イギリスの友人から、アンマーグレットに関する記事が送られてきましたので 翻訳をお送りします。 道家 *** (1966 年、ベトナムで慰問ショーをするアン・マーグレットの写真が載ってます) 私の夫は、銃撃を受けた事以外、余り戦争時代の話をしませんが、ボブ・ホープと一 緒に米兵慰問ショーをした時のアン・マーグレットの粒子の粗い写真を宝物の様に持 っています。 数年前、この町の書店で、アン・マーグレットが本のサイン会を開きました。夫は、宝 物の写真にサインを貰おうと、7時半開始のところを12時に店に着きました。 私が仕事後に店に行った時には、列は駐車場を回って、最後部は見えない位長くな っていました。アンが現れる前に、店の係員が、本だけにサインをする。他の物にはし ない、と発表しました。 夫はがっかりしましたが、彼女に写真を見せて、祖国を遠く離れて寂しい思いをしてい た兵士にとって、あのショーがどんなに慰めになったかだけでも伝えようと思いました。 今も美しいアン・マーグレットが現れました。もう直ぐ、夫の順番でした。 彼はサイン用の本を出し、その後で写真を出すと、それにはサインしない、という怒鳴 り声が聞こえました。夫は、「解ってます。只、彼女に見せたいのです」と言いました。 アンはそれを見た途端、彼女の目には涙があふれ出て、言いました。「こちらの紳士 は、私のベトナムショーの観客の 1 人でした。そして、勿論、これにサインをしますとも。 私には、この方々が祖国の為に何をしたか解ってます。“私の紳士”に捧げる時間は、 私にはいつでもあります」。 彼女は、夫を彼女の傍に引き寄せて、キスをしました。そして、当時、彼女が会った勇 敢な若い兵士達を如何に尊敬しているか、感謝しているか、ひとしきり話をしました。 傍に居た人たちも涙目でした。彼女は彼と写真を撮り、まるで、客は夫一人の様でし た。 その夜から、夫は大きく変わりました。背筋を少し伸ばして歩くようになり、ベトナム帰 還兵だったことを初めて誇りに思うようになりました。私は、アン・マーグレットの礼儀 正しさと、彼女の小さな親切な行為が、夫にとってどんなに大きな意味があったかを 決して忘れません。その後の夕食時に、夫はとても静かでした。何か話したいかと尋 ねると、大きくて強い私の夫が、突然泣き出したのです。そして言いました。「僕の兵 役時代のことを感謝してくれた人は、あの人が初めてだった」と。 私は今、兵役に服したことのある人に会ったら、有難う、と言うようにしています。自由 は簡単に得られるものではありません。国の為に戦った人は全員有難いものです。
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