疾患
日本神経学会
臨床神経内科学、
神経免疫疾患
5 業績
【論文】
症例報告
1)関谷智子、菊井祥二、澤 信宏、山崎全啓、川原 誠:可逆性脳梁膨大部病変を有
する急性脳症の 1 例。県奈病医誌 16: 86-88、2012
【発表】
講演
1)川原 誠:こうして防ぐ脳卒中。第 7 回脳卒中市民講座(奈良)
2)川原 誠:神経内科の地域医療連携への取り組み。県立奈良病院神経疾患病診・病
病連携の会(奈良)
一般演題
1)Eura N. etal:Neuroradiological evaluation of dysphagia as a manifestation of
dermatomyositis.The 11th Annual Scientific meeting of the Asian and Oceanian
Myology center (Kyoto, Japan)
2)江浦信之・ほか:低体温を呈したパーキンソン病の 2 例。日本神経学会第 96 回近畿
地方会(大阪)
3)江畠良悟・ほか:左右いずれの頭部回旋によっても対側の椎骨動脈圧迫を来す若年
性脳梗塞の一例。日本神経学会第 96 回近畿地方会(大阪)
4)江浦信之・ほか:一側上肢の筋力低下と morphea profunda を呈した炎症性ミオパチー
の一例。奈良神経内科セミナー(奈良)
98
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6 業績 (1)
診療部 ⑤神経内科
5)川原 誠:hypoglycemic hemiparesis の 1 例。NARA Acute Stroke Academy 2012
6 その他
①筋電図検査の充実
平成 23 年 11 月に新しいニューロパックを購入し、電気生理検査が当院で迅速かつ詳
細に行えるようになった。毎週 3、4 人のペースで検査を行っており、今後経頭蓋磁気刺
激装置も導入予定である。
②難病患者の在宅療養支援
神経難病患者の在宅療養で重要なことは、訪問診療・看護やリハビリ・介護などとの
情報共有であり、在宅療養にかかわるすべての方に呼びかけて随時カンファレンスを行っ
ている。しかし、在宅療養中に入院が必要になった時には、地域の協力病院で対応して
いただいていることも少なくない。実際には神経難病の在宅医療の大部分が、専門病院
以外の病院やかかりつけ医の自発的かつ積極的な介入により支えられているのが現状で
ある。
③神経診断学の教育
平成 24 年度は、ほぼ 1 年を通して初期研修医のローテートがあり、精力的に活躍して
いただいた。毎週月曜日の早朝に脳神経外科と分担して、初期研修医向けに脳卒中の講
義を行った。初期研修医のローテートは短いため、目標が漠然としていると無駄な時間
を過ごしかねない。そこで神経診断学の習得と、頭痛やめまいなどの初期対応の習熟に
目標をしぼり、初期研修教育を行っている。
99
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6 業績 (1)
診療部 ⑥精神科
⑥ 精神科
100
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6 業績 (1)
診療部 ⑥精神科
1 取り組み
奈良県立奈良病院精神科は平成23年4月に新たに開設され、丸2年が経過した。その中で、
総合病院精神科(現在は無床)としての特徴を生かした医療を行ってゆくために、以下のような
目標を設定し、対応をしてきた。
(1)入院患者のメンタル面の諸問題に対してのコンサルテーションリエゾン精神医療
(2)精神障害を有する患者さんの身体合併症に対して、身体科と協力しながらの精神科医療
の提供
(3)紹介患者さんを中心とした、外来医療の充実
(4)がん診療拠点病院としての緩和ケア医療への精神科的対応
(5)地域との病々・病診連携医療の活性化
(6)地域精神医療への貢献
(7)当院職員のメンタルヘルスへの対応
2 成果
上記の取り組みに沿って成果を報告する。
(1)無床精神科なので、コンサルテーションリエゾン精神医療が医療活動の中心となる。臨床
統計には示されていないが、入院患者の精神科依頼は着実に増加しており、総合病院精
神科として、院内における一定の認識がなされてきていると思われる。がん拠点病院の身
体科からの依頼なので、せん妄が相変わらず多いが、身体病に伴う不安障害や気分障害
の症例数も増えてきており、総合病院精神科としてあるべき役割が果たせてきていると考え
られる。
(2)救命救急センターからの自殺企図患者の依頼が一定数みられ、他院精神科通院中の患
者や、まったく未受診の患者がおり、身体科的および精神科的病状に応じて、退院後の当
科的フォローや、奈良県立医大精神科への転院紹介および単科精神病院への転院紹介
を精神科がある面イニシアチブをとって対応を行ってきた。また、精神疾患のある患者の身
体科入院の場合は、精神病圏の場合の多くは共観で対応をしている。そして、他院精神
科通院中妊婦の出産に関しても、産科と協力しながら、時に当科外来でも外来フォローしな
がら、出産まで関わるケースもみられた。
(3)外来患者数は、着実に増加している。紹介については、開業医からの外来紹介患者が
一定数みられるも、精神科クリニックからの紹介は、当院が無床ということでさほど多いとは
言えない。多くは公務員の休職のための公立病院からの診断書依頼であり、雑務的なもの
ではあるが一定の貢献をしていると考える。むしろ、一般科クリニックや病院からの紹介が
一定数みられ、これは多くの精神科クリニック初診の予約期間が長期であることことも関係し
ていると思われる。時に重症のうつ病や認知症が紹介され、当科を介して入院紹介するこ
ともあった。また、精神症状の原因が身体病である場合も時折あり、当科でトリアージュをし、
院内紹介するケースも認められた。
101
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6 業績 (1)
診療部 ⑥精神科
(4)前年度同様、緩和ケアチームの一員として、院内緩和ケア医療に関わってきた。直接、
患者さんと関わる場合やカンファレンスで当科的対応を指示するなどで間接的に関わる場合
もあった。また、
奈良県における緩和ケア研修会
(まほろばPIECE)
の精神科ファシリテーター
としても、前年度同様積極的に関わっている。加えて、奈良県サイコオンコロジー研究会
が発足し、その世話人としても活動を行っている。
(5)地域医療連携の活性化としては、院内の病診連携活動への協力に加え、様々な院外研
修会への講師や座長、発起人など年間に10回以上参加し、地域の医療従事者との関係
を築いている。また、奈良県医師会の精神科医療部門の委員としての活動も行っている。
(6)地域精神医療については、上記Eの活性化に加え、奈良県労働局の精神科領域の労災
認定医委員としての活動を新たに行っており、その活動頻度は非常に増加してきている。
(7)当院職員のメンタルヘルス活動については、引き続き奈良県の産業医として認定をされた上
で、非定期ではあるがメンタルヘルス相談を行っている。実際の相談業務から医療が必要
な場合は、色々な考え方はあるが、多くは主治医として関わり、治療を行い改善の後、産
業医としての立場から管理職と相談をしながら復職をすすめており、殆どのケースが復職と
なっている。
以上、取り組みに沿って、成果について述べた。
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
所属学会・資格等
上村 秀樹
部長
昭59
精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医・指導医、
日本総合病院精神医学会、緩和ケア医療学会、緩和ケア研修会精神腫瘍指導医、
産業医
岡村 和哉
医員
平22
日本精神神経学会
専門領域
精神科一般
精神科一般
4 業績
【論文】
原著
1)上村秀樹:身体合併症を精神科医はどこまで診るべきか - MPU (medical psychiatry
unit ) での経験から-。精神科 21: 1-6、2012
2)上村秀樹:病院における医療職のメンタルヘルス。県奈病医誌 17:1-3、2013
【発表】
一般演題
1)木村 豪・ほか:奈良県立奈良病院における精神科開設後の患者実態調査と今後の展
望。第 108 回日本精神神経学会学術総会(札幌)
2)盛本 翼・ほか:奈良県立医科大学精神医療センターにおける精神科救急・合併症入
院料病棟の実態調査。第 20 回日本精神科救急学会学術総会(奈良)
3)上村秀樹・ほか:三次救命救急センターにおける精神科医療の実態。第 25 回日本総
102
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6 業績 (1)
診療部 ⑥精神科
合病院精神医学会総会(東京)
5 その他
新病院での精神科有床化に向けて、着実に実績を重ねて行きたいと考えている。
103
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6 業績 (1)
診療部 ⑦外科
⑦ 外科
104
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6 業績 (1)
診療部 ⑦外科
1 取り組み
外科一般、消化器外科的疾患のすべてを対象に診療しており、最高レベルの外科治療を行
いつつ、
「患者様に優しくわかりやすい医療」を目指して日々の診療を行っている。上部消化管(食
道、胃)、下部消化管(大腸)、肝胆膵疾患の各領域に専門の指導医を擁している。
基幹病院として、腹部内臓悪性腫瘍に対する手術件数が著明に増加している。また、低侵
襲外科治療として腹腔鏡下手術を積極的に採用し、これまでの胆嚢、胃、大腸など腹腔鏡下
手術に加え肝切除にも腹腔鏡下手術を導入し、この分野では県内をリードしている。また腹腔
鏡下膵切除も導入している。これらの高難度の外科手術を行うとともに、そけいヘルニア、肛門
疾患、胆石症といったポピュラーな疾患に対する手術も行い、虫垂炎、腹膜炎、腸閉塞などの
緊急手術にも積極的に対応して奈良県北部の外科疾患に対する最後の砦としての責務を果た
すべく診療にあたっている。
多くの悪性腫瘍患者の診療を担っており、外科治療とともに、抗癌剤による治療や、胆癌患
者に対する緩和医療も行っている。
大腸内視鏡検査も担当しており、内視鏡的ポリープ切除術、ESDも積極的に行っている。腹
部エコー、乳腺エコーも担当している。
2 成果
平成24年度の手術件数は655件に達し、年々増加し続けている。低侵襲治療である腹腔鏡
下手術を積極的に導入してきたのが当院外科の特徴であり、腹腔鏡下胃切除、腹腔鏡下大腸
切除はすでに胃癌、大腸癌に対する標準術式となっている。また、高難度手術である腹腔鏡
下肝切除は、当院が平成23年度より、奈良県内で初の実施可能施設として厚生労働省より認
可され、平成24年末までの施行件数は40件に達している。また、前年度まで先進医療であった
腹腔鏡下膵切除も導入し、非常に良好な手術成績となっている。従来の日本外科学会、日本
消化器外科学会、日本乳癌学会、日本大腸肛門病学会等の修練施設に加え、平成23年度より、
県内で2施設のみである日本肝胆膵外科学会高度技能専門医修練施設に認定されている。平
成24年の1年間における肝切除件数は65例、膵切除件数は44件に増加しており、有数のhigh
volume centerとなっている。
105
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6 業績 (1)
診療部 ⑦外科
106
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6 業績 (1)
診療部 ⑦外科
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
渡辺 明彦
集学的がん治
療センター長
昭55
日本外科学会指導医・専門医、日本消化器外科学会指導医・専門医、
日本がん治療認定医機構暫定教育医、奈良県立医科大学非常勤講師・臨床教授
一般外科、
消化器外科(食道・胃外科)
高 済峯
部長
昭62
日本肝胆膵外科学会高度技能者指導医・評議員、日本外科学会指導医・専門医、
日本消化器外科学会指導医・専門医、日本消化器病学会専門医、
消化器がん外科治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医・認定医
日本移植学会移植認定医
消化器外科(肝・胆・膵外科、
内視鏡、外科、脾・門脈外科、
肝移植)
石川 博文
中央手術
部長
昭61
一般外科、
日本外科学会指導医・専門医、日本消化器外科学会指導医・専門医、
日本がん治療認定医機構暫定教育医・認定医、日本大腸肛門病学会指導医・専門医、消 化 器 外 科( 大 腸 肛 門 外 科、
内視鏡外科)
日本消化器内視鏡学会指導医・専門医
松坂 正訓
医長
平1
救命救急センター兼任、日本救急医学会専門医、日本DMAT隊員、
臨床研修医指導医、JPTECインストラクター、ACLSインストラクター
向川 智英
医長
平2
日本外科学会指導医・専門医、日本消化器外科学会指導医・専門医、
消化器外科、腸骨盤外科(特
日本消化器病学会指導医・専門医、日本がん治療認定医機構暫定教育医・認定医、
に腹腔鏡下大腸手術、転移再
日本大腸肛門病学会指導医・専門医・評議員、
発癌の手術と化学療法)
日本消化器内視鏡学会指導医・専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医
中村 広太
医員
平21
日本外科学会、日本消化器外科学会
消化器外科全般
辻 泰子
医員
平22
日本外科学会、日本消化器外科学会
消化器外科全般
所属学会・資格等
専門領域
救急医学
4 業績
【論文】
総説
1)石川博文:内痔核治療の変遷と英国 St. Mark’s 病院(I)
。臨床肛門病学 3: 59-63、
2012
2)石川博文:内痔核治療の変遷と英国 St. Mark’s 病院(II)
。臨床肛門病学 4: 6-12、
2012
3)石川博文:内痔核治療の変遷と英国 St. Mark’s 病院(III)
。臨床肛門病学 4: 74-80、
2012
4)高 済峯:肝移植。県奈病医誌 17:4–8、2013
原著
1)西和田 敏、渡辺明彦、吉川高宏、石岡興平、向川智英、高 済峯、石川博文、松阪正訓:
早期胃癌に対する腹腔鏡補助下幽門側胃切除術の検討。県奈病医誌 16: 21-26、2012
2)石川博文、渡辺明彦、高 済峯、向川智英、西和田 敏、石岡興平、吉川高宏、平野仁嗣、
井谷嘉男、三馬省二、下村俊行、中西敬介、関川 進、宮内義純:骨盤内悪性腫瘍の
局所再発に対する仙骨合併切除症例の経験。県奈病医誌 16: 27-31、2012
3)向川智英、渡辺明彦、吉川高宏、石岡興平、西和田 敏、高 済峯、石川博文:腸管悪
性リンパ腫に対する外科的切除例の検討。県奈病医誌 16: 35-39、2012
4)西和田 敏、高 済峯、石岡興平、向川智英、石川博文、中谷敏也、菊池英亮、渡辺明彦:
大腸癌肝転移に対する肝切除とラジオ波焼灼療法の局所制御能の比較。日臨外会誌
73: 2163-2170、2012
5)西和田 敏、西口由希子、中谷充宏、向川智英、石川博文、松阪正訓:原発性十二
107
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6 業績 (1)
診療部 ⑦外科
指腸癌の切除例の検討 奈病医誌 17:34-38、2013
6)中谷充宏、高 済峯、西口由希子、向川智英、石川博文、渡辺明彦、松阪正訓:膵頭
十二指腸切除後の周術期成績:特に膵腸吻合関連合併症について。県奈病医誌 17:3438、2013
症例報告
1)西和田 敏、渡辺明彦、向川智英、小林真也、高 済峯:S-1 投与により術後 8 年の長
期生存が得られている胃癌同時性 Virchow 転移の 1 例。日外連会誌 37: 64-69、2012
2)吉川高宏、石川博文、石岡興平、西和田 敏、向川智英、高 済峯、渡辺明彦:大腸癌
肝転移との鑑別に難渋した peliosis hepatis の 1 例。県奈病医誌 16: 52-54、2012
3)石岡興平、高 済峯、吉川高宏、西和田 敏、向川智英、石川博文、渡辺明彦:術中胆
道内視鏡を用いて膵内胆管の切離ラインを決定した先天性胆道拡張症の 1 手術例。
県奈病医誌 16: 55-57、2012
4)石川博文、渡辺明彦、高 済峯、向川智英、西和田 敏、石岡興平、吉川高宏、多田英之、
飯田秀之、天内陽子:術前放射線化学療法後の腹会陰式直腸切断術に生じた難治性
会陰部し開に対し両側薄筋筋皮弁の充填により治癒しえた 1 例。県奈病医誌 16:
62-65、2012
5)辻 泰子、高 済峯、石川博文、向川智英、井上 隆、西和田 敏、国重智裕、渡辺明彦:
重症壊死性膵炎をきたした膵管内乳頭粘液腫瘍に対する膵島十二指腸切除の 1 例。
県奈病医誌 16: 75-78、2012
6)藤岡伸啓、向川智英、国重智裕、西和田 敏、高 済峯、石川博文、渡辺明彦:腸閉塞
をきたした小腸アニサキス症の 1 例。奈良医誌 63: 37-42、2012
7)西和田 敏、高 済峯、向川智英、渡辺明彦:腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した Splenic
marginal zone lymphoma の 1 例。日外連会誌 37: 320-325、2012
8)西和田 敏、高 済峯、吉川高宏、石岡興平、向川智英、石川博文、井上正義、中川裕之、
渡辺明彦:巨大門脈大循環シャントによる猪瀬型肝性脳症に対し外科的シャント閉
鎖を行った 1 例。日消外会誌 45: 607-614、2012
9)中川顕志、石川博文、大山孝雄、渡辺明彦:systemic lupus erythematosus の経過中
に S 状結腸 - 空腸・膀胱・皮膚瘻を形成し治療に難渋した 1 例。日消外会誌 45: 686696、2012
10)向川智英、井上 隆、西和田 敏、高 済峯、渡辺明彦:腹腔鏡下回盲部切除術を施行
した虫垂粘液嚢腫の 3 例。日外連会誌 37: 984-989、2012
11)井上 隆、高 済峯、向川智英、西和田 敏、渡辺明彦:巨脾を呈した遺伝性球状赤血
球症に対する腹腔鏡下脾臓摘出術の1例。日外連会誌 37: 1029-1034、2012
井上 隆、高 済峯、向川智英、西和田 敏、渡辺明彦:腸重積を呈した上行結腸 GIST
の 1 例。日外連会誌 37: 1130-1135、2012
12)長井美奈子、高 済峯、小林豊樹、中村 卓、榎本泰典、中島祥介:乳癌肝転移切除後
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6 業績 (1)
診療部 ⑦外科
の残肝再発に対し再肝切除が有効であった 1 例。日臨外会誌 73: 3235-3238、2012
13)西口由希子、石川博文、渡辺明彦、高 済峯、向川智英、中谷充宏、森岡佐知子、豊
田進司、喜多恒和、堀川典子、井上正義、中川裕之:子宮頸癌放射線化学療法後に
横行結腸放射線性腸炎に対し横行結腸部分切除を施行した1例。奈病医誌 17:45-48、
2013
【発表】
講演
1)渡辺明彦:地域におけるがん治療とパスの活用について。第 1 回県立奈良病院登録
医の集い(奈良)
2)渡辺明彦:消化器癌に対する術後補助化学療法。第 24 回病診・病病連携医療講座(奈
良
シンポジウム・ほか
1)高 済峯・ほか:心嚢膜部の横隔膜浸潤をきたした肝門部胆管癌切除後残肝再発に対
する肝切除。第 24 回日本肝胆膵外科学会(大阪)
一般演題
1)高 済峯・ほか:当院における血管合併切除を伴う肝切除の手術手技。第 40 回近畿肝
臓外科研究会(大阪)
2)石川博文・ほか:Perineural cyst の 1 例。第 55 回奈良県大腸疾患勉強会(奈良)
3)石川博文・ほか:横行結腸放射線腸炎の一切除例。第 55 回奈良県大腸疾患勉強会(奈
良
4)吉川高宏・ほか:肝細胞癌と胃 GIST の併存例に対し腹腔鏡下肝・胃同時切除術を施
行した 1 例。第 18 回奈良県内視鏡下手術研究会(奈良)
5)石岡興平・ほか:当院における完全腹腔鏡下肝切除術症例の検討。第 18 回奈良県内
視鏡下手術研究会(奈良)
6)向川智英・ほか:横行結腸癌に対する腹腔鏡下大腸手術の検討。第 18 回奈良県内視
鏡下手術研究会(奈良)
7)飯田実加・ほか:壊死性筋膜炎による重症敗血症から高度の意識障害をきたして救急
搬送された患者の 1 救命例。第 21 回奈良救急医療懇話会(奈良)
8)吉川高宏・ほか:外傷性十二指腸水平脚損傷の 1 例。第 45 回奈良外科学会学術大会(橿
原)
9)石岡興平・ほか:左前腕切創縫合後の迷走神経反射を誘因とした非閉塞性腸間膜虚
血症の 1 例。第 191 回近畿外科学会(大阪)
10)西和田 敏・ほか:外性器合併切除、骨盤内蔵全摘術を施行した局所進行痔瘻癌の 1 例。
第 191 回近畿外科学会(大阪)
11)吉川高宏・ほか:異時性同時性に発症した 3 臓器 7 多重癌の 1 例。第 191 回近畿外
科学会(大阪)
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6 業績 (1)
診療部 ⑦外科
12)辻 泰子・ほか:肝門部胆管癌と胃癌の重複癌の 1 例。第 191 回近畿外科学会(大阪)
13)高 済峯・ほか:完全腹腔鏡下肝切除における肝実質切離。第 24 回日本肝胆膵外科学
会(大阪)
14)吉川高宏・ほか:肝癌診療における腹腔鏡下手術の役割。第 34 回奈良県肝胆膵研究
会(奈良)
15)向川智英・ほか:初期病変としてリンパ濾胞増殖症の像を呈した潰瘍性大腸炎の 1 例。
第 57 回奈良県消化器内視鏡研究会(奈良)
16)高 済峯・ほか:大型肝癌切除における注意点と工夫。第 67 回日本消化器外科学会総
会(富山)
17)石岡興平・ほか:進行膵体部癌に対する腹腔動脈合併膵切除(DP-CAR)の周術期合
併症と短期成績。第 67 回日本消化器外科学会総会(富山)
18)向川智英・ほか:腹腔鏡下大腸切除術における臍窩切開の検討。第 67 回日本消化器
外科学会総会(富山)
19)西和田 敏・ほか:胃原発 Gastrointestinal stromal tumor の術後再発危険因子に関す
る検討。第 67 回日本消化器外科学会総会(富山)
20)中谷充宏・ほか:経過中に肝被膜浸潤による肝膿瘍を併発し緊急手術を施行した進
行胃癌の 1 例。第 67 回日本消化器外科学会総会(富山)
21)西口由希子・ほか:後腹膜線維症併存直腸癌に対して腹腔鏡下手術を施行した 1 例。
第 25 回近畿内視鏡外科研究会(大阪)
22)高 済峯・ほか:下腸間膜静脈パッチグラフトを用いた肝静脈再建の手術手技。第 10
回日本消化器外科学会大会(神戸)
23)西和田 敏・ほか:Trastuzumab と S-1 を中心とした化学療法が著効した腹膜転移を
伴う AFP 産生胃癌の 1 例。第 10 回日本消化器外科学会大会(神戸)
24)西和田 敏・ほか:大腿、閉鎖孔ヘルニア症例の検討。第 7 回関西ヘルニア研究会(大
阪)
25)向川智英・ほか:腹腔鏡下直腸切除術における視野展開の工夫。第 67 回日本大腸肛
門病学会学術集会(福岡)
26)石川博文・ほか:3 度目の再発に総腸骨動脈人工血管置換術を施行し長期生存を得た
S 状結腸癌の一例。第 67 回日本大腸肛門病学会学術集会(福岡)
27)西口由希子・ほか:横行結腸放射線腸炎に対し出血コントロール目的に手術加療を
施行した 1 例。第 192 回近畿外科学会(大阪)
28)松阪正訓・ほか:急性虫垂炎が契機となり発症したと考えられる、大網脂肪織炎の
一症例。第 192 回近畿外科学会(大阪)
29)西岡歩美・ほか:鼠径部膀胱ヘルニアに対する Kugel 法による修復の手術手技動画。
第 192 回近畿外科学会(大阪)
30)中谷充宏・ほか:浸潤型 IPNB の 1 切除例。第 192 回近畿外科学会(大阪)
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6 業績 (1)
診療部 ⑦外科
31)池田智恵子・ほか:術中膵管内視鏡が切除術式決定に有用であった混合型膵管内乳
頭粘液腫瘍の 1 例。第 192 回近畿外科学会(大阪)
32)吉川高宏・ほか:吊り上げ法を用いた単孔式腹腔鏡補助下虫垂切除術の導入について。
第 25 回日本内視鏡外科学会総会(横浜)
33)向川智英・ほか:同時性肝転移を伴う大腸癌に対して腹腔鏡下大腸切除と肝切除を
同時に施行した 3 例。第 25 回日本内視鏡外科学会総会(横浜)
34)向川智英・ほか:局所進行大腸癌症例。第 2 回癌集学的治療フォーラム(奈良)
5 その他
当科は進行悪性腫瘍に対する高難度手術を手がけるとともに、手術の低侵襲化にも取り組み、
胃切除、大腸切除、脾臓切除等に加え、肝切除、膵切除にも腹腔鏡下手術をいち早く導入し、
手技を確立している。来るべきロボット手術の時代に対応できる体制を整えている。また、麻酔
科の協力のもと、多数の腹部緊急手術に対応しており、今後も幅広く県民の健康と安全に寄与
するよう努める。
手術の様子
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6 業績 (1)
診療部 ⑧脳神経外科
⑧ 脳神経外科
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6 業績 (1)
診療部 ⑧脳神経外科
1 取り組み
当科は奈良県北和医療圏の神経外科治療の中核施設としてその役割を果たしている。
現在スタッフは常勤4名(脳神経外科学会専門医3名 日本脳卒中学会専門医3名)と非常勤
1名であり、日本脳神経外科学会専門医認定制度指定訓練施設、日本脳卒中学会認定研修
教育病院に認定されている。
取り扱い疾患は脳脊髄神経系の外科的疾患全般である。
当院には救命救急センターが併設されており脳卒中や頭部外傷の急性期救急医療について
は救命救急センターと連携して24時間365日体制で治療を行っている。
当科はくも膜下出血などの脳卒中の急性期治療のみならず未破裂脳動脈瘤や頸動脈狭窄症
などに対する予防的外科治療 脳腫瘍(良性・悪性)
機能的疾患(顔面痙攣・三叉神経痛)
脊椎末梢神経疾患などに対する外科治療などに力を注いでいる。
未破裂脳動脈瘤や頸動脈狭窄症などに対しては脳血管内治療専門医(放射線科)と連携
し適切な治療法を選択し患者さまに安全で低侵襲な治療を提供できるよう努めている。
2 成果
当科の2012年(1月-12月)の総手術件数は227件であった。
Major Surgery
脳腫瘍
66件
24件
脊髄腫瘍
0件
脳動脈瘤
40件
脳動静脈奇形
2件
Minor Surgery
161件
血行再建
22件
脳内出血
16件
脊椎疾患・奇形
外傷
4件
70件
機能的外科
1件
血管内手術
13件
水頭症
14件
その他
21件
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6 業績 (1)
診療部 ⑧脳神経外科
過去8年間の手術総数と内訳および脳神経外科医師総数(院長、
副院長除く)の推移を示す。
括弧内は本院および救命救急センターを合わせた脳神経外科医師の総数であり手術数は両施
設を合わせた総数である。
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
所属学会・資格等
専門領域
日本脳神経外科学会専門医・評議医員、日本脳卒中学会専門医・評議医員、
日本脈管学会専門医・評議医員、日本脳循環代謝学会評議医員、
日本脳神経超音波学会理事、日本脳卒中協会奈良支部副支部長
脳血管障害全般
川口 正一郎
院長
昭56
飯田 淳一
部長
平2
日本脳神経外科専門医・代議員、日本脳神経外科学会近畿支部評議委員
日本脳卒中学会専門医、日本脊髄外科学会
脳腫瘍の外科治療、
脳血管障害の外科治療、
脊髄外科
内山 佳知
医長
平7
日本脳神経外科専門医、日本脳卒中学会専門医
脳腫瘍、脳血管障害、
脊髄外科
小谷 有希子
医員
平22
日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会、日本小児神経外科学会
脳腫瘍、脳血管障害、
脊髄外科
4 業績
【論文】
著書
1)川口正一郎:眼動脈エコーの基本手順とコツ。超音波検査テクニック、メディカ出版、
大阪、pp55-59、2012
原著
1)Kawaguchi, S., Iida J, Uchiyama Y: Ocular circulation and chronic ocular ischemic
syndrome before and after carotid artery revascularization surgery. J Ophthalmol,
vol 2012, Article ID 350475, 6 pages, 2012. doi:10.1155/2012/350475
症例報告
1)川口正一郎、飯田淳一、内山佳知:3D-CTA 検査で再破裂を認めた超急性期破裂脳
動脈瘤の1例。県奈病医誌 17:49-52、2013
【発表】
114
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6 業績 (1)
診療部 ⑧脳神経外科
講演
1)飯田淳一:こうして治す“脳卒中”
。第 7 回脳卒中市民公開講座(奈良市)
一般演題
1)Kawaguchi S, et al: Relationship between the Ophthalmic Artery Flow and Clinical
Symptoms -Based on Data from Ophthalmic Artery Color Doppler Flow
Imaging-2011 AANS/CNS Cerebrovascular Section Meeting (New Orleans)
2)Kawaguchi S, et al: Effect of STA-MCA bypass for Chronic Ocular Ischemic
Syndrome due to the Internal Carotid Artery Occlusion. Asia Pacific Stroke
Conference 2012 (Tokyo)
3)Kawaguchi S, et al: Improvement of Ocular Circulation and Chronic Ocular Ischemia
after Carotid Artery Revascularization. The 2012 Congress of Neurological
Surgeons Annual Meeting(Chicago)
4)飯田淳一・ほか:破裂小型前交通動脈瘤に対するクリッピングの問題点。第 41 回日
本脳卒中の外科学会(福岡)
5)川口正一郎・ほか:もやもや病での眼動脈血流―血行動態と臨床経過からの観察―。
第 37 回日本脳卒中学会(福岡)
6)飯田淳一・ほか:脊髄係留を伴った成人発症腰部硬膜内脂肪腫の 1 手術例。第 27 回
日本脊髄外科学会(東京)
7)川口正一郎・ほか:内頸動脈狭窄症における眼循環―血行再建術前後の検討から―。
第 31 回日本神経超音波学会総会(埼玉)
8)川口正一郎・ほか:CEA、CAS の眼循環に対する効果。第 71 回日本脳神経外科学
会総会(大阪)
9)飯田淳一・ほか:中大脳動脈本幹上向き脳動脈瘤手術における問題点と回避法。第
71 回日本脳神経外科学会総会(大阪)
10)飯田淳一・ほか:Interhemispheric AVM の手術.最近経験した症例から学んだこと。
第 2 回 Kyoto Nara Friendship Conference on Neurosurgery(奈良)
11)飯田淳一・ほか:成人第四脳室腫瘍の 1 例。第 38 回奈良脳神経外科治療研究会(奈良)
5 今後の目標と取り組み
2011年7月より常勤3名体制になっていた。2013年1月より常勤4名体制となった。
未破裂脳動脈瘤や頸動脈狭窄症に対する脳卒中予防治療は現在も最も力を注いでいる分
野の一つである。これらの手術をより安全に行う為に2012年度は術中モニタリングの充実を計り
成果が得られた。今後は術中モニタリングを更に発展させ腫瘍外科等の分野にも積極的に応用
したい。神経内視鏡手術および脊椎脊髄外科手術数の増加を目指す。 今後救命救急センター
を中心とする脳卒中急性期治療とがん診療拠点病院としての脳腫瘍治療を更に充実させる必
要がある。これらを実現するためにはさらなるスタッフの増加は必須であるが救命救急センター神
経内科医、神経放射線医、腫瘍内科医と連携を強めた診療体制の構築が重要と考えている。
115
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6 業績 (1)
診療部 ⑨呼吸器外科
⑨ 呼吸器外科
116
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6 業績 (1)
診療部 ⑨呼吸器外科
1 取り組み
呼吸器外科の取り扱う主な疾患としては、①肺癌などの肺腫瘍②気胸や巨大肺嚢胞などの
嚢胞性肺疾患③膿胸や悪性胸膜中皮腫などの胸膜疾患④縦隔腫瘍や重症筋無力症などの
縦隔疾患である。上記の疾患に関し、呼吸器内科・腫瘍内科・放射線科と連携・協力し、診
断と治療にあたっている。特に、肺癌・悪性胸膜中皮腫などの悪性疾患に関しては、術前後
の化学療法および術後再発のため化学療法・放射線治療を必要とすることが多く、関連科での
専門医にての治療が可能である。
2 成果
当科の2012年の手術件数は、162例で、その内訳は原発性肺癌86例、転移性肺腫瘍7例、
気胸28例、巨大肺嚢胞2例、炎症性肺疾患9例、膿胸7例、縦隔腫瘍5例、生検・その他18例。
胸腔鏡下手術(補助下手術)は、術後疼痛の軽減や入院期間の短縮などの患者負担の観点か
ら、あらゆる手術に積極的に導入している。原発性肺癌86例中70例、転移性肺腫瘍7例中6例、
気胸28例中28例、縦隔腫瘍5例中3例に施行した。当科の手術件数の年次別推移は、2007
年146例、2008年144例、2009年175例、2010年167例、2011年179例、2012年162例と、年
間170例前後の手術を施行している。また、原発性肺癌の手術件数の年次別推移は、2007年
62例、2008年61例、2009年69例、2010年73例、2011年81例、2012年86例と増加傾向にある。
入院患者数の年次別推移は、2007年3631人、2008年3808人、2009年3846人、2010年
3736人、2011年3920人、2012年5026人と増加傾向にある。入院患者の75%は、手術患者で
あり、その他は、化学療法入院患者、悪性疾患の再発患者の治療入院である。化学療法は、
導入は入院にて行うが、以降は可能なかぎり外来化学療法としている。在院日数の年次別推
移は、2008年13.5日、2009年12日、2010年13.5日、2011年13.98日、2012年16.19日である。病
床利用率の年次推移は、2007年110%、2008年128%、2009年117%、2010年113%、2011
年119%、2012年153%と100%を超えている。
117
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6 業績 (1)
診療部 ⑨呼吸器外科
外来患者数の年次別推移は、2007年2816人、2008年3323人、2009年3648人、2010年
3846人、2011年4108人、2012年4563人と増加しているが、肺癌術後患者数の増加と外来化
学療法および放射線治療患者の増加によるものである。紹介率の年次推移は、2008年は66%
であったが、2009年93%、2010年92%、2011年89%、2012年95%とここ5年間は90%前後である。
3 その他
呼吸器外科の手術症例は、COPDなどの低肺機能症例が多く、術後の呼吸器合併症の軽
減のため、低侵襲性手術(胸腔鏡下手術、区域肺切除)の施行とともに、術前より薬物療法・
呼吸器リハビリを積極的に行っている。特に、呼吸器リハビリは、重要と考え術前・術直後より
呼吸器リハビリ専門のスタッフにより施行している。進行性肺癌に対しては、術前(術後)に化
学療法・放射線治療を関連科の専門医にて施行し、手術を施行し、根治を目指している。
4 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
櫛部 圭司
部長
昭61
内藤 洋
医長
平7
安川 元章
医長
平10
所属学会・資格等
専門領域
日本外科学会専門医・指導医、日本呼吸器外科学会専門医・指導医、
日本胸部外科学会指導医、日本気管支鏡学会、日本肺癌学会、日本呼吸器学会、
呼吸器外科学会評議員
肺癌手術における術前後の呼
吸機能評価
日本外科学会専門医
呼吸器外科全般
日本外科学会専門医、日本呼吸器学会専門医、日本胸部外科学会、日本肺癌学会
呼吸器外科全般
5 業績
【発表】
一般演題
1)河合紀和・ほか:肺損傷に対するゼラチン糊の実験的検討。第 29 回日本呼吸器外科
学会総会(秋田)
118
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6 業績 (1)
診療部 ⑩整形外科
⑩ 整形外科
119
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6 業績 (1)
診療部 ⑩整形外科
1 取り組み
整形外科は運動器の疾患を扱う診療科で、身体の芯(コア)になる骨・関節などの骨格系
とそれを取り囲む筋肉やそれらを支配する神経系からなる「運動器」の機能的改善を重要視し
て治療する外科である。身体の各部位別に、背骨と脊髄を扱う「脊椎外科」、上肢を扱う「手
の外科」と「肩関節外科」、下肢の「股関節外科」、
「膝関節外科」と「足の外科」がある。
また分野的には主として変形性関節症に代表される退行性変性を扱う「運動器障害」、若年の
スポーツによるけがや障害とスポーツ愛好の高齢者の障害を扱う「スポーツ医学」、関節リウマチ
を扱う「リウマチ外科」、事故や災害などによる「外傷」などに分けられる。以上の切り口から
見ても多数の専門分野に分かれている。
整形外科ではこれらの疾患や外傷で手術を必要とする患者さんの診療を中心に行っている。
近隣の病院や医院との連携をとり、当院でしかできない高度な精密検査を行って診断を行い、
主として急性期治療に対処している。急性期治療を終了した患者様にはもとのかかりつけの先生
(主に当院の登録医)に紹介し、その後も定期的な手術後の健診に来院の予約診療をおこなっ
ている。比較的長期の入院が必要な場合にも当院の地域医療連携室を通して連携病院に転
院することも可能である。 現在8人の整形外科医師にて診療を行っている。外来診療と手術、またさまざまな検査等を
行っている。特にリハビリテーション部のスタッフと連携を図っている。また、術前カンファレンス、
術後カンファレンスと術後回診、看護師や地域連携室スタッフも含めての病棟カンファレンスなど
勉強会や研修会を定期的に行って患者さん中心の診療に心がけている。整形外科医を目指す
初期研修医や後期研修医の養成にも力を入れている。外来や手術を含めた診療の指導、研
究会や学術集会への参加や演題発表、一般整形外科医として必要なスキルを習得してもらって
いる。
2 成果(平成24年手術件数)
部位別
下腿~足関節、足
246
膝関節
380
上肢(前腕、手、肩、肘)
72
骨盤~大腿
46
その他
計
7
751
120
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6 業績 (1)
診療部 ⑩整形外科
疾患別
スポーツ関連疾患
295
骨折
142
変性疾患
261
腫瘍
感染症・壊死
その他
計
25
8
20
751
手術別
骨折観血的整復術
92
靭帯形成術
98
外反母趾・足趾矯正骨切り術
63
人工関節形成術
50
半月板手術
140
腱修復術・腱溝修復術
17
骨軟部腫瘍切除術
25
骨軟骨修復・移植術
24
関節温存脛骨骨切り術(HTO、LTO)
32
足関節固定術
5
足関節インピンジメント
18
その他
180
関節鏡視下・関節鏡併用手術
335
計
751
3 治療の特色
当院整形外科の特徴は、関節外科の症例が豊富なことである。中高年者では変形性関節
症や関節リウマチ、若年者ではスポーツ障害を中心に多くの手術が行われており、最新の学術
情報を基に高い技術による手術を提供している。手術後はプロトコール化されたリハビリテーショ
ンを実施している。
人工関節手術:膝関節と股関節の人工関節形成術では、あらかじめ自分の血液を貯血して、
手術後の出血時に自分白身の血液を輸血する方法を行い、安全な手術を心がけている。また、
麻酔科と協力して手術後の疼痛が最小限に収まる工夫をしている。人工膝関節では2-3週間、
人工股関節では3週間程度の入院で、歩行退院が可能である。
121
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13.12.17 4:56:29 PM
6 業績 (1)
診療部 ⑩整形外科
関節温存手術(骨切り術)
:人工関節を用いずに自分の関節を再生する方法である。人工関
節型に比べて少し時間はかかるが、ガニ股などの矯正(骨切り術)による関節の力学的環境
改善や骨軟骨移植などにより、自分の関節を残せることがある。
前十字靭帯再建術:スポーツで多い外傷であり、前十字靭帯は断裂するとほとんど修復しない
特徴がある。日常生活には大きく影響しないがスポーツ動作は困難となる。この靭帯の再建には
高い技術と習熟したチーム医療が必要である。
当院は、
この靭帯再建術では県下中心病院となっ
ている。
足関節靭帯再建術:いわゆる足首の捻挫として軽視される結果、恒常的に足首の不安定感が
生じ、やがて関節炎をきたす。当院はこの足の靭帯治療に関して高い評価を得ている。小さな
傷での手術を目指している。
関節鏡視下手術:膝と足関節、距骨下関節に対する関節鏡視下手術を積極的に行っている。
若いスポーツ選手だけではなく、中高年者の変形性関節症に対しても有効である。レントゲン写
真やCT、MRIなどでも診断できない疾患が関節鏡により判明し、わずかな傷で治せることがある。
外反母趾:外反母趾は女性に多い足趾の変形である。進行すると靴の装用が困難となり、痛
みによる歩行困難も現れる。変形の矯正には手術が最も有効である。個々の変形や重症度に応
じた手術が必要である。緻密な形状解析と豊富な経験で治療している。
4 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
所属学会・資格等
専門領域
日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、
日本整形外科学会認定 脊椎脊髄医、日本体育協会公認スポーツドクター、
日本リウマチ学会専門医、日本リハビリテーション医学会臨床認定医、
臨床研修医指導者講習会受講済、奈良県立医科大学臨床教授
スポーツ整形外科、
足・膝の外科、関節外科
杉本 和也
副院長
昭57
佐本 憲宏
部長
平1
日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、
日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医、日本体育協会公認スポーツドクター、
日本体育協会公認スポーツ指導員、日本剣道連盟社会体育指導員(中級)、
臨床研修医指導者講習会受講済、奈良県立医科大学臨床教授
足の外科、スポーツ整形外科、
関節外科
岡橋 孝治郎
医長
平8
日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、
日本体育協会公認スポーツドクター、奈良県立医科大学臨床准教授
膝の外科、
スポーツ整形外科、
関節外科
磯本 慎二
医長
平11
日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本体育協会公認スポーツドクター、
奈良県立医科大学臨床講師
足の外科、スポーツ整形外科、
四肢外傷
堀内 隆史
医員
平17
日本整形外科学会、日本整形外科スポーツ医学会
膝の外科、スポーツ整形外科、
一般整形外科、四肢外傷
中本 佑輔
医員
平20
日本整形外科学会
整形外科全般、四肢外傷、
スポーツ整形外科、足の外科
森田 成紀
医員
平22
救命救急センター兼任、日本整形外科学会、中部日本整形外科災害外科学会
整形外科全般、関節外科
四肢外傷
池田 智恵子
レジデント
平23
日本整形外科学会
整形外科一般
四肢外傷
122
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6 業績 (1)
診療部 ⑩整形外科
5 業績
【論文】
著書
1)杉本和也:足のランニング障害-その病態と治療方法。ランニング障害のリハビリ
テーションとリコンディショニング。増田祐一編、文光堂、東京、pp108-117、2011
2)佐本憲宏: 成人の主な疾患や病態による痛みの治療 外反母趾の痛み 治療の実際。
運動器の痛み プライマリケア。菊池臣一編、pp232-240、南江堂、東京、2012
3)磯本慎二、杉本和也:診断手順とポイント スポーツに伴う下腿・足の痛み。運動
器の痛み プライマリケア。菊池臣一編。pp74-87、南江堂、東京、2012
総説
1)杉本和也:難治性足部スポーツ傷害の治療 舟状骨疲労骨折の診断と治療。臨床整形
外科 47: 729-734、2012
2)杉本和也:
【知っておきたい骨折の治療手技】足趾趾骨骨折・足関節脱臼骨折。関節
外科 31: 1241-1248、2012
3)佐本憲宏:外反母趾の診断と治療。県奈病医誌 16: 5-9、2012
4)佐本憲宏 :【運動器疾患の画像診断―CT 診断 手術への応用―】
CT を用いた外反
母趾手術における種子骨複合体の評価 部分荷重状態での CT 評価。別冊整形外科
62: 55-62、1012
原著
1)杉本和也:舟状骨疲労骨折の病態、診断および治療.MB Orthop 25: 45-50、2012
2)杉本和也、磯本慎二、佐本憲宏、勝井龍平、高倉義典:足関節外側靱帯新鮮損傷例
の MRI 所見。整スポ会誌 32: 59-64、2012
症例報告
1)森田成紀、磯本慎二、田中寿典、勝井龍平、岡橋孝治郎、佐本憲宏、杉本和也:両
足三角骨障害に対して鏡視下三角骨摘出術を施行した 1 例。県奈病医誌 16:72-74、
2012
【発表】
講演
1)杉本和也:足関節インピンジメント症候群の診断と治療。北陸スポーツメディスン・
01(金沢)
2)杉本和也:足関節・足部のスポーツ障害。国分町整形外科医会(仙台)
3)杉本和也:足の外科の基礎と診断。福井足部疾患セミナー(福井)
4)杉本和也:足のスポーツ障害・外傷―早期復帰をめざして―。第 34 回東海スポーツ
傷害研究会(名古屋)
5)杉本和也:スポーツのアフターケア。県立奈良病院県民公開講座(奈良)
6)佐本憲宏:変形性関節症に対する保存治療。奈良リウマチ、
関節症カンファレンス(奈
良)
7)佐本憲宏:剣道による足のスポーツ傷害。第 50 回全日本剣道連盟中堅剣士講習会(奈
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6 業績 (1)
診療部 ⑩整形外科
良)
8)岡橋孝治郎:膝関節周囲の疾患 ~手術症例を中心として~。第 36 回奈良県柔道整復
師会学術講演会(奈良)
シンポジウム・ほか
1)佐本憲宏・ほか:私の勧める高齢者外反母趾の手術 ―他の足趾および足部変形の
確実な矯正と術後安全な後療法を目指して―。第 37 回日本足の外科学会学術集会(箱
根)
2)佐本憲宏・ほか:外反母趾に対する保存治療 ―運動療法の適応と母趾外転筋運動訓
練の実際―。第 26 回日本靴医学会学術集会(東京)
一般演題
1)Samoto N, et al: Rotated Insertion Metatarsal Osteotomy for Severe Hallux Valgus
deformity. The 28th Annual Summer Meeting of the American Orthopaedic Foot &
Ankle Society Ankle Society (San Diego, California, USA)
2)Isomoto S, et al: Our strategies for bunion surgery. Yonsei-Nara Foot and Ankle
Symposium (Seoul, Korea)
3)杉本和也・ほか:足関節前方インピンジメント症候群の病態。第 37 回日本足の外科
学会学術集会(箱根)
4)磯本慎二・ほか:足関節不安定症と距骨離性骨軟骨炎に後脛骨筋腱機能不全を合併
した 1 例。第 7 回まほろば整形勉強会(天理)
5)磯本慎二・ほか:家族性凹側変形に対して矯正手術を施行した 2 例。第 7 回まほろ
ば整形勉強会(天理)
6)磯本慎二・ほか:足関節後方インピンジメント症候群に対する後方鏡視下手術所見
と治療成績。第 85 回日本整形外科学会学術集会(京都)
7)磯本慎二・ほか:当院における距骨下関節鏡の経験。第 37 回日本足の外科学会学術
集会(箱根)
8)堀内隆史・ほか:高位脛骨骨切り術(Opening wedge HTO)の短期成績。第 4 回日
本関節鏡・膝・整形外科スポーツ医学会(JOSKAS)
(札幌)
9)堀内隆史・ほか:脛骨列形成不全症の腓骨先端部に形成された足関節の今後の治療
について。近畿足の外科症例検討会(大阪)
10)堀内隆史・ほか:人工膝関節全置換術後に patellar clunk syndrome を生じた 1 例。
第 119 回中部日本整形外科災害外科学会(福井)
11)田中寿典・ほか:Osgood-Schlatter 病に対して関節鏡視下手術を施行した 1 例。第
18 回の本最少侵襲整形外科学術集会(奈良)
12)森田成紀・ほか:両足関節後方インピンジメント症候群に対して両足同時鏡視下手
術を施行した 3 例。第 119 回中部日本整形外科災害外科学会(福井)
13)森田成紀・ほか:プロバスケットボール選手に生じた脛骨離断性骨軟骨炎の 1 例。
第 16 回奈良スポーツ医学研究会(奈良)
124
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6 業績 (1)
診療部 ⑪産婦人科
⑪ 産婦人科
125
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6 業績 (1)
診療部 ⑪産婦人科
1 取り組み
奈良県の産婦人科基幹病院として高度疾患の診断と治療を行うとともに、日本産科婦人科学会
産婦人科専門医制度の総合型指定修練施設として周産期、婦人科腫瘍、生殖・内分泌、女性
のヘルスケアの4領域における臨床と教育に専念している。産科26床、
婦人科13床を管理するスタッ
フ9名には産婦人科専門医6名、婦人科腫瘍専門医3名、細胞診専門医2名、がん治療認定医3
名、内視鏡技術認定医1名が含まれ、臨床・教育能力は充実している。
県内全域から母体・産褥搬送を受け入れている。婦人科悪性腫瘍手術を中心に化学療法や
放射線療法を含む集学的治療を消化器外科・泌尿器科・放射線科などの協力のもとで実施して
いる。悪性腫瘍に対する徹底的な摘出手術と術後や再発に対する積極的な治療を目指す一方で、
近隣医療施設と連携して充実した緩和医療も取り入れている。また良性腫瘍に対しては腹腔鏡下
手術による低侵襲手術を積極的に行っている。
さらに厚労省科研費エイズ対策研究事業によるHIV母子感染に関する全国疫学調査を分担し、
婦人科悪性腫瘍研究機構や関西臨床腫瘍研究会における各種婦人科腫瘍の臨床研究課題の
研究代表を担当し、新規治療薬の治験も行っている。
2 成果
産科部門では、週間10例(ローリスク妊娠5例、ハイリスク妊娠5例)の予約枠を設定し、2012
年分娩数は461例、帝王切開分娩は162例(35%)におよび、双胎31例、切迫早産112例、妊
娠高血圧症候群36例、子癇5例、常位胎盤早期剥離11例などハイリスク例や重症例の占める割
合が年々増加傾向である。2012年は100件の母体・産褥搬送を受け入れ、基幹病院としての役
割を果たしている。切迫早産の要因に関する臨床研究や妊娠高血圧症候群と子癇との関係に関
する臨床研究を計画中である。またHIV母子感染に関する全国調査では、2012年までに803例の
HIV感染妊娠を集積し、解析が進行している。
婦人科部門では、71例の子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん・外陰がんに対し根治手術を中
心とした治療を行った。また69例の子宮上皮内病変に対し、円錐切除やLEEPを施行した。広汎
子宮全摘術は9例に行い、傍大動脈リンパ節廓清術は24例に行い、これらの手術は卒後5年目の
医師にも術者を担当してもらい積極的に若手医師の技能向上を図っている。良性腫瘍や子宮内
膜症に対しては低侵襲な腹腔鏡下手術を優先し、84例に行った。うち10例の腹腔鏡下子宮全摘
術が含まれ、初期子宮悪性腫瘍への応用を計画中である。さらに14例の骨盤臓器脱手術も行い、
女性のヘルスケアに貢献している。
子宮頸がんに対する広汎子宮全摘術の有害事象に関する全国調査、婦人科悪性腫瘍患者の
痛みとつらさの評価に関する臨床研究、卵巣類皮嚢腫の悪性転化や子宮内膜上皮内がんに関す
る後方視的研究、婦人科悪性腫瘍手術における傍大動脈リンパ節廓清省略を目指した術中超音
波検査の有用性に関する臨床研究などが当科のスタッフを研究代表者として進行中で、進行子宮
頸がんに対する標準治療としての化学療法の有用性に関する臨床研究も計画中である。
教育部門では、2012年と2013年には産婦人科専門医試験に各1名が、2012年にはがん治療認
126
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6 業績 (1)
診療部 ⑪産婦人科
定医試験に1名が合格し(合格率100%)
、2013年には2名ががん治療認定医試験を受験予定で
ある。さらに2名が細胞診専門医を、1名が婦人科腫瘍専門医を、1名が内視鏡技術認定医を目
指し現在修練中で、1名が奈良県立医大産婦人科の専修生に登録し、学位取得を目指して臨床
研究に励んでいる。
産婦人科診療実績(2012年)
産科
分娩総数
461
早産(22 ~ 27)
1
早産(28 ~ 36)
88
正期産(37 ~ 41)
370
過期産(42 ~)
2
経腟分娩数
301
帝王切開術数
162(35%)
多胎妊娠
31
切迫早産・前期破水(入院管理)
112
妊娠高血圧症候群
36
子癇発作
5
子宮内胎児発育制限
13
前置胎盤
6
低置胎盤
2
常位胎盤早期剥離
11
頸管縫縮術
5
婦人科
子宮頸部上皮内病変
69
浸潤子宮頸癌
26
子宮内膜増殖症
4
子宮体がん
23
卵巣がん(境界悪性含む)
17
外陰癌
1
127
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6 業績 (1)
診療部 ⑪産婦人科
腟癌
0
良性卵巣腫瘍
74
骨盤臓器脱
14
異所性妊娠
15(ope のみ)
絨毛性疾患
2
268(のべ 304、
婦人科手術数
LEEP43 除く)
円錐切除術(LEEP 除く)
26(LEEP43 除く)
腹式単純子宮全摘術
31
腹式子宮筋腫核出術
4
腹式付属器腫瘍手術
9
腹式異所性妊娠手術
0
腹腔鏡下子宮全摘術
10
腹腔鏡下子宮筋腫核出術
6
腹腔鏡下付属器手術
53
腹腔鏡下異所性妊娠手術
15
腟式子宮全摘術
10
骨盤臓器脱手術
14
骨盤臓器脱手術(メッシュ手術)
14
子宮鏡手術
24
拡大子宮全摘術(準広汎含む)
14
広汎子宮全摘術
9
悪性腫瘍手術(大網切除術まで)
9
悪性腫瘍手術(骨盤リンパ節郭清まで)
17
悪性腫瘍手術(傍大動脈リンパ節郭清まで)
24
その他の手術
15
128
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6 業績 (1)
診療部 ⑪産婦人科
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師資格
取得年
所属学会・資格等
専門領域
医師名
役職
喜多 恒和
センター長
兼部長
昭58
日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会評議員・専門医、
日本がん治療認定医機構認定医、日本癌治療学会代議員、日本エイズ学会理事、
日本ヒト細胞学会理事、奈良医大臨床教授・非常勤講師、
帝京大学医学部非常勤講師、日本癌学会、米国癌学会、米国臨床腫瘍学会、
日本母性衛生学会、日本周産期新生児医学会
井谷 嘉男
副部長
昭60
日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会評議員・専門医、
婦人科腫瘍学、泌尿婦人科学
日本がん治療認定医機構認定医、日本臨床細胞学会専門医、日本癌治療学会、
米国臨床腫瘍学会、米国産婦人科学会、国際婦人科癌学会、国際婦人科病理学会、腔式手術
日本サイコオンコロジー学会、日本産婦人科手術学会、日本女性骨盤底医学会
豊田 進司
医長
平1
日本産科婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会評議員・専門医、日本臨床細胞学
会専門医・近畿連合会評議員、奈良県医師会認定健康スポーツ医、日本癌治療学会、婦人科腫瘍学、婦人科病理学
国際細胞学会
河 元洋
医長
平4
日本産婦人科学会専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医、
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本周産期新生児医学会、
日本婦人科腫瘍学会
周産期学
不妊症学
内視鏡手術
平野 仁嗣
医長
平8
日本産科婦人科学会専門医、臨床研修医指導者講習会受講済、
日本周産期新生児医学会、日本婦人科腫瘍学会、日本女性骨盤底医学会、
日本産婦人科乳癌学会
産婦人科救急、超音波診断学
杉浦 敦
医長
平16
日本産科婦人科学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医、日本婦人科腫瘍学会、
婦人科腫瘍学、産婦人科一般
日本癌治療学会、日本臨床細胞学会
石橋 理子
医員
平20
日本産科婦人科学会、日本産科婦人科内視鏡学会、日本周産期新生児医学会
産婦人科一般
小川 憲二
医員
平21
日本産科婦人科学会
産婦人科一般
大野 澄美玲
医員
平22
日本産科婦人科学会、臨床細胞学会
産婦人科一般
小宮 慎之介
研修医師
(非常勤)
平22
日本産科婦人科学会、日本超音波医学会、日本周産期新生児医学会
産婦人科一般
婦 人 科 腫 瘍 学、 性 感 染 症 学、
HIV母子感染
4 業績
【論文】
総説
1)蓮尾泰之、明城光三、和田裕、吉野直人、林 公一、喜多恒和、塚原優己、外川正生、
稲葉憲之:Human Immunodeficiency Virus(HIV)陽性妊婦への医療側の対応
-HIV 母子感染予防における HIV 拠点病院の現状 -。医療 66:49-54、2012
原著
1)Yoshikawa T, Takano M, Kita T, Kudoh K, Sasaki N, Kato M, Watanabe A,
Miyamoto M, Goto T, Furuya K:Normal serum CA125 half-life and normal serum
nadir CA125 level in patients with ovarian cancers.Eur J Gynecol Oncol 33:269273、2012
2)Yamaguchi S, Nishimura R, Yaegashi N, Kiguchi K, Sugiyama T, Kita T, Kubushiro
K, Kokawa K, Hiura M, Mizutani K, Yamamoto K, Takizawa K:Phase Ⅱ study of
neoadjuvant chemotherapy with irinotecan hydrochloride and nedaplatin followed
by radical hysterectomy for bulky stage Ⅰ b2 to Ⅱ b,cervical squamous cell
carcinoma.Oncology Report 28:487-493、2012
3)豊田進司、石橋理子、森岡佐知子、伊東史学、杉浦 敦、平野仁嗣、河 元洋、井
谷嘉男、喜多恒和:子宮頚部上皮内病変(cervical intraepithelial neoplasia)に対す
る治療について。奈良県医師会医学会年報 25:54-56、2012
129
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13.12.17 4:56:30 PM
6 業績 (1)
診療部 ⑪産婦人科
4)石川博文、渡辺明彦、高 済峯、向川智英、西和田敏、石岡興平、吉川高宏、平野
仁嗣、井谷嘉男、三馬省二、下村俊行、中西敬介、関川 進、宮内義純:骨盤内悪
性腫瘍の局所再発に対する仙骨合併切除例の経験。県奈病医誌 16:27-31、2012
症例報告
1)豊田進司、石橋理子、森岡佐知子、伊東史学、杉浦 敦、平野仁嗣、河 元洋、井
谷嘉男、喜多恒和、関川 進:子宮内膜 Endometrial intraepithelial carcinoma (EIC)
の 1 例。日本臨床細胞学会近畿連合会会誌 20:10-13、2012
2)植栗千陽、井谷嘉男、石橋理子、森岡佐知子、伊東史学、赤坂珠理晃、杉浦 敦、
平野仁嗣、河 元洋、豊田進司、喜多恒和、多田英之、天内陽子:塩化亜鉛合剤(Mohs
paste)が有効であった進行外陰癌の 1 例。県奈病医誌 16:58-61、2012
3)小宮慎之介、河野彩子、高野政志、須賀 新、寺尾泰久、佐々木直樹、工藤一弥、
池田悠至、喜多恒和、松尾公平、竹島信宏、後藤友子、古谷健一、菊池義公:ベバ
シズマブ、ゲムシタビン、オキサリプラチン併用療法が著効を示した多剤耐性卵巣
漿液性腺癌の2例。日本産科婦人科学会関東連合地方部会誌 49:627-631、2012
その他
1)喜多恒和、石橋理子、大井理恵、太田 寛、小林裕幸、佐久本薫、杉浦 敦、瀬戸
裕、高野政志、中西美紗緒、松田秀雄、箕浦茂樹、金子ゆかり、藤田 綾:HIV
感染妊婦とその出生児に関するデータベースの構築および HIV 感染妊婦の疫学的・
臨床的情報解析。平成 23 年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業 HIV
感染妊婦とその出生児の調査・解析および診療・支援体制の整備に関する総合的研
究 平成 23 年度総括・研究分担報告書 pp24-70、2012
2)喜多恒和、石橋理子、大井理恵、太田 寛、小林裕幸、佐久本 薫、杉浦 敦、瀬戸
裕、高野政志、中西美紗緒、松田秀雄、箕浦茂樹、金子ゆかり、藤田 綾:HIV
感染妊婦とその出生児に関するデータベースの構築および HIV 感染妊婦の疫学的・
臨床的情報解析。平成 23 年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業 HIV
感染妊婦とその出生児の調査・解析および診療・支援体制の整備に関する総合的研
究 平成 21 ~ 23 年度総合研究報告書 pp47-97、2012
3)喜多恒和:Disease Committee オープンディスカッション「JGOG 参加施設におけ
る 子 宮 頸 が ん に 対 す る 広 汎 子 宮 全 摘 術 後 の 合 併 症・ 後 遺 症 に 関 す る 調 査
(JGOG1070D)
」
(1)第 10 回婦人科悪性腫瘍研究機構年次会議(総会)記録集 pp185-187、2012
4)石橋理子、豊田進司、森岡佐知子、伊東史学、杉浦 敦、平野仁嗣、河 元洋、井
谷嘉男、喜多恒和:第 125 回近畿産婦人科学会第 97 回腫瘍研究部会記録集「当院に
おける子宮体部類内膜腺癌の治療成績」
。産婦人科の進歩 64:355-357、2012
5)伊東史学、豊田進司、石橋理子、森岡佐知子、杉浦 敦、平野仁嗣、河 元洋、井
谷嘉男、喜多恒和:第 125 回近畿産婦人科学会第 97 回腫瘍研究部会記録集「子宮体
130
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6 業績 (1)
診療部 ⑪産婦人科
癌再発リスク群の中・高細分類の必要性についての検討」
。産婦人科の進歩 64:358360、2012
6)井谷嘉男、杉浦 敦、石橋理子、森岡佐知子、伊東史学、平野仁嗣、河 元洋、豊
田進司、喜多恒和:第 125 回近畿産婦人科学会第 97 回腫瘍研究部会記録集「子宮体
癌におけるリンパ節郭清省略可能対象群設定へ向けての基礎的検討」産婦人科の進
歩 64:377-379、2012
7)原田直哉、小林 浩、井上芳樹、高井一郎、潮田悦男、大井豪一、小畑幸四郎、喜
多恒和、下里直行、中島容子、中村 徹、槗本平嗣、林 道治、堀江清繁、赤崎正佳:
東日本大震災における奈良県産婦人科医会の取り組み-避難患者の受け入れ状況に
関する検討を中心に-。産婦人科の進歩 64:436-441、2012
【発表】
講演
1)喜多恒和:(特別講演)子宮頸癌と HPV について。奈良医大産婦人科関連病院医療
連研究会(奈良)
2)喜多恒和:
(特別講演)性感染症と子宮頸がんワクチン。奈良県助産師会研修会(奈良)
3)喜多恒和:(セミナー)HIV 感染妊娠および出生児の全国調査から見えてきたもの~
臨床的・社会的問題への対応~3。産婦人科・小児科全国調査の推移。第 26 回日本
エイズ学会学術集会(横浜)
一般発表
1)Ikeda Y, Kita T, et al:Effect of Weekly administration of bevacizumab,
gemcitabine, and oxalilplatin in patients with heavily pretreated ovarian cancer.
The 47th annual meeting of American Society of Clinical Oncology(ASCO) (Chicago)
2)伊東史学・ほか:巨大子宮頚部平滑筋肉腫に対し集学的診断・治療を行った 1 例。
第 4 回奈良婦人科腫瘍カンファランス(奈良)
3)石橋理子・ほか:卵巣癌に対する IDS 後の無再発性腹水貯留に対し、腹水濾過再静
注法(CART)が有効であった 1 例。第 3 回婦人科腫瘍疾患検討会(奈良)
4)喜多恒和・ほか:わが国の HIV 感染妊婦と母子感染予防対策の現状。第 64 回日本産
婦人科学会学術講演会(神戸)
5)杉浦 敦・ほか:術中超音波検査による傍大動脈リンパ節郭清省略に向けた検討。
第 64 回日本産婦人科学会学術講演会(神戸)
6)井谷嘉男・ほか: Muller 管悪性腫瘍および子宮体癌における転移リンパ節サイズの
後方視的解析。第 64 回日本産婦人科学会学術講演会(神戸)
7)豊田進司・ほか:子宮頚部病変に対する円錐切除において術前診断が過小診断であっ
た症例の検討。第 64 回日本産婦人科学会学術講演会(神戸)
8)河 元洋・ほか:分娩後出血の産褥母体搬送についての検討。第 64 回日本産婦人科
131
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6 業績 (1)
診療部 ⑪産婦人科
学会学術講演会(神戸)
9)石橋理子・ほか:臨床経過の異なる癒着胎盤 6 例の検討。第 64 回日本産婦人科学会
学術講演会(神戸)
10)石橋理子・ほか:子宮腺筋症核出術後の妊娠で癒着胎盤となった 1 例。奈良県産婦
人科医会学術講演会(奈良)
11)原田直哉,喜多恒和・ほか:東日本大震災における奈良県産婦人科医師会の取り組
み状況について。奈良県産婦人科医会学術講演会(奈良)
12)大野澄美玲・ほか: Mullerian carcinoma への診断的腹腔鏡の応用。奈良県産婦人科
医会学術講演会(奈良)
13)豊田進司・ほか:本邦における EIC(Endometrial intraepithelial carcinoma)25 例
の臨床病理学的検討。第 53 回日本臨床細胞学会総会春季大会(千葉)
14)杉浦 敦・ほか:卵巣腺扁平上皮癌の 1 例。第 53 回日本臨床細胞学会総会春季大会(千
葉)
15)石橋理子・ほか:イレウス合併妊娠の 3 症例。第 126 回近畿産科婦人科学学術集会(大
阪)
16)森岡佐知子・ほか:婦人科悪性腫瘍手術における体幹部抹消神経ブロックの有用性
に関する検討。第 126 回近畿産科婦人科学学術集会(大阪)
17)伊東史学・ほか:巨大子宮頸部平滑筋肉腫の診断・治療に苦慮した 1 例。第 126 回
近畿産科婦人科学学術集会(大阪)
18)井上佳代、豊田進司・ほか:再発婦人科癌に対する docetaxel(TXT)腹腔内投与の
第Ⅰ相臨床試験- KCOG-0601。第 126 回近畿産科婦人科学学術集会(大阪)
19) 池 田 悠 志、 喜 多 恒 和・ ほ か: 難 治 性 再 発 卵 巣 癌 に お け る Weekly
bevacizumab+GEMOX (Gemcitabine + Oxaliplatin) 治療法の検討。第 11 回日本婦人
科がん分子標的研究会学術集会(栃木)
20)河 元洋・ほか:集学的な子宮温存策を試みるも子宮摘出となった子宮頸管峡部妊
娠(cervico-isthmic pregnancy)の 1 例。第 48 回日本周産期・新生児医学会学術集
会(埼玉)
21) 森 岡 佐 知 子・ ほ か: 初 回 治 療 で optimal に 至 っ た 卵 巣 癌 再 発 に secondary
cytoreductive surgery (SDS) を考慮すべきである。第 52 回日本婦人科腫瘍学会学術
講演会(東京)
22)梁 栄治,喜多恒和・ほか:子宮体がんにおいて傍大動脈リンパ節郭清を省略する
ための術中超音波検査法の有用性。第 52 回日本婦人科腫瘍学会学術講演会(東京)
23)杉浦 敦・ほか:子宮体癌における傍大動脈リンパ節郭清省略へ向けた術中超音波
検査によるリンパ節サイズ測定の検討。第 52 回日本婦人科腫瘍学会学術講演会
(東京)
24)香山哲徳,喜多恒和・ほか:子宮頚部初期病変に対する多部位生検併用レーザー蒸
散術の検討。第 52 回日本婦人科腫瘍学会学術講演会(東京)
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6 業績 (1)
診療部 ⑪産婦人科
25)豊田進司・ほか:胃原発・転移性子宮体部腫瘍の 1 例。第 52 回日本婦人科腫瘍学会
学術講演会(東京)
26)杉浦 敦・ほか:子宮体癌における術中超音波検査によるリンパ節郭清個別化へ向
けた検討。第 35 回日本産婦人科手術学会(京都)
27)石橋理子・ほか:単孔式腹腔鏡下手術は低侵襲か。第 52 回日本産科婦人科内視鏡学
会学術講演会(札幌)
28)河 元洋・ほか:単孔式腹腔鏡下手術における臍形成の試み。第 52 回日本産科婦人
科内視鏡学会学術講演会(札幌)
29)豊田進司・ほか:胃癌からの転移経路が異なる子宮外腺癌 2 例の細胞像について。
第 38 回日本臨床細胞学会近畿連合会(神戸)
30)石橋理子・ほか:当院における卵巣粘液性腺癌 16 例の臨床病理学的検討。第 127 回
近畿産婦人科学会学術集会第 98 回腫瘍研究部会(大阪)
31)小川憲二・ほか:未受診妊婦が妊娠中期に子宮内胎児死亡に至り当科搬送後に
HELLP 症候群と診断した 1 例。第 127 回近畿産婦人科学会学術集会周産期研究部会
(大阪)
32)杉浦 敦・ほか:子宮体がん・卵巣がんにおける術中超音波診断による傍大動脈リ
ンパ節郭清省略への検討。第 50 回日本癌治療学会学術集会(横浜)
33)井谷嘉男・ほか:進行卵巣癌に対する治療戦略は初診治療が重要である。第 50 回日
本癌治療学会学術集会(横浜)
34)森岡佐知子・ほか:婦人科悪性腫瘍手術における体幹部末梢神経ブロックによる術
後疼痛管理の有用性。第 50 回日本癌治療学会学術集会(横浜)
35)豊田進司・ほか: EIC(endometrial intraepithelial carcinoma)の内膜細胞診におけ
る早期発見の有用性について。第 51 回日本臨床細胞学会秋期大会(新潟)
36)豊田進司・ほか:子宮頚部漿液性腺癌の 1 例。関西婦人科腫瘍・病理懇話会(大阪)
37)吉野直人,喜多恒和・ほか:妊婦 HIV スクリーニング検査実施率の変遷。第 26 回日
本エイズ学会学術集会(横浜)
38)喜多恒和・ほか: HIV 感染妊婦の動向と母子感染予防対策。第 26 回日本エイズ学会
学術集会(横浜)
外来カンファレンスルームで、産婦人科常勤医 9 名と非常勤医 1 名
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診療部 ⑫小児科
⑫ 小児科
134
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6 業績 (1)
診療部 ⑫小児科
1 取り組み
当科は奈良県北和医療圏の拠点施設として小児医療の中心的役割を果たして来た。現在ス
タッフは常勤5名(後期研修医1名)であり日本小児科学会専門医指定研修施設に認定されて
いる。悪性疾患と小児外科疾患を除くほとんどの小児疾患を対象とし、小児循環器、小児神経、
小児内分泌、小児アレルギーの各分野に関しては担当医を中心に主に午後診として予約制の
診療を進めており、特に低身長外来は症例数も多くチーム医療を行っている。小児救急に対し
ては小児輪番担当病院として地域医療への貢献はもとより平日日勤帯の救急要請は全例受け入
れている。
一方、我々の病棟では小児の術前術後患者やNICU退院から在宅へむけての重症心身障
害児も受け入れており小児病棟としての機能も果たしている。
病診連携をすすめ、周辺医療機関と密に連絡を取りながら役割分担が徐々に明確になってい
る。
2 成果
【平成24年診療実績】
総入院数778例
呼吸器疾患440例
消化器疾患102例
神経疾患75例 (てんかん11例、顔面神経麻痺2例、ギランバレー症候群1例)
血液免疫疾患7例 (ITP4例、CGD、HPS、SJS各1例)
腎泌尿器疾患 15例 (ネフローゼ4例、急性巣状細菌性腎炎4例、紫斑病性腎炎2例)
循環器疾患22例 (川崎病21例、ファロー四徴症、肺高血圧症各1例)
神経性食思不振症2例
糖尿病1例
GH 負荷テスト22例
食物負荷テスト5例
その他77例
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
吉田 さやか
医長
平2
日本小児科学会専門医、日本血液専門医、日本小児内分泌学会、
日本先天代謝異常学会、日本小児リウマチ学会
小児科一般、血液、内分泌、
免疫疾患、発達心理
中野 智巳
医長
平6
日本小児科学会専門医、日本小児感染症学会、日本小児内分泌学会、
日本小児リウマチ学会、日本川崎病学会
小児科一般、血液、川崎病
石原 万理子
医員
平19
日本小児科学会専門医、日本小児腎臓学会、日本未熟児新生児学会
小児科一般、
アレルギー
鈴木 里香
医員
平20
日本小児科学会
小児科一般
西川 宏樹
レジデント
平23
日本小児科学会
小児科一般
所属学会・資格等
専門領域
135
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6 業績 (1)
診療部 ⑫小児科
4 業績
【発表】
講演
1)吉田さやか:こどもの救急疾患について。奈良県小児救急啓発事業(奈良)
2)吉田さやか:
「SGA 性低身長の診断と治療」〜正期産での低出生体重時が増える現状
から〜。第 17 回学校保健 • 活動セミナー(奈良)
3)吉田さやか:小児の救急について。奈良県小児医療啓発事業(奈良)
4)福田和由:小児救急の実際。奈良県小児医療啓発事業(奈良)
5)福田和由:奈良県の小児輪番体制。県民公開講座(奈良)
6)吉田さやか:
「発達障害の診断と支援」〜日々の気になる症状から〜。平成 24 年度
近畿乳児福祉協議会看護師部会(生駒)
7)吉田さやか:
「子どもの発育と発達」〜1歳半検診でのポイント〜。生駒市子ども健
康セミナー(生駒)
一般演題
1)淵田加那子・ほか:空腸病変による腹痛が先行した Henoch-Schonlein 紫斑病の 10 歳
女児例。第 107 回日本小児科学会奈良地方会(奈良)
2)福田和由・ほか:家族性地中海熱が疑われた 1 女児例。第 6 回奈良県 RA フォーラ
ム(奈良)
3)中野智巳・ほか:マイコプラズマ感染症に合併したと考えられる膵炎の 1 例。第 10
回小児呼吸器疾患研究会(奈良)
4)中野智巳・ほか:Septo-optic dysplasia (SOD) の 2 例。第 24 回奈良県小児内分泌研
究会(橿原)
5 その他
新病院がスタートするまでの間は従来どおり地域医療に貢献することは当然であるが、同時に
新、県立奈良病院のハード面、ソフト面の設計準備期間とも言える。奈良県全体あるいは北和
地区において県立奈良病院小児部門に期待される医療ニーズを我々のみならず県全体で検討
するのが望ましい。専門性を高め地域の住民の期待に応えることが重要で、今後は全国的に
問題となっている重症心身障害児についても急性期医療を中心に役割を担える様に体制を整え
ていきたい。
136
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6 業績 (1)
診療部 ⑬NICU
⑬ NICU
137
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6 業績 (1)
診療部 ⑬NICU
1 取り組み
奈良県周産期医療システムの基幹病院として、出生体重1,000g以上で外科的治療を要しな
い病的新生児の加療を行っている。また、NICU医師および看護師による新生児搬送も行って
いる。さらに、出産前からのプレネイタルビジット、出生後およびNICU入院中のカンガルーケア、
母乳育児の推進、退院後の在宅支援など、母子間の愛着形成の確立に全力で取り組んでいる。
2 成果
平成24年1月1日から12月31日までの実績
(1)入院患者概要(表1)
:総入院数は216例で、院外出生の新生児搬送が65例あり、人工
呼吸管理を105例(48.6%)に行った。死亡退院は肝被膜下出血の1例のみであった。
(2)新生児搬送の状況:奈良県内で依頼のあった新生児搬送119例中65例(55%)を当院
NICUで収容している。また、NICUスタッフによる新生児搬送を64例に行った。奈良県立医
科大学NICUおよび近畿大学奈良病院NICUへの三角搬送も行っている。
(3)入院患者の疾患名(表2)
:NICUで入院加療を行った患児の入院時主病名を症例数の
多い順に表2に示す。
【表1】 【表2】
(単位:人)
(単位:人)
総入院患者数
216
疾患名
院内出生
151
新生児一過性多呼吸
52 新生児遷延性肺高血
3
院外出生
65
低出生体重児
40 新生児メレナ
2
新生児呼吸窮迫症候群
19 肺炎
2
無呼吸発作
18 21トリソミー
1
極低出生体重児
14 18トリソミー
1
新生児仮死
17 多血症
1
胎便吸引症候群
9 NTED
1
遷延性低血糖
8 帽状腱膜下血腫
1
肺出血
6 脳室内出血
1
新生児感染症
6 紫斑
1
初期嘔吐
4 喉頭浮腫
1
新生児高ビリルビン血症
3 分娩時外傷
1
超低出生体重児
3 心内膜床欠損
1
出生体重別
<1000g
1000〜1500g
>1500g
人工呼吸管理
死亡退院
3
17
196
105
(48.6%)
1
症例数
疾患名
症例数
138
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6 業績 (1)
診療部 ⑬NICU
3 課題と今後の展望
(1)県外搬送について(表3)
:奈良県周産期医療統計による母体搬送および新生児搬送の年
度別依頼件数と県外搬送件数を表3に示す。平成20年度から、母体搬送の依頼件数は年々
増加しており、平成24年度は母体搬送25例を県外(主に大阪府)に依頼した。この主因は
NICU全体の病床数が少ないことによる。平成28年度の県立奈良病院の建て替えに向けて、
対応を検討している。
(2)新生児搬送について:NICUスタッフのマンパワー不足から、平日日勤帯のみの対応に制限
している。また、奈良市、大和郡山市、生駒市の消防の協力を得て新生児搬送を行っている。
平成25年度内に当院に新生児搬送専用救急車の配置が予定されており、奈良県全域を対
象とした新生児搬送を行う予定である。
【表3】
(単位:件)
母体搬送
依頼件数
県外搬送
新生児搬送
依頼件数
県外搬送
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
204
46
224
31
225
9
275
21
283
25
78
2
85
1
100
1
147
0
119
1
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
箕輪 秀樹
部長
昭63
扇谷 綾子
医長
平7
日本小児科学会専門医、日本周産期新生児医学会専門医、日本周産期新生児医学会、
新生児学、
日本未熟児新生児学会、日本重症心身障害学会、小児保健学会、
小児科学
NCPRインストラクター
恵美須 礼子
医長
平8
日本小児科学会専門医、日本周産期新生児医学会、日本未熟児新生児学会、
日本小児循環器学会、日本アロマセラピー学会、NCPRインストラクター
新生児学、
小児科学
安原 肇
医長
平9
日本小児科学会専門医、日本周産期新生児医学会、日本未熟児新生児学会、
日本遺伝カウンセリング学会、日本小児救急医学会、日本アレルギー学会、
NCPRインストラクター
新生児学、
小児科学
池田 由香
医長
平10
日本小児科学会専門医、日本周産期新生児医学会、日本未熟児新生児学会、
乳幼児精神保健学会、NCPRインストラクター
新生児学、
小児科学
美馬 文
医長
平16
日本小児科学会専門医、日本周産期新生児医学会、日本未熟児新生児学会、
日本小児血液学会、日本小児腎臓病学会、日本小児救急医学会、
NCPRインストラクター
新生児学、
小児科学
田村 玲子
医員
平21
日本小児科学会、日本小児腎臓病学会
新生児学、
小児科学
所属学会・資格等
専門領域
日本小児科学会専門医、日本周産期新生児医学会専門医、日本未熟児新生児学会、新生児、
日本小児神経学会、日本重症心身障害学会、NCPRインストラクター
発達障害
4 業績
【論文】
原著
1)Minowa H, Bando Y, Yasuhara H, Ebisu R, Ohgitani A: The timing of injury in utero
139
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13.12.17 4:56:31 PM
6 業績 (1)
診療部 ⑬NICU
causing respiratory inhibition after crying. Pediatr Int 54: 370-374, 2012
2)箕輪秀樹:新生児の啼泣後の呼吸抑制。県奈病医誌 16: 1-4、2012
3)恵美須礼子、箕輪秀樹、扇谷綾子、安原肇、池田由香、美馬文:一酸化窒素吸入療
法実施例の検討。県奈病医誌 17:17-25、2013
【発表】
一般演題
1)箕輪秀樹・ほか:RIAC の発症原因についてー双胎における研究ー。第 115 回日本小
児科学会(福岡)
2)箕輪秀樹・ほか:母体喫煙と啼泣後の呼吸抑制の関連について。第 48 回日本周産期・
新生児医学会(大宮)
3)安原 肇・ほか:Paternal uniparental disomy 6 による新生児一過性糖尿病例におけ
るインスリン分泌回復の指標としての HOMA- βの検討。第 48 回日本周産期・新生
児医学会(大宮)
4)箕輪秀樹・ほか:啼泣後の呼吸抑制。第 107 回日本小児科学会奈良地方会(奈良市)
5)安原 肇・ほか:Paternal uniparental disomy 6 による新生児一過性糖尿病の 1 例。
第 107 回日本小児科学会奈良地方会(奈良市)
6)美馬 文・ほか:肺動脈閉鎖を合併した 18trisomy の 1 例。第 108 回日本小児科学会
奈良地方会(橿原市)
7)箕輪秀樹・ほか:啼泣後の呼吸抑制スクリーニングにおける哺乳時 SpO2 低下-直接
母乳とボトル哺乳の比較-。第 57 回日本未熟児新生児学会(熊本)
8)美馬 文・ほか:5 ヶ月間の低酸素換気療法を行い在宅移行を目指した 18 trisomy
の女児例。第 57 回日本未熟児新生児学会(熊本)
140
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6 業績 (1)
診療部 ⑭皮膚科
⑭ 皮膚科
141
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6 業績 (1)
診療部 ⑭皮膚科
1 取り組み
当科は日本皮膚科学会の研修施設に認定されており、皮膚疾患に対する内科的・外科的治
療を行っている。皮膚科専門医が複数所属する病院で、県内外からの診療所や他病院から紹
介される様々な重症疾患・急性疾患の受け入れを行っている。当科が特に重きを置いているの
が皮膚外科・創傷治療である。皮膚腫瘍においては、良性悪性を問わず日帰りあるいは入院
での手術治療を積極的に行っている。良性腫瘍においてはCO2レーザーによる治療も可能であ
る。症例によっては非常勤の形成外科専門医と協同で手術を施行している。
褥瘡・熱傷やその他の皮膚潰瘍に対する創傷治療においては、局所陰圧閉鎖療法も積極
的に採り入れており、手術や保存的治療と組み合わせて患者に応じた最適な治療を提供してい
る。専門外来として平成20年から開始したフットケア外来においては、糖尿病患者に重点を置き、
足病変の予防・治療・ケアを積極的に行っている。当外来は他科医師および認定看護師や糖
尿病療養指導士、義肢装具士などのコメディカルとも密に連携し、壊疽や足切断の回避に努め
ている。その他、
特殊な機器を用いた治療としては、
ナローバンドUVBの照射も可能な光線療法、
弾性ワイヤーを用いた陥入爪・巻き爪の矯正治療も行っている。
2 成果
入院患者の疾患内訳(平成24年度)
疾患
患者数(人) 手術症例(人)
悪性腫瘍
32
28
良性腫瘍
14
14
皮膚潰瘍
11
6
熱傷
6
6
褥瘡
1
1
下肢静脈瘤
1
1
細菌感染症
13
2
ウイルス感染症
5
0
水疱症
4
0
その他
5
1
92
59
計
一昨年度(平成23年度)の入院患者総数は87人、手術症例は38人であった。
比較すると、昨年度は入院総数に占める手術症例の割合が増加しており、より皮膚外科的治
療の対象となる症例が増えてきていることがわかる。
142
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6 業績 (1)
診療部 ⑭皮膚科
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
飯田 秀之
医長
平13
日本皮膚科学会認定専門医、日本研究皮膚科学会、医学博士
皮膚科一般
森戸 啓統
医長
平16
日本皮膚科学会認定専門医
皮膚科一般
所属学会・資格等
専門領域
4 業績
【発表】
一般演題
1)森戸啓統・ほか:Aneurysmal fibrous histiocytoma の一例。第 41 回奈良県皮膚科研
究会(奈良)
143
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6 業績 (1)
診療部 ⑮泌尿器科
⑮ 泌尿器科
144
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6 業績 (1)
診療部 ⑮泌尿器科
1 取り組み
当科が力を入れている疾患は、⑴腫瘍性疾患(腎・尿路上皮・前立腺・精巣・副腎・後
腹膜などの悪性・良性腫瘍)
、⑵尿失禁を含む排尿障害・骨盤婦人泌尿器科、⑶尿路結石、
⑷尿路感染症などで、⑸腎不全・血液浄化治療は腎臓内科と連携して行っている。
腎臓・副腎外科は、体腔鏡下手術にいち早く取り組み、奈良県下では奈良医大・天理よろ
ず相談所病院と並ぶ手術症例数を有している。排尿障害は松本医師を中心に積極的に治療を
行うとともに臨床研究においても成果を挙げている。また、2012年10月より赴任した福井医師(小
児泌尿器科専門医)に加え、奈良医大・青木勝也医師(小児泌尿器科専門医)を非常勤
医師として招請し、北和地区の小児泌尿器科治療の中心的な役割を果たしている。
診療面では、腎・尿路疾患センターの発足に伴い、腎臓内科との共同診療を構築する中で、
血液浄化治療室の効率的運営が進んでいる。2013年3月より稼動する手術支援ロボット(ダ・ヴィ
ンチ)導入に伴い、安全確実なロボット手術手技を速やかに確立し、年間50例の前立腺癌手
術を当面の目標とする。同時に、ダ・ヴィンチと並び腹腔鏡下手術を当科の最大の特徴として手
術件数の増加を図る。
2 成果
年間入院患者数はここ数年約600人と横ばいで、平均在院日数も約7.5日で安定して推移して
いる。
10年以上前から腹腔鏡下手術に積極的に取り組み、年間約40件となっている。腎癌、腎盂・
尿管癌、副腎腫瘍に対しては一部の進行癌を除いて、大多数の症例において腹腔鏡下手術
で対応可能である。膀胱癌、腎臓癌では可能な限り臓器温存治療を行っている。特に、2012
年の腎癌に対する腎部分切除術は7件を実施し、腹腔鏡下手術を行った腎癌症例の1/3を占め
るようになった。
尿路結石症に対しては、ガイドラインの普及の影響もあり、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
が年間約50件と減少してきたのに対して、経尿道的手術(TUL)の件数が徐々に増加してお
り過去数年の年間10~13件から2012年は20件に増加した。
手術件数の年次推移は、2009年443件、2010年473件、2011年489件、2012年492件と順
調に増加している。2013年3月より稼動する手術支援ロボット、ダ・ヴィンチの導入により、前立
腺手術の増加が見込まれると同時に、一般腹腔鏡手術件数の増加が期待される。特筆すべき
は、腎・尿路疾患センター開設以来のバスキュラーアクセス(シャント)手術の増加である。最
近5年間のシャント手術件数はそれぞれ、34件、60件、58件、78件で、センター開設前に比較
して倍増した。シャント手術件数の増加は、北和地区において腎臓病専門医が常勤する病院
が当院のみである現状から当院で扱うCKD患者が増加していることを示している。
145
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6 業績 (1)
診療部 ⑮泌尿器科
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
三馬 省二
腎・尿路疾患
センター長
兼 部長
昭53
奈良県立医科大学臨床教授、奈良県立医科大学泌尿器科非常勤講師、
泌尿器科腫瘍、一般泌尿器科、
日本泌尿器科学会指導医・専門医、日本腎臓学会指導医・専門医・学術評議員、
日本透析医学会指導医・専門医・評議員、国際泌尿器科学会、米国泌尿器科学会、体腔鏡下手術、血液浄化治療
日本泌尿器内視鏡学会、日本小児泌尿器科学会、日本癌治療学会、日本癌学会、他
影林 賴明
医長
昭61
日本泌尿器科学会指導医・専門医、日本透析医学会指導医・専門医、日本腎臓学会、泌尿器科腫瘍、一般泌尿器科、
日本泌尿器内視鏡学会、日本癌治療学会、他
体腔鏡下手術、血液浄化治療
松本 吉弘
医長
平12
日本泌尿器科学会指導医・専門医、日本透析医学会、日本泌尿器内視鏡学会、
日本排尿機能学会、日本癌治療学会、他
泌尿器科腫瘍、一般泌尿器科、
排尿障害、婦人骨盤外科、
体腔鏡下手術
中井 靖
医長
平16
日本泌尿器科学会専門医、日本透析医学会、日本泌尿器内視鏡学会、
日本癌治療学会、他
泌尿器科腫瘍、一般泌尿器科
福井 真二
医長
平16
日本泌尿器科学会専門医、日本泌尿器内視鏡学会、日本小児泌尿器科学会
日本癌治療学会、日本透析医学会、他
小児泌尿器科
一般泌尿器科
青木 勝也
非常勤
医員
平7
所属学会・資格等
専門領域
日本泌尿器科学会指導医・専門医、日本小児泌尿器科学会専門医、日本透析医学会、小児泌尿器科
日本排尿機能学会、日本泌尿器内視鏡学会、日本癌治療学会、他
体腔鏡下手術
4 業績
【論文】
原著
1)Matsumoto Y, Miyazato M, Yokoyama H, Kita M, HIrao Y, Chancellor MB,
Yoshimura N: Role of M2 and M3 muscarinic acetylcholine receptor subtypes in
activation of bladder afferent pathways in spinal cord injured rats. Urology 79: 1184.
e1 5-20, 2012 doi: 10.1016/j.urology.2012.01.022. Epub 2012 Mar 3
2)Matsumoto Y, Torimoto K, Hayashi Y, Nauri M, Kiniwa M, Hirao Y, Yoshimura N:
Modulation of bladder afferent activity by propiverine and its active metabolites
(M-1 and M-2) in rats. LUTS 4: 150-153, 2012
3)Fukui S, Watanabe M, Yoshino K: A case of 46, XY DSD presenting as a crossed
ectopic gonad with contralateral sliding inguinal hernia. J Pediatr Surg 47: 23322335, 2012 doi: 10.1016/j.jpedsurg.2012.09.053.
4)Fukui S, Watanabe M, Yoshino K: Intrarenal reflux in primary vesicoureteral reflux.
Int J Urol 2012, doi: 10.1111/iju.12015. [Epub ahead of print]
5)Miyake M, Anai S, Fujimoto K, Ohnishi S, Kuwada M, Nakai Y, Inoue T, Tomioka A,
Tanaka N, Hirao Y: 5-fluorouracil enhances the antitumor effect of sorafenib and
sunitinib ina xenograft model of humen renal cell carcinoma. Oncol Lett 3: 11951202, 2012
6)Tanaka N, Fujimoto K, Harayama A, Nakai Y, Chihara Y, Anai S, Tomioka A,
Shimada K, Konishi N, Hirao Y: Calculated tumor volume is an independent
predictor of biochemical recurrence inpatients who underwent retropubic radical
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6 業績 (1)
診療部 ⑮泌尿器科
prostatectomy. Adv Urol 2012; 2012:204215. doi: 10.1155/2012/204215. Epub
2012 May 13.
7)影林頼明、中井 靖、松本吉弘、三馬省二、宮坂俊輝、中川裕之:前立腺針生検病
理組織の予測における MRI および拡散強調像 ADC 値の有用性。泌尿紀要 58: 405408、2012
8)篠原雅岳、三馬省二、影林頼明、松本吉弘、初鹿野俊輔、中井 靖、鳥本一匡:T2
腎細胞癌に対する後腹膜鏡下腎摘除術の経験。県奈病医誌 116: 32-34、2012
9)青木勝也、武長真保、後藤大輔、福井真二、藤本清秀、平尾佳彦、仲川嘉紀、金子
佳照、三馬省二:精巣固有鞘膜フラップによる陰茎白膜腹側延長術の経験。日小泌
会誌 21: 22-25、2012
10)石川博文、渡辺明彦、高 済峯、向川智英、西和田 敏、石岡興平、吉川高宏、平野仁嗣、
井谷嘉男、三馬省二、下村俊行、中西敬介、関川 進、宮内義純:骨盤内悪性腫瘍の
局所再発に対する仙骨合併切除症例の経験。県奈病医誌 16: 27-31、2012
11)丸山直樹、吉本宗平、藤木健吾、中野知哉、安 基鉉、上嶋運啓、岡 宏保、藤本
隆富、井上文隆、篠原雅岳、中井 靖、松本吉弘、影林頼明、三馬省二:慢性腎臓
病患者に対する短期間教育入院-クリニカルパス作成後 1 年間の成果-。県奈病医
誌 16: 40-44、2012
12)松本吉弘、影林頼明、中井 靖、鳥本一匡、青木勝也、三馬省二:後腹膜鏡下傍大
動脈・大静脈リンパ節生検の経験。県奈病医誌 17:18-20、2013
症例報告
1)飯田孝太、松本吉弘、篠原雅岳、中井 靖、鳥本一匡、影林頼明、三馬省二:経皮
的腎動脈塞栓後に体腔鏡下腎摘除術を行った腎動静脈奇形の 1 例。県奈病医誌 16:
66-68、2012
2)中井 靖、川上 隆、壬生寿一、坂 宗久:エコーガイド下シャント PTA を試みた
1 例。奈良透析会誌 17: 49-52、2012
【発表】
講演
1)三馬省二:腎臓と貧血と鉄。北和地域腎友会・新春のつどい(生駒)
2)三馬省二:Opening remarks(はじめに)
。北和 CKD(慢性腎臓病)セミナー(奈良)
3)影林頼明:腎後性腎不全。北和 CKD(慢性腎臓病)セミナー(奈良)
4)三馬省二:泌尿器科とは。日本泌尿器科学会創立 100 周年記念奈良市民講座(奈良)
5)三馬省二:おしっこが近い、夜おしっこに起きる-頻尿と夜間頻尿-(奈良)
一般演題
1)Fukui S, et al: A case of 46XY presenting undescended testis with contralateral
inguinal hernia. The 12th Meeting of Japanese-Korean Society of Pediatric Urologist
(Chiba, Japan)
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6 業績 (1)
診療部 ⑮泌尿器科
2)Nakai Y, et al: Maintenance treatment with bacillus Calmette-Guerin for noninvasive urothelial carcinoma of urinary bladder after complete TURBt. The 32nd
Annual Meeting of Society Internationale Urologica (Fukuoka, Japan)
3)福井真二・ほか:原発性膀胱尿管逆流症に対する内視鏡的注入療法の経験。第 21 回
東海小児腎尿路疾患研究会(名古屋)
4)福井真二・ほか:VUR に対する top down approach -腎機能障害からみた妥当性-。
第 21 回日本小児泌尿器科学会総会(岡山)
5)中井 靖・ほか:無症候性の維持透析患者における尿沈渣、尿培養の検討。第 36 回
奈良県医師会透析部会学術集会(奈良)
6)中井 靖・ほか:無症候性の維持透析患者における尿沈渣、尿培養の検討。第 57 回
日本透析医学会総会(札幌)
7)中井 靖・ほか:5-aminolevulinic acid (5-ALA) を用いた尿中剥離細胞に対する光力
学的定量分析。第 100 回日本泌尿器科学会総会(横浜)
8)中井 靖・ほか:前立腺癌腫瘍体積/前立腺体積は前立腺全摘除術後の生化学的再
発予測因子になりうる。第 50 回日本癌治療学会総会(横浜)
9)中井 靖・ほか:IgG4 関連硬化性疾患による後腹膜線維症の 1 例。第 62 回日本泌尿
器科学会中部総会(富山)
10)松本吉弘・ほか:前立腺癌における MRI 拡散強調画像の有用性の検討。第 100 回日
本泌尿器科学会総会(横浜)
11)松本吉弘・ほか:後腹膜鏡下傍大動脈・大静脈リンパ節生検の経験。第 18 回奈良県
内視鏡下手技研究会(奈良)
12)松本吉弘・ほか:慢性腎臓病 (CKD) 患者の排尿習慣-排尿日誌と生化学的データの
解析-。第 19 回日本排尿機能学会(名古屋)
13)松本吉弘・ほか:慢性腎臓病 (CKD) 患者の排尿状態の解析と腎機能との関連。第 21
回奈良排尿障害研究会(大阪)
14)松本吉弘・ほか:後腹膜鏡下傍大動脈・大静脈リンパ節生検の経験。第 11 回奈良泌
尿器科疾患カンファランス(奈良)
5 今後の課題
1)ダ・ヴィンチ導入
2013 年 3 月に稼動開始のダ・ヴィンチを 1 日でも早く軌道に乗せるべく、準備を進める必要が
ある。奈良県下では第 1 号の導入であり、採算性も考慮しながら計画的な導入を進める。
2)小児泌尿器科の充実
奈良医大・青木勝也医師の指導のもと、北和地区の小児泌尿器科基幹病院としての実績を
積んできた。小児手術件数は、2009 年から 2012 年でそれぞれ 15 件、26 件、25 件、25 件
である。今後は小児に対する体腔鏡下手術も含め、さらに医療の質を高め、症例数の増加を
目指していく必要がある。
148
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6 業績 (1)
診療部 ⑯眼科
⑯ 眼科
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6 業績 (1)
診療部 ⑯眼科
1 取り組み
平成25年の眼科診療は、部長 竹谷 太(眼科専門医指導医・専門医 奈良県立医科
大学臨床教授)
・医員 宮田季美恵(平成20年卒)と非常勤医師 葛城良昌(眼科専門医)
・
大萩 豊(眼科専門医)
・峯 正嗣(眼科専門医)の5名と2名の視能訓練師で診察に当たっ
ている。
目標とする診療は、楽しい眼科である。患者さんも満足でうれしく、医師やORTもつらいことも
あるがそれ以上に診察・研究・教育を楽しく行え、看護師を含めたコメディカルも眼科の診療に
たずさわりたいと思える診療科にしていきたいと考えている。
当院では入院・日帰り両方の手術を行っており、基本的には月曜日の手術日に入院・火曜日
の手術日に日帰りの手術の予定としている。県立奈良病院の場合、内科や外科など複数の診
療科にかかっている患者さんの割合も多く、当科には全身状態が不良な例や難治例の占める割
合が多くなってきている傾向にあるように感じている。
我々は、白内障の手術をメインとしておこなっており、白内障の手術では、入院が必要な患者
さんや入院を希望される患者さんは6階北病棟に入院していただいている。片眼の場合約5日、
両眼の場合は約10日(手術日が月曜日のため)となっており、当院での白内障手術はほとんど
が小切開無縫合による超音波乳化吸引術で折り畳み式の眼内レンズを移植している。また、術
前後に角膜形状解析や眼球収差測定装置を使用し、より症例に即した眼内レンズの選択を模
索し、提案していくべく研鑽している。
光干渉断層計(OCT)の導入により、H24年から、抗血管内皮細胞増殖因子(VEGF)
薬の硝子体注入も行えるようにした。感染の危険性を最小限に低減させるべく、手術室にて注
入を行っている。
緑内障も、主要な部分を占めており、診断の補助として光干渉断層計も活用している。近年、
以前にもましてさまざまな抗緑内障薬が登場してきている。点眼を効果的に組み合わせにより、で
きる限り点眼にて眼圧のコントロールを行うことを目標とし、また、点眼数が増えすぎないように合
剤への変更をおこない、治療へのアドヒアランスが高まるように心がけている。経過は眼圧はもち
ろんのこと、OCT・動的視野検査および静的視野検査にて厳密に把握するように努めている。
それにもかかわらず病状の悪化が認められた場合には、緑内障手術(トラベクレクトミーやトラベ
クロトミーなど)を選択する方針としている。
当院はNICUを持つ県内2病院のうちの一つ(後一つは奈良県立医科大学)であり、そのた
め、県下の他病院と違い未熟児網膜症の診療にあたっているということが特徴である。未熟児
網膜症が発症しても自然に治った場合は視力への影響はないが、予定より早く生まれた赤ちゃん
は近視や乱視といった屈折異常のためにピントが合いにくかったり、視線が合わない斜視という
状態を合併することがある。そのため、外来にて定期的な検査も実施している。
その他当院での可能な眼科検査としては
1.視力検査2.眼圧検査3.屈折検査4.細隙灯検査5.眼底検査6.眼底カメラ撮影
7.蛍光眼底造影撮影8.静的視野検査9.動的視野検査10.隅角検査11.角膜内皮細胞解析
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6 業績 (1)
診療部 ⑯眼科
12.超音波検査13.網膜電位図14.調節検査15.中心フリッカー検査16.眼筋機能検査17.小児視力
検査18.立体視機能検査19.CT・MRI 検査20.眼鏡処方21.色覚検査22. 角膜形状解析23.眼
球収差測定などが、挙げられる。
当科では、「Quality of Vision」を患者様のそれぞれの状況にあわせて考えることにより、患
者様ひとりひとりにとってどこまで見えることが必要なのかを熟慮し、できうる限り各々に応じた治療
方法を選択していくことを念頭に治療を行っている。
2 成果
白内障手術
内反症手術
翼状片手術
前房洗浄
斜視手術
眼瞼腫瘍摘出術
脂肪脱整復術
硝子体切除術
水晶体摘出術
結膜縫合術
眼内レンズ縫着術
眼瞼下垂手術
硝子体内注入術
合計
平成22年
249
5
3
1
1
2
1
0
0
0
0
0
262
平成23年
242
5
2
2
0
0
0
1
1
1
1
0
255
(単位:件)
平成24年
267
1
0
0
2
2
0
0
1
0
2
4
22
301
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
竹谷 太
部長
平3
宮田 季美恵
医員
平20
所属学会・資格等
専門領域
日本眼科学会専門医・指導医
眼科一般、眼光学
日本眼科学会、日本眼科手術学会、日本網膜硝子体学会
眼科一般
4 業績
【発表】
講演
1)竹谷 太:角膜前面・後面の乱視の相関について ~前面強・弱乱視群の比較~。第
1 回関西角膜セミナー (大阪)
一般演題
1)小島正嗣:Multifocal electroretinograms in age-related macular degeneration before
and after photodynamic therapy.平成 24 年度奈良県立医科大学眼科学教室同窓会
講演会(大 阪)
151
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6 業績 (1)
診療部 ⑰耳鼻咽喉科
⑰ 耳鼻咽喉科
152
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6 業績 (1)
診療部 ⑰耳鼻咽喉科
1 取り組み
耳鼻咽喉科全般のほか、各分野で次のような方針に重点を置いている。
1.聴覚・神経耳科:難聴、めまい・平衡障害の診断・治療、難聴に対する手術療法
5.副鼻腔外科:内視鏡を用いた鼻・副鼻腔領域の形態的、機能的改善手術
3.頭頸部外科:手術療法のほか、放射線療法、化学療法を併用した集学的治療
4.アレルギー科:鼻アレルギーをはじめ耳鼻咽喉科領域の免疫・アレルギー治療の積極的治療
5.音声外科:嗄声・発声障害などの音声障害に対しての手術療法
患者様には、デジタル情報を駆使した分り易い説明とエビデンスに基づく的確な治療を心がけ
ている。当科では、早く確実に治すことを目標に、外科的治療に重点を置きながら、診断から
治療までを一貫して行うことを基本理念としている。
2 成果
2012年に行った手術の件数は、319件であった。内訳は表1の通りである。この内、最も多い
のは鼻副鼻腔手術(ESS)の85例であった。次に耳科手術の38例であった。その他、喉頭
微細手術の35例、甲状腺手術の33例となっている。ほぼすべての症例に、クリニカルパスを導
入し、在院日数を短縮させている。
表1 2012年 手術症例
術名
件数
耳科手術
38
鼻副鼻腔手術(ESS)
85
扁桃摘出術
36
アデノイド切除術
12
喉頭微細手術
35
唾液腺腫瘍手術
12
甲状腺腫瘍手術
33
気管切開術
12
悪性腫瘍手術
17
頸部良性腫瘍手術
18
その他
21
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
藤田 信哉
部長
昭57
米山 恵嗣
医長
平4
尾﨑 大輔
医員
平20
所属学会・資格等
専門領域
奈良県立医科大学臨床教授、日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、
日本めまい平衡医学会専門会員、耳鼻咽喉科臨床学会、日本耳科学会、
日本頭頸部外科学会、日本小児耳鼻咽喉科学会、臨床研修医指導者講習会受講済
神経耳科、聴力改善手術、
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、臨床研修医指導者講習会
頭頸部外科
日本耳鼻咽喉科学会
耳鼻咽喉科一般
153
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6 業績 (1)
診療部 ⑰耳鼻咽喉科
4 業績
【論文】
著書
1)藤田信哉:椎骨脳底動脈循環不全によるめまいの診断と治療。ENT 臨床フロンティ
ア めまいを見分ける・治療する。内藤 泰編、pp206-210、中山書店、東京、2012
総説
1)藤田信哉:めまい症の実態。奈医報 25: 38-43、2012
原著
1)藤田信哉、山中敏彰、成尾一彦、細井裕司:マイコプラズマ肺炎に続発した両側感
音難聴の 1 例。Otol Jpn 21: 816-820、2012
2)城田志保、山中敏彰、澤井八千代、清水直樹、村井孝行、岡本英之、藤田信哉、細
井裕司:BPPV における骨代謝。頭頸部自律神経 26: 24-27、2012
3)藤田信哉、山中敏彰、成尾一彦、細井裕司:3D-CT が有用であった耳かき外傷例。
耳鼻臨床 105: 933-937、2012
4)山中敏彰、城田志保、澤井八千代、村井孝行、清水直樹、福田多介彦、岡本英之、
藤田信哉、細井裕司:BPPV と骨粗鬆症の臨床的関係。Equilibrium Research 71:
33-39、2012
【発表】
一般演題
1)藤田信哉・ほか:医原性鼓室内異物の 1 小児例。第 22 回日本頭頸部外科学会総会(福
島)
2)藤田信哉・ほか:メニエール病難治例に対する鼓膜チューブ留置術の経験。第 320
回日耳鼻大阪地方連合会(大阪)
3)藤田信哉・ほか:医原性鼓室内異物の一例。第 321 回日耳鼻大阪地方連合会(大阪)
4)藤田信哉・ほか:動揺感が主訴であった転移性小脳腫瘍の 1 例。第 74 回耳鼻咽喉科
臨床学会(東京)
5)藤田信哉・ほか:動揺感から始まった小脳腫瘍の 1 例。第 322 回日耳鼻大阪地方連
合会(大阪)
6)藤田信哉・ほか:メニエール病難治例に対するステロイド鼓室内注入療法(ITS)の
有用性について。第 71 回日本めまい平衡医学会総会(名古屋)
7)藤田信哉・ほか:メニエール病に対する ITS の有用性-難治例について-。第 323
回日耳鼻大阪地方連合会(大阪)
154
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6 業績 (1)
診療部 ⑱放射線科
⑱ 放射線科
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6 業績 (1)
診療部 ⑱放射線科
1 取り組み
当科は放射線科診療の柱である、画像診断・核医学診断・IVRおよび放射線治療全てに
対応する日常診療を行っている。画像診断では中枢神経領域・胸腹部領域・骨軟部領域全般
において、CT・MRIなど各種造影診断を行っている。核医学診断もPET診断を除く全般に対
応している。
放射線治療も全領域に対して行っており、現在施行出来ていないのは装置が無い定位照射
や遠隔照射である。
放射線診療に関する教育活動としては日本医学放射線学会の定めるところの修練機関とし
て、総合修練機関である奈良県立医科大学と連携し、上記の画像診断・核医学診断・IVRお
よび放射線治療のうち、装置の不備で一時的に認定を外れている核医学診断を除く全ての分
野での修練が可能であり、放射線診断および放射線治療専門医育成教育の一翼を担っている。
また、日本IVR学会の専門医修練施設としても認定されており、IVR専門医育成にも貢献してい
る。
2 成果
項目
一般撮影
CT検査
MRI検査
核医学検査
診断血管造影
IVR(内 非血管)
超音波検査
造影検査他(骨塩)
放射線治療・治療計画
件数
40,777
13,220
10,740
604
164
284(89)
424
907(135)
8,152
備考
ポータブルを含む
胸腹部も1件と計算
心臓カテを除く。診断のみの件数
冠動脈インターベンションを除く
放射線科医実施分のみ
消化管・DIP等
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
中川 裕之
部長
昭58
日本医学放射線学会専門医:診断、日本脳神経血管内治療学会指導医、
日本IVR学会専門医、マンモグラフィー読影認定医
画像診断、IVR
堀川 典子
医長
昭63
日本医学放射線学会専門医:治療、日本放射線腫瘍学会認定医、
日本乳癌学会専門医、マンモグラフィー読影認定医
画像診断、
放射線治療
井上 正義
医長
平16
救命救急センター兼任、
日本医学放射線学会専門医:診断、日本IVR学会、マンモグラフィー読影認定医
画像診断、IVR
宮坂 俊輝
医員
平17
日本医学放射線学会専門医:診断、日本核医学会専門医、
マンモグラフィー読影認定医
画像診断、IVR
上原 朋子
医員
平19
日本医学放射線学会認定医、マンモグラフィー読影認定医
画像診断
所属学会・資格等
専門領域
156
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6 業績 (1)
診療部 ⑱放射線科
4 業績
【論文】
総説
1)中川裕之:経皮的頚動脈ステント留置術(CAS)
。県奈病医誌 16: 10-15、2012
原著
1)Nakagawa I, Wada T, Nakagawa H, Hironaka Y, Kichikawa K, Nakase H: A rare
brainstem hemorrhage during transvenous embolization of a cavernous dural
arteriovenous fistula. J Clin Neurosci 19: 589-592, 2012
2)Takaki S, Sakaguchi H, Anai H, Tanaka T, Yamamoto K, Morimoto K, Nishiofuku H,
Inoue M, Sueyoshi S, Nagata T, Hidaka T, Uchida H, Kichikawa K: Long-term
outcome of transcatheter subsegmental and segmental arterial chemoemobolization
using lipiodol for hepatocellular carcinoma. Cardiovasc Intervent Radiol 35: 544-554,
2012
3)Miyasaka T, Taoka T, Nakagawa H, Wada T, Takayama K, Myochin K, Sakamoto ,
Ochi T, Akashi T, Kichikawa K: Application of susceptibility weighted imaging
(SWI) for evaluation of draining veins of arteriovenous malformation: Utility of
magnitude images. Neuroradiology Nov; 54: 1221-1227, 2012
4)Akashi T, Taoka T, Ochi T, Miyasaka T, Wada T, Sakamoto M, Takewa M,
Kichikawa K: Branching pattern of lenticulostriate arteries observed by MR
angiography at 3.0T. Jpn J Radiol 30: 331-335, 2012
5)Iwamura A, Taoka T, Fukusumi A, Sakamoto M, Miyasaka T, Ochi T, Akashi T,
Okuchi K, Kichikawa K: Diffuse vascular injury: convergent-type hemorrhage in the
supratentorial white matter on susceptibility-weighted image in cases of severe
traumatic brain damage. Neuroradiology 54: 335-43, 2012
6)Uehara T, Takahama J, Marugami N, Takahashi A, Takewa M, Itoh T, Kitano S,
Nakagawa H, Kichikawa K: Visualization of ovarian tumors using 3T MR imaging:
Diagnostic effectiveness and difficulties. Magn Reson Med Sci 11: 171-178, 2012
7)高濱潤子、丸上永晃、高橋亜希、上原朋子、武輪 恵、伊藤高広、吉川公彦、大井
豪一:子宮筋腫−治療法を見据えた MRI 診断−。画像診断 32: 284-292、2012
8)武輪 恵、高濱潤子、高橋亜希、丸上永晃、伊藤高広、上原朋子、小川真代、吉川
公彦:子宮筋腫・内膜症性嚢胞。画像診断 32: 435-444、2012
9)影林頼明、中井 靖、松本吉弘、三馬省二、宮坂俊輝、中川裕之:前立腺針生検病
理組織の予測における MRI および拡散強調像 ADC 値の有用性。泌尿紀要 58: 405408、2012
症例
1)上原朋子、宮坂俊輝、井上正義、堀川典子、中川裕之、三浦幸子、西本優子:びま
157
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6 業績 (1)
診療部 ⑱放射線科
ん性すりガラス影を呈した若年者の市中肺炎の1例。県奈病医誌 17:53-56、2013
【発表】
講演
1)中川裕之:経皮的頚動脈ステント留置術(CAS)の実際。青丹 IVR クラブ教育講演(奈
良)
2)中川裕之:Advanced course. Neuro IVR. 第 3 回 IVR 看護セミナー(奈良)
一般演題
1)堀川典子・ほか:切除不能進行乳癌に対する放射線治療。第 71 回日本医学放射線学
会総会(横浜)
2)堀川典子・ほか:再発乳癌放射線治療における再照射症例の検討。第 20 回日本乳癌
学会学術総会(熊本)
3)堀川典子・ほか:再発乳癌放射線治療における再照射症例の検討。第 25 回日本放射
線腫瘍学会学術大会(東京)
4)井上正義:再発・進行乳癌に対する鎖骨下リザーバー動注療法の経験。第 21 回青丹
よし IVR 倶楽部(橿原)
5)井上正義・ほか:進行乳癌に対する放射線治療併用リザーバー動注の初期経験。日
本 INTERVENTIONAL RADIOROGY 学会第 32 回関西地方会(大阪)
6)井上正義:PTCD による合併症の対応と処置の実際。第 22 回青丹よし IVR 倶楽部(奈
良)
7)井上正義・ほか:リザーバー動注と放射線治療の併用療法が奏功した進行乳癌の 3 例。
第 37 回リザーバー研究会(横浜)
8)井上正義・ほか:リザーバー動注および放射線治療を併用した切除不能進行乳癌の 2
例。第 26 回奈良乳腺研究会(奈良)
9)井上正義・ほか:鎖骨下動注リザーバー療法を施行した局所進行乳癌の 2 例。第 20
回乳癌学会総会(熊本)
10)Miyasaka T, et al: Usefullness of magnitude image of Susceptibility weighted
imaging (SWI) to evaluate the treatment of dural arteriovenous fistula (dAVF).
ASNR 50th Annual Meeting & The Foundation of the ASNR Symposium 2012
(New York, USA)
11)Miyasaka T, et al: Evaluation of the pre- and post-treatment hemodynamics of dural
arteriovenous fistula (dAVF) using magnitude image of Susceptibility weighted
imaging (SWI). 20th ISMRM Annual Meeting & Exhibition (Melbourne, Australia)
12)Miayasaka T, et al: Susceptibility weighted image (SWI) featuring cerebral vascular
disease: The evaluation and the management. 98th Scientific Assembly and Annual
Meeting (Chicago, USA)
13)宮坂俊輝・ほか:SWI 強度画像を用いた硬膜動静脈瘻の評価。第 41 回日本神経放射
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6 業績 (1)
診療部 ⑱放射線科
線学会(志摩)
14)宮坂俊輝・ほか:Evaluation of the treatment of dural arteriovenous fistula (dAVF)
using magnitude image of Susceptibility weighted imaging (SWI). 第 71 回日本医学
放射線学会総会(横浜)
15)宮坂俊輝・ほか:拡散尖度画像で経過を観察できた進行性多巣性白質脳症の 2 例。
第 302 回関西地方会(大阪)
16)上原朋子・ほか:嚢胞性子宮腺筋症を母地として発生した類内膜癌の 1 例。第 26 回
腹部放射線研究会(大阪)
5 その他
以前より行っていた胸腹部 IVR に加えて H22 年度からは脳神経 IVR にも積極的に取り組ん
でいる。当科では外来診察から自科での入院として脳動脈瘤塞栓や頸動脈ステント留置術
(CAS) 等の脳神経・脊髄 IVR を行っており、これは脳神経 IVR を行う放射線科としては全国
的には比較的珍しい例である。部門責任者は日本脳神経血管内治療専門医制度の指導医資
格を有しており、所定の年間実施症例数があれば指導施設として認定される。H24 年までは実
施症例数の不足から指導施設としての認定には至っていないが、これは紹介症例数がまだ限ら
れていることもさることながら、病棟管理医師のマンパワーの不足から来る病床数制限によるとこ
ろが多い。しかし今年については紹介症例数の増加と、病棟の弾力的運用等で改善されてき
ており、このままの傾向が維持出来れば専門医指導施設の認定も可能となることが期待できる。
159
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6 業績 (1)
診療部 ⑲麻酔科
⑲ 麻酔科
管理症例数
(単位:件)
平成21年
平成22年
平成23年
総症例数
2074
2301
2347
全麻症例
1648
2035
2216
脊椎麻酔
425
262
223
緊急
234
307
330
70/80歳以上
606/161
649/182
686/212
帝王切開(緊急)
164(70)
162(80)
164(81)
参考資料(ペインクリニック)
ペインクリニック外来として公示せずに院内紹介患者のみ週 1 回診察している。
160
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6 業績 (1)
診療部 ⑲麻酔科
1 取り組み
当院は北和地区の基幹病院として、救命救急センター、周産期母子医療センターをかかえ、
さまざまな診療科が手術を行っている。麻酔科は、手術室で行われるすべての全身麻酔および、
大半の脊髄くも膜下麻酔を担当し、予定の手術はもちろん、緊急を要する救急症例に対しても、
オンコール体制で 24 時間対応しながら、手術室を安全に、かつ効率的に運営することを目標に
している。
術前には、周術期管理センターにおいて術前診察を行い、看護師、薬剤師と協力して患者
さんの情報を共有し合併症やアレルギー疾患等を見逃すことの無いようチームとして取り組んでい
る。
麻酔導入に当たっては、種々のビデオ喉頭鏡や声門上気道確保器具に習熟し、致命的な挿
管困難を回避するように努めている。術中は、様々な生体情報モニターを用いて術前合併症や
手術術式に応じた全身管理を行っている。
術後鎮痛に対しては、硬膜外麻酔、超音波ガイド下神経ブロック、持続的な鎮痛薬の静注
など多方面の鎮痛法を用いてできるだけ患者さんに快適に周術期を過ごしていただけるよう努力
している。特に、近年の傾向として、高齢の重症患者の増加により、術前から抗血小板薬の
内服をされている方や、整形外科、婦人科等術中術後に、肺血栓塞栓症の予防のため抗凝
固薬を使用する方などが多く、そういった患者さんには、硬膜外麻酔が不可能なため、超音波
ガイド下の下肢や体幹神経ブロックを多用している。
各科の手術件数増加に対応して、麻酔科管理症例数は 2009 年までは年間 1800 症例程度
で推移していたが、2010 年は 2076 例、2011 年は 2301 例、2012 年には 2347 例と年々増加
傾向にある。
また、がん性疼痛を含めた難治性疼痛に対し、神経ブロックなどを用いたペインクリニック診療
を行っている。ペインクリニックの診療については、手術室の麻酔管理を優先させるため、かなり
制限した診療のみとしているが、患者様のニーズは多い領域であるため、将来的には拡大して
いきたいと考えている。
2 成果
手術時神経ブロック施行例
腹横筋膜面ブロック
199例
腹直筋鞘ブロック
32例
大腿神経ブロック
129例
坐骨神経ブロック
60例
閉鎖神経ブロック
11例
腸骨鼠径下腹神経ブロック
1例
肩甲背神経ブロック
125例
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6 業績 (1)
診療部 ⑲麻酔科
ペインクリニック症例数 神経ブロック施行例
帯状疱疹神経痛
81例
トリガーポイントブロック
140例
開胸術後症候群
45例
仙骨硬膜外ブロック
46例
脊柱疾患
41例
星状神経節ブロック
6例
頭痛
6例
肋間神経ブロック
3例
癌性疼痛
9例
眼窩上神経ブロック
1例
外傷性症候群
4例
透視下ブロック
9例
神経損傷
4例
3 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師名
役職
医師資格
取得年
下村 俊行
周術期管理
センター長
昭57
葛本 直哉
部長
神谷 達
所属学会・資格等
専門領域
日本麻酔科学会専門医・指導医、日本ペインクリニック学会専門医、
日本臨床麻酔学会、日本緩和医療学会
臨床麻酔全般、
ペインクリニック、緩和ケア
平4
日本麻酔科学会専門医・指導医、日本臨床麻酔学会
臨床麻酔全般
医長
平5
日本麻酔科学会専門医・指導医、日本臨床麻酔学会
臨床麻酔全般
中山 佳奈
医長
平9
日本麻酔科学会専門医、日本ペインクリニック学会専門医、
日本臨床麻酔学会
臨床麻酔全般
ペインクリニック
岩田 正人
医長
平12
日本麻酔科学会専門医・指導医、日本臨床麻酔学会
臨床麻酔全般
森岡 匡世
医長
平13
日本麻酔科学会専門医
臨床麻酔全般
木本 勝大
医員
平21
日本麻酔科学会専門医
臨床麻酔全般
4 業績
【論文】
著書
1)位田みつる、川口昌彦:脳血管障害患者。麻酔前の評価・準備と予後予測-病態に
応じた周術期管理のために-。澄川耕二・編、pp94-100、克誠堂出版、東京、2012
原著
1)内藤祐介、川口昌彦、田中 優、井上聡巳、古家 仁:麻酔科術前・術後外来の有
用性と問題点。麻酔 61: 239-244、2012
2)小林 厚、四宮敏章、徳岡泰紀、山崎正晴、高橋正裕、竹澤祐一、下村俊行、上島
成也、久須美房子、長内清行:まほろば PEACE 医師のための緩和ケア研修会を開
催して―平成 21 年・22 年活動報告―。奈良医誌 63: 9-16、2012
症例報告
1)福本倫子、池田真一、中山佳奈、田山準子、神谷 達、下村俊行、
:全身麻酔中にア
ナフィラキシーショックとなった 2 例。県奈病医誌 16: 48-51、2012
2)石川博文、渡辺明彦、高 済峯、向川智英、西和田 敏、石岡興平、吉川高宏、平野仁嗣、
162
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6 業績 (1)
診療部 ⑲麻酔科
井谷嘉男、三馬省二、下村俊行、中西敬介、関川 進、宮内義純:骨盤内悪性腫瘍の
局所再発に対する仙骨合併切除症例の経験。県奈病医誌 16: 27-31、2012
3)位田みつる、松成泰典、古家 仁:開心術後に両側反回神経麻痺が遷延した 1 症例。
臨麻 11: 1621-1624、2012
4)岩田正人、位田みつる、内藤祐介、中山佳奈、神谷 達、葛本直哉、下村俊行:オ
キシコドン投与中の患者に対する術後疼痛管理の1例。県奈病医誌 17:39-41
5)中山佳奈、位田みつる、内藤祐介、岩田正人、神谷 達、葛本直哉、下村俊行:
Guillain-Barre’症候群による両側顔面神経麻痺に星状神経節ブロックを施行した1
症例。県奈病医誌 17:42-44
【発表】
一般演題
1)下村俊行:周術期管理における安全性の向上と効率化・当院での周術期管理地チー
ムの関わりについて。日本医療マネジメント学会第 7 回奈良支部学術集会(橿原)
2)内藤祐介・ほか:i-gel® を併用したファイバーガイド下挿管が有効であった Pierre
Robin Syndrome の一例。第 19 回奈良県医師会麻酔部会(橿原)
3)内藤祐介・ほか:開頭腫瘍摘出術における麻酔満足度についての検討。第 16 回日本
神経麻酔・集中治療研究会(岡山)
4)位田みつる・ほか:中心静脈カテーテル留置の複数回穿刺と関連因子についての検討。
第 59 回日本麻酔科学会総会(神戸)
5)内藤祐介・ほか:IV
PCA が処方された全身麻酔における術後満足度に関する検討。第 59 回日本麻酔科学
会総会(神戸)
6)森岡佐知子、下村俊行・ほか:婦人科悪性腫瘍手術における体幹部末梢神経ブロッ
クの有用性に関する検討。第 126 回近畿産科婦人科学会総会(大阪)
7)井上聡巳、岩田正人・ほか:ラットベンゾジアゼピン耐性モデルにおける全前脳虚
血とジアゼパム虚血後投与の影響。第 57 回日本集中治療医学会近畿地方会(大津)
8)内藤祐介・ほか:経食道心エコーにより導入後に Papillary fibroelastoma を検出した
一例。日本心臓血管麻酔学会第 17 回学術大会(仙台)
9)下村俊行・ほか:外反母趾手術に対する坐骨神経ブロックの有用性の検討。日本臨
床麻酔学会第 32 回大会(郡山)
10)位田みつる・ほか:当院での過去 6 年間の癒着胎盤症例における分娩方法の選択お
よび麻酔方法と今後の課題。日本臨床麻酔学会第 32 回大会(郡山)
11)内藤祐介・ほか:大腿神経ブロックを併用した整形外科手術の術後疼痛に影響を与
える因子の後ろ向き検討。日本臨床麻酔学会第 32 回大会(郡山)
12)野村泰充、内藤祐介・ほか:術前絶飲方法と患者口渇感との関連性についての検討。
日本臨床麻酔学会第 32 回大会(郡山)
163
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6 業績 (1)
診療部 ⑲麻酔科
13)下村俊行、内藤祐介:帝王切開時に発症した臨床的羊水塞栓症の 1 例。第 116 回日
本産科麻酔学会(大宮)
14)内藤祐介・ほか:持続する胃潰瘍出血に対し帝王切開後に内視鏡下で止血し得た症例。
第 116 回日本産科麻酔学会(大宮)
5 その他
新病院では、手術室の増加、診療科の追加等が計画されており、麻酔科も新しい体制に対
応していきたいと考えている。
164
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6 業績 (2)
救命救急センター
(2)救命救急センター
165
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6 業績 (2)
救命救急センター
1 取り組み
救命救急センターは、奈良県初の救命救急センターとして設立され、30 年間にわた
り奈良県とりわけ北和地区の救急医療の中心的な役割を担ってきました。日本救急医
学会救急科専門医指定施設および指導医指定施設の認定を受け、現在では指導医 2 名
および専門医 5 名を中心として循環器内科、消化器内科、放射線科、整形外科などの
スタッフ 12 名で構成され、ICU・CCU および HCU の合計 30 床の救命救急センターの
運営にあたっている。
当センターは、
1)消防法の改正により、2012 年 1 月に奈良県救急搬送及び医療連携協議会により定
められた、傷病者の観察及び搬送先選定の取り決めに従い各署救急隊よりの傷病
者の救急搬入依頼の全てに応じる。
2)災害医療に貢献すべく、DMAT 隊員の養成や研修を行うとともに局所および広
域災害の発生現場に積極的に派遣する。
3)近隣医療機関よりの転院要請に対し、搬入基準により受け入れに応じる。
4)2013 年 4 月より当病院本館救急外来にて ER 外来を開設し、平日日勤帯の救急現
場より直接の傷病者の搬入依頼に対し全例に対応する。
5)当センターには常に初期臨床研修医が配置されており、研修医の教育も大きな役
割があり、研修医の専任指導医を配置し教育プログラムの充実に努める。
6)県立奈良病院の全職員を対象とした、
BLS 講習および AED 取扱講習の実施により、
全職員の救急医療への関心の向上と技能の向上に努める。
などを、運営の重要項目として掲げている。
2 救命救急センターの傷病者搬入状況(2012 年度)
(1)搬入傷病者数
男性 309 名(0 歳~ 97 歳、平均 60.9 歳)
女性 189 名(1 歳~ 99 歳、平均 64.1 歳)
合計 498 名(0 歳~ 99 歳、平均 62.1 歳)
(2)搬入経路
救急車による搬入(転院搬送を含む)386 名
当院救急外来および病棟より転送 105 名
その他 7 名
(3)搬送救急隊部署
奈良市 276 件
南   90 件(うち西大寺 21 件)
西   87 件(うち富雄 32 件)
中央   60 件(うち佐保 20 件)
166
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6 業績 (2)
救命救急センター
東   20 件
北   19 件
生駒市   34 件
大和郡山市   25 件
西和   19 件
山辺広域   15 件
中和広域    6 件
香芝広陵    5 件
桜井市    2 件
宇陀広域    1 件
五條市    1 件
精華    1 件
東大阪市    1 件
(4)搬入原因疾患
全体 498 例のうち、内因性疾患 344 例、外因性要因 154 例
内因性疾患 例数 外因性要因 例数
脳血管障害
77
多発外傷
34
急性冠動脈症候群
64
頭部外傷
40
急性腹症・膵炎など
14
急性中毒
15
上部消化管出血
12 (薬剤、農薬、脱法ハーブなど)
悪性腫瘍(脳腫瘍含む)  9
骨盤骨折
心不全  8
縊頚・窒息  9
急性大動脈解離  7
重症熱傷  9
敗血症(ショック含む)  5
頸椎損傷  6
肺炎  4
溺水  5
不整脈  4
熱中症  5
急性肺塞栓症  3
低体温症  5
心筋炎  3
11
(一部重複)
心肺停止患者(CPA)は、89 例 交通外傷による損傷 55 例
外因性要因による CPA 12 例 労働災害による損傷 15 例
転機は、外来死亡 69 例
死亡退院 15 例
生存転院   5 例
(5)平均在院日数 7.1 日
167
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6 業績 (2)
救命救急センター
3 災害関連活動
(1)
2012 年 6 月 台風 4 号等に伴う DMAT 隊派遣要請
県立奈良病院 DMAT 隊を上北山村保健センターに派遣
(2)
2012 年 8 月 台風 4 号等に伴う奈良 DMAT 活動報告会
(3)
2012 年 9 月 平成 24 年度奈良県防災総合訓練
天理市天理教白川地区内広場
県立奈良病院 DMAT 隊参加
(4)
2013 年 1 月 平成 24 年度第 3 回近畿地方 DMAT 訓練
京都市消防活動総合センター
県立奈良病院 DMAT 隊参加
(5)
2013 年 2 月 平成 24 年度第 2 回近畿ブロック災害派遣医療チ―ム(DMAT)技能
維持研修
姫路市国立病院機構姫路医療センタ―
県立奈良病院 DMAT 隊員参加
(6)
2013 年 3 月 奈良県 DMAT 運用マニュアル説明会参加
4 医師紹介
平成25年10月1日現在 医師資格
取得年
医師名
役職
中村 達也
所長
副院長
昭58
尾中 敦彦
医長
松阪 正訓
所属学会・資格等
専門領域
日本救急医学会専門医・指導医、日本外科学会専門医・指導医、
日本胸部外科学会認定医、臨床研修医指導医
救急医学
平1
日本救急医学会専門医・指導医、麻酔科標榜医
救急医学
医長
平1
日本救急医学会専門医、日本DMAT隊員、臨床研修医指導医、
JPTECインストラクター、ACLSインストラクター
救急医学
植山 徹
医長
平9
日本救急医学会専門医、日本DMAT隊員、
臨床研修医指導医
救急医学
北岡 照一郎
医長
平2
日本小児科学会専門医、麻酔科標榜医、日本DMAT隊員、臨床研修医指導医、
JATECインストラクター、PALSインストラクター
救急医学
藤本 隆富
医長
平11
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医、
日本心血管インターベンション治療学会認定医
循環器(心臓・高血圧・不整脈)
岡 宏保
医長
平12
日本救急医学会専門医、日本脳卒中学会専門医、
日本化学療法学会抗菌化学療法認定医、日本旅行医学会認定医、
JATECインストラクター、日本中毒学会認定クリニカルトキシコロジスト、
臨床研修医指導医
循環器(心臓・高血圧・不整脈)
伊藤 真吾
医長
平14
日本救急医学会専門医、日本整形外科学会専門医、
日本DMAT隊員、国際緊急援助隊隊員
救急医学
井上 正義
医長
平16
日本放射線学会専門医、マンモグラフィー読影認定医
放射線科
藤永 幸久
医員
平21
日本内科学会認定内科医
消化器内科
鴨門 大輔
医員
平21
日本内科学会認定医、日本循環器学会、
日本心血管インターベンション治療学会
循環器・腎臓一般
森田 成紀
医員
平22
日本整形外科学会、中部日本整形災害外科学会
整形外科全般
四肢外傷
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6 業績 (2)
救命救急センター
5 業績
【論文】
著書
1)北岡照一郎・ほか:救急レジデントの TIPS。pp68-70、医学書院、2012
【発表】
講演
1)中村達也:救急医療に関する奈良県の仕組み。県立奈良病院 県民公開講座(奈良)
2)植山 徹:救命救急センターの役割。県立奈良病院 県民公開講座(奈良)
3)中村達也:自然気胸・自然血気胸−胸痛を示し緊急処置を要する疾患として−。第
21 回病診・病病連携医療講座(奈良)
シンポジウム
1)中村達也:奈良県における救急医療の現状と課題について。第 22 回奈良救急医療懇
話会(奈良)
一般演題
1)佐藤芳樹・ほか:当院における NST 活動の取り組みと実際。日本医療マネジメント
学会第 7 回奈良支部学術集会(橿原)
2)中野知哉・ほか:アルコール性肝硬変に合併した門脈肺高血圧の 1 例。第 29 回中河
内循環器病研究会(大阪)
3)松阪正訓・ほか:重症骨盤骨折に伴う出血性ショックに対する治療戦略。奈良県医
師会救急医学会総会並びに第 35 回学術集会(橿原)
4)伊藤真吾・ほか:不安定型骨盤損傷に対する bilateral iliac screw and rod fixation の
治療経験。第 15 回日本臨床救急医学会総会(熊本)
5)井上正義・ほか:再発・進行乳癌に対する鎖骨下リザーバー動注療法の経験。第 21
回青丹よし IVR 倶楽部(奈良)
6)井上正義・ほか:進行乳癌に対する放射線治療併用リザーバー動注の初期経験。日
本 INTERVENTIONAL RADIOLOGY 学会第 32 回関西地方会(大阪)
7)井上正義・ほか:PTCD による合併症の対応と処置の実際。第 22 回青丹よし IVR 倶
楽部(橿原)
8)井上正義・ほか:進行乳癌に対する放射線治療併用リザーバー動注療法の初期経験。
第 50 回日本癌治療学会学術集会(横浜)
9)井上正義・ほか:リザーバー動注と放射線治療の併用療法が奏功した進行乳癌の 3 例。
第 37 回リザーバー研究会(横浜)
10)井上正義・ほか:リザーバー動注および放射線治療を併用した切除不能進行乳癌の 2
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6 業績 (2)
救命救急センター
例。第 26 回奈良乳腺研究会(奈良)
11)井上正義・ほか:鎖骨下動注リザーバー療法を施行した局所進行乳癌の 2 例。第 20
回乳癌学会総会(熊本)
台風4号に伴うDMAT隊派遣
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6 業績 (3)
集学的がん治療センター
(3)集学的がん治療センター
当院は平成 20 年 4 月より厚生労働省の指定する
「地域がん診療連携拠点病院」として、
地域のがん医療水準の向上を図ってきたが、
その機能を充実するために、
平成 22 年 4 月、
当センターが開設された。その役割としては、がん診療において
①手術、放射線療法、化学療法による集学的治療の提供
②早期から患者、家族への緩和ケアの提供
③地域の医療機関との連携体制の整備
④早期診断や緩和ケアに関する研修の実施
などを通じて、地域と連携しつつ、より多くの患者に最適のがん治療を受けていただ
くことである。その機能を発揮するために、外来治療室、相談支援室、がんサポートチー
ムを設置し、活動している。
①外来治療室
外来治療室は外来における化学療法を、安全、快適かつ短時間に実施するために平
成 18 年 10 月に開設され、11 月から運用が開始された。平成 24 年度は 2082 件と 23 年
度 の 1851 件 に 比 し 12.5 % 増 加 し た。 平 成 23 年 4 月 か ら 化 学 療 法 チ ー ム(Cancer
Chemotherapy team:CCT)が発足し、隔週でカンファレンスが開催されている。CCT
における主な活動内容としては、有害事象対策と業務の円滑化が中心であるが、外来
治療委員会に上申し、院内におけるがん化学療法に関する医療安全やレベルアップに
必要不可欠な存在となっている。平成 24 年度のチームの主な活動としては、①電子カ
ルテ導入に伴うレジメ登録やオーダーシステムの整備、②入院化学療法における薬剤
部によるミキシングの開始に伴うレジメ登録やオーダーシステムの整備、③外来治療
室予約枠の廃止と曜日担当医制の導入、④キャンサーボードの開催などが挙げられる。
②相談支援室
がん相談支援室は平成 20 年 4 月、地域がん診療連携拠点病院の活動開始と同時に開
設された。がん患者さんや家族の療養支援に関する相談、
セカンドオピニオンへの対応、
地域医療連携に関する情報収集や提供などを行っている。がん性疼痛看護認定看護師
と臨床心理士が常駐し、がんに関する悩みや不安などの精神的なサポートをはじめと
して、あらゆる相談や悩みへの対応を行っている。平成 24 年 12 月に、がん相談支援
室と名称を変更し、入院・通院を問わず在宅も含め、あらゆる状況での継続した支援
を行うことを目標としている。
相談件数は、平成 22 年度 539 件、23 年度 570 件、24 年度 828 件と年々増加している。
平成 24 年度の相談の概要は、面談が 455 件、電話対応が 373 件で、相談に要する時間も、
1 件平均 25.8 分と比較的時間をかけて対応している。相談内容は、精神的なケアに関
するものが最も多く、ついで療養支援に関するもの、治療に関する情報提供や社会・
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6 業績 (3)
集学的がん治療センター
経済的なものについてなど多岐にわたる。相談の経緯も告知直後の段階から複数回相
談される場合や、入院後にがんサポートチームが関わり、退院後も継続して支援する
例もあり、がん対策推進基本計画が目標とする「がんと診断されたときから緩和ケア
の提供」、「がん患者およびその家族の QOL の維持向上」
、
「切れ目のないケア」を推進
しつつある。またがんサロン「くつろぎ」も毎月 1 回開催し、継続している。
③がんサポートチーム
緩和ケアはがん対策基本法やがん対策推進基本計画の中でも重要課題と位置づけら
れている。平成 24 年の基本計画見直しにおいても「患者とその家族が抱える様々な苦
痛に対する全人的なケアを診断時から提供し、確実に緩和ケアを受けられるよう、患
者とその家族が抱える苦痛を適切に組み上げ、がん性疼痛をはじめとする様々な苦痛
のスクリーニングを診断時から行うなど、がん診療に緩和ケアを組み入れた診療体制
を整備する。
」と明記されている。
当院でもがん患者の身体的・精神的・社会的・スピリチュアルなどの苦痛に対する
専門的なサポートを提供するチームとして専任医師・専従医師・専従看護師・専任薬
剤師で連携し、迅速な対応を目指し活動している。また、緩和ケア意識の啓蒙に努力し、
各科医師・看護師、他職種との連携を深め、がん患者および家族の QOL 向上を目指し
ている。
平成 24 年度のサポート依頼数は 161 件と 23 年度の 146 件に比し約 10%増加した。
依頼科別にみた件数は、腫瘍内科を含む呼吸器内科 60 件、婦人科 40 件、外科 29 件、
消化器内科 15 件、泌尿器科 9 件、呼吸器外科 4 件、循環器内科 3 件、皮膚科 1 件であっ
た。
依頼時の治療状況は、診断から初期治療前 5 件、がん治療中 69 件、積極的がん治療
終了後 87 件であった。依頼内容の内訳は、がん性疼痛緩和 61 件、疼痛以外の身体症
状緩和(呼吸苦、嘔気など)59 件、精神症状緩和(せん妄、不安など)51 件、家族ケ
ア 12 件、倫理的問題への対処(鎮静など)2 件、地域との連携・退院支援 43 件であっ
た。治療前や初回治療導入時の依頼に加え、精神的サポートや退院支援の依頼が急増
している。転帰は退院 99 件(そのうち在宅緩和ケア導入 27 件)
、死亡退院 46 件、緩
和ケア病棟転院 11 件、その他転院 5 件で、緩和ケア病棟への転院が増加傾向を示した。
当チームの活動により緩和ケア診療加算を算定しており、平成 24 年度の総加算日数は
1623 日であった。介入時期が臨死期のため同意が得られにくい場合、あるいは短期入
院の場合には計画書の発行は困難であった。ただ、計画書を発行し患者・家族に説明
するということは、
「緩和ケアとはどんなサポートをしてくれるのか」を伝えていくも
のだと考える。従来より月に 1 度「緩和ケアを考える会」を開催しており、表にその
内容を示した。
今後も「自分たちがどのような役割を担うのか」を患者・家族に伝えながら活動し
ていきたい。
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6 業績 (3)
集学的がん治療センター
開催日
4/23
5/14
6/18
7/9
9/10
10/15
11/12
12/10
1/28
2/25
3/11
テーマ
知っておきたいがんの痛みの治療のポイント
―診療報酬改定の話題も含めて―
余命 1 か月を在宅で過ごせた肺がん患者のケアを振り
返って
がん性疼痛管理におけるトラマドールの役割
難治性腹水の治療に KM-CART を希望した膵臓がん
の症例
退院 3 日前に完治不可能と告知された患者への関わりを
振り返って
がんを予防する食の常識 ―日々の食生活再考―
イレウス管を挿入したまま転院した患者への関わりを振
り返って
オキシコドンの効果的な使い方
-オキファスト注を含めて-
精神的に不安定ながん末期の患者にどう関わるかを考える
-治療と抗がん剤の副作用による辛さの狭間で葛藤した症例-
がん治療医が求める緩和ケアとの関わり
せん妄を発症した胃癌患者への援助
-暴力行為等、興奮が強く対応に苦慮した症例-
発表者(講師)
参加
人数
塩野義製薬
43
7N
30
新日本製薬
43
5S
22
6S
25
今城 杏子 管理栄養士
29
5S
29
塩野義製薬
46
7N
26
関西医科大学附属枚方病院
柳本 泰明 医師
5S
65
19
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6 業績 (4)
周術期管理センター
(4)周術期管理センター
1 はじめに
周術期管理とは、手術を受けられる患者さんに対して手術前から手術後までの管理、
ケアを行うことである。一方、より質の高い医療を実現するため「チーム医療」の重
要性が強調されてきたが、手術部門においては「周術期管理チーム」を推進すること
でより質の高い周術期管理が期待される。
周術期管理チームが円滑に活動できるように、外来、病棟など他部門との折衝、連
携を深めることが周術期管理センターの役割である。現在のチーム構成は医師 1 名(下
村)
、手術部看護師 2 名(岩田主任、溝上)
、薬剤師 1 名(吉岡)
、臨床工学技士 1 名(中
村)からなる。しかし、広義では術中に関わるすべての手術部看護師もチームの一員
と考える。また、ワーキンググループとして看護副部長、外来・病棟部門の代表看護師、
薬剤部代表を加え、2 か月に 1 回のペースでワーキングを行っている。
業務内容を図に示す。
2 成果(平成24年度)
・術後経過観察(電子カルテ上の温度表)の項目、時間を病院内で統一
必修項目:意識、脈拍、血圧、SpO2、呼吸数、体温、創痛、嘔気嘔吐
バイタルチェックの時間:帰室時、30 分、1 時間後、2 時間後、4 時間後、
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6 業績 (4)
周術期管理センター
その後選択(適宜、2 時間毎、3 時間毎、4 時間毎)で翌朝 8 時まで必修
・周術期管理ファイルの運用:術前診察を効率化
・マーキング開始:
「ひだり」
「みぎ」のある手術部位の取り違え防止
薬剤部門
・手術患者の内服薬調査 1,085 件
・手術患者への術後鎮痛装置(PCA)と疼痛評価(NRS)の説明
・手術室配置薬使用期限確認・交換(4 回/年)
・手術室配置薬の品目・定数見直し
・硬膜外持続注入器(PCEA)
、静注用 PCA 附属機器(IV-PCA)への薬剤調製
PCEA 385 件、IV−PCA 576 件
臨床工学技士部門
・麻酔器使用前点検 1,437 件
・ME 機器の定期点検、故障修理
定期点検(電気メス 6 件、麻酔器 6 件、保育器 1 件、自己血回収装置 1 件)14 件
故障修理(電気メス 3 件、麻酔器 2 件、その他 3 件)8 件
・ペースメーカー植込み関連の立ち会い 32 件
・手術支援ロボット「ダヴィンチ」手術(H24 年 12 月 23 日に新規導入)
2 件
全身麻酔症例は、2009 年 1,409 例、2010 年 1,648 例、2011 年 2,035 例、2012 年 2,216
例と著しく増加したが、問題なく対応可能であった。
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6 業績 (5)
腎・尿路疾患センター
(5)腎・尿路疾患センター
1 取り組み
腎・尿路疾患センターでは、腎臓内科および泌尿器科が保存期腎不全患者を中心に
共同で治療にあたっている。
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)の概念の普及および CKD 診療ガイド
ラインの登場により、一般医家の CKD に対する認識が向上した。さらに、現在北和地
区で腎臓内科専門医が常勤する施設が当院以外にないため、当院を受診する CKD 患者
数が著明に増加している。当センターでは、腎臓内科疾患ならびに腎臓・尿路外科疾
患を総合的に診療することにより CKD の進行を抑え、末期腎不全への移行を予防する
とともに、不幸にも末期腎不全に進行した患者の透析治療のみならず血漿交換に代表
される「血液浄化治療」を腎臓内科医と泌尿器科医が協力して合理的かつ効率的に患
者の治療を行うことを目標としている。
現在は、末期腎不全患者に対する血液浄化治療を共同で行うとともに、丸山副セン
ター長を中心に、CKD 患者に対する“CKD 教育入院”が完全にシステム化された。さ
らには、入院中の潜在的 CKD 患者を電子カルテ上で抽出し、主治医の同意を得て
CKD に対する患者指導を行う“KST(Kidney Support Team)
”が活動を精力的に行っ
ている。
2 成果
保存期慢性腎不全患者を対象とした“CKD 教育入院”は、先進的なチーム医療とし
て実績をあげており、1 年間で 200 名以上の患者を受け入れた。CKD 教育入院患者の
基礎データ解析により、教育入院が腎機能悪化速度を抑制することが明らかになり、
その結果を報告した(丸山直樹・他:県奈病医誌 16:40−44, 2012)
。その他、CKD 患
者の塩分摂取量に関する研究(甲斐道子・他:奈透析会誌 18:25−28, 2013)
、CKD 患
者の夜間多尿に関する研究(松本吉弘・他:排尿機能学会で報告)
、保存期 CKD 患者
の貧血に関する研究など様々な観点から新しい知見が得られており、日本腎臓学会、
日本糖尿病学会、日本透析医学会など種々の学会でその成果の発表を行った。今後の
さらなる進展が期待される。また、
“KST”は全国的にも類を見ない試みであり注目を
浴びている。両者とも、医師、看護師のみならず、薬剤師、臨床検査技師、栄養士、
臨床工学技士など関連部署部員より構成され、各メンバーの「意義付け」も明確となっ
てきており、今後の進展が望まれている。
当センター発足以来、末期腎不全患者のバスキュラーアクセス(シャント)手術、
腹膜灌流患者へのカテーテル留置または抜去手術を含め、透析患者の導入および維持
透析が円滑に行われるようになった。2012 年の年間透析件数は 3,548 件(前年度比 207
件増)
、年間導入患者数は 48 例(前年度比 5 例増)
、年間バスキュラーアクセス手術件
176
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2 病院概要 (5)
腎・尿路疾患センター
数は 84 件(前年度比 26 件増)
、
年間 CKD 入院患者数は 212 人(前年度比 4 人増)であっ
た。
3 今後の課題
(1)CKD 教育入院および KST 活動の啓蒙
腎・尿路疾患センターの活動を、院内のみならず登録医を中心とする一般医家に
広く啓蒙し、CKD 症例の診療を連携して行く。また、平成 24 年 4 月の診療報酬改
訂により糖尿病性腎症診療に対する加算が新設されたが、KST の関与によりこの加
算が請求可能となっている。糖尿病支援チームと KST の連携が必要である。
(2)腎移植に対するサポート体制
奈良医大泌尿器科と連携して実施を予定している腎移植に対しては、まずは ABO
適合生体腎移植など比較的低リスクの症例での実施を計画している。腎・尿路疾患
センターとして積極的にサポート体制を構築する必要がある。
(3)臨床研究の発展
前述の活動によりデータを蓄積し、それを解析することにより臨床研究の充実を
図り、医師のみならずコ・メディカルメンバーの臨床研究に対するモチベーション
を高める。
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6 業績 (6)
周産期母子医療センター
(6)周産期母子医療センター
1 取り組み
日本産科婦人科学会産婦人科専門医制度の総合型指定修練施設であり、奈良県内 2
か所の周産期母子医療センターの一つとしての機能を発揮している。
産科部門に 26 床、NICU 部門には 15 床(NICU9 床+ GCU6 床)を有している。奈
良県立医大と連携し、当センターでは妊娠 28 週以降、推定児体重 1000g 以上を主に担
当することで病床の有効利用を図り、県内全域から母体搬送を受け入れている。
週間分娩予約枠はローリスク妊娠 5 件、ハイリスク妊娠 5 件で、年間約 500 件の分
娩を受け入れられるよう設定しているが、ハイリスク妊娠に対しては全例受け入れ可
能となるよう配慮している。
9 名の医師が産科と婦人科を併任し、月 10 日間は 2 人当直体制としたことで、緊急
時対応がより迅速化され、当直医のストレスの軽減にも役立っている。当直回数は月
に平均 4.5 日である。
さらに 3 か月ごとに紹介患者症例報告会を開催し、紹介元や県内産婦人科医療施設
に対し症例の臨床経過を報告し、病診・病病連携の迅速・円滑化と医療レベルの向上
を図っている。
2 成果
表 1 に示すように 2012 年分娩数は 461 例で、双胎は 31 例、帝王切開率は 162 例
35%で、緊急帝王切開術が約半数を占めている。
年間分娩数はわずかに減少傾向にあるものの切迫早産・前期破水、妊娠高血圧症候群、
胎内胎児発育制限、多胎妊娠、前置胎盤、常位胎盤早期剥離など重篤な産科合併症の
あるハイリスク妊娠が増加傾向にあり、平均在院日数も増加している。早産は 89 例
(19%)で NICU 収容の最大要因であり、NICU 病床不足を加速する原因となっている。
図 1 に示すように、2012 年は県内外産科施設から 283 件の母体・産褥搬送要請が発
生し、奈良県立医大の 157 例に次いで当センターでは 100 例の母体搬送を受け入れた。
母体搬送数は 2010 年 225 件、2011 年 275 件で年々増加しているにもかかわらず、県外
搬送を 25 件にとどめることができたのも、奈良県立医大との連携による病床の有効利
用の成果である。
表 2 に紹介患者症例報告会の内容を示した。2012 年はミニレクチャーで NICU、助
産院や産科診療所と討議し、連携の潤滑化と医療レベルの向上が得られている。
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6 業績 (6)
周産期母子医療センター
表1 産科診療実績2012年
産科
分娩総数
461
早産(22 ~ 27)
1
早産(28 ~ 36)
88
正期産(37 ~ 41)
370
過期産(42 ~)
2
経腟分娩数
301
帝王切開術数
162(35%)
多胎妊娠
31
切迫早産・前期破水(入院管理)
112
妊娠高血圧症候群
36
子癇発作
5
子宮内胎児発育制限
13
前置胎盤
6
低置胎盤
2
常位胎盤早期剥離
11
頸管縫縮術
5
その他の手術
15
図 1 母体・産褥搬送受入数 2012 年
奈良県周産期医療情報システムを利用した母体搬送の状況(平成 24 年 1 月 1 日∼12 月 31 日)
依頼者
受 入 先
県立医大
82 名
215 名
診 療 所
189 名
母体
要請
搬送
258 名
県立医大
157 名
県立奈良
100 名
近畿大奈良
1名
県立奈良
68 名
県外病院
助産所等
受入
県内病院
病 院
6名
大阪府
25 名
県外の医療機関
6名
25 名
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6 業績 (6)
周産期母子医療センター
表2 県立奈良病院産婦人科紹介患者症例報告会の内容
・婦人科・産科症例報告
・ミニレクチャーなどのテーマ
2011年3月24日 第1回 「子宮頚がん検診とワクチン」担当:産婦人科部長 喜多恒和
2011年6月23日 第2回 「当院の周産期母子医療センターの現状」担当:産科病棟医長 平野仁嗣
2011年9月22日 第3回 「当院への産褥母体搬送例の傾向と最近のトピックス」
担当:産婦人科医局長 河元洋
2011年12月15日 第4回 「婦人科悪性腫瘍患者のための病診連携パスの運用について」
担当:婦人科病棟医長 井谷嘉男
2012年3月22日 第5回 「外来におけるLEEPについて」担当:産婦人科外来医長 豊田進司
2012年6月28日 第6回 「NICUと産科の連携」について意見交換 座長:NICU箕輪秀樹部長
2012年9月20日 第7回 「新生児搬送例から学ぶ」担当:NICU箕輪秀樹部長およびNICU医師
2012年12月27日 第8回 「助産院と嘱託医・嘱託医療機関および第3次医療機関との連携」
座長:産婦人科医局長 河元洋
2013年3月21日 第9回 なし
2013年6月27日 第10回 「助産院での周産期医療の実際」担当:奈良県助産師会会長 高橋律子
2013年9月19日 第11回 「母体・産褥搬送のタイミングについて」
担当:産科病棟医長 平野仁嗣
周産期母子医療センタースタッフ
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6 業績 (7)
中央手術部
(7)中央手術部
1 取り組み
中央手術部は当病院の心臓部ともいえる存在であり、本院の外科系諸科および救命
救急センターの専門的で高度なすべての手術(緊急手術も含む)を行い、県民へ医療
面で貢献するよう努めている。手術件数は年々増加し、
年間 3400 件余りとなった
(表 1)。
これは他のいかなる業務よりも手術が優先で、医療資源が豊富な日勤帯に手術を終
わらせるという意識が確立し、外科系医師、麻酔科医師、手術部看護部、薬剤部、臨
床工学技士、放射線技師、看護助手等のスタッフ一同の不断の努力によるものである。
平成 18 年から、中央手術部の目標を「安全と効率」と掲げている。中央手術部にお
いて、より良質で安全な医療環境を確保し、患者さんに良質で安全な医療を提供する
こととが第一であり、それを実現するための手術室の効率的な運用を目標として、周
術期管理センタ-とも連携し、日々努力を重ねている。現在の DPC 制度を鑑みるに、
病院の収益は手術で上がっているといっても過言ではなく、経営上極めて重要であり、
中央手術部の果たす役割は益々大きくなっていくと思われる。
2 施設・設備
7 室すべてに最新型手術台を備え、うち 1 室はクリーンルームである。最新型麻酔機
器以外にも、脳神経外科専用顕微鏡手術機器 2 台、内視鏡外科手術機器 4 セット、電
気メス 7 セット、バイポーラ専用 4 セット、超音波切開凝固装置 4 台、超音波吸引破
砕装置 1 台、マイクロターゼ凝固装置 1 台、移動式 C アーム X 線透視撮影装置計 1 台
を揃えているほか、多くの ME 機器を有している。
これら機器は ME による始動点検、機器の保守点検が行われている。電子カルテ並
びに 45 インチモニターにより院内 LAN から画像を利用できる。平成 25 年 3 月から奈
良県で最初の da Vinci system が稼動し、泌尿器科手術で用いられている。
3 スタッフ構成
手術部部長 1 名 手術部看護師 28 名
4 成果
(1)
最近 3 年間の手術件数の推移 (表 1)
年度
手術件数(うち緊急手術)
平成 22 年
3,141 (294)
平成 23 年
3,319 (388)
平成 24 年
3,401 (401)
手術件数の伸びは、一昨年度から 260 件、昨年度から 82 件の増加を認めた。昨年度
との比較では、緊急手術の件数は変わっておらず、予定手術が増加した。1 ベット当り
の手術件数の限界は年間 550−600 件とされている。1 つを緊急用として温存したとし
て、6 × 600 = 3600 となり、当院の手術数は上限に近づいてきていることがわかる。
181
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6 業績 (7)
中央手術部
(2)
平成 24 年度各診療科別手術件数 (表 2)
診療科
手術件数(うち緊急手術)
外科
650 (144)
整形外科
646 (14)
脳神経外科
196 (89)
泌尿器科
492 (8)
産婦人科
447 (123)
耳鼻咽喉科
260 (8)
眼科
301 (1)
皮膚科
133 (0)
(循環器)内科
  75 (2)
救命救急センター
  17 (12)
呼吸器外科
173 (1)
その他
  11 (3)
外科、脳神経外科と眼科で手術件数が増加した。緊急手術からみると、外科の増加
件数の半数が緊急手術であり、産婦人科の緊急手術も増加した。その他の科では大き
な増減を認めなかった。
(3)
平成 24 年度鏡視下手術数の変化 (表 3)
鏡視下手術*
関節鏡下手術
計
平成 23 年度
282
179
461
平成 24 年度
470
195
665
年度
鏡視下手術*:外科、呼吸器外科、泌尿器科、産婦人科の合計
最近は低侵襲でより精緻な手技が可能な鏡視下手術が趨勢であり、当院においても
鏡視下手術が著増した。昨年と比較し、手術件数の増加以上に、手術内容が大きく変
化したことがわかる(オープン手術から鏡視下手術へ)
。 泌尿器科の da Vinci 手術は
平成 25 年 3 月から 7 月末までで 10 件行われた。
5 今後の課題
現状を踏まえ、安全と効率の面も考慮し、以下のごとく考える。
1)
手術室のより効率的な運営
2)
da Vinci system のスペースを含めた、手術室全体の有効利用
3)
年々増加し、高度化する手術に対応するため、医療資源の充実(十分な人員の確
保と質の向上、業務の適正化と分業化、充実した設備)
4)
近隣の病院、医師と連携し、手術センター化
5)
手術部内での医療事故防止の徹底
182
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6 業績 (8)
中央内視鏡部
(8)中央内視鏡部
1 取り組み
内視鏡(消化管、膵胆道、気管支)と超音波装置を用いた検査および治療を行って
いる。
当院は北和地区の基幹病院であり、診断・治療面において高度医療を担う最終医療
機関としての責任がある。したがって、常に的確な診断と最先端の治療を提供できる
体制を整えるよう努めている。検査面においては、より解像度の高い画像を提供でき
るシステムを導入、治療面においては、消化管の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、食
道静脈瘤に対する EVL、EIS、肝癌に対する超音波ガイド下ラジオ波凝固療法など、高
度な手技を支える処置具あるいは機器を配備している。
2 成果
内視鏡件数、
超音波件数ともに著明に増加している。内視鏡件数は平成 23 年度に 5,000
件を突破し、平成 24 年度はさらに増加した。基幹病院として従来から重点を置いてい
る治療内視鏡の伸びも著しく、一般施設では施行困難な消化管出血時の緊急内視鏡に
も積極的に対応しており、奈良県の医療において中核的な役割を担っている。
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6 業績 (8)
中央内視鏡部
184
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6 業績 (8)
中央内視鏡部
3 その他
平成 22 年度より、
新たに小腸内視鏡を導入し、
平成 24 年度は 14 件の検査を施行した。
また、先進医療であった大腸粘膜下層剥離術も導入され、平成 24 年度は 13 件であった。
専門施設として従来施行している胃粘膜下層剥離術は、平成 24 年度の施行件数 69
件で、平成 20 年度にくらべほぼ倍増している。肝腫瘍に対する低侵襲治療である超音
波ガイド下のラジオ波、PEIT は平成 24 年度は 49 件に達した。
近年話題のカプセル内視鏡は、主として小腸病変などの精査に用いられるが、当院
でもすでに導入して平成 24 年度の施行件数は 2 件であった。
内視鏡操作の様子
185
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6 業績 (9)
中央臨床検査部
(9)中央臨床検査部
1 はじめに
臨床検査は診療において必要不可欠な業務であり、迅速、正確に結果報告をすると
いうことは、患者サービスや臨床診断支援に繋がる。業務改善やチーム医療に参画し
検査情報の共有を図り、病院・患者に必要とされる検査室を目指している。
2 組織および構成
検査部長   1 名
技師長   1 名 副技師長   3 名 係長   4 名
主査 10 名 技師   9 名 嘱託技師   1 名
構成 検体部門 生体部門 形態部門
3 部門業務
(1)検体部門
入院患者早朝検体報告を早出出勤により実施した。日臨技臨床検査標準化事業
の基幹施設として積極的に活動している。奈良県臨床検査精度保証施設の認証を
受けており、今年度も更新を行った。
一 般 尿 沈渣分析器を更新し、赤血球や細菌において、よりスクリーニングの
精度が向上した。
血 液 赤 血球沈降速度の 1 時間値を随時報告するようにした。今後は、フィブ
リノーゲンをデータ標準化のために方法変更、および凝固因子、SF、
HIT 抗体等検討していく。
生化学 検査結果は 60 分以内の迅速報告を実現し NST、KST、DST のチーム医
療活動に積極的に参加した。今後、カンファレンスを通して治療効果評
価項目の院内検査化を検討し、より臨床に有効な検査を提供する。
(2)生体部門
生理機能検査
電子カルテの導入に伴い検査データはペーパーレスとなり、一部の検査結果
は電子カルテ上の文書一覧での閲覧が可能となった。予約検査も各診療科で予
約日程の確定が可能となった。超音波検査報告書のフォーマットを作成し報告
書の統一化を実施し術中モニタリングへも参加した。
(3)形態部門
細菌検査 感染症原因微生物の検出業務と院内感染への情報源として活動している。
毎 日、感染防止対策室と連携を取り合い、院内感染情報を提供し、毎
月院内感染対策委員会へは MRSA の月別統計と耐性菌検出情報を提供
186
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6 業績 (9)
中央臨床検査部
している。来年度も、院内における感染防止に積極的に貢献していく。
病理組織・細胞診 病理システムの更新により電子カルテに接続され電子カルテから報
告が閲覧でき、検査の進捗状況も確認可能となった。外部精度管理の
日臨技評価は A だった。今後は病理内部の勉強会・病理医との標本閲
覧等でスキルアップし、臨床とのコミュニケーションを図っていく。
4 平成24年度検査別稼働集計
検査
項目
件数
点数
臨床
検査
88,787
血液
生化学
239,644 1,470,169
細菌
27,363
免疫
血清
125,707
病理組織
総計
生理機能
細胞診
診断料含
20,782
26,628 1,998,790
2,601,161 11,323,256 26,618,041 3,900,300 14,330,235 9,232,786 8,045,190 76,050,979
5 認定技師
診療情報管理士
2名
超音波検査士
認定血液検査技師
3名
循環器
2名
認定微生物検査技師
1名
消化器
4名
糖尿病療養指導士
2名
泌尿器科
2名
細胞検査士(日本)
4名
産婦人科
2名
(国際)
4名
血管
3名
管理栄養士
2名
脳神経
2名
健康食品管理士
2名
表在
2名
医療情報技師
1名
臨床工学技士(ME2 種)
1名
6 その他
広報委員会 院内向けに中央臨床検査部の情報発信を行った。広報紙「中検だ
より」を 5 回発行した。
今 後、広報活動の一環として引き続き院内 TV や検査部ホームペー
ジの更新を行う。
7 取り組み
中央臨床検査部は臨床及び患者への「迅速・正確な結果報告」
「検査情報アドバイザー」
として活動する。
・各種の院内業務支援(チーム医療)への積極的に参加を行う。
・検査材料の採取、教育入院患者への検査説明を親切・丁寧・わかりやすく行う。
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6 業績 (10)
中央放射線部
(10)中央放射線部
1 平成24年度成果
(1)一般撮影
  年 間 約 42,600 人 の 撮 影 を 行 っ て お り、 昨 年 度 よ り 2,600 人 増 加。 撮 影 回 数 は、
80,000 回に及ぶ。特に外科撮影の場合、時間帯・曜日によっては最長 40 〜 50 分程度
の撮影待ちが起こっている。他院紹介の CD-R の書き出しは、年間 2,884 件である。
(2)CT 撮影
  平成 24 年度の 2 台の CT 検査人数は 15,002 人であり、平成 23 年度より 13%の増加
である。平成 24 年 3 月に救命センターの CT 装置が更新され、救命側での CT 撮影が
大幅に増えたことが要因である。この装置は、心臓や脳血管の描出能の向上ならびに
外傷性全身 CT 撮影などに有利であり、県の基幹病院として質の高い医療の提供のた
めにも更に有効に使って行きたい。
(3)MR 撮影
  平成 24 年度、2 台の MR 検査人数は 7,717 人であり、平成 23 年度より 19%の増加
である。平成 23 年 3 月には新しく 3.0TMR 装置が導入され、高画質で高精度の画像
が提供できるようになり、また、検査人数も大幅に増加した。
  現在、予約待ち日数の軽減のため、検査枠・シーケンスの見直しを行い、スループッ
トを上げるように努力している。
(4)血管撮影
  平成 24 年度の血管造影は、心カテが 465 人(+ 9.1%)
、放射線科が行っている頭
頸部および腹部の合計は 702 人(+ 26.7%)で、IVR の件数も増えており、頭頸部の
IVR は、H24 年度 21 件行っている。近年 IVR への要求が高くなっていることから、
今後も更に増えると思われる。
(5)RI 検査
  平成 24 年度の RI 検査は 941 人(平成 23 年度:874 名)であり、検査人数は 7.7%
増加した。今後も RI 検査は基幹病院には無くてはならない検査であり、新病院に向
けて、更に充実させる必要がある。
(6)放射線治療
  平成 24 年度の放射線治療は、7,063 人であり、平成 23 年度より 1.7%増加している。
放射線治療への要求は益々大きくなっており、新病院に向けて更なる充実を図ってい
く必要がある。
188
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6 業績 (10)
中央放射線部
放射線部門診療統計(抜粋)
項目
H22 年度
H23 年度
H24 年度
人数
人数
人数
増減率%
H23/H22
H24/H23
29,667
33,278
34,262
8.2
3.0
ポータブル撮影
7,318
7,687
8,336
5.1
8.4
本院 CT
9,149
9,855
9,572
7.8
−2.9
センター CT
3,390
3,396
5,430
0.1
59.8
小計
12,539
13,251
15,002
5.7
13.2
17.7
19.0
CT検査
一般撮影
3T
MR 検査
5,505 1.5T
計
RI 検査
放射線治療
血管造影
2,592
3T
3,874
3,891 1.5T
3,843
6,483
7,717
計
748
874
941
16.8
7.7
照射
7,594
6,946
7,063
−8.5
1.7
CT
372
314
360
−15.6
14.6
心臓
469
426
465
−9.2
9.1
頭部
142
136
176
(IVR:22) (IVR:17) (IVR:21)
−4.2
29.4
腹部
347
418
526
(IVR:311)(IVR:363)(IVR:423)
20.5
25.8
頭・
489
554
702
腹計 (IVR:333)(IVR:380)(IVR:444)
13.3
26.7
2.2
19.0
血管
計
958
980
1,167
2 平成25年度目標
(1)CT 撮影
稼働率(15,000 人/年)を最低限維持します。
(2)MR 撮影
稼働率(7,800 人/年)を目指します。
(3)血管撮影
IVR の比率をさらに高めます。
189
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6 業績 (10)
中央放射線部
(4)RI 検査
検査人数 900 人/年を維持します。
(5)放射線治療
7,000 件/年を維持します。
中央放射線部 装置一覧 備 品 名
平成25年4月現在
規 格
メーカー
購入年月日
設置場所
使用期間
1
ポータブル装置(SARS 相談室)
SIRIUS−125K
日立
1985. 06. 01
2
一般撮影装置(3 番)
DFH−155H
日立
1993. 03. 01 一般撮影
(外科 3 番) 20 年 1 カ月
3
ポータブル装置(手術室)
SIRIUS−125MX
日立
1994. 09. 01
一般撮影(全般)
18 年 7 カ月
4
ポータブル装置(救命)
SIRIUS−125MX
日立
1996. 02. 10
救命センター
17 年 2 カ月
5
胸部撮影装置
UD150−30
島津
1997. 12. 26 一般撮影
(胸部 1 番) 15 年 4 カ月
6
ポータブル透視装置
(救命 C アーム)
7
結石破砕装置
8
MR 検査装置(2)
9
ポータブル装置(本館)
BV−309
LITHOSTAR
Multiline
SIGNA Twin
Speed 1.5T
M−Ⅳ
11 ガンマカメラ
FORTE
13 X 線 CT 装置(治療計画用)
Precise Treatment
System
SOMATOM
Emotion6
救命センター
13 年 2 カ月
シーメンス
2000. 03. 01
一般撮影(全般)
13 年 1 カ月
GE 横河
2003. 03. 31
MR
10 年 1 カ月
日立
2004. 01. 20
一般撮影(全般)
9 年 3 カ月
Silius130HP
10 乳房撮影装置
12 リニアック
フィリップス 2000. 02. 15
一般撮影(全般) 26 年 10 カ月
LORAD
2004. 08. 15 一般撮影
(外科 3 番) 8 年 8 カ月
日立
2005. 03. 01
RI
8 年 1 カ月
ELEKTA
2006. 03. 01
放射線治療
7 年 1 カ月
シーメンス
2006. 03. 01
放射線治療
7 年 1 カ月
ADAC(日立) 2006. 03. 31
放射線治療
7 年 1 カ月
14 治療計画装置
Pinnacle3
15 一般撮影装置(4 番)
UD−150L−40
16 CR デジタル X 線画像診断装置
FCR VELOCITY
富士フィルム 2007. 03. 26
一般撮影
6 年 1 カ月
17 放射線画像サーバー装置
SYNAPS
富士フィルム 2007. 03. 27
一般撮影
6 年 1 カ月
フィリップス 2007. 05. 09
X 線 CT
5 年 11 カ月
2008. 01. 26
手術場
5 年 3 カ月
18 64 列 X 線 CT 装置(本館)
19
移動型 X 線 TV 装置
(外科用イメージャ)
BrillianceTMCT
Volume Series64
REMOBIL
Compact LX
島津
シーメンス
2007. 02. 11 一般撮影
(外科 4 番) 6 年 2 カ月
190
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6 業績 (10)
中央放射線部
備 品 名
20 多目的デジタル X 線 TV システム
21 血管撮影装置(頭、腹部用)
規 格
購入年月日
設置場所
使用期間
東芝
2008. 02. 01
X 線 TV(9 番)
5 年 2 カ月
シーメンス
2008. 03. 03
救命センター
5 年 1 カ月
グッドマン
2008. 03. 03
救命センター
5 年 1 カ月
フィリップス 2010. 03. 31
救命センター
3 年 1 カ月
INFX−8000V
AXIOM Artis
dTA
22 心血管撮影用動画サーバー装置
GOODNET
23 血管撮影装置(心臓部用)
Alura FD20/10
24 X 線 TV 装置(6 番)
Ultimax i
25 一般撮影装置
メーカー
RADIOTEX
UD150L−40E
東芝
2010. 03. 31
X 線 TV(6 番)
3 年 1 カ月
島津
2010. 03. 31
救命センター
3 年 1 カ月
MR
2 年 1 カ月
26 MR 検査装置(1)
Achieva 3.0T TX
フィリップス 2011. 03. 31
27 X 線 CT 装置(救命センター)
AQILION One
東芝
2012. 03. 21
X 線 CT
1 年 1 カ月
28 X 線骨密度測定装置
PRODIGY
GE
2013. 02. 14
一般撮影(全般)
0 年 1 カ月
3 職種ライセンス
診療放射線技師(19 名)の内、専門技師等のライセンス取得状況は、以下の通りで
ある。
(1)専門技師
血管撮影・インターベンション専門技師…………………計 1 名
MR 専門技術者………………………………………………計 1 名
CT 専門技師…………………………………………………計 2 名
マンモグラフィー撮影認定技師……………………………計 2 名
放射線治療専門技師…………………………………………計 1 名
核医学専門技師………………………………………………計 1 名
救急撮影専門技師……………………………………………計 1 名
(2)各種免許
第一種放射線取扱い主任者…………………………………計 6 名
医学物理士……………………………………………………計 1 名
191
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6 業績 (11)
輸血部
(11)輸血部
1 取り組み
輸血部は、兼務の医師、臨床検査技師、及び専任の事務職員から構成されており、
安全で適正な輸血医療の提供が出来るように様々な検査の実施だけでなく血液製剤の
供給、保管、管理も実施している。自己血輸血の推進、輸血後副作用の調査、輸血後
感染症検査の推進なども実施し、取り分け、血液製剤の有効利用を積極的に行って廃
棄率の削減に努め、
平成 24 年度は 23 年度の 9.5%から 2.2 ポイント減少し 7.3%となった。
2 カ月毎に開催する輸血療法委員会では、製剤使用状況の報告と最新の情報を提供し、
且つそれらを共有できるように、委員会ニュースを発行している。突発的な情報につ
いては、輸血部お知らせ文書の発行で臨床各科へ情報提供している。
2 成果
(1)検査件数
(単位:件)
22 年度
23 年度
24 年度
血液型
4,154
4,173
4,773
不規則抗体
2,810
2,970
3,366
直接クームス
35
24
13
間接クームス
36
24
13
マッチング(件数)
952
990
721
マッチング(本数)
2,078
2,133
2,039
(2)血液製剤使用実績
192
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6 業績 (11)輸血部
(3)診療科別製剤使用実績
(単位)
赤血球製剤 濃厚血小板
新鮮
凍結血漿
廃棄
赤血球製剤
C/T 比
自己血
循環器内科
204
120
790
0
1.05
0
呼吸器内科
56
240
0
0
1.29
0
消化器内科
547
20
92
6
1.03
4
小児科
5
10
0
0
1.00
0
NICU
26
70
19
2
1.54
0
外科
722
255
419
28
1.18
6
整形外科
84
0
0
4
1.29
90
脳神経外科
28
40
12
10
2.93
0
泌尿器科
98
60
6
10
1.49
108
産婦人科
421
130
152
50
1.71
150
86
20
40
0
1.10
0
その他
216
85
162
0
1.89
0
救急診療科
387
90
210
6
1.34
0
2,880
1,140
1,902
116
1.31
358
呼吸器外科
合計
(4)超緊急輸血実績
件数
4月
5月
6月
7月
8月
9月
2
0
0
1
0
1
10 月 11 月 12 月
0
3
1
1月
2月
3月
0
0
0
3 血液センターとの連携
血液センターとの連携協力により、稀な血液型に対する適合血の供給や副作用精査、
大量輸血時などの超緊急にも迅速な搬送が可能になった。遡及調査にも協力し、24 年
度は 6 件について情報提供を行ったが何れも感染は認められなかった。
193
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6 業績 (12)
リハビリテーション部
(12)リハビリテーション部
1 スタッフ数
医師 1 人・理学療法士 5 人・作業療法士 1 人・言語聴覚士 1 人・看護師 1 人
2 取り組み
(1)心大血管リハビリテーションⅠ施設基準を取得
心大血管リハビリテーションは入院患者と外来患者の心不全や心筋梗塞後の患者
を対象に実施した。これまでの心疾患による廃用予防という観点ではなく、積極的
に心機能の回復、再発予防を目的に運動療法を実施した。毎週火曜日と木曜日はリ
ハビリ室で循環器内科医師による診察と、看護師の協力を得ながら運動療法を実施
することができた。
(2)がん患者リハビリテーション施設基準を取得
施設基準の取得あるいは維持するためには、がん患者のリハビリテーションに関
する研修が義務付けられており、これまで医師 2 人・看護師 2 人・理学療法士 2 人・
作業療法士 1 人・言語聴覚士 1 人が受講した。院内の活動として緩和ケア回診や症
例検討会に参加するようになった。
(3)摂食機能療法の増加
平成 24 年 8 月から言語聴覚士が非常勤勤務、翌年 1 月から嘱託常勤になった。そ
れにともない摂食嚥下療法が看護師とともに実施されるようになった。また 5 段階
の嚥下食が栄養科で提供されるようになり、言語聴覚士と看護師が共同で段階的摂
食訓練ができるようになった。
(4)患者数と単位数
外来患者数と単位数
入院患者数と単位数
心大血管
リハビリテーション
14 人
132 単位
72 人
1,415 単位
がん患者
リハビリテーション
−
−
67 人
1,245 単位
摂食機能療法
−
−
82 人
969 件
(5)各科や病棟との連携
リハビリテーションはチーム医療であり各科や各職種との連携は不可欠である。
そこで以下の病棟の回診や症例カンファレンスに参加した。
病棟回診:整形外科・脳神経外科・救命センター・呼吸器内科・緩和ケア・NST
病棟カンファレンス:循環器内科・整形外科・糖尿病・脳神経外科・救命センター
194
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6 業績 (12)
リハビリテーション部
3 成果
(1)リハビリ紹介患者
外来患者
入院患者
合計(人)
前年比
H23 年度
135
950
1,085
9%増
H24 年度
180
1,213
1,393
28.3%増
(2)各科別患者数(%)
整形
外科
脳外科
内科系
神経
内科
救急
救命
外科
呼吸器
外科
その他
H23 年度
29.0
11.3
29.5
9.9
7.6
6.2
2.9
3.6
H24 年度
29.0
12.4
29.9
8.3
3.5
8.1
5.5
3.3
運動器
リハ
呼吸器
リハ
心大血
リハ
(3)単位数
脳血管
リハ
廃用
リハ
がん
リハ
摂食
機能
H23 年度
8,249
5,895
7,064
2,529
0
0
77
H24 年度
8,487
4,935
7,626
3,119
1,547
1,245
969
(4)リハビリ登録入院患者数(1 日当たり)
全入院患者数比
H23 年度
72 人
19.5%
H24 年度
78.2 人
21.2%
平成 24 年度、リハビリテーション部に登録されている入院患者は 1 日当たり 78.2
人であった。これは全入院患者の 21.7%がリハビリを実施していることになる。
(5)リハビリテーション対象疾患 〈整形外科〉前十字靭帯損傷・人工膝関節全置換術後・外反母趾・高位脛骨骨切り術後・
離断性骨軟骨炎・足関節外側靭帯損傷・大腿骨頚部骨折
〈外科〉腹部外科術後
〈呼吸器外科〉肺癌術後
〈呼吸器内科〉肺気腫・間質性肺炎・誤嚥性肺炎・肺炎
〈脳神経外科〉脳出血・脳梗塞・慢性硬膜下血腫・くも膜下出血・脳腫瘍・ 正常圧水頭症
〈循環器内科〉うっ血性心不全・心筋梗塞・慢性心不全・腎不全
〈消化器内科〉廃用症候群・糖尿病
〈神経内科〉脳梗塞・パーキンソン病・神経変性疾患
〈救命センター〉多発外傷・脊髄損傷
〈小児科〉肺炎・発達遅滞
195
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6 業績 (12)
リハビリテーション部
4 各種認定資格
呼吸療法認定士 3 人
内部障害専門理学療法士 1 人
ダウン症赤ちゃん体操指導士 1 人
介護支援専門員 1 人
196
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6 業績 (13)
臨床工学室
(13)臨床工学室
1 業務内容
(1)血液浄化業務
人工透析室では、プライミング、穿刺・透析開始、返血、ダイアライザー等物品
管理、透析液清浄化管理(ET・生菌測定)などを行い、定期的に透析装置の保守点
検も行っている。透析用水、透析液の清浄化管理を行い質の高い透析治療が行える
よう取り組んでいる。特殊血液浄化は小児から成人までの領域を一貫して臨床工学
技士が行う。
集中治療室
(ICU / CCU / NICU)
で出張透析や急性血液浄化法なども行っている。
(2)救命救急センター業務
初療室、ICU、CCU、HCU で人工呼吸器や連続心拍出量(CCO)モニタ、高・低
体温維持装置などの ME 機器の操作・保守管理を行っている。経皮的心肺補助装置
(PCPS)に関しては導入、管理、離脱までを当直体制を設けて管理している。心肺
停止した蘇生後脳症の患者に CHDF システムを利用した脳低体温療法も施行してい
る。
(3)人工呼吸器業務
人工呼吸器治療中患者の病棟を巡回し毎日点検を行う。患者の状態と人工呼吸器
の換気条件の双方から確認し、医師と連携をとりながら管理している。新生児集中
治療室(NICU)で一酸化窒素(NO)吸入療法が行われる際は、NO 吸入装置の使用
前点検、導入を行っている。
(4)心臓カテーテル検査室業務
心臓カテーテル検査、下肢経皮的血管形成術、電気生理検査、体外式ペースメー
カ挿入術等が行われ、清潔物品や造影剤自動注入装置の準備、ポリグラフのセッティ
ング、消毒作業などの外回り全般作業を行っている。
ME 機器については除細動器、体外式ペースメーカの操作、血管内超音波診断装置
(IVUS)のセットアップ、操作、医師と連携をとり左室造影の解析等も行う。必要
時には大動脈内バルーンパンピング(IABP)や PCPS のセッティング、操作を行う。
他に頸動脈ステント留置術等の際に使用される IVUS のセットアップ、操作を行う。
(5)ME 機器管理業務
自作のデータベース・バーコード管理システムで ME 機器の中央管理体制の構築
を図っている。臨床工学室から貸出された中央管理機器は、病棟で使用された後、
臨床工学室に返却され使用前点検を実施後、貸出という一連の流れで運用している。
また院内にある ME 機器は、現場ではトラブルシューティングを行い臨床工学室で
は動作点検、故障修理、オーバーホール、廃棄、選定など一貫した保守管理を行っ
ている。
197
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6 業績 (13)
臨床工学室
(6)ペースメーカ関連業務
ペースメーカ(PM)外来では PM、ICD、CRT−D の定期的な動作チェックを行う。
必要時には設定変更なども行う。
植込み式 PM 手術ではリードの閾値、感度、抵抗値等のチェックや植込み一週間
後の動作チェックを行う。
(7)手術室業務
毎日麻酔器の使用前点検を実施しており、電気メスなどの手術用機器のトラブル
シューティングや定期点検を行っている。必要に応じて自己血回収装置のセッティ
ング、操作も行う。
平成 24 年度から手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」が導入され、毎週木曜日が手
術日となっている。ダヴィンチチームの一員として、手術前後でのセッティングを
含めた動作点検等を行っている。
2 成果
項 目
平成20年度
MEスタッフ(人)
3
夜間・休日オンコール対応件数
11
対応ME機器数(台)
12
ME機器メンテナンス件数(件)
439
ME対応ME機器メンテナンス
73
対応比率(%)
ME対応メンテナンス
3,916,900
技術料(円)
教育件数(件)
12
ME機器中央管理数(台)
266
ME機器延べ貸出登録数(台)
2,851
血液浄化業務(件)
90
麻酔器使用前点検業務(件)
−
手術支援ロボット
−
ダヴィンチ手術(件)
人工呼吸器使用中点検(件)
−
IVUS(件)
318
PCPS(件/日)
2/4
PM植込(件)
−
PM f/u(件)
−
平成21年度
4
43
19
552
平成22年度
5
69
25
600
平成23年度
5
76
28
689
平成24年度
5(4)
91
29
645
83
81
79.4
80.6
4,364,500
5,479,000
3,767,500
5,340,900
12
299
2,542
170
794
12
363
2,708
155
1,307
14
391
2,324
122
1,299
10
425
2,602
167
1,437
−
−
−
2
55
274
1/2
−
20
400
192
9 / 11
62
302
528
165
8 / 20
40
406
345
218
6 / 12
32
417
※平成 24 年 11 月 19 日以降は 1 名産休・育休取得のため実質 4 名で勤務。
図 年度別血液浄化件数
198
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6 業績 (14)
地域医療連携室
(14)地域医療連携室
地域医療連携室は、平成 17 年 4 月に開設。7 月 1 日より専任医師 1 名、専従看護師
1 名(看護副部長)と事務職員 1 名で地域からの入院や受診相談を主とした前方支援連
携業務から本格的に稼働した。平成 19 年 9 月 25 日より社会福祉士 1 名が加わり退院
支援と外来患者の在宅療養サポートに対応する後方支援連携を開始した。平成 22 年 10
月、登録医制度を導入し、紹介システム「C @ RNA Connect」によるオンライン診療・
検査予約の受付も同時に開始した。平成 24 年 3 月に電子カルテも導入された。同年 8
月 10 日に地域医療支援病院の承認を受けた。
平成 24 年 3 月現在、社会福祉士 4 名、専従看護師 1 名(看護副部長)
、専任医師 1
名と事務職員 2 名の計 8 名で前方・側方・後方支援連携を分担している。
紹介率と逆紹介率、在院日数の推移
H20 年度
H21 年度
H22 年度
H23 年度
H24 年度
紹介率
45.6
45.9
48.4
51.7
52.3
逆紹介率
17.1
24.2
46.4
61.2
74.4
在院日数
15.21
12.74
12.28
11.70
12.16
1 前方支援連携
H20 年度
FAX 予約
H21 年度
1,160
H22 年度
1,348
診療情報報告書送付
H24 年度
1,918
2,223
2,593
6
366
561
オンライン予約
紹介患者受付
H23 年度
8,152
8,275
9,471
10,988
10,637
10,186
10,273
12,187
15,544
25,059
紹介患者数
平成 24 年度
3月
2月
1月
12
月
11
月
月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
10
合計
紹介患者数
879 927 948 912 877 779 973 898 866 894 798 886
10,637
内登録医からの紹介患者数
354 369 408 382 332 294 398 354 353 378 341 361
4,324
総紹介医療機関数
321 342 324 260 300 299 369 319 323 340 323 348
3,868
内登録医からの紹介医療機関数 121 133 110 104 119 100 126 112 116 126 116 121
1,404
2 側方支援連携
患者・地域医療への医療情報提供を主とし登録医の手続き、公開講座、病診・病病
連携医療講座の企画・運営、ホームページへの広報、近隣の医療機関への情報発信、
病院内の情報発信(掲示)を行っている。
199
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6 業績 (14)
地域医療連携室
(1)奈良県立奈良病院地域医療支援病院あり方検討委員会
第1回
地域医療支援病院について
平成 25 年 2 月 7 日 当院での取り組みについて
院内出席者数:4 名
院外出席者数:6 名 10 名
第2回
県立奈良病院の紹介率と逆紹介の状況 院内出席者数:4 名
平成 25 年 3 月 26 日 地域医療連携の取り組み
院外出席者数:7 名 11 名
(2)県民公開講座
  5 月 19 日
奈良県の救急医療 今を考える
  9 月 29 日
防ごう、脳卒中!
! 身近にできることから
11 月 17 日
これだけは知っておきたい! スポーツの備えとアフターケア
(3)登録医 *歯科登録医制度:平成 25 年 1 月から
H22 年度
H23 年度
H24 年度
総数
登録施設
161
36
47(内歯科 27)
244(27)
登録医(歯科)
171
50
64(内歯科 27)
285(27)
(4)登録医の集い
これからの地域医療の IT 化と登録医制度とそのメリット
地域医療連携室 杉本和也・吉谷基子
がん地域連携パスについて
集学的がん治療センター 渡辺 明彦
4月5日
参加者数:登録医 23 名、未登録医 17 名(県立奈良病院:医師 21 名、他 10 名)計 71 名
(5)登録医来院状況
平成 22 年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
計
来院回数
3
4
4
5
6
22
来院医師数
1
1
1
1
2
6
診察回数
0
0
0
0
1
1
手術立会
3
4
4
5
5
21
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
平成 23 年度
4月
5月
6月
7月
8月
計
来院回数
2
1
5
3
6
3
6
6
7
3
8
5
55
来院医師数
1
1
3
1
2
1
3
3
2
3
5
4
29
診察回数
0
0
2
0
0
0
2
2
0
1
3
2
12
手術立会
2
1
3
3
6
3
4
4
7
2
5
3
43
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
来院回数
3
8
3
4
4
2
4
10
6
1
3
2
50
来院医師数
2
6
2
2
4
2
2
4
3
1
2
1
31
診察回数
1
4
1
1
2
1
1
3
4
1
1
0
20
手術立会
2
4
2
3
2
1
3
7
2
0
2
2
30
平成 24 年度
計
200
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13.12.17 4:57:13 PM
6 業績 (14)
地域医療連携室
(6)病診・病病連携医療講座の出席状況
登録医 院外出席者数 総出席
出席数 (登録医含む) 者数
医 療 講 座
4/19
下肢変形性関節症に対する手術療法
−人工関節と関節温存脛骨骨切り術
整形外科 佐本憲宏
3
7
20
5/17
脳卒中の診断と治療
脳神経外科 飯田淳一
8
9
20
9
10
20
6
7
65
7
8
25
14
15
27
2
4
22
2
4
20
7
8
17
6/21
内科医が知っておくべき眼科疾患
緑内障・糖尿病網膜症・白内障を中心に
眼科 竹谷 太
加齢黄斑変性症 眼科 小島正嗣
7/19
9/20
新たな疾患概念としての
−新生児の啼泣後の呼吸抑制
NICU 箕輪秀樹
自然気胸、自然血気胸
−胸痛を示し緊急処置を要する疾患として
救命救急センター 中村達也
放射線被曝と防護について
放射線科 中川裕之
10/18
11/15
12/20
1/17
冠動脈ステント留置後の抗血小板治療の最近の知見
循環器内科 井上文隆
頻尿、特に夜間頻尿について
腎・尿路疾患センター 三馬省二
忘れてはいけない疾患―肺結核―
呼吸器内科 杉村裕子
重複肺がんの外科治療
呼吸器外科 櫛部圭司
肺癌に対する術後補助化学療法
腫瘍内科 小林真也
消化器癌に対する術後補助化学療法
集学的がん治療センター 渡辺明彦
日常臨床で見逃されやすい中枢神経症状
神経内科 川原 誠
日常診療でみられる睡眠障害について
精神科 上村秀樹
201
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6 業績 (14)
地域医療連携室
登録医 院外出席者数 総出席
出席数 (登録医含む) 者数
医 療 講 座
C 型肝炎の臨床 ~最新の治療を含めて~
消化器内科 中谷敏也
2/21
胆石症の一般外来フォロー中に注意すべき胆道癌の発生
~実際の手術症例の提示~
外科 高 済峯
我が国の HIV 感染妊婦の現状と問題点ならびに
学校教育における性感染症
周産期母子医療センター 喜多恒和
3/21
9
11
21
2
5
16
周期性発熱を呈した自己炎症症候群の 2 例
小児科 福田和由
(7)医用画像機器共同利用(MRI・CT・内視鏡)
平成 23 年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
MRI
0
4
2
3
2
1
2
1
3
CT
0
0
4
4
4
6
5
10
内視鏡
0
3
0
0
0
1
0
1
1
2
2
23
0
0
2
1
36
0
0
0
1
6
計
月平均 5.4
平成 24 年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
MRI
3
1
0
7
1
3
2
0
3
CT
1
2
4
6
1
2
3
1
内視鏡
0
1
0
2
0
2
1
0
2
6
3
31
11
5
2
5
43
2
0
2
0
10
計
月平均 7
3 後方支援連携
H22 年度
H23 年度
H24 年度
退院調整
295
405
425
連絡・相談
145
355
308
24
44
52
退院調整カンファレンス
202
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6 業績 (15)
医療安全推進室
(15)医療安全推進室
2010 年 4 月の開室以降、以下の項目を中心とした活動を行っている。
(1)医療事故やインシデントの情報収集・分析・評価・対策立案
(2)医療安全マニュアル・指針等の整備と運用状況の検証、改訂
(3)医療安全に関する部門連携・委員会活動
(4)職員に対する安全教育・研修の実施
(5)事故発生時の対応
1 医療事故・ハットヒヤリ件数の推移
ハットヒヤリ
事故報告
2005 年
2006 年
2007 年
2008 年
2009 年
2010 年
2011 年
2012 年
1,008
1,009
710
760
637
1,386
1,332
1,175
7
11
0
0
0
42
72
45
医療事故・ハットヒヤリ:職種別
職 種
医師
研修医
看護師
准看護師
医療事故
  4(  8.9%)
転倒転落の推移
ハットヒヤリ
職 種
医療事故 ハットヒヤリ
22(  1.9%) 薬剤師
14
(1.2%)
4(  0.3%) 放射線技師
 6
(0.5%)
38(84.5%) 1,003(85.4%) 臨床工学技士   1
(2.2%)
 5
(0.4%)
8(  0.6%) 臨床検査技師   1
(2.2%)
 8
(0.7%)
助産師
36(  3.1%) 理学療法士
 3
(0.2%)
介護士
2(  0.2%) 作業療法士
 1
(0.1%)
看護補助者
1(  0.1%) 事務職員
 1
(2.2%)
メデイカル
セクレタリー
管理栄養士
15(  1.3%)
栄養士
26(  2.2%) 保安員
2010 年 2011 年 2012 年
228
286
247
患者間違いの推移
2010 年 2011 年 2012 年
28
27
16
 1
(0.1%)
 5
(0.4%)
 1
(0.1%)
2 医療事故・ハットヒヤリ報告書を検討し、改善した主な内容
・
「経管栄養時間の院内統一」医療安全推進室
・
「医療ガス事故発生時の緊急対応マニュアル」医療安全推進室・臨床工学室
・
「シャント設置術後患者の採血検査ラベル・カルテ表示」医療安全推進室 ・
「小児科おやつカードの導入」医療安全推進室・栄養管理部
・
「正面玄関の開錠時間の変更」医療安全推進室・事務部
・
「身体抑制マニュアルと身体抑制同意書の導入」医療安全推進室
・
「管理栄養士による入院時「アレルギー聞き取り」調査の導入」
医療安全推進室・栄養管理部
・
「BVM のデイスポ化」医療安全推進室
203
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6 業績 (15)
医療安全推進室
・
「新規診療材料と変更材料の採用のルール化」医療安全推進室・事務部
・
「合併症と副作用のための事故性判定チャートの活用」医療安全推進室
・
「病理組織切り出し時の使用材料の変更」医療安全推進室・中央臨床検査部
・
「電子カルテ:薬剤処方「修正」機能の取り決め」医療安全推進室・薬剤部
・
「マーキングの導入」医療安全推進室・周術期ワーキング
・
「手術部入室時の術中使用薬剤の確認方法統一」
医療安全推進室・周術期ワーキング
・
「画像検査報告の取り決め(依頼内容以外の所見報告)
」医療安全推進室
・
「身体抑制ミトンの標準化」医療安全推進室
3 医療安全に関する部門連携・委員会活動
・医療安全管理委員会:毎月開催 新規事例の対応方針の審議、部署内調査指導
・医療安全管理委員会ワーキング部会:毎月開催 新規事例の対応方針の審議、
部署内調査指導
・看護部安全推進委員会:毎月開催
・救急委員会、医療情報管理委員会、周術期委員会、輸血療法委員会、栄養管理委員会、
基準委員会、患者サービス委員会、など各種委員会と連携
4 職員への安全教育
(医療安全に関する委員会)
医療安全研修:50 件 参加数:1,385 名
・新人、新規採用者研修(臨床研修医・看護師・助産師)
:3 件(4/9. 4/10. 4/11)
・新人安全研修:4 件(4/18. 6/27. 8/10. 10/31)
・中途採用者研修(看護師・助産師)
:3 件(5/1. 6/1. 11/14)
・育児休業復帰直後研修(看護師・助産師)
9 件(6/1. 7/9. 9/24. 10/1. 10/12. 10/15. 10/18. 11/14. 12/5)
・長期休養復帰直後研修(看護師・助産師)
:3 件(7/5. 8/20. 1/9)
・医療安全感染対策研修会(看護補助者・介護士・メデイカルセクレタリー)
4 件(6/27. 6/28. 11/27. 12/6)
・採用職員研修:3 件(10/15. 1/7. 2/4)
・嚥下・咀嚼障害食を安全に摂取するために
リハビリテーション部 言語聴覚士(9/25)
・救急外来患者の緊急造影 CT の安全な介助 中央放射線部 看護師長
5 件:
(12/3. 12/5. 12/7. 12/11. 12/14)
・エルネオパの安全使用 大塚製薬(12/5. 12/6)
・BVM 安全使用 IMI(12/11. 12/14. 12/17. 12/27)
204
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6 業績 (15)
医療安全推進室
・針刺し防止機能付留置針の安全使用 テルモ(12/17. 12/18. 12/19. 12/27)
・人工呼吸器セットアップ操作研修 臨床工学室 臨床工学士(12/25. 12/27)
・ドリップアイ 輸液管理の安全使用 エムアイデイ(1/7. 1/8. 1/9)
(ニュース配信)
・医療安全情報:計 16 回
・医療事故情報:計 8 回 5 院内ラウンド
(1)中央部門・病棟ラウンド
(2)医療ガス配管設備保守点検(年 4 回)
6 IVナース院内認定制度
看護師数:391 名(認定試験受験資格:ラダーⅡ以上看護師数:305 名)
平成 24 年 3 月末 筆記試験 合格者:305 名
認定実地試験 合格者:287 名
205
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6 業績 (16)
感染防止対策室
(16)感染防止対策室
感染防止対策室は平成 22 年 4 月より専従を 1 名、専任を 1 名置くことで新設された。
平成 24 年度診療報酬改定に伴い、感染防止対策加算 1 を取得しチーム医療を実施して
いる。
患者さん、ご家族、病院職員、訪問者など病院に関わる全ての人々を、無用な感染
から守るため組織横断的に活動を行っている。
1 サーベイランス
(1)院内感染症情報収集・分析・対策
多剤耐性緑膿菌検出報告書数:0 件
結核菌検出報告書数:3 件
MRSA 検出報告書数:99 件(前年度 110 件)
(2)針刺し・切創事故対策
針刺し事故件数:22 件
皮膚・粘膜汚染事故件数:1 件
2 感染管理システムの構築
(1)院内感染対策委員会開催(1 回 / 月)
合計 11 回 / 年開催
(2)感染対策チーム会議(ICT 会議 1 回 / 月)
合計 11 回 / 年開催
3 院内ラウンド
(1)ICT ラウンド:1 回 / 月 合計 11 回実施
5 階南病棟(外科・呼吸器外科)4 階南病棟(小児科)
6 階北病棟(整形外科・神経内科)薬剤部など
(2)感染管理認定看護師ラウンド:15 部署 / 週実施
4 感染管理教育
(1)ICT 勉強会開催(1 回 / 月)
・  1 月 10 日 最近話題のワクチンについて
・  2 月   7 日 インフルエンザの予防について
・  3 月   6 日 多剤耐性緑膿菌(MDRP)アウトブレイク
・  4 月 10 日 初めての感染制御
・  5 月 15 日 当院職員に知っておいてほしい院内感染対策の決まりごと
・  6 月   5 日 これから注意すべき食中毒
206
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6 業績 (16)
感染防止対策室
・  7 月   3 日 環境整備について
・  9 月   4 日 いちからわかる MRSA 対策
・10 月   2 日 マイコプラズマ、インフルエンザなど流行する疾患について
・12 月 11 日 インフルエンザ、ノロウイルスについて
※院内学術研修会
・11 月 15 日 感染症診療の基本的アプローチ
※総出席者数:1,069 名(1,078 名)
( )は前年数
医師:200 名(163 名)
看護師:764 名(826 名)
薬剤師:52 名(68 名)
中検:23 名(69 名)ME:8 名(6 名)中放:3 名(0 名)
事務:1 名(5 名)
地域連携室:4 名(4 名)看護学校:2 名(3 名)アシスト・ヘルパー 12 名(0 名)
(2)認定看護師による研修会
・奈良県看護協会主催 平成 24 年度新人看護職員卒後研修
:5 月 10 日 奈良県内看護師 100 名参加
・新規採用者研修(4 月は研修医 12 名含む)
:4 月・10 月 51 名
・介護士・看護助手・クラーク・セクレタリー研修:
7 月× 2 回・12 月× 2 回 合計 4 回 94 名ずつ参加
・中途採用者研修・長期休職後復職研修:合計 28 名
(3)ICT ニュース発行 (1 回 / 月発行)
  87 号:インフルエンザ流行中
  88 号:第 27 回日本環境感染学会で発表して来ました
  89 号:平成 24 年度 ICT 活動目標
  90 号:当院職員に知っておいてほしい院内感染対策の決まりごといろいろ
  91 号:感染制御内科の始動
  92 号:抗菌薬の年度別使用状況と抗 MRSA 薬の使用状況
  94 号:主要検出菌の感受性率 ‐ 2011 年度下半期
  95 号:5 階南病棟への MRSA 対策強化月間
  96 号:風疹大流行中!注意!!
  97 号:マイコプラズマ肺炎流行について
  98 号:MDRP について
  99 号:ノロウイルス迅速検査について
100 号:6 階北病棟のノロウイルスアウトブレイク報告
5 マニュアル改訂
院内感染対策マニュアル、針刺し事故対応マニュアルを電子カルテ内に掲載
207
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6 業績 (16)
感染防止対策室
6 職業感染予防対策
(1)流行性ウイルス疾患抗体価検査、ワクチン接種
新規採用者抗体価検査実施:42 名
新規採用者ワクチン接種者:28 名
(2)インフルエンザワクチン接種 合計 1052 名実施 (95.5%)
(医師、看護師、看護補助、介護士、薬剤師、中放、中検、栄養管理部、
総務課、医事課、リハビリ、臨床工学士、地域連携室、中材、施設係、
共済会、保健衛生社、ボランティア、基準寝具、ニチイ、保育室など)
(3)インフルエンザ発症時の取り決め
『アウトブレイク時入院中の患者様へ』
『アウトブレイク時インフルエンザを発症された患者様へ』
『タミフル予防投与についての説明用紙』
作成、電子カルテ内:イントラネットより取り出し可能
7 地域連携
(1)西奈良中央病院との相互訪問評価(1 回 / 年)
(2)奈良医療センターとの合同カンファレンス(4 回 / 年)
8 業績
【発表】
一般発表
1)濱中悦子ら:県立奈良病院職員における麻疹、風疹、水痘、ムンプス抗体価検
査とワクチン接種の現状。 第 27 回日本環境感染学会総会(福岡)
2)杉村裕子ら:当院に入院中に結核と診断された症例の検討。
  第 9 回 奈良インフェクションコントロールセミナー(奈良)
208
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6 業績 (17)
栄養管理部
(17)栄養管理部
1 取り組み
栄養管理部は、「患者さんのためのおいしくて治療効果の高い食事の提供」を理念と
して、購入する食材を厳選し食べやすく美味しい献立を作成し、盛り付けや温冷配膳
に考慮しながら食事を提供している。
管理栄養士は、入院患者さんの栄養指導はもちろん、外来患者さんの栄養指導・入
院時の食事説明・NST(栄養サポートチーム)
・CKD(慢性腎臓病疾患)と業務の
提供を行っている。
入院患者さんへの食事の提供は一般食と治療食に大きく分けられるが、理念に基づ
き食事内容の改善に取り組んでいる。
2 成果
(1)入院時の食事提供(朝食8時、昼食 12 時、夕食 18 時)
一般食:普通食・産食・小児食・軟食・わかくさ食・離乳食・調乳等
治療食:外科 3 ~ 8 日目・糖尿・腎臓・透析・膵臓・心臓・肝臓・腸炎・
糖腎食等
(2)栄養指導等
年 度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
入院患者栄養指導(件)
325
640
835
1,003
外来患者栄養指導(件)
331
345
265
329
入院時食事説明(件)
-
-
418
3,532
管理栄養士病棟訪問(件)
-
-
502
113
(3)平成24年度の主な取組状況
・夕食選択メニューを毎日実施(平成25年1月~)
・嚥下咀嚼食を3種から5種に変更(平成24年10月~)
・朝食用パンの提供を2種から7種に増やし、毎日種類の異なるパンを提供(平
成24年11月~)
・各食種の献立等の見直し
209
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6 業績 (18)
薬剤部
(18)薬剤部
1 取り組み
近年の医療の高度化、多様化、複雑化は、薬剤師の職能にも大きな変化をもたらし、
調剤業務に加えて、薬の専門家としての役割が求められるようになっている。
現在「がん・緩和」
、
「栄養」
「感染症」
、
「糖尿病」などの領域で専門性を生かしてチー
ム医療に参画している。
県立奈良病院の理念である「いい医療を、より多くの患者さんへ」に基づき、薬剤
師ひとりひとりが医師をはじめとするあらゆる医療従事者と協力して患者に最適な薬
物療法を提供し、医薬品に関する医療安全を確保していきたい。
2 成果
持参薬調査(入院)
・手術・検査前服薬調査(外来)
平成 22 年度
持参薬(入院)
服薬調査(外来)
平成 23 年度
平成 24 年度
2,418
3,858
4,177
191
729
1,085
化学療法調製件数(人)
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
外 来
1,448
1,829
2,063
入 院
0
158
1,441
薬剤管理指導件数(算定)
平成 22 年度
救命救急入院料等算定者
平成 23 年度
平成 24 年度
62
29
153
ハイリスク投与患者
3,030
3,327
3,777
上記以外
3,400
4,158
6,287
計
6,492
7,514
10,217
麻薬指導加算件数、退院時薬剤情報管理指導料
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
麻薬指導加算件数
231
422
417
退院時薬剤情報管理指導料
777
910
2,558
210
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6 業績 (18)薬剤部
薬学生実務実習受け入れ人数
平成 22 年度
受け入れ人数(名)
平成 23 年度
9
平成 24 年度
12
12
院内在庫医薬品数(平成 25 年 3 月 31 日現在)
品目数(後発品)
構成比(後発品)
%
内用薬
514(  38)
41.3(29.2)
7.4
外用薬
230(  32)
18.5(24.6)
13.9
注射薬
500(  60)
40.2(46.2)
12.0
計
後発比率 %
1,244(130)
10.5
3 学術・研修
【資格】
日本病院薬剤師会がん薬物療法認定薬剤師
2名
日本糖尿病療養指導士
2名
NST 専門療養法士
3名
日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師
5名
日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師
6名
スポーツファーマシスト
1名
【院外講演・講義】
・齊藤俊郎:新人看護職員卒後研修(奈良県看護協会)
「薬の基礎知識」
2012/5/10 (奈良県看護研修センター)
・齊藤俊郎:看護職復職支援研修(奈良県看護協会)
「くすりの理解」
2012/10/3 (奈良県看護研修センター)
、2013/2/7 (奈良県文化会館)
・尾崎智規:県立奈良病院 県民公開講座「スポーツに役立つおくすりの話」
2012/11/17 (奈良文化会館)
【院内講義】
・龍官真生子:新規採用者研修(新人看護師)
「安全にインスリンを投与するために」
2012/4/27
「安全に化学療法を施行するために」
2012/6/12
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6 業績 (18)
薬剤部
【学会発表】
・第 22 回日本医療薬学会年会 2012. 10(新潟)
龍官真生子ほか 「電子カルテ導入に際して見直した癌化学療法レジメンについて」
・第 51 回全国自治体病院学会 2012. 11(高松)
吉岡奈津恵ほか 「周術期管理チームにおける薬剤部の取り組み」
・第 15 回奈良県病院薬剤師会学術大会 2012. 12(奈良)
浅田遼太ほか 「救命救急センターにおける薬剤病棟業務」
・第 34 回日本病院薬剤師会近畿学術大会 2013. 1(滋賀)
上田裕子ほか 「周術期管理における薬剤部の取り組み(第 2 報)
」
吉岡奈津恵ほか 「がん化学療法のレジメン統一による患者向けシートの見直し」
212
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6 業績 (19)
看護部
(19)看護部
1 看護部理念
「いのちを大切にし、人格を守り、一人ひとりを尊重する看護を目指す。
」
豊かな感性と温かい人間性を基盤に、専門職として自分の立場や役割を自覚し、よ
り水準の高い看護を提供し、その責務を果たすように努める。
2 看護部の方針
専門職として自分の立場や役割を自覚し、より水準の高い看護を提供し、その責務
を果たすよう努める。
(1)
看護の質を保障し、患者サービスの向上を図る。
① 患者の安全を守り医療事故の防止に努める。
② 快適な療養環境を整える。
③ 接遇マナーの向上を図る。
④ 看護活動をとおして、地域に貢献する。
(2)
現在教育を充実し、専門職としての資質の向上を図る。
① 自己学習や研究意欲の高揚に努める。
② 研修会参加の推進を図る。
(3)
病院経営の健全化に貢献する。
看護部では、理念・方針に基づき前年度評価を踏まえ目標を設定し、その達成に
向け取り組んでいる。
看護部の活動を職員の動向、臨床看護実践、教育・研修、研究に分類し、下記
に述べる。
213
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6 業績 (19)
看護部
3 職員の動向
(1)
看護職員数の推移(4 月 1 日現在)
20 年度
21 年度
22 年度
23 年度
24 年度
看護職員定数
352
358
359
383
416
常勤数
346
329
340
363
401
日々雇用(実働)
34
27
32
27
27
【2】
【嘱託】
産休数
6
3
7
6
2
育休数
24
21
16
21
27
部分休業取得数
5
12
18
26
33
長期出張・職免
医大 4
0
0
2
3
長期特休
0
0
0
1
3
新規採用者数
42
15
35
30
37
(新卒)
(33)
(11)
(29)
(26)
(33)
中途採用者数
11
8
14
14
6
退職者数
41
30
21
12
24
全体離職率(%)
13.45
9.12
6.44
3.27
6
新卒退職率(%)
24.2
9.09
3.44
7.69
5.88
4 臨床看護実践
(1)
平成 24 年度看護部目標と評価
目 標
年 間 評 価
~奈良看護の推進~
平成 24 年度も引き続き奈良看護の推進、病院理念、目標
に基いて、一番目にあげた目標は、働きやすい職場環境を
1. 働きやすい職場環境をつくる
つくるとした。7 対 1 看護を実施するにあたっては、前年
(1)7:1 看護体制の導入
度の低い離職率と今年度 33 名増の看護師定数が増加した事
(2)やりがいのある看護の実践
から、7 対 1 看護体制を実施できた。(看護必要度は 20 ~
21%前後を維持できている)
看護師確保には、4 月から専任とした教育担当を中心に、
学校訪問、就職説明会において、充実した教育体制につい
て説明をおこなうなど人材確保に努めた。これは、次年度
の外部からの新人の入職に繋がった。
214
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6 業績 (19)看護部
救急外来の二交代制について、外来師長を中心に検討を
重ね、平成 25 年 1 月から実施。個人のライフスタイルに応
じた勤務形態を考慮した。救急外来夜勤帯において、中央
放射線部・内視鏡部看護師を 1 名増やした配置とすること
で、安心感につながり、実施後のアンケートから満足の結
果を得ることができた。また、救急外来準夜勤務から手術
部を切り離し、手術室勤務としたことで、緊急手術にも専
念でき、翌日の準備等もできるなど時間的に余裕を持つこ
とができている。
1 人あたりの月平均超過勤務時間も前年度 3.1 時間から 1.5
時間と減少している。代休消化率は 87.5%で毎年少しずつ
消化できている。年休取得日数は 5 日で、前年とほぼ同じ
であった。部分休業取得者は 33 名で年々増加傾向にあるが、
育児休業の復帰が 1 年~ 1.5 年と短くなり部分休業がうま
く有効活用され、ワークライフバランスに繋がった。
2. 専門職業人として、信頼される
信頼される人間関係が築かれているかを見る指標として、
人間関係を構築する
患者の声がある。
退院時に渡す患者アンケートでは、看護師の対応につい
ては、「大変良かった」「良かった」が 96.4%であった。
回収されたアンケートの結果だけを見ると良い結果だと
評価されるが、退院された患者さん全ての意見ではないこ
とに視点を置く必要がある。入院患者、家族から看護師の
言動や態度、配慮不足など一部であるが、苦情が寄せられた。
この事を真摯に受け止め、看護の原点にもどり信頼を得る
ことが重要である。
今年度の新しい取り組みとして、看護師表彰を実施し、
看護ケア(スキル)と接遇について、優秀であった看護師
を表彰した。これからも継続して取り組み優秀な人材を増
やし、看護の質向上に努めたい。
3. チーム医療を推進し、看護の専
院内認定制度の静脈留置針の挿入(ラダーⅡ以上の看護
門性を発揮する
師による)において、知識、スキルの向上により、医師、
看護師のi V 挿入の割合は 6 対 4 の割合が 4 対 6 の割合に
変化した。次年度は更に専門職としての知識、技術の向上
を目指した新たな取り組みをおこなっていきたい。
チーム活動としては、十分活動できているチームとそうでな
いチームに差が見られた。看護師がキーパーソンとなって積極
的 に 活 動し、 チ ームの 推 進 力を高 めて いく必 要 が ある。
215
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6 業績 (19)
看護部
認定看護師
(専門領域を含む)の育成にも取り組んだ。現在、
皮膚排泄ケア、がん性疼痛、感染管理、新生児集中ケア、緩
和ケア、救急看護の 6 領域 7 人の認定看護師が活動し、組織
に貢献した。手術看護、がん放射線看護、脳卒中看護におい
ても受験し合格することができた。次年度からも着実に認定看
護師数を増やし、専門領域の看護師育成にも力を入れていきた
い。
(2)
平成 25 年度看護部目標
~奈良看護の推進・新病院に向けて・独法化を意識して~
1. 職員のキャリアを支援し、人材育成を行う
2. 活気ある働きやすい職場をつくる
3. 倫理観に基づいた行動を徹底し、接遇を向上させる
4. 連携を強化し、チーム医療を推進する
(3)
看護外来
実績(件)
看護外来名称
平成 24 年度
創傷・ストーマ外来
368 件
失禁ケア
24 件
その他
1件
521 件
フットケア外来
(糖尿療養指導)
267 件
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6 業績 (19)看護部
(4)
認定看護師活動実績
看護領域名
がん看護
領域
感染管理
領域
実績数
看護領域名
がん相談総数
828 件
認定看看護師対応分 495 件
内訳 リンパ浮腫相談 96 件
その他緩和ケア相談 399 件
皮膚・排泄ケア
領域
新規採用者研修
(4 月は研修医 12 名含む)2 回
介護士・看護助手・クラークセ
クレタリー研修
4回
中途採用者研修・長期及び育
休復帰後研修
28 名
言語聴覚士・理学療法士研修
1回
新規採用職員研修
4回
中学生体験学習会
1回
合計 40 回
マットレス洗浄
67 枚
新規採用者抗体価検査 42 名
新規採用者ワクチン接種28 名
インフルエンザワクチン接種
合計 1052 名
新生児集中ケア
領域
救急看護
領域
実績数
ストーマケア
創傷ケア
褥瘡ケア
スキンケア
失禁ケア
フットケア
その他
301 件
444 件
384 件
63 件
39 件
16 件
3件
新生児蘇生法専門コース
6 月 2 日(12 名)
11 月 1 日(16 名)
平成 25 年 2 月 2 日(8 名)
周産期研修会
体温管理(5 月 16 日、13 名)
新生児呼吸生理
(5 月 25 日、11 名)
新生児循環生理
(5 月 29 日、10 名)
「平成 24 年度介護職員等喀痰
吸引研修事業」講義・実技指
導 12 月 20 日
平成 25 年 1 月 8・9 日
公開講座「災害看護の教え方」
担当講義「病院の備えについ
て」
9 月 9 日兵庫県立大学地域ケ
ア研究所主催
(5)
医療チームの活動実績
医療チーム名
実績数
医療チーム名
ICT
(感染対策チーム)
実績数
第1(火)ICT勉強会
参加者総数1069名
第2(火)ICTラウンド
褥瘡対策
チーム
延べ 197名
毎(水)
褥瘡回診
NST
73名
糖尿病サポートチーム
週1回 NST回診 288回 (DST)
21名(糖尿病教室)
1回(月)/週 糖尿病合同
カンファレンス 39名
がんサポート
チーム
161名
KST
11回/年症例検討・勉強会
1回(木)/週 ラウンド
症例検討
勉強会
リエゾン
チーム
1回/(火)ラウンド
カンファレンス
第2(火)事例検討
医療安全
ワーキング
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看護部 5 看護部委員会
5 看護部委員会
〈1〉看護師長学習会
企画委員 荻田三枝子 甲田涼子 中村光代
1 目的・目標
目的 看護師長としての看護管理能力を高める。
目標 (1)管理上の問題点を共有し、解決策をたて実践できる。
(2)業務改善に取り組み、働きやすい職場環境を整える。
2 活動要約
今年度は、小集団活動として、クリニカルラダーの浸透、7対 1 看護体制の導入と定着、
看護師の確保、看護学生との交流を深めることを目指し、①クリニカルラダー ②労務
環境 ③看護師確保の 3 つのグループ編成で活動を行った。
①グループの主な活動は、昨年度に引き続きジェネラリストコースの運用と評価・修
正を行った。まず所属でラダーについての共通理解と運用ができるように 5 月に運用基
準と評価表を盛り込んだファイルを配布した。運用後、10 月に評価についての意見をも
らい修正した。また、スペシャリスト・マネージメントコースに関してはラダーの完成
を目指し主任の評価基準を作成した。今後もラダーの全職員への浸透のために、評価基
準を教育計画とリンクさせることと行動目標を取り入れることが課題である。
②グループは、
「職場での労務環境を整え定着を目指す」という目的で活動した。主に「7
対1看護体制を理解し運用できる」ように取り組み、7 対1看護体制の周知をはじめとし
てリリーフ体制を含めた運用基準の作成を行いトラブルなく経過している。7 対 1 看護体
制が軌道に乗り、次に救急外来の勤務体制についての検討を行った。その結果、準夜帯
の手術部看護師が手術部業務に専念でき救急外来のマンパワーも確保できた。
③グループは、以下のように看護師確保に取り組んだ。病院見学会(7回 11 名)・附
属看護専門学校 2 年生と 3 年生の交流会・病院まつりでの就職支援相談室の設置(20 名
が相談)・看護学生の夏季アルバイトの募集(20 日間 25 名)
・秋桜祭の看護部ブースの設
置(20 名が相談)を実施した。今年度初めて実施した看護師国家試験対策(アカデミア)
では、平成 25 年度県立奈良病院就職予定の奈良病院附属看護学生 8 名が参加した。平成
25 年度 55 名の看護師就職者を目指し、平成 24 年度中の就職者 6 名と 25 年度の 4 月採用
予定者 43 名の計 49 名が決定している。
また、小集団活動以外に 12 月に師長・主任合同研修会を開催した。講師には、「ラウ
ンド病棟管理の着眼点」の著者、
高橋弘枝氏をお招きしてアンケートで希望の多かった「人
材の育成と活用」をテーマに講演していただいた。師長としての視点の整理ができスタッ
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フに光を当てることの重要性を再認識できた内容であった。
看護実践報告会では、今年度も5分間の発表とディスカッションをおこなった。プレ
ゼンテーション能力と実践内容ではデータ分析力や管理的視点が問われスキルアップに
繋がる報告会となった。
師長学習会での小集団活動も4年を経過した。来年度は、残された課題はそれぞれで
取り組み、学習会では今後の動向を見据えた計画性のある能力向上の場としたい。
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〈2〉看護主任会
企画委員 梅津幾久子 松下宗子
オブザーバー:木下久美子
1 目標
ラダーレベルにあわせた看護師を育成する。
2 活動要約
目標に対して、小集団においてそれぞれ活動を行った。
【リーダー育成】
日々リーダー研修を担当して 3 年たった。研修の効果を確認し研修内容を検討するた
めに、過去 2 年間研修を受講した 37 名にアンケートを実施した。結果は、ゲームやグルー
プ討議、事例検討とした研修方法が好評であり、役立っており満足できたと回答を得た。
検討する内容として患者と接する時間の減少や事務作業に追われる、やりがいを感じな
いなどの意見があり、今後これらのことをふまえ次年度の研修に取り組まなければなら
ない。日々リーダーを担う人材育成のためのリーダー研修実施後の評価として、固定チー
ム奈良セミナーで発表した。発表後の課題として日々リーダー育成のため環境を整える
必要性が示唆され、各病棟にある日々リーダーの手順の統一化を進めていきたい。
【ラダーⅠ ・ Ⅱメンバー育成】
プリセプターⅠ ・ Ⅱ研修会の担当者が変わっても研修会の運営ができるようマニュア
ルを作成した。またプリセプターハンドブックの内容や表現方法を検討した。基本はラ
ダーに合わせた内容とし、新人研修体制については来年度からの体制にあわせたものと
した。目標シートから前向きに振り返り、成長したことや心に残った嬉しかったことな
どを記入できるような成長報告に変更し、来年度から使用するバンビナースサポートシ
ステムに入れることになった。今後はポジティブシンキングの発想をスタッフ全員が持
ち、新人に関われるようなスタッフに指導していく必要がある。
【新人看護師技術教育】
昨年度作成した改訂版新人看護技術チェックリストを使用し、6 月、10 月に技術習得
率を調査し分析した。またアンケート調査の結果、各所属では未経験の看護技術を習得
するためにチーム間での調整や、個人面談、シャドーイングなどを実施していた。習得
率の低い項目については、2 年目も各所属で支援していく必要がある。
【中途採用看護職員支援】
中途採用看護職員に対しての院内共通の教育計画と業務のチェックリストを作成し、
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イントラネットに保存した。平成 25 年 1 月より使用を開始しており、今後これらを運用
しての評価に取り組みたい。また昨年作成した固定チームナーシングマニュアルを使用
し、固定チーム実践報告会を実施した。大きな修正を加えることなくマニュアルが使用
出来ており、今後も活用していきたい。
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〈3〉臨床指導者学習会
企画委員 竹井敬子 原敏恵
オブザーバー:木下久美子
1 目的・目標
目的:効果的な臨床実習を行うために必要な知識の習得と指導者としての資質を高める
目標 (1)各病棟の特殊性を考慮した統合実習案を編集し作成する。
(2)学生のヒヤリハット事例を共有し、分析と対策を検討する。
平成 24 年度より、学習会の開催が隔月となり、限られた時間での集中した討議・学習
が求められた。前年度と同様に、指導者と教員を3グループに分け、活発な意見交換が
できるように工夫した。
2 活動内容
6月 看護ゼミナールの内容や学習度について教員より説明を受け、基礎看護学実習Ⅱ
の実習調整を行なった。
また、学生が電子カルテから情報収集をする上で注意している点や工夫している点に
ついて情報提供を行なった。
8月 奈良県看護師等学校教務主任協議会に 5 名、奈良県看護教員研究会に3名が参加
し新しい知識を得た。
9月 昨年度の統合実習をふまえて指導案の再検討を行なった。管理実習は学校の要望
通り1日実習を確保した。昨年度は夜勤実習日が病棟によって異なり、夜勤実習の翌日
に平常の実習に来る学生がいた。そのため、今年度は全所属で2週目の木金に夜勤実習
日を統一した。
さらに、当直師長や待機教員の負担を減らすため、休息時間も統一した。病棟により、
統一夜勤実習日が手術日で多忙であったり、輪番で緊急入院の対応が多く実習学生に十
分な指導ができないという懸念があったが、指導者の工夫により、学生にとって満足度
の高い統合実習となり、指導者の満足度を得ることができた。
11月 平成 24 年度の実習指導者講習会を受講した3名の伝達講習会を行なった。現在
の若者像についての特徴を再確認し、コミュニケーション手段としてコーチングの活用
が効果的であると学ぶことができた。
ヒヤリハット事例の検討については、毎回教員から状況提示を受け、学生に対して教
員がどんな指導を行なったかの説明を受けていた。今後は指導内容だけでなく、ヒヤリ
ハットを起さないために指導者としてどんな関わり方が必要なのか、その事例から学生
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にどんなことを学んでほしいかを更に検討していきたい。
次年度の活動計画は、学生指導だけでなくスタッフ指導の際にも効果的な指導が実施
できるよう、対象の理解や指導方法について指導者間で深めていく内容とした。また、
研修会等に参加し自己研鑽を行い、教員との連携を密にしながら、今後なら看護を担え
る人材の育成に関わっていきたいと考える。
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〈4〉看護支援システム委員会
委員長 井上弘子
メンバー
副委員長:正岡 執行部:綛谷 光亦 高嶋 岩田 各所属委員:萩原 広藤 奥村 梅田 辻岡 坂上 杉田 西浦 廣瀬
オブザーバー:木下久美子
1 目標
平成 24 年度の目的を、看護サービスの質の向上のために、情報の共有と活用ができる
システム作りに取り組むとし、以下の2つの目標を設定し活動した。
(1)電子カルテシステムが定着できる。
(2)円滑な情報入力と活用を図る。
2 活動要約
平成 24 年度の委員会活動は上記のとおりである。
今年度は、電子カルテが平成 24 年 3 月に導入されたことから、電子カルテシステムが
定着でき、円滑な情報入力と活用を図ることを目標に計画を立案し、活動した。各所属
の年間活動計画を書面にて提出したが、電子カルテへのスムーズな運用を目標とした活
動計画が主だった立案であった。
6、7 月には、電子カルテ導入後のエラーに、指示受や実施時のエラーがあった。その
要因分析のため、各所属の指示受けから実施に至るまでの実態調査及びアンケート調査
を行った。指示受けや伝達方法、払い出し薬剤確認作業、実施前の指示と薬剤の確認方
法などの各所属のばらつきをみとめた。電子カルテシステムを用いて指示を確実に受け
て安全に実施でき、無駄な業務を省くためにも最低限の取り決めを検討した。また、導
入後第一回目の看護ケアマスター・セット化の見直しを各委員に依頼し、9、10 月に執行
部が見直しを完成させ NEC へ修正を依頼した。
10、12 月には入院患者の注射実施において、患者認証確認をせずに実施している現状
があり、指示の受け方、薬剤確認方法、点滴実施前の確認方法の3点について確認する
とともに、患者認証確認の監査を実施した。確認作業が各所属で異なり、薬剤・処方箋・
指示画面の3つを合わせて患者認証を行い実施することに統一した。電子カルテの導入
により紙媒体は減少したが、紙媒体が存在しているのも現状である。今後は、より業務
をスリム化し、すべて電子化できるよう努めたい。
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看護部 5 看護部委員会
〈5〉教育委員会
委員長 鈴木晴子
メンバー
執行部:濱田明日香
看護教育主任:陳野優子
所属委員:石山 松澤 宮地 吉田 赤井 谷本 杉本 森本 黒田 中岡
西尾 森 津田 藤原
オブザーバー:木下久美子
1 目標
(1)新人看護師の看護実践能力を養い、個々の役割を果たすことができるように支援する。
(2)各自が主体的に自己啓発できるように支援する。
(3)組織の一員としての役割を認識し、自律した看護師を育成する。
(4)看護の専門性を活かした活動ができる。
2 活動要約
(1)新人教育
平成 24 年度新規採用者新卒者 34 名を迎えることができた。
昨年度から開始した「実践能力開発研修」を 16 時 15 分から 1 時間程度、他職種に講
師の依頼をした。4 月に7項目(輸血の基礎知識、安全な体位変換・移動・移送、人工透
析患者のリスク管理、転倒転落の予防対策、膀胱留置カテーテル、褥瘡予防・ケア、安
全にインスリンを投与するために)の研修を行った。新人の実践能力を考慮して 6 月に
化学療法を受ける患者の看護についての研修、10 月に看護必要度の研修を行った。陳野
看護教育主任が新人研修の担当者へのアドバイス及び新人研修のサポートと研修評価・
分析を行ったことで、次年度の新人研修計画に活かすことができた。2年間のサポート
体制(バンビナースサポートシステム)の導入が始まる。
(2)看護研究
院内看護研究学会への参加は8所属であった。今年度も
(株)ノトコードの平林先生か
ら個別指導を3回受けた。今年度は陳野看護教育主任が平林先生からの個別指導前後に
研究メンバーと直接指導を行ったことで看護研究の質が上がっていると平林先生から評
価をいただいた。今年度の計画に加えて、次年度の看護研究対象者に対して「看護研究
ゼミ」を 4 回シリーズで陳野看護教育主任が講義した。早くからの取り組みを期待して
の開催であった。
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(3)その他研修
今年度追加研修として看護主任と所属教育に携わる者の希望者を中心に「教育担当者
研修」を計画した。新人看護職員卒後研修と次年度の教育計画についての内容であった。
新人を指導する看護主任を中心とした中堅看護師に対しての役割を理解してもらうこと
は今後も必要であると考える。そのため、次年度の新人看護職員卒後研修の看護実践に
関わる研修内容には所属の教育委員や臨床指導者にも担当者として参加するよう計画し
た。
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6 業績 (19)
看護部 5 看護部委員会
〈6〉記録検討委員会
委員長 常塚尚子
メンバー
副委員長:森口 執行部:北川 小島 森 西
所属委員:鈴木 高木 安東 広藤 伊藤 中本 高道 中西 原 仙波 上本 久利
オブザーバー:藤林弘子
1 目標
(1)記録委員の知識の向上につとめ、記録の質の向上を図る
(2)電子カルテシステムに伴う問題点の把握と改善策を検討する
2 活動要約
目標(1)について、昨年度 3 月より電子カルテシステムが導入したことにより記録監査表の
見直しが必要となった。
「看護必要度記録・監査&評価データ活用ガイド」日総研を基に形式監
査表・質的監査表を執行部で修正した。また、今年度 7 対 1 看護導入にあたり新たに看護必要
度監査表を平成 24 年 9 月に作成した。各所属の記録委員に各監査表の使用目的・方法を説明
し使用を開始した。使用後いくつかの問題点が各所属より抽出され執行部で再度修正を行い、
12 月より現在使用中の各監査表を使用している。各所属の記録委員を中心に看護記録監査、及
びスタッフ指導を行なうことで看護記録に対する意識付けになっていると考える。
また、今年度平成 24 年 9 月に執行部による院外研修の伝達講習会を各所属の記録委員を対
象に行なった。内容は看護必要度と看護記録・監査システムの構築、要点をおさえた看護記録、
日本看護診断学会などであり、12 月は各所属の記録委員による伝達講習を行なった。内容は記
録の基本から看護必要度に関する内容、看護診断に関する内容、各学会発表した内容であった。
これらを記録委員が各所属のスタッフへ伝達を行い知識の共有に努めている。
目標(2)について、電子カルテシステムを導入し、全科共通問題、各科疾患別の標準看護
計画を各所属では使用している。標準看護計画を使用することで安全な看護ケアの提供や看護
の質の向上につながるとともに、業務量の削減や超過勤務時間の短縮にもつながっていると考え
る。今年度 7 月には個人基礎情報用紙を改訂し、患者基本情報を適切に情報収集し電子カルテ
システムの看護サマリーに適した項目で入力できるようにした。そうすることで情報をアセスメ
ントし、患者に適した看護計画を立案し、日々の看護の提供に努めている。また記録の時間の
短縮、重複記録を避ける目的で看護サマリーを退院・転院サマリーとして使用出来るように変更
した。
今後は各看護記録監査表の評価および検討を行ない、診療情報提供の目的にかなう看護記
録の充実に努めていきたい。そのためには各所属の記録委員が、自己研鑽し記録に関する知識
の向上に努めていく必要があると考える。
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〈7〉安全推進委員会
委員長 佐々木綾子
メンバー
副委員長:外川 執行部:佐藤 梅津 深川 出島
委員:嶋 中谷 若井 森田 北村 益留 水本 西垣 乾
オブザーバー:藤林弘子
1 目的・目標
目的 安全・安心・安楽な入院環境を提供できるように、安全体制を確立、充実させる。
目標 (1)当該部署の問題点を抽出し、事故防止対策やマニュアルが遵守 ・ 徹底できる
ように評価・指導する。
(2)電子カルテ運用後のヒヤリハット事案をタイムリーに情報共有できるように
発信し、安全確認方法の統一をはかる。
2 活動要約
平成 24 年度は患者間違い ・ 補液間違い ・ 流量間違い防止などのため、
看護師2名でベッ
ドサイドでの補液確認する。転倒 ・ 転落予防のために、
ベッドサイドの環境を整えるなど、
各所属で始業前点検を徹底した。また2月の年間実施報告会では、各所属とも始業前点
検が日常化し、スタッフの安全に対する意識が高まったという報告や補液関連や転倒 ・
転落のハットヒヤリ報告が前年度より減少したという報告もあった。また、転倒 ・ 転落
ハイリスク患者のカンファレンスを毎日実施し、スタッフ全員で転倒 ・ 転落防止に取り
組んでいる所属もあった。
執行部では「指示受け」
「患者確認」「転倒転落」
「配薬・配膳」の4項目についてチェッ
クリストを作成し、院内巡視を行った。
昨年度末から電子カルテに変わったため、
「指示受け」や「患者確認」では電子カルテ
や PDA を使用して行っているか確認した。
「患者確認」では、入院中の患者はリストバ
ンドにより確認を行っていたが、手術室からの出棟確認はされていても、帰室確認がさ
れていない所属があったため、早急の改善を各所属の委員に報告し、改善した。
「転倒・転落」については、始業前点検で患者のベッド周辺の環境を整え、廊下に車椅
子やワゴンなど物品を置かないなど、昨年度より整理整頓されていた。
「配薬・配膳」については、リストバンドでの患者確認はできないため、2 人の看護師
によるダブルチェック・フルネームでの患者確認ができているか確認した。配薬前の薬
の内容については、看護師2人でのダブルチェックはできており、配薬時のフルネーム
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での患者確認については、配薬患者の薬ケースにある名前のラベルを患者本人に確認し
ている所属もあった。配膳については、全所属が配膳前に患者盛り付け表と食札で内容
を確認してから配膳していた。配膳時の患者確認については、ほとんどの所属が病室入
り口の名札でベッド位置を確認し、病室内ではベッドネームを確認し配膳していた。病
室入り口の名札のみで配膳している所属については、ベッドネームでの確認や食札名を
患者に確認して配膳するように指導し、改善された。
今年度は4項目について院内巡視を実施したが、各所属が手順通りに業務をおこなっ
ているか確認することができ、不十分な所属については改善することもできた。
来年度も安全・安心・安楽な入院環境を提供できるように、執行部と委員で協力し、
活動していきたい。
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〈8〉感染予防委員会
専従看護師・委員長 濱中悦子
メンバー
執行部:川村 大塚
所属委員:小坂 中谷 辻野 中西 岩田 巽 亀井 保仙 浦 中谷 蘒 児玉
田中 樫合
オブザーバー:藤林弘子
1 目標
(1)感染制御に関する知識を得る。
(2)院内感染制御に関する活動を通し、リーダー的存在として所属の感染制御に関す
る活動ができる。
(3)標準予防策について理解、実践することができ、他のスタッフへ指導できる。
2 活動要約
今年度から全員参加型の委員会開催という形式とは異なり、所属ごとにカンファレン
スを実施するという活動内容に変更した。各所属での問題点を抽出しどのように解決し
ていくかなどをリンクナースと共に考え年間を通じ実施した。
毎月それぞれ所属ごとにカンファレンスを持つことで、今まで介入できなかった事に
対してリンクナースと共に介入することができ、前年度よりいろいろな面で物事を進め
ることができた。1 年間を通して解決していった所属と、早期に解決できた所属、また未
解決の所属と分かれるが、これはリンクナース自身の感染に対する姿勢のあらわれであっ
たと思われる。目標に対して達成できなかったのは何が原因かなど、リンクナースと共
に検討し、
次年度に繋げるようにしたい。今年度は全員参加型の委員会開催ではなくなり、
その分リンクナース同士の繋がりが希薄になってしまった。他の所属はどのようにして
いるのかわからない、自部署はこれで良いのかなどリンクナース自体不安や疑問がみら
れた。その都度、他部署での活動内容や経過など説明していたが、伝達方法をきちんと
決めておくべきであったと反省をした。リンクナース全員にどのように伝達すればわか
り易く、早急に伝達できるかなど執行部と共に検討していこうと思っている。
今年度は標準予防策を再度見直すためにチェックリストを作成し、スタッフ全員が評
価をする方法を取った。項目により今まで知らなかった事、気付かなかった事などが見
直され、標準予防策の見直しという点では達成できたと思われる。しかし、知識として
得たことが、実践につながっているかというとそうでないこともあり、知っているが出
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来ない、行動に移せない、ということなどが現実としてあった。実践につながらないと
いうことは、結局理解できていないということになるため、今後は実践的なことにつな
がる指導をしていく必要がある。またリンクナース間での知識の差があるように感じる
ため、リンクナースに対しての個人またはグループ指導も検討中である。リンクナース
を育成することで個人の感染対策の意識の向上から、各所属、病院全体の感染対策のレ
ベルアップにつながっていくようにしていきたい。
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〈9〉基準委員会
委員長 三輪利枝子
メンバー
副委員長:久保田
委 員:坂内 古澤 奥田
オブザーバー:木下久美子
1 目的・目標
目 的 一定レベルの看護を提供するために基準・手順を活用する
目 標 (1)電子カルテ導入に伴う構成基準の見直しと修正を行う
(2)看護手順の見直しと修正を行う
(3)新しい手順の作成を行う
2 活動要約
平成 24 年度は、上記目標を掲げ、毎年行っている構成基準の見直しを行った。毎年変
更する構成基準の項目(看護部の目標、看護部の運営、組織図、看護部に所属する全職
員の配置、
看護教育と研究)と診療報酬改定関わる構成基準変更を行い差し替えを行った。
看護手順については、前年度に引き続き手順の改訂作業と新規の看護手順について取り
組んだ。
まず、電子カルテ導入に伴い、業務記述について見直しを行った。次に前年度から引
き続き看護手順についての改訂作業を行った。平成 24 年度に改訂した看護手順は、①エ
ンゼルケア、②口腔内(鼻腔内)吸引、③気管吸引、④輸血の施行介助と管理、⑤診断書・
死亡診断書・証明書等の発行について、⑥移動(ストレッチャー)⑦骨髄穿刺、⑧「手
術室への入室・退室」については、電子カルテが入り入室・退室についての手順が変わっ
たため、手順を改訂した。
手順の改訂により、看護手順の死後の処置をエンゼルケアに変更したため、⑨目次の
改訂を行った。⑩看護手順統一事項も改訂し、6Rから7Rに変更し、エンゼルケアを
ア行に追加し、死後の処置を削除し改訂した。
今年度新規作成した看護手順は、⑪ CV ポートの使用方法と管理についてである。
各所属の皆さんに協力をいただき、上記の看護手順の見直しと改訂ができた。しかし改
訂後承認を受けるまで時間を要した。タイムリーに看護手順を改訂することは必要な事
である。今年度は電子カルテが導入された事により、輸血の施行介助と管理や、手術室
への入室・退室については、バーコード認証が必要となり、手順の大幅な変更が必要となっ
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看護部 5 看護部委員会
た。また患者サービスセンターが設置された事により、診断書・証明書の依頼方法と受
領が変更となったため、診断書・死亡診断書・証明書等の発行についての手順を変更した。
電子カルテが導入された事で、手順の改訂が必要なものがいくつかあるが、今後も改訂
が必要な看護手順を優先し取り組んで行きたい。平成 23 年 12 月にオールカラーのビジュ
アル臨床看護技術が購入され、このテキストも解りやすく活用されていると思う。今後
も院内の看護手順とビジュアル臨床看護手順を新人教育や中途採用者の指導に役立てて
いただきたい。
次年度からは、看護システム委員会と基準委員会とが統合される予定である。看護手
順も次年度からは形を検討し、改訂作業の見直しの検討も行い、みんながより活用しや
すくなるようにしていきたいと考えている。
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看護部 5 看護部委員会
〈10〉災害看護委員会
副委員長:福谷まり子
メンバー
委員長:市井 執行部:枡田 黒田
委員:西川 広藤 松本 松川 年財 大邊 桝田 植木 松田 清水 米澤
オブザーバー:木下久美子
1 目的・目標
目的 災害発生時に対応できる人材の育成を行う。
目標 (1)各所属でDVDを用いて教育ができるよう支援する。
(2)各所属で災害訓練の企画・運営・指導ができるよう支援する。
2 活動要約
目標
(1)について、5 月より 12 月にかけて、
「災害時ケア トリアージ」のDVDを各
所属で視聴した。視聴後の評価として、一次トリアージについて、質問用紙を利用し評
価を行った。各所属とも 100 点中、平均点 80 点以上の結果を得た。所属によっては、D
VD観賞前後の評価も行っているところがあり、院内で統一した知識の向上ができたと
考える。
目標
(2)について、5 月の委員会で各所属の目標を把握した。各所属では、災害マニュ
アルの周知、机上学習やシュミレーション訓練、所属のアクションカードの作成、各種
勉強会の開催など幅広い活動を計画していた。そのためか、最終評価を提出してもらっ
た 1 月では、各所属の計画実施が終わっていない所属があった。最終評価の提出は 1 月
では早く、各所属の計画実施が終わっていない所属が多いため、来年度からは時期を 2
月とし、計画通りに実施評価ができるように指導していく必要がある。
11 月 22 日(木)に院内災害訓練が実施され、訓練は、15 時頃、震度5強の地震が発生。
院内に大きな被害はないが、受け入れ要請のあった負傷者 20 名を受け入れるという想定
の訓練であった。参加者は災害委員を限定とせず、災害訓練の参加経験のないラダーレ
ベルⅢ以上の看護師 17 名が参加した。訓練参加予定者全員が、事前説明会に参加してな
かったためか、アンケートの結果では、
「連絡票の記入方法や扱い方が理解できていない。
事務、
看護師、
医師との連携がうまくできなかった。
」という意見があった。また、
アクショ
ンカードや病棟準備物品、セット化物品についての質問が多く、いまだスタッフへ浸透
していない様子が窺えた。看護部でも、各エリア配置以外で全体を取りまとめる者が必
要だと感じた。他に「もっと、真に迫ったもの。リアリティのあるシナリオが必要。
」と
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看護部 5 看護部委員会
いう意見もあり、企画の段階から病院全体で考えていく必要があり今後の課題となった。
研修会については、4月4日に新人看護師を対象に、
「災害看護とトリアージ」をテーマ
に研修会を行った。内容は、災害拠点病院の役割および災害時看護師の役割についての
講義と、トリアージ DVD 学習を実施した。また、3 月 15 日(金)17:30 より内視鏡・放
射線部の桝田さんによる「災害看護研修伝達講習会」を実施した。内容は、
「災害医療と
救急医療の違い、現状とネットワーク・トリアージ・防災対策について、発生時のこう
どうと方針・災害支援ナースとの連携について」であり、参加者は 93 名であった。
東日本大震災より 2 年が経過し、日々の報道もあり、災害対策の意識も高まって来て
いる。今後も知識意識の向上に向け研修、訓練を実施していきたい。
院内災害訓練
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看護部 5 看護部委員会
〈11〉褥瘡対策委員会
専従看護師・副委員長:天内陽子
メンバー
専任医師・委員長:飯田 専任看護師:山内
委員:阿佐 西込 和泉 小西 仁科 樫内 森本 楠本 竹内 藤井 中村 柚木
オブザーバー:木下久美子
1 目的・目標
目的:褥瘡発生予防策や、褥瘡発生時のアセスメント、ケアの効率的な推進を図る。
目標:
(1)電子カルテの操作手順・変更点等を理解し、褥瘡診療計画書の作成および褥
瘡発生の報告を確実に行う。
(2)褥瘡患者に対し実施する褥瘡回診の充実をはかる。
(3)院内褥瘡発生率を 0. 7%以下にする。
(4)地域における褥瘡の認識・知識の底上げを行う。
2 活動要約
目標1については、電子カルテの操作や作成するべき書類等はほぼ周知でき、電子カ
ルテ上での報告が出来ている。褥瘡診療計画書の入力不備が多かったが、入力する部分
に色をつけるなど、用紙を工夫することで入力漏れは少なくなった。平成 24 年度の診療
報酬改定により、褥瘡対策は入院基本料に含まれることとなったが、褥瘡対策は現行ど
おりに実施していく必要があり、褥瘡診療計画書の作成および対象患者の分析は継続し
て行った。
目標2については、褥瘡の程度により、皮膚・排泄ケア認定看護師単独で回診するこ
ともあったが、褥瘡を有する患者に対して全例に対し回診を実施した。回診を通して褥
瘡評価をスタッフに実施してもらい、評価方法について確認し、対策を検討することが
できた。
目標 3 については、今年度の褥瘡発生率は1%となり、目標達成はできなかった。こ
れは、褥瘡発生率算出日に褥瘡発生届けが集中したためであり、年間の褥瘡発生件数を
前年度と比較したところ、ほとんど変化はなかった。しかし、褥瘡発生患者を出さない
ために、予防的ケアの必要性と、発生時のアセスメントを十分行っていきたい。
目標 4 については、7 月に褥瘡研修を公開講座として実施した。院内だけではなく、他
施設からの参加もあり好評であった。次年度も公開講座としての研修を開催するととも
に、院内スタッフ教育にも力を入れていきたい。
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看護部 5 看護部委員会
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看護部 5 看護部委員会
〈12〉NST 対策委員会
専任看護師:山内愛子
メンバー
委員長:中谷 副委員長:天内 専任医師:澤田
委員:阿佐 西込 和泉 小西 仁科 樫内 森本 楠本 竹内 藤井 中村 柚木
オブザーバー:木下久美子
1 目的・目標
目的:患者の栄養状態の把握・評価を行い、患者に合わせた栄養療法を提案することで、
栄養状態の改善、原疾患の治療効果の向上、合併症の減少、QOL の向上、在院日
数の短縮、医療費の削減などを図る。
目標:
(1)院内入院患者・NST 患者の栄養状態の把握を行う。
(2)NST 回診患者の拡大、低栄養状態患者の栄養改善に努める。
(3)NST の活動について勉強会を行い、院内に NST 活動を啓蒙する。
2 活動要約
目標1については、入院時には、栄養管理計画書によるスクリーニングを施行し、入
院中の患者の栄養状態の把握は、リンクナースを中心に各病棟のスタッフで施行されて
いる。また、NST 介入患者は採血データにより栄養状態の把握を行っている。今後も継
続して行っていきたい。
目標2については、前年度より NST 回診患者を拡大することができた。
(下図参照)
目標3については、院外の講師の勉強会の他に、院内のコメディカルの活動内容を啓
蒙するために、管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師に行ってもらった。今後も NST 活動
の必要性を院内に浸透させるために、勉強会を行っていきたい。
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看護部 5 看護部委員会
〈13〉認定看護師会
天内陽子
メンバー:天内 松原 濱中 山本 山内 杉本 谷本
オブザーバー:横山久美子
1 目的・目標
目的:専門的な看護技術と知識を用いて実践を行う。
他の看護職者へのケア技術向上を実践を通して教育する。
目標:
(1)活動を通して認定看護師の役割・知識・技術を発信する。
(2)専門分野に関する知識・技術を高めるための研修会を企画・運営し、最新情
報の提供を行う。
2 活動要約
目標1については、コンサルテーションの対応や、配属先での業務を通して技術や知
識の発信を行った。専従として働く認定看護師には、各認定分野に関わる様々なコンサ
ルテーションの依頼がくるようになり、病棟スタッフや医師が認定看護師をリソースナー
スと認識し活用していた。1 日に受けられるコンサルテーション数には限界があるため、
ICT 委員会や褥瘡委員会などのリンクナースの活躍が期待される。そのためにも、次年
度はリンクナースや指導的立場にあるスタッフの教育に力を注ぎたい。
目標2については、それぞれの認定看護師が研修会を企画したり、教育委員会企画の
新人教育や公開講座を実施した。認定看護師は委員会や NST などの医療チームの一員で
あることが多いため、委員会企画の勉強会では、
『緩和に関する栄養管理』や『褥瘡治療
に必要な栄養管理』
、
『経管栄養剤使用時の感染管理』など、他の医療チームとコラボレー
ションした勉強会を提案することができた。また、認定看護師会が企画する研修会では、
集学的がん治療をテーマに、がん化学療法看護認定看護師と放射線療法看護認定看護師
を講師に迎え、研修会を実施した。今年で 2 回目の研修会であり、当院にいない分野の
認定看護師を招いての研修会だったこともあり、受講生の評価もよく、次回開催を希望
された。様々な分野の認定看護師の講義を聴
くことで、認定看護師の役割を知り興味を
持ってもらえるよう、今後も研修会を企画し
ていきたい。
少しずつではあるが院内の認定看護師は増
えてきている。分野が異なると活動内容がわ
かないことが多くなるが、お互い協働を依頼
し合えるような会の運営をしていきたい。
認定看護師
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看護部 6 看護単位活動
6 看護単位活動
〈1〉救命救急センター
看護師長 三輪利枝子
1 スタッフ
看護師長 1 名、看護主任 2 名、看護師 45 名(日々雇用 2 名)
、准看護師 1 名、看護補
助 2.5 名、介護士2名で固定チームナーシングを実践している。48 名のスタッフは、集
中治療室に主任 1 名、看護師 26 名の 27 名、HCU に主任1名、看護師 20 名(准看護師 1
名、日々雇用 2 名含む)の 21 名である。
2 患者動態
平成 24 年度の入院数は 1390 名で、395 名が救急診療科の入院で、995 名が本館からの
緊急入院患者数である。平均在院日数は 6.86 日(院内 12.16 日)
、病床利用率 60.2% ( 院
内 87.2% ) である。
平成 22 年 10 月から夜間緊急入院の受け入れを始めて今年度で3年目に入った。平成
23 年度までは、緊急入院の翌日に転出(深夜入院の場合は日勤で本館に転出)となって
いたが、平成 24 年4月からは、当該科のベッドの空きがない場合は、救命センターでの
入院を継続するようになった。また平成 24 年7月からは、日勤午後からの緊急入院を、
診療科を限定し ( 内科・神経内科・脳神経外科・外科 ) 受け入れるようになった。日勤午
後からの緊急入院と夜間緊急入院を受け入れることにより、入院数は前年度に比べ 459
件増加した。
3 業務・看護活動
所属目標は
(1)働きやすく魅力ある職場環境を整えるための業務改善を行う。
(2)患者様の早期回復に向けて安全で質の高い看護を迅速に提供することができる。
(3)災害拠点病院である救命救急センターの看護師としての自覚を持ち、日常から災害
に備えた行動をとることができる。
ICU・HCU のそれぞれで小集団活動を通して取り組んだ。ICU・HCU 共に、定期的に
KYT を行い、危険予知能力を養い、ヒヤリハットが発生した場合は、スタッフ間で情報
共有のためのカンファレンスで伝達・検討した。ICU では災害時にすぐに行動できるよ
うに、アクションカードを作成した。災害訓練については、アクションカードを用いた
机上訓練を計画し、実施予定である。
HCU では、
午後からの緊急入院を受け入れるにあたって、
どのような問題点があるのか、
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
どのようにしていくか等を検討し、業務改善を行った。HCU への緊急入院時には ICU か
ら応援を行い対応した。緊急入院を受け入れることで、入院・転出作業で業務は煩雑に
なり多忙であったが、経営面に貢献することができた。
4 教育
今年度は各地で開催された学会に数多く参加し、発表することができた。10 月に長崎
県で開催された日本医療マネジメント学会で、緊急入院の受け入れの取り組みについて
発表し、11 月に東京都で開催された日本救急看護学会で DVD を用いた学習効果につい
て発表し、11 月 3 日に奈良県で開催された固定チームナーシング奈良セミナーで、救命
センターと本館一般病棟との連携について発表した。また、25 年2月に奈良市で開催さ
れた、第 12 回日本看護・社会・政策学会で、平成 24 年度の緊急入院受け入れについて
発表した。多忙な業務の中、まとめるのは大変な事であるが、発表することにより達成
感を味わうことができ、多くの成果について発表することができた。
所属内での勉強会については、教育委員が中心となって計画し、医師による勉強会や、
スタッフが研修受講後の伝達講習等を行った。
救命救急センター 看護スタッフ
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈2〉外来
看護師長 甲田涼子
1 スタッフ
師長 1 名、看護主任3名、看護師 34 名(うち日々雇用 15 名)
、看護補助 5 名で、固定チー
ムナーシング方式を実践している。またメディカルセクレタリーが増員となり、平成 25
年 3 月現在 18 名が各科外来(皮膚科・眼科以外)で診察補助および医師代行業務を行っ
ている。
2 患者動態
平成 24 年4月 16 日より救急科が開設され、内科・神経内科・外科・整形外科・脳神
経外科・皮膚科・泌尿器科・眼科・耳鼻咽喉科・呼吸器外科・精神科と救急科を合わせ
た 12 外来と外来治療室で1つの看護単位となった。1 日平均外来患者数は 910.9 名(平
成 24 年度平均)で、昨年度に比べやや減少したが、平成 24 年度の紹介率 52.3%、逆紹
介率 74.4%で逆紹介率が上昇しており、地域の拠点病院としての連携がさらに図られて
いる。救急科は救急隊からのホットラインで患者を受入れ、救急科外来で対応している。
また救急車で来院する重症な紹介患者についても救急科外来で救急科担当看護師が対応
した。
4 月開設後より救急科来院患者総数 130 名、救急車搬入された紹介患者総数 126 名、計
156 名を受け入れた。外来治療室は患者総数 2082 名
(平成 24 年 4 月~平成 25 年 3 月まで)
で昨年度と大きな変化はなかった。
3 業務・看護活動
所属目標
(1)業務マニュアルの修正、統一を行う。
(2)外来における専門的看護を提供できる。
(3)各科外来の環境を、安全面 ・ 感染予防の面から整備ができる。
(1)については、電子カルテに伴う業務変更やセクレタリー業務との整理など、マニュ
アルの修正が不十分であったため、各科外来のマニュアル書式を統一し、1冊のマニュ
アルファイルにまとめることが出来た。また救急科開始に伴うマニュアルも作成できた。
(2)については、入退院を繰り返す患者、外来で治療 ・ 処置を受けている患者など、
看護介入が必要な患者を察知できるよう今年度は取り組んだ。電子カルテ上での情報共
有や、入力が必要な情報の統一化を実施し、次年度に向けて引き続き実践していく必要
がある。
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
(3)については、電子カルテ導入に伴い、従来使用していた紙カルテが 9 月に撤去され、
外来の片付けを実施した。患者動線の確認や不用品の撤去を行い、
安全面での配慮と共に、
点滴等の処置台の確保、物品の整理など環境整備も実施した。
4 教育
今年度、外来治療室の看護師が中心となり、
「化学療法を受けながら働き続ける患者の
意図的行動~職場の人間関係に焦点をあてて~」を院内看護研究学会で発表した。
がんを抱えながら化学療法を継続していく患者に対し、各科外来看護師と外来治療室
の看護師が情報交換を密にして看護をさらに充実させていく必要がある。
また教育委員が中心となり、外来勉強会の企画、院外研修の伝達講習が実施された。
時間外や土曜日の研修では昨年同様参加率が低いため、早期に研修会参加の割り振り、
声かけを行い、外来勉強会では内容の吟味、時間内での実施、同内容の勉強会を 2 回実
施など工夫が必要であり、次年度につなげていく。
外来 看護スタッフ
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈3〉中央放射線部・中央内視鏡部
看護師長 佐々木綾子
1 スタッフ
看護師長名 1 名、看護主任 1 名、看護師 14 名(日々雇用看護師 1 名含む)
、看護助手 2
名で固定チームナーシングを実践している。
2 患者動態
中央放射線部の今年度における総検査数は、27,882 件(H23 年度 26,513 件)で年々増
加傾向にある。検査内容も血管造影や血管内治療・CT・MRI の検査が特に増加した。中
央内視鏡部の今年度における総検査数は、10,525 件(H23 年度 11,053 件)で検査数は減
少している。しかし、中検技師担当の検査が中央検査室で実施されるようになったから
であり、その他の検査のほとんどが増加している。
3 業務・看護活動
所属目標
(1)応援機能の充実
(2)事故防止につとめ、患者さまが安心・安全に検査を受ける事ができる
(3)専門職者としての知識・技術の向上に努める
(1)については、放射線部と内視鏡部の応援がいつでもまたスムーズに実施できるようにした
いと考え、放射線部から内視鏡部へは定期的に応援を実施した。内視鏡部から放射線部へは、
RI 検査や注腸などの見習いを実施した。内視鏡部から放射線部への見習いは、全員にはできな
かったが、昨年よりは応援しやすくなった。
(2)について検査間違いや検体の取り扱いによるヒヤリハットをおこさないように、2 人による
ダブルチェックや統一した患者確認を実施した。また、検査時の感染防止対策として、手袋・
マスク・ゴーグル・ガウンなどの着用を実施した。これまでは、着用にばらつきがあったが、チー
ムで取り組む事で着用率が大きく変わった。また、医師や洗浄を実施している看護助手も同様に
着用する事ができた。
(3)については、個々で IVR 学会、IVR 地方会、放射線治療、内視鏡学会、機器取り扱い
講習会など多くの研修会に参加した。また、放射線・内視鏡以外の研修会にも参加し、看護師
としての知識の向上にも努めた。
4 教育
日本 IVR 学会では、看護部セッションでの座長を行った。昨年3月に実施した IVR 認
定看護師の試験に 1 名が受験し、内視鏡技師免許には2名が受験した。今年度に合格発
表があり、それぞれ合格した。
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈4〉中央手術部・中央材料室
看護師長 外川由紀子
1 スタッフ
看護師長1名、看護主任1名、看護師 26 名(日々雇用看護師1名含む)
、委託業者6
名で固定チームナーシングを実践している。中央材料室は委託業者6名で業務をしてい
る。
2 患者動態
全手術
件数
緊急手術
17 時以降延
呼び出し
長手術
回数・時間
全身麻酔手 平日時間内 時間外
術件数
緊急手術
緊急手術
平成 24 年度
3,401 件
2,219 件
209 件
192 件
585 件
38 回
116.1 時間
平成 23 年度
3,319 件
2,011 件
208 件
180 件
625 件
23 回 87.8 時間
各診療科手術件数
外科
整形外科 脳外科 泌尿器 産婦人科 耳鼻科
眼科
内科
呼吸外科 皮膚科
H 24
650
646
196
492
447
260
301
75
173
133
H 23
625
648
176
492
436
273
255
81
169
126
3 業務・看護活動
所属目標
(1)医療事故防止に努め、安全な看護が提供できる。
(2)自己の目標達成を目指す。
(3)業務が円滑に進められるように環境作りを行う。
患者誤認防止を徹底するため、診療科の協力を得てマーキングの実施開始、タイムア
ウトの実施の徹底、全ての確認に声出し確認を行ってきた。現在では、診療科から進ん
でマーキングやタイムアウトの宣言をする傾向になっている。
また手術手順の見直し、写真を活用したマニュアル作成、安全推進委員を中心に機器
の始業前点検などを行っており、安全に対する認識が高まっている。手術室内の環境作
りには、感染防止委員を中心に各手術室の物品棚の環境整備、委託業者の協力のもと無
影灯や薬剤カート毎日の清掃の徹底、臨床工学室の協力で過剰電圧使用防止のため医療
機器の電圧の明示、麻酔器の点検、薬剤部の協力で手術室内の薬剤管理などを行い、安
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
全な環境を作るためそれぞれのスタッフが担当を決め役割をこなしている。
平成 24 年 3 月から電子カルテが導入、稼働した。3 月末には手術画像システムが設置
され、術中の画像が医局でも見ることができ、手術進行が把握しやすくなった。また患
者説明や学会資料作成に有効に活用されている。
12 月 23 日に手術ロボットが導入され、研修や指定された試験をこなし、手術実施許可
を得ることができた。診療科医の技術習得、麻酔科医の体位による麻酔の特殊性の把握、
臨床工学士の機器の管理・操作方法の理解、看護師の術前・術中看護の理解、体位固定
具の工夫、室内のレイアウト、手順作成、機器の滅菌方法の理解などを経て、3 月 7 日に
指導医の下、泌尿器科前立腺手術第 1 症例を無事に成功できた。3 月 21 日に第 2 症例を
実施、問題事案もなく成功することができた。
4 教育
新人教育は、プリセプターおよびサポーター、臨床指導者を中心にチームメンバー全
員で関わり、積極的かつ協力的に行えた。これからの成長に期待したい。また中途異動
のスタッフにも技術、業務指導をプリセプター方式で関わり、メンバーで支えることが
できた。12 月に手術ロボットが導入され、手術ロボットチーム 4 名で学会・研修参加、
症例見学を 3 回実施でき、マニュアル作成に尽力した。
カンファレンス
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈5〉人工透析室
看護師長 久保田隆子
1 スタッフ
平成 24 年 4 月看護師 5 名、臨床工学技士 1 名(兼務)
、アシスト 1 名(3 北兼務)
2 患者動態
平成 24 年度の血液浄化数内訳(前年度比較)
平成 23 年度(件)
平成 24 年度(件)
血液透析
3,341
3,494
血漿交換
3
17
血液吸着
39
24
腹水濃縮
8
13
3,391
3,548
血液浄化総件数(合計)
腹膜透析の受診数は 239 件(前年度 209 件)
、腹膜透析実患者数は 16 名(3 月現在)で
あった。慢性腎臓病(CKD)教育指導件数は、212 件(前年度 208 件)であった。
3 業務・看護活動
所属目標
(1)安全で良質な透析看護を提供する
(2)感染予防対策の見直しと周知徹底
(3)チーム医療に携わり、看護専門職として自己研鑽・自己学習を行う
安全対策委員看護師を中心に、外来透析患者の転倒転落アセスメントを実施し、ワー
クシートに表示することで、スタッフの転倒リスクについての意識が向上した。
感染認定看護師による「透析患者のインフルエンザ対策」の勉強会を実施し、ICT 看
護師を中心に「透析室インフルエンザ予防対策マニュアル」を作成した。11 月は、予防
接種や予防対策について患者指導を行った。流行時期は、マニュアルに沿って連絡方法・
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
早めの対応について患者・スタッフに周知し、感染予防に努めた。結果、入院時持ち込
み 1 例のみで感染予防ができた。
院外の学会や研修会に参加し、専門的な知識と技術の習得に努めた。それらの専門的
知識を、CKD 教育入院および KST のチーム医療に役立てている。
4 教育
第 37 回奈良透析学術総会では、
「CKD 教育入院の現状と効果~教育入院前後のe GFR
値の減少速度を検証して~」
を発表した。データ分析による教育入院の効果を検証し、チー
ム医療および慢性腎臓病の悪化予防に貢献できていると実感した。
プライミング
カンファレンス
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈6〉3階北病棟
看護師長 正岡妙子
1 スタッフ
看護師長1名、看護主任1名、看護師 20 名(準看護師 1 名含む)
、介護士 1 名、看護補
助 1 名で固定チームナーシングを実践している。
2 患者動態
入院患者総数 383 名 退院患者総数 437 名 病床利用率 94.2% 平均在院日数 16.91 日 手術件数 223 件 放射線科治療 アンギオ 110 件 コイル塞栓術 10 件
3 看護・業務面
病棟目標
(1)業務改善を行い活き活きと働ける職場環境作り
(2)患者サービスの向上
(3)チーム医療の推進
(1)
(3)については業務改善を行い勤務時間内に業務を終了する事を目的とし、超過
勤務時間の削減を評価基準とした。
具体的な改善策は、まず申し送りに関しては以前から廃止していたがウォーキングカ
ンファレンスの実施を安全推進委員とともに導入した。利点はベッドサイドでの安全確
認と情報の共有、深夜勤務者の時間内での業務終了である。実施は毎日できており、安
全確認に繋がっている。チーム会・リーダー会は勤務時間内に開催できた。
電子カルテに関しては入力能力に個人差がありそれが超過勤務時間に影響を及ぼして
いた。入力忘れや漏れがないように入院時に必要な記入用紙のチェックリストの作成、
呼吸器外科の術後観察項目のセット化、マニュアルの整備を行った。カーデックスより
の情報収集、効率的な入力方法の周知や実施を話し合い情報共有した。基本的な入力方
法を理解できていないスタッフには再度マニュアルを周知した。
チーム医療の推進ということでメディカルクラークの協力体制を依頼した。基礎情報
の入力、入院時オリエンテーション、代行入力、選択食メニューの広報、承諾書のスキャ
ナーなど多岐にわたっているが話し合い検討を重ね実施していただいている。また、摂
食嚥下の訓練時間の短縮はできたが 10 月~ 2 月は再度増加している。病床の稼働率が
95%を超えるとやはり増加している。稼働率は 95%平均の在院日数の短縮は次年度の病
棟目標である。今後はさらなる業務改善が求められる。
(2)については患者アンケート
の結果を踏まえて速やかな対応をする。職員の満足度に関しては、目標管理・ラダーの
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
活用にて個人目標が達成できることを目標とした。
4 教育
今年度は、第 51 回自治体病院学会にて「リリーフ派遣先で生じる看護職員の不安要因
の分析~業務内容と居心地の良し悪しの視点から~」を田中が発表した。院内看護研究
発表においては「所属間応援機能体制に対する職員と管理者の認識の差異」という演題
で石井が発表した。応援機能は看護部全体で取り組んでおり発表後の意見で応援機能の
リリーフに行くスタッフの不安な気持ちや受け入れ先の管理者のあるべき姿など参考に
なったと多数の意見をいただいた。卒後 3 年目の事例研究では稲垣が「終末期腫瘍患者
の自宅退院へ向けた家族サポート」加瀬が「嚥下障害のある患者の経口嚥下摂取確率に
向けての取り組み」を発表した。それぞれに看護論を展開、論文をまとめた。事例研究
は今後の看護実践に実りあるものとなった。
カンファレンス
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈7〉4階北病棟
看護師長 前田智子
1 スタッフ
4月に新人助産師2名、 育児休暇より2名の助産師が加わり助産師 26 名(日々雇用1
名含)と看護師2名(日々雇用1名含)
、介護士2名、看護助手2名、看護スタッフの合
計は 32 名でスタートした。7月に助産師が 1 名体調不良のため退職した。院内異動のた
め、 9月から看護助手1名が(4南へ)
、 10 月に助産師2名が(NICU へ1名・5 北へ 1 名)
転出した。3月には職免で助産学科へ進学していた看護師 3 名が戻った。
2 患者動態
入院患者数は 636 名で平均在院日数は 10.04 日、病床利用率 94.9%であった。分娩総数
505 件、正常分娩 112 件(22%)異常分娩 393 件(78%)異常分娩のうち帝王切開 198
件(50%)予定帝王切開 93 件(46%)緊急帝王切開 105 件(54%)多胎分娩 68 件 母
体搬送受け入れ 93 件、他院への搬送は7件。県外への母体搬送はなかった。搬送理由は
NICU・病棟満床である。
3 業務・看護活動
病床数 26 床の運営から、 10 月から NICU2 床増床の 28 床となった。
病棟目標
(1)スタッフ教育を充実させ、 安全・安楽な良質な看護を提供する。
(2)他職種と協力し、 働きやすい職場環境を作る。
(3)助産師外来開設に向けて保健指導を見直す。とした。
前年度の 4 人夜勤中心のシステムから、 夜間の分娩件数と搬送数を考慮し 3 人夜勤と
した。分娩や母体搬送が重なった場合の応援をタイムリーに要請できるように支援した。
外来は病棟助産師も婦人科診察の介助やフリー業務ができるようスキルを磨いている。4
月からハイリスク及び中リスク(潜在的ハイリスク)妊婦の早期抽出と早期介入を目的
として、 助産師外来を開設する。今年度は母体搬送を 93 件受け入れた。母体搬送転出は
5 件であり、 県外搬送はなかった。転出理由は NICU もしくは 4 階北満床であった。今後
も医師とともにより安全な医療を提供できるようにしていきたい。
学生の実習は附属の専門学校だけでなく他校の看護学生・助産師学生も受け入れてい
る。今後も充実した実習環境を提供し、学生が就職を希望し、助産師の専門性を自信をもっ
て発揮できる職場を目指したい。
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
4 教育
自部署での研修会は新人を対象に 11 回開催した。全員対象の研修を含めると 12 回開
催した。院外研修への参加は延べ 129 回であった。昨年度に引き続き新生児蘇生法講習
会を受講した 12 名が新たにAコース認定を取得した。また医師とともに2回母体搬送の
シミュレーションを行った。今年度は北がファーストレベル講習会を受講し、 奈良母性
衛生学会で「発達支援チームの活動から助産師の役割について示唆されたこと」につい
て発表をした。また谷本・上田・出島が院内看護研究学会において「母体搬送を受ける
助産師の感情」を発表した。今年度は虐待や育児支援などの保健所中心の 4 回の研修に
16 名参加した。今後アセスメント能力の向上につなげてほしい。
前年度ラダーレベルⅢ以上の認定者は 30%未満であったが、 現在 54%である。今後も
未経験項目を経験できる機会を計画していく。また次年度は助産師独自のラダー評価基
準を作成し、 助産師としての成長も図りたい。
4階北病棟 看護スタッフ
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈8〉4階南病棟
看護師長 中村光代
1 スタッフ
看護師長 1 名、看護主任 1 名、看護師 19 名(日々雇用 1 名含む)介護士 1 名、看護助
手 1 名、看護スタッフの合計は 24 名で外来を含み固定チームナーシングを実践している。
新人 4 名を迎え 6 月・10 月・11 月・2 月と異動が多い一年となった。
2 患者動態
入院患者数は 684 名で平均在院日数は 7.92 日、病床利用率 73.5%であった。今年度は、
在院日数は短縮できたが小児科利用率が低かった。そして小児科以外の入院患者数が昨
年度比 165%に至り、周手術期の看護の機会が増えた。
3 業務・看護活動
病棟目標
(1)日常業務を見直し、効果的な看護を提供できる環境をつくる。
(2)小児看護の専門職として患児・母親のニーズに応じた根拠のあるケアを実践する。
(3)患児の人権を尊重し保育環境を整えながら安全で安心できる看護サービスを提供す
る。の3つとした。
(1)については 7 対 1 看護の効率化と周産期の充実を図るため積極的に応援業務を行った。
(2)については入院中の母親への接遇の見直しを行い、1 月の院内看護研究学会に「小
児科病棟における看護師の対応によって生じた付添者の『困りごと』
」として発表した。
また、当病棟では感染症患者が多く今年度から季節にとらわれず腸炎感染者がいる時
には付添者にもトイレ使用時に次亜塩素酸を浸透させたガーゼを配布している。病棟利
用率が低かったことも影響していると考えるが、対策をとっていることによりアウトブ
レイクは回避できていると判断している。また感染防止対策や面会制限において説明文
書を作成し入院前からアナウンスしている。
(3)についてはチーム活動により病棟内催事を充実させ母子ともに好評を得た。転倒
転落が 10 件と目標値の 5 件以下にはできなかった。スタッフ間のミーティング時に情報
を共有していることや 8 月から導入した朝の始業前点検も安全意識の高まりには繋がっ
たが、転倒転落の低減には至らなかった。転倒転落は、主に付添時にベッド柵が上がっ
ていないことで起きている。来年度は業務効率のよい就業前点検の実施や付添者にいか
にして家庭内との違いを理解して頂けるかも課題としたい。
また患者アンケートや誤配膳事例から栄養課との連携を深めた。今年度はおやつ専用
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
の配膳車やお盆が準備された。そして小児に特徴的なアレルギーへの対応については栄
養課からも患者への聞き取りを行ってもらうことを業務に組み入れた。また配膳時には
ダブルチェックだけでなく付添者とともにアレルギー食品が含まれていないことの最終
確認を行っている。結果、6 月以降誤配膳は発生していない。
4 教育
自部署での研修会実施率 38.9%(昨年度 15%)院外研修参加率 78.9%(昨年度 69%)
とやや上昇したが目標値の 100%には達しなかった。来年度は伝達講習のあり方を改善し
知識欲を深めたい。新生児蘇生法講習会を受講した5名が全員Aコース認定を取得した。
実践能力においてはラダーレベルⅠ以下が 36.4%、所属経験が 1 年未満の割合は 42.9%を
占めている。人材育成が来年度の最優先課題である。
4階南病棟 看護スタッフ
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈9〉NICU
看護師長 井上弘子
1 スタッフ
看護師長1名、看護主任1名、助産師 2 名 看護師 21 名(日々雇用看護師 1 名を含む)、
看護補助 1 名で固定チームナーシングを実践している。
2 患者動態
入院患者総 215 名 病床利用率 91.2 % 在院日数 22.06 日 死亡退院1名
新生児搬送お迎え 18 件、他施設への三角搬送 12 件の 35 件が新生児搬送であった。
3 業務・看護活動
病棟目標
(1)安全で良質な看護の提供ができる。
(2)在宅につなげる育児の充実を図り、不安なく早期に退院調整ができる。
(3)働きやすい環境をつくる。
(1)
(2)については、出生前より産科からの母体情報を共有し、早期に看護介入に努
めた。ハイリスク妊婦に対しての出産前訪問を小集団活動としてだけでなく、全てのス
タッフが同じレベルの指導が出来るようになり、業務として定着することが出来た。新
生児搬送では医師と共に依頼元の病院へ新生児の迎えに同行し、集中治療と看護の早期
提供と不安の軽減や親子関係の構築のための援助を心がけた。
妊娠中の未受診、同胞に対する虐待、親の精神疾患や同胞が多いなど家族背景に問題
が予測され、退院後も地域と連携して継続支援が必要な社会的ハイリスク患者が増加し、
育児技術や愛着形成に入院中に問題がないと思われても、地域とのケースカンファレン
スで同胞に対する虐待で要支援とされていた事例もあった。
的確な問題把握につなげるため情報収集を標準化したシートで行うシステムを構築し、
効率的なベッドコントロールを目指した。 問題が抽出された要支援家族に対しては、退
院後の地域支援につなげるため、健やか子育て委員会が中心となり、入院中より子育て課、
健康増進課、児童相談所などの各関連部門を交えてのケースカンファレンスを実施した。
また、地域につなげた患児の退院後の地域支援についての報告会を定期カンファレンス
として3回開催し、在宅での地域の関わりや医療現場での関わりの現状を共有し、継続
支援へと意思統一を図った。
(3)については、目標管理面接を通じて、各スタッフの役割への師長や各スタッフか
らの期待を伝達し、目標の結果をタイムリーにフィードバックしポジィティブに関わる
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
ことでモチベーションアップを図った。
4 教育
今年度は院内看護学会に発表し、事例報告会に3年目 1 名が発表した。診療部の協力
を得て周産期において新生児の蘇生法学習会を計画的に3回開催することが出来た。他
施設より参加希望の申し入れが多く、第2回より院外スタッフも参加対象とし、合計 40
名の参加を得ることができた。微力ながら地域施設への貢献ができた。
NICU 看護スタッフ
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈10〉5階北病棟
看護師長 荻田三枝子
1 スタッフ
看護師長 1 名、看護主任 1 名、看護師 25 名(日々雇用 1 名含む)看護補助者 2 名、介
護士 3 名で固定チームナーシングを実践した。7 月から 7 対 1 の看護体制が導入された。
2 患者動態
平成 24 年度の病床は、泌尿器科 18 床、婦人科 13 床、耳鼻科 7 床、共通科使用の 2 床
の 40 床で開始した。10 月から共通科 2 床から外科 4 床に変更し、42 床となった。平成
24 年度の病床利用率は 88.6%となり、前年度より 4.5%(平成 23 年度 84.1%)増加した。
病棟平均在院日数は 8.72 日で前年に比べ 0.04 日(23 年度 8.76 日)減少した。手術件数は
879 件で前年に比べ 46 件(23 年度 833 件)増加した。
ロボット支援手術(ダ・ヴィンチ)は、前立腺全摘術が 3 月から開始し 3 件実施された。
3 業務・看護活動
病棟目標
(1)患者・家族が満足する看護の提供(個別的・継続できる看護ケアの提供)
(2)自己目標の達成
上記の目標について 1 年間取り組んできた。看護ケアを充実させるためにカンファレ
ンスの定着を図り、看護計画の見直しを行った。患者カンファレンスやヒヤリハットの
事例、業務改善カンファレンスを実施し、看護記録や病棟カンファレンスノートに記録し、
情報共有が出来た。日々の声かけによりカンファレンスの件数も増え、看護計画の見直
しにつながった。8 月から手術当日・ドレン挿入中患者を対象にウォーキングカンファレ
ンスを開始した。メンバー同士で情報共有ができ、安全に対する意識が高まった。日勤
から夜勤者へのみ実施であり、今後は夜勤者から日勤者への勤務交代時にも実施できる
ように方法を見直し検討していく。
また、気管切開術後・シャント造設後のパンフレットを作成し、指導に活用した。看
護師の経験年数や知識の差が無く統一した指導・説明内容を提供できた。7 対 1 の看護体
制が導入され、看護師・介護士共に清潔ケアの充実を図った。計画的にケア予定に入力し、
介護士用のフリーシートに注意事項を記載することで介護士からの声掛け・情報を共有
することが出来た。
また、泌尿器科の手術後、膀胱留置カテーテル挿入中の患者の陰部洗浄は羞恥心を伴
うため拒否される事も多かったが、清潔の必要性を説明し理解を得て陰部洗浄を徹底す
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
ることが出来た。今後も患者・家族が満足する最高の看護の提供に努力する。
4 教育
院外看護研究発表を 3 件行った。小山が日本家族看護学会で「壮年期子宮癌患者の夫
が死を受容する過程について」を発表した。患者を支える家族にもサポートが必要であ
ることを学んだ。これは奈良県立奈良病院医学研究奨励賞を頂いた。また、
西村が固定チー
ムナーシング全国研究集会で「チームの再編集から得られた結果と今後の課題」を発表し、
荻田が固定チームナーシング近畿地方会で「固定チームナーシングにおける看護補助者
との協働」を発表した。スタッフ全員が看護観を発表し、お互い看護について深めるこ
とが出来た。また 2 年目・1 年目が事例をまとめ病棟内で発表した。次年度も患者・家族
が満足できるような看護の提供に、看護研究を実施していく。
5階北病棟 看護スタッフ
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈11〉5 階南病棟
師長 鈴木晴子
1 スタッフ
平成 24 年 4 月 1 日から看護師長 1 名、看護主任 1 名、看護師 23 名、准看護師 1 名、看
護補助 3 名、介護士 3 名で固定チームナーシングの実践を開始した。年度末には、看護
師 24 名、准看護師 1 名、看護補助 1 名、介護士 4 名で実践となった。
2 患者動態
今年度 5 階南病棟の入院数は、13,853 名、病床稼働率 95.3%、在院日数日 18.92 日であった。
3 業務・看護活動
病棟目標
(1)患者が安全・安楽な入院生活が送れるように図る
(2)看護の専門性を高めるための自己啓発を行い、病棟全体の看護の質の向上に繋げる
ことができる。
(3)他職種と連携を取り、看護の専門職としての援助ができる。
(1)について
重症度が高い手術件数の増加・高齢者手術の増加 術後せん妄患者が増えていること
を鑑みて、毎日 14 時に看護師とヘルパーが参加したカンファレンスを開催し、転倒転落
やドレーン類の自己抜去を事前に予防するための情報共有をおこなった。また、転倒転
落を予防するための一助として清潔ケアや配茶などの看護ケアを患者に携わる看護ス
タッフが一目瞭然で分かる表を作成した。結果、看護スタッフがチーム関係なく患者の
情報をタイムリーに把握できることにつながった。入院時・ADLが変更になった時期
に合わせて援助の内容を毎日のカンファレンスで修正した。
(2)について
院内および院外研修参加後、
病棟内で伝達講習を行い知識の共有の機会となった。また、
医師に依頼して当科における特殊な疾患や治療についての勉強会を開催して専門的知識
を得ることができた。
(3)について
地域医療連携室との退院支援カンファレンスを6月から週1回開始した。結果、在宅
医療への移行10名、他院・緩和病棟の施設への転院10名であった。また、皮膚・排
泄ケア認定看護師との週1回定期的に褥瘡カンファレンスを行ったことで、適切な時期
に適切なマットの選択の成果として昨年度 14 名から 7 名に減少した。
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
4 教育
院内事例研究には2名発表した。2例とも在宅に向けての看護介入について発表をし
た。今年度新人は3名入職した。所属では新人教育計画を週案・日案に沿って指導を行っ
ている。今年度初めての試みとして指導した内容の理解度を把握するためにシミュレー
ションを実施した。患者に実践する前にシミュレーションで知識の確認した結果、患者
に対して看護提供させることにした。次年度も継続していきたいと思う。
カンファレンス
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈12〉6階北病棟
看護主任 小島悦美
1 スタッフ
看護師長 1 名、看護主任 1 名、看護師 23 名、看護補助 3 名、介護士 2 名で固定チームナー
シングを実践している。
2 患者動態
6階北病棟は整形外科 30 床・神経内科7床・眼科 4 床・共用1床の 42 床である。
平成 24 年度の入院患者総数は 788 名(センターや他病棟からの転入含む)
、
述べ 13,056 人。
平均在院日数は 15.69 日で、前年度(14.4 日)より延長した。また病床利用率は 1.0%上
昇し 90.4%(前年度 89.4%)になった。
3 業務・看護活動
病棟目標
(1)安全で良質な看護が提供できる。
(2)固定チームナーシングの実践と定着を図る。
整形外科の手術日は、朝1番の入室で準備に追われることが多い。そのため患者カン
ファレンスを毎日行なうことが出来なかった。しかし意識改革により、毎朝少しでもカ
ンファレンスを行なうことでタイムリーな情報収集が出来るようになった。また入院中
から退院調整を考え、理学療法士やMSWを含む週1回のカンファレンス(17 回 /H24)
を行なった。神経内科のカンファレンスは同じく週 1 回で(39 回 /H24)行い、患者や家
族のニーズに合わせて退院調整を行なうことが出来た。今後も他部門との連携を密に、
患者に良質な看護を提供したい。
また今年度は電子カルテの導入に伴い、業務改善を行ない、クリティカルパスの見直
しを行なうことが出来た。その結果、看護ケアや処置の統一した方法が入力され、より
安全な看護介入ができた。
平成 23 年度より 3 チーム制を開始した固定チームナーシングは、業務改善を行ない1
人リーダーの完全廃止が出来た。各チームのデイリーダーの業務を明確化・明文化し固
定チームナーシングをより推進することが出来た。
4 教育
院内看護研究で「整形外科の下肢手術後に使用する離被架の検証」を発表した。病棟
で行った新採用看護師対応の勉強会は整形外科6回、神経内科5回、眼科1回行なうこ
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
とが出来た。また摂食・嚥下障害看護認定看護師(五條病院)より、
「効果的な口腔ケア
について」の勉強会も開催できた。看護必要度については研修参加者が伝達講習を2回
行い病棟スタッフ全員が参加することが出来た。更に研修会などに参加し、看護必要度
知識を深めることができるように取り組んでいきたい。
6階北病棟 看護スタッフ
カンファレンス
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈13〉6階南病棟
看護師長 福谷まり子
1 スタッフ
看護師長1名、看護主任1名、看護師 24 名(日々雇用 1 名含む)看護補助2名、介護
士3名で固定チームナーシングを実践している。
2 患者動態
平成 24 年4月は、消化器内科 40 床でスタートした。10 月に 42 床に増床された。
今年度新入院数は他科を含め 892 名でその中で緊急入院は 176 名であった。転入数は
242 名(他科を含む)で、そのうちの 206 名が救命センターからの転入であった。病床利
用数は 94.5%で前年度より 1.4%増えた。平均在院日数は 15.4 日であり前年度より、1.2
日延長した。看護必要度は、15.5%であった。
3 業務・看護活動
病棟目標
(1)患者・家族が安心する良質な看護を提供する。
(2)職場環境を整える
(3)MSWとの連携をはかり退院支援を効果的におこなう。
(1)については、肝臓病教室開催に向けて、スタッフの肝臓病の理解度を把握し、統
一した指導を行うことを目標に、看護師の知識・意識の現状把握のアンケート調査を実
施し栄養士、薬剤師による看護師に必要な知識についての勉強会を開催し、勉強会後の
意識の変化についてのアンケート調査を行った。専門性を高めるための自己啓発とし、
院外研修に参加し病棟内で伝達講習を行った。院外研修への参加は平均して 1 人当たり 3.4
回で、多い者では 10 回以上であった。褥瘡発生予防のために、定期的に認定看護師を交
えたカンファレンスを行い情報交換、計画の立案・修正、認定看護師からの指導を受け
統一したケアができた。
(2)については、内視鏡・放射線科での特殊検査・治療に遅出勤務導入を検討し、10
月から勤務の試行をした。勤務試行前のアンケートでは、遅出勤務の導入を反対するが
者が 66%あったが、試行後は 92%の者が業務が楽になり遅出勤務導入を望んだ。試行前
後の時間外勤務を見ると、1 ヶ月 1 人 0.6 時間減った。
(3)については、退院支援調整スクリーニング用紙を作成し、手順をチャート化し運
用し、退院調整が必要な患者の選定が早くできるようになった。退院調整のチームカン
ファレンスの実施、
医師・MSWを交えたカンファレンスが定着した。スクリーニングシー
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
ト活用により、入院時よりの患者選定ができて来たが、円滑にするためには退院調整看
護師の育成が必要である。
4 教育
ビギナー 4 名は事例報告、ラダーⅠの 4 名が事例研究を病棟内での発表をおこなった。
看護研究では、奈良看護研究学会で、
「口腔内トラブルの予防に向けての取り組み 口腔
内観察シートとケアプラン一体型口腔内アセスメントの使用効果の比較」を発表した。
6階南病棟 看護スタッフ
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈14〉7階北病棟
看護師長 森口佐恵
1 スタッフ
看護師長1名、看護主任1名、看護師 25 名 ( 日々雇用1名含む )、新規採用者 4 名、介
護士 5 名、看護補助者 4 名の合計 34 名の看護スタッフで固定チームナーシングの実践を
スタートした。11 月に介護士 1 名および 12 月に看護師 1 名の退職があった。年度内の院
内異動の結果、3 月末現在で看護師 25 名、介護士 4 名、看護補助 2 名の合計 31 名となっ
た。
2 患者動態
項目(単位)
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
病床利用率(%)
92.7
89.8
86.23(25 年 1 月まで)
平均在院日数(日)
18.12
18.36
17.71(25 年 1 月まで)
看護必要度(%)
化学療法件数
20.4
402
427
335(25 年 1 月まで)
24 年 4 月、呼吸器内科 30 床・皮膚科 4 床・共用 4 床の 38 床でスタートした。10 月に
病床編成があり共用病床を 2 床増やし 40 床となった。
3 業務・看護活動
病棟目標
(1)固定チームの再構築を行う。
(2)7 対 1 看護の実践に向けた業務整理を行う。
(3)ヒヤリハット事例の減少。
まず固定チームナーシングの再編成を行うにあたり、固定チームナーシングの目的に
沿って隣接した病室および一部看護問題の共通性を考慮した。再編成はチームリーダー
が中心となって病棟全体で取り組んだ。チームの再編成により看護師の動線が短くなり
ベッドサイドでの時間が増えた。さらに看護師および介護士・看護補助の業務改善に小
集団のチームで取り組み、介護士の早出・遅出の導入を行い看護師の煩雑な業務の手助
けになった。7 対1の看護体制が導入されたことで日勤者数も増え、業務の改善と整理に
も取り組んだ。これらの活動により前年度より超過勤務の減少にも繋がった。
またウォーキングカンファレンスの導入や、安全推進委員が中心となりヒヤリハット
事例や転倒転落事例の減少に向けて様々な取り組みを行った。前年度より転倒転落件数
の減少は見られなかったが、転倒や事故防止についてのスタッフへの意識付けになった。
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
4 教育
昨年度、院内の看護研究としてまとめたものを「レスキュードーズを服用しているが
ん患者の疼痛緩和の現状」と題し、10 月に日本看護学会成人看護Ⅱ学術集会で演題発表
を行った。また癌リハビリテーション研修会に院内チームの一員として当病棟から 1 名
が参加した。
今年度は化学療法を受ける患者について、病棟全体で看護の統一を行えるように取り
組んでいる。化学療法については、来年度に向けてさらに充実した取り組みを行う予定
である。看護必要度は主任と記録委員が中心となって所属内教育を行い、必要度評価が
統一して行えるようになっている。
カンファレンス
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
〈15〉7階南病棟
看護師長 常塚尚子
1 スタッフ
看護師長 1 名、看護主任 1 名、看護師 23 名(日々雇用看護師 1 名含む)
、看護補助 2 名、
介護士 3 名で固定チームナーシングを実践している。
2 患者動態
7 階南病棟は循環器内科 36 床・共用 4 床の 40 床の病棟であり、平成 24 年度(平成 24
年 4 月 1 日~平成 25 年 3 月 31 日まで)の新入院患者 1196 名。
(平成 23 年度 1103 名)
病床利用率は 87.9%であり前年度より 0.25%上昇した。
(平成 23 年度 87.65%)平均在
院日数は 10.74 日であり、前年度に比べ 1.2 日延長した。
(平成 23 年度 9.54 日)今年度も
緊急入院が多く全入院 38.7%を占めた。
(救命センターからの転入含む)
3 業務・看護活動
病棟目標
(1)職場環境を整え新人教育やスタッフ教育の充実をはかる。
(2)退院支援に向けて他部門との連携をはかる。
当病棟は心臓カテーテル検査、腎生検、透析導入(腹膜透析・血液透析)
、ペースメーカー
植え込み術、心不全、腎不全の急性期から教育入院、さらに心不全の原因となる睡眠時
無呼吸症候群などの検査入院と多岐にわたる。心臓カテーテル検査入院の患者のベッド
が、週末に退院されることで稼働率が低下するため腎臓病教育目的の入院を週に 3 ~ 5
名 3 泊 4 日で計画した。平成 24 年度の心臓カテーテル検査 351 件うち治療(PCI など)
167 件である。ペースメーカー植え込みは 31 件、腎生検は 40 件であった。腎臓病教育入
院は 174 件であった。715 号室を観察室として活用することで、心臓カテーテル検査治療
後の観察だけではなく重症患者の一時的な観察、緊急入院の際に利用でき病床稼働率に
も貢献している。平成 24 年 10 月から共用 4 床を増床し他科の緊急入院や救命センター
からの転入を受け入れている。
今年度は電子カルテ導入に伴い、各マニュアルの見直しを行なったことでクリニカル
パスや看護ケア・処置の統一した入力方法ができ、安全な看護介入に繋がった。また朝
のカンファレンスの内容を患者のカルテに記載し残すことで患者の状態が把握しやすく
なり、状態にあわせて必要な看護ケアの提供や患者指導が実施できた。また定期的に理
学療法士・地域連携室の担当者との定期的なカンファレンスを開催しており情報交換の
充実にも繋がったと考える。退院支援を円滑に進めるためにも他部門との連携の強化に
267
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6 業績 (19)
看護部 6 看護単位活動
努めていきたい。昨年度より導入している点滴事故防止のための安全確認を目的とした
ウォーキングカンファレンスを継続しているが、今年度はそれに加え安全な入院環境を
整えるためのベッド周囲の安全確認を追加した。そのことにより転倒転落の件数は減少
し安全な療養生活の提供に繋がったと考える。
4 教育
教育面では教育委員が中心となって、病棟勉強会を 10 回実施できた。8 月から 10 月ま
で 1 名が実習指導者講習会に参加し、スタッフ指導に力を注いでくれている。3 年目 2 名
はアドバイザーの指導を受け、事例研究発表を 11 月に行なった。今年度は「慢性腎臓病
教育入院の患者指導に対する問題点」というテーマで看護研究に取り組み 1 月に院内発
表を行なった。日々の学生指導には 2 名の指導者が中心となり、実習環境を整え関わっ
ている。
カンファレンス
268
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6 業績 (19)
看護部 7 認定有資格者
7 認定有資格者
認定有資格者は、日本看護協会、学会、都道府県等で認定された資格を有している者で、
各分野において熟練した看護技術と知識を持ち、水準の高い看護実践を通して看護師に
対する指導・相談活動等を行う者をいう。
1
認定看護管理者
横山久美子
2
皮膚・排泄ケア
天内 陽子 山内 愛子
3
感染管理
濱中 悦子
4
がん性疼痛看護
松原 操
5
新生児集中ケア
山本 容子
6
救急看護
杉本 康子
7
緩和ケア
谷本 律子
8
透析技術認定士
中村 瑞恵 黒田 和子 久保田隆子 甲斐 道子 広藤 紀子
9
IVR 学会認定師
高木 由美 萩原 悦美 坂本 尚美 児玉 祐子 田尻 香織
10 消化器内視鏡技師 坂内真由美 松澤 充代 大元 隆子 赤松 松代
藤井 亮
11 糖尿病療養指導士 長田 真希 武野 未央 宮本 有里
12
呼吸療法認定士
13
介護支援専門員
村松恵理子 安在 雅子
中野 彩
山田 道子 溝上 直人
下谷千賀子 中村 瑞恵 梅津幾久子 藤田まゆみ
稲垣こずえ 西尾 佳世 吉武 雅美
269
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6 業績 (19)
看護部 8 認定看護師活動
8 認定看護師活動
〈1〉皮膚・排泄ケア認定看護師
天内陽子
目標:
(1)褥瘡ハイリスク患者に対するカンファレンスを 90%以上実施する
(2)嚥下・摂食回診の定着化、フットケア外来を充実させる
(3)それぞれの分野の認定看護師が、活動を円滑に遂行できるように調整する
(1)については、
各病棟において褥瘡カンファレンス開催曜日を決め実施していたため、
ほぼ 100%の割合でカンファレンスを実施することができた。今まで褥瘡ハイリスク対象
者の把握は、手術予定表に硬膜外麻酔使用と記載されているものや褥瘡発生患者しかで
きなかったが、昨年 3 月より、電子カルテが導入されたことにより、患者のより詳しい
事前情報が把握できるようになった。そして、患者カルテを病棟訪問しなくても得られ
ることで、
効率的に情報収集ができている。褥瘡ハイリスクカンファレンスを行うことで、
リスクの高い患者を選出し対策を取ることができるようになり、昨年 739 件だった算定
患者が今年度は 1000 件を超えるまでになった。その結果、ハイリスク算定にかかる時間
が多くなり、業務増加となっているため今後はハイリスク算定患者のデータ処理を効率
的に実施できるよう、褥瘡対策用ソフトの採用を要望していきたい。
(2)については、摂食・嚥下障害看護認定看護師と月 1 回の間隔で嚥下回診を実施した。
当初1回あたり2~3件の回診を実施していたが、年度途中にリハビリ室に ST が採用さ
れたことをきっかけとして回診依頼が減少した。ST 採用後からは、回診よりも各病棟で
の勉強会実施を中心とし、3部署で勉強会を実施した。
フットケア外来を充実させることについては、外来件数増加のため外来枠の拡大を試
みたが、フットケア外来中にコンサルテーションの対応を行う必要があったため、時間
を確保することは難しかった。そこで、糖尿病患者の受診枠を確保するため、糖尿病患
者以外でフットケア外来を受診する患者を皮膚科医師の診察に変更することや、受診間
隔を延長することや、近医クリニックに紹介するなど行った。その結果、今年度の年間
外来数は昨年とほぼ変わらなかったが、糖尿病患者数が糖尿病以外の患者を上回った。
フットケア外来開催の大きな目的の1つに糖尿病患者の足を守る(切断肢の回避)がある。
フットケア外来での定期診察はその予防策となるため、今後も継続してケアにあたりた
い。
(3)については、独立して活動している認定看護師が得る情報に差がないよう、師長
会の報告を中心に情報伝達・共有を行った。また、認定看護師として看護部に提出する
べき書類を確認し、提出日を決定した。また、年間計画として認定看護師が担う病院行
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6 業績 (19)
看護部 8 認定看護師活動
事や学会発表の担当を事前に決定し、速やかに対応できるようにした。これらは次年度
も継続し、内容を増加させ認定看護師のマニュアルとなるようにしていきたい。
皮膚・排泄ケア認定看護師
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6 業績 (19)
看護部 8 認定看護師活動
〈2〉感染管理認定看護師
濱中悦子
1 目標
(1)感染率の低減を図る。
(2)リンクナース自らが各部署の問題点を抽出し解決策を考え実施出来る。
正しい知識を持つことができる。
(3)院内ラウンドの実施:毎月各部署病棟ラウンドを実施する。
2 活動要約
感染対策が実施出来ているかの評価を数値化することは困難であるが、感染率が低下
することにより少しでも評価につながると思っている。今年度は年間を通じて MRSA 発
生件数が増加傾向にあった。感染対策が不十分であったかというと、そうではなく、発
生件数は増加しても感染率としては低下していた。これは持ち込みの感染症が多く見ら
れているということで、院内での感染は減少しているといえる。今年度より電子カルテ
が導入され、感染症患者発生時には早急に明示するようにし、対応もすぐに行っていた
ことが感染率を低減させることにも繋がったといえる。しかし、その一方でインフルエ
ンザやノロウイルスによるアウトブレイクが発生した。これは日常の感染対策がおざな
りになっており『やっているつもり』でも実際、十分に行えていなかったことが原因と
考えられる。日常の感染対策が継続的に、全員が同じように実施出来るよう今後もサポー
トしていく。
今年度は看護部感染予防委員会の形式が変わり、従来の全員参加型の委員会開催とい
う形式はなくなった。代わりに毎月必ず所属へ赴きカンファレンスを実施するという形
を取りリンクナースとの交流を図った。各部署での問題点を抽出し、どのように解決し
ていくかという過程を共に考えながら実践してもらった。各部署での問題点には取り組
め、明らかに良化した部署もあったが、アウトブレイクなどの事象がおこった時の対応
としてはまだまだ不十分であり、事象に対してどう対応するべきかなど、実践的考え方
を指導していく必要があると考えている。
院内ラウンドを実施することはホーソン効果もあり、感染対策には十分効果がある。
マンネリ化しないようラウンド内容を変更したり、チェックリストなどで刺激を与える
ようなことも実施していきたい。また ICT ラウンドも感染対策には十分効果があるため、
継続し実施していきたい。
今年度より感染症医コンサルテーションが開始され、感染症医と共に患者に携わると
いうことを行っている。今までとは異なる面からも関わることができ、今後も視野を広
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6 業績 (19)
看護部 8 認定看護師活動
げていきたいと思っている。
【感染管理認定看護師研修会】
・奈良県看護協会主催 平成 24 年度新人看護職員卒後研修
:5 月 10 日 奈良県内看護師 100 名参加
・新規採用者研修(4 月は研修医 12 名含む)
:4 月・10 月 51 名
・介護士・看護助手・クラーク・セクレタリー研修:
7 月× 2 回・12 月× 2 回 合計 4 回 94 名ずつ参加
・中途採用者研修・長期休職後復職研修:合計 28 名
【平成 24 年度学会発表】
日本医療マネジメント学会 第 8 回奈良支部学術集会(奈良)
『チーム医療としての ICT 活動』
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6 業績 (19)
看護部 8 認定看護師活動
〈3〉がん性疼痛看護認定看護師
松原 操
1 目標
(1)チーム診療体制の見直しと勉強会参加者の傾向分析し参加を促す。
(2)がん相談支援を利用者および病院関係者に周知徹底する
2 活動要約
がんサポートチーム新規依頼数 150 件以上、勉強会 50 人、症例検討会 20 人以上、各部署
1 人以上参加を目標に掲げ、活動を開始した。主診療科との併診で 148 件(2 月末現在)の診
療依頼に対応した。算定は依頼患者ごとに実施計画書を作成する必要があり、臨死期の依頼や
患者とのコミュニケーションがとり難い場合では同意をいただきにくく算定できなかった。また
コストがかかることで訪問を辞退される方がいたため、同意を得る際にコストについての説明を
必ず実施した。婦人科の術後リンパ浮腫の指導や呼吸器内科・腫瘍内科の初回化学療法時か
らの精神的サポート、術後患者の精神的サポートなど、早期からの介入例が増えている。患者
の状態変化や精神的負担がおこりやすいがん患者において、早期からの緩和ケア導入が必要で
ある。ニーズが増える中、専門チームとしての役割分担・質確保を考えていかなくてはならない。
依頼内容は症状コントロールだけでなく、精神的サポート、療養相談や在宅療養移行調整の
依頼が増えている。がん患者において治療や症状が落ち着けばどこでどのように生活を考える
かという支援が、医療者にとって重要な役割であることが周知されてきていると思われる。今
後は退院後患者支援を地域スタッフとどう連携していくか、病棟スタッフにどうフィードバック
していくかが課題である。
勉強会・症例検討会の参加者は増えていない。今後の地域がん拠点病院としての役割を考
えた時、治療期患者のサポートをより深く検討していく必要がある。来年度からは治療の一環
としての緩和ケアを、
「緩和ケアを考える会」から「集学的がん治療勉強会」として活動し、病
院全体で取り組みたい。
がん相談支援業務については相談件数増加(前年度件数 500 件を超える)相談受付窓口の
広報と来訪者の増加(場所の周知)を掲げ、活動を行った。相談者の来訪、電話相談が増加
しており、年間相談は 710 件(2 月末現在)に上った。相談内容は療養場所選択に関すること、
診断治療に関することが多い傾向にあった。今後もがん患者必携や国立がんセンター広報物な
どを活用し広報していく必要がある。がん性疼痛看護認定看護師として、早期緩和ケア導入、
とくに治療期の患者支援が自分自身の課題であると感じている。がん患者・家族に「相談場所
がある」
「相談してもよい」ことを伝えることが、早期緩和ケア導入への第一歩である。がん看
護に携わる者として、その役割を医療者に伝えることも意識して今後のがん相談支援業務に取
り組みたい。
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6 業績 (19)
看護部 9 教育・研修
9 教育・研修
平成 24 年度 看護教育計画 研修実施状況
1 クリニカルラダー研修
(ビギナー)
月
日
研修内容
2 新規採用者オリエンテーション
3
ME 機器について
49
接遇の基本
51
基本的な感染対策 Ⅰ
49
薬剤の正しい知識
49
各部門別研修
39
BLS、ドクターコール、AEDの取り扱い
50
看護記録の基礎
39
電子カルテ操作訓練
39
9 医療安全に関する基本的な知識と技術 Ⅰ
44
10 採血・注射方法
44
11 輸液方法
44
固定チームナーシング、プリセプターシップ、
12
プリセプティーハンドブックの使い方
34
職業倫理、看護倫理綱領
34
看護診断とSOAPの書き方
33
13 輸血の基礎
34
16 安全な体位変換・移動・移送
34
17 人工透析患者のリスク管理
34
18 転倒転落予防対策
34
23 膀胱留置カテーテル
34
24 褥瘡の予防・ケアⅠ
34
27 安全にインスリンを投与するために
34
1 ヶ月振り返り研修
34
23 看護が見える看護記録、事故発生時の記録
褥瘡の予防・ケアⅡ
27
34
34
12 化学療法を受ける患者の看護
6
公開
39
49
6
5
数
4 災害対策とトリアージ
5
4
参加者
34
3 ヶ月振り返り研修
34
医療安全に関する基本的な知識と技術Ⅱ
34
275
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6 業績 (19)
看護部 9 教育・研修
エンゼルメイクの基礎
8
10
2
34
10 医療安全研修
31
公開
34
医療安全に関する基本的な知識と技術Ⅲ
32
基本的な感染対策Ⅱ
32
褥瘡の予防・ケアⅢ
32
6 ヶ月振り返り研修
32
27 1年振り返り研修
33
(全レベル)
4
6 今年度方針
108
7
21 褥瘡研修
55
公開
6 がんの集学治療と看護
47
公開
18 摂食・嚥下研修
109
公開
31 後輩に伝えたいこと(ナラティブアプローチ)
100
10
事例研究発表会
58
呼吸器の基本的な管理
82
公開
20 緩和ケア
51
公開
1
19 看護研究学会
95
公開
3
2 固定チーム実践報告
109
3
15 災害看護委員会研修
93
11
13
(レベルⅠ)
2
5 事例研究の基礎
30
8 プリセプター研修Ⅰ
21
(レベルⅡ)
7
11
25 プリセプター研修Ⅱ
18
13 事例研究発表会
17
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6 業績 (19)
看護部 9 教育・研修
(レベルⅢ・Ⅳ)
5
8 看護研究個別指導1
20
8
8 看護研究個別指導2
18
9
26 リーダー研修Ⅰ
18
11
6 看護研究個別指導3
16
14 リーダー研修Ⅱ
20
26 リーダー研修Ⅲ
19
19 看護研究指導者育成研修
53
25 教育担当者研修
34
1 看護研究ゼミナール1
48
12 看護研究ゼミナール2
48
27 看護研究ゼミナール3
53
3
2 固定チーム実践報告
109
3
8 看護研究ゼミナール4
40
12
1
2
2 認定看護師による研修
4
24
34
公開
5
23 皮膚排泄ケア
34
公開
7
21
55
公開
47
公開
がんの集学治療と看護
10
6 講師:木村 道子(奈良県立奈良医科大学付属病院)
松村 尚子(天理よろづ相談所病院)
摂食・嚥下障害
10
18
11
20 緩和ケア
講師:佐谷 直美(奈良県立五條病院)
85
41
公開
277
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6 業績 (19)
看護部 9 教育・研修
3 感染管理認定看護師研修会
4
4
49
10
31
6
25
7
2
12
3
12
7
8
7 言語聴覚士・理学療法士対象感染研修会
2
9
3
3
10
2
1
7
2
4
3
11
14 中学生体験学習会(感染研修会)
3
新規採用者研修
37
介護士・看護補助・メデイカルセクレタリー研修
94
6
新規採用職員感染研修
5
4 医療安全研修
6
28
7
5
11
27
12
6
9
25 嚥下・咀嚼障害食を安全に摂取するために
20
12
3
12
12
5
12
7
12
11
6
12
14 緊急造影 CT の安全管理
2
12
5
59
12
6
12
11
154
12
14 BVMの安全使用
115
12
17
66
12
17
133
12
18 針刺し防止機能付き留置針の安全使用
99
12
19
88
12
25 人工呼吸器セットアップ操作研修
45
1
7
5
1
8 外来化学療法 輸液管理
3
1
9
4
91
介護士・看護補助・メデイカルセクレタリー研修
89
9
緊急造影 CT の安全管理
7
エルネオパの安全使用
24
278
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6 業績 (19)
看護部 9 教育・研修
5 中途採用者研修、育児休業復職直後研修
4
18
1
1
2
14
1
6
1
2
11
14 中途採用者研修
1
12
5
1
1
7
1
2
1
1
3
25
1
4
16
3
23
3
5
28
1
6
1
2
5
1
9
1
20
1
5
7
8
9
6
24
1
長期休養後復帰研修
2
1
1
12
1
15
2
18
1
24
1
11
14
3
1
4
1
10
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6 業績 (19)
看護部 9 教育・研修
6 院外研修生受け入れ状況
依頼施設
職種
実習科目
研修 人
場所 数
期間
白鳳女子短期大学専攻科助産学専攻 学生
助産学
4 N 2 H24.7.29~9.24
奈良県立三室病院看護専門学校
母性看護学
4 N 8 H24.10.22~11.2
母性看護学
4 N 3 H24.7.9~7.10
学校法人 愛西学園弥富看護学校
学生
准看護師 老年看護学
6 S 3 H24.8.13~8.14
基礎看護学
7 S 3 H24.8.13~8.14
H24.9.18~9.21
母性看護学
4 N 20
H24.9.24~9.28
H24.11.5~11.9
H24.12.17~12.21
畿央大学健康科学部看護医療学科
H24.9.10~9.13
学生
H24.9.18~9.21
小児看護学
4 S 30 H24.10.22~10.25
H24.10.29~11.1
H24.11.12~11.15
天理看護学院
学生
助産診断・技術
学Ⅰ(分娩期)
4 N 2 H24.11.19~12.25
280
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6 業績 (19)
看護部 10 研究
10 研究
〈1〉院外発表
所属
救命救急
センター
学会名
テーマ
第 14 回日本医療マネ 夜間緊急入院の受け入れ態勢の検討
ジメント学会学術集
会
○倉 麻弓 三輪 利枝子
第 14 回日本医療マネ 当院における NST 活動の実績と今後の課題
ジメント学会学術集
会
○山内 愛子
第 14 回日本救急看護 初療外来での緊急手術に関する DVD の学習効果
学会学術集会
○若井 理恵 奥 安悠実 大塚 ゆかり
森口 佐恵
固定チームナーシン 救命救急センターと本館の連携
グ研究会
―夜間緊急入院の受け入れについて-
第 8 回奈良セミナー ○三輪利枝子
第 12 回日本看護・社 緊急入院受け入れ体制の現状と課題 救命救急セン
会・政策学会学術集 ターと本館一般病棟との連携
会
○大塚 ゆかり
外来
第 17 回日本糖尿病教 フットケア外来の現状と今後の取り組み
育・看護学会学術集
会
○長田 真希
日本医療マネジメン 2 次救急患者の搬送受入システム変更後の現状と課題
ト学会 第8回奈良支
部学術集会
○安在 雅子 黒田 和子 甲田 涼子
人工透析室 第37回奈良透析学 CKD 教育入院の現状と効果
術総会
〇広藤 紀子
3 階北病棟 第 51 回全国自治体
病院学会
リリーフ派遣先で生じる看護職員の不安要因の分析
~業務内容と居心地の良し悪しの視点から~
○田中 美帆 西尾 真美 大谷 千枝 副田 匡子
荻田 三枝子
4 階北病棟 第 27 回奈良県母子衛 発達支援チームの活動から助産師の役割について示唆
生学会
されたこと
○北 比呂美
5 階北病棟 第 14 回 固 定 チ ー ム 固定チームナーシングにおける看護補助者との協働
ナーシング近畿地方
会
○荻田 三枝子
281
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6 業績 (19)
看護部 10 研究
5 階北病棟 日本家族看護学会
第 19 回学術集会
壮年期子宮頸癌患者の夫が死を受容する過程について
~死別後のインタビューから看護のあり方を検討する~
○小山 弘惠 中村 麻希
平 成 24 年 度 固 定 チームの再編成から得られた結果と今後の課題
チームナーシング全
国研究集会
○西村 知佐子
6 階南病棟 平成 24 年度奈良県
看護研究学会
口腔内トラブルの早期発見・早期改善に向けての取り組み
~口腔内観察シートとスタンダードケアプランを使用
して~
○今井 麻祐子 原 敏恵 梅津幾久子 福谷まり子
7 階北病棟 第 36 回日本死の臨床 終末期の患者・家族を支える看護のあり方
研究会
~死の直前に家に帰ることを意思決定した妻への関わ
年次大会
りから~
○宮地 真澄 北村芽衣子 藤原 淳子 梅津幾久子
三輪利枝子
日本看護学会
成人看護Ⅱ
主任会
レスキュードーズを服用しているがん患者の疼痛緩和
の現状―内服自己管理に対する思いを調査して―
○森本 智子 福井久実 高島範子 三輪利枝子
固定チームナーシン 日々リーダーを担う人材育成のための「リーダーの基
グ研究会
礎」研修実施後の評価―アンケート調査を実施して-
第 8 回奈良セミナー ○黒田 和子 坂内真由美 川村 一世 佐藤真知子
梅津幾久子
282
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6 業績 (19)
看護部 10 研究
〈2〉院内発表
学会
看護研究学会
テーマ
化学療法を受けながら働き続ける患者の意図的行動
~職場の人間関係に焦点をあてて~
倉本理恵 樫合由生子 石田 恵 甲田涼子
所属
外来
大腸内視鏡検査における前処置不良例に対する取り組み
~看護師によるパンフレットを用いた説明の効果~
中央放射線
赤松松代 大元隆子 梅田久佐江 松澤充代 ・内視鏡部
坂内真由美 佐々木綾子
所属間応援機能体制に対する職員と管理者の認識の差異
石井友紀子 赤井由季 宮城弘樹 副田匡子 3階北病棟
正岡妙子
母体搬送に対応する助産師の感情
4階北病棟
谷本名保恵 上田恵 出島可苗 和田利江 前田智子
小児科病棟における看護師の対応によって生じた付添者の
「困りごと」
4階南病棟
乾 博美 坂上美紀 杉本千里 楠本真由
日本版STAIを用いた出産前訪問実施前後の不安の変化
川邉祐子 山本容子
NICU
整形外科の下肢手術後に使用する離被架の検証
西尾佳世 樫内喜美子
6階北病棟
CKD教育入院の患者指導に関する問題点
~グループインタビューを行なって~
布瀬純子 丹下敦子 中谷知甫 枡田美恵
7階南病棟
奈良県立奈良病院
医学会
タイムアウト実施調査と今後の課題
北川美奈子 外川由紀子
中央手術部
事例研究発表会
肺がん患者の在宅療養へ向けた関わり
~渡辺式家族アセスメントを用いた介入~
原田茉波
7階北病棟
呼吸器内科患者の退院に向けた口腔ケアの援助
~家族の口腔ケアに対する意識の変化~
島 沙織
7階北病棟
在宅移行を目指している肺癌骨転移痛を生じている患者へ
の疼痛緩和の援助
7階北病棟
~疼痛自己管理の自己効力感を高める関わり~
田中実希
ターミナル期患者の在宅療養への移行に向けた家族への吸
引指導
5階南病棟
~渡辺式アセスメントモデルを用いた関わり~
松下愛恵
283
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6 業績 (19)
看護部 10 研究
高齢患者への在宅復帰を目指した看護
吉川佳奈
5階南病棟
終末期脳腫瘍患者の自宅退院へ向けた家族サポート
~渡辺式家族アセスメントツールを用いた問題思考過程~
稲垣有美
3階北病棟
嚥下障害のある患者の経口摂取確立に向けての取り組み
加瀬圭奈子
3階北病棟
頚椎損傷でベッド上安静となった患者への入浴によるリラク
セーションの効果~RE尺度を用いて評価した一事例を通し 救命救急
て~
センター
芦田真奈美
ICUへ入院となった意識レベル清明な患者への睡眠援助
~山勢の「危機介入の基本的アプローチ」を活用し、患 救命救急
者のニードを見出し介入する~
センター
中村麻美
臥床状態にある多発外傷高齢患者のADLの拡大に向けて
救命救急
~端坐位訓練から排泄動作を再獲得できた一事例~
センター
吉岡友紀
高齢の有機リン中毒患者と家族への関わり
~患者家族と手浴を行った一事例を通して~
永井真衣子
思春期の糖尿病患児へのセルフケアをひきだす退院支援
~母親同席の退院指導を振り返って~
仲本知代
救命救急
センター
4階南病棟
致死性骨異形成症患児の在宅療養に向けての援助
~ファミリーセンタードケアの概念を用いた家族支援の分
6階北病棟
析~
清水 結
人工股関節置換術を受ける患者の気持ちの変化
~フィンクの危機理論を用いて~
仲田真弥
6階北病棟
人工呼吸器を装着した患者の在宅療養に向けての看護介入
~緊急時に対応できるパンフレットを用いた指導~
6階北病棟
前田ゆかり
社会復帰が必要な壮年期の急性心筋梗塞患者への退院指導
~Prochaska-石井のセルフケア行動5段階の変化ステージ
7階南病棟
を用いて生活習慣改善を振り返る~
大西美香
長期にステロイドを服用する患者への退院指導
~退院後の生活に沿ったパンフレットを作成して~
山内 愛美
7階南病棟
284
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6 業績 (19)看護部
11 看護師確保対策
■病院見学会の実施状況
月日
担当:久保田・荻田・常塚・佐々木・前田
在学校
就職状況
1
4月4日
大阪府医師会看護専門学校 3 年生
2
6月1日
奈良県立医科大学 看護学科 4 回生
3
6月2日
奈良県医師会看護専門学校 3 年生
4
6月2日
県立五條病院附属専門学校 3 年生
5
6月2日
県立五條病院附属専門学校 3 年生
平成 25 年度 4 月就職
6
7月6日
県立五條病院附属専門学校 3 年生
平成 25 年度 4 月就職
7
7月21日
8
7月21日
関西学研医療福祉学院 1 年生
9
7月21日
関西学研医療福祉学院 1 年生
10
7月21日
千里金蘭大学 看護学科 4 年生
11
8月20日
田北看護専門学校 2 年生
12
8月22日
白鳳女子短期大学 看護学専攻 3 回生
独立行政法人国立機構京都医療
センター附属京都助産学校 助産師科
■附属看護専門学校との学生交流会
平成 25 年度 4 月就職
平成 25 年度 4 月就職
平成 25 年度 4 月就職
平成 25 年度 4 月就職
担当:久保田・荻田・常塚・佐々木・前田
4 月 24 日(火) 13:30 ~ 15:00
対象者:3 年生 39 名
10月 25 日(木) 14:00 ~ 15:00
対象者:2 年生 39 名
285
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6 業績 (19)
看護部
■病院説明会、学校訪問、就職フェア等
リクルート担当:陳野
月日
内容
場所
1
4月21日
病院説明会
梅田 ハービスホール
2
4月23日
病院説明会
奈良県立奈良病院付属看護専門学校
3
4月24日
学生交流会
病院 大会議室
4
4月27日
病院説明会
奈良県立五條病院付属看護専門学校
5
5月1日
病院説明会
奈良県立三室病院付属看護専門学校
6
5月9日
病院説明会
畿央大学健康科学部 看護医療学科
7
5月28日
学校訪問
白鳳女子短期大学 看護学専攻
8
5月28日
学校訪問
阪奈中央看護専門学校 看護学科
9
5月28日
学校訪問
ハートランドしぎさん看護専門学校
10
5月28日
学校訪問
四条畷看護専門学校
11
5月29日
学校訪問
奈良県病院協会看護専門学校
12
5月29日
学校訪問
田北看護専門学校 看護科
13
5月29日
学校訪問
関西学研医療福祉学院 看護学科
14
5月30日
学校訪問
大和高田市立看護専門学校
15
5月30日
学校訪問
奈良文化高等学校 衛生看護科
16
5月30日
病院説明会
17
5月31日
学校訪問
甲南女子大学 看護リハビリテーション学部看護学科
18
5月31日
学校訪問
園田学園女子大学
19
6月4日
学校訪問
京都中央看護保健大学校
20
6月4日
学校訪問
京都橘大学
21
6月6日
学校訪問
奈良県医師会看護専門学校
22
6月6日
学校訪問
藍野大学
23
7月8日
病院説明会
梅田 ハービスホール
24
7月14日
就職フェア
奈良県看護協会 合同就職フェア
25
10月3日
復職支援研修
26
10月25日
学生交流会
27
1月22日
復職支援研修
奈良県立医科大学 医学部看護学科
奈良県看護協会 復職支援研修
病院 大会議室
奈良県看護協会 復職支援研修
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13.12.17 4:57:54 PM
6 業績 (20)図書室
(20)図書室
図書室はスタッフ 2 名からなり、当院の職員の他、看護学校の学生、当院で実習す
る大学生、地域の医療関係者が 24 時間利用できます。
図書室には閲覧用座席が 16 席あり、オンラインジャーナルや検索用に外部環境接続
可能コンピューターが 2 台、電子カルテ用コンピューターが 3 台設置されています。
医学中央雑誌 WEB 版、メディカルオンラインの利用により、文献検索も便利になり
ました。
業務内容
1. 年間購読雑誌の受け入れ
和雑誌
55 タイトル
洋雑誌
20 タイトル
ON LINE 版
  2 タイトル
(平成24年度)
2. 製本依頼と配架
和雑誌
160 冊
洋雑誌
  97 冊
(平成24年度)
3. 文献相互貸借
申込件数
328 件
受付件数
   5 件
(平成24年度)
4. 蔵書整理
5. 単行本の発注
図書室スタッフ
287
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6 業績 (21)
事務部
(21)事務部
1 取り組み
事務部は、総務課と医事課の 2 課 5 係から成り、総務課は 3 つの係(庶務係、管財係、
施設係)
、医事課は 2 つの係(医事係、管理電算係)を設置し、患者サービスの向上や
病院スタッフが働きやすい職場となるように、病院の運営事務に関わる幅広い業務を
取り組んでいる。
総務課においては、病院の経理全般、職員や給与の管理、福利厚生、医薬品や診療
材料の購入、医療機器の購入と保守、清掃や警備の管理、冷暖房設備やエレベーター
設備、電気・水道・医療ガス設備、消防施設などの維持管理等を担当している。
医事課においては、診療の受付、メディカル・セクレタリーの配置、保険診療や診
療報酬の請求、施設基準の届出や変更、医事相談や苦情相談を担当している。
平成 24 年度は、電子カルテと連携し、画像や検査結果等を電子カルテの画面から見
ることができる部門連携システムの導入を行った。
また、8 月からは、事務部の研究会である元氣研究会を発足し、若手職員を中心とし
た研究や発表のスキルに磨きをかけた。
2 成果
平成 24 年度は、電子カルテの導入に伴う総合カルテ化の推進のほか、初めての年報
となる「病院年報 2012」の発刊、情報発信機能の充実、病院行事の開催、救護活動支
援や災害訓練、SPD による診療材料費の削減、院内のアメニティ整備、内視鏡手術支
援ロボット「ダ・ヴィンチ」を始めとする大型医療備品の導入事務、病院開設以来と
なる本館エレベーターの大規模改修、メディカル・セクレタリーの配置、診療収入の
確保等について、一定の成果を挙げることができた。
288
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6 業績 (21)
事務部 ①総務課
① 総務課
1 庶務係
■病院年報 2012 の発刊
病院の今を将来に伝えるため、県立奈良病院で初めてとなる「病院年報 2012」を
刊行し、平成 23 年度実績を中心として、病院運営と活動の記録を取りまとめた。
編集にあたっては、最新データもできる限り盛り込む方針のもとに、平成 24 年度
のデータも可能な限り掲載した。
発刊にあたり、全国の自治体病院等へも配付した。
■情報発信機能の充実
平成 24 年度は、病院ホームページのリニューアルを行うとともに、入院患者への
メッセージを届ける「お見舞いメール」を開設した。
さらに、新県立奈良病院新築移転に向けて、医師、看護師等の確保に繋げるため、
啓発のための「病院バック」や「研修医募集パンフレット」の製作、
「研修医募集
DVD」や「看護部募集 DVD」等の作成を行った。
また、平成 24 年度も引き続き、ならどっと FM の毎月第 2 火曜日正午放送枠で、
県民向けの健康情報を伝える「県奈良ナースのヘルスケア Q & A」の放送を実施した。
■病院行事の開催
平成 24 年 5 月 12 日に、4 回目となる病院まつり「あをによし祭」を開催した。
前年に引き続き、地域の方々や広く県民に病院を理解いただく機会として、多彩
な催しを行った。平成 24 年度は、新たに、小学生による 1 日院長・看護部長体験を
開催し、1 日院長 4 人、1 日看護部長 3 人の子どもたちに参加してもらった。
さらに、「あをによし祭」特別企画の東日本大震災の復興支援チャリティーイベン
トとして、澤穂希さんはじめ多くの有名アスリートから協賛いただいたサイン入り
グッズによるチャリティーオークションを盛大に開催した。このオークションによ
る募金等 100,900 円は、日本赤十字社奈良県支部に寄託した。
平成 24 年 8 月 7 日には、初めての病院全職員を対象とする暑気払いの会をホテル
日航奈良のビアガーデンで開催した。天候不良で一度順延したため、参加者は、約
150 人となったが、夏のひとときを満喫できた。
12 月 21 日には、県立三室病院の職員と合同で、病院忘年会をホテル日航奈良にお
いて開催した。約 250 名の職員が参加し、盛況のうちに終えた。
また、この席上において、平成 24 年度医学研究会奨励賞の授与式を行った。
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6 業績 (21)
事務部 ①総務課
■救護活動支援、災害訓練
台風 4 号に伴う土砂災害時に対する救護活動のため、県の要請により 6 月 19 日か
ら 20 日にかけて、
上北山村へ DMAT 隊を派遣した。幸いにも台風による被害はなく、
無事に帰還することができた。
病院の災害訓練については、平成 24 年 11 月 22 日に「震度 5 強の地震が発生し、
院内被害はないが、消防局から要請のあった傷病者 20 名を受け入れる。
」という想
定で実施した。
■職員の採用退職等事務
平成 24 年度は、職員の採用(県立医大との交流を含む。
)75 名、県転入(県立病
院を含む。
)18 名、嘱託職員の採用 6 名があった。
また、職員の退職(県立医大との交流を含む。
)43 名、県転出(県立病院を含む。)
22 名、嘱託職員の退職 6 名の異動があった。
(単位:人)
職員
採用
診療部
嘱託
転入
23
採用計
採用
2
25
相談支援室
嘱託
転出
13
退職計
退職
3
16
0
中央臨床検査部
2
中央放射線部
3
リハビリテーション部
1
3
臨床工学室
薬剤部
1
1
看護部
45
2
総務課
1
1
1
2
2
0
1
1
1
1
1
2
1
2
47
25
6
7
1
5
1
0
1
6
1
3
2
5
1
3
18
6
99
43
22
医事課
75
1
1
1
栄養管理部
0
5
3
地域医療連携室
合 計
職員
退職
1
2
3
4
3
31
2
8
6
59
4
期間:平成24年4月1日〜平成25年3月31日
■臨床研修医の確保事務
初期臨床研修医については、平成 25 年度の募集定員 7 名については、前年度に引
き続き、フルマッチを達成した。
臨床研修医症例カンファレンス、臨床研修医実践講座、研修医のための脳卒中講
座を定期的に通年開催したほか、洛和会音羽病院副院長、京都医学教育センター所
長で、総合診療医である酒見英太先生による年 6 回の出張講座(研修医向けカンファ
レンス)を開催した。
病院見学、クリニカルクラークシップ等も積極的に受け入れ、平成 24 年度は、見
学者 42 名 78 日間、クリニカルクラーク 22 名等を受け入れた。
また、後期臨床研修医を確保するため、後期臨床研修説明会を 2 回開催し、平成
24 年 7 月 14 日は 12 名、10 月 13 日は 3 名の初期臨床研修医の参加があった。
こうした積み重ねにより、平成 25 年 4 月には 2 名の後期研修医を採用した。
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6 業績 (21)
事務部 ①総務課
2 管財係
■ SPD による診療材料費の削減等
SPD においては、診療材料の調達、納品、管理を委託し、SPD を導入しなかった
ときに比べ、平成 24 年度は、3400 万円の削減効果があった。
具体的な導入効果としては、直接的な経費節減効果のほか、看護師の材料請求や
在庫管理業務等の軽減、各診療科の使用材料の共通化、消化払い方式により余剰在
庫がゼロになったこと、全国価格情報や他病院との共同購入品目の採用による価格
削減や保険請求の精度向上を図ることができた。
また、在庫スペースの縮減に貢献し、有効利用することが可能になった。
■療養環境、執務環境の充実(アメニティ整備)
患者アメニティ整備では、診療の円滑化を図るため、内科外来診察室を整備する
とともに、来院者の要望を踏まえ、本館女性トイレの洋式化を行った。これらに加
えて、案内表示設置など細かな対応を実施した。
また、メディカルスキルアップルーム等を確保するため、研修棟を増設し、平成
24 年 8 月 1 日から使用を開始した。
さらに、患者利便性を図るため、研修棟東側に、併せて駐輪場を整備し、同日か
ら使用を開始した。
■大型医療備品の導入事務
平成 24 年度は、内視鏡手術ロボット「ダ・ヴィンチ」を 12 月 23 日に、県内で始
めて、全国で 70 施設 76 台目となる導入事務を行い、翌 3 月 7 日から稼動を開始した。
また、診療部、看護部との調整を行い、手術室用顕微鏡、及び眼科診療機器一式
の導入事務を進め、円滑な手術及び診察に貢献した。
さらに、平成 26 年 4 月の地方独立行政法人化に向けて、備品現在高の台帳との確
認作業を平成 24 年 11 月から開始し、翌 3 月までに完了した。
■設備、備品の修繕等
建設後 35 年を経過した病院建物について、計画的な補修や修繕工事を進めた。
また、X 線撮影装置、超音波画像診断装置、内視鏡ビデオスコープといった大型
機器をはじめとした多くの医療機器の部品交換や維持修繕を行った。
さらに、近年は、様々な画像システムや情報処理システムを導入しており、これ
らのシステムサーバ容量の確保や回線、モニター障害への対応を行った。
■消防訓練の実施
平成 24 年 9 月 28 日に、
「日中に本館 4 階病棟の配膳室から出火、延焼が拡大した
291
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6 業績 (21)
事務部 ①総務課
ため、
全員避難する。
」という想定で、
病院全体の自衛消防組織による訓練を実施した。
また、平成 25 年 2 月 22 日には、
「夜間に本館 6 階病棟で出火、早期発見により鎮
火し、念のため全員避難する。
」という想定で、夜間の当直者と守衛で対応する訓練
を実施した。
これらにより、火災時の役割確認と消化器具の実習を行った。
3 施設係
■冷暖房設備、建築設備の維持管理
冷暖房設備については、真夏と真冬のピーク時に対応するため、平成 24 年 4 月の
中間期に、腐食のため穴あきした冷暖房用の冷温水配管漏水箇所の修繕を行い、安
全確実に冷暖房ができるように整備した。
老朽化していた本館エレベーター 5 基については、
主要保守部品の供給終了に伴い、
平成 24 年 11 月 26 日から翌 1 月 16 日までの間、順次、入院患者等への負担、診療
への影響を最小限に抑えながら、慎重に 1 号機から 5 号機の改修工事を行った。具
体的には、巻き上げ機用モーター、制御盤、扉開閉装置、かご内操作盤、乗り場操
作盤及び地震感知器等の主要な機器の取替と改修を行い、機能と安全性の向上を図っ
た。
その他の修繕等についても、以下のとおり実施した。
平成 24 年 5 月 腐食のため穴あき漏水した本館及び救命センター各所給湯配管
修繕
平成 24 年 6 月 経年使用により動作不良となった薬液処理設備ブロワーポンプ
修繕
■電気設備、消防設備の維持管理
電気設備については、病院の医療機器の増加や、電子カルテ稼動に伴う電力使用
量の急激な増加や、機器から発生する熱量に伴う冷房の負荷増加など、年々厳しい
状況になっている。
特に、東日本大震災以降は夏の電力不足が発生したが、空調機器の運転時間調整等
の工夫を行いながら、電力需要のピーク期を乗り切ることができた。
また、平成 24 年 7 月には、一般放送設備の改修を行い、本院から救命救急センター
及び研修棟へ一斉放送ができるようになった。
平成 25 年 3 月には、中央放射線科及び中央臨床検査部の部屋の用途変更に伴い、
新たに必要となったスプリンクラー設備を増設した。
その他の修繕等についても、以下のとおり実施した。
平成 24 年 9 月 経年使用により動作不良となった水晶親時計電源修繕
平成 25 年 3 月 経年使用により劣化した中央放射線科の CT 室照明器具修繕
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6 業績 (21)
事務部 ②医事課
② 医事課
1 医事係
■メディカル・セクレタリーの充実
医師の負担軽減を目的として、平成 21 年 4 月よりメディカル・セクレタリーを配
置した。平成 24 年 4 月時点で 32 人が従事している。
各種診断書・意見書の代行記入業務を始め、外来診療科での検査オーダーの作成、
予約の入力作業など診療補助を行い、医師の事務作業の負担を軽減、診療に専念で
きる環境づくりを実現している。
今後さらに、病棟・外来における事務作業の役割分担を進めるとともに、診療報
酬改定の内容や電子カルテの操作研修を実施し、メディカル・セクレタリーの能力
向上に努めていく。
■未収金対策
急な来院で持ち合わせのない患者さんなどに対して、未収金の発生を防止するた
め、平成 21 年度からクレジットカード決済を導入している。
また、度重なる督促を努めたにもかかわらず、回収に結びつかなかった個人未収
金について、平成 23 年度より法律事務所に回収業務を委託した。平成 24 年度は、
委託額のうち、6.73 %の回収実績を上げ、未収金の回収に努めた。
■緩和ケア研修会の開催
平成 24 年 5 月 26 日、27 日に、当院の緩和ケアチームである「がんサポートチーム」
を中心に、拠点病院の専門医・認定看護師の皆さんの協力をいただき、緩和ケア研
修会を開催した。
休日や診療の合間を縫って、19 名の勤務医・開業医、医療関係の技術職の皆さん
の参加があった。当研修会を通して、地域の医療連携が強化され、奈良県のがん診療・
緩和ケアの発展につながっている。
■病院解剖者慰霊祭の開催
平成 24 年 9 月 14 日に、院内において、病理解剖者慰霊祭を執り行った。参加者は、
ご遺族の参列も含め 90 名となっている。医師・看護師を始めとしたスタッフがご遺
族と再会し、対話することができる貴重な機会となっている。
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6 業績 (21)
事務部 ②医事課
2 管理電算係
■電子カルテ連携部門システムの導入
長らく懸案であった、診療カルテの電子化については、平成 24 年 3 月 10 日から
電子カルテシステムが稼働し、従来からの医事会計システムとの連携により適正な
会計処理を行うことができるようになった。
また、平成 24 年度には、電子カルテシステムと連携し、画像や検査結果等を電子
カルテの画面から見ることができる、部門連携システムを導入した。
○電子カルテ内視鏡システム 平成 24 年 10 月稼動
○電子カルテ画像データマネジメントシステム 平成 24 年 12 月稼動
○電子カルテ生体モニターマネジメントシステム 平成 25 年   3 月稼動
○電子カルテ生理検査システム 平成 25 年   3 月稼動
○電子カルテ病理・細胞診検査支援システム 平成 25 年   3 月稼動
■医事会計システムの管理・運用
毎月の診療報酬の入院・外来のレセプト出力、国保連合・支払基金へ保険請求分
のデータ作成、会計データ・レセプトデータ等の保存、各種統計処理、医事会計マ
スターのメンテナンス、厚生労働省への病院患者数報告など行っている。
また、診療報酬に直接関わる施設基準の新規・変更の届出も行っている。
■診療報酬の確保
平成 24 年度に取得した施設基準実績として、一般病棟入院基本料(看護配置
10:1 → 7:1)
、地域医療支援病院、医師事務作業補助(補助体制 20:1 → 15:1)
、
看護職員夜間配置(夜間配置 12:1)等の届出を行った。
この結果、DPC 係数は向上し、平成 24 年 4 月 1 日に 1.2526 であったものが、平
成 24 年 12 月 1 日には 1.4094 となった。
また、分析のため、入院患者数、外来患者数、平均在院日数、病床利用率、診療
稼動額、紹介・逆紹介率等医事統計の精緻化を図っている。
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事務部 ②医事課
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事務部 ③元氣研究会
③ 元氣研究会
平成 24 年 8 月から、日頃より症例研究会、勉強会等に励んでいる医師、看護師を始
めとする医療スタッフに負けないように、事務部もプロフェッショナルを目指し、事
務部職員を中心に集まって勉強会を立ち上げた。
研究会の名前は、事務部職員がもっと勉強し、スキルを磨くことで、病院とすべて
の病院スタッフに元気を与えていきたいとの思いから、元気の“氣”は、
“〆”でなく、
八方に広がる“米”を用いた元氣研究会とした。
なお、開催にあたっては、要所ごとに外部から講師を招き、意見交換を行うことで、
知識を広げ、研究を深めていった。
■研究会の開催実績
第 1 回 平成 24 年 8 月 30 日(月)
17:30 大会議室
新奈良病院構想と奈良県の医療 -奈良県地域医療の再生に向けて-
(講師)県新奈良病院建設室室長補佐 中西 秀人
第 2 回 平成 24 年 9 月 10 日(月)
17:30 大会議室
医療現場における患者の同意
総務課 中西 彩子
病院トラブルと法的対応について
医事課 梅野 正和
第 3 回 平成 24 年 9 月 25 日(火)
17:30 大会議室
医療保険制度について
医事課 坂巻 亜衣
大規模災害発生時における医薬品等の供給について
総務課 岡田 和久
第 4 回 平成 24 年 10 月 12 日(金)
17:30 大会議室
手術用ロボット da Vinci の導入について
総務課 森田 親
内視鏡手術支援ロボットについて
(講師)腎・尿路疾患センター長 三馬 省二
第 5 回 平成 24 年 10 月 25 日(木)
17:30 大会議室
公立病院の経営改革 -地方独立行政法人化への対応-
総務課 中井あずみ
第 6 回 平成 24 年 11 月 9 日(金)
17:30 大会議室
ジェネリック薬品
(講師)薬剤部係長 福森 洋之
災害時医療・看護
(講師)看護副部長 木下久美子
第 7 回 平成 24 年 11 月 22 日(木)
17:30 大会議室
県立奈良病院・三室病院の地方独立行政法人化に向けた検討状況
(講師)県医療管理課主幹 村上 健
(講師)県医療管理課主査 森本 義久
第 8 回 平成 24 年 12 月 3 日(月)
17:30 大会議室
行動変容のための指導法
栄養管理部 瀬戸佐知子
県立奈良病院の設備概要
総務課 西田 篤史
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事務部 ③元氣研究会
第 9 回 平成 24 年 12 月 19 日(水)
17:30 大会議室
健康管理と簡単エクササイズ
総務課 山本麻依奈
所得税と年末調整
総務課 向井 徹
第 10 回 平成 25 年 1 月 9 日(水)
17:30 大会議室
総務課庶務係の課題
総務課 山田 和雄
人権研修(DVD 鑑賞)
第 11 回 平成 25 年 1 月 21 日(月)
17:30 大会議室
診療材料の供給について
総務課 松山 利雄
医事課医事係の課題
医事課 岡田 利和
第 12 回 平成 25 年 2 月 4 日(月)
17:30 大会議室
中央臨床検査部について
(講師)中央臨床検査部係長 胡内久美子
災害派遣チーム(DMAT)
医事課 吉岡 伸英
第 13 回 平成 25 年 2 月 20 日(水)
18:00 奈良パークホテル
電子カルテシステムヘルプデスク問い合わせ状況
医事課 吉崎 弘俊
日本の医療現場を考察する
医事課 岡田 利和
後期臨床研修医の確保
総務課 山田 和雄
第 14 回 平成 25 年 3 月 6 日(水)
17:30 大会議室
中央放射線部の概要(核医学検査を中心に)
(講師)中央放射線部副技師長 岡田 博和
栄養管理部の役割と業務
栄養管理部 仲西 高司
第 15 回 平成 25 年 3 月 18 日(月)
17:30 大会議室
BSC(バランスド・スコア・カード)の活用について
総務課 中西 彩子、中井あずみ、山本麻依奈、森田 親、西田 篤史
医事課 梅野 正和、坂巻 亜衣
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6 業績 (22)
附属看護専門学校
(22)附属看護専門学校
1 取り組み
本校は、3 年課程の看護師養成所として、広く社会に貢献しうる有能な人材育成をめ
ざし、豊かな人間性と看護師として必要な知識・技術・態度を修得するため、3,135 時
間(103 単位)の講義・実習が履修できるようにカリキュラムを構築している。
しかし , 近年コミュニケーション能力や対人関係能力の乏しい学生、依存度の高い学
生、日常生活経験の少ない学生が増えており、年々実習単位の修得が難しい状況にある。
平成 24 年度は、30 期生 4 名を含む 38 名の学生が卒業した。
職員は、校長 1 名(兼務)
、事務長 1 名(兼務)
、主幹 1 名(専任)
、事務員 1 名、専
任教員 8 名(基礎 2 名 / 成人 1 名 / 小児 1 名 / 老年 1 名 / 在宅 1 名 / 精神 1 名 / 母性 0
名)と実習指導員 1 名(平成 24 年 4 月 23 日~平成 25 年 1 月 29 日 大阪府専任教員
養成講習会を受講)でスタートしたが、9 月 25 日をもって教員 1 名(基礎領域)が退
職した。以後専任教員は 7 名となり、それぞれの負担は大きくなったが、教員間およ
び看護部の協力のもと円滑に運用することができた。
■平成 24 年度看護学校目標
 (1)組織運営の充実
 (2)教員のキャリア
 (3)教育内容の充実を図る
 (4)学生ひとり一人に目を向けた細やかな学生支援の充実を図る
 (5)国家試験 100%を目指す
 (6)県立奈良病院への就職率 75%台を維持する
 (7)入学生の確保
 (8)看護協会など他部門、他施設への協力
 (9)校舎老朽化に対する安全対策
(10)同窓会への協力
2 成果
平成 24 年度看護学校目標(5)~(7)及び(2)の成果について記述する。
■国家試験 100%および県立奈良病院への就職率 75%台を維持する。
平成 24 年度は 2 名の休学者、実習単位の未修得者 2 名を除く 38 名が卒業し、う
ち 20 名(52.6%)が県立奈良病院に就職した。
希望者は 26 名であったが、
就職試験も年々厳しくなり 4 名は他施設への就職となっ
たこと、また看護師国家試験不合格のため 2 名が就職を辞退することになり、就職
率 75%を維持するという目標は達成できなかった。
また 4 名の進学者は、保健師や助産師をめざし、奈良県立医科大学及び三重大学
の看護学科、天理看護学院助産学科へ編・入学している。
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2 病院概要 (22)
附属看護専門学校
平成 24 年度卒業者の進路 (単位:人)
卒業者数
就業者総数
38
験では、4 名が不合格となり、3 年連続の 100%
31
維持は達成できなかった。
県立奈良病院
20
医大附属病院
6
その他
3
県外
2
進学
2 月 17 日に行われた第 102 回看護師国家試
この 4 名については、平成 25 年度の再受験
を目指し支援を継続していきたい。
看護師国家試験の合格状況
4
(単位:人)
平成22年度 平成23年度 平成24年度
(第100回) (第101回) (第102回)
奈良医大
2
三重大
1
受験者数
37
32
38
天理看護学院
1
不合格者数
0
0
4
100.0%
100.0%
94.1%
その他
3
合格率
■入学生の確保
平成 24 年度の入学者(33 期生)は、39 名(高校生 27 名、社会人等 12 名)であり、
高校生 27 名の中には高校生一日オープンキャンパスの参加者が 10 名(37%)含ま
れていた。
入学生確保の活動として、6 月よ
入学試験の状況
(単位:人)
平成23年 平成24年 平成25年
り 27 校の高校訪問と 5 校の「進路
推薦入試受験者数
相談会」に出席した。
合格入学者数
学校案内や進学説明は、
「病院あ
競争率
をによし祭」や「学校祭」を中心に、
一般入試受験者数
希望者には平日(月~金曜日 10:00
~15:00)の対応を拡大し、さらに
毎年実施の「高校生一日オープン
キャンパス」では、新たに模擬授業
95.45% が「大変満足・満足」と答
えていた。
入学試験受験者(推薦試験 11 月
7 日)・(一般試験 1 月 24 日)は 94
名(高校生 61 名、社会人等 33 名)
20
21
22
1.85
2.00
1.68
60
62
57
28
24
大学(短大)卒業者
16
16
16
高卒社会人
16
18
17
合格者数
20
19
18
21
19
18
19
18
18
3.15
3.26
3.16
全受験者数
97
104
94
全入学者数
40
40
40
競争率
アンケートでは回答者 88 名中の
37
28
入学者数
設けるなど一部内容を変更した。
42
高校新卒業者
補欠合格者
や在校生(3 年生)との交流の場を
37
男子学生
8
3
4
高校新卒
27
32
31
高校既卒
3
2
2
大学院・大学・短大卒
10
16
7
全体競争率
2.42
2.60
2.35
であった。
受験した高校生 61 名のうち 41 名
(67.2%)
が、
また合格者 31 名のうち 21 名
(67.7%)
が高校生一日オープンキャンパスに参加している。
このことから、高校生にとってオープンキャンパスは学校選択のうえで重要な意
味を持っているということが分かる。
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6 業績 (22)
附属看護専門学校
社会人学生は学習への意欲が高い。しかし、新卒の学生に比べ技術習得に時間を
要するなど教育上の問題がないわけではない。大学進学者が増す中、いかにして高
校生を確保するかが課題となる。
■教員のキャリア支援
実習指導員が受講していた大阪府専任教員養成講習会が、
平成 25 年 1 月 29 日をもっ
て終了した。2 月より教員として復帰し、専任教員数が 8 名となった。
他の教員たちも、1 教員 1 学会(研修)の参加ができ、さらに奈良県看護教員研究
会において、専門領域別に研究課題に取り組み発表することができた。
また、院内学術研究会の場でも、平成 23 年度に実施した統合実習の「成果と課題」
を論文にまとめ発表できた。
癒しのコーナーを学校 1 階教務室前に月替りで設置しています。
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6 業績 (22)
附属看護専門学校
■学校行事
秋桜祭(学校祭)
卒業式
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