2016 年春の大セミナー C テーブル 総評 ジャッジ:武蔵大学 4 年

2016 年春の大セミナー C テーブル 総評
ジャッジ:武蔵大学 4 年 宮口恭輔
東洋大学 4 年
西山由佑子
テーブルメンバー:早野(明治2)
、平野(早稲田2)、上田(聖心3)、堀内(東女3)
、熊
谷(東北学院2)
、早瀬(東北2)
、山口(武蔵2)
、玉山(高経3)
こちらは 2016 年春の大セミナーにおいて 5thC テーブルとの位置付けでした。
まず初めに議論の流れ、次に順位、選定理由及び個人への課題を記します。
1.議論の流れ
文責 西山
オピニオンプレゼンターは、唯一候補した堀内に決定。トピックは体罰で、モデルオピ
ニオンシートだったため難なく議論が開始された。
ASQ は早野や平野を中心に、クエスチョンはテーブルメンバ-全体から活発に発せられ
た。特に堀内が答え人詰まった際に早野によるカンファメやゴール、エフェクト等の確認
によって理解されるという場面が何度かあった。玉山がコンパリソンに用いるためにコン
セ取りたいと主張するが、コンセの内容とコンパリソンのつながりが理解されず、少々停
滞する面もあったがそれでも約 1 時間ほどで NFC に進むことができた。
NFC では当初上田、早野、山口の 3 人がオブジェクションを持っていたが、上田が、イ
ンテンションを先に説明しどこで話すかを先に決めてしまおうという提案をしそれが採用
された。上田はマンデート追加、早瀬と山口は NFC のオブジェクションであった。まず初
めに早瀬のロジック検証が始まった。
早野のオブジェクションは大まかに説明すると教師の人数の減少により、教育の質が低
下してしまいそれは日本国民全体に対する不利益を引き起こすという内容であった。平野
のカンファメや Q により、今回のターゲットも日本国民の一部位であり、プランで救うこ
とは可能であるものの損失が大きすぎるという早瀬の懸念している内容が引き出された。
ここまで分かったところで、オピニオンプレゼンターの堀内による Q で、この懸念はプラ
ンを採択したことに起きると早野は答え、そのまま堀内によってコンパリソンで話そうと
いう S がなされた。しかし早野は DA.>AD となるから、と S には乗らなかった。そこで平
野によるタスクの確認や上田になぜコンパリソンでは話すことが不可能なのかという Q が
出された。ここで早野は DA アイデアを提示しようとするが、堀内がまずは AD を得ない
と DA の話しはできないと主張したところで早野は納得し、当初の S を受け入れコンパリ
ソンで話すこととなった。次に上田のロジックに移った。上田の主張は、体罰が学校によ
って隠蔽されている、そしてこのような教育委員会(BOE)だけでは取りこぼしてしまう
体罰の隠ぺいを防ぐために、BOE とは別に調査機関を設置するべきであるとのことだった。
この隠蔽の事実はエビデンスによって確認された。早野や平野のQにより主張の理解やエ
ビデンスはどこを証明しているのかが明確にされた。主張が理解されたところで、上田が
当初に話していた通りマンデートの追加が目的であるため、この後はマンデートで話そう
と堀内がSを出し、NFCにおいての話を終えた。最後は山口のオブジェクションである。
山口の主張は、体罰は教育の一種であるため、体罰を禁止することは生徒のモラルが失わ
れることにつながるという主張だった。まず平野が体罰は教育の唯一の方法か、他にもや
り方は存在するのかというQを出したところ、山口は他の方法も存在するものの体罰の効
果は強いため無くすべきではないと答えた。また、このQに続いて山口が主張したいのは
体罰は一種の教育であるということと、体罰は最も効果の高い教育の手段であるというこ
とが早野のQによって明らかになった。その後、山口がストリームチャートを用いて体罰
の禁止とモラルの喪失のつながりが説明された。このストリームチャートの後に、堀内の
Qによって、この喪失がプランを採択した後に起きること、平野により山口が話したいの
は生徒がモラルを失うことであることが分かった。そこで堀内が、生徒がモラルを失うこ
とを恐れているならば、それはDAであるからと説明し、コンパリソンで話すことになっ
た。
以上でNFCの議論が終わった。
PLANサイドでは、まずマンデートエリアで上田のマンデート追加の議論がなされた。
上田の主張は、先ほどNFCで話した通り体罰の隠ぺいが存在しており、この事態を防ぐ
ためにBOEとは別に調査機関を設置するべきだと主張した。早瀬や平野により設置の効
果や調査においてBOEより新たな調査機関が優れている理由が明らかにされ、最終的な
判断はオピニオンプレゼンターの堀内に委ねられ、堀内は上田のマンデートを追加した。
次に、ワーカビリティでは 2 つのオブジェクションがなされた。1 つ目は熊谷によるもの
である。BOEは私立学校の調査は出来ないため、ワーカビリティがないという主張だ。
平野が、先ほど新たに追加したマンデートによる調査機関があるのでは、というQがあっ
たものの、早瀬が調査機関と私立学校に関係がないため難しいのではないかという意見が
出て、調査機関では私立学校の調査が不可能であるとされた。ここで、熊谷によりスパイ
クプランが出された。内容は、調査するのをBOEではなく、Japanese
Court にすると
いうものだった。JC は BOE と違い、私立学校の調査も可能であると熊谷は主張したもの
の、早野は私立学校のシステムがよくわからないから、JC ならば調査可能であるか否かは
定かではないと主張した。すると、熊谷は TG のサムカットを新たなゴールにした。そうす
ると早野はワーカビリティのタスクを再確認し、サムカットせずに終わった。
平野オブジェクションでは、BOE は体罰が発覚してもそれを体罰を認めない。なぜなら
BOE は教師の人数が減ることを恐れているからだとの主張をエビデンスとともに行った。
そもそも平野は Mental Suffering がない状況とは、QT of MS が下がることなのか、QL of
MS
が下がることのどちらなのかという疑問があり、これは早野を中心にテーブルメンバー
によって解決された。そして、元の議論に戻ったところで、早野が、政府は少子化に伴っ
て教師の人数を減らしたがっているという情報をだした。しかし両者とも譲らず、終了時
刻になってしまったため、ワーカビリティで議論は終了した。
テーブル順位・選定理由 文責:宮口
3 位~8 位の選定についてはジャッジ間ですぐ合意に至ったが 1 位、2 位の点差が非常に
僅差であった。
1 位 堀内(東女 3)
オピニオンプレゼンターとして議論の土台を作ったこと、テーブルメンバーのアイデア
に積極的に介入しテーブルを進めたことを評価し1位に選定した。オプレとして自らが提
示したプロブレム‐ソルベンシーフォーマットのエリアタスクを良く理解しており、NFC
エリアにおいてそれを理由としたサジェスチョンを多くしていたことが大きな評価点であ
った。しかしながら、サジェスチョンがアーギュメンターの意図をくみ取れておらず、多
少の停滞を引き起こしたこと、ASQ エリアで出てきたクエスチョンに対して答えに詰まっ
てしまい他のメンバーの助けを借りて進行する場面があった故に絶対的な 1 位ではなかっ
た。ただ、テーブルを進めようとするのはとても良かったのでこれからもその姿勢を大切
にしてディスカッションをして欲しい。
2 位 早野(明治 2)
NFC エリアで Educational QL のアイデアを提示したこと、他のメンバーのアイデアに
対しクエスチョンやカンファメーションをしてオプレを積極的にサポートしていたことを
評価し 2 位とした。特に NFC で堀内のサジェスチョンに欠けていたアイデア検証の方法な
どを提示し、進行に大きな貢献を果たしたことは高く評価したい。しかし、サポートに留
まり自身はサジェスチョンをしていなかったこと、自らのアイデアで本当にやりたかった
シチュエーションコンパリソンができなかったことを加味し 2 位とした。最低でもそのど
ちらかができていたならば 1 位と 2 位は逆であったであろう。以上の 2 点、また、他人が
アイデアを説明している時に割って入ってしまうことが見られたことなどからディスカッ
サントとしてまだまだ発展途上にあると思うので、これからさらなるプレパをして大きく
飛躍することを期待している。
*NFC アイデアについて
上記のように早野が NFC エリアで提示した Educational QL のアイデアで最後にしたか
ったことはシチュエーションコンパリソンである。しかし堀内から提示された方法は DA
として話すことであった。このサジェスチョンで一旦早野は引いたが、DA として話すのが
本当に良かったのか疑問に思った。個人的にはコンパリエリアでシチュエーションコンパ
リソンをすれば良いのではないかと思っていた。シチュエーションコンパリソンとは AD、
DA の TG、QL、QT ではなく他の基準を使い ASQ、APA を比べる、というコンパリの亜
種であるため難度が高く、オピシ上でやった話があまり使われないためやるべきではない
と主張する人もいるが、今回の場合はコンテンツが Educational QL という Educational
Issues に直接答えを出しうるものであること、コンパリエリアでやればエリアタスク的に
問題が少ないこと、何より早野がしっかりと意見を詰めていて、アーギュに対する情熱が
あったことからこのような方法に挑戦しても良いのではないだろうか。
3 位 平野(早稲田 2)
ディスカッションの最初から重要なクエスチョン等でオピシ理解やテーブル進行に貢献
し、SOL(workability)で最後まであきらめずに自分の意見を主張していたことから 3 位と
した。2 位との差は介入の多寡である。介入は的を射たものばかりであるため、どこで介入
できるか考えてディスをすればもっと上手くなると思う。SOL でアーギュメントを展開し
たが、それが他のテーブルメンバーに浸透しきっていなかったため、少々の混乱を生み出
してしまった。アーギュを出すときは自分の意見の独特な部分、大切な部分を皆に伝えら
れるように頭の中を一旦整理してそれに適した説明をするようにしよう。でも自分の考え
ていることをテーブルに示したいというスタンスはこれからも大切にしてほしい。
4 位 上田(聖心 3)
いくつか大切なクエスチョンをしていたことに加え、NFC でアイデアを示し、流された
先の Mandate エリアにおいて Research Organization 設置の Spike Plan によって論点を
生み出したことによって 4 位とした。3 位との差は、自分のアイデアを出すことだけに終始
せず、他人のアイデアに介入できていたか否かである。他人のアイデアの中で分からない
ことを聞くことから話に介入することを勧める。
同点 5 位(順不同) 山口(武蔵 2)
NFC でアイデアを提示し、DA となり得る論点を作ったことが評価点である。しかし、
テーブルが AD 立論まで進まず DA を出すことができなかったためこの順位となった。介
入は多くなかったので、モデルオピシに対するクエスチョンをいくつか用意していき介入
の量を増やすことから始めたらどうだろうか。
同点 5 位
熊谷(東北学院 2)
SOL(workability)においてアイデアを提示し Some Cut をしたことが評価点である。ク
エスチョンは自分のアーギュをするためのものだけではなく、オピシ理解のためのものも
してもっと介入してほしいと思う。
同点 5 位
早瀬(東北 2)
何回かクエスチョンをしていたことが評価点である。クエスチョンは他のディスカッサ
ントには無い視点からなされたものもあっただけに、意見を出していなかったことは残念
であった。次のテーブルはアイデアを出せるようにしてほしい。
8 位 玉山(高経 3)
ASQ で自らのコンパリソンアイデアに繋がるコンセンサスを取ったがアイデアを出すこ
とが出来なかったためこの順位とした。今回のようなテーブルに於いては自分がコンパリ
でしか出せないアイデアを持っており、やや時間をかけてコンセンサスを取ったという事
実をもっと強く主張してもよかったのではないだろうか。