地域協働による新見公立大学内子育て支援拠点「ひろば “にこたん”」の交流事業について 〜多世代交流と利用者(パパ・ママ)・学生スタッフ活動の促進を目指して〜 ●得られた成果及び評価 (1)世代間交流事業 ●残された課題とその解決への展望 世代間交流事業については、活動を通して地域住民は 西方地域では、菜園づくりやお月見だんごづくりなど 交流の意義を感じ、引き続き活動を展開していきたいと 繰り返し交流を行うことにより、親子と地域住民が顔見 いう意欲を見せている。現在は、子育てカレッジのスタッ 知りとなり、再会を楽しみにしたり、親しく話ができる フが関わって、地域のエンパワメントを図っているとこ 関係づくりができた。栄養改善協議会の委員の方からは、 ろであるが、今後は、地域の文化や環境、人材を生かし ③お月見だんごづくり(西方地域) 柏餅の由来や食育についてのお話しもあり、子どもに伝 ながら、地域住民総出で地域の子どもの子育てを応援し、 ④芋掘り(幼児教育学科学生) えたい昔からの習わしや家庭における食育の重要性につ 豊かな子どもを育んでいけるよう、継続的かつ発展的な いて伝えることができた。また、カレッジの子育て支援 取り組みを目指し、後方支援を行う。また、この取り組 ①ブランコづくり 者は、ひろばで培われたコーディネート力を生かし、支 みを他の地域においても広げていくよう、市内全体の子 カレッジ」は2008年4月の開設から本年で8年を経過し ②砂場が大変身 援者としての力をより一層高めることができた。 育て支援力の向上と子育てを核とした地域の活性化に取 た。大学の専門的な知識を生かし、地域・行政等と協働 ③焼き芋 あっちっち〜 にいみ子育てカレッジ運営協議会 代表:難波正義 ●研究・実践活動のねらいと期待する成果 (1)ねらい 地域協働による大学内子育て支援拠点「にいみ子育て し子育て支援に取り組み、子育て中の親子の具体的ニー ズや課題をより反映し、子育て支援ネットワークを生か した「子育てを核とした地域づくり」を目指している。 そのために、既存のネットワーク以外に新たなネット ワークの構築と更なるエンパワメントの発展を図る。 (2)期待した成果 様々な世代が交流する機会を設けることにより、それ ぞれの世代の子育てや子育て支援に対する考え方の違い、 (2)パパ企画 (3)ママスタッフ企画 (2)パパ企画 パパ企画として意図的に事業として打ち立てたことに り組んでいく。 また、パパ・ママ・学生スタッフの企画については、 ①にこたんバザー より、外遊びの環境づくりや砂場をプールに大変身させ 引き続き子どもの育ちにとって大切なものは何かを考え ②ハロウィンパーティー たり、焼き芋づくりに取り組んだりと、父親ならではの たり、気付いたりする機会とするとともに、パパ・ママ・ ③親子ヨガ ダイナミックな遊びを企画し実施した。その結果、これ 学生それぞれがエンパワメントを発揮し、子育てに積極 ④ママさんデュオ スプリングライブ までより他の子どもや子育てに関心を示す父親の姿が見 的に関わることにより、より自分の自尊感情を高められ (4)学生スタッフ企画 られるようになった。父親自身が潜在的なエンパワメン たり、生活に意欲を持てたりするような主体的な活動へ ①夏祭り トを発揮する機会となったり、子どもを介して父親同士 導いていく。 ②クリスマスパーティー が交流したりと、仕事以外では経験できない感情体験を (執筆者:三好年江) する中で、リフレッシュする姿も見られた。 ギャップを理解し、世代間で交流することの楽しさやそ (3)ママスタッフ企画 の意義を実感するとともに、継続的な “地域の活性化” 「ママスタッフ」として自主的な活動に取り組んでい に繋げていく。また、子育て中の親や学生が主体的に子 〈連絡先〉 にいみ子育てカレッジ 育てに関わり、子どもの育ちを考えながら様々な事業を るひろば利用者は、子育てをしながら行事を企画し、運 〒718-8585 新見市西方1263-2 企画・運営する中で、親としての育ち、将来の子育て支 営することにより、 「働いていたころの感覚を久々に味 TEL:0867-72-0634 FAX:0867-72-1492 援者としての育ちを促すとともに、潜在的なエンパワメ わい新鮮だった。 」 「行事を成功させた達成感を味わうこ ントを引き出す。 とができた。 「皆と企画し、 」 活動することが楽しかった。 」 等、活動を通して充実感を味わったり、支援される側か ●研究・実践活動の内容と方法 ら支援する側へと意識の変化が見られるようになるなど (1)世代間交流事業 の育ちを見ることができた。 (4)学生スタッフ企画 ①野菜・花の苗植え交流(西方地域) 学生は、親子との触れあいを通して子育ての現状を知 ②柏餅づくり(栄養改善協議会) パパたちによるブランコづくり り、親子や親子の関係性について理解を深め、現在社会 における子育て支援の必要性についての学びを深めるこ とができた。 西方地域の方々との野菜・花の苗植え 86 パパたちが企画した “砂場が大変身” 大学・短期大学が地域と連携して行う活動 87
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