地域資源の課題及び対応策について

資料4
地域資源の課題及び対応策について
平成26年1月30日
第2回 東海産業競争力協議会作業部会
地域資源の考え方
東海地域の地域資源を発掘・活用し、地域経済の活性化(地域の「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」のやり
とりが活発化することで、「地域」が自立的・持続的に稼ぎ、豊かに発展していくこと)を図ること。
地域資源活用フェーズ
みがく
みつける
●ストーリー性の付与
●ブランド化
●マーケットインの視点による
商品・サービスづくり
●地域の担い手、後継者の育成
みつける
●地域のアイデンティティ
●新たな視点(気づき)
●希少化(らしさ・ならでは)
みがく
つながる
つながる
地域の活性化
魅力
●異業種・他産業との交流
●地域のプロモーション
●地域内外とのつながり
自信・誇り
稼ぐ・働く
資金の循環
文化の伝承
交流の拡大
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地域資源の課題・方向性と東海地域での取組事例(1/4)
みつける
●地域のアイデンティティ
・東海地域にある多様な地域資源の中で、今後活用すべき地域資源の掘り起こしや見極めが必要であり、地域の誇りやエリア・アイデン
ティティとなり得る地域資源のさらなる掘り起こし調査を実施。
★信長、秀吉、家康の三英傑を始め、多くの武将を輩出した地域であり、武将ゆかりの史跡等の資源を有機的に結びつけ「武将観光」
として推進。(愛知県)
★「名古屋城検定」など各地域の誇りである地域資源の価値を深め、広く知ってもらうことを目的にご当地検定を創設。(各県等)
●新たな視点(気づき)
・外国人(留学生・観光客)、若者、女性、 高齢者の関心・ニーズ等の把握。
・マーケットニーズを把握し、マーケットニーズに合わせた地域資源の魅せ方が必要。
・エコ、スポーツ、医療、産業遺産など新しいツーリズムを創出する視点が必要。
・成功事例の分析。
★「世界コスプレサミット」の開催により「名古屋はコスプレの聖地」として位置付け。(名古屋市)
★平成25年の伊勢神宮式年遷宮、26年の熊野古道世界遺産登録10周年の好機を活かし、平成25年4月から3年間、官民一体となって
「三重県観光キャンペーン~実はそれ、ぜんぶ三重なんです!」という愛称とロゴマークを活用し、戦略的に認知度向上に取組。
(三重県)
●希少化(らしさ・ならでは)
・当地域らしさ、当地域ならではの地域資源を見つけるためには、SWOT分析等により当地域の地域資源の現状、事業展開の可能性・事
業スキーム等を検討する必要がある。
★世界に誇る模型メーカーが集積し、製造品出荷額が全国1位のプラスチックモデルを地域資源に位置付け、「模型の世界首都 静
岡」を掲げ「ホビーのまち静岡」を推進。(静岡市)
2
地域資源の課題・方向性と東海地域での取組事例(2/4)
みがく(1/2)
●ストーリー性の付与
・歴史や文化といった地域が持つストーリー性を商品・サービスに組み込み、類似商品との差別優位性を獲得することが必要。
・東海地域の食文化、東海地域の生活スタイル等としてパッケージ化し、戦略的にストーリーを作って新しい展開をしかける視点が必要。
★明治時代に開発された後、一時途絶えていた「水うちわ」を復活。1300年以上の歴史と文化を誇る「美濃和紙」に創業以来120年に亘り
培ってきた美濃手漉き和紙の技術を応用し開発、透き通った外観と水につけて涼を取る、という機能性を合わせ持つ商品。
(岐阜県岐阜市、関市、美濃市)
●ブランド化
・地域の素材の良さや特徴等を活かした商品・サービスを開発し、既存品や他地域の商品・サービスとの差別化を図る。
★安全な農産物の証明であるJGAP(日本緑茶;農薬、飼料の管理や生産記録の徹底等200項目の審査あり)の認証取得。(三重県内企業)
★中央アルプスの伏流水、南信州の清らかな空気、国産米麹から自社培養した微生物、長野県産りんごの果汁を使用し、高付加価値な
「長野県産りんごを使用したプレミアムな飲む酢」他、地域資源を活用しブランド化した多数の商品あり。(長野県内企業)
★ 県産農産物の魅力を独自の価値基準(プレミアム・オリジナル・ヘリテイジ)によってブランド化し、統一コンセプトに基づきその魅力を県
内外へ発信する「おいしい信州ふーど(風土)」プロジェクトを展開。(長野県)
★北アルプスをはじめとする山岳や高原の集積、その中で育まれた暮らしを独自の強みとして活かし、モデル地域内の案内表示の多言語
化や登山道整備といった受入環境づくり等により「世界水準の滞在型観光地づくり」として、観光地のブランド化に向けて取り組んでいる。
(長野県)
★全国で初めて、森林組合や県・市が連携してFSC森林認証( 「森林が適切に管理されているか」を、第三者機関が全世界統一の基準に沿って
審査、認証。認証された森林から生産された木材・木材製品へ認証ラベルを貼り付けることにより、消費者の選択的な購買を通じて持続可能な森林経
営を支援する制度。 )を取得し、天竜材のブランド化に取り組んでいる。(浜松市)
・商品・サービスの品質を維持するため、原産地呼称管理制度等の導入を検討するとともに厳格なブランド管理が必要。
★原産地呼称管理制度(信州産農産物の味と品質を保証するブランド制度。農産物の原料や栽培方法、飼育方法、味覚などについて厳格な審査
を行い、「長野県で生産・製造されたもの」を自信と誇りを持って消費者にアピール。ワイン、日本酒、米、焼酎、シードルについて認定。)により品質の
高い農産物・農産物加工品を提供。地域資源の付加価値向上、品質向上を図る。(長野県)
・海外進出の際には知的財産権の取得が重要。中小企業にとって負担が大きいので公的支援も必要。
★模倣品対策として、海外での意匠登録出願を確実に行っており、ライセンス収入も見込める。(愛知県内企業)
★外国への特許等の出願に係る費用を国の助成制度を活用し各県の支援機関が実施(地域中小企業外国出願支援事業)。(東海4県)
★海外展開における知的財産権の課題・権利侵害・模倣品対策について、知財専門家や支援機関と連携した知財総合支援窓口でワンス
トップ対応
(各県産業支援センター等)
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地域資源の課題・方向性と東海地域での取組事例(2/4)
みがく(2/2)
●マーケットインの視点による商品・サービスづくり
・消費者ニーズを把握・分析しつつ商品・サービスのプロトタイプを制作するとともに、市場投入に当たってはプロトタイプに対する評価を
十分に踏まえることが必要。
★10年以上の歳月をかけて品種改良した「赤いハート型の実がなる木」を「幸せを運ぶ贈り物」というコンセプトの下、誕生日、母の日、
結婚祝い用と位置づけ商品化。テスト販売を行いギフト需要として消費者のニーズに応えられることを検証するとともに、メッセージ
カードを添えるなど商品の「見せ方」も工夫した「ハートツリー」 。(愛知県内企業)
★試作加工機能を強化し、官能評価エリアを併設した「しあわせ信州食品開発センター」を整備し、高機能食品や高齢者対応食品な
ど新たな食品の開発機能を強化。(長野県)
●地域の担い手、後継者の育成
・地域一体となった担い手、後継者の育成が必要。
★地元産業界と工業高校が連携して、高校生が企業において実際に生産機器に触れることができる体験研修を実施したり、企業の
高度熟練技能者を講師として招き技能検定受検や各種競技会参加のための技術力向上の実習を行うことにより、専門性の高い生徒
を育成するとともに職業観・勤労観を育成する。(岐阜県)
★地元中学生の職業体験や地域の子ども達に「お茶育」のイベント開催、茶に関する幅広い知識・技術・教養を備えた日本茶インスト
ラクターが日本茶の普及活動を実施。(三重県内企業)
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地域資源の課題・方向性と東海地域での取組事例(3/4)
つながる
●異業種・他産業との交流
・異業種や異分野間の連携といった視点が必要。(例;酒・食品・調味料×器、ホビー×伝統的工芸品等地域資源のコラボレーション)
・利益相反関係の調整などが必要となることから、自治体や商工会議所、商工会、支援機関等が主体となって互いの立場を相容れる
関係づくりを醸成することが必要。
・自治体や商工会議所、商工会、支援機関等が中心となって連携によるシナジー効果を事業者にも認識してもらう場が必要。
★中小企業を組織化し、相互連携して海外展開を目指すことを目的に、中小企業基盤整備機構中部本部が支援している三重、愛知、
岐阜の各県の「食品輸出研究会」が連携強化のために、「中部食品輸出研究協議会」を設立。海外フェア等3県共同事業や研究会
同士の広域的なネットワーク強化を行う。(中小企業基盤整備機構中部本部)
★ワイン産地を「ワインバレー」として農業・商工業・観光が連携して振興を図る「信州ワインバレー構想」(長野県)
★タクシー協議会と連携し「お茶のまち静岡市タクシーツアー」等によるお茶によるシティプロモーション(静岡市)
●地域のプロモーション
・自治体や商工会議所、商工会、支援機関等の既存支援策の総合的な利活用や多方面に亘る広報・宣伝。
★「三重テラス」(三重県)、「しあわせ信州シェアスペース(仮称)」(長野県)を整備し、首都圏での販路開拓・情報発信を行う。
★JNTO(日本政府観光局)海外事務所に外国語パンフレット設置や海外で開催される旅行博覧会に参加。(高山市)
・広域連携による東海産の農作物・食品の域外(国内外)展開を推進。
★地方自治体の連携によるブランド食材・仕入れ先のデータベース化。
●地域内外とのつながり
・地域内外の外部資源(人・モノ・カネ・情報)の活用。
★地域活性化を目的にコンサルタントや販売・流通の専門家をキーパーソンとして特定地域に派遣。(中部経済産業局)
★デザイナーやクリエイター等と事業者との出会いの場の創出し、ネットワーク構築のための勉強会・相談会を開催。(三重県)
・国際会議等を活用してアフターコンベンション、インセンティブツアーへの組み込みを行う。
★「持続可能な開発のための教育(ESD) に関するユネスコ世界会議」 (H26年11月) (愛知県、名古屋市)
★「国際陶磁器フェスティバル美濃」(H26年9月~10月) (多治見市、土岐市、瑞浪市)
★「浜名湖花博」 (H26年3月~6月)(浜松市)
・検疫、食品検査、残留農薬等の緩和や障壁撤廃、輸出相手国の検査機関等の情報提供が必要。
5
地域資源の更なる活性化に向けて
国、自治体、商工会議所・商工会等各主体が「みつける」「みがく」「つながる」にしっかり取組むことが大切であるが、さ
らに各機関それぞれの取組を超えて、既存施策の組み合わせや有効活用を総合的に行うことによって、「観光」「農林
水産業」「商工業」がつながり、大きな相乗効果が生まれると考えられる。
例えば、
★インバウンド促進を目的とする昇龍道プロジェクトと商店街やおもてなし企業等との連携
★温泉と医療産業を連携させた地域医療ツーリズムとしての展開
★GNI(グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ)の海外ミッション派遣時に地域資源のPRやイベント開催等
★ブランド食材・仕入れ先のデータベース化を地方自治体が連携して作成
など
インバウンド
市場の拡大
シナジー創出
観光市場
グローバル市場
国内市場
持続的発展
市場の拡大
地
ブランド価
値の向上
海外顧客
産業
遺産
商
店
街
域
自然
景観
温泉
伝統
文化
観 光
観光
施設
特産物
ブランド価
値の向上
B級
グルメ
6次化
飲
食
店
医療
産業
加工
食品
商工業
農商
工連
携
おもて
なし企
業
伝統的
工芸品
農林水産業
GNI
昇龍道
各種支援機関による面的支援
6
東海産業競争力協議会での意見及び東海地域の企業等の声(ヒアリング結果等より)
●地域資源としての魅力づくり及び国内外の需要獲得
・個社の活動では限界があり、地域一体となって課題解決や将来の目標に向かって取り組むことが必要。これにより地域資源としての
魅力がさらに高まる。
・地域資源を利用した産学共同研究または産の積極的利用にあたって然るべき助成等の措置が必要であり、併せて地域資源のさらな
る掘り起こしや追加登録を行うと一層の促進が図られるのではないか。
・下請企業であっても付加価値をつけた製品やサービス、製品提案能力が求められる。そのためにも技術開発から製品のブランディン
グ、意匠、商標権を含めて事業計画を立てる必要性を認識することが必要。
・海外進出にあたっては、進出先の食文化に合ったデザイン、製品づくりが課題。
・輸出相手国の植物検疫、食品検査等での規制緩和や検査機関についての情報提供や残留農薬の検査費用支援を要望したい。
●販路開拓
・国内の販路開拓は人員がいないので手が回らず、問屋任せとなっている。
・補助金を活用して海外展示会に出展してきたが、成果が出るまでに数年かかる。このため継続して出展し新商品を出し続けることが
必要であるが、認定期間終了とともに補助金が活用できなくなる。事業期間終了後の支援がない中で国際展開を継続できるか課題。
・酒・酢・味噌・醤油のような伝統的和食醸造食品の海外販路開拓について応援してほしい。(海外向け展示会出展費用助成、海外バ
イヤーを実際に工場に招待し、製品のすばらしさを現地で紹介するためのバックアップ体制等)
●ブランド対策
・途上国において、模倣品が多く出回るのは、相手国の審査制度が不透明かつ不公正のため。 JETROの施策により、模倣品の製造
元を特定することはできるものの、金銭負担等を考えると、泣き寝入りというのが現状。
・下手にマネされるとブランド価値が下がるため中国へは輸出できない。
・世界に対して地域ブランドを発信する必要があるのではないか。例えば、「長野県(信州)の味噌」など「原産地管理呼称制度」を確立
して利用すべきである。海外では、フランス・ボルドー/ブルゴーニュ、アメリカ・ナパバレー等。
・地域ブランドの発信を加速させるバックアップ体制が必要。
●人材の確保・育成、技術の伝承
・陶磁器業界は従業員の平均年齢が高く、若手の確保が難しい。
・毎年コンスタントな採用ができず、年代構成に偏りがある。また、研修にそれなりの費用がかかり、教育にあまり費用をかけられない。
●その他
・農村地域の耕作放棄地問題は大変なものである。土地が守られていく農業の部分に企業参入が増加することを期待。
農業者と企業が一緒になって、環境も含めて守っていけたらすばらしい。
・農業者(米、野菜、茶、花、果樹等)の自立が弱いので、➀農業法人化の進展、➁付加価値を上げるための戦略構築、③改善の考え
方を学ぶ、④経費節減のため、自然エネルギー・再エネルギーを活用等が必要。
7
・日本製の醸造食品の国際競争力向上のために、品質の高い加工用国産米の低コスト調達と流通量の増大を要望。
地域資源活用に向けた課題及び今後の対応策(国)
機関名
東海農政局
方向性
課題
今後の対応策
【国内外の需要を取り込むための輸出促進、地
産地消、食育等の推進】
○世界の食市場は、アジアを中心に、今後10年間で340兆円から
680兆円に倍増する見込み
○海外における日本食の人気は最も高いが、「食」の人気が輸出に
「和食;日本人の伝統的な食文化」のユネスコ無 結びついていない
形文化遺産登録を契機として、内外の食市場を ○原発事故の影響等により輸出額が落ち込み
積極的に取り込み、所得の向上に結びつけるた ○少子・高齢化やライフスタイルの変化等により国内マーケットの構
め、国内外において日本食・食文化への理解を 造が変化
より確固なものとし、日本の農林水産物・食品の
強みを生かせる市場を国内外に創造
①世界の料理界での日本食材の活用推進(Made FROM Japan)、日本の食
文化、食産業の海外展開(Made BY Japan)、日本の農林水産物・食品の輸
出(Made IN Japan)の取組(FBI戦略)による食文化・食産業のグローバル展
開
②学校給食、地産地消、食育等を通じた国内需要の増大、新たな国内需要
に対応した農林水産物・食品の生産・開発・普及
③国内外の需要の取り込みの前提となる食の安全と消費者の信頼の確保
【6次産業化等の推進】
①農商工連携、医福食農連携等の6次産業化、異分野融合研究の推進
②次世代施設園芸等の生産・流通システムの高度化の推進
③新品種・新技術の開発・普及及び知的財産の総合的な活用
④農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギーの導入促進
⑤食品ロス削減の促進
○農山漁村は、農林水産物をはじめ、バイオマス、土地、水など
様々な地域資源を豊富に有し、今後の経済成長に向けた資源
農林漁業の成長産業化のため、市場を意識し、 ○1次産業と2次・3次産業の価値連鎖を結合する仕組みが弱く、そ
消費者の需要に応じて農林水産物を生産・供給 のポテンシャルが活かされていないため、
するとの発想(マーケットインの発想)により、需 ①異業種との新たな結合
②新たな品種や技術による「強み」のある農畜産物づくり
要と供給をつなぐバリューチェーンを構築
③再生可能エネルギーの活用推進
等が必要
○主要先進国で最低水準の食料自給率の中、大量の食品ロスが発
生
【農地中間管理機構の活用等による農業構造の ○農業者の年齢構成は、65歳以上が大宗を占めるという著しくアン ①農地中間管理機構を中心とする関係者の総力で担い手への農地集積・集
改革と生産コストの削減】
バランスな状況
約化、耕作放棄地の発生防止・解消等
○高齢者のリタイア等に伴い、耕作放棄地が急速に拡大
②多様な担い手の育成・確保(法人経営、大規模家族経営、集落営農、新規
就農、企業の農業参入)
農業の競争力を強化し、持続可能なものとするた ○担い手がいない水田集落が半数以上
○地域内の農地利用が分散・錯綜
③高付加価値化・生産コスト削減に資する大区画化と、国土強靱化を踏まえ
め、農業の構造改革を加速化
た水利施設の整備等
④経済界との連携等による、大規模経営に適合した省力栽培技術・品種の
開発・導入、生産資材費の低減、先端モデル農業の確立等
【経営所得安定対策の見直し及び日本型直接支 ○従来の経営所得安定対策は、一律の支払など構造改革にそぐわ ①経営感覚あふれる農業経営体の育成
払制度の創設】
ない面
②農業経営体が自らの経営判断に基づき作物を選択できる環境の整備
○生産調整については、行政による生産数量目標の配分が残存
③地域内の農業者が共同で取り組む地域活動の支援(多面的機能支払)
農業の構造改革を進め成長産業とするとともに、 ○農村地域の高齢化、人口減少等により地域の共同活動に支障
農業・農村の多面的機能の維持・発揮、食料自
給率・自給力の維持向上と食料安全保障の確立
を図る
【農山漁村の活性化】
○高齢化や人口減少の進展による集落機能の低下
①福祉、教育、観光、まちづくりと連携した都市と農山漁村の交流等の推進
○農山漁村の活力の減退
②優良事例の横展開・ネットワーク化
③消費者や住民のニーズを踏まえた都市農業の振興
地域で受け継がれてきた豊かな資源を活用して ○野生鳥獣による被害の深刻化・広域化
④歴史的景観、伝統、自然等の保全・活用を契機とした農山漁村活性化
新たな需要を発掘するとともに、地域の共同活動
⑤農山漁村の人口減少等の社会的変化に対応した地域コミュニティ活性化
を支援し、地域全体で担い手を支える
の推進
⑥鳥獣被害対策の推進
8
中部運輸局
・大須商店街を地域資源として活用し、商店街の
さらなる活性化と訪日外国人旅行客の増加を図 ・大須商店街における訪日外国人旅行客の実態把握
る
・大須商店街関係者との連絡調整
・中部経済産業局との連携
・大須商店街関係者との連携
・大須商店街を訪れる外国人旅行者の実態調査
・VJ事業の大須商店街への展開
・酒蔵の知名度向上、訪問客の増加、お酒への
親しみ・理解を深めることで、観光客等への販売
増加、輸出の促進等を推進。併せて酒蔵ツーリ
ズムを推進し、外国人をはじめとする観光客の増
加を図る。
・参加酒蔵の選定、調整、公募
・参加行政機関等との調整
・観光関係団体との調整
・推進組織の設立
・参加酒蔵の選定
・行政機関(国・県・市町村)との連携
・観光関係団体との連携
・旅行商品の造成
・陶芸関係者との連携
・海外への情報発信
・販売、輸出の促進
・地域の特色ある素材の発掘や地域と旅行会
・「地域の担い手(企業等)」からの観光資源の提案
社、交通事業者、旅行メディア等の総力を結集し ・「目利き」等による観光資源の磨き上げ
た枠組みによる確実な商品化と情報発信等を行 ・取組事例(成功事例)の周知・啓発
い、魅力ある観光地づくりを推進する。
・観光資源と地域の魅力(取組事例)の情報発信
・「地域の担い手(企業等)」とのマッチング
9
中部経済産業局
地域資源を活用した地域ネットワーク※づくり
※「地域ネットワーク」とは、域内の各事業者の経
営資源を補完するとともに刺激し合い強化できる
ような事業者のつながりを言う。産地内の異業種
連携、または、産地間の同業種・異業種連携など
様々な形。
【地域資源の発掘】
○エリア・アイデンティティとなり得る地域資源の調査・発掘
【地域ネットワークの形成】
○ネットワークを構築、運営できるコーディネーターの発掘・育成
○構成員の確保
○構成員間の目的意識の共有化
○運営資金の調達
商店街を新たな観光資源として位置付け、活用。 ・外国人、若者、女性、高齢者の商店街に対する関心、ニーズ等の
把握
・候補商店街の特定、関係者との調整、課題の把握
・活用可能な支援メニューの整理
・運輸局、自治体、観光協会等との連携
【地域資源の発掘】
○SWOT分析等により地域資源の現状及び事業展開の可能性について検
討
【地域ネットワークの形成】
○域内の支援事業者等がコーディネーター候補を発掘する(域内で適切な人
物が見当たらない場合は必要に応じ行政をはじめとする支援機関がコーディ
ネーターを招聘するケースもある)
○域内生産・サービス事業者の所得の増加や雇用の創出効果が期待できる
ため、農林畜水産業、商工業、観光業など幅広い従事者をネットワークに参
加させる→地元自治体や商工会議所、商工会等の協力が必要
○ネットワーク運営資金の調達が最大の課題であり、公的機関によるネット
ワーク構築事業に対する支援制度(補助金等)があれば当該制度の活用が
必要である。(支援制度がない場合については地域ネットワーク構築に至る
までに発生する経費を補助する支援制度の創設が必要。)。
・モデル事例の検討
・おもてなし経営企業選の分析
訪問・見学受け入れに前向きなおもてなし経営企 ・候補企業の発掘、調整、条件等の把握
業を新たな観光資源として活用。
・アフター・コンベンションやインセンティブツアーへの組み込み方策 ・事業スキームの検討
・「ESDユネスコ世界会議あいち・なごや」などMICEとの連携可能性の検討
・運輸局、自治体、観光協会等との連携
空き店舗、空きビル、遊休施設等の既存ストック ・成功事例の把握・分析、普及・啓発
をビジネス(飲食、物販等)やクラフト・デザイン・ ・マッチング
・個別プロジェクトへの支援
現代アート等の活動・発表の場として活用。
・事例分析(美殿町、円頓寺、長者町等)
・プロジェクト組成の可能性を検討
10
地域資源活用に向けた課題及び今後の対応策(県・政令市)
自治体名
方向性
課題
長野県
(共通分野)
・長野県の技術力や豊かな自然環境、多様な農林
水産物などを活かし、独創的な研究開発や生産技
術、6次産業化、さらには「おもてなし」の向上など
によって商品やサービスなどの「質」を追求し、世
界に評価され、貢献できる付加価値の高い産業づ
くりを進め、力強く安定した経済を目指す。
・全国トップクラスの健康長寿、全国一の就業率の
高さ、美しい景観・自然環境や優れた伝統・文化を
活かした、信州ならではのライフスタイルの基盤を
強化する取組を進め、豊かさが実感できる長野県
の実現を目指す。
・長野県の強みを活かしながら信州らしさに磨きを
かけ、「信州」の持つ価値をさらに向上させていく都
道府県レベルでは日本初の総合的なブランド戦略
により、「信州」の統一感のある発信を行う。
(農林水産業)
・人の命の源である食を支える農業は、農業生産のみならず、国土の保全、農村
の美しい原風景の形成、伝統・文化の継承など多面的な機能を発揮している。そ
の一方で、中山間地域においては高齢化が進行しており、美しい自然環境の保全
や地域住民に継承されてきた伝統芸能、食文化といった地域資源の維持が困難に
なりつつある。
・また、需給ギャップが拡大し、デフレが進行する中で、人口減少や円高による経
済不況などによる社会不安が増大するとともに、世界的な経済連携協定の今後の
展開によっては、国産農畜産物の国内市場の縮小などの影響が危惧される。
・このため、自然、歴史、文化、人の絆など身近にありながら、その価値に気付いて
いない地域に埋もれた「宝」を掘り起こす新たな視点・発想により、自らの夢に挑戦
する意欲ある人材の育成や付加価値の高い農業生産の推進が喫緊の課題となっ
ている。
(地場産業(食品加工業・伝統工芸))
・長野県の地場産業の核である食品製造業において事業所数、従業員数が減少
傾向。特に付加価値額の低下が著しい。
・地域産業資源指定件数は758件で資源の多様性に強みがある一方、小ロットの
個別資源が各地域に分散して存在しており、全体としての発信力が弱い。
・信州味噌など強力な発信力を持つものはあるが、多くは他県でも力を入れている
特産品と競合しており、「長野県」独自のブランド色が弱い。
・ニーズに基づく新商品やデザイン開発、広く情報を発信できる拠点の整備、新た
な販路開拓が求められている。
(観光業)
○地域資源に恵まれているにも関わらず、長野県を訪れる観光地利用者数は減
少が続いているため、独自の強みをさらに伸ばすとともに、県民参加・他分野との
連携による観光地域づくり、ブランド力の向上・発信により、この減少トレンドを増加
に転換していくことが重要。
・人口減少、旅行形態の多様化が進む中で、長野県を訪れる観光地利用者はピー
ク時に比べ20%以上減少。特に、スキー客は3分の1に…。
・こうした減少傾向に歯止めをかけ上昇に転じるためには、山岳高原をはじめとす
る長野県の強みをさらに伸ばし、県外の観光地との違いを際立たせることが不可
欠。
・加えて、県民参加・他分野との連携による観光地域づくりにより、来訪者を地域で
迎え、そのよさに共感していただくことが必要。
・さらには、信州らしい食や物産、サービスの価値の向上とブランドとしての発信に
より、来訪者の期待に応え繰り返し訪れていただくことが重要。
今後の対応策
○地域特性を活かした個性的で魅力ある農産物の生産と情報の発信。
(内容)
・地域資源の魅力の掘り起し(「おいしい信州ふーど(風土)」の推進、原産地呼称管理制度
など)
・自信と誇りを持てる農産物の生産(マーケットインの生産、自然条件を活かした農産物の高
付加価値化、環境農業の推進など)
・信州ブランドの確立とマーケットの創出(6次産業化の推進など)
○農業者と非農家住民や県内外の都市住民とが地域資源を共用・活用し、人と人、農村と
都市のつながりや農村コミュニティを維持・強化することにより、魅力ある農村を構築。
(内容)
・人材育成・誘致(農業大学校改革、集落営農組織の育成、新規就農支援、指導者育成な
ど)
・農村コミュニティの強化(農業の多面的機能の維持・発揮のための活動の支援、都市農村
交流活動の推進など) 等
・県工業技術総合センター内に「地域資源製品開発支援センター」を置き、地域資源の商品
化を企画段階から一貫して支援し、品質評価やデザイン改良などにより付加価値の高い製
品開発を促進する。
・試作加工機能を強化し、官能評価エリアを併設した「しあわせ信州食品開発センター」を整
備し、健康長寿・長野県らしい高機能性食品や高齢者対応食品など新たな食品の開発機能
を強化する。 (※平成26年度に施設整備)
・地域産業活性化基金等を活用し、新製品開発やブランド化に係る経費を助成。
・信州の豊かな風土から生まれた食べ物のうち、「プレミアム」・「オリジナル」・「ヘリテイジ」の
3つの基準で厳選した信州産食品の統一ブランドである「おいしい信州ふーど(風土)」や、ワ
イン産地を「ワインバレー」としてゾーニングし、農業・商工業・観光業が連携して振興を図る
「信州ワインバレー構想」など、各地域の地場産品を有機的に結び付け、全体の発信力を強
化する。
・消費者が求める産地、味、品質を保証する「原産地呼称管理制度」(ワイン、日本酒等)に
より、信州ブランドの一層の魅力向上を図る。
・首都圏での情報発信力を強化するため、食をはじめとする文化やライフスタイルなど信州
の魅力を総合的に発信し、体感させる「しあわせ信州シェアスペース(仮称)」を整備する。
(※平成26年度に運営開始)
○長野県独自の強みを地域全体で磨き上げ、その魅力を統一感をもって発信することによ
り、国内外から訪れる多くの人でにぎわう観光地づくりに取り組む。
・雄大な山岳やさわやかな高原、美しい景観、優れた雪質のスノーリゾート、多様な魅力にあ
ふれる温泉など信州の強みをさらに伸ばし、世界的に評価される山岳高原観光地を形成す
る。
・また、観光地域づくりや地域のおもてなしをリードする人材や推進組織の育成・支援により、
地域資源を活かした新たな滞在交流プログラムの開発を進める。
・合わせて、信州らしい食や物産、サービスの魅力を向上させるとともに、信州ブランドとして
期待以上の価値を提供する。
・平成26年度末の北陸新幹線(長野経由)の金沢延伸、平成32年(2020年)の東京オリン
ピック開催を視野に入れながらこうした施策に重点的に取り組み、交流人口の拡大や来訪者
の滞在時間の増加を図ることで地域経済に貢献する。
11
岐阜県
全国に通用する新たな観光資源の発掘・認定
(岐阜の宝もの・明日の宝もの)や、食・モノなどの
他の地域資源との一体的PR等により磨き上げて
きた観光資源の、更なる魅力向上と連携促進など
を通して、滞在時間の拡大及び観光消費額単価の
底上げを図り、観光産業の基幹産業化を実現す
る。
○国内観光客の誘致
岐阜県の観光入込客数は全国第8位と上位にあるものの、延べ宿泊客数では同
27位、観光消費額は同17位と中位にとどまっている。今後は宿泊客の増加及び
日帰り観光客の消費額単価の向上を図ることが必要(順位は平成23年)。
○ 「人を呼ぶ」観光産業づくり
・3大都市圏に狙いを定めた旅行商品造成と誘客PR
・外国人観光客の更なる拡大に向けた取り組みの強化
・清流の国ぎふめぐる旅の展開
○ 「おもてなし」の観光産業づくり
○海外からの観光客の誘致
・観光資源の魅力向上
岐阜県の外国人宿泊客は台湾、タイが牽引し、平成24年に震災前の水準まで ・観光産業を支える人材の育成
回復しているが、更なる拡大に向けて、今後もターゲット国の需要に合わせた対策 ・外国人観光客を受け入れる環境整備
が必要。
○ 「連携する」観光産業づくり
・異業種との連携による観光PRの推進
・異業種連携や産学官連携の推進
12
静岡県
(産業資源)
○新産業集積クラスターの推進
・東部・中部・西部のそれぞれの地域資源と特徴あ
る産業基盤を活かし、東部地域を中心としたファル
マバレー(医療・健康)、中部地域を中心としたフー
ズ・サイエンスヒルズ(食品)、西部地域を中心とし
たフォトンバレー(光・電子技術)の3つの産業集積
プロジェクトを「静岡新産業集積クラスター」として
推進している。
(産業資源)
○成長産業分野への地域企業の参入支援
・新エネルギー、航空宇宙、次世代自動車などの
今後成長が期待される分野への中小企業の参入
促進を加速するため、技術相談から研究、試作品
開発、事業化、販路開拓までを一貫して支援する。
(農業資源)
○消費の創出(食の都づくり)
・地産地消による「食文化」の創造
・新しい商品やサービスを生み出す6次産業化の
推進
・多彩で高品質な農産物のブランド化と国内外へ
の発信
(観光資源)
○静岡県観光の目指す方向
①ふじのくに観光ブランドの構築
②外国人観光客の倍増
③ニューツーリズムの創出
○新産業集積クラスターの推進
・各プロジェクトの推進機関と連携し、各種助成事業を活用した研究開発成果の事
業化
・製品化事例の広報や展示会への出展などによる販路開拓の支援
・県内地域企業の更なる参画の拡大
○新産業集積クラスターの推進
・地域企業の新製品・新技術の開発や国内外の新たな市場への進出支援
・地域企業が各分野に参入しやすい環境の整備
・地域企業において製品の開発等を担う中核的な人材の育成
・研究開発とその成果を活かした産業化をより一層進めるため、3つのプロジェクトの連携を
強化
○成長産業分野への地域企業の参入支援
・地域企業の様々な段階に合わせ、啓発・技術相談から研究・試作品開発、事業
化や販路開拓までの一貫した支援が必要
・企業に対する数多くの研究・試作品開発への助成を実施してきたことから、助成
案件を製品化につなげるため、事業化や販路開拓への重点的な支援が必要
○成長産業分野への地域企業の参入支援
・地域企業が成長産業分野に参入する上で必要な業界ニーズや技術動向に関する情報提
供、技術力の向上、製品化に向けた研究・試作品開発費への支援、事業化や販路開拓の支
援を総合的、一体的に実施
・製品化を支援する助成制度、商談会の開催や展示会への出展支援の充実・強化
・産学官金が連携した地域企業に対する事業化や販路開拓支援
○消費の創出
①地産地消の推進
②6次産業化の推進
③ブランド化の推進
○消費の創出
①地産地消の推進
・豊富な県産農産物の情報発信強化
・地産地消の取組支援
・学校給食における県産農産物の利用拡大
・食育の推進
②6次産業化の推進
・支援体制の構築
・実現に向けたサポートの実施
・マッチングの支援
③ブランド化の推進
・ふじのくに食文化の創造
・ブランド品の創出
・県産農産物等の海外市場開拓
・安全安心で高品質な農産物の提供
○静岡県の観光の課題
①宿泊客数の大幅減少
②外国人の受入体制が不十分
③主要マーケットの関東からの来訪者の減少
④伊豆半島などの観光ブランドの弱体化
○世界に誇れる観光ブランドの創出
①富士山世界文化遺産の登録とその魅力の充実による富士山ブランドの確立
②伊豆半島全域のジオパーク構想の推進
③ふじのくにブランドの磨き上げと情報発信の推進
○海外誘客の推進
①東アジア等重点セールス
②近隣県等との広域連携による観光プロモーションの推進
③人材育成や案内標識の整備などによる受入体制の充実
○新しいツーリズムの推進
・多彩な価値観に基づいた体験型・目的志向型へと変化した旅行者のニーズに対応するた
め、健康、歴史、環境、産業など多彩な地域資源の新結合によるテーマ性を備えた新しい
ツーリズムの推進。
・産業観光、フィルムツーリズム、グリーンツーリズム、スポーツツーリズムなど
13
愛知県
(1/2)
(産業資源)
【ブランド構築に対する戦略不足】
【地域産業資源の掘り起こし】
現在の支援スキームは、個別企業の取組支援であり、地域資源の統一的なブラ
行政、支援機関等が一堂に会する「地域資源活 ンド構築や、企業間連携等による力の集結といった視点に欠ける。
用促進協議会」を全県レベル、地域レベルで開催
する。
(地域産業資源指定数全国5位)
【地域資源の磨き上げの強化】
「あいち中小企業応援ファンド」による地域資源を
活用した新製品開発・販路拡大を支援する。
・年1回→年2回の募集へ拡大
・「農商工連携」「ものづくり応援ファ
ンド」の新設による支援の強化
【地域産業資源のコラボ、パッケージ化】
酒・食品と器、織物と器など、地域資源のコラボレーションやテーブルウェアとしてパッケー
ジ化などにより、企業間の連携や統一のブランド構築を進め、新たな需要開拓を目指す。
【広域連携によるインパクトをプラス】
(イメージ:昇竜道プロジェクト)
日本酒ややきものなど県域を越えた商品群を一堂に集め国内外へ販路拡大するミッション
を実施する。
(観光資源)
【武将観光の推進】
愛知特有の地域資源を活かした観光ブランドで
ある「武将観光」を推進する。
本県は、信長、秀吉、家康の三英傑を始め、多くの武将を輩出しており、これら武 愛知ゆかりの戦国武将の妻、娘などで構成される「あいち戦国姫隊」によるPR事業や、武
将ゆかりの史跡が多く残されている。これらの資源を「武将」という観点で有機的に 将観光施設を巡る事業の実施等により、武将観光の更なる振興を図る。
関連付け、線または面に整理し、「武将観光」として全国に通用する観光ブランドと
して育成することが必要である。
(観光資源)
【産業観光の推進】
愛知特有の地域資源を活かした観光ブランドで
ある「産業観光」を推進する。
本県の特色である「ものづくり」を活かした産業観光を推進するため、引き続き地 産業観光施設のネットワーク化や、産業観光をPRする「産業観光あないびと」の育成、フィ
域を挙げて魅力の向上に努め、国内外への情報発信を強化することが必要であ ルムコミッション活動への支援などの取組を進める。
る。
(観光資源)
観光振興には、地域の観光関係団体等が主体となった事業を進めていくことが 地域の観光関係団体等から、環境観光、グリーンツーリズム、ベイツーリズムなど、地域資
重要であり、地域の実情に応じた幅広い連携と協働の下、観光資源の掘り起こし、 源を活用したツアー造成やイベント開催の企画を公募し、その中から、特に事業効果の高い
【観光資源の発掘・商品化の支援】
本県特有の観光資源を活用した、観光資源の掘 磨き上げ、情報の発信が必要である。
ものを選定し、商品化等を支援する。
り起こしを行うため、新たな商品開発を支援するこ
とで、愛知の新しい観光の魅力を内外に発信す
る。
(観光資源)
誘客の拡大が見込まれる地域において、プロモーション活動を実施する必要があ 観光客の拡大に向け、大きな観光需要が見込まれる首都圏において、トップセールスの実
【プロモーション活動の強化】
る。
施やPR活動に取り組んでいく。
大きな観光需要が見込まれる首都圏及び関西圏
において、観光プロモーション活動を推進する。
(観光資源)
外国人観光客の拡大に向け、魅力的な観光を企画・造成するとともに、海外での 「中部広域観光推進協議会」や「東海地区外国人観光客誘致促進協議会」の活動を通じ、
観光プロモーション活動や、現地旅行会社の招聘事業等を実施する必要がある。 周遊コースの造成支援、観光展への出展、現地旅行会社の招聘、セミナーの開催等により、
【外国人観光客拡大のための広域連携強化】
「中部広域観光推進協議会」や「東海地区外国人
外国人観光客の拡大を図る。
観光客誘致促進協議会」の活動を通じ、外国人観
光客の拡大を図る。
14
愛知県
(2/2)
(農林水産資源)
【6次産業化や農商工連携の推進】
農林漁業者が取り組む農林水産物の加工・販
売、農家レストランの開設などを推進するほか、体
験農園の開設や、グリーンツーリズム、ベイツリー
リズムなどの取組を支援する。
農林水産業と商工業がバランスよく発達している本県の強みを生かし、6次産業
化や農商工連携など、消費者・加工業者等の嗜好を的確に捉える「マーケット・イ
ン」の視点に立った付加価値の高い商品開発や、本県農林水産物の県内外での
販売促進といった、加工・販売面での取組強化を図る必要がある。
県、国、生産者団体、学識経験者などを構成メンバーとする「6次産業化推進会議」を設置
し、6次産業化の推進方策を幅広い視点から検討し、県産農林水産物の高付加価値化に向
けた取組を強化する。
また、食品製造業が盛んな本県の強みを生かして、生産者と加工業者等のマッチングの場
を設け、愛知の農林水産物を活用した新商品の開発など、農商工連携の取組を一層推進す
る。
(農林水産資源)
【「花の王国あいち」の推進】
愛知の花きは、圧倒的な日本一の生産額を誇
り、多くの品目が全国トップシェアを占めており、
「あいち花フェスタ」や「フラワーマルシェ」など、花
と緑のイベントの開催や花いっぱい県民運動など
を継続的に推進し、花きの需要をより一層高める。
本県の花き産出額は、昭和37年以降、50年連続して全国第1位であり、全国シェ 中部国際空港や主要駅周辺などを中心に愛知の花の植栽や装飾を施し、国内外からの観
アは約15%を占めている。
光者等を愛知の花でおもてなしをするなど、「花の王国あいち」のPRに力を入れる。
こうした「花の王国」である愛知において、県民に花への関心を高めていただき、
需要を更に拡大する必要がある。
(農林水産資源)
【地産地消の推進】
地産地消の推進に向け、「いいともあいち運動」
や、学校給食等における県産農林水産物の積極
的な活用などを進めていく。
本県は、742万人の人口を有する大消費地であるという特徴を活かし、15年前 スマートフォンやパソコン等により県産農林水産物の生産や利用に係る様々な情報が発信
から独自の地産地消の取組として「いいともあいち運動」を展開しており、更なる推 される仕組みづくりを進めていく。
進が必要である。
(農林水産資源)
【国内の需要拡大】
全国トップシェアを誇るキャベツ、ふき、しそ、いち
じくなどの農産物や、「名古屋コーチン」や「きぬあ
かり」(小麦)等、愛知の高品質な農林水産物を広
く国内にPRし、あいちのブランドを確立する。
本県には、全国有数の生産量を誇る農産物や水産物が多数あり、それらを一層 国内における需要拡大に向け、トップセールスの実施やメディアを活用した取組を進めてい
知っていただくため、消費者・加工業者等の嗜好を的確に捉える「マーケット・イン」 く。
の視点に立った付加価値の高い商品開発や、本県農林水産物の県内外での販売
促進といった、加工・販売面での取組強化を図る必要がある。
(農林水産資源)
【農林水産物等の輸出の推進】
県が設置した「農林水産業国際競争力強化セン
ター」を核に、アジア諸国のマーケティング調査、販
売促進会や海外バイヤーとの商談会、知事のトッ
プセールスなど、生産者団体、食品産業団体、ジェ
トロ等との連携を強化し、農林水産物や加工食品
の海外市場の獲得に向けた取組に力を入れる。
わが国の人口が減少傾向に転じ、国内市場の伸びが期待できない一方で、アジ
アなどでは、人口増加や経済発展に伴って食料等の需要増加が見込まれ、「和
食」がユネスコの世界無形文化遺産に登録されるなど、世界的な日本の食文化へ
の関心の高まりとあわせて、海外の市場へも積極的に目を向けていくことが必要で
ある。
輸出に取り組む農林漁業者等に対し、海外のニーズ、宗教、食文化など、農林水産物等の
海外展開を進めるために必要な情報を積極的に提供する。
さらには、県産の農林水産物と酒類や調味料、瀬戸焼や常滑焼などの和食器等を組み合
わせ、「あいちの食文化」を一つのパッケージとして提案するなどの新たな輸出戦略を打ち出
す。
15
三重県
(観光)
伊勢神宮や熊野古道、鈴鹿サーキット、伊賀忍者・海女、松阪牛など、個々には有 テーマ性やストーリー性のある情報発信を行うとともに、地域ならではの旬の情報発信を行
平成25年の神宮式年遷宮、26年の熊野古道世界 名な観光資源はあるものの、それらが三重県にあることがあまり知られていない。 うことで、県内の「周遊性・滞在性の向上」、「リピーターの獲得」に努め、持続的に魅力ある
遺産登録10周年の好機を活かし、平成25年4月か 魅力ある観光資源を効果的に発信することが必要である。
観光地づくりを行っていく。
ら3年間、官民一体となって「三重県観光キャン
ペーン」を展開しています。キャンペーンでは、「実
はそれ、ぜんぶ三重なんです!」という愛称とロゴ
マークを活用し、三重の「認知度向上」に取り組ん
でいます。
(伝産・地場産)
デザイナー・クリエイター等とのマッチング創出の場が確保できない、販路を見据え 首都圏をはじめ県内外のデザイナー等と伝産・地場産業事業者等とのマッチングを促進し、
ライフスタイルの変化等による需要の減少に対応 た商品開発ができていないなど、事業者が自立・発展していくための環境づくりが 現代のライフスタイルに合ったデザイン等による新商品の開発や首都圏営業拠点「三重テラ
するため、首都圏をはじめ県内外で活躍するデザ 課題となっています。
ス」において商品の情報発信を行うなど新たな販路の開拓を進めていきます。
イナー・クリエイター等との連携による新たな価値
また、デザイナー・クリエイター等と事業者との出会いの場を創出し、ネットワーク構築のため
創造に向けた取組や首都圏及び海外を視野に入
の勉強会や相談会を開催します。
れた販路拡大などに取り組んでいます。
(農林水産資源)
連携プロジェクトを創出するための異業種や産学官のマッチングを進めるコーディ 県職員がプロジェクト運営に主体的に関わる中でコーディネート力の向上に取り組むととも
こだわりの農林水産物などを付加価値の高い売れ ネート人材の育成・確保が課題である。
に、民間コーディネーター等を活用し異業種・産学官のマッチングを進める。
る商品となるように商品力を高めるためには、生産
者だけでなくクリエーター、メーカー、研究機関など
との連携を進める必要がある。そのため、異業種
や産学官のネットワークを構築し、商品化に向けた
連携プロジェクトを進めるとともに、東京日本橋に
オープンした「三重テラス」などを活用し首都圏等
での販路開拓に取り組む。
16
静岡市
◯農林産業資源 【茶】
◯農林産業資源 【茶】
◯農林産業資源 【茶】
「静岡市茶どころ日本一計画」に基づき、“地域力
が高い真のお茶のまち”へ向けた取り組みを推進
する。
・「お茶のまち静岡市」のブランディング。
・「お茶を中心に交流の輪が広がるまち」として、訪
日旅行客に対し、静岡市への来訪とお茶の購入の
促進を図る。
・静岡茶輸出について支援する。
・静岡市への来訪者を出迎える玄関口であるJR静岡駅に降り立った際の“お茶”
のイメージが弱い。
・茶生産者の高齢化と4年連続した農作物被害により経営が弱体化し、地域資源と
しての茶栽培自体が縮小している。
・茶の輸出に当たっては、既に取り組んでいる事業者がある一方で、新規参入には
ポジティブリストへの対応などが障壁となっている。
・静岡市タクシー協議会と連携して始まった、[お茶のまち静岡市タクシーツアー」などによる
お茶によるシティプロモーションの継続・強化。
・茶栽培・茶生産の継続・維持のための茶農家に対する支援(生産基盤の改良、共同化推
進)
・関係機関には輸出相手国の検査機関についての情報提供や橋渡しをお願いしたい。
・また残留農薬の検査費用に対する支援をお願いしたい。
◯産業資源
◯産業資源
◯産業資源
【健康・食品産業】
静岡県や関係各市を含む産学官連携により、静岡
市の豊かな農水産物を活かした安全で美味しい食
品や高機能の健康食品の研究開発を進め、既存
企業の新商品開発の推進及び市内への食品関連
産業の集積を図る。
【健康・食品産業】
・食品関連の輸出に際しては、中小企業者の輸出に関する知識(貿易実務、輸出
国の規制)と人材が不足しており、躊躇している企業が多い。
・農水産物に関しては、輸出の際の品質の維持や植物検疫に期間を要することな
どが障壁となっている。
・機能性食品の研究開発が試作品にとどまり、事業化件数が少ない。
【健康・食品産業】
・貿易に関する経験と知識の情勢については、支援機関と連携しながらセミナーや個別相
談、商談会等を実施していく。
・植物検疫等への対応については、緩和措置等を要望していく。
・事業化を推進するため、コーディネーターによるマッチングや本市産業支援機関のマーケ
ティング支援事業等を活用する。(国の補助金メニュー等を有効活用したいと考える)
【ホビーのまち静岡】
・世界に誇る模型メーカーが集積し、製造品出荷額
が全国1位のプラスチックモデルを地域資源に位
置づけている
・「模型の世界首都 静岡」を掲げ、「ホビーのまち
静岡」の推進を図り、産業振興と交流人口の拡大
につなげていく。
【ホビーのまち静岡】
・静岡ホビーショーは4日間で8万人・クリスマスフェスタは2日間で4万人の集客が
あるが、そのどちらもが短期間開催であり、継続的交流人口の増加につながってい
ないため、一層のPR強化が必要である。
【ホビーのまち静岡】
・模型業界と行政が一体となり、シティプロモーションの継続と強化を図る。
・本市が世界に誇る地場産業(地域資源)であるプラスチックモデルキットの海外市場拡大展
開は、個々の企業努力により実施されている。
そのような中、クールジャパン戦略の一環事業として、例えば「(仮称)ジャパンブランド認証
制度」などの創設を検討していただきたい。
◯観光資源
◯観光資源
◯観光資源
・「静岡市観光戦略(H22.3策定)」において、イメー
ジの確立と情報発信の強化を基本方針とし、その
具体のひとつとして「魅力ある資源を活かした観光
開発の推進」を掲げている。
・具体的な重点戦略としては、富士山の景観、歴
史・文化、港、食文化、産業などに焦点を当て観光
推進を図っている。
・今後も、三保松原をはじめ観光資源をさらに磨き
上げ、情報発信し、ブランド力を備えていかなけれ
ばならない。
・世界文化遺産「富士山」三保松原の活用にあっては、資源の売り込みだけでなく、
保全との両立で推進していく必要がある。
・静岡市の観光資源については、全国や諸外国への情報発信が不十分であり、
せっかくの一級品の価値が、あまり知られていない実情がある。
・松の保全に配慮し、新たに団体バスの来場に一部規制をかけるため、バスを手前の駐車
場に止めた上、観光客は参道(神の道)を10分程度歩かせることとなる。今後、旅行社への
協力を求めるとともに、歩行弱者への対応が急務となる。
・観光資源の情報発信強化を図るため、静岡観光コンベンション協会と本市との共同で、
ホームページの全面リニューアルを予定している。
・本市では静岡Wi-Fiパラダイス(公衆無線LAN事業)を進めているが、こうした情報提供環
境を活用し、また、多文化共生に対応した観光案内所や案内板等の充実により「まち歩き」
観光を進めていく。
17
浜松市
1 農林水産資源
1-(1)
(1)先端技術の活用やマーケティング戦略に基づく コーディネーターの確保と人材育成
農林水産業の6次産業化及びブランド化を推進し また、活動の中心となるキーパーソンの育成
農林水産物の高付加価値化を図る。
(2)FSC森林認証制度を活用した天竜材のブランド 1-(2)
化を進め、新たなビジネスモデルの創出を推進す FSC森林認証材の普及
る。
2 観光資源
2-(1)
(1)浜名湖を中心とした観光プロモーションの強化 ・観光地や食事の充実など、長期滞在を促す魅力づくり
やコンベンションの誘致、インバウンド戦略の推進 ・満足度を向上させるための受け入れ環境整備
による国内外からの交流人口の拡大を図る。
3 産業資源
(1)「はままつ産業イノベーション構想を推進」し、次
世代輸送用機器、健康・医療、新農業、光・電子、
環境・エネルギー、デジタルネットワーク・コンテン
ツ産業を新たなリーディング産業として位置づけ、
新産業の創出を目指す。
(2)未来創造「新・ものづくり」特区に掲げる、市街化
調整区域における農業と工業のバランスある土地
利用を目指す。
(3)東南アジア地域等へ進出することにより海外需
要を取り込み、国内事業の活性化を図ろうとする
意欲的な中小企業への支援体制を形成する。
3-(1)
市域を越えた産学官金連携や既存技術・知的財産・大学シーズ等を活用した新成
長分野への新事業展開に対する支援及び支援体制
3-(2)
農地法、農振法の規制緩和と農業と工業のバランスのとれた土地利用計画
3-(3)
JETROとの連携や海外相談窓口の開設
1-(1)
事業活動の経費の一部を助成することで、農林漁業と商工業が連携した地域を牽引するよ
うな事業を育成する。
1-(2)
①公共施設建築時のFSC材の積極的活用、②FSC材の使用に関する努力義務の明文化、
③COC認証の取得等を促進する。
2-(1)
・アセアン諸国をターゲットとした、国情や市場ニーズに主眼を置いた誘致事業を展開してい
く。
・観光パンフレットや観光案内マップ等、観光情報提供ツールの多言語化を進めるなど、受
け入れ環境整備に取り組む。
3-(1)
浜松・東三河ライフフォトニクスイノベーション(文科省)の展開推進によるオープンイノベー
ションの手法を取り入れた新事業の創出。
3-(2)
総合特区制度による国との協議を進め、耕作放棄地を含む内陸部への工場移転による新
産業集積や、農地集約による農業の企業参入などの基盤整備を行う。
3-(3)
ジェトロ浜松貿易情報センターとの連携や、海外レンタルオフィス、レンタル工場等の確保に
努める。
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名古屋市
1 観光
市民が誇りを感じ、国内外の観光客を惹きつける
多彩な魅力に溢れた観光まちづくりの推進や、市
民、民間事業者、行政が力をあわせて交流拠点都
市の創造・発信に取り組むとともに、裾野の広い観
光産業を振興する。
2 伝統産業
名古屋伝統産業協会や関係団体との密接な連
携のもと、伝統技術の継承、販路開拓、製品のPR
などを支援し、伝統産業の振興を積極的に図って
いく。
1 観光
(1)名古屋らしさを活かした魅力の創出
(2)効果的な情報発信
(3)おもてなしの充実・観光客の回遊性の向上
2 伝統産業
(1)生活様式の変化及び安価な輸入製品や大量生産品の普及などによる需要
の停滞・消費者ニーズの多様化への対応
(2)熟練の技術者の高齢化や後継者不足を解消するための若手技術者の育成
1 観光
(1)名古屋らしい魅力の創出
・名古屋城本丸御殿の復元 など
(2)観光プロモーションの推進
・物産展等を活用した全国観光プロモーション
など
(3)おもてなしの充実、広域観光の推進
・観光案内所の充実
・中部広域観光推進協議会等への参画 など
2 伝統産業
・若手技術者の育成、現代感覚にあった新商品の開発、PR用の冊子等の作成や展示会・
見本市への出展などに要する経費の一部を助成する制度を継続して実施することにより、後
継者の育成や新たな需要の掘り起こし等を支援する。
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