播種性血管内凝固、敗血症、その他の真菌症 および手術・術後の合併症

その他(播種性血管内凝固、敗血症、その他の真菌症
および手術・術後の合併症の発生率)
播種性血管内凝固、敗血症、真菌症、手術・処置等の合併症の患者数と発症数を集計しました。
DPC病名と入院契機が「同一」か「異なる」に分類して集計しております。
「同一」とは、ある病気の入院目的で入院し、その病気の治療を行ったことを表し
「異なる」とは、ある病気の診療目的で入院したが、併発していた、もしくは入院中に違う病気が発症
したことにより、その治療が主となってしまった場合を表します。
定義
最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固(DPCコード:130100)、敗血症(DPCコード:180010)
その他の真菌症(DPCコード:180035)、手術・術後の合併症(DPCコード:180040)について患者数を
カウントし、全入院患者に対する発症率を掲載しております。(DPC6桁分類とする)
発症率はそれぞれの患者数÷全入院患者数×100とし、少数は2桁まで掲載する。
1入院(三日以内の再入院を除く)1カウントとする。
年間10名未満の区分については、表記上「-」とする。
◇DPC6桁分類(DPCコード)
14桁あるDPCコードのうち、上6桁で病名が表されるコードです。DPCコード6桁で表示される場合は
病名による分類を示しており、医療行為などは含まれておりません。
◇播種性血管内凝固(DIC)
感染症などによって起こる全身性の重症な病態です。治療に大きな医療資源が投入されるため
該当するDPCで高額な点数が設定されています。
◇敗血症
感染症によって行う、全身性炎症反応の重症な病態です。治療に大きな医療資源が投入されるため
該当するDPCで高額な点数が設定されています。
◇真菌症
真菌による感染症です。
◇手術・処置などの合併症
手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。
合併症は、そのような術式でもどのような患者さんでも一定の確率で起こり得るものなので医療ミスとは
異なります。
◇発症率
全入院患者さんのうち、該当の病気で発症した患者さんの割合です。
DPCコード
傷病名
130100
播種性血管内凝固
180010
180035
180040
入院契機
患者数
発生率
同一
-
-
異なる
28
0.34%
同一
24
0.28%
異なる
28
0.33%
同一
-
-
異なる
-
-
同一
34
0.40%
異なる
-
-
敗血症(1歳以上)
真菌症
手術・処置などの合併症
解説
厚生労働省による平成26年度の全国DPC対象病院における集積データでは、それぞれの割合は
播種性血管内凝固:0.17%、敗血症:0.56%、真菌症:0.01%、手術・処置などの合併症:1.28%となって
おります。全国値と当院の数値を比較しますと播種性血管内凝固は0.34%と全国値より高く、残りの3指標
については、全国値より低い数値でした。播種性血管内凝固については、DPC病名との入院契機病名が
異なる場合(29件、平均年齢:72歳)の疾患としては、消化器系疾患:9件、癌:8件、呼吸器系疾患:8件
尿路系疾患:2件、血液系疾患:2件でした。もともと、癌や感染症で入院後も基礎となる疾患が重症化した
ものが多く、様々な要因により播種性血管内凝固に至ったものと考えられます。
敗血症については、DPC病名と入院契機病名が異なる場合(28件、平均年齢:69歳)の疾患としては
呼吸器系疾患:5件、消化器系疾患:5件、循環器系疾患:5件、自己免疫系疾患:4件、癌:3件、その他:6件
でした。手術・処置などの合併症については、DPC病名と入院契機病名が同一の症例であり、もともと
手術・処置の合併症を主訴として入院され治療を受けた患者となります。手術・処置などの合併症は、統計
学的にみてもある一定の割合で起こり得るものとされておりますが、手術・処置などの施行時には、細心
の注意を払うとともに、病院全体での合併症予防への取組み強化を図っていきます。起こり得る合併症に
ついては、事前に可能な限り患者さんに説明し理解を頂いたうえで、手術や処置の施行には同意を頂くよう
努めております。